説明

画像形成システム、画像形成装置および処理方法

【課題】消費電力を低減するために即時印刷モードおよび待機印刷モードを設定可能であって、かつ印刷結果物を急いで受取りたいユーザの印刷ジョブについてのプリント処理を確実に即時実行できる画像形成システム、その画像形成システムに向けられた画像形成装置、およびその画像形成装置における処理方法を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、収容部に収納されている用紙の残量を取得し、取得した用紙残量に基づいて、対象の印刷ジョブについてのプリント処理が可能であるか否かを判断する。プリント処理が可能である場合には、対象の印刷ジョブについてのプリント処理が実行される。プリント処理が不可能である場合には、プリント処理が不可能であること、およびプリント処理に必要な用紙の補給が必要であることを通知するための、印刷通知ダイアログが出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、他の印刷ジョブとは独立して印刷ジョブの即時実行を要求するモードと、所定条件が満たされるまで印刷ジョブの実行を待機するモードとを切替可能な画像形成システム、その画像形成システムに向けられた画像形成装置、およびその画像形成装置における処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、さまざまな装置において消費電力を低減する取組みがなされている。このような消費電力を低減する取組みは、画像形成装置(プリンタやコピー機など)に対しても継続的になされている。
【0003】
画像形成装置における消費電力を低減する取組みの一例として、特開2007−324650号公報(特許文献1)には、スリープモード中に、外部装置から印刷ジョブが受信された場合に、そのジョブを一時記憶して保留ジョブとし、所定の実行開始条件が成立した際に、必要な機能ブロックを通電無し状態から通電有り状態へ切り替えて保留ジョブを実行する構成が開示されている。
【0004】
また、画像形成装置における消費電力を低減する取組みの別の一例として、画像形成装置における画像形成処理(以下、「プリント処理」とも称す。)を集中的に実行することで、ウォームアップ動作の回数を低減するとともに、スリープ時間を増加させることが提案されている。これにより、画像形成装置の全体における消費電力を低減できる。すなわち、ウォームアップ時には、定着器の昇温や転写体の充電といった各種の初期動作に相対的に多くの電力を要するため、ウォームアップ動作の回数を低減することで、消費電力をより少なくできる。また、プリント処理を集中的に実行できるので、プリントエンジンの各部への電力供給を遮断したスリープ状態をより長い期間維持することができる。
【0005】
このようなプリント処理を集中的に実行する形態として、画像形成装置へ与えられる印刷ジョブに、他の印刷ジョブとは独立してプリント処理の即時実行を要求するモード(以下、「即時印刷モード」とも称す。)と、所定条件が満たされるまでプリント処理の実行の待機を要求するモード(以下、「待機印刷モード」とも称す。)のいずれかを付与する構成が提案されている。
【0006】
すなわち、何らかのプリント処理を要求するユーザは、印刷ジョブの生成時に、即時印刷モードおよび待機印刷モードのいずれかを選択する。そして、画像形成装置は、これらの印刷ジョブのうち、即時印刷モードが付与された印刷ジョブについては、受信した順にプリント処理を開始し、一方、待機印刷モードが付与された印刷ジョブについては所定の記憶領域に蓄積する。その後、蓄積された待機印刷モードを付与された印刷ジョブが所定条件(典型的には、蓄積された印刷ジョブの印刷枚数が所定数以上)を満たした場合に、画像形成装置は、それらの蓄積された印刷ジョブについてのプリント処理を開始する。なお、待機印刷モードが付与された印刷ジョブについては、即時印刷モードが付与された印刷ジョブについてのプリント処理の実行直後に、プリント処理を実行することが消費電力を低減する観点からは最も効率的である。
【0007】
上述のような即時印刷モードおよび待機印刷モードを設定可能な画像形成装置においては、印刷結果物を急いで受取りたいユーザ(すなわち、即時印刷モードを指定したユーザ)と、印刷結果物を任意のタイミングで受取れればよいと思っているユーザ(すなわち、待機印刷モードを指定したユーザ)とが混在することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−324650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、一般的な画像形成装置は、プリント処理に用いる用紙を給紙カセット内などに収納しており、この給紙カセット内において用紙切れが生じた場合などには、実行中の印刷ジョブの所有者であるユーザなどに、用紙切れが通知されることもよく行なわれている。
【0010】
しかしながら、上述のような即時印刷モードおよび待機印刷モードを設定可能な画像形成装置に、このような従来の通知機構を単純に適用したとしても、ユーザの利便性を十分に満足させることはできない。すなわち、たとえば待機印刷モードが指定された印刷ジョブの実行中に用紙切れが生じた場合を考える。このような場合に、当該印刷ジョブの所有者であるユーザに用紙切れを通知したとしても、当該ユーザは、印刷結果物を任意のタイミングで受取れればよいと思っていることが多いので、直ぐに用紙を補給することができない場合もある。したがって、画像形成装置における用紙切れ状態が放置されてしまうことになる。
【0011】
このような用紙切れ状態が放置されていると、即時印刷モードを指定し、印刷結果物を急いで受取りたいユーザが迅速に印刷結果物を受取れないおそれがあった。
【0012】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、消費電力を低減するために即時印刷モードおよび待機印刷モードを設定可能であって、かつ印刷結果物を急いで受取りたいユーザの印刷ジョブについてのプリント処理を確実に即時実行できる画像形成システム、その画像形成システムに向けられた画像形成装置、およびその画像形成装置における処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明のある局面に従えば、画像形成装置を含む画像形成システムを提供する。画像形成システムは、ユーザ操作に応じて生成された印刷ジョブを受付ける受付手段を含む。印刷ジョブには、第1および第2のモードのいずれかが付与されており、第1のモードは、他の印刷ジョブとは独立して画像形成の即時実行を要求する属性であり、第2のモードは、所定条件が満たされるまで画像形成の実行の待機を要求する属性である。画像形成システムは、さらに、受付けた印刷ジョブを蓄積する蓄積手段と、蓄積した印刷ジョブに付与されているモードを判断する第1判断手段と、蓄積した印刷ジョブに第1のモードが付与されている場合に、画像形成に必要な消耗品の状態に基づいて、当該印刷ジョブについての画像形成が可能であるか否かを判断する第2判断手段と、蓄積した印刷ジョブについての画像形成が不可能と判断された場合に、画像形成が不可能であること、および当該画像形成に必要な消耗品の補給/交換が必要であることを、当該印刷ジョブの送信元の情報処理装置へ通知する通知手段とを含む。ここで、第2判断手段は、通知手段による通知後に、蓄積した印刷ジョブについての画像形成が可能であるか否かを再度判断する。画像形成システムは、さらに、蓄積した印刷ジョブについての画像形成が可能になった場合に、当該印刷ジョブについての画像形成を実行する実行手段を含む。
【0014】
好ましくは、画像形成システムは、さらに、通知された消耗品の補給/交換を行なったユーザを特定する認識手段を含む。蓄積手段は、複数の印刷ジョブを優先順位付けして蓄積し、第1判断手段は、蓄積手段に蓄積されている印刷ジョブのうち、優先順位の高いものから付与されているモードを判断し、蓄積手段は、さらに、通知手段による通知後に、当該消耗品の補給/交換を行なったユーザに関連付けられた印刷ジョブの優先順位をより高い順位に変更する。
【0015】
この発明の別の局面に従う画像形成装置は、第1および第2のモードのいずれかが付与された印刷ジョブを受信して蓄積する蓄積手段を含む。ここで、第1のモードは、他の印刷ジョブとは独立して画像形成の即時実行を要求する属性であり、第2のモードは、所定条件が満たされるまで画像形成の実行の待機を要求する属性である。本画像形成装置は、さらに、蓄積した印刷ジョブに付与されているモードを判断する第1判断手段と、蓄積した印刷ジョブに第1のモードが付与されている場合に、画像形成に必要な消耗品の状態に基づいて、当該印刷ジョブについての画像形成が可能であるか否かを判断する第2判断手段と、蓄積した印刷ジョブについての画像形成が不可能と判断された場合に、画像形成が不可能であること、および当該画像形成に必要な消耗品の補給/交換が必要であることを通知する通知手段とを含む。ここで、第2判断手段は、通知手段による通知後に、蓄積した印刷ジョブについての画像形成が可能であるか否かを再度判断する。本画像形成装置は、さらに、蓄積した印刷ジョブについての画像形成が可能になった場合に、当該印刷ジョブについての画像形成を実行する実行手段を含む。
【0016】
好ましくは、通知手段は、蓄積した印刷ジョブに関連付けられたユーザに通知する。
好ましくは、通知手段は、通知に加えて、蓄積した印刷ジョブの取消指令を受付けるためのユーザインターフェイスを提供する。蓄積手段は、ユーザインターフェイス上において、蓄積した印刷ジョブに対する取消指令が与えられると、指定された印刷ジョブを削除する。
【0017】
好ましくは、通知手段は、通知後に、第2判断手段による判断結果が変化すると、先に通知した内容を更新する。
【0018】
好ましくは、蓄積手段は、複数の印刷ジョブを優先順位付けして蓄積する。第1判断手段は、蓄積手段に蓄積されている印刷ジョブのうち、優先順位の高いものから付与されているモードを判断する。画像形成装置は、通知された消耗品の補給/交換を行なったユーザを特定する認識手段をさらに含み、蓄積手段は、さらに、通知手段による通知後に、当該消耗品の補給/交換を行なったユーザに関連付けられた印刷ジョブの優先順位をより高い順位に変更する。
【0019】
好ましくは、画像形成装置は、画像が形成される用紙を収容する収容部と、収容部に収容されている用紙の枚数を取得する取得手段とをさらに含む。第2判断手段は、収容部に収容されている用紙の枚数と蓄積した印刷ジョブについての画像形成に要する枚数との比較に基づいて、当該印刷ジョブについての画像形成が可能であるか否かを判断する。
【0020】
