説明

画像形成装置

【課題】警告表示の仕方を改善することによって、ユーザによる使用感や使い勝手を向上させた画像形成装置を提供すること。
【解決手段】画像形成装置は、表示部に警告表示が表示されている最中に、その警告表示の対象である消耗品の使用を伴う動作を実行する機能が実行機能指定手段により指定された場合には、表示部の表示内容は警告表示のままであり、実行機能指定手段により指定された1の機能に応じた情報に切り換えられることはない。そのため、ユーザが消耗品の残量不足によって使用できない機能を実行する可能性があると判断された場合に表示切換を禁止することで、動作実行指示手段による動作の実行指示を与える機会が失われるので、警告表示に対する煩わしさ等を軽減でき、かつ、警告表示が必要である場合には、確実に警告表示がされる。その結果、操作の快適性を向上させることができ、ユーザによる使用感や使い勝手を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消耗品の使用を伴う動作を実行する機能を含む複数の機能を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、色トナー又はブラックトナーなどの記録材を使用し、記録媒体上にカラー又はモノクロ画像を形成する画像形成装置が多く知られている(例えば、特許文献1参照)。かかる画像形成装置で使用される記録材は消耗品であり、記録材の残量が無くなった場合に画像形成が不可能となる。そこで、記録材の残量が無くなったことが検出された場合には、その旨を警告表示する。
【0003】
例えば、特許文献1には、イエローのトナー無しが検出された場合に、「イエロートナーがありません」というメッセージ(警告表示)を操作画面に表示する画像形成装置が開示されている。また、この特許文献1には、イエローのトナー無しが検出された場合に、上記メッセージと共に、「モノクロでコピーできます」というメッセージが操作画面に表示されることも記載されている。
【特許文献1】特開平2001−83750号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザが使用を所望する機能を実行する上で不必要な消耗品の残量不足によって警告表示が表示された場合には、ユーザはかかる警告表示に煩わしさを感じる等、操作の快適性が損なわれるという問題点があった。例えば、カラー印刷を所望するユーザにとって、色トナーが無い旨の警告表示は必要であるが、カラー印刷ではなくモノクロ印刷を所望するユーザは、色トナーが無い旨の警告表示をしばしば煩わしく思うことがある。
【0005】
特に、画像形成装置によっては、配置スペースの関係上などの理由で1行又は2行テキストのみ表示可能な小型の表示画面を採用しているものがある。かかる小型の表示画面に警告表示が表示された場合には、他の情報の表示ができなくなる。そのため、小型の表示画面を採用する画像形成装置を使用するユーザは、不要な警告表示が表示される毎に、その警告表示を一層煩わしく感じる傾向にある。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、警告表示の仕方を改善することによって、ユーザによる使用感や使い勝手を向上させた画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、請求項1記載の画像形成装置は、消耗品の使用を伴う動作を実行する機能を含む複数の機能を有し、表示部を備えたものであって、前記複数の機能から1の機能を指定する実行機能指定手段と、その実行機能指定手段により1の機能が指定された場合に、前記表示部の表示内容を、前記指定された1の機能に応じた情報に切り換える表示切換手段と、その表示切換手段による切り換えの結果として前記表示部に表示されている情報に応じた動作の実行を指示する動作実行指示手段と、前記消耗品の残量を検出する残量検出手段と、その残量検出手段により検出された前記消耗品の残量が予め規定されている所定量以下である場合に、前記表示部に警告表示を表示する警告表示実行手段と、前記実行機能指定手段により指定された1の機能が、前記警告表示の対象である消耗品の使用を伴う動作を実行するものであるかを判断する機能判断手段と、前記警告表示実行手段による前記表示部への警告表示の表示中に、前記実行機能指定手段により1の機能が指定され、前記機能判断手段により1の機能が前記警告表示の対象である消耗品の使用を伴う動作を実行するものであると判断された場合には、前記表示切換手段による前記表示部の表示の切り換えを禁止する表示切換禁止手段とを備えている。
【0008】
請求項2記載の画像形成装置は、請求項1記載の画像形成装置であって、複数の識別情報と、その識別情報に対して前記複数の機能の中で使用を許可する機能と、を対応付けて記憶する使用制限記憶手段を備え、前記実行機能指定手段により指定される機能が、前記使用制限記憶手段により記憶される複数の識別情報のうちの1つを選択して設定する機能であり、前記機能判断手段は、前記実行機能指定手段により設定された識別情報に対応する使用を許可する機能の中に、前記警告表示の対象である消耗品を使用する機能が含まれている場合に、前記警告表示の対象である消耗品の使用を伴う動作を実行するものであると判断する。
【0009】
請求項3記載の画像形成装置は、請求項2記載の画像形成装置であって、前記複数の識別情報のうちの1つが設定されている状態において、前記警告表示実行手段による前記表示部への警告表示の表示中に、前記実行機能指定手段により前記識別情報の設定以外の機能が指定された場合に、前記機能判断手段は、前記指定された1の機能が前記警告表示の対象である消耗品の使用を伴う動作を実行するものであるかを判断する。
【0010】
請求項4記載の画像形成装置は、請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記実行機能指定手段により指定された1の機能に応じた情報に含まれる設定値を変更する設定値変更手段を備え、前記表示切換手段は、前記設定値変更手段により設定値が変更された場合に、前記表示部の表示内容を、変更した設定値に応じた情報に切り換え、前記表示切換禁止手段は、前記設定値変更手段により変更された設定値における前記実行機能指定手段により指定された1の機能の実行が、前記警告表示の対象である消耗品の使用を伴う場合に、前記表示切換手段による前記表示部の表示の切り換えを禁止する。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の画像形成装置によれば、消耗品の使用を伴う動作を実行する機能を含む複数の機能の中から1の機能が、実行機能指定手段により指定された場合に、表示切換手段により、表示部の表示内容が、指定された1の機能に応じた情報に切り換えられる。ここで、表示切換手段による切り換えの結果として表示部に表示されている情報に応じた動作の実行が動作実行指示手段により指示されると、かかる指示された動作の実行が行われる。
【0012】
その一方で、残量検出手段により検出された消耗品の残量が予め規定されている所定量以下である場合には、警告表示実行手段により、表示部に警告表示が表示される。そのように警告表示実行手段により表示部に警告表示が表示されている場合に、1の機能が実行機能指定手段により指定され、かかる1の機能が警告表示の対象である消耗品の使用を伴う動作を実行するものであると機能判断手段により判断された場合には、表示切換禁止手段により、表示切換手段による表示部の表示の切り換えが禁止される。
【0013】
よって、表示部に警告表示が表示されている最中に、その警告表示の対象である消耗品の使用を伴う動作を実行する機能が実行機能指定手段により指定された場合には、表示切換手段による表示部の表示の切り換えが禁止される。即ち、かかる場合には、表示部の表示内容は、警告表示のままであり、実行機能指定手段により指定された1の機能に応じた情報に切り換えられることはない。
【0014】
そのため、ユーザが消耗品の残量不足によって使用できない機能を実行する可能性があると判断された場合に表示切換を禁止することで、動作実行指示手段による動作の実行指示を与える機会が失われるので、警告表示に対する煩わしさ等を軽減でき、かつ、警告表示が必要である場合には、確実に警告表示がされる。その結果、操作の快適性を向上させることができ、ユーザによる使用感や使い勝手を向上させることができるという効果がある。
【0015】
請求項2記載の画像形成装置によれば、請求項1記載の画像形成装置の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。実行機能指定手段により指定される機能が、使用制限記憶手段に記憶される複数の識別情報の中から1つの識別情報を選択して設定する機能である場合に、その実行機能指定手段により設定された識別情報に対し、使用制限記憶手段において使用を許可する機能として対応付けられている機能の中に、表示部に表示中の警告表示の対象である消耗品を使用する機能が含まれていれば、機能判断手段により、警告表示の対象である消耗品の使用を伴う動作を実行するものであると判断される。
【0016】
よって、使用制限記憶手段に記憶される複数の識別情報の中から1つの識別情報を選択して設定した場合に、設定された識別情報に対して許可されている機能の中に、警告表示されている消耗品を使用する機能がある場合には、機能判断手段による判断の結果、表示切換手段による表示部の表示の切り換えが禁止される。即ち、かかる場合には、表示部の表示内容は、警告表示のままであり、実行機能指定手段により指定された1の機能に応じた情報に切り換えられることはない。
【0017】
そのため、ユーザが消耗品の残量不足によって使用できない機能を実行する可能性があると判断された場合に表示切換を禁止することで、動作実行指示手段による動作の実行指示を与える機会が失われるので、警告表示に対する煩わしさ等を軽減でき、かつ、警告表示が必要である場合には、確実に警告表示がされる。その結果、操作の快適性を向上させることができ、ユーザによる使用感や使い勝手を向上させることができるという効果がある。
