説明

画像形成装置及び接触部材振動方法

【課題】像担持体に接触して配設された接触部材を経時でクリーンな状態に保ち、且つ、異常画像の発生を抑えることができる画像形成装置及び接触部材振動方法を提供する。
【解決手段】表面に潜像を担持する像担持体である感光体2と、感光体2上の潜像に現像剤を供給して上記潜像を現像する現像手段である現像装置40と、表面が感光体2に接触する1つ以上の接触部材である少なくとも帯電ブラシローラ38とを備えた画像形成装置であるプリンタにおいて、帯電ブラシローラ38を振動させる振動発生手段である振動発生装置50を有しており、振動発生装置50は、帯電ブラシローラ38が作像領域を含む感光体表面と接触しているときには帯電ブラシローラ38を振動させず、これ以外のときに帯電ブラシローラ38を振動させるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置及びその画像形成装置に設けられた像担持体に接触する接触部材を振動させる接触部材振動方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、像担持体を帯電手段により帯電させ、露光手段によりその帯電を選択的に消去或いは減少させ、像担持体上に静電潜像を形成する画像形成装置が知られている。この帯電手段としては、コロナ放電を利用したものが主流であった。しかし、コロナ放電を利用した帯電手段は、オゾンを多量に発生するといった不具合があった。
【0003】
そこで、画像形成装置に採用する帯電手段として、コロナ放電を利用しないで帯電手段を像担持体に接触させる接触型の帯電手段が多く提案されている。この接触型の帯電手段においては、上述した問題が解消される一方、像担持体に残留する異物、例えばクリーニングできなかった転写残トナーや転写材の紙粉等が付着しやすくなる。このように、帯電手段に転写残トナーなどが付着し汚れてしまうと帯電ムラを引き起こしてしまい、濃度ムラなどの異常画像が発生する。
【0004】
特に、帯電手段としてブラシ部材を用いた場合には、転写残トナーなどがブラシの奥深くに入り込んでしまい、ブラシ内に転写残トナーなどを長期間に渡って徐々に蓄積してしまう。このように、ブラシ内に転写残トナーなどが蓄積すると転写残トナーなどがブラシと像担持体との間の放電を不安にして帯電ムラを引き起こすため、濃度ムラなどの異常画像が発生する。
【0005】
ここで、上述したように転写残トナーなどの付着や蓄積によって濃度ムラなどの異常画像を発生させてしまうのは接触型の帯電手段に限るものではない。
【0006】
例えば、従来より像担持体上の転写残トナーをトナー一時捕捉部材によって一時捕捉する画像形成装置が知られている(特許文献1や特許文献2など)。この種の画像形成装置として所謂クリーナレスを採用したものでは、まず、像担持体の表面からトナー一時捕捉部材へ転写残トナーを一時的に捕捉する一時捕捉処理を実施する。次いで、バイアス条件の変更などによってトナーをトナー一時捕捉部材から像担持体の表面に戻す戻し処理を、プリントジョブ終了後などの所定のタイミングで実施する。そして、転写残トナーを像担持体の表面から現像装置の現像剤担持体(例えば現像ローラ)に転移させて、転写残トナーを最終的に現像装置内に回収し転写残トナーを再利用している。
【0007】
この種の画像形成装置においてもトナー一時捕捉部材にトナーが長期間に渡って蓄積していくことで、異常画像を発生させることがあった。例えば、トナー一時捕捉部材としてブラシ部材を用いた場合、複数の起毛から構成されるブラシによって像担持体の表面から掻き取られたトナーは、ブラシ内における各起毛の間に取り込まれる。そして、取り込まれたトナーの大半は、ブラシ先端部に留まった後、戻し処理において像担持体の表面にスムーズに逆転移する。ところが、ブラシ内に取り込まれた後、ブラシの挙動の影響などを受けてトナーがブラシの奥深くに入り込んでしまうことがある。このように、ブラシの奥深くにトナーが長期間に渡って徐々に蓄積していくと、やがて種々の要因によって異常画像を発生させる。
【0008】
例えば、ブラシ内に多量のトナーが蓄積すると、ブラシの挙動の影響を受けて多量のトナーが一時捕捉処理中であるにもかかわらず、像担持体にまとまって逆転移してしまうことがある。すると、そのトナーが後の帯電工程において像担持体の一様帯電を阻害して帯電ムラを引き起こしたり、潜像書込工程において像担持体への書込不良を引き起こしたりする。
【0009】
また、例えば、トナー一時捕捉部材と帯電部材とを兼用している場合には、ブラシ内に蓄積したトナーがブラシと像担持体との間の放電を不安にして帯電ムラを引き起こし濃度ムラなどの異常画像を発生させる。
【0010】
特許文献3に記載の画像形成装置では、像担持体の表面を帯電せしめるブラシ帯電部材が、像担持体表面に接触するように設けられている。そして、像担持体表面の像担持体軸方向両端には複数の突起が設けられており、その突起に接触可能なようにブラシ帯電部材の像担持体軸方向両端の少なくとも一方に弾性部材が設けられている。これにより、像担持体の回転動作によって突起が弾性部材を弾くことでブラシ帯電部材に振動を与えることができる。このようにして、ブラシ帯電部材を振動させることでブラシ帯電部材のブラシ内に蓄積された転写残トナーなどを振動により振り落とすことができ、ブラシ帯電部材をクリーンな状態にして安定した帯電を行えるようにしている。
【0011】
【特許文献1】特開2003−295725号公報
【特許文献2】特開2004−170530号公報
【特許文献3】特開平05−216299号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献3に記載のような構成では、像担持体が回転していると所定のタイミングで必ずブラシ帯電部材が振動するので、振動中のブラシ帯電部材によって帯電せしめられた像担持体上に画像が形成される場合がある。この場合、その像担持体上ではブラシ帯電部材が振動することで帯電ムラが生じたり、潜像書込工程において像担持体上に振り落とされたトナー上に書込を行ったりすることによる書込不良が生じてしまう。そのため、結局異常画像が発生してしまうといった問題が生じる。
