説明

画像形成装置および廃棄トナー回収方法

【課題】 廃棄トナーを装置内部に回収し、外部への排出を軽減した画像形成装置および廃棄トナー回収方法の提供。
【解決手段】タンデム方式の画像形成装置で、各色の像担持体41に対応して廃棄トナーを回収するクリーニングブラシ1を設け、電源3から各色で絶対値が異なる交番電圧を印加して回収された廃棄トナーを像担持体に排出する。像担持体41を再帯電して廃棄トナーの極性を揃え、Y、M、Cの各色で異なる間隔で像担持体41に間歇的な露光電圧を印加する。一次転写ローラ45の位置で中間転写ベルト50に廃棄トナーを転写する。K像担持体41Kに中間転写ベルト50から廃棄トナーを回収し、K現像装置44Kに廃棄トナーを収納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄トナーを装置内部に回収し、外部への排出を軽減した画像形成装置および廃棄トナー回収方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真方式のトナー像形成手段は、外周面に感光層を有する像担持体としての感光体と、この感光体の外周面を一様に帯電させる帯電手段と、この帯電手段により一様に帯電させられた外周面を選択的に露光して静電潜像を形成する露光手段と、この露光手段により形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像手段とを有している。
【0003】
カラー画像を形成するタンデム方式の画像形成装置としては、上記のようなトナー像形成手段を、中間転写ベルト(中間転写媒体)に対して、複数個(例えば4個)配置する。これら単色トナー像形成手段による感光体上のトナー像を順次中間転写ベルトに転写して、中間転写ベルト上で複数色(例えば、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(黒))のトナー像を重ね合わせ、中間転写ベルト上でカラー画像を得る中間転写ベルト形式のものがある。
【0004】
ところで、画像形成装置においては、印字処理後に感光体に残存する廃棄トナーを回収して、画質劣化を防止する技術が開発されている。例えば、特許文献1(特開昭63−247781号公報)には、転写ローラにクリーニング作用を行なわせることが記載されている。また、特許文献2(特開平5−19670号公報)には、クリーニングブラシを用いて静電作用により感光体に残存するトナーを引き付けることが記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開昭63−247781号公報
【特許文献2】特開平5−19670号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、特許文献2に記載されているような従来技術は、モノクロ方式の画像形成装置に適用されるものであり、前記タンデム方式のカラー画像形成装置には適用できないという問題があった。
【0007】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、タンデム方式のカラー画像形成装置において、感光体から廃棄トナーを効果的に回収させる構成とした、画像形成装置および廃棄トナー回収方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明の画像形成装置は、像担持体の周囲に帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段との各画像形成用ユニットを配した、黒画像形成ステーションを含む画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、転写媒体が各ステーションを通過することにより、タンデム方式で画像形成を行う画像形成装置であって、
画像形成後の廃棄トナークリーニングモードの設定手段と、前記各像担持体に対応して設けられ、各像担持体に残存する廃棄トナーを回収するクリーニング手段と、前記各クリーニング手段に回収された廃棄トナーを前記各像担持体に排出するように、当該クリーニング手段に交番電圧を印加する電源と、前記交番電圧の絶対値を各色で異ならせる第1の制御手段と、前記像担持体に排出された廃棄トナーの極性を揃えるために、前記帯電手段から帯電電圧を出力する第2の制御手段と、前記露光手段から前記像担持体に露光電圧を間歇的に印加し、当該露光電圧を印加する間隔を前記各ステーションで異ならせる第3の制御手段と、前記像担持体に排出された廃棄トナーを転写させるように前記転写手段に電圧を印加する電源と、
黒画像を形成する前記ステーションにおいて、
前記転写媒体に転写された廃棄トナーを前記像担持体に回収するように前記転写手段に 電圧を印加する電源と、前記黒画像形成用の像担持体から前記廃棄トナーを前記現像手 段に回収するように前記現像手段に電圧を印加する電源と、を具備することを特徴とす る。このような構成によれば、転写されずに感光体(像担持体)に残存している廃棄ト ナーを、K(黒)の現像装置に回収し、黒トナーと混合して印字に使用することができ るこのため、トナー資源の有効利用を図ることができる。また、廃棄トナーを装置内部 に回収して、廃棄トナーの外部への排出を軽減し、環境に配慮した画像形成装置を得る ことができる。
【0009】
また、本発明の画像形成装置は、前記クリーニング手段は、前記像担持体に接触して回転する回転部材であることを特徴とする。このような構成によれば、回転部材は弾性的に像担持体と接触しながら回転するので、像担持体に残存している廃棄トナーをムラなくクリーニング手段に回収することができる。
