説明

画像圧縮装置および画像送受信装置

【課題】マルチスペクトル画像、あるいは装置や照明に依存しない色空間の画像、あるいは多原色画像を高精度に圧縮、再生する画像圧縮装置を提供する。
【解決手段】入力された各画像信号を予め統計処理によって算出した基底関数を使って基底表現値に変換し基底表現値を画素値とする画像を作成する基底表現画像作成手段と、基底関数に付随するパラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、前記基底表現画像のうち上位Z個の基底による基底表現画像とそのパラメータをまとめて1つのタグを付与し、上位Z以下の基底による基底表現画像とそのパラメータは異なるタグを付与して、別々に圧縮する分割圧縮手段とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチスペクトル画像、あるいは装置や照明に依存しない色空間の画像、あるいは多原色画像を高精度に圧縮、再生する画像圧縮装置および画像再現装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、多次元の画像を入力する画像入力装置として、マルチスペクトルカメラあるいはハイパースペクトルカメラと呼ばれるカメラが研究開発されつつある。例えば、特開平11−85952号公報記載の色再現装置では、その構成図を図25に示す。複数枚のバンドパスフィルタで構成されるターレット2504をモータ2503で回転させながら撮像素子例えばCCD2505に画像を撮影する面順次のマルチスペクトルカメラ2502を用いて、マルチスペクトル画像を撮影している。マルチスペクトルカメラ2502で撮影されたマルチスペクトル画像は、装置に依存しない色空間変換手段2507でマルチスペクトルカメラ2505の入力プロファイル2506を参照しながら装置に依存しない色空間画像(例えば、XYZ画像)に変換する。変換された色空間画像は、更に出力値変換手段2509で出力プロファイル2508を参照して画像出力装置2510の特性にあわせたデバイス値に変換し、得られた出力画像を出力(表示、印刷)する。
【0003】
次に、装置に依存しない色空間について説明する。カラー画像を処理する装置には、スキャナ、デジタルカメラ、プリンタ、ディスプレイ等さまざまなものがあるが、これら装置間で画像データを交換する手法の一つに、入力装置から入力されたカラー画像データを、一度装置に依存しない独立な色空間に変換してから、出力装置に出力するカラー画像データに変換するものがある。このように、画像入力装置の信号と装置に依存しない色空間との変換を確立しておけば、あらゆる画像出力装置にデータを渡すことができるため、入力装置と出力装置の組み合わせの数だけ色変換処理を決める必要がない。
【0004】
また、画像入力装置から入力されたカラー画像データを装置だけでなく照明にも依存しない独立な色空間に変換しておけば、画像入力時の照明と異なる照明下の画像を出力装置から出力することもできる。
【0005】
装置に依存しない独立な色空間としては、国際標準機関CIEが規定するXYZ三刺激値や、L*a*b*表色系、L*u*v*表色系、あるいはCAM97sなどのカラーアピアランスモデルを用いることが一般的であるが、カラーアピアランスモデルの属性値はXYZ三刺激値から算出されるため、画像入出力装置の信号からXYZ三刺激値を推定することができれば上記色変換が可能になる。
【0006】
また、装置および照明に依存しない色空間としては、物体の分光反射率を用いることが一般的である。分光反射率に所望の照明をかけ積分すれば、XYZ三刺激値を算出することができる。
【0007】
また、このような色再現装置で、画像入力装置と画像出力装置が遠隔地にある場合には、伝送する画像として図26(a)から図26(c)に示す3種類が考えられる。図26(a)は、入力画像を送信して遠隔地で以降の処理を行う場合であり、画像入力装置がマルチスペクトルカメラならばマルチスペクトル画像を送信する。マルチスペクトルカメラ2501で撮像したマルチスペクトル画像はネットワーク2502を介して伝送され、受信したマルチスペクトル画像は装置に依存しない色空間変換手段2503で色空間画像(例えば、XYZ画像)に変換する。さらに、変換された色空間画像は、出力値変換手段2504で出力プロファイルを参照して画像出力装置2505の特性にあわせたデバイス値に変換し、画像出力装置2505に出力画像を出力するものである。
【0008】
図26(b)は装置に依存しない色空間、あるいは、装置および照明に依存しない色空間画像に変換してから送信して、遠隔地で以降の処理を行う場合であり、分光反射率画像やXYZ三刺激値の画像、あるいは、XYZ三刺激値に線形な色空間の画像を送信する。図26(c)は出力画像までを送信側で作成し、遠隔地で表示するだけの場合であり、出力装置が多原色表示機器であった場合には多原色画像を送信する。
【0009】
しかし、いずれの場合にも、従来のRGB画像と比較してデータ量が膨大となる。例えば、可視域の400nmから700nmを10nmおきにサンプリングした31次元の分光反射率情報を512x480の画像とした場合、7MB以上となってしまう。そのため、蓄積容量の増加や伝送速度が高速になった現在でも、できる限り圧縮することが望まれている。
【0010】
マルチスペクトル画像を圧縮する従来の方法には、例えば文献ディスプレイ アンド イメージング2000,Vol.8,pp.301-307記載の「主成分分析を用いたマルチバンド画像の圧縮法の検討」がある。
【0011】
上記文献では、(1)マルチスペクトル画像を主成分分析して高次の項を削除する方法、(2)マルチスペクトル画像を矩形のブロックに分割し、ブロック毎に離散コサイン変換する方法、(3)マルチスペクトル画像を主成分分析した後、矩形のブロックに分割し、ブロック毎に離散コサイン変換する方法、(4)マルチスペクトル画像を矩形のブロックに分割した後、ブロック毎に主成分分析と離散コサイン変換を行う方法の4つの圧縮方法が開示されている。
【特許文献1】特開平11−85952号公報
【非特許文献1】「主成分分析を用いたマルチバンド画像の圧縮法の検討」,ディスプレイ アンド イメージング2000,Vol.8,pp.301-307
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記従来の特開平11−85952号公報記載の色再現装置では、画像は未圧縮のまま送信されており、好ましくない。また、上記文献ディスプレイ アンド イメージング2000記載の画像圧縮方法では、マルチスペクトル画像全体あるいは矩形に分割したブロック毎に主成分分析を行っているが、ブロックのサイズが小さければブロック内が類似した色で構成される可能性が高いため、圧縮伸張後の再現精度は高い。しかし、ブロック数分だけ主成分分析を行う計算量が多いこと、および、ブロック数分の基底関数を送信しなければならないことから圧縮率が低くなってしまう。逆に、ブロックのサイズを大きくすると、ブロック内が類似した色で構成される可能性が低くなるため、圧縮伸張後の再現精度は低下してしまう。
【0013】
このように、マルチスペクトル画像や多原色画像や装置あるいは装置および照明に依存しない色空間表現の画像を圧縮、再現する方法は未だ解決されない課題となっている。
【0014】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、マルチスペクトル画像や多原色画像や装置あるいは装置および照明に依存しない色空間表現の画像を圧縮、再現する画像圧縮装置および画像再現装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、画像信号を複数のクラスタに分類するためのパラメータを記憶するクラスタ記憶手段と、画像入力装置から入力された各画像信号が前記クラスタ記憶手段に記憶されているクラスタのいずれに属すかを決定するクラスタ決定手段と、前記クラスタ別に異なる画像圧縮処理を行うクラスタ別画像圧縮手段を具備することを特徴とする画像圧縮装置およびクラスタ別に異なる再現処理を行うクラスタ別画像再現手段を具備することを特徴とする画像再現装置としたものであり、このようにすることで圧縮率が高く、なおかつ再現精度の高い圧縮と再現を実現することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、マルチスペクトル画像、あるいは装置や照明に依存しない色空間の画像、あるいは多原色画像を高精度に圧縮、再生する画像圧縮装置および画像再生装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施形態は、入力された各画像信号を予め統計処理によって算出した基底関数を使って基底表現値に変換し基底表現値を画素値とする画像を作成する基底表現画像作成手段と、基底関数に付随するパラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、前記基底表現画像のうち上位Z個の基底による基底表現画像とそのパラメータをまとめて1つのタグを付与し、上位Z以下の基底による基底表現画像とそのパラメータは異なるタグを付与して、別々に圧縮する分割圧縮手段とを具備することを特徴とする画像圧縮装置としたものであり、送信する上で効率よい圧縮画像を実現することができるという作用を有する。
【0018】
好ましくは、1つのタグとしてまとめる基底の数Zは、圧縮された画像のデータ量の応じて変化することを特徴とするものであり、送信する上で効率よい圧縮画像を実現することができるという作用を有する。
【0019】
更に好ましくは、1つのタグとしてまとめる基底の数Zは、圧縮された画像のデータ量が予定するデータ量よりも大きい場合減少し、圧縮された画像のデータ量が予定するデータ量よりも小さい場合増加することにより、予定するデータ量で画像圧縮されるものであり、送信する上で効率よい圧縮画像を実現することができるという作用を有する。
