説明

画像形成装置

【課題】 本発明の画像形成装置は、トナーの使用期限が過ぎた時に現像剤収容部に残留するトナーの量を減らすことができる画像形成装置の提供を目的とする。
【解決手段】 本発明の画像形成装置は、現像剤の時間情報を取得する時間情報取得部と、前記現像剤の量を取得する量取得部と、前記時間情報取得部及び前記使用量取得部を所定の条件で制御する制御部と、前記制御部により制御される前記現像剤の使用量を増加させる設定を操作者に促す報知手段を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上位装置等から入力された画像データを所定の制御に基づいて記録媒体に印刷して出力する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、及び電子写真カラー記録装置等の画像形成装置において、現像剤収容部に長期間にわたり収容された現像剤の品質が劣化する場合がある。例えば、現像剤としてトナーを用いる場合には、トナーが凝集することにより、印字品質が劣化する場合がある。
【0003】
そこで、現像剤収容部に収容されたトナーの凝集を防ぐために、トナーを撹拌する機構を画像形成装置内に設ける方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2006-323016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述の構成では、トナーの使用期限が超過することによりトナーが凝集してしまうという問題が有った。
【0006】
そこで、本発明は前述の技術的な課題に鑑み、トナーの使用期限が過ぎた時に現像剤収容部に残留するトナーの量を減らすことができる画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決すべく、本発明に係る画像形成装置は、現像剤の時間情報を取得する時間情報取得部と、前記現像剤の量を取得する量取得部と、前記時間情報取得部及び前記使用量取得部を所定の条件で制御する制御部と、前記制御部により制御される前記現像剤の使用量を増加させる設定を操作者に促す報知手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る画像形成装置によれば、トナーの使用期限までの期間が短く、且つ、現像剤収容部に収容されたトナーの残量が多い場合において、トナー使用期限が過ぎた時に現像剤収容部に残留してしまうトナーの量を減らすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の画像形成装置に係る好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の画像形成装置は、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。
【0010】
[第1の実施形態]
まず、本実施形態の画像形成装置であるプリンタ1について説明する。図1にプリンタ1の構成図を、図2にプリンタ1内に設けられた画像形成部20の構成図を示す。プリンタ1は、ブラック色、イエロー色、マゼンタ色、及びシアン色の各色に対応する画像情報に基づいて記録媒体4に画像を印刷する。
【0011】
プリンタ1は、画像形成装置であり、給紙カセット11から記録媒体4を取り出して転写部30内に設けられた転写ベルト31に記録媒体4を静電吸着させる給紙部10、上位装置又は外部装置であるネットワーク90からの画像情報に基づきトナー画像を形成する画像形成部20、画像形成部20で形成されたトナー画像を記録媒体4に転写する転写部30、転写部30で記録媒体4に転写されたトナー画像を溶解及び加圧して定着させる定着部40、及び定着部40から排出された記録媒体4をスタッカ53に排出する排出部50から構成される。また、プリンタ1内には、図3を参照しながら後述する制御基板70が設けられている。また、用紙搬送経路3は、給紙部10、画像形成部20、転写部30、定着部40、及び排出部50内において記録媒体4が搬送される略S字状の経路である。以下、用紙搬送経路3に配設された各構成部材について図1及び図2を参照しながら具体的に説明する。
【0012】
給紙部10は、給紙カセット11から記録媒体4を取り出して転写部30内に設けられた転写ベルト31に記録媒体4を静電吸着させる。また、給紙部10は、給紙カセット11、ピックアップローラ12、フィードローラ13、リタードローラ14、プレッシャローラ15、レジストローラ16、プレッシャローラ17、及びレジストローラ18から構成される。以下、給紙部10を構成する各構成部材について具体的に説明する。給紙カセット11は、複数枚の記録媒体4を積層して収納しておき、印刷動作が開始されると記録媒体4をプリンタ1内に供給する。当該給紙カセット11は、プリンタ1から脱着可能なように構成されている。なお、記録媒体4は、モノクロ又はカラーの画像情報を印刷させるための所定寸法の記録用紙であり、一般的には、再生紙、光沢紙、及び上質紙のような紙、若しくはOHPフィルム等からなる。また、ピックアップローラ12は、給紙カセット11に収納した記録媒体4に対して圧接した状態で回転することにより、給紙カセット11内から記録媒体4を引き出し、フィードローラ13及びリタードローラ14に搬送する。また、給紙ローラであるフィードローラ13及び分離ローラであるリタードローラ14は、ピックアップローラ12から搬送されてきた記録媒体4を挟むように対向して配設され、フィードローラ13を回転させることにより、記録媒体4を1枚ずつ分離してプレッシャローラ15及びレジストローラ16に搬送する。また、プレッシャローラ15及びレジストローラ16は、フィードローラ13及びリタードローラ14から搬送されてきた記録媒体4を挟むように対向して配設され、レジストローラ16で加圧したプレッシャローラ15を回転させることで、記録媒体4の斜行取り等を行いながらプレッシャローラ17及びレジストローラ18に搬送する。また、プレッシャローラ17及びレジストローラ18は、プレッシャローラ15及びレジストローラ16から搬送されてきた記録媒体4を挟むように対向して配設され、レジストローラ18で加圧したプレッシャローラ17を回転させることで、記録媒体4の斜行取り等を行いながら転写部30内に設けられた転写ベルト31に記録媒体4を搬送して静電吸着させる。
【0013】
