説明

画像形成装置、画像形成方法及び画像形成プログラム

【課題】感光体への不要な照射を抑制する。
【解決手段】制御対象の色以外の色の形成に用いられる光ビームを先端同期検知センサ139c、139m、139y、139kの内の1つが検出してから所定時間経過後に、LD132c、132m、132y、132kの内の制御対象の色の形成に用いられるLDを点灯させる工程と、制御対象の色の形成に用いられる光ビームを先端同期検知センサ139c、139m、139y、139kの内の他の1つが検出したら、LD132c、132m、132y、132kの内の制御対象の色の形成に用いられるLDを消灯させる工程と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を形成する画像形成装置、画像形成方法及び画像形成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機や、コピー、ファックス、プリンタなどの複数の機能を一つの筐体に収納した複合機(マルチファンクション装置(MFP:Multi Function Peripherals))等の画像形成装置において、画像形成を行うことで、書込み光学ユニット内の温度はポリゴンミラーの熱などにより上昇する。この温度上昇によりレンズの主走査方向の倍率が変化することで、画像の伸び縮みが発生する。これを補正するために、書込みクロック周波数を変えることで倍率補正を行うことが知られている。
【0003】
また、電源投入時や温度変化時には、レーザ光源の発光光量を適切な値に調整するために、閾値電流や発光電流を検出する初期化動作が行われる。初期化動作時に、感光体の一部のみにレーザ光が照射されて感光体が劣化することを防止するため、ポリゴンミラーを回転させながらレーザの電流を変化させることが知られている。
【0004】
しかし、従来の画像形成装置においては、PLL(Phase Locked Loop)の分周比を変えることでクロック周波数を変えており、分周比変更後ある一定の期間はクロック周波数が安定しない。そのため、クロック周波数が安定しない期間においては、定常時の位置で同期検知点灯を行うことができず、例えば1ライン期間同期検知信号を取りこぼしてしまう。そして、同期検知信号が入力されるまでレーザ光源を点灯し続けることで、感光体へ不要な照射が行われ、不要な横線等が形成されてしまうという問題があった。
【0005】
また、従来の初期化動作は、主走査位置が感光体上の有効画像領域であるか非画像領域であるかを区別することなく行っているので、初期化動作中にレーザ光源が発光した場合に、感光体の有効画像領域部分を露光してしまい、感光体の劣化及び故障を早めるという問題があった。
【0006】
なお、特許文献1には、画像倍率を補正するために書込みクロック周波数を変更したことで、センサ位置に対する点灯開始位置が変化し、センサで光ビームを検出できなくなることを防ぐために、点灯タイミングの設定値を可変することが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1記載の技術は、書込みクロック周波数の変更に伴い点灯位置を変更し同期検知信号を取りこぼすことがないようにするものであるが、書込みクロック周波数の変更時に周波数が安定しない期間は同期検知信号を取りこぼしてしまう。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、感光体への不要な照射を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数の色で構成される画像を形成する画像形成装置であって、前記複数の色の形成にそれぞれ用いられる複数の感光体と、前記複数の色の形成にそれぞれ用いられる光ビームを出力する複数の発光源と、前記複数の発光源から出力される光ビームを複数の偏向面によって前記複数の感光体の主走査方向に偏向する偏向手段と、前記複数の感光体の端部にそれぞれ配置され、前記偏向手段により偏向された光ビームを検出する複数の検出手段と、前記複数の発光源の点灯を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、制御対象の色以外の色の形成に用いられる光ビームを前記複数の検出手段の内の1つが検出してから所定時間経過後に、前記複数の発光源の内の前記制御対象の色の形成に用いられる発光源を点灯させ、前記制御対象の色の形成に用いられる光ビームを前記複数の検出手段の内の他の1つが検出したら、前記複数の発光源の内の前記制御対象の色の形成に用いられる発光源を消灯させる第1の制御を実行することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、複数の色の形成にそれぞれ用いられる複数の感光体と、前記複数の色の形成にそれぞれ用いられる光ビームを出力する複数の発光源と、前記複数の発光源から出力される光ビームを複数の偏向面によって前記複数の感光体の主走査方向に偏向する偏向手段と、前記複数の感光体の端部にそれぞれ配置され、前記偏向手段により偏向された光ビームを検出する複数の検出手段と、前記複数の発光源の点灯を制御する制御手段と、を備える画像形成装置で実行される画像形成方法であって、制御対象の色以外の色の形成に用いられる光ビームを前記複数の検出手段の内の1つが検出してから所定時間経過後に、前記複数の発光源の内の前記制御対象の色の形成に用いられる発光源を点灯させる工程と、前記制御対象の色の形成に用いられる光ビームを前記複数の検出手段の内の他の1つが検出したら、前記複数の発光源の内の前記制御対象の色の形成に用いられる発光源を消灯させる工程と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、複数の色の形成にそれぞれ用いられる複数の感光体と、前記複数の色の形成にそれぞれ用いられる光ビームを出力する複数の発光源と、前記複数の発光源から出力される光ビームを複数の偏向面によって前記複数の感光体の主走査方向に偏向する偏向手段と、前記複数の感光体の端部にそれぞれ配置され、前記偏向手段により偏向された光ビームを検出する複数の検出手段と、前記複数の発光源の点灯を制御する制御手段と、を備える画像形成装置で実行される画像形成プログラムであって、制御対象の色以外の色の形成に用いられる光ビームを前記複数の検出手段の内の1つが検出してから所定時間経過後に、前記複数の発光源の内の前記制御対象の色の形成に用いられる発光源を点灯させるステップと、前記制御対象の色の形成に用いられる光ビームを前記複数の検出手段の内の他の1つが検出したら、前記複数の発光源の内の前記制御対象の色の形成に用いられる発光源を消灯させるステップと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、感光体への不要な照射を抑制することができる。