【0020】
本発明の実施形態は、画像を圧縮して送信する画像送信装置と、圧縮画像を受信して出力画像に変換する画像受信装置と、前記出力画像を出力する画像出力装置と、前記画像送信装置と前記画像受信装置とを接続する伝送網とからなる画像送受信装置であり、前記画像送信装置は、入力された各画像信号を予め算出されたあるいは入力された基底関数によって基底表現値に変換して圧縮する画像圧縮装置と、前記受信装置からの画像請求信号に応じて、前記圧縮された基底表現値の中から送信すべき次元数を選択して送信する分割送信部とを具備し、前記画像受信装置は、ユーザによる画像のダウンロード指示と表示すべき画像出力装置の性能やユーザによる受信したい情報の選択指示信号を画像請求信号として前記画像送信装置に対して要求する画像請求信号発信部と、前記画像送信装置から送信された圧縮画像を伸長する受信再現部と、前記伸長信号から出力画像を生成する出力画像変換部とを具備することを特徴とする画像送受信装置としたものであり、圧縮画像の効率良い送受信を実現することができるという作用を有する。
【0021】
本発明の他の実施形態は、画像信号を複数のクラスタに分類するためのパラメータを記憶するクラスタ記憶手段と、画像入力装置から入力された各画像信号が前記クラスタ記憶手段に記憶されているクラスタのいずれに属すかを決定するクラスタ決定手段と、前記クラスタ別に異なる画像圧縮処理を行うクラスタ別画像圧縮手段とを具備したものであり、圧縮率が高く、なおかつ再現精度の高い画像圧縮を実現することができるという作用を有する。
【0022】
本発明の他の実施形態は、入力画像の画像信号を複数のクラスタに分類するためのパラメータを記憶するクラスタ記憶手段と、前記入力された各画像信号が前記パラメータを用いてクラスタのいずれに属すかを決定するクラスタ決定手段と、各画像信号を前記クラスタ別に異なる画像圧縮処理を行うクラスタ別画像圧縮手段とを具備したものであり、圧縮率が高く、なおかつ再現精度の高い画像圧縮を実現することができるという作用を有する。
【0023】
好ましくは、前記クラスタ別画像圧縮手段は、入力画像の各画像信号をクラスタ別に予め統計処理によって算出した基底関数を使って低次の基底係数に変換することで画像圧縮を行うことを特徴とする画像圧縮装置としたものであり、圧縮率が高く、なおかつ再現精度の高い画像圧縮を実現することができるという作用を有する。
【0024】
好ましくは、前記クラスタは、同一の基底群で表現できる信号の集合であることを特徴とする画像圧縮装置としたものであり、圧縮率が高く、なおかつ再現精度の高い画像圧縮を実現することができるという作用を有する。
【0025】
好ましくは、前記クラスタは、類似した色あるいは分光反射率を持つ物体から得られる画像信号の集合であることを特徴とする画像圧縮装置としたものであり、圧縮率が高く、なおかつ再現精度の高い画像圧縮を実現することができるという作用を有する。
【0026】
好ましくは、前記クラスタは、ユーザが指定することを特徴とする画像圧縮装置としたものであり、圧縮率が高く、なおかつ再現精度の高い画像圧縮を実現することができるという作用を有する。
【0027】
本発明の他の実施形態は、入力画像の各画像信号を複数のクラスタに分類するためのパラメータを記憶するクラスタ記憶手段と、各クラスタ毎に予め統計処理によって算出した基底関数を算出するクラスタ毎基底決定手段と、前記入力された各画像信号が前記パラメータを用いてクラスタのいずれに属すかを決定するクラスタ判定手段と、前記クラスタ判定手段によって判定されたクラスタ値を画素とする画像を作成するクラスタ画像作成手段と、前記入力された各画像信号を前記クラスタ判定手段における判定結果に応じた基底関数を用いて基底係数に変換して基底表現画像を作成する基底表現画像作成手段と、前記クラスタ画像を圧縮するクラスタ画像圧縮手段と、前記基底関数を圧縮する基底関数圧縮手段と、前記基底表現画像を圧縮する基底表現画像圧縮手段とを具備することを特徴とする記載の画像圧縮装置としたものであり、圧縮率が高く、なおかつ再現精度の高い画像圧縮を実現することができるという作用を有する。
【0028】
好ましくは、前記基底表現画像圧縮手段は、前記基底表現画像を非線形量子化してから圧縮することを特徴とする画像圧縮装置としたものであり、圧縮率が高く、なおかつ再現精度の高い画像圧縮を実現することができるという作用を有する。
【0029】
好ましくは、前記基底表現画像圧縮手段の圧縮は、前記基底表現画像の画素値をベクトル量子化することを特徴とする画像圧縮装置としたものであり、圧縮率が高く、なおかつ再現精度の高い画像圧縮を実現することができるという作用を有する。
【0030】
好ましくは、クラスタ毎基底決定手段において求められる基底関数は、正規化関数と正規化信号用基底関数とからなることを特徴とする画像圧縮装置としたものであり、圧縮率が高く、なおかつ再現精度の高い画像圧縮を実現することができるという作用を有する。
【0031】
更に好ましくは、前記基底関数は、正規化関数のみが異なり、正規化信号用基底関数は全クラスタで同一とすることを特徴とするものであり、圧縮率が高く、なおかつ再現精度の高い画像圧縮を実現することができるという作用を有する。
【0032】
更に好ましくは、入力画像が複数のフレームから成る動画である場合に、クラスタ別の画像圧縮処理を行うためのパラメータは予め指定したフレーム数毎に更新する圧縮パラメータ更新手段を具備することを特徴とする請求項10記載の画像圧縮装置としたものであり、圧縮率が高く、なおかつ再現精度の高い動画像圧縮を実現することができるという作用を有する。
【0033】
更に好ましくは、入力画像が複数のフレームから成る動画である場合に、クラスタ別の画像圧縮処理を行うためのパラメータは、動画からシーンチェンジ部を検出し、各シーン毎に更新するシーン毎圧縮パラメータ更新手段を具備することを特徴とするものであり、圧縮率が高く、なおかつ再現精度の高い動画像圧縮を実現することができるという作用を有する。
【0034】
本発明の他の実施形態は、入力された画像信号を複数のクラスタに分類するためのパラメータを記憶するクラスタ記憶手段と、入力された各クラスタ毎の基底関数を記憶するクラスタ毎基底記憶手段と、各画像圧縮信号が前記クラスタ記憶手段に記憶されているクラスタのいずれに属すかを判定するクラスタ判定手段と、前記クラスタ別に異なる画像復元処理で元画像を再現するクラスタ別画像再現手段を具備することを特徴とする画像再現装置としたものであり、精度の高い画像再現を実現することができるという作用を有する。
【0035】
好ましくは、前記クラスタ別画像再現手段は、クラスタ別に異なる基底関数を使って画像を再現するものであることを特徴とするものであり、精度の高い画像再現を実現することができるという作用を有する。
【0036】
好ましくは、各画像信号が属するクラスタ番号を画素値としたクラスタ画像と、各クラスタ毎の基底関数と、基底関数で表現した基底表現画像から元画像を再現することを特徴とするものであり、精度の高い画像再現を実現することができるという作用を有する。
【0037】
好ましくは、前記基底関数は、正規化関数と正規化信号用基底関数とからなることを特徴とするものであり、精度の高い画像再現を実現することができるという作用を有する。
【0038】
更に好ましくは、前記基底関数は、正規化関数のみが異なり、正規化信号用基底関数は全クラスタで同一とすることを特徴とするものであり、高圧縮の画像から精度の高い画像再現を実現することができるという作用を有する。
【0039】
好ましくは、入力画像が複数のフレームから成る動画である場合に、クラスタ別の画像圧縮処理を行うためのパラメータは予め指定したフレーム数毎に更新する圧縮パラメータ更新手段を具備することを特徴とするものであり、高圧縮の動画像から精度の高い画像再現を実現することができるという作用を有する。
【0040】
好ましくは、入力画像が複数のフレームから成る動画である場合に、クラスタ別の画像圧縮処理を行うためのパラメータは、動画からシーンチェンジ部を検出し、各シーン毎に更新するシーン毎圧縮パラメータ更新手段を具備することを特徴とするものであり、高圧縮の動画像から精度の高い画像再現を実現することができるという作用を有する。
【0041】
本発明の他の実施形態は、入力画像の各画像信号を複数のクラスタに分類するためのパラメータからどのクラスタに属するかを決定し、前記入力画像の各画像信号が属するクラスタ番号を画素値としたクラスタ画像と、各クラスタ毎に統計処理で算出した基底関数と、前記入力画像を前記基底関数で表現した基底表現画像とに圧縮することを特徴とする画像圧縮方法としたものであり、圧縮率が高く、なおかつ再現精度の高い画像圧縮を実現することができるという作用を有する。
【0042】
本発明の他の実施形態は、画像信号を複数のクラスタに分類するためのパラメータと、入力された各クラスタ毎の基底関数を(予め)記憶し、入力された各画像圧縮信号が前記記憶されたパラメータからクラスタのいずれに属すかを判定し、前記判定されたクラスタ別に異なる画像復元処理で元画像を再現することを特徴とする画像再現方法としたものであり、精度の高い画像再現を実現することができるという作用を有する。
【0043】
本発明の他の実施形態は、コンピュータに、入力画像の画像信号を複数のクラスタに分類するためのパラメータを記憶するクラスタ記憶手段と、前記入力された各画像信号が前記パラメータを用いてクラスタのいずれに属すかを決定するクラスタ決定手段と、前記クラスタ別に各画像信号を異なる画像圧縮処理を行うクラスタ別画像圧縮手段を機能させるための画像圧縮プログラムとしたものであり、圧縮率が高く、なおかつ再現精度の高い画像圧縮を実現することができるという作用を有する。
【0044】