【0010】
また、本発明の画像形成装置は、前記クリーニング手段は、クリーニングブラシであることを特徴とする。このような構成によれば、廃棄トナーをブラシ間に効果的に捕集することができる。
【0011】
また、本発明の画像形成装置は、前記転写媒体は、中間転写媒体であることを特徴とする。このような構成によれば、中間転写媒体を用いる画像形成装置において、廃棄トナーを、効果的に回収することができる。
【0012】
また、本発明の画像形成装置は、前記ステーションは、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の各色に対応して設けられており、前記転写媒体の進行方向の上流側からみて、K(黒)の前記ステーションが最下流に配置されていることを特徴とする。このような構成によれば、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の4色対応のカラー画像形成装置において、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の各色の廃棄トナーは混色されて黒色トナーとして印字されるので、廃棄トナーの再利用に伴う画質劣化を防止することができる。
【0013】
また、本発明の画像形成装置は、前記各ステーションの前記クリーニング手段に印加される交番電圧の絶対値は、前記転写媒体の上流側で大きく、下流側で小さくなるように制御することを特徴とする。このような構成によれば、転写媒体の進行方向の上流側から下流側に向かって、各クリーニング手段から排出されて感光体から転写される廃棄トナー層の厚さが薄くなり、全体としては転写媒体に均等に廃棄トナーが転写される。このため、最終的にはK(黒)像担持体に廃棄トナーを無理なく回収することができる。
【0014】
また、本発明の画像形成装置は、前記各ステーションの露光手段から前記像担持体に間歇的に印加される電圧間隔を、前記転写媒体の進行方向の上流側で小さく、下流側で大きく設定することを特徴とする。このような構成によれば、転写媒体の進行方向の上流側から下流側に向かって、均等に廃棄トナーが転写されるので、像担持体に無理なく回収することができる。
【0015】
本発明の廃棄トナー回収方法は、像担持体の周囲に帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段との各画像形成用ユニットを配した画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、転写媒体が各ステーションを通過することにより、タンデム方式で画像形成を行う工程と、
画像形成後の廃棄トナークリーニングモードにおいて、
前記各像担持体に対応して設けられたクリーニング手段により各像担持体に残存する廃棄トナーを回収する工程と、前記各クリーニング手段に接続された電源から出力される交番電圧の絶対値を各色で異ならせて、前記各クリーニング手段に回収された廃棄トナーを前記各像担持体に排出する工程と、前記廃棄トナーが排出された像担持体を再帯電する工程と、前記転写媒体の進行方向上流側で小さく下流側で大きい間隔で前記像担持体を間歇的に露光する工程と、前記像担持体に排出された露光されない部分の廃棄トナーを前記転写手段に転写させる工程と、
黒画像を形成する前記ステーションにおける、
前記転写媒体に転写された廃棄トナーを前記像担持体に回収する工程と、前記像担持体 から前記廃棄トナーを前記現像手段に回収する工程と、
からなることを特徴とする。このような構成によれば、既存の装置を用いて、像担持体に残存している廃棄トナーを、一連のプロセスで無駄なくK現像手段に回収することができる。
【0016】
また、本発明の廃棄トナー回収方法は、前記廃棄トナーが排出された像担持体を再帯電する工程は、前記帯電手段から出力される帯電電圧の極性を、前記像担持体の帯電極性と同じ極性とすることを特徴とする。このような構成によれば、クリーニング手段から像担持体に排出された廃棄トナーの極性を揃え、以後の廃棄トナーの処理を円滑に行なえる。
【0017】
また、本発明の廃棄トナー回収方法は、前記像担持体に排出された露光されない部分の廃棄トナーを前記転写手段に転写させる工程は、前記転写手段に印加される電圧の絶対値は、トナー像転写時に用いる値よりも小さいことを特徴とする。このような構成によれば、トナー像転写時印加電圧よりも低電圧の印加により、クリーニング手段から像担持体に排出された廃棄トナーを、効率よく転写媒体に転写させることができる。
【0018】
また、本発明の廃棄トナー回収方法は、前記転写媒体に転写された廃棄トナーを前記像担持体に回収する工程は、前記黒画像形成ステーションにおいて、
前記転写手段に印加される電圧の極性は、前記像担持体の帯電極性と同一極性とすることを特徴とする。このような構成によれば、転写媒体に転写された廃棄トナーを像担持体に吸引して円滑に回収することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、転写されずに感光体(像担持体)に残存している廃棄トナーを、K(黒)の現像装置に回収し、黒トナーと混合して印字に使用する。このため、資源の有効利用を図ると共に、廃棄トナーを装置内部に回収して、廃棄トナーの外部への排出を軽減した画像形成装置および廃棄トナー回収方法を提供することができる。このように、廃棄トナーを装置外部には排出しない構成としているので、環境に対する影響に配慮して環境汚染の防止を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施形態においては、図12の断面図に示すような4つの感光体に4つのラインヘッドで露光し、4色の画像を同時に形成し、1つの無端状中間転写ベルト(中間転写媒体)に転写する、タンデム式カラープリンター(画像形成装置)を対象としている。この画像形成装置は、同様な構成の露光装置101K、101C、101M、101Yを、対応する同様な構成である4個の感光体ドラム(像担持体)41K、41C、41M、41Yの露光位置にそれぞれ配置している。露光装置101K、101C、101M、101Yは、光源にLEDや有機EL素子の発光素子を用いたラインヘッドで構成される。なお、露光装置としてレーザ光を走査する走査光学系を用いても良い。