【0013】
ここで、特許文献3に記載のように帯電部材がブラシ帯電部材ではなく、帯電ブレードや表面が弾性体の帯電ローラなどの場合であっても帯電部材が像担持体に接触していれば上述したような同様の問題が生じ得る。
【0014】
さらに、特許文献3に記載されたような方法を用いて、例えばトナー一時捕捉部材を振動させて蓄積された転写残トナーなどを振り落とす構成においても、上述したように結局異常画像が発生してしまう恐れがある。つまり、転写残トナーの一時捕捉処理を実施している際にトナー一時捕捉部材が振動し、その振動によってトナーが像担持体上に振り落とされてしまう場合がある。この場合、その像担持体上に画像が形成されると、振り落とされたトナーが後の帯電工程において像担持体の一様帯電を阻害して帯電ムラが生じたり、潜像書込工程において像担持体への書込不良が生じてしまうからである。
【0015】
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、像担持体に接触して配設された接触部材を経時でクリーンな状態に保ち、且つ、異常画像の発生を抑えることができる画像形成装置及び接触部材振動方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、表面に潜像を担持する像担持体と、該像担持体上の潜像に現像剤を供給して該潜像を現像する現像手段と、表面が該像担持体に接触する1つ以上の接触部材とを備えた画像形成装置において、該接触部材を振動させる振動発生手段を有しており、該振動発生手段は、該接触部材が作像領域を含む像担持体表面と接触しているときには該接触部材を振動させず、これ以外のときに該接触部材を振動させるものであることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記像担持体に電荷を付与する接触帯電部材を有しており、上記接触部材は少なくとも該接触帯電部材であることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の画像形成装置において、該像担持体のトナー像を転写体に転写する転写手段と、該転写手段による転写後の領域の該像担持体の表面に付着しているトナーを一時的に捕捉した後、所定のタイミングで捕捉したトナーを該表面に逆戻りさせるトナー一時捕捉部材とを有しており、上記接触部材は少なくとも該トナー一時捕捉部材であることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3の画像形成装置において、上記接触部材がブラシ部材であることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3または4の画像形成装置において、上記振動発生手段は、上記接触部材を叩くことによって振動させるものであることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、少なくとも上記接触部材と上記像担持体とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジを有することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項7の画像形成装置において、上記振動発生手段は、上記プロセスカートリッジを形成するケースを叩くことにより振動させるものであることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5、6または7の画像形成装置において、用紙を格納する装置本体に対して着脱自在な給紙部を有しており、上記振動発生手段は、該給紙部の着脱動作に伴って振動を発生させるものであることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項8の画像形成装置において、上記振動発生手段は、上記給紙部に設けられた嵌合部に嵌合する回転軸を有するギヤと、該回転軸に設けられたカムと、該カムに接触可能に配設された叩き部材とを備えることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5、6または7の画像形成装置において、上記振動発生手段は、装置本体カバーの開閉動作に伴って振動を発生させるものであることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の画像形成装置において、上記振動発生手段は、上記装置本体カバーに設けられた嵌合部に嵌合する回転軸を有するギヤと、該回転軸に設けられたカムと、該カムに接触可能に配設された叩き部材とを備えることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の画像形成装置において、上記接触部材に電圧を印加する電圧印加手段を有しており、該電圧印加手段は、上記振動発生手段の駆動後に該接触部材から上記像担持体へ少なくともトナーが転移するような電圧を印加するものであることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、表面に潜像を担持する像担持体と、該像担持体上の潜像に現像剤を供給して該潜像を現像する現像手段と、表面が該像担持体に接触する1つ以上の接触部材とを備えた画像形成装置における接触部材振動方法において、振動発生手段によって、該接触部材が作像領域を含む像担持体表面と接触しているときには該接触部材を振動させず、これ以外にときに該接触部材を振動させることを特徴とするものである。
【0017】
