説明

画像形成装置、メンテナンス管理システムおよびメンテナンス管理方法

【課題】 画像形成装置に実施されるメンテナンスの作業の信頼性を高める。
【解決手段】 画像形成装置10は、メンテナンスを実施するためのメンテナンスモードへの移行の指示を受け付ける入力装置14と、当該画像形成装置10を構成する各部への操作を検出する検出部17と、検出部17がメンテナンスモードにて検出した操作を示すログデータを生成して記憶装置12に記憶する制御装置11と、このログデータを送信する通信装置13とを具備する。管理装置20は、画像形成装置10から送信されたログデータを受信する通信装置21と、メンテナンスモードにて画像形成装置10に行われた操作の内容を含むメンテナンスレポートを、通信装置21が受信したログデータに基づいて作成して画像形成装置10の利用者に通知する制御装置23とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に対するメンテナンスを管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷機能や複写機能のほかにファクシミリ機能やスキャナ機能を備えた画像形成装置(いわゆる複合機)が広く普及している。この種の画像形成装置はハードディスク装置などの記憶手段を備えるのが一般的である。この記憶手段には、スキャナ機能によって原稿から読み取られた画像やファクシミリ機能によって画像を送信するときの送信先および送信元のアドレスなど、知的財産に関する情報や個人または企業に関する情報など秘匿性の高い情報が記憶される。
【0003】
一方、この種の画像形成装置には紙詰まりや画像の異常といった種々の故障が発生する場合がある。ごく簡易な故障であれば画像形成装置の所有者が対処できるものの、修復のために専門的な知識や経験が必要となる故障も存在する。そこで、このような故障が発生した場合や各種の点検が必要となった場合には、画像形成装置のメーカや販売会社からサービスマンが派遣されてメンテナンスに当たるといった体制が採られている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−29354(段落0002から段落0006)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種の画像形成装置には、通常の動作を行なう動作モードのほかに、サービスマンがメンテナンスを実施するための動作モード(以下「メンテナンスモード」という)が用意されている。画像形成装置のメンテナンスのためにその設置場所に派遣されたサービスマンは、画像形成装置に対して所定の操作を行なうことによって動作モードをメンテナンスモードに移行させたうえでメンテナンスの作業を実行する。このメンテナンスモードにおいては、多様な不具合への対処や種々の点検を可能とするために、例えば記憶手段に記憶された画像を試験的に出力する操作など通常の動作モードとは異なる操作が許容される。したがって、画像形成装置の記憶手段に記憶された秘匿性の高い情報がサービスマンによって不正に取得されるのではないかという疑念を抱く利用者も存在する。本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、画像形成装置に実施されるメンテナンスの作業の信頼性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題を解決するために、本発明に係るメンテナンス管理システムは、記憶手段に記憶された画像を記録材に形成する画像形成装置と画像形成装置に対するメンテナンスを管理する管理装置とを具備し、画像形成装置は、メンテナンスを実施するためのメンテナンスモードへの移行の指示を受け付ける入力手段と、当該画像形成装置を構成する各部材への操作を検出する検出手段と、検出手段がメンテナンスモードにて検出した操作を示すログデータを生成するデータ生成手段と、データ生成手段が生成したログデータを記憶するログ記憶手段と、ログ記憶手段に記憶されたログデータを管理装置に送信する送信手段とを備え、管理装置は、画像形成装置から送信されたログデータを受信する受信手段と、メンテナンスモードにて画像形成装置に行なわれた操作の内容を、受信手段が受信したログデータに基づいて当該画像形成装置の利用者に通知する通知手段とを備える。この構成によれば、メンテナンスモードにおける画像形成装置への操作を示すログデータがログ記憶手段に記憶され、このログデータに基づいて操作の内容が利用者に通知されるから、利用者はメンテナンスにて実施された具体的な作業の内容を確認することができる。
【0006】
本発明の望ましい態様において、画像形成装置は、データ生成手段が生成したログデータに対する演算によって識別値を算定する第1演算手段を具備し、送信手段は、ログ記憶手段に記憶されたログデータと第1演算手段が算定した識別値とを管理装置に送信し、受信手段は、送信手段が送信したログデータと識別値とを受信し、管理装置は、受信手段が受信したログデータに対する演算によって識別値を算定する第2演算手段と、第2演算手段が算定した識別値と受信手段が受信した識別値とを比較する比較手段と、比較手段による比較の結果を出力(例えば画像または音声による出力)する出力手段とを備える。この態様によれば、画像形成装置にて算定された識別値と画像形成装置から受信したログデータに基づいて算定された識別値との比較の結果によってログデータの改竄の有無を判別することができるから、メンテナンスモードにて実施された操作の内容の通知をより信頼性の高いものとすることができる。なお、本発明における「識別値」の典型的な例はハッシュ関数によって算定されるハッシュ値である。もっとも、本発明の識別値を算定する方法(関数)はこれに限られない。