画像形成部20は、上位装置又は外部装置であるネットワーク90から受信したブラック色、イエロー色、マゼンタ色、及びシアン色の各色に対応する画像情報に基づいてトナー画像を形成する。また、画像形成部20K、20Y、20M、及び20Cは、用紙搬送経路3における記録媒体4の搬送方向の順にそれぞれ配設されている。なお、画像形成部20K、20Y、20M、及び20Cは、互いに略同一の構成であるため、画像形成部20と称す。画像形成部20は、画像情報に基づく静電潜像を担持する感光体ドラム21と、感光体ドラム21の表面に電荷を蓄えさせる帯電ローラ22と、画像情報に対応した光を感光体ドラム21の表面に照射するプリンタ1本体に設けられた露光源23と、現像剤であるトナー24を収容するトナーカートリッジ25と、トナー24を現像ローラ27に供給するトナー供給ローラ26と、感光体ドラム21表面の静電潜像をトナー24により現像する現像ローラ27と、現像ローラ27に担持されたトナー24の厚みが均一となるように規制する現像ブレード28と、感光体ドラム21に残留したトナー24を掻き落とすクリーニングブレード29から構成される。また、画像形成部20はプリンタ1に対して着脱可能に配設されている。以下、画像形成部20を構成する各構成部材について、図1に加えて図2を参照しながら具体的に説明する。
【0014】
画像形成部20内の感光体ドラム21は、現像剤像が形成される像担持体であり、画像情報に基づく静電潜像を担持するために表面に電荷を蓄えることが可能なように構成されている。なお、感光体ドラム21は、円筒形状部から成り、回転可能なように設けられている。この様な感光体ドラム21は、アルミニウム等から成る導電性基層に光導電層と電荷輸送層からなる感光層を形成している。また、帯電ローラ22は、図示せぬ電源を用いて感光体ドラム21の表面に所定の正電圧又は負電圧を印加することにより、感光体ドラム21の表面に対して一様に電荷を蓄えさせるためのものである。なお、帯電ローラ22は、一定の圧力で感光体ドラム21の表面に接触しながら回転可能なように設けられている。この様な帯電ローラ22は、導電性の金属シャフトにシリコーン等の半導電性ゴムを被覆することで構成されている。また、露光源23は、画像情報に対応した光を感光体ドラム21の表面に照射して感光ドラム11の表面に静電潜像を形成することが可能なように構成されており、感光体ドラム21の上方に位置するようにプリンタ1本体に設けられる。この様な露光源23は、例えば複数のLED素子、レンズアレイ、及びLED駆動素子を組み合わせたものから構成されている。また、トナーカートリッジ25は、現像剤であるトナー24を収容する現像剤収容部であり、トナー供給ローラ26の上方に装着される。なお、トナーカートリッジ25は、例えば側面部が略円形状で記録媒体4の搬送方向と垂直方向に長い矩形状部から形成される。また、トナーカートリッジ25は、印刷動作によりトナー24が消耗した時に交換するために着脱自在に構成されている。
【0015】
画像形成部20内のトナー供給ローラ26は、回転しながら現像ローラ27に当接することで、現像ローラ27にトナー24を供給できるように設けられている。この様なトナー供給ローラ26は、例えば導電性を有する金属シャフトに発泡剤が添加されたゴムを被覆することで構成されている。また、現像ローラ27は、一定の圧力で感光体ドラム21の表面に接触しながら回転可能なように構成されている。なお、現像ローラ27は、回転しながらトナー24を感光体ドラム21に搬送し、感光体ドラム21の表面に形成された静電潜像をトナー24によって現像する。この様な現像ローラ27は、円筒形状部から成り、導電性を有する金属シャフトに半導電ウレタンゴム材等を被覆することで構成されている。また、現像ブレード28は、その先端部が現像ローラ27の表面に当接するように設けられ、トナー供給ローラ26から現像ローラ27の表面に供給された内、一定量を越えたトナー24を掻き取ることで、現像ローラ27の表面に形成されるトナー24の厚みを常に均一となるように規制する。この様な現像ブレード28は、ステンレス等の板状弾性部材で形成されている。また、クリーニングブレード29は、ゴム材等から成る板状部から形成され、感光体ドラム21上に形成されたトナー画像を記録媒体4に転写した後に感光体ドラム21に残留したトナー24を掻き落とすために、クリーニングブレード29の先端部を感光体ドラム21の表面に当接させるように配設する。
【0016】
転写部30は、画像形成部20で形成されたトナー画像を記録媒体4に転写する。また、転写部30は、転写ベルト31、ドライブローラ32、アイドルローラ33、及び転写ローラ34から構成される。以下、転写部30を構成する各構成部材について具体的に説明する。ドライブローラ32及びアイドルローラ33は、無端状に形成された転写ベルト31の両端に設けられ、後述する転写ベルト31に一定の張力を与えている。なお、ドライブローラ32及びアイドルローラ33は、高摩擦抵抗から成る部材で形成され、ドライブローラ32及びアイドルローラ33を図示せぬ駆動系によって回転させると、転写ベルト31が従動して駆動する。また、転写ベルト31は、記録媒体4を画像形成部20に搬送して画像情報を転写するための搬送手段であり、転写ベルト31の周面上に記録媒体4を静電吸着できるようにした無端状のベルトである。また、転写ローラ34は、感光体ドラム21の下方に位置し、転写ローラ34と感光体ドラム21により記録媒体4を挟むように当接した状態で回転可能に設けられている。この様な転写ローラ34には、トナー24の帯電とは逆極性のバイアス電圧が供給され、感光体ドラム21の表面に形成されたトナー画像を記録媒体4に転写する。
【0017】
定着部40は、転写部30で記録媒体4に転写されたトナー画像を溶解及び加圧して定着させる。また、定着部40は、定着ローラ41及び加圧ローラ42から構成される。以下、定着部40を構成する各構成部材について具体的に説明する。定着ローラ41と加圧ローラ42は、転写ベルト31により搬送されてきた記録媒体4を挟むように対向して配設され、記録媒体4に転写されたトナー画像を定着させる。具体的には、定着ローラ41及び加圧ローラ42は表面が弾性体で円筒形状部から形成され、円筒形状部の内部にそれぞれハロゲンランプ等のヒータが配設されている。このような定着ローラ41及び加圧ローラ42は記録媒体4上に弱い静電気力だけで付着しているトナー画像を溶解した上で、加圧ローラ42の加圧力によりトナー画像を記録媒体4に定着させる。なお、加圧ローラ42は、定着ローラ41の回転に付勢されることで従動する。
【0018】
排出部50は、定着部40から排出された記録媒体4をスタッカ53に排出する。また、排出部50は、排出ローラ51、排出コロ52、及びスタッカ53から構成される。以下、排出部50を構成する各構成部材について具体的に説明する。排出ローラ51及び排出コロ52は、定着部40から搬送されてきた記録媒体4を挟むように対向して配設され、排出ローラ51の回転に付勢させて排出コロ52を従動させることで、記録媒体4をスタッカ53に排出する。また、スタッカ53は、画像情報を印刷して排出された記録媒体4を積載して収容する収納スペースである。