ここで、「作像領域」とは、潜像を形成する工程と、その潜像を現像する工程とを経て画像が作像される像担持体表面の領域のことである。
【0018】
本発明においては、振動発生手段によって接触部材を振動させることで、その振動により接触部材に付着や蓄積したトナーなどを接触部材から離脱させることができる。これにより、接触部材をクリーンな状態に保つことができる。また、振動発生手段は、接触部材が作像領域を含む像担持体表面と接触する際には接触部材を振動させず、接触部材が作像領域を含まずに像担持体表面と接触する際に接触部材を振動させる。これにより、接触部材が振動中に接触した像担持体上には画像が形成されないので、接触部材が振動することで上述した理由により生じ得る帯電ムラや書込不良などが起こらず、異常画像の発生を抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上、本発明によれば、像担持体に接触して配設された接触部材を経時でクリーンな状態に保ち、且つ、異常画像の発生を抑えることができるという優れた効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を画像形成装置である電子写真方式のタンデム方式のカラーレーザプリンタ(以下、単にプリンタという)に適用した一の実施形態について説明する。
図2は、本実施形態に係るプリンタの概略構成図である。このプリンタは、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像を形成するための4組のプロセスカートリッジ1Y,1M,1C,1Kを備えている。各符号の数字の後に付されたY,M,C,Kは、言うまでもなく、イエロー、マゼンダ、シアン、黒用の部材であることを示している(以下同様)。プロセスカートリッジ1Y、1M、1C、1Kの他には、光書込ユニット3、転写ユニット11、レジストローラ対19、3つの給紙トレイ20、定着ユニット25などが配設されている。
【0021】
上記光書込ユニット3は、4つの光書込器を備えている。それぞれの光書込器は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラーなどを有し、画像データに基づいて後述の感光体の表面にレーザ光を照射する。
【0022】
図3は、上記プロセスカートリッジ1Y,1M,1C,1Kのうち、イエロー用のプロセスカートリッジ1Yの概略構成を示す拡大図である。なお、他のプロセスカートリッジ1M,C,Kについてもそれぞれ同じ構成となっているので、これらの説明については省略する。図3において、プロセスカートリッジ1Yは、ドラム状の感光体2Y、帯電ブラシローラ38Y、現像装置40Yなどを有している。
【0023】
帯電ブラシローラ38Yは、図示しない軸受けによって回転自在に支持される金属製の回転軸部材と、これの周面に立設せしめられた導電性の複数の起毛からなるブラシとを有している。帯電ブラシローラ38Yには、帯電電源104が接続されており、これによって交流電圧とマイナス極性の直流電圧との重畳による帯電バイアスが印加される。この印加により、帯電ブラシローラ38Yと感光体2Yとの接触部では、ブラシの各起毛と感光体2Yとの間に放電が発生して、感光体2Yがマイナス極性に一様帯電せしめられる。帯電処理が施された感光体2Yの表面には、上記光書込ユニット3によって変調及び偏向されたレーザ光が走査されながら照射される。すると、ドラム表面に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像装置40Yによって現像されてYトナー像となる。
【0024】
上記現像装置40Yは、そのケーシングの開口から一部露出させるように配設された現像ローラ5Yを有している。また、往路スクリュー43Y、復路スクリュー44Y、現像ドクタ45Yなども有している。
【0025】
Y用の感光体2Y上に形成されたYトナー像は、後述の転写ベルト8に搬送される転写紙上に転写される。転写後の感光体2Yの表面は、転写残トナーが付着している。転写ニップを通過した後の帯電ブラシローラ38Yとの接触位置に進入する前の感光体2Kの表面には、導電性材料からなるプレ帯電ブレード39Yが当接している。そして、このプレ帯電ブレード39Yには、プレ帯電電源105によってトナーと同極であるマイナス極性の直流電圧からなるプレ帯電バイアスが印加されている。感光体2Yは、プレ帯電ブレード39Yとの当接部やその前後でマイナス極性に帯電せしめられる。このとき、転写残トナー中に含まれる若干量の逆帯電トナー(プラス極性トナー)は、プレ帯電ブレード39Yからの電荷注入によって正規のマイナス極性に帯電せしめられる。
【0026】
上述のプレ帯電バイアスは、帯電ブラシローラ38Yに印加される帯電バイアスの直流成分よりもマイナス側に大きな値になっており、プレ帯電後の感光体2Yの表面電位は、帯電バイアスの直流成分よりもマイナス側に大きな値となる。プレ帯電後の感光体2Yの表面移動に伴って帯電ブラシローラ38Yとの接触位置の入口まで移動すると、感光体2Yに付着していたトナーが感光体2Yとブラシとの電位差によってブラシ内に取り込まれる。その後、感光体2Yの表面が帯電ブラシローラ38Yによって一様帯電せしめられると、その電位はブラシの電位よりも小さくなるが、トナーは感光体2Yの表面に転移せずに帯電ブラシローラ38Y内に留まる。帯電ブラシローラ38Yの起毛に付着したトナーに対し、感光体2Yと帯電ブラシローラ38Yとの電位差による静電気力よりも、ファンデルワールス力や鏡像力による起毛との付着力の方が大きく働くからである。このようにして一時捕捉処理が行われる。
【0027】
