説明

画像形成装置

【課題】部品点数の低減を図ることができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】ドラムユニット26に装着された現像カートリッジ27の現像ローラ39を感光ドラム29に対して離間および押圧するための離間押圧機構303を備える。この離間押圧機構303は、1対の直動カム部材310と、各直動カム部材310に対して設けられた中間部材311と、各直動カム部材310を前後方向に直線移動可能に保持するカムホルダ312と、1対の直動カム部材310を同期して直線移動させるための同期移動機構313とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンタなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色に対応した感光体が並列に配置される、いわゆるタンデム型の画像形成装置が知られている。このタンデム型の画像形成装置では、各感光体にそれぞれ対応する色のトナーを供給するための現像ローラが備えられ、各感光体の表面に各現像ローラからトナーが供給されることにより、各感光体の表面に各色トナー像がほぼ同時に形成される。そして、各感光体の表面の各色トナー像が色重ねして用紙に直接に転写されるか、または、各色トナー像が色重ねして中間転写ベルトに転写され、中間転写ベルト上にカラートナー像が形成された後、そのカラートナー像が中間転写ベルトから用紙に転写されることにより、用紙へのカラー画像の形成が達成される。
【0003】
このようなタンデム型の画像形成装置として、たとえば、現像ローラをそれぞれ備える各カートリッジに対して、現像ローラが感光体ベルトに押圧される方向にカートリッジを付勢する弾性体と、現像ローラの軸方向に延びる回動軸に回動自在に支持される離間カムとを設け、各離間カムの回転により、各離間カムを各現像ローラの支持軸に接触させて、各現像ローラを弾性体の付勢力に抗して感光体ベルトから離間させ、また、各離間カムを各現像ローラの支持軸から離間させて、各現像ローラを弾性体の付勢力により感光体ベルトに押圧させるものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−6716号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、この提案に係る構成では、カートリッジごとに弾性体および離間カムが設けられているので、部品点数が多く、それらを配置するスペースを確保する必要があるために装置サイズが大型化するという問題がある。
そこで、本発明の目的は、部品点数の低減を図ることができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、画像形成装置において、装置本体と、各色に対応して設けられ、互いに並列に配置される複数の像担持体と、各前記像担持体に対応して設けられ、前記像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体をそれぞれ有する複数の現像器と、前記複数の現像器を挟んで対向配置され、前記像担持体の配列方向に直線移動可能に設けられ、その直線移動によって、前記現像器を前記現像剤担持体が前記像担持体に接触する接触位置と前記像担持体から離間する離間位置とに移動させ、かつ、前記現像器が前記接触位置に配置された状態で、前記現像器を前記現像剤担持体が前記像担持体と接触する方向に押圧するための1対の直動カム部材と、前記1対の直動カム部材を同期して直線移動させるための同期移動機構とを備えていることを特徴としている。
【0006】
このような構成によると、1対の直動カム部材の直線移動により、現像器を現像剤担持体が像担持体に接触する接触位置と像担持体から離間する離間位置とに移動させることができ、さらに、接触位置で現像器を現像剤担持体が像担持体と接触する方向に押圧することができる。そのため、現像剤担持体を像担持体に対して接離させるための部材や、現像剤担持体を像担持体に押圧するための部材などを、現像器ごとに個別に設ける必要をなくすことができる。その結果、部品点数の低減を図ることができ、コストの低減とともに、装置サイズの小型化を図ることができる。
【0007】
また、同期移動機構によって、1対の直動カム部材が同期して直線移動され、それらの直動カム部材の直線移動のタイミングにずれが生じることを防止できるので、現像器を接触位置と離間位置とに安定して移動させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記1対の直動カム部材の直線移動により、すべての前記現像器を前記離間位置に移動させた非現像状態と、1つの前記現像器のみを前記接触位置に移動させた1色現像状態と、すべての前記現像器を前記接触位置に移動させた全色現像状態とに変化することを特徴としている。
【0008】
このような構成によると、1対の直動カム部材の直線移動により、非現像状態、1色現像状態および全色現像状態を切り替えることができる。これにより、たとえば、非現像時(非画像形成時)には、すべての現像器を離間位置に配置し、1色現像時には、1つの現像器のみを接触位置に配置し、全色現像時には、すべての現像器を接触位置に配置することができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記直動カム部材は、各前記現像器を押圧するための複数の押圧作用部と、各前記現像器を前記接触位置と前記離間位置とに移動させるための複数の接離作用部とを備えており、前記現像器は、前記押圧作用部と係合する第1係合部と、前記接離作用部と係合する第2係合部とを備えていることを特徴としている。
【0010】
このような構成によると、現像器が接触位置と離間位置とに移動されるときには、直動カム部材の接離作用部が現像器の第2係合部と係合し、現像器が押圧されるときには、直動カム部材の押圧作用部が現像器の第1係合部に係合される。
現像器に1つの係合部が設けられ、この係合部に対して、現像器を接触位置と離間位置とに移動させるための力が入力され、また、接触位置で現像器を押圧する力が入力される構成では、係合部に十分な強度がないと、現像器の接触、離間および押圧の各動作が不安定になるおそれがある。
【0011】
これに対し、現像器に第1係合部および第2係合部が設けられていれば、現像器の接触/離間のための力と現像器の押圧のための力とを分散して入力することができるので、第1係合部および第2係合部の構造の簡素化(補強の不要)を図ることができながら、現像器の接触、離間および押圧の安定した各動作を達成することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記接離作用部と前記第2係合部とを係合させるための中間部材を備えていることを特徴としている。
【0012】
このような構成によると、中間部材により、直動カム部材の接離作用部と現像器の第2係合部とを係合させることができる。また、直動カム部材の移動方向への力をなくし(キャンセルし)、現像器へは現像器を移動させる方向への力のみを伝えることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記中間部材は、前記直動カム部材の移動方向と直交する方向に延びる回動軸線を中心に回動自在に設けられ、前記直動カム部材の直線移動によって、前記接離作用部から離間する非接触状態と前記接離作用部と接触する接触状態とに回動され、前記非接触状態で前記第2係合部から離間して、前記現像器を前記接触位置への移動を許容し、前記接触状態で前記第2係合部と接触して、前記現像器を前記離間位置に移動させることを特徴としている。
【0013】
このような構成によると、直動カム部材の直線移動によって、中間部材が直動カム部材の接離作用部から離間する非接触状態となり、この状態で、中間部材が現像器の第2係合部から離間し、現像器の接触位置への移動が許容される。また、直動カム部材の直線移動によって、中間部材が接離作用部に接触する接触状態となり、この状態で、中間部材が現像器の第2係合部と接触して、現像器が離間位置に移動される。そのため、現像器を接触位置と離間位置とに確実に移動させることができる。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記接離作用部は、前記直動カム部材の一方向への直線移動時に、前記中間部材に当接して、前記中間部材を前記非接触状態から前記接触状態に回動させ、前記直動カム部材の前記一方向とは逆方向の他方向への直線移動時に、前記中間部材に係止して、前記中間部材を前記接触状態から前記非接触状態に回動させる操作部を備えていることを特徴としている。
【0015】
このような構成によると、直動カム部材の一方向への直線移動時に、接離作用部の操作部が中間部材に当接して、中間部材が非接触状態から接触状態に回動され、直動カム部材の他方向への直線移動時に、接離作用部の操作部が中間部材に係止して、中間部材が接触状態から非接触状態に回動される。そのため、中間部材を接触状態と非接触状態とに確実に変化させることができ、現像器の接触位置および離間位置へのより確実な移動を達成することができる。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項3ないし6のいずれかに記載の発明において、1つの前記接離作用部は、その他の前記接離作用部と比べて、前記直動カム部材の移動方向の長さが短く形成されていることを特徴としている。
このような構成によると、直動カム部材の移動方向における長さが相対的に長く形成された接離作用部が現像器の第2係合部と係合しているときに、その長さが相対的に短く形成された1つの接離作用部のみを第2係合部と係合していない状態とし、その現像器の第1係合部に押圧作用部を係合させることができる。そのため、1つの現像器のみを現像剤担持体が像担持体に押圧された状態とすることができ、1色の現像剤による現像(1色現像)を確実に行うことができる。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項3ないし7のいずれかに記載の発明において、前記現像器は、前記現像器を移動させる際に把持される取っ手を備え、前記第1係合部は、前記取っ手に設けられていることを特徴としている。
このような構成によると、取っ手が備えられているので、その取っ手を把持して、現像器を移動させることができる。そのため、現像器の操作性を優れたものとすることができる。また、第1係合部が取っ手に設けられているので、現像器を付勢部材の付勢力を利用して像担持体に向けて押圧する場合に、その付勢部材を現像器に設けることができる。そのため、安定した付勢力を付与し続けることができる。
【0018】
請求項9に記載の発明は、請求項3ないし8のいずれかに記載の発明において、前記第1係合部および前記第2係合部は、それぞれ前記現像器における前記直動カム部材の移動方向の一方側端部および他方側端部に設けられていることを特徴としている。
このような構成によると、第1係合部と第2係合部とが現像器における直動カム部材の移動方向の両端部に設けられ、それらの間の間隔が大きいので、直動カム部材の押圧作用部と第1係合部との係合および直動カム部材の接離作用部と第2係合部との係合を確実に切り替えることができる。そのため、現像器の接触位置および離間位置への移動ならびに現像器の押圧を確実に達成することができる。
【0019】
請求項10に記載の発明は、請求項1ないし9のいずれかに記載の発明において、前記同期移動機構は、前記1対の直動カム部材のうちの一方の直動カム部材の直線移動に伴って、その一方の直動カム部材から他方の直動カム部材に直線移動のための駆動力を伝達することを特徴としている。