【0019】
次に、プリンタ1の制御について説明する。図3にプリンタ1の構成を示すブロック図を示す。以下、図3及び図1を参照しながら具体的に説明する。
【0020】
プリンタ1は、CPU、CPUにて動作させるプログラム、一時的に記憶する読み書き可能な揮発性メモリ、プログラムで用いる設定情報保存用の不揮発性メモリ、入出力ポート、及びタイマ等から構成される制御基板70を設けており、当該制御基板70から各構成部に対して指令を出すことにより、画像情報を記録媒体4に印刷する一連のプロセスを制御する。また、制御基板70は制御部である。なお、トナーカートリッジ25をプリンタ1に装着すると、制御基板70とトナーカートリッジ25が電気的に接続される。また、制御基板70は、通信部72と接続した印刷制御部71、ネットワーク90と接続した通信部72、及び、印刷制御部71及び計時部74と接続した現像制御部73から構成される。また、印刷部60は制御基板70内の印刷制御部71と接続している。同様に、トナーカートリッジ25内に設けられた期限記憶部25Aは、時間情報取得部であり、制御基板70内の現像制御部73と接続している。同様に、トナーカートリッジ25内に設けられた残量記憶部25Bは、使用量取得部であり、制御基板70内の印刷制御部71及び現像制御部73と接続している。以下、上記の各構成部について具体的に説明する。
【0021】
制御基板70内に設けられた印刷制御部71は、通信部72から印刷データを受信すると所定のデータ処理を行った後に、印刷部60に印刷動作を指示する。なお、印刷データが後述するトナーセーブモードに係る印刷データであった場合、印刷制御部71内において画質を下げてトナー消費を抑えるデータ処理を行った後、 印刷制御部71から印刷部60に印刷動作を指示する。但し、後述するトナー使用フラグF1がONの場合、印刷制御部71から通信部72にトナーセーブで印刷を行うか否かを問い合わせる。当該問い合わせに対する通信部72からの応答がYesの場合には印刷部60に対して通常の印刷モードによる印刷を指示し、通信部72からの応答がNo又は所定時間内に応答が無い場合には印刷部60に対してトナーセーブモードによる印刷を指示する。また、印刷制御部71は、印刷動作に伴い消費するトナー消費量を計算した後に、当該トナー消費量に基づきトナーカートリッジ25内に設けられた残量記憶部25Bに記憶されているトナー残量の値を書き換える。
【0022】
制御基板70内の印刷制御部71と接続している印刷部60は、画像形成部20の感光体ドラム21、転写部30の転写ベルト31、及び転写部30の転写ローラ34等から構成され、印刷制御部71からの印刷指示に基づき、トナーカートリッジ25内に収容されたトナー24を用いて、記録媒体4に画像データを印刷する。また、トナーカートリッジ25内に設けられた期限記憶部25Aは、時間情報取得部であり、トナーカートリッジ25の製造メーカがトナーカートリッジ25の使用期限日時を書き込むメモリである。この様なメモリには、基板に実装したままデータの書き込み及び消去ができる不揮発性メモリであるEEPROM、又は、EEPROMの一種であるFlash−ROM等を用いる。なお、例えばトナーカートリッジ25が2008年4月20日12:00に製造され、例えば製造日から3年間を使用期限とすると、使用期限日時は2011年4月20日12:00である。また、トナーカートリッジ25内に設けられた残量記憶部25Bは、使用量取得部であり、トナーカートリッジ25内のトナー24の残量を書き込むメモリであり、プリンタ1から読み書き可能である。この様なメモリには、EEPROM、Flash−ROM、及びROM製造時に回路にデータが書き込まれた後にデータの内容を変更できないマスクROM等を用いる。
【0023】
制御基板70内に設けられた通信部72は、ネットワーク90から印刷データを受信すると、当該印刷データを印刷制御部71に送信する。また、通信部72は、印刷制御部71からトナーセーブに係る問い合わせを受信すると、ネットワーク90内に設けられた印刷データの送信元である図示せぬ情報処理装置に送信する。さらに、通信部72は、ネットワーク90内に設けられた印刷データの送信元である図示せぬ情報処理装置からトナーセーブ問い合わせに係る応答を受信すると、印刷制御部71へ送信する。また、制御基板70内に設けられた現像制御部73は、所定の時間毎に、トナーカートリッジ25の期限記憶部25A内に格納されたトナー24の使用期限日時、トナーカートリッジ25の残量記憶部25B内に格納されたトナー24の残量、及び計時部74内の現在の日時を読み取る。当該読み取った情報に基づき、現在の日時とトナー使用期限日時の差が例えば所定の5日以内で、且つ、トナー残量が例えば所定の10%を越えているか否かを判断し、上記の条件を満たす場合には後述するトナー使用フラグF1をONし、上記の条件を満たさない場合には後述するトナー使用フラグF1をOFFする。また、制御基板70内に設けられた計時部74は、プリンタ1の印刷動作、及び、トナー24の使用期限の管理を適切に行うために、現在の日時を一定期間毎に更新して保持する。
【0024】
次に、本実施形態のプリンタ1内に設けられた現像制御部73の動作について説明する。図4にプリンタ1内の設けられた現像制御部73の動作に係るフローチャートを示す。
【0025】
プリンタ1の電源が入れられて起動した時に、現像制御部73の動作に係るシーケンスが開始される。現像制御部73は、期限記憶部25A内に格納されているトナー24の使用期限日時、及び、計時部74内に格納されている現在の日時を読み取る(S1)。次に、現像制御部73において、期限記憶部25A内に格納されているトナー24の使用期限日時と計時部74内に格納されている現在の日時を比較して、トナー24の使用期限を超過していない場合(No)には手順3に進み、トナー24の使用期限を超過している場合(Yes)には手順8に進む(S2)。次に、手順3に進んだ場合、現像制御部73において、期限記憶部25A内に格納されているトナー24の使用期限日時と計時部74内に格納されている現在の日時を比較して、トナー24の使用期限まで5日以内であるか否かを判断し、トナー24の使用期限まで5日以内の場合(Yes)には手順4に進み、トナー24の使用期限まで5日を越えている場合(No)には手順7に進む(S3)。次に、手順4に進んだ場合、現像制御部73は、残量記憶部25B内に格納されているトナー24の残量を読み取る(S4)。