【0021】
画像形成装置には、駆動ローラ51と従動ローラ52とテンションローラ53が設けられており、テンションローラ53によりテンションを加えて張架されて、図示矢印方向(反時計方向)へ循環駆動される中間転写ベルト(中間転写媒体)50を備えている。この中間転写ベルト50に対して所定間隔で配置された4個の像担持体としての外周面に感光層を有する感光体41K、41C、41M、41Yが配置される。前記符号の後に付加されたK、C、M、Yはそれぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローを意味し、それぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエロー用の感光体であることを示す。他の部材についても同様である。感光体41K、41C、41M、41Yは、中間転写ベルト50の駆動と同期して図示矢印方向(時計方向)へ回転駆動される。各感光体41(K、C、M、Y)の周囲には、それぞれ感光体41(K、C、M、Y)の外周面を一様に帯電させる帯電手段(コロナ帯電器)42(K、C、M、Y)と、この帯電手段42(K、C、M、Y)により一様に帯電させられた外周面を感光体41(K、C、M、Y)の回転に同期して順次ライン走査する露光装置(ラインヘッド)101(K、C、M、Y)が設けられている。
【0022】
また、この露光装置101(K、C、M、Y)で形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像装置44(K、C、M、Y)と、この現像装置44(K、C、M、Y)で現像されたトナー像を一次転写対象である中間転写ベルト50に順次転写する転写手段としての一次転写ローラ45(K、C、M、Y)と、転写された後に感光体41(K、C、M、Y)の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニング装置46(K、C、M、Y)とを有している。
【0023】
現像装置44(K、C、M、Y)は、例えば、現像剤として非磁性一成分トナーを用いるもので、その一成分現像剤を例えば供給ローラで現像ローラへ搬送し、現像ローラ表面に付着した現像剤の膜厚を規制ブレードで規制し、その現像ローラを感光体41(K、C、M、Y)に接触あるいは押圧させることにより、感光体41(K、C、M、Y)の電位レベルに応じて現像剤を付着させることによりトナー像として現像するものである。
【0024】
このような4色の単色トナー像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各トナー像は、一次転写ローラ45(K、C、M、Y)に印加される一次転写バイアスにより中間転写ベルト50上に順次一次転写され、中間転写ベルト50上で順次重ね合わされてフルカラーとなる。フルカラーとなったトナー像は、二次転写ローラ66において用紙等の記録媒体Pに二次転写され、定着部である定着ローラ対61を通ることで記録媒体P上に定着され、排紙ローラ対62によって、装置上部に形成された排紙トレイ68上へ排出される。
【0025】
なお、図12中、63は多数枚の記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット、64は給紙カセット63から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ、65は二次転写ローラ66の二次転写部への記録媒体Pの供給タイミングを規定するゲートローラ対、66は中間転写ベルト50との間で二次転写部を形成する二次転写手段としての二次転写ローラ、69は二次転写後に中間転写ベルト50の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレードである。
【0026】
次に、本発明の実施形態について、図2〜図9に示された説明図により説明する。図2は、クリーニングブラシ1により感光体(像担持体)41から転写残存トナーを回収するクリーニングプロセスの説明図である。クリーニングブラシ1は、接地6に接続されており、一定方向に回転しながら正常帯電トナー11(黒丸、負極性)、逆帯電トナー12(白丸、正極性)を吸引する。この際に、交番電源4で発生する交番電圧は、電源切替スイッチ5が開放されているのでクリーニングブラシ1には印加されない。クリーニングブラシ1には、多数のブラシが円弧状に形成されており、捕捉した廃棄トナーは脱落することなくブラシ間の空間に収納される。このように、クリーニングブラシ1を用いることにより、廃棄トナーをブラシ間に効果的に捕集することができる。なお、感光体41から転写残存トナーを回収するクリーニング手段は、クリーニングブラシに限定されず、例えばスポンジなどを設けた回転部材を感光体41に接触回転させる構成とすることもできる。この場合には、回転部材は弾性的に像担持体と接触しながら回転するので、像担持体から廃棄トナーをムラなくクリーニング手段に回収することができる。