このような構成によると、一方の直動カム部材の直線移動に伴って、その一方の直動カム部材から他方の直動カム部材に駆動力が伝達され、この駆動力により、他方の直動カム部材が直線移動する。そのため、一方の直動カム部材と他方の直動カム部材とを確実に同期させて直線移動させることができる。
【0020】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、前記同期移動機構は、前記一方の直動カム部材に形成された一方側ラックギヤと、前記一方側ラックギヤに噛合する一方側ピニオンギヤと、前記他方の直動カム部材に形成された他方側ラックギヤと、前記他方側ラックギヤに噛合する他方側ピニオンギヤと、前記一方側ピニオンギヤと前記他方側ピニオンギヤとを連結する連結軸とを備えていることを特徴としている。
【0021】
このような構成によると、一方の直動カム部材の直線移動に伴って、一方側ピニオンギヤが回転し、その回転力により他方側ピニオンギヤが回転する。そして、その他方側ピニオンギヤの回転力が他方側ラックギヤに伝達され、他方側ラックギヤとともに他方の直動カム部材が直線移動する。そのため、1対の直動カム部材(一方の直動カム部材と他方の直動カム部材と)をより確実に同期させて直線移動させることができる。
【0022】
請求項12に記載の発明は、請求項1ないし11のいずれかに記載の発明において、前記装置本体に対して着脱可能に装着され、前記複数の像担持体を並列に配置した状態で一体的に保持するタンデム型プロセスユニットを備えていることを特徴としている。
このような構成によると、複数の像担持体を保持するタンデム型プロセスユニットを、装置本体に対して着脱させることができる。そのため、ジャム処理や部品交換などのメンテナンス作業の容易化を図ることができる。
【0023】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の発明は、前記複数の現像器は、前記タンデム型プロセスユニットに対して着脱可能に装着されることを特徴としている。
このような構成によると、複数の現像器をタンデム型プロセスユニットに対して着脱可能に装着することができる。そのため、現像器を個別に交換することができ、メンテナンスのための費用(メンテナンスコスト)の低減を図ることができる。
【0024】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の発明において、前記直動カム部材は、前記装置本体に対する前記タンデム型プロセスユニットの着脱方向と平行な方向に直線移動可能に設けられていることを特徴としている。言い換えれば、前記タンデム型プロセスユニットは、前記装置本体に対して前記像担持体の配列方向に沿って着脱されることを特徴としている。
【0025】
このような構成によると、直動カム部材の直線移動の方向とタンデム型プロセスユニットの着脱方向が一致しているので、直動カム部材を直線移動させるための操作とタンデム型プロセスユニットを着脱させるための操作とを同じ方向から行うことができる。そのため、装置本体において、タンデム型プロセスユニットの着脱方向(直動カム部材の移動方向)の側面に開口が形成されていれば、その開口を介して、直動カム部材を直線移動させるための操作とタンデム型プロセスユニットを着脱させるための操作とを行うことができる。
【0026】
請求項15に記載の発明は、請求項1ないし14のいずれかに記載の発明において、前記現像器を支持するための支持部を備え、前記現像器は、前記直動カム部材の移動方向に対向する一方側面および他方側面と、前記一方側面に設けられ、前記支持部に当接して支持される被支持部とを備え、前記直動カム部材は、前記一方側面側への直線移動によって、前記現像器を前記現像剤担持体が前記像担持体と接触する方向に押圧し、前記他方側面側への直線移動によって、前記現像器の押圧を解除することを特徴としている。
【0027】
このような構成によると、現像器の被支持部が設けられている一方側面側に直動カム部材が移動されると、現像器が押圧されるので、その押圧力を利用して、被支持部を支持部に押し付けることができる。そのため、支持部による現像器の安定した支持を達成することができる。
請求項16に記載の発明は、請求項1ないし15のいずれかに記載の発明において、前記複数の像担持体に対向し、前記現像剤担持体から前記像担持体への現像剤の供給によって前記像担持体に担持される現像剤像が記録される記録媒体を、前記複数の像担持体の並び方向に搬送するための搬送ベルトをさらに含むことを特徴としている。
【0028】
このような構成によると、搬送ベルトによって記録媒体が搬送され、各像担持体に担持された現像剤像がその記録媒体に直接転写して記録される。そのため、中間転写タイプの画像形成装置と比較して、中間転写ベルトを不要とすることができる分、部品点数を低減させることができる。
【発明の効果】
【0029】
請求項1に記載の発明によれば、部品点数の低減を図ることができ、ひいてはコストの低減および装置サイズの小型化を図ることができる。また、現像器を接触位置と離間位置とに安定して移動させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、必要に応じて、すべての現像器を離間位置に配置したり、1つの現像器のみを接触位置に配置したり、すべての現像器を接触位置に配置したりすることができる。
【0030】
請求項3に記載の発明によれば、第1係合部および第2係合部の構造の簡素化を図ることができながら、現像器の接触、離間および押圧の安定した各動作を達成することができる。
請求項4に記載の発明によれば、中間部材により、直動カム部材の接離作用部と現像器の第2係合部とを係合させることができる。また、直動カム部材の移動方向への力をなくし(キャンセルし)、現像器へは現像器を移動させる方向への力のみを伝えることができる。
【0031】
請求項5に記載の発明によれば、現像器を接触位置と離間位置とに確実に移動させることができる。
請求項6に記載の発明によれば、中間部材を接触状態と非接触状態とに確実に変化させることができ、現像器の接触位置および離間位置へのより確実な移動を達成することができる。
【0032】
請求項7に記載の発明によれば、1つの現像器のみを現像剤担持体が像担持体に押圧された状態とすることができ、1色の現像剤による現像(1色現像)を確実に行うことができる。
請求項8に記載の発明によれば、現像器の操作性を優れたものとすることができる。また、第1係合部が取っ手に設けられているので、現像器を付勢部材の付勢力を利用して像担持体に向けて押圧する場合に、その付勢部材を現像器に設けることができる。そのため、安定した付勢力を付与し続けることができる。
【0033】
請求項9に記載の発明によれば、現像器の接触位置および離間位置への移動ならびに現像器の押圧を確実に達成することができる。
請求項10に記載の発明によれば、一方の直動カム部材と他方の直動カム部材とを確実に同期させて直線移動させることができる。
請求項11に記載の発明によれば、一方の直動カム部材と他方の直動カム部材とをより確実に同期させて直線移動させることができる。
【0034】
請求項12に記載の発明によれば、ジャム処理や部品交換などのメンテナンス作業の容易化を図ることができる。
請求項13に記載の発明によれば、メンテナンスコストの低減を図ることができる。
請求項14に記載の発明によれば、装置本体において、タンデム型プロセスユニットの着脱方向(直動カム部材の移動方向)の側面に開口が形成されていれば、その開口を介して、直動カム部材を直線移動させるための操作とタンデム型プロセスユニットを着脱させるための操作とを行うことができる。
【0035】
請求項15に記載の発明によれば、現像器を安定して支持することができる。
請求項16に記載の発明によれば、中間転写タイプの画像形成装置と比較して、中間転写ベルトを不要とすることができる分、部品点数を低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
1.カラーレーザプリンタの全体構成
図1は、本発明の画像形成装置としてのカラーレーザプリンタの一実施形態を示す側断面図である。
このカラーレーザプリンタ1は、後述する複数のドラムサブユニット28が水平方向において並列的に配置される、横置きタイプのタンデム型カラーレーザプリンタであって、装置本体としての本体ケーシング2内に、記録媒体としての用紙3を給紙するための給紙部4と、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5と、画像が形成された用紙3を排紙するための排紙部6とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、側面視略矩形状のボックス形状をなしており、その内部に、後述するドラムユニット26を収容するドラム収容空間7が形成されている。
【0037】
本体ケーシング2の一方側面には、ドラム収容空間7に連通する着脱口8が形成されている。また、その着脱口8が形成されている側面には、着脱口8を開閉するためのフロントカバー9が設けられている。このフロントカバー9は、本体ケーシング2の側方に傾倒して、着脱口8を開放し、本体ケーシング2の一方側面に沿って起立して、着脱口8を閉鎖する。着脱口8を開放した状態で、この着脱口8を介して、ドラムユニット26をドラム収容空間7に対して着脱させることができる。
【0038】
なお、以下の説明において、フロントカバー9が設けられる側(図1における右側)を前側とし、その反対側(図1における左側)を後側とする。また、このカラーレーザプリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。さらに、ドラムユニット26および現像カートリッジ27に関しては、特に言及がない限り、本体ケーシング2に装着されている状態で前後左右上下を規定する。
(2)給紙部
給紙部4は、本体ケーシング2内の底部に設けられている。この給紙部4は、用紙3を収容する給紙トレイ10と、その給紙トレイ10の前端部上方に設けられ、互いに対向配置される分離ローラ11および分離パッド12と、分離ローラ11の後側に設けられる給紙ローラ13と、用紙3が通過する給紙側搬送経路14とを備えている。
【0039】
給紙側搬送経路14は、側面視略U字状に形成されており、その上流側端部が分離ローラ11に隣接し、その下流側端部が後述する搬送ベルト58に前側から隣接している。
給紙側搬送経路14の途中には、分離ローラ11の前側上方に設けられ、互いに対向配置される紙粉取りローラ15およびピンチローラ16と、それらの上方に設けられる1対のレジストローラ17とが設けられている。
【0040】
給紙トレイ10の内部には、用紙3が積層状に載置される用紙押圧板18が設けられている。この用紙押圧板18は、後端部において揺動自在に支持されることによって、前端部が下方に配置され、給紙トレイ10の底板に沿う載置位置と、前端部が上方に配置され、傾斜する給紙位置との間で移動自在とされている。
また、給紙トレイ10の前端部下方には、用紙押圧板18の前端部を上方に持ち上げるレバー19が設けられている。このレバー19は、用紙押圧板18の前端部下方において、上下方向に揺動自在に支持されている。
【0041】
そして、レバー19の揺動により、用紙押圧板18の前端部が、レバー19によって持ち上げられ、用紙押圧板18が給紙位置に位置される。
用紙押圧板18が給紙位置に位置されると、用紙押圧板18上の最上位の用紙3は、給紙ローラ13に押圧され、給紙ローラ13の回転によって、分離ローラ11と分離パッド12との間に向けて給紙される。
【0042】
