説明

画像形成装置

【課題】予約ジョブとして受付けた、手差しトレイにセットした用紙を給紙する手差し印刷ジョブを効率的に実行することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】手差しトレイ14と、前記手差しトレイ14の用紙の有無を検出する手差し用紙検出手段141と、印刷ジョブの予約を記憶する予約印刷ジョブ記憶手段171と、予約印刷ジョブ記憶手段171に記憶された印刷ジョブを順次実行する予約印刷ジョブ実行手段12とを備えた画像形成装置1に、前記予約印刷ジョブ記憶手段171に手差し印刷ジョブの予約が記憶された後、前記手差し用紙検出手段141が前記手差しトレイ14から手差し用紙が取り除かれたことを検出すると、予約印刷ジョブ実行手段12による前記手差し印刷ジョブの実行を一時停止する印刷実行制御手段174を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手差しトレイと、前記手差しトレイの用紙の有無を検出する手差し用紙検出手段と、印刷ジョブの予約を記憶する予約印刷ジョブ記憶手段と、予約印刷ジョブ記憶手段に記憶された印刷ジョブを順次実行する予約印刷ジョブ実行手段とを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、手差しで用紙を給紙するための手差し給紙手段を有し画像入力に基づき用紙上に画像形成を行う画像形成装置であって、画像形成中に次の画像入力要求を受け付ける予約受付手段と、該予約受付手段で受け付けた予約ジョブで前記手差し給紙手段を介して給紙する用紙を指定する用紙指定手段と、該用紙指定手段で指定したジョブ毎に使用する用紙を記憶する用紙記憶手段と、画像形成ジョブ実行時に前記用紙指定手段で指定した用紙の種類を判断する用紙判断手段と、該用紙判断手段の判断に基づき画像形成対象の用紙の種類を考慮して画像形成出力を実行させる制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置が提案され、当該画像形成装置によれば、実行中のプリントジョブと複数の予約ジョブの夫々で異なった用紙を給紙する手差しプリント処理を行うことができる。
【0003】
【特許文献1】特開2001−235976号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された画像形成装置では、手差しトレイなどの手差し給紙手段にセットする用紙が異なるプリントジョブを予約することは可能だが、予約ジョブの実行時において、手差し給紙手段にセットされている用紙が当該予約ジョブで手差し給紙手段にセットする用紙と同一か否かを確認する術は無く、必然的に当該予約ジョブの実行前にオペレータからの操作を待つ必要があり、プリントジョブを効率的に実行する上で、更なる改善の余地があった。
【0005】
本発明の目的は、上述の問題に鑑み、予約ジョブとして受付けた、手差しトレイにセットした用紙を給紙する手差し印刷ジョブを効率的に実行することができる画像形成装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、本発明による画像形成装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、手差しトレイと、前記手差しトレイの用紙の有無を検出する手差し用紙検出手段と、印刷ジョブの予約を記憶する予約印刷ジョブ記憶手段と、予約印刷ジョブ記憶手段に記憶された印刷ジョブを順次実行する予約印刷ジョブ実行手段とを備えた画像形成装置であって、前記予約印刷ジョブ記憶手段に手差し印刷ジョブの予約が記憶された後、前記手差し用紙検出手段が前記手差しトレイから手差し用紙が取り除かれたことを検出すると、予約印刷ジョブ実行手段による前記手差し印刷ジョブの実行を一時停止する印刷実行制御手段を備えている点にある。
【0007】
オペレータが手差し印刷ジョブを予約するとき、予約時において、既に前記手差しトレイに前記手差し印刷ジョブで給紙する用紙とは異なる用紙がセットされていると、少なくとも当該手差し印刷ジョブの実行時までには、当該用紙を取り除き、前記手差し印刷ジョブで給紙する用紙を改めてセットする必要がある。
【0008】
