画像形成装置
【課題】潜像形成装置による像保持体に形成される潜像の画質低下を防止すること。
【解決手段】保持体(PRy)と、潜像形成装置(LHy)と、現像器(Gy)と、前記現像器(Gy)を、像保持体(PRy)の一部に接触する位置と、前記像保持体(PRy)から離間した位置との間で移動させる第1の接離機構(6+7)と、第1の接離機構(6+7)が現像器(Gy)を像保持体(PRy)の一部に接触する位置に移動させた後に、潜像形成装置(LHy)を、像保持体(PRy)から離間した位置から像保持体(PRy)の一部に接触する位置に移動させる第2の接離機構(11〜22)と、を備えた画像形成装置。
【解決手段】保持体(PRy)と、潜像形成装置(LHy)と、現像器(Gy)と、前記現像器(Gy)を、像保持体(PRy)の一部に接触する位置と、前記像保持体(PRy)から離間した位置との間で移動させる第1の接離機構(6+7)と、第1の接離機構(6+7)が現像器(Gy)を像保持体(PRy)の一部に接触する位置に移動させた後に、潜像形成装置(LHy)を、像保持体(PRy)から離間した位置から像保持体(PRy)の一部に接触する位置に移動させる第2の接離機構(11〜22)と、を備えた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子写真方式の複写機やプリンタ、FAX等の画像形成装置に関する技術として、下記の特許文献1〜3記載の技術が知られている。
特許文献1(特開平4−212973号公報)には、像保持体表面に潜像を形成する潜像形成装置について、像保持体表面に近接し且つ軸方向に沿って多数の発光部が配置された潜像形成装置、いわゆる、LEDアレイ方式の露光装置が記載されている。特許文献1記載の技術では、像保持体としての感光体ベルト101を含むプロセスユニット30が画像形成装置本体に対して着脱される際に、プロセスユニット101用の扉35の開閉に連動させて、感光体ベルト101の下方に近接して配置されたLEDヘッド7Aを感光体ベルト101から離隔させている。
【0003】
特許文献2(特開2000−293085号公報)記載の技術では、感光体1に対して近接して配置されたLEDアレイ2を、通常時は、付勢機構40により感光体1の上方に近接した状態に保持すると共に、感光体1の挿抜を妨げる位置に操作レバー41が配置されている。そして、特許文献2記載の技術では、操作レバー41を回転させることで、連結片46を介してLEDアレイ2を引き上げ、感光体1からLEDアレイ2を離隔させると共に、操作レバー41による感光体1の挿抜の妨げが解除される。
特許文献3(特開2001−175046号公報)には、LEDアレイヘッド39が、感光体ドラム19と一定の距離に位置決めされた第1の位置と、感光体ドラム19から離隔した第2の位置との間で移動可能に構成されると共に、媒体を搬送する搬送ベルト15が、感光体ドラム19に対峙する対峙位置と、感光体ドラム19から離れた退避位置との間を移動可能に構成される技術が記載されている。そして、特許文献3記載の技術では、感光体ドラム19を交換のために取り外す際に、搬送ベルト15が退避位置に移動する動作に連動させて、LEDアレイヘッド39が感光体1から離隔した第2の位置に移動させる。また、感光体ドラム19が装着された後、搬送ベルト15を対峙位置に移動させ、この動作に連動させて、LEDアレイヘッド39を感光体ドラム19に接近した第1の位置に移動させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−212973号公報(「0026」〜「0038」、図1〜図3)
【特許文献2】特開2000−293085号公報(「0020」〜「0022」、図2〜図4)
【特許文献3】特開2001−175046号公報(「0028」〜「0036」、「0041」、図1、図2、図6、図7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、像保持体に対して潜像形成装置を位置決めした後に現像器の位置決めをすることで発生する潜像形成装置の像保持体に対する位置ずれを防止することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の画像形成装置は、
像保持体と、
潜像形成装置と、
現像器と、
前記現像器を、前記像保持体に接触する位置と、前記像保持体から離間した位置との間で移動させる第1の接離機構と、
前記第1の接離機構が前記現像器を前記像保持体に接触する位置に移動させた後に、前記潜像形成装置を、前記像保持体から離間した位置から前記像保持体に接触する位置に移動させる第2の接離機構と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
像保持体を有し、画像形成装置本体に対して着脱可能な像保持体ユニットと、
前記潜像形成装置に設けられ且つ前記像保持体ユニットの一部に接触することで、前記潜像形成装置の位置決めをする潜像形成装置の位置決め部と、
前記現像器に設けられ、前記像保持体ユニットの一部に接触することで前記現像器の位置決めをする現像器の位置決め部と、
前記潜像形成装置を、前記潜像形成装置の位置決め部が前記像保持体ユニットの一部に接触した状態である前記像保持体に接触する位置と、前記潜像形成装置の位置決め部が前記像保持体ユニットの一部から離間した状態である前記像保持体から離間した位置と、の間で移動させる前記第2の接離機構と、
前記現像器を、前記現像器の位置決め部が前記像保持体ユニットの一部に接触した状態である前記像保持体に接触する位置と、前記現像器の位置決め部が前記像保持体ユニットの一部から離間した状態である前記像保持体から離間した位置と、の間で移動させる前記第1の接離機構と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、
前記潜像形成装置の外枠体に対して相対移動可能に支持されて、前記潜像形成装置が前記像保持体に接触する位置と、前記潜像形成装置が前記像保持体から離間した位置との間で移動可能な移動部材、を有する前記第2の接離機構と、
前記現像器に支持された連動用の被接触部材と、前記連動用の被接触部材に対応して配置され且つ前記第2の接離機構に支持された連動用の接触部材であって、前記移動部材の移動に連動して移動して前記連動用の被接触部材を移動させる前記連動用の接触部材、を有する前記連動機構と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記潜像形成装置が前記像保持体に接触する位置に移動し且つ前記現像器が前記像保持体に接触する位置に移動した状態において、前記連動用の被接触部材から離隔し且つ対向して配置された前記連動用の接触部材、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、
潜像を形成する画像書込光を照射する光照射部と、外枠体とを有する前記潜像形成装置と、
前記外枠体に支持され且つ前記像保持体の挿抜を規制する位置と前記像保持体の挿抜が可能な位置との間を移動可能な操作部材であって、前記挿抜を規制する位置において前記潜像形成装置を前記像保持体に接触する位置に移動させ且つ前記挿抜が可能な位置において前記潜像形成装置を前記像保持体から離間した位置に移動させる前記操作部材、を有する前記第2の接離機構と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、
前記外枠体に回転可能に支持され且つ前記挿抜を規制する位置と前記挿抜が可能な位置との間で移動可能に支持された前記操作部材と、前記操作部材に連結され且つ前記外枠体に対して相対移動可能に支持された移動部材と、前記移動部材に連結され且つ前記移動部材の相対移動を回転移動に変換する移動方向の変換部材と、前記移動方向の変換部材に連結され且つ前記光照射部を前記像保持体に対して接近、離隔可能に支持する接離部材と、を有する前記第2の接離機構と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、
前記操作部材に形成された回転軸部材と、
前記操作部材に回転可能に支持され且つ前記移動部材に回転可能に支持される操作用の連結部材であって、前記操作部材が前記挿抜が可能な位置と前記挿抜を規制する位置との間を移動する間に、前記操作用の連結部材の外面に接触しながら前記回転軸部材が通過する経路上に死点が設定された前記操作用の連結部材と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、像保持体に対して潜像形成装置を位置決めした後に現像器の位置決めをすることで発生する潜像形成装置の像保持体に対する位置のずれを、本発明を採用しない場合と比較して低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、挿抜可能な像保持体に対して、潜像形成装置を位置決めした後に現像器の位置決めをすることで発生する潜像形成装置の像保持体に対する位置のずれを、本発明を採用しない場合と比較して低減することができる。
請求項3に記載の発明によれば、第2の接離機構の移動部材に連動して移動する連動用の接触部材で、連動用の被接触部材が支持された現像器を連動して移動させることができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、潜像形成装置が像保持体に接触する位置および現像器が像保持体に接触する位置において、現像器が駆動することによる振動が、連動用の被接触部材および連動用の接触部材を介して伝達されることを防止できる。すなわち、潜像形成装置における潜像形成が振動により悪影響を受けることを防止できる。
請求項5に記載の発明によれば、操作部材を操作して光照射部を像保持体に対して接近離隔させることができる。
請求項6に記載の発明によれば、移動部材の移動を移動方向の変換部材で接離部材の移動に変換でき、光照射部を像保持体に対して接近、離隔させることができる。
請求項7に記載の発明によれば、死点を通過する操作部材が挿抜を規制する位置または挿抜が可能な位置に保持され、潜像形成装置を像保持体に接触する位置または像保持体から離間した位置に保持し続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図2】図2は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
【図3】図3は本発明の実施例1の画像形成装置における像保持体と潜像形成装置と現像器との関係を説明する説明図であり、図3Aは現像器が現像器接触位置に移動し且つ潜像形成装置が潜像形成装置接触位置に移動した状態の説明図、図3Bは現像器が現像器離間位置に移動し且つ潜像形成装置が潜像形成装置離間位置に移動した状態の説明図である。
【図4】図4は実施例1の潜像形成装置の斜視説明図であり、図4Aは潜像形成装置が潜像形成装置接触位置に移動した状態の説明図、図4Bは潜像形成装置が潜像形成装置離間位置に移動した状態の説明図である。
【図5】図5は実施例1の潜像形成装置の外枠体の説明図であり、図5Aは平面図、図5Bは側面図である。
【図6】図6は実施例1の潜像形成装置と像保持体との位置関係を説明する説明図であり、図6Aは潜像形成装置が潜像形成装置接触位置に移動した状態の説明図、図6Bは潜像形成装置が潜像形成装置離間位置に移動した状態の説明図である。
【図7】図7は図4に示す状態から外枠体の一部の図示が省略された状態の実施例1の潜像形成装置の接離機構の要部説明図であり、図7Aは潜像形成装置接触位置に移動した状態の説明図、図7Bは潜像形成装置が潜像形成装置離間位置に移動した状態の説明図である。
【図8】図8は実施例1の潜像形成装置の操作用連結部材の説明図であり、図8Aは斜視図、図8Bは側面図である。
【図9】図9は実施例1の潜像形成装置の移動部材の説明図であり、図9Aは斜視図、図9Bは側面図である。
【図10】図10は実施例1の潜像形成装置の連動用接触部材の要部拡大図である。
【図11】図11は実施例1の潜像形成装置の移動方向変換部材の説明図であり、図11Aは斜視図、図11Bは側面図である。
【図12】図12は実施例1の潜像形成装置に設けられた連動用接触部材の説明図であり、図12Aは斜視図、図12Bは側面図である。
【図13】図13は実施例1の潜像形成装置の接離部材の説明図であり、図13Aは斜視図、図13Bは側面図、図13Cは平面図である。
【図14】図14は実施例1の潜像形成装置の画像書込光照射ユニットの説明図であり、図14Aは斜視図、図14Bは側面図である。
【図15】図15は実施例1の像保持体と潜像形成装置との位置関係の説明図であり、図15Aは上面図、図15Bは側面図である。
【図16】図16は実施例1の潜像形成装置および現像器を像保持体から離隔させる場合の作用説明図であり、図16Aは操作部材が通常位置から挿抜可能位置に移動を開始した直後の状態の説明図、図16Bは図16Aに示す状態からさらに挿抜可能位置側に移動した状態の説明図、図16Cは操作部材が挿抜可能位置に移動した状態の説明図である。
【図17】図17は実施例1の潜像形成装置および現像器を像保持体に接近させる場合の作用説明図であり、図17Aは操作部材が挿抜可能位置に移動した状態の説明図、図17Bは図17Aに示す状態から操作部材が通常位置側に移動を開始した直後の状態の説明図、図17Cは図17Bに示す状態から操作部材がさらに通常位置側に移動した状態の説明図である。
【図18】図18は実施例1の像保持体と潜像形成装置の位置関係の説明図である。
【図19】図19は実施例2の潜像形成装置の説明図であり、図19Aは実施例1の図6Aに対応する説明図、図19Bは実施例1の図6Bに対応する説明図である。
【図20】図20は実施例3の画像形成装置の説明図であり、図20Aは転写装置接触位置および潜像形成装置接触位置における説明図、図20Bは転写装置離間位置および潜像形成装置離間位置における説明図である。
【図21】図21は実施例3の像保持体、潜像形成装置及び一次転写器の位置関係の説明図であり、実施例1の図3Aに対応する図である。
【図22】図22は実施例4の画像形成装置の説明図であり、図22Aは潜像形成装置が潜像形成装置接触位置に移動し且つ現像器が現像器接触位置に移動した状態の説明図、図22Bは潜像形成装置が潜像形成装置離間位置に移動し且つ現像器が現像器接触位置に移動した状態の説明図、図22Cは潜像形成装置が潜像形成装置離間位置に移動し且つ現像器が現像器離間位置に移動した状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例である実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0017】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1において、画像形成装置Uは自動原稿搬送装置U1と、これを支持し且つ上端に透明な原稿読取り面PGを有する画像形成装置本体U2とを備えている。
前記自動原稿搬送装置U1は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて収容される原稿給紙部TG1と、原稿給紙部TG1から給紙され前記原稿読取り面PG上の原稿読取位置を通過して搬送される原稿Giが排出される原稿排紙部TG2とを有している。
前記画像形成装置本体U2は、利用者が画像形成動作開始等の作動指令信号を入力操作する操作部UIと、露光光学系A等を有している。
【0018】
前記自動原稿搬送装置U2で原稿読取り面PG上を搬送される原稿または手動で原稿読取り面PG上に置かれた原稿からの反射光は、前記露光光学系Aを介して、固体撮像素子CCDで赤R、緑G、青Bの電気信号に変換される。
画像情報変換部IPSは、固体撮像素子CCDから入力されるRGBの電気信号を黒K、イエローY、マゼンタY、シアンCの画像情報に変換して一時的に記憶し、前記画像情報を所定のタイミングで潜像形成用の画像情報として潜像形成装置駆動回路DLに出力する。
なお、原稿画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒のみの画像情報が潜像形成装置駆動回路DLに入力される。
前記潜像形成装置駆動回路DLは、各色Y,M,C,Kの図示しない各駆動回路を有し、入力された画像情報に応じた信号を所定の時期に、各色毎に配置された潜像形成装置LHy,LHm,LHc,LHkに出力する。
【0019】