なお、給紙トレイ10を本体ケーシング2から離脱させると、用紙押圧板18が載置位置に位置される。用紙押圧板18が載置位置に位置されると、用紙押圧板18上に用紙3を積層状に載置することができる。
給紙された用紙3は、分離ローラ11の回転によって、分離ローラ11と分離パッド12との間に挟まれ、1枚ごとに捌かれて搬送される。搬送された用紙3は、紙粉取りローラ15とピンチローラ16との間を通過し、紙粉が除去された後、給紙側搬送経路14に沿ってレジストローラ17に向けて搬送される。
【0043】
レジストローラ17は、用紙3を、レジスト後に、搬送ベルト58に搬送する。
(3)画像形成部
画像形成部5は、スキャナ部20、プロセス部21、転写部22および定着部23を備えている。
(3−1)スキャナ部
スキャナ部20は、本体ケーシング2の上部に配置されている。このスキャナ部20は、前後左右方向に延びる支持板24と、この支持板24の上面に固定されるスキャナユニット25とを備えている。スキャナユニット25内には、たとえば、4つの光源、ポリゴンミラー、fθレンズ、反射鏡、面倒れ補正レンズなどの光学部材が配置されており、各光源から発光される画像データに基づくレーザビームは、ポリゴンミラーで偏向および走査されて、fθレンズおよび面倒れ補正レンズを通過し、また、反射鏡で反射された後、後述する各色の感光ドラム29の表面上に高速走査にて照射される。
(3−2)プロセス部
プロセス部21は、スキャナ部20の下方であって、給紙部4の上方に配置されており、1つのタンデム型プロセスユニットとしてのドラムユニット26と、各色に対応する4つの現像器としての現像カートリッジ27とを備えている。
(3−2−1)ドラムユニット
ドラムユニット26は、各色に対応して、4つのドラムサブユニット28を備えている。すなわち、ドラムサブユニット28は、ブラックドラムサブユニット28K。イエロードラムサブユニット28Y、マゼンタドラムサブユニット28Mおよびシアンドラムサブユニット28Cの4つからなる。
【0044】
各ドラムサブユニット28は、互いに前後方向に間隔を隔てて並列的に配置されており、より具体的には、前側から後側に向かって、ブラックドラムサブユニット28K。イエロードラムサブユニット28Y、マゼンタドラムサブユニット28Mおよびシアンドラムサブユニット28Cが、順次配置されている。
各ドラムサブユニット28は、後述するように、1対のサイドフレーム104と、これらの間に架設されるセンタフレーム105とを備えている(図4参照)。
【0045】
図2は、現像カートリッジ27およびドラムサブユニット28の側断面図である。なお、図1および図2においては、後述する取っ手214の図示が省略されている。
各ドラムサブユニット28は、図2に示すように、像担持体としての感光ドラム29と、スコロトロン型帯電器30と、クリーニングブラシ31とを保持している。
感光ドラム29は、左右方向に沿って配置され、円筒形状をなし、最表層がポリカーボネートからなる正帯電性の感光層により形成されるドラム本体32と、このドラム本体32の軸線方向に沿って配置されるドラム軸33とを備えている。ドラム本体32は、ドラム軸33に対して回転自在に設けられている。ドラム軸33は、軸方向両端部が、1対のサイドフレーム104(図4参照)に挿通され、後述する側板103(図4参照)に回転不能に支持されている。そして、感光ドラム29は、画像形成時において、本体ケーシング2内に設けられるモータ(図示せず)からの駆動力により回転される。
【0046】
スコロトロン型帯電器30は、感光ドラム29の斜め上側後方に、感光ドラム29と間隔を隔てて対向配置され、センタフレーム105に保持されている。このスコロトロン型帯電器30は、感光ドラム29と間隔を隔てて対向配置された放電ワイヤ34と、放電ワイヤ34と感光ドラム29との間に設けられるグリッド35とを備えている。画像形成時には、放電ワイヤ34に高電圧が印加されて、放電ワイヤ34がコロナ放電するとともに、グリッド35に電圧が印加されて、感光ドラム29に供給される電荷量が制御されつつ、感光ドラム29の表面が一様に正極性に帯電される。
【0047】
クリーニングブラシ31は、感光ドラム29の後方において、感光ドラム29と対向して接触するように配置され、センタフレーム105に保持されている。画像形成時には、クリーニングブラシ31にクリーニングバイアスが印加される。
(3−2−2)現像カートリッジ
現像カートリッジ27は、図1に示すように、各色に対応するドラムサブユニット28に対応して、それぞれ着脱自在に設けられている。すなわち、現像カートリッジ27は、ブラックドラムサブユニット28Kに着脱自在に装着されるブラック現像カートリッジ27K、イエロードラムサブユニット28Yに着脱自在に装着されるイエロー現像カートリッジ27Y、マゼンタドラムサブユニット28Mに着脱自在に装着されるマゼンタ現像カートリッジ27M、および、シアンドラムサブユニット28Cに着脱自在に装着されるシアン現像カートリッジ27Cの4つからなる。
【0048】
各現像カートリッジ27は、図2に示すように、現像フレーム36と、その現像フレーム36内に設けられる、アジテータ37、供給ローラ38、現像剤担持体としての現像ローラ39および層厚規制ブレード40とを備えている。
現像フレーム36は、下端部に開口部41が開口されるボックス形状に形成されており、隔壁42によって、トナー収容室43と現像室44とに区画されている。また、隔壁42には、トナー収容室43と現像室44とを連通する連通口45が形成されている。
【0049】
トナー収容室43には、各色に対応するトナーが収容されている。より具体的には、各現像カートリッジ27に対応して、ブラック現像カートリッジ27Kにはブラック、イエロー現像カートリッジ27Yにはイエロー、マゼンタ現像カートリッジ27Mにはマゼンタ、シアン現像カートリッジ27Cにはシアンのトナーが、それぞれ収容されている。
各色に対応するトナーは、正帯電性の非磁性1成分の重合トナーが用いられる。重合トナーは、略球形であり、スチレンなどのスチレン系単量体や、アクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などの公知の重合方法によって共重合させることにより得られる、結着樹脂を主成分とし、これに、各色に対応する着色剤や、荷電制御剤、ワックスなどが配合されることによりトナー母粒子が形成され、さらに、流動性の向上を図るべく外添剤が添加されてなる。
【0050】
着色剤としては、上記した、ブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンの各着色剤が、各色に対応して配合されている。また、荷電制御剤としては、たとえば、アンモニウム塩などのイオン性官能基を有するイオン性単量体と、スチレン系単量体やアクリル系単量体などのイオン性単量体と共重合可能な単量体との共重合によって得られる荷電制御樹脂が配合されている。また、外添剤としては、たとえば、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウムなどの金属酸化物の粉末や、炭化物の粉末、金属塩の粉末などの無機粉末が配合されている。
【0051】
アジテータ37は、トナー収容室43内に設けられている。アジテータ37は、現像フレーム36の後述する両側壁201に回転自在に支持されるアジテータ回転軸47と、そのアジテータ回転軸47の軸方向にわたって設けられ、回転軸から径方向外方に延びる攪拌部材48とを備えている。画像形成時において、アジテータ回転軸47には、本体ケーシング2内に設けられるモータ(図示せず)からの駆動力が伝達され、攪拌部材48がトナー収容室43内を周回移動する。
【0052】
供給ローラ38は、現像室44内において、連通口45の下方に設けられている。この供給ローラ38は、現像フレーム36の両側壁201に回転自在に支持される金属製の供給ローラ軸49と、その供給ローラ軸49の周りを被覆する導電性のスポンジからなるスポンジローラ50とを備えている。画像形成時には、本体ケーシング2内に設けられるモータ(図示せず)からの駆動力が伝達され、供給ローラ38が回転される。
【0053】
現像ローラ39は、現像室44内において、供給ローラ38に対して斜め後側下方に設けられている。この現像ローラ39は、現像フレーム36に回転自在に支持される金属製の現像ローラ軸51と、その現像ローラ軸51の周りを被覆する導電性のゴムからなるゴムローラ52とを備えている。
ゴムローラ52は、カーボン微粒子などを含む導電性のウレタンゴム、シリコーンゴムまたはEPDMゴムなどからなるゴムローラ層と、そのゴムローラ層の表面に被覆され、ウレタンゴム、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂などを主成分とするコート層との2層構造からなる。
【0054】
現像ローラ39は、供給ローラ38に対して、ゴムローラ52とスポンジローラ50とが互いに圧接するように配置されている。また、現像ローラ39は、現像室44の開口部41から下方に向けて露出するように配置されている。
画像形成時には、本体ケーシング2内に設けられるモータ(図示せず)からの駆動力が伝達され、現像ローラ39が回転される。また、現像ローラ39には、現像バイアスが印加される。
【0055】
層厚規制ブレード40は、現像室44内において、現像ローラ39に上方から圧接するように設けられている。層厚規制ブレード40は、金属製の板ばね部材からなるブレード53と、ブレード53の遊端部に設けられる絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の押圧部54とを備えている。
ブレード53の基端部が、固定部材55によって隔壁42に固定されており、ブレード53の弾性力により、ブレード53の遊端部に設けられる押圧部54が、現像ローラ39のゴムローラ52に対して上方から圧接される。
(3−2−3)プロセス部での現像動作
そして、各現像カートリッジ27では、トナー収容室43に収容されている各色に対応するトナーが、自重によって連通口45に移動し、アジテータ37によって攪拌されながら、連通口45から現像室44へ放出される。
【0056】
連通口45から現像室44へ放出されたトナーは、供給ローラ38に供給される。供給ローラ38に供給されたトナーは、供給ローラ38の回転により、現像ローラ39に供給され、このとき、供給ローラ38と、現像バイアスが印加されている現像ローラ39との間で正極性に摩擦帯電される。
現像ローラ39に供給されたトナーは、現像ローラ39の回転に伴って、層厚規制ブレード40の押圧部54と、現像ローラ39のゴムローラ52との間に進入して、一定厚さの薄層としてゴムローラ52の表面に担持される。
【0057】
一方、各現像カートリッジ27に対応するドラムサブユニット28では、スコロトロン型帯電器30が、コロナ放電を発生させて、感光ドラム29の表面を一様に正帯電させる。
感光ドラム29の表面は、感光ドラム29の回転に伴って、スコロトロン型帯電器30により一様に正帯電された後、スキャナ部20からのレーザビームの高速走査により露光され、用紙3に形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。
【0058】
感光ドラム29がさらに回転すると、現像ローラ39の表面に担持されかつ正帯電されているトナーが、現像ローラ39の回転により、感光ドラム29に対向して接触するときに、感光ドラム29の表面に形成されている静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光ドラム29の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給される。これにより、感光ドラム29の静電潜像は、現像により可視像化され、感光ドラム29の表面には、各色に対応して、反転現像によるトナー像が担持される。