ここで、前記オペレータが手差し印刷ジョブを予約する前に、既に手差し印刷ジョブが予約されていたとき、手差しトレイにセットされていた用紙は前記既に予約されていた手差し印刷ジョブに対応した用紙である可能性が高く、前記オペレータが既に手差し印刷ジョブが予約されていることに気づかずに、予約時にセットされていた用紙を取り除いて、自身の手差し印刷ジョブで給紙する用紙をセットすると、前記既に予約されていた手差し印刷ジョブの実行時に、改めてセットした用紙が給紙されることになる。また、改めてセットされた用紙に対応した手差し印刷ジョブの実行時には、給紙する用紙が足りず当該手差し印刷ジョブを完了することができないことになる。つまり、既に予約していた手差し印刷ジョブと今回予約した手差し印刷ジョブの双方を再度、印刷実行する必要が生じることになり、著しい生産性の低下を招く可能性があった。
【0009】
上述の構成によれば、手差し印刷ジョブに対応する用紙が取り除かれ、他の用紙と入れ替えられた可能性があるときには、予約された手差し印刷ジョブの実行が一時停止されるため、手差しトレイにセットされた用紙を確認した後に、当該手差し印刷ジョブすることができ、誤った用紙を給紙した手差し印刷ジョブの実行を防止することができる。
【0010】
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記予約印刷ジョブ記憶手段に手差し印刷ジョブの予約が記憶されると、手差し印刷ジョブが予約されていることを報知する報知手段を備えている点にある。
【0011】
上述の構成によれば、前記報知手段により既に手差し印刷ジョブが予約されていることが報知されているため、予約した手差し印刷ジョブで給紙する用紙を手差しトレイにセットしようとするオペレータにより、既に予約された手差し印刷ジョブで給紙する用紙が誤って手差しトレイから取り除かれてしまうことを防止することができる。
【0012】
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第一または第二の特徴構成に加えて、手差し用紙の確認を要求する用紙確認要求手段を備え、前記予約印刷ジョブ記憶手段に記憶された少なくとも2以上の手差し印刷ジョブの内、1の手差し印刷ジョブの実行後、次の手差し印刷ジョブの実行時に、前記印刷実行制御手段が前記予約印刷ジョブ実行手段による前記次の手差し印刷ジョブの実行を一時停止し、前記用紙確認要求手段が手差し用紙の確認を要求する点にある。
【0013】
画像形成装置の印刷ジョブ実行にあたって、例えば、用紙厚に合わせた定着温度の設定やトナー像の転写に係るバイアス電圧値の設定等、装置内部では当該印刷ジョブで給紙される用紙に合わせて各部の動作が設定されており、設定と異なる用紙が給紙されると前記画像形成装置は思わぬ故障を生じる虞があり、故障が生じると印刷ジョブの効率的な実行に著しい悪影響を及ぼす。
【0014】
上述の構成によれば、前記次の手差し印刷ジョブに対応した用紙が手差しトレイにセットされていることを確認して当該次の手差し印刷ジョブを実行することができるため、対応した用紙を給紙することができると共に、装置の予期しない故障を防止し、手差し印刷ジョブを効率的に実行することができる。
【0015】
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記予約印刷ジョブ記憶手段に記憶された手差し印刷ジョブに対応する手差し用紙の用紙情報を前記手差し印刷ジョブと関連付けて記憶する一時記憶手段を備え、前記予約印刷ジョブ記憶手段に記憶された少なくとも2以上の手差し印刷ジョブの内、1の手差し印刷ジョブと次の手差し印刷ジョブの夫々に対応する、前記一時記憶手段に記憶された用紙情報が同一であり、前記1の手差し印刷ジョブの実行後、前記次の手差し印刷ジョブの実行時までに、前記手差し用紙検出手段が手差しトレイから手差し用紙が取り除かれたことを検出しなかったときには、前記印刷実行制御手段は前記予約印刷ジョブ実行手段による前記次の手差し印刷ジョブを一時停止することなく実行する点にある。
【0016】
予約された印刷ジョブの内、手差し印刷ジョブとして連続する複数の印刷ジョブで給紙する用紙が同一であるとき、前記連続する複数の手差し印刷ジョブの1が実行された後、手差しトレイにセットされた用紙の入れ替えが生じなければ、次の手差し印刷ジョブの実行において、オペレータによる用紙の確認を待つ必要はない。
