説明

画像形成装置

【課題】中間転写体を用いた画像形成装置において、記録材が転写部材と中間転写体で形成される圧接部に突入する、又は、抜ける際に生じる中間転写体の負荷変動が生じる。それによる中間転写体の速度変動によって、画像上にショックブレと呼ばれる濃度ムラが発生する場合がある。
【解決手段】記録材が転写部材と中間転写体で形成される圧接部に突入する、又は、抜けるタイミングに合わせて現像バイアスの絶対値を変化させて、中間転写ベルトの速度変動による濃度ムラを軽減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録材上に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、レーザープリンタや複写機などの画像形成装置は、生産性を向上させるための高速化、また高画質化等、多機能であり、かつ、様々な種類の記録媒体(以下シートという)に対応できることが求められている。例えば、カラーレーザープリンタでは、複数の現像剤像を担持できる中間転写ベルト(中間転写体)を用いる方式が採用されている。この方式は単位時間当たりの画像形成枚数を多くすることができ、また、カラー画像を形成する際の画質向上に適した構成である。この方式は、像担持体としての感光ドラムに現像剤(例えばトナー)を用いて現像剤像を形成し、その現像剤像を中間転写ベルトに一次転写し、その後、中間転写ベルトからシートに現像剤像を二次転写する構成となっている。このような構成の場合、中間転写ベルトとこのベルトからシートに現像剤像を転写するための転写部材とが所定の圧力で圧接されて圧接部(以下、二次転写ニップと言う)を形成している。そのため、シートの先端が二次転写ニップに突入する際、又は、シートの後端が二次転写ニップから抜ける際に、中間転写ベルトに負荷変動が生じることがある。上記の負荷変動があった場合、ギヤ等の駆動伝達部材の変形が生じて中間転写ベルトに大きな速度変動が発生することがある。中間転写ベルトに大きな速度変動が生じてしまうと、感光ドラムの現像剤像を中間転写ベルトに転写する(一次転写ともいう)際に、現像剤像の濃度変動が生じて、画像不良となってしまう。これがショックブレと呼ばれる画像不良である。近年、前述した構成で、ショックブレが発生しやすくなっている理由を説明する。第一に、中間転写ベルトを採用した構成の特徴である高いメディアフレキシビリティによって、様々な厚さのシートを比較的容易に用いるようになっていることである。特に、厚いシートは、その先端が二次転写ニップに突入する際、又は、後端が二次転写ニップから抜ける際に、二次転写ニップにおいて、中間転写ベルトがシートから受ける接線力が、薄い紙を使用した場合よりも大きくなる。その結果、負荷変動が大きくなるので、ショックブレが発生しやすくなる。第二に、多種多様なシートにおいても、十分な転写性が確保できるように、二次転写圧を高くしているためである。特に、表面形状に凹凸があるシートにおいては、凹部において、転写効率が低下しやすい傾向があり、その対策として、シートの凹凸形状を潰して転写効率を上げるために、転写圧を上げるという方法を取る場合がある。この場合にも、中間転写ベルトがシートから受ける接線力が上がるため、負荷変動が大きくなるため、ショックブレが発生しやすくなる。第三に、長寿命化のため、モノカラープリントの場合には、モノカラーモードを採用することがあるためである。モノカラーモードとは、複数の現像剤像を担持できる中間転写体を用いる方式において、全ての色の画像形成部を機能させるフルカラーモードに対して、一つの画像形成部(例えば黒)を機能させるモードの事を言う。モノカラーモードの目的は、画像形成部の感光ドラムの寿命を延ばすことと、トナーの消費量を減らすことである。黒のみを使用するモノカラーモードでは、機能させない画像形成部の感光ドラムと中間転写ベルトは離隔によって接触させないことで、感光ドラム表面の摩耗を防ぐことができる。また、感光ドラムのクリーニングでブレードを使用しているものでは、感光ドラムが回転を停止しているので、ブレードによる摩耗を防ぐことができる。モノカラーモードは、フルカラーモードと比較して、中間転写ベルトに接触している感光ドラムの数が少ないので、中間転写ベルトに対する拘束点が少なく、挟持力が小さくなる。よって、ベルトの挟持力が弱いモノカラーモードでは、薄紙などを使用した場合など、少しの負荷変動でも、速度変動になりやすい。また、ロータリー型現像器の場合、中間転写ベルトをクリーニングするクリーニングローラ(又はクリーニングブレード)、又は2次転写ローラを中間転写ベルトに当接離隔する構成をとる。この場合、クリーニングブレード(クリーニングローラ)や2次転写ローラが中間転写ベルトに当接、又は、離隔する瞬間に中間転写ベルトにかかる負荷が変動する。そのため中間転写ベルトの一時的な速度変動が発生する場合がある。
【0003】
前述したようなショックブレを防ぐために、中間転写体の速度変動を抑制する対策が開示されている。特許文献1では、転写材の先端がニップに突入する際に発生するショックブレを抑制するため、転写材を所定の加速度で加速した状態で突入させて、中間転写体の速度変動を抑えるというものが提案されている。特許文献2では、クリーニングブレードとは別に、潤滑均し部材を中間転写ベルトの画像形成領域に当接させ、中間転写ベルトがクリーニングブレードから受ける動摩擦以上の動摩擦抵抗を中間転写ベルトに付与する提案がされている。特許文献3には、中間転写ベルトの速度変動が起こる走査ラインについて、露光手段による画像の書き込み補正を行うことが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−147758号公報
【特許文献2】特開2007−328094号公報
【特許文献3】特開2004−302308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1による対策は、紙後端が二次転写ニップを抜ける際の負荷変動によるショックブレや、紙搬送以外の要因による負荷変動によって発生するショックブレには適用できないなど、適用条件が限定される。特許文献2の対策は、構成が複雑になり、新たに複数の追加部品が必要になるので、コストアップになる。また、中間転写ベルト駆動のトルクアップに繋がる。以上のように、中間転写体の速度変動を抑制しようとすると、先行技術に示される対策では発生メカニズムによっては、適用できなかったり、紙種やプリントモードによっては効果が限定されることがある、又は、コストアップに繋がってしまうという課題があった。特許文献3の対策では、露光手段によって、走査ラインの間引き、空打ち、2度打ち等によって、作像手段を補正制御する。そのため、ディザリング処理と干渉してモアレ(干渉縞)が発生する可能性があるという問題がある。ディザリング処理の設計は、通常、バンディング等と干渉しないように設計するため、上記のような補正制御を行うと、更に設計自由度が減少することになってしまう。そこで、本発明の目的は、中間転写体の負荷変動起因の中間転写体の一時的な速度変動によって発生する画像不良を安定的に、弊害なく、安価な構成で改善し、高画質の画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、潜像が形成される回転可能な像担持体と、現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に現像バイアスを印加する現像バイアス印加手段とを備え、前記像担持体に形成された潜像を現像剤像に現像する現像装置と、回転可能な中間転写体と、前記中間転写体を挟んで前記像担持体に対峙する位置にあり前記中間転写体と前記像担持体とを接触させて一次転写ニップを形成させ前記現像剤像を前記中間転写体に転写させる一次転写部材と、前記中間転写体に接触して二次転写ニップを形成し前記中間転写体に転写された前記現像剤像を記録媒体に二次転写する二次転写部材と、前記記録媒体に対する画像形成のための潜像が形成される前記像担持体の領域の中で、前記中間転写体の速度が一時的に遅くなる時に前記一次転写ニップにある領域を少なくとも含む領域を第一の領域、前記一時的な速度の変動がない時に前記一次転写ニップにある領域を第二の領域として、潜像の画像部の電位と前記第一の領域となる領域の潜像を現像する時に前記現像剤担持体に印加される現像バイアスの電位との電位差が、潜像の画像部の電位と前記第二の領域となる領域の潜像を現像する時に前記現像剤担持体に印加される現像バイアスの電位との電位差よりも小さくなるように、現像バイアスを制御する制御装置とを備える画像形成装置、である。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、従来のように、中間転写体の速度変動そのものを抑制するのではなく、発生する濃度変動を抑制する。よって、従来技術に比較して、発生メカニズムや、紙種やプリントモードなどの条件によらず安定的に効果があり、弊害やコストアップも少なく、画質のよい画像形成装置を提供できる。中間転写体の速度変動が特に大きい場合においても、弊害なく、画質のよい画像形成装置を提供できる。また、露光による書き込み補正を行うのに対してディザリング処理と干渉したモアレの発生の弊害を考慮する必要がないというメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1における画像形成装置の概略構成図
【図2】(a)は中間転写部の概略を示す図(フルカラーモード時)、(b)はフルカラーモード時における用紙先端がT2ニップに突入した際の画像上のショックブレの発生位置を示す図、(c)は中間転写部の概略を示す図(モノカラーモード時)、(b)はモノカラーモード時における用紙先端がT2ニップに突入した際の画像上のショックブレの発生位置を示す図
【図3】(a)は中間転写部の概略を示す図(フルカラーモード時)、(b)はフルカラーモード時における用紙後端がT2ニップを抜けた際の画像上のショックブレの発生位置を示す図、(c)は中間転写部の概略を示す図(モノカラーモード時)、(b)はモノカラーモード時における用紙後端がT2ニップを抜けた際の画像上のショックブレの発生位置を示す図
【図4】(a)は用紙先端がT2ニップに突入した際の中間転写ベルトの速度の推移を表したグラフ、(b)は用紙の坪量と用紙の先端がT2ニップに突入した際の中間転写ベルトの速度変動率の関係を表したグラフ
【図5】(a)はプロセスカートリッジ(4st)と中間転写部の概略を示す図、(b)は制御部からの信号伝達を表したブロック図
【図6】(a)は従来の画像形成プロセスのタイミングチャート、(b)は実施例1に係る画像形成プロセスのタイミングチャート
【図7】(a)は実施例1に係る現像バイアス制御を表したグラフ、(b)は実施例1に係る現像バイアス制御を段階的に行う場合の表したグラフ
【図8】実施例2に係る画像形成プロセスのタイミングチャート
【図9】実施例3における画像形成装置の概略構成図
【図10】(a)中間転写ベルトに2次転写ローラが当接した瞬間の中間転写部の概略を示す図、(b)中間転写ベルトに2次転写ローラが当接した瞬間の画像上のショックブレの発生位置を示す図
【図11】(a)中間転写ベルトにクリーニングローラが当接した瞬間の中間転写部の概略を示す図、(b)中間転写ベルトにクリーニングローラが当接した瞬間の画像上のショックブレの発生位置を示す図
【図12】(a)中間転写ベルトから2次転写ローラが離隔した瞬間の中間転写部の概略を示す図、(b)中間転写ベルトから2次転写ローラが離隔した瞬間の画像上のショックブレの発生位置を示す図
【図13】(a)中間転写ベルトからクリーニングローラが離隔した瞬間の中間転写部の概略を示す図、(b)中間転写ベルトからクリーニングローラが離隔した瞬間の画像上のショックブレの発生位置を示す図
【図14】実施例4に係る画像形成プロセスのタイミングチャート
【図15】実施例5に係る画像形成プロセスのタイミングチャート
【図16】記録媒体の厚み検知センサの説明図
【図17】一次転写ローラの当接離隔機構の説明図
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施例1]:(1)画像形成装置例:図1は、本発明に従う画像形成装置の一例の構成模型図である。この画像形成装置100は電子写真方式を用いたカラープリンタである。画像形成装置100は、ホスト装置200から制御部(制御手段、制御回路部)101に入力する電気的画像信号(画像情報)に基づいて記録媒体としてのシート状の記録材(以下、用紙と記す)Sにカラー画像形成、又はモノカラー画像形成を行う。ホスト装置200は、例えば、パーソナルコンピュータ・イメージリーダー等である。制御部101はCPU(演算部)・ROM(記憶手段)などを含み、ホスト装置200や画像形成装置100の操作部(不図示)との間で各種の電気的な情報の授受をする。また、制御部101は画像形成装置100の画像形成動作を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。制御部101は、後述する帯電バイアス、現像バイアス、転写バイアスを制御する。画像形成装置100は、装置本体100Aに対して着脱自在な4個のプロセスカートリッジ3(3a〜3d)を備えている。各カートリッジ3は装置本体100Aにおいて図面上左側から右側に所定の間隔をもって順にタンデム配置されている。各カートリッジ3は、同一構造であるが、異なる色、本実施例では、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)のトナーによる画像(現像剤像)を形成する点で相違している。カートリッジ3は、現像手段である現像ユニット4(4a〜4d)と、クリーナーユニット5(5a〜5d)によって構成されている。現像ユニット4は、像担持体としての感光ドラム1(1a〜1d)に対して現像部位を構成する回転可能な現像剤担持体としての現像ローラ6(6a〜6d)を有する。現像ローラ6と現像ローラに現像バイアスを印加するための電源6dV(現像バイアス印加手段)とをあわせて現像装置とする。また、現像ローラ6に接触又は近接して現像剤を供給する現像剤供給部材としての現像剤塗布ローラ7(7a〜7d)と、現像剤収容部であるトナー容器と、を有する。クリーナーユニット5は、回転可能な像担持体である感光ドラム1(1a〜1d)と、帯電部材である帯電ローラ2(2a〜2d)と、ドラムクリーニングブレード8(8a〜8d)と、廃トナー容器と、を有している。帯電ローラ2と、帯電ローラに帯電バイアスを印加するための電源2dV(帯電バイアス印加手段)とをあわせて帯電装置とする。感光ドラム1a,1b,1c,1dが複数の像担持体である。カートリッジ3の鉛直下方には露光手段としてのスキャナユニット9が配置され、画像信号に基づく露光をドラム1に対して行う。