【0027】
図3は、図2でクリーニングブラシ1に回収されたトナーを感光体41に排出する(吐き出す)プロセスの説明図である。この際には、スイッチ7を開放して、クリーニングブラシ1には交番電源4で発生する交番電圧を印加する。交番電圧の周期は、クリーニングブラシ1が1回転する時間以上とする。13は、クリーニングブラシ1から感光体41に吐き出されたトナーである。クリーニングブラシ1には、交番電圧が印加されるので、クリーニングブラシ1に回収された正常帯電トナー11(黒丸、負極性)、逆帯電トナー12(白丸、正極性)は、いずれも1周期の間に交互に感光体41に排出される。クリーニングバイアス電圧の絶対値の大きさは、後述するように各色で異ならせている。すなわち、Yの電圧をV1、Mの電圧をV2、Cの電圧をV3とすると、V1>V2>V3の関係に設定する。このような電圧設定として、印字後期に該当するステーション(転写媒体の下流側のステーション)において、再帯電からの経時変化によりトナー帯電量が低下したときに、クリーニングバイアス電圧の絶対値、すなわち、クリーニングブラシ1からの廃棄トナーの排出電圧を下げて、感光体に排出される廃棄トナー層の厚さを薄くしている。
【0028】
図4は、図3でクリーニングブラシ1から感光体41に吐き出されたトナーに対して再帯電するプロセスの説明図である。この際には、帯電装置42から一定の電圧、例えばー500Vを感光体に印加して、感光体に排出された逆帯電トナーの極性を正常帯電トナーの極性と揃える。このように、感光体に排出されたトナーの極性を負極性に揃えることで、後工程の処理を円滑に行うことができる。
【0029】
図5は、図4で示したように、感光体41の表面で再帯電されたトナーに露光電圧を印加するプロセスの説明図である。この際には、露光装置101から例えば露光電位をー50Vとするような露光電圧を、間歇的に感光体41に印加する。ここで印加される露光電圧は、画像形成用の印加電圧ではなく、後述するように感光体41の当該領域からトナーを中間転写ベルトに転写させないために行なう処理である。このため、感光体41には露光電圧が印加された部分と、露光電圧が印加されない部分との間で電位差が生じる。ここで、露光電圧を印加する間隔は、Yをd1、Mをd2、Cをd3とすると、d1<d2<d3、とする。この理由については後述する。
【0030】
図6は、図5で露光電圧が印加された感光体41が現像装置44を通過する際のプロセスの説明図である。ここでは、現像装置44の電源70は電源切替スイッチ71が開放されているので、現像装置44は現像処理を行わない。したがって、感光体41の表面に形成されている再帯電トナー14は、現像装置44に回収されることなく、そのままの状態で現像装置44の位置を通過して次工程に送られる。
【0031】
図7は、図6で現像装置44を通過した感光体41の再帯電トナー14が、中間転写ベルト50に吐き出される(転写される)際のプロセスの説明図である。図7において、一次転写ローラ45には、電源2から印加される電圧は、前記帯電電圧よりも弱い正負極性の電圧、例えば100Vが印加されている。帯電電位21(―500V)が存在している部分の感光体41の再帯電トナーは、一次転写ローラ45との電位差が大きいので吸引される度合いが強くなり、矢視20方向に進行する中間転写ベルト50に排出される。これに対して、感光体41の露光電位22が存在している部分の再帯電トナーは、一次転写ローラ45との電位差が小さいので吸引される度合いが弱くなり、そのまま残留トナー15として感光体41に付着している。
【0032】
したがって、図5で説明した露光電圧の大きさを変えることにより、感光体41の電位レベルの差が変更され、感光体41への残存トナーの量を調整することができる。図7に示されているように、露光電圧の印加により、感光体41から間歇的に中間転写ベルト50に廃棄トナーを排出している。このような処理を行うことにより、中間転写ベルト50には一度に大量の廃棄トナーが転写されることなく、平均して廃棄トナーが転写されるので、後工程で感光体41に廃棄トナーを回収する処理が円滑に行なえる。本発明の実施形態においては、中間転写媒体を用いる画像形成装置において、クリーニング手段から像担持体に排出された廃棄トナーを、効果的に中間転写媒体に転写させることができる。なお、この例では、感光体から中間転写ベルトに廃棄トナーを転写しているが、本発明においては、感光体からの廃棄トナーの転写は、中間転写ベルトに限定されず転写媒体一般に適用できる。
【0033】
図8は、黒(K)転写装置において中間転写ベルト50から廃棄トナーを感光体41Kに回収する際のプロセスの説明図である。図8において、一次転写ローラ45Kには、感光体41Kと同極性(負電位)の電圧を印加する電源2を接続する。このため、中間転写ベルト50に転写されている廃棄トナーは、感光体41Kに吸引されて回収トナー17として現像装置に運搬される。
【0034】
図9は、黒(K)現像装置44Kに感光体41Kに付着している廃棄トナーを回収する際のプロセスの説明図である。図9において、黒(K)のクリーニングモードでは、前記図2〜図4の処理を行い、図5〜図7の処理は行わない。以下この処理について説明する。クリーニングブラシ1の交流電源4は、スイッチ7を開放し、感光体41Kで中間転写ベルト50から回収した廃棄トナーがクリーニングブラシ1の位置を通過するまでは負帯電電圧を維持している。前記廃棄トナーがクリーニングブラシ1の位置を通過した後には、クリーニングブラシ1に滞留している逆帯電トナーを感光体41Kに排出するために正極性に電位を反転させる。
