説明

画像形成装置およびプログラム

【課題】画像形成装置において、UI画面(ユーザインターフェイス画面)の変更を自由かつ容易に行うことができると共に、UI画面に追記された部分の抽出精度を向上する。
【解決手段】画像形成装置1は、所定の画像を表示するUI表示部2と、UI表示部2に表示されるUI表示画像19に対して手書きで追記された部分を抽出する追記部分抽出部16と、追記部分抽出部16によって抽出された追記画像20とUI表示画像19とを関連付けた追記・UI関連情報21を生成する追記・UI関連付部17と、追記・UI関連付部17によって関連付けられた追記画像20とUI表示画像19とを別々に記憶する記憶部4と、記憶部4に記憶されたUI表示画像19上に、追記・UI関連情報21に基づいて追記画像20を重ね合わせ、UI表示部2に表示する画像重合部18とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コピー機、プリンタ、スキャナ、ファクシミリ、およびこれらを備えた複合機などの画像形成装置は、タッチパネル機能を有する表示画面を備えている。画像形成装置は、工場出荷時にその地域の言語に合わせた表示画面が設定されており、表示画面の言語は、主要な国の言語しか対応していないため、所定の国の言語に変更することができないといった問題がある。また、表示内容の変更を行う作業は、専門知識を必要とするものであり、かつ、時間の掛る作業である。
【0003】
このような背景において、ユーザが表示内容を容易に変更する技術が開示されている(例えば、特許文献1、2)。特許文献1に記載の発明は、ユーザが考えた操作キーのレイアウトを記載した原稿を画像読み取り手段で読み取らせ、読み取った読取画像を解析してレイアウト情報を表示させると共に、各操作キーに機能を割り当てるという技術である。この結果、ユーザが望む表示内容に変更することができる。
【0004】
一方、特許文献2に記載の発明は、配付資料に書き込まれたアノテーションデータを抽出するプログラムである。ユーザが配付資料の印刷を指示すると、その配付資料にファイルIDが付与されて印刷される。この際、印刷用画像データは、ファイルIDが付与されて文書ストレージに格納される。ユーザが配付資料にアノテーションを書き込み、スキャナで読み取ると、入力画像データのファイルIDを検出して、このファイルIDに基づいて、文書ストレージから印刷用画像データが取得される。印刷用画像データと入力画像データとの差分画像データからアノテーションデータが抽出される。そして、アノテーションデータは、オリジナルの印刷用画像データに合成されて表示される。この結果、電子化された手書きのアノテーションの共有が容易となる。
【特許文献1】特開2004−7579号公報
【特許文献2】特開平5−263558号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、操作キー(閉塞領域)のレイアウトを変更するだけではなく、上述したように、表示画面の言語(文字)を容易に変更したいといった要望もある。また、膨大な数のメニューリストから機能を選択して、全ての閉塞領域に機能を割り当てるのではなく、必要な部分のみを容易に変更できるといったカスタマイズ機能が望まれている。
【0006】
また、印刷用画像データと入力画像データとを差分することで追記部分を抽出する方法は、画像同士の差分抽出であるため、写真などの高精細画像の場合には追記部分の抽出精度が低下するといった問題がある。
【0007】
本発明は、このような背景を鑑み、画像形成装置において、表示画面の変更を自由かつ容易に行うことができると共に、表示画面に追記された部分の抽出精度を向上する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、所定の画像を表示する表示部と、前記表示部に表示された表示画像に対して手書きで追記された部分を抽出する追記部分抽出部と、前記追記部分抽出部によって抽出された追記画像と前記表示画像とを関連付けた関連情報を生成する関連付部と、前記関連付部によって関連付けられた前記追記画像と前記表示画像とを個別に記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記表示画像上に、前記関連情報に基づいて前記追記画像を重ね合わせ、前記表示部に表示する画像重合部とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記表示画像を印刷する印刷部と、前記印刷部によって印刷された表示画像に対して手書きで追記された画像を読み取る読取部とを備え、前記追記部分抽出部は、前記読取部によって読み取られた画像と前記印刷部によって印刷された表示画像とを差分することで追記された部分を抽出することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記表示部に表示された画面上で手書きによって追記入力する追記入力部とを備え、前記追記部分抽出部は、前記追記入力部によって入力された画像と前記表示画像とを差分することで追記された部分を抽出することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記追記入力部は、タッチパネルおよびタッチペンで構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記表示画像内の特定領域を削除または塗り潰すことで追記可能領域を生成する追記可能領域生成部とを備え、前記印刷部は、追記可能領域が生成された表示画像を印刷することを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記追記可能領域生成部は、前記表示画像内の文字を削除または塗り潰すことで追記可能領域を生成することを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記印刷部による印刷時に前記表示画像の印刷色を選択するように構成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記印刷部による印刷時に前記表示画像の印刷倍率を選択するように構成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記読取部によって読み取られた画像が前記表示画像のサイズと異なる場合には、読取倍率を選択するように構成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記関連情報は、前記追記画像のIDと前記表示画像のIDとを関連付けた情報で構成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項11に記載の発明は、請求項1に記載の構成を有する画像形成装置に実行させるプログラムであって、所定の画像を表示する表示ステップと、前記表示ステップによって表示された表示画像に対して追記された部分を抽出する追記部分抽出ステップと、前記追記部分抽出ステップによって抽出された追記画像と前記表示画像とを関連付けた関連情報を生成する関連付ステップと、前記関連付ステップによって関連付けられた前記追記画像と前記表示画像とを別々に記憶する記憶ステップと、前記記憶ステップによって記憶された前記表示画像上に、前記関連情報に基づいて前記追記画像を重ね合わせ、前記表示部に表示する画像重合ステップとを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載の発明によれば、表示画像に対して手書きで追記するため、形状や言語の制限がなく、自由に記述することができると共に、表示内容の変更を容易に行うことができる。また、追記画像と元の表示画像とが別々に記憶部に記憶されるため、元の表示内容および機能が一切変更されることがない。このため、追記画像を非表示とすることで、元の表示画像をいつでも表示部に復元させることができる。
【0020】
請求項2に記載の発明によれば、印刷された表示画像に対して手書きで追記するため、形状や言語の制限がなく、自由に記述することができると共に、追記した画像を読み取らせるだけで表示内容の変更を行うことができる。また、追記部分は、読取画像と印刷された表示画像とを差分することで抽出されるため、追記部分の抽出精度が向上する。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、表示部に表示された画面上で手書きにより追記が行われるため、表示内容の変更をより簡単に行うことができる。また、読取部を設けない構成にすることができる。
【0022】
請求項4に記載の発明によれば、表示部の画面上でタッチペンを用いて追記が行われるため、表示内容の変更をさらに容易に行うことができる。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、表示画像に追記可能領域が生成されることで、必要な部分のみを変更することができる。また、追記可能領域は、削除または塗り潰しによって生成されるため、表示画像が写真のような高精細画像の場合であっても、追記部分を精度良く抽出することができる。
【0024】
請求項6に記載の発明によれば、表示画像内の文字を削除または塗り潰すことで追記可能領域が生成されるため、表示画像内の文字を容易に変更することができる。
【0025】
請求項7に記載の発明によれば、表示画像の印刷色は、グレースケール、無色、薄色などから選択するように構成されている。印刷色が選択されることで、表示画像が写真のような高精細画像の場合であっても、追記部分の抽出精度が向上する。
【0026】
請求項8に記載の発明によれば、表示画像の印刷倍率が選択されることで、表示部に反映させる表示サイズを変更することができる。
【0027】
請求項9に記載の発明によれば、読み取られた画像が、表示画像のサイズと異なる場合には、読取倍率を選択することで、表示部に反映させる表示サイズを変更することができる。
【0028】
請求項10に記載の発明によれば、追記画像と表示画像とを別々に記憶部に記憶することができるため、追記画像を非表示とすることで、元の表示画像をいつでも表示部に復元させることができる。
【0029】