ドラム1は矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動され、帯電ローラ2によって、本実施例においては負極性の所定電位に帯電された後、スキャナユニット9による露光によってそれぞれ静電潜像が形成される。露光部が画像部、非露光部が非画像部となる。この静電潜像は現像ユニット4によって、本実施例においては反転現像されて負極性のトナーが付着され、それぞれY、M、C、Bkのトナー像が形成される。本実施例では、トナーの通常の極性は負極性のトナーで説明を行う。トナーの通常の極性とは、静電潜像を現像する際に用いられるトナーの電荷極性を指す。カートリッジ3の鉛直上方には中間転写ベルトユニット10が配置されている。ユニット10は、カートリッジ3dよりも右側の駆動ローラ52と、駆動ローラ52の上側の二次転写対向ローラ54と、カートリッジ3aよりも左側のテンションローラ53と、の並行3本のローラを有する。そして、その3本のローラ間に中間転写体としての可撓性を有する中間転写ベルト51(以下ベルト51)が懸回張設(張架)されている。テンションローラ53がベルト51に対して矢印T方向に張力をかけている。ベルト51は駆動ローラ52が回転駆動されることでドラム1の回転速度に対応した所定の速度で矢印の反時計方向に循環移動する。ベルト51の内側には、ベルト51を挟んで各感光ドラム1に対峙する位置に一次転写部材としての一次転写ローラ50(50a〜50d)が設置されている。一次転写ローラ50と一次転写ローラにバイアスを印加するための電源50dV(一次転写バイアス印加手段)とをあわせて一次転写装置とする。一次転写ローラ50a,50b,50c,50dが複数の一次転写部材である。一次転写ローラ50は、それぞれ、ベルト51とドラム1とを接触させて一次転写ニップ(一次転写部:以下、T1ニップと記す)80(80a〜80d)を形成する。一次転写ローラ50には、不図示の一次転写バイアス印加手段によりトナーの帯電極性とは逆極性(本実施例においては正極性)で所定電位の一次転写バイアスを印加する構成となっている。また、二次転写対向ローラ54にはベルト51を挟ませて二次転写部材としての二次転写ローラ60が圧接されて配置されている。ベルト51と二次転写ローラ60との圧接部が二次転写ニップ(二次転写部:以下、T2ニップと記す)99である。この二次転写ローラ60には不図示の二次転写バイアス印加手段によりトナーの帯電極性(本実施例においては正極性)とは逆極性で所定電位の二次転写バイアスを印加する構成となっている。中間転写体51は上記のエンドレスベルト型に限られず、回転ドラム型の構成にすることもできる。
【0010】
フルカラー画像を形成するための動作(フルカラーモード:複数の像担持体によって画像形成する第一のモード:全ての色の画像形成部を機能させる画像形成モード)は次のとおりである。各カートリッジ3のドラム1が矢印の時計方向に所定の制御速度で回転駆動される。ベルト51も矢印の反時計方向(ドラム回転に順方向)にドラム1の速度に対応した速度で回転駆動される。スキャナユニット9も駆動される。この駆動に同期して、各カートリッジ3においてそれぞれ所定の制御タイミングで帯電ローラ2がドラム1の表面を所定に一様に帯電する。スキャナユニット9は各ドラム1の表面を各色の画像情報(画像信号)に応じて変調されたレーザー光で走査露光する。これにより、各ドラム1の表面に対応色の画像信号に応じた静電潜像が所定の制御タイミングで形成される。形成された静電潜像は対応色の現像ユニット3の現像ローラ6によりトナー像として現像される。各一次転写ローラ50には所定の制御タイミングにて所定の一次転写バイアスが印加される。上記のような電子写真画像形成プロセス動作により、カートリッジ3aのドラム1aにはフルカラー画像のイエロー成分に対応するY色のトナー像が形成される。そのトナー像がT1ニップ80aにてベルト51上に一次転写バイアスと一次転写圧により一次転写される。カートリッジ3bのドラム1bにはフルカラー画像のマゼンタ成分に対応するM色のトナー像が形成される。そのトナー像が、T1ニップ80bにて、ベルト51上にすでに転写されているY色のトナー像に重畳されて一次転写バイアスと一次転写圧により一次転写される。カートリッジ3cのドラム1cにはフルカラー画像のシアン成分に対応するC色の現像剤像が形成される。そのトナー像が、T1ニップ80cにて、ベルト51上にすでに転写されているY色+M色のトナー像に重畳されて一次転写バイアスと一次転写圧により一次転写される。カートリッジ3dのドラム1dにはフルカラー画像のブラック成分に対応するBk色のトナー像が形成される。そのトナー像が、T1ニップ80dにて、ベルト51上にすでに転写されているY色+M色+C色の現像剤像に重畳されて一次転写バイアスと一次転写圧により一次転写される。かくして、ベルト51上にY色+M色+C色+Bk色の4色フルカラーの未定着トナー像が合成形成される。各カートリッジ3において、ベルト51に対するトナー像の一次転写後のドラム1面に残留した転写残トナーはクリーニングブレード8により除去される。
【0011】
一方、所定の制御タイミングで給紙部から記録媒体としての用紙Sが給送される。本実施例の画像形成装置100では、第1と第2の2つの給紙装置(給紙部)を有する。第1の給紙装置は装置本体100Aの内部に設けられた本体給紙部20である。第2の給紙部は装置本体100Aの側面に設けられた手差し給紙部30である。本体給紙部20は、給紙カセット21が装置本体内部の位置決め部に対して、突き当てるように挿入される。本実施例では、図1の手前に設置されている前側板(不図示)に対して突き当てている。給紙カセット21での、搬送方向に対して直角な方向(用紙幅方向)の用紙Sの位置決めは、用紙Sの大きさに合わせて給紙カセット21に移動可能に取り付けられている図上手前側のサイド規制板19a及び図上奥側のサイド規制板19bによって行われる。これらによって、用紙Sはその上面側だけを開放した状態にて位置決めされた状態で積載され、装置本体100Aに対して精度よく位置決めされている。本体給紙部20は、用紙Sを収納する給紙カセット21内から用紙Sを給紙する給紙ローラ22と、分離手段である分離ローラ23を有する。給紙カセット21に収納された用紙Sは、給紙ローラ22に圧接され、分離ローラ23によって一枚ずつ分離され搬送される。そして、分離された用紙Sは、本体給紙搬送路25を経て、用紙をT2ニップ99に搬送するための搬送部としてのレジストローラ対38に搬送される。手差し給紙部30は、用紙Sを積載する中板31と、中板31の最上の用紙Sを給紙する給紙ローラ32と、分離手段である分離パット33を有する。また、搬送方向に対して直角な方向(用紙幅方向)の位置を規制する図上手前側のサイド規制板37a及び図上奥側のサイド規制板37bを有する。中板31が持ち上がり、中板31上に積載された用紙Sが給紙ローラ32に圧接され、分離パット33によって一枚ずつ分離され搬送される。そして、分離された用紙Sは手差し給紙搬送路34を経て、再給紙ローラ対35に搬送され、再給紙搬送路36を通過してレジストローラ対38に搬送される。以上、説明したように、レジストローラ対38の上流側では、本体給紙部20と手差し給紙部30の2つの搬送路が合流する構成である。そして、レジストローラ対38により用紙SはT2ニップ99に所定の制御タイミングで搬送される。二次転写ローラ60には所定の制御タイミングにて所定の二次転写バイアスが印加される。これにより、用紙SがT2ニップを挟持搬送されていく過程でベルト51上の4色重畳のトナー像が用紙Sの面に順次に二次転写バイアスと二次転写圧により一括二次転写される。T2ニップ99を出た用紙Sはベルト51の面から分離されて画像定着手段である定着装置13へ導入される。定着装置13において、16は加熱部材としての定着部材、15は加圧部材としての弾性加圧ローラであり、この定着部材16と加圧ローラ15との圧接により加熱ニップ部としての定着ニップ部が形成されている。未定着トナー像を担持した用紙Sが、定着ニップ部に搬送され、定着ニップ部を挟持搬送される事で、未定着トナー像が加熱・加圧される。これにより、各色トナー像の溶融混色及び用紙への定着がなされる。そして、用紙Sは、定着装置13を出てフルカラー画像形成物として排紙ユニット14に設置された排紙ローラ17によって排出トレイ18に排出される。また、用紙分離後のベルト51の表面に残留した二次転写残トナーは、ベルトクリーニング装置11によって除去され、除去されたトナーは、廃トナー搬送路(不図示)を通過し、装置奥面部に配置された廃トナー回収容器(不図示)へと回収される。
【0012】
モノカラーモード(複数の一次転写部材、又は、複数の像担持体のうち一部が中間転写体から離隔している状態で画像形成する第二のモード:一の画像形成部を機能させる画像形成モード)も実行可能である。例えば、記録材に黒単色の画像を形成するモノクロモードの場合は、図2の(c)の模式図のように、Bk色のトナー像を形成するカートリッジ3dのドラム1dと対応の一次転写ローラ50dがベルト51を挟んで圧接してT1ニップ80dを形成している。他のカートリッジ3a,3b,3cのドラム1a,1b,1cに対応する一次転写ローラ50a,50b,50cはベルト51から離隔している状態に保持される。即ち、他のカートリッジ3a,3b,3cのドラム1a,1b,1cとベルト51とのT1ニップ80a,80b,80cは解除されている。或いは、他のカートリッジ3a,3b,3cのドラム1a,1b,1cがベルト51から離隔してT1ニップ80a,80b,80cが解除されている。そして、この状態において、ベルト51が回転駆動され、カートリッジ3dだけにより画像形成が実行されることで、記録材Sに対する黒単色の画像形成がなされる。制御部101は、画像信号に基づいてモノカラーモードか、フルカラーモードかを判断する。そして、モノカラーもードであると判断した場合、制御部101は、カム402(一次転写ローラ当接離隔手段)を制御して一次転写ローラの離隔動作を制御する。
【0013】
一次転写ローラ当接離隔手段の説明を行う。図17に、制御部101がモノカラーモードと判断した際に、一次転写ローラ50a、50b、50cが、ベルト51から離隔する構成を例に挙げて説明する。
【0014】
図17(a)は、フルカラーモードの状態を表している。450a、450b、450c、450dは、それぞれ、一次転写ローラ50a、50b、50c、50dの両端を支持する軸受けである。
カラーステーションの軸受け450a、450b、450cは、それぞれ中間転写ベルトユニット内で固定された回転中心404a、404b、404cを持つL字アーム403a、403b、403cに支持されている。L字アームの一端は、それぞれ、圧縮バネ(付勢部材)56a、56b、56cの付勢力によって、ストッパー401a、401b、401cに突き当たる。よって、一次転写ローラ50a、50b、50cは、ベルト51を介して所定の圧力でドラム1a、1b、1cに当接する。また、L字アームの他端は、レバー400に触れない状態で保持されている。
【0015】
図17(b)は、モノカラーモードの状態を表している。駆動源(不図示)は、カム402を回転させて、レバー400は、図17(a)のフルカラーモードの状態から矢印Eの方向に所定の距離だけ移動したところで回転を停止する。レバー400が所定の距離移動することによって、カラーステーションのL字アーム403a、403b、403cは、それぞれL字アームの回転中心404a、404b、404cを中心に所定角度回転する。そして、一次転写ローラ50a、50b、50c、50dがドラム1a、1b、1cから所定量離隔する。
【0016】
(2)ショックブレの発生メカニズム:中間転写ベルトユニット10において、用紙Sの先端がT2ニップ99に突入する際、又は、用紙Sの後端がT2ニップ99から抜ける際に、中間転写体であるベルト51に負荷変動が生じることがある。上記の負荷変動があった場合、ベルトユニット10のギヤ等の駆動伝達部材の変形が生じてベルト51に大きな速度変動が発生することがある。ベルト51に大きな速度変動が生じてしまうと、T1ニップ80でドラム1のトナー像をベルト51に転写する際に、トナー像の濃度変動が生じて、画像不良となってしまう。これがショックブレと呼ばれる画像不良である。即ち、T2ニップ99に用紙Sが突入した時に、又は、用紙Sの後端がT2ニップ99から抜けた時に、ベルト51の移動速度が遅くなる。そのために、ベルト51の速度が変動している時にT1ニップ80でベルト51に転写されるトナー像の濃度が濃くなってしまう。例えば、均一の濃度の画像を形成しようとしたとしても、最終的に出力される画像は、ベルト51の速度が変動してしまった部分に対応する個所が濃くなって出力されてしまう。
なお、逆に、用紙Sの後端がT2ニップ99から抜けた時は、ベルト51の速度増加が起こる場合もある。用紙Sの後端がT2ニップ99から抜けた時に、瞬間的にベルト51の負荷が小さくなるので、ギヤ等の駆動伝達部材のガタ分、ベルト51が用紙Sに引っ張られて先回りする場合である。ベルト51の速度が速くなっている時に、T1ニップ80でベルト51に転写されるトナー像の濃度が薄くなる。
【0017】
このショックブレの発生メカニズムをより詳しく具体的に説明する。図2の(a)はフルカラーモード時のベルトユニット10の状態を示す模式図、(b)はこのモード時の発生ショックブレの状態図である。(c)はモノカラーモード時(モノクロモード時)のベルトユニット10の状態を示す模式図、(b)はこのモード時の発生ショックブレの状態図である。中間転写ベルトユニット10は、前記のように、駆動ローラ52、テンションローラ53、二次転写対向ローラ54、一次転写ローラ50(50a〜50d)、ベルト51から構成されている。ベルト51は、駆動ローラ52、テンションローラ53、二次転写対向ローラ54によって、張架されている。フルカラーモードのときには、図2の(a)の模式図のように、一次転写ローラ50a〜50dはベルト51を挟んでドラム1a〜1dに対して、それぞれ、圧縮バネ56a〜56dで、所定の接触圧で圧接され、T1ニップ80a〜80dを形成している。また、二次転写ローラ60は、圧縮バネ61によって、ベルト51を挟んで二次転写対向ローラ54に対して所定の接触圧で圧接され、T2ニップ99を形成している。第1の給紙部20または第2の給紙部30で給紙された用紙Sは、レジストローラ対38で一時停止される。制御部101は、その際に、厚さ検知センサ55によって、用紙Sの厚さを検知する。その後、用紙Sはレジストローラ対38でT2ニップ99に搬送され、T1ニップ80a〜80dにおいてドラム1a〜1d上から一次転写されたベルト51上のトナー像が用紙Sに二次転写される。用紙Sがレジストローラ対38で搬送されて、T2ニップ99に突入する過程で、用紙Sの厚み分だけ圧縮バネ61を押し退けてニップ部に入り込む際に、用紙Sから受けるベルト51の接線力が大きくなる。そのため、その分だけ駆動ローラ52の駆動負荷が増加する。この負荷変動によって、駆動ローラ52を駆動しているギヤなどの駆動伝達部材に変形が起こり、駆動伝達にディレイが生じ、一時的に、ベルト51の速度低下が起こる。このベルト速度低下によって、ドラム1に対する周速差が生じ、T1ニップ80においてベルト51に対する一次転写中のトナー像が転写時に縮むことによって、速度変動のない部分に対して濃度が高くなる濃度変動が生じる。ベルト51の速度変動は、前述した用紙先端がT2ニップ99に突入する以外にも、用紙後端がT2ニップ99、又は、レジストローラ対38を抜ける時にも発生することがある。