一方、例えばプリントジョブ後や、連続プリントモードにおける紙間対応期間など、感光体2Yの表面におけるトナー像を担持していなかった非作像領域が帯電ブラシローラ38Yとの接触位置を通過する期間に戻し処理を実施する。戻し処理においては、後述するように帯電ブラシローラ38を振動発生装置50により振動させる。さらに、図8に示すように、プレ帯電電源105からプレ帯電ブレード39Yに印加されるプレ帯電バイアスが、プラスの直流電圧に切り替えられる。そして、感光体2Yの表面がプラス極性に帯電せしめられる。このとき、帯電ブラシローラ38Yに印加されるバイアスの直流成分が、マイナス極性ではあるものの一時捕捉処理のときよりも小さな値のものに切り替えられる。プレ帯電ブレード39Yによってプラス極性に帯電せしめられた感光体2Yの表面が帯電ブラシローラ38Yとの接触位置の入口まで移動すると、帯電ブラシローラ38Y内のトナーがプラス極性に引かれて感光体2Yの表面に転移する。その後、感光体2Yの表面が帯電ブラシローラ38Yによって0[V]程度に一様帯電せしめられても、感光体2Yの表面上のトナーは、帯電ブラシローラ38Yの直流成分のマイナス極性と反発して、感光体2Yの表面に留まる。この転移によって感光体2Yの表面に戻されたトナーは、現像ローラ5Yと感光体2Yとが対向あるいは接触する現像領域にて感光体2Yから現像ローラ5Yに転移して、現像装置40Y内に回収される。
【0028】
このように、戻り処理において、帯電ブラシローラ38を振動させてから静電的に帯電ブラシローラ38から感光体表面にトナーを戻すことで、効果的に帯電ブラシローラ38のクリーニングを行うことができる。
【0029】
なお、他のプロセスカートリッジ1についても同様である。各プロセスカートリッジ1は、プリンタ本体に対して着脱可能になっており、寿命到達時に交換される。
【0030】
先に示した図2において、上記転写ユニット11は、転写ベルト8、駆動ローラ13、張架ローラ14、4つの転写バイアスローラ17Y,17M,17C,17Kなどを有している。転写ベルト8は、駆動ローラ16、張架ローラ18にテンション張架されながら、図示しない駆動系によって回転せしめられる駆動ローラ16によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。4つの転写バイアスローラ17Y,17M,17C,17Kは、それぞれ図示しない電源から転写バイアスが印加される。そして、転写ベルト8をその裏面から感光体2Y,2M,2C,2Kに向けて押圧してそれぞれ転写ニップを形成する。各転写ニップには、上記転写バイアスの影響により、感光体2と転写バイアスローラとの間に転写電界が形成される。Y用の感光体2Y上に形成された上述のYトナー像は、この転写電界やニップ圧の影響により、転写ベルト8上に搬送される転写紙P上に転写される。このYトナー像の上には、感光体2M,2C,2K上に形成されたM,C,Kトナー像が順次重ね合わせて転写される。かかる重ね合わせの転写により、転写ベルト8上に搬送される転写紙P上には、紙の白色と相まったフルカラートナー像が形成される。
【0031】
上記転写ユニット11の下方には、複数枚の転写紙Pを重ねて収容する給紙トレイ20が配設されており、一番上の転写紙Pに給紙ローラを押し当てている。給紙ローラが所定のタイミングで回転駆動すると、一番上の転写紙Pが紙搬送路に給紙される。
【0032】
上記給紙トレイ20から紙搬送路に給紙された転写紙Pは、レジストローラ対19のローラ間に挟まれる。レジストローラ対19は、ローラ間に挟み込んだ転写紙Pを各転写ニップにてトナー像を重ね合わせ得るタイミングで送り出す。これにより、各転写ニップで転写紙Pにトナー像が重ね合わせ転写される。フルカラー画像が形成された転写紙Pは、定着ユニット25に送られる。
【0033】
上記定着ユニット25は、内部にハロゲンランプ等の熱源を有する加熱ローラ25aと、これに圧接せしめられる加圧ローラ25bとによって定着ニップを形成している。そして、この定着ニップに転写紙Pを挟み込みながら、その表面にフルカラー画像を定着せしめる。定着ユニット25を通過した転写紙Pは、図示しない排紙ローラ対を経て機外へと排出される。
【0034】
[構成例1]
次に、本プリンタの特徴的な構成について説明する。
本構成例においては、図1に示すように給紙トレイ20の側面上部には溝が形成されている。そして、少なくとも帯電ブラシローラ38を振動させる振動発生手段である振動発生装置50として、図1に示すように給紙トレイ20の側面上部に設けられた溝部材21に接触するギア51と、そのギア51の回転軸52と、その回転軸52に設けられたカム53と、叩き部材54とを配置している。これにより、プリンタ本体に対してスライドさせて給紙トレイ20の着脱を行うと、給紙トレイ20のスライドに伴って溝部材21でギア51、回転軸52及びカム53がそれぞれ回転し、叩き部材54が駆動してプロセスカートリッジ1の側壁に露出した帯電ブラシローラ38の軸を叩く。このようにして、叩き部材54が帯電ブラシローラ38の軸を叩くことによって帯電ブラシローラ38が振動し、帯電ブラシローラ38に付着したトナーやトナー外添剤などを離脱させる、または、付着力を弱めて帯電ブラシローラ38から離脱し易くすることができる。
【0035】
また、帯電ブラシローラ38が振動することによって、プロセスカートリッジ1の側壁を介してプロセスカートリッジ1内に設けられた各部材にも振動が伝わるため、例えばプレ帯電ブレード39に付着したトナーなども離脱させることができる。なお、図示していないが、叩き部材54を保持する保持部材や、叩き部材54をカム53に押し当てるばねなども配置している。
【0036】
また、本構成例の給紙トレイ20の最大給紙数は250枚である。そのため、250枚印字毎に給紙トレイ20の着脱が行われるので、そのタイミングで振動発生装置50が駆動し、帯電ブラシローラ38などに付着したトナーなどを振動により離脱させたりすることができる。
【0037】
給紙トレイ20の着脱は紙切れなどの際に使用者が通常行う操作であるので、使用者の手を煩わすことなく帯電ブラシローラ38などの清掃を行うことができる。また、少なくとも最大給紙数を印字する毎に、この操作を行うので定期的に帯電ブラシローラ38などの清掃を行うことができる。さらに、振動する際に発生する振動音は使用者の動作に連動して発生するので、使用者が気にすることがない。