【0018】
請求項3記載の画像形成装置によれば、請求項2記載の画像形成装置の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。複数の識別情報のうちの1つが設定されている状態において、警告表示実行手段による表示部への警告表示の表示中に、実行機能指定手段により識別情報の設定以外の機能が指定された場合には、その指定された1の機能が警告表示の対象である消耗品の使用を伴う動作を実行するものであるかが機能判断手段によって判断される。
【0019】
よって、複数の識別情報のうちの1つが設定されている状態において、表示部に警告表示が表示されている最中に、実行機能指定手段により指定された識別情報の設定以外の1の機能が、機能判断手段によって、該警告表示の対象である消耗品の使用を伴う動作を実行する機能であると判断された場合には、表示切換禁止手段により、表示切換手段による表示部の表示の切り換えが禁止される。即ち、かかる場合には、表示部の表示内容は、警告表示のままであり、実行機能指定手段により指定された1の機能に応じた情報に切り換えられることはない。
【0020】
そのため、ユーザが消耗品の残量不足によって使用できない機能を実行する可能性があると判断された場合に表示切換を禁止することで、動作実行指示手段による動作の実行指示を与える機会が失われるので、警告表示に対する煩わしさ等を軽減でき、警告表示が必要である場合には、確実に警告表示がされる。その結果、操作の快適性を向上させることができ、ユーザによる使用感や使い勝手を向上させることができるという効果がある。
【0021】
請求項4記載の画像形成装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。実行機能指定手段により指定された1の機能に応じた情報に含まれる設定値が設定値変更手段により変更された場合には、表示切換手段により、表示部の表示内容が変更した設定値に応じた情報に切り換えられるが、実行機能指定手段により指定された1の機能の実行を設定値変更手段により変更された設定値で実行する上において、表示部に表示中の警告表示の対象である消耗品の使用を伴う場合には、表示切換禁止手段によって、表示切換手段による前記表示部の表示の切り換えが禁止される。
【0022】
よって、1の機能における設定値が、警告表示中の消耗品の使用を伴う設定値に変更された場合には、表示切換手段によって表示部の表示内容を変更した設定値に応じた情報に切り換えることが禁止される。即ち、かかる場合には、表示部の表示内容は、警告表示のままであり、設定値変更手段により変更された設定値に応じた情報に切り換えられることはない。
【0023】
そのため、ユーザが設定値を変更することによって、消耗品の残量不足によって使用できない機能が実行されるおそれがある場合に、設定値に応じた情報に対して、動作実行指示手段による動作の実行指示を与える機会が失われるので、警告表示に対する煩わしさ等を軽減でき、かつ、警告表示が必要である場合には確実に警告表示がされる。その結果、操作の快適性を向上させることができ、ユーザによる使用感や使い勝手を向上させることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明における一実施形態の多機能周辺装置(以下、「MFD(Multi Function Device)」と略す)1の構成を示すブロック図である。MFD1は、電話回線網100を介してファクシミリ通信を実現するファクシミリ機能(ファクシミリ送信機能及びファクシミリ受信機能)や、電話回線網100を介して音声通話を実現する音声通話機能の他に、プリント機能(カラープリント機能及びモノクロプリント機能)、コピー機能(カラーコピー機能及びモノクロコピー機能)、及びスキャナ機能などの各種の機能を1台に備えた装置である。また、本実施形態のMFD1は、ユーザロック機能をさらに備えており、かかるユーザロック機能により、ログインしたユーザ毎に使用可能な機能を制限することができるように構成されている。
【0025】
図1に示すように、MFD1は、MFD1全体の動作を制御するCPU12と、そのCPU12により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するものであって、後述するユーザ使用機能制限テーブル14aを備えるROM14と、CPU12により実行される各種処理に必要なデータやプログラム等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM16と、画像メモリ18と、スキャナ部22と、プリンタ部24と、シアンインク残量センサ52と、マゼンタインク残量センサ54と、イエローインク残量センサ56と、ブラックインク残量センサ58と、普通紙残量センサ62と、光沢紙残量センサ64と、モデム26と、回線制御部28と、MFD1の本体部から取り外し可能であり、音声通話機能において送話及び受話するために使用される送受話器30と、操作入力キー34及びLCD(Liquid Crystal Display)36を含む操作パネル部32と、スピーカ及びそのスピーカを駆動する駆動回路から構成されるスピーカ部38と、パーソナルコンピュータなどの外部制御装置との接続を可能とするインターフェイスであるホストI/F42とを備えている。
【0026】
このうち、CPU12と、ROM14と、RAM16と、画像メモリ18と、スキャナ部22と、プリンタ部24と、シアンインク残量センサ52と、マゼンタインク残量センサ54と、イエローインク残量センサ56と、ブラックインク残量センサ58と、普通紙残量センサ62と、光沢紙残量センサ64と、モデム26と、回線制御部28と、操作部34と、LCD36と、スピーカ部38と、ホストI/F42と、USBI/F44とは、バスライン46を介して互いに接続されている。なお、回線制御部28と、モデム26又は送受話器30とは、後述する伝送経路によって接続されている。
【0027】
図1に示すように、本実施形態のMFD1に設けられているRAM16は、カラーインクなしフラグ16aと、Kインクなしフラグ16bと、普通紙なしフラグ16cと、光沢紙なしフラグ16dとを備えている。
【0028】
カラーインクなしフラグ16aは、カラーインクの残量があるか否かを示すフラグである。カラーインクなしフラグ16aがオンされていれば、カラーインクの残量がないことを示し、オフであれば、カラーインクの残量があることを示す。なお、本明細書において用語「カラーインク」は、モノクロ印刷を可能とするブラックインクを除くインクを示している。
【0029】
このカラーインクなしフラグ16aは、MFD1への電源の投入によって初期化(オフ)された後、後述する初期画面表示処理(図5参照)やインク残量エラー表示処理(図9参照)において、シアンインク、マゼンタインク、又はイエローインクのうちの少なくとも1色が残量なしと検出された場合にオンされる。なお、本明細書中において、センサによって検出される「残量なし」とは、残量がゼロであることを意図するものではなく、残量が予め規定された量以下であることを意図するものである。
【0030】
Kインクなしフラグ16bは、ブラックインクの残量があるか否かを示すフラグである。Kインクなしフラグ16bがオンされていれば、ブラックインクの残量がないことを示し、オフであれば、ブラックインクの残量があることを示す。このKインクなしフラグ16bは、MFD1への電源の投入によって初期化(オフ)された後、後述する初期画面表示処理(図5参照)やインク残量エラー表示処理(図9参照)において、ブラックインクが残量なしと検出された場合にオンされる。
【0031】
普通紙なしフラグ16cおよび光沢紙なしフラグ16dは、それぞれ、普通紙用の給紙トレイ(図示せず)に収容されている普通紙の残量があるか否か、および、光沢紙用の給紙トレイ(図示せず)に収容されている光沢紙の残量があるか否かを示すフラグである。普通紙なしフラグ16cがオンされていれば、普通紙の残量がないことを示し、オフであれば、普通紙の残量があることを示す。同様に、光沢紙なしフラグ16dがオンされていれば、光沢紙の残量がないことを示し、オフであれば、普通紙の残量があることを示す。この普通紙なしフラグ16cおよび光沢紙なしフラグ16dは、いずれも、後述する記録紙量検出処理(図11参照)において、かかる処理の初めに一旦初期化(オフ)された後、これらの記録紙の少なくとも一方が残量なしと検出された場合に対応するフラグ16c,16dがオンされる。
【0032】
画像メモリ18は、大容量メモリであるダイナミックRAM(DRAM)におり構成されるものである。相手側装置から電話回線網100を介して受信したファクシミリデータに基づいて生成されたイメージデータや、MFD1がファクシミリとして機能する場合に、スキャナ部22による読み取りによって生成されたイメージデータは、この画像メモリ18に一旦格納される。なお、ファクシミリの受信時に画像メモリ18に格納されたイメージデータは、かかるイメージデータがプリンタ部24によって記録紙に印刷されると消去され、ファクシミリの送信時に画像メモリ18に格納されたイメージデータは、かかるイメージデータから生成されたファクシミリデータが電話回線網100を介して相手側装置へ送信されると消去される。
【0033】
スキャナ部22は、CPU12からの指示に基づいて、所定の読取位置(図示せず)にセットされた原稿から画像の読み取りを行うと共に、この画像のイメージデータを生成するためのものであり、画像読み取り用のセンサ(図示せず)を備えている。
【0034】
プリンタ部24は、CPU12からの指示に基づいて、所定の給紙位置(図示せず)にセットされた記録紙への印刷を行うためのインクジェット方式のプリンタで構成され、記録紙を搬送する記録紙搬送用モータ(図示せず)と、記録紙へインクを吐出する印字ヘッド(図示せず)と、その印字ヘッドを搭載したキャリッジ(図示せず)を移動させるキャリッジモータ(図示せず)とを備えている。
【0035】