【0007】
なお、本出願における「メンテナンス」とは、画像形成装置を保守ないし点検する行為だけでなく画像形成装置の不具合を修理する行為をも含む概念である。また、本発明における「画像形成装置」とは、記憶手段に記憶された画像を記録材に形成する装置であるが、この機能のほかに、記録材に形成された画像を読み取るスキャナ機能や画像を他の装置(画像形成装置)に送信するファクシミリ機能を備えた装置も「画像形成装置」に含まれる。また、本発明の画像形成装置において画像が記憶される記憶手段とログデータが記憶されるログ記憶手段とは単一の記憶装置であってもよいし各々が別体の記憶装置であってもよい。
【0008】
また、本発明に係る画像形成装置は、画像を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された画像を記録材に形成する画像形成手段と、メンテナンスを実施するためのメンテナンスモードへの移行の指示を受け付ける入力手段と、当該画像形成装置を構成する各部材への操作を検出する検出手段と、検出手段がメンテナンスモードにて検出した操作を示すログデータを生成するデータ生成手段と、データ生成手段が生成したログデータを記憶するログ記憶手段と、ログ記憶手段に記憶されたログデータを出力する出力手段とを具備する。この構成によれば、メンテナンスモードにおける操作を示すログデータが出力手段によって出力されるから、メンテナンスに際して実施された作業の内容を確認することが可能となる。
【0009】
この画像形成装置の第1の態様において、出力手段(図1の通信装置13に相当する)は、メンテナンスモードにて当該画像形成装置に行なわれた操作の内容を画像形成装置から受信したログデータに基づいて当該画像形成装置の利用者に通知する管理装置に対し、ログ記憶手段に記憶されたログデータを管理装置に送信する。この態様によれば、例えば複数の画像形成装置についてログデータを統一的に管理することができるから、メンテナンスの管理の効率化を図ることができる。また、ログデータに基づいて操作の内容を利用者に通知するための機能を各画像形成装置に持たせる必要がないという利点がある。なお、この態様は第1実施形態として後述される。
【0010】
一方、本発明に係る画像形成装置の第2の態様において、出力手段(図1の表示装置15に相当する)は、メンテナンスモードにて当該画像形成装置に行なわれた操作の内容を、受信手段が受信したログデータに基づいて出力する。この態様によれば、ログデータを管理装置に送信する必要がないから、管理装置にログデータが送信される態様と比較して、ネットワークの通信トラヒックを低減することができるという利点がある。なお、この態様の具体的な構成は第2実施形態として後述される。
【0011】
第2の態様に係る画像形成装置において、データ生成手段が生成したログデータに対する演算によって識別値を算定する第1演算手段と、利用者からの指示に応じて、ログ記憶手段に記憶されたログデータに対する演算によって識別値を算定する第2演算手段と、第1演算手段が算定した識別値と第2演算手段が算定した識別値とを比較する比較手段とを具備し、出力手段は、比較手段による比較の結果を出力(例えば画像または音声による出力)する。この態様によれば、ログデータの改竄の有無を判別することができる。
【0012】
なお、本発明は、画像形成装置に対するメンテナンスを管理するための方法(あるいはメンテナンスに関する情報を管理するための方法)としても特定される。この方法においては、メンテナンスを実施するためのメンテナンスモードへの移行の指示を画像形成装置にて受け付け、当該画像形成装置を構成する各部材への操作を検出し、メンテナンスモードにて検出された操作を示すログデータを生成し、ここで生成したログデータを管理装置に送信する一方、この送信されたログデータを管理装置にて受信し、この管理装置が、メンテナンスモードにて画像形成装置に行なわれた操作の内容を、当該画像形成装置から受信したログデータに基づいてその画像形成装置の利用者に通知する。この方法によっても、本発明に係るメンテナンス管理システムと同様の作用および効果が得られる。なお、ログデータを生成する動作やログデータを送信する動作は必ずしも画像形成装置によって実行される必要はない。例えば、画像形成装置に接続されたパーソナルコンピュータなどの情報処理装置が、画像形成装置にて検出された操作を示すログデータを生成し(さらにはこのログデータをログ記憶手段に記憶し)、あるいは、画像形成装置または情報処理装置によって生成されたログデータを管理装置に送信するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、メンテナンスモードにおける画像形成装置への操作を示すログデータがログ記憶手段に記憶され、このログデータに基づいて操作の内容が利用者に通知されるから、利用者はメンテナンスの作業に不正がないことを確認することができる。したがって、画像形成装置に実施されるメンテナンスの作業の信頼性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るメンテナンス管理システムの構成を示すブロック図である。同図に示されるように、このメンテナンス管理システムSは、画像形成装置10と管理装置20とを有する。画像形成装置10と管理装置20とはネットワーク30を介して相互に接続される。このネットワーク30は、例えばインターネットや公衆交換電話網といった各種の通信網を含む。なお、図1においてはひとつの画像形成装置10のみが図示されているが、実際には多数の画像形成装置10がネットワーク30に接続されている。