請求項11に記載の発明によれば、表示画像に対して手書きで追記するため、形状や言語の制限がなく、自由に記述することができると共に、表示内容の変更を容易に行うことができる。また、追記画像と元の表示画像とが別々に記憶部に記憶されるため、元の表示内容および機能が一切変更されることがない。このため、元の表示画像をいつでも表示部に復元させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
1.第1の実施形態
以下、UI画面(ユーザインターフェイス画面)内の文字を変更可能な画像形成装置の一例について説明する。
【0031】
(画像形成装置の構成)
図1は、第1の実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。画像形成装置1は、UI表示部2、制御部3、記憶部4、プリンタ5、スキャナ6を備えている。画像形成装置1は、UI画面のタイトル名、ボタン名、キャプション名などの文字を変更する機能を有しており、例えば、図1に示す「Copy」ボタンの英語表記を「コピー」の日本語表記に変更可能である。
【0032】
UI表示部2は、例えばタッチパネル機能を有する表示画面である。UI表示部2に表示されるUI画面をカスタマイズするための操作画面を図2に示す。図2は、UI画面の印刷を指示するUI印刷画面(A)と、印刷されたUI画面に追記された画像の読み取りを指示するUIスキャン画面(B)とを示している。ユーザは、まずUI印刷画面7を操作することで、プリンタ5からUI画面を印刷する。そして、印刷されたUI画面に対して追記が行われた後、UIスキャン画面8を操作することで追記された画像をスキャナ6に読み取らせる。この操作によって、追記した内容がUI画面に反映される。
【0033】
UI印刷画面7には、UI画面の印刷色を選択する印刷色選択部9と、UI画面の印刷倍率を選択する印刷倍率選択部10と、UI画面の文字を削除するか否かを選択する文字削除選択部11と、UI画面印刷ボタン12とを設けている。印刷色選択部9は、ドロップダウンメニューで構成され、例えば、グレースケール、無色、薄色が選択可能とされる。また、印刷倍率選択部10も、ドロップダウンメニューで構成され、例えば、50%〜200%(拡大、等倍、縮小)の間で印刷倍率が選択可能とされる。文字削除選択部11は、チェックボックスで構成され、チェックの有無によりUI画面に表示されている文字の削除が選択可能とされる。UI画面印刷ボタン12は、印刷を指示するボタンである。
【0034】
UIスキャン画面8には、追記されたUI画面の読取倍率を選択する読取倍率選択部13と、UI画面スキャンボタン14とで構成される。読取倍率選択部13は、読取サイズがUI画面サイズと異なる場合に、UI画面に反映させる倍率が選択可能とされる。例えば、読取倍率は、50%〜200%(拡大、等倍、縮小)の間で選択可能とされる。なお、読取りサイズをUI画面サイズに自動的にフィットさせる項目が選択可能とされてもよい。
【0035】
制御部3は、半導体集積回路で構成され、記憶部4に記憶されたプログラムを読み出して実行する。プログラムは、追記可能領域生成部15、追記部分抽出部16、追記・UI関連付部17、画像重合部18で構成される。記憶部4は、このプログラムの他、UI表示画像19、追記画像20、追記・UI関連情報21を記憶する。
【0036】
追記可能領域生成部15は、図2に示すUI印刷画面7の文字削除選択部11がチェックされた場合に、UI表示画像19の文字を削除または塗り潰すことで追記可能領域22を生成する。例えば、図1に示す「Copy」ボタンおよび「Scan」ボタンの文字を削除することで、図1に示す追記可能領域22が生成される。なお、UI表示画像19内の特定領域(操作ボタンなどの閉塞領域)を削除または塗り潰すことで追記可能領域22を生成してもよい。追記可能領域22が生成されたUI表示画像19’は、図2に示すUI印刷画面7の印刷色選択部9、印刷倍率選択部10の設定に基づいて、プリンタ5から印刷される。
【0037】
ユーザは、例えば、追記可能領域22に手書きで「コピー」と追記を行い、図2に示すUIスキャン画面8を操作することで、追記された画像をスキャナ6に読み取らせる。この際、読み取られた読取画像23の大きさが、UI画面サイズと異なる場合には、図2に示すUIスキャン画面8の読取倍率選択部13が選択可能となり、ユーザは、読取倍率を選択する。
【0038】
追記部分抽出部16は、追記可能領域22が生成されたUI表示画像19’と、スキャナ6によって読み取られた読取画像23とを差分することで、追記画像20を抽出する。追記画像20は、記憶部4に記憶される。
【0039】
追記・UI関連付部17は、追記画像20とUI表示画像19との関連情報を生成する。追記・UI関連情報21は、テーブルで構成される。図3は、追記・UI関連情報を示す図である。UI表示画像19にはUI画面IDが割り当てられ、追記画像20には追記IDが割り当てられる。また、追記・UI関連情報21は、1つのUI表示画像19に対して複数の追記画像20を関連付けることができる。また、追記・UI関連情報21は、1つのUI表示画像19に対して関連付けられた追記画像20の個数を表す追記数を格納する。