また、プリンタ部24は、印字ヘッド(図示せず)へ供給されるインクの充填されたインクカートリッジを装着するインクカートリッジ装着部(図示せず)を備えている。4色のインク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)を使用する構成の本実施形態のMFD1におけるインクカートリッジ装着部は、各色のインクを充填した4種類のインクカートリッジがそれぞれ独立して着脱できるように構成されている。
【0036】
さらに、プリンタ部24は、記録紙を収容する給紙トレイ(図示せず)を備えている。本実施形態のMFD1は、普通紙を専用に収容する普通紙用の給紙トレイと、光沢紙を専用に収容する光沢紙用の給紙トレイとを有している。
【0037】
シアンインク残量センサ52、マゼンタインク残量センサ54、イエローインク残量センサ56、及びブラックインク残量センサ54は、それぞれ、インクカートリッジ装着部に装着されている対応インク用のインクカートリッジ内のインク残量を検出するセンサである。これらの残量センサ52,54,56,58は、いずれも、赤外光を発光する発光部(図示せず)と、反射赤外光を受光する受光部(図示せず)とから構成される光学的センサであって、発光部から赤外光をインクカートリッジの光透過部分における所定位置へ入射し、その反射光を受光部によって受光し、受光した反射光の光量に基づいてインクの有無を検出するものである。
【0038】
普通紙残量センサ62及び光沢紙残量センサ64は、それぞれ、普通紙用の給紙トレイ(図示せず)内にセットされた普通紙の残量と、光沢紙用の給紙トレイ(図示せず)内にセットされた光沢紙の残量を検出するリミット式センサである。
【0039】
モデム26は、CPU12からの指示に基づいて、スキャナ部22で生成されたイメージデータを変調して、回線制御部28を介して電話回線網100に伝送可能な画像信号を生成したり、電話回線100から回線制御部28を介して入力された画像信号をイメージデータに復調するものである。
【0040】
回線制御部28は、電話回線網100からの各種信号の入力と、電話回線網100への信号の出力を行うと共に、CPU12からの指示に基づいて、電話回線網100との間で入出力する信号の伝送先及び伝送元となる伝送経路を設定する。この「伝送経路」としては、操作部34により画像を送信する(ファクシミリデータを送信する)ための操作が行われる際、又は、電話回線網100から画像信号を受信した(ファクシミリデータを受信した)際に設定されるモデム26へ向かう経路が挙げられる。このようにモデム26へ向かう経路が設定されると、かかる経路を画像信号が伝達可能な状態となる。一方で、この設定された伝送経路は、モデム26による画像信号の出力が終了した際、又は、電話回線100からの画像信号の入力が終了した際に解除され、この経路を画像信号が伝送されない状態となる。また、別の伝送経路としては、送受話器30をMFD1の本体部から取り外す操作(オフフック操作)が行われた際に設定される回線制御部28から送受話器30へ向かう経路がある。このように回線制御部28から送受話器30へ向かう経路が設定されると、かかる経路を音声信号が伝送可能な状態となる。こうして設定された伝送経路は、送受話器30をMFD1の本体部に戻す操作(オンフック操作)が行われた際に解除され、この経路を音声信号が伝送されない状態となる。
【0041】
図2は、操作パネル部32を示す模式図である。この操作パネル部32は、MFD1におけるマンインターフェイスであり、ユーザはこの操作パネル部32を介してMFD1に各種機能を実行させることができる。
【0042】
図2に示すように、操作パネル32には、操作者の操作(押下)によってMFD1に操作指示を与えることのできる複数の操作入力キー34が各部に設けられており、MFD1における各種情報を表示する1行表示タイプのLCD36が左上部に設けられている。
【0043】
本実施形態のMFD1には、図2に示すように、文字又は数字を入力するためのテンキーや、元画像に対する印刷画像を拡大又は縮小を指示するための拡大/縮小キーや、決定を指示するための決定キーや、各種処理や動作を開始するためのスタートキーや、実行中の処理又は動作をキャンセルするためのキャンセルキーが、複数の操作入力キー34として操作パネル32上に配設されている。
【0044】
また、本実施形態におけるMFD1の操作パネル32には、上記したキー以外の操作入力キー34として、5つのキーから構成される機能キー71と、カラーキー72と、画質キー73とが配設されている。
【0045】
機能キー71は、MFD1の実行する機能を指示するキーであり、スキャン機能の実行を指示するSCANキーと、ファクシミリ機能の実行を指示するFAXキーと、コピー機能の実行を指示するCOPYキーと、プリント機能の実行を指示するPRINTキーと、ユーザロック機能に適用される設定ユーザを変更するユーザ変更機能を指示するUSERキーとから構成される。
【0046】
カラーキー72は、プリント部24による印刷の実行時にカラー印刷かモノクロ印刷かの色設定を行うキーであり、カラーキー72が押下される毎に、LCD36に「カラー印刷」又は「モノクロ印刷」の表示が交互に表示される。ユーザは所望する色設定がLCD36に表示されているときに決定キー(操作入力キー34の1つ)が押下されると、その色設定への変更が確定する。
【0047】
画質キー73は、プリント部24により印刷を行う際の画質を設定するキーであり、画質キー73が押下される毎に、LCD36に、高画質設定を示す「Fine」、標準画質設定を示す「Text」、又は自動設定を示す「Auto」の表示が順次表示される。ユーザは所望する画質設定がLCD36に表示されているときに決定キーが押下されると、その画質設定への変更が確定する。
【0048】
また、LCD36には、MFD1の状態に関する情報が表示される。例えば、MFD1がコピーレディ状態にある場合には、図2に示すように「モノクロコピー 01」の表示(レディ画面)がLCD36に表示される。また、図2に示したレディ画面の表示だけでなく、操作入力キー34に操作入力指示が入力された場合には、入力された操作指示に応じた表示文字列(例えば、「印刷中」の表示や、パラメータとして入力された数値の表示など)が表示され、インク残量不足などのエラーが生じた場合には、エラーに応じたエラー表示(例えば、「カラーインクなし」)が表示される。
【0049】
本実施形態のMFD1は、上記したようにユーザロック機能をさらに備えており、各ユーザに対して使用を許可する機能及び使用を禁止する機能は、ROM14内のユーザ使用制限テーブル14aにおいて管理されている。ここで、図3を参照して、かかるユーザ使用制限テーブル14aについて説明する。図3は、ROM14内に記憶されているユーザ使制限テーブル14aを表す模式図である。
【0050】
図3に示すように、ユーザ使用制限テーブル14aは、第1のユーザである「ユーザ0」(列14a1)、第2のユーザである「ユーザ1」(列14a2)、及び、第3のユーザである「ユーザ2」(列14a3)に対して、それぞれ、7つの機能(「ファクシミリ送信機能」、「ファクシミリ受信機能」、「モノクロコピー機能」、「カラーコピー機能」、「モノクロプリント機能」、「カラープリント機能」、及び「スキャナ機能」)に対する使用許可状態が対応付けられて記憶されている。かかるユーザ使用制限テーブル14aによれば、例えば、ユーザ0に対し、7つの機能の全てに「許可」が記憶されているので、ユーザ0のログイン中は、ユーザロック機能により、これら7つの機能を全て使用することができる。一方で、ユーザ1に対しては、カラーインクを使用しない5つの機能(ファクシミリ送信機能、ファクシミリ受信機能、モノクロコピー機能、モノクロプリント機能、及びスキャナ機能)については「許可」が記憶されているが、カラーインクを使用する2つの機能(カラーコピー機能及びカラープリント機能)について「禁止」が記憶されている。よって、ユーザ1のログイン中は、ユーザロック機能により、カラーインクを使用しない5つの機能を使用することができるが、カラーインクを使用する2つの機能は使用することができない。
【0051】
次に、図4を参照し、上記構成を有するMFD1において実行される動作について説明する。なお、図4は、MFD1のCPU12により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理は、MFD1への電源投入により起動され、電源が遮断されるまで繰り返される処理である。
【0052】
図4に示すように、このメイン処理では、まず、カラーインクなしフラグ16aやKインクなしフラグ16bの初期化(オフ)などを行う初期化処理を実行した後(S401)、LCD36への初期画面を表示する初期画面表示処理を実行し(S402)、入力操作キー34など各種キーの操作があったかを確認する(S403)。S403の処理により確認した結果、キー操作がなければ(S403:No)、S403へ戻り、キー操作があるまで待機する。
【0053】
一方で、S403の処理により確認した結果、キー操作があれば(S403:Yes)、LCD36の画面を、操作されたキーの種類に応じた画面に変更する表示画面変更処理を実行する(S404)。そして、表示画面変更処理(S404)の実行後、S403の処理へ移行し、再び、キー操作があるまで待機する。
【0054】
なお、初期画面表示処理(S402)で実行される具体的処理については、図5などを参照しつつ後述する。また、表示画面変更処理(S404)で実行される具体的処理については、図6などを参照しつつ後述する。
【0055】
次に、図5を参照して、上述したメイン処理(図4参照)の中で実行される初期画面表示処理(S402)について説明する。図5は、初期画面表示処理(S401)を示すフローチャートである。
【0056】
図5に示すように、この初期画面表示処理(S402)では、まず、シアンインク残量センサ52、マゼンタインク残量センサ54、イエローインク残量センサ56、及びブラックインク残量センサ54を用い、各インクの残量を検出し(S501)、カラーインクなしが検出されたか、即ち、シアンインク、マゼンタインク、又はイエローインクのうちの少なくとも1色が残量なしと検出されたかを確認する(S502)。
【0057】
