説明

画像形成装置

【課題】小型化を図ることができ、かつ、廃現像剤の処理に要する手間を軽減することができる、画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナーカートリッジは、感光ドラムに供給されるべきトナーを収容するためのトナー収容室と、廃棄されるべき廃トナーを収容するための廃トナー収容室とを有している。また、感光ドラム上の廃トナーを回収するドラムクリーナが設けられている。また、中間転写ベルト上の廃トナーを回収するベルトクリーナが設けられている。ブラックの感光ドラム上からドラムクリーナに回収された廃トナーは、第1搬送部91および連通部111を経由して、その連通部111と連通する廃トナー収容室に搬送される。また、廃トナー収容室には、中間転写ベルト上からベルトクリーナに回収された廃トナーが第2搬送部101および連通部111を経由して搬送される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラープリンタなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色に対応した感光ドラムが並列に配置される、いわゆるタンデム型の画像形成装置が知られている。このタンデム型の画像形成装置では、各感光ドラムに各色トナー像がほぼ同時に形成される。そして、直接転写方式のものでは、用紙搬送ベルトにより各感光ドラムと順次に対向するように用紙が搬送され、各感光ドラムの各色トナー像が用紙に色重ねして転写されることにより、その用紙にカラー画像が形成される。また、中間転写方式のものでは、各感光ドラムの各色トナー像が色重ねして中間転写ベルトに転写されて、中間転写ベルト上にカラートナー像が形成され、このカラートナー像が用紙に転写されることにより、その用紙にカラー画像が形成される。
【0003】
感光ドラムには、一部のトナーが用紙または中間転写ベルトに転写されずに残ることがある。そのため、タンデム型の画像形成装置の中には、各感光ドラムに対応して、感光ドラムから未転写トナーを回収するためのドラムクリーナを設けたものがある。
【0004】
また、用紙搬送ベルトや中間転写ベルトなどのベルトには、感光ドラムからトナーが転移して付着する。そのため、タンデム型の画像形成装置の中には、ベルト上のトナーなどを回収するためのベルトクリーナを設けたものがある。ベルトクリーナは、たとえば、廃トナーボックスを備えており、ベルトクリーナで回収されたトナー(廃トナー)は、その廃トナーボックスに溜められる。
【0005】
そして、ドラムクリーナおよびベルトクリーナの両方を設けたものでは、ドラムクリーナに回収したトナーをドラムクリーナからベルト上に一旦吐き出させ、そのベルト上のトナーをベルトクリーナで回収することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−171773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ベルトに対する一方側(上方)には、感光ドラムが並べて配置されるので、廃トナーボックスを含むベルトクリーナは、ベルトに対して感光ドラムと反対側(下方)に配置される。ところが、このようなレイアウトでは、画像形成装置におけるベルトと感光ドラムとの対向方向(上下方向)のサイズが大型化する。そのうえ、廃トナーボックスが廃トナーで満杯になったときに、廃トナーボックスを装置内から取り出すために、ベルトを装置内から取り出さなければならず、その作業に手間がかかる。
【0008】
本発明の目的は、小型化を図ることができ、かつ、廃現像剤の処理に要する手間を軽減することができる、画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するため、本発明は、画像形成装置において、第1方向に並列に配置され、前記第1方向と直交する第2方向に延在する複数の感光体と、前記感光体に供給されるべき現像剤を収容するための現像剤収容室および廃棄されるべき廃現像剤を収容するための廃現像剤収容室を有し、各前記感光体に対して着脱可能な複数の現像剤カートリッジと、前記第1方向および前記第2方向に延び、前記複数の感光体に対向する無端状のベルトと、各前記感光体に対応して設けられ、前記感光体上の廃現像剤を回収する複数の第1回収部と、各前記第1回収部に回収された廃現像剤を前記廃現像剤収容室に向けて搬送する第1搬送部と、前記第1方向の最端の前記感光体に対して前記第1方向に隣接して配置され、前記ベルト上の廃現像剤を回収する第2回収部と、前記第2回収部に回収された廃現像剤を前記第2回収部に隣接する前記感光体に対応する前記現像剤カートリッジの前記廃現像剤収容室に向けて搬送する第2搬送部と、前記第1搬送部または前記第2搬送部と前記廃現像剤収容室とを連通する複数の連通部とを備え、前記第1方向の最端の前記感光体に対応する前記現像剤カートリッジの前記廃現像剤収容室に連通する連通部は、前記第1搬送部および前記第2搬送部と前記廃現像剤収容室とを連通することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の感光体は、第1方向に並列に配置され、第1方向と直交する第2方向に延在している。各感光体に対して、現像剤カートリッジが着脱可能に設けられている。現像剤カートリッジは、感光体に供給されるべき現像剤を収容するための現像剤収容室と、廃棄されるべき廃現像剤を収容するための廃現像剤収容室とを有している。また、各感光体に対応して、感光体上の廃現像剤を回収する第1回収部が設けられている。さらに、複数の感光体に対向して、第1方向および第2方向に延びる無端状のベルトが設けられている。また、ベルト上の廃現像剤を回収する第2回収部が設けられている。第2回収部は、第1方向の最端の感光体に対して第1方向に隣接して配置されている。