次に、手順5に進んだ場合、現像制御部73が読み取ったトナー24の残量が10%以上の場合(Yes)には手順6に進み、トナー24の残量が10%未満の場合(No)には手順7に進む(S5)。次に、手順6に進んだ場合、トナー使用フラグF1をONにする。すなわち、トナー使用フラグF1=1である(S6)。次に、手順3又は手順5から手順7に進んだ場合、トナー使用フラグF1を全てOFFにする。すなわち、この状態において、制御基板70に格納されたトナー使用フラグF1及び制御基板70に格納された印刷禁止フラグF2はそれぞれ0である(S7)。次に、手順2から手順8に進んだ場合、プリンタ1に設けられたトナーカーリッジ25内のトナー24の使用期限が超過していることをユーザに報知するために、印刷禁止フラグF2をONにする。すなわち、印刷禁止フラグF2=1である(S8)。次に、手順6、手順7、又は手順8から、手順9に進んだ場合、所定の時間ウェイトした後、手順1に戻る(S9)。プリンタ1の電源が入れられている間に、上述した手順1乃至手順9を所定の周期毎に実行される。具体的には、手順1乃至手順4を経て手順5においてYesのような、トナー24が十分に残留し、且つ、トナー24の使用期限が迫っている場合において、トナー使用フラグF1をONにする。このため、プリンタ1のユーザに対してトナー24の使用を促す報知がされる。
【0026】
次に、上述した現像制御部73の動作に係るシーケンスについて、具体例を挙げて、図4を参照しながら説明する。
【0027】
プリンタ1の電源が入れられて起動した時に、現像制御部73は、期限記憶部25A内に格納されているトナー24の使用期限日時である2011年4月20日12:00、及び、計時部74内に格納されている現在の日時である2011年4月15日13:00を読み取る(S1)。次に、トナー24の使用期限日時と計時部74内に格納されている現在の日時を比較して、トナー24の使用期限を超過していないため手順3に進む(S2)。次に、トナー24の使用期限日時から現在の日時を引いた日数は4日と23時間であり、トナー24の使用期限まで5日以内であることから手順4に進む(S3)。次に、現像制御部73は、残量記憶部25B内に格納されているトナー24の残量値が40%であると読み取る(S4)。次に、現像制御部73が読み取ったトナー24の残量が10%以上であることから手順6に進む(S5)。次に、トナー使用フラグF1をONにする(S6)。次に、所定の例えば10分間ウェイトした後、手順1に戻る(S9)。
【0028】
次に、本実施形態のプリンタ1内に設けられた印刷制御部71の動作について説明する。図5にプリンタ1内の設けられた印刷制御部71の動作に係るフローチャートを示す。
【0029】
ネットワーク90内に設けられた図示せぬ情報処理装置から送信された印刷データ75を通信部72が受信すると、通信部72は当該印刷データ75を印刷制御部71に送信して、印刷制御部71の動作に係るシーケンスが開始される。なお、図6に印刷データ75に係る模式図を示す。次に、印刷制御部71において印刷禁止フラグF2に係る情報を読み取る(S11)。次に、印刷禁止フラグF2がONではない場合(No)には手順13に進み、印刷禁止フラグF2がONの場合(Yes)にはシーケンスを終了する(S12)。次に、手順13に進んだ場合、印刷データ75内のトナーセーブモードに係る情報を解析する(S13)。次に、トナーセーブモードに係る印刷データ75の場合(Yes)には手順15に進み、トナーセーブモードに係る印刷データ75ではない場合(No)には手順23に進む(S14)。次に、手順15に進んだ場合、印刷データ75内のトナー使用フラグF1がONであるか否かを確認し、トナー使用フラグF1がONである場合(Yes)には手順16に進み、トナー使用フラグF1がONではない場合(No)には手順22に進む(S15)。次に、手順16に進んだ場合、印刷制御部71から通信部72に対して、図7に模式図で示したトナーセーブ問い合わせ76を送信する。トナーセーブ問い合わせ76を受信した通信部72は、ネットワーク90内に設けられた印刷データ75の送信元である図示せぬ情報処理装置に送信する。また、印刷制御部71は、図示せぬ応答待ちタイマを起動する(S16)。
【0030】
手順17に進んだ場合、通信部72は、所定の間隔毎に、図示せぬ情報処理装置からトナーセーブ問い合わせに係る応答の有無を確認し、応答が有った場合(Yes)には手順20に進み、応答が無かった場合(No)には手順18に進む(S17)。次に、手順18に進んだ場合、印刷制御部71は応答待ちタイマの値を確認する(S18)。次に、所定の時間が経過した場合には手順22に進み、所定の時間が経過していない場合には手順17に戻る(S19)。次に、手順17から手順20に進んだ場合、通信部72は、図示せぬ情報処理装置からトナーセーブ問い合わせに係る応答の内容を確認する(S20)。次に、トナーセーブ問い合わせに係る応答がYesの場合(Yes)には手順23に進み、トナーセーブ問い合わせに係る応答がNoの場合(No)には手順22に進む(21)。次に、手順21から手順22に進んだ場合、印刷制御部71は印刷部60に指令を出し、印刷部60は印刷データ75に基づいてトナーセーブモードで印刷動作を実行する(S22)。次に、手順21から手順23に進んだ場合、印刷制御部71は印刷部60に指令を出し、印刷部60が印刷データ75に基づき、且つ、トナーセーブモードを無視して印刷動作を実行する(S23)。次に、手順22又は手順23から手順24に進んだ場合、現像制御部73は印刷動作の実行により消費したトナー24の消費量を算出した後に、残量記憶部25Bに格納してあるトナー残量値から当該算出値を引き、当該算出値を引いたトナー残量値を残量記憶部25Bに書き込むことで更新して、印刷制御部71の動作に係るシーケンスを終了する(S24)。
【0031】
次に、上述した印刷制御部71の動作に係るシーケンスについて、具体例を挙げて、図5を参照しながら説明する。
【0032】
印刷条件は、例えば、印刷禁止フラグF2がONではない、トナーセーブモードに係る印刷データ75である、トナー使用フラグF1がONである、及びプリンタ1のユーザが報知手段であるダイアログボックス77のYesボタン77Aを押下することの4条件である。まず、印刷制御部71において、印刷データ75内の印刷禁止フラグF2に係る情報を読み取る(S11)。次に、印刷データ75内の印刷禁止フラグF2がONではないことから手順13に進む(S12)。次に、印刷データ75内のトナーセーブモードに係る情報を解析する(S13)。次に、解析の結果、トナーセーブモードに係る印刷データ75であることから手順15に進む(S14)。次に、印刷データ75内のトナー使用フラグF1がONであることから手順16に進む(S15)。次に、印刷制御部71から通信部72に対して、トナーセーブ問い合わせ76を送信する。トナーセーブ問い合わせ76を受信した通信部72は、ネットワーク90内に設けられた印刷データ75の送信元である図示せぬ情報処理装置に送信する。また、印刷制御部71は、図示せぬ応答待ちタイマを起動する(S16)。