S502の処理により確認した結果、カラーインクなしが検出された場合には(S502:Yes)、カラーインクなしフラグ16aをオンし(S503)、S504の処理へ移行する。一方で、S502の処理により確認した結果、カラーインクなしが検出されなかった場合には(S502:No)、S503の処理をスキップして、S504の処理へ移行する。
【0058】
S503の処理では、ブラックインクなしが検出されたかを確認する(S503)。S503の処理により確認した結果、ブラックインクなしが検出された場合には(S503:Yes)、Kなしフラグ16bをオンし(S505)、S506の処理へ移行する。一方で、S503の処理により確認した結果、ブラックインクなしが検出されなかった場合には(S503:No)、S505の処理をスキップして、S506の処理へ移行する。
【0059】
S506の処理では、ユーザ使用制限テーブル14aを参照し、ログイン中のユーザがカラー印刷を行う機能が許可されているか、即ち、カラーコピー機能又はカラープリント機能の少なくとも一方が許可されているかを確認する(S506)。なお、本実施形態のMFD1は、電源投入時にはユーザ0が自動的にログインされる構成となっているので、S506の処理では、ユーザ使用制限テーブル14aを参照し、ユーザ0がカラー印刷を行う機能の使用を許可されているかを確認することになる。
【0060】
S506の処理により確認した結果、ユーザ0がカラー印刷を行う機能を許可されていれば(S506:Yes)、カラーインクなしフラグ16aがオンであるかを確認し(S507)、カラーインクなしフラグ16aがオンである場合、即ち、S501の処理の結果として、シアンインク、マゼンタインク、又はイエローインクのうちの少なくとも1色が残量なしと検出されていた場合には(S507:Yes)、Kインクなしフラグ16bがオンであるかを確認する(S508)。
【0061】
S508の処理により確認した結果、Kインクなしフラグ16bがオンである場合には(S508:Yes)、カラーインクもブラックインクも残量なしであることを示すエラー表示である「カラー及びブラックインクなし」をLCD36に表示し(S509)、この初期画面表示処理(S402)を終了する。
【0062】
一方で、S508の処理により確認した結果、Kインクなしフラグ16bがオフである場合には(S508:No)、ブラックインクの残量はあるがカラーインクの残量がないことを示すエラー表示である「カラーインクなし」をLCD36に表示し(S510)、この初期画面表示処理(S402)を終了する。
【0063】
また、S507の処理により確認した結果、カラーインクなしフラグ16aがオフである場合、即ち、S501の処理の結果として、シアンインク、マゼンタインク、又はイエローインクの全てが残量ありと検出されていた場合には(S507:No)、Kインクなしフラグ16bがオンであるかを確認する(S512)。
【0064】
S512の処理により確認した結果、Kインクなしフラグ16bがオンである場合には(S512:Yes)、カラーインクの残量はあるがブラックインクの残量がないことを示すエラー表示である「ブラックインクなし」をLCD36に表示し(S513)、この初期画面表示処理(S402)を終了する。
【0065】
一方で、S512の処理により確認した結果、Kインクなしフラグ16bがオフである場合には(S512:No)、ログイン中のユーザであるユーザ0のログイン時に表示されるレディ画面をLCD36に表示し(S514)、この初期画面表示処理(S402)を終了する。
【0066】
よって、この初期画面表示処理(S402)によれば、電源投入時に自動的にログインされたユーザ0に対して、カラー印刷を行う機能が許可されている場合には、カラー印刷をするために必要とされるカラーインク及びブラックインクの残量がいずれもある場合にのみ、レディ画面がLCD36に表示され、これら4色のインクのうち、少なくとも1つが残量なし(残量不足)であった場合には、対応するエラー表示がLCD36に表示される。
【0067】
また、S506の処理により確認した結果、ユーザ0がカラー印刷を行う機能を許可されていなければ(S506:No)、ユーザ使用制限テーブル14aを参照し、ユーザ0がモノクロ印刷を行う機能が許可されているか、即ち、モノクロコピー機能、カラープリント機能、又はファクシミリ受信機能のうちの少なくとも1つの機能が許可されているかを確認する(S511)。S511の処理により確認した結果、ユーザ0がモノクロ印刷を行う機能を許可されていなければ(S511:No)、S512の処理へ移行する。
【0068】
従って、この初期画面表示処理(S402)によれば、電源投入時に自動的にログインされたユーザ0に対して、カラー印刷を行う機能が許可されていないが、モノクロ印刷を行う機能が許可されている場合には、モノクロ印刷をするために必要とされるブラックインクが残量なし(残量不足)である場合にのみ、エラー表示がLCD36に表示され、ブラックインクの残量がありさえすれば、レディ画面がLCD36に表示される。
【0069】
一方で、S511の処理により確認した結果、ユーザ0がモノクロ印刷を行う機能が許可されていない場合、即ち、カラー印刷もモノクロ印刷も行わない機能であるスキャナ機能又はファクシミリ送信機能の少なくとも一方が許可されている場合には(S511:No)、S514の処理へ移行する。
【0070】
このように、初期画面表示処理(S402)によれば、電源投入時に自動的にログインされたユーザ0に対して、カラー印刷を行う機能でもモノクロ印刷を行う機能でもない機能が許可されている場合には、4色のインクの残量とは無関係にレディ画面がLCD36に表示される。
【0071】
次に、図6を参照して、上述したメイン処理(図4参照)の中で実行される表示画面変更処理(S404)について説明する。図6は、表示画面変更処理(S404)を示すフローチャートである。
【0072】
図6に示すように、この表示画面変更処理(S404)では、まず、S403(図4参照)において操作の確認されたキーが、ユーザ変更機能の選択、即ち、USERキー(機能キー71の1つ)が操作されたかを確認する(S601)。
【0073】
S601の処理により確認した結果、ユーザ変更機能の選択がされた場合には(S601:Yes)、テンキー(入力操作キー34の一部)の操作によるユーザ名及びユーザ毎に予め設定されているパスワードが正しく入力されたかを確認し(S602)、ユーザ名及びパスワードが正しく入力されなければ(S602:No)、S602へ戻り、これらが正しく入力されるまで待機する。
【0074】
一方で、S602の処理により確認した結果、ユーザ名及びパスワードが正しく入力されていた場合には(S602:Yes)、カラーインクなしフラグ16aがオンになっているかを確認し(S603)、かかるフラグがオンになっている場合には(S603:Yes)、S604へ移行し、Kなしフラグ16bがオンになっているかを確認する(S604)。かかるフラグがオンになっている場合は(S604:Yes)、S605へ移行する。
【0075】
S605では、ログインしたユーザに対して許可されている機能はカラーインクを使用する機能を含むかが確認される。即ち、ログインしたユーザに対応する使用許可機能を、ユーザ使用制限テーブル14aから読み出し、カラーコピー機能又はカラープリント機能の少なくとも一方の機能が使用許可であるかを確認する。
【0076】
S605の処理により確認した結果、ログインしたユーザに対して許可されている機能が、カラーインクを使用する機能を含む場合には(S605:Yes)、LCD36に「カラー及びブラックインクなし」のエラー表示し(S606)、この表示画面変更処理(S404)を終了する。
【0077】
S605の処理により確認した結果、ログインしたユーザに対して許可されている機能が、カラーインクを使用する機能を含まない場合には(S605:No)、S610へ移行する。
【0078】
S604の処理により確認した結果、Kなしフラグ16bがオンでなければ(S604:No)、ユーザ使用制限テーブル14aを参照し、ログインしたユーザに対して許可されている機能が、カラーインクを使用する機能を含むか、即ち、カラーコピー機能又はカラープリント機能の少なくとも一方の機能を含むかを確認する(S607)。
【0079】
S607の処理により確認した結果、ログインしたユーザに対して許可されている機能が、カラーインクを使用する機能を含む場合には(S607:Yes)、LCD36に「カラーインクなし」のエラー表示を行い(S608)、この表示画面変更処理(S404)を終了する。
【0080】
一方で、S607の処理により確認した結果、ログインしたユーザに対して許可されている機能が、カラーインクを使用する機能を含まない場合には(S608:No)、S610へ移行する。
【0081】
S603の処理により確認した結果、カラーインクなしフラグ16aがオンでなければ(S603:No)、S609に移行し、Kなしフラグ16bがオンであるか確認する。S609の処理により確認した結果、Kなしフラグ16bがオンである場合は、S610へ移行する。
【0082】
S610では、ログインしたユーザに対して許可されている機能が、ブラックインクを使用する機能を含むか、即ち、モノクロコピー機能、カラーコピー機能、モノクロプリント機能、カラープリント機能、又はファクシミリ受信機能のうちの少なくとも1つの機能を含むかを確認する。
【0083】
S610の処理により確認した結果、ログインしたユーザに対して許可されている機能が、ブラックインクを使用する機能を含む場合には(S610:Yes)、LCD36に「ブラックインクなし」のエラー表示を行い(S611)、この表示画面変更処理(S404)を終了する。
【0084】
一方で、S610の処理により確認した結果、ログインしたユーザに対して許可されている機能が、ブラックインクを使用する機能を含まない、即ち、カラーインクもブラックインクも使わないスキャナ機能又はファクシミリ送信機能の少なくとも一方が許可されているだけであれば(S610:No)、ログインしたユーザに応じたログイン時のレディ画面をLCD36に表示する(S612)。