【0011】
第1回収部に回収された廃現像剤は、第1搬送部により、廃現像剤収容室に向けて搬送される。第2回収部に回収された廃現像剤は、第2搬送部により、第2回収部に隣接する感光体に対応する現像剤カートリッジの廃現像剤収容室に向けて搬送される。各廃現像剤収容室には、連通部が連通している。
【0012】
そして、第1方向の最端の感光体に対応する現像剤カートリッジの廃現像剤収容室に連通する連通部は、第1搬送部および第2搬送部と廃現像剤収容室とを連通している。これにより、第1方向の最端の感光体上から第1回収部に回収された廃現像剤は、第1搬送部および連通部を経由して、その連通部と連通する廃現像剤収容室に搬送される。また、この廃現像剤収容室には、ベルト上から第2回収部に回収された廃現像剤が第2搬送部および連通部を経由して搬送される。そのため、ベルト上から第2回収部に回収された廃現像剤を溜めておくための廃現像剤ボックスが別途不要である。したがって、画像形成装置の小型化を図ることができる。また、第1方向の最端の感光体に対応する現像剤カートリッジの交換により、感光体上から回収された廃現像剤およびベルト上から回収された廃現像剤を一度に処理することができる。しかも、現像剤カートリッジの交換のためにベルトを移動させる必要がないので、廃現像剤の処理に要する手間が大幅に軽減される。
【0013】
よって、画像形成装置の小型化を図ることができ、かつ、廃現像剤の処理に要する手間を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るカラープリンタの断面図であり、ドロワフレームが収容位置に位置する状態を示す。
【図2】図2は、図1に示されるカラープリンタの断面図であり、ドロワフレームが引出位置に位置する状態を示す。
【図3】図3は、図1に示されるカラープリンタの断面図であり、引出位置に位置するドロワフレームからドラムユニットが離脱された状態を示す。
【図4】図4は、図1に示されるカラープリンタの断面図であり、引出位置に位置するドロワフレームから1つのトナーカートリッジが離脱された状態を示す。
【図5】図5は、図1に示されるドラムユニットおよびトナーカートリッジの正面図(前側から見た図)である。
【図6】図6は、図1に示されるドラムユニットの正面図(前側から見た図)である。
【図7】図7は、図1に示されるドラムユニットおよびトナーカートリッジの断面図であり、トナー収容室と現像室とが連通している状態を示す。
【図8】図8は、図1に示されるドラムユニットおよびトナーカートリッジの断面図であり、トナー収容室と現像室とが連通していない状態を示す。
【図9】図9は、図7に示される切断線A−Aにおけるドラムユニットの断面図である。
【図10】図10は、図7に示される切断線B−Bにおけるドラムユニットの断面図である。
【図11】図11は、図1に示されるドラムユニットの左側面図である。
【図12】図12は、図11に示されるドラムユニットの断面図である。
【図13】図13は、図5に示されるトナーカートリッジおよび連通部の断面図であり、連通部がトナーカートリッジに結合されていない状態を示す。
【図14】図14は、図5に示されるトナーカートリッジおよび連通部の断面図であり、連通部がトナーカートリッジに結合された状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
1.カラープリンタ
図1に示されるカラープリンタ1は、中間転写方式のタンデム型カラープリンタである。カラープリンタ1は、装置本体の一例としての本体ケーシング2を備えている。本体ケーシング2内には、平面視四角枠状のドロワフレーム3が備えられている。本体ケーシング2の前面には、フロントカバー4が開閉可能に設けられている。そして、ドロワフレーム3は、フロントカバー4を開けた状態で、本体ケーシング2内の収容位置(図1に示されるドロワフレーム3の位置)と本体ケーシング2外の引出位置(図2に示されるドロワフレーム3の位置)との間で水平方向に移動させることができる。
【0016】
なお、フロントカバー4が設けられている側(図1における右側)をカラープリンタ1の前側(正面側)とする。また、カラープリンタ1の上下左右に関しては、カラープリンタ1を前側から見たときを基準とする。また、ドロワフレーム3の前後上下左右については、本体ケーシング2に装着された状態を基準とする。
【0017】
ドロワフレーム3には、4つのドラムユニット5が保持されている。4つのドラムユニット5は、それぞれブラック、イエロー、マゼンタおよびシアン用として設けられ、後側からブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンの順に前後方向に並べて配置されている。
【0018】
各ドラムユニット5は、図3に示されるように、ドロワフレーム3が引出位置に位置する状態において、ドロワフレーム3に対してその上方から着脱可能に構成されている。具体的には、ドロワフレーム3の図示されない左側板の右側面および右側板302の左側面には、前下がりに傾斜して延びる案内溝7が形成されている。後述の感光ドラム8の回転軸801が案内溝7に上方から差し入れられて、その回転軸801が案内溝7内を移動することにより、ドラムユニット5が案内溝7に案内されつつドロワフレーム3に装着される。また、ドラムユニット5がドロワフレーム3に装着された状態から、ドラムユニット5が引き上げられて、ドラムユニット5の所定部が案内溝7内を上方に移動することにより、ドラムユニット5が案内溝7に案内されつつドロワフレーム3から離脱される。
【0019】