【0035】
次に、帯電装置42Kは、図4と同様にー500Vを感光体41Kに印加して、クリーニングブラシ1から感光体41Kに排出された逆帯電トナーの極性を正常帯電トナーの極性と揃える。ここで、感光体41Kに露光電圧は印加されず、帯電装置42Kで再帯電された感光体41Kは現像装置44Kの位置に進行する。現像装置44Kは電源70と接続されており、感光体41Kと同一極性(負極性)の電圧が印加されている。このため、感光体41Kに付着している廃棄トナーは、現像装置44K(現像ローラ)に回収される。
【0036】
現像装置44Kに回収された廃棄トナーは、図示を省略した黒色のトナータンクに収納される。この廃棄トナーは、K(黒)画像形成の際に再利用される。このように、廃棄トナーを画像形成装置外に排出せず再利用しているので、資源の有効利用を図ることができる。また、環境汚染を防止できる。なお、図9において、感光体41Kと現像装置44Kは実際の配置では接触しているが、理解を容易とするために両者を離間して表している。
【0037】
図10、図11は、本発明の処理プロセスを経時的に示すタイミングチャートである。この画像形成装置は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の処理が連続して行なわれるが、1枚の図面には収まらないので、図10、図11に分離して示している。すなわち、図10には、Y(イエロー)、M(マゼンタ)の処理を示し、図11にはC(シアン)、K(黒)の処理を示している。
【0038】
図10のY(イエロー)を例にとり、画像形成処理と画像形成処理後のクリーニング処理について説明する。以下の説明で電圧値は概算で示している。時刻tya〜tybの期間は露光による感光体(OPC)電位の変化を示している。初期電位はー500V、露光電位はー50Vであり、露光電位がー50Vのときに感光体には画像が形成される。時刻tyc〜tydの期間は、現像バイアスの印加期間であり、直流―200V+交流2kVの現像バイアスが印加される。
【0039】
時刻tye〜tyfの期間は、転写バイアスの印加期間であり、直流―500Vの転写バイアスが印加される。転写バイアスの印加期間の終端時刻であるtyfを経過すると、時刻tyxで図示を省略している制御装置によりクリーニングモードが設定され、画像形成処理後のクリーニング処理に移行する。時刻tyg〜tyhの期間は、クリーニングバイアス印加時間であり、V1kVのクリーニングバイアスが印加される。この際に、クリーニングブラシに回収されている廃棄トナーが感光体に排出される。感光体の回転に伴い、クリーニングバイアスの印加期間と一部オーバラップして、時刻tyi〜tyjの期間で感光体を再帯電し、続いて感光体に露光電圧を間歇的に印加する。時刻tyi〜tyjの期間で、パルス状の露光電圧が印加されており、露光時間間隔d1の詳細は、右側に示している。
【0040】
前記感光体の再帯電と露光の期間と一部オーバラップして、時刻tyk〜tylの期間で、転写ローラに電圧を印加して感光体から中間転写ベルトに廃棄トナーを転写する(吐出す)。中間転写ベルトに吐出された廃棄トナーは、露光部分Yxでは存在せず、未露光部分Ywで疎らに存在している。この際の露光部の間隔はd1である。このように、廃棄トナーのクリーニングモードでは、クリーニングバイアスの印加、感光体の再帯電と露光電圧の印加、中間転写ベルトへの転写バイアスの印加がシーケンス制御されている。また、クリーニングバイアス印加時間tyg〜tyh、感光体の再帯電時間tyi〜tyj、転写バイアス印加時間tyk〜tylの各時間の長さを等しくして、同期制御する構成としている。なお、図10の例では、廃棄トナーを転写手段に転写時に印加される電圧の絶対値は、トナー像転写時に用いる値と同じ電圧としている。本発明の実施形態においては、廃棄トナー転写時の電圧の絶対値をトナー像転写時に用いる値よりも小さくすることもできる。この場合には、トナー像転写時印加電圧よりも低電圧の印加でクリーニング手段から像担持体に排出された廃棄トナーを、効率よく転写媒体に転写させることができる。
【0041】
Y(イエロー)の画像形成処理から時間Ta後にM(マゼンタ)の画像形成処理が行われ、それに引き続いて廃棄トナーのクリーニング処理が行われる。M(マゼンタ)の各処理の時刻tma〜tmlにおける添字(a〜l)は、Y(イエロー)の処理と同じである。この場合の露光部分Mxと未露光部分Myの分布は、Y(イエロー)よりもさらに疎らになる(露光部間隔はd2で、d1<d2となる)。ここで、感光体41Mと一次転写ローラ45M間の中間転写ベルト上の廃棄トナーが転写される位置は、Y(イエロー)の廃棄トナー転写位置とは異なる位置としている。また、クリーニングバイアス電圧はV2kVで、V1>V2としている。このように、転写媒体の搬送方向の上流側でクリーニングバイアス電圧の絶対値を大きく、下流側で小さく設定する理由について説明する。この例においては、転写媒体の下流側では、像担持体にはY(イエロー)とM(マゼンタ)の2色分の廃棄トナーが蓄積されているので、M(マゼンタ)のクリーニングブラシに回収される廃棄トナーの量は、Y(イエロー)のクリーニングブラシに回収される廃棄トナーの量よりも多くなる。このため、Y(イエロー)のクリーニングブラシと同じクリーニングバイアス電圧を印加すると、像担持体に排出される廃棄トナーの量が増大し、結果的には中間転写媒体に排出される廃棄トナー量も増大する。すなわち、中間転写媒体に排出される廃棄トナーの厚さがY(イエロー)の部分とM(マゼンタ)の部分で相違してしまい斑になることがある。したがって、最終的にK(黒)の現像手段に廃棄トナーを回収する処理が円滑に行なえなくなる。このような不都合を回避するために、前記のようにクリーニングバイアス電圧の絶対値をV1>V2、に設定して、転写媒体の下流側で排出される廃棄トナーの量を、上流側と同じ厚さとなるようにしている。