【0018】
次に、ベルト51の速度低下や速度増加(速度変動)の影響を受け易い構成について説明する。図2の(a)フルカラーモード時においては、駆動ローラ52とテンションローラ53の間のベルト51に対して各ドラム1a、1b、1c、1dが対向して圧接されている。駆動ローラ52とテンションローラ53との間のベルト51は、駆動ローラ52の駆動力とテンションローラ53の張力によって駆動時は張った状態で維持される。このように張った状態のベルト51の位置では上述した速度変動の影響を受け易くなる。また、(a)のフルカラーモード時のベルトユニット10の構成よりも、(c)のモノカラーモード時のベルトユニット10の方がベルト51に対する挟持力が小さくなる。その理由は、(c)のモノカラーモード時は、ベルト51に圧接する一次転写ローラが、1つ(50d)だけになるからである。モノカラーモードの場合、フルカラーモードよりもベルト51の速度変動の影響を受け易くなる。また、凹凸のある用紙に均一に転写するために、T2ニップ99のニップ圧を高く設定する場合がある。この場合、ベルト51が用紙Sから受ける接線力が、T2ニップ99のニップ圧を低く設定した場合より高くなるため、負荷変動が大きくなり、速度変動になりやすい。
【0019】
(3)ショックブレ抑制対策:本実施例においては、ショックブレを抑制する手段構成として、従来のように、用紙SがT2ニップ99に突入する、又は、抜ける際に生じる中間転写体としてのベルト51の速度変動を抑制するのではない。本実施例においては、ショックブレを抑制する手段構成として、発生するトナー像濃度変動を抑制する。これによって、従来技術に比較して、紙種やプリントモードによらず安定的に効果があり、弊害やコストアップも少なく、高画質の画像形成装置を提供できる。具体的には、ベルト51の一時的な速度変動が起こる際に、一次転写ニップにあるドラムの領域を少なくとも含む領域(第一の領域又は第三の領域)は、一時的な速度変動が起こらないドラムの領域(第二の領域)と比較してトナーの載り量を変更するようにする。なお、記録媒体に対して画像形成の潜像が形成されるドラムの領域の中で、ベルトが一時的に遅くなる領域を第一の領域とし、ベルトが早くなる領域を第三の領域とする。
【0020】
ベルト51が一時的に遅くなる場合には、第一の領域となる領域のトナーの載り量を、第二の領域となる領域のトナーの載り量よりも少なくする。具体的には、潜像の画像部の電位と第一の領域となる領域の潜像を現像する時の現像バイアスの電位との電位差が、潜像の画像部の電位と第二の領域となる領域の潜像を現像する時の現像バイアスの電位との電位差よりも小さくなるように現像バイアスを制御する。
【0021】
逆に、ベルト51が一時的に速くなる場合には、第三の領域となる領域のトナーの載り量を、第二の領域となる領域のトナーの載り量よりも多くする。具体的には、潜像の画像部の電位と第三の領域となる領域の潜像を現像する時の現像バイアスの電位との電位差が、潜像の画像部の電位と第二の領域となる領域の潜像を現像する時の現像バイアスの電位との電位差よりも大きくなるように現像バイアスを制御する。
【0022】
ここで述べた「一時的な速度変動」とは、ベルトを駆動するギヤ等の駆動伝達部材の一回転成分や、一歯成分による周期的な変動を含まない。
【0023】
これにより、ベルト51上でのトナーの載り量を、ベルト51の移動速度が一時的に変動する個所と、しない個所とでほぼ同じようにするようにするのである。例えば、用紙上に全面10の濃度のトナーを乗せるようなハーフトーン画像の画像情報が入った場合について述べる。ベルト51上の速度が一時的に遅くなるような領域を含む第一の領域は、10の濃度のトナーを乗せる画像情報であってもドラム1上で5の濃度しかでないようなトナーの載り量に制御するのである。このように、もともとの画像情報の濃度情報が同じであったとしても、ベルト51の速度変動が起こるような領域に関しては、ドラム1上ではトナーの載り量を変えるのである。
【0024】
本実施例1における上記のトナーの載り量の制御をより具体的に説明する。用紙Sの先端がT2ニップ99に突入、又は、用紙Sの後端がT2ニップ99を抜けるタイミングにおいて、T1ニップ80でショックブレ(濃度変動)が起きる。従って、濃度変動が起きる位置は、プリントジョブが入った際に得られる情報から制御部101が演算して予測できる。情報とは、プロセススピード、通紙される用紙サイズ、給紙間隔、画像形成部の配列間隔、Tニップ80dからT2ニップ99までの距離、用紙のT2ニップ99に対する突入タイミング、用紙抜けタイミング等である。連続2枚プリント時の用紙Sを、先行する方から、用紙S、用紙Sとすると、T2ニップ99への突入によるショックブレは、突入した用紙S自身に転写するベルト51上のトナー像に発生する。一方、T2ニップ99の用紙抜けによるブレは、用紙Sの後端が抜けた時に、次の用紙Sに転写するベルト51上のトナー像に発生する。よって、ジョブの1枚目は発生しない。
【0025】
用紙Sの先端がT2ニップ99に突入、又は、用紙Sの後端がT2ニップ99を抜ける時のショックブレ発生位置について説明する。図2の(a)のベルト51上において、一次転写を行う最も上流の画像形成ステーションから、1st、2st、3st、4stと呼ぶことにする。ベルト51上の4stのT1ニップ80dからT2ニップ99までの距離をY、1st〜2stのドラム間の距離をl12、2st〜3stのドラム間の距離をl23、3st〜4stのドラム間の距離をl34とする。また、用紙Sの搬送方向長さをL、用紙Sの先端と後端の余白をΔL、用紙Sと用紙Sの紙間をXとする。まず、T2ニップ99への用紙突入時のショックブレの発生位置について説明する。図2の(a)と(b)のフルカラーモード時の場合、1st〜4stまで全てのステーションで一次転写しているとすると、用紙長さLによって、以下のA)〜D)の場合に分けられる。いずれも、発生位置は、ベルト51の構成によってのみで決定するパラメータで表すことができることがわかる。よって、用紙サイズ(長さ)の情報を得ることにより、ショックブレがどの位置で、どのステーションで発生するのかを予め予測できる。A):Y<L−ΔL<Y+l34を満たすと、用紙先端から距離がYの位置に4stのショックブレが発生する可能性がある。B):Y+l34≦L−ΔL<Y+l34+l23を満たすと、用紙先端から距離がYの位置に4st、Y+l34の位置に3stのショックブレが発生する可能性がある。C):Y+l34+l23≦L−ΔL<Y+l34+l23+l12を満たすと、用紙先端からの距離がYの位置に4st、Y+l34の位置に3st、Y+l34+l23の位置に2stのショックブレが発生する可能性がある。D)Y+l34+l23+l12≦L−ΔLを満たすと、用紙先端からの距離がYの位置に4st、Y+l34の位置に3st、Y+l34+l23の位置に2st、Y+l34+l23+l12の位置に、1stのショックブレが発生する可能性がある。また、図2の(c)と(d)に示すような4stのみを使用するモノカラーモードの場合は、A)のみの条件で発生することになる。
【0026】
次に、T2ニップ99からの用紙抜け時のショックブレの発生位置について説明する。図3の(a)と(b)のフルカラーモード時において、1st〜4stまで全てのステーションで一次転写しているとする。用紙長さによって、以下のE)〜H)の場合に分けられる。T2ニップ99からの用紙抜け時のショックブレの発生位置は、紙間Xによって変化する。発生位置は、ベルト51の構成によってのみで決定するパラメータと紙間Xで表すことができることわかる。よって、用紙サイズ(長さ)と紙間の情報を得ることにより、ショックブレがどの位置で、どのステーションで発生するのかを予め予測できる。E):Y−X<L−ΔL<Y−X+l34を満たすと、用紙先端からの距離がY−Xの位置に4stのショックブレが発生する可能性がある。F):Y−X+l34≦L−ΔL<Y−X+l34+l23を満たすと、用紙先端からの距離がY−Xの位置に4stの、Y−X+l34の位置に3stのショックブレが発生する可能性がある。G):Y−X+l34+l23≦L−ΔL<Y−X+l34+l23+l12を満たすと、用紙先端からの距離がY−Xの位置に4stの、Y−X+l34の位置に3stの、Y−X+l34+l23の位置に2stのショックブレが発生する可能性がある。H):Y−X+l34+l23+l12≦L−ΔLを満たすと、用紙先端からの距離がYの位置に4st、Y−X+l34の位置に3st、Y−X+l34+l23の位置に2stのショックブレが発生する可能性がある。また、Y−X+l34+l23+l12の位置に1stのショックブレが発生する可能性がある。また、図3の(c)と(d)に示すような4stのみを使用するモノカラーモードの場合は、F)のみの条件で発生することになる。
【0027】
次に、ショックブレ(濃度変動)の大きさに関連するパラメータについて詳しく説明する。図4の(a)に用紙Sの先端がT2ニップ99に突入した際のベルト51の速度の推移を表したグラフを示す。横軸は時間(t)で、T2ニップ99に対する用紙先端突入タイミングをt=Nipと表す。縦軸は、ベルト51の速度である。t=Nipにおいて、ベルト51の速度はΔv低下し、速度低下持続時間はΔtである。図4の(b)に用紙の坪量と、その用紙Sの先端がT2ニップ99に突入した際のベルト51の速度低下率(Δv/v)(%)のグラフを示す。坪量とは単位面積当たりの用紙の重量を表し、g/mで表現される。個々では、用紙の厚みは、坪量にほぼ比例する事から、簡易的に坪量を基準に実験を行った。このグラフから、坪量(厚み)が大きくなる程、ベルト51の速度低下率(Δv/v)も大きくなっていおり、ほぼ比例関係にあることがわかる。また、用紙Sの坪量(厚み)が大きい程、負荷変動が大きいので、駆動部材の変形量も大きくなる。よって、Δtも大きくなる。Δvが大きい程、ドラム1dとの周速差が大きくなり、ベルト上に転写する際のトナー像の縮み量が大きくなるため、濃度が大きくなる。よって、速度変動のない周囲の濃度との差(濃度変動)は、大きくなる。また、Δtが大きい程、ベルトの速度低下持続時間が長いため、トナー像が縮んでいる時間が長く、画像上では、濃度変動部分が長くなる。つまり、坪量(厚み)の大きい用紙では、ショックブレが濃く、幅が広くなりやすいことがわかる。
【0028】
次に、本発明の特徴であるショックブレの濃度変動を抑制する方法について説明する。図5の(a)に4つのステーション1st〜4stを代表して4stステーション部分、即ちカートリッジ3dとベルト51の部分の拡大概略図を示す。カートリッジ3dは、現像ユニット4dとクリーナーユニット5dを有する。現像ユニット4dは、現像ローラ6d、現像ローラ4dに接触又は近接してトナーを供給する現像剤供給部材としての現像剤塗布ローラ7d、現像剤層規制部材としての現像ブレード12d、トナー容器を有する。塗布ローラ7dは以下RSローラ(Remove and Supply roller)と記す。RSローラ7dは、現像ローラ6dとの対向部において現像ローラ6dの回転方向とカウンター方向に回転し、現像ローラ6dにトナーを供給するのと同時に、ドラム1dに移動せずに現像ローラ6d上に残ったトナーを回収する役割をする。現像ブレード12dは、現像ローラ6dとの当接部の間にトナーを通過させて規制することにより、現像ローラ6d上に、トナーの薄層を形成し、かつ、当接部での摩擦によりトナーに十分な摩擦帯電電荷(トリボ)を付与する。一方、クリーナーユニット5dは、ドラム1dと、帯電ローラ2dと、ドラムクリーニングブレード8d、クリーナー容器を有する。帯電ローラ2dは、ドラム1dに所定の押圧力で圧接し、ドラム1dの回転に従動して回転し、ドラム1dを一様に帯電する。ドラムクリーニングブレード8dは、ドラム1dに所定の圧力で圧接しており、ドラム上の一次転写残トナーを掻き取り、クリーナー容器に収容する。図5の(b)は画像形成時における制御部101からの信号の伝達を表すブロック図を示している。また、図6の(a)は一般的な画像形成のタイミングチャートを示している。プリント信号入力後、制御部101からの駆動信号により、ドラム1dは所定の立ち上がり時間を持って、回転を開始する。同時に、現像ユニット4d内の現像ローラ6dも回転を開始する。ドラムが定常回転に達した後、制御部101からの高圧信号により、電源2dV(帯電バイアス印加手段)に接続された帯電ローラ2dに電圧(帯電バイアス)を印加する。帯電ローラ2dは、ドラム1dの回転に伴い、従動回転し、ドラム1dを一様に帯電する。本実施例においては、ドラム1dの表面電位は−650V程度になる。一方、現像ユニット4d内の現像ローラ6dが定常回転に達した後、前述した帯電バイアス印加と同時に、電源7dVに接続されたRSローラ7dに、制御部101からの高圧信号によって、電圧(RSバイアス:現像剤供給バイアス)印加される。電源7dVが現像剤供給バイアス印加手段である。また、電源12dV(現像剤層規制バイアス印加手段)に接続された現像ブレード12dに、制御部101からの高圧信号によって、電圧(ブレードバイアス:現像剤層規制バイアス)が同時に印加される。その次に、電源6dV(現像バイアス印加手段)に接続された現像ローラ6dに、制御部101からの高圧信号によって、電圧(現像バイアス)印加される。現像バイアスが、ドラム1dとの露光部の電位(−200V)と非露光部の電位(−650V)のほぼ中間の電位(−300V)に設定される。本実施例では、反転現像方式を採用しており、露光部の電位が画像部の電位となり、非露光部の電位が非画像部の電位となる。なお、正規現像を行う場合は、露光部の電位が非画像部の電位となり、非露光部の電位が画像部の電位となる。RSバイアス、ブレードバイアスの電位は、現像ローラ6dへのトナー供給が効率的に行われるように、現像バイアスよりも絶対値で高めに設定する必要があるため、−400Vとする。次に、画像データ(画像情報)に応じて、上流のステーション1stから4stへ順に、露光装置9による走査が施され、ドラム1d上に静電潜像が形成される。また、現像ブレード12dによって薄層化された現像ローラ6d上のトナーは、ドラム1dの帯電極性と同極性の電荷を有し、現像ローラ6dの回転に伴い、ドラム1dとの接触部分である現像領域に進入し、反転現像が行われる。次に、電源50dV(一次転写バイアス印加手段)に接続された一次転写ローラ50dには、トナーと逆極性の電位が形成されるように一次転写バイアスが印加され、ベルト51は、一次転写ローラ50dと同極性になる。本実施例では、一次転写バイアスとして+600Vが印加されている。よって、ドラム1d上のトナーは、ベルト51に移動することで、転写(一次転写)が行われる。