【0015】
画像形成装置10は、用紙やOHPシートなどの記録材(シート)に画像を印刷するプリント機能と、原稿の画像を読み取るスキャナ機能と、このスキャナ機能によって読み取られた画像を記録材に印刷するコピー機能と、ネットワーク30を介して画像を転送するファクシミリ機能とを備えた複合機であり、例えば企業のオフィスに設置される。図1に示される制御装置11は、画像形成装置10の全体を制御する手段であり、プログラムを実行することによって種々の機能を実現するCPU(Central Processing Unit)と、CPUによって実行されるプログラムを記録するROM(Read Only Memory)と、CPUによって作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)とを有する。記憶装置12は、例えばハードディスク装置であり、制御装置11によって実行されるプログラムのほか、画像形成装置10による処理の対象となる画像を示すデータ(以下「画像データ」という)など各種のデータを記憶する。通信装置13は、例えばモデムであり、管理装置20を始めとする他の通信装置(例えば他の画像形成装置10)との間でネットワーク30を介した通信を行なう。入力装置14は、利用者によって操作される複数の操作子が配列された操作パネルと、これらの操作子に対する操作に応じた信号を制御装置11に出力する回路とを有する。表示装置15は、制御装置11による制御のもとに各種の画像を表示する手段であり、例えば液晶表示パネルなどの表示デバイスとこれを駆動するための駆動回路とを有する。この表示装置15は、例えば入力装置14に対する操作に応じた文字列(入力装置14から入力されたファクシミリ番号や印刷枚数など)を表示する。
【0016】
画像処理部16は、画像の入出力を行なうための機器であり、画像を入力するための画像読取部(スキャナ)161と画像を記録材に形成するための画像形成部162とを具備する。このうち画像読取部161は、利用者によってプラテンガラスに載置された原稿や自動用紙送り機構(いわゆるオートフィーダ)によってプラテンガラス上に搬送された原稿の画像を光学的に読み取る手段である。この画像読取部161によって読み取られた画像を示す画像データは記憶装置12に格納される。一方、画像形成部162は、記憶装置12に記憶された画像データやパーソナルコンピュータなどの他の機器から転送されてきた画像データに基づいて記録材に画像を形成する。本実施形態における画像形成部162は、多数の記録材が収容された用紙トレイと、各々に別個の色彩のトナーが充填された複数のトナーカートリッジと、感光ドラムの表面を帯電させて画像データに応じた静電潜像を形成する露光装置と、この静電潜像に応じて各トナーカートリッジのトナーが表面に付着される感光体ドラムと、用紙トレイに収容された記録材を搬送しながら感光ドラムのトナーを当該記録材に転写する転写機器と、記録材に転写されたトナーを定着させる定着装置とを具備する。もっとも、画像形成部162の構成はこれに限られず、画像データに基づいて記録材に画像を形成するものであれば足りる。
【0017】
一方、検出部17は、画像形成装置10を構成する各部に対する操作を検出するための手段であり、この画像形成装置10の各部(特にメンテナンスに際して操作される箇所)に設置された多数のセンサ171を有する。これらのセンサ171は、例えば、画像読取部161によって読み取られる原稿を搬送する部材(例えば自動用紙送り機構のローラ)やその原稿の搬送路を覆うカバーに設置される。検出部17は、これらのセンサ171から出力される信号によって原稿の搬送やカバーの開閉を検出する。また、各センサ171は、例えば、画像形成部162のうちトナーカートリッジや用紙トレイが取り付けられる箇所および原稿の搬送路にも設置される。検出部17は、これらのセンサ171から出力される信号によって、トナーカートリッジや用紙トレイの取り付けまたは取り外し、および原稿の搬送を検出する。検出部17は、信号を出力してきたセンサ171を識別するためのデータを制御装置11に出力する。制御装置11は、この検出部17からの出力信号と入力装置14からの出力信号とに基づいて、画像形成装置10に対する操作の内容を示すデータ(以下「ログデータ」という)を生成する。このように、本実施形態においては、入力装置14の操作子に対する操作はもちろん、画像の形成や読み取りに関する部材(特にメンテナンスに際して操作される箇所)に対する操作も検出される。
【0018】