この発明のさらに別の局面に従えば、画像形成装置における処理方法を提供する。本処理方法は、第1および第2のモードのいずれかが付与された印刷ジョブを受付けて蓄積するステップを含む。ここで、第1のモードは、他の印刷ジョブとは独立して画像形成の即時実行を要求する属性であり、第2のモードは、所定条件が満たされるまで画像形成の実行の待機を要求する属性である。本処理方法は、さらに、蓄積した印刷ジョブに付与されているモードを判断するステップと、蓄積した印刷ジョブに第1のモードが付与されている場合に、画像形成に必要な消耗品の状態に基づいて、当該印刷ジョブについての画像形成が可能であるか否かを判断するステップと、蓄積した印刷ジョブについての画像形成が不可能と判断された場合に、画像形成が不可能であること、および当該画像形成に必要な消耗品の補給/交換が必要であることを、当該印刷ジョブの送信元のユーザに通知するステップと、通知するステップの実行後に、蓄積した印刷ジョブについての画像形成が可能であるか否かを判断するステップと、蓄積した印刷ジョブについての画像形成が可能になった場合に、当該印刷ジョブについての画像形成を実行するステップとを含む。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、即時印刷モードおよび待機印刷モードを設定可能な画像形成装置において、印刷結果物を急いで受取りたいユーザの印刷ジョブについてのプリント処理を確実に即時実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の実施の形態に従う画像形成システムの概略構成図である。
【図2】この発明の実施の形態に従う画像形成装置の構成を示す概略断面図である。
【図3】この発明の実施の形態に従う画像形成装置に含まれる制御部2のハードウェア構成を示す模式図である。
【図4】この発明の実施の形態に従う情報処理装置の典型例であるパーソナルコンピュータPCのハードウェア構成を示す模式図である。
【図5】この発明の実施の形態に従う画像形成システムにおける印刷ジョブの実行に係る処理手順の一例を示すシーケンス図(その1)である。
【図6】この発明の実施の形態に従う画像形成システムにおける印刷ジョブの実行に係る処理手順の一例を示すシーケンス図(その2)である。
【図7】図5に示すシーケンスSQ100においてパーソナルコンピュータ上に表示される印刷設定ダイアログの一例を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態に従う画像形成装置の印刷ジョブ蓄積リストの一例を示す図である。
【図9】図5に示すシーケンスSQ122においてパーソナルコンピュータ上に表示される印刷通知ダイアログの一例を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態に従う画像形成システムにおける印刷ジョブの実行に係る処理手順の別の一例を示すシーケンス図(その1)である。
【図11】この発明の実施の形態に従う画像形成システムにおける印刷ジョブの実行に係る処理手順の別の一例を示すシーケンス図(その2)である。
【図12】この発明の実施の形態に従う画像形成装置の印刷ジョブ蓄積リストの別の一例を示す図である。
【図13】図10に示すシーケンスSQ100において画像形成装置の操作パネルにおける表示状態の一例を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態に従う画像形成装置の制御構造を示すブロック図である。
【図15】この発明の実施の形態に従うパーソナルコンピュータの制御構造を示すブロック図である。
【図16】この発明の実施の形態に従う画像形成装置における処理手順を示すフローチャート(その1)である。
【図17】この発明の実施の形態に従う画像形成装置における処理手順を示すフローチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0024】
<画像形成システムの構成>
図1は、この発明の実施の形態に従う画像形成システムSYSの概略構成図である。図1を参照して、本実施の形態に従う画像形成システムSYSは、画像形成装置100と、ネットワークNWを介して画像形成装置100とデータ通信可能に接続された複数の情報処理装置とを含む。
【0025】
画像形成装置100は、少なくともプリントエンジンを搭載し、プリント処理が可能な装置であればどのような種類のものであってもよい。典型的には、画像形成装置100は、プリンタ、コピー機、ファクシミリ、複合機(MFP:Multi Function Peripheral)などを含む。以下の説明では、画像形成装置100の典型例として、プリンタに適用した場合について例示する。
【0026】
情報処理装置の典型例として、図1には、パーソナルコンピュータPC1〜PC3(以下、「パーソナルコンピュータPC」とも総称する。)および携帯端末MTを例示する。なお、携帯端末MTは、ネットワークNWに接続されたアクセスポイントAPとの間の無線通信を介して、画像形成装置100とデータ通信可能に接続される。あるいは、携帯電話のように、公衆無線回線を介して画像形成装置100とデータ通信可能に接続されてもよい。なお、本実施の形態に従う情報処理装置は、画像形成装置100で処理可能な印刷ジョブを生成し、その生成した印刷ジョブを画像形成装置100へ送信可能な装置であればどのような種類のものであってもよい。そのため、本実施の形態に従う情報処理装置には、図1に例示したパーソナルコンピュータPCおよび携帯端末MTに加えて、ワークステーション、PDA(Personal Digital Assistant)、ネットワークスキャナ、ネットワークファクシミリなどを含み得る。なお、説明を簡略化するために、情報処理装置の典型例として、パーソナルコンピュータPCを採用した場合について以下例示する。
【0027】
<画像形成システムの処理概要>
本実施の形態に従う画像形成システムSYSにおいては、パーソナルコンピュータPC上で、文書作成アプリケーションや表計算アプリケーションが実行可能になっている。ユーザが印刷指示を与えると、パーソナルコンピュータPCにインストールされているプリンタドライバが、これらのアプリケーション上で作成された各種ドキュメント類に基づいて印刷ジョブを生成する。さらに、プリンタドライバは、生成した印刷ジョブを画像形成装置100へ送信する。このとき、後述するように、プリンタドライバは、ユーザが「即時印刷モード」(第1のモードに相当)および「待機印刷モード」(第2のモードに相当)のいずれかを選択可能なインターフェイスを提供する。そのため、ユーザは、対象のドキュメントの重要度などに応じて、いずれかのモードを指定する。このユーザによるモード指定に応答して、プリンタドライバは、生成した印刷ジョブに指定されたモードを付与する。なお、プリンタドライバは、印刷に係る各種設定(解像度、用紙方向、モノクロ/カラーの区別など)についても印刷ジョブの属性として付与する。
【0028】
「即時印刷モード」は、他の印刷ジョブとは独立して印刷ジョブの即時実行を要求するモードである。すなわち、この即時印刷モードが付与された印刷ジョブを受取った画像形成装置100は、一般的な画像形成装置と同様に、その印刷ジョブの受信順序に従って、それぞれの印刷ジョブについてのプリント処理を実行し、印刷結果物を出力する。
【0029】
一方、「待機印刷モード」は、所定条件が満たされるまでプリント処理の待機を要求するモードである。この待機印刷モードは、消費電力を低減するために、印刷結果物の受取りを急がない印刷ジョブについて、所定条件が満たされるまで画像形成装置100に蓄積しておき、所定条件が満たされた後に、それらの蓄積した印刷ジョブについてまとめてプリント処理するための属性である。すなわち、この待機印刷モードが付与された印刷ジョブを受取った画像形成装置100は、それらの印刷ジョブを蓄積するとともに、所定条件が満たされるか否かを逐次判断し、所定条件が満たされたと判断すると、プリント処理を開始する。なお、所定条件としては、以下のようなものが挙げられる。
【0030】
(1)ウォームアップ動作が完了済であること(典型的には、即時印刷モードが付与された印刷ジョブの実行直後)
(2)画像形成装置100に蓄積済の印刷ジョブが所定数を超えること
(3)待機印刷モードが付与された印刷ジョブの蓄積開始から所定時間が経過したこと
このように、複数の印刷ジョブをまとめて処理することで、ウォームアップ動作の回数を低減するとともに、スリープ時間を増加させることができる。これにより、画像形成装置100における消費電力を低減できる。特に、消費電力を低減する観点からは、即時印刷モードが付与された印刷ジョブについてのプリント処理に続けて、待機印刷モードが付与された印刷ジョブについてのプリント処理を実行することが最も効率的である。
【0031】
言い換えれば、本実施の形態に従う画像形成システムSYSにおいては、重要度の高い印刷ジョブについては即時処理を行なうとともに、重要度の高くない印刷ジョブについては、まとめて処理することで、消費電力を低減しつつ、印刷結果物の受取りを急ぐユーザに対する利便性を損なわないようにしている。
【0032】
本実施の形態に従う画像形成装置100は、パーソナルコンピュータPCなどの情報処理装置から受信した印刷ジョブに即時印刷モードが付与されている場合には、当該印刷ジョブの実行前(プリント処理の開始前)に、必要な消耗品の状態に基づいて、当該印刷ジョブについてのプリント処理が可能であるか否かを判断する。画像形成装置100は、印刷ジョブについてのプリント処理が可能であると判断した場合に限って、当該印刷ジョブについてのプリント処理を開始する。一方、印刷ジョブについてのプリント処理が可能でないと判断すると、画像形成装置100は、当該印刷ジョブに関連付けられたユーザに対して、以下のような通知を行なう。なお、消耗品とは、典型的には、用紙、インク、トナーカートリッジ、中間ベルト、定着器などを含む。
【0033】
(1)対象の印刷ジョブについてのプリント処理が不可能であること
(2)対象の印刷ジョブについてのプリント処理に必要な消耗品の補給/交換が必要であること
印刷ジョブの関連付けられたユーザとしては、当該印刷ジョブの所有者(典型的には、当該印刷ジョブを指示したユーザ)、同時に画像形成装置100に蓄積されている他の印刷ジョブを指示したユーザ、画像形成装置100の管理者などを含む。より具体的には、画像形成装置100は、対象の印刷ジョブの送信元の情報処理装置を使用するユーザを、当該印刷ジョブの所有者として特定する。あるいは、対象の印刷ジョブの所有者などを特定した上で、対応する所有者に予め登録されている送信先(たとえば、携帯端末MT)へその内容を通知してもよい。
【0034】
このような通知を受けたユーザは、即時印刷モードを指定して印刷指示を与えているので、画像形成装置100に対して必要な対処を行なうことが期待できる。すなわち、先に指定した画像形成装置100でのプリント処理の継続を望む場合には、必要な消耗品の補給および/または交換を行なうことが予想される。たとえば、画像形成装置100において用紙切れが発生しているのであれば、上記のような通知を受けたユーザは、画像形成装置100に用紙を補給することで、自身の指示した印刷ジョブの実行が継続される。