【0085】
また、S609の処理により確認した結果、Kトナーなしフラグ16bがオンでない場合、即ち、いずれのインクの残量も所定量以上ある場合には(S609:No)、S611の処理へ移行する。S612にて、ログインしたユーザに応じたログイン時のレディ画面をLCD36に表示すると、図7を参照しつつ後述するファクシミリ受信処理を実行し(S613)、この表示画面変更処理S404を終了する。
【0086】
また、S601の処理により確認した結果、S403(図4参照)において操作の確認されたキーが、ユーザ変更機能の選択以外を選択するキーであった場合には(S601:No)、操作されたキーに応じた処理を実行する機能実行処理を実行した後(S614)、インク残量の検出と検出結果に応じてLCD36にエラー表示を行うインク残量エラー表示処理を実行して(S615)、この表示画面変更処理(S404)を終了する。なお、機能実行処理(S614)で実行される具体的処理については、図8を参照しつつ後述し、インク残量エラー表示処理(S615)で実行される具体的処理については、図9参照しつつ後述する。
【0087】
よって、この表示画面変更処理(S404)によれば、新たなユーザがログインする際に「カラー及びブラックインクなし」のエラー表示がLCD36に表示されていた場合には、ログインした新たなユーザに対して許可されている機能の中に、カラーインク又はブラックインクを使用する機能が含まれていなければ、ログインしたユーザに応じたレディ画面がLCD36に表示される。
【0088】
しかし、ログインした新たなユーザに対して許可されている機能の中に、カラーインク又はブラックインクを使用する機能が含まれている場合には、LCD36に表示中のエラー表示がレディ画面に切り換わることなく、エラー表示が継続されることになる。そのため、レディ画面の表示後に実行可能とされる機能は、エラー表示の継続によって実行指示を与える機会が失われる。従って、機能を実行する際にかかるエラー表示(「カラー及びブラックインクなし」)が何度も繰り返して表示されることがないので、1行表示タイプのLCD36にエラー表示がされることによる煩わしさ等が軽減され、操作の快適性が向上する。
【0089】
また、カラーインクの残量が所定値以下であって、ログイン前のユーザが、カラーインクを使用する機能が許可されていない場合に、ログインすることによってカラーインクを使用する機能が許可されたユーザに変更された場合(たとえば、図3においてユーザ1からユーザ2に変更)、LCD36の表示内容が、レディ画面表示からカラーインクなしの表示にかわるため、ログインすることによって、カラーインクを使用する機能に関する動作実行を行う前に、カラーインクがないことを知ることができ、その後の動作の実行を加える制限がかかるため、操作の快適性が向上される。
【0090】
この表示画面変更処理(S404)によれば、新たなユーザがログインする際に「ブラックインクなし」のエラー表示がLCD36に表示されていた場合には、ログインした新たなユーザに対して許可されている機能の中に、ブラックインクを使用する機能(モノクロコピー機能、カラーコピー機能、モノクロプリント機能、カラープリント機能、及びファクシミリ受信機能)が含まれていなければ、ログインしたユーザに応じたレディ画面がLCD36に表示される。
【0091】
しかし、ログインした新たなユーザに対して許可されている機能の中に、ブラックインクを使用する機能が含まれている場合には、LCD36に表示中のエラー表示がレディ画面に切り換わることなく、エラー表示が継続されることになる。
そのため、レディ画面の表示後に実行可能とされる機能は、エラー表示の継続によって実行指示を与える機会が失われる。従って、機能を実行する際にかかるエラー表示(「ブラックインクなし」)が何度も繰り返して表示されることがないので、1行表示タイプのLCD36にエラー表示がされることによる煩わしさ等が軽減され、操作の快適性が向上する。
【0092】
次に、図7を参照して、上述した表示画面変更処理(図6参照)の中で実行されるファクシミリ受信処理(S613)について説明する。
【0093】
図7に示すように、このファクシミリ受信処理では、まず、ユーザ使用制限テーブル14aを参照し、ログインしたユーザがファクシミリ受信機能を許可されているかを確認する(S701)。
【0094】
S701の処理により確認した結果、ログインしたユーザがファクシミリ受信機能を許可されている場合には(S701:Yes)、画像メモリ18に受信データ(受信したファクシミリデータ)があるかを確認し(S702)、受信データがあれば(S702:Yes)、かかる受信データをプリンタ部24により記録紙へ印刷する印刷処理を実行する(S703)。
【0095】
印刷処理(S704)の実行後、インク残量の検出と検出結果に応じてLCD36にエラー表示を行うインク残量エラー表示処理を実行し(S704)、このファクシミリ受信処理(S613)を終了する。なお、このインク残量エラー表示処理(S704)で実行される具体的処理については、図9を参照しつつ後述する。
【0096】
また、S701の処理により確認した結果、ログインしたユーザがファクシミリ受信機能を許可されていない場合(S701:No)、又は、S702の処理により確認した結果、画像メモリ18に受信データがない場合には(S702:No)、そのまま、このファクシミリ受信処理(S613)を終了する。
【0097】
よって、このファクシミリ受信処理(S613)によれば、ブラックインクのインク残量が所定量以上あり、ログインしたユーザにファクシミリ受信機能が許可されており、画像メモリに受信データがある場合は、ユーザがログインすることで、自動的にファクシミリ受信処理が行われ、操作の快適性が向上される。さらに、印刷処理を行った後、再びインク残量エラー表示処理を行うため、正確なインク残量の検出結果に基づいた表示が行われる。
【0098】
次に、図8を参照して、上述した表示画面変更処理(図6参照)の中で実行される機能実行処理(S614)について説明する。図8は、機能実行処理(S614)を示すフローチャートである。
【0099】
図8に示すように、この機能実行処理(S614)では、まず、S403(図4参照)において操作の確認されたキーが、コピー機能の選択、即ち、COPYキー(機能キー71の1つ)が操作されたかを確認し(S801)、コピー機能の選択がされた場合には(S801:Yes)、コピー機能処理を実行し(S802)、この機能実行処理(S614)を終了する。
【0100】
このコピー機能処理(S802)は、ログイン中のユーザが、ユーザ使用制限テーブル14aにおいてコピー機能(カラーコピー機能及び/又はモノクロコピー機能)を許可されている場合に、コピー処理を実行する処理である。
【0101】
一方で、S801の処理により確認した結果、コピー機能が選択されていない場合には(S801:No)、プリント機能の選択、即ち、S403(図4参照)において操作の確認されたキーがPRINTキー(機能キー71の1つ)であるかを確認する(S803)。
【0102】
S803の処理により確認した結果、プリント機能の選択がされた場合には(S803:Yes)、プリント機能処理を実行し(S804)、この機能実行処理(S614)を終了する。なお、プリント機能処理(S804)は、ログイン中のユーザが、ユーザ使用制限テーブル14aにおいてプリント機能(カラープリント機能及び/又はモノクロプリント機能)を許可されている場合に、プリント処理を実行する処理である。
【0103】
また、S803の処理により確認した結果、プリント機能が選択されていない場合には(S803:No)、ファクシミリ機能の選択、即ち、S403(図4参照)において操作の確認されたキーがFAXキー(機能キー71の1つ)であるかを確認する(S805)。
【0104】
S805の処理により確認した結果、ファクシミリ機能の選択がされた場合には(S805:Yes)、ファクシミリ機能処理を実行し(S806)、この機能実行処理(S614)を終了する。なお、ファクシミリ機能処理(S806)では、ログイン中のユーザが、ユーザ使用制限テーブル14aにおいてファクシミリ受信機能を許可されている場合には、画像メモリ18に記憶されている受信データがあれば、かかるプリンタ部24により記録紙へ印刷した後、ファクシミリデータの受信を待機する状態へ移行する。また、ファクシミリ送信機能を許可されている場合には、ファクシミリデータの送信を待機する状態へ移行する。
【0105】
また、S805の処理により確認した結果、ファクシミリ機能が選択されていない場合には(S805:No)、スキャナ機能の選択、即ち、S403(図4参照)において操作の確認されたキーがSCANキー(機能キー71の1つ)であるかを確認する(S807)。
【0106】
S807の処理により確認した結果、スキャナ機能の選択がされた場合には(S807:Yes)、スキャナ機能処理を実行し(S808)、この機能実行処理(S614)を終了する。なお、スキャナ機能処理(S808)は、ログイン中のユーザが、ユーザ使用制限テーブル14aにおいてスキャナ機能を許可されている場合に、スキャナ処理を実行する処理である。
【0107】
一方で、S807の処理により確認した結果、スキャナ機能が選択されていない場合には(S805:No)、S403(図4参照)において操作の確認されたキーが機能キー71以外の入力操作キー34であり、各入力操作キー34に応じたその他の処理を実行し(S809)、この機能実行処理(S804)を終了する。このその他の処理(S809)で実行される処理としては、例えば、プリンタ部24の印字ヘッド(図示せず)をクリーニングする処理などが挙げられる。
【0108】
次に、図9を参照して、上述した表示画面変更処理(図6参照)の中で実行されるインク残量エラー表示処理(S606)について説明する。図9は、インク残量エラー表示処理(S606)を示すフローチャートである。
【0109】