【0059】
なお、転写後に感光ドラム29上に残存する転写残トナーは、現像ローラ39に回収される。また、転写後に感光ドラム29上に付着する用紙3からの紙粉は、クリーニングブラシ31によって回収される。
(3−3)転写部
転写部22は、図1に示すように、本体ケーシング2内において、給紙部4の上方であって、プロセス部21の下方において、前後方向に沿って配置されている。この転写部22は、駆動ローラ56、従動ローラ57、搬送ベルト58、転写ローラ59およびクリーニング部60を備えている。
【0060】
駆動ローラ56および従動ローラ57は、前後方向に間隔を隔てて対向配置されており、駆動ローラ56は、シアンドラムサブユニット28Cよりも後方に配置され、従動ローラ57は、ブラックドラムサブユニット28Kよりも前方に配置されている。
搬送ベルト58は、エンドレスベルトからなり、カーボンなどの導電性粒子を分散した導電性のポリカーボネートやポリイミドなどの樹脂フィルムから形成されている。この搬送ベルト58は、駆動ローラ56と従動ローラ57との間に巻回されている。
【0061】
画像形成時において、駆動ローラ56には、本体ケーシング2内に設けられる図示しないモータからの駆動力が伝達され、駆動ローラ56が回転される。すると、搬送ベルト58が、駆動ローラ56および従動ローラ57の間を、各ドラムサブユニット28の感光ドラム29と対向して接触する転写位置において、感光ドラム29と逆方向に回転するように周回移動されるとともに、従動ローラ57が従動される。
【0062】
転写ローラ59は、駆動ローラ56および従動ローラ57の間に巻回されている搬送ベルト58内において、各感光ドラム29と、搬送ベルト58を挟んで対向するように、それぞれ設けられている。各転写ローラ59は、金属製のローラ軸に、導電性のゴムからなるゴムローラが被覆されている。また、各転写ローラ59は、搬送ベルト58と対向して接触する転写位置において、搬送ベルト58の周回移動方向と同方向に従動回転するように設けられており、画像形成時には、本体ケーシング2内に設けられる図示しない高圧基板からの転写バイアスが印加される。
【0063】
クリーニング部60は、駆動ローラ56および従動ローラ57の間に巻回されている搬送ベルト58の下方に配置され、1次クリーニングローラ61、2次クリーニングローラ62、掻取ブレード63およびトナー貯留部64を備えている。
1次クリーニングローラ61は、感光ドラム29および転写ローラ59が接触する上側の搬送ベルト58と反対側の、下側の搬送ベルト58と接触するように配置され、その接触位置において、搬送ベルト58の周回移動方向と同方向に駆動回転するように設けられている。1次クリーニングローラ61には、画像形成時に、1次クリーニングバイアスが印加される。
【0064】
2次クリーニングローラ62は、1次クリーニングローラ61に対して下方から接触するように配置され、その接触位置において、1次クリーニングローラ61の回転方向と逆方向に回転するように設けられている。2次クリーニングローラ62には、画像形成時に、2次クリーニングバイアスが印加される。
掻取ブレード63は、2次クリーニングローラ62に対して下方から接触するように設けられている。
【0065】
トナー貯留部64は、1次クリーニングローラ61および2次クリーニングローラ62の下方において、2次クリーニングローラ62から落下するトナーを貯留できるように設けられている。
そして、給紙部4から給紙された用紙3は、駆動ローラ56の駆動および従動ローラ57の従動により周回移動される搬送ベルト58によって、前側から後側に向かって、各ドラムサブユニット28に対応する転写位置を、順次通過するように搬送され、その搬送中に、各ドラムサブユニット28の感光ドラム29に担持されている各色のトナー像が、順次転写され、これにより、用紙3にカラー像が形成される。
【0066】
すなわち、たとえば、ブラックドラムサブユニット28Kの感光ドラム29の表面に担持されたブラックのトナー像が、用紙3に転写されると、次いで、イエロードラムサブユニット28Yの感光ドラム29の表面に担持されたイエローのトナー像が、既にブラックのトナー像が転写されている用紙3に重ねて転写され、以下同様の動作によって、マゼンタドラムサブユニット28Mの感光ドラム29の表面に担持されたマゼンタのトナー像、シアンドラムサブユニット28Cの感光ドラム29の表面に担持されたシアンのトナー像が重ねて転写され、これによって、用紙3にカラー像が形成される。
【0067】
一方、上記の転写動作において、搬送ベルト58の表面に付着したトナーは、クリーニング部60において、まず、搬送ベルト58の表面から、1次クリーニングバイアスにより1次クリーニングローラ61に転写され、さらに、2次クリーニングバイアスにより2次クリーニングローラ62に転写される。その後、2次クリーニングローラ62に転写されたトナーは、掻取ブレード63によって、掻き取られ、2次クリーニングローラ62から落下して、トナー貯留部64に貯留される。
(3−4)定着部
定着部23は、本体ケーシング2におけるシアンドラムサブユニット28Cよりも後側であって、感光ドラム29と搬送ベルト58とが接触する転写位置と、前後方向において対向するように配置されている。この定着部23は、加熱ローラ65および加圧ローラ66を備えている。
【0068】
加熱ローラ65は、その表面に離型層が形成される金属素管からなり、その軸方向に沿ってハロゲンランプが内装されている。加熱ローラ65は、ハロゲンランプにより、その表面が定着温度に加熱される。
加圧ローラ66は、加熱ローラ65の下方において、加熱ローラ65と対向配置されている。この加圧ローラ66は、加熱ローラ65を下方から押圧する。
【0069】
用紙3上に転写されたカラー像は、この定着部23に搬送され、用紙3が加熱ローラ65と加圧ローラ66との間を通過する間に、その用紙3に熱定着される。これにより、用紙3への画像の形成が達成される。
(4)排紙部
排紙部6において、用紙3の排紙側搬送経路67は、その上流側端部が、下方において定着部23に隣接し、その下流側端部が、上方において排紙トレイ68に隣接しており、用紙3が後側に向かって給紙され、反転後、前側に向かって排紙される、側面視略U字状に形成されている。
【0070】
排紙側搬送経路67の途中には、互いに対向する搬送ローラ69およびピンチローラ70が設けられている。また、排紙側搬送経路67の下流側端部には、1対の排紙ローラ71が設けられている。
また、排紙部6には、排紙トレイ68が設けられている。排紙トレイ68は、本体ケーシング2の上壁を、前側から後側に向かって次第に窪むように形成して、排紙される用紙3を積層状に載置できるように、形成されている。
【0071】
定着部23から搬送される用紙は、排紙側搬送経路67に沿って、搬送ローラ69およびピンチローラ70により搬送され、排紙ローラ71によって、排紙トレイ68上に排紙される。
2.ドラムユニット
図3は、ドラムユニット26(4つの現像カートリッジ27が装着された状態)の左後上方から見た斜視図であり、図4は、ドラムユニット26(1つの現像カートリッジ27が着脱途中であり、その他の現像カートリッジ27が離脱された状態)の左前上方から見た斜視図である。また、図5は、ドラムユニット26の左側面図である。
【0072】
ドラムユニット26は、各色に対応する4つのドラムサブユニット28と、前後方向に沿って並列に配設される4つのドラムサブユニット28の前後方向両側に配置されるフロントビーム101およびリヤビーム102と、フロントビーム101、4つのドラムサブユニット28およびリヤビーム102を、幅方向(左右方向)の両側から挟む1対の側板103とを備えている。
【0073】
ドラムユニット26は、4つのドラムサブユニット28、フロントビーム101、リヤビーム102および1対の側板103が一体となって、本体ケーシング2内のドラム収容空間7(図1参照)に対してスライド自在に着脱される。
(1)ドラムサブユニット
ドラムサブユニット28は、図4に示すように、幅方向において間隔を隔てて対向配置される1対のサイドフレーム104と、両サイドフレーム104の間において幅方向に沿って架設されるセンタフレーム105(図2参照)とを備えている。
【0074】
各サイドフレーム104は、樹脂材料を用いて、平板状に形成されている。各サイドフレーム104には、感光ドラム29のドラム軸33が挿通されている。
各サイドフレーム104には、現像カートリッジ27のドラムサブユニット28に対する着脱を案内するためのガイド溝106が形成されている。このガイド溝106は、サイドフレーム104の後側上端縁から、サイドフレーム104の前側下端近傍まで、略上下方向に沿って形成されており、その下端部(最深部)は、現像ローラ39が感光ドラム29に接触する位置における現像ローラ軸51の位置に対応して配置されている。ガイド溝106には、後述するカラー部材205がスライド自在に受け入れられる。
【0075】
また、各サイドフレーム104には、ボス107が形成されている。このボス107は、サイドフレーム104から幅方向外方へ突出する円筒状に形成され、現像カートリッジ27がドラムサブユニット28に装着された状態で、現像カートリッジ27の後述する窓206が幅方向において対向するように配置されている。
また、左側のサイドフレーム104には、現像カートリッジ27の後述するカップリング受動ギヤ208が幅方向において対向するカップリング内側挿通孔109が形成されている。このカップリング内側挿通孔109は、左側のサイドフレーム104の厚さ方向を貫通する丸穴として形成されている。
【0076】
センタフレーム105は、樹脂材料を用いて形成されている。このセンタフレーム105の上端部の幅方向両端部には、現像カートリッジ27を支持するための支持部としての支持ローラ110が設けられている。支持ローラ110は、センタフレーム105の上端部に沿って幅方向に延びる回転軸(図示せず)に回転自在に支持されている。
(2)フロントビーム
フロントビーム101は、樹脂材料を用いて一体的に成形され、前後方向に沿って並列に配設される4つのドラムサブユニット28の前側に配置され、1対の側板103間に架設されている。
【0077】
このフロントビーム101は、幅方向中央に取り付けられる手前側把持部111と、手前側把持部111を回転自在に支持する支持軸112とを備えている。
手前側把持部111は、略U字状をなし、幅方向中央において、各遊端部が支持軸112に回動可能に支持されて、フロントビーム101に沿って起立する収納位置(図3参照)と、フロントビーム101の前側に傾倒する操作位置(図4参照)とに揺動可能に設けられている。
【0078】
支持軸112は、フロントビーム101を幅方向に沿って貫通するように配置され、フロントビーム101に支持されている。また、支持軸112の幅方向両端部は、フロントビーム101から幅方向外方に突出し、さらに側板103を貫通して幅方向外方に突出している。
(3)リヤビーム
リヤビーム102は、樹脂材料を用いて一体的に成形され、前後方向に沿って並列に配設される4つのドラムサブユニット28の後側に配置され、1対の側板103間に架設されている。
【0079】
このリヤビーム102は、図3に示すように、後方が開放される平面視略コ字状に形成されており、その幅方向中央において、奥側把持部113が一体的に設けられている。奥側把持部113は、背面視略U字状をなし、その各遊端部がリヤビーム102に連結され、後側下方から前側上方に傾斜して、リヤビーム102から斜め上方に突出するように設けられている。
(4)側板