【0042】
同様に、M(マゼンタ)の画像形成処理から時間Ta後にC(シアン)の画像形成処理と、それに続く廃棄トナーのクリーニング処理が行われる。この場合の露光部分Cxと未露光部分Cyの分布は、M(マゼンタ)よりもさらに疎らになる(露光部間隔はd3で、d1<d2<d3となる)。この際の感光体41Cと一次転写ローラ45C間の中間転写ベルト上の廃棄トナーの転写位置は、Y(イエロー)、およびM(マゼンタ)の廃棄トナー転写位置とは異なる位置としている。また、クリーニングバイアス電圧の絶対値をV3として、V1>V2>V3の関係となるように設定されている。転写媒体の搬送方向下流側のC(シアン)のクリーニングバイアス電圧の絶対値を、上流側よりも小さく設定する理由は、前記M(マゼンタ)の処理で説明したところと同じである。このような、クリーニングバイアス電圧の絶対値をV1>V2>V3の関係となるように設定することで、転写媒体における未露光部分Yw、Mw、Cwに対応するトナー層の厚さは均等化されている。
【0043】
C(シアン)の画像形成処理から時間Ta後に、K(黒)の画像形成処理と、それに続く廃棄トナーのクリーニング処理および現像装置への回収が行われる。時刻tkr〜tksの期間では、中間転写ベルト上に転写されているY、M、Cの廃棄トナーを感光体41Kに回収する。この際の転写バイアスは極性を反転させて、直流+500Vを印加する。また、時刻tku〜tkvの期間では、感光体41Kに排出されているY、M、C、K各色の廃棄トナーを現像装置44Kに回収する。この際には、現像装置44Kは感光体41Kと接触しており、現像バイアスとして直流―200V+交流2kVが印加される。
【0044】
感光体41Kと接触する中間転写ベルト上の廃棄トナーの分布は、前記Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の各色の廃棄トナーの総和となる。すなわち、Y(イエロー)の未露光部分Yw、M(マゼンタ)の未露光部分Mw、C(シアン)の未露光部分Cwに対応して、廃棄トナーが中間転写ベルト上の長さ方向に疎らに、その間隔が均等な分布で存在している。また、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の各色の廃棄トナーの転写位置が中間転写ベルト上で重なり合うことなく相違して形成されているので、中間転写ベルトの一定長さにおける廃棄トナーの転写量は、前記のように一定となる。このため、感光体41Kには無理な負担がかかることなく、中間転写ベルト上の廃棄トナーを円滑に回収することができる。
【0045】
すなわち、この実施形態においては、露光間隔をd1<d2<d3に、また、クリーニングバイアス電圧の絶対値をV1>V2>V3の関係に設定しているので、中間転写媒体には、全体として廃棄トナーが薄く均等に排出されている。したがって、最終的には廃棄トナーはK(黒)現像装置に無理なく、円滑に回収されることになる。
【0046】
図1は、本発明の実施形態にかかるタンデム方式の画像形成装置を示す説明図である。図12と同じところには同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。図1において、中間転写ベルト50は矢視R方向に回動し、中間転写ベルト50の回動方向でみて、上流側からY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の現像装置44Y、44M、44C、44Kを配置している。すなわち、現像装置の配置は、図12とは異なる配置としている。
【0047】
Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の現像装置44Y,44M、44Cは、感光体41Y、41M、41Cとは離間させて配置して、画像形成時の混色を防止している。69aは中間転写ベルトクリーナで、回転ローラにより中間転写ベルト50に残存する廃棄トナーを回収する。K一次転写ローラ45Kに接続される電源2Kの極性は、画像形成時には、他のY、M、Cの電源2Y、2M、2Cと同一極性である。廃棄トナーのクリーニングモードでは、前記図7、図8で説明したように、電源2Kの極性は、他のY、M、Cの電源2Y、2M、2Cとは反対極性に設定される。
【0048】
クリーニングモードにおいて、図5で説明したようにY、M、C各色で露光電圧が印加される。Y(イエロー)の露光装置101Yは、露光間隔(オンパルスとオフパルスの間隔)がd1の露光電圧を印加する。また、M(マゼンタ)の露光装置101Mは、露光間隔がd2の露光電圧を印加し、C(シアン)の露光装置101CMは、露光間隔がd32の露光電圧を印加する。ここで、露光間隔は、d1<d2<d3に設定する。
【0049】
このように、露光間隔の関係をd1<d2<d3に設定するのは、前記したように中間転写ベルト50の下流側ほど蓄積される廃棄トナーが多くなるので、感光体41から中間転写ベルト50に排出される廃棄トナーを少なくするためである。すなわち、M(マゼンタ)の感光体41Mから中間転写ベルト50に廃棄トナーを排出する際に、中間転写ベルト50には既に上流側のY(イエロー)の感光体41Yからの廃棄トナーが付着している。