図9に示すように、このインク残量エラー表示処理(S606)では、まず、シアンインク残量センサ52、マゼンタインク残量センサ54、イエローインク残量センサ56、及びブラックインク残量センサ54を用い、各インクの残量を検出し(S901)、ブラックインクなしが検出されたかを確認する(S902)。S902の処理により確認した結果、ブラックインクなしが検出された場合には(S902:Yes)、カラーインクなしが検出されたか、即ち、シアンインク、マゼンタインク、又はイエローインクのうちの少なくとも1色が残量なしと検出されたかを確認する(S903)。
【0110】
S903の処理により確認した結果、カラーインクなしが検出された場合には(S903:Yes)、カラーインクなしフラグ16aをオンし(S904)、Kインクなしフラグ16bをオンし(S905)、カラーインクもブラックインクも残量なしであることを示すエラー表示である「カラー及びブラックインクなし」をLCD36に表示し(S906)、このインク残量エラー表示処理(S606)を終了する。
【0111】
一方で、903の処理により確認した結果、カラーインクなしが検出されなかった場合には(S903:No)、カラーインクなしフラグ16aをオフし(S907)、Kインクなしフラグ16bをオンし(S908)、カラーインクの残量はあるがブラックインクの残量がないことを示すエラー表示である「ブラックインクなし」をLCD36に表示し(S909)、このインク残量エラー表示処理(S606)を終了する。
【0112】
また、S902の処理により確認した結果、ブラックインクなしが検出されなかった場合には(S902:No)、カラーインクなしが検出されたかを確認し(S910)、カラーインクなしが検出された場合には(S910:Yes)、カラーインクなしフラグ16aをオンし(S911)、Kインクなしフラグ16bをオフし(S912)、ブラックインクの残量はあるがカラーインクの残量がないことを示すエラー表示である「カラーインクなし」をLCD36に表示し(S913)、このインク残量エラー表示処理(S606)を終了する。
【0113】
また、S910の処理により確認した結果、カラーインクなしが検出されなかった場合、即ち、カラーインク及びブラックインクの残量がいずれもある場合には(S910:No)、カラーインクなしフラグ16aをオフし(S914)、Kインクなしフラグ16bをオンし(S905)、このインク残量エラー表示処理(S606)を終了する。
【0114】
よって、このインク残量エラー表示処理(S606)によれば、機能実行処理(図8参照)が実行された結果として、カラーインク又はブラックインクの残量がなくなった場合に、対応するエラー表示がLCD36に表示される。
【0115】
なお、上述したカラーインクのみなし時表示画面変更処理(図7参照)の中で実行されるインク残量エラー表示処理(S704)は、図9に示したインク残量エラー表示処理(S606)と同じ処理である。
【0116】
また、インクカートリッジを交換した際もまた、図9に示したインク残量エラー表示処理(S606)と同様の処理が行われる。なお、この場合には、カラーインク及びブラックインクの残量がいずれもあることが検出されたときにLCD36にエラー表示がされていれば、そのエラー表示を解除した後に処理を終了する。
【0117】
次に、図10を参照して、上述した機能実行処理(図8参照)の中で実行されるコピー機能処理(S802)について説明する。図10は、コピー機能処理(S802)を示すフローチャートである。
【0118】
図10に示すように、このコピー機能処理(S802)では、まず、カラーコピー機能が選択されているかを確認し(S1001)、カラーコピー機能が選択されている場合には(S1001:Yes)、ユーザ使用制限テーブル14aを参照し、ログイン中のユーザがカラーコピー機能を許可されているかを確認する(S1002)。
【0119】
S1002の処理により確認した結果、ログイン中のユーザがカラーコピー機能を許可されていない場合には(S1002:No)、ユーザロック機能によりカラーコピー機能を使用することができないので、このコピー機能処理(S802)を終了する。
【0120】
一方で、S1002の処理により確認した結果、ログイン中のユーザがカラーコピー機能を許可されていれば(S1002:Yes)、LCD36に「カラー及びブラックインクなし」のエラー表示が表示中であるかを確認する(S1003)。
【0121】
S1003の処理により確認した結果、LCD36に「カラー及びブラックインクなし」のエラー表示が表示されていれば(S1003:Yes)、そのまま、このコピー機能処理(S802)を終了する。
【0122】
一方で、S1003の処理により確認した結果、LCD36に「カラー及びブラックインクなし」のエラー表示が表示されていなければ(S1003:Yes)、LCD36に「カラーインクなし」のエラー表示が表示中であるかを確認する(S1004)。
【0123】
S1004の処理により確認した結果、LCD36に「カラーインクなし」のエラー表示が表示されていれば(S1004:Yes)、そのまま、このコピー機能処理(S802)を終了する。
【0124】
また、S1003の処理により確認した結果、LCD36に「カラーインクなし」のエラー表示が表示されていなければ(S1004:Yes)、LCD36に「ブラックインクなし」のエラー表示が表示中であるかを確認する(S1007)。
【0125】
S1006の処理により確認した結果、LCD36に「ブラックインクなし」のエラー表示が表示されていれば(S1007:Yes)、そのまま、このコピー機能処理(S802)を終了する。
【0126】
よって、このコピー機能処理(S802)によれば、カラーコピー機能を許可されているユーザがカラーコピー機能を実行しようとしたとしても、かかるカラーコピー機能の実行に必要とされる4色のインクのうち、少なくとも1つが残量なし(残量不足)であった場合には、エラー表示がコピーレディ画面に切り換えられることなく、コピー機能処理(S802)を終了する。
【0127】
ここで、カラーコピー機能の実行に必要とされる4色のインクのうち、少なくとも1つが残量なし(残量不足)であった場合であっても、コピーレディ画面に切り換えられる多機能周辺装置を考えた場合に、このような資材不足(消耗品の残量不足)の状態でコピーレディ画面に切り換えると、その後、スタートボタンの押下によって再度エラー表示がされることになり、操作の快適性が損なわれる。しかし、本実施形態のMFD1では、コピーレディ画面の表示後に実行可能とされるカラーコピー機能は、エラー表示の継続によって実行指示を与える機会が失われる。従って、機能を実行する際にインク残量に係わるエラー表示が何度も繰り返して表示されることがないので、1行表示タイプのLCD36にエラー表示がされることによる煩わしさ等が軽減され、操作の快適性が向上するのである。
【0128】
また、S1001の処理により確認した結果、カラーコピー機能ではなく、モノクロコピー機能が選択されている場合には(S1001:No)、ユーザ使用制限テーブル14aを参照し、ログイン中のユーザがモノクロコピー機能を許可されているかを確認する(S1005)。
【0129】
S1005の処理により確認した結果、ログイン中のユーザがモノクロコピー機能を許可されていない場合には(S1005:No)、ユーザロック機能によりモノクロコピー機能を使用することができないので、このコピー機能処理(S802)を終了する。
【0130】
一方で、S1005の処理により確認した結果、ログイン中のユーザがモノクロコピー機能を許可されていれば(S1005:Yes)、LCD36に「カラー及びブラックインクなし」のエラー表示が表示中であるかを確認する(S1006)。
【0131】
S1006の処理により確認した結果、LCD36に「カラー及びブラックインクなし」のエラー表示が表示されていれば(S1006:Yes)、そのまま、このコピー機能処理(S802)を終了する。
【0132】
一方で、S1006の処理により確認した結果、LCD36に「カラー及びブラックインクなし」のエラー表示が表示されていなければ(S1006:Yes)、LCD36に「ブラックインクなし」のエラー表示が表示中であるかを確認する(S1007)。
【0133】
S1007の処理により確認した結果、LCD36に「ブラックインクなし」のエラー表示が表示されていれば(S1006:Yes)、そのまま、このコピー機能処理(S802)を終了する。
【0134】
よって、このコピー機能処理(S802)によれば、モノクロコピー機能を許可されているユーザがモノクロコピー機能を実行しようとしたとしても、かかるモノクロコピー機能の実行に必要とされるブラックインクが残量なし(残量不足)であった場合には、コピーレディ画面がLCD36に表示されることなく、コピー機能処理(S802)を終了する。
【0135】
ここで、モノクロコピー機能の実行に必要とされるブラックインクが残量なし(残量不足)であった場合であっても、コピーレディ画面が表示される多機能周辺装置を考えた場合に、このような資材不足(消耗品の残量不足)の状態でコピーレディ画面を表示すると、その後、スタートボタンの押下によって再度エラー表示がされることになり、操作の快適性が損なわれる。しかし、本実施形態のMFD1では、コピーレディ画面の表示後に実行可能とされるモノクロコピー機能は、エラー表示の継続によって実行指示を与える機会が失われる。従って、インクの残量に係わるエラー表示が何度も繰り返して表示されることがないので、1行表示タイプのLCD36にエラー表示がされることによる煩わしさ等が軽減され、操作の快適性が向上するのである。
【0136】
一方で、S1007の処理により確認した結果、LCD36に「ブラックインクなし」のエラー表示が表示されていれない場合、即ち、LCD36にいずれのエラー表示もされていない場合には(S1007:No)、記録紙の残量を検出する記録紙残量検出処理を実行し(S1008)、その記録紙残量検出処理(S1008)の処理結果に基づき、エラーがある場合にLCD36にエラー表示を行う記録紙残量エラー表示処理を実行し(S1009)、画質設定などを行うコピー条件設定処理を実行する(S1010)。
【0137】