本発明の他の実施形態は、コンピュータに、入力された画像信号を複数のクラスタに分類するためのパラメータを記憶するクラスタ記憶手段と、入力された各クラスタ毎の基底関数を記憶するクラスタ毎基底記憶手段と、各画像圧縮信号が前記クラスタ記憶手段に記憶されているクラスタのいずれに属すかを判定するクラスタ判定手段と、前記クラスタ別に異なる画像復元処理で元画像を再現するクラスタ別画像再現手段を機能させるための画像再現プログラムとしたものであり、精度の高い画像再現を実現することができるという作用を有する。
【0045】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0046】
本発明における圧縮対象画像は、マルチスペクトルカメラから入力されるマルチスペクトル画像、あるいは装置あるいは装置および照明に依存しない色空間表現の画像、あるいは多原色表示可能な画像出力装置用の画像である多原色画像のいずれかである。装置あるいは装置および照明に依存しない色空間表現の画像とは、例えば、XYZ画像、分光反射率画像や、各種色の見えモデル空間の画像、あるいはXYZに線形な色空間の画像を意味する。RGB画像も同一の方法で圧縮が可能であるが、本発明の効果がより大きいのは、3次元よりも多次元(多バンド)の画像である。
【0047】
本実施の形態では、圧縮対象画像の例として分光反射率画像を圧縮する場合を取り上げる。すなわち、図26における(b)の場合を説明する。
【0048】
分光反射率画像を入力する装置としては、極めて多バンドなハイパースペクトルカメラがある。あるいは、RGB3バンドのカメラや、15次元程度のマルチスペクトルカメラで画像を撮影し、そのカメラのデバイス値から分光反射率画像を推定して得る方法である。
【0049】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる画像圧縮装置のブロック図である。
【0050】
図1において、104は色票画像102からクラスタを決定する前処理と、圧縮対象画像101を圧縮する圧縮処理の双方を行う画像圧縮装置である。101は圧縮対象画像であり、例として分光反射率画像を取り上げる。分光反射率画像は、可視の380nmから780nmを10nmおきに離散化すれば、1画素あたり、31次元のデータとなる。102はクラスタを決定する際に用いる色票の分光反射率画像である色票画像、103はクラスタを決定する際に用いる色票画像102と、圧縮の対象である圧縮対象画像101を記憶する画像記憶部である。
【0051】
105は色票画像102から圧縮対象画像101の各画素を分類するクラスタの数と範囲を決定するクラスタ決定部、106はクラスタ決定部105で決定されたクラスタの数や範囲といったクラスタパラメータ、107はクラスタパラメータ106を記憶するクラスタ記憶部、108は各クラスタ毎に用いる基底を算出するクラスタ毎基底決定部、109はクラスタ毎の基底関数、110はクラスタ毎の基底関数を記憶するクラスタ毎基底記憶部、111はクラスタ毎の基底を圧縮する基底圧縮部、112は圧縮された圧縮基底である。
【0052】
次に、113は実際の圧縮処理において、圧縮対象画像101の各画素が属するクラスタを判定するクラスタ判定部、114は判定されたクラスタ番号を画素値とするクラスタ画像、115はクラスタ画像114を圧縮するクラスタ画像圧縮部、116は圧縮された圧縮クラスタ画像である。
【0053】
117は圧縮対象画像101の各画素値をクラスタ画像114の対応する画素値の示すクラスタの基底で表現したベクトル値に変換する基底表現部、118は圧縮対象画像101を基底表現した基底表現画像、119は基底表現画像118を上位3位までの基底表現ベクトルをまとめて圧縮し、また4位以下の基底表現ベクトルはそれぞれ個別に圧縮する分割圧縮部、120は分割圧縮部119によって圧縮された基底表現画像である。
【0054】
図1の画像圧縮装置104の動作を説明する。動作は、色票画像102からクラスタを設定する前処理と、実際に圧縮対象画像101を圧縮する圧縮処理の2処理に分けられる。まず、前処理から説明する。
【0055】
前処理においては、まず、図2に示すように、色票の例1(203)として圧縮対象となる画像対象画像101において特に高精度に再現したい色や、圧縮対象画像101において頻繁にある多数の色を、色票画像102として入力する。あるいは、高精度に再現したい色の例としては、圧縮対象画像101が医療診断を行うための皮膚の画像である場合には、色票の例2(202)の色票として皮膚の色を入力すればよい。色票の例1または色票の例2を画像入力装置201撮像し、色票画像102として出力し、画像圧縮装置104の画像記憶部103に記憶される。
【0056】
画像記憶部103に記憶された色票画像102は、クラスタ決定部105に渡され、クラスタ決定部105では色票の色から同一の基底群で表現できる信号を1つのクラスタとして、複数のクラスタを決定する。クラスタ決定部105で決定されたクラスタは、クラスタパラメータ106としてクラスタ記憶部107に記憶される。また、クラスタ毎基底決定部108に渡され、クラスタ毎に基底関数109を決定し出力する。決定されたクラスタ毎の基底関数109はクラスタ毎基底記憶部110に記憶される。
【0057】
以上の前処理は、画像入力装置が変わった場合や被写体の照明や環境が変更された場合、あるいは被写体の種類が変更された場合などに行うことが望ましい。
【0058】
次に、圧縮対象画像101を圧縮する動作を説明する。
【0059】
圧縮対象画像101を画像圧縮装置104に入力し、画像記憶部103に記憶する。クラスタ判定部113は、圧縮対象画像101の各画素が所属するクラスタをクラスタ記憶部107に記憶されたクラスタパラメータ106を用いて判定し、クラスタ番号を画素値として新たな画像であるクラスタ画像114を生成する。得られたクラスタ画像114はクラスタ画像圧縮部115で圧縮され、圧縮クラスタ画像116として出力される。
【0060】
次に、クラスタ判定部113の出力であるクラスタ画像114と圧縮対象画像101は、基底表現部117に送られる。基底表現部117で、圧縮対象画像101の各画素の属するクラスタをクラスタ画像114から読み出し、所属するクラスタの基底関数109をクラスタ毎基底記憶部110から呼び、圧縮対象画像101の各画素を基底表現値に変換する。このようにして基底表現画像118が得られる。
【0061】
基底表現部117で得られた基底表現画像118は、分割圧縮部119に渡され、分割圧縮部119において、予め定めた上位Z個までの基底表現値はまとめて圧縮し、Z以下の基底表現値はそれぞれ個別に圧縮するように圧縮処理する。
【0062】
このようにして、圧縮基底表現画像120が得られる。
【0063】
以上の圧縮処理により、図3に示すように、圧縮対象画像101は、クラスタ画像114と基底表現画像118と基底関数109の3つのコンポーネントをそれぞれ圧縮して、圧縮クラスタ画像116、圧縮基底表現画像120、圧縮基底112が得られる。得られた各圧縮画像は、圧縮画像蓄積部121に蓄積される。
【0064】
本実施の形態では、クラスタ画像114と基底表現画像118と基底関数109の3つのコンポーネントをそれぞれ圧縮して、圧縮クラスタ画像116、圧縮基底表現画像120、圧縮基底112としたが、これらクラスタ画像圧縮部115、分割圧縮部119、基底圧縮部111の処理は行わず、クラスタ画像114と基底表現画像118と基底関数109をそのまま送信してもかまわない。
【0065】
また、本実施の形態おける圧縮対象画像101は、時間的位置又は空間的位置が異なる複数の画素又は領域画像の集合であってもかまわない。
【0066】
逆に、時間的位置又は空間的位置が異なる複数の画素、あるいは画像集合内の1つの画素、あるいは領域画像をそれぞれ圧縮対象画像101とし、圧縮対象画像毎に圧縮処理を完結し、集合内の1つの画素又は領域画像全てを順次に圧縮処理してもかまわない。
【0067】
上記のように構成された画像圧縮装置104の動作について、各処理部毎に詳細に説明する。
【0068】
本発明の特徴となるクラスタを決定するための前処理を担うクラスタ決定部105、クラスタ毎基底決定部108の動作の詳細について説明する。
【0069】
クラスタ決定部105は、同一の基底群で表現可能な色の範囲を決定するものであり、色票画像102を用いて算出する方法や、ユーザが指定する方法がある。
【0070】
まず、色票画像102からクラスタを算出する方法について説明する。色票画像102は圧縮対象画像101の主な構成色から形成しておく。
【0071】
圧縮対象画像101は、予め統計処理によって算出された基底関数によって、新しい基底表現値に変換される。基底関数を求める統計処理にはいくつかの方法があり、最も一般的な方法に主成分分析がある。主成分分析は、データの分散共分散行列あるいは相関行列の固有ベクトルを主成分軸すなわち基底とする手法である。すなわち、j番目のクラスタで主成分分析を行うには、(数1)に示すように色票画像102のnum個の色の分光反射率データを各列ベクトルとした行列Xjの分散共分散行列Ccov jあるいは相関行列Crel jを求め、その固有ベクトルを算出する。(数1)の行列Mjはnum個のデータの平均ベクトルμを列ベクトルとしてnum個並べたものである。これらの固有ベクトルpj1,…,pj31が基底となる。このとき、固有値λj iの値が最も大きい固有ベクトルが第1主成分となり、以下固有値が小さくなるに従って寄与率が低くなる。
【0072】
【数1】

【0073】
主成分分析での基底は、データとして与えた点群との距離の和が最小になるように選択される。
【0074】
主成分分析で選択された基底によって表現が困難なデータ(アブノーマルデータ)は、マハラノビス距離で判定できることが知られている。マハラノビス距離を(数2)に示す。