図2は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
前記画像形成装置Uの重力方向中央部に配置された可視像形成装置Uy,Um,Uc,Ukはそれぞれ、イエローY、マゼンタM、シアンCおよび黒Kの各色のトナー像を形成する装置である。
潜像形成装置LHy〜LHkの各レーザダイオードから出射したY,M,C,Kの潜像書込光Ly,Lm,Lc,Lkは、それぞれ、回転する像保持体PRy,PRm,PRc,PRkに入射する。なお、実施例1では、前記潜像形成装置LHy〜LHkは、いわゆる、LEDアレイにより構成されている。
前記Yの可視像形成装置Uyは、回転する像保持体PRy、帯電器CRy,潜像形成装置LHy、現像装置Gy、転写器T1y、像保持体清掃器CLyを有している。
前記可視像形成装置Um,Uc,Ukはいずれも前記Yの可視像形成装置Uyと同様に構成されている。
【0020】
図1,図2において、前記各像保持体PRy,PRm,PRc,PRkはそれぞれの帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより帯電された後、画像書込位置Q1y、Q1m,Q1c,Q1kにおいて、前記潜像書込光Ly,Lm,Lc,Lkにより、その表面に静電潜像が形成される。前記像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面の静電潜像は、現像領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kにおいて、現像器Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤保持体の一例としての現像ロールGRy,GRm,GRc,GRkに保持された現像剤により可視像の一例としてのトナー像に現像される。
その現像されたトナー像は、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kに搬送される。前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて中間転写ベルトBの裏面側に配置された1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから所定のタイミングでトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。
前記各像保持体PRy〜PRk上のトナー像は前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトBに1次転写される。1次転写後の像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面の残留トナーは、像保持体清掃器CLy,CLm,CLc,CLkによりクリーニングされる。クリーニングされた前記像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面は、帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより再帯電される。
【0021】
前記像保持体PRy〜PRkの上方には、上下移動可能且つ前方に引き出し可能な中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBと、中間転写体駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、中間転写体張架部材の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止用部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としてのアイドラロールRfおよび二次転写領域対向部材の一例としてのバックアップロールT2aを含む中間転写体支持部材の一例としてのベルト支持ロールRd+Rt+Rw+Rf+T2aと、前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kとを有している。そして、前記中間転写ベルトBは前記ベルト支持ロールRd+Rt+Rw+Rf+T2aにより回転移動可能に支持されている。
【0022】
前記バックアップロールT2aに接する中間転写ベルトBの表面に対向して2次転写部材の一例としての二次転写ロールT2bが配置されており、前記各ロールT2a,T2bにより2次転写器T2が構成されている。また、2次転写器T2bおよび中間転写ベルトBの対向する領域には2次転写領域Q4が形成される。
前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kで転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトB上に順次重ねて転写された単色または多色のトナー像は、前記2次転写領域Q4に搬送される。
【0023】
前記可視像形成装置Uy〜Ukの下方には、給紙容器の一例としての給紙トレイTR1〜TR3を前後方向(X軸方向)に出入可能に支持するガイド部材の一例としての左右一対のガイドレールGR,GRが3段設けられている。給紙トレイTR1〜TR3に収容された媒体の一例としての記録シートSは、媒体取出し部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出され、媒体捌き部材の一例としてのさばきロールRsにより1枚ずつ分離される。そして、記録シートは、媒体搬送路の一例であるシート搬送路SHに沿って媒体搬送部材の一例としての複数の搬送ロールRaにより搬送され、2次転写領域Q4のシート搬送方向上流側に配置された転写領域搬送時期調節部材の一例としてのレジロールRrに送られる。前記シート搬送路SH、シート搬送ロールRa、レジロールRr等によりシート搬送装置SH+Ra+Rrが構成されている。
【0024】
レジロールRrは、前記中間転写ベルトBに形成されたトナー像が2次転写領域Q4に搬送されるのにタイミングを合わせて、前記記録シートSを2次転写領域Q4に搬送する。
記録シートSが前記2次転写領域Q4を通過する際、前記バックアップロールT2aは接地され、2次転写器T2bには前記制御部Cにより制御される電源回路Eから所定のタイミングでトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加される。このとき、前記中間転写ベルトB上のカラートナー像は、前記2次転写器T2により前記記録シートSに転写される。
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbによりクリーニングされる。
【0025】
前記トナー像が2次転写された記録シートSは、定着装置Fの加熱用定着部材の一例としての加熱ロールFhおよび加圧用定着部材の一例としての加圧ロールFpの圧接領域である定着領域Q5に搬送され、前記定着領域を通過する際に加熱定着される。加熱定着された記録シートSは、媒体排出部材の一例としての排出ローラRhから媒体排出部の一例としての排紙トレイTRhに排出される。
なお、前記加熱ロールFh表面には、記録シートSの前記加熱ロールからの離型性を良くするための離型剤が離型剤塗布装置Faにより塗布されている。
【0026】
前記ベルトモジュールBMの上方にはイエローY,マゼンタM,シアンC,黒Kの各現像剤を収容する現像剤補給容器の一例としての現像剤カートリッジKy,Km,Kc,Kkが配置されている。各現像剤カートリッジKy,Km,Kc,Kkに収容された現像剤は、前記現像器Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤の消費に応じて、図示しない現像剤補給路から前記各現像器Gy,Gm,Gc,Gkに補給される。なお、実施例1では、前記現像剤として、磁性のキャリアと、外添剤が付与されたトナーとを含む二成分現像剤により構成されている。
【0027】
図1において、前記画像形成装置Uは上側枠体UFと下側枠体LFとを有しており、上側枠体UFには、前記可視像形成装置Uy〜Ukおよび可視像形成装置Uy〜Ukよりも上方に配置された部材、すなわち、ベルトモジュールBM等が支持されている。
また、下側枠体LFには、前記給紙トレイTR1〜TR3を支持するガイドレールGRおよび前記各トレイTR1〜TR3から給紙を行う前記給紙部材、すなわち、ピックアップロールRp,さばきロールRs,シート搬送ロールRa等が支持されている。
【0028】
(可視像形成装置の各部材の説明)
図3は本発明の実施例1の画像形成装置における像保持体と潜像形成装置と現像器との関係を説明する説明図であり、図3Aは現像器が現像器接触位置に移動し且つ潜像形成装置が潜像形成装置接触位置に移動した状態の説明図、図3Bは現像器が現像器離間位置に移動し且つ潜像形成装置が潜像形成装置離間位置に移動した状態の説明図である。
次に、本発明の実施例1の可視像形成装置Uy,Um,Uc,Ukを構成する現像器Gy,Gm,Gc,Gkおよび潜像形成装置LHy,LHm,LHc,LHkの説明をするが、各色の部材は同様に構成されているため、Y色のものについてのみ説明し、その他の色のものについての詳細な説明は省略する。
【0029】
(現像器の説明)
図3において、実施例1の現像器Gyは、内部に現像剤が収容される現像容器1を有する。前記現像容器1内には、内部の現像剤を撹拌しながら搬送する一対の撹拌搬送部材2,3が回転可能に支持されている。また、前記現像容器1には、前記撹拌搬送部材2,3で撹拌された現像剤を、表面に保持し像保持体PRyとの対向領域である現像領域Q2yに搬送する現像剤保持体4が回転可能に支持されている。
図3において、前記現像容器1は、図示しない枠体、いわゆる、現像ユニットのフレームに回転軸6を中心として回転可能に支持されている。回転軸6に対して像保持体PRyとは反対側の現像容器1の外壁には、現像剤保持体4を像保持体PRy側に常時付勢する現像器付勢部材7の一端が支持されている。したがって、現像剤保持体4は、像保持体PRy側に常時押し付けられる方向の力を受けている。前記現像剤保持体4には、現像器位置決め部として、現像剤保持体4の両端部に配置された図示しない現像領域用突き当て部、いわゆる、トラッキング部により現像剤保持体4と像保持体1との間隔が所定の間隔に保持されている。すなわち、通常時は、現像器Gyは、図3Aに示す現像器接触位置に保持される。そして、現像器Gyを像保持体PRyから離隔する方向に回転させる外力が作用した場合に、現像器付勢部材7の力に抗して像保持体PRyから離隔する。すなわち、前記回転軸6および現像器付勢部材7により、実施例1の現像器接離機構(6+7)が構成されている。
また、前記現像容器1の潜像形成装置LHy側の外壁には、潜像形成装置Lhy側に延びる連動用被接触部材8が支持されている。さらに、前記現像容器1の現像剤保持体4の下方には、像保持体PRy表面に接触して現像剤の下方への漏出を防止する漏出防止部材9が支持されている。
【0030】
(潜像形成装置の説明)
図4は実施例1の潜像形成装置の斜視説明図であり、図4Aは潜像形成装置が潜像形成装置接触位置に移動した状態の説明図、図4Bは潜像形成装置が潜像形成装置離間位置に移動した状態の説明図である。
図5は実施例1の潜像形成装置の外枠体の説明図であり、図5Aは平面図、図5Bは側面図である。
【0031】
図4において、実施例1の潜像形成装置LHyは、画像形成装置本体U2に螺子により固定支持される外枠体11を有する。図5において、前記外枠体11は、像保持体PRyの軸方向である前後方向に延びる底壁11aと、前記底壁11aの左右両端から上方に延びる左側壁11bおよび右側壁11cとを有する。前記底壁11aの前後両端部には、空孔形状の付勢部材一端支持部11dが一対形成されている。
図4、図5において、前記左右両側壁11b,11cの前端部下面には、下方に延びる被固定部11eが形成されており、前記被固定部11eに形成された孔11e1で画像形成装置本体U2に螺子止めされる。前記右側壁11cには、前後一対の連動用接触部材外側貫通部11fが形成されており、実施例1の連動用接触部材外側貫通部11fは円弧状の長孔により構成されている。前記連動用接触部材外側貫通部11fの上部には、前後一対の回転軸支持部11gが形成されている。前記左右両側壁11b,11cの前端部には、左右一対の操作部材回転支持部11hが形成されており、実施例1の操作部材回転支持部11hは貫通孔により構成されている。
【0032】
図6は実施例1の潜像形成装置と像保持体との位置関係を説明する説明図であり、図6Aは潜像形成装置が潜像形成装置接触位置に移動した状態の説明図、図6Bは潜像形成装置が潜像形成装置離間位置に移動した状態の説明図である。
図7は図4に示す状態から外枠体の一部の図示が省略された状態の実施例1の潜像形成装置の接離機構の要部説明図であり、図7Aは潜像形成装置接触位置に移動した状態の説明図、図7Bは潜像形成装置が潜像形成装置離間位置に移動した状態の説明図である。
図4、図7において、前記外枠体11の操作部材回転支持部11hには、操作部材12が回転軸部材12aを中心として、回転可能に支持されている。前記操作部材12は、利用者が把持して操作する把持部12bを有し、把持部12bを把持して操作することで、操作部材12は、図4A、図6A、図7Aに示すように上方に回動した通常位置と、図4B、図6B、図7Bに示す前方に回動した挿抜可能位置との間で移動可能に支持されている。なお、図6Aに示すように、実施例1では、前記操作部材12は、前記通常位置において、把持部12bが像保持体PRyの軸方向前方に配置され、像保持体PRyの軸方向への移動、すなわち、画像形成装置本体U2に対する像保持体PRyの着脱が規制されるように構成されている。
【0033】
図8は実施例1の潜像形成装置の操作用連結部材の説明図であり、図8Aは斜視図、図8Bは側面図である。
図4において、前記外枠体11の右側壁11cと操作部材12との間には、回転軸部材12aに接触する操作用連結部材13が配置されている。図7、図8において、前記操作用連結部材13は、前後方向に延びる連結アームにより構成されており、前端部には、操作部材12に回転可能に支持される被回転支持部13aが形成されている。図7において、前記操作用連結部材13の後端部には、凹状の軸連結凹部13bが形成されている。なお、軸連結凹部13bの弧状部分の弧の中心と被回転支持部13aの中心とを結ぶ仮想線の延長上に死点13cが設定されており、図6、図7に示すように、操作部材12が通常位置と挿抜可能位置との間を移動する途中に操作部材12の回転軸部材12aが死点13c、すなわち、軸連結凹部13bの弧状部分の弧の中心と、被回転支持部13aの中心と、回転軸部材12aの中心とが一直線上に並ぶ位置を通過するように設定されている。
【0034】
図9は実施例1の潜像形成装置の移動部材の説明図であり、図9Aは斜視図、図9Bは側面図である。
図7、図9において、前記操作用連結部材13の後端側には、移動部材14が配置されている。前記移動部材14は、外枠体11の内部に収容され、前後方向に移動可能に支持されている。前記移動部材14の前端部には、前記操作用連結部材13の軸連結凹部13cに対応して軸支持部14aが形成されている。前記軸支持部14aには、図7に示す連結軸16が支持され、前記連結軸16が軸連結凹部13cに嵌ることで連結されている。
図7、図9において、移動部材14には、外枠体11の連動用接触部材外側貫通部11fに対応して、角形の孔により構成された連動用接触部材内側貫通部14bが前後一対形成されている。また、前記連動用接触部材内側貫通部14bの上方には、前記回転軸支持部11gに対応して、前後方向に長い長孔により構成された方向変換用回転軸貫通部14cが前後一対形成されている。
【0035】
図10は実施例1の潜像形成装置の連動用接触部材の要部拡大図である。
図11は実施例1の潜像形成装置の移動方向変換部材の説明図であり、図11Aは斜視図、図11Bは側面図である。