【0017】
上述の構成によれば、手差しトレイにセットされた用紙の確認が不要な手差し印刷ジョブにおいては一時停止することなく実行するため、効率的に手差し印刷ジョブを実行することができる。
【0018】
同第五の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述の第四の特徴構成に加えて、前記予約印刷ジョブ記憶手段に記憶された3以上の手差し印刷ジョブの内、1の手差し印刷ジョブの実行後、前記印刷実行制御手段は、前記1の手差し印刷ジョブに対応する用紙情報と同一の用紙情報が前記一時記憶手段に記憶された手差し印刷ジョブを、前記予約印刷ジョブ実行手段に優先して実行させる点にある。
【0019】
上述の構成によれば、手差しトレイに十分な用紙をセットしていれば、前記用紙に対応した複数の手差し印刷ジョブを連続して実行することができるため、手差しトレイにセットする用紙の入れ替えに要する時間を省き、効率的に手差し印刷ジョブを実行することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明した通り、本発明によれば、予約ジョブとして受付けた、手差しトレイにセットした用紙を給紙する手差し印刷ジョブを効率的に実行することができる画像形成装置を提供することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を適用した画像形成装置の一例であるプリンタについて説明する。
【0022】
プリンタ1は、図2に示すように、複数の端末PCとネットワークLANを介して接続され、前記端末PCからの印刷ジョブ、つまりプリントジョブを受信し、これを実行するように構成されている。また、該プリンタ1は、あるプリントジョブの実行中においては、新たに受信したプリントジョブを予約印刷ジョブとして記憶し、実行中のプリントジョブの終了後に、前記予約印刷ジョブを順次実行するように構成されている。ここで、前記プリントジョブの実行中とは、実際に画像形成を行っているとき以外にも、当該プリントジョブ実行中における用紙切れなどによる待機などの一時停止状態も含むものである。
【0023】
該プリンタ1は、図3に示すように、ネットワークLANを介して、端末PCからのプリントジョブを受信するデータ受信部10と、記録媒体である用紙に前記プリントジョブに基づき印刷を実行して排紙トレイ11へ排出する画像形成部12と、用紙格納トレイ13または手差しトレイ14にセットした用紙を前記画像形成部12に搬送する搬送ローラ等からなる搬送部15と、液晶画面等により構成された液晶表示部と印刷実行を中止するストップキーや印刷実行を開始するスタートキー等のハードウェアキーからなる操作部16と、前記各部を統括制御するシステム制御部17等を備えて構成されている。
【0024】
前記データ受信部10は、端末PCから受信したプリントジョブをシステム制御部17に出力する。ここで、前記プリントジョブは、ビットマップデータまたはページ記述言語(PDL:Page Description Language)等からなる印字データと、当該印字データに基づき印刷を実行する際の給紙元情報や印字枚数等からなる印字制御データから構成される。
【0025】
前記画像形成部12は、システム制御部17からの制御を受け、端末PCから受信したプリントジョブの印字データに基づいて感光体120aにトナー画像を形成し、搬送された用紙に前記トナー画像を転写するトナー画像形成部120と、前記トナー画像を加熱して前記用紙に定着させる定着部121と、トナー画像が定着された用紙を排出する排出部122等から構成されている。
【0026】
前記手差しトレイ14は、該プリンタ1の側面に設置され、図4に示すように、用紙の搬送方向と平行方向の手差しトレイの中心線から等間隔で左右に配置され、用紙を挟み込む用紙ガイド140と、接触型センサからなり、用紙の有無を検出してシステム制御部17に出力する手差し用紙検出手段141とを備え、A3やB5や葉書などの様々な用紙サイズや、厚手やOHPや光沢紙などの様々な用紙種別の用紙を載置可能に構成されている。
【0027】