【0038】
[構成例2]
本構成例において、振動発生装置50の構成や給紙トレイ20の着脱に伴って振動発生装置50を駆動させるなど基本的には構成例1と略同じであるが、本構成例では、叩き部材54によってプロセスカートリッジ1の側壁を叩くように構成している。これにより、叩き部材54がプロセスカートリッジ1の側壁を叩くことによってプロセスカートリッジ1の側壁が振動すると、その振動がプロセスカートリッジ1内に設けられた各部材に伝わる。よって、帯電ブラシローラ38が振動し、帯電ブラシローラ38に付着したトナーやトナー外添剤などが離脱する、または、付着力を弱めて帯電ブラシローラ38から離脱し易くすることができる。このように、叩き部材54によってプロセスカートリッジ1の側壁を叩いて帯電ブラシローラ38を振動させる構成にすることで、構成例1のように帯電ブラシローラ38の軸を叩く構成よりも、叩き部材54で叩く箇所の制限が緩和されるのでプリンタ内の構成の自由度が大きくなる。また、この振動によりプレ帯電ブレード39に付着したトナーなども離脱させることができる。さらに、プロセスカートリッジ1に支持された現像装置内のトナーの凝集をほぐして現像ローラへのトナー供給性を向上させたり、追加補給型の現像装置においてトナーボトルからの現像装置へのトナー落下を良好に行うことが可能となる。
【0039】
[構成例3]
本構成例における振動発生装置50の基本的な構成及び動作は構成例1と略同様である。 本構成例においては、図4に示すようにプリンタ上部の本体カバー71がプリンタ本体に対して開閉可能であり、この開閉動作に伴って変位する溝部材61をプリンタ本体内に設けている。そして、振動発生装置50を構成するギヤ51が溝部材61に接触しており、本体カバー71の開閉動作に伴って溝部材61が変位することにより、ギア51、回転軸52及び図示しないカム53がそれぞれ回転し、図示しない叩き部材54が駆動してプロセスカートリッジ1の側壁に露出した帯電ブラシローラ38の軸を叩く。このようにして、叩き部材54が帯電ブラシローラ38の軸を叩くことによって帯電ブラシローラ38が振動し、帯電ブラシローラ38に付着したトナーやトナー外添剤などを離脱させる、または、付着力を弱めて帯電ブラシローラ38から離脱し易くすることができる。
【0040】
また、帯電ブラシローラ38が振動することによって、プロセスカートリッジ1の側壁を介してプロセスカートリッジ1内に設けられた各部材にも振動が伝わるため、例えばプレ帯電ブレード39に付着したトナーなども離脱させることができる。
【0041】
また、本体カバー71の開閉動作は、ジャム処理や各種ユニット交換などの際に使用者が通常行う動作であるので、使用者の手を煩わすことなく帯電部材などの清掃を行うことができる。さらに、振動する際に発生する振動音は使用者の動作に連動して発生するので、使用者が気にすることがない。
【0042】
[構成例4]
本構成例において、振動発生装置50の構成や振動発生装置50を本体カバー71の開閉動作に伴って駆動させるなど基本的には構成例3と略同じであるが、本構成例では、叩き部材54によってプロセスカートリッジ1の側壁を叩くように構成している。これにより、叩き部材54がプロセスカートリッジ1の側壁を叩くことによってプロセスカートリッジ1の側壁が振動すると、その振動がプロセスカートリッジ1内に設けられた各部材に伝わる。よって、帯電ブラシローラ38が振動し、帯電ブラシローラ38に付着したトナーやトナー外添剤などが離脱する、または、付着力を弱めて帯電ブラシローラ38から離脱し易くすることができる。このように、叩き部材54によってプロセスカートリッジ1の側壁を叩いて帯電ブラシローラ38を振動させる構成にすることで、構成例3のように帯電ブラシローラ38の軸を叩く構成よりも、叩き部材54で叩く箇所の制限が緩和されるのでプリンタ内の構成の自由度が大きくなる。また、この振動によりプレ帯電ブレード39に付着したトナーなども離脱させることができる。さらに、プロセスカートリッジ1に支持された現像装置内のトナーの凝集をほぐして現像ローラへのトナー供給性を向上させたり、追加補給型の現像装置においてトナーボトルからの現像装置へのトナー落下を良好に行うことが可能となる。
【0043】
次に、本発明者らが行った実験について説明する。
[実験]
本発明者らは、図1や図4に示した構成と同様の構成を有するプリンタ試験機を容易した。そして、このプリンタ試験機にて、モノクロのテスト画像を2000枚の記録紙に連続で出力する実験を行った。この実験における各種条件を次の通りである。
・実験機:(株)リコー社製 IPSiO 3000CX の感光体周りを下記条件に改造。
・感光体の線速:100[mm/sec]
・現像方式:1成分接触現像
・帯電部材:導電性ナイロン繊維(ナイロン、アクリル及びポリエステルなど)のブラシを用いたブラシローラ(シャフト径Φ5、外径Φ11)(なお、弾性ローラでもよい。)
・転写残トナー帯電部材(補助帯電部材):導電性シート(PVDF),表面抵抗10[Ω/□],厚さ0.1[mm](なお、シート材料としてはナイロン、PTFE、ウレタン及びポリエチレンなどでもよい。)
・感光体クリーニングブレード:なし
・帯電バイアス:
ピーク・ツウ・ピーク電圧:1[kV]
デュティー:50[%]
周波数:印字時300[Hz],非印字時10[Hz](なお、非印字時とは、像間、本体カバー71を閉めた直後、及び、給紙トレイ20を装着した直後を含む。)
なお、帯電部材に印加する電圧は、交流電圧(DC)または直流電圧(AC)を重畳した交流電圧(DC)のどちらでもよい。
【0044】
[実験方法]