各ドラムユニット5には、感光体の一例としての感光ドラム8が左右方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に保持されている。また、各ドラムユニット5には、帯電ローラ9、現像器10および第1回収部の一例としてのドラムクリーナ11が保持されている。帯電ローラ9、現像器10およびドラムクリーナ11は、感光ドラム8の周囲に配置されている。具体的には、帯電ローラ9は、感光ドラム8の上方であって、感光ドラム8の回転軸線を含む鉛直面に対して少し前側の位置に配置されている。現像器10は、その下端部が感光ドラム8に対して後側から対向するように配置されている。ドラムクリーナ11は、感光ドラム8に対して前側から対向する位置に配置されている。また、最後方のブラックのドラムユニット5には、第2回収部の一例としてのベルトクリーナ12が保持されている。
【0020】
各現像器10の上方には、現像剤カートリッジの一例としてのトナーカートリッジ13が装着される。現像器10には、トナーカートリッジ13から現像剤の一例であるトナーが供給される。トナーカートリッジ13は、図3に示されるように、ドロワフレーム3が引出位置に位置する状態において、ドラムユニット5と一体的にドロワフレーム3に対して着脱することができる。また、図4に示されるように、ドロワフレーム3が引出位置に位置する状態において、ドラムユニット5をドロワフレーム3に残したまま、トナーカートリッジ13を単体でドロワフレーム3に対して着脱させることも可能である。
【0021】
本体ケーシング2内の最上部には、各色に対応した4本のレーザビームを出射する露光器14が配置されている。
【0022】
画像形成時において、感光ドラム8は、左側から見て反時計回りに回転される。感光ドラム8の回転に伴って、感光ドラム8の表面は、帯電ローラ9の働きにより一様に帯電された後、露光器14からのレーザビームにより選択的に露光される。この露光によって、感光ドラム8の表面から電荷が選択的に除去され、感光ドラム8の表面に静電潜像が形成される。静電潜像は、現像器10からのトナーの供給によりトナー像に現像される。
【0023】
なお、露光器14に代えて、4つのLEDアレイが各感光ドラム8に対応して設けられてもよい。
【0024】
また、本体ケーシング2内には、上下方向の中央より少し下方の位置に、ベルトの一例としての中間転写ベルト15が設けられている。中間転写ベルト15は、3つのローラ16,17,18に巻回された無端状のベルトである。2つのローラ16,17は、上下方向において同じ位置に配置され、前後方向にドロワフレーム3の前後方向の長さとほぼ等しい間隔を空けて配置されている。残りの1つのローラ18は、後側のローラ17の前下方の位置に配置されている。これにより、中間転写ベルト15は、2つのローラ16,17の各上端間において、前後方向および左右方向に延びる平面状部分19を有している。この平面状部分19は、4つの感光ドラム8およびベルトクリーナ12の第1クリーニングローラ75と接触している。第1クリーニングローラ75については、後述する。
【0025】
中間転写ベルト15の平面状部分19を挟んで各感光ドラム8と対向する位置には、1次転写ローラ20が配置されている。
【0026】
画像形成時において、中間転写ベルト15は、左側から見て時計回りに周回走行する。各感光ドラム8の表面に形成されたトナー像は、各1次転写ローラ20の働きにより、ブラックのトナー像から順に互いに重ね合わせて中間転写ベルト15に転写される。これにより、中間転写ベルト15上には、各色のトナー像の重ね合わせによるカラートナー像が形成される、
また、中間転写ベルト15を挟んで後側のローラ17と対向する位置には、2次転写ローラ21が配置されている。2次転写ローラ21は、中間転写ベルト15に接触している。
【0027】
本体ケーシング2の底部には、用紙を収容する給紙カセット22が配置されている。給紙カセット22に収容されている用紙は、各種ローラにより、中間転写ベルト15と2次転写ローラ21との接触部分に向けて搬送される。中間転写ベルト15上のトナー像は、2次転写ローラ21の働きにより、中間転写ベルト15と2次転写ローラ21との間を通過する用紙に転写される。
【0028】
収容位置に位置するドロワフレーム3の後方には、定着器23が設けられている。トナー像が転写された用紙は、定着器23に搬送される。定着器23では、加熱および加圧により、トナー像が用紙に定着される。トナー像が定着した用紙は、各種ローラにより、本体ケーシング2の上面の排紙トレイ24に排出される。
2.ドラムユニット
(1)側板
図5,6に示されるように、ドラムユニット5は、左右方向に間隔を空けて対向するドラムフレームの一例としての左側板31および右側板32を有している。帯電ローラ9、現像器10、ドラムクリーナ11およびベルトクリーナ12(図1参照)は、左側板31および右側板32により、その左右両側から挟まれた状態で一括して保持されている。左側板31は、トナーカートリッジ13に対して左側から対向する高さに形成されている。一方、右側板32は、現像器10に対して右側から対向し、現像器10の上方の空間(トナーカートリッジ13が装着される空間)を右側に開放するような高さに形成されている。
【0029】
なお、ドラムユニット5の構成について、ブラックのドラムユニット5のみを取り上げて説明する。イエロー、マゼンタおよびシアンのドラムユニット5は、ベルトクリーナ12および後述の第2搬送部101を備えていない点を除いて、ブラックのドラムユニット5と同様の構成を有している。
(2)現像器
図7,8に示されるように、現像器10は、現像フレーム41を備えている。現像フレーム41は、左側板31と右側板32との間に架設されている。現像フレーム41には、現像室42が形成されている。現像室42は、その下端部が感光ドラム8に向かって開放されている。
【0030】