これにより、不要な横線等の形成を抑制し、また感光体の劣化及び故障を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の実施の形態にかかる画像形成装置の機構の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1の光ビーム走査装置の構成を示す図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態にかかる画像形成装置の制御ユニットの概略を示す機能ブロック図である。
【図4−1】図4−1は、図3のGAVDの光ビーム走査制御に関する部分を示す図である。
【図4−2】図4−2は、図4−1の倍率誤差検出部の内部構成を示す図である。
【図5】図5は、図4−1の同期検知用点灯制御部の動作を示す波形図である。
【図6】図6は、図4−1の同期検知用点灯制御部の動作を示す波形図である。
【図7−1】図7−1は、図4−1の同期検知用点灯制御部の動作を示す波形図である。
【図7−2】図7−2は、図4−1の同期検知用点灯制御部の動作を示す波形図である。
【図8−1】図8−1は、図4−1の同期検知用点灯制御部の動作を示す波形図である。
【図8−2】図8−2は、図4−1の同期検知用点灯制御部の動作を示す波形図である。
【図9】図9は、図4−1の同期検知用点灯制御部の動作を示す波形図である。
【図10】図10は、図4−1の同期検知用点灯制御部の動作を示す波形図である。
【図11】図11は、画像形成装置100の電源オン後の書込みイニシャル動作を示すフローチャートである。
【図12】図12は、モノクロ印刷モードからカラー印刷モードへの移行動作を示すフローチャートである。
【図13】図13は、クロック周波数変更時の先端側同期検知信号及び強制点灯信号を示す波形図である。
【図14】図14は、クロック周波数変更による倍率補正の動作を示すフローチャートである。
【図15】図15は、LD初期化時の動作を示す波形図である。
【図16】図16は、画像形成装置での初期化動作を示すフローチャートである。
【図17】図17は、2つのポリゴンミラーを備えた画像形成装置の構成を示す図である。
【図18】図18は、2つのポリゴンミラーを備える場合の書込みユニットの構成を示す図である。
【図19】図19は、本実施の形態にかかる画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる画像形成装置の機構の構成を示すブロック図である。この画像形成装置100は、例えば、ファクシミリ装置、印刷装置(プリンタ)、複写機、及び複合機を含む画像処理装置である。
【0015】
光ビーム走査装置101は、LD(レーザダイオード)、LDアレイ、VICSEL、LED、EL等の光源(図示省略)から放出された光ビームを、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の感光体ドラム(以下、「感光体」と略称する。)111c、111m、111y、111kへと像状照射する。なお、本実施の形態では光源としてLDを用いる。
【0016】
感光体111c、111m、111y、111kは、アルミニウムなどの導電性ドラム上に、少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とを含む光導電層を備えている。光導電層は、それぞれ感光体111c、111m、111y、111kに対応して配設され、コロトロン、スコロトロン又は帯電ローラなどを含んで構成される帯電器112c、112m、112y、112kにより表面電荷が付与される。
【0017】
各帯電器112c、112m、112y、112kによって感光体111c、111m、111y、111k上にそれぞれ付与された静電荷は、光ビーム走査装置101からの光ビームによりそれぞれ像状露光される。これにより、感光体111c、111m、111y、111kの被走査面上に静電潜像が形成される。
【0018】
感光体111c、111m、111y、111kの被走査面上にそれぞれ形成された静電潜像は、現像スリーブ、現像剤供給ローラ、規制ブレードなどを含む現像器113c、113m、113y、113kによりそれぞれ現像される。これにより、感光体111c、111m、111y、111kの被走査面上に現像剤像が形成される。
【0019】
感光体111c、111m、111y、111kの被走査面上に担持された各現像剤は、感光体111c、111m、111y、111kに対する1次転写装置114c、114m、114y、114kによって、搬送ローラ121a、121b、121c、121dにより矢印の方向に移動する中間転写ベルト120上に転写される。感光体111c、111m、111y、111kに残っている可視像は、クリーニング装置115c、115m、115y、115kによりクリーニングされ、除電装置116c、116m、116y、116kにより除電される。C、M、Y、Kの各色で作られた可視像は、中間転写ベルト120上で重ね合わされる。
【0020】
中間転写ベルト120は、感光体111c、111m、111y、111kの被走査面上からそれぞれ転写されたC、M、Y、Kの現像剤を担持した状態で、搬送ローラ121a、121b、121c、121dにより矢印の方向に搬送される。搬送ローラ121bと2次転写装置122との間には、給紙カセットなどから上質紙、プラスチックシートなどの受像材である用紙Pが供給される。2次転写装置122は、2次転写バイアスを印加して、中間転写ベルト120上に担持された多色現像剤像を用紙Pに転写する。用紙Pは、転写ベルト120の搬送と共に定着装置123へと供給される。定着装置123は、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどを含む定着ローラなどの定着部材を含んで構成されており、用紙Pと多色現像剤像とを加圧加熱し、画像形成装置100の外部へと排出する。