構成例1、2、3及び4の構成を有するプリンタ試験機と、後述する比較例1及び2のプリンタ試験機とを用いて、印字率5%チャートを連続2000枚印字後の画像評価を行った。評価項目はゴーストランクと帯電ムラランクであり、別途用意した1〜5の5段階の見本と見比べてランク付けを行った。なお、ランク5が全く問題なし、ランク4が少しゴーストやぼそつきがあるが許容できる、ランク3以下が許容できないゴーストやぼそつきがある、としている。
【0045】
また、構成例1のプリンタ試験機や構成例2のプリンタ試験機において、振動発生装置50によって帯電ブラシローラ38やプロセスカートリッジ1の側壁を叩くタイミングは、給紙トレイ20の最大給紙数である250枚印字毎である。
【0046】
構成例3のプリンタ試験機や構成例4のプリンタ試験機において、振動発生装置50によって帯電ブラシローラ38やプロセスカートリッジ1の側壁を叩くタイミングは、1000枚印字毎である。
【0047】
ここで比較例1のプリンタ試験機は、主に構成例1及び2との評価の比較を行うものであり、詳しくは、振動発生装置50を設けずに、給紙トレイ20の最大給紙数である250枚印字毎に給紙トレイ20の着脱を行う。
【0048】
比較例2のプリンタ試験機は、主に構成例3及び4との評価の比較を行うものであり、詳しくは、振動発生装置50を設けずに、1000枚印字毎に本体カバー71の開閉を行う。
【0049】
つまり、比較例1や比較例2においては、振動発生装置50によって振動を発生させずに、給紙トレイ20の着脱で生じる振動や、本体カバー71の開閉で生じる振動による影響を把握することができる。
【0050】
表1に実験結果を示す。
【表1】

【0051】
表1からわかるように、構成例1及び構成例2のプリンタ試験機では、ゴーストやぼそつきは全く問題ないことがわかる。また、構成例3及び4のプリンタでは、少しゴーストやぼそつきがあるが許容できることがわかる。さらに、比較例1及び比較例2のプリンタ試験機では、許容できないゴーストやぼそつきがあることがわかる。
【0052】
ここで、構成例1及び構成例2のプリンタ試験機と、構成例3及び構成例4のプリンタ試験機との評価の違いが生じたのは、振動発生装置50によって帯電ブラシローラ38やプロセスカートリッジ1の側壁を叩くタイミングが異なるからであると考えられる。つまり、構成例1及び構成例2のプリンタ試験機では叩くタイミングが250枚毎で2000枚印字中8回あるのに対し、構成例3及び構成例4のプリンタ試験では、叩くタイミングが1000枚毎で2000枚印字中2回である。よって、構成例1及び構成例2のプリンタ試験機の方が構成例3及び構成例4のプリンタ試験機よりも叩く頻度が多いため、その分帯電ブラシローラ38などの清掃が充分に行われたので、上述した評価の違いが生じたと考えられる。
【0053】
また、比較例2のプリンタ試験機のように振動発生装置50を設けてない構成では許容できないゴーストやぼそつきが生じているのに対し、構成例3及び構成例4のプリンタ試験機の叩くタイミングが2回と叩く頻度が少なくても許容できる程度のゴーストやぼそつきが生じるだけなので、実用レベルとして充分に帯電ブラシローラ38などの清掃をすることが可能であることがわかる。
【0054】
このように本実験結果から、振動発生装置50によって帯電ブラシローラ38やプロセスカートリッジ1の側壁をたたいて振動させることにより、帯電ブラシローラ38などが充分に清掃可能となり、きれいな状態を保持することができるので長期間安定して感光体2の帯電やトナー回収などが行えることがわかる。
【0055】
以上、本実施形態によれば、表面に潜像を担持する像担持体である感光体2と、感光体2上の潜像に現像剤を供給して上記潜像を現像する現像手段である現像装置40と、表面が感光体2に接触する1つ以上の接触部材である少なくとも帯電ブラシローラ38とを備えた画像形成装置であるプリンタにおいて、帯電ブラシローラ38を振動させる振動発生手段である振動発生装置50を有しており、振動発生装置50は、帯電ブラシローラ38が作像領域を含む感光体表面と接触しているときには帯電ブラシローラ38を振動させず、これ以外のときに帯電ブラシローラ38を振動させるものである。これにより、振動発生装置50によって帯電ブラシローラ38を振動させることで、その振動によって帯電ブラシローラ38に付着や蓄積したトナーなどを帯電ブラシローラ38から離脱させたり、帯電ブラシローラ38に対するトナーなどの付着力を弱めて離脱し易くすることができる。また、振動発生装置50は、帯電ブラシローラ38が作像領域を含む感光体表面と接触する際には帯電ブラシローラ38を振動させず、帯電ブラシローラ38が作像領域を含まずに感光体表面と接触する際に帯電ブラシローラ38を振動させるので、帯電ブラシローラ38が振動中に接触した感光体2上には画像が形成されることがなく、帯電ブラシローラ38が振動したことによって生じ得る帯電ムラや書込不良などにより異常画像が発生してしまうのを抑制することができる。よって、感光体2に接触して配設された帯電ブラシローラ38などを経時でクリーンな状態に保ち、且つ、異常画像の発生を抑えることができる。
また、本実施形態によれば、上記接触部材が感光体2に電荷を付与する接触帯電部材である帯電ブラシローラ38であることで、転写残トナーなどの付着や蓄積により帯電ムラが生じてしまうのを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、感光体2のトナー像を転写体に転写する転写手段と、転写手段による転写後の領域の感光体2の表面に付着しているトナーを一時的に捕捉した後、所定のタイミングで捕捉したトナーを上記表面に逆戻りさせるトナー一時捕捉部材である帯電ブラシローラ38とを有しており、上記接触部材は少なくともトナー一時捕捉部材である。これにより、トナー一時捕捉部材である帯電ブラシローラ38が経時でクリーンな状態にすることができ、一時捕捉処理時などに帯電ブラシローラ38から感光体2にトナーが転移されることで異常画像が発生してしまうのを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、上記接触部材が帯電ブラシローラ38のようにブラシ部材である。ブラシ内部に蓄積されたトナーなどはブラシ外部に出にくいが、振動発生装置50によってブラシ部材を振動させることによりブラシに付着や蓄積したトナーやトナー外添剤などを離脱させたり、ブラシに対する付着力を弱めて離脱し易くすることができる。