【0033】
図示せぬ情報処理装置からトナーセーブ問い合わせに係る応答の有無を所定の間隔毎に、確認する。ここで、所定の時間経過前に、プリンタ1のユーザが図8に模式図で示した報知手段であるダイアログボックス77のボタンを押下したため、通信部72はネットワーク90から図9に模式図で示した応答78を受信し、印刷制御部71に送信する。従って、トナーセーブ問い合わせに係る応答78が有り手順20に進む(S17)。次に、通信部72は、プリンタ1のユーザがダイアログボックス77のYesボタン77A又はNoボタン77Bのいずれかのボタンを押下したかを確認する(S20)。次に、プリンタ1のユーザがダイアログボックス77のYesボタン77Aを押下していたことから手順23に進む(S21)。次に、印刷制御部71は印刷部60に指令を出し、印刷部60が印刷データ75に基づき、且つ、トナーセーブモードを無視して印刷動作を実行する(S23)。次に、印刷動作の実行により消費したトナー24の消費量を算出した後に、残量記憶部25Bに格納してあるトナー残量値から当該算出値を差し引き、当該算出値を差し引いたトナー残量値を残量記憶部25Bに書き込むことで更新して、印刷制御部71の動作に係るシーケンスを終了する(S24)。
【0034】
次に、印刷制御部71の動作に係るシーケンスの説明において参照した、印刷データ75、トナーセーブ問い合わせ76、ダイアログボックス77、及び応答78に係るコマンド表示について、図6乃至図9を参照しながら詳細に説明する。
【0035】
印刷データ75に係る模式図の一例を図6に示す。印刷データ75は、印刷データ75に係る特徴データ75A、及び、印刷データ75に係るページデータ75Cから構成される。なお、印刷制御部71は、特徴データ75A中に記述されたポイント75BであるTONER_SAVE=ONに基づいて、当該印刷データ75がトナーセーブモードであると認識する。また、トナーセーブ問い合わせ76に係る模式図の一例を図7に示す。図7には、トナーセーブ問い合わせであることを示すToner_Use_Check、プリンタ1のプリンタ名を示すPR1、トナーカートリッジ25の使用期限日時を示す2011年4月20日12:00、及びトナーカートリッジ25のトナー残量(%)を示す40が表示されている。また、ダイアログボックス77に係る模式図の一例を図8に示す。ダイアログボックス77は、トナーセーブ問い合わせ76を受信したネットワーク90内の図示せぬ情報処理装置に表示される。ダイアログボックス77は、プリンタ1のユーザに対して、使用期限の迫ったトナー24が一定量残っているに関わらず、ユーザがトナーセーブモードの印刷データ75を送信したことを報知して注意を促すものである。なお、プリンタ1のユーザは、Yesボタン77A又はNoボタン77Bのいずれかを押下することにより、トナーセーブモードを解除して印刷を行うか否かをプリンタ1に指示する。また、応答78に係る模式図の一例を図9に示す。応答78は、プリンタ1のユーザがネットワーク90内の図示せぬ情報処理装置上に表示されたダイアログボックス77内のYesボタン77Aを押下した場合に、プリンタ1の図示せぬ表示部に表示されるトナーセーブ問い合わせ76に係る応答コマンド表示である。なお、応答78には、Toner_Use_Responce Yesと表示される。
【0036】
次に、発明の第1の実施形態のプリンタの制御に基づいて印刷動作を行う場合と、従来のプリンタの制御に基づいて印刷動作を行う場合における、時間経過に対するトナー残量の推移について、図10を参照しながら比較して説明する。
【0037】
図10に例えば2011年4月10日以降における時間経過に対するトナー残量の推移を示す。4月10日時点でのトナー残量は65%であるが、トナー24を1日当たり5%ずつ消費した結果、4月15日時点でのトナー残量は40%となる。ここで、本発明に係る印刷動作によれば、実線の矢印線で示すように、トナー24の使用期限日時である2011年4月20日の5日前となり、且つ、トナー残量が10%を超過しているため、トナー使用フラグF1がONとなる。トナー使用フラグF1がONとなっている間、トナーセーブモードが解除されることにより、トナー24を1日当たり10%消費して、4月18日時点でのトナー残量は10%となる。なお、トナー残量が10%未満となることから、トナー使用フラグF1はOFFとなる。以降、トナー24を1日当たり5%消費して、4月20日時点でトナー残量が0%となる。また、従来の印刷動作によれば、一点破線の矢印線で示すように、4月15日以降もトナー24を1日当たり5%ずつ消費して、トナー24の使用期限日時である4月20日においてもトナー残量が15%残留する。当該15%のトナー24は印刷動作に使用できない。
【0038】
以上、第1の実施形態によれば、トナー24の使用期限までの期間が短く、且つ、トナーカートリッジ25内に収容されたトナー24の残量が多い場合に、プリンタ1のユーザに対して、トナー24の消費量を抑制することにより印刷画質を下げる印字方式を選択せず、トナー24の消費量を通常通りにして印刷画質を維持する印字方式を選択するように示唆する。従って、トナー24の使用期限を過ぎた時にトナーカートリッジ25内に残留してしまうトナー24の量を減らすことができる。
【0039】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係るプリンタ2について説明する。なお、第2の実施形態においては、現像制御部83が読み取ったトナー24の残量が10%以上の場合にのみ、プリンタ2のユーザがデフォルトプリンタに設定するか否かを選択できることに特徴を有し、それ以外のプリンタ2に係る構成は、第1の実施形態で述べたプリンタ1の構成と同様である。そこで、本実施形態では、第1の実施形態と異なる構成を中心にして具体的に説明する。
【0040】
まず、本実施形態のプリンタ2について説明する。図11にプリンタ2の構成図を示す。プリンタ2は、ブラック色、イエロー色、マゼンタ色、及びシアン色の各色に対応する画像情報に基づいて記録媒体4に画像を印刷する。
【0041】