【0021】
多色現像剤像を転写した後の中間転写ベルト120は、クリーニングブレードを含むクリーニング部124によって転写残現像剤が除去された後、次の像形成プロセスへと供給される。
【0022】
また、搬送ローラ121aと搬送ローラ121bとの間には、中間転写ベルト120に光を出射する光源125と、光源125から出射され中間転写ベルト120によって反射される光を検出するセンサ126と、が設けられている。光源125は、中間転写ベルト120上のピッチズレ検知パターンへ光を照射し、センサ126は、その反射光あるいは拡散光でピッチズレ量を検出する。
【0023】
図2は、光ビーム走査装置101の構成を示す図である。本実施形態では、1個のポリゴンミラー135でC、M、Y、Kの4色の偏向を実施する。LDドライバボード131c、131m、131y、131k上に実装されたLD132c、132m、132y、132kから出射されるビームをコリメートレンズ133c、133m、133y、133kにより平行光にする。コリメートレンズ133m、133yを通過したビームはミラー134m、134yによってポリゴンミラー135の方向に反射される。
【0024】
コリメートレンズ133c、133m、133y、133kによって平行光とされたビームは、ポリゴンミラー135により偏向され、fθレンズ136、137により感光体111c、111m、111y、111k上で主走査方向に均一にドットを形成できるように補正される。fθレンズ136、137を通過したビームは、折り返しミラー138c、138m、138y、138kで反射され、感光体111c、111m、111y、111kに照射される。さらに、光ビーム走査装置101は、主走査書き出し位置を検出する先端同期検知センサ139c、139m、139y、139k、及び後述する倍率補正を行うための後端同期検知センサ140c、140m、140y、140kを備えている。
【0025】
図3は、本実施の形態にかかる画像形成装置の制御ユニットの概略を示す機能ブロック図である。制御ユニット300は、スキャナ部302と、プリンタ部308と、主制御部330と、を備えている。
【0026】
スキャナ部302は、画像を読み取る手段として機能するものであり、スキャナが読み取った信号をA/D変換して黒オフセット補正、シェーディング補正、画素位置補正を行うVPU304と、主に取得された画像を、RGB表色系からCMYK表色系の画像データとしてディジタル変換するための画像処理を行うIPU306と、を含んで構成されている。スキャナ部302が取得した読み取り画像は、ディジタルデータとしてプリンタ部308へ送られる。
【0027】
プリンタ部308は、LD132の駆動制御を行う制御手段として機能するGAVD310と、GAVD310が生成した駆動制御信号によりLD素子を駆動させるための電流をLD132に供給するLDドライバ131と、2次元的に配置されたLD素子を実装したLD132と、を含んで構成されている。また、スキャナ部302とプリンタ部308とは、システムバス316を介して主制御部330と接続されており、主制御部330からの指令により、画像読み取り及び画像形成が制御される。
【0028】
主制御部330は、中央演算処理装置(以下、「CPU」という。)320と、CPU320が処理のために使用する処理空間を提供するRAM322と、を含んでいる。CPU320としては、種々のCPUを使用することができ、例えば、CISC(Complex Instruction Set Computer)型のCPUや、RISC(Reduced Instruction Set Computer)型のCPUなどを使用することができる。
【0029】
CPU320は、インターフェース328を介してユーザからの指令を受け付け、指令に対応する処理を実行するプログラムモジュールを呼び出して、コピー、ファクシミリ、スキャナ、イメージストレージなどの処理を実行する。
【0030】
さらに、主制御部330は、ROM324を含んでおり、ROM324は、CPU320の初期設定データ、制御データ、プログラムなどをCPU320が利用可能に格納する。イメージストレージ326は、ハードディスク装置、SDカード(登録商標)、USBメモリなどの固定又は着脱自在のメモリ装置として構成され、画像形成装置100が取得した画像データを格納してユーザによる各種処理のために利用可能としている。I/O制御329は、各種モータ駆動、各種センサによる検出を行う。
【0031】
CPU320は、スキャナ部302が取得した画像データについてプリンタ部308を駆動して感光体111c、111m、111y、111kに静電潜像として画像を出力する場合、上質紙、プラスチックフィルムなどの受像材の主走査方向制御及び副走査位置制御を実行する。CPU320は、副走査方向のスキャンを開始させる場合、GAVD310にスタート信号を出力する。GAVD310は、スタート信号を受け取ると、IPU306へ画像データインターフェース信号の1つであるMFSYNC_N信号を出力することで、IPU306がスキャン処理を開始する。その後、GAVD310は、画像データを受信してメモリに格納し、その受信した画像データを処理し、処理した画像データをLDドライバ131に出力する。LDドライバ131は、GAVD310から画像データを受け取ると、LD132の駆動制御信号を生成する。その後、LDドライバ131は、この駆動制御信号をLD132に送出することにより、LD132を点灯させる。なお、LDドライバ131は、LD132を、PWM制御などを使用して駆動させる。
【0032】
図4−1及び図4−2は、GAVD310の光ビーム走査制御に関する部分を示す図である。光ビームが先端同期検知センサ139上を通過することにより、先端側同期検知信号DETP_Nが出力され、光ビームが後端同期検知センサ140上を通過することにより、後端側同期検知信号EDETP_Nが出力され、倍率誤差検出部344に入力される。
【0033】
倍率誤差検出部344は、先端側同期検知信号DETP_Nの立ち下がりエッジから後端側同期検知信号EDETP_Nの立ち下がりエッジまでの時間を計測し、基準時間差と比較し、差分を全体制御部343に出力する。全体制御部343は、その差分に相当する補正データを生成し、PLL(Phase Locked Loop)342に出力する。PLL342は、補正データに基づいて、基準クロック生成部341が生成する基準クロック信号REFCLKの周波数を可変した出力クロック信号VCLKを生成することで、画像倍率を補正する。