【0035】
本実施の形態に従う画像形成装置100は、上記のような通知を行なうためのユーザインターフェイス上に、対象の印刷ジョブを取消すための入力ボタンなどを表示する。そのため、印刷ジョブを適切に処理できない状態にある画像形成装置100でのプリント処理の継続を望まないユーザは、この入力ボタンを押下することで、先に指示した印刷ジョブがキャンセル(削除)される。たとえば、代替の画像形成装置が利用可能な環境下にあれば、当該ユーザはその代替の画像形成装置に必要な印刷ジョブを実行させることができる。
【0036】
<画像形成装置の構成>
図2は、この発明の実施の形態に従う画像形成装置100の構成を示す概略断面図である。図2には、本発明に係る画像形成装置の典型例として、カラープリントが可能なタンデム式の画像形成装置100を例示する。
【0037】
図2を参照して、画像形成装置100は、制御部2と、トナーカートリッジユニットTCC,TCM,TCY,TCKと、中間ベルトユニット3と、定着器ユニット4とを含む。
【0038】
制御部2は、後述するように、画像形成装置100全体の制御を司る。
トナーカートリッジユニットTCC,TCM,TCY,TCK、中間ベルトユニット3、および定着器ユニット4は、記録媒体である用紙12に対して、画像形成を行なうための作像部である。
【0039】
トナーカートリッジユニットTCC,TCM,TCY,TCKは、それぞれ「シアン」「マゼンタ」「黄色」「黒」のトナー像を形成する。以下、トナーカートリッジユニットTCC,TCM,TCY,TCKを「トナーカートリッジユニットTC」とも総称する。
【0040】
トナーカートリッジユニットTCの各々は、トナー像を担持する感光体20と、感光体20を帯電する帯電部24と、画像パターンを露光する露光部22と、画像パターンをトナー像として現像する現像部26と、感光体20上の転写残トナーを取除く感光体クリーナ28とを含む。
【0041】
中間ベルトユニット3は、トナーカートリッジユニットTCのそれぞれの感光体20上に形成された4色のトナー像を重ねて画像形成する中間転写ベルト30と、中間転写ベルト30上に形成されたトナー像(4色合成)を用紙12上に転写する2次転写ローラ36,37と、中間転写ベルト30上のトナー像の濃度を検出する濃度センサ32と、中間転写ベルト30上の転写残トナーを取除く中間転写ベルトクリーナ38とを含む。
【0042】
定着器ユニット4は、中間ベルトユニット3によって用紙12上に転写されたトナー像を定着する。より具体的には、定着器ユニット4は、用紙12上のトナー像を加熱する加熱ローラ40と、用紙12上のトナー像を加圧する加圧ローラ41と、加熱ローラ40の表面温度を測定する温度センサ42とを含む。
【0043】
また、画像形成装置100は、用紙を収容する収容部10と、搬送ガイド14と、給紙ローラ16と、タイミングローラ50および51と、排出ローラ52および53とを含む。これらは、用紙12を搬送するための搬送部である。収容部10の底部には、用紙12の残量を検出するための残量検出センサ18が設けられる。残量検出センサ18は、重量センサや赤外線センサなどによって構成され、収容部10に装填されている用紙の枚数を検出する。また、収容部10と画像形成装置100の本体部との接触面には、収容部10の装填状態(収容部10の開閉状態)を検出するための装着検出センサ19が設けられる。
【0044】
次に、画像形成装置100の画像形成に係る動作を説明する。収容部10に装填された用紙12は、給紙ローラ16の回転によって、搬送ガイド14に沿って給紙される。そして、用紙12は、搬送経路に沿って搬送されて、タイミングローラ50および51まで到達すると、一旦停止される。この用紙12の搬送と並行して、トナーカートリッジユニットTCの各々では、画像形成されるべき画像パターンに応じたトナー像が作像され、中間転写ベルト30上では、それぞれのトナーカートリッジユニットTCで作像されたトナー像が重ね合わされる。この中間転写ベルト30上に作像されたトナー像とタイミングを一致させて、タイミングローラ50,51は、用紙12を2次転写ローラ36および37へ給紙する。すると、2次転写ローラ36および37によって、中間転写ベルト30上に作像されたトナー像が用紙12へ転写される。さらに、トナー像が転写された用紙12は、定着器ユニット4へ搬送され、加熱ローラ40および加圧ローラ41によって、そのトナー像が定着される。さらに、トナー像が定着された用紙12は、排出ローラ52および53によって排出トレイ54へ排出される。
【0045】
さらに、画像形成装置100は、内部の冷却を行なうための冷却ファン60および冷却空気を取り入れるための開口部62を含む。
【0046】
また、画像形成装置100は、ユーザからの指示を受付ける入力部に相当する操作パネル7を含む。操作パネル7には、ユーザからの指示を受付けるボタンに加えて、画像形成装置100の状態などを示す液晶パネルなどの表示部を設けてもよい。
【0047】
さらに、原稿から画像データを読取るためのスキャナや、ファクシミリの送受信を行なうファクシミリ処理部などをさらに設けてもよい。
【0048】
<画像形成装置の制御部の構成>
図3は、この発明の実施の形態に従う画像形成装置100に含まれる制御部2のハードウェア構成を示す模式図である。
【0049】
図3を参照して、制御部2は、CPU(Central Processing Unit)201と、RAM(Random Access Memory)203と、ROM(Read Only Memory)205と、EEPROM(Electrical Erasable and Programmable Read Only Memory)207と、HDD(Hard Disk Drive)209と、外部通信I/F(インターフェイス:Interface)211と、内部通信I/F213とを含む。なお、これらの部位は、内部バス215を介して互いに接続される。
【0050】
制御部2では、CPU201が、ROM205などに予め格納されている各種処理を実行するためのプログラムをRAM203などに展開して実行することで、画像形成装置100が制御される。
【0051】
RAM203は、揮発性メモリであり、ワークメモリとして使用される。より具体的には、RAM203には、実行されるプログラム自体に加えて、各種変数データが一時的に格納される。EEPROM207は、典型的には不揮発性の半導体メモリであり、画像形成装置100のIPアドレスやネットワークドメインなどを各種設定値を記憶する。HDD209は、典型的には不揮発性の磁気メモリであり、情報処理装置から受信した印刷ジョブなどを蓄積する。
【0052】
外部通信I/F211は、典型的にはイーサネット(登録商標)といった汎用的な通信プロトコルをサポートし、ネットワークNWを介してパーソナルコンピュータPCや他の画像形成装置との間でデータ通信を提供する。
【0053】
内部通信I/F213は、操作パネル7と接続され、操作パネル7に対するユーザ操作に応じた信号を受信して、CPU201へ伝送するとともに、CPU201からの命令に従って、操作パネル7にメッセージなどを表示するために必要な信号を送信する。
【0054】
<情報処理装置の構成>
図4は、この発明の実施の形態に従う情報処理装置の典型例であるパーソナルコンピュータPCのハードウェア構成を示す模式図である。
【0055】
図4を参照して、本実施の形態に従う情報処理装置の典型例であるパーソナルコンピュータPCは、オペレーティングシステムを含む各種プログラムを実行するCPU301と、CPU301でのプログラムの実行に必要なデータを一時的に記憶する記憶部としてのメモリ313と、CPU301で実行されるプログラムを不揮発的に記憶するハードディスク(HDD)311とを含む。このようなプログラムは、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)ドライブ315またはフレキシブルディスク(FD:Flexible Disk)ドライブ317によって、それぞれCD−ROM315aまたはフレキシブルディスク317aなどのコンピュータ読取可能媒体から読取られる。
【0056】
CPU201は、キーボード、マウス、タブレットなどからなる入力装置309を介してユーザによる操作要求を受取るとともに、プログラムの実行によって生成される画面出力を出力装置305へ出力する。出力装置305は、アプリケーションやプリンタドライバのユーザインターフェイス画面やダイアログをユーザに表示するためのデバイスであり、典型的には、モニターやプロジェクターなどからなる。
【0057】
また、CPU301は、LANカードなどからなる通信I/F307を介して、画像形成装置100などとの間でデータ通信を行なう。なお、これらの部位は、内部バス303を介して互いに接続される。
【0058】
<印刷ジョブの実行例>
次に、図5〜図13を参照して、本実施の形態に従う画像形成システムSYSにおける印刷ジョブの実行例について説明する。なお、説明を簡略化するために、印刷ジョブの実行に必要な消耗品の典型例として、画像形成装置100の収容部10(図2)に装填されている「用紙」の残量を評価する構成について例示する。
【0059】
(1)1人のユーザから即時印刷モードの印刷ジョブが指示された場合
図5および図6は、この発明の実施の形態に従う画像形成システムSYSにおける印刷ジョブの実行に係る処理手順の一例を示すシーケンス図である。なお、図5および図6に示すシーケンス図においては、ユーザAがパーソナルコンピュータPC1にログインしているものとし、このユーザAが即時印刷モードを指定して印刷指示を与えた場合について例示する。
【0060】
図5を参照して、まず、ユーザAが、パーソナルコンピュータPC1上で、何らかのアプリケーションを操作してドキュメントを作成し、さらに、印刷指示を与えたものとする(シーケンスSQ100)。このような印刷指示は、パーソナルコンピュータPC1にインストールされているプリンタドライバによって提供されるユーザインターフェイス(印刷設定ダイアログ)上で入力される。
【0061】
図7は、図5に示すシーケンスSQ100においてパーソナルコンピュータPC1上に表示される印刷設定ダイアログの一例を示す図である。図7を参照して、この印刷設定ダイアログ400には、印刷に係る各種設定(オリジナル文書サイズ、出力用紙サイズ、印刷の向き、出力枚数など)を受付ける入力フォームに加えて、即時印刷モードおよび待機印刷モードのいずれかを受付ける入力フォーム402が設けられている。この入力フォーム402において、即時印刷モードでの印刷を希望するユーザは、ラジオボタン404を選択し、待機印刷モードでの印刷を希望するユーザは、ラジオボタン406を選択する。
【0062】