【0050】
このため、M(マゼンタ)の露光装置101Mによる露光間隔d2を、Y(イエロー)の露光装置101Yの露光間隔d1よりも長くして(露光時間を短くして)、図7で説明した処理で感光体41Mに残留する廃棄トナーの量を少なくしている。同様に、M(マゼンタ)よりも下流側のC(シアン)の露光装置101CMによる露光時間d3を、M(マゼンタ)の露光装置101Mによる露光間隔d2よりも長くしている。このため、感光体41Cに残留する廃棄トナーの量は、さらに少なくなる。
【0051】
クリーニングブラシ1Y〜1Kには、電源3Y〜3Kを接続して、クリーニングバイアスを印加する。前記したように、クリーニングブラシに印加する、クリーニングバイアス電圧の絶対値は、V1>V2>V3の関係に設定する。このため、印字後期でトナー帯電量が低下する際に、クリーニングブラシから感光体への廃棄トナー排出電圧が低下するので、感光体に排出される廃棄トナー層の厚さを薄くすることができる。
【0052】
クリーニングブラシの汚染に差異が生じると、低帯電時に廃棄トナー層の薄層化の維持が困難となり、クリーニング性能の劣化によるメモリ・カブリなどの発生を招くことになる。しかしながら、本発明の実施形態においては、記録媒体の下流側ほど(廃棄トナーの蓄積量が多くなるクリーニングブラシほど)、クリーニングバイアス電圧の絶対値を低下させているので、当該クリーニングブラシから廃棄トナーの過剰排出や、排出性能の劣化を防止することができる。したがって、クリーニング性能の劣化によるメモリ・カブリなどの発生を抑制することができる。図1のような構成によれば、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の4色対応のカラー画像形成装置において、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の各色の廃棄トナーはK現像装置に回収され混色されて黒色トナーとして印字されるので、廃棄トナーの再利用に伴う画質劣化を防止することができる。
【0053】
本発明の実施形態においては、図1、図10、図11で説明したようなクリーニング手段に接続した電源、帯電手段、露光手段の制御は、例えば画像装置に設けた制御装置により行う。すなわち、当該制御装置は、各色のステーションにおいて、各クリーニング手段に回収された廃棄トナーを前記各像担持体に排出するように、当該クリーニング手段に交番電圧を印加する電源の前記交番電圧の絶対値を各色で異ならせる第1の制御手段と、前記像担持体に排出された廃棄トナーの極性を揃えるために、前記帯電手段から帯電電圧を出力する第2の制御手段の構成に相当する。また、前記露光手段から前記像担持体に露光電圧を間歇的に印加し、当該露光電圧を印加する間隔を前記各ステーションで異ならせる第3の制御手段の構成に相当する。
【0054】
なお、クリーニングブラシ1Y、1M、1Cに、電源3Y、3M、3Cから電圧を印加する時間t1、t2、t3を変えることによっても、各クリーニングブラシに回収される廃棄トナーの量を調整することができる。図1の構成を用いた廃棄トナー回収方法によれば、既存の装置を用いて、像担持体に残存している廃棄トナーを、一連のプロセスで無駄なくK現像手段に回収することができる。
【0055】
以上、本発明の画像形成装置および廃棄トナー回収方法をその原理と実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施形態を示す概略の説明図である。
【図2】本発明の実施形態を示す概略の説明図である。
【図3】本発明の実施形態を示す概略の説明図である。
【図4】本発明の実施形態を示す概略の説明図である。
【図5】本発明の実施形態を示す概略の説明図である。
【図6】本発明の実施形態を示す概略の説明図である。
【図7】本発明の実施形態を示す概略の説明図である。
【図8】本発明の実施形態を示す概略の説明図である。
【図9】本発明の実施形態を示す概略の説明図である。
【図10】本発明の実施形態を示すタイミングチャートである。
【図11】本発明の実施形態を示すタイミングチャートである。
【図12】本発明に適用される電子写真プロセスを用いた画像形成装置の1実施例の全体構成を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
【0057】
1(K、C、M、Y)・・・クリーニングブラシ、2(K、C、M、Y)・・・転写装置電源、3(K、C、M、Y)・・・クリーニングブラシ電源、4・・・交流電源、5、7・・・電源切替スイッチ、6・・・接地、11・・・正常帯電トナー、12・・・逆帯電トナー、13・・・排出トナー、15・・・残留トナー、16・・・転写トナー、17・・・回収トナー、21・・・帯電電位、22・・・露光電位、41(K、C、M、Y)・・・感光体ドラム(像担持体)、42(K、C、M、Y)・・・帯電手段(コロナ帯電器)、44(K、C、M、Y)・・・現像装置、45(K、C、M、Y)・・・一次転写ローラ、50・・・中間転写ベルト、66・・・二次転写ローラ、69、69a・・・中間転写ベルトクリーニング手段、70・・・現像装置電源、71・・・電源切替スイッチ、101K、101C、101M、101Y・・・露光装置、P・・・記録媒体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体の周囲に帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段との各画像形成用ユニットを配した、黒画像形成ステーションを含む画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、転写媒体が各ステーションを通過することにより、タンデム方式で画像形成を行う画像形成装置であって、