【0029】
図6の(b)に、本実施例の一次転写までの画像形成のタイミングチャートを示す。ここでは、例として、用紙先端がT2ニップ99に突入した際のショックブレ(濃度変動)について説明する。前述した従来の画像形成プロセスと異なる部分は、次のとおりである。即ち、用紙先端のT2ニップ99への突入によるT1ニップ80でのショックブレ(濃度変動)の発生したタイミングでベルト51に転写されるドラム上のトナー像の現像バイアスの印加量を所定量、所定の継続時間だけ、変化させるという部分である。前述したように、ベルト51の速度低下(ショックブレ)が発生するタイミングが予めわかっている。そのタイミングでベルト51に転写されるドラム1d上のトナー載り量を、現像バイアスの印加量の絶対値を減らすようにしている。これにより、現像バイアスの電位と潜像の画像部の電位との電位差を小さくすることで、画像データに対応した載り量よりも、減らしておくのである。その結果、トナーの載り量の減った部分がベルト51に転写される時に、ベルト51の速度低下によって、トナー像が縮み、濃度が高くなるので、速度低下のない周囲との濃度差が少なくなる。よって、ショックブレ(濃度変動)は目立たなくなる。具体的な制御方法を説明する。まず、現像バイアスの制御方法を示したグラフを図7に示す。縦軸は、現像バイアス(V)、横軸は、時間(t)である。図7の(a)は、用紙先端がT2ニップ99に突入するタイミング(t=Nip)よりも、時間t前から、ベルト51の速度低下が持続する時間Δtの間、現像バイアスがΔV下がるように制御する場合である。時間tは、図5の(a)におけるドラム1dと現像ローラ6dで形成されるニップ中心(現像部位中心)からドラム1dとベルト51で形成されるT1ニップ80dの中心までの距離をp、ベルト51の搬送速度をVとすると、p/Vと表せる。図7(a)のように、現像バイアスを徐々に大きくする、又は徐々に小さくするように変更するのがよい。前述した用紙先端がT2ニップに突入するタイミング、又は、用紙後端がT2ニップを抜けるタイミングは、ベルト51に転写されて移動するトナー像に対して多少のずれを生じる場合がある。よって、現実的にはショックブレが発生するドラムの領域を含む少し広い領域に対して現像バイアスの変更を行う必要がある。したがって、現像バイアスが変更されるドラムの領域は、ショックブレが発生しない領域を含むことになる。このような場合に、現像バイアスを急激に変更すると、ショックブレが発生しない領域において濃度変化が大きくなってしまう。そのため、現像バイアスを徐々に大きくする、又は徐々に小さくするように変更することで、濃度の変動をゆるやかにすることができ、急激な濃度変化を抑えることができる。
【0030】
ここで、現像バイアスをΔVだけ変更する際の立ち下がり時間、及び、立ち上がり時間は、電源構成(ハード)によって、決定される。よって、ベルト51の搬送速度が遅いモードがある場合には、単位時間当たりに転写されるトナー像の長さが短くなる。そのため、現像バイアスを変化させる時の立ち上がり(又は立下り)前後の濃度変化は、急激になる。これは、ベルトの搬送速度が遅い場合、現像バイアスが立ち上がり始めてから立ち上がりきるまでの時間で、ベルトの進む量が少なくなるためである。その結果、現像バイアス制御の有り無しの境目が見えやすくなってしまう場合がある。この場合には、図7の(b)に示すように、現像バイアスの絶対値を減少させる量ΔVをn回(複数回)に分割し、ΔV/nずつ段階的に変化させて、立ち上がり時間、及び、立下り時間を延ばす。これにより、現像バイアスが立ち上がり始めてから、立ち上がりきるまでの時間が長くなるので、濃度を緩やかに変化させて目立たなくすることが可能である。即ち、厚紙モードなどで、プロセススピード(ベルトの搬送速度)が小さくなるほど、現像バイアスを変更した時の画像上の単位長さ当たりの濃度変化が大きくなる。バイアスの単位時間当たりの変更量はハードで決定しているので、変更が難しい場合がある。そのような場合所定量のバイアスの変更を分割して変更することにより、境目をグラデーションにして目立ちにくくする必要がある。
【0031】
また、ΔVとΔtの値の設定については、前述したショックブレ(濃度変動)が顕著化しやすいモードで値が大きくなるように設定する。具体的には、用紙の厚みが大きい程、ΔVとΔtの値を大きく、フルカラーモード(第一のモード)よりも、モノカラーモード(第二のモード)で、それらの値が大きくなるように設定する。
【0032】
図16に一般的に知られた厚み検知センサ(記録媒体の厚み検知手段)360の例を示す。厚み検知センサ360は、通しローラではない搬送ローラ対38の近傍など、用紙の厚み方向の位置が安定する位置に配置する。
【0033】
搬送ローラ対38のうち、用紙を挟んで、厚み検知センサ360と反対側にあるローラは、固定されている必要がある。発光ダイオード301からの照射光は、測定面である反射面303で反射し、受光センサ302に入射する。ここでは、反射面は、用紙表面である。センサ群から反射面の距離によって、この受光センサ302に対する入射位置が変化することにより、受光位置に応じたアナログ信号304が出力される。現状のこのようなセンサでの分解能は、数十ミクロン程度であり、電子写真プロセスの各パラメータを変更する必要が生じる程の媒体の厚みの違いの検知は可能となっている。
【0034】
用紙後端がT2ニップ99を抜けたタイミングで発生するショックブレ(濃度変動)についても、同様の方法を適用できる。用紙Sの後端がT2ニップ99を抜けるときは、ベルト51の移動速度は一瞬早くなり、その後また遅くなる。ベルト51の移動速度が速くなると、最終画像は薄くなるが、濃度が薄くなるのは画像不良として見えにくい。そのため、用紙Sの後端がT2ニップ99を抜けるときも、ベルト51が遅くなるような領域でトナーの載り量を減らすのが良い。もちろん、ベルト51の移動速度が一時的に速くなることにより濃度が薄くなる画像不良を、トナーの載り量を増やして抑制するようにしてもよい。また、ベルト51の速度変動は、用紙SがT2ニップ99とその上流の搬送ローラ(図1や図2におけるレジストーラ対38)の両方で搬送されている場合に、用紙後端が搬送ローラ38を抜けた場合にも、発生する可能性がある。この場合も発生位置は予測できるので、前述した現像バイアスの制御を適用できる。また、現像バイアスを変化させる継続時間は、前述したように、ベルト51上のトナー像に対して、用紙がT2ニップ99に到達するタイミングのばらつきに対応するため、ベルト51の速度低下持続時間Δtよりも、長く設定してもよい。また、T2ニップ99を用紙後端が抜けた時に、ベルト51の速度が速くなり、その後遅くなるような場合には、現像バイアスの絶対値が大きくした後に、小さくするという制御も有効である。上記において、制御部101が、帯電部材2(2a〜2d)に対する帯電バイアスの印加量を制御する帯電バイアス制御手段である。また、制御部101が、RSローラ7(7a〜7d)に対する現像剤供給バイアスの印加量を制御する現像剤供給バイアス制御手段である。また、制御部101が、ブレード8(8a〜8d)に対する現像剤層規制バイアスの印加量を制御する現像剤層規制バイアス制御手段である。
【0035】
本実施例では、特開2004−302308号公報のように露光手段による画像の書き込み補正を行わないので、露光による書き込み補正を行うのに対してディザリング処理と干渉したモアレの発生の弊害を考慮する必要がないというメリットがある。
【0036】
上記の実施例1の画像形成装置の構成をまとめると次のとおりである。現像剤像が形成される少なくとも一つの回転可能な像担持体1と、回転可能な中間転写体51と、を有する。また中間転写体51を挟んで像担持体1に対峙する位置にあり中間転写体51と像担持体1とを接触させて一次転写ニップ80を形成させ現像剤像を中間転写体に転写させる一次転写部材50を有する。また、中間転写体51に接触して二次転写ニップ99を形成し中間転写体51に転写された現像剤像を記録媒体Sに二次転写する二次転写部材60を有する。また、記録媒体Sを二次転写ニップ99に搬送するための搬送部38を有する。また、像担持体1に形成する現像剤像の単位面積当たりの現像剤重量を制御する現像剤重量制御手段101を有する。そして、現像剤重量制御手段101は次の制御をする。即ち、中間転写体51に速度変動が生じるタイミングで、一次転写ニップ80で像担持体1から中間転写体51に転写される現像剤像の単位面積当たりの現像剤重量を、画像情報に応じて転写される現像剤像の単位面積当たりの現像剤重量に対して、変更する。中間転写体51の速度変動が生じるタイミングは、記録媒体Sの先端が二次転写ニップ99に突入する、又は、記録媒体Sの後端が二次転写ニップ99、又は、搬送部38を抜けるタイミングである。中間転写体51に速度変動が生じるタイミングは、記録媒体Sの先端が二次転写ニップ99に突入する、又は、記録媒体Sの後端が二次転写ニップ99、又は、搬送部38を抜けるタイミングである。その際は、現像剤重量制御手段101は、一次転写ニップ80で像担持体1から中間転写体51に転写される現像剤像の単位面積当たりの現像剤重量を、画像情報に応じて転写される現像剤像の単位面積当たりの現像剤重量に対して、減るように変更する。像担持体1に対して現像部位を構成する回転可能な現像剤担持体6を有する現像手段4と、現像剤担持体6に電圧を印加するための現像バイアス印加手段6dVと、を有する。現像剤重量制御手段101は、現像バイアス印加手段6dVによる現像バイアス印加量を制御する現像バイアス制御手段であり、現像バイアス印加量を、所定の量、所定の継続時間だけ変化させる。これにより、一次転写ニップ80で像担持体1から中間転写体51に転写される現像剤像の単位面積当たりの現像剤重量を、画像情報に応じて転写される現像剤像の単位面積当たりの現像剤重量に対して、変更する。現像バイアス制御手段は、記録媒体Sの厚みが大きい程、現像バイアス印加量の変化量が大きくなるように制御する。即ち、ベルト51が遅くなる場合は、記録媒体Sの厚みが大きい方が、記録媒体の厚みが小さい時に比べて、潜像の画像部の電位と現像バイアスの電位との電位差が小さくなるように現像バイアスを制御する。ベルト51が早くなる場合は、記録媒体Sの厚みが大きい方が、記録媒体の厚みが小さい時に比べて、潜像の画像部の電位と現像バイアスの電位との電位差が大きくなるように現像バイアスを制御する。
【0037】
複数の像担持体によって画像形成する第一のモードと、複数の一次転写部材、又は、複数の像担持体のうちの一部が、中間転写体から離隔している状態で画像形成する第二のモードと、を有する。そして、第一のモードと第二のモードとで記録媒体の厚みが同じ場合においても、現像バイアス制御手段は、現像バイアス印加量の変化量を、第一のモードよりも、第二のモードの方が大きくなるように制御する。即ち、ベルト51が遅くなる場合は、第二のモードの方が、第一のモードに比べて、潜像の画像部の電位と現像バイアスの電位との電位差が小さくなるように現像バイアスを制御する。逆に、ベルト51が早くなる場合には、第二のモードの方が、第一のモードに比べて、潜像の画像部の電位と現像バイアスの電位との電位差が大きくなるように現像バイアスを制御する。また、現像バイアス制御手段による現像バイアス印加量を所定の量だけ変化させる過程を、徐々に大きくする、又は徐々に小さくするようにする。
【0038】
[実施例2]:実施例1において、用紙先端がT2ニップ99に突入するタイミングに合わせて、現像バイアスの絶対値を所定時間(Δt)、所定量(ΔV)減らす方法について説明した。しかしながら、T2ニップ99のニップの圧力が特に高い構成を採用する時、又は、モノカラーモードで厚紙を通紙する時などのベルト51の速度変動が大きい時は、現像バイアス変化量ΔVを大きくする必要がある。その場合に、現像バイアスの絶対値だけを大きく変えると、その他バイアス設定値(帯電バイアス、RSバイアス、ブレードバイアス)との差分が大きく変わり、問題が発生する可能性がある。例えば、現像ブレードバイアスと現像バイアスの差分が小さくなりすぎると、現像ブレード12d上にトナーが融着し、画像上にスジになって現れる場合がある。また、RSバイアスと現像バイアスの差分が小さくなりすぎると、RSローラ6dから現像ローラ7dへのトナーの供給が上手くいかず、画像上で濃度のムラが発生する可能性がある。帯電バイアスと現像バイアスの差分が小さくなると、非露光部にも現像ローラ7dからトナーが移動してしまい現像不良が発生する場合も考えられる。よって、本実施例2では、現像バイアスとその他バイアス(帯電バイアス、RSバイアス、ブレードバイアス)のバランスを維持するため、現像バイアスの絶対値を減らすタイミングに合わせて、その他バイアスも減らすようにする。即ち、トナー融着や、転写不良の発生を抑制するために、現像バイアスだけを変えない。その他バイアスも適切なタイミングで同時間、同量だけ変更する。実施例2の画像形成のタイミングチャートを図8に示す。ここで、バイアスの変更量、変更持続時間に関しては、現像バイアスの絶対値をΔtの間、ΔV小さくするのであれば、その他バイアス(帯電バイアス、RSバイアス、ブレードバイアス)も同じ継続時間、同じ量だけ減らすようにする。タイミングに関しては、帯電バイアス以外は、現像バイアスと同じで良い。帯電バイアスは、現像バイアスの絶対値を変更開始するタイミングよりもt前に変更する。tは、図5の(a)において、帯電ローラ2dとドラム1dで形成されるニップの中心から、現像ローラ6dとドラム1dで形成されるニップの中心までの距離qを、ドラム1dの表面速度(=ベルトの搬送速度)をVとすると、q/Vで表せる。以上により、本実施例2では、現像バイアスの制御において、現像バイアス印加量を大きく変化させる場合においても、その他のバイアスを適切なタイミングで、同量変化させて、各バイアス間の差分を保持する。これにより、弊害なく、実施例1の効果を発揮することができる。尚、実施例2では、その他バイアスとして、帯電バイアス、RSバイアス、ブレードバイアスを挙げたが、画像形成装置の構成によっては、バイアスを印加していないものもある。その場合には、バイアス印加しているもののみ、バイアス印加量を、前述した方法で変化させれば良い。