【0075】
【数2】

【0076】
また、データがm次の正規分布に従うとき、マハラノビス距離は、自由度mのカイ二乗分布に従う。
【0077】
そこで、データが正規分布であることを仮定して、各データのマハラノビス距離を求め、マハラノビス距離がカイ二乗分布によって示される閾値Χ2より大きいデータはアブノーマルデータであるとして除去していくことにより、同一の基底によって表現可能なデータ群すなわちクラスタを決定することができる。
【0078】
具体的な手順について図4を用いて説明する。図4はクラスタ決定(算出)の手順の説明図である。
【0079】
まず、手順401ですべての色票画像102を用いて主成分分析を行い、手順402で、色票画像102の各色のマハラノビス距離を求める。色票画像102に撮影されている各色を、以後、色票カラーと呼ぶことにする。
【0080】
手順403で、カイ二乗分布において例えば信頼区間90パーセントを示す値を閾値Χ2とし、マハラノビス距離が閾値よりも小さい色票カラーはクラスタ1と決定される。
【0081】
手順404で、手順403で求めたマハラノビス距離の大きい色票カラーのうち、色が類似しているものをグループ化し、グループ化された色票カラーをそれぞれ異なるクラスタと決定し、クラスタ2以降と名づける。
【0082】
手順405で、2以降のクラスタで、そのクラスタの示すクラスタ範囲を算出する。例えば、クラスタに属する色の平均色をとり、平均色から例えば変数radiusで指定した範囲をそのクラスタの示すクラスタ範囲とする。変数radiusとして例えば0.1(データは分光反射率なので0から1をとる)の値を用いれば、平均色から半径0.1の範囲がそのクラスタの示すクラスタ範囲となる。
【0083】
手順406では、以上で求められた、クラスタとクラスタの示すクラスタ範囲をクラスタパラメータ106としてクラスタ記憶部107に記憶しておく。
【0084】
クラスタの示すクラスタ範囲の概念図を図5に示す。本実施の形態では画像の空間は分光反射率空間の31次元であるが、図5においては説明を簡単にするために、バンド1からバンド3の3次元空間の場合を図示した。図5において、501は手順405で求めたクラスタ2のクラスタ範囲、502はクラスタ3のクラスタ範囲である。
【0085】
以上のように、主成分分析したときのアブノーマルな色票カラーを取り除くことで、残った色票の分布は正規分布に近づいて行く。正規分布により近い色票カラーを母集団として主成分分析を行えば、主成分基底による表現精度が向上する。
【0086】
また、クラスタ決定方法のもう1つの方法としてユーザが指定する方法について説明する。例えば、人間の肌が多い入力画像を対象とする場合は、色票カラーに肌色を多く用い、そして肌色に近い色を1つのクラスタとして決定すればよい。図6はクラスタをユーザが指示する場合の説明図である。ディスプレイ601には、色票の画像603が表示されている。この各色票カラーを分割してクラスタに割り振る。このときユーザが指定するのは、クラスタ2以降の色票カラーである。例えば、クラスタ2には、肌色近辺の色票カラー604を割り振り、クラスタ3には、木々の緑色近辺の色票カラー605を割り振る。クラスタ1は、クラスタ2、3で指定された色票カラーの残りが自動的に登録される。
【0087】
更に、クラスタ決定方法のまた別の方法として、データ同士のユークリッド距離が近いものを1つのクラスタとして設定することもできる。ニアレストネイバー法や、Kミーン法と呼ばれるクラスタ分類手法であり、図7にその例となる手順を示す。
【0088】
手順701で最初の色票カラーc1を入力する。手順702で、次の色票カラーc2と最初の色票カラーc1のユークリッド距離を算出する。手順703で、ユークリッド距離が閾値よりも小さければ同一のクラスタと判定し、大きければ異なるクラスタに分類する。手順704で、クラスタの代表値を設定する。このとき、クラスタに複数の色票カラーが分類されているならば、それらの平均値を代表値とし、1つの色票カラーのみしかない場合は、そのデータをそのまま代表値とする。手順705で、新しい色票カラーc3を入力し、代表値との距離が最も小さく、かつ、閾値よりも小さいクラスタに分類する。閾値よりも大きい場合は、新たなクラスタとする。これら手順704,705をすべての色票カラーcnについて繰り返し、最後に手順706でクラスタに属す色票番号とクラスタ範囲を出力する。
【0089】
あるいは、クラスタ決定方法のまた別の方法として、赤、青、緑などの色毎をクラスタとしたり、色空間内を幾何学的に分割する方法もある。あるいは、比較的バンド数の少ない画像入力装置で撮影した画像から分光反射率画像を推定する際に、推定が容易なクラスタあるいは色集合に分割して推定を行う方法があるが、このとき用いたクラスタあるいは色集合を本実施の形態におけるクラスタとして用いてもよい。
【0090】
以上で、クラスタを決定する方法の説明を終える。
【0091】
次に、クラスタ毎基底決定部108の詳細な動作について説明する。
【0092】
クラスタ毎の基底関数109は、クラスタ記憶部107に記憶されたクラスタパラメータ106からの各クラスタに属する色票カラーを主成分分析することで求める。主成分分析には、分散共分散行列を用いてもよいし、あるいは、相関行列を用いても良い。相関行列の場合には、基底関数以外に平均ベクトルや標準偏差ベクトルなど正規化に用いた関数も、基底関数109として記憶することになり、データ量は多くなるが表現精度は更に高くなる。
【0093】
なお、クラスタの要素数が少ない場合には、クラスタに属する色票カラーを重み付けし、クラスタ外の色票カラーも使用して主成分分析して求めても良い。その具体的な方法手順を図8に示す。例としてクラスタ2の場合をとって説明する。
【0094】
手順801でクラスタ2内の色票カラーに与える重みWを設定し、クラスタ2内の色票カラーはクラスタ2外の色票カラーよりも大きく重み付けして主成分分析を行う。このとき用いるクラスタ2外の色票カラーはクラスタ1に属する色票カラーとする。重み付け主成分分析とは、(数1)の行列において重み数W個を重複させ、データを並べることを意味する。この説明図を図9に示す。このように、(数1)の行列において、図9のようにクラスタ2内の色票カラーのデータを重みWの分だけ増加させればよい。
【0095】
手順802で、クラスタ2およびクラスタ2外の色票カラーのマハラノビス距離を求める。
【0096】
手順803で、クラスタ2内の色票カラーのマハラノビス距離が予めカイ二乗分布によって決められた閾値よりも大きい場合には、その色票カラーを除去し、再度主成分分析を行う。そうでなければ、処理を終了し、この時点で求められた基底をクラスタ2の基底関数109と決定する。
【0097】
手順804で、再度クラスタ2およびクラスタ2外の色票カラーのマハラノビス距離を求める。
【0098】
手順805で、クラスタ2内の色票カラーのマハラノビス距離が予め決められた閾値よりも大きい場合には、重みWの値を増加し再度、手順801に戻る。そうでなければ、処理を終了しこの時点で求められた基底をクラスタ2の基底関数109と決定する。
【0099】
得られた各クラスタの基底関数109は、クラスタ毎基底記憶部110に記憶される。
【0100】
このように、クラスタ2内の色票カラーのマハラノビス距離が予め決められた閾値よりも小さくなるまで繰り返される。
【0101】
以上の手順で得られた各クラスタ毎の基底関数109を用いれば、色票カラーとした色については低次の基底で高精度な再現が可能という効果がある。
【0102】
以上で、基底算出の詳細な説明を終える。
【0103】
次に、圧縮処理を担うクラスタ判定部113、基底表現部117の詳細な動作を説明する。
【0104】
クラスタ判定部112は、画像記憶部103からの圧縮対象画像101の画素に対してクラスタ記憶部107に記憶されているクラスタパラメータ106のクラスタ範囲をもとに属するクラスタを決定する。クラスタ範囲は、クラスタの中心色とその半径範囲radiusで決められているため、例えばクラスタ2の中心色を(d21,d22,…,d231)とすれば、(数3)を満足する場合に注目画像データはクラスタ2に属すると判定される。
【0105】
【数3】

【0106】
集合の判定はクラスタ2からnまで(nはクラスタの総数)まで行い、2以降のいずれのクラスタにも属さない場合は、クラスタ1に属すると判定する。
【0107】
以上の処理を画像記憶部103からの圧縮対象画像101の全画素で行い判定されたクラスタの番号を画素値とするクラスタ画像114が生成される。
【0108】
クラスタ画像114は、圧縮対象画像101と共に基底表現部117に渡される。基底表現部117は、クラスタ画像114の対応する画素値すなわちクラスタ番号に従って、基底関数109をクラスタ毎基底記憶部110から読み出し、圧縮対象画像101の各画素を基底表現値に変換し、基底表現画像118を出力する。基底表現値への変換式を、主成分分析に分散共分散行列を用いた場合を(数4)に、相関行列を用いた場合を(数5)に示す。(数4)、(数5)において、行列Pは基底関数pj1,…,pjnを寄与率の高い順に並べた行列であり、xは圧縮対象画像の画素値を縦ベクトルで表現した値、sは基底表現値(縦ベクトル)である。
【0109】
【数4】

【0110】
【数5】

【0111】
以上の手順で得られた基底表現値から基底表現画像118を生成するためには、基底表現値を量子化する必要がある。量子化の方法について説明する。基底表現画像118の第1主成分には多くのビット数を割り当て、低成分にほど少ないビット数を割り当てる。例えば第1主成分は16ビット、第2主成分は8ビット、第3主成分は6ビット、というようにである。なぜなら、基底表現画像118の第1主成分は例えば−15から15、第2主成分は−5から5、第3主成分は−2から2、というようにとりうるダイナミックレンジが異なるし、第1主成分が最も画像を再現するときの寄与率が高いために量子化ビット数を多くとることで画像の品質を上げることができる。