現像室42内の下端部には、現像ローラ43が配置されている。現像ローラ43は、左右方向に延びる軸線を中心とする円柱状の現像ローラ本体44と、現像ローラ本体44にその中心軸線に沿って挿通される現像ローラ軸45とを有している。現像ローラ本体44の周面の一部は、外部に露出して、感光ドラム8の周面に接触している。現像ローラ軸45は、現像フレーム41の左右の側板に回転可能に支持されている。また、現像ローラ軸45は、現像フレーム41の左右の側板のさらに外側から挟まれるように、左側板31と右側板32とに支持される。
【0031】
また、現像室42内には、供給ローラ46が設けられている。供給ローラ46は、左右方向に延びる軸線を中心とする円柱状の供給ローラ本体47と、供給ローラ本体47にその中心軸線に沿って挿通される供給ローラ軸48とを有している。そして、供給ローラ46は、供給ローラ本体47が現像ローラ本体44に対して後上方から接触するように配置されている。供給ローラ軸48は現像フレーム41の側板に回転可能に支持されている。
【0032】
さらに、現像室42内には、薄板状の層厚規制ブレード49が設けられている。層厚規制ブレード49の一端部は、現像フレーム41に保持され、その反対側の他端部は、層厚規制ブレード49の撓み変形により移動可能な遊端部とされている。そして、層厚規制ブレード49の遊端部は、現像ローラ本体44に上方から接触している。
【0033】
また、現像室42内には、供給ローラの前上方に、オーガ50が設けられている。オーガ50は、左右方向に延びるオーガ軸51の周囲に螺旋状のオーガスクリュー52が形成された構成を有している。オーガ軸51は、左側板31および右側板32に回転可能に支持されている。
【0034】
トナーカートリッジ13内から現像室42内に供給されるトナーは、オーガ50の回転により、左右方向に搬送されて分散される。供給ローラ46の回転に伴って、供給ローラ本体47上から現像ローラ本体44上にトナーが供給される。現像ローラ本体44上のトナーは、現像ローラ43の回転に伴って、層厚規制ブレード49の遊端部との間に進入し、その厚さが規制されることにより、現像ローラ本体44上に薄層となって担持される。
【0035】
また、現像フレーム41は、現像室42とトナーカートリッジ13が装着されるスペースとの間に、現像室42側に向けて円弧状に板状の仕切壁53を有している。仕切壁53における周方向の中央部には、現像室42内と連通する連通口54が貫通して形成されている。オーガ50は、その連通口54と対向する位置に配置されている。
【0036】
仕切壁53上には、現像側シャッタ55が設けられている。現像側シャッタ55は、仕切壁53にほぼ沿うように現像室42側に向けて円弧状に凸湾曲した板状をなしている。現像側シャッタ55には、連通口54に対応してシャッタ開口56が形成されている。そして、現像側シャッタ55は、仕切壁53に沿って、シャッタ開口56が連通口54に対向する開放位置とシャッタ開口56が連通口54と対向しない閉塞位置との間で移動可能である。
(3)ドラムクリーナ
ドラムクリーナ11は、ドラムクリーナ筐体61を備えている。ドラムクリーナ筐体61は、左側板31と右側板32との間に架設されている。ドラムクリーナ筐体61は、感光ドラム8に対してその左右方向の全幅にわたって対向するクリーナ開口62を有している。そして、ドラムクリーナ筐体61内には、クリーナ開口62に連通する廃トナー搬送室63が形成されている。
【0037】
廃トナー搬送室63内には、図7〜9に示されるように、オーガ64が設けられている。オーガ64は、左右方向に延びるオーガ軸65の周囲に螺旋状のオーガスクリュー66が形成された構成を有している。ドラムクリーナ筐体61には、図9に示されるように、廃トナー搬送室63を右側から閉塞する右側壁67が形成されており、オーガ軸65の右端部は、右側壁67を貫通して、右側壁67に回転可能に支持されている。一方、オーガ軸65の左端部は、後述の対向壁92により回転可能に支持されている。
【0038】
また、図7,8に示されるように、ドラムクリーナ11は、スクレーパ69を備えている。スクレーパ69は、上下方向および左右方向に延びる板状をなし、その上端部がドラムクリーナ筐体61に固定されて、下端部がクリーナ開口62内において感光ドラム8の周面に当接している。
【0039】
感光ドラム8から中間転写ベルト15(図1参照)へのトナー像の転写後に感光ドラム8の周面に残ったトナーは、感光ドラム8の回転に伴って、スクレーパ69と対向したときに、スクレーパ69により廃トナー(廃棄されるべきトナー)として感光ドラム8の周面上から掻き落とされる。その掻き落とされた廃トナーは、クリーナ開口62を介して廃トナー搬送室63内に受け取られる。そして、オーガ64が回転されると、オーガ64(オーガスクリュー66)により、廃トナー搬送室63内を廃トナーが左方に搬送される。
(4)ベルトクリーナ
ベルトクリーナ12は、ベルトクリーナ筐体71を備えている。ベルトクリーナ筐体71は、上方に向かって凸湾曲した断面略円弧状の第1周壁72と、第1周壁72の前端部に連続し、下方に向かって凸湾曲した断面略U字状の第2周壁73とを有している。図10に示されるように、第1周壁72および第2周壁73の各左端部は、左側板31に接続されている。また、ベルトクリーナ筐体71は、第1周壁72および第2周壁73を右側から閉塞する右側壁74を有している。右側壁74と右側板32との間には、間隔が空けられている。
【0040】
そして、ベルトクリーナ筐体71には、図7,8に示されるように、第1周壁72の後端部と第2周壁73の後端部との間に、クリーニングローラの一例としての第1クリーニングローラ75が設けられている。第1クリーニングローラ75は、左右方向に延びる軸線を中心とする円柱状のクリーニングローラ本体76と、クリーニングローラ本体76にその中心軸線に沿って挿通されるクリーニングローラ軸77とを有している。クリーニングローラ軸77は、ベルトクリーナ筐体71に回転可能に支持されている。
【0041】