なお、記録紙残量検出処理(S1007)の具体的処理については、図11を参照しつつ後述し、記録紙残量エラー表示処理(S1009)の具体的処理については、図12を参照しつつ後述し、コピー条件設定処理(S1010)の具体的処理については、図13を参照しつつ後述する。
【0138】
コピー条件設定処理(S1010)の実行後、記録紙残量に係わるエラー表示があるかを確認し(S1011)、かかるエラー表示があれば(S1011:No)、このコピー機能処理(S802)を終了する。
【0139】
一方で、S1011の処理により確認した結果、記録紙残量に係わるエラー表示がなければ(S1011:No)、キャンセルキー(操作入力キー37の1つ)が押下されたかを確認する(S1012)。
【0140】
S1012の処理により確認した結果、キャンセルキーの押下がなければ(S1012:No)、コピー機能の実行を指定するCOPYキー以外の機能キー71(その他機能キー71)の押下があったかを確認する(S1013)。
【0141】
S1013の処理により確認した結果、その他機能キー71の押下がなければ(S1013:No)、スタートキー(操作入力キー37の1つ)が押下されたかを確認する(S1014)。ここで、スタートキーの押下がなければ(S1013:No)、S1012の処理へ移行する。
【0142】
一方で、S1014の処理により確認した結果、スタートキーの押下があれば(S1014:Yes)、S1001において確認された機能(カラーコピー機能又はモノクロコピー機能)でのコピー処理を実行し(S1015)、このコピー機能処理(S802)を終了する。なお、コピー処理(S1015)は、スキャナ部22によって読み取られた原稿のイメージデータを、プリンタ部24により記録紙に印刷する処理である。
【0143】
また、S1012の処理により確認した結果、キャンセルキーが押下された場合には(S1011)、このコピー機能処理(S802)を終了し、コピー機能の実行をキャンセルする。また、S1013の処理により確認した結果、その他機能キー71の押下が確認された場合には(S1013:Yes)、押下された機能キー71での機能を実行するために、このコピー機能処理(S802)を終了する。
【0144】
なお、本明細書では、機能実行処理(図8参照)の中で実行されるプリント機能処理(S804)のフローチャートを図示しないが、かかるプリント機能処理(S804)は、図8を参照しつつ説明したコピー機能処理(S802)と同様の処理が実行される。よって、このプリント機能処理(S804)もまた、カラープリント機能又はモノクロプリント機能が許可されたユーザが、インク残量に係わるエラー表示の表示中に、かかるエラー表示の対象である資材(消耗品)を用いる機能を実行しようとしたとしても、エラー表示がプリントレディ画面に切り換えられることなく、プリント機能処理(S804)を終了する。
【0145】
同様に、ファクシミリ機能処理(S806)においても、ファクシミリ受信機能が許可されたユーザが、ブラックインクの残量なしによるエラー表示の表示中に、かかるエラー表示の対象である資材(消耗品)、即ち、ブラックインクを用いるファクシミリ受信機能実行しようとしたとしても、エラー表示がプリントレディ画面に切り換えられないように構成されている。
【0146】
よって、これらの機能処理(S804,S806)においても、資材不足の状態ではエラー表示の継続によって機能の実行指示を与える機会が失われる。その結果、エラー表示が何度も繰り返して表示されることがないので、1行表示タイプのLCD36にエラー表示がされることによる煩わしさ等が軽減され、操作の快適性が向上する。
【0147】
次に、図11を参照して、上述したコピー機能処理(S802)の中で実行される記録紙残量検出処理(S1008)について説明する。図11は、記録紙残量検出処理(S1008)を示すフローチャートである。
【0148】
図11に示すように、この記録紙残量検出処理(S1008)では、まず、普通紙なしフラグ16cをオフし(S1101)、光沢紙なしフラグ16dをオフする(S1102)。
【0149】
S1102の処理後、普通紙残量センサ62及び光沢紙残量センサ64を用い、各給紙トレイ(図示せず)の状況を検出し(S1103)、普通紙なしが検出されたかを確認する(S1104)。
【0150】
S1104の処理により確認した結果、普通紙なしが検出された場合には(S1104:Yes)、普通紙なしフラグ16cをオンし(S1105)、S1106の処理へ移行する。一方で、S1104の処理により確認した結果、普通紙なしが検出されなかった場合には(S1104:No)、S1105の処理をスキップして、S1106の処理へ移行する。
【0151】
S1106の処理では、光沢紙なしが検出されたかを確認する(S1106)。S1106の処理により確認した結果、光沢紙なしが検出された場合には(S1106:Yes)、光沢紙なしフラグ16dをオンし(S1107)、この記録紙残量検出処理(S1008)を終了する。一方で、S1106の処理により確認した結果、光沢紙なしが検出されなかった場合には(S1106:No)、S1107の処理をスキップして、この記録紙残量検出処理(S1008)を終了する。
【0152】
次に、図12を参照して、上述したコピー機能処理(S802)の中で実行される記録紙残量エラー表示処理(S1009)について説明する。図12は記録紙残量エラー表示処理(S1009)を示すフローチャートである。
【0153】
図12に示すように、この記録紙残量エラー表示処理(S1009)では、まず、光沢紙なしフラグ16dがオンであるかを確認し(S1201)、光沢紙なしフラグ16dがオンである場合には(S1201:Yes)、普通紙なしフラグ16cがオンであるかを確認する(S1202)。
【0154】
S1202の処理により確認した結果、普通紙なしフラグ16cがオンである場合には(S1202:Yes)、普通紙も光沢紙も残量なしであることを示すエラー表示である「記録紙なし」をLCD36に表示し(S1203)、この記録紙残量エラー表示処理(S1009)を終了する。
【0155】
一方で、S1202の処理により確認した結果、普通紙なしフラグ16cがオフである場合には(S1202:No)、普通紙の残量はあるが光沢紙の残量がないことを示すエラー表示である「光沢紙なし」をLCD36に表示し(S1204)、この記録紙残量エラー表示処理(S1009)を終了する。
【0156】
また、S1201の処理により確認した結果、光沢紙なしフラグ16dがオフである場合には(S1201:No)、普通紙なしフラグ16cがオンであるかを確認する(S1205)。S1205の処理により確認した結果、普通紙フラグ16cがオンである場合には(S1205:Yes)、光沢紙の残量はあるが普通紙の残量がないことを示すエラー表示である「普通紙なし」をLCD36に表示し(S1206)、この記録紙残量エラー表示処理(S1009)を終了する。
【0157】
一方で、S1205の処理により確認した結果、普通紙なしフラグ16cがオフである場合には(S1205:No)、普通紙及び光沢紙ともにあるので、コピーレディ画面をLCD36に表示し(S1207)、この記録紙残量エラー表示処理(S1009)を終了する。
【0158】
次に、図13を参照して、上述したコピー機能処理(S802)の中で実行されるコピー条件設定処理(S1010)について説明する。図13は、コピー条件設定処理(S1010)を示すフローチャートである。
【0159】
図13に示すように、このコピー条件設定処理(S1010)では、まず、画質キー73の押下が押下されて画質変更が指示されたかを確認し(S1301)、画質変更が指示されていない場合には(S1301:No)、必要に応じて画質以外の条件設定を行うその他条件設定処理を実行し(S1303)、このコピー条件設定処理(S1010)を終了する。
【0160】
一方で、S1301の処理により確認した結果、画質変更が指示された場合には(S1301:Yes)、LCD36に「記録紙なし」のエラー表示が表示中であるかを確認する(S1302)。
【0161】
S1302の処理により確認した結果、LCD36に「記録紙なし」のエラー表示が表示されていれば(S1302:Yes)、その他条件設定処理(S1303)の処理へ移行する。なお、その他条件設定処理(S1303)においても、LCD36に「記録紙なし」のエラー表示が表示されている場合には、その他条件設定処理(S1303)が終了するように構成されているので、LCD36に「記録紙なし」のエラー表示が表示された状態で、コピー機能処理(図10参照)におけるS1012の処理が実行される。
【0162】
従って、コピー機能(カラーコピー機能又はモノクロコピー機能)の実行に必要とされる記録紙が残量なし(残量不足)である場合には、かかるエラー表示からコピーレディ画面への切り換えが禁止される。そのため、資材不足の状態ではエラー表示の継続によって、コピー機能の実行指示を与える機会が失われるので、記録紙の残量に係わるエラー表示が何度も繰り返して表示されることがないので、1行表示タイプのLCD36にエラー表示がされることによる煩わしさ等が軽減され、操作の快適性が向上する。
【0163】
一方で、S1302の処理により確認した結果、LCD36に「記録紙なし」のエラー表示が表示されていなければ(S1302:No)、LCD36に「光沢紙なし」のエラー表示が表示中であるかを確認する(S1304)。
【0164】
S1304の処理により確認した結果、LCD36に「光沢紙なし」のエラー表示が表示されていれば(S1304:Yes)、次いで、画質キー73の押下によって「Fine」をLCD36に表示させ、決定キー(入力操作キー34の1つ)を押下して「Fine」が選択されたかを確認する(S1305)。S1305の処理により確認した結果、「Fine」が選択された場合には(S1305:Yes)、S1303の処理へ移行する。
【0165】
一方で、S1305の処理により確認した結果、「Fine」が選択されていなければ(S1305:No)、その他画質(「Text」又は「Auto」)が選択されたかを確認する(S1306)。S1306の処理により確認した結果、その他画質も選択されていない場合には(S1306:No)、S1305の処理へ戻る。