【0039】
上記の実施例2の画像形成装置の構成をまとめると次のとおりである。像担持体1の表面を帯電させるための帯電部材2と、帯電部材に帯電バイアスを印加するための帯電バイアス印加手段2dVと、帯電バイアスの印加量を制御する帯電バイアス制御手段101を有する。また、現像剤担持体6に接触又は近接して現像剤を供給する現像剤供給部材7と、現像剤供給部材に現像剤供給バイアスを印加する現像剤供給バイアス印加手段7dVと、現像剤供給バイアスの印加量を制御する現像剤供給バイアス制御手段101を有する。また、現像剤担持体の6表面に圧接する現像剤層規制部材12と、現像剤層規制部材に現像剤層規制バイアスを印加する現像剤層規制バイアス印加手段12dVと、現像剤層規制バイアスの印加量を制御する現像剤層規制バイアス制御手段101を有する。そして、帯電、現像剤供給、現像剤層規制の各ナイアス制御手段は、それぞれ、現像バイアス印加量を変化させる量に応じて、所定のタイミングで、所定の量、所定の継続時間だけ、帯電、現像剤供給、現像剤層規制の各バイアスの印加量を変化させる。現像剤供給及び現像剤層規制の各バイアス制御手段によるバイアスの印加量を変化させるタイミングを、現像バイアス制御手段によるバイアス印加量の変化させるタイミングと合わせる。帯電バイアス制御手段によるバイアスの印加量を変化させるタイミングを、像担持体の現像バイアス印加量を変化させる部分の帯電バイアスの印加量が変わるように合わせる。帯電、現像剤供給、現像剤層規制の各バイアス制御手段による各バイアスの印加量を変化させる量、変化させる継続時間を、それぞれ、現像バイアス制御手段による現像バイアス印加量の変化させる量と、変化させる継続時間と同じにする。
【0040】
[実施例3]:中間転写ベルトの速度変動によるショックブレは、実施例1に示したインライン型フルカラーのレーザービームプリンタにおいて、用紙が転写部に突入、又は、抜ける場合以外においても発生する。実施例3では、電子写真方式の4色(4パス)フルカラーのレーザービームプリンタの場合において、2次転写ローラ、又は、クリーニングローラの当接離隔による速度変動で発生するショックブレに対して本発明を適用する場合について説明する。
【0041】
図9は、本発明に係る画像形成装置200の概略構成を示す縦断面図である。以下、画像形成装置201の構成を簡単に説明する。図9に示す画像形成装置200は、第1の像担持体としてドラム型の電子写真感光体(以下「感光体ドラム」という)201を備えている。感光体ドラム201は、画像形成装置200によって回転自在に支持されており、駆動手段(不図示)によって矢印R1方向に回転駆動される。感光体ドラム201の周囲には、その回転方向に沿って順に以下のものが配置されている。感光体ドラム201表面を均一に帯電する接触方式の帯電ローラ202。画像情報に応じて感光体ドラム201表面にレーザー光を照射して静電潜像を形成する露光装置230。静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像する現像装置204。感光体ドラム201上のトナー像が一次転写される第2の像担持体としての中間転写ベルト(中間転写体。以下ベルト210とする)210。感光体ドラム201表面の一次転写残トナーを除去する感光体ドラムクリーニング装置205。
【0042】
ベルト210の内側には、一次転写ローラ211が配置されており、ベルト210を感光体ドラム201表面に押圧して、感光体ドラム201とベルト210との間に一次転写ニップ部N1を形成している。一次転写ローラ211には電源(不図示)によって一次転写バイアスが印加される。また、ベルト210の外側には、二次転写ローラ212が配置されており、ベルト210との間に二次転写ニップ部N2を形成している。二次転写ローラ212には、電源(不図示)によって二次転写バイアスが印加される。さらに、ベルト210に対向するようにして、静電式中間転写ベルトクリーニング装置250のクリーニングローラ(中間転写体クリーニング部材)251が配設されている。クリーニングローラには、トナーの通常極性とは逆極性のバイアスが印加されており、ベルト210上のトナーを通常極性とは逆極性に帯電可能になっている。
【0043】
二次転写ローラ212と、クリーニングローラ251は、それぞれ、ベルト210に対し当接離隔可能に設けられている。二次転写ローラ当接離隔手段253は、カム等を用いたメカ機構である。一般的な構成の例を挙げると、所定の圧力でベルト210に当接している二次転写ローラ212を、カム等を用いて、二次転写ローラを保持している部材ごと退避位置に離隔させることで当接離隔を行う。クリーニングローラ当接離隔手段253も同様に、カム等を用いたメカ機構である。制御部101は、二次転写ローラ当接離隔手段253及びクリーニングローラ251の動作を制御する。当接離隔のタイミングについては後述する。
【0044】
そして、被転写材Pの搬送方向(矢印K方向)についての二次転写ニップ部N2の下流側には、被転写材P上に転写されたトナー像を加熱加圧して定着させる定着器220が配設されている。
【0045】
上述構成の画像形成装置200について、以下、順に詳述する。上述の感光体ドラム201は、アルミニウムシリンダの外周面にOPC(有機光半導体)、A−Si(アモルファスシリコン)等の光導電層を設けて構成したものである。帯電ローラ202は、芯金とその周囲を囲繞する導電性の弾性部材によって構成されており、感光体ドラム201の表面に接触配置されて従動回転するとともに、電源(不図示)によって帯電バイアスが印加される。露光装置230は、画像情報に応じてレーザー光Lを発光するレーザー発振器(不図示)と、ポリゴンミラー231と、ミラー232等を有し、画像情報に応じて、帯電済の感光体ドラム1表面を露光して静電潜像を形成する。
【0046】
現像装置204は、回転体204Aと、これに搭載された4色の現像器、すなわちイエロー現像器204a、マゼンタ現像器204b、シアン現像器204c、ブラック現像器204dを有している。回転体204Aが駆動手段(不図示)によって回転することにより、現像器が感光体ドラム1表面に対向する現像位置に順に配置可能にされている。4色フルカラーの画像形成に際しては、最初にイエロー現像器(204a)が現像位置に配置され、その後、各現像器が順次に現像位置に配置されることになる。
【0047】
ベルト210は、無端状に形成されており、相互に平行に配置された2本の支持ローラ、駆動ローラ213とテンションローラ214に掛け渡されている。テンションローラ214は従動回転し、ベルト210を張架している。ベルト210は、駆動ローラ213が駆動手段(不図示)によって回転することにより、矢印R10方向に駆動(走行)される。ベルト210の具体的な材質としては、以下のものが考えられる。厚さ50〜200μm、体積抵抗率10〜1016Ωcm程度のPVDF(フッ化ビニリデン樹脂)、ETFE(4フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂)、ポリイミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリカーボネート等の樹脂フィルム。または、厚さ0.5〜2mm程度のEPDMなどのゴム材料をベースとするもの等が挙げられる。
【0048】
ベルト210の内周面の、感光体ドラム201とほぼ対向する位置には、上述の一次転写ローラ211が配置され、ベルト210を感光体ドラム201表面に押圧して一次転写ニップ部N1を形成している。また、ベルト210の外周面の、駆動ローラ213に対向する位置には、上述の二次転写ローラ212が配置されており、この二次転写ローラ212表面とベルト210との間に二次転写ニップ部N2を形成している。さらに、二次転写ニップ部N2の下流側で、かつ一次転写ニップ部N1の上流側においては、ベルト210表面に対向するようにして、上述の静電式中間転写ベルトクリーニング装置250が配設されている。静電式中間転写ベルトクリーニング装置250は、ベルト210の表面に配置されたクリーニングローラ(ローラ帯電器)251と、これに接続された交流電源(不図示)及び直流電源(不図示)とを有する。
【0049】
被転写材供給装置240は、画像形成部へ被転写材Pを給送するものであり、複数枚の被転写材Pを収納した被転写材カセット241、供給ローラ242、レジストローラ243等を備えて構成されている。
【0050】
次に、上述構成の画像形成装置の動作について説明する。矢印R1方向に回転駆動された感光体ドラム1は、帯電ローラ202に直流電圧と交流電圧とが重畳された帯電バイアスが印加されることにより、表面が均一に帯電される。レーザー発振器(不図示)にイエローの画像信号が入力されると、レーザー光が発光され、帯電済の感光体ドラム201表面を照射し、静電潜像が形成される。感光体ドラム201がさらに矢印R1方向に回転すると、感光体ドラム1上の静電潜像は、イエロー現像器204aによってイエローのトナーが付着され、トナー像として現像される。感光体ドラム201上のイエローのトナー像は、一次転写ローラ211に印加された一次転写バイアスによって一次転写ニップ部N1を介してベルト210上に一次転写される。トナー像転写後の感光体ドラム201は、表面の一次転写残トナーが感光体ドラムクリーニング装置205によって除去され次の画像形成に供される。
【0051】
以上の、帯電、露光、現像、一次転写、クリーニングの一連の各画像形成プロセスを、他の3色、すなわちマゼンタ、シアン、ブラックについても繰り返すことにより、ベルト210上に4色のトナー像が形成される。感光体ドラム201からベルト210上に4色のトナー像を形成している間は、2次転写ローラ212及びクリーニングローラ251は、ベルト210から離隔されている。そして、ベルト210の4色のトナー像を被転写材に転写するタイミングで、2次転写ローラ212及びクリーニングローラ251をベルト210に当接する。このベルト210上の4色のトナー像は、電源によって二次転写ローラ212に印加された二次転写バイアスにより、二次転写ニップ部N2を介して、矢印K方向に搬送されてきた被転写材Pに二次転写される。二次転写ニップ部N2によってトナー像転写後の被転写材Pは、定着器220に搬送され、ここで加熱加圧を受けて溶融固着(定着)され、これにより被転写材P上に4色フルカラーの画像が得られる。
【0052】
一方、トナー像転写後のベルト210上には、被転写材Pに転写されない二次転写残トナーが残存する。ベルト210上の残存トナーは、中間転写ベルトクリーニング装置250によって感光体ドラム201を介して感光体ドラムクリーニング装置205に回収される。つまり、残存トナーは中間転写ベルトクリーニング装置によって、逆極性即ちプラスの電荷が付与されることにより、一次転写ニップ部N1を介して、感光体ドラム201上に逆転写される。逆転写された二次転写残トナーは、感光体ドラム1上の一次転写残トナーとともに感光体ドラムクリーニング装置205によって除去される。
【0053】
次に、実施例3の構成におけるショックブレの発生メカニズムについて述べる。最初に、2次転写ローラ212とクリーニングローラ251の当接時のショックブレについて説明する。上述したように、帯電、露光、現像、一次転写、クリーニングの一連の各画像形成プロセスを、イエロー、マゼンタ、シアンを繰り返す間は、2次転写ローラ212とクリーニングローラ251は、ベルト210から離隔している必要がある。その後、最下流のブラックの一次転写中に2次転写ローラ212とクリーニングローラ251が当接する。
その際に、ベルト210の負荷が増加するため、負荷変動により、ベルト210を駆動しているギヤ等の駆動伝達部材が一時的に変形し、ベルト210の速度が一時的に遅くなる。その時に、一次転写中の一次転写部N1ではドラム201に対しベルト210が遅くなるため、その他の部分(ベルト210が一時的に遅くなっていない部分)に比較して濃度が高くなり、ショックブレとなる。また、実施例1と同様に、ショックブレの発生位置は、予測できる。
【0054】
ブラックの現像器204dがドラム201に当接状態であり、2次転写ローラ212がベルト210に当接した瞬間の概略断面図を図10(a)に示す。また、2次転写ローラ212の当接による用紙P0上のショックブレの発生位置を示す図を図10(b)に示す。
尚、図10(b)の用紙P0の画像領域の長さをL0、1次転写ニップN1から2次転写ニップN2までのベルト210の移動方向の距離をL1とする。また、2次転写ローラ212がベルト210に当接した瞬間における2次転写ニップN2から中間転写ベルト上のトナー像の書き出し先端T1までの距離をX1とする。L0は、紙サイズによって決まるパラメータであり、L1は本体構成で決まるパラメータである。一方、X1は、2次転写ローラ212をベルト210に当接させるタイミングで決まるパラメータである。
【0055】
2次転写ローラ212の当接によるショックブレの発生する画像上の位置は、図10(b)で示すように、画像領域先端からL1−X1の距離の部分である。発生条件は、0<L1−X1<L0を満たすことである。X1は、2次転写ローラ212の長寿命化のため、なるべく小さく設定するため0<L1−X1を満たす場合が多い。更に、画像領域長さL0が、L1−X1<L0を満たす用紙を用いる場合に発生する。
【0056】
次に、クリーニングローラ251がベルト210に当接した瞬間の概略断面図を図11(a)に示す。また、クリーニングローラ251の当接による用紙P0上のショックブレの発生位置を示す図を、図11(b)に示す。ここで、クリーニングローラ251がベルト210に当接した瞬間における2次転写ニップN2から中間転写ベルト上のトナー像の書き出し先端T2までの距離をX2とする。クリーニングローラ251の当接によるショックブレの発生する画像上の位置は、画像領域先端からL1−X2の距離の部分である。クリーニングローラの当接については、2次転写ローラ212と時間的に同時に当接しても良いし、ずれていても良い。図11は、クリーニングローラの当接と、2次転写ローラの当接のタイミングがずれている場合の例である。同時に当接であれば、X1=X2となるので、画像上の同じ位置にショックブレが発生することになる。
【0057】
次に、2次転写ローラ212とクリーニングローラ251がベルト210から離隔する時のショックブレの発生メカニズムについて説明する。先行紙P0の2次転写ニップN2における2次転写が終了した後、2次転写ローラ212とクリーニングローラ251は、中間転写ベルトから離隔する。それは、後続紙P1の一次転写ニップN1における一次転写に備えて、帯電、露光、現像、一次転写、クリーニングの一連の各画像形成プロセスを、イエロー、マゼンタ、シアンを繰り返すためである。
【0058】