画像形成後の廃棄トナークリーニングモードの設定手段と、前記各像担持体に対応して設けられ、各像担持体に残存する廃棄トナーを回収するクリーニング手段と、前記各クリーニング手段に回収された廃棄トナーを前記各像担持体に排出するように、当該クリーニング手段に交番電圧を印加する電源と、前記交番電圧の絶対値を各色で異ならせる第1の制御手段と、前記像担持体に排出された廃棄トナーの極性を揃えるために、前記帯電手段から帯電電圧を出力する第2の制御手段と、前記露光手段から前記像担持体に露光電圧を間歇的に印加し、当該露光電圧を印加する間隔を前記各ステーションで異ならせる第3の制御手段と、前記像担持体に排出された廃棄トナーを転写させるように前記転写手段に電圧を印加する電源と、
黒画像を形成する前記ステーションにおいて、
前記転写媒体に転写された廃棄トナーを前記像担持体に回収するように前記転写手段に 電圧を印加する電源と、前記黒画像形成用の像担持体から前記廃棄トナーを前記現像手 段に回収するように前記現像手段に電圧を印加する電源と、
を具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記クリーニング手段は、前記像担持体に接触して回転する回転部材であることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記クリーニング手段は、クリーニングブラシであることを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記転写媒体は、中間転写媒体であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ステーションは、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の各色に対応して設けられており、前記転写媒体の進行方向の上流側からみて、K(黒)の前記ステーションが最下流に配置されていることを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記各ステーションの前記クリーニング手段に印加される交番電圧の絶対値は、前記転写媒体の上流側で大きく、下流側で小さくなるように制御することを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記各ステーションの露光手段から前記像担持体に間歇的に印加される電圧間隔を、前記転写媒体の進行方向の上流側で小さく、下流側で大きく設定することを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
像担持体の周囲に帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段との各画像形成用ユニットを配した画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、転写媒体が各ステーションを通過することにより、タンデム方式で画像形成を行う工程と、
画像形成後の廃棄トナークリーニングモードにおいて、
前記各像担持体に対応して設けられたクリーニング手段により各像担持体に残存する廃棄トナーを回収する工程と、前記各クリーニング手段に接続された電源から出力される交番電圧の絶対値を各色で異ならせて、前記各クリーニング手段に回収された廃棄トナーを前記各像担持体に排出する工程と、前記廃棄トナーが排出された像担持体を再帯電する工程と、前記転写媒体の進行方向上流側で小さく下流側で大きい間隔で前記像担持体を間歇的に露光する工程と、前記像担持体に排出された露光されない部分の廃棄トナーを前記転写手段に転写させる工程と、
黒画像を形成する前記ステーションにおける、
前記転写媒体に転写された廃棄トナーを前記像担持体に回収する工程と、前記像担持体 から前記廃棄トナーを前記現像手段に回収する工程と、
からなることを特徴とする廃棄トナー回収方法。
【請求項9】
前記廃棄トナーが排出された像担持体を再帯電する工程は、前記帯電手段から出力される帯電電圧の極性を、前記像担持体の帯電極性と同じ極性とすることを特徴とする、請求項8に記載の廃棄トナー回収方法。
【請求項10】
前記像担持体に排出された露光されない部分の廃棄トナーを前記転写手段に転写させる工程は、前記転写手段に印加される電圧の絶対値は、トナー像転写時に用いる値よりも小さいことを特徴とする、請求項8または請求項9に記載の廃棄トナー回収方法。
【請求項11】
前記黒画像形成ステーションにおいて、前記転写媒体に転写された廃棄トナーを前記像担持体に回収する工程は、前記転写手段に印加される電圧の極性は、前記像担持体の帯電極性と同一極性とすることを特徴とする、請求項8ないし請求項10のいずれかに記載の廃棄トナー回収方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−121716(P2007−121716A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−314295(P2005−314295)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】