プリンタ2は、第1の実施形態に係るプリンタ1と同様に、給紙カセット11から記録媒体4を取り出し転写部30内に設けられた転写ベルト31に記録媒体4を静電吸着させる給紙部10、上位装置又は外部装置であるネットワーク90からの画像情報に基づきトナー画像を形成する画像形成部20、画像形成部20で形成されたトナー画像を記録媒体4に転写する転写部30、転写部30で記録媒体4に転写されたトナー画像を溶解及び加圧して定着させる定着部40、及び定着部40から排出された記録媒体4をスタッカ53に排出する排出部50から構成される。また、第1の実施形態に係るプリンタ1内に設けられた制御基板70に対して、第2の実施形態に係るプリンタ2内においては図12を参照しながら後述する制御基板80が設けられている。また、第1の実施形態に係るプリンタ1と同様に、用紙搬送経路3は、給紙部10、画像形成部20、転写部30、定着部40、及び排出部50内において記録媒体4が搬送される略S字状の経路である。
【0042】
次に、プリンタ2の制御について説明する。図12にプリンタ2の構成を示すブロック図を示す。以下、図12及び図11を参照しながら具体的に説明する。
【0043】
プリンタ2は、CPU、CPUにて動作させるプログラム、一時的に記憶する読み書き可能な揮発性メモリ、プログラムで用いる設定情報保存用の不揮発性メモリ、入出力ポート、及びタイマ等から構成される制御基板80を設けており、当該制御基板80から各構成部に対して指令を出すことにより、画像情報を記録媒体4に印刷する一連のプロセスを制御する。なお、トナーカートリッジ25をプリンタ2に装着すると、制御基板80とトナーカートリッジ25が電気的に接続される。また、制御基板80は、通信部82と接続した印刷制御部71、ネットワーク90と接続した通信部82、及び、印刷制御部71及び計時部74と接続した現像制御部83から構成される。また、印刷部60は制御基板80内の印刷制御部71と接続している。同様に、トナーカートリッジ25内に設けられた期限記憶部25Aは、制御基板80内の現像制御部83と接続している。同様に、トナーカートリッジ25内に設けられた残量記憶部25Bは、制御基板80内の印刷制御部71及び現像制御部83と接続している。以下、第2の実施形態に特有の通信部82及び現像制御部83について具体的に説明する。
【0044】
制御基板80内に設けられた通信部82は、第1の実施形態に係る通信部72と同様に、ネットワーク90から印刷データを受信すると、当該印刷データを印刷制御部71に送信する。また、通信部82は、印刷制御部71からトナーセーブに係る問い合わせを受信すると、ネットワーク90内に設けられた印刷データの送信元である図示せぬ情報処理装置に送信する。さらに、通信部82は、ネットワーク90内に設けられた印刷データの送信元である図示せぬ情報処理装置からトナーセーブ問い合わせに係る応答を受信すると、印刷制御部71へ送信する。なお、通信部82は、第2の実施形態に係るプリンタ2に特有の機能として、現像制御部83からデフォルト要求を受信すると、ネットワーク90に接続された図示せぬ情報処理装置に対して、図14を参照しながら後述するデフォルト要求を送信する。また、制御基板80内に設けられた現像制御部83は、第1の実施形態に係る現像制御部73と同様に、所定の時間毎に、トナーカートリッジ25の期限記憶部25A内に格納されたトナー24の使用期限日時、トナーカートリッジ25の残量記憶部25B内に格納されたトナー24の残量、及び計時部74内の現在の日時を読み取る。当該読み取った情報に基づき、現在の日時とトナー使用期限日時の差が例えば所定の5日以内で、且つ、トナー残量が例えば所定の10%を越えているか否かを判断し、上記の条件を満たす場合には後述するトナー使用フラグF1をONし、上記の条件を満たさない場合には後述するトナー使用フラグF1をOFFする。なお、現像制御部83は、第2の実施形態に係るプリンタ2に特有の機能として、トナー使用フラグF1がOFFからONに切り替わる時に、通信部82にデフォルト要求を送信する。
【0045】
次に、本実施形態のプリンタ2内に設けられた現像制御部83の動作について説明する。図13にプリンタ2内の設けられた現像制御部83の動作に係るフローチャートを示す。
【0046】
プリンタ2の電源が入れられて起動した時に、現像制御部83の動作に係るシーケンスを開始する。現像制御部83は、期限記憶部25A内に格納されているトナー24の使用期限日時、及び、計時部74内に格納されている現在の日時を読み取る(S31)。なお、第2の実施形態のプリンタ2の現像制御部83に係る手順31乃至手順35は、図4を参照しながら前述した第1の実施形態におけるプリンタ1の現像制御部73に係る手順1乃至手順5とそれぞれ同様である。次に、手順35から手順36に進んだ場合、現像制御部83は印刷制御部71に対してトナー使用フラグF1の状態を確認する(S36)。次に、ナー使用フラグがONであるか否かを確認し、トナー使用フラグF1がONである場合(Yes)には手順41に進み、トナー使用フラグF1がONでない場合(No)には手順39に進む(38)。手順39に進んだ場合、現像制御部83はトナー使用フラグF1をONにして、且つ、現像制御部83から通信部82に対してデフォルト要求を送信する。また、通信部82はネットワーク90に接続された図示せぬ情報処理装置に対して、図14に示すデフォルトプリンタ問い合わせ84を送信する。デフォルトプリンタ問い合わせ84を受信した図示せぬ情報処理装置には、図15に示すダイアログボックス85が表示され、プリンタ2のユーザがプリンタ2をデフォルトで使うプリンタに設定するか否かを選択することができる(S39)。なお、第2の実施形態のプリンタ2の現像制御部83に係る手順37、40、及び41は、図4を参照しながら前述した第1の実施形態におけるプリンタ1の現像制御部73に係る手順7、8、及び9とそれぞれ同様である。
【0047】
次に、上述した現像制御部83の動作に係るシーケンスについて、具体例を挙げて、図13を参照しながら説明する。
【0048】
現像制御部83は、期限記憶部25A内に格納されているトナー24の使用期限日時である2011年4月20日12:00、及び、計時部74内に格納されている現在の日時である2011年4月15日11:55を読み取る(S31)。次に、トナー24の使用期限日時と計時部74内に格納されている現在の日時を比較して、トナー24の使用期限を超過していないため手順33に進む(S32)。次に、トナー24の使用期限日時から現在の日時を引いた日数は5日と5分であり、トナー24の使用期限まで5日以上であることから手順37に進む(S33)。次に、トナー使用フラグF1をOFFにする(S37)。次に、所定の時間である例えば10分間ウェイトした後に手順31に戻る(S41)。