図7において、前記移動部材14の内側には、前記方向変換用回転軸貫通部14cに対応して、移動方向変換部材17が前後一対配置されている。前記移動方向変換部材17は、後上部に方向変換用回転軸支持部17aが形成されており、前記方向変換用回転軸支持部17aには、長孔により構成された方向変換用回転軸貫通部14cを貫通し且つ外枠体11の回転軸支持部11gに支持される方向変換用回転軸18により回転支持されている。すなわち、前記移動方向変換部材17は、外枠体11に対して方向変換用回転軸18を回転中心として回転可能に支持されている。なお、実施例1では、移動部材14が外枠体に対して前後方向に相対移動する際に、方向変換用回転軸18が長孔により構成された方向変換用回転軸貫通部14cを貫通しているため、方向変換用回転軸18と方向変換用回転軸貫通部14cとにより、図7に示すように移動部材14の移動範囲が規制される。
【0036】
図10、図11において、移動方向変換部材17の前上部には、前後方向に長い長孔により構成された接離部材連結部17bが形成されており、移動方向変換部材17の後下部には、連動用接触部材支持部17cが形成されている。前記連動用接触部材支持部17cの斜め前下方には付勢部材他端支持部17dが形成されている。図5、図10において、外枠体11の付勢部材一端支持部11dと、付勢部材他端支持部17dとの間には、潜像形成装置付勢部材の一例としての付勢バネ19が装着されている。前記付勢バネ19は、付勢部材他端支持部17dを付勢部材一端支持部11d側に常時引張る力を作用させている。すなわち、付勢バネ19により、移動方向変換部材17は、方向変換用回転軸18を中心として、接離部材連結部17bが上方に回転する方向に付勢されている。
【0037】
図12は実施例1の潜像形成装置に設けられた連動用接触部材の説明図であり、図12Aは斜視図、図12Bは側面図である。
図7、図10において、前記移動方向変換部材17の連動用接触部材支持部17cには、連動用接触部材21が支持されている。図12において、前記連動用接触部材21は、台形状の接触部材本体21aと、接触部材本体21aの後面から後方に延びる被支持部21bと、接触部材本体21aの上部に一体的に形成された連動接触部21cとを有する。前記被支持部21bは、前記外枠体11の連動用接触部材外側貫通部11fおよび移動部材14の連動用接触部材内側貫通部14bを貫通して、連動用接触部材支持部17cに回転不能な状態で装着される。したがって、連動用接触部材21は、移動方向変換部材17と一体的に回転可能に構成されている。また、実施例1では、被支持部21bは、回転軸状に構成されており、連動用接触部材外側貫通部11fおよび連動用接触部材内側貫通部14bよりも小径に形成されて且つ遊びをもった状態で貫通している。
【0038】
したがって、移動部材14の移動に伴って、連動用接触部材内側貫通部14bと被支持部21bとが接触し、さらに移動部材14が移動すると、移動方向変換部材17は、付勢バネ19の付勢力に抗して、接離部材連結部17bが下方に回転する。また、通常の状態では、付勢バネ19の付勢力により、移動方向変換部材17と一体的に回転移動する被支持部21bが連動用接触部材内側貫通部14bを前方に押すため、連結軸16が軸連結凹部13c側に移動し、操作用連結部材13と移動部材14との連結が保持される。
図3Aにおいて、前記連動用接触部材21の接触部材本体21aおよび連動接触部21cは、外枠体11の外側の現像器Gy側に配置されており、現像器Gyから延びる連動用被接触部材8の下方に連動接触部21cが配置されている。
前記連動用接触部材21と連動用被接触部材8とにより、実施例1の連動機構(8+21)が構成されている。
【0039】
図13は実施例1の潜像形成装置の接離部材の説明図であり、図13Aは斜視図、図13Bは側面図、図13Cは平面図である。
図7、図10において、前記移動方向変換部材17の左方には、接離部材22が配置されている。図13において、前記接離部材22は、前後方向に延びる接離部材本体22aを有する。接離部材本体22aの前後両端部には、移動方向変換部材17の接離部材連結部17bに対応する位置に、移動方向変換部材17側に突出する連結部材22bが支持されている。前記連結部材22bは、長孔により構成された接離部材連結部17bに、遊びをもって嵌った状態で連結される。したがって、移動方向変換部材17の回転に伴って、接離部材連結部17bの面と連結部材22bとが接触すると、押されて、上下方向、すなわち、像保持体PRyに接近、離隔する方向に移動する。また、前記接離部材22の前後両端部の上面には、光照射ユニット支持部22cが形成されている。また、前記光照射ユニット支持部22cの右側には、上下方向に延びる長孔により構成された逃げ孔22dが形成されており、前記逃げ孔22dは、方向変換用回転軸18の内端を逃がしている。
【0040】
図14は実施例1の潜像形成装置の画像書込光照射ユニットの説明図であり、図14Aは斜視図、図14Bは側面図である。
図7、図10において、前記接離部材22の光照射ユニット支持部22cには、画像書込光照射ユニット23が支持されている。前記画像書込光照射ユニット23は、前後方向に延びる照射ユニット本体23aと、照射ユニット本体23aに支持され且つ像保持体PRyに対向して配置されて潜像書込光を照射する光照射部23bとを有する。なお、実施例1では、前記光照射部23bには、像保持体PRy表面に潜像を形成する光源が像保持体PRyの軸方向、すなわち、主走査方向に並んで配置されており、光照射部23bは、いわゆる、LEDアレイにより構成されている。
【0041】
図15は実施例1の像保持体と潜像形成装置との位置関係の説明図であり、図15Aは上面図、図15Bは側面図である。
図6、図14、図15において、前記照射ユニット本体23aの前後両端部には、上方に突出する突き当て部23cが形成されており、前記突き当て部23cの前後両側には上方に突出する前後一対の位置決め部23dが形成されている。図15において、突き当て部23cは、潜像形成装置接触位置において、像保持体PRyの両端部に配置された軸受部材24に突き当てられ、上下方向に位置決めがされる。図15において、前記潜像形成装置LHyが、図15Bに示す潜像形成装置離間位置から潜像形成装置接触位置に移動すると、像保持体支持枠体26の前端部に支持された前側被位置決め部26aに形成された被位置決め溝26bに前側の位置決め部23dが貫通すると共に、像保持体支持枠体26の後端部に支持された後側被位置決め部26cに形成された被位置決め長孔26dに後側の位置決め部23dが貫通し、潜像形成装置LHyが像保持体PRyに対して前後方向および左右方向に位置決めされる。
【0042】
これにより、図6Aに示す潜像形成装置接触位置において、光照射部23bと像保持体PRy表面との位置関係が所定の位置関係に保持され、光照射部23bから照射される潜像書込光の焦点が像保持体PRy表面となるように正確に保持される。
なお、実施例1の画像形成装置Uでは、図3Aに示すように、潜像形成装置接触位置において、光照射部23bと像保持体PRyの中心とを結ぶ仮想線27に対して、仮想線27の延長線上で像保持体PRyと中間転写ベルトBとが接触すると共に、一次転写器T1yは、中間転写ベルトB回転方向で下流側にずれた位置に配置されている。
前記外枠体11、操作部材12、操作用連結部材13、移動部材14、軸16,18、移動方向変換部材17、付勢バネ19、被支持部21b、接離部材22等により、実施例1の潜像形成装置接離機構(11〜22)が構成されている。
【0043】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の画像形成装置Uでは、図3A、図6Aに示すように、操作部材12を上方の通常位置に移動した状態では、付勢バネ19の付勢力により、移動方向変換部材17を介して移動部材14が前方に保持される。これにより、接離部材22が上方に保持され、画像書込光照射ユニット23の光照射部23bが、像保持体PRyに所定の間隔をあけて配置された状態で保持される。すなわち、前記各部材12〜23を有する潜像形成装置LHyは、潜像形成装置接触位置に保持され、潜像が形成可能な状態となる。また、前記現像器Gyは現像器付勢部材7により像保持体PRyに対して所定の間隔をあけて接近、対向した現像器接触位置に保持される。このとき、連動用接触部材21cと連動用被接触部材8とは離隔した状態で保持され、画像形成動作中に現像器Gyの現像剤保持体4が回転駆動することで発生する振動が、潜像形成装置LHyに伝達されることが防止され、潜像形成装置LHyにより正確な潜像形成が実行される。
【0044】
(潜像形成装置および現像器の離隔動作の説明)
図16は実施例1の潜像形成装置および現像器を像保持体から離隔させる場合の作用説明図であり、図16Aは操作部材が通常位置から挿抜可能位置に移動を開始した直後の状態の説明図、図16Bは図16Aに示す状態からさらに挿抜可能位置側に移動した状態の説明図、図16Cは操作部材が挿抜可能位置に移動した状態の説明図である。
磨耗や劣化、故障等により前記像保持体PRyを交換する場合、操作部材12により像保持体PRyの移動が規制されているため、先ず、操作部材12を回転させる。図16A、図16Bにおいて、操作部材12の回転軸部材12aを中心とした回転により、被回転支持部13aで連結された操作用連結部材13が後方に押し込まれるように移動する。操作用連結部材13の移動によって、連結軸16を介して移動部材14が後方に移動する。移動部材14の後方への移動に連れて、移動部材14の連動用接触部材内側貫通部14bが連動用接触部材21の被支持部21bに接触し、被支持部21bが後方に移動する。これにより、被支持部21bが連結された移動方向変換部材17が、付勢バネ19の付勢力に抗して方向変換用回転軸18を中心として回転する。
【0045】
このとき、図16A、図16Bに示すように、移動方向変換部材17が回転して、接離部材22の連結部材22bとの遊びがなくなると回転し始め、接離部材連結部17bが連結部材22bを下方に押し下げる。連結部材22bの下方への移動に伴って、接離部材22が下降を開始し、画像書込光照射ユニット23が像保持体PRyから離隔する方向に移動を開始する。一方、移動方向変換部材17の回転に伴い一体的に回転する連動用接触部材21は回転し、離間していた連動用被接触部材8に接触する。
【0046】
図16B、図16Cにおいて、前記操作部材12がさらに回転して移動方向変換部材17が回転すると、連動用接触部材21が連動用被接触部材8に接触して上方に押し上げ、現像器Gyが、現像器付勢部材7の付勢力に抗して回転軸6を中心として、像保持体PRyから離隔する方向に移動を開始する。
図3B、図6B、図16Cにおいて、操作部材12が挿抜可能位置に移動すると、潜像形成装置LHyが像保持体PRyから離隔した潜像形成装置離間位置に移動し且つ、現像器Gyが像保持体PRyから離隔した現像器離間位置に移動する。この状態では、潜像形成装置LHyや現像器Gyに表面が接触することなく像保持体PRyの抜出、挿入が可能となる。このとき、操作部材12の回転軸部材12aが死点13cを越えているため、付勢バネ19の付勢力により、操作用連結部材13が前方に押し出される力を受け、操作部材12が操作用連結部材13の下方に移動する力を自然に受ける。これにより、操作部材12は、利用者が力を加えて通常位置側に移動させたりしない限り挿抜可能位置に自動的に保持される。
【0047】
(潜像形成装置および現像器の接近動作の説明)
図17は実施例1の潜像形成装置および現像器を像保持体に接近させる場合の作用説明図であり、図17Aは操作部材が挿抜可能位置に移動した状態の説明図、図17Bは図17Aに示す状態から操作部材が通常位置側に移動を開始した直後の状態の説明図、図17Cは図17Bに示す状態から操作部材がさらに通常位置側に移動した状態の説明図である。
図17において、像保持体PRyの交換が完了すると、操作部材12を挿抜可能位置から通常位置に戻す。このとき、操作部材12の移動を開始すると、操作用連結部材13の軸連結凹部13cが連結軸16から離隔する方向に移動するが、付勢バネ19の付勢力により、移動部材14が前方に移動し、操作用連結部材13と移動部材14との連結は保持される。移動部材14の前方への移動に伴い、連動用接触部材内側貫通部14bが連動用接触部材21の被支持部21bに接触し、被支持部21bが前方に移動する。これにより、被支持部21bが連結された移動方向変換部材17も方向変換用回転軸18を中心として回転する。
【0048】
このとき、図17Bに示すように、接離部材連結部17bと連結部材22bとが遊びをもって嵌っているため、遊びがなくなるまで接離部材22はほとんど移動しない。一方、移動方向変換部材17の回転に伴い一体的に回転する連動用接触部材21は回転し、連動用被接触部材8から離隔する方向に移動を開始する。連動用接触部材21が連動用被接触部材8から離隔する方向に移動すると、現像器Gyの現像器付勢部材7の付勢力により、現像器Gyが回転軸6を中心として、像保持体PRyに接近する方向に移動を開始する。
図17Cにおいて、前記操作部材12がさらに回転して移動方向変換部材17が回転すると、接離部材連結部17bと連結部材22bとの遊びがなくなり、接離部材連結部17bが連結部材22bを上方に押し上げる。連結部材22bの上方への移動に伴って、接離部材22が上昇を開始し、画像書込光照射ユニット23が像保持体PRyに接近する方向に移動を開始する。
【0049】
操作部材12の通常位置への移動に伴って、現像器Gyおよび潜像形成装置LHyは像保持体PRyに接近する。前記現像器Gyが現像器付勢部材7により像保持体PRyに突き当てられると、現像容器1がそれ以上回転しなくなり、現像器付勢部材7による連動用被接触部材8の連動用接触部材21への押し当てが解除される。すなわち、現像器Gyは、現像器接触位置に移動した状態で保持される。なお、連動用接触部材21と連動用被接触部材8とが離隔し始めた時には、潜像形成装置LHyの突き当て部23cは軸受部材24に突き当てられる前の状態である。
【0050】
図6Bにおいて、現像器Gyが現像器接触位置に移動した後、操作部材12がさらに回転して通常位置に移動すると、付勢バネ19の付勢力により、移動部材14が前方に移動し、移動方向変換部材17がさらに回転する。これに伴い、連動用接触部材21と連動用被接触部材8とが離隔する。このとき、潜像形成装置LHyの突き当て部23cは軸受部材24に突き当てられ、潜像形成装置LHyが潜像形成装置接触位置に移動すると共に、前後一対の位置決め部23dがそれぞれ被位置決め溝26bおよび被位置決め長孔26dに嵌って位置決めされる。
【0051】
図18は実施例1の像保持体と潜像形成装置の位置関係の説明図である。
すなわち、実施例1では、図18の実線で示すように、現像器Gyの像保持体PRyへの突き当てがされた状態で、潜像形成装置LHyが突き当てられて位置決めがされる。よって、図18の破線で示すように、潜像形成装置LHyが像保持体PRyに対して位置決めされた後に、現像器Gyが像保持体PRyに対して突き当てられた場合に、像保持体PRyに対する潜像形成装置LHyの位置がずれ、潜像形成装置LHyと像保持体PRyとの間隔が微小に変化したり、像保持体PRyに対して潜像形成装置LHyが傾斜するという不具合の発生が防止される。
【0052】
また、実施例1では、像保持体PRyを交換する際には、像保持体PRyに対して、中間転写ベルトBおよび一次転写器T1yは、接近離隔するように構成されており、潜像形成装置LHyおよび現像器Gyの接近離隔とは独立に移動するように構成されている。なお、実施例1では、潜像形成装置LHyや現像器Gyが、それぞれ接触位置に移動した状態において、前記一次転写器T1yを像保持体PRyに対して接近離隔可能に構成されている。このとき、実施例1では、一次転写器T1yの配置位置が、像保持体PRyと中間転写ベルトBとの接触位置に対して下流側にずれた位置に配置されており、一次転写器T1yが像保持体PRyに接近離隔しても像保持体PRyに押し当てらないように構成されている。このため、潜像形成装置LHyが像保持体PRyに対して位置決めされた後に、一次転写器T1yが転写器離間位置から転写器接触位置に移動しても、像保持体PRyの位置は変動せず、潜像形成装置LHyと像保持体PRyとの位置関係は正確な位置関係に保持される。
【実施例2】
【0053】
次に、本発明の実施例2の説明を行うが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図19は実施例2の潜像形成装置の説明図であり、図19Aは実施例1の図6Aに対応する説明図、図19Bは実施例1の図6Bに対応する説明図である。
【0054】