前記用紙ガイド140は、手差しトレイ14上に載置する用紙の搬送方向と垂直方向に動作可能に構成され、オペレータは前記用紙ガイド140で挟みこんで用紙の横方向の載置位置を設定し、用紙先端を該プリンタ1に接触させて縦方向の載置位置を設定する。前記用紙ガイド140の位置情報はシステム制御部17に出力され、前記システム制御部17は前記用紙ガイド140位置情報より手差しトレイ14に載置された用紙の用紙サイズを検出することができる。また、前記手差し用紙検出手段141は接触型センサに限定するものではなく、反射型の光センサなどにより構成されるなど、用紙の有無が検出可能なものであればよい。
【0028】
前記システム制御部17は、所定の制御プログラムに基づいて各部の制御を行うCPUと、前記制御プログラムが格納されたROMと、作業領域等として使用されるRAM等を備え、これらが協働して前記データ受信部10から出力されたプリントジョブを前記画像形成部12に実行させる。詳述すると、システム制御部17は、前記プリントジョブを解析して、印字データと印字制御データに分割し、前記印字制御データに基づき前記画像形成部12を制御し、前記画像形成部12に前記印字データに基づく印刷を実行させる。
【0029】
前記システム制御部17は、本発明に係る機能ブロックとして、図1に示すように、データ受信部10から出力されたプリントジョブの予約を記憶する予約印刷ジョブ記憶手段171と、前記プリントジョブを解析して前記予約印刷ジョブ記憶手段171に記憶させるプリントジョブ解析手段170と、画像形成部12によるプリントジョブの実行を制御する印刷実行制御手段174と、操作部16の備える、液晶表示部にプリントジョブの実行状態などを表示させると共に、ハードウェアキーに対する操作入力を検出する操作部制御手段175とを備える。
【0030】
前記予約印刷ジョブ記憶手段171は、プリントジョブの印字制御データを記憶する印字制御データ記憶手段172と、プリントジョブの印字データを記憶する印字データ記憶手段173から構成され、夫々が同一のプリントジョブに対応する印字制御データと印字データとを関連付けて記憶することで、前記予約印刷ジョブ記憶手段171にプリントジョブが記憶される。
【0031】
前記プリントジョブ解析手段170は、端末PCから送信され、ネットワークLANを介してデータ受信部10が受信したプリントジョブを解析して、印字制御データと印字データに分割し、前記プリントジョブが入力された順序で、前記印字制御データを前記印字制御データ記憶手段172に、前記印字データを前記印字データ記憶手段173に、夫々記憶させる。
【0032】
前記印字制御データは、対応するプリントジョブにおける印刷枚数など情報に加え、用紙格納トレイ13と手差しトレイ14の何れから用紙を供給するのか等の用紙情報などから構成されている。手差しトレイ14から給紙を行うプリントジョブ(以下、「手差し印刷ジョブ」と記載する)についての用紙情報には、用紙の種別や用紙の厚さ等の情報が含まれている。つまり、前記印字制御データ記憶手段172は、本発明における一時記憶手段であり、手差し印刷ジョブで給紙する用紙の用紙情報を前記手差し印刷ジョブと関連付けて記憶する。換言すると、前記印字制御データ記憶手段172に記憶された印字制御データの用紙情報に用紙種別や用紙の厚さ等の情報が含まれているとき、予約印刷ジョブ記憶手段171には前記用紙情報に対応する用紙を給紙する手差し印刷ジョブが予約されている。
【0033】
前記操作部制御手段175は、前記予約印刷ジョブ記憶手段171に手差し印刷ジョブの予約が記憶されると、手差し印刷ジョブが予約されていることを報知する。即ち、前記操作部制御手段175は本発明における報知手段である。
【0034】
詳述すると、操作部制御手段175は、前記印字制御データ記憶手段172に記憶された印字制御データの用紙情報を監視し、手差し印刷ジョブの印字制御データが記憶されると、言い換えると、予約印刷ジョブ記憶手段171に手差し印刷ジョブの予約が記憶されると、前記予約印刷ジョブ記憶手段171に手差し印刷ジョブが予約されていることを前記操作部16の液晶表示部に表示させる。
【0035】