【0040】
画像重合部18は、追記・UI関連情報21に基づいて、UI表示画像19上に追記画像20を重ね合わせ、UI表示部2に表示させる。この結果、UI表示部2に表示されていたUI表示画像19が、重ね合わされた画像24に変更される。
【0041】
(画像形成装置の動作)
図4は、UI画面をカスタマイズするプログラムのフローチャート(A)および(B)である。フローチャートは、UI画面を印刷するプリント時(A)と追記したUI画面を読み取るスキャン時(B)とで構成される。なお、このフローチャートを実行するプログラムは、CDROM等の記憶媒体に格納して提供することができる。
【0042】
以下、UI画面のプリント時のフローについて説明する。図2に示すUI印刷画面7で所定の設定が行われ、UI画面印刷ボタン12を操作することで印刷が指示される(ステップS1)。UI印刷画面7の文字削除選択部11が選択されている場合には(ステップS2のYES)、追記可能領域生成部15は、UI画面内の文字を削除することで、UI表示画像19に追記可能領域22を生成する(ステップS3)。一方、文字削除選択部11が選択されていない場合には(ステップS2のNO)、UI表示画像19に追記可能領域22は生成されない。
【0043】
図2のUI印刷画面7の印刷倍率選択部10が設定されている場合には、UI表示画像19を拡大または縮小する(ステップS4)。また、図2のUI印刷画面7の印刷色選択部9が設定されている場合には、UI表示画像19を設定された印刷色に変更する(ステップS5)。そして、UI表示画像19がプリンタ5によって印刷される(ステップS6)。
【0044】
次に、UI画面のスキャン時のフローについて説明する。図2に示すUIスキャン画面8でUI画面スキャンボタン14を操作することで、スキャンが指示される(ステップS7)。読取画像23の大きさがUI画面サイズより大きい場合には(ステップS8のYES)、図2に示すUIスキャン画面8の読取倍率選択部13を操作することで、UI画面に反映させる倍率が選択される(ステップS9)。読取画像23の大きさがUI画面サイズより小さい場合には(ステップS8のYES)、図2に示すUIスキャン画面8の読取倍率選択部13を操作することで、UI画面に反映させる倍率が選択される(ステップS9)。読取画像23の大きさがUI画面サイズと等しい場合には(ステップS8のNO)、そのままの倍率で読み取られる。
【0045】
そして、読取画像23とUI表示画像19’とを差分することで、追記部分が抽出され(ステップS10)、追記画像20が生成される(ステップS11)。生成された追記画像20とUI表示画像19とを関連付けて保存し(ステップS12)、追記・UI関連情報21に基づいて、UI表示画像19上に追記画像20が重ね合わされ、重ね合わされた画像24がUI表示部2に表示される(ステップS13)。
【0046】
(第1の実施形態の優位性)
以下、第1の実施形態の優位性について説明する。第1の実施形態によれば、UI表示部2に表示される文字を容易に変更することができる。すなわち、印刷されたUI表示画像19に対して手書きで追記するため、形状や言語の制限がなく、自由に記述することができると共に、追記した媒体を読み取らせるだけで文字の変更を行うことができる。
【0047】
また、追記画像20とオリジナルのUI表示画像19とが別々に記憶部4に記憶されるため、オリジナルの表示内容および機能が一切変更されることがない。このため、追記画像20を非表示とすることで、オリジナルのUI表示画像19をいつでもUI表示部2に復元させることができる。
【0048】
また、追記部分である「コピー」の文字は、読取画像23とUI表示画像19’とを差分することで抽出されるため、追記部分の抽出精度が向上する。さらに、UI表示画像19に追記可能領域22が生成されることで、必要な部分のみを変更することができる。また、追記可能領域22は、削除または塗り潰しによって生成されるため、UI表示画像19が写真のような高精細画像の場合であっても、追記部分である「コピー」を精度良く抽出することができる。
【0049】
また、UI表示画像19の印刷色は、グレースケール、無色、薄色などから選択するように構成されている。印刷色が選択されることで、UI表示画像19が写真のような高精細画像の場合であっても、追記部分である「コピー」の文字の抽出精度が向上する。
【0050】
また、UI表示画像19の印刷倍率が選択されることで、UI表示部2に反映させる表示サイズを変更することができる。なお、読取画像23がUI表示画像19のサイズと異なる場合には、読取画像23の読取倍率が選択されることで、UI表示部2に反映させる表示サイズを変更することができる。
【0051】
また、追記・UI関連情報21によって、追記画像20とUI表示画像19とを別々に記憶部4に記憶することができるため、追記画像20を非表示とすることで、オリジナルのUI表示画像19をいつでもUI表示部2に復元させることができる。
【0052】
2.第2の実施形態
以下、UI画面に注意書き(アノテーション)を追記可能な画像形成装置の一例について説明する。