図19において、実施例2の潜像形成装置LHy′では、実施例1の連動用接触部材21が省略され、被支持部21bに相当する移動部材14と移動方向変換部材17とを連結する移動連結部材31が設けられている。そして、前記移動部材14には、実施例1の連動用接触部材21′とは前後方向にずれた位置において、外枠体11を貫通して現像器側に突出する連動用接触部材21′が一体的に形成されている。前記連動用接触部材21′は、後方に行くに連れて下方に傾斜する接触部21c′を有する。
なお、実施例2では、前記連動用接触部材21′の位置に対応して、連動用被接触部材8の位置も実施例1の場合に比べて後方にずれて配置されている。また、実施例2では、潜像形成装置接触位置において、図19Aに示すように、連動用接触部材21′と連動用被接触部材8は前後方向に離隔した状態で保持され、潜像形成装置離間位置において、図19bに示すように、傾斜した連動用接触部材21′により被接触部材8は上方に押し上げられた状態で保持されるように設定されている。
また、図示は省略するが、連動用接触部材外側貫通部11fも、実施例1の場合に比べて、移動部材14の移動方向に沿って前後方向に長く形成されている。
前記連動用接触部材21′および連動用被接触部材8等により実施例2の連動機構が構成されている。また、移動部材14や移動方向変換部材17等に加え、移動連結部材31により実施例2の潜像形成装置接離機構が構成されている。
【0055】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の画像形成装置Uでは、操作部材12の回転移動に連動して、移動部材14が前後方向に移動し、移動連結部材31により移動部材14に連結された移動方向変換部材17を介して、接離部材22が昇降し、画像書込光照射ユニット23が像保持体PRyに対して接近、離隔する。
前記操作部材12を通常位置から挿抜可能位置に向けて移動させると、前記移動部材14の後方への移動に伴って、接触部21c′が連動用被接触部材8に接触し、傾斜した面により上方に押し上げられ、現像器Gyが現像器離間位置に移動する。なお、実施例2でも、潜像形成装置LHyが像保持体PRyに突き当てられる前に現像器Gyが突き当てられるように、潜像形成装置接触位置における連動用接触部材21′と連動用被接触部材8との間隔や、接離部材連結部17bと連結部材22bとの遊びの量等が設定されている。
【実施例3】
【0056】
次に、本発明の実施例3の説明を行うが、この実施例3の説明において、前記実施例1,2の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例3は、下記の点で前記実施例1,2と相違しているが、他の点では前記実施例1,2と同様に構成されている。
図20は実施例3の画像形成装置の説明図であり、図20Aは転写装置接触位置および潜像形成装置接触位置における説明図、図20Bは転写装置離間位置および潜像形成装置離間位置における説明図である。
図21は実施例3の像保持体、潜像形成装置及び一次転写器の位置関係の説明図であり、実施例1の図3Aに対応する図である。
【0057】
図20において、実施例3の画像形成装置Uでは、ベルトモジュールBMには、枠体、すなわちフレームの前端壁に転写器接離用操作部材41が回転可能に支持されている。前記転写器接離用操作部41は、利用者が把持して操作するための左右方向に延びる把持部41aを有し、把持部を把持して転写器接離用操作部材41を操作することにより、図20Aに示す通常位置と、図20Bに示す挿抜可能位置との間で移動可能に構成されている。前記転写器接離用操作部材41の回転軸41aには、傘歯歯車42が支持されている。前記傘歯歯車42は、ベルトモジュール内部BMに配置された被駆動傘歯歯車43と噛合っており、被駆動傘歯歯車43の同軸には、接離用歯車44が支持されている。
【0058】
前記各一次転写器T1y〜T1kには、移動方向変換部材46の一端部46aがそれぞれ連結されている。前記一端部46aは、ベルトモジュールBMの枠体に形成された図示しない案内部により像保持体PRy〜PRkに対して接近、離隔する方向に案内されるように構成されている。前記移動方向変換部材46は、逆L字状に形成されており、各移動方向変換部材46の他端部46bは、ベルトモジュールBMの枠体に左右方向に移動可能に支持された移動部材47に回転可能に連結されている。前記移動部材47の右端部には、前記接離用歯車44に噛合う歯車部47aが形成されている。
前記符号41〜47を付した部材により、実施例3の転写器接離機構が構成されている。
【0059】
図20において、前記転写器接離用操作部材41は、通常位置において、前記像保持体PRy〜PRkの挿抜を規制する位置に配置される。また、転写器接離用操作部材41の把持部41aは、通常位置において、前記潜像形成装置LHy〜LHkの操作部材12と、像保持体PRy〜PRkとの間に挟まれる位置に配置される。
図21において、実施例3では、一次転写器T1yは、像保持体PRyに対して、仮想線27の延長線上に配置されている。そして、実施例1で、一次転写器T1yを像保持体PRyに押し当てる荷重が、潜像形成装置LHyを像保持体PRyに押し当てる荷重に対して、小さくなるように設定されている。
【0060】
(実施例3の作用)
前記構成要件を備えた実施例3の画像形成装置Uでは、通常時は、転写器接離機構により一次転写器T1y〜T1kが、中間転写ベルトBを挟んで像保持体PRy〜PRkに押し当てられ且つ中間転写ベルトBに張力が作用した状態で保持される。
像保持体PRy〜PRkを交換する場合には、まず、潜像形成装置LHy〜LHkの操作部材12を操作して、潜像形成装置Lhy〜LHkおよび現像器Gy〜Gkを像保持体PRy〜PRkから離隔させる。次に、転写器接離用操作部材41を挿抜可能位置に移動させると、各歯車42〜44および移動部材47、移動方向変換部材46により、一次転写器T1y〜T1kが像保持体PRy〜PRkから離隔して、中間転写ベルトBも張力が減少して像保持体PRy〜PRkから離隔する。この状態では、像保持体PRy〜PRkを交換可能となる。
前記像保持体PRy〜PRkの交換が終了すると、転写器接離用操作部材41で一次転写器T1y〜T1kを像保持体PRy〜PRkに接触させた後で、操作部材12を操作して、現像器Gy〜Gk、潜像形成装置LHy〜LHkの順で像保持体PRy〜PRkに接近、突き当てられる。すなわち、像保持体PRy〜PRkに一次転写器T1y〜T1kと現像器Gy〜Gkが接触、突き当てられた状態で、潜像形成装置LHy〜LHkが像保持体PRy〜PRkに突き当てられる。
【実施例4】
【0061】
次に、本発明の実施例4の説明を行うが、この実施例4の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例4は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図22は実施例4の画像形成装置の説明図であり、図22Aは潜像形成装置が潜像形成装置接触位置に移動し且つ現像器が現像器接触位置に移動した状態の説明図、図22Bは潜像形成装置が潜像形成装置離間位置に移動し且つ現像器が現像器接触位置に移動した状態の説明図、図22Cは潜像形成装置が潜像形成装置離間位置に移動し且つ現像器が現像器離間位置に移動した状態の説明図である。
【0062】
図22において、実施例4の画像形成装置Uでは、実施例1の連動機構8+21が省略されており、現像器Gyの前側には、現像器Gyを回転軸6を中心として回転させる現像器用操作部材61が配置されている。前記現像器用操作部材61は、作業者が操作する操作部本体61aと、前記操作部本体61aに対して傾斜して配置され且つ像保持体PRyの挿抜を規制するための挿抜規制部61bとを有する。実施例4の現像器用操作部材61は、現像ユニットの枠体により、図22A、図22Bに示す通常位置と、図22Cに示す離間位置との間を回転移動可能に支持されている。
【0063】
なお、実施例4では、前記現像器用操作部材61は、操作部材12に対して、前後方向の位置がほぼ同じ位置に設定されており、図22Aに示す状態で、現像器用操作部材61を離間位置側に移動させても、操作部材12に干渉して移動できないように構成されている。同様に、図22Cに示す離間位置では、現像器用操作部材61が、操作部材12側に進入しているため、操作部材12を通常位置側に移動させようとしても、現像器用操作部材61に干渉して、現像位置側に移動できないように構成されている。
また、図22A、図22Bに示すように、前記通常位置では、挿抜規制部61bが像保持体PRyの前側に配置され、像保持体PRyの挿抜を規制し、図22Cに示す離間位置では、挿抜規制部61bが像保持体PRyの前側から退避し、像保持体PRyの挿抜が許可される。
前記回転軸6、現像器付勢部材7および現像起用操作部材61により、実施例4の現像器接離機構が6+7+61が構成されている。
【0064】
(実施例4の作用)
前記構成を備えた実施例4の画像形成装置Uでは、図22Aに示す状態で画像形成動作が行われ、像保持体PRyの交換を行う場合には、先ず、操作部材12を操作して、潜像形成装置LHyを潜像形成装置離間位置に移動させ、図22Bに示す状態とする。すなわち、図22Aに示す状態では、操作部材12を操作せずに現像器用操作部材61を操作することができず、潜像形成装置LHyが潜像形成装置接触位置に移動した状態では、現像器Gyを現像器離間位置に移動できないように構成されている。
図22Bに示す状態では、挿抜規制部61bにより像保持体PRyが挿抜不能であり、現像器Gyが像保持体PRyに突き当てられた状態で、挿抜されることが防止される。
【0065】
図22Bに示す状態から、現像器用操作部材61を回転させることで、図22Cに示すように、現像器Gyが像保持体PRyから離隔すると共に、挿抜規制部61bが像保持体PRyの前面から退避し、像保持体PRyが挿抜、交換が可能な状態となる。
なお、図22Cに示す状態では、現像器用操作部罪61の捜査部本体61aが操作部材12側に進入しているため、操作部材12の操作が規制される。すなわち、現像器Gyが現像器離間位置に移動した状態で、潜像形成装置LHyが潜像形成装置接触位置に移動できないように構成されている。
像保持体PRyの交換が終了すると、現像器用操作部材61を操作した後、操作部材12を操作することで、現像器Gy、潜像形成装置LHyの順に像保持体PRyに突き当てられ、潜像形成装置LHyの位置精度が低下することが抑制される。
【0066】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H02)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置としての複写機を例示したが、これに限定されず、FAXやプリンタあるいはこれらすべてまたは複数の機能を備えた複合機とすることも可能である。また、4色分の像保持体PRy〜PRkおよび現像器Gy〜Gk、潜像形成装置LHy〜LHkを有する画像形成装置を例示したが、これに限定されず、単色の画像形成装置や、像保持体および潜像形成装置が1つで4つの現像器が回転して順次像保持体に対向する回転式の画像形成装置にも適用可能である。
【0067】
(H02)前記実施例3において、転写器用操作部材41が潜像形成装置LHy〜LHkの操作部材12よりも内側に配置するように構成したが、外側に配置することも可能である。このとき、潜像形成装置LHy〜LHkが潜像形成装置接触位置に移動した後から一次転写器T1y〜T1kが像保持体PRy〜PRkに押し当てられるが、そして、実施例1で、一次転写器T1yを像保持体PRyに押し当てる荷重が、潜像形成装置LHyを像保持体PRyに押し当てる荷重に対して、小さくなるように設定されているため、潜像形成装置LHy〜LHkに対する像保持体PRy〜PRkの位置のずれは最低限に抑制される。
【符号の説明】
【0068】
1…現像容器、
4…現像剤保持体、
6…回転軸、
6+7…第1の接離機構、
7…現像器付勢部材、
8…連動用の被接触部材、
8+21…連動機構、
11…外枠体、
11〜22…第2の接離機構、
12…操作部材、
14…移動部材、
17…移動方向の変換部材、
21…連動用の接触部材、
22…接離部材、
23b…光照射部、
Gy,Gm,Gc,Gk…現像器、
LHy,LHm,LHc,LHk…潜像形成装置、
PRy,PRm,PRc,PRk…像保持体、
U…画像形成装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子写真方式の複写機やプリンタ、FAX等の画像形成装置に関する技術として、下記の特許文献1〜3記載の技術が知られている。
特許文献1(特開平4−212973号公報)には、像保持体表面に潜像を形成する潜像形成装置について、像保持体表面に近接し且つ軸方向に沿って多数の発光部が配置された潜像形成装置、いわゆる、LEDアレイ方式の露光装置が記載されている。特許文献1記載の技術では、像保持体としての感光体ベルト101を含むプロセスユニット30が画像形成装置本体に対して着脱される際に、プロセスユニット101用の扉35の開閉に連動させて、感光体ベルト101の下方に近接して配置されたLEDヘッド7Aを感光体ベルト101から離隔させている。
【0003】
特許文献2(特開2000−293085号公報)記載の技術では、感光体1に対して近接して配置されたLEDアレイ2を、通常時は、付勢機構40により感光体1の上方に近接した状態に保持すると共に、感光体1の挿抜を妨げる位置に操作レバー41が配置されている。そして、特許文献2記載の技術では、操作レバー41を回転させることで、連結片46を介してLEDアレイ2を引き上げ、感光体1からLEDアレイ2を離隔させると共に、操作レバー41による感光体1の挿抜の妨げが解除される。
特許文献3(特開2001−175046号公報)には、LEDアレイヘッド39が、感光体ドラム19と一定の距離に位置決めされた第1の位置と、感光体ドラム19から離隔した第2の位置との間で移動可能に構成されると共に、媒体を搬送する搬送ベルト15が、感光体ドラム19に対峙する対峙位置と、感光体ドラム19から離れた退避位置との間を移動可能に構成される技術が記載されている。そして、特許文献3記載の技術では、感光体ドラム19を交換のために取り外す際に、搬送ベルト15が退避位置に移動する動作に連動させて、LEDアレイヘッド39が感光体1から離隔した第2の位置に移動させる。また、感光体ドラム19が装着された後、搬送ベルト15を対峙位置に移動させ、この動作に連動させて、LEDアレイヘッド39を感光体ドラム19に接近した第1の位置に移動させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−212973号公報(「0026」〜「0038」、図1〜図3)
【特許文献2】特開2000−293085号公報(「0020」〜「0022」、図2〜図4)
【特許文献3】特開2001−175046号公報(「0028」〜「0036」、「0041」、図1、図2、図6、図7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、像保持体に対して潜像形成装置を位置決めした後に現像器の位置決めをすることで発生する潜像形成装置の像保持体に対する位置ずれを防止することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の画像形成装置は、
像保持体と、
潜像形成装置と、
現像器と、
前記現像器を、前記像保持体に接触する位置と、前記像保持体から離間した位置との間で移動させる第1の接離機構と、
前記第1の接離機構が前記現像器を前記像保持体に接触する位置に移動させた後に、前記潜像形成装置を、前記像保持体から離間した位置から前記像保持体に接触する位置に移動させる第2の接離機構と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
像保持体を有し、画像形成装置本体に対して着脱可能な像保持体ユニットと、
前記潜像形成装置に設けられ且つ前記像保持体ユニットの一部に接触することで、前記潜像形成装置の位置決めをする潜像形成装置の位置決め部と、
前記現像器に設けられ、前記像保持体ユニットの一部に接触することで前記現像器の位置決めをする現像器の位置決め部と、
前記潜像形成装置を、前記潜像形成装置の位置決め部が前記像保持体ユニットの一部に接触した状態である前記像保持体に接触する位置と、前記潜像形成装置の位置決め部が前記像保持体ユニットの一部から離間した状態である前記像保持体から離間した位置と、の間で移動させる前記第2の接離機構と、