前記印刷実行制御手段174は、前記画像形成部12を制御して、前記印字制御データ記憶手段172に記憶された印字制御データの順序に基づき、前記予約印刷ジョブ記憶手段171に対応するプリントジョブを順次実行させる。つまり、前記画像形成部12は、本発明における予約印刷ジョブ実行手段であり、前記予約印刷ジョブ記憶手段171に記憶されたプリントジョブを順次実行する。
【0036】
ここで、予約印刷ジョブ記憶手段171に予約されたプリントジョブは、前述のように手差し印刷ジョブと、それ以外の印刷ジョブに分けられ、手差し印刷ジョブの実行にあたっては、前記手差し印刷ジョブで給紙する用紙が手差しトレイ14に載置されている必要がある。そこで、予約印刷ジョブ記憶手段171に予約された手差し印刷ジョブは、以下の複数の制御に基づいて実行される。
【0037】
第一制御について、図5に示すフローチャートを用いて説明すると、プリントジョブ解析手段170はデータ受信部10からプリントジョブを受け取ると(SA1)、該プリントジョブを予約印刷ジョブ記憶手段171に記憶し(SA2)、該プリントジョブが手差し印刷ジョブであるときには(SA3)、操作部制御手段175は、操作部16の液晶表示部に手差し印刷ジョブが記憶されたことを表示させる(SA4)。
【0038】
第二制御について、図6に示すフローチャートを用いて説明すると、予約印刷ジョブ記憶手段171に記憶された手差し印刷ジョブの実行時に(SB1)、印刷実行制御手段174は、手差しトレイ14の手差し用紙検出手段141から用紙の有無と、用紙があるときには用紙ガイド140の位置情報から載置された用紙サイズとを検出して(SB2)、検出した用紙サイズが前記手差し印刷ジョブで給紙する用紙サイズと一致するときには(SB3)、該手差し印刷ジョブを画像形成部12に実行させ(SB7)、検出した用紙サイズが前記手差し印刷ジョブで給紙する用紙サイズと異なるときには(SB3)、画像形成部12による前記手差し印刷ジョブの実行を一時停止させ(SB4)、前記操作部制御手段175に要求して前記手差し印刷ジョブに対応した用紙を手差しトレイに載置するように促す画面を前記操作部16の液晶表示部に表示させる(SB5)。
【0039】
前記画面を見て、オペレータが対応する用紙を載置し、前記操作部16のハードウェアキーを操作して前記手差し印刷ジョブの実行を許可すると(SB6)、これを検出した前記操作部制御手段175からの出力を受けて、前記印刷実行制御手段174は前記画像形成部12に前記手差し印刷ジョブを実行させる(SB7)。
【0040】
ここで、第二制御は、後述の第三制御から第六制御までの何れの制御においても、手差し印刷ジョブの実行において適用されるものである。
【0041】
第三制御について、図7に示すフローチャートを用いて説明すると、予約印刷ジョブ記憶手段171に手差し印刷ジョブの予約が記憶された後(SC1)、前記手差し用紙検出手段141が前記手差しトレイ14から載置された用紙(以下、「手差し用紙」と記載する)が取り除かれたことを検出すると(SC2)、前記印刷実行制御手段174は、画像形成部12による前記手差し印刷ジョブの実行を一時停止させる(SC3)。
【0042】
更に、前記印刷実行制御手段174は、前記操作部制御手段175に要求して手差し用紙が前記手差し印刷ジョブに対応しているかどうかの確認を促す画面を前記操作部16の液晶表示部に表示させる(SC4)。前記画面を見て、手差し用紙を確認したオペレータが前記操作部16のハードウェアキーを操作して前記手差し印刷ジョブの実行を許可すると(SC5)、これを検出した前記操作部制御手段175からの出力を受けて、前記印刷実行制御手段174は前記画像形成部12に前記手差し印刷ジョブの実行を再開させる(SC6)。
【0043】
第四制御について、図8に示すフローチャートを用いて説明すると、予約印刷ジョブ記憶手段171に少なくとも2以上の手差し印刷ジョブが記憶されているとき(SD1)、前記手差し印刷ジョブの内、1の手差し印刷ジョブの実行後(SD2)、次の手差し印刷ジョブの実行時に(SD3)、前記印刷実行制御手段174が前記画像形成部12による該次の手差し印刷ジョブの実行を一時停止する(SD4)。
【0044】
更に、前記印刷実行制御手段174は、前記操作部制御手段175に要求して手差し用紙が前記手差し印刷ジョブに対応しているかどうかの確認を促す画面を前記操作部16の液晶表示部に表示させる(SD5)。つまり、前記操作部制御手段175は、本発明における用紙確認要求手段であり、前記操作部16の液晶表示部を介して、手差し用紙の確認を要求する。