図5に戻って、この印刷指示に応答して、パーソナルコンピュータPC1は、対象のドキュメントから印刷ジョブを生成する(シーケンスSQ102)。より具体的には、パーソナルコンピュータPC1は、対象のドキュメントの画像形成を行なうための情報を記述したPDLデータもしくは対象のドキュメントのイメージを表わすラスターデータを出力するとともに、これらのデータに、ユーザによって入力された印刷設定に従う属性を付与する。この属性には、即時印刷モードおよび待機印刷モードのいずれかの属性を含む。続いて、パーソナルコンピュータPC1は、この生成された印刷ジョブを画像形成装置100へ送信する(シーケンスSQ104)。
【0063】
画像形成装置100は、パーソナルコンピュータPC1から印刷ジョブを受信する(シーケンスSQ106)と、内蔵の記憶装置(RAM203、EEPROM207、HDD209など)にその印刷ジョブを蓄積し(シーケンスSQ108)、さらに、印刷ジョブ蓄積リストの内容を更新する(シーケンスSQ110)。なお、受信した印刷ジョブがPDL(Page Description Language)で記述されている場合には、その印刷ジョブに対してラスター変換を行なうことで、画像形成に適したラスター(ビットマップ)データを生成し、この生成したラスターデータを格納することが好ましい。
【0064】
図8は、この発明の実施の形態に従う画像形成装置100の印刷ジョブ蓄積リストの一例を示す図である。画像形成装置100は、パーソナルコンピュータPC1から印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブを蓄積するとともに、図8に示すような印刷ジョブ蓄積リスト204aを更新する。図8に示す印刷ジョブ蓄積リスト204aは、各行に、画像形成装置100が受信した印刷ジョブ毎の内容が時系列で記録される。上述のように、パーソナルコンピュータPC1から即時印刷モードが指定された印刷ジョブが送信されると、画像形成装置100は、その印刷ジョブを新たに追加する。なお、ユーザAのユーザIDは「10」であり、この追加された印刷ジョブには、JobIDとして「105」が割り当てられたものとする。
【0065】
このように、印刷ジョブ蓄積リスト204aでは、複数の印刷ジョブが優先順位付けして蓄積される。なお、図8に示す印刷ジョブ蓄積リスト204aにおいては、受信順を優先順位と対応付けて(FIFO:First-In First-Out)おり、紙面下側の方がより優先順位が高くなっている。
【0066】
より具体的には、印刷ジョブ蓄積リスト204aは、JobID項目281と、依頼時刻項目282と、ユーザID項目283と、印刷種類項目284と、依頼元IPアドレス285と、色情報項目286と、ページ数項目287と、Jobデータ項目288とを含む。
【0067】
JobID項目281には、画像形成装置100が受信した印刷ジョブを特定するための識別番号が格納され、典型的には、印刷ジョブの受信順に従ってインクリメントされる数字が割り当てられる。
【0068】
依頼時刻項目282には、画像形成装置100が受信した印刷ジョブの時刻が格納される。
【0069】
ユーザID項目283には、対応の印刷ジョブを生成したユーザ、すなわち所有者を示す識別番号が格納される。なお、このユーザIDは、各パーソナルコンピュータPCにインストールされたプリンタドライバに予め設定されているものとする。あるいは、当該プリンタドライバがインストール先のパーソナルコンピュータPCのオペレーティングシステム(OS)に問い合わせを行なうことで取得してもよい。
【0070】
印刷種類項目284には、対応の印刷ジョブに付与されたモード種別、すなわち即時印刷モードであるか、あるいは待機印刷モードであるかが格納される。
【0071】
依頼元IPアドレス285には、対応する印刷ジョブの送信元の情報処理装置についてのネットワークアドレスの一例であるIPアドレスの値が格納される。
【0072】
色情報項目286には、対応する印刷ジョブがモノクロ印刷であるか、カラー印刷であるかを示す値が格納される。
【0073】
ページ数項目287には、対応する印刷ジョブに含まれるページ数、すなわち対応する印刷ジョブの実行によって消費される用紙の枚数(但し、片面印刷の場合)が格納される。
【0074】
Jobデータ項目288には、対応する印刷ジョブの実体ファイルとを示す情報、典型的には対応の印刷ジョブから生成されたラスターデータのファイル名が格納される。
【0075】
図8に示すように、画像形成装置100が先に待機印刷ジョブを受信しており、かつ、待機印刷ジョブを実行するための所定条件が満たされていなければ、印刷ジョブ蓄積リスト204aに待機印刷ジョブが登録されていることになる。
【0076】
図5に戻って、画像形成装置100は、蓄積した印刷ジョブに付与されているモードを判断する(シーケンスSQ112)。すなわち、画像形成装置100は、受信した印刷ジョブが即時印刷モードであるか、待機印刷モードであるかを判断する。図5および図6に示す例では、即時印刷モードが指定された印刷ジョブである(シーケンスSQ112において「即時印刷モード」)ので、画像形成装置100は、以下のようなプリント動作のための処理を実行する。なお、待機印刷モードが指定された印刷ジョブの場合(シーケンスSQ112において「待機印刷モード」)には、画像形成装置100は、所定条件が満たされるまで、プリント動作の開始を待機する。
【0077】
続いて、画像形成装置100は、自装置の収容部10に収納されている用紙の残量を取得する(シーケンスSQ114)。さらに、画像形成装置100は、取得した用紙残量に基づいて、対象の印刷ジョブについてのプリント処理が可能であるか否かを判断する(シーケンスSQ116)。
【0078】
対象の印刷ジョブについてのプリント処理が可能である場合(シーケンスSQ116においてYESの場合)には、画像形成装置100は、対象の印刷ジョブについてのプリント処理を実行する(シーケンスSQ118)。
【0079】
一方、対象の印刷ジョブについてのプリント処理が不可能である場合(シーケンスSQ116においてNOの場合)には、画像形成装置100は、プリント処理が不可能であること、およびプリント処理に必要な用紙の補給が必要であることを通知するためのメッセージをパーソナルコンピュータPC1へ送信する(シーケンスSQ120)。パーソナルコンピュータPC1は、このメッセージを受信すると、印刷通知ダイアログを出力装置305上に出力する(シーケンスSQ122)。
【0080】
図9は、図5に示すシーケンスSQ122においてパーソナルコンピュータPC1上に表示される印刷通知ダイアログの一例を示す図である。図9を参照して、この印刷通知ダイアログ450では、プリント処理が不可能であることを示す「あなたの印刷ジョブに必要な用紙が不足しています。」とのメッセージ、およびプリント処理に必要な用紙の補給を促す「用紙を補給して下さい。」とのメッセージがボックス452内に表示される。また、印刷通知ダイアログ450には、対象の即時印刷ジョブを示すJobID、プリント処理に必要な用紙の枚数、画像形成装置100に現在装填されている用紙の枚数、補給すべき用紙の枚数などがボックス454内に表示される。なお、消耗品として、インク、トナーカートリッジ、中間ベルト、定着器などの寿命などを管理する場合には、たとえば、「あなたの印刷ジョブに必要なインクが不足しています。インクカートリッジを交換して下さい。」といったメッセージを表示してもよい。あるいは、「あなたの印刷ジョブに必要なトナーが不足しています。トナーを補給して下さい。」といったメッセージを表示してもよい。
【0081】
さらに、印刷通知ダイアログ450には、印刷通知ダイアログ450の表示内容をユーザが確認したことを受付けるOKボタン456と、対象の印刷ジョブの取消指令を受付けるためのジョブ取消ボタン458とが配置される。
【0082】
なお、印刷通知ダイアログ450は、指示した印刷ジョブ毎に表示されてもよいし、複数の印刷ジョブに係る内容を同一の印刷通知ダイアログ450に一覧表示してもよい。前者の方法を採用した場合には、それぞれの印刷ジョブについてのユーザの注意を喚起できるメリットがある。一方、後者の方法を採用した場合には、同一のユーザが指示した複数の印刷ジョブを一括操作できるため、ユーザの操作性が向上する。
【0083】
図5に戻って、印刷通知ダイアログ450を見たユーザAが、OKボタン456(図9)を押下し、画像形成装置100に用紙を補給したとする(シーケンスSQ124)。なお、OKボタン456の押下により、印刷通知ダイアログ450は閉じる。
【0084】
一方、画像形成装置100は、図9に示すような印刷通知ダイアログを表示するためのメッセージの送信後において、用紙を補給するための収容部10が開閉されたことを検出すると、収容部10に収納されている用紙の残量を再度取得する(シーケンスSQ126)。続いて、画像形成装置100は、取得した用紙残量に基づいて、対象の印刷ジョブについてのプリント処理が可能であるか否かを再度判断する(シーケンスSQ128)。なお、収容部10が開閉されたことは、装着検出センサ19(図2)からの検出信号に基づいて判断される。
【0085】
対象の印刷ジョブについてのプリント処理が可能になった場合(シーケンスSQ128においてYESの場合)には、画像形成装置100は、対象の印刷ジョブについてのプリント処理を実行する(シーケンスSQ130)。
【0086】
一方、対象の印刷ジョブについてのプリント処理が未だ不可能である場合(シーケンスSQ128においてNOの場合)には、画像形成装置100は、プリント処理が不可能であること、およびプリント処理に必要な用紙の補給が必要であることを再通知するためのメッセージをパーソナルコンピュータPC1へ送信する(シーケンスSQ120)。そして、シーケンスSQ122以下の処理が繰返される。
【0087】
図6を参照して、印刷通知ダイアログ450を見たユーザAが、指定した画像形成装置100でのプリント処理の継続を望まず、ジョブ取消ボタン458(図9)を押下したとする(シーケンスSQ140)。すると、パーソナルコンピュータPC1は、通知された印刷ジョブの取消メッセージを画像形成装置100へ送信する(シーケンスSQ142)。
【0088】
画像形成装置100は、パーソナルコンピュータPClから印刷ジョブの取消メッセージを受信すると、蓄積されている印刷ジョブ(もしくは、印刷ジョブに基づいて生成されたラスターデータ)を削除するとともに、印刷ジョブ蓄積リスト204aの登録内容のうち、対象の印刷ジョブに対応するエントリを削除する(シーケンスSQ144)。
【0089】
(2)複数のユーザから即時印刷モードの印刷ジョブがそれぞれ指示された場合
上述の図5および図6には、1人のユーザからの即時印刷モードの印刷ジョブが画像形成装置100へ指示された場合のシーケンスについて例示した。一方、複数のユーザからの即時印刷モードの印刷ジョブがそれぞれ指示され、画像形成装置100においてそれらの実行が不可能な状態になった場合のシーケンスについて例示する。
【0090】