【0166】
ここで、S1306の処理により確認した結果、その他画質(「Text」又は「Auto」)が選択されていれば(S1306:Yes)、選択された画質に設定した上で、LCD36にコピーレディ画面を表示し(S1307)、S1303の処理へ移行する。
【0167】
よって、このコピー条件設定処理によれば、高画質コピーの際に必要とされる光沢紙が給紙トレイ(図示せず)にないことを示す「光沢紙なし」のエラー表示がLCD36に表示されていた場合には、画質を高画質に(「Fine」)設定しようとしても、LCD36に表示中のエラー表示がコピーレディ画面に切り換わることなく、エラー表示が継続されることになる。そのため、かかるエラー表示が何度も繰り返して表示されることがないので、1行表示タイプのLCD36にエラー表示がされることによる煩わしさ等が軽減され、操作の快適性が向上する。また、高画質が選択された場合には、光沢紙を用いた高画質コピーが確実に実行されるので、確実な品質維持を行い得るという効果がある。
【0168】
S1304の処理により確認した結果、LCD36に「光沢紙なし」のエラー表示が表示されていない、即ち、「普通紙なし」のエラー表示中か、又はエラー表示がない場合には(S1304:No)、画質が「Fine」、「Text」、又は「Auto」のいずれかに選択されたかを確認し(S1308)、画質の選択が確認されなければ(S1308:No)、S1308の処理へ戻り、画質の選択があるまで待機する。
【0169】
一方で、S1308の処理により確認した結果、画質が選択された場合には(S1308:Yes)、選択された画質に設定した上で、LCD36にコピーレディ画面を表示し(S1307)、S1303の処理へ移行する。
【0170】
なお、本実施形態では、コピー機能処理について詳述して説明したが、プリント機能処理についても、図10から図13の各処理において、コピーがプリントに置き換わった同様の処理が行われる。
【0171】
以上説明したように、本実施形態のMFD1によれば、適宜補給する必要のある資材(消耗品)の残量がないことが検出され、かかる検出に基づいてLCD36にエラー表示がされている場合には、ユーザにより所定の機能が選択(指定)されたとしても、選択(指定)された機能を実行する上で必要とされる資材が、エラー表示の対象となる資材である場合には、表示中のエラー表示を対応する機能のレディ画面へ切り換えることが禁止される。
【0172】
そのため、ユーザが消耗品の残量不足によって使用できない機能を実行する可能性があると判断された場合に表示切換を禁止することで、資材の残量不足によって使用できない機能に対して実行指示を与える機会が失われるので、かかる機能の実行指示を行った際に改めてエラー表示がされることがなく、エラー表示に対する煩わしさ等を軽減できる。また、警告表示が必要である場合には、確実に警告表示がされる。その結果、操作の快適性を向上させることができ、ユーザによる使用感や使い勝手を向上させることができるのである。
【0173】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0174】
例えば、上記実施形態では、コピー条件設定処理(図13参照)により、画質が変更されたことに応じて、エラー表示からレディ画面への切り換えを禁止することを例示したが、設定値の変更によるかかる表示切り換えの禁止は、画質に限定されるものではない。例えば、所定の大きさの記録紙の残量がないことを示すエラー表示の表示中に、拡大率又は縮小率が変更された場合に、拡大又は縮小後の画像を印刷可能な大きさの記録紙がエラー表示の対象であるときにレディ表示への切り換えを禁止するような構成であってもよい。
【0175】
また、上記実施形態におけるコピー条件設定処理(図13参照)では、LCD36に「光沢紙なし」のエラー表示がされていた場合に、画質として「Fine」が選択された場合には、表示の切り換えをしないように構成したが、LCD36に「光沢紙なし」のエラー表示がされている場合に、画質として「Fine」を選択するための画面が表示されないような構成であってもよい。
【0176】
また、上記実施形態では、シアンインク残量センサ52や、マゼンタインク残量センサ54や、イエローインク残量センサ56や、ブラックインク残量センサ58として、光学的センサを例示したが、これに限定されるものではなく、インク残量を検出し得るセンサであれば代替可能である。同様に、普通紙残量センサ62や光沢紙残量センサ64として、リミット式センサを例示したが、これに限定されるものではなく、給紙トレイ内の記録紙残量を検出し得るセンサであれば代替可能である。
【0177】
また、消耗品は、インクや光沢紙だけでなく、トナー、インクリボンなど消耗品であればよい。また、上記実施形態では、初期設定として、すべての機能の使用が許可されているが、これに限らず、ユーザによって設定可能にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】本発明における一実施形態のMFDの構成を示すブロック図である。
【図2】操作パネルを示す模式図である。
【図3】ROM内に記憶されているユーザ使制限テーブルを表す模式図である。
【図4】MFD1のCPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
【図5】初期画面表示処理を示すフローチャートである。
【図6】表示画面変更処理を示すフローチャートである。
【図7】ファクシミリ受信処理を示すフローチャートである。
【図8】機能処理を示すフローチャートである。
【図9】インク残量エラー表示処理を示すフローチャートである。
【図10】コピー機能処理を示すフローチャートである。
【図11】用紙残量検出処理を示すフローチャートである。
【図12】用紙残量エラー表示処理を示すフローチャートである。
【図13】コピー条件設定処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0179】
1 MFD(画像形成装置)
14a ユーザ使用制限テーブル(使用制限記憶手段)
34 操作入力キー(機能実行指定手段、動作指示指定手段、設定値変更手段)
36 LCD(表示部)
52 シアンインク残量センサ(残量検出手段)
54 マゼンタインク残量センサ(残量検出手段)
56 イエローインク残量センサ(残量検出手段)
58 ブラックインク残量センサ(残量検出手段)
62 普通紙残量センサ(残量検出手段)
64 光沢紙残量センサ(残量検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消耗品の使用を伴う動作を実行する機能を含む複数の機能を有し、表示部を備えた画像形成装置であって、
前記複数の機能から1の機能を指定する実行機能指定手段と、
その実行機能指定手段により1の機能が指定された場合に、前記表示部の表示内容を、前記指定された1の機能に応じた情報に切り換える表示切換手段と、
その表示切換手段による切り換えの結果として前記表示部に表示されている情報に応じた動作の実行を指示する動作実行指示手段と、
前記消耗品の残量を検出する残量検出手段と、
その残量検出手段により検出された前記消耗品の残量が予め規定されている所定量以下である場合に、前記表示部に警告表示を表示する警告表示実行手段と、
前記実行機能指定手段により指定された1の機能が、前記警告表示の対象である消耗品の使用を伴う動作を実行するものであるかを判断する機能判断手段と、
前記警告表示実行手段による前記表示部への警告表示の表示中に、前記実行機能指定手段により1の機能が指定され、前記機能判断手段により1の機能が前記警告表示の対象である消耗品の使用を伴う動作を実行するものであると判断された場合には、前記表示切換手段による前記表示部の表示の切り換えを禁止する表示切換禁止手段とを備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
複数の識別情報と、その識別情報に対して前記複数の機能の中で使用を許可する機能と、を対応付けて記憶する使用制限記憶手段を備え、
前記実行機能指定手段により指定される機能が、前記使用制限記憶手段により記憶される複数の識別情報のうちの1つを選択して設定する機能であり、
前記機能判断手段は、前記実行機能指定手段により設定された識別情報に対応する使用を許可する機能の中に、前記警告表示の対象である消耗品を使用する機能が含まれている場合に、前記警告表示の対象である消耗品の使用を伴う動作を実行するものであると判断することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記複数の識別情報のうちの1つが設定されている状態において、前記警告表示実行手段による前記表示部への警告表示の表示中に、前記実行機能指定手段により前記識別情報の設定以外の機能が指定された場合に、前記機能判断手段は、前記指定された1の機能が前記警告表示の対象である消耗品の使用を伴う動作を実行するものであるかを判断することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記実行機能指定手段により指定された1の機能に応じた情報に含まれる設定値を変更する設定値変更手段を備え、
前記表示切換手段は、前記設定値変更手段により設定値が変更された場合に、前記表示部の表示内容を、変更した設定値に応じた情報に切り換え、
前記表示切換禁止手段は、前記設定値変更手段により変更された設定値における前記実行機能指定手段により指定された1の機能の実行が、前記警告表示の対象である消耗品の使用を伴う場合に、前記表示切換手段による前記表示部の表示の切り換えを禁止することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−92221(P2008−92221A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−269887(P2006−269887)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】