説明

異常光コンダクタンス(EOC)効果に基づく高分解能光子検出の方法および装置

本発明者らは、半導体/金属界面を有する金属半導体ハイブリッド(MSH)構造において、異常光コンダクタンス(EOC)現象、および好ましくは逆EOC(I−EOC)現象に基づいて室温で機能する、好ましくはナノスケール寸法の、新規な高性能光学センサを開示する。このような設計は、ベア半導体によって示されることのない、効率的な光子検知を示す。例示的実施形態を用いる実験において、ヘリウム−ネオンレーザ放射を用いる超高空間分解能4点光コンダクタンス測定は、250nm装置について、観測された最大測定値が9460%という、著しく大きい光コンダクタンス性能を明らかにした。このような例示的EOC装置はまた、632nm照射で5.06×1011cm√Hz/Wよりも高い固有検出能、および40dBの高い動的応答を実証しており、このようなセンサを広範囲な実際的応用に対して技術的に優位にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、その全開示内容が参照によって本願に組み込まれる、2010年1月8日出願の、係属中の米国仮特許出願第61/293,442号明細書の優先権を主張する。
【0002】
本願は、2009年1月30日出願の、係属中の米国特許出願第12/375,861号明細書に関し、これは2007年7月31日出願のPCT特許出願第PCT/US07/74864号明細書の米国内出願であり、これは2006年8月1日出願の米国仮特許出願第60/821,040号明細書の優先権を主張し、これらの各々の全開示内容は参照により本願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
異常光コンダクタンス(EOC)は、金属半導体ハイブリッド(MSH)構造によって示される幾何学的形状駆動型界面「EXX」現象の階級の最近の一例であり、ここで:
E=異常(extraordinary);ならびに
XX=磁気抵抗(MR)、圧電コンダクタンス(PC)、光コンダクタンス(OC)、および電気コンダクタンス(EC)などの界面現象のタイプである。
【0004】
上記で参照され組み込まれた関連特許出願を参照されたい;また、その各々の全開示内容が参照により本願に組み込まれる、Wielandらによる「Extraordinary optoconductance in metal−semiconductor hybrid structures」,Appl.Phys.Lett.88,052105(2006);Solinらによる「Enhanced Room−Temperature Geometric Magnetoresistance in Inhomogeneous Narrow−Gap Semiconductors」,Science 289,1530(2000);Roweらによる「Enhanced Room−Temperature Piezoconductance of Metal−Semiconductor Hybrid Structures」,Appl.Phys.Lett.83,1160(2003);Roweらによる「Giant Room−Temperature Piezoresistance in a Metal−Silicon Hybrid Structure」,Phys.Rev.Lett.100,145501(2008);およびWangらによる「Extraordinary electroconductance in metal−semiconductor hybrid structures」,Appl.Phys.Lett.92,262106(2008)も参照されたい。したがって「EXXセンサ」という用語は、特定のタイプの摂動に対する応答が、異常界面効果XXまたは異常バルク効果XXを生じる、半導体/金属界面を有するMSH装置の階級を指す。界面またはバルク効果XXは、それが意味するものが当該技術分野において、同じ摂動について巨視的装置を用いて実現されるものに対する感度の何倍もの増加を意味するので、「異常」と言われる。
【0005】
たとえば、上記で参照され組み込まれた特許出願は、図1に描写されるものなどのEOC装置を記載している。図1は例示的なEOCセンサ100を示しており、これは基板106上に設けられた半導体部102および金属シャント部104を有するMSH装置である。まとまって、半導体部102および金属シャント部104は半導体/金属界面108を定義する。図1に示されるように、図1のEOCセンサを用いると、半導体部102および金属シャント部104は、実質的に共平面にある。さらに、半導体部102および金属シャント部104は、基板106との実質的平行面内に存在する。さらにまた、半導体/金属界面108が基板106の平面と実質的に直交していることもわかる。このアーキテクチャは、外部でシャントされたファンデルポー(van der Pauw)(vdP)プレートと称されることが可能である。
【0006】
動作中、EOC装置100は、光摂動源120(レーザ発光装置、蛍光発光を有する細胞(フッ素ベースの造影剤の導入で発光するようなもの)などを含むがこれらに限定されない、いずれの発光源でもよい)からの光102によって摂動される。半導体部102および金属シャント部104の露光面に衝突する光122は、オーミック(または線形)界面として振る舞う半導体/金属界面108を生じ、EOC効果を通じて測定可能な電圧を生成する。EOC装置が500nm以上の長さ(y軸)および幅(x軸)寸法を有する、図1に示される一般的なアーキテクチャを備えるEOC装置100を用いる実験は、このようなEOC装置が、照度の増加に伴って減少する有効抵抗を呈することを、示した。
【0007】
上記で参照され組み込まれた特許出願に記載されるEXXセンサの別の例は、図2に描写されるEEC装置200である。図2のEECセンサ200もまた、半導体部202および金属シャント部204を含むMSH装置である。図2のEEC装置200を用いると、半導体部202が金属シャント部204と基板206との間に挟まれるように、金属シャント部204は半導体部202の表面上に設けられ、半導体部202は基板206の表面上に設けられる。図2に示されるように、金属シャント部204、半導体部202、および基板部206は好ましくは、実質的平行面内に存在する。まとまって、金属シャント部204と半導体部206との間の接触は、半導体/金属界面208を定義する。したがって、図1のEOC装置100とは異なり、EEC装置200の半導体/金属界面208の平面は、金属シャント/半導体/基板の平面と実質的に平行である。動作中、外部電場によって発生した電荷は、EEC効果を通じて電圧応答を生じるために、EEC装置を摂動する。