図10および図11は、この発明の実施の形態に従う画像形成システムSYSにおける印刷ジョブの実行に係る処理手順の別の一例を示すシーケンス図である。なお、図10および図11に示すシーケンス図は、上述の図5に示すシーケンス図において、パーソナルコンピュータPC1上で印刷通知ダイアログが出力された(シーケンスSQ122)後、ユーザAが何らかの対処をする前に、別のユーザB(パーソナルコンピュータPC2にログインしているものとする)が即時印刷モードを指定して新たな印刷指示を与えた場合について示す。
【0091】
図10を参照して、まず、上述の図5に示すシーケンスSQ100〜SQ120と同様の処理が実行されたものとする。すると、パーソナルコンピュータPC1は、ユーザAが指示した印刷ジョブについて、印刷通知ダイアログを出力装置305上に出力する(シーケンスSQ122)。
【0092】
ここで、ユーザAが何らかの対処をする前に、ユーザBが、パーソナルコンピュータPC1上で、何らかのアプリケーションを操作してドキュメントを作成し、さらに、印刷指示を与えたものとする(シーケンスSQ200)。この印刷指示に応答して、パーソナルコンピュータPC2は、対象のドキュメントから印刷ジョブを生成し(シーケンスSQ202)、この生成された印刷ジョブを画像形成装置100へ送信する(シーケンスSQ204)。
【0093】
画像形成装置100は、パーソナルコンピュータPC2からユーザBにより指示された印刷ジョブを受信する(シーケンスSQ206)と、内蔵の記憶装置(RAM203、EEPROM207、HDD209など)にその印刷ジョブを蓄積し(シーケンスSQ208)、さらに、印刷ジョブ蓄積リストの内容を更新する(シーケンスSQ210)。
【0094】
図12は、この発明の実施の形態に従う画像形成装置100の印刷ジョブ蓄積リストの別の一例を示す図である。図10に示すシーケンスSQ210において、ユーザBにより指示された印刷ジョブが受信されると、印刷ジョブ蓄積リスト204aは、図8に示す登録内容から図12(a)に示す登録内容に更新される。すなわち、画像形成装置100は、パーソナルコンピュータPC2から即時印刷モードが指定された印刷ジョブを受信すると、当該印刷ジョブを図8に示す印刷ジョブ蓄積リストに対して追加する。なお、ユーザBのユーザIDは「11」であり、この追加された印刷ジョブには、JobIDとして「106」が割り当てられたものとする。
【0095】
図10に戻って、画像形成装置100は、蓄積した印刷ジョブに付与されているモードを判断する(シーケンスSQ212)。すなわち、画像形成装置100は、受信した印刷ジョブが即時印刷モードであるか、待機印刷モードであるかを判断する。図10および図11に示す例では、ユーザBが指示した印刷ジョブは即時印刷モードである(シーケンスSQ212において「即時印刷モード」)ので、画像形成装置100は、シーケンスSQ214以下に示すプリント動作のための処理を実行する。なお、待機印刷モードの印刷ジョブの場合(シーケンスSQ212において「待機印刷モード」)には、画像形成装置100は、ユーザBから受信した印刷ジョブについてはプリント処理の対象とはせずに、後述するシーケンスSQ222以下の処理を実行する。
【0096】
シーケンスSQ214において、画像形成装置100は、自装置の収容部10に収納されている用紙の残量を取得する。続いて、画像形成装置100は、取得した用紙残量に基づいて、対象の印刷ジョブについてのプリント処理が可能であるか否かを判断する(シーケンスSQ216)。
【0097】
対象の印刷ジョブについてのプリント処理が可能である場合(シーケンスSQ216においてYESの場合)には、画像形成装置100は、対象の印刷ジョブについてのプリント処理を実行する(シーケンスSQ218)。
【0098】
一方、図10および図11を参照して、対象の印刷ジョブについてのプリント処理が不可能である場合(シーケンスSQ216においてNOの場合)には、画像形成装置100は、プリント処理が不可能であること、およびプリント処理に必要な用紙の補給を通知するためのメッセージをパーソナルコンピュータPC2へ送信する(シーケンスSQ222)。パーソナルコンピュータPC2は、このメッセージを受信すると、印刷通知ダイアログを出力装置305上に出力する(シーケンスSQ224)。なお、この印刷通知ダイアログは、上述の図9と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
【0099】
印刷通知ダイアログ450を見たユーザBが、OKボタン456(図9)を押下し、画像形成装置100に用紙を補給したものとする(シーケンスSQ226)。さらに、ユーザBは、この用紙の補給に際して、画像形成装置100に蓄積されている印刷ジョブのうち、プリント処理を再開すべき印刷ジョブを指定する(シーケンスSQ228)。すなわち、用紙不足でプリント処理が開始されていない、即時印刷モードが付与されている印刷ジョブのうち、自身が要求した印刷ジョブを画像形成装置100上などで指定する。
【0100】
図13は、図10に示すシーケンスSQ100において画像形成装置100の操作パネル7における表示状態の一例を示す図である。図13を参照して、操作パネル7の表示部71には、プリント処理を再開すべき印刷ジョブの指定を促す「プリント再開するジョブを選択して下さい。」とのメッセージ、およびプリント処理が開始されていない、即時印刷モードが付与された印刷ジョブが一覧表示される。ユーザ(この場合には、ユーザB)は、操作パネル7の入力部72を操作して、自身の要求した印刷ジョブを選択する。より具体的には、方向ボタンを操作して、表示部71に表示されるカーソルを目的の印刷ジョブに設定した後、決定ボタンを押下することで、印刷ジョブが選択される。
【0101】
図11に戻って、この再開する印刷ジョブの指定に応答して、画像形成装置100は、通知された用紙の不足に対して、用紙を補給したユーザを特定する(シーケンスSQ230)。より具体的には、画像形成装置100は、印刷ジョブ蓄積リスト204aを参照して、指定された印刷ジョブに対応付けられているユーザID(ユーザID項目283の値)、もしくは送信元のパーソナルコンピュータのIPアドレス(依頼元IPアドレス285の値)を取得する。
【0102】
さらに、画像形成装置100は、シーケンスSQ230において取得した情報に基づいて、印刷ジョブ蓄積リスト204aに登録されている即時印刷モードの印刷ジョブのうち、不足する用紙の補給を行なったユーザ(この場合には、ユーザB)に関連付けられた印刷ジョブの優先順位をより高い順位に変更する(シーケンスSQ232)。典型的には、画像形成装置100は、不足する用紙の補給を行なったユーザが所有者となっている即時印刷モードの印刷ジョブの優先順位を最上位に変更する。上述の例においては、ユーザBが不足する用紙を補給したので、図12(a)に示す印刷ジョブ蓄積リスト204aの登録内容のうち、ユーザBが所有者であるJobIDが「106」の印刷ジョブが、ユーザAが所有者であるJobIDが「105」の印刷ジョブより高い優先順位に変更される。すなわち、この優先順位の変更に伴って、印刷ジョブ蓄積リスト204aは、図12(b)に示すような内容となる。
【0103】
なお、図13に示すように、用紙補給を行なったユーザ自身が操作パネル7に対して操作を行なう構成に代えて、用紙補給時に、各ユーザに予め配布されているIC(Integrated Circuit)を非接触の読取装置にかざすことで、ユーザ認証を行なう方法などを採用してもよい。
【0104】
図11に戻って、画像形成装置100は、図9に示すような印刷通知ダイアログを表示するためのメッセージの送信後において、用紙を補給するための収容部10が開閉されたことを検出すると、収容部10に収納されている用紙の残量を再度取得する(シーケンスSQ234)。続いて、画像形成装置100は、取得した用紙残量に基づいて、対象の印刷ジョブ(この場合には、少なくともユーザBが指示した印刷ジョブ)についてのプリント処理が可能であるか否かを再度判断する(シーケンスSQ236)。なお、収容部10が開閉されたことは、装着検出センサ19(図2)からの検出信号に基づいて判断される。
【0105】
対象の印刷ジョブについてのプリント処理が可能になった場合(シーケンスSQ236においてYESの場合)には、画像形成装置100は、パーソナルコンピュータPC2の出力装置305上に出力されている印刷通知ダイアログを閉じるためのメッセージをパーソナルコンピュータPC1へ送信する(シーケンスSQ238)。そして、画像形成装置100は、対象の印刷ジョブについてのプリント処理を実行する(シーケンスSQ240)。パーソナルコンピュータPC1は、このメッセージを受信すると、表示中の印刷通知ダイアログを閉じる(シーケンスSQ242)。すなわち、画像形成装置100は、パーソナルコンピュータPC1への通知後に、即時印刷モードが付与された印刷ジョブについてのプリント処理の可否判断結果が変化すると、先にパーソナルコンピュータPC1に通知した内容を更新する。なお、即時印刷モードが付与された印刷ジョブについてのプリント処理が可能になった場合に、パーソナルコンピュータPCで表示中の印刷通知ダイアログを閉じるだけでなく、収容部10に補給された用紙の枚数や他の即時印刷モードが付与された印刷ジョブの状況などが変化した場合において、印刷通知ダイアログ内に表示される情報を更新するようにしてもよい。
【0106】
一方、図10および図11を参照して、対象の印刷ジョブについてのプリント処理が未だ不可能である場合(シーケンスSQ236においてNOの場合)には、画像形成装置100は、プリント処理が不可能であること、およびプリント処理に必要な用紙の補給を通知するためのメッセージをパーソナルコンピュータPC2へ送信する(シーケンスSQ222)。そして、シーケンスSQ224以下の処理が繰返される。
【0107】
なお、印刷通知ダイアログ450を見たユーザBが、指定した画像形成装置100でのプリント処理の継続を望まない場合には、ジョブ取消ボタン458(図9)を押下することで、上述の図6と同様のシーケンスが実行される。その結果、画像形成装置100は、ユーザBが要求した印刷ジョブ(もしくは、印刷ジョブに基づいて生成されたラスターデータ)を削除するとともに、印刷ジョブ蓄積リスト204aの登録内容のうち、対象の印刷ジョブに対応するエントリを削除する。
【0108】
<画像形成装置の制御構造>
図14は、この発明の実施の形態に従う画像形成装置100の制御構造を示すブロック図である。図15は、この発明の実施の形態に従うパーソナルコンピュータPCの制御構造を示すブロック図である。
【0109】
図14を参照して、画像形成装置100は、その制御構造として、ジョブ受信部202と、ジョブ蓄積部204と、ジョブ実行部206と、ジョブ実行制御部208と、操作受付部210と、表示制御部212と、モード切替部214と、通知部216と、認証部218と、ジョブ実行可否判断部220とを含む。ジョブ蓄積部204は、RAM203、EEPROM207、HDD209(図3)に含まれる所定の領域として提供される。また、ジョブ受信部202および通知部216は、外部通信I/F211および関連するドライバソフトがCPU201で実行されることで提供される。その他の各部は、典型的に、CPU201(図3)がプログラムをRAM203(図3)に展開し、各コマンドを実行することで提供される。