【0112】
量子化の方法としては、線形量子化して所望のビット数の信号にしてもよいし、あるいは、図12に示すように非線形量子化してもよい。非線量子化すれば、例えば第1主成分のダイナミックレンジを−15から15とした場合、−15や15といった端の値をとることは稀であるため、まばらに量子化し、比較的発生する率の高い0に近い値は密に量子化することになり効率が良い。
【0113】
以上を、圧縮対象画像101の全画素で行うことで、基底表現値sを画素値とした基底表現画像118が生成される。
【0114】
以上の処理によって、圧縮対象画像101は、クラスタ画像114と基底表現画像118と基底関数109を生成することになる。
【0115】
次に、クラスタ画像114と基底表現画像118と基底関数109をそれぞれ圧縮するクラスタ画像圧縮部115、分割圧縮部119、基底圧縮部111の詳細な動作について説明する。
【0116】
クラスタ画像圧縮部115では、クラスタ画像114を圧縮する。クラスタ画像114の圧縮には、サブサンプリングを用いる。サブサンプリング以外にも離散コサイン変換、ウエーブレット変換による圧縮、カオス圧縮など濃淡画像を対象とする変換符号化方法を適用してもよい。
【0117】
ここでは、例としてサブサンプリングによる圧縮方法について説明する。クラスタ画像114においては、同じ画素値が近隣の画素で続くことが多いため、サブサンプリングによる圧縮は有用である。図10はサブサンプリングの説明図である。クラスタ画像の縦2画素、横2画素を1つのブロックとし、1ブロックを1つの画素で置き換える。このときの画素値は、例えばブロックの左上の画素値と決めておく。一般には、ブロック内の平均値で置き換えることが良く行われるが、クラスタ画像の性質上好ましくない。このようにすれば、画像のサイズが4分の1に圧縮することができる。
【0118】
次に、基底表現画像118を圧縮する分割圧縮部119について説明する。基底表現画像118は31次元の画像である。全次元を使用すれば、圧縮対象画像101に完全可逆な圧縮となるが、Z次(Z<31)までに制限すれば非可逆圧縮となる。制限を行った非可逆圧縮によりデータ量を削減するのが普通であり、例えばnは7程度とすれば、多くの画像で目立った遜色なく再現可能な程度のロスとなることが実験からも判明している。
【0119】
Zの値の決定方法としては、ユーザが一意に決定する方法と圧縮されたデータ量(発生符号量)を基に算出する方法が考えられる。Zの値を発生符号量から算出する方法であれば、発生符号量が予定していた符号量よりも大きくなればZの値を減少させ、逆に発生符号量が予定していた符号量よりも小さければZの値を増加させることにより、発生符号量をコントロールすることが可能となる効果がある。この方法は、圧縮画像を記憶容量に制限のある記憶装置に記憶する、又は転送容量(バンド幅)に制限のある伝送路の転送場合に有効である。
【0120】
このようにしてデータ量に応じてコントロールされた上位Z主成分の基底による基底表現画像118はまとめて1つのタグをつけ圧縮しておき、上位Z以下の基底による基底表現画像118は個別にタグをつけ圧縮しておく。その画像フォーマット1104の説明図を図12に示す。図12では、上位Z主成分の基底として第1から3主成分の圧縮された基底表現画像1201をまとめ、そのタグ1206として"Main Component"を付与し、上位Z以下の基底として、第4主成分の圧縮された基底表現画像1202から第7主成分の圧縮された基底表現画像1203のタグ1208、1210として、"4th Component"から"7th Component"を付与して例を示している。
【0121】
図12で個別のタグを付与された各コンポーネントには、基底表現画像が記述されているが、この基底表現画像を例えばサブサンプリングなどで更に圧縮しておくこともできる。図12に更に圧縮した場合の画像フォーマット例を示す。クラスタ画像圧縮部115でクラスタ画像114をサブサンプリング圧縮している場合には、本分割圧縮部119でも基底表現画像118をサブサンプリング圧縮しておく。
【0122】
サブサンプリング圧縮以外にも、離散コサイン変換、ウエーブレット変換による圧縮や、カオス圧縮など濃淡画像を対象とする変換符号化方法を適用してもよい。このとき、上位主成分の画像ほど圧縮率を低くし、下位成分の画像ほど圧縮率を高くすれば再現精度が高く、なおかつ、高効率な圧縮を施すことができる。
【0123】
このように分割して圧縮することで、受信表示する端末の性能や、伝送網の性能、混雑度、あるいはユーザの指示に応じていくつまでの成分を送信あるいは受信するかを選択することができるという効果がある。
【0124】
以上で、分割圧縮部119の説明を終える。
【0125】
次に、基底圧縮部111について説明する。基底関数109は、本来連続値であるものを離散化しているため、隣あった値は近い値となる。そのため、基底関数109を圧縮する方法としては、サブサンプリングし、特に低主成分の基底ほどサンプリング間隔を長くとる方法や、図13に示すように基底の第1成分1301はそのまま送り、第2成分以降は、第i+1成分から第i成分を引いた差分値1302、1303を符号化する方法がある。
【0126】
以上で、基底圧縮部111の説明を終える。
【0127】
なお、本発明は、図1における画像圧縮装置104の動作をCDROMに記憶し、CDROMに記憶してあるプログラムをPC上のRAMにダウンロードし、PC上のCPUに処理を行わせてもよい。または、画像入力装置内のROMに記憶しておき、画像入力装置内のCPUに前記処理を行わせてもよい。
【0128】
以上のように、本実施の形態によれば、画像信号を複数のクラスタに分類し各画像信号が前記クラスタのいずれに属すかを判定し、前記クラスタ別に異なる画像圧縮処理を行うことで圧縮率が高く、かつ再現精度の良い画像圧縮装置を実現することができる。
【0129】
(実施の形態2)
実施の形態1では静止画である分光反射率画像を圧縮する画像圧縮装置について開示した。本発明の実施の形態2では、時間的位置が異なる複数の画素又は画像の集合である動画像を圧縮する場合について開示する。このような場合には、集合内のそれぞれ時間的位置が異なる画素又は画像は相関性が高い。相関性が高い画像集合は同一の基底で表現できる可能性が高い。この特性を利用し、圧縮対象画像101を集合内のそれぞれ画像として画像毎に圧縮処理を完結するのではなく、圧縮対象画像101を集合内の画像として集合毎に圧縮処理を完結することにより、集合内の各画像で同一な基底を1つにまとめることができ、圧縮効率を高めることができる。なお、相関性の高い又は同一基底を持つ集合の検出は以下に示す技術がある。
(1)画像の相関係数をもとにしたシーンチェンジ検出
(2)画像毎に基底関数を求め、各画像の基底関数の相違をもとに検出
あるいは、予め決められたフレーム数毎に基底を算出するようにしてもよい。
【0130】
また、ある品目(衣類、食品など)又はある対象物(森、海など)のカタログや写真集など、品目や対象物が限られた画像の集合の場合においても、画像集合は同一の基底を持つ可能性が高い。この特性を利用し、同様に、圧縮対象画像101を集合内の画像として集合毎に圧縮処理を完結することにより、集合内の各画像で同一な基底を1つにまとめることができ、圧縮効率を高めることができる。
【0131】
図14は、本発明の実施の形態2における画像圧縮装置のブロック図である。1401は新たな画像集合が入力されたことを検知し、クラスタ決定部107、クラスタ毎基底決定部108にパラメータの更新を指示するパラメータ更新手段、1402はパラメータ更新手段1401から出力される更新指示信号である。それ以外は図1と同様である。
【0132】
図14のブロック図の動作を説明する。圧縮対象画像101は動画であるため、画像圧縮装置104に1フレームずつ入力される。画像圧縮装置104に入力された圧縮対象画像101は、パラメータ更新手段1401に送られ、パラメータ更新手段1401において前フレーム画像との相関係数をもとにシーンチェンジが行われたかどうかを判定する。シーンチェンジが行われたのでなければ、クラスタパラメータ106や基底関数109は更新する必要がないため、クラスタ決定部105、クラスタ毎基底決定部108に更新指示信号1402が非更新として通知される。従って、既にクラスタ記憶部107、クラスタ毎基底記憶部110に記憶されているクラスタパラメータ106、基底関数109を用いてクラスタ判定や基底表現を行う。
【0133】
一方、シーンチェンジが行われたと判断されたならば、クラスタ決定部105、クラスタ毎基底決定部108に更新指示信号1402が送られる。更新指示信号1402を受けたクラスタ決定部105は新たにクラスタパラメータ106を求め、またクラスタ毎基底決定部108も新たに基底関数109を求め、それぞれクラスタ記憶部107、クラスタ毎基底記憶部110に記憶する。クラスタ判定部113はクラスタ記憶部107に記憶されているクラスタパラメータ106を用いてクラスタ判定を行い、基底表現部117はクラスタ毎基底記憶部110に記憶されている基底関数109を用いて基底表現を行う。
【0134】
クラスタ判定部113、基底表現部117の動作は実施の形態1と同様である。
【0135】
以上のように、本実施の形態によれば、時間的位置が異なる複数の画素又は画像の集合である動画像を圧縮する場合は、集合内のそれぞれ時間的位置が異なる画素又は画像の高い相関性を利用し、圧縮対象画像を集合内のそれぞれ画像として画像毎に圧縮処理を完結するのではなく、圧縮対象画像を集合内の画像として集合毎に圧縮処理を完結することにより、集合内の各画像で同一な基底を1つにまとめることができ、圧縮効率を高めることができる。