【0053】
図5は、第2の実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。画像形成装置25は、図1に示す追記可能領域生成部15を設けない構成である。その他の構成は、図1に示す画像形成装置1の構成と同様である。画像形成装置25は、UI画面に対してアノテーションなどの追記を行う機能を有する。以下、画像形成装置25の動作について、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0054】
画像形成装置25は、追記可能領域生成部15を設けない構成であるため、UI画面のプリント時のフローチャートにおいて、ステップS2およびステップS3は除かれる。すなわち、UI表示画像19に対して追記可能領域22の生成が行われずに、印刷倍率の選択(ステップS4)、印刷色の選択(ステップS5)のみが実行された後、印刷される(ステップS6)。ユーザは、例えば、図5に示す「Copy」ボタンに「×印」と「使用不可」というアノテーションを手書きで追記し、読取画像23をスキャナ6に読み取らせる。
【0055】
UI画面のスキャン時には、読取画像23の大きさがUI画面サイズと異なる場合には(ステップS8のYES)、図2に示すUIスキャン画面8の読取倍率選択部13を操作することで、UI画面に反映させる倍率が選択される(ステップS9)。読取画像23の大きさがUI画面サイズと等しい場合には(ステップS8のNO)、そのままの倍率で読み取られる。
【0056】
そして、読取画像23とUI表示画像19とを差分することで、追記部分である「×印」と「使用不可」というアノテーションが抽出され(ステップS10)、追記画像20が生成される(ステップS11)。生成された追記画像20とUI表示画像19とを関連付けて記憶部4に保存し(ステップS12)、追記・UI関連情報21に基づいて、UI表示画像19上に追記画像20が重ね合わされ、重ね合わされた画像24がUI表示部2に表示される(ステップS13)。
【0057】
(第2の実施形態の優位性)
第2の実施形態によれば、UI画面にアノテーションを容易に追記することができる。なお、図1に示す追記可能領域生成部15を設けない構成でも適用可能である。
【0058】
3.第3の実施形態
以下、UI画面に注意書き(アノテーション)を追記可能な画像形成装置の一例について説明する。
【0059】
図6は、第3の実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。画像形成装置26は、図1に示すプリンタ5、スキャナ6、追記可能領域生成部15を設けない構成である。また、画像形成装置26は、UI追記入力部27を備えており、その他の構成は、図1に示す画像形成装置1と同様である。UI追記入力部27は、UI表示部2に表示されるUI画面上で直接追記可能なタッチパネルおよびタッチペンで構成される。ユーザは、例えば、タッチペンを用いて、図6に示す「Copy」ボタンに「×印」と「使用不可」というアノテーションを追記する。
【0060】
以下、画像形成装置26の動作について、図7のフローチャートを参照して説明する。図7は、UI画面をカスタマイズするプログラムのフローチャートである。なお、このフローチャートを実行するプログラムは、CDROM等の記憶媒体に格納して提供することができる。
【0061】
UI画面の追記モードが指示されると(ステップS14)、ユーザは、タッチペンを用いて追記を行う(ステップS15)。追記部分抽出部16は、UI表示画像19と追記された読取画像23とを差分することで、追記部分を抽出する(ステップS16)。そして、追記画像20が生成される(ステップS17)。追記画像20は、UI表示画像19と関連付けられて記憶部4に保存される(ステップS18)。そして、追記画像20は、画像重合部18によってUI表示画像19上に重ね合わされてUI表示部2に表示される(ステップS19)。
【0062】
(第3の実施形態の優位性)
第3の実施形態によれば、UI画面上でタッチペンを用いて追記が行われるため、表示内容の変更を容易に行うことができる。なお、図1に示すスキャナ6を設けない構成でも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、コピー機、プリンタ、スキャナ、ファクシミリ、およびこれらを備えた複合機などの画像形成装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】第1の実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。
【図2】UI画面の印刷を指示するUI印刷画面(A)と、印刷されたUI画面に追記された画像の読み取りを指示するUIスキャン画面(B)である。
【図3】追記・UI関連情報を示す図である。
【図4】UI画面をカスタマイズするプログラムのフローチャート(A)および(B)である。
【図5】第2の実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。