各側板103は、各ドラムサブユニット23、フロントビーム101およびリヤビーム102を形成する樹脂材料よりも剛性の高い材料、たとえば、金属または繊維強化樹脂から形成されており、好ましくは、鋼板から形成されている。
【0080】
各側板103は、前後方向に延びる側面視略細長矩形板状をなし、前後方向に沿って並列的に配置されるフロントビーム101、4つのドラムサブユニット28およびリヤビーム102に対して、前端部がフロントビーム101に対向し、後端部がリヤビーム102に対向するように形成され、これらに固定されている。
各側板103の上端部は、断面L字状となるように、幅方向外側に屈曲され、前後方向にわたって幅方向外側に延びる鍔部114が形成されている。この鍔部114は、前後方向(水平方向)に沿って一直線上に延びている。
【0081】
また、各側板103の後端部は、その上端部が後方に延びる側面視略L字状に形成されており、その後方に延びる部分には、2つのころ部材118が回転自在に備えられている。この2つのころ部材118は、前後方向において、スペーサ119を挟んで配置されている。前側のころ部材118は、鍔部114の下方に配置されており、後側のころ部材118は、鍔部114の後端部の後方に配置されている。
【0082】
さらに、各側板103の後端部には、その後端縁から側面視略U字状に切り欠いた形状の切欠部120が形成されている。この切欠部120には、ドラムユニット26が本体ケーシング2に装着された状態で、本体ケーシング2内に配置される位置決め軸(図示せず)が嵌合し、これによって、ドラムユニット26が本体ケーシング2に対して位置決めされる。
【0083】
また、各側板103には、上端部において、各ドラムサブユニット28のボス107を受け入れる4つの光透過孔115が形成されている。各光透過孔115は、側板103の上端部において、前後方向に沿って互いに間隔を隔てて4つ形成されている。この光透過孔115は、各ドラムサブユニット28のボス107と幅方向に対向する位置において、厚さ方向を貫通する丸孔として形成されている。そして、各光透過孔115には、各ドラムサブユニット28のボス107が、各ボス107が幅方向外方へ露出するように嵌合されており、これによって、各ドラムサブユニット28の各側板103に対するドラム軸33を中心とする回動が規制されている。
【0084】
また、各側板103には、下端部において、各ドラム軸33の軸方向端部を挿通する軸孔116が形成されている。
左側の側板103には、各現像カートリッジ27のカップリング受動ギヤ208が幅方向において対向するカップリング外側挿通孔117がそれぞれ形成されている。各カップリング外側挿通孔117は、側板103の上下方向中央において、前後方向に沿って互いに間隔を隔てて4つ形成されている。このカップリング外側挿通孔117は、各ドラムサブユニット28のカップリング内側挿通孔109と幅方向において対向する位置において、厚さ方向を貫通する丸孔として形成されている。
3.現像カートリッジ
図6および図7は、現像カートリッジ27の左後方から見た斜視図であり、図8および図9は、現像カートリッジ27の左前方から見た斜視図である。また、図10は、現像カートリッジ27の平面図であり、図11は、現像カートリッジ27の右側面図であり、図12は、図11に示す切断線A−Aで切断したときの断面図である。さらに、図13および図14は、現像カートリッジ27の右側断面図である。なお、図13および図14において、供給ローラ38および現像ローラ39が簡略化して示されている。
(1)現像カートリッジ
現像カートリッジ27の現像フレーム36は、幅方向に対向する1対の側壁201と、両側壁201の上端縁間に架設される上壁202と、両側壁201の前端縁間に架設される前壁203と、両側壁201の後端縁間に架設される後壁204とを一体的に備えており、両側壁201、前壁203および後壁204の下端縁によって、現像ローラ39を露出させる開口部41が形成されている。
【0085】
両側壁201には、トナー収容室43内に収容されているトナーの残量を検出するための窓206が埋設されている。これらの窓206は、トナー収容室43を挟んで対向配置されており、トナーの残量の検出のための光を幅方向に沿って通過させる。
左側の側壁201には、図6ないし図9に示すように、ギヤカバー207によって被覆されるギヤ機構部が設けられている。このギヤ機構部は、ギヤカバー207から露出するカップリング受動ギヤ208と、ギヤカバー207内でカップリング受動ギヤ208に噛合するギヤトレイン230(図12参照)とを備えている。
【0086】
ギヤカバー207の下端部には、円筒状のギヤ配置部209が幅方向外方へ突出して形成されており、カップリング受動ギヤ208は、そのギヤ配置部209内に配置されて、ギヤ配置部209の先端面から露出している。
カップリング受動ギヤ208には、本体ケーシング2内に設けられるカップリング軸(図示せず)が進退自在かつ相対回転不能に結合され、このカップリング軸から本体ケーシング2内に設けられるモータ(図示せず)の駆動力が入力される。
【0087】
ギヤトレイン230は、アジテータ37の回転軸47に固定されるアジテータ駆動ギヤ、供給ローラ38の供給ローラ軸49に固定される供給ローラ駆動ギヤ、現像ローラ39の現像ローラ軸51に固定される現像ローラ駆動ギヤなどを備えており、これらが中間ギヤなどを介してカップリング受動ギヤ208に噛合している。これにより、カップリング受動ギヤ208に入力される駆動力は、ギヤトレイン230を介して、アジテータ37、供給ローラ38および現像ローラ39に伝達される。
【0088】
右側の側壁201には、図11に示すように、窓206の上方に、トナー収容室43にトナーを充填するためのトナー充填口(図示せず)を閉鎖するキャップ210が配置されている。
さらに、右側の側壁201の下端部には、現像ローラ軸51の右側軸端部を回転可能に支持する軸受部材211が設けられている。図12に示すように、この軸受部材211に現像ローラ軸51の右側端部が回転可能に挿通されるとともに、その左側端部が左側の側壁201に回転可能に挿通されることにより、現像ローラ軸51は、現像フレーム36に回転可能に支持されている。現像ローラ軸51の左側端部および右側端部は、それぞれギヤカバー207および軸受部材211から幅方向外方に突出しており、各突出部分には、カラー部材205が被覆されている。
【0089】
また、図6ないし図9に示すように、両側壁201の上端部には、後壁204の上端部との接続部分から幅方向外方に突出する略円筒状の第2係合部としての離間突起212が形成されている。
上壁202には、現像カートリッジ27を移動させる際に把持される押圧部材を兼ねる取っ手214が備えられている。この取っ手214は、幅方向に長い薄板状に形成されており、上壁202とほぼ直交する状態に起立する起立状態(図7および図9参照)と、起立状態より前側に傾倒して上壁202に近接する傾倒状態(図6、図8および図13参照)と、その傾倒状態よりもさらに上壁202に近接する押圧状態(図14参照)とに揺動可能に設けられている。
【0090】
より具体的には、図13および図14に示すように、上壁202の後端部には、その幅方向の両端部に、上方に向けて突出する側面視略半円形状の取っ手支持部215が一体的に形成されている。取っ手支持部215には、幅方向を貫通する貫通孔229が形成されている。一方、図6および図7に示すように、取っ手214の後端部には、その幅方向の両端部に、取っ手支持部215を嵌合可能な切欠部231が形成されている。各切欠部231には、その左側面に基端部が連結された平面視略L字状の弾性変形部232が配置されている。弾性変形部232は、遊端部が切欠部231の右側面と幅方向に間隔を隔てて対向しており、この弾性変形部232の遊端部と切欠部231の右側面との間に取っ手支持部215が嵌合されている。そして、弾性変形部232の遊端部および切欠部231の右側面には、それぞれ近接する方向に支持軸233が突出して設けられており、弾性変形部232を変形させて、これらの支持軸233の間隔を広げた状態で、各切欠部231に取っ手支持部215を嵌合させ、その後、弾性変形部232の変形を解除して、各支持軸233を取っ手支持部215の貫通孔229に挿入させることによって、取っ手214が取っ手支持部215に揺動可能に取り付けられている。
【0091】
また、上壁202の前端部には、図9および図12に示すように、その幅方向(現像ローラ39の軸方向)の両端部に、幅方向に現像ローラ39のゴムローラ50の幅方向の長さ(軸方向の長さ)とほぼ等しい間隔を隔てて、円筒状のばねガイド部材216が形成されている。各ばねガイド部材216は、各取っ手支持部215と前後方向に間隔を隔てて対向し、かつ、現像ローラ39のゴムローラ52の幅方向の両端部とそれぞれ対向している。また、各ばねガイド部材216内には、図13および図14に示すように、上下方向に進退可能な当接部材217と、この当接部材217を常には上方に向けて付勢するコイルばね218とが設けられている。
【0092】
当接部材217は、上面が凸湾曲した平面視略円形状の本体部219と、本体部219の下面の中央部から下方に突出するボス部220と、本体部219の下面の周縁部からばねガイド部材216の内周面に沿って延びる円筒状の延部221とを一体的に備えている。そして、延部221には、複数の係止爪部222が形成されており、各係止爪部222がばねガイド部材216に形成された溝部223に嵌められ、その先端部が溝部223の上端部に係止することによって、当接部材217がばねガイド部材216から離脱しないようにされている。
【0093】
コイルばね218は、下端部に上壁202に形成されたばね取付ボス224が挿入され、上端部に当接部材217のボス部220が挿入されて、当接部材217と上壁202との間で圧縮された状態に設けられている。
取っ手214の下面(上壁202との対向面)には、図9に示すように、各当接部材217と対応する位置に、その対応する当接部材217を受け入れ可能な凹部225が形成されている。取っ手214が傾倒状態に傾倒した状態では、各凹部225に各当接部材217が受け入れられて、各当接部材217の先端が各凹部225の底面(取っ手214の下面)に当接する。
【0094】
また、取っ手214には、図10に示すように、幅方向の中央部に、幅方向に長い平面視略矩形状の把持孔226が形成されている。これにより、把持孔226に指を入れて、取っ手214を把持することができる。
さらに、取っ手214には、その前端部における幅方向の両端部に、幅方向外方へ突出する側面視略円柱状の第1係合部としての押圧突起227が形成されている。各押圧突起227は、図10に示すように、同じ側に突出する離間突起212の先端面を含む平面S上にその先端面が位置するような長さに形成されている。すなわち、各押圧突起227は、幅方向において、その先端面が同じ側に突出する離間突起212の先端面と同じ位置に配置されている。また、各押圧突起227は、現像カートリッジ27がドラムサブユニット28に装着され、取っ手214が傾倒状態に傾倒した状態で、図11に示すように、離間突起212よりも低い位置に配置されている。
【0095】
前壁203には、図8および図9に示すように、幅方向の両端部に、前方に向けて突出する側面視略台形状の被支持突起228が形成されている。
(2)現像カートリッジのドラムユニットに対する着脱
各色に対応する現像カートリッジ27は、取っ手214の把持孔226に指を入れて、取っ手214を把持し、図4に示すように、ドラムユニット26の上方から、その現像カートリッジ27に対応するドラムサブユニット28へ装着する。
【0096】