【0034】
PLL342は、図示していないが、VCO(Voltage Controlled Oscillator:電圧制御発振器)と、位相比較器と、分周器と、で構成されている。基準クロック生成部341からの基準クロック信号REFCLKを1/M分周器でM分周した信号と、出力クロック信号VCLKを1/N分周器でN分周した信号と、が位相比較器に入力される。位相比較器は、両信号の立ち下がりエッジの位相比較を行い、誤差成分を定電流出力する。位相比較器の出力信号は、LPF(ローパスフィルタ)によって不要な高周波成分や雑音が除去され、VCOに入力される。VCOは、入力される信号の電圧に応じた発振周波数の出力クロック信号VCLKを出力する。従って、PLL342は、全体制御部343からの補正データに基づいて分周比:Nを可変することで、出力クロック信号VCLKの周波数を可変できる。
【0035】
先端側同期検知信号DETP_Nは、クロック位相合せ部345にも入力される。クロック位相合せ部345は、PLL342で生成されたクロック信号VCLKを先端側同期検知信号DETP_Nに同期させた画素クロック信号PCLKを生成し、同期検知用点灯制御部346及び倍率誤差検出部344に出力する。よって、PLL342において、全体制御部343からの補正データによってクロック信号VCLKの周波数が可変され、それにより画素クロック信号PCLKの周波数が可変されることになる。このように画素クロック信号PCLKの周波数を可変することで、画像の全体倍率を変えることができる。
【0036】
また、先端側同期検知信号DETP_N及び後端側同期検知信号EDETP_Nは、同期検知用点灯制御部346にも入力される。同期検知用点灯制御部346については後述するが、同期検知用点灯制御部346が出力する強制点灯信号BD及びEBDはLDドライバ131に入力される。また、同期検知用点灯制御部346には、他色にて使用する先端側同期検知信号DETP2_Nが入力されている。
【0037】
LDドライバ131は、同期検知用の強制点灯信号BD及び画素クロック信号PCLKに同期した画像データに応じてLD132を点灯制御する。ポリゴンモータ制御部311は、全体制御部343から入力される制御信号に基づいて、ポリゴンモータを規定の回転数で回転制御することで、ポリゴンミラー135を回転制御する。
【0038】
図4−2は、図4−1の倍率誤差検出部344の内部構成を示す図である。倍率誤差検出部344は、時間差カウント部345と、比較制御部346と、を備えている。時間差カウント部345は、カウンタ347と、ラッチ348と、を備えている。
【0039】
カウンタ347は、先端側同期検知信号DETP_Nによってクリアされ、画素クロック信号PCLKによってカウントアップする。ラッチ348は、後端側同期検知信号EDETP_Nの立ち下がりエッジでカウンタ347のカウント値をラッチする。つまり、ラッチ348は、先端側同期検知信号DETP_Nと後端側同期検知信号EDETP_Nとの時間差をラッチする。比較制御部346は、ラッチ348がラッチしているカウント値(時間差)Tと、予め設定されている基準カウント値(基準時間差)T0と、を比較し、その差分データ(倍率誤差データ)を求め、全体制御部343に出力する。全体制御部343は、倍率誤差データから画素クロック周波数の設定値を算出し、補正データとしてPLL342に出力する。なお、基準カウント値(基準時間差)T0としては、例えば、予めポリゴンミラー135の6面分を測定しておき、その平均値としておく。
【0040】
次に、同期検知用点灯制御部346について説明する。同期検知用点灯制御部346の動作は、一般的に実施されているモードAと、本実施の形態に特有なモードBと、がある。図5は、同期検知用点灯制御部346のモードAの動作を示す波形図である。同期検知用点灯制御部346は、CPU320によって信号LDONがアサートされると、最初に先端側同期検知信号DETP_Nを検出するために、強制点灯信号BDをオンしてLD132を強制点灯させる。
【0041】
同期検知用点灯制御部346は、先端側同期検知信号DETP_NをトリガとしてBDカウンタの初期ロード(初期値0)を行い、その後画素クロック信号PCLKに同期してBDカウンタをカウントアップする。そして、同期検知用点灯制御部346は、先端側同期検知信号DETP_Nを一度検出した後には、先端側同期検知信号DETP_N及び画素クロック信号PCLKに基づいて、感光体上に余計な照射を行わず、またフレア光が発生しない程度で確実に先端側同期検知信号DETP_Nを検出できるタイミングで、LD132を点灯させる。
【0042】
図5においては、同期検知用点灯制御部346は、BDカウンタのカウント値が3FDE(hex)となったときに、LDドライバ131に出力するLD強制点灯信号BDをアサートし、LD132を点灯させるように設定されている。また、同期検知用点灯制御部346は、先端側同期検知信号DETP_Nを検出したときに、LDドライバ131に出力するLD強制点灯信号BDをネゲートし、LD132を消灯させている。なお、後端側同期検知信号EDETP_Nについても、先端側同期検知信号DETP_Nが入力された後、BDカウンタにより同様の点灯制御を行う。
【0043】
本実施の形態においては、画像形成装置100の立ち上げ動作時はモードAを用いる。なお、画像形成装置100の立ち上げ動作時は、感光体111c、111m、111y、111kへのLD照射は、現像器113c、113m、113y、113kの帯電が行われていないので、横筋などの異常画像を形成することはない。
【0044】
次に、モードBについて、図6を参照して説明する。図6は、同期検知用点灯制御部346のモードBの動作を示す波形図である。先に説明したモードAでは、最初の先端側同期検知信号DETP_Nが入力されるまでLD132を強制点灯させることで感光体111c、111m、111y、111kに不要な照射を行ってしまう。これに対して、モードBでは、安定して入力されている他色(制御対象以外の色)の先端側同期検知信号DETP2_Nを用いて、自色(制御対象の色)の最初の先端側同期検知信号DETP_Nを検知するための点灯を開始する。
【0045】