また、本実施形態によれば、振動発生装置50は、帯電ブラシローラ38の軸を叩くことによって振動させる。これにより、帯電ブラシローラ38に直接振動を与えることができるので、帯電ブラシローラ38のクリーニングを効果的に行なうことができる。よって、長期間安定して感光体2の帯電や転写残トナーの回収を行うことができる。
また、本実施形態によれば、少なくとも帯電ブラシローラ38と感光体2とを一体に支持し、プリンタ本体に着脱自在なプロセスカートリッジ1を有している。これにより、プロセスカートリッジ1として一体に支持された部材の交換作業を容易に行うことができ、メンテナンス性が向上する。
また、本実施形態によれば、振動発生装置50は、プロセスカートリッジ1を形成するケースを叩くことにより振動させるものである。これにより、帯電ブラシローラ38以外に補助帯電ブレードなどの転写残トナーが付着する接触部材も容易に振動させることができるので、より長期間安定して感光体2の帯電や転写残トナーの回収を行うことができる。また、帯電ブラシローラ38などの接触部材を直接叩いて振動させる構成よりも、振動発生装置50を設ける箇所の自由度を大きくなる。よって、装置本体内のレイアウトの制限が緩和される。
また、本実施形態によれば、用紙を格納する装置本体に対して着脱自在な給紙部である給紙トレイ20を有しており、振動発生装置50は、給紙トレイ20の着脱動作に伴って振動させるものである。給紙トレイ20の着脱は紙切れなどの際に使用者が通常行う操作であるので、使用者の手を煩わすことなく帯電ブラシローラ38などの清掃を行うことができる。また、少なくとも給紙トレイ20の最大給紙数を印字する毎に用紙補給のために給紙トレイ20の着脱動作が行われるので、定期的に帯電ブラシローラ38などの清掃を行うことができる。さらに、振動する際に発生する振動音は使用者が行う給紙トレイ20の着脱動作に連動して発生するので、使用者が気にすることがない。
また、本実施形態によれば、振動発生装置50は、給紙トレイ20に設けられた嵌合部に嵌合する回転軸52を有するギヤ51と、回転軸52に設けられたカム53と、カム53に接触可能に配設された叩き部材54とを備えている。これにより、簡単な構成で給紙トレイ20の着脱動作により振動発生装置50による振動を発生させることができる。
また、本実施形態によれば、振動発生装置50は、装置本体カバーである本体カバー71の開閉動作に伴って振動させるものである。本体カバー71の開閉動作は、ジャム処理や各種ユニット交換などの際に使用者が通常行う操作であるので、使用者の手を煩わすことなく帯電ブラシローラ38などの清掃を行うことができる。また、振動する際に発生する振動音は使用者が行う本体カバー71の開閉動作に連動して発生するので、使用者が気にすることがない。
また、本実施形態によれば、振動発生装置50は、本体カバー71に設けられた嵌合部に嵌合する回転軸52を有するギヤ51と、回転軸52に設けられたカム53と、カム53に接触可能に配設された叩き部材54とを備えている。これにより、簡単な構成で本体カバー71の開閉動作により振動発生装置50による振動を発生させることができる。
また、本実施形態によれば、帯電ブラシローラ38に電圧を印加する電圧印加手段である帯電電源104を有しており、帯電電源104は、振動発生装置50の駆動後に帯電ブラシローラ38から感光体2へ少なくともトナーが転移するような電圧を印加するものである。これにより、帯電ブラシローラ38が振動することによって付着力が弱まったトナーなどを帯電ブラシローラ38から感光体2上へ効率良く吐き出しすることができる。
また、本実施形態によれば、表面に潜像を担持する像担持体である感光体2と、感光体2上の潜像に現像剤を供給して上記潜像を現像する現像手段である現像装置と、表面が感光体2に接触する1つ以上の接触部材である少なくともブラシローラとを備えた画像形成装置における接触部材振動方法において、振動発生装置50によって、帯電ブラシローラ38が感光体2上の作像領域と接触する際には帯電ブラシローラ38を振動させず、帯電ブラシローラ38などが感光体2上の非作像領域と接触する際に帯電ブラシローラ38を振動させる。これにより、振動発生装置50によって帯電ブラシローラ38を振動させることで、その振動によって帯電ブラシローラ38に付着や蓄積したトナーなどを帯電ブラシローラ38から離脱させたり、帯電ブラシローラ38に対するトナーなどの付着力を弱めて離脱し易くすることができる。また、振動発生装置50は、帯電ブラシローラ38が作像領域を含む感光体表面と接触する際には帯電ブラシローラ38を振動させず、帯電ブラシローラ38が作像領域を含まずに感光体表面と接触する際に帯電ブラシローラ38を振動させるので、帯電ブラシローラ38が振動中に接触した感光体2上には画像が形成されることがなく、帯電ブラシローラ38が振動したことによって生じ得る帯電ムラや書込不良などにより異常画像が発生してしまうのを抑制することができる。よって、感光体2に接触して配設された帯電ブラシローラ38などを経時でクリーンな状態に保ち、且つ、異常画像の発生を抑えることができる。
【0056】