2次転写ローラ212とクリーニングローラ251の離隔時に、後続紙P1に転写するためのイエローのトナー像をベルト210上に一次転写している場合には、ベルト210に一時的な速度変動が発生する。これは、ベルト210からの離隔時にベルト210への負荷変動が発生することによるものである。そのため、一時的な速度変動が発生した領域の1次転写ニップの画像の濃度は、一時的な速度変動が無い場合に比較して、濃度が変わり、ショックブレとなる。この場合の速度変動は、ベルト210の負荷が一時的に小さくなる負荷変動によって発生する。よって、ベルト210を駆動しているギヤ等の駆動伝達部材のガタ分、ベルト210が早回りして、ベルト速度が速くなった後、駆動伝達部材による駆動が追いた際に、駆動伝部材の一時的な変形が生じ、遅くなる場合がある。よって、画像上では、薄くなった後、濃くなるショックブレが発生する可能性がある。
【0059】
次に、2次転写ローラ212とクリーニングローラ251がベルト210から離隔する時のショックブレの発生位置について説明する。イエローの現像器204dがドラム201に当接状態であり、クリーニングローラ251がベルト210から離隔した瞬間の概略断面図を図12(a)に示す。また、2次転写ローラ212の当接による用紙P0上のショックブレの発生位置を示す図を図12(b)に示す。
【0060】
尚、図12(b)の用紙P0の画像領域の長さをL0、1次転写ニップN1から2次転写ニップN2までの距離をL1とする。また、2次転写ローラ212がベルト210に離隔した瞬間における2次転写ニップN2から中間転写ベルト上のトナー像の書き出し先端T3までの距離をX3とする。X3は、2次転写ローラ212をベルト210に離隔させるタイミングで決まるパラメータである。
【0061】
2次転写ローラ212の離隔によるショックブレの発生する画像上の位置は、図12(b)で示すように、画像領域先端からL1−X3の距離の部分である。ただし、0<L1−X3<L0を満たす必要がある。例えば、2次転写ローラ212の長寿命化のために、先行紙P0の2次転写が終了したら、なるべく早く離隔するように設定されて、X3が大きく、L1<X3となる場合は、ショックブレは発生しない。
【0062】
次に、2次転写ローラがベルト210から離隔した後、イエローの現像器204dがドラム201に当接状態であり、クリーニングローラ251がベルト210から離隔した瞬間の概略断面図を図13(a)に示す。また、クリーニングローラ251の離隔による用紙P0上のショックブレの発生位置を示す図を図13(b)に示す。クリーニングローラ251がベルト210に離隔した瞬間における2次転写ニップN2から中間転写ベルト上のトナー像の書き出し先端T4までの距離をX4とする。X4は、クリーニングローラ251をベルト210に離隔させるタイミングで決まるパラメータである。クリーニングローラ251の離隔によるショックブレの発生する画像上の位置は、図13(b)で示すように、画像領域先端からL1−X4の距離の部分である。ただし、発生条件として0<L1−X4<L0を満たす必要がある。また、クリーニングローラ251を、2次転写ローラ212と同じタイミングで離隔する場合は、X3=X4となり、画像上の同じ位置に発生することになる。
【0063】
次に、本発明の特徴であるショックブレの濃度変動を抑制する方法については、実施例1と同様である。2次転写ローラ212とクリーニングローラ251の当接時は、ブラックの現像バイアスに対して適用する。そして、離隔時は、イエローの現像バイアスに対してそれぞれ適用する。即ち、ベルト210の速度低下による濃度が濃くなるショックブレが発生する領域には、ショックブレが発生しない領域に比較して感光体ドラム上のトナーの濃度が薄くなるように現像バイアスを制御する。逆に、ベルト210の速度高上により濃度が薄くなるショックブレが発生する領域には、ショックブレが発生しない領域に比較して感光体ドラム上のトナーの濃度が濃くなるように現像バイアスを制御する。
【0064】
以上から、4色(4パス)フルカラーのレーザービームプリンタにおいて、2次転写ローラ212とクリーニングローラ251の当接離隔によるベルト210の一時的な速度変動に起因するショックブレを、実施例1と同様に抑制することができる。4色(4パス)フルカラーのレーザービームプリンタにおいても、ショックブレは一次転写部N1で発生し、画像上の発生位置が予測できる。そのため、実施例3のような構成の画像形成装置においても、本発明の特徴であるショックブレの濃度変動を抑制する方法が適用できることを示した。なお、実施例2のように、現像バイアスを変更する際に、その他バイアス(帯電バイアス、RSバイアス、ブレードバイアス)を同様に変更する構成としてもよい。
【0065】
[実施例4]:実施例1では、ベルトが一時的に遅くなることにより一部の領域の濃度が濃くなってしまうショックブレ対策として現像バイアスを制御した例を説明した。詳しくは、現像バイアスの印加量の絶対値を減らすことで、現像ローラの電位と潜像の画像部の電位との電位差を小さくして、画像データに対応した載り量よりも、ドラム上において、載り量を減らす方法であった。実施例4では、一次転写バイアスの絶対値を減らすことで、一次転写ローラの電位とドラム上の画像部電位との差を小さくして画像データに対応したトナーの載り量よりもベルト上において、トナー載り量減らす方法を説明する。それ以外の構成は、実施例1と同じであるので説明を割愛する。
【0066】
一次転写ローラの電位とドラム上の画像部電位の差分である転写コントラストを小さくすることで、ドラムからベルトに移動するトナーの量を制御することができることを利用する。例えば、実施例1の構成で述べると、前述したように、用紙Sの先端がT2ニップ99に突入する際には、ベルト51の速度が遅くなるため、T1ニップ80におけるベルト上のトナー濃度が濃くなる。ここで、図14に、用紙を2枚連続通紙した場合のタイミングチャートを示す。
【0067】
用紙Sの先端がT2ニップ99に突入するタイミングで、一次転写バイアスを、時間Δt3の間、ΔV3小さくするのである。このようにすることで、ショックぶれによりトナー濃度が濃くなる領域については、転写コントラストを小さくしているので、ドラムからベルトに移動するトナー量が少なくなる。そのため、ショックブレによりトナーの濃度が濃くなってしまう領域と、それ以外の領域とで、ベルト上のトナーの濃度の変動を抑えることができる。
【0068】
また、逆に、ベルトが一時的に早くなることにより濃度が薄くなるショックブレの対策として転写バイアスを制御するようにしてもよい。一次転写バイアスの絶対値を増加させることで、一次転写ローラの電位と、ドラム上の画像部電位との電位差を大きくして画像データに対応したトナーの載り量よりもベルト上において、トナー載り量を増やすようにしてもよい。
【0069】
用紙の厚みや、モノカラーモード/フルカラーモードによって、一次転写バイアスの絶対値を最適化することや、一次転写バイアスを除々に変更する方法などは、実施例1の現像バイアスの制御と同様に適用可能である。即ち、ベルト51が遅くなる場合は、記録媒体Sの厚みが大きい方が、記録媒体の厚みが小さい時に比べて、潜像の画像部の電位と転写バイアスの電位との電位差が小さくなるように転写バイアスを制御する。ベルト51が早くなる場合は、記録媒体Sの厚みが大きい方が、記録媒体の厚みが小さい時に比べて、潜像の画像部の電位と転写バイアスの電位との電位差が大きくなるように転写バイアスを制御する。
【0070】
複数の像担持体によって画像形成する第一のモードと、複数の一次転写部材、又は、複数の像担持体のうちの一部が、中間転写体から離隔している状態で画像形成する第二のモードと、を有する。そして、第一のモードと第二のモードとで記録媒体の厚みが同じ場合においても、転写バイアス印加量の変化量を、第一のモードよりも、第二のモードの方が大きくなるように制御する。即ち、ベルト51が遅くなる場合は、第二のモードの方が、第一のモードに比べて、潜像の画像部の電位と転写バイアスの電位との電位差が小さくなるように転写バイアスを制御する。逆に、ベルト51が早くなる場合には、第二のモードの方が、第一のモードに比べて、潜像の画像部の電位と転写バイアスの電位との電位差が大きくなるように転写バイアスを制御する。また、転写バイアス制御手段による転写バイアス印加量を所定の量だけ変化させる過程を、徐々に大きくする、又は徐々に小さくするようにする。また、実施例3で示した4色(4パス)フルカラーのレーザービームプリンタにおける2次転写ローラ、又は、クリーニングローラの当接離隔時のショックブレに対しても適用できる。
【0071】
[実施例5]:実施例1では、ベルトが一時的に遅くなることにより一部の領域の濃度が濃くなってしまうショックブレ対策として現像バイアスを制御した例を説明した。実施例5においては、帯電バイアスの絶対値を小さくして、ドラム上の潜像の画像部の電位を小さくすることで、現像ローラの電位と潜像の画像部の電位との電位差を小さくする。そして、画像データに対応した載り量よりも、ドラム上において、載り量を減らす方法を説明する。基本的な構成は実施例1と同じである。実施例1と異なる点は、実施例5では、ショックブレ対策として現像バイアスではなく、帯電バイアスを変更する点と、非露光部にトナーを付着させる正規現像方式であるところである。実施例1のように現像バイアスの絶対値を変更することで、現像バイアスと潜像の画像部の電位の差分である現像コントラストは変更可能である。実施例5では、帯電バイアスの絶対値を減らすことで、現像コントラストを小さくする。なお、反転現像であれば、帯電バイアスを大きくすることで、潜像形成前に帯電されるドラムの電位を大きくし、露光をした後の露光部の電位も大きくすることで、現像コントラストを小さくすることも可能である。
【0072】
次にタイミングについて説明を行う。例えば、実施例1の構成で述べると、前述したように、用紙Sの先端がT2ニップ99に突入する際には、ベルト51の速度が遅くなるため、T1ニップ80におけるベルト上のトナー濃度が濃くなる。図15に、用紙を2枚連続通紙した場合のタイミングチャートを示す。帯電バイアスの絶対値を時間Δt4の間、ΔV4だけ小さくするタイミングについて説明する。用紙の先端がT2ニップ99に突入するタイミングからt4だけ前に帯電バイアスを変更する。t4は、図5(a)において、帯電ローラ2dとドラム1dで形成されるニップの中心から、T1ニップ80dまでの距離を、ドラム1dの表面速度(=ベルトの搬送速度)で割ることで算出される時間である。尚、実施例5では、現像バイアスの一時的な変更は行わない。このようにすることで、ショックぶれによりトナー濃度が濃くなる領域については、現像コントラストを小さくしているので、ドラムからベルトに移動するトナー量が少なくなる。そのため、ショックブレによりトナーの濃度が濃くなってしまう領域と、それ以外の領域とで、ベルト上のトナーの濃度の変動を抑えることができる。
【0073】
また、逆に、ベルトが一時的に早くなることにより濃度が薄くなるショックブレの対策として帯電バイアスを制御するようにしてもよい。帯電バイアスの絶対値を増加させることで、現像バイアスと潜像の画像部の電位との電位差(現像コントラスト)を大きくする。これにより、画像データに対応したトナーの載り量よりもベルト上において、トナー載り量を増やすようにしてもよい。
【0074】
用紙の厚みや、モノカラーモード/フルカラーモードによって、ΔV4、Δt4を最適化することや、帯電バイアスを除々に変更する方法などは、実施例1の現像バイアスの制御と同様である。即ち、ベルト51が遅くなる場合は、記録媒体Sの厚みが大きい方が、記録媒体の厚みが小さい時に比べて、潜像の画像部の電位と現像バイアスの電位との電位差が小さくなるように帯電バイアスを制御する。ベルト51が早くなる場合は、記録媒体Sの厚みが大きい方が、記録媒体の厚みが小さい時に比べて、潜像の画像部の電位と現像バイアスの電位との電位差が大きくなるように帯電バイアスを制御する。
【0075】
複数の像担持体によって画像形成する第一のモードと、複数の一次転写部材、又は、複数の像担持体のうちの一部が、中間転写体から離隔している状態で画像形成する第二のモードと、を有する。そして、第一のモードと第二のモードとで記録媒体の厚みが同じ場合においても、帯電バイアス印加量の変化量を、第一のモードよりも、第二のモードの方が大きくなるように制御する。即ち、ベルト51が遅くなる場合は、第二のモードの方が、第一のモードに比べて、潜像の画像部の電位と現像バイアスの電位との電位差が小さくなるように帯電バイアスを制御する。逆に、ベルト51が早くなる場合には、第二のモードの方が、第一のモードに比べて、潜像の画像部の電位と現像バイアスの電位との電位差が大きくなるように帯電バイアスを制御する。また、帯電バイアス制御手段による帯電バイアス印加量を所定の量だけ変化させる過程を、徐々に大きくする、又は徐々に小さくするようにする。また、実施例3で示した4色(4パス)フルカラーのレーザービームプリンタにおける2次転写ローラ、又は、クリーニングローラの当接離隔時のショックブレに対しても適用できる。
【0076】
以上、実施例1〜5で説明した内容をまとめる。本発明のポイントとしては、中間転写体の一時的な速度変動にともなう画像不良(ショックブレ)を、抑制することである。中間転写体が一時的に遅くなると、そのタイミングで一次転写している中間転写体上のトナー濃度が濃くなる。濃度が濃くなる領域は、装置の構成等から予測が可能である。したがって、濃度が濃くなると予想される領域(第1の領域)とそれ以外の領域(第二の領域)とで、中間転写体上でのトナー濃度が変わらなくなるようにする。例えば、現像バイアス、又は帯電バイアスを制御して、第一の領域は、第二の領域に対して現像コントラストを小さくする。又は、転写バイアスを制御して、第一の領域は、第二の領域に対して転写コントラストを小さくする。
【0077】
逆に、中間転写体が一時的に早くなると、そのタイミングで一次転写している中間転写体上のトナー濃度が薄くなる。濃度が薄くなる領域は、装置の構成等から予測が可能である。したがって、濃度が薄くなると予想される領域(第三の領域)とそれ以外の領域(第二の領域)とで、中間転写体上でのトナー濃度が変わらなくなるようにする。例えば、現像バイアス、又は帯電バイアスを制御して、第三の領域は、第二の領域に対して現像コントラストを大きくする。又は、転写バイアスを制御して、第三の領域は、第二の領域に対して転写コントラストを大きくする。
【0078】
中間転写体の速度が一時的に遅くなる主な理由は下記のものが考えられる。
【0079】
(1)録媒体の先端が二次転写ニップに突入する時、又は、記録媒体の後端が二次転写ニップ、又は、記録媒体を二次転写ニップに搬送するための搬送部を抜ける時である。
【0080】