また、ベルトクリーナ筐体71には、第1周壁72に囲まれるローラ収容室78と、第2周壁73に囲まれる廃トナー搬送室79とが形成されている。
【0042】
ローラ収容室78内には、第2クリーニングローラ80が設けられている。第2クリーニングローラ80は、左右方向に延びる軸線を中心とする円柱状のクリーニングローラ本体81と、クリーニングローラ本体81にその中心軸線に沿って挿通されるクリーニングローラ軸82とを有している。クリーニングローラ本体81は、第1クリーニングローラ75のクリーニングローラ本体76に対して前上方から接触している。図10に示されるように、クリーニングローラ軸82の右端部は、右側板32に回転可能に支持され、その左端部は、ベルトクリーナ筐体71に回転可能に支持されている。
【0043】
廃トナー搬送室79内には、図7,8,10に示されるように、第3搬送部の一例としてのオーガ83が設けられている。オーガ83は、左右方向に延びるオーガ軸84の周囲に螺旋状のオーガスクリュー85が形成された構成を有している。図10に示されるように、オーガ軸84の右端部は、右側壁74を貫通して、右側板32に回転可能に支持されており、その左端部は、後述の対向壁102により回転可能に支持されている。
【0044】
また、図7,8に示されるように、ローラ収容室78と廃トナー搬送室79との境界部には、スクレーパ86が設けられている。スクレーパ69は、板状をなし、その上端部がベルトクリーナ筐体71に固定されて、下端部が第2クリーニングローラ80のクリーニングローラ本体81の周面に対して前下方から当接している。
【0045】
第1クリーニングローラ75のクリーニングローラ本体76は、中間転写ベルト15(図1参照)に接触している。また、図1に示されるように、中間転写ベルト15を挟んで第1クリーニングローラ75と対向する位置には、バックアップローラ87が配置されている。
【0046】
中間転写ベルト15から用紙へのトナー像の転写後に中間転写ベルト15上に残ったトナー(廃トナー)は、中間転写ベルト15の周回走行に伴って、第1クリーニングローラ75のクリーニングローラ本体76と対向したときに、そのクリーニングローラ本体76の周面上に転移する。このクリーニングローラ本体76の周面上に転移した廃トナーは、第2クリーニングローラ80のクリーニングローラ本体81の周面上にさらに転移する。そして、クリーニングローラ本体81上の廃トナーは、スクレーパ86と対向したときに、スクレーパ86によりクリーニングローラ本体81上から掻き落とされる。その掻き落とされた廃トナーは、廃トナー搬送室79内に受け取られる。そして、オーガ83が回転されると、オーガ83(オーガスクリュー85)により、廃トナー搬送室79内を廃トナーが左方に搬送される。
【0047】
なお、ベルトクリーナ12に代えて、スクレーパを中間転写ベルト15に摺擦させて、中間転写ベルト15から廃トナーを掻き取る構成のものが採用されてもよい。
(5)第1搬送部
図11に示されるように、左側板31の左側面には、第1搬送部91が設けられている。第1搬送部91は、左側板31の前下端部から後上方に向けて延び、その上端部が左側板31の上端部に配置される長手状をなしている。そして、第1搬送部91は、左側板31に対して間隔を空けて対向する対向壁92と、対向壁92の周縁の全周に沿って形成された周壁93とを有している。対向壁92と左側板31との間に挟まれる空間94は、図12に示されるように、周壁93によりその周囲が取り囲まれて閉塞され、廃トナーを搬送する廃トナー搬送空間とされている。
【0048】
廃トナー搬送空間94内の上端部および下端部には、それぞれベルト軸95,96が配置されている。ベルト軸95,96は、左右方向に延び、対向壁92に回転可能に支持されている。そして、ベルト軸95,96には、その外周面に多数の突条97を有するトナー搬送ベルト98が巻回されている。突条97は、トナー搬送ベルト98の周方向に一定間隔を空けて形成されている。
【0049】
図9に示されるように、廃トナー搬送空間94は、ドラムクリーナ11の廃トナー搬送室63内と連通している。これにより、オーガ64により廃トナー搬送室63内を左方に搬送される廃トナーは、廃トナー搬送室63内から廃トナー搬送空間94に流入する。そして、廃トナー搬送空間94に流入する廃トナーは、トナー搬送ベルト98の周回走行に伴って、突条97により上方へ運ばれる。トナー搬送ベルト98は、左側から見て時計回りに周回走行される。
【0050】
なお、ベルト軸95の左端部は、対向壁92から左側に突出しており、その突出した部分には、図11に示されるように、ギヤ99が取り付けられている。
(6)第2搬送部
図11に示されるように、左側板31の左側面には、第2搬送部101が設けられている。第2搬送部101は、左側板31の後下端部から前上方に向けて延び、その上端部が左側板31の上端部に配置される長手状をなしている。そして、第2搬送部101は、左側板31に対して間隔を空けて対向する対向壁102と、対向壁102の周縁の全周に沿って形成された周壁103とを有している。対向壁102と左側板31との間に挟まれる空間104は、図12に示されるように、周壁103によりその周囲が取り囲まれて閉塞され、廃トナーを搬送する廃トナー搬送空間とされている。
【0051】
廃トナー搬送空間104内の上端部および下端部には、それぞれベルト軸105,106が配置されている。ベルト軸105,106は、左右方向に延び、対向壁102に回転可能に支持されている。そして、ベルト軸105,106には、その外周面に多数の突条107を有するトナー搬送ベルト108が巻回されている。突条107は、トナー搬送ベルト108の周方向に一定間隔を空けて形成されている。
【0052】