より具体的には、現像カートリッジ27の現像ローラ軸51の軸方向両端部のカラー部材205を、対応するドラムサブユニット28の各サイドフレーム104のガイド溝106に挿入し、そのガイド溝106に沿って、現像カートリッジ27をドラムサブユニット28に対して下方へ押し込む。現像ローラ39が感光ドラム29に接触すると、それ以上の現像カートリッジ27の押し込みが規制される。そして、現像カートリッジ27の自重により、現像カートリッジ27が現像ローラ軸51を中心に、その上端部が前側のセンタフレーム105にもたれ掛かる方向に倒れ、現像フレーム36の前壁203に形成されている各被支持突起228が、センタフレーム105の支持ローラ110に当接して支持される。これによって、現像カートリッジ27がドラムサブユニット28に対して位置決めされ、その現像カートリッジ27のドラムサブユニット28に対する装着が達成される。
【0097】
こうして現像カートリッジ27が装着された後、起立状態の取っ手214から手が放されると、取っ手214は、自重により、支持軸233を支点として起立状態から傾倒状態へ傾倒する。
そして、すべての現像カートリッジ27がドラムサブユニット28へ装着されると、図3に示すように、フロントビーム101の手前側把持部111と、各現像カートリッジ27の取っ手214と、リヤビーム102の奥側把持部113とが、前後方向に沿って重なるように配置される。
【0098】
一方、現像カートリッジ27がドラムユニット26(ドラムサブユニット28)に装着された状態で、取っ手214を把持して、取っ手214を傾倒状態から起立状態へ引き起こし、上方に持ち上げることにより、現像カートリッジ27をドラムユニット26から離脱させることができる。
4.レール・離間押圧機構
図15は、本体ケーシング2およびドラムユニット26の右前上方から見た斜視図であり、本体ケーシング2の外装板およびフロントカバー9が取り外され、その本体ケーシング2にドラムユニット26が装着された状態を示している。
【0099】
本体ケーシング2は、ドラムユニット26を挟んで幅方向に対向配置される1対の本体フレーム301を備えており、各本体フレーム301の内側面には、ドラムユニット26の着脱を案内するためのレール302と、ドラムユニット26に装着された現像カートリッジ27の現像ローラ39を感光ドラム29に対して離間および押圧するための(現像カートリッジ27を接触位置と離間位置とに移動させ、さらに接触位置で感光ドラム29に向けて押圧するための)離間押圧機構303とを備えている。
【0100】
なお、図15では、左側の離間押圧機構303のみが示されている。
図16は、ドラムユニット26ならびに左右のレール302および離間押圧機構303の右前上方から見た斜視図である。また、図17は、左右のレール302および離間押圧機構303の右前上方から見た斜視図である。
(1)レール
左右のレール302は、ドラムユニット26を挟んで幅方向に対向配置されている。各レール302は、本体フレーム301の前端面に対向配置されるレール固定部304と、本体フレーム301の内側面に沿って前後方向(水平方向)に延びるレール本体部305と、レール固定部304とレール本体部305とを連結する連結部306とを一体的に備えている。
【0101】
レール固定部304は、ねじ307によって、本体フレーム301の前端面に固定されている。
レール本体部305は、下端部が幅方向内方に向けて屈曲された断面略L字状に形成されており、水平に延びる部分には、ドラムユニット26が本体ケーシング2に装着された状態で、ドラムユニット26の各側板103の鍔部114が載置される。
【0102】
連結部306は、レール固定部304の幅方向内側の端縁とレール本体部305の前端縁とを連結するように形成されている。この連結部306には、コロ支持軸308が幅方向に貫通して支持されており、連結部306の幅方向内面には、そのコロ支持軸308に回動可能に支持されたレールころ309が対向配置されている。レールころ309の周面の最上端部分は、レール本体部305の下端部(水平に延びる部分)よりも上方に位置している。
(2)ドラムユニットの本体ケーシングに対する装着
ドラムユニット26を本体ケーシング2に装着するには、まず、ドラムユニット26の手前側把持部111および奥側把持部113(図3参照)を両手でそれぞれ把持して、ドラムユニット26を持ち上げる。そして、図1が参照されるように、フロントカバー9を傾倒させて、着脱口8を開放し、この着脱口8からドラム収容空間7に向けて、ドラムユニット26を進入させる。
【0103】
このとき、ドラムユニット26の後端部に設けられる各ころ部材118を、レール302のレール本体部305上を転動させる。また、奥側把持部113から手を放して、ドラムユニット26の両鍔部114をそれぞれ左右のレールころ309上に載せる。この状態でドラムユニット26を後方に向けて押すと、各ころ部材118がレール本体部305上を転動するとともに、各レールころ309上を鍔部114が滑動し、これによりドラムユニット26が円滑に移動する。また、各現像カートリッジ27の離間突起212および押圧突起227が、後述するホルダ固定部322のカム収容部323上を摺動する。
【0104】
そして、各ころ部材118がレール302上から奥側に脱落し、各レールころ309上から鍔部114が各レールころ309の奥側に脱落して、各鍔部114がレール本体部305の水平に延びる部分上に載置されると、各現像カートリッジ27の押圧突起227および離間突起212がそれぞれ後述する押圧突起受入部325および離間突起受入部326に受け入れられて、ドラムユニット26の本体ケーシング2に対する装着が完了される。
【0105】
この後、手前側把持部111から手を離して、フロントカバー9を閉じて、フロントカバー9により着脱口8を閉鎖する。フロントカバー9を閉じると、これに連動して、手前側把持部111は、支持軸112を支点として、起立状態(図4参照)から収納位置(図3参照)に回動する。
(3)離間押圧機構
離間押圧機構303は、図17に示すように、1対の直動カム部材310と、各直動カム部材310に対して設けられた中間部材311と、各直動カム部材310を前後方向に直線移動可能に保持するカムホルダ312と、1対の直動カム部材310を同期して直線移動させるための同期移動機構313とを備えている。
【0106】
図18は、直動カム部材310、中間部材311および同期移動機構313の右前上方から見た斜視図である。すなわち、この図18には、カムホルダ312の図示を省略して、離間押圧機構303の右前上方から見た斜視図が示されている。また、図19は、直動カム部材310および中間部材311の動きを説明するための斜視図である。さらに、図20は、図19(a)の状態における直動カム部材310および中間部材311の右側面図であり、図21は、図19(c)の状態における直動カム部材310および中間部材311の右側面図であり、図22は、図19(e)の状態における直動カム部材310および中間部材311の右側面図である。
【0107】
直動カム部材310は、本体フレーム301(図15参照)の内側面に沿って前後方向に延びる薄板状のカム本体板314と、カム本体板314の幅方向の内側面に設けられた4つの操作部材315とを備えている。
カム本体板314には、前後方向に等間隔を隔てて、前後方向に長い略矩形状の矩形孔316が4つ形成されている。
【0108】
4つの操作部材315は、4つの矩形孔316のそれぞれ前側に配置されている。各操作部材315は、側面視クランク形状に形成され、カム本体板314の上端縁に沿って延び、現像カートリッジ27の押圧突起227を下方に押圧するための押圧作用部317と、カム本体板314の下端縁に沿って延び、後述するように中間部材311を回動させるための接離作用部318と、押圧作用部317の後端部と接離作用部318の前端部とを連結する連結部319とを一体的に備えている。
【0109】
接離作用部318の後端部には、図20ないし図22に示すように、上方に突出する突起状の操作部として突起部320が形成されている。
また、最前の操作部材315は、それ以外の3つの操作部材315(以下「後側3つの操作部材315」という。)と形状が異なる。すなわち、最前の操作部材315の押圧作用部317は、後側3つの操作部材315の押圧作用部317と比較して、その前後方向の長さが長く形成されている。また、最前の操作部材315の接離作用部318は、後側3つの操作部材315の接離作用部318と比較して、その前後方向の長さが短く形成されている。このような形状(寸法)の違いにより、後述するように、すべての現像カートリッジ27の現像ローラ39を感光ドラム29に押圧させたり、ブラック現像カートリッジ27Kの現像ローラ39のみを感光ドラム29に押圧させたり、すべての現像カートリッジ27の現像ローラ39を感光ドラム29から離間させたりすることができる。
【0110】
4つの中間部材311は、4つの操作部材315にそれぞれ後側に配置されて、4つの矩形孔316にそれぞれ幅方向に対向している。各中間部材311は、図20ないし図22に示すように、側面視略L字状をなし、幅方向に厚みを有するブロック状に形成されている。各中間部材311の一端部には、中間部材支持軸321が幅方向に貫通しており、中間部材311は、この中間部材支持軸321に回動可能に支持されている。各中間部材311は、接離作用部318と非接触の状態(図20参照)で、下端部が接離作用部318の突起部320と前後方向に間隔を隔てて対向している。
【0111】
中間部材支持軸321は、図18に示すように、前後方向において互いに等間隔(4つの現像カートリッジ27がドラムユニット26に装着された状態での各離間突起212間の間隔と等しい間隔)を隔てて配置されている。各中間部材支持軸321は、これに支持される中間部材311が対向する矩形孔316に挿通されて、カム本体板314の幅方向外方に延び、その幅方向の内側端部がカムホルダ312に回転不能に支持されている。
【0112】
カムホルダ312は、図17に示すように、本体フレーム301の内側面に沿って前後方向に延びる薄板状のホルダ固定部322と、このホルダ固定部322の下端縁に連続するカム収容部323とを一体的に備えている。
ホルダ固定部322は、ねじ324によって、本体フレーム301の内側面に固定されている。
【0113】
カム収容部323は、ホルダ固定部322の下端縁の全長から幅方向の内方へ延び、下方へ屈曲し、さらに幅方向の外方へ屈曲する、断面略コ字状に形成されている。カム収容部323には、その上面から幅方向の内側面に連続して切り欠くことによって、現像カートリッジ27の押圧突起227を受入可能な押圧突起受入部325と、現像カートリッジ27の離間突起212を受入可能な離間突起受入部326とが、交互に、それぞれ4つずつ形成されている。すなわち、カム収容部323には、4つの押圧突起受入部326が、前後方向において、各現像カートリッジ27がドラムユニット26に装着された状態での各押圧突起227間の間隔と等しい間隔を隔てて形成されている。また、4つの離間突起受入部326が、前後方向において、各現像カートリッジ27がドラムユニット26に装着された状態での各離間突起212間の間隔と等しい間隔を隔てて形成されている。各離間突起受入部326は、各押圧突起受入部325の後方に配置されている。各離間突起受入部326に離間突起212が受け入れられた状態で、各離間突起212は、各中間部材311に対して上方から対向する。
【0114】
同期移動機構313は、左側の直動カム部材310の直線移動に伴って、その左側の直動カム部材310から右側の直動カム部材310に直線移動のための駆動力を伝達する構成になっている。