前記現像器を、前記現像器の位置決め部が前記像保持体ユニットの一部に接触した状態である前記像保持体に接触する位置と、前記現像器の位置決め部が前記像保持体ユニットの一部から離間した状態である前記像保持体から離間した位置と、の間で移動させる前記第1の接離機構と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、
前記潜像形成装置の外枠体に対して相対移動可能に支持されて、前記潜像形成装置が前記像保持体に接触する位置と、前記潜像形成装置が前記像保持体から離間した位置との間で移動可能な移動部材、を有する前記第2の接離機構と、
前記現像器に支持された連動用の被接触部材と、前記連動用の被接触部材に対応して配置され且つ前記第2の接離機構に支持された連動用の接触部材であって、前記移動部材の移動に連動して移動して前記連動用の被接触部材を移動させる前記連動用の接触部材、を有する前記連動機構と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記潜像形成装置が前記像保持体に接触する位置に移動し且つ前記現像器が前記像保持体に接触する位置に移動した状態において、前記連動用の被接触部材から離隔し且つ対向して配置された前記連動用の接触部材、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、
潜像を形成する画像書込光を照射する光照射部と、外枠体とを有する前記潜像形成装置と、
前記外枠体に支持され且つ前記像保持体の挿抜を規制する位置と前記像保持体の挿抜が可能な位置との間を移動可能な操作部材であって、前記挿抜を規制する位置において前記潜像形成装置を前記像保持体に接触する位置に移動させ且つ前記挿抜が可能な位置において前記潜像形成装置を前記像保持体から離間した位置に移動させる前記操作部材、を有する前記第2の接離機構と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、
前記外枠体に回転可能に支持され且つ前記挿抜を規制する位置と前記挿抜が可能な位置との間で移動可能に支持された前記操作部材と、前記操作部材に連結され且つ前記外枠体に対して相対移動可能に支持された移動部材と、前記移動部材に連結され且つ前記移動部材の相対移動を回転移動に変換する移動方向の変換部材と、前記移動方向の変換部材に連結され且つ前記光照射部を前記像保持体に対して接近、離隔可能に支持する接離部材と、を有する前記第2の接離機構と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、
前記操作部材に形成された回転軸部材と、
前記操作部材に回転可能に支持され且つ前記移動部材に回転可能に支持される操作用の連結部材であって、前記操作部材が前記挿抜が可能な位置と前記挿抜を規制する位置との間を移動する間に、前記操作用の連結部材の外面に接触しながら前記回転軸部材が通過する経路上に死点が設定された前記操作用の連結部材と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、像保持体に対して潜像形成装置を位置決めした後に現像器の位置決めをすることで発生する潜像形成装置の像保持体に対する位置のずれを、本発明を採用しない場合と比較して低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、挿抜可能な像保持体に対して、潜像形成装置を位置決めした後に現像器の位置決めをすることで発生する潜像形成装置の像保持体に対する位置のずれを、本発明を採用しない場合と比較して低減することができる。
請求項3に記載の発明によれば、第2の接離機構の移動部材に連動して移動する連動用の接触部材で、連動用の被接触部材が支持された現像器を連動して移動させることができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、潜像形成装置が像保持体に接触する位置および現像器が像保持体に接触する位置において、現像器が駆動することによる振動が、連動用の被接触部材および連動用の接触部材を介して伝達されることを防止できる。すなわち、潜像形成装置における潜像形成が振動により悪影響を受けることを防止できる。
請求項5に記載の発明によれば、操作部材を操作して光照射部を像保持体に対して接近離隔させることができる。
請求項6に記載の発明によれば、移動部材の移動を移動方向の変換部材で接離部材の移動に変換でき、光照射部を像保持体に対して接近、離隔させることができる。
請求項7に記載の発明によれば、死点を通過する操作部材が挿抜を規制する位置または挿抜が可能な位置に保持され、潜像形成装置を像保持体に接触する位置または像保持体から離間した位置に保持し続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図2】図2は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
【図3】図3は本発明の実施例1の画像形成装置における像保持体と潜像形成装置と現像器との関係を説明する説明図であり、図3Aは現像器が現像器接触位置に移動し且つ潜像形成装置が潜像形成装置接触位置に移動した状態の説明図、図3Bは現像器が現像器離間位置に移動し且つ潜像形成装置が潜像形成装置離間位置に移動した状態の説明図である。
【図4】図4は実施例1の潜像形成装置の斜視説明図であり、図4Aは潜像形成装置が潜像形成装置接触位置に移動した状態の説明図、図4Bは潜像形成装置が潜像形成装置離間位置に移動した状態の説明図である。
【図5】図5は実施例1の潜像形成装置の外枠体の説明図であり、図5Aは平面図、図5Bは側面図である。
【図6】図6は実施例1の潜像形成装置と像保持体との位置関係を説明する説明図であり、図6Aは潜像形成装置が潜像形成装置接触位置に移動した状態の説明図、図6Bは潜像形成装置が潜像形成装置離間位置に移動した状態の説明図である。
【図7】図7は図4に示す状態から外枠体の一部の図示が省略された状態の実施例1の潜像形成装置の接離機構の要部説明図であり、図7Aは潜像形成装置接触位置に移動した状態の説明図、図7Bは潜像形成装置が潜像形成装置離間位置に移動した状態の説明図である。
【図8】図8は実施例1の潜像形成装置の操作用連結部材の説明図であり、図8Aは斜視図、図8Bは側面図である。
【図9】図9は実施例1の潜像形成装置の移動部材の説明図であり、図9Aは斜視図、図9Bは側面図である。
【図10】図10は実施例1の潜像形成装置の連動用接触部材の要部拡大図である。
【図11】図11は実施例1の潜像形成装置の移動方向変換部材の説明図であり、図11Aは斜視図、図11Bは側面図である。
【図12】図12は実施例1の潜像形成装置に設けられた連動用接触部材の説明図であり、図12Aは斜視図、図12Bは側面図である。
【図13】図13は実施例1の潜像形成装置の接離部材の説明図であり、図13Aは斜視図、図13Bは側面図、図13Cは平面図である。
【図14】図14は実施例1の潜像形成装置の画像書込光照射ユニットの説明図であり、図14Aは斜視図、図14Bは側面図である。
【図15】図15は実施例1の像保持体と潜像形成装置との位置関係の説明図であり、図15Aは上面図、図15Bは側面図である。
【図16】図16は実施例1の潜像形成装置および現像器を像保持体から離隔させる場合の作用説明図であり、図16Aは操作部材が通常位置から挿抜可能位置に移動を開始した直後の状態の説明図、図16Bは図16Aに示す状態からさらに挿抜可能位置側に移動した状態の説明図、図16Cは操作部材が挿抜可能位置に移動した状態の説明図である。
【図17】図17は実施例1の潜像形成装置および現像器を像保持体に接近させる場合の作用説明図であり、図17Aは操作部材が挿抜可能位置に移動した状態の説明図、図17Bは図17Aに示す状態から操作部材が通常位置側に移動を開始した直後の状態の説明図、図17Cは図17Bに示す状態から操作部材がさらに通常位置側に移動した状態の説明図である。
【図18】図18は実施例1の像保持体と潜像形成装置の位置関係の説明図である。
【図19】図19は実施例2の潜像形成装置の説明図であり、図19Aは実施例1の図6Aに対応する説明図、図19Bは実施例1の図6Bに対応する説明図である。
【図20】図20は実施例3の画像形成装置の説明図であり、図20Aは転写装置接触位置および潜像形成装置接触位置における説明図、図20Bは転写装置離間位置および潜像形成装置離間位置における説明図である。
【図21】図21は実施例3の像保持体、潜像形成装置及び一次転写器の位置関係の説明図であり、実施例1の図3Aに対応する図である。
【図22】図22は実施例4の画像形成装置の説明図であり、図22Aは潜像形成装置が潜像形成装置接触位置に移動し且つ現像器が現像器接触位置に移動した状態の説明図、図22Bは潜像形成装置が潜像形成装置離間位置に移動し且つ現像器が現像器接触位置に移動した状態の説明図、図22Cは潜像形成装置が潜像形成装置離間位置に移動し且つ現像器が現像器離間位置に移動した状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例である実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0017】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1において、画像形成装置Uは自動原稿搬送装置U1と、これを支持し且つ上端に透明な原稿読取り面PGを有する画像形成装置本体U2とを備えている。
前記自動原稿搬送装置U1は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて収容される原稿給紙部TG1と、原稿給紙部TG1から給紙され前記原稿読取り面PG上の原稿読取位置を通過して搬送される原稿Giが排出される原稿排紙部TG2とを有している。
前記画像形成装置本体U2は、利用者が画像形成動作開始等の作動指令信号を入力操作する操作部UIと、露光光学系A等を有している。
【0018】
前記自動原稿搬送装置U2で原稿読取り面PG上を搬送される原稿または手動で原稿読取り面PG上に置かれた原稿からの反射光は、前記露光光学系Aを介して、固体撮像素子CCDで赤R、緑G、青Bの電気信号に変換される。
画像情報変換部IPSは、固体撮像素子CCDから入力されるRGBの電気信号を黒K、イエローY、マゼンタY、シアンCの画像情報に変換して一時的に記憶し、前記画像情報を所定のタイミングで潜像形成用の画像情報として潜像形成装置駆動回路DLに出力する。
なお、原稿画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒のみの画像情報が潜像形成装置駆動回路DLに入力される。
前記潜像形成装置駆動回路DLは、各色Y,M,C,Kの図示しない各駆動回路を有し、入力された画像情報に応じた信号を所定の時期に、各色毎に配置された潜像形成装置LHy,LHm,LHc,LHkに出力する。
【0019】
図2は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
前記画像形成装置Uの重力方向中央部に配置された可視像形成装置Uy,Um,Uc,Ukはそれぞれ、イエローY、マゼンタM、シアンCおよび黒Kの各色のトナー像を形成する装置である。
潜像形成装置LHy〜LHkの各レーザダイオードから出射したY,M,C,Kの潜像書込光Ly,Lm,Lc,Lkは、それぞれ、回転する像保持体PRy,PRm,PRc,PRkに入射する。なお、実施例1では、前記潜像形成装置LHy〜LHkは、いわゆる、LEDアレイにより構成されている。
前記Yの可視像形成装置Uyは、回転する像保持体PRy、帯電器CRy,潜像形成装置LHy、現像装置Gy、転写器T1y、像保持体清掃器CLyを有している。
前記可視像形成装置Um,Uc,Ukはいずれも前記Yの可視像形成装置Uyと同様に構成されている。
【0020】
図1,図2において、前記各像保持体PRy,PRm,PRc,PRkはそれぞれの帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより帯電された後、画像書込位置Q1y、Q1m,Q1c,Q1kにおいて、前記潜像書込光Ly,Lm,Lc,Lkにより、その表面に静電潜像が形成される。前記像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面の静電潜像は、現像領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kにおいて、現像器Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤保持体の一例としての現像ロールGRy,GRm,GRc,GRkに保持された現像剤により可視像の一例としてのトナー像に現像される。
その現像されたトナー像は、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kに搬送される。前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて中間転写ベルトBの裏面側に配置された1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから所定のタイミングでトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。
前記各像保持体PRy〜PRk上のトナー像は前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトBに1次転写される。1次転写後の像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面の残留トナーは、像保持体清掃器CLy,CLm,CLc,CLkによりクリーニングされる。クリーニングされた前記像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面は、帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより再帯電される。
【0021】
前記像保持体PRy〜PRkの上方には、上下移動可能且つ前方に引き出し可能な中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBと、中間転写体駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、中間転写体張架部材の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止用部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としてのアイドラロールRfおよび二次転写領域対向部材の一例としてのバックアップロールT2aを含む中間転写体支持部材の一例としてのベルト支持ロールRd+Rt+Rw+Rf+T2aと、前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kとを有している。そして、前記中間転写ベルトBは前記ベルト支持ロールRd+Rt+Rw+Rf+T2aにより回転移動可能に支持されている。
【0022】
前記バックアップロールT2aに接する中間転写ベルトBの表面に対向して2次転写部材の一例としての二次転写ロールT2bが配置されており、前記各ロールT2a,T2bにより2次転写器T2が構成されている。また、2次転写器T2bおよび中間転写ベルトBの対向する領域には2次転写領域Q4が形成される。
前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kで転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトB上に順次重ねて転写された単色または多色のトナー像は、前記2次転写領域Q4に搬送される。
【0023】