【0136】
(実施の形態3)
図15は、本発明の実施の形態3における圧縮された画像を送信する画像送受信装置の構成図である。
【0137】
1501は、画像を圧縮し送信する画像送信装置、1502はネットワーク、1504は画像受信装置、1503は画像送信装置1501と画像送信装置1504の中間に位置する中継端末である。1505は画像送信装置1504内の画像請求信号発信部であり、ユーザの指示によって画像のダウンロード請求を画像分割送信部1510に対して行う。1506は要求した画像を受信して圧縮を解除する受信再現部、1507は受信画像を画像出力装置用の信号値に変換する出力画像変換部である。1508は画像送信装置1501内にある環境情報請求部であり、画像送信装置1504からの画像請求信号を受けると、ネットワーク1502の性能や混雑度を請求する信号を発信する。1509は環境情報取得部であり、画像送信装置1504や中継端末1503から送られてきた情報を取得する。1510は分割送信部であり、分割して圧縮してある圧縮画像のうち環境情報取得部1509で取得した情報によって送信すべき次元数を取捨選択して送信する。1511は実施の形態1の画像圧縮装置である。画像圧縮装置1511は実施の形態1で開示したようにクラスタ毎に異なる基底関数を用いるものであってもよいし、あるいは、全画素において同一の基底関数を用いるものであっても構わない。また、1512は中継端末1503内にある送信網情報発信部であり、画像送信装置1501からの環境情報取得信号を受けて、送信網の性能や混雑度などの情報を画像送信装置1501に渡す。1513は画像を表示する画像出力装置、1514は受信した画像を再現する画像再現装置である。
【0138】
上記のように構成された画像送受信装置の動作について詳細に説明する。
【0139】
最初に分割送信の動作を説明する。
【0140】
まず、画像受信装置1504の画像請求信号発信部1505からユーザが画像のダウンロード請求を画像送信装置1501に対して行う。環境情報請求部1508は画像請求信号を受けて、次に画像受信装置1504に対しては画像を表示する端末の情報を渡すように、また、中継端末1503に対してはネットワーク1502の性能や混雑度に関する情報を渡すように指示信号を出す。送信網情報発信部1512は環境情報取得信号を受けて、ネットワーク1502の情報を画像送信装置1501に送り返す。分割送信部1510は送り返されてきたネットワーク情報によって、画像圧縮装置1511に分割圧縮して蓄積されている画像のうち送信すべき情報を取捨選択して画像受信装置1504に送信する。圧縮画像は図12に示すように、コンポーネント毎に圧縮が施されているため、必要なコンポーネントまでを送信するという分割送信が可能となる。
【0141】
受信再現部1506は、送信されてきた圧縮画像を受信して再現し、出力画像変換部1507に渡す。出力画像変換部1507は受信画像から画像出力装置1513用の信号値に画像を変換して画像出力装置1513に表示する。
【0142】
なお、本発明は、画像圧縮装置、画像送信装置、画像受信装置の動作をそれぞれCDROMに記憶し、CDROMに記憶してあるプログラムをそれぞれPC上のRAMにダウンロードし、各PC上のCPUに処理を行わせてもよい。または、画像入力装置あるいは画像出力装置内のROMに記憶しておき、画像入力装置あるいは画像出力装置内のCPUに前記処理を行わせてもよい。
【0143】
以上のように、本実施の形態によれば、送信先や送信網の情報に応じて送信データを可変とすることで、多次元の画像を効率良く送受信することができる。
【0144】
(実施の形態4)
実施の形態3では、画像データを送る側あるいはネットワークの性能や混在状態に応じて、送信する画像の情報量を制限していたが、実施の形態4ではユーザが、送信すべき情報を指定するものである。図16は、ユーザが送信すべき情報を指定する分割送信を行う画像送受信装置の構成図である。図15と異なるのは、新たにユーザ指示信号発信部1601が画像受信装置1504内にある点である。ユーザは、ダウンロードを請求する画像に対し、画像の品質を指定する。高品質を選択すれば、多くの次元数までの圧縮画像が送信されることになり、一方、低品質を選択すればせいぜい3次元程度までの圧縮画像が送信される。
【0145】
デジタル画像が有償にてダウンロードされるときは、ユーザが指示した品質により、価格が異なる。あるいは、送信する際に情報を取捨選択するのではなく、既にダウンロードされた画像から再現に用いる情報を受信再現部1506で取捨選択してもよい。
【0146】
また、送信時の環境状況に応じて送信データあるいは受信データを可変とすることで、多次元の画像を効率良く送受信することができる。
【0147】
なお、本発明は、画像圧縮装置、画像送信装置、画像受信装置の動作をそれぞれCDROMに記憶し、CDROMに記憶してあるプログラムをそれぞれPC上のRAMにダウンロードし、各PC上のCPUに処理を行わせてもよい。または、画像入力装置あるいは画像出力装置内のROMに記憶しておき、画像入力装置あるいは画像出力装置内のCPUに前記処理を行わせてもよい。
【0148】
以上のように、本実施の形態によれば、ユーザの指示に応じて送信データを可変とすることで、多次元の画像を効率良く送受信することができる。
【0149】
(実施の形態5)
実施の形態3、4では、図26の(b)の送信形態について説明した。すなわち装置および照明に依存しない色空間の画像である分光反射率画像を圧縮、送信する方法を示した。本実施の形態5では、図26の(c)の送信形態すなわち多原色画像を圧縮、送信する方法について開示する。
【0150】
多原色画像を圧縮する方法は実施の形態1と同様である。実施の形態3、4と異なるのは、多原色画像を分割圧縮した場合の送信方法である。
【0151】
図17に本発明の実施の形態5における多原色画像分割送受信を行う画像送受信装置の構成例を示す。図17の各部の構成は、実施の形態3の図15で示した分割送信例とほぼ同じであり、実施の形態3と異なるのは新たに端末情報発信部1701が追加されている点である。端末情報発信部1701は画像送信装置1501の環境情報請求部1508の指示に応じて画像受信装置1504の情報を画像送信装置1501に発信するものである。端末の情報としては、例えば、画像出力装置が3原色表示機器なのか、6原色表示機器か、などの表示できる原色数や、最大輝度値、ダイナミックレンジなどが挙げられる。特に、表示できる原色数が3原色であれば、送信すべき画像は3次まででよいため、図12におけるフォーマットにおいてメインコンポーネントのタグのみを送信すればよい。このように、本実施の形態では、予め端末の情報を取得してから送信することで、表示機器が3原色なのに画像を7原色分まで送信してしまうというような無駄を省くことができる。
【0152】
図17に示した多原色画像分割送受信を行う画像送受信装置の動作を説明する。
【0153】
まず、画像受信装置1504の画像請求信号発信部1505からユーザが画像のダウンロード請求を画像送信装置1501に対して行う。環境情報請求部1508は画像請求信号を受けて、次に画像受信装置1504に対しては画像を表示する端末の情報を渡すように、また、中継端末1503に対してはネットワークの性能や混雑度に関する情報を渡すように指示信号を出す。送信網情報発信部1512は環境情報取得信号を受けて、ネットワークの情報を画像送信装置1501に送り返す。端末情報発信部1701は、環境情報取得信号を受けて、画像受信装置1504の性能や原色数などの情報を画像送信装置1501に送り返す。
【0154】
分割送信部1510は、送り返されてきた端末情報とネットワーク情報によって、画像圧縮装置1511に分割圧縮して蓄積されている画像のうち送信すべき情報を取捨選択して画像受信装置1504に送信する。例えば、基底表現画像118の第何主成分までを送信するか、あるいは、どのタグ情報までを送信するかを選択する。
【0155】
受信再現部1506は送信されてきた圧縮画像を受信して再現し、出力画像変換部1507に渡す。出力画像変換部1507は受信画像から画像出力装置用の信号値に画像を変換して端末に表示する。
【0156】
なお、本発明は、画像圧縮装置、画像送信装置、画像受信装置の動作をそれぞれCDROMに記憶し、CDROMに記憶してあるプログラムをそれぞれPC上のRAMにダウンロードし、各PC上のCPUに処理を行わせてもよい。または、画像入力装置あるいは画像出力装置内のROMに記憶しておき、画像入力装置あるいは画像出力装置内のCPUに前記処理を行わせてもよい。
【0157】
以上のように、本実施の形態によれば、送信先の画像出力装置の情報に応じて送信データを可変とすることで、多次元の画像を効率良く送受信することができる。
【0158】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6では、クラスタ毎の基底関数を平均ベクトルとする以外はすべて同一とする方法について開示する。
【0159】
本実施の形態6にかかる画像圧縮装置のブロック図は実施の形態1の図1と同じである。実施の形態1と異なるのは、クラスタ毎基底決定部108の動作であり、以下に説明する。
【0160】
クラスタ毎基底決定部108は、クラスタ毎の基底関数を決定するものである。実施の形態1では、クラスタに属する色票カラーを用いて主成分分析により基底関数を決定していた。基底関数を決定する方法には、クラスタに属する色票カラーをそのまま用いて基底関数を求める方法と、クラスタに属する色票カラーから平均ベクトルを求め、色票カラーから平均ベクトルを減算するという正規化を施してから基底関数を求める方法とが考えられる。前者は、主成分分析を分散共分散行列で行う場合であり、後者は相関行列で行う場合に相当する。前者は、常に原点を通るように基底関数が決定されるのに対し、後者ではデータの中心を通るように基底関数が決定されるため、基底関数による再現精度が高くなる。