すなわち、同期移動機構313は、図18に示すように、左側の直動カム部材310の後端部の上面に形成された一方側ラックギヤとしての左側ラックギヤ327と、この左側ラックギヤ327と噛合する一方側ピニオンギヤとしての左側ピニオンギヤ328と、右側の直動カム部材310の後端部の上面に形成された他方側ラックギヤとしての右側ラックギヤ329と、この右側ラックギヤ329と噛合する他方側ピニオンギヤとしての右側ピニオンギヤ330と、左側ピニオンギヤ328および右側ピニオンギヤ330が相対回転不能に取り付けられる連結軸331とを備えている。
【0115】
また、左側の直動カム部材310には、カム本体板314の幅方向の外側面に、図示しないモータの駆動力が入力される入力ラックギヤ332が設けられている。
(4)離間押圧動作
図19ないし図22を主に参照して、離間押圧機構303の動作を説明する。
図19(a)および図20に示すように、直動カム部材310が最前方位置に移動されている状態では、各操作部材315の接離作用部318とそれらの各後方に配置される中間部材311とが、前後方向に間隔を隔てた非接触状態で対向している。最前の操作部材315の接離作用部318とその後方に配置される中間部材311との間には、後側3つの操作部材315の接離作用部318とそれらの各後方に配置される中間部材311との間の間隔よりも大きな間隔が形成されている。
【0116】
この状態では、各現像カートリッジ27が、現像ローラ39と感光ドラム29とが接触する接触位置に配置されている。そして、各操作部材315の押圧作用部317が、各現像カートリッジ27の押圧突起227に上方から当接して、各押圧突起227を下方に向けて押圧している。各押圧突起227が下方に押圧されることにより、各現像カートリッジ27において、図14に示すように、取っ手214が支持軸233を支点に回動して押圧状態となり、取っ手214(凹部225)によって当接部材217が押し下げられて、コイルばね218が収縮されている。そして、その収縮によるコイルばね218の付勢力が現像フレーム36の上壁202に入力され、現像フレーム36が下方に向けて付勢されることにより、現像ローラ39が感光ドラム29に押圧されている。このとき、コイルばね218は、1N以上20N以下の付勢力を発生する。
【0117】
この状態から、図示しないモータの駆動力が入力ラックギヤ332に入力されて、左側の直動カム部材310が後方に移動されると、この左側の直動カム部材310の移動に伴って、左側ピニオンギヤ328が回転し、この左側ピニオンギヤ328の回転が連結軸331を介して右側ピニオンギヤ330に伝達され、右側ピニオンギヤ330が左側ピニオンギヤ328と同方向に回転することにより、右側の直動カム部材310が後方に移動する。
【0118】
直動カム部材310の後方への移動が進むと、後側3つの操作部材315の押圧作用部317と現像カートリッジ27の押圧突起227との係合が解除され、それらの押圧作用部317による押圧突起227の押圧が解除される。また、図19(b)に示すように、後側3つの操作部材315の接離作用部318が、それらの各後方に配置される中間部材311の下端部に当接して、各中間部材311の下端部を後方に向けて押圧し、各中間部材311が中間部材支持軸321を支点として上方に持ち上がるように回動する。これらの各中間部材311の回動の途中で、各中間部材311がそれぞれの上方に位置する離間突起212に下方から当接し、各中間部材311から離間突起212に上方向の力が付与されることによって、イエロー現像カートリッジ27Y、マゼンタ現像カートリッジ27Mおよびシアン現像カートリッジ27Cが上方に持ち上げられていく。
【0119】
そして、直動カム部材310の後方への移動がさらに進み、図19(c)および図21に示すように、後側3つの操作部材315の接離作用部318の上面に中間部材311の一端部(中間部材支持軸321が挿通されている側の端部)が当接すると、イエロー現像カートリッジ27Y、マゼンタ現像カートリッジ27Mおよびシアン現像カートリッジ27Cが離間位置に配置され、イエロー現像カートリッジ27Y、マゼンタ現像カートリッジ27Mおよびシアン現像カートリッジ27Cの現像ローラ39が感光ドラム29から離間する。このとき、ブラック現像カートリッジ27Kの押圧突起227は、操作部材315の押圧作用部317により押圧されている。これにより、ブラック現像カートリッジ27Kの現像ローラ39のみが感光ドラム29に押圧された状態となる。
【0120】
その後、直動カム部材310の後方への移動がさらに進むと、最前の操作部材315の押圧作用部317とブラック現像カートリッジ27Kの押圧突起227との係合が解除され、その押圧作用部317による押圧突起227の押圧が解除される。また、図19(d)に示すように、最前の操作部材315の接離作用部318が、その後方に配置される中間部材311の下端部に当接して、中間部材311の下端部を後方に向けて押圧し、中間部材311が中間部材支持軸321を支点として上方に持ち上がるように回動する。この中間部材311の回動の途中で、中間部材311がその上方に位置するブラック現像カートリッジ27Kの離間突起212に下方から当接し、中間部材311から離間突起212に上方向の力が付与されることによって、ブラック現像カートリッジ27Kが上方に持ち上げられていく。
【0121】
そして、直動カム部材310の後方への移動がさらに進み、図19(e)および図22に示すように、最前の操作部材315の接離作用部318の上面に中間部材311の一端部(中間部材支持軸321が挿通されている側の端部)が当接すると、ブラック現像カートリッジ27Kが離間位置に移動され、ブラック現像カートリッジ27Kの現像ローラ39が感光ドラム29から離間する。これにより、すべての現像カートリッジ27の現像ローラ39が感光ドラム29から離間された状態となる。
【0122】
なお、図19(e)に示す状態から、直動カム部材310を前方に移動させることにより、図19(a)〜(d)に示す各状態に戻すことができる。このとき、各接離作用部318の突起部320が、中間部材311に係止して、中間部材311を離間突起212から離間する方向(下方)に向けて回動させる。
5.作用効果
以上の構成によれば、1対の直動カム部材310の直線移動により、現像カートリッジ27を現像ローラ39が感光ドラム29に接触する接触位置と感光ドラム29から離間する離間位置とに移動させることができ、さらに、接触位置で現像カートリッジ27を現像ローラ39が感光ドラム29と接触する方向に押圧することができる。そのため、現像ローラ39を感光ドラム29に対して接離させるための部材や、現像ローラ39を感光ドラム29に押圧するための部材などを、現像カートリッジ27ごとに個別に設ける必要をなくすことができる。その結果、部品点数の低減を図ることができ、コストの低減とともに、装置サイズの小型化を図ることができる。
【0123】
また、同期移動機構313によって、1対の直動カム部材310が同期して直線移動され、それらの直動カム部材310の直線移動のタイミングにずれが生じることを防止できるので、現像カートリッジ27を接触位置と離間位置とに安定して移動させることができる。
さらに、1対の直動カム部材310の直線移動により、すべての現像カートリッジ27の現像ローラ39が感光ドラム29から離間された状態(非現像状態)、ブラック現像カートリッジ27Kの現像ローラ39のみが感光ドラム29に押圧された状態(1色現像状態)、および、すべての現像カートリッジ27の現像ローラ39が感光ドラム29に押圧された状態(全色現像状態)を切り替えることができる。
【0124】
また、現像カートリッジ27が接触位置から離間位置に移動されるときには、直動カム部材310の接離作用部318が現像カートリッジ27の離間突起212と係合し、現像カートリッジ27が押圧されるときには、直動カム部材310の押圧作用部317が現像カートリッジ27の押圧突起227に係合される。
現像カートリッジ27に1つの係合部が設けられ、この係合部に対して、現像カートリッジを接触位置から離間位置に移動させるための力が入力され、また、接触位置で現像カートリッジ27を押圧する力が入力される構成では、係合部に十分な強度がないと、現像カートリッジ27(現像ローラ39)の接触、離間および押圧の各動作が不安定になるおそれがある。
【0125】
これに対し、現像カートリッジ27に押圧突起227および離間突起212が設けられていれば、現像カートリッジ27の接触/離間のための力と現像カートリッジ27の押圧のための力とを分散して入力することができるので、押圧突起227および離間突起212の構造の簡素化(補強の不要)を図ることができながら、現像カートリッジ27の接触、離間および押圧の安定した各動作を達成することができる。
【0126】
また、この実施形態では、中間部材311により、直動カム部材310の接離作用部318と現像カートリッジ27の離間突起212とを係合させることができる。さらに、直動カム部材310の移動方向への力をなくし(キャンセルし)、現像カートリッジ27へは現像カートリッジ27を移動させる方向への力のみを伝えることができる。
そして、直動カム部材310の直線移動によって、中間部材311が直動カム部材310の接離作用部318から離間する非接触状態となり、この状態で、中間部材311が現像カートリッジ27の離間突起212から離間し、現像カートリッジ27の接触位置への移動が許容される。また、直動カム部材310の直線移動によって、中間部材311が接離作用部318に接触する接触状態となり、この状態で、中間部材311が現像カートリッジ27の離間突起212と接触して、現像カートリッジ27が離間位置に移動される。そのため、現像カートリッジ27を接触位置と離間位置とに確実に移動させることができる。
【0127】
また、直動カム部材310の後方への直線移動時に、接離作用部318の突起部320が中間部材311に当接して、中間部材311が離間突起212に近接する方向に回転され、直動カム部材310の前方への直線移動時に、接離作用部318の突起部320が中間部材311に係止して、中間部材311が離間する方向に回転される。そのため、中間部材を確実に回動させることができ、現像カートリッジ27の接触位置および離間位置へのより確実な移動を達成することができる。
【0128】
さらに、現像カートリッジ27には、取っ手214が備えられているので、その取っ手214を把持して、現像カートリッジ27を移動させることができる。そのため、現像カートリッジ27の操作性を優れたものとすることができる。また、押圧突起227が取っ手214に設けられているので、現像カートリッジ27を現像ローラ39が感光ドラム29と接触する方向に押圧するための付勢力を発生するコイルばね218を、現像カートリッジ27に設けることができる。そのため、現像カートリッジ27を交換する度に、新品のコイルばね218を備えることができ、このコイルばね218による安定した付勢力を付与し続けることができる。
【0129】
また、押圧突起227と離間突起212とが現像カートリッジ27における前後方向(直動カム部材310の移動方向)の両端部に設けられ、それらの間の間隔が大きいので、直動カム部材310の押圧作用部317と押圧突起227との係合および直動カム部材310の接離作用部318と離間突起212との係合を確実に切り替えることができる。そのため、現像カートリッジ27の接触位置および離間位置への移動ならびに現像カートリッジ27の押圧を確実に達成することができる。
【0130】
さらにまた、同期移動機構313が備えられているので、左側の直動カム部材310の直線移動に伴って、その左側の直動カム部材310から右側の直動カム部材310に駆動力が伝達され、この駆動力により、右側の直動カム部材310が直線移動する。そのため、1対の直動カム部材310を確実に同期させて直線移動させることができる。