図10に示されるように、廃トナー搬送空間104は、ベルトクリーナ12の廃トナー搬送室79内と連通している。これにより、オーガ83により廃トナー搬送室79内を左方に搬送される廃トナーは、廃トナー搬送室79内から廃トナー搬送空間104に流入する。そして、廃トナー搬送空間104に流入する廃トナーは、トナー搬送ベルト108の周回走行に伴って、突条107により上方へ運ばれる。トナー搬送ベルト108は、左側から見て時計回りに周回走行される。
【0053】
なお、ベルト軸105の左端部は、対向壁102から左側に突出しており、その突出した部分には、図11に示されるように、ギヤ109が取り付けられている。
(7)連通部
図12に示されるように、左側板31には、第1搬送部91の上端部と第2搬送部102の上端部との間に、連通部111が設けられている。連通部111は、図13に示されるように、中空円柱状をなしており、左側板31を貫通している。
【0054】
図12に示されるように、連通部111における左側板31に対して左側に突出する部分において、その周壁には、第1搬送部91および第2搬送部102内と連通部111内とをそれぞれ連通させるための連通口112,113が貫通して形成されている。
【0055】
また、図13に示されるように、連通部111における左側板31に対して右側に突出する部分において、その周壁の下端部には、接続口114が貫通して形成されている。
【0056】
そして、連通部111における左側板31に対して右側に突出する部分の周囲には、円筒状のシャッタ115が外嵌されている。シャッタ115は、連通部111の周面に沿って左右方向に移動可能に設けられており、シャッタ115と左側板31との間に介在されるコイルばね116により、右方に付勢されている。
【0057】
また、連通部111内には、オーガ117が収容されている。オーガ117は、左右方向に延びるオーガ軸118の周囲に螺旋状のオーガスクリュー119が形成された構成を有している。図11に示されるように、オーガ軸118の左端部は、連通部111から左側に突出し、その突出した部分には、ギヤ120が取り付けられている。
【0058】
トナー搬送ベルト98により第1搬送部91の廃トナー搬送空間94を上方に搬送される廃トナーは、連通口112を介して、連通部111内に流入する。また、トナー搬送ベルト108により第2搬送部101の廃トナー搬送空間104を上方に搬送される廃トナーは、連通口113を介して、連通部111内に流入する。そして、ギヤ120に駆動力が入力されて、オーガ117が回転されると、オーガ117(オーガスクリュー119)により、連通部111内を廃トナーが右方に搬送される。
【0059】
また、ギヤ120には、ギヤ99,109が噛合しており、ギヤ120に入力される駆動力は、ギヤ99,109に伝達されて、トナー搬送ベルト98,108を周回走行させる。
3.トナーカートリッジ
図7,8に示されるように、トナーカートリッジ13は、中空円柱状の内側筐体121と、内側筐体121を収容する中空円柱状の外側筐体122とを備えている。
【0060】
内側筐体121内には、分割壁123が形成されている。この分割壁123により、内側筐体121内の空間は、現像器10に供給すべきトナーを収容するための現像剤収容室の一例としてのトナー収容室124と、廃トナーを収容するための廃現像剤収容室の一例としての廃トナー収容室125とに分割されている。
【0061】
内側筐体121には、トナー収容室124の内外を連通させる内側開口126が貫通して形成されている。内側開口126は、トナーカートリッジ13が現像フレーム41の仕切壁53の上方に装着された状態において、その仕切壁53に形成されている連通口54と対向する位置に配置されている。
【0062】
また、図13,14に示されるように、内側筐体121の左端面には、内側筐体121の内部に向けて凹んだ凹部127が形成されている。この凹部127は、側面視円形状をなし、連通部111の外径より大きく、かつ、シャッタ115の外径より小さい内径を有している。凹部127の下端部には、下方に向けて開放され、廃トナー収容室125内と連通する戻し口128が形成されている。
【0063】
そして、凹部127内には、戻し口128を開閉するためのシャッタ129が左右方向に移動可能に配置されている。シャッタ129は、凹部127の内径とほぼ等しい外径を有する円筒部130と、円筒部130の左端を閉塞する当接部131とを一体的に有している。当接部131と凹部127との間には、コイルばね132が介在されており、シャッタ129は、コイルばね132によって、左方に付勢されている。
【0064】
図7,8に示されるように、トナー収容室124内には、アジテータ133が収容されている。アジテータ133は、左右方向に延びるアジテータ軸134と、アジテータ軸134に保持された攪拌フィルム135とを備えている。
【0065】
また、廃トナー収容室125内には、第4搬送部の一例としてのオーガ136が収容されている。オーガ136は、左右方向に延びるオーガ軸137の周囲に螺旋状のオーガスクリュー138が形成された構成を有している。
【0066】
外側筐体122の周面には、外側開口139が形成されている。外側開口139は、左右方向において、内側開口126と同じ位置に配置されている。したがって、内側筐体121に対して外側筐体122が回動されることにより、内側開口126と外側開口139とが互いに対向して連通する状態と、内側開口126と外側開口139とが対向しない状態とを取り得る。また、外側開口139は、トナーカートリッジ13が現像フレーム41の仕切壁53の上方に装着された状態において、現像側シャッタ55のシャッタ開口56と互いに対向して連通する。
4.トナーカートリッジの装着