尚、本実施形態では、感光体を帯電せしめる帯電手段と感光体上の転写残トナーを一時補足するトナー一時捕捉手段とを同一の部材つまり帯電ブラシローラで兼用する構成のクリーナレスを採用したプリンタを用いて説明したが、これに限るものではない。例えば、帯電手段とトナー一時捕捉手段とを別個の部材で構成したクリーナレスを採用した画像形成装置や、感光体のクリーニングを行なうクリーニング装置を有するクリーナレスを採用していない画像形成装置でも良い。つまり、感光体に接触し転写残トナーなどが付着しえる各種部材に対し本発明を適用することで、上記各種部材をクリーナ状態に保つことが可能となる。例えば、感光体表面に接触して感光体表面のクリーニングを行うクリーニング装置のクリーニングローラやクリーニングブレードを振動させることによって、これらに付着や蓄積したトナーなどを離脱させることが可能となり、経時で良好なクリーニング性を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】構成例1における振動発生装置の概略構成図。
【図2】本実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図3】プロセスカートリッジの概略構成図。
【図4】構成例2における振動発生装置の概略構成図。
【符号の説明】
【0058】
1 プロセスカートリッジ
2 感光体
8 転写ベルト
20 給紙トレイ
21 溝部材
38 帯電ブラシローラ
39 プレ帯電ブレード
40 現像装置
50 振動発生装置
51 ギヤ
52 回転軸
53 カム
54 叩き部材
61 溝部材
71 本体カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に潜像を担持する像担持体と、
該像担持体上の潜像に現像剤を供給して該潜像を現像する現像手段と、
表面が該像担持体に接触する1つ以上の接触部材とを備えた画像形成装置において、
該接触部材を振動させる振動発生手段を有しており、
該振動発生手段は、該接触部材が作像領域を含む像担持体表面と接触しているときには該接触部材を振動させず、これ以外のときに該接触部材を振動させるものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
上記像担持体に電荷を付与する接触帯電部材を有しており、
上記接触部材は少なくとも該接触帯電部材であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2の画像形成装置において、
該像担持体のトナー像を転写体に転写する転写手段と、
該転写手段による転写後の領域の該像担持体の表面に付着しているトナーを一時的に捕捉した後、所定のタイミングで捕捉したトナーを該表面に逆戻りさせるトナー一時捕捉部材とを有しており、
上記接触部材は少なくとも該トナー一時捕捉部材であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1、2または3の画像形成装置において、
上記接触部材がブラシ部材であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1、2、3または4の画像形成装置において、
上記振動発生手段は、上記接触部材を叩くことによって振動させるものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、
少なくとも上記接触部材と上記像担持体とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項7の画像形成装置において、
上記振動発生手段は、上記プロセスカートリッジを形成するケースを叩くことにより振動させるものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5、6または7の画像形成装置において、
用紙を格納する装置本体に対して着脱自在な給紙部を有しており、
上記振動発生手段は、該給紙部の着脱動作に伴って振動を発生させるものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8の画像形成装置において、
上記振動発生手段は、上記給紙部に設けられた嵌合部に嵌合する回転軸を有するギヤと、該回転軸に設けられたカムと、該カムに接触可能に配設された叩き部材とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1、2、3、4、5、6または7の画像形成装置において、
上記振動発生手段は、装置本体カバーの開閉動作に伴って振動を発生させるものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項10の画像形成装置において、
上記振動発生手段は、上記装置本体カバーに設けられた嵌合部に嵌合する回転軸を有するギヤと、該回転軸に設けられたカムと、該カムに接触可能に配設された叩き部材とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の画像形成装置において、
上記接触部材に電圧を印加する電圧印加手段を有しており、
該電圧印加手段は、上記振動発生手段の駆動後に該接触部材から上記像担持体へ少なくともトナーが転移するような電圧を印加するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
表面に潜像を担持する像担持体と、
該像担持体上の潜像に現像剤を供給して該潜像を現像する現像手段と、
表面が該像担持体に接触する1つ以上の接触部材とを備えた画像形成装置における接触部材振動方法において、
振動発生手段によって、該接触部材が作像領域を含む像担持体表面と接触しているときには該接触部材を振動させず、これ以外にときに該接触部材を振動させることを特徴とする接触部材振動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−58573(P2009−58573A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−223566(P2007−223566)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】