具体的には、左側の直動カム部材310の直線移動に伴って、左側ピニオンギヤ328が回転し、その回転力により右側ピニオンギヤ330が回転する。そして、その右側ピニオンギヤ330の回転力が右側ラックギヤ329に伝達され、右側ラックギヤ329とともに右側の直動カム部材310が直線移動する。そのため、1対の直動カム部材310をより確実に同期させて直線移動させることができる。
【0131】
そして、このカラーレーザプリンタ1では、ドラムユニット26を本体ケーシング2に対して着脱させることができる。そのため、ジャム処理や部品交換などのメンテナンス作業の容易化を図ることができる。
また、現像カートリッジ27を個別に交換することができるので、メンテナンスのための費用(メンテナンスコスト)の低減を図ることができる。
【0132】
さらに、直動カム部材310の直線移動の方向とドラムユニット26の着脱方向が一致しているので、直動カム部材310を直線移動させるための手動操作とドラムユニット26を着脱させるための操作とを同じ方向から行うことができる。そのため、本体ケーシング2に形成された着脱口8を介して、直動カム部材310を直線移動させるための手動操作とドラムユニット26を着脱させるための操作とを行うことができる。
【0133】
また、現像カートリッジ27の被支持突起228が設けられている前壁203側に直動カム部材310が移動されると、現像カートリッジ27が押圧されるので、その押圧力を利用して、被支持突起228を支持ローラ110に押し付けることができる。そのため、支持ローラ110による現像カートリッジ27の安定した支持を達成することができる。
また、搬送ベルト58によって用紙3が搬送され、各感光ドラム29に担持されたトナー像がその用紙3に直接転写して記録される。そのため、中間転写タイプの装置と比較して、中間転写ベルトを不要とすることができる分、部品点数を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明の画像形成装置としてのカラーレーザプリンタの一実施形態を示す側断面図である。
【図2】図1に示す現像カートリッジおよびドラムサブユニットの側断面図である。
【図3】図1に示すドラムユニット(4つの現像カートリッジが装着された状態)の左後上方から見た斜視図である。
【図4】図1に示すドラムユニット(1つの現像カートリッジが着脱途中であり、その他の現像カートリッジが離脱された状態)の左前上方から見た斜視図である。
【図5】図1に示すドラムユニットの左側面図である。
【図6】図1に示す現像カートリッジの左後方から見た斜視図であり、取っ手の傾倒状態が示されている。
【図7】図1に示す現像カートリッジの左後方から見た斜視図であり、取っ手の起立状態が示されている。
【図8】図1に示す現像カートリッジの左前方から見た斜視図であり、取っ手の傾倒状態が示されている。
【図9】図1に示す現像カートリッジの左前方から見た斜視図であり、取っ手の起立状態が示されている。
【図10】図1に示す現像カートリッジの平面図である。
【図11】図1に示す現像カートリッジの右側面図である。
【図12】図11に示す切断線A−Aで切断したときの断面図である。
【図13】図1に示す現像カートリッジの右側断面図であり、取っ手の傾倒状態が示されている。
【図14】図1に示す現像カートリッジの右側断面図であり、取っ手の押圧状態が示されている。
【図15】図1に示す本体ケーシングおよびドラムユニットの右前上方から見た斜視図であり、本体ケーシングの外装板およびフロントカバーが取り外され、その本体ケーシングにドラムユニットが装着された状態を示している。
【図16】図15に示すドラムユニットならびに左右のレールおよび離間押圧機構の右前上方から見た斜視図である。
【図17】図16に示すレールおよび離間押圧機構の右前上方から見た斜視図である。
【図18】図17に示す直動カム部材、中間部材および同期移動機構の右前上方から見た斜視図である。
【図19】図18に示す直動カム部材および中間部材の動きを説明するための斜視図である。
【図20】図19(a)の状態における直動カム部材および中間部材の右側面図である。
【図21】図19(c)の状態における直動カム部材および中間部材の右側面図である。
【図22】図19(e)の状態における直動カム部材および中間部材の右側面図である。
【符号の説明】
【0135】
1 カラーレーザプリンタ
2 本体ケーシング
3 用紙
26 ドラムユニット
27 現像カートリッジ
29 感光ドラム
39 現像ローラ
110 支持ローラ
212 離間突起
227 押圧突起
228 被支持突起
310 直動カム部材
311 中間部材
313 同期移動機構
317 押圧作用部
318 接離作用部
320 突起部
327 左側ラックギヤ
328 左側ピニオンギヤ
329 右側ラックギヤ
330 右側ピニオンギヤ
331 連結軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
各色に対応して設けられ、互いに並列に配置される複数の像担持体と、
各前記像担持体に対応して設けられ、前記像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体をそれぞれ有する複数の現像器と、
前記複数の現像器を挟んで対向配置され、前記像担持体の配列方向に直線移動可能に設けられ、その直線移動によって、前記現像器を前記現像剤担持体が前記像担持体に接触する接触位置と前記像担持体から離間する離間位置とに移動させ、かつ、前記現像器が前記接触位置に配置された状態で、前記現像器を前記現像剤担持体が前記像担持体と接触する方向に押圧するための1対の直動カム部材と、
前記1対の直動カム部材を同期して直線移動させるための同期移動機構とを備えていることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記1対の直動カム部材の直線移動により、すべての前記現像器を前記離間位置に移動させた非現像状態と、1つの前記現像器のみを前記接触位置に移動させた1色現像状態と、すべての前記現像器を前記接触位置に移動させた全色現像状態とに変化することを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記直動カム部材は、各前記現像器を押圧するための複数の押圧作用部と、各前記現像器を前記接触位置と前記離間位置とに移動させるための複数の接離作用部とを備えており、
前記現像器は、前記押圧作用部と係合する第1係合部と、前記接離作用部と係合する第2係合部とを備えていることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記接離作用部と前記第2係合部とを係合させるための中間部材を備えていることを特徴とする、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記中間部材は、前記直動カム部材の移動方向と直交する方向に延びる回動軸線を中心に回動自在に設けられ、前記直動カム部材の直線移動によって、前記接離作用部から離間する非接触状態と前記接離作用部と接触する接触状態とに回動され、前記非接触状態で前記第2係合部から離間して、前記現像器を前記接触位置への移動を許容し、前記接触状態で前記第2係合部と接触して、前記現像器を前記離間位置に移動させることを特徴とする、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記接離作用部は、前記直動カム部材の一方向への直線移動時に、前記中間部材に当接して、前記中間部材を前記非接触状態から前記接触状態に回動させ、前記直動カム部材の前記一方向とは逆方向の他方向への直線移動時に、前記中間部材に係止して、前記中間部材を前記接触状態から前記非接触状態に回動させる操作部を備えていることを特徴とする、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
1つの前記接離作用部は、その他の前記接離作用部と比べて、前記直動カム部材の移動方向の長さが短く形成されていることを特徴とする、請求項3ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記現像器は、前記現像器を移動させる際に把持される取っ手を備え、
前記第1係合部は、前記取っ手に設けられていることを特徴とする、請求項3ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1係合部および前記第2係合部は、それぞれ前記現像器における前記直動カム部材の移動方向の一方側端部および他方側端部に設けられていることを特徴とする、請求項3ないし8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記同期移動機構は、前記1対の直動カム部材のうちの一方の直動カム部材の直線移動に伴って、その一方の直動カム部材から他方の直動カム部材に直線移動のための駆動力を伝達することを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記同期移動機構は、
前記一方の直動カム部材に形成された一方側ラックギヤと、
前記一方側ラックギヤに噛合する一方側ピニオンギヤと、
前記他方の直動カム部材に形成された他方側ラックギヤと、
前記他方側ラックギヤに噛合する他方側ピニオンギヤと、
前記一方側ピニオンギヤと前記他方側ピニオンギヤとを連結する連結軸とを備えていることを特徴とする、請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記装置本体に対して着脱可能に装着され、前記複数の像担持体を並列に配置した状態で一体的に保持するタンデム型プロセスユニットを備えていることを特徴とする、請求項1ないし11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記複数の現像器は、前記タンデム型プロセスユニットに対して着脱可能に装着されることを特徴とする、請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記直動カム部材は、前記装置本体に対する前記タンデム型プロセスユニットの着脱方向と平行な方向に直線移動可能に設けられていることを特徴とする、請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記現像器を支持するための支持部を備え、
前記現像器は、前記直動カム部材の移動方向に対向する一方側面および他方側面と、前記一方側面に設けられ、前記支持部に当接して支持される被支持部とを備え、
前記直動カム部材は、前記一方側面側への直線移動によって、前記現像器を前記現像剤担持体が前記像担持体と接触する方向に押圧し、前記他方側面側への直線移動によって、前記現像器の押圧を解除することを特徴とする、請求項1ないし14のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記複数の像担持体に対向し、前記現像剤担持体から前記像担持体への現像剤の供給によって前記像担持体に担持される現像剤像が記録される記録媒体を、前記複数の像担持体の並び方向に搬送するための搬送ベルトをさらに含むことを特徴とする、請求項1ないし15のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2007−178654(P2007−178654A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−376114(P2005−376114)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】