【0049】
手順31において、印刷制御部71から指令を受けた現像制御部83は、期限記憶部25A内に格納されているトナー24の使用期限日時である2011年4月20日12:00、及び、計時部74内に格納されている現在の日時である2011年4月15日12:05を読み取る(S31)。次に、トナー24の使用期限日時と計時部74内に格納されている現在の日時を比較して、トナー24の使用期限を超過していないため手順33に進む(S32)。次に、トナー24の使用期限日時から現在の日時を引いた日数は4日と23時間55分であり、トナー24の使用期限まで5日以内であることから手順34に進む(S33)。次に、現像制御部83は、残量記憶部25Bに格納されているトナー残量40%を読み取る(S34)。次に、トナー残量は10%以上であるため手順36に進む(S35)。次に、トナー使用フラグF1の状態を確認する(S36)。次に、トナー使用フラグF1の状態を確認した結果、トナー使用フラグF1がOFFであるため手順39に進む(S38)。現像制御部83はトナー使用フラグF1をONにして、且つ、現像制御部83から通信部82に対してデフォルト要求を送信する。通信部82はネットワーク90に接続された図示せぬ情報処理装置に対して、図14に示すデフォルトプリンタ問い合わせ84を送信する。また、デフォルトプリンタ問い合わせ84を受信した図示せぬ情報処理装置には、図15に示すダイアログボックス85が表示される。ここで、プリンタ2のユーザがプリンタ2をデフォルトで使うプリンタに設定するか否かを選択することができ、Yesボタン85Aを押下すると、情報処理装置がデフォルトで使うプリンタをPR1に設定する。次に、所定の時間である例えば10分間ウェイトした後に手順31に戻る(S41)。
【0050】
手順31において、印刷制御部71から指令を受けた現像制御部83は、期限記憶部25A内に格納されているトナー24の使用期限日時である2011年4月20日12:00、及び、計時部74内に格納されている現在の日時である2011年4月15日12:15を読み取る(S31)。次に、トナー24の使用期限日時と計時部74内に格納されている現在の日時を比較して、トナー24の使用期限を超過していないため手順33に進む(S32)。次に、トナー24の使用期限日時から現在の日時を引いた日数は4日と23時間45分であり、トナー24の使用期限まで5日以内であることから手順34に進む(S33)。次に、現像制御部83は、残量記憶部25Bに格納されているトナー残量40%を読み取る(S34)。次に、トナー残量は10%以上であるため手順36に進む(S35)。次に、トナー使用フラグF1の状態を確認する(S36)。次に、トナー使用フラグF1の状態を確認した結果、トナー使用フラグF1がONであるため手順41に進む(S38)。次に、所定の時間である例えば10分間ウェイトした後に手順31に戻る(S41)。
【0051】
次に、現像制御部83の動作に係るシーケンスの説明において参照した、デフォルトプリンタ問い合わせ84及びダイアログボックス85に係るコマンド表示について、図14及び図15を参照しながら詳細に説明する。
【0052】
デフォルトプリンタ問い合わせ84に係る模式図の一例を図14に示す。図14には、デフォルトプリンタ問い合わせであることを示すDefault_Printer_Request、プリンタ2のプリンタ名を示すPR1、トナーカートリッジ25の使用期限日時を示す2011年4月20日12:00、及びトナーカートリッジ25のトナー残量(%)を示す40が表示されている。また、ダイアログボックス85に係る模式図の一例を図15に示す。ダイアログボックス85は、デフォルトプリンタ問い合わせ84を受信したネットワーク90内の図示せぬ情報処理装置に表示される。ダイアログボックス85は、プリンタ2のユーザに対して、トナーセーブ問い合わせを受信した情報処理装置のデフォルトで使うプリンタがPR1ではなかった場合において、デフォルトで使用するプリンタに設定することを促すものである。プリンタ2のユーザは、Yesボタン85A又はNoボタン85Bのいずれかを押下することにより、デフォルトで使用するプリンタに設定するか否かを指示する。
【0053】
以上、第2の実施形態によれば、トナーカートリッジ25の使用期限までの期間が短く、且つ、トナーカートリッジ25内に収容されたトナー24の残量が多い場合に、プリンタ2のユーザに対して、プリンタ2をデフォルトプリンタとして使用することを示唆する。従って、プリンタ2に設けられたトナーカートリッジ25の使用期限を過ぎた時に、トナーカートリッジ25内に残留してしまうトナー24の量を減らすことができ、且つ、他のプリンタに設けられたトナーカートリッジのトナーを温存することができる。
【0054】
なお、上述した第1の実施形態及び第2の実施形態においては、プリンタ1及びプリンタ2をそれぞれ電子写真式のカラープリンタとして説明したが、本実施形態のプリンタ1及びプリンタ2を、インクジェットプリンタ、ドットマトリクスプリンタ、複写機、モノクロプリンタ、ファクシミリ装置、自動原稿読み取り装置、MFP装置などに設けても良い。また、トナー使用フラグF1に係る表示条件を、トナー使用期限まで5日以内、且つ、トナー残量が10%以上としたが、これらの値はプリンタ1又はプリンタ2のユーザが図示せぬ表示制御部を用いて適宜設定可能な構成としても良い。同様に、トナー使用フラグF1に係る表示条件であるトナー残量の判定基準値は、トナー使用期限に至る時間経過とリンクさせることにより、小さな値に繰り返し再設定する構成としても良い。さらに、プリンタ1又はプリンタ2の印刷動作に伴うトナー使用量のペースに関し、トナー残量を10%として制御する設定に代えて、トナー使用量を90%として制御するように設定しても良い。また、トナーセーブモードを解除する構成を、カラー印字禁止モードを解除する構成としても良い。また、本実施形態では、現像剤の製造時間情報を取得するが、これに限定されることはなく、例えば開封時間情報を取得する構成としても良い。また、本発明における画像形成部20は、ブラック色、イエロー色、マゼンタ色、及びシアン色の4色に対応する画像情報を現像する4つの画像形成部20K、20Y、20M、及び20Cを備えるが、ブラック色を除いた3色に対応する3つの画像形成部20Y、20M、及び20Cを備えても良い。同様に、それぞれブラック色に対応する画像情報を現像する2つの画像形成部20Kを備えても良い。このように、画像形成部20の個数、画像形成部20の色の組み合わせ、配設位置等は限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。なお、本発明はプリンタ1又はプリンタ2内に設けられたトナーカートリッジ25に収容したトナー24の使用期限に係る制御に関するものであることから、 画像形成機構を直接的に有していないプリンタサーバにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1の実施形態のプリンタを示す構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態のプリンタ内に設けられた画像形成部を示す構成図である。