本実施形態における画像形成装置10は、通常モードおよびメンテナンスモードの何れかの動作モードにて動作する。このうち通常モードは、利用者が通常の態様(本来的に予定された態様)にて画像形成装置10を使用するための動作モードである。一方、メンテナンスモードは、画像形成装置10のメーカや販売会社から派遣されたサービスマン(以下「作業者」という)が画像形成装置10のメンテナンスを実施するための動作モードである。メンテナンスモードにおいては、画像形成装置10についてきめ細かいメンテナンスを実現するために、通常モードにおいて画像形成装置10が実行し得る動作のほか、通常の態様においては使用される必要のない動作(すなわち通常モードにおいては許容されていない動作)を画像形成装置10に実行させることができる。例えば、通常モードにおいて画像形成部162が記録材に印刷することができる画像はその直前に画像読取部161が読み取った画像やその直前に画像形成装置10が受信した画像(例えば画像形成装置10に接続されたパーソナルコンピュータから印刷を指示された画像やファクシミリ機能によって他の通信端末から受信した画像)に限られるのに対し、メンテナンスモードにおいては、記憶装置12に記憶されている任意の画像を選択的に印刷することができる。したがって、仮に悪意を持った作業者がメンテナンスを実施すれば記憶装置12に記憶されている秘匿性の高い情報が漏洩する可能性があり、あるいはそのような悪意を持った作業者が存在しないとしても、画像形成装置10の利用者にとってみれば、作業者が記憶装置12の情報に不正にアクセスしたのではないかという疑念が完全には払拭されない。このような問題を解消するために、本実施形態においては、作業者によって画像形成装置10に実施されたメンテナンスの内容が監視されるとともに、実際に実施されたメンテナンス作業の具体的な内容が画像形成装置10の利用者に提示されるようになっている。図1に示される管理装置20は、これらの機能を実現するための装置である。
【0019】
図1に示されるように、管理装置20は、通信装置21と出力装置22と制御装置23と記憶装置24とを有する。このうち通信装置21は、各画像形成装置10との間でネットワーク30を介した通信を行なう手段である。出力装置22は、画像を表示する装置や音声を出力するスピーカである。制御装置23は、管理装置20の全体を制御する手段であり、画像形成装置10の制御装置11と同様にCPUやROMおよびRAMを含んで構成される。この制御装置23は、何れかの画像形成装置10にメンテナンスが実施されると、そのメンテナンスのために実施された作業の内容を示すメンテナンスレポートを作成して当該画像形成装置10の利用者に提示する。
【0020】
図2は、メンテナンスレポートの内容を示す図である。同図に示されるように、メンテナンスレポートMRは、画像形成装置10に対して実施されたメンテナンスに関する多数の項目A(項目A1ないし項目A6)を含む。このうち項目A1は、メンテナンスの対象とされた画像形成装置10の利用者の名称(あるいは氏名)であり、メンテナンスレポートMRの宛名となるものである。項目A2は、メンテナンスの対象とされた画像形成装置10の機種名(型番)である。項目A3は、メンテナンスが実施された日時であり、メンテナンスが開始された時刻とメンテナンスが終了した時刻とを含む。項目A4は、そのメンテナンスを担当した作業者の氏名である。一方、項目A5は、そのメンテナンスに際して実施された作業の内容である。図2においては、「紙詰まりの解消」および「トナーカートリッジの交換」のための作業を実施した場合が例示されている。次に、項目A6は、メンテナンスに際して画像形成部162によって印刷に利用された記録材の枚数であり、図2においては、カラー画像の印刷に消費した枚数とモノクロ画像の印刷に消費した枚数とが区分して列挙されている。利用者は、このようなメンテナンスレポートMRを参照することにより、メンテナンス作業の具体的な内容を確認するとともに、それ以外の作業(例えば不正に記憶装置12にアクセスする行為など)が実行されていないことを確認することができる。なお、メンテナンスレポートMRに含められる項目は図2に示したものに限られない。
【0021】
一方、図1に示される記憶装置24は、例えばハードディスク装置であり、制御装置23によって実行されるプログラムやその実行に際して使用される各種のデータを記憶する。この記憶装置24に記憶されるデータとしては、画像形成装置10から送信されてきたデータ(後述する操作ログファイル)やメンテナンスレポートMRを示す画像データ、さらにはメンテナンスレポートMRを作成するためのデータがある。例えば、記憶装置24には、画像形成装置10において制御装置23が生成したログデータからその操作の内容を示す文字列を特定するためのテーブル(以下「操作内容テーブル」という)が記憶されている。図3に示されるように、この操作内容テーブルT1は、画像形成装置10が操作されたときに生成されるログデータとその操作の内容を示す文字列とが対応付けられたテーブルである。例えば、図3においては、ある操作が実施されたときに生成されたログデータ「A」に対して「紙詰まりの解消」という文字列が対応付けられた場合が例示されている。制御装置23は、画像形成装置10から送信されてきたログデータが示す操作の内容を示す文字列を操作内容テーブルT1から検索してメンテナンスレポートMRの項目A5として配置する。
【0022】
また、記憶装置24には、画像形成装置10の利用者に関する情報を特定するためのテーブル(以下「ユーザ情報テーブル」という)が記憶されている。図4に示されるように、このユーザ情報テーブルT2は、管理装置20による管理の対象とされる各画像形成装置10の識別子(以下「機器ID」という)とその画像形成装置の利用者に関する情報(以下「ユーザ情報」という)とが対応付けられたテーブルである。機器IDは各画像形成装置10に対して固有に割り当てられた符号(例えばシリアルナンバー)である。一方、ユーザ情報は、その利用者が使用している画像形成装置10の機種名(型番)と、その利用者の名称(あるいは氏名)および所在地と、その利用者の連絡先となる電話番号およびメールアドレスとを含む。メンテナンスレポートMRの項目A1や項目A2に配置される情報は、このユーザ情報テーブルT2に基づいて決定される。