同期検知用点灯制御部346は、CPU320によって信号LDONがアサートされると、他色の先端側同期検知信号DETP2_NをトリガとしてBDカウンタの初期ロード(初期値0)を行い、その後画素クロック信号PCLKに同期してBDカウンタをカウントアップし、BDカウンタが3FDE(hex)となったときに、強制点灯信号BDをアサートし、LD132を点灯させる。この最初の点灯により自色の先端側同期検知信号DETP_Nが入力されると、その後は自色の先端側同期検知信号DETP_Nに同期してBDカウンタの初期ロードを行う。このように、モードBでは、他色の先端側同期検知信号DETP2_Nによる点灯タイミング制御と、自色の先端側同期検知信号DETP_Nによる点灯タイミング制御と、を切り替えている。
【0046】
ここで、自色の先端側同期検知信号DETP_Nと他色の先端側同期検知信号DETP2_Nとの位相差は、常にある一定の範囲にある必要がある。ポリゴンミラー135の回転のオン/オフ毎や、また経時変化で自色の先端側同期検知信号DETP_Nと他色の先端側同期検知信号DETP2_Nとの位相差が変化してしまうと、感光体111c、111m、111y、111k上に光を照射してしまう。このことについて、図7−1、図7−2、図8−1及び図8−2を参照しながら説明する。図7−1、図7−2、図8−1及び図8−2は、同期検知用点灯制御部346の動作を示す波形図である。
【0047】
自色の先端側同期検知信号DETP_Nと他色の先端側同期検知信号DETP2_Nとの位相差が図7−1に示す差である場合(位相タイミングA)、感光体111c、111m、111y、111kへの不要な照射を防ぐため、強制点灯信号BDをアサートするタイミングをBDカウンタが3FDE(hex)となったときに設定する。その後、経時変化により、自色の先端側同期検知信号DETP_Nが相対的に遅れ、自色の先端側同期検知信号DETP_Nと他色の先端側同期検知信号DETP2_Nとの位相差が図7−2に示す差となった場合(位相タイミングB)、BDカウンタが3FDE(hex)となったときに強制点灯信号BDをアサートすると、感光体111c、111m、111y、111kに不要な照射が行われてしまうことになる(図7−2のハッチング部)。
【0048】
また、自色の先端側同期検知信号DETP_Nと他色の先端側同期検知信号DETP2_Nとの位相差が図8−2に示す差である場合(位相タイミングB)、感光体111c、111m、111y、111kへの不要な照射を防ぐため、強制点灯信号BDをアサートするタイミングをBDカウンタが300(hex)となったときに設定する。その後、経時変化により、自色の先端側同期検知信号DETP_Nが相対的に遅れ、自色の先端側同期検知信号DETP_Nと他色の先端側同期検知信号DETP2_Nとの位相差が図8−1に示す差となった場合(位相タイミングA)、BDカウンタが300(hex)となったときに強制点灯信号BDをアサートすると、感光体111c、111m、111y、111kに不要な照射が行われてしまうことになる(図8−1のハッチング部)。
【0049】
上述のように、自色の先端側同期検知信号DETP_Nと他色の先端側同期検知信号DETP2_Nとの位相差が経時変化によりばらつく場合、他色の先端側同期検知信号DETP2_Nを用いて強制点灯信号BDをアサートすると、感光体111c、111m、111y、111k上に不要な照射を行うことになってしまう。
【0050】
そこで、感光体111c、111m、111y、111kへの不要な照射を防止することができる条件について検討する。図9は、同期検知用点灯制御部346の動作を示す波形図である。
【0051】
図9に示すように、自色の先端側同期検知信号DETP_Nが入力されるタイミングを時刻t、感光体111c、111m、111y、111kの主走査後端側の端部のタイミングを時刻t、次の自色の先端側同期検知信号DETP_Nが入力されるタイミングを時刻tとする。このとき、1ライン周期は、時刻t〜tとなる。また、通常LD点灯時間(一般に自色の先端側同期検知信号DETP_Nの5mmから3mm手前で点灯開始させている。)をαとすると、強制点灯信号BDがアサートされるタイミングは、時刻tよりαだけ手前の時刻tとなる。
【0052】
このとき、強制点灯信号BDがアサートされるタイミングが時刻t〜tの範囲であれば、感光体111c、111m、111y、111kへの不要な照射を防止することができる。従って、他色の先端側同期検知信号DETP2_Nの位相差ばらつきが時刻t〜tの範囲であれば、感光体111c、111m、111y、111kへの不要な照射を防止することができる。ここで、(t−t)=(t−t)である。
【0053】
つまり、
T+α+(位相差ばらつき時間)≦(1ライン周期)・・・(1)
であれば、感光体111c、111m、111y、111kへの不要な照射を防止することができる。ここで、Tは、自色の先端側同期検知信号DETP_Nから感光体111c、111m、111y、111kの主走査後端側の端部までの時間である。
【0054】
なお、本実施の形態のように、1個のポリゴンミラー135を用いる場合、上記のような経時変化による位相差ばらつきは非常に少ないと考えられる。しかしながら、画像形成装置100の個体毎に位相差が異なるので、他色の先端側同期検知信号DETP2_Nから強制点灯信号BDをアサートするモードBの場合の強制点灯信号BDをアサートするタイミングは、例えば、工場において画像形成装置100の個体毎に計測し設定する。
【0055】
例えば、上記位相差ばらつきを考慮して、工場において、位相差を複数回計測し、位相差ばらつきの中央値を基準に強制点灯信号BDをアサートするタイミングを設定する。図10は、同期検知用点灯制御部346の動作を示す波形図である。図10を参照すると、強制点灯信号BDをアサートするタイミングは、計測した中央値の位相差のときの自色の先端側同期検知信号DETP_N(時刻t13)と感光体111c、111m、111y、111kの主走査方向後端(時刻t11)との中央(時刻t12)の位置に設定する。つまり、時刻t11〜t13をXとすると、時刻t12〜t13はX/2と設定する。
【0056】
また、例えば、工場において、画像形成装置100の個体毎に自色の先端側同期検知信号DETP_N及び他色の先端側同期検知信号DETP2_Nを計測し、下記の式(2)で強制点灯信号BDをアサートするタイミングを設定する。この場合は位相差ばらつき時間を像高で5mm程度としている。
(BDをアサートするタイミング)