トナーカートリッジ13は、現像フレーム41の仕切壁53の上方のスペースに対して右側から装着される。すなわち、トナーカートリッジ13の装着の際には、トナーカートリッジ13は、仕切壁53の上方のスペースに対する右側から、そのスペースに向けて左方に移動される。そして、図13に示されるように、内側筐体121の左端面の凹部127内に連通部111が挿入されるように、凹部127と連通部111とが位置合わせされる。この位置合わせがなされた状態で、連通部111に外嵌されたシャッタ115は、凹部127の周縁部に対向する。
【0067】
トナーカートリッジ13の移動が進むと、図14に示されるように、シャッタ115が凹部127の周縁部に当接し、シャッタ115の凹部127内への進入が阻止される一方で、連通部111が凹部127内に挿入される。凹部127内への連通部111の挿入に伴って、連通部111によりシャッタ129が右方に押圧され、シャッタ129がコイルばね132の付勢力に抗して右方へ移動する。そして、シャッタ129が凹部127内の右端部まで移動すると、トナーカートリッジ13の装着が完了する。この状態で、連通部111の接続口114がトナーカートリッジ13の戻し口128に対向し、連通部111内とトナーカートリッジ13の廃トナー収容室125内とが接続口114および戻し口128を介して連通する。
【0068】
そのため、オーガ117により連通部111内を右方に搬送される廃トナーは、接続口114および戻し口128を介して、廃トナー収容室125内に流入する。そして、廃トナー収容室125内のオーガ136が回転されると、オーガ136により、廃トナー収容室125内に流入した廃トナーが右方へ搬送される。これにより、廃トナー収容室125内で、廃トナーが左右方向において均一化される。
【0069】
また、トナーカートリッジ13が仕切壁53の上方のスペースに装着された直後の状態では、図8に示されるように、仕切壁53に形成されている連通口54と現像側シャッタ55のシャッタ開口56とが対向せず、また、内側筐体121の内側開口126と外側筐体122の外側開口139とが対向していない。
【0070】
この状態から、外側筐体122が左側から見て反時計回りに回動される。トナーカートリッジ13が仕切壁53の上方のスペースに装着された状態では、外側筐体122が現像側シャッタ55に結合される。そのため、外側筐体122が回動されると、外側筐体122とともに現像側シャッタ55が移動する。外側筐体122は、外側開口139が内側開口126と対向する位置まで回動される。その結果、図7に示されるように、外側開口139が内側開口126に対向し、現像側シャッタ55のシャッタ開口56が仕切壁53に形成されている連通口54に対向する。これにより、トナー収容室124内と現像室42内とが連通し、トナー収容室124内に収容されているトナーが現像室42内に供給される。
4.作用効果
(1)作用効果1
以上のように、4つの感光ドラム8は、前後方向に並列に配置され、左右方向に延在している。各感光ドラム8に対して、トナーカートリッジ13が着脱可能に設けられている。トナーカートリッジ13は、感光ドラム8に供給されるべきトナーを収容するためのトナー収容室124と、廃棄されるべき廃トナーを収容するための廃トナー収容室125とを有している。また、各感光ドラム8に対応して、感光ドラム8上の廃トナーを回収するドラムクリーナ11が設けられている。さらに、4つの感光ドラム8に対向して、前後方向および左右方向に延びる無端状の中間転写ベルト15が設けられている。また、中間転写ベルト15上の廃トナーを回収するベルトクリーナ12が設けられている。ベルトクリーナ12は、最後方のブラックの感光ドラム8に対して後方(第1方向)に隣接して配置されている。
【0071】
ドラムクリーナ11に回収された廃トナーは、第1搬送部91により、廃トナー収容室125に向けて搬送される。ベルトクリーナ12に回収された廃トナーは、第2搬送部101により、ベルトクリーナ12に隣接する感光ドラム8に対応するトナーカートリッジ13の廃トナー収容室125に向けて搬送される。各廃トナー収容室125には、連通部111が連通している。
【0072】
そして、最後方のブラックの感光ドラム8に対応するトナーカートリッジ13の廃トナー収容室125に連通する連通部111は、第1搬送部91および第2搬送部101と廃トナー収容室125とを連通している。これにより、ブラックの感光ドラム8上からドラムクリーナ11に回収された廃トナーは、第1搬送部91および連通部111を経由して、その連通部111と連通する廃トナー収容室125に搬送される。また、この廃トナー収容室125には、中間転写ベルト15上からベルトクリーナ12に回収された廃トナーが第2搬送部101および連通部111を経由して搬送される。そのため、中間転写ベルト15上からベルトクリーナ12に回収された廃トナーを溜めておくための廃トナーボックスが別途不要である。したがって、カラープリンタ1の小型化を図ることができる。また、ブラックの感光ドラム8に対応するトナーカートリッジ13の交換により、感光ドラム8上から回収された廃トナーおよび中間転写ベルト15上から回収された廃トナーを一度に処理することができる。しかも、トナーカートリッジ13の交換のために中間転写ベルト15を移動させる必要がないので、廃トナーの処理に要する手間が大幅に軽減される。
【0073】
よって、カラープリンタ1の小型化を図ることができ、かつ、廃トナーの処理に要する手間を軽減することができる。
(2)作用効果2
連通部111は、トナーカートリッジ13における左端部に接続されている。そのため、ドラムクリーナ11およびベルトクリーナ12に回収された廃トナーをトナーカートリッジ13に対する左側に集め、連通部111を介して、トナーカートリッジ13における左端部から廃トナー収容室125に送り込むことができる。
(3)作用効果3
ベルトクリーナ12は、中間転写ベルト15上から回収された廃トナーを第2搬送部101に向けて左方(第2方向)に搬送するオーガ83とを備えている。そのため、中間転写ベルト15上から回収された廃トナーをオーガ83により第2搬送部101に向けて搬送することができる。