前記可視像形成装置Uy〜Ukの下方には、給紙容器の一例としての給紙トレイTR1〜TR3を前後方向(X軸方向)に出入可能に支持するガイド部材の一例としての左右一対のガイドレールGR,GRが3段設けられている。給紙トレイTR1〜TR3に収容された媒体の一例としての記録シートSは、媒体取出し部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出され、媒体捌き部材の一例としてのさばきロールRsにより1枚ずつ分離される。そして、記録シートは、媒体搬送路の一例であるシート搬送路SHに沿って媒体搬送部材の一例としての複数の搬送ロールRaにより搬送され、2次転写領域Q4のシート搬送方向上流側に配置された転写領域搬送時期調節部材の一例としてのレジロールRrに送られる。前記シート搬送路SH、シート搬送ロールRa、レジロールRr等によりシート搬送装置SH+Ra+Rrが構成されている。
【0024】
レジロールRrは、前記中間転写ベルトBに形成されたトナー像が2次転写領域Q4に搬送されるのにタイミングを合わせて、前記記録シートSを2次転写領域Q4に搬送する。
記録シートSが前記2次転写領域Q4を通過する際、前記バックアップロールT2aは接地され、2次転写器T2bには前記制御部Cにより制御される電源回路Eから所定のタイミングでトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加される。このとき、前記中間転写ベルトB上のカラートナー像は、前記2次転写器T2により前記記録シートSに転写される。
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbによりクリーニングされる。
【0025】
前記トナー像が2次転写された記録シートSは、定着装置Fの加熱用定着部材の一例としての加熱ロールFhおよび加圧用定着部材の一例としての加圧ロールFpの圧接領域である定着領域Q5に搬送され、前記定着領域を通過する際に加熱定着される。加熱定着された記録シートSは、媒体排出部材の一例としての排出ローラRhから媒体排出部の一例としての排紙トレイTRhに排出される。
なお、前記加熱ロールFh表面には、記録シートSの前記加熱ロールからの離型性を良くするための離型剤が離型剤塗布装置Faにより塗布されている。
【0026】
前記ベルトモジュールBMの上方にはイエローY,マゼンタM,シアンC,黒Kの各現像剤を収容する現像剤補給容器の一例としての現像剤カートリッジKy,Km,Kc,Kkが配置されている。各現像剤カートリッジKy,Km,Kc,Kkに収容された現像剤は、前記現像器Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤の消費に応じて、図示しない現像剤補給路から前記各現像器Gy,Gm,Gc,Gkに補給される。なお、実施例1では、前記現像剤として、磁性のキャリアと、外添剤が付与されたトナーとを含む二成分現像剤により構成されている。
【0027】
図1において、前記画像形成装置Uは上側枠体UFと下側枠体LFとを有しており、上側枠体UFには、前記可視像形成装置Uy〜Ukおよび可視像形成装置Uy〜Ukよりも上方に配置された部材、すなわち、ベルトモジュールBM等が支持されている。
また、下側枠体LFには、前記給紙トレイTR1〜TR3を支持するガイドレールGRおよび前記各トレイTR1〜TR3から給紙を行う前記給紙部材、すなわち、ピックアップロールRp,さばきロールRs,シート搬送ロールRa等が支持されている。
【0028】
(可視像形成装置の各部材の説明)
図3は本発明の実施例1の画像形成装置における像保持体と潜像形成装置と現像器との関係を説明する説明図であり、図3Aは現像器が現像器接触位置に移動し且つ潜像形成装置が潜像形成装置接触位置に移動した状態の説明図、図3Bは現像器が現像器離間位置に移動し且つ潜像形成装置が潜像形成装置離間位置に移動した状態の説明図である。
次に、本発明の実施例1の可視像形成装置Uy,Um,Uc,Ukを構成する現像器Gy,Gm,Gc,Gkおよび潜像形成装置LHy,LHm,LHc,LHkの説明をするが、各色の部材は同様に構成されているため、Y色のものについてのみ説明し、その他の色のものについての詳細な説明は省略する。
【0029】
(現像器の説明)
図3において、実施例1の現像器Gyは、内部に現像剤が収容される現像容器1を有する。前記現像容器1内には、内部の現像剤を撹拌しながら搬送する一対の撹拌搬送部材2,3が回転可能に支持されている。また、前記現像容器1には、前記撹拌搬送部材2,3で撹拌された現像剤を、表面に保持し像保持体PRyとの対向領域である現像領域Q2yに搬送する現像剤保持体4が回転可能に支持されている。
図3において、前記現像容器1は、図示しない枠体、いわゆる、現像ユニットのフレームに回転軸6を中心として回転可能に支持されている。回転軸6に対して像保持体PRyとは反対側の現像容器1の外壁には、現像剤保持体4を像保持体PRy側に常時付勢する現像器付勢部材7の一端が支持されている。したがって、現像剤保持体4は、像保持体PRy側に常時押し付けられる方向の力を受けている。前記現像剤保持体4には、現像器位置決め部として、現像剤保持体4の両端部に配置された図示しない現像領域用突き当て部、いわゆる、トラッキング部により現像剤保持体4と像保持体1との間隔が所定の間隔に保持されている。すなわち、通常時は、現像器Gyは、図3Aに示す現像器接触位置に保持される。そして、現像器Gyを像保持体PRyから離隔する方向に回転させる外力が作用した場合に、現像器付勢部材7の力に抗して像保持体PRyから離隔する。すなわち、前記回転軸6および現像器付勢部材7により、実施例1の現像器接離機構(6+7)が構成されている。
また、前記現像容器1の潜像形成装置LHy側の外壁には、潜像形成装置Lhy側に延びる連動用被接触部材8が支持されている。さらに、前記現像容器1の現像剤保持体4の下方には、像保持体PRy表面に接触して現像剤の下方への漏出を防止する漏出防止部材9が支持されている。
【0030】
(潜像形成装置の説明)
図4は実施例1の潜像形成装置の斜視説明図であり、図4Aは潜像形成装置が潜像形成装置接触位置に移動した状態の説明図、図4Bは潜像形成装置が潜像形成装置離間位置に移動した状態の説明図である。
図5は実施例1の潜像形成装置の外枠体の説明図であり、図5Aは平面図、図5Bは側面図である。
【0031】
図4において、実施例1の潜像形成装置LHyは、画像形成装置本体U2に螺子により固定支持される外枠体11を有する。図5において、前記外枠体11は、像保持体PRyの軸方向である前後方向に延びる底壁11aと、前記底壁11aの左右両端から上方に延びる左側壁11bおよび右側壁11cとを有する。前記底壁11aの前後両端部には、空孔形状の付勢部材一端支持部11dが一対形成されている。
図4、図5において、前記左右両側壁11b,11cの前端部下面には、下方に延びる被固定部11eが形成されており、前記被固定部11eに形成された孔11e1で画像形成装置本体U2に螺子止めされる。前記右側壁11cには、前後一対の連動用接触部材外側貫通部11fが形成されており、実施例1の連動用接触部材外側貫通部11fは円弧状の長孔により構成されている。前記連動用接触部材外側貫通部11fの上部には、前後一対の回転軸支持部11gが形成されている。前記左右両側壁11b,11cの前端部には、左右一対の操作部材回転支持部11hが形成されており、実施例1の操作部材回転支持部11hは貫通孔により構成されている。
【0032】
図6は実施例1の潜像形成装置と像保持体との位置関係を説明する説明図であり、図6Aは潜像形成装置が潜像形成装置接触位置に移動した状態の説明図、図6Bは潜像形成装置が潜像形成装置離間位置に移動した状態の説明図である。
図7は図4に示す状態から外枠体の一部の図示が省略された状態の実施例1の潜像形成装置の接離機構の要部説明図であり、図7Aは潜像形成装置接触位置に移動した状態の説明図、図7Bは潜像形成装置が潜像形成装置離間位置に移動した状態の説明図である。
図4、図7において、前記外枠体11の操作部材回転支持部11hには、操作部材12が回転軸部材12aを中心として、回転可能に支持されている。前記操作部材12は、利用者が把持して操作する把持部12bを有し、把持部12bを把持して操作することで、操作部材12は、図4A、図6A、図7Aに示すように上方に回動した通常位置と、図4B、図6B、図7Bに示す前方に回動した挿抜可能位置との間で移動可能に支持されている。なお、図6Aに示すように、実施例1では、前記操作部材12は、前記通常位置において、把持部12bが像保持体PRyの軸方向前方に配置され、像保持体PRyの軸方向への移動、すなわち、画像形成装置本体U2に対する像保持体PRyの着脱が規制されるように構成されている。
【0033】
図8は実施例1の潜像形成装置の操作用連結部材の説明図であり、図8Aは斜視図、図8Bは側面図である。
図4において、前記外枠体11の右側壁11cと操作部材12との間には、回転軸部材12aに接触する操作用連結部材13が配置されている。図7、図8において、前記操作用連結部材13は、前後方向に延びる連結アームにより構成されており、前端部には、操作部材12に回転可能に支持される被回転支持部13aが形成されている。図7において、前記操作用連結部材13の後端部には、凹状の軸連結凹部13bが形成されている。なお、軸連結凹部13bの弧状部分の弧の中心と被回転支持部13aの中心とを結ぶ仮想線の延長上に死点13cが設定されており、図6、図7に示すように、操作部材12が通常位置と挿抜可能位置との間を移動する途中に操作部材12の回転軸部材12aが死点13c、すなわち、軸連結凹部13bの弧状部分の弧の中心と、被回転支持部13aの中心と、回転軸部材12aの中心とが一直線上に並ぶ位置を通過するように設定されている。
【0034】
図9は実施例1の潜像形成装置の移動部材の説明図であり、図9Aは斜視図、図9Bは側面図である。
図7、図9において、前記操作用連結部材13の後端側には、移動部材14が配置されている。前記移動部材14は、外枠体11の内部に収容され、前後方向に移動可能に支持されている。前記移動部材14の前端部には、前記操作用連結部材13の軸連結凹部13cに対応して軸支持部14aが形成されている。前記軸支持部14aには、図7に示す連結軸16が支持され、前記連結軸16が軸連結凹部13cに嵌ることで連結されている。
図7、図9において、移動部材14には、外枠体11の連動用接触部材外側貫通部11fに対応して、角形の孔により構成された連動用接触部材内側貫通部14bが前後一対形成されている。また、前記連動用接触部材内側貫通部14bの上方には、前記回転軸支持部11gに対応して、前後方向に長い長孔により構成された方向変換用回転軸貫通部14cが前後一対形成されている。
【0035】
図10は実施例1の潜像形成装置の連動用接触部材の要部拡大図である。
図11は実施例1の潜像形成装置の移動方向変換部材の説明図であり、図11Aは斜視図、図11Bは側面図である。
図7において、前記移動部材14の内側には、前記方向変換用回転軸貫通部14cに対応して、移動方向変換部材17が前後一対配置されている。前記移動方向変換部材17は、後上部に方向変換用回転軸支持部17aが形成されており、前記方向変換用回転軸支持部17aには、長孔により構成された方向変換用回転軸貫通部14cを貫通し且つ外枠体11の回転軸支持部11gに支持される方向変換用回転軸18により回転支持されている。すなわち、前記移動方向変換部材17は、外枠体11に対して方向変換用回転軸18を回転中心として回転可能に支持されている。なお、実施例1では、移動部材14が外枠体に対して前後方向に相対移動する際に、方向変換用回転軸18が長孔により構成された方向変換用回転軸貫通部14cを貫通しているため、方向変換用回転軸18と方向変換用回転軸貫通部14cとにより、図7に示すように移動部材14の移動範囲が規制される。
【0036】
図10、図11において、移動方向変換部材17の前上部には、前後方向に長い長孔により構成された接離部材連結部17bが形成されており、移動方向変換部材17の後下部には、連動用接触部材支持部17cが形成されている。前記連動用接触部材支持部17cの斜め前下方には付勢部材他端支持部17dが形成されている。図5、図10において、外枠体11の付勢部材一端支持部11dと、付勢部材他端支持部17dとの間には、潜像形成装置付勢部材の一例としての付勢バネ19が装着されている。前記付勢バネ19は、付勢部材他端支持部17dを付勢部材一端支持部11d側に常時引張る力を作用させている。すなわち、付勢バネ19により、移動方向変換部材17は、方向変換用回転軸18を中心として、接離部材連結部17bが上方に回転する方向に付勢されている。
【0037】
図12は実施例1の潜像形成装置に設けられた連動用接触部材の説明図であり、図12Aは斜視図、図12Bは側面図である。
図7、図10において、前記移動方向変換部材17の連動用接触部材支持部17cには、連動用接触部材21が支持されている。図12において、前記連動用接触部材21は、台形状の接触部材本体21aと、接触部材本体21aの後面から後方に延びる被支持部21bと、接触部材本体21aの上部に一体的に形成された連動接触部21cとを有する。前記被支持部21bは、前記外枠体11の連動用接触部材外側貫通部11fおよび移動部材14の連動用接触部材内側貫通部14bを貫通して、連動用接触部材支持部17cに回転不能な状態で装着される。したがって、連動用接触部材21は、移動方向変換部材17と一体的に回転可能に構成されている。また、実施例1では、被支持部21bは、回転軸状に構成されており、連動用接触部材外側貫通部11fおよび連動用接触部材内側貫通部14bよりも小径に形成されて且つ遊びをもった状態で貫通している。
【0038】
したがって、移動部材14の移動に伴って、連動用接触部材内側貫通部14bと被支持部21bとが接触し、さらに移動部材14が移動すると、移動方向変換部材17は、付勢バネ19の付勢力に抗して、接離部材連結部17bが下方に回転する。また、通常の状態では、付勢バネ19の付勢力により、移動方向変換部材17と一体的に回転移動する被支持部21bが連動用接触部材内側貫通部14bを前方に押すため、連結軸16が軸連結凹部13c側に移動し、操作用連結部材13と移動部材14との連結が保持される。
図3Aにおいて、前記連動用接触部材21の接触部材本体21aおよび連動接触部21cは、外枠体11の外側の現像器Gy側に配置されており、現像器Gyから延びる連動用被接触部材8の下方に連動接触部21cが配置されている。
前記連動用接触部材21と連動用被接触部材8とにより、実施例1の連動機構(8+21)が構成されている。
【0039】
図13は実施例1の潜像形成装置の接離部材の説明図であり、図13Aは斜視図、図13Bは側面図、図13Cは平面図である。
図7、図10において、前記移動方向変換部材17の左方には、接離部材22が配置されている。図13において、前記接離部材22は、前後方向に延びる接離部材本体22aを有する。接離部材本体22aの前後両端部には、移動方向変換部材17の接離部材連結部17bに対応する位置に、移動方向変換部材17側に突出する連結部材22bが支持されている。前記連結部材22bは、長孔により構成された接離部材連結部17bに、遊びをもって嵌った状態で連結される。したがって、移動方向変換部材17の回転に伴って、接離部材連結部17bの面と連結部材22bとが接触すると、押されて、上下方向、すなわち、像保持体PRyに接近、離隔する方向に移動する。また、前記接離部材22の前後両端部の上面には、光照射ユニット支持部22cが形成されている。また、前記光照射ユニット支持部22cの右側には、上下方向に延びる長孔により構成された逃げ孔22dが形成されており、前記逃げ孔22dは、方向変換用回転軸18の内端を逃がしている。
【0040】
図14は実施例1の潜像形成装置の画像書込光照射ユニットの説明図であり、図14Aは斜視図、図14Bは側面図である。
図7、図10において、前記接離部材22の光照射ユニット支持部22cには、画像書込光照射ユニット23が支持されている。前記画像書込光照射ユニット23は、前後方向に延びる照射ユニット本体23aと、照射ユニット本体23aに支持され且つ像保持体PRyに対向して配置されて潜像書込光を照射する光照射部23bとを有する。なお、実施例1では、前記光照射部23bには、像保持体PRy表面に潜像を形成する光源が像保持体PRyの軸方向、すなわち、主走査方向に並んで配置されており、光照射部23bは、いわゆる、LEDアレイにより構成されている。
【0041】
図15は実施例1の像保持体と潜像形成装置との位置関係の説明図であり、図15Aは上面図、図15Bは側面図である。