【0045】
前記画面を見て、手差し用紙を確認したオペレータが前記操作部16のハードウェアキーを操作して前記手差し印刷ジョブの実行を許可すると(SD6)、これを検出した前記操作部制御手段175からの出力を受けて、前記印刷実行制御手段174は前記画像形成部12に前記手差し印刷ジョブの実行を再開させる(SD7)。
【0046】
第五制御について、図9に示すフローチャートを用いて説明すると、前記予約印刷ジョブ記憶手段171に少なくとも2以上の手差し印刷ジョブが記憶されており(SE1)、前記手差し印刷ジョブの内、1の手差し印刷ジョブと次の手差し印刷ジョブの夫々に対応する、前記印字制御データ記憶手段173に記憶された用紙情報が同一でなければ(SE2)、前記第四制御を行う(SE3)。
【0047】
前記印字制御データ記憶手段173に記憶された用紙情報が同一であるとき(SE2)、前記1の手差し印刷ジョブの実行後(SE4)、前記次の手差し印刷ジョブの実行時までに(SE6)、前記手差し用紙検出手段141が手差しトレイ14から手差し用紙が取り除かれたことを検出しなかったときには(SE5)、前記印刷実行制御手段171は前記画像形成部12による前記次の手差し印刷ジョブを一時停止することなく実行させ(SE6)、前記手差し用紙検出手段141が手差しトレイ14から手差し用紙が取り除かれたことを検出したときには(SE5)、前記第三制御を行う(SE7)。
【0048】
第六制御について、図10に示すフローチャートを用いて説明すると、前記予約印刷ジョブ記憶手段171に3以上の手差し印刷ジョブが記憶されており(SF1)、前記手差し印刷ジョブの内、1の手差し印刷ジョブの実行後(SF2)、前記1の手差し印刷ジョブに対応する用紙情報と同一の用紙情報が前記印字制御データ記憶手段173に記憶された手差し印刷ジョブがあるときには(SF3)、前記印刷実行制御手段174は、前記用紙情報が同一の手差し印刷ジョブを、前記画像形成部12に優先して実行させ(SF4)、前記1の手差し印刷ジョブに対応する用紙情報と同一の用紙情報が前記印字制御データ記憶手段173に記憶された手差し印刷ジョブがないときには(SF3)、前記第四制御を行う(SF5)。
【0049】
ところで、予約印刷ジョブ記憶手段171に予約された手差し印刷ジョブの実行制御については、前記第一制御から前記第六制御までの全てを実行する必要はなく、少なくとも前記第二制御と前記第三制御は必ず実行し、これらと、前記第一制御と前記第四制御と前記第五制御と前記第六制御の何れか1つまたは組み合わせと、を組み合わせて実行すればよい。
【0050】
以下に、別実施形態について説明する。
【0051】
上述の実施形態では、予約印刷ジョブ記憶手段171に手差し印刷ジョブが予約されたとき、操作部制御手段175が操作部16の液晶表示部に、手差し印刷ジョブが予約されたことを表示する構成としたが、データ受信部10に端末PCへ手差し印刷ジョブが予約されたことを送信するデータ送信手段を備え、前記データ受信部10が、各端末PCに手差し印刷ジョブが予約されたことを送信して報知する、本発明における報知手段として動作するように構成するものであってもよい。
【0052】
上述の実施形態では、予約印刷ジョブ記憶手段171は印刷制御データ記憶手段172と印刷データ記憶手段173とにより構成され、前記印刷制御データ記憶手段172にプリントジョブの用紙情報を含む印刷制御データを記憶する構成としたが、予約印刷ジョブ記憶手段171は単独で構成されるものであってもよい。このとき、前記予約印刷ジョブ記憶手段171は、本発明における一時記憶手段として動作する。
【0053】
上述した実施形態は共に単独で構成されるものばかりではなく、本発明による作用効果を奏する範囲において適宜組み合わせるも可能である。
【0054】
上述した実施形態は何れも本発明の一実施例に過ぎず、当該記載により本発明の範囲が限定されるものではなく、各部の具体的構成は本発明による作用効果を奏する範囲において適宜変更することができることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】システム制御部の機能ブロック構成図