=(DETP2_NからDETP_Nまでの時間)−(α+位相差ばらつき時間)
・・・(2)
ここで、αは、通常LD点灯時間(一般に先端側同期検知信号DETP_Nの5mmから3mm手前で点灯させている。)であり、位相差ばらつき時間は、5mm程度の走査時間である。
【0057】
図11は、画像形成装置100実機の電源オン後の書込みイニシャル動作を示すフローチャートである。まず、ステップS100として、書込みクロックの設定など各種GAVDの設定を行う。次に、ステップS102として、ポリゴンミラー135の回転をオンする。次に、ステップS104として、K(ブラック)色について、モードAで先端側同期検知信号DETP_Nを検知する。ここで、K色については、モードAで先端側同期検知信号DETP_Nを検知するので、感光体111kに不要な照射が行われてしまう。これを解決するため、例えば、K色のみ書込みユニットの出射窓にシャッタを備える構成にしても良い。次に、カラー印刷の場合は、ステップS106として、C(シアン)色、M(マゼンタ)色、Y(イエロー)色について、K色の先端側同期検知信号DETP_Nを他色の先端側同期検知信号DETP2_Nとして使用して、モードBで自色の先端側同期検知信号DETP_Nを検知する。なお、この場合、工場での強制点灯信号BDをアサートするタイミングを設定する際の位相差はK色の先端側同期検知信号DETP_Nを使用している。
【0058】
図12は、モノクロ印刷モードからカラー印刷モードへの移行動作を示すフローチャートである。モノクロ印刷モードではC色、M色、Y色のLD132c、132m、132yは消灯している。そのため、ステップS108として、C色、M色、Y色について、K色の先端側同期検知信号DETP_Nを他色の先端側同期検知信号DETP2_Nとして使用して、モードBで自色の先端側同期検知信号DETP_Nを検知する。
【0059】
図13は、クロック周波数変更時の先端側同期検知信号DETP_N及び強制点灯信号BDを示す波形図である。クロック周波数が速くなったり遅くなったりすることで、強制点灯信号BDのアサートタイミングが先端側同期検知信号DETP_Nに対して速くなったり遅くなったりするので、図13にハッチングで示すように、感光体への不要な照射が発生する。
【0060】
図14は、クロック周波数変更による倍率補正の動作を示すフローチャートである。ここでは、Y色の倍率補正を行うものとする。まず、ステップS110として、Y色の先端側同期検知信号DETP_Nから後端側同期検知信号EDETP_Nまでの時間を計測する。計測結果から補正値であるクロック周波数設定を算出する。次に、周波数変更によりクロック周波数が一時的に不安定になることで図13で説明したように感光体111yに不要な照射が行われないようにするため、ステップS112として、Y色のLD132yを消灯する。その後、PLL342に周波数を設定し、クロック周波数が安定する時間を待つ。そして、ステップS114として、K色の先端側同期検知信号DETP_Nを他色の先端側同期検知信号DETP2_Nとして使用して、モードBでY色のLD132yの点灯を開始する。
【0061】
次に、LD初期化時の動作について説明する。図15は、LD初期化時の動作を示す波形図である。初期時においてLD132は消灯状態であり、LDON信号がアサートされた後、他色の先端側同期検知信号DETP2_Nが入力されたとき、同期検知用点灯制御部346は、他色の先端側同期検知信号DETP2_NをトリガとしてBDカウンタをカウントアップし、BDカウンタが設定値に達したとき初期化点灯信号をアサートする。その際、ポリゴンミラー135のポリゴン面からの戻り光がある領域は初期化を行わない。また、初期化は画像領域外で実施することが好ましい(感光体への不要な照射を防止する)ため、図15に示す位置で実施する。また、画像領域外で初期化点灯を実施するため、本例では、3ライン周期にわたり初期化を行っている。この周期は、LDドライバ131の初期化完了時間と画像領域外エリア、戻り光領域から決定する。
【0062】
その後、同期検知用点灯制御部346は、自色の先端側同期検知信号DETP_Nを検知するため、強制点灯信号BDのアサートを開始する。なお、本例では、初期化点灯は自色の先端側同期検知信号DETP_Nが入力されない位置で行っているが、初期化点灯を自色の先端側同期検知信号DETP_Nが入力される位置で行っても良い。その場合、同期検知用点灯制御部346は、自色の先端側同期検知信号DETP_Nを無視すれば良い。LDドライバ131は、初期化点灯信号がアサートされている期間中に内部の光量制御用基準電圧を変化させ、レーザの特性を調べ、目標発光量を得るための電流値の初期値を決定する。
【0063】
図16は、画像形成装置100実機での初期化動作を示すフローチャートである。電源オン後、ステップS120として、GAVD310の初期設定を行う。次に、ステップS122として、GAVD310はポリゴンミラー135を回転させる。その後、ステップS124として、GAVD310はK色のLD132kを仮のLD光量でモードAで点灯させる。このときのLD光量は、画像形成を行わないので、自色の先端側同期検知信号DETP_Nが入力される程度の適当な光量で構わない。次に、ステップS126として、GAVD310はK色の先端側同期検知信号DETP_Nを他色の先端側同期検知信号DETP2_Nとして、C色、M色、Y色のLD132c、132m、132yをモードBで初期化する。その後、ステップS128として、C色、M色又はY色の先端側同期検知信号DETP_Nを他色の先端側同期検知信号DETP2_Nとして、K色のLD132kをモードBで初期化する。
【0064】
なお、上記においては、画像形成装置が1つのボリゴンミラーを備えた場合について説明したが、画像形成装置が2つのポリゴンミラーを備えるようにしてもよい。図17は、2つのポリゴンミラーを備えた画像形成装置の構成を示す図である。図17に示すように、2つのポリゴンミラー135、135aを備える場合、2つのポリゴンミラー135、135aの回転クロック信号は共通のものを使用する。回転クロック信号を共通にすることで、2つのポリゴンミラー135、135aの位相差は常にほぼ同じとなる。図18は、2つのポリゴンミラーを備える場合の書込みユニットの構成を示す図である。2つのポリゴンミラー135、135aを備える場合、図18に示す、1つのポリゴンミラー135で2色の書込みを行う書込みユニットを2組備えることで、4色カラータンデムに対応することができる。