(2)二次転写部材は前記中間転写体に当接離隔可能に設けられており、二次転写部材が中間転写体に当接する時である。
【0081】
(3)中間転写体に当接離隔可能に設けられた中間転写体クリーニング部材を備え、中間転写体クリーニング部材が中間転写体に当接する時である。
【0082】
また、中間転写体の速度が一時的に早くなる主な理由は下記のものが考えられる。
【0083】
(1)記録媒体の先端が前記二次転写ニップに突入する時、又は、記録媒体の後端が二次転写ニップ、又は、記録媒体を二次転写ニップに搬送するための搬送部を抜ける時である。
【0084】
(2)二次転写部材が中間転写体に当接離隔可能に設けられており、二次転写部材が中間転写体に離隔する時である。
【0085】
(3)中間転写体に当接離隔可能に設けられた中間転写体クリーニング部材を備え、中間転写体クリーニング部材が中間転写体に離隔する時である。
【0086】
なお、録媒体の先端が二次転写ニップに突入する時、又は、記録媒体の後端が二次転写ニップ、又は、記録媒体を二次転写ニップに搬送するための搬送部を抜ける時は、中間転写体の速度が速くなるのと遅くなるのがほぼ同時に発生する。したがって、速度が速くなることによるショックブレと、速度が遅くなることによるショックブレとを比較して、一方のショックブレを解消するようにしてもよい。
【0087】
なお、中間転写体の速度変動が起こる原因は上記例に限られない。また、中間転写体の速度変動が起こったとしても、最終的な画像が許容範囲であるならば全ての速度変動に対して本願発明のような現像バイアス等の制御を行なう必要はない。
【0088】
また、記録媒体の厚みや、モノモード、カラーモードにより、現像バイアス等の補正量を変更する。具体的には、中間転写体の速度変動が大きくなるような場合、記録媒体の厚みが厚い場合(又はモノモードの場合)は、記録媒体の厚みが薄い場合(又はカラーモードの場合)よりも補正量を大きくする。
【0089】
また、現像バイアス等を変更する場合は、徐々にバイアスを変更するようにすることで、濃度変動を大きくしないようにすることもできる。
【符号の説明】
【0090】
1(1a〜1d)・・像担持体、38・・搬送部、50(50a〜50d)・・一次転写部材、51・・中間転写体、60・・二次転写部材、80(80a〜80d)・・一次転写ニップ、99・・二次転写ニップ、S・・S、101・・現像剤重量制御手段(制御部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜像が形成される回転可能な像担持体と、
現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に現像バイアスを印加する現像バイアス印加手段とを備え、前記像担持体に形成された潜像を現像剤像に現像する現像装置と、
回転可能な中間転写体と、
前記中間転写体を挟んで前記像担持体に対峙する位置にあり前記中間転写体と前記像担持体とを接触させて一次転写ニップを形成させ前記現像剤像を前記中間転写体に転写させる一次転写部材と、
前記中間転写体に接触して二次転写ニップを形成し前記中間転写体に転写された前記現像剤像を記録媒体に二次転写する二次転写部材と、
前記記録媒体に対する画像形成のための潜像が形成される前記像担持体の領域の中で、前記中間転写体の速度が一時的に遅くなる時に前記一次転写ニップにある領域を少なくとも含む領域を第一の領域、前記一時的な速度の変動がない時に前記一次転写ニップにある領域を第二の領域として、潜像の画像部の電位と前記第一の領域となる領域の潜像を現像する時に前記現像剤担持体に印加される現像バイアスの電位との電位差が、潜像の画像部の電位と前記第二の領域となる領域の潜像を現像する時に前記現像剤担持体に印加される現像バイアスの電位との電位差よりも小さくなるように、現像バイアスを制御する制御装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記記録媒体の厚さに応じて前記第一の領域となる領域の潜像を現像する時に前記現像剤担持体に印加される現像バイアスを変更し、前記記録媒体の厚みが大きい方が、前記記録媒体の厚みが小さい時に比べて、潜像の画像部の電位と現像バイアスの電位との電位差が小さくなるように現像バイアスを制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
複数の前記像担持体と複数の一次転写部材を備え、
複数の前記像担持体と複数の一次転写部材を前記中間転写体に当接させて画像形成する第一のモードと、
複数の前記一次転写部材、又は、複数の前記像担持体のうちの一部が、前記中間転写体から離隔している状態で画像形成する第二のモードと、
を有し、前記記録媒体の厚みが同じ場合においても、前記第一のモードと前記第二のモードに応じて前記第一の領域となる領域の潜像を現像する時に前記現像剤担持体に印加される現像バイアスを変更し、前記第二のモードの方が、前記第一のモードに比べて、潜像の画像部の電位と現像バイアスの電位との電位差が小さくなるように現像バイアスを制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第一の領域となる領域の潜像を現像する時に前記現像剤担持体に印加される現像バイアスから、第二の領域となる領域の潜像を現像するときに前記現像剤担持体に印加される現像バイアスへの変更を、又は、第二の領域となる領域の潜像を現像するときに前記現像剤担持体に印加される現像バイアスから、前記第一の領域となる領域の潜像を現像する時に前記現像剤担持体に印加される現像バイアスへの変更を、現像バイアスを徐々に小さくする、又は現像バイアスを徐々に大きくすることで変更することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
(A)前記像担持体の表面を帯電させるための帯電部材と、前記帯電部材に帯電バイアスを印加するための帯電バイアス印加手段と、前記帯電バイアスの印加量を制御する帯電バイアス制御手段、
(B)前記現像剤担持体に接触又は近接して現像剤を供給する現像剤供給部材と、前記現像剤供給部材に現像剤供給バイアスを印加する現像剤供給バイアス印加手段と、前記現像剤供給バイアスの印加量を制御する現像剤供給バイアス制御手段、
(C)前記現像剤担持体の表面に圧接する現像剤層規制部材と、前記現像剤層規制部材に現像剤層規制バイアスを印加する現像剤層規制バイアス印加手段と、前記現像剤層規制バイアスの印加量を制御する現像剤層規制バイアス制御手段、
の(A)、(B)、(C)うち、少なくとも一つを備え、
(A)を備える場合は、下記(A)を実行し、
(B)を備える場合は、下記(B)を実行し、
(C)を備える場合は、下記(C)を実行することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置。

前記第一の領域となる領域の潜像を現像する時に印加する現像バイアスと、前記第二の領域となる領域の潜像を現像する時に印加する現像バイアスとの変化量と同じだけ、
(A)前記帯電バイアス制御手段は、前記第一の領域となる領域が前記帯電部材で帯電される時に印加する帯電バイアスと、前記第二の領域となる領域が前記帯電部材で帯電される時に印加する帯電バイアスとを変更する、
(B)前記現像剤供給バイアス制御手段は、前記第一の領域となる領域の潜像を現像する時に印加する前記現像剤供給バイアスと、前記第二の領域となる領域の潜像を現像する時に印加する前記現像剤供給バイアスとを変更する、
(C)前記現像剤層規制バイアス制御手段は、前記第一の領域となる領域の潜像を現像する時に印加する前記現像剤層規制バイアスと、前記第二の領域となる領域の潜像を現像する時に印加する前記現像剤層規制バイアスとを変更する。
【請求項6】
潜像が形成される回転可能な像担持体と、
現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に現像バイアスを印加する現像バイアス印加手段とを備え、前記像担持体に形成された潜像を現像剤像に現像する現像装置と、
回転可能な中間転写体と、
前記中間転写体を挟んで前記像担持体に対峙する位置にあり前記中間転写体と前記像担持体とを接触させて一次転写ニップを形成させ前記現像剤像を前記中間転写体に転写させる一次転写部材と、一次転写部材に転写バイアスを印加する一次転写バイアス印加手段とを備える一次転写装置と、
前記中間転写体に接触して二次転写ニップを形成し前記中間転写体に転写された前記現像剤像を記録媒体に二次転写する二次転写部材と、
前記記録媒体に対する画像形成のための潜像が形成される前記像担持体の領域の中で、前記中間転写体の速度が一時的に遅くなる時に前記一次転写ニップにある領域を少なくとも含む領域を第一の領域、前記一時的な速度の変動がない時に前記一次転写ニップにある領域を第二の領域として、潜像の画像部の電位と前記第一の領域の現像剤像を一次転写する時に前記一次転写部材に印加される転写バイアスとの電位差を、潜像の画像部の電位と第二の領域の現像剤像を一次転写する時に前記一次転写部材に印加される転写バイアスとの電位差よりも、小さくなるように転写バイアスを制御する制御装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記記録媒体の厚さに応じて前記第一の領域の現像剤像を転写する時に前記一次転写部材に印加される転写バイアスを変更し、前記記録媒体の厚みが大きい方が、前記記録媒体の厚みが小さい時に比べて、潜像の画像部の電位と転写バイアスの電位との電位差が小さくなるように転写バイアスを制御することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
複数の前記像担持体と複数の一次転写部材を備え、
複数の前記像担持体と複数の一次転写部材を前記中間転写体に当接させて画像形成する第一のモードと、
複数の前記一次転写部材、又は、複数の前記像担持体のうちの一部が、前記中間転写体から離隔している状態で画像形成する第二のモードと、
を有し、前記記録媒体の厚みが同じ場合においても、前記第一のモードと前記第二のモードに応じて前記第一の領域の現像剤像を転写する時に前記一次転写部材に印加される転写バイアスを変更し、前記第二のモードの方が、前記第一のモードに比べて、潜像の画像部の電位と転写バイアスの電位との電位差が小さくなるように転写バイアスを制御することを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第一の領域の現像剤像を転写する時に前記一次転写部材に印加される転写バイアスから、前記第二の領域の現像剤像を転写する時に前記一次転写部材に印加される転写バイアスへの変更を、又は、前記第二の領域の現像剤像を転写する時に前記一次転写部材に印加される転写バイアスから、前記第一の領域の現像剤像を転写する時に前記一次転写部材に印加される転写バイアスへの変更を、転写バイアスを徐々に小さくする、又は転写バイアスを徐々に大きくすることで変更することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
潜像が形成される回転可能な像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電させるための帯電部材と、前記帯電部材に帯電バイアスを印加するための帯電バイアス印加手段とを備え、前記像担持体を帯電する帯電装置と、
現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体にバイアスを印加する現像バイアス印加手段とを備え、前記像担持体に形成された潜像を現像剤像に現像する現像装置と、
回転可能な中間転写体と、
前記中間転写体を挟んで前記像担持体に対峙する位置にあり前記中間転写体と前記像担持体とを接触させて一次転写ニップを形成させ前記現像剤像を前記中間転写体に転写させる一次転写部材と、
前記中間転写体に接触して二次転写ニップを形成し前記中間転写体に転写された前記現像剤像を記録媒体に二次転写する二次転写部材と、
前記記録媒体に対する画像形成のための潜像が形成される前記像担持体の領域の中で、前記中間転写体の速度が一時的に遅くなる時に前記一次転写ニップにある領域を少なくとも含む領域を第一の領域、前記一時的な速度の変動がない時に前記一次転写ニップにある領域を第二の領域として、前記第一の領域となる領域の潜像を現像する時に前記現像剤担持体に印加される現像バイアスと、第二の領域となる領域の潜像を現像するときに前記現像剤担持体に印加される現像バイアスとは同じになるように現像バイアスを制御しつつ、潜像の画像部の電位と前記第一の領域となる領域の潜像を現像する時に前記現像剤担持体に印加される現像バイアスの電位との電位差が、潜像の画像部の電位と前記第二の領域となる領域の潜像を現像する時に前記現像剤担持体に印加される現像バイアスの電位との電位差よりも小さくなるように、帯電バイアスを制御する制御装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
前記記録媒体の厚さに応じて前記第一の領域となる領域を帯電する時に前記帯電部材に印加される帯電バイアスを変更し、前記記録媒体の厚みが大きい方が、前記記録媒体の厚みが小さい時に比べて、潜像の画像部の電位と現像バイアスの電位との電位差が小さくなるように帯電バイアスを制御することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
複数の前記像担持体と複数の一次転写部材を備え、
複数の前記像担持体と複数の一次転写部材を前記中間転写体に当接させて画像形成する第一のモードと、
複数の前記一次転写部材、又は、複数の前記像担持体のうちの一部が、前記中間転写体から離隔している状態で画像形成する第二のモードと、
を有し、前記記録媒体の厚みが同じ場合においても、前記第一のモードと前記第二のモードに応じて前記第一の領域となる領域を帯電する時に前記帯電部材に印加される帯電バイアスを変更し、前記第二のモードの方が、前記第一のモードに比べて、潜像の画像部の電位と現像バイアスの電位との電位差が小さくなるように帯電バイアスを制御することを特徴とする請求項10又は11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記第一の領域となる領域を帯電する時に前記帯電部材に印加される帯電バイアスから、第二の領域となる領域を帯電するときに前記帯電部材に印加される帯電バイアスへの変更を、又は、第二の領域となる領域を帯電するときに前記帯電部材に印加される帯電バイアスから、前記第一の領域となる領域を帯電する時に前記帯電部材に印加される帯電バイアスへの変更を、帯電バイアスを徐々に小さくする、又は帯電バイアスを徐々に大きくすることで変更することを特徴とする請求項10乃至12のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項14】