【0161】
そこで、本実施の形態では、後者の正規化を行った値を基底関数で表現するという方法において、平均ベクトルはクラスタに属する色票カラーから求めておき、正規化後のデータを表現するための基底関数はすべてのクラスタで同一のものを用いることを提案する。
【0162】
図18は基底関数の説明図である。平均ベクトルμjは、各クラスタj毎に決定しておく。一方、基底関数はすべてのクラスタで共通であるため例えば図18に示すような基底関数を設定しておく。すなわち、(数5)において平均ベクトルμjは、各クラスタj毎に異なるが、基底行列Pjはすべて共通となる。
【0163】
なお、本発明は、画像圧縮装置の動作をCDROMに記憶し、CDROMに記憶してあるプログラムをPC上のRAMにダウンロードし、PC上のCPUに処理を行わせてもよい。または、画像入力装置内のROMに記憶しておき、画像入力装置内のCPUに前記処理を行わせてもよい。
【0164】
以上のように、本実施の形態によれば、クラスタ毎の基底関数を同一とすることで、再現精度の低下は少なく、かつ、圧縮率の高い画像圧縮装置を実現できる。
【0165】
(実施の形態7)
本発明の実施の形態7では、基底表現画像118の圧縮方法としてベクトル量子化を用いて行う方法について開示する。
【0166】
本実施の形態にかかる画像圧縮装置のブロック図は実施の形態1の図1と同じである。実施の形態1と異なるのは、分割圧縮部119の動作であり、以下に説明する。
【0167】
クラスタ毎基底決定部119は、基底表現画像を圧縮するものである。実施の形態1では、離散コサイン変換とサブサンプリングを用いて圧縮を行った。それに対し、本実施の形態では、ベクトル量子化で圧縮を行う方法を示す。
【0168】
本発明の基底表現画像は、各画素毎に所属するクラスタが異なる、すなわち、基底関数が異なるのに、1つの基底表現画像として表現する点に特徴がある。この基底表現画像をベクトル量子化する。
【0169】
図19はベクトル量子化の手順の説明図である。手順1901で、基底表現画像の最初の画素値(ベクトル値)を読み出す。手順1902で、次の画素値とのユークリッド距離を算出する。手順1903で、距離が閾値よりも大きければそれぞれを異なる量子化ベクトルとして記憶し、閾値よりも小さければそれらの平均値を量子化ベクトルとして記憶する。手順1904で、更に次の画素値を読み込み、既に記憶されている量子化ベクトルとの距離を求め、同様にして距離が閾値よりも大きければ新たな量子化ベクトルとして記憶する。以上を全画素について繰り返す。手順1905で最終的に、基底表現画像が量子化ベクトルの番号値を画素値とした画像(これを量子化画像と呼ぶことにする)と、量子化ベクトルの列が出力される。
【0170】
図20は、ベクトル量子化による圧縮の説明図である。基底表現画像2001は、量子化ベクトルの番号値を画素値とした画像(量子化画像2002)と、量子化ベクトルの列2003、2004に圧縮される。このようにクラスタに分割してからベクトル量子化することで、(クラスタ画像のクラスタ数×量子化ベクトルの数)個の量子化ベクトルで画像を表現することになる。これにより、従来のようにクラスタに分割せずに圧縮対象画像を直接ベクトル量子化する場合と比較して、量子化ベクトル数が少なくてすむため、圧縮率が高く、なおかつ再現精度の高い圧縮を実現することができる。
【0171】
なお、本実施の形態では、7次までの基底係数を一度にベクトル量子化する場合を例にとって説明したが、実施の形態1に示した分割圧縮を行う場合には、3次までの主成分(メインコンポーネント)のみをベクトル量子化し、4次以降の成分は個別に圧縮して図12に示したフォーマットで記述すればよい。
【0172】
また、圧縮対象画像が動画の場合には、図21に示すように、量子化ベクトルとクラスタおよびクラスタ毎の基底関数は、例えば15フレーム毎というように固定数のフレーム毎に設定しなおせばよい。あるいは、動画からシーンチェンジを認識し、シーン毎に設定しなおせば、より効率の良い圧縮を実現できる。
【0173】
なお、本発明は、画像圧縮装置の動作をCDROMに記憶し、CDROMに記憶してあるプログラムをPC上のRAMにダウンロードし、PC上のCPUに処理を行わせてもよい。または、画像入力装置内のROMに記憶しておき、画像入力装置内のCPUに前記処理を行わせてもよい。
【0174】
以上のように、本実施の形態によれば、画像をクラスタに分割しておき、クラスタ毎に異なる基底関数で表現した基底表現画像をベクトル量子化することで、圧縮率が高く、かつ再現精度の高い画像圧縮装置を実現できる。
【0175】
(実施の形態8)
本発明の実施の形態8では、実施の形態1から2または6から7のいずれかの方法で圧縮された圧縮画像を再現し、画像出力装置に表示する画像再現装置を開示する。
【0176】
画像再現装置は、図15〜図17に示すように受信再現部1506、出力画像変換部1507から構成される。
【0177】
そこで、受信再現部1506および出力画像変換部1507の構成、動作を詳細に説明する。受信再現部は圧縮画像を受信し再現するものであり、出力画像変換部は再現画像を出力装置用の画像信号に変換するものである。
【0178】
圧縮画像は、マルチスペクトル画像か、装置あるいは装置および照明に依存しない色空間表現の画像(例えば、分光反射率画像)か、あるいは多原色画像のいずれでもかまわないが、実施の形態1で分光反射率画像を例にとったため、本実施の形態でも圧縮画像は分光反射率画像とし、それを再現する例を示す。
【0179】
まず、受信再現部1506について説明する。
【0180】
図22は、画像再現装置内の受信再現部1506のブロック図である。受信再現部1506には圧縮画像が入力される。圧縮画像は、圧縮クラスタ画像116、圧縮基底表現画像120、圧縮基底112から成る。2201は圧縮クラスタ画像116の符号、圧縮を復元するクラスタ画像再現部、2202は圧縮基底表現画像120の符号、圧縮を復元する基底表現画像再現部、2203は圧縮基底112の符号、圧縮を復元する基底再現部である。2207はクラスタ毎の基底関数を記憶するクラスタ毎基底記憶部、2208は基底表現画像2205を記憶する基底表現画像記憶部、2209はクラスタ画像2204を記憶するクラスタ画像記憶部である。
【0181】
2210は基底表現画像記憶部2208から1画素ずつ読み出される注目画素値、2211はクラスタ画像記憶部2209から1画素ずつ読み出される注目画素値2210に対応するクラスタ値、2212は画像再現部からクラスタ毎基底記憶部に渡される注目画素値2210に対応するクラスタ値、2213は画像再現部からの指示によってクラスタ毎基底記憶部2207から読み出されるクラスタ値2211に対応する基底関数、2214は注目画素値2210のクラスタ値2211に対応する基底関数2213を用いて、注目画素値2210を基底表現値2210に変換する画像再現部、2215は再現された注目画素再現値、2216は注目画素再現値を順次記憶しておく再現画像記憶部、2217は全画素の処理が終了した後に出力される再現画像である。
【0182】
上記のように構成された画像再現装置の受信再現部の動作手順について図23を用いて説明する。
【0183】
手順2301で、伝送されてきた圧縮クラスタ画像116、圧縮基底表現画像120、圧縮基底112が画像圧縮装置内の受信再現部1506に入力されると、それぞれがクラスタ画像再現部2201、基底表現画像再現部2202、基底再現部2203において復号され、圧縮を解除され、クラスタ画像2204、基底表現画像2205、基底関数2206となる。
【0184】
次に、手順2302で、クラスタ画像2204はクラスタ画像記憶部2209に、基底表現画像2205は基底表現画像記憶部2208に、基底関数2206はクラスタ毎基底記憶部に記憶される。基底表現画像記憶部2208に記憶されている基底表現画像2205は1画素ずつ注目画素値2210として画像再現部2214に読み出され、同時にクラスタ画像記憶部2209からも対応するクラスタ画像の画素値が注目画素のクラスタ値2211として画像再現部2214に渡される。
【0185】
手順2303で、画像再現部2215では、注目画素値2210の所属するクラスタ値2211をクラスタ毎基底記憶部2207に渡し、クラスタ値2211に対応する基底関数2213を受け取る。そして、(数6)あるいは(数7)を用いて基底表現画像2205の注目画素値2210から元の画像信号すなわち分光反射率を再現する。(数6)、(数7)において、xはもとの画像の画素値(分光反射率)を縦ベクトルで表現したもの、sは基底表現画像の画素値を縦ベクトルで表現したもの、Pjはクラスタjの基底を縦ベクトルとして横に並べた行列、μjはクラスタjの平均ベクトルである。
【0186】
基底表現画像2205の注目画素値の次元数は、画像送信装置が端末やユーザやネットワークの状況に応じて決定してくる。あるいは、画像受信装置において必要な次元数を限定する。このようにいずれかの方法で決定された次元数が例えば4次であれば、行列Pjを構成する基底は第1から第4主成分まででよい。
【0187】
なお、(数6)は基底を分散共分散行列から求めた場合に用い、(数7)は基底を相関行列から求めた場合に用いる。
【0188】
【数6】

【0189】
【数7】

【0190】
得られた分光反射率xは注目画素再現値2215として再現画像記憶部2216に渡される。1画素の処理が終了すると、次の画素の読み出される。
【0191】
以上の動作を全画素において繰り返すことで、再現画像2217が得られ、受信再現部1506から出力される。
【0192】
なお、圧縮画像が動画の場合には、圧縮基底112は、実施の形態2に示したように、固定数フレーム毎か、あるいは、シーンチェンジ毎にのみ送信されるので、新たな圧縮基底112が送信されてくるまでは、クラスタ毎基底記憶部2207に記憶される基底を書き換えなくてよい。