【0065】
図19は、本実施の形態にかかる画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。本図に示すように、この画像形成装置100は、コントローラ410とエンジン部(Engine)460とをPCI(Peripheral Component Interface)バスで接続した構成となる。コントローラ410は、画像形成装置100全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部460は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部460には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0066】
コントローラ410は、CPU411と、ノースブリッジ(NB)413と、システムメモリ(MEM−P)412と、サウスブリッジ(SB)414と、ローカルメモリ(MEM−C)417と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)416と、ハードディスクドライブ(HDD)418とを有し、ノースブリッジ(NB)413とASIC416との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス415で接続した構成となる。また、MEM−P412は、ROM(Read Only Memory)412aと、RAM(Random Access Memory)412bと、をさらに有する。
【0067】
CPU411は、画像形成装置100の全体制御をおこなうものであり、NB413、MEM−P412およびSB414からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0068】
NB413は、CPU411とMEM−P412、SB414、AGP415とを接続するためのブリッジであり、MEM−P412に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0069】
MEM−P412は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM412aとRAM412bとからなる。ROM412aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM412bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0070】
SB414は、NB413とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB414は、PCIバスを介してNB413と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
【0071】
ASIC416は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP415、PCIバス、HDD418およびMEM−C417をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC416は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC416の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C417を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部460との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC416には、PCIバスを介してFCU(Facsimile Control Unit)430、USB(Universal Serial Bus)440、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェース450が接続される。操作表示部420はASIC416に直接接続されている。
【0072】
MEM−C417は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)418は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0073】
AGP415は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P412に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0074】
なお、本実施の形態の画像形成装置で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施の形態の画像形成装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0075】
さらに、本実施の形態の画像形成装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の画像形成装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0076】
本実施の形態の画像形成装置で実行されるプログラムは、上述した各部(VPU304、IPU306、GAVD310)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、上記各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0077】
なお、上記実施の形態では、本発明の画像形成装置を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明したが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。
【符号の説明】
【0078】
100 画像形成装置
302 スキャナ部
304 VPU
306 IPU
308 プリンタ部
310 GAVD
131 LDドライバ
132 LD