【0110】
ジョブ受信部202は、パーソナルコンピュータPCなどの情報処理装置から送信される印刷ジョブを受信する。ジョブ受信部202は、この受信した印刷ジョブをジョブ蓄積部204へ渡す。なお、ジョブ受信部202がラスター変換を行なう機能を有していてもよい。
【0111】
ジョブ蓄積部204は、ジョブ受信部202からの印刷ジョブ(もしくは、印刷ジョブをラスター変換して得られたラスターデータ)を蓄積する。また、ジョブ蓄積部204は、印刷ジョブ蓄積リスト204aを保持しており、印刷ジョブの蓄積に併せて、その内容を逐次更新する。なお、ジョブ蓄積部204は、後述するジョブ実行部206により蓄積された印刷ジョブについてのプリント処理が実行されると、その印刷ジョブを削除するとともに、印刷ジョブ蓄積リスト204aの登録内容を更新する。
【0112】
ジョブ実行部206は、ジョブ実行制御部208からの制御指令に従って、ジョブ蓄積部204に蓄積されている印刷ジョブのうち指定された印刷ジョブを読出し、その読出した印刷ジョブに基づく制御コマンドをプリンタエンジンへ出力する。このプリンタエンジンへ出力する制御コマンドには、各色のトナー像を形成するための情報やプリントに用いられる用紙のサイズなどの情報が含まれる。
【0113】
ジョブ実行制御部208は、ジョブ蓄積部204に蓄積される印刷ジョブについてのプリント処理を制御する。より具体的には、ジョブ実行制御部208は、ジョブ蓄積部204に新たな印刷ジョブが蓄積されると、その印刷ジョブに付与されているモードを判断するとともに、その判断結果に基づいて、プリント処理を開始するか否かを決定する。プリント処理を開始することを決定すると、ジョブ実行制御部208は、ジョブ実行可否判断部220にプリント処理の実行可否を問合せて、プリント処理が可能である場合に、プリント処理を開始する。また、ジョブ実行制御部208は、印刷ジョブについてのプリント処理が不可能である場合に、当該印刷ジョブに関連付けられたユーザに通知を行なうための制御指令を通知部216に与える。さらに、ジョブ実行制御部208は、プリント処理が不可能であることの通知を行なった後、いずれかのユーザが消耗品の補給または交換を行なった場合に、認証部218において特定されたユーザの結果に基づいて、印刷ジョブ蓄積リスト204aにおける印刷ジョブの優先順位を変更させるための制御指令をジョブ蓄積部204へ与える。
【0114】
操作受付部210は、ユーザによる操作を受付け、その操作内容をジョブ実行制御部208は与える。典型的には、操作受付部210は、ユーザによる操作パネル7の入力部72(図13)の操作内容に応じた信号をジョブ実行制御部208へ与える。表示制御部212は、ユーザに通知すべき情報などを表示させる。典型的には、表示制御部212は、操作パネル7の表示部71(図13)に状況に応じたメッセージなどを表示させる。なお、上述の実施形態においては、画像形成装置100に装着された操作パネル7上に各種情報が表示され、あるいは操作パネル7上でユーザ操作がなされる構成について例示したが、同様の機能を、ネットワーク接続されたパーソナルコンピュータPCの画面上のインターフェイスとして提供してもよい。
【0115】
モード切替部214は、ジョブ実行制御部208における判断結果に基づいて、画像形成装置100の電力モードを切替える。典型的には、画像形成装置100は、通常のプリント処理が可能な「通常モード」と、消費電力を低減する「節電モード」とを有しており、この「節電モード」には、プリント処理の要求に応じて短時間に復帰することのできる「ローパワーモード」と、可能な限りの電力消費をカットした「スリープモード」とを含む。モード切替部214は、プリント処理すべき印刷ジョブが存在しない期間が継続すると、その継続時間に応じて、「通常モード」から「ローパワーモード」、「スリープモード」の順に、プリンタエンジンにモード切替コマンドを発することで、画像形成装置100の電力モードを切替える。
【0116】
通知部216は、ジョブ実行可否判断部220が対象の印刷ジョブについてのプリント処理が不可能と判断した場合に、当該印刷ジョブについてのプリント処理が不可能であること、および当該プリント処理に必要な消耗品の補給/交換が必要であることを、当該印刷ジョブの送信元の情報処理装置へ通知する。典型的には、通知部216は、対象の印刷ジョブに対応付けて記録されているIPアドレスなどに基づいて、印刷通知ダイアログを表示するための通知用メッセージを送信する。
【0117】
認証部218は、対象の印刷ジョブについてのプリント処理が不可能であることが通知された後、消耗品の補給/交換が行なわれると、その消耗品の補給/交換を行なったユーザを特定する。典型的には、認証部218は、操作受付部210およびジョブ実行制御部208を介して受信した、ユーザによる操作パネル7の入力部72に対する操作内容に基づいて、ユーザを特定する。あるいは、用紙補給時に、各ユーザに予め配布されているICを非接触の読取装置にかざすことで得られる情報に基づいて、ユーザを特定してもよい。
【0118】
ジョブ実行可否判断部220は、ジョブ蓄積部204に蓄積された印刷ジョブのうち、即時印刷モードが付与されている印刷ジョブについて、プリント処理に必要な消耗品の状態に基づいて、当該印刷ジョブについてのプリント処理が可能であるか否かを判断する。典型的には、ジョブ実行可否判断部220は、残量検出センサ18からの検出信号に基づいて、収容部10に収納されている用紙の枚数を取得し、この取得した用紙の枚数と対象の印刷ジョブの印刷に要する用紙の枚数とを比較して、対象の印刷ジョブについてのプリント処理が可能であるか否かを判断する。
【0119】
なお、収容部10に収納されている用紙の枚数を取得する構成としては、上述のような残量検出センサ18に代えて、搬出ローラを含む装填機構を設けてもよい。この装填機構は、紙送りローラの回転によって収容部10に用紙を装填する。そのため、この紙送りローラの回転数によって、収容部10に収納されている用紙の枚数を正確に算出できる。
【0120】
なお、上述の実施の形態においては、画像形成装置100とパーソナルコンピュータPCとがネットワークNWを通じて直接的に接続されている構成について例示したが、両者の間に印刷ジョブを管理するプリントサーバを設けてもよい。この場合には、このプリントサーバが図14に示す機能ブロックの一部もしくは全部を提供するようにしてもよい。
【0121】
図15を参照して、パーソナルコンピュータPCの各々は、その制御構造として、操作受付部352と、表示制御部354と、ジョブ生成部356と、通信部358とを含む。操作受付部352は、入力装置309(図4)および関連するドライバソフトがCPU301で実行されることで提供される。表示制御部354は、出力装置305(図4)および関連するドライバソフトがCPU301で実行されることで提供される。ジョブ生成部356は、典型的に、典型的に、CPU301(図4)がプログラムをメモリ313(図4)に展開し、各コマンドを実行することで提供される。
【0122】
操作受付部352は、パーソナルコンピュータPCに対するユーザによる操作を受付け、その操作内容を表示制御部354やジョブ生成部356へ与える。
【0123】
表示制御部354は、パーソナルコンピュータPC上で実行されるアプリケーションの画面出力を生成したり、印刷設定ダイアログを表示したり、画像形成装置100からのメッセージに応答して印刷通知ダイアログを表示したりする。
【0124】
ジョブ生成部356は、ユーザからの印刷指示に応答して、対象のドキュメントなどから印刷ジョブを生成する。このとき、ジョブ生成部356は、ユーザが指定した即時印刷モードおよび待機印刷モードのいずれかを付与する。
【0125】
通信部358は、ジョブ生成部356によって生成された印刷ジョブを画像形成装置100へ送信し、および画像形成装置100からメッセージを受信して、表示制御部354などへ渡す。
【0126】
なお、プリンタドライバの機能として、有効なプリントデータを含まないダミー印刷ジョブを画像形成装置100に送信し、当該送信先の画像形成装置100におけるプリント処理が可能であるか否かを予め通知するようにしてもよい。
【0127】
<画像形成装置における処理手順>
図16および図17は、この発明の実施の形態に従う画像形成装置100における処理手順を示すフローチャートである。なお、図16および図17に示す各ステップは、典型的には、制御部2のCPU201がプログラムを実行することで実現される。
【0128】
図16および図17を参照して、CPU201は、いずれかの情報処理装置から印刷ジョブを受信したか否かを判断する(ステップS2)。印刷ジョブを受信していない場合(ステップS2においてNOの場合)には、ステップS2の処理が繰返される。
【0129】
印刷ジョブを受信した場合(ステップS2においてYESの場合)には、CPU201は、RAM203、EEPROM207、HDD209などの記憶装置に、受信した印刷ジョブを蓄積する(ステップS4)。なお、CPU201は、受信した印刷ジョブに対して、必要に応じてラスター変換などを行なって、生成したラスターデータを格納する。さらに、CPU201は、蓄積した印刷ジョブに基づいて、印刷ジョブ蓄積リスト204aの内容を更新する(ステップS6)。
【0130】
続いて、CPU201は、蓄積した印刷ジョブに付与されているモードを判断する(ステップS8)。蓄積した印刷ジョブに付与されているモードが即時印刷モードである場合(ステップS8において「即時印刷モード」の場合)には、処理はステップS10へ進む。一方、蓄積した印刷ジョブに付与されているモードが待機印刷モードである場合(ステップS8において「待機印刷モード」の場合)には、処理はステップS70へ進む。
【0131】
ステップS10において、CPU201は、残量検出センサ18からの検出信号に基づいて、収容部10に収納されている用紙の枚数を取得する。また、CPU201は、対象の印刷ジョブの印刷に要する用紙の枚数を算出する(ステップS12)。そして、CPU201は、ステップS10において取得した収容部10に収納されている用紙の枚数と、対象の印刷ジョブの印刷に要する用紙の枚数とを比較して、対象の印刷ジョブについてのプリント処理が可能であるか否かを判断する(ステップS14)。対象の印刷ジョブについてのプリント処理が不可能である場合(ステップS14においてNOの場合)には、処理はステップS30へ進む。
【0132】
一方、対象の印刷ジョブについてのプリント処理が可能である場合(ステップS14においてYESの場合)には、CPU201は、対象の印刷ジョブについてのプリント処理を実行する(ステップS16)。プリント処理の実行後、処理はステップS18へ進む。