(4)作用効果4
トナーカートリッジ13の廃トナー収容室125内には、連通部111から廃トナー収容室125内に流入する廃トナーを右方に搬送するオーガ136が設けられている。そのため、廃トナー収容室125内で、廃トナーを左右方向において分散させて均一化することができる。その結果、廃トナー収容室125内における連通部111の近傍に廃トナーが溜まることを防止でき、連通部111から廃トナー収容室125内への廃トナーの円滑な流入を確保することができる。
(5)作用効果5
各感光ドラム8は、左側板31および右側板32に個別に保持されている。そして、左側板31および右側板32により、ドラムクリーナ11、ベルトクリーナ12、連通部111、第1搬送部91および第2搬送部101が保持されている。より具体的には、最後方のブラックの感光ドラム8を保持する左側板31および右側板32には、その感光ドラム8に対して後方に隣接したドラムクリーナ11、ベルトクリーナ12、第1搬送部91および第2搬送部101が保持されている。一方、その他の感光ドラム8を保持する左側板31および右側板32には、当該感光ドラム8に対応するドラムクリーナ11および第1搬送部91が保持されている。そのため、ブラックの感光ドラム8、ドラムクリーナ11、ベルトクリーナ12、第1搬送部91および第2搬送部101を1つのユニットとして取り扱うことができ、その他の感光ドラム8、ドラムクリーナ11および第1搬送部91を感光ドラム8ごとに1つのユニットとして取り扱うことができる。
(6)作用効果6
4つのトナーカートリッジ13は、本体ケーシング2内から前方に一体的に引出可能に設けられている。そのため、本体ケーシング2内の最奥部に配置されるブラックのトナーカートリッジ13もその着脱が容易である。
【符号の説明】
【0074】
1 カラープリンタ
2 本体ケーシング
8 感光ドラム
11 ドラムクリーナ
12 ベルトクリーナ
13 トナーカートリッジ
15 中間転写ベルト
31 左側板
32 右側板
75 第1クリーニングローラ
83 オーガ
91 第1搬送部
124 トナー収容室
125 廃トナー収容室
101 第2搬送部
111 連通部
136 オーガ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に並列に配置され、前記第1方向と直交する第2方向に延在する複数の感光体と、
前記感光体に供給されるべき現像剤を収容するための現像剤収容室および廃棄されるべき廃現像剤を収容するための廃現像剤収容室を有し、各前記感光体に対して着脱可能な複数の現像剤カートリッジと、
前記第1方向および前記第2方向に延び、前記複数の感光体に対向する無端状のベルトと、
各前記感光体に対応して設けられ、前記感光体上の廃現像剤を回収する複数の第1回収部と、
各前記第1回収部に回収された廃現像剤を前記廃現像剤収容室に向けて搬送する第1搬送部と、
前記第1方向の最端の前記感光体に対して前記第1方向に隣接して配置され、前記ベルト上の廃現像剤を回収する第2回収部と、
前記第2回収部に回収された廃現像剤を前記第2回収部に隣接する前記感光体に対応する前記現像剤カートリッジの前記廃現像剤収容室に向けて搬送する第2搬送部と、
前記第1搬送部または前記第2搬送部と前記廃現像剤収容室とを連通する複数の連通部とを備え、
前記第1方向の最端の前記感光体に対応する前記現像剤カートリッジの前記廃現像剤収容室に連通する連通部は、前記第1搬送部および前記第2搬送部と前記廃現像剤収容室とを連通する、画像形成装置。
【請求項2】
前記連通部は、前記現像剤カートリッジにおける前記第2方向の端部に接続されている、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2回収部は、
前記ベルトに接触し、前記ベルト上から廃現像剤を除去するクリーニングローラと、
前記クリーニングローラにより除去された廃現像剤を前記第2搬送部に向けて前記第2方向に搬送する第3搬送部とを備える、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記現像剤カートリッジは、前記廃現像剤収容室内に配置され、前記連通部から前記廃現像剤収容室内に流入する廃現像剤を前記第2方向と逆方向に搬送する第4搬送部を備える、請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記感光体を保持するドラムフレームを備え、
前記第1回収部、前記第2回収部、前記連通部、前記第1搬送部および前記第2搬送部は、前記ドラムフレームに保持されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ドラムフレームは、前記第1方向の最端の前記感光体、当該感光体に対して前記第1方向に隣接した前記第1回収部、前記第2回収部、前記第1搬送部および前記第2搬送部を保持する、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
装置本体を備え、
前記複数の現像剤カートリッジは、前記装置本体内から一体的に引出可能に設けられている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記複数の現像剤カートリッジは、前記装置本体内から前記第1方向と逆方向に一体的に引出可能に設けられている、請求項7に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−32610(P2012−32610A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171999(P2010−171999)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】