【0023】
次に、本実施形態の動作を説明する。
画像形成装置10の利用者からの要請によって当該画像形成装置10の設置場所に派遣された作業者は、画像形成装置10の入力装置14に所定の操作を行なうことによって画像形成装置10の動作モードを通常モードからメンテナンスモードに移行させる。この移行に先立ち、作業者は、自身に予め割り当てられた識別番号(以下「作業者ID」という)とパスワードとを画像形成装置10に入力する。画像形成装置10の記憶装置12にはメンテナンスの作業が許容される作業者の作業者IDとそのパスワードとが予め記憶されており、メンテナンスの開始に際して入力された作業者IDとパスワードとが記憶装置12に記憶されている場合(すなわち正規の作業者が操作した場合)にはメンテナンスモードへの移行が許容される一方、作業者IDおよびパスワードの何れかが記憶装置12に記憶されていない場合にはメンテナンスモードへの移行が拒絶される。また、制御装置11は、メンテナンスモードへの移行の時刻をタイマ(図示略)から取得して記憶装置12に格納する。
【0024】
図5は、メンテナンスモードに移行した後に画像形成装置10の制御装置11が実行する処理の流れを示すフローチャートである。同図に示されるように、制御装置11は、作業者が画像形成装置10に対して何らかの操作を実行したか否かを判定する(ステップSa1)。より具体的には、制御装置11は、入力装置14から供給される信号および検出部17から供給される信号に基づいて画像形成装置10に対する操作の有無を検出する。したがって、入力装置14の操作子に対する操作だけでなく画像形成部162や画像読取部161の各部に対する操作(例えばカバーの開閉やトナーカートリッジの取り外しなど)もステップSa1における検出の対象とされる。
【0025】
ステップSa1にて何らかの操作がなされたと判定すると、制御装置11は、入力装置14または検出部17から供給される信号に基づいて、この操作に対応したログデータを生成して記憶装置12に書き込む(ステップSa2)。例えば、トナーカートリッジの近傍に設置されたセンサ171からの出力信号を検出部17から受信すると(すなわちトナーカートリッジを取り外す操作や取り付ける操作が実行されると)、制御装置11は、その操作に対応したログデータを生成して記憶装置12に格納する。一方、ステップSa1において何らの操作も実行されていないと判定した場合、制御装置11は、ステップSa2を実行することなく処理をステップSa3に移行させる。
【0026】
ステップSa3において、制御装置11は、メンテナンスモードの終了を指示するための操作(すなわちメンテナンスモードから通常モードへの移行を指示する操作)が入力装置14になされたか否かを判定する。ここで未だ通常モードへの移行が指示されていないと判定した場合、制御装置11は、ステップSa1に処理を移行させたうえで、操作の有無の判定とその操作に応じたログデータの生成を繰り返す(ステップSa1およびステップSa2)。したがって、メンテナンスモードにおいては、作業者によって画像形成装置10に何らかの操作が実行されるたびに、その操作に対応したログデータが生成される。一方、メンテナンスモードの終了が指示されたと判定した場合、制御装置11は、そのときの時刻(すなわちメンテナンスが終了した時刻)をタイマから取得して記憶装置12に格納したうえで処理をステップSa4に移行させる。
【0027】
こうしてメンテナンスモードが終了すると、制御装置11は、今回のメンテナンスにて生成されたログデータを管理装置20に送信するための処理を実行する(ステップSa4およびステップSa5)。すなわち、まず、制御装置11は、今回のメンテナンスにて生成されたログデータの集合をハッシュ関数に代入することによってハッシュ値を算定する(ステップSa4)。この算定に利用されるハッシュ関数は、算定されたハッシュ値から元のログデータを復元することが困難であるような関数(不可逆な一方向関数)である。次いで、制御装置11は、今回のメンテナンスモードにて生成された各ログデータとステップSa4にて算定されたハッシュ値とを含む操作ログファイルを生成して通信装置13から管理装置20に送信する(ステップSa5)。図6に示されるように、この操作ログファイルFには、多数のログデータおよびハッシュ値のほかに、画像形成装置10の機器IDと、メンテナンスモードの開始に際して作業者が入力した作業者IDと、メンテナンスモードの開始および終了の時刻(動作モードの移行時にタイマから取得した時刻)と、メンテナンスに際して消費された記録材の枚数(カラー印刷およびモノクロ印刷の各々に使用された枚数)とが含められる。
【0028】
一方、以上の手順によって画像形成装置10から送信された操作ログファイルFは、ネットワーク30を伝送されて通信装置21によって受信されたうえで記憶装置24に格納される。図7は、操作ログファイルFの受信を契機として制御装置23が実行する処理の流れを示すフローチャートである。同図に示されるように、制御装置23は、まず、記憶装置24に記憶されたユーザ情報テーブルT2を参照することによって、今回の操作ログファイルFを送信してきた画像形成装置10の利用者に関するユーザ情報を特定する(ステップSb1)。さらに詳述すると、制御装置23は、先に受信した操作ログファイルFに含まれる機器IDをユーザ情報テーブルT2のなかから検索し、ここで検索された機器IDに対応するユーザ情報を特定する。
【0029】