前記中間転写体の速度が一時的に遅くなる時は、前記記録媒体の先端が前記二次転写ニップに突入する時、又は、前記記録媒体の後端が前記二次転写ニップ、又は、前記記録媒体を前記二次転写ニップに搬送するための搬送部を抜ける時であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記二次転写部材は前記中間転写体に当接離隔可能に設けられており、前記中間転写体の速度が一時的に遅くなる時は、前記二次転写部材が前記中間転写体に当接する時であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記中間転写体に当接離隔可能に設けられた中間転写体クリーニング部材を備え、前記中間転写体の速度が一時的に遅くなる時は、前記中間転写体クリーニング部材が前記中間転写体に当接する時であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項17】
潜像が形成される回転可能な像担持体と、
現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に現像バイアスを印加する現像バイアス印加手段とを備え、前記像担持体に形成された潜像を現像剤像に現像する現像装置と、
回転可能な中間転写体と、
前記中間転写体を挟んで前記像担持体に対峙する位置にあり前記中間転写体と前記像担持体とを接触させて一次転写ニップを形成させ前記現像剤像を前記中間転写体に転写させる一次転写部材と、
前記中間転写体に接触して二次転写ニップを形成し前記中間転写体に転写された前記現像剤像を記録媒体に二次転写する二次転写部材と、
前記記録媒体に対する画像形成のための潜像が形成される前記像担持体の領域の中で、前記中間転写体の速度が一時的に早くなる時に前記一次転写ニップにある領域を少なくとも含む領域を第三の領域、前記一時的な速度の変動がない時に前記一次転写ニップにある領域を第二の領域として、潜像の画像部の電位と前記第三の領域となる領域の潜像を現像する時に前記現像剤担持体に印加される現像バイアスの電位との電位差が、潜像の画像部の電位と前記第二の領域となる領域の潜像を現像する時に前記現像剤担持体に印加される現像バイアスの電位との電位差よりも小さくなるように、現像バイアスを制御する制御装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項18】
前記記録媒体の厚さに応じて前記第三の領域となる領域の潜像を現像する時に前記現像剤担持体に印加される現像バイアスを変更し、前記記録媒体の厚みが大きい方が、前記記録媒体の厚みが小さい時に比べて、潜像の画像部の電位と現像バイアスの電位との電位差が大きくなるように現像バイアスを制御することを特徴とする請求項17に記載の画像形成装置。
【請求項19】
複数の前記像担持体と複数の一次転写部材を備え、
複数の前記像担持体と複数の一次転写部材を前記中間転写体に当接させて画像形成する第一のモードと、
複数の前記一次転写部材、又は、複数の前記像担持体のうちの一部が、前記中間転写体から離隔している状態で画像形成する第二のモードと、
を有し、前記記録媒体の厚みが同じ場合においても、前記第一のモードと前記第二のモードに応じて前記第一の領域となる領域の潜像を現像する時に前記現像剤担持体に印加される現像バイアスを変更し、前記第二のモードの方が、前記第一のモードに比べて、潜像の画像部の電位と現像バイアスの電位との電位差が大きくなるように現像バイアスを制御することを特徴とする請求項17又は18に記載の画像形成装置。
【請求項20】
前記第三の領域となる領域の潜像を現像する時に前記現像剤担持体に印加される現像バイアスから、第二の領域となる領域の潜像を現像するときに前記現像剤担持体に印加される現像バイアスへの変更を、又は、第二の領域となる領域の潜像を現像するときに前記現像剤担持体に印加される現像バイアスから、前記第三の領域となる領域の潜像を現像する時に前記現像剤担持体に印加される現像バイアスへの変更を、現像バイアスを徐々に小さくする、又は現像バイアスを徐々に大きくすることで変更することを特徴とする請求項17乃至19のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項21】
(A)前記像担持体の表面を帯電させるための帯電部材と、前記帯電部材に帯電バイアスを印加するための帯電バイアス印加手段と、前記帯電バイアスの印加量を制御する帯電バイアス制御手段、
(B)前記現像剤担持体に接触又は近接して現像剤を供給する現像剤供給部材と、前記現像剤供給部材に現像剤供給バイアスを印加する現像剤供給バイアス印加手段と、前記現像剤供給バイアスの印加量を制御する現像剤供給バイアス制御手段、
(C)前記現像剤担持体の表面に圧接する現像剤層規制部材と、前記現像剤層規制部材に現像剤層規制バイアスを印加する現像剤層規制バイアス印加手段と、前記現像剤層規制バイアスの印加量を制御する現像剤層規制バイアス制御手段、
の(A)、(B)、(C)うち、少なくとも一つを備え、
(A)を備える場合は、下記(A)を実行し、
(B)を備える場合は、下記(B)を実行し、
(C)を備える場合は、下記(C)を実行することを特徴とする請求項17乃至20のいずれか一項に記載の画像形成装置。

前記第三の領域となる領域の潜像を現像する時に印加する現像バイアスと、前記第二の領域となる領域の潜像を現像する時に印加する現像バイアスとの変化量と同じだけ、
(A)前記帯電バイアス制御手段は、前記第三の領域となる領域が前記帯電部材で帯電される時に印加する帯電バイアスと、前記第二の領域となる領域が前記帯電部材で帯電される時に印加する帯電バイアスとを変更する、
(B)前記現像剤供給バイアス制御手段は、前記第三の領域となる領域の潜像を現像する時に印加する前記現像剤供給バイアスと、前記第二の領域となる領域の潜像を現像する時に印加する前記現像剤供給バイアスとを変更する、
(C)前記現像剤層規制バイアス制御手段は、前記第三の領域となる領域の潜像を現像する時に印加する前記現像剤層規制バイアスと、前記第二の領域となる領域の潜像を現像する時に印加する前記現像剤層規制バイアスとを変更する。
【請求項22】
潜像が形成される回転可能な像担持体と、
現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体にバイアスを印加する現像バイアス印加手段とを備え、前記像担持体に形成された潜像を現像剤像に現像する現像装置と、
回転可能な中間転写体と、
前記中間転写体を挟んで前記像担持体に対峙する位置にあり前記中間転写体と前記像担持体とを接触させて一次転写ニップを形成させ前記現像剤像を前記中間転写体に転写させる一次転写部材と、一次転写部材に転写バイアスを印加する一次転写バイアス印加手段とを備える一次転写装置と、
前記中間転写体に接触して二次転写ニップを形成し前記中間転写体に転写された前記現像剤像を記録媒体に二次転写する二次転写部材と、
前記記録媒体に対する画像形成のための潜像が形成される前記像担持体の領域の中で、前記中間転写体の速度が一時的に早くなる時に前記一次転写ニップにある領域を少なくとも含む領域を第三の領域、前記一時的な速度の変動がない時に前記一次転写ニップにある領域を第二の領域として、潜像の画像部の電位と前記第三の領域の現像剤像を一次転写する時に前記一次転写部材に印加される転写バイアスとの電位差を、潜像の画像部の電位と第二の領域の現像剤像を一次転写する時に前記一次転写部材に印加される転写バイアスとの電位差よりも、大きくなるように転写バイアスを制御する制御装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項23】
前記記録媒体の厚さに応じて前記第三の領域の現像剤像を転写する時に前記一次転写部材に印加される転写バイアスを変更し、前記記録媒体の厚みが大きい方が、前記記録媒体の厚みが小さい時に比べて、潜像の画像部の電位と転写バイアスの電位との電位差が大きくなるように転写バイアスを制御することを特徴とする請求項22に記載の画像形成装置。
【請求項24】
複数の前記像担持体と複数の一次転写部材を備え、
複数の前記像担持体と複数の一次転写部材を前記中間転写体に当接させて画像形成する第一のモードと、
複数の前記一次転写部材、又は、複数の前記像担持体のうちの一部が、前記中間転写体から離隔している状態で画像形成する第二のモードと、
を有し、前記記録媒体の厚みが同じ場合においても、前記第一のモードと前記第二のモードに応じて前記第一の領域の現像剤像を転写する時に前記一次転写部材に印加される転写バイアスを変更し、前記第二のモードの方が、前記第一のモードに比べて、潜像の画像部の電位と転写バイアスの電位との電位差が大きくなるように転写バイアスを制御することを特徴とする請求項22又は23に記載の画像形成装置。
【請求項25】
前記第三の領域の現像剤像を転写する時に前記一次転写部材に印加される転写バイアスから、前記第二の領域の現像剤像を転写する時に前記一次転写部材に印加される転写バイアスへの変更を、又は、前記第二の領域の現像剤像を転写する時に前記一次転写部材に印加される転写バイアスから、前記第三の領域の現像剤像を転写する時に前記一次転写部材に印加される転写バイアスへの変更を、転写バイアスを徐々に小さくする、又は転写バイアスを徐々に大きくすることで変更することを特徴とする請求項22乃至24のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項26】
潜像が形成される回転可能な像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電させるための帯電部材と、前記帯電部材に帯電バイアスを印加するための帯電バイアス印加手段とを備え、前記像担持体を帯電する帯電装置と、
現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体にバイアスを印加する現像バイアス印加手段とを備え、前記像担持体に形成された潜像を現像剤像に現像する現像装置と、
回転可能な中間転写体と、
前記中間転写体を挟んで前記像担持体に対峙する位置にあり前記中間転写体と前記像担持体とを接触させて一次転写ニップを形成させ前記現像剤像を前記中間転写体に転写させる一次転写部材と、
前記中間転写体に接触して二次転写ニップを形成し前記中間転写体に転写された前記現像剤像を記録媒体に二次転写する二次転写部材と、
前記記録媒体に対する画像形成のための潜像が形成される前記像担持体の領域の中で、前記中間転写体の速度が一時的に早くなる時に前記一次転写ニップにある領域を少なくとも含む領域を第三の領域、前記一時的な速度の変動がない時に前記一次転写ニップにある領域を第二の領域として、前記第三の領域となる領域の潜像を現像する時に前記現像剤担持体に印加される現像バイアスと、第二の領域となる領域の潜像を現像するときに前記現像剤担持体に印加される現像バイアスとは同じになるように現像バイアスを制御しつつ、潜像の画像部の電位と前記第三の領域となる領域の潜像を現像する時に前記現像剤担持体に印加される現像バイアスの電位との電位差が、潜像の画像部の電位と前記第二の領域となる領域の潜像を現像する時に前記現像剤担持体に印加される現像バイアスの電位との電位差よりも大きくなるように、帯電バイアスを制御する制御装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項27】
前記記録媒体の厚さに応じて前記第三の領域となる領域を帯電する時に前記帯電部材に印加される帯電バイアスを変更し、前記記録媒体の厚みが大きい方が、前記記録媒体の厚みが小さい時に比べて、潜像の画像部の電位と現像バイアスの電位との電位差が大きくなるように帯電バイアスを制御することを特徴とする請求項26に記載の画像形成装置。
【請求項28】
複数の前記像担持体と複数の一次転写部材を備え、
複数の前記像担持体と複数の一次転写部材を前記中間転写体に当接させて画像形成する第一のモードと、
複数の前記一次転写部材、又は、複数の前記像担持体のうちの一部が、前記中間転写体から離隔している状態で画像形成する第二のモードと、
を有し、
前記記録媒体の厚みが同じ場合においても、前記第一のモードと前記第二のモードに応じて前記第一の領域となる領域を帯電する時に前記帯電部材に印加される帯電バイアスを変更し、前記第二のモードの方が、前記第一のモードに比べて、潜像の画像部の電位と現像バイアスの電位との電位差が大きくなるように帯電バイアスを制御することを特徴とする請求項26又は27に記載の画像形成装置。
【請求項29】
前記第三の領域となる領域を帯電する時に前記帯電部材に印加される帯電バイアスから、第二の領域となる領域を帯電するときに前記帯電部材に印加される帯電バイアスへの変更を、又は、第二の領域となる領域を帯電するときに前記帯電部材に印加される帯電バイアスから、前記第三の領域となる領域を帯電する時に前記帯電部材に印加される帯電バイアスへの変更を、帯電バイアスを徐々に小さくする、又は帯電バイアスを徐々に大きくすることで変更することを特徴とする請求項26乃至28のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項30】

前記中間転写体の速度が一時的に早くなる時は、前記記録媒体の先端が前記二次転写ニップに突入する時、又は、前記記録媒体の後端が前記二次転写ニップ、又は、前記記録媒体を前記二次転写ニップに搬送するための搬送部を抜ける時であることを特徴とする請求項17乃至29のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項31】
前記二次転写部材は前記中間転写体に当接離隔可能に設けられており、前記中間転写体の速度が一時的に早くなる時は、前記二次転写部材が前記中間転写体に離隔する時であることを特徴とする請求項17乃至30のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項32】
前記中間転写体に当接離隔可能に設けられた中間転写体クリーニング部材を備え、前記中間転写体の速度が一時的に早くなる時は、前記中間転写体クリーニング部材が前記中間転写体に離隔する時であることを特徴とする請求項17乃至31のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−8224(P2011−8224A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80986(P2010−80986)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】