【図3】本発明の第1の実施形態のプリンタの制御を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態のプリンタ内に設けられた現像制御部に係る動作の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態のプリンタ内に設けられた印刷制御部に係る動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態のプリンタの制御に係る印刷データの一例を示す模式図である。
【図7】本発明の第1の実施形態のプリンタの制御に係るトナーセーブ問い合わせの一例を示す模式図である。
【図8】本発明の第1の実施形態のプリンタの制御に係るダイアログボックスの一例を示す模式図である。
【図9】本発明の第1の実施形態のプリンタの制御に係る応答の一例を示す模式図である。
【図10】本発明の第1の実施形態のプリンタの制御に基づいて印刷動作を行う場合、及び、従来のプリンタの制御に基づいて印刷動作を行う場合における、時間経過に対するトナー残量の推移を示す模式図である。
【図11】本発明の第2の実施形態のプリンタを示す構成図である。
【図12】本発明の第2の実施形態のプリンタの制御を示すブロック図である。
【図13】本発明の第2の実施形態のプリンタ内に設けられた現像制御部に係る動作の流れを示すフローチャートである。
【図14】本発明の第2の実施形態のプリンタの制御に係るデフォルトプリンタ問い合わせの一例を示す模式図である。
【図15】本発明の第2の実施形態のプリンタの制御に係るダイアログボックスの一例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0056】
1 プリンタ
2 プリンタ
3 用紙搬送経路
4 記録媒体
10 給紙部
11 給紙カセット
12 ピックアップローラ
13 フィードローラ
14 リタードローラ
15 プレッシャローラ
16 レジストローラ
17 プレッシャローラ
18 レジストローラ
20,20K,20Y,20M,20C 画像形成部
21 感光体ドラム
22 帯電ローラ
23 露光源
24 トナー
25 トナーカートリッジ
25A 期限記憶部
25B 残量記憶部
26 トナー供給ローラ
27 現像ローラ
28 現像ブレード
29 クリーニングブレード
30 転写部
31 転写ベルト
32 ドライブローラ
33 アイドルローラ
34 転写ローラ
40 定着部
41 定着ローラ
42 加圧ローラ
50 排出部
51 排出ローラ
52 排出コロ
53 スタッカ
60 印刷部
70 制御基板
71 印刷制御部
72 通信部
73 現像制御部
74 計時部
75 印刷データ
75A 特徴データ
75B ポイント
75C ページデータ
76 トナーセーブ問い合わせ
77 ダイアログボックス
77A Yesボタン
77B Noボタン
78 応答
80 制御基板
82 通信部
83 現像制御部
84 デフォルトプリンタ問い合わせ
85 ダイアログボックス
85A Yesボタン
85B Noボタン
90 ネットワーク
F1 トナー使用フラグ
F2 印刷禁止フラグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤の時間情報を取得する時間情報取得部と、
前記現像剤の量を取得する量取得部と、
前記時間情報取得部及び前記使用量取得部を所定の条件で制御する制御部と、
前記制御部により制御される前記現像剤の使用量を増加させる設定を操作者に促す報知手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記現像剤の使用量を増加させる前記設定は、前記現像剤の使用量を抑制して印刷動作を行うことを解除する印刷条件であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記画像形成装置の使用頻度を増加させる設定を操作者に促す報知手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置の使用頻度を増加させる前記設定は、前記操作者が選択することができる複数の装置の内から、前記操作者が選択した装置を用いて印刷動作を行う印刷条件であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記操作者が任意に選択した前記装置は、単一又は複数であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記印刷条件は、前記現像剤の使用期限に基づいて設定することを特徴とする請求項2又は請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記印刷条件は、前記現像剤の残量に基づいて設定することを特徴とする請求項2又は請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記印刷条件は、前記現像剤の使用量に基づいて設定することを特徴とする請求項2又は請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記現像剤を収容する現像剤収容部を更に有し、
前記現像剤の前記製造時間情報は、前記現像剤収容部に設けられた前記時間情報取得部に記憶されることを特徴とする請求項1乃請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記現像剤の前記使用量は、前記現像剤収容部に設けられた前記使用量取得部に記憶されることを特徴とする請求項1乃請求項9に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−48900(P2010−48900A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−211028(P2008−211028)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】