320 CPU
322 RAM
324 ROM
326 イメージストレージ
328 インターフェース
329 I/O制御
330 主制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0079】
【特許文献1】特開2005−193611号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の色で構成される画像を形成する画像形成装置であって、
前記複数の色の形成にそれぞれ用いられる複数の感光体と、
前記複数の色の形成にそれぞれ用いられる光ビームを出力する複数の発光源と、
前記複数の発光源から出力される光ビームを複数の偏向面によって前記複数の感光体の主走査方向に偏向する偏向手段と、
前記複数の感光体の端部にそれぞれ配置され、前記偏向手段により偏向された光ビームを検出する複数の検出手段と、
前記複数の発光源の点灯を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
制御対象の色以外の色の形成に用いられる光ビームを前記複数の検出手段の内の1つが検出してから所定時間経過後に、前記複数の発光源の内の前記制御対象の色の形成に用いられる発光源を点灯させ、前記制御対象の色の形成に用いられる光ビームを前記複数の検出手段の内の他の1つが検出したら、前記複数の発光源の内の前記制御対象の色の形成に用いられる発光源を消灯させる第1の制御を実行すること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記第1の制御の実行後、前記制御対象の色の形成に用いられる光ビームを前記複数の検出手段の内の他の1つが検出してから所定時間経過後に、前記複数の発光源の内の前記制御対象の色の形成に用いられる発光源を点灯させ、前記制御対象の色の形成に用いられる光ビームを前記複数の検出手段の内の他の1つが検出したら、前記複数の発光源の内の前記制御対象の色の形成に用いられる発光源を消灯させる第2の制御を実行すること
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段にクロック信号を供給するクロック生成手段を更に備え、
前記制御手段は、
前記クロック信号に同期して動作し、前記クロック信号の周波数の変更に伴い前記クロック信号の周波数が不安定な期間は、前記複数の発光源を消灯させ、前記クロック信号の周波数が安定した後に前記第1の制御を実行しその後前記第2の制御を実行すること
を特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
消灯状態にある前記複数の発光源の発光光量を調整するための初期化動作を前記第1の制御により実行し、その後前記第2の制御を実行すること
を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
1つの前記偏向手段を備え、前記1つの偏向手段により前記複数の発光源から出力される光ビームの偏向を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
2つ以上の前記偏向手段を備え、前記2つ以上の偏向手段は同じクロック信号に同期して動作し、前記複数の発光源の内の1つから出力される光ビームは、前記複数の発光源の内の他の1つから出力される光ビームと異なる前記偏向手段によって偏向されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
複数の色の形成にそれぞれ用いられる複数の感光体と、前記複数の色の形成にそれぞれ用いられる光ビームを出力する複数の発光源と、前記複数の発光源から出力される光ビームを複数の偏向面によって前記複数の感光体の主走査方向に偏向する偏向手段と、前記複数の感光体の端部にそれぞれ配置され、前記偏向手段により偏向された光ビームを検出する複数の検出手段と、前記複数の発光源の点灯を制御する制御手段と、を備える画像形成装置で実行される画像形成方法であって、
制御対象の色以外の色の形成に用いられる光ビームを前記複数の検出手段の内の1つが検出してから所定時間経過後に、前記複数の発光源の内の前記制御対象の色の形成に用いられる発光源を点灯させる工程と、
前記制御対象の色の形成に用いられる光ビームを前記複数の検出手段の内の他の1つが検出したら、前記複数の発光源の内の前記制御対象の色の形成に用いられる発光源を消灯させる工程と、
を備えることを特徴とする画像形成方法。
【請求項8】
複数の色の形成にそれぞれ用いられる複数の感光体と、前記複数の色の形成にそれぞれ用いられる光ビームを出力する複数の発光源と、前記複数の発光源から出力される光ビームを複数の偏向面によって前記複数の感光体の主走査方向に偏向する偏向手段と、前記複数の感光体の端部にそれぞれ配置され、前記偏向手段により偏向された光ビームを検出する複数の検出手段と、前記複数の発光源の点灯を制御する制御手段と、を備える画像形成装置で実行される画像形成プログラムであって、
制御対象の色以外の色の形成に用いられる光ビームを前記複数の検出手段の内の1つが検出してから所定時間経過後に、前記複数の発光源の内の前記制御対象の色の形成に用いられる発光源を点灯させるステップと、
前記制御対象の色の形成に用いられる光ビームを前記複数の検出手段の内の他の1つが検出したら、前記複数の発光源の内の前記制御対象の色の形成に用いられる発光源を消灯させるステップと、
を備えることを特徴とする画像形成プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4−1】
image rotate

【図4−2】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7−1】
image rotate

【図7−2】
image rotate

【図8−1】
image rotate

【図8−2】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2013−47728(P2013−47728A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185968(P2011−185968)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】