次いで、制御装置23は、操作ログファイルFに含まれるログデータの集合をハッシュ関数に代入することによってハッシュ値を算定する(ステップSb2)。次に、制御装置23は、先に受信した操作ログファイルFに含まれるハッシュ値とステップSb2にて算定したハッシュ値とを比較し(ステップSb3)、両者が一致するか否かを判定する(ステップSb4)。ステップSb2にて利用されるハッシュ関数は、図5のステップSa4にてハッシュ値の算定に利用されたハッシュ関数と同じである。したがって、画像形成装置10にて形成されたログデータが改竄されていなければ、ステップSb4における判定の結果は「Yes」となる。この場合、制御装置23は、ステップSb5を経ることなく処理をステップSb6に移行する。これに対し、管理装置20が操作ログファイルFを受信する前に当該操作ログファイルFのログデータが改竄されているとすればステップSb4における判定の結果は「No」となる。この場合、制御装置23は、ログデータが改竄されている可能性が高いことを警告するメッセージを出力装置22から画像および音声にて出力する(ステップSb5)。このように、本実施形態においては、ハッシュ値に基づいてログデータの改竄の可能性が判定されるから、信頼性の高いメンテナンスレポートMRを画像形成装置10の利用者に提供することができる。
【0030】
続いて、制御装置23は、図2に示したように多数の項目Aが配置されたメンテナンスレポートMRの画像データを作成する(ステップSb6)。このメンテナンスレポートMRに配置される各項目Aの内容は以下の手順にて特定される。第1に、制御装置23は、ステップSb1にて特定したユーザ情報に含まれるユーザ名をメンテナンスレポートMRの項目A1として選定し、同じくユーザ情報に含まれる使用機種を項目A2として選定する。第2に、制御装置23は、操作ログファイルFに含まれるメンテナンスの開始時刻と終了時刻とを抽出してメンテナンスレポートMRの項目A3に選定する。第3に、制御装置23は、操作ログファイルFに含まれる作業者IDから作業者の氏名を特定してメンテナンスレポートMRの項目A4とする。この作業者の氏名は、例えば、作業者IDと作業者の氏名とが対応付けられたテーブルを参酌することによって特定される。
【0031】
第4に、制御装置23は、操作ログファイルFに含まれる各ログデータを操作内容テーブルT1から検索し、ここで検索されたログデータに対応付けられた文字列をメンテナンスレポートMRの項目A5として選定する。例えば、操作ログファイルFに含まれるログデータのひとつが「A」である場合、制御装置23は、図3に示される操作内容テーブルT1から「紙詰まりの解消」という文字列を検索し、この文字列を図2に示される項目A5に配置されるべき情報のひとつとして特定する。第5に、制御装置23は、カラー画像の印刷枚数とモノクロ画像の印刷枚数とを操作ログファイルFから抽出し、これらの枚数をメンテナンスレポートMRの項目A6として選定する。以上の手順にて総ての項目A1ないしA6の内容を選定すると、制御装置23は、これらの各項目Aが所定の順番に配置されたメンテナンスレポートMRの画像データを生成して記憶装置24に格納する。
【0032】
こうしてメンテナンスレポートMRを作成すると、制御装置23は、このメンテナンスレポートMRを画像形成装置10の利用者に通知するための処理を実行する。さらに詳述すると、制御装置23は、メンテナンスレポートMRが格納されたアドレス(URL)を文面に含む電子メールを画像形成装置10の利用者が所持するパーソナルコンピュータに送信する。このときの電子メールの宛先としては、ステップSb1にて取得したユーザ情報に含まれる電子メールアドレスが指定される。利用者は、この電子メールにて通知されたアドレスにアクセスすることにより、図2に示した態様にてメンテナンスレポートMRを閲覧することができる。
【0033】
以上のように、本実施形態においては、作業者がメンテナンスに際して実行した具体的な作業の内容がメンテナンスレポートMRによって利用者に通知される。したがって、利用者は、これを閲覧することにより、メンテナンスに際して不正な作業が実施されていないことを確認することができ、ひいては画像形成装置10に対するメンテナンスの作業の信頼性を高めることができる。しかも、本実施形態においては、ログデータのハッシュ値に基づいてログデータの改竄の有無が判定されるから、メンテナンスレポートMRの信頼性をいっそう高めることができる。
【0034】
<B:第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置10について説明する。第1実施形態においては、管理装置20がメンテナンスレポートMRを作成する構成を例示した。これに対し、本実施形態においては、第1実施形態における管理装置20の機能が画像形成装置10に設けられ、この画像形成装置10においてメンテナンスレポートMRが作成されたうえで利用者に提示される構成となっている。なお、本実施形態に係る要素のうち第1実施形態と作用が同様であるものについては共通の符号を付してその説明を適宜に省略する。
【0035】