【0008】
図3のパネル(a)は、その上で実験が行われた、例示的なEECファンデルポー(van der Pauw)構造の模式的斜視図を示す。金属シャント部(半径50μm)は、半導体部(半径100μmのGaAsメサ)と同心であり、これと直接接触している。メサ表面の周囲に4本のリード線が設けられ、リード線5は金属シャントに直接接続されている。図3のパネル(b)は、このような装置の、ただし上部の金属シャントを除いた、SEM画像を示す。図3のパネル(c)は、EECの多層構造の断面図を示す。図に見られるように、金属シャントは2つの厚さ50nmの金属薄膜TiおよびAu/Geを含む。本発明者らは、接着を促進するために、金属シャント部204に金属の多層が用いられることが可能であることに気がついた。たとえば、TiはGaAsと良好に接着するが、Au/Geの方が良い導体である。このため、金属シャントにTiおよびAu/Geの両方を用いることによって、装置は両方の有利な特性を利用することができる。また、半導体部は、SiドープGaAsエピタキシャル層(200nm厚)および非ドープGaAsエピタキシャル層(0.8μm厚)を含む。非ドープ半導体層は、半絶縁性GaAs基板(350μm厚)を含む基板部上に位置決めされる。上部プレートと金属シャントとの間で1μmSi誘電体に外部電場を印加するために、1対の平行プレート(0.2μmAu/Geプレート)が組み込まれる。このようなEEC装置を用いる実験において、本発明者らは、このようなEEC装置が光に対して非常に強い感度を呈することを、思いがけず発見した。さらにまた、この装置の規模をナノスケールまで縮小すると、本発明者らは、光に対する強い感度のみならず、より大きい巨視的EEC装置で調査されたのとは根本的に異なるタイプの光に対する感度も発見した。つまり、本発明者らは、図2および図3のEEC装置のアーキテクチャを有する装置が、光摂動に対して異常応答を生じるEOC装置の役割も果たすことができることを、発見した。さらに、装置寸法がナノスケールまで縮小されると、本発明者らは、照度の増加に伴って装置の有効抵抗が増加する、逆のはるかに大きいEOC応答(「I−EOC」応答)を呈することを、予期せずして発見した(照度の増加に伴って有効抵抗が減少する巨視的規模を有する装置に関する調査とは対照的である)。実験および分析の結果として、本発明者らは、活性半導体層のキャリアの平均自由行程のおよそ10倍の最大値よりも小さい値まで、オーミックリード線と金属シャントとの間の間隔を減少することによって、このようなI−EOC効果が可能になると確信する。本発明者らはさらに、この間隔を500nm未満の値まで減少することで、I−EOC効果をより際立たせると確信する。本発明者らはさらに、あまりにも多くの電子が半導体を通じて電極からシャントまで進み始めると、間隔はI−EOC効果にとって小さくなりすぎるかもしれないとも確信する。本発明者らは、この最小閾値が、およそ1〜3nmの間隔に到達するであろうと確信する。さらに、本発明者らは、このI−EOC効果が室温環境(すなわち、およそ300Kまたは27℃)で達成されることを発見した。
【0009】
本明細書で使用される際に、「ナノスケール」とは、少なくとも1つの寸法においておよそ1000ナノメートルを超えない、EXXセンサの半導体および金属部の長さ、幅(または直径)、および厚みの寸法を指す。本明細書で使用される際に、「マイクロスケール」とは、少なくとも1つの寸法においておよそ1000マイクロメートルを超えない、EXXセンサの半導体および金属部の長さ、幅(または直径)、および厚みの寸法を指す。
【0010】
本発明の実施形態によって提示される室温I−EOC効果は、横方向巨視的半導体ヘテロ構造または機能性ナノ粒子膜に見られる負の光コンダクタンスとは本質的に異なると信じられている(Nakanishiらによる「Photoconductance and inverse photoconductance in films of functionalized metal nanoparticles」,Nature 460,371(2009)を参照のこと)。たとえば本発明者らは、本発明の実施形態によって提示されるI−EOC効果は、トラップ状態に依存せず、以下に説明されるように、むしろ弾道的から拡散輸送への遷移に依存すると、確信する。さらに、ナノワイヤベースのナノフォトニック装置に関する多くの研究が報告されてきたものの、本発明者らは、このようなナノワイヤベースのナノフォトニック装置は、現在は超/極超大規模集積回路(VLSI、ULSI)製造法に適合しないと確信する。(Lawらによる「Nanoribbon Waveguides for Subwavelength Photonics Integration」,Science 305,1269(2004)を参照のこと)。対照的に、本明細書に記載されるI−EOC装置は、VLSI互換性、個別アドレス指定可能であり、可視光スペクトルにおいて著しい感度を呈する。このため、本発明者らは、本明細書に記載されるI−EOCナノセンサは、診断用の医療画像から情報技術および通信までにわたる、広範なナノフォトニック用途での、有益な用途を有すると確信する。(Lawらによる「Nanoribbon Waveguides for Subwavelength Photonics Integration」, Science 305,1269(2004)を参照のこと)。たとえば、本明細書に記載されるEOCおよびI−EOCセンサは、接触画像、天文学的検出および観測、ビデオカメラ、スチルカメラ、癌検出、血液分析、産業プロセスにおけるナノ粒子拡散およびサイズ調査、位置有感検出、および光情報記憶および検出を含むがこれらに限定されない用途において、採用されることが可能である。接触画像に関して使用されるとき、本発明の実施形態は、上記で