図6、図14、図15において、前記照射ユニット本体23aの前後両端部には、上方に突出する突き当て部23cが形成されており、前記突き当て部23cの前後両側には上方に突出する前後一対の位置決め部23dが形成されている。図15において、突き当て部23cは、潜像形成装置接触位置において、像保持体PRyの両端部に配置された軸受部材24に突き当てられ、上下方向に位置決めがされる。図15において、前記潜像形成装置LHyが、図15Bに示す潜像形成装置離間位置から潜像形成装置接触位置に移動すると、像保持体支持枠体26の前端部に支持された前側被位置決め部26aに形成された被位置決め溝26bに前側の位置決め部23dが貫通すると共に、像保持体支持枠体26の後端部に支持された後側被位置決め部26cに形成された被位置決め長孔26dに後側の位置決め部23dが貫通し、潜像形成装置LHyが像保持体PRyに対して前後方向および左右方向に位置決めされる。
【0042】
これにより、図6Aに示す潜像形成装置接触位置において、光照射部23bと像保持体PRy表面との位置関係が所定の位置関係に保持され、光照射部23bから照射される潜像書込光の焦点が像保持体PRy表面となるように正確に保持される。
なお、実施例1の画像形成装置Uでは、図3Aに示すように、潜像形成装置接触位置において、光照射部23bと像保持体PRyの中心とを結ぶ仮想線27に対して、仮想線27の延長線上で像保持体PRyと中間転写ベルトBとが接触すると共に、一次転写器T1yは、中間転写ベルトB回転方向で下流側にずれた位置に配置されている。
前記外枠体11、操作部材12、操作用連結部材13、移動部材14、軸16,18、移動方向変換部材17、付勢バネ19、被支持部21b、接離部材22等により、実施例1の潜像形成装置接離機構(11〜22)が構成されている。
【0043】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の画像形成装置Uでは、図3A、図6Aに示すように、操作部材12を上方の通常位置に移動した状態では、付勢バネ19の付勢力により、移動方向変換部材17を介して移動部材14が前方に保持される。これにより、接離部材22が上方に保持され、画像書込光照射ユニット23の光照射部23bが、像保持体PRyに所定の間隔をあけて配置された状態で保持される。すなわち、前記各部材12〜23を有する潜像形成装置LHyは、潜像形成装置接触位置に保持され、潜像が形成可能な状態となる。また、前記現像器Gyは現像器付勢部材7により像保持体PRyに対して所定の間隔をあけて接近、対向した現像器接触位置に保持される。このとき、連動用接触部材21cと連動用被接触部材8とは離隔した状態で保持され、画像形成動作中に現像器Gyの現像剤保持体4が回転駆動することで発生する振動が、潜像形成装置LHyに伝達されることが防止され、潜像形成装置LHyにより正確な潜像形成が実行される。
【0044】
(潜像形成装置および現像器の離隔動作の説明)
図16は実施例1の潜像形成装置および現像器を像保持体から離隔させる場合の作用説明図であり、図16Aは操作部材が通常位置から挿抜可能位置に移動を開始した直後の状態の説明図、図16Bは図16Aに示す状態からさらに挿抜可能位置側に移動した状態の説明図、図16Cは操作部材が挿抜可能位置に移動した状態の説明図である。
磨耗や劣化、故障等により前記像保持体PRyを交換する場合、操作部材12により像保持体PRyの移動が規制されているため、先ず、操作部材12を回転させる。図16A、図16Bにおいて、操作部材12の回転軸部材12aを中心とした回転により、被回転支持部13aで連結された操作用連結部材13が後方に押し込まれるように移動する。操作用連結部材13の移動によって、連結軸16を介して移動部材14が後方に移動する。移動部材14の後方への移動に連れて、移動部材14の連動用接触部材内側貫通部14bが連動用接触部材21の被支持部21bに接触し、被支持部21bが後方に移動する。これにより、被支持部21bが連結された移動方向変換部材17が、付勢バネ19の付勢力に抗して方向変換用回転軸18を中心として回転する。
【0045】
このとき、図16A、図16Bに示すように、移動方向変換部材17が回転して、接離部材22の連結部材22bとの遊びがなくなると回転し始め、接離部材連結部17bが連結部材22bを下方に押し下げる。連結部材22bの下方への移動に伴って、接離部材22が下降を開始し、画像書込光照射ユニット23が像保持体PRyから離隔する方向に移動を開始する。一方、移動方向変換部材17の回転に伴い一体的に回転する連動用接触部材21は回転し、離間していた連動用被接触部材8に接触する。
【0046】
図16B、図16Cにおいて、前記操作部材12がさらに回転して移動方向変換部材17が回転すると、連動用接触部材21が連動用被接触部材8に接触して上方に押し上げ、現像器Gyが、現像器付勢部材7の付勢力に抗して回転軸6を中心として、像保持体PRyから離隔する方向に移動を開始する。
図3B、図6B、図16Cにおいて、操作部材12が挿抜可能位置に移動すると、潜像形成装置LHyが像保持体PRyから離隔した潜像形成装置離間位置に移動し且つ、現像器Gyが像保持体PRyから離隔した現像器離間位置に移動する。この状態では、潜像形成装置LHyや現像器Gyに表面が接触することなく像保持体PRyの抜出、挿入が可能となる。このとき、操作部材12の回転軸部材12aが死点13cを越えているため、付勢バネ19の付勢力により、操作用連結部材13が前方に押し出される力を受け、操作部材12が操作用連結部材13の下方に移動する力を自然に受ける。これにより、操作部材12は、利用者が力を加えて通常位置側に移動させたりしない限り挿抜可能位置に自動的に保持される。
【0047】
(潜像形成装置および現像器の接近動作の説明)
図17は実施例1の潜像形成装置および現像器を像保持体に接近させる場合の作用説明図であり、図17Aは操作部材が挿抜可能位置に移動した状態の説明図、図17Bは図17Aに示す状態から操作部材が通常位置側に移動を開始した直後の状態の説明図、図17Cは図17Bに示す状態から操作部材がさらに通常位置側に移動した状態の説明図である。
図17において、像保持体PRyの交換が完了すると、操作部材12を挿抜可能位置から通常位置に戻す。このとき、操作部材12の移動を開始すると、操作用連結部材13の軸連結凹部13cが連結軸16から離隔する方向に移動するが、付勢バネ19の付勢力により、移動部材14が前方に移動し、操作用連結部材13と移動部材14との連結は保持される。移動部材14の前方への移動に伴い、連動用接触部材内側貫通部14bが連動用接触部材21の被支持部21bに接触し、被支持部21bが前方に移動する。これにより、被支持部21bが連結された移動方向変換部材17も方向変換用回転軸18を中心として回転する。
【0048】
このとき、図17Bに示すように、接離部材連結部17bと連結部材22bとが遊びをもって嵌っているため、遊びがなくなるまで接離部材22はほとんど移動しない。一方、移動方向変換部材17の回転に伴い一体的に回転する連動用接触部材21は回転し、連動用被接触部材8から離隔する方向に移動を開始する。連動用接触部材21が連動用被接触部材8から離隔する方向に移動すると、現像器Gyの現像器付勢部材7の付勢力により、現像器Gyが回転軸6を中心として、像保持体PRyに接近する方向に移動を開始する。
図17Cにおいて、前記操作部材12がさらに回転して移動方向変換部材17が回転すると、接離部材連結部17bと連結部材22bとの遊びがなくなり、接離部材連結部17bが連結部材22bを上方に押し上げる。連結部材22bの上方への移動に伴って、接離部材22が上昇を開始し、画像書込光照射ユニット23が像保持体PRyに接近する方向に移動を開始する。
【0049】
操作部材12の通常位置への移動に伴って、現像器Gyおよび潜像形成装置LHyは像保持体PRyに接近する。前記現像器Gyが現像器付勢部材7により像保持体PRyに突き当てられると、現像容器1がそれ以上回転しなくなり、現像器付勢部材7による連動用被接触部材8の連動用接触部材21への押し当てが解除される。すなわち、現像器Gyは、現像器接触位置に移動した状態で保持される。なお、連動用接触部材21と連動用被接触部材8とが離隔し始めた時には、潜像形成装置LHyの突き当て部23cは軸受部材24に突き当てられる前の状態である。
【0050】
図6Bにおいて、現像器Gyが現像器接触位置に移動した後、操作部材12がさらに回転して通常位置に移動すると、付勢バネ19の付勢力により、移動部材14が前方に移動し、移動方向変換部材17がさらに回転する。これに伴い、連動用接触部材21と連動用被接触部材8とが離隔する。このとき、潜像形成装置LHyの突き当て部23cは軸受部材24に突き当てられ、潜像形成装置LHyが潜像形成装置接触位置に移動すると共に、前後一対の位置決め部23dがそれぞれ被位置決め溝26bおよび被位置決め長孔26dに嵌って位置決めされる。
【0051】
図18は実施例1の像保持体と潜像形成装置の位置関係の説明図である。
すなわち、実施例1では、図18の実線で示すように、現像器Gyの像保持体PRyへの突き当てがされた状態で、潜像形成装置LHyが突き当てられて位置決めがされる。よって、図18の破線で示すように、潜像形成装置LHyが像保持体PRyに対して位置決めされた後に、現像器Gyが像保持体PRyに対して突き当てられた場合に、像保持体PRyに対する潜像形成装置LHyの位置がずれ、潜像形成装置LHyと像保持体PRyとの間隔が微小に変化したり、像保持体PRyに対して潜像形成装置LHyが傾斜するという不具合の発生が防止される。
【0052】
また、実施例1では、像保持体PRyを交換する際には、像保持体PRyに対して、中間転写ベルトBおよび一次転写器T1yは、接近離隔するように構成されており、潜像形成装置LHyおよび現像器Gyの接近離隔とは独立に移動するように構成されている。なお、実施例1では、潜像形成装置LHyや現像器Gyが、それぞれ接触位置に移動した状態において、前記一次転写器T1yを像保持体PRyに対して接近離隔可能に構成されている。このとき、実施例1では、一次転写器T1yの配置位置が、像保持体PRyと中間転写ベルトBとの接触位置に対して下流側にずれた位置に配置されており、一次転写器T1yが像保持体PRyに接近離隔しても像保持体PRyに押し当てらないように構成されている。このため、潜像形成装置LHyが像保持体PRyに対して位置決めされた後に、一次転写器T1yが転写器離間位置から転写器接触位置に移動しても、像保持体PRyの位置は変動せず、潜像形成装置LHyと像保持体PRyとの位置関係は正確な位置関係に保持される。
【実施例2】
【0053】
次に、本発明の実施例2の説明を行うが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図19は実施例2の潜像形成装置の説明図であり、図19Aは実施例1の図6Aに対応する説明図、図19Bは実施例1の図6Bに対応する説明図である。
【0054】
図19において、実施例2の潜像形成装置LHy′では、実施例1の連動用接触部材21が省略され、被支持部21bに相当する移動部材14と移動方向変換部材17とを連結する移動連結部材31が設けられている。そして、前記移動部材14には、実施例1の連動用接触部材21′とは前後方向にずれた位置において、外枠体11を貫通して現像器側に突出する連動用接触部材21′が一体的に形成されている。前記連動用接触部材21′は、後方に行くに連れて下方に傾斜する接触部21c′を有する。
なお、実施例2では、前記連動用接触部材21′の位置に対応して、連動用被接触部材8の位置も実施例1の場合に比べて後方にずれて配置されている。また、実施例2では、潜像形成装置接触位置において、図19Aに示すように、連動用接触部材21′と連動用被接触部材8は前後方向に離隔した状態で保持され、潜像形成装置離間位置において、図19bに示すように、傾斜した連動用接触部材21′により被接触部材8は上方に押し上げられた状態で保持されるように設定されている。
また、図示は省略するが、連動用接触部材外側貫通部11fも、実施例1の場合に比べて、移動部材14の移動方向に沿って前後方向に長く形成されている。
前記連動用接触部材21′および連動用被接触部材8等により実施例2の連動機構が構成されている。また、移動部材14や移動方向変換部材17等に加え、移動連結部材31により実施例2の潜像形成装置接離機構が構成されている。
【0055】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の画像形成装置Uでは、操作部材12の回転移動に連動して、移動部材14が前後方向に移動し、移動連結部材31により移動部材14に連結された移動方向変換部材17を介して、接離部材22が昇降し、画像書込光照射ユニット23が像保持体PRyに対して接近、離隔する。
前記操作部材12を通常位置から挿抜可能位置に向けて移動させると、前記移動部材14の後方への移動に伴って、接触部21c′が連動用被接触部材8に接触し、傾斜した面により上方に押し上げられ、現像器Gyが現像器離間位置に移動する。なお、実施例2でも、潜像形成装置LHyが像保持体PRyに突き当てられる前に現像器Gyが突き当てられるように、潜像形成装置接触位置における連動用接触部材21′と連動用被接触部材8との間隔や、接離部材連結部17bと連結部材22bとの遊びの量等が設定されている。
【実施例3】
【0056】
次に、本発明の実施例3の説明を行うが、この実施例3の説明において、前記実施例1,2の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例3は、下記の点で前記実施例1,2と相違しているが、他の点では前記実施例1,2と同様に構成されている。
図20は実施例3の画像形成装置の説明図であり、図20Aは転写装置接触位置および潜像形成装置接触位置における説明図、図20Bは転写装置離間位置および潜像形成装置離間位置における説明図である。
図21は実施例3の像保持体、潜像形成装置及び一次転写器の位置関係の説明図であり、実施例1の図3Aに対応する図である。
【0057】
図20において、実施例3の画像形成装置Uでは、ベルトモジュールBMには、枠体、すなわちフレームの前端壁に転写器接離用操作部材41が回転可能に支持されている。前記転写器接離用操作部41は、利用者が把持して操作するための左右方向に延びる把持部41aを有し、把持部を把持して転写器接離用操作部材41を操作することにより、図20Aに示す通常位置と、図20Bに示す挿抜可能位置との間で移動可能に構成されている。前記転写器接離用操作部材41の回転軸41aには、傘歯歯車42が支持されている。前記傘歯歯車42は、ベルトモジュール内部BMに配置された被駆動傘歯歯車43と噛合っており、被駆動傘歯歯車43の同軸には、接離用歯車44が支持されている。
【0058】
前記各一次転写器T1y〜T1kには、移動方向変換部材46の一端部46aがそれぞれ連結されている。前記一端部46aは、ベルトモジュールBMの枠体に形成された図示しない案内部により像保持体PRy〜PRkに対して接近、離隔する方向に案内されるように構成されている。前記移動方向変換部材46は、逆L字状に形成されており、各移動方向変換部材46の他端部46bは、ベルトモジュールBMの枠体に左右方向に移動可能に支持された移動部材47に回転可能に連結されている。前記移動部材47の右端部には、前記接離用歯車44に噛合う歯車部47aが形成されている。
前記符号41〜47を付した部材により、実施例3の転写器接離機構が構成されている。
【0059】
図20において、前記転写器接離用操作部材41は、通常位置において、前記像保持体PRy〜PRkの挿抜を規制する位置に配置される。また、転写器接離用操作部材41の把持部41aは、通常位置において、前記潜像形成装置LHy〜LHkの操作部材12と、像保持体PRy〜PRkとの間に挟まれる位置に配置される。
図21において、実施例3では、一次転写器T1yは、像保持体PRyに対して、仮想線27の延長線上に配置されている。そして、実施例1で、一次転写器T1yを像保持体PRyに押し当てる荷重が、潜像形成装置LHyを像保持体PRyに押し当てる荷重に対して、小さくなるように設定されている。
【0060】
(実施例3の作用)
前記構成要件を備えた実施例3の画像形成装置Uでは、通常時は、転写器接離機構により一次転写器T1y〜T1kが、中間転写ベルトBを挟んで像保持体PRy〜PRkに押し当てられ且つ中間転写ベルトBに張力が作用した状態で保持される。