本実施形態における画像形成装置10の記憶装置12には、図3に示した操作内容テーブルT1と、その画像形成装置10の利用者に関するユーザ情報とが記憶される。このユーザ情報は、図4に示したユーザ情報テーブルT2におけるひとつのレコードに相当し、その画像形成装置10の機種や利用者の名称や所在地といった情報を含んでいる。本実施形態における画像形成装置10の制御装置11は、画像形成装置10のメンテナンスのために作業者によってメンテナンスモードが指定されると、図5に示したステップSa1からステップSa4までの処理を順次に実行することにより操作ログファイルFを作成して記憶装置12に格納する。このメンテナンスの後、画像形成装置10の利用者が入力装置14に所定の操作を行なうと、制御装置11は、メンテナンスレポートMRを作成して表示装置15に表示するための処理を実行する。この処理の内容は、図7のステップSb2からステップSb6までの処理と同様である。ステップSb6におけるメンテナンスレポートMRの作成に際しては、記憶装置12に記憶されたユーザ情報が使用される。そして、この一連の処理によってメンテナンスレポートMRの画像データを作成すると、制御装置11は、この画像データを表示装置15に出力することによってメンテナンスレポートMRを表示装置15に表示させる。
【0036】
このように、本実施形態においても、作業者がメンテナンスに際して実行した具体的な作業の内容がメンテナンスレポートMRによって利用者に通知されるから、第1実施形態と同様の効果が奏される。さらに、本実施形態においては、操作ログファイルFを管理装置20に送信する必要がないから、ネットワーク30における通信トラヒックを低減することができるという利点がある。もっとも、第1実施形態を第2実施形態と比較すれば、各画像形成装置10に対するメンテナンスの内容を管理装置20にて統一的に管理することができ、さらにはメンテナンスレポートMRを作成するための手段(例えばプログラム)を各画像形成装置10に持たせる必要がないという利点がある。
【0037】
<C:変形例>
各実施形態に対しては種々の変形が加えられる。具体的な変形の態様を例示すれば以下の通りである。以下の各態様を適宜に組み合わせてもよい。
【0038】
(1)第1実施形態においては、メンテナンスレポートMRの所在を示すURLが電子メールにて利用者のパーソナルコンピュータに通知される構成を例示したが、メンテナンスレポートMRを利用者に通知するための構成はこれに限られない。例えば、メンテナンスレポートMRそのものを含む電子メールを画像形成装置10の利用者が所有するパーソナルコンピュータに送信してもよい。また、画像形成装置10にメンテナンスレポートMRが送信される構成としてもよい。この構成においては、画像形成装置10の表示装置15にメンテナンスレポートMRを表示させてもよいし、この画像形成装置10に接続されたパーソナルコンピュータにメンテナンスレポートMRを転送したうえで表示させてもよい。また、メンテナンスレポートMRを記録材に印刷して出力する構成も採用される。
【0039】
(2)各実施形態においては、ログデータからハッシュ値を算定する構成を例示したが、ログデータの改竄を防止するための方法はこれに限られない。要するに、ログデータを引数として所定の関数を演算することによってログデータに固有の識別値を算定し、この識別値とログデータとを含むログデータが生成される構成であれば足りる。なお、各実施形態においては、メンテナンスモードが終了した後に総てのログデータの集合からひとつのハッシュ値を算定する構成を例示したが、メンテナンスモードにおいてログデータが生成されるたびに(すなわち作業者が何らかの操作を実行するたびに)そのログデータからハッシュ値を算定してもよい。また、画像形成装置10においてログデータを暗号化したうえで管理装置20に送信し、これを管理装置20において復号してメンテナンスレポートMRを作成してもよい。
【0040】
(3)第1実施形態において、画像形成装置10とネットワーク30との間にファイアウォールを設置してもよい。このファイアウォールは、画像形成装置10から出力されたポーリング信号を管理装置20に転送するとともに、そのポーリング信号に対する応答信号を管理装置20から受信して画像形成装置10に転送するものである。ファイアウォールは、ポーリング信号とそれに対する応答信号のみを中継し、他の信号がネットワーク30を介して画像形成装置10宛てに送信されてきても、その信号を中継せずに遮断する。この構成のもと、画像形成装置10は、操作ログファイルFの送信に際して管理装置20にポーリング信号を送信する。一方、管理装置20は、この操作ログファイルFに基づいて作成したメンテナンスレポートMRのアドレス(あるいはメンテナンスレポートMRそのもの)を応答信号に含ませて画像形成装置10に送信する。このアドレスはファイアウォールを通過して画像形成装置10に到達する。この構成によれば、画像形成装置10の記憶装置12に記憶されたデータに対する不正なアクセスやデータの改竄を防止することができる。
【0041】
(4)各実施形態においては項目A1ないし項目A6を含むメンテナンスレポートMRを例示したが、メンテナンスレポートMRの内容がこれに限られないことはもちろんである。本発明においては、少なくとも、メンテナンスモードにて作業者が実行した操作の内容(図2における項目A5)が利用者に通知されれば足り、その他の項目の有無や各々の内容の如何は不問である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態に係るメンテナンス管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】メンテナンスレポートの内容を示す図である。
【図3】操作内容テーブルの内容を示す図である。
【図4】ユーザ情報テーブルの内容を示す図である。
【図5】メンテナンスモードにおける画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】操作ログファイルの内容を示す図である。