【0133】
ステップS18において、CPU201は、即時印刷モードが付与されている他の印刷ジョブが蓄積されているか否かを判断する。即時印刷モードが付与されている他の印刷ジョブが蓄積されている場合(ステップS18においてYESの場合)には、ステップS10以下の処理が繰返される。
【0134】
一方、即時印刷モードが付与されている他の印刷ジョブが蓄積されていない場合(ステップS18においてNOの場合)には、CPU201は、待機印刷モードが付与されている印刷ジョブが蓄積されているか否かを判断する(ステップS20)。待機印刷モードが付与されている印刷ジョブが蓄積されていない場合(ステップS20においてNOの場合)には、処理はリターンする。
【0135】
一方、待機印刷モードが付与されている印刷ジョブが蓄積されている場合(ステップS20においてYESの場合)には、CPU201は、残量検出センサ18からの検出信号に基づいて、収容部10に収納されている用紙の枚数を取得する(ステップS22)。続いて、CPU201は、印刷ジョブ蓄積リスト204aに登録されている待機印刷モードが付与された印刷ジョブのうち、ステップS22において取得した収容部10に収納されている用紙の枚数を越えない範囲で、プリント処理が可能なものを特定する(ステップS24)。さらに、CPU201は、プリント処理が可能な印刷ジョブが1つ以上存在するか否かを判断する(ステップS26)。プリント処理が可能な印刷ジョブが1つ以上存在しない場合(ステップS26においてNO)の場合には、処理はリターンする。
【0136】
一方、プリント処理が可能な印刷ジョブが1つ以上存在する場合(ステップS26においてYES)の場合には、CPU201は、ステップS24において特定した印刷ジョブについてのプリント処理を実行する(ステップS28)。プリント処理の実行後、処理はリターンする。
【0137】
ステップS30において、CPU201は、対象の印刷ジョブについて、プリント処理が不可能であること、およびプリント処理に必要な用紙の補給が必要であることを通知するためのメッセージを、当該対象の印刷ジョブの所有者のユーザがログインしている情報処理装置へ送信する。なお、CPU201は、印刷ジョブ蓄積リストに登録されている対象の印刷ジョブに対応する依頼元IPアドレス285の値に基づいて、当該メッセージの送り先の情報処理装置を特定する。その後、CPU201は、装着検出センサ19からの検出信号に基づいて、収容部10が開閉されたか否かを判断する(ステップS32)。収容部10が開閉されていない場合(ステップS32においてNOの場合)には、処理はステップS40へ進む。
【0138】
収容部10が開閉された場合(ステップS32においてYESの場合)には、CPU201は、残量検出センサ18からの検出信号に基づいて、収容部10に収納されている用紙の枚数を再取得する(ステップS34)。続いて、CPU201は、ステップS34において再取得した収容部10に収納されている用紙の枚数と、対象の印刷ジョブの印刷に要する用紙の枚数とを比較して、対象の印刷ジョブについてのプリント処理が可能になったか否かを判断する(ステップS36)。対象の印刷ジョブについてのプリント処理が可能になっていない場合(ステップS36においてNOの場合)には、処理はステップS40へ進む。
【0139】
一方、対象の印刷ジョブについてのプリント処理が可能になった場合(ステップS36においてYESの場合)には、処理はステップS16へ進む。すなわち、CPU201は、対象の印刷ジョブについてのプリント処理を実行する。
【0140】
ステップS40において、CPU201は、ステップS30において通知するためのメッセージを送信した情報処理装置から、印刷ジョブの取消メッセージを受信したか否かを判断する。印刷ジョブの取消メッセージを受信していない場合(ステップS40においてNOの場合)には、処理はステップS44へ進む。
【0141】
一方、印刷ジョブの取消メッセージを受信した場合(ステップS40においてYESの場合)には、CPU201は、受信した取消メッセージに対応する印刷ジョブを削除するとともに、印刷ジョブ蓄積リスト204aの登録内容のうち、対象の印刷ジョブに対応するエントリを削除する(ステップS42)。そして、処理はステップS44へ進む。
【0142】
ステップS44において、CPU201は、いずれかの情報処理装置から新たな印刷ジョブを受信したか否かを判断する。新たな印刷ジョブを受信していない場合(ステップS44においてNOの場合)には、ステップS32以下の処理が繰返される。
【0143】
新たな印刷ジョブを受信した場合(ステップS44においてYESの場合)には、CPU201は、RAM203、EEPROM207、HDD209などの記憶装置に、受信した新たな印刷ジョブを蓄積し(ステップS46)蓄積した印刷ジョブに基づいて、印刷ジョブ蓄積リスト204aの内容を更新する(ステップS48)。
【0144】
続いて、CPU201は、蓄積した印刷ジョブに付与されているモードを判断する(ステップS50)。蓄積した印刷ジョブに付与されているモードが待機印刷モードである場合(ステップS50において「待機印刷モード」の場合)には、ステップS32以下の処理が繰返される。
【0145】
一方、蓄積した印刷ジョブに付与されているモードが即時印刷モードである場合(ステップS50において「即時印刷モード」の場合)には、CPU201は、新たに蓄積された印刷ジョブについて、プリント処理が不可能であること、およびプリント処理に必要な用紙の補給が必要であることを通知するためのメッセージを、当該新たに蓄積された印刷ジョブの所有者のユーザがログインしている情報処理装置へ送信する(ステップS52)。その後、CPU201は、装着検出センサ19からの検出信号に基づいて、収容部10が開閉されたか否かを判断する(ステップS54)。収容部10が開閉されていない場合(ステップS54においてNOの場合)には、処理はステップS66へ進む。
【0146】
収容部10が開閉された場合(ステップS54においてYESの場合)には、CPU201は、操作パネル7に対してユーザがなした操作内容に基づいて、不足する用紙の補給を行なったユーザを特定する(ステップS56)。続いて、CPU201は、ステップS56において特定したユーザに関連付けられている即時印刷モードの印刷ジョブの優先順位がより高い順位になるように、印刷ジョブ蓄積リスト204aの内容を更新する(ステップS58)。さらに、CPU201は、残量検出センサ18からの検出信号に基づいて、収容部10に収納されている用紙の枚数を再取得する(ステップS60)。続いて、CPU201は、ステップS60において再取得した収容部10に収納されている用紙の枚数と、最も優先順位の高い印刷ジョブの印刷に要する用紙の枚数とを比較して、対象の印刷ジョブについてのプリント処理が可能になったか否かを判断する(ステップS62)。対象の印刷ジョブについてのプリント処理が可能になっていない場合(ステップS62においてNOの場合)には、処理はステップS66へ進む。
【0147】
一方、対象の印刷ジョブについてのプリント処理が可能になった場合(ステップS62においてYESの場合)には、CPU201は、通知するためのメッセージを送信済の情報処理装置に対して、印刷通知ダイアログを閉じるためのメッセージを送信する(ステップS64)。そして、処理はステップS16へ進む。すなわち、CPU201は、対象の印刷ジョブについてのプリント処理を実行する。
【0148】
ステップS66において、CPU201は、ステップS52において通知するためのメッセージを送信した情報処理装置から、印刷ジョブの取消メッセージを受信したか否かを判断する。印刷ジョブの取消メッセージを受信していない場合(ステップS66においてNOの場合)には、ステップS44以下の処理が繰返される。
【0149】
一方、印刷ジョブの取消メッセージを受信した場合(ステップS66においてYESの場合)には、CPU201は、受信した取消メッセージに対応する印刷ジョブを削除するとともに、印刷ジョブ蓄積リスト204aの登録内容のうち、対象の印刷ジョブに対応するエントリを削除する(ステップS68)。そして、ステップS44以下の処理が繰返される。
【0150】
これに対して、ステップS70において、CPU201は、待機印刷モードが付与された印刷ジョブの受信および蓄積によって、待機印刷モードの印刷ジョブに対するプリント処理を開始するための条件が満たされたか否かを判断する。より具体的には、CPU201は、(1)現時点で画像形成装置100のウォームアップ動作が完了済であるか否か、および(2)蓄積済の待機印刷モードの印刷ジョブについての印刷枚数が所定数を超えているか否か、を判断する。そして、少なくとも1つの条件が満足された場合に、CPU201は、待機印刷モードの印刷ジョブに対するプリント処理を開始するための条件が満たされたと判断する。なお、これらの条件に代えて、あるいはこれらの条件に加えて、(3)予め定められた時刻になっているか否か、(4)蓄積されている印刷ジョブのデータ量が所定値を超えているか否か、(5)画像形成装置100の印刷ジョブを蓄積する記憶容量の残りが所定値を下回っているか否か、といった条件を採用してもよい。
【0151】
待機印刷モードの印刷ジョブに対するプリント処理を開始するための条件が満たされた場合(ステップS70においてYES)の場合には、処理はステップS22へ進む。すなわち、CPU201は、待機印刷モードが付与された印刷ジョブについてのプリント処理を実行する。
【0152】
一方、待機印刷モードの印刷ジョブに対するプリント処理を開始するための条件が満たされていない場合(ステップS70においてNO)の場合には、処理はリターンする。
【0153】
<作用・効果>
この発明の実施の形態によれば、画像形成装置100に蓄積された印刷ジョブに即時印刷モードが付与されている場合には、プリント処理に必要な消耗品(典型的には、用紙)の状態に基づいて、当該印刷ジョブについてのプリント処理の開始前に、それが可能であるか否かが判断される。ここで、当該印刷ジョブについてのプリント処理が不可能であると判断されると、プリント処理が不可能であること、および当該プリント処理に必要な消耗品の補給/交換が必要であることが、少なくとも当該印刷ジョブを指示したユーザに通知される。さらに、いずれかのユーザが消耗品を補給し、当該印刷ジョブについてのプリント処理が可能になると、プリント処理が開始される。
【0154】
これにより、消耗品不足などによってプリント処理が完全には実行できないような事態の発生を防止できる。そのため、即時印刷モードが指定された印刷ジョブと、待機印刷モードが指定された印刷ジョブとが同一の画像形成装置で混在する状況であっても、印刷結果物を急いで受取りたいので、即時印刷モードを指定したユーザは、早くかつ確実に印刷結果物を受取ることができる。
【0155】