【0193】
次に、クラスタ画像再現部2201、基底表現画像再現部2202、基底再現部2203の動作の詳細を説明する。
【0194】
まず、クラスタ画像再現部2201で、圧縮クラスタ画像116を再現する。クラスタ画像2204は、例えばサブサンプリングで圧縮されている。
【0195】
ここでは、サブサンプリングされている場合の再現方法を説明する。サブサンプリングにより画像が縦1/2,横1/2とされている場合には、図24に示すように1つの画素値2402を同じ画素値を持つ2x2のブロック2401に書き換えることでクラスタ画像2204を再現する。
【0196】
次に、基底表現画像再現部2202で圧縮基底表現画像120を再現する。サブサンプリング圧縮や、離散コサイン圧縮、ウエーブレット圧縮、カオス圧縮など濃淡画像を対象とする一般的な画像圧縮方法が適用されている場合には、まず、これらの圧縮を伸長する。
【0197】
次に、伸長された基底表現画像は、例えば図11に示すような非線形関数で量子化されているため、図11の非線形関数の逆関数をかけて元の基底表現値に復元し、基底表現画像2205を再現して基底表現画像記憶部2208に記憶する。
【0198】
あるいは、基底表現画像2205がベクトル量子化されている場合には、手順2302、手順2303の代わりに、次のような方法で再現する。ベクトル量子化された基底表現画像120は、図20に示すように、量子化画像と量子化ベクトルから成る。そのめ、量子化画像から各画素値の示す量子化ベクトルを読み出すことで基底表現画像2205を再現する。
【0199】
次に、基底再現部2203において基底関数を再現する方法について説明する。基底関数はサブサンプリングや、図13に示すように基底の第1成分はそのまま送り、第2成分以降は、第i+1成分から第i成分を引いた差分値を符号化する方法で圧縮が行われているため、それぞれの方法に伴った再現方法で基底関数2206を再現する。例えば、サブサンプリングについては既に説明した方法と類似の方法で再現することができるし、図13に示した符号化を再現するには、基底関数の第i+1成分は圧縮された値の第1成分から第i+1成分を加算することで基底関数2206を再現し、クラスタ毎基底記憶部2207に記憶する。
【0200】
以上の手順により、受信再現部1506により分光反射率画像が再現画像2218として再現される。次に、分光反射率画像は出力画像変換部1507に渡され、画像出力装置に表示するための信号に変換される。出力画像変換部1507の詳細な動作を図23の手順2304以降を用いて説明する。ここでは、例として画像出力装置がRGBの3原色表示のディスプレイであるとする。
【0201】
出力画像変換部1507では、まず、手順2304で分光反射率画像の各画素値である分光反射率に等色関数をかけて波長領域で積分し、XYZ三刺激値(X1,Y1,Z1)を算出する。次に、手順2305で(数8)により(R1',G1',B1')を求める。(数8)において、(RX,RY,RZ)は画像出力装置の赤の最大信号時のXYZ三刺激値、(GX,GY,GZ)は画像出力装置の緑の最大信号時のXYZ三刺激値、(BX,BY,BZ)は画像出力装置の青の最大信号時のXYZ三刺激値である。
【0202】
【数8】

【0203】
最後に、手順2306で、(R1',G1',B1')にそれぞれ画像出力装置のガンマ関数をかけて、画像出力装置用のRGB信号(R1,G1,B1)に変換する。得られたRGB信号は画像出力装置に送られ、画像が表示される。
【0204】
なお、本発明は、画像再現装置の動作をCDROMに記憶し、CDROMに記憶してあるプログラムをPC上のRAMにダウンロードし、PC上のCPUに処理を行わせてもよい。または、画像出力装置内のROMに記憶しておき、画像出力装置内のCPUに前記処理を行わせてもよい。
【0205】
以上のように、本実施の形態によれば、各画像信号が前記クラスタのいずれに属すかを記述したクラスタ画像と、前記クラスタ別に異なる画像圧縮を施された基底表現画像と、クラスタ別の基底関数とから精度の高い画像を再現する画像再現装置を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0206】
以上のように本発明によれば、マルチスペクトル画像、あるいは装置や照明に依存しない色空間の画像、あるいは多原色画像を高精度に圧縮、再生する画像圧縮装置および画像再生装置などを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0207】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる画像圧縮装置のブロック図
【図2】実施の形態1にかかる色票の説明図
【図3】実施の形態1にかかる画像圧縮の概念図
【図4】実施の形態1にかかるクラスタ決定部105の動作手順を示す図
【図5】実施の形態1にかかるクラスタ範囲の概念図
【図6】実施の形態1にかかるクラスタのユーザ指定の説明図
【図7】実施の形態1にかかるクラスタ決定部105の動作手順を示す図
【図8】実施の形態1にかかるクラスタ毎基底決定部108の動作手順を示す図
【図9】実施の形態1にかかる重み付け主成分分析の説明図
【図10】実施の形態1にかかるサブサンプリングの説明図
【図11】実施の形態1にかかる基底係数の非線形量子化用関数を示す図
【図12】実施の形態1にかかる画像の分割圧縮の説明図
【図13】実施の形態1にかかる基底圧縮部111の圧縮例を示す図
【図14】実施の形態2にかかる動画像圧縮装置のブロック図
【図15】実施の形態3にかかる分割送信を行う画像送受信装置の構成図
【図16】実施の形態4にかかるユーザ指示型分割送信を行う画像送受信装置の構成図
【図17】実施の形態5にかかる多原色画像分割送受信を行う画像送受信装置の構成図
【図18】実施の形態6にかかるクラスタ毎基底の説明図
【図19】実施の形態7にかかるベクトル量子化の手順の説明図
【図20】実施の形態7にかかるベクトル量子化の説明図
【図21】実施の形態7にかかる動画圧縮の説明図
【図22】実施の形態8にかかる画像送信装置内の受信再現部のブロック図
【図23】実施の形態8にかかる画像再現の手順を説明する図
【図24】実施の形態8にかかるサブサンプリング再現の説明図
【図25】従来例における色再現装置の構成図
【図26】従来例における伝送形態の説明図
【符号の説明】
【0208】
101 圧縮対象画像
102 色票画像
103 画像記憶部
104 画像圧縮装置
105 クラスタ決定部
106 クラスタパラメータ
107 クラスタ記憶部
108 クラスタ毎基底決定部
109 基底関数
110 クラスタ毎基底記憶部
111 基底圧縮部
112 圧縮基底
113 クラスタ判定部
114 クラスタ画像
115 クラスタ画像圧縮部
116 圧縮クラスタ画像
117 基底表現部
118 基底表現画像
119 分割圧縮部
120 圧縮基底表現画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された各画像信号を予め統計処理によって算出した基底関数を使って基底表現値に変換し基底表現値を画素値とする画像を作成する基底表現画像作成手段と、基底関数に付随するパラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、前記基底表現画像のうち上位Z個の基底による基底表現画像とそのパラメータをまとめて1つのタグを付与し、上位Z以下の基底による基底表現画像とそのパラメータは異なるタグを付与して、別々に圧縮する分割圧縮手段とを具備することを特徴とする画像圧縮装置。
【請求項2】
1つのタグとしてまとめる基底の数Zは、圧縮された画像のデータ量の応じて変化することを特徴とする請求項1記載の画像圧縮装置。
【請求項3】
1つのタグとしてまとめる基底の数Zは、圧縮された画像のデータ量が予定するデータ量よりも大きい場合減少し、圧縮された画像のデータ量が予定するデータ量よりも小さい場合増加することにより、予定するデータ量で画像圧縮されることを特徴とする請求項2記載の画像圧縮装置。
【請求項4】
画像を圧縮して送信する画像送信装置と、圧縮画像を受信して出力画像に変換する画像受信装置と、前記出力画像を出力する画像出力装置と、前記画像送信装置と前記画像受信装置とを接続する伝送網とからなる画像送受信装置であり、前記画像送信装置は、入力された各画像信号を予め算出されたあるいは入力された基底関数によって基底表現値に変換して圧縮する画像圧縮装置と、前記受信装置からの画像請求信号に応じて、前記圧縮された基底表現値の中から送信すべき次元数を選択して送信する分割送信部とを具備し、前記画像受信装置は、ユーザによる画像のダウンロード指示と表示すべき画像出力装置の性能やユーザによる受信したい情報の選択指示信号を画像請求信号として前記画像送信装置に対して要求する画像請求信号発信部と、前記画像送信装置から送信された圧縮画像を伸長する受信再現部と、前記伸長信号から出力画像を生成する出力画像変換部とを具備することを特徴とする画像送受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2006−101512(P2006−101512A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−273348(P2005−273348)
【出願日】平成17年9月21日(2005.9.21)
【分割の表示】特願2001−208825(P2001−208825)の分割
【原出願日】平成13年7月10日(2001.7.10)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】