【図6】第3の実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。
【図7】UI画面をカスタマイズするプログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
1…画像形成装置、2…UI表示部、3…制御部、4…記憶部、5…プリンタ、6…スキャナ、7…UI印刷画面、8…UIスキャン画面、9…印刷色選択部、10…印刷倍率選択部、11…文字削除選択部、12…UI画面印刷ボタン、13…読取倍率選択部、14…UI画面スキャンボタン、15…追記可能領域生成部、16…追記部分抽出部、17…追記・UI関連付部、18…画像重合部、19…UI表示画像、20…追記画像、21…追記・UI関連情報、22…追記可能領域、23…読取画像、24…重合画像、25…画像形成装置、26…画像形成装置、27…UI追記入力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の画像を表示する表示部と、
前記表示部に表示される表示画像に対して手書きで追記された部分を抽出する追記部分抽出部と、
前記追記部分抽出部によって抽出された追記画像と前記表示画像とを関連付けた関連情報を生成する関連付部と、
前記関連付部によって関連付けられた前記追記画像と前記表示画像とを別々に記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記表示画像上に、前記関連情報に基づいて前記追記画像を重ね合わせ、前記表示部に表示する画像重合部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記表示画像を印刷する印刷部と、
前記印刷部によって印刷された表示画像に対して手書きで追記された画像を読み取る読取部とを備え、
前記追記部分抽出部は、前記読取部によって読み取られた画像と前記印刷部によって印刷された表示画像とを差分することで追記された部分を抽出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記表示部に表示された画面上で、手書きによって追記入力する追記入力部とを備え、
前記追記部分抽出部は、前記追記入力部によって入力された画像と前記表示画像とを差分することで追記された部分を抽出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記追記入力部は、タッチパネルおよびタッチペンで構成されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記表示画像内の特定領域を削除または塗り潰すことで追記可能領域を生成する追記可能領域生成部とを備え、
前記印刷部は、前記追記可能領域が生成された表示画像を印刷することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記追記可能領域生成部は、前記表示画像内の文字を削除または塗り潰すことで追記可能領域を生成することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記印刷部による印刷時に前記表示画像の印刷色を選択するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記印刷部による印刷時に前記表示画像の印刷倍率を選択するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記読取部によって読み取られた画像が前記表示画像のサイズと異なる場合には、読取倍率を選択するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記関連情報は、前記追記画像のIDと前記表示画像のIDとを関連付けた情報で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項11】
請求項1に記載の構成を有する画像形成装置に実行させるプログラムであって、
所定の画像を表示する表示ステップと、
前記表示ステップによって表示された表示画像に対して追記された部分を抽出する追記部分抽出ステップと、
前記追記部分抽出ステップによって抽出された追記画像と前記表示画像とを関連付けた関連情報を生成する関連付ステップと、
前記関連付ステップによって関連付けられた前記追記画像と前記表示画像とを別々に記憶する記憶ステップと、
前記記憶ステップによって記憶された前記表示画像上に、前記関連情報に基づいて前記追記画像を重ね合わせ、前記表示部に表示する画像重合ステップとを実行させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−290254(P2009−290254A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−137422(P2008−137422)
【出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】