【図2】プリンタと端末とネットワークの説明図
【図3】プリンタの説明図
【図4】手差しトレイの説明に用いる図
【図5】手差し印刷ジョブの実行制御の説明に用いるフローチャート
【図6】手差し印刷ジョブの実行制御の説明に用いるフローチャート
【図7】手差し印刷ジョブの実行制御の説明に用いるフローチャート
【図8】手差し印刷ジョブの実行制御の説明に用いるフローチャート
【図9】手差し印刷ジョブの実行制御の説明に用いるフローチャート
【図10】手差し印刷ジョブの実行制御の説明に用いるフローチャート
【符号の説明】
【0056】
10:データ受信部
12:予約印刷ジョブ実行手段(画像形成部)
14:手差しトレイ
16:操作部
17:システム制御部
141:手差し用紙検出手段
170:プリントジョブ解析手段
171:予約印刷ジョブ記憶手段
172:一時記憶手段(印刷制御データ記憶手段)
174:印刷実行制御手段
175:報知手段と用紙確認要求手段(操作部制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手差しトレイと、前記手差しトレイの用紙の有無を検出する手差し用紙検出手段と、印刷ジョブの予約を記憶する予約印刷ジョブ記憶手段と、予約印刷ジョブ記憶手段に記憶された印刷ジョブを順次実行する予約印刷ジョブ実行手段とを備えた画像形成装置であって、
前記予約印刷ジョブ記憶手段に手差し印刷ジョブの予約が記憶された後、前記手差し用紙検出手段が前記手差しトレイから手差し用紙が取り除かれたことを検出すると、予約印刷ジョブ実行手段による前記手差し印刷ジョブの実行を一時停止する印刷実行制御手段を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記予約印刷ジョブ記憶手段に手差し印刷ジョブの予約が記憶されると、手差し印刷ジョブが予約されていることを報知する報知手段を備えた請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
手差し用紙の確認を要求する用紙確認要求手段を備え、
前記予約印刷ジョブ記憶手段に記憶された少なくとも2以上の手差し印刷ジョブの内、1の手差し印刷ジョブの実行後、次の手差し印刷ジョブの実行時に、前記印刷実行制御手段が前記予約印刷ジョブ実行手段による前記次の手差し印刷ジョブの実行を一時停止し、前記用紙確認要求手段が手差し用紙の確認を要求する請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記予約印刷ジョブ記憶手段に記憶された手差し印刷ジョブに対応する手差し用紙の用紙情報を前記手差し印刷ジョブと関連付けて記憶する一時記憶手段を備え、
前記予約印刷ジョブ記憶手段に記憶された少なくとも2以上の手差し印刷ジョブの内、1の手差し印刷ジョブと次の手差し印刷ジョブの夫々に対応する、前記一時記憶手段に記憶された用紙情報が同一であり、前記1の手差し印刷ジョブの実行後、前記次の手差し印刷ジョブの実行時までに、前記手差し用紙検出手段が手差しトレイから手差し用紙が取り除かれたことを検出しなかったときには、前記印刷実行制御手段は前記予約印刷ジョブ実行手段による前記次の手差し印刷ジョブを一時停止することなく実行する請求項1から3の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記予約印刷ジョブ記憶手段に記憶された3以上の手差し印刷ジョブの内、1の手差し印刷ジョブの実行後、前記印刷実行制御手段は、前記1の手差し印刷ジョブに対応する用紙情報と同一の用紙情報が前記一時記憶手段に記憶された手差し印刷ジョブを、前記予約印刷ジョブ実行手段に優先して実行させる請求項4記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−105770(P2008−105770A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−287989(P2006−287989)
【出願日】平成18年10月23日(2006.10.23)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】