また、即時印刷モードを指定した印刷指示を与えたユーザに消耗品の不足などが通知されるので、当該ユーザは、状況に応じた対処を行なうことができる。さらに、待機印刷モードを指定した印刷指示を与えたユーザに比較して、消耗品の不足などをより確実に通知することができる。
【0156】
また、この発明の実施の形態によれば、パーソナルコンピュータPC上では、消耗品の不足などを通知する印刷通知ダイアログ上に、対象の印刷ジョブの取消指令を受付けるための取消ボタンが配置される。ユーザがこの取消ボタンを押下すると、画像形成装置100に蓄積されている対象の印刷ジョブが削除される。
【0157】
これにより、印刷結果物を急いで受取りたいユーザは、先に印刷ジョブを送信した画像形成装置でのプリント処理を続行させるために用紙を補給するか、あるいは、同一の印刷ジョブを代替の画像形成装置にプリント処理させるかを選択することができる。
【0158】
また、この発明の実施の形態によれば、消耗品の不足などが通知された後に、対象の印刷ジョブについてのプリント処理が可能になった場合には、先に通知された内容が更新、典型的には、印刷通知ダイアログが閉じられる。これにより、プリント処理が不可能であると判断された後、他のユーザが画像形成装置に消耗品を補給することでプリント処理が可能になったような場合に、その事実を知ることができる。そのため、複数のユーザが同一の画像形成装置に消耗品を補給するために席を立つといったことを回避することができる。
【0159】
また、この発明の実施の形態によれば、即時印刷モードが付与された印刷ジョブが複数蓄積されている状況下において、消耗品の不足などの通知に応答していずれかのユーザが消耗品を補給すると、当該消耗品を補給したユーザについての印刷ジョブの優先順位がより高いものに変更される。すなわち、当該ユーザの印刷ジョブがより早くプリント処理されるようになる。
【0160】
これにより、画像形成装置における消耗品の不足といった事態に早く対応したユーザは、自身が指示した印刷ジョブに印刷結果物を早く受取ることができる。
【0161】
<その他の実施の形態>
本実施の形態に係るプログラムによって実現される機能の一部または全部を専用のハードウェアによって構成してもよい。
【0162】
また、本実施の形態に従うCPUで実行されるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。したがって、このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明に係るプログラムに含まれ得る。
【0163】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0164】
2 制御部、3 中間ベルトユニット、4 定着器ユニット、7 操作パネル、10 収容部、12 用紙、14 搬送ガイド、16 給紙ローラ、18 残量検出センサ、19 装着検出センサ、20 感光体、22 露光部、24 帯電部、26 現像部、28 感光体クリーナ、30 中間転写ベルト、32 濃度センサ、36,37 2次転写ローラ、38 中間転写ベルトクリーナ、40 加熱ローラ、41 加圧ローラ、42 温度センサ、50,51 タイミングローラ、52 排出ローラ、54 排出トレイ、60 冷却ファン、62 開口部、71 表示部、72 入力部、100 画像形成装置、201 CPU、202 ジョブ受信部、204 ジョブ蓄積部、204a 印刷ジョブ蓄積リスト、206 ジョブ実行部、208 ジョブ実行制御部、210 操作受付部、211 外部通信I/F、212 表示制御部、213 内部通信I/F、214 モード切替部、215 内部バス、216 通知部、218 認証部、220 ジョブ実行可否判断部、301 CPU、303 内部バス、305 出力装置、307 通信I/F、309 入力装置、313 メモリ、315 CD−ROMドライブ、315a CD−ROM、317 フレキシブルドライブ、317a フレキシブルディスク、352 操作受付部、354 表示制御部、356 ジョブ生成部、358 通信部、AP アクセスポイント、MT 携帯端末、NW ネットワーク、PC,PC1〜PC3 パーソナルコンピュータ、SYS 画像形成システム、TC,TCC,TCM,TCY,TCK トナーカートリッジユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置を含む画像形成システムであって、
ユーザ操作に応じて生成された印刷ジョブを受付ける受付手段を備え、前記印刷ジョブには、第1および第2のモードのいずれかが付与されており、前記第1のモードは、他の印刷ジョブとは独立して画像形成の即時実行を要求する属性であり、前記第2のモードは、所定条件が満たされるまで画像形成の実行の待機を要求する属性であり、
前記受付けた印刷ジョブを蓄積する蓄積手段と、
前記蓄積した印刷ジョブに付与されているモードを判断する第1判断手段と、
前記蓄積した印刷ジョブに前記第1のモードが付与されている場合に、画像形成に必要な消耗品の状態に基づいて、当該印刷ジョブについての画像形成が可能であるか否かを判断する第2判断手段と、
前記蓄積した印刷ジョブについての画像形成が不可能と判断された場合に、画像形成が不可能であること、および当該画像形成に必要な消耗品の補給/交換が必要であることを、当該印刷ジョブの送信元の情報処理装置へする通知手段とを含み、前記第2判断手段は、前記通知手段による通知後に、前記蓄積した印刷ジョブについての画像形成が可能であるか否かを再度判断し、さらに
前記蓄積した印刷ジョブについての画像形成が可能になった場合に、当該印刷ジョブについての画像形成を実行する実行手段を含む、画像形成システム。
【請求項2】
前記画像形成システムは、通知された消耗品の補給/交換を行なったユーザを特定する認識手段をさらに備え、
前記蓄積手段は、複数の印刷ジョブを優先順位付けして蓄積し、
前記第1判断手段は、前記蓄積手段に蓄積されている印刷ジョブのうち、優先順位の高いものから前記付与されているモードを判断し、
前記蓄積手段は、さらに、前記通知手段による通知後に、当該消耗品の補給/交換を行なったユーザに関連付けられた印刷ジョブの優先順位をより高い順位に変更する、請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
第1および第2のモードのいずれかが付与された印刷ジョブを受信して蓄積する蓄積手段を備え、前記第1のモードは、他の印刷ジョブとは独立して画像形成の即時実行を要求する属性であり、前記第2のモードは、所定条件が満たされるまで画像形成の実行の待機を要求する属性であり、
前記蓄積した印刷ジョブに付与されているモードを判断する第1判断手段と、
前記蓄積した印刷ジョブに前記第1のモードが付与されている場合に、画像形成に必要な消耗品の状態に基づいて、当該印刷ジョブについての画像形成が可能であるか否かを判断する第2判断手段と、
前記蓄積した印刷ジョブについての画像形成が不可能と判断された場合に、画像形成が不可能であること、および当該画像形成に必要な消耗品の補給/交換が必要であることを通知する通知手段とを備え、前記第2判断手段は、前記通知手段による通知後に、前記蓄積した印刷ジョブについての画像形成が可能であるか否かを再度判断し、さらに
前記蓄積した印刷ジョブについての画像形成が可能になった場合に、当該印刷ジョブについての画像形成を実行する実行手段を備える、画像形成装置。
【請求項4】
前記通知手段は、前記蓄積した印刷ジョブに関連付けられたユーザに通知する、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記通知手段は、前記通知に加えて、前記蓄積した印刷ジョブの取消指令を受付けるためのユーザインターフェイスを提供し、
前記蓄積手段は、前記ユーザインターフェイス上において、前記蓄積した印刷ジョブに対する取消指令が与えられると、指定された印刷ジョブを削除する、請求項3または4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記通知手段は、前記通知後に、前記第2判断手段による判断結果が変化すると、先に通知した内容を更新する、請求項3〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記蓄積手段は、複数の印刷ジョブを優先順位付けして蓄積し、
前記第1判断手段は、前記蓄積手段に蓄積されている印刷ジョブのうち、優先順位の高いものから前記付与されているモードを判断し、
前記画像形成装置は、通知された消耗品の補給/交換を行なったユーザを特定する認識手段をさらに備え、
前記蓄積手段は、さらに、前記通知手段による通知後に、当該消耗品の補給/交換を行なったユーザに関連付けられた印刷ジョブの優先順位をより高い順位に変更する、請求項3〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成装置は、
画像が形成される用紙を収容する収容部と、
前記収容部に収容されている用紙の枚数を取得する取得手段とをさらに備え、
前記第2判断手段は、前記収容部に収容されている用紙の枚数と前記蓄積した印刷ジョブについての画像形成に要する枚数との比較に基づいて、当該印刷ジョブについての画像形成が可能であるか否かを判断する、請求項3〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
画像形成装置における処理方法であって、
第1および第2のモードのいずれかが付与された印刷ジョブを受付けて蓄積するステップを備え、前記第1のモードは、他の印刷ジョブとは独立して画像形成の即時実行を要求する属性であり、前記第2のモードは、所定条件が満たされるまで画像形成の実行の待機を要求する属性であり、さらに
前記蓄積した印刷ジョブに付与されているモードを判断するステップと、
前記蓄積した印刷ジョブに前記第1のモードが付与されている場合に、画像形成に必要な消耗品の状態に基づいて、当該印刷ジョブについての画像形成が可能であるか否かを判断するステップと、
前記蓄積した印刷ジョブについての画像形成が不可能と判断された場合に、画像形成が不可能であること、および当該画像形成に必要な消耗品の補給/交換が必要であることを、当該印刷ジョブの送信元のユーザに通知するステップと、
前記通知するステップの実行後に、前記蓄積した印刷ジョブについての画像形成が可能であるか否かを判断するステップと、
前記蓄積した印刷ジョブについての画像形成が可能になった場合に、当該印刷ジョブについての画像形成を実行するステップとを備える、処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−199838(P2010−199838A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−41006(P2009−41006)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】