像保持体PRy〜PRkを交換する場合には、まず、潜像形成装置LHy〜LHkの操作部材12を操作して、潜像形成装置Lhy〜LHkおよび現像器Gy〜Gkを像保持体PRy〜PRkから離隔させる。次に、転写器接離用操作部材41を挿抜可能位置に移動させると、各歯車42〜44および移動部材47、移動方向変換部材46により、一次転写器T1y〜T1kが像保持体PRy〜PRkから離隔して、中間転写ベルトBも張力が減少して像保持体PRy〜PRkから離隔する。この状態では、像保持体PRy〜PRkを交換可能となる。
前記像保持体PRy〜PRkの交換が終了すると、転写器接離用操作部材41で一次転写器T1y〜T1kを像保持体PRy〜PRkに接触させた後で、操作部材12を操作して、現像器Gy〜Gk、潜像形成装置LHy〜LHkの順で像保持体PRy〜PRkに接近、突き当てられる。すなわち、像保持体PRy〜PRkに一次転写器T1y〜T1kと現像器Gy〜Gkが接触、突き当てられた状態で、潜像形成装置LHy〜LHkが像保持体PRy〜PRkに突き当てられる。
【実施例4】
【0061】
次に、本発明の実施例4の説明を行うが、この実施例4の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例4は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図22は実施例4の画像形成装置の説明図であり、図22Aは潜像形成装置が潜像形成装置接触位置に移動し且つ現像器が現像器接触位置に移動した状態の説明図、図22Bは潜像形成装置が潜像形成装置離間位置に移動し且つ現像器が現像器接触位置に移動した状態の説明図、図22Cは潜像形成装置が潜像形成装置離間位置に移動し且つ現像器が現像器離間位置に移動した状態の説明図である。
【0062】
図22において、実施例4の画像形成装置Uでは、実施例1の連動機構8+21が省略されており、現像器Gyの前側には、現像器Gyを回転軸6を中心として回転させる現像器用操作部材61が配置されている。前記現像器用操作部材61は、作業者が操作する操作部本体61aと、前記操作部本体61aに対して傾斜して配置され且つ像保持体PRyの挿抜を規制するための挿抜規制部61bとを有する。実施例4の現像器用操作部材61は、現像ユニットの枠体により、図22A、図22Bに示す通常位置と、図22Cに示す離間位置との間を回転移動可能に支持されている。
【0063】
なお、実施例4では、前記現像器用操作部材61は、操作部材12に対して、前後方向の位置がほぼ同じ位置に設定されており、図22Aに示す状態で、現像器用操作部材61を離間位置側に移動させても、操作部材12に干渉して移動できないように構成されている。同様に、図22Cに示す離間位置では、現像器用操作部材61が、操作部材12側に進入しているため、操作部材12を通常位置側に移動させようとしても、現像器用操作部材61に干渉して、現像位置側に移動できないように構成されている。
また、図22A、図22Bに示すように、前記通常位置では、挿抜規制部61bが像保持体PRyの前側に配置され、像保持体PRyの挿抜を規制し、図22Cに示す離間位置では、挿抜規制部61bが像保持体PRyの前側から退避し、像保持体PRyの挿抜が許可される。
前記回転軸6、現像器付勢部材7および現像起用操作部材61により、実施例4の現像器接離機構が6+7+61が構成されている。
【0064】
(実施例4の作用)
前記構成を備えた実施例4の画像形成装置Uでは、図22Aに示す状態で画像形成動作が行われ、像保持体PRyの交換を行う場合には、先ず、操作部材12を操作して、潜像形成装置LHyを潜像形成装置離間位置に移動させ、図22Bに示す状態とする。すなわち、図22Aに示す状態では、操作部材12を操作せずに現像器用操作部材61を操作することができず、潜像形成装置LHyが潜像形成装置接触位置に移動した状態では、現像器Gyを現像器離間位置に移動できないように構成されている。
図22Bに示す状態では、挿抜規制部61bにより像保持体PRyが挿抜不能であり、現像器Gyが像保持体PRyに突き当てられた状態で、挿抜されることが防止される。
【0065】
図22Bに示す状態から、現像器用操作部材61を回転させることで、図22Cに示すように、現像器Gyが像保持体PRyから離隔すると共に、挿抜規制部61bが像保持体PRyの前面から退避し、像保持体PRyが挿抜、交換が可能な状態となる。
なお、図22Cに示す状態では、現像器用操作部罪61の捜査部本体61aが操作部材12側に進入しているため、操作部材12の操作が規制される。すなわち、現像器Gyが現像器離間位置に移動した状態で、潜像形成装置LHyが潜像形成装置接触位置に移動できないように構成されている。
像保持体PRyの交換が終了すると、現像器用操作部材61を操作した後、操作部材12を操作することで、現像器Gy、潜像形成装置LHyの順に像保持体PRyに突き当てられ、潜像形成装置LHyの位置精度が低下することが抑制される。
【0066】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H02)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置としての複写機を例示したが、これに限定されず、FAXやプリンタあるいはこれらすべてまたは複数の機能を備えた複合機とすることも可能である。また、4色分の像保持体PRy〜PRkおよび現像器Gy〜Gk、潜像形成装置LHy〜LHkを有する画像形成装置を例示したが、これに限定されず、単色の画像形成装置や、像保持体および潜像形成装置が1つで4つの現像器が回転して順次像保持体に対向する回転式の画像形成装置にも適用可能である。
【0067】
(H02)前記実施例3において、転写器用操作部材41が潜像形成装置LHy〜LHkの操作部材12よりも内側に配置するように構成したが、外側に配置することも可能である。このとき、潜像形成装置LHy〜LHkが潜像形成装置接触位置に移動した後から一次転写器T1y〜T1kが像保持体PRy〜PRkに押し当てられるが、そして、実施例1で、一次転写器T1yを像保持体PRyに押し当てる荷重が、潜像形成装置LHyを像保持体PRyに押し当てる荷重に対して、小さくなるように設定されているため、潜像形成装置LHy〜LHkに対する像保持体PRy〜PRkの位置のずれは最低限に抑制される。
【符号の説明】
【0068】
1…現像容器、
4…現像剤保持体、
6…回転軸、
6+7…第1の接離機構、
7…現像器付勢部材、
8…連動用の被接触部材、
8+21…連動機構、
11…外枠体、
11〜22…第2の接離機構、
12…操作部材、
14…移動部材、
17…移動方向の変換部材、
21…連動用の接触部材、
22…接離部材、
23b…光照射部、
Gy,Gm,Gc,Gk…現像器、
LHy,LHm,LHc,LHk…潜像形成装置、
PRy,PRm,PRc,PRk…像保持体、
U…画像形成装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像保持体と、
潜像形成装置と、
現像器と、
前記現像器を、前記像保持体に接触する位置と、前記像保持体から離間した位置との間で移動させる第1の接離機構と、
前記第1の接離機構が前記現像器を前記像保持体に接触する位置に移動させた後に、前記潜像形成装置を、前記像保持体から離間した位置から前記像保持体に接触する位置に移動させる第2の接離機構と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
像保持体を有し、画像形成装置本体に対して着脱可能な像保持体ユニットと、
前記潜像形成装置に設けられ且つ前記像保持体ユニットの一部に接触することで、前記潜像形成装置の位置決めをする潜像形成装置の位置決め部と、
前記現像器に設けられ、前記像保持体ユニットの一部に接触することで前記現像器の位置決めをする現像器の位置決め部と、
前記潜像形成装置を、前記潜像形成装置の位置決め部が前記像保持体ユニットの一部に接触した状態である前記像保持体に接触する位置と、前記潜像形成装置の位置決め部が前記像保持体ユニットの一部から離間した状態である前記像保持体から離間した位置と、の間で移動させる前記第2の接離機構と、
前記現像器を、前記現像器の位置決め部が前記像保持体ユニットの一部に接触した状態である前記像保持体に接触する位置と、前記現像器の位置決め部が前記像保持体ユニットの一部から離間した状態である前記像保持体から離間した位置と、の間で移動させる前記第1の接離機構と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記潜像形成装置の外枠体に対して相対移動可能に支持されて、前記潜像形成装置が前記像保持体に接触する位置と、前記潜像形成装置が前記像保持体から離間した位置との間で移動可能な移動部材、を有する前記第2の接離機構と、
前記現像器に支持された連動用の被接触部材と、前記連動用の被接触部材に対応して配置され且つ前記第2の接離機構に支持された連動用の接触部材であって、前記移動部材の移動に連動して移動して前記連動用の被接触部材を移動させる前記連動用の接触部材、を有する前記連動機構と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記潜像形成装置が前記像保持体に接触する位置に移動し且つ前記現像器が前記像保持体に接触する位置に移動した状態において、前記連動用の被接触部材から離隔し且つ対向して配置された前記連動用の接触部材、
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
潜像を形成する画像書込光を照射する光照射部と、外枠体とを有する前記潜像形成装置と、
前記外枠体に支持され且つ前記像保持体の挿抜を規制する位置と前記像保持体の挿抜が可能な位置との間を移動可能な操作部材であって、前記挿抜を規制する位置において前記潜像形成装置を前記像保持体に接触する位置に移動させ且つ前記挿抜が可能な位置において前記潜像形成装置を前記像保持体から離間した位置に移動させる前記操作部材、を有する前記第2の接離機構と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記外枠体に回転可能に支持され且つ前記挿抜を規制する位置と前記挿抜が可能な位置との間で移動可能に支持された前記操作部材と、前記操作部材に連結され且つ前記外枠体に対して相対移動可能に支持された移動部材と、前記移動部材に連結され且つ前記移動部材の相対移動を回転移動に変換する移動方向の変換部材と、前記移動方向の変換部材に連結され且つ前記光照射部を前記像保持体に対して接近、離隔可能に支持する接離部材と、を有する前記第2の接離機構と、
を備えたことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記操作部材に形成された回転軸部材と、
前記操作部材に回転可能に支持され且つ前記移動部材に回転可能に支持される操作用の連結部材であって、前記操作部材が前記挿抜が可能な位置と前記挿抜を規制する位置との間を移動する間に、前記操作用の連結部材の外面に接触しながら前記回転軸部材が通過する経路上に死点が設定された前記操作用の連結部材と、
を備えたことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項1】
像保持体と、
潜像形成装置と、
現像器と、
前記現像器を、前記像保持体に接触する位置と、前記像保持体から離間した位置との間で移動させる第1の接離機構と、
前記第1の接離機構が前記現像器を前記像保持体に接触する位置に移動させた後に、前記潜像形成装置を、前記像保持体から離間した位置から前記像保持体に接触する位置に移動させる第2の接離機構と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
像保持体を有し、画像形成装置本体に対して着脱可能な像保持体ユニットと、
前記潜像形成装置に設けられ且つ前記像保持体ユニットの一部に接触することで、前記潜像形成装置の位置決めをする潜像形成装置の位置決め部と、
前記現像器に設けられ、前記像保持体ユニットの一部に接触することで前記現像器の位置決めをする現像器の位置決め部と、
前記潜像形成装置を、前記潜像形成装置の位置決め部が前記像保持体ユニットの一部に接触した状態である前記像保持体に接触する位置と、前記潜像形成装置の位置決め部が前記像保持体ユニットの一部から離間した状態である前記像保持体から離間した位置と、の間で移動させる前記第2の接離機構と、
前記現像器を、前記現像器の位置決め部が前記像保持体ユニットの一部に接触した状態である前記像保持体に接触する位置と、前記現像器の位置決め部が前記像保持体ユニットの一部から離間した状態である前記像保持体から離間した位置と、の間で移動させる前記第1の接離機構と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記潜像形成装置の外枠体に対して相対移動可能に支持されて、前記潜像形成装置が前記像保持体に接触する位置と、前記潜像形成装置が前記像保持体から離間した位置との間で移動可能な移動部材、を有する前記第2の接離機構と、
前記現像器に支持された連動用の被接触部材と、前記連動用の被接触部材に対応して配置され且つ前記第2の接離機構に支持された連動用の接触部材であって、前記移動部材の移動に連動して移動して前記連動用の被接触部材を移動させる前記連動用の接触部材、を有する前記連動機構と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記潜像形成装置が前記像保持体に接触する位置に移動し且つ前記現像器が前記像保持体に接触する位置に移動した状態において、前記連動用の被接触部材から離隔し且つ対向して配置された前記連動用の接触部材、
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
潜像を形成する画像書込光を照射する光照射部と、外枠体とを有する前記潜像形成装置と、
前記外枠体に支持され且つ前記像保持体の挿抜を規制する位置と前記像保持体の挿抜が可能な位置との間を移動可能な操作部材であって、前記挿抜を規制する位置において前記潜像形成装置を前記像保持体に接触する位置に移動させ且つ前記挿抜が可能な位置において前記潜像形成装置を前記像保持体から離間した位置に移動させる前記操作部材、を有する前記第2の接離機構と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記外枠体に回転可能に支持され且つ前記挿抜を規制する位置と前記挿抜が可能な位置との間で移動可能に支持された前記操作部材と、前記操作部材に連結され且つ前記外枠体に対して相対移動可能に支持された移動部材と、前記移動部材に連結され且つ前記移動部材の相対移動を回転移動に変換する移動方向の変換部材と、前記移動方向の変換部材に連結され且つ前記光照射部を前記像保持体に対して接近、離隔可能に支持する接離部材と、を有する前記第2の接離機構と、
を備えたことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記操作部材に形成された回転軸部材と、
前記操作部材に回転可能に支持され且つ前記移動部材に回転可能に支持される操作用の連結部材であって、前記操作部材が前記挿抜が可能な位置と前記挿抜を規制する位置との間を移動する間に、前記操作用の連結部材の外面に接触しながら前記回転軸部材が通過する経路上に死点が設定された前記操作用の連結部材と、
を備えたことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2012−247792(P2012−247792A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−161008(P2012−161008)
【出願日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【分割の表示】特願2007−214804(P2007−214804)の分割
【原出願日】平成19年8月21日(2007.8.21)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【分割の表示】特願2007−214804(P2007−214804)の分割
【原出願日】平成19年8月21日(2007.8.21)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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