【図7】管理装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0043】
S……メンテナンス管理システム、10……画像形成装置、20……管理装置、30……ネットワーク、11……制御装置、12……記憶装置、13……通信装置、14……入力装置、15……表示装置、16……画像処理部、161……画像読取部、162……画像形成部、17……検出部、171……センサ、21……通信装置、22……出力装置、23……制御装置、24……記憶装置、MR……メンテナンスレポート、A1〜A6……項目、T1……操作内容テーブル、T2……ユーザ情報テーブル、F……操作ログファイル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶手段に記憶された画像を記録材に形成する画像形成装置と前記画像形成装置に対するメンテナンスを管理する管理装置とを具備するシステムであって、
前記画像形成装置は、
メンテナンスを実施するためのメンテナンスモードへの移行の指示を受け付ける入力手段と、
当該画像形成装置を構成する各部材への操作を検出する検出手段と、
前記検出手段が前記メンテナンスモードにて検出した操作を示すログデータを生成するデータ生成手段と、
前記データ生成手段が生成したログデータを記憶するログ記憶手段と、
前記ログ記憶手段に記憶されたログデータを前記管理装置に送信する送信手段と
を備え、
前記管理装置は、
前記画像形成装置から送信されたログデータを受信する受信手段と、
前記メンテナンスモードにて前記画像形成装置に行なわれた操作の内容を、前記受信手段が受信したログデータに基づいて当該画像形成装置の利用者に通知する通知手段と
を備えるメンテナンス管理システム。
【請求項2】
前記画像形成装置は、
前記データ生成手段が生成したログデータに対する演算によって識別値を算定する第1演算手段を具備し、
前記送信手段は、前記ログ記憶手段に記憶されたログデータと前記第1演算手段が算定した識別値とを前記管理装置に送信し、
前記受信手段は、前記送信手段が送信したログデータと識別値とを受信し、
前記管理装置は、
前記受信手段が受信したログデータに対する演算によって識別値を算定する第2演算手段と、
前記第2演算手段が算定した識別値と前記受信手段が受信した識別値とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果を出力する出力手段と
を備える請求項1に記載のメンテナンス管理システム。
【請求項3】
画像を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された画像を記録材に形成する画像形成手段と、
メンテナンスを実施するためのメンテナンスモードへの移行の指示を受け付ける入力手段と、
当該画像形成装置を構成する各部材への操作を検出する検出手段と、
前記検出手段が前記メンテナンスモードにて検出した操作を示すログデータを生成するデータ生成手段と、
前記データ生成手段が生成したログデータを記憶するログ記憶手段と、
前記ログ記憶手段に記憶されたログデータを出力する出力手段と
を具備する画像形成装置。
【請求項4】
前記出力手段は、前記メンテナンスモードにて当該画像形成装置に行なわれた操作の内容を画像形成装置から受信したログデータに基づいて当該画像形成装置の利用者に通知する管理装置に対し、前記ログ記憶手段に記憶されたログデータを管理装置に送信する
請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記出力手段は、前記メンテナンスモードにて当該画像形成装置に行なわれた操作の内容を、前記受信手段が受信したログデータに基づいて出力する
請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記データ生成手段が生成したログデータに対する演算によって識別値を算定する第1演算手段と、
利用者からの指示に応じて、前記ログ記憶手段に記憶されたログデータに対する演算によって識別値を算定する第2演算手段と、
前記第1演算手段が算定した識別値と前記第2演算手段が算定した識別値とを比較する比較手段と
を具備し、前記出力手段は、前記比較手段による比較の結果を出力する
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
記憶手段に記憶された画像を記録材に形成する画像形成装置へのメンテナンスを管理装置によって管理する方法であって、
メンテナンスを実施するためのメンテナンスモードへの移行の指示を前記画像形成装置にて受け付け、
当該画像形成装置を構成する各部材への操作を検出し、
前記メンテナンスモードにて検出された操作を示すログデータを生成し、
前記生成したログデータを前記管理装置に送信し、
前記画像形成装置から送信されたログデータを前記管理装置にて受信し、
前記管理装置が、前記メンテナンスモードにて前記画像形成装置に行なわれた操作の内容を、前記受信したログデータに基づいて当該画像形成装置の利用者に通知する
メンテナンス管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−92010(P2006−92010A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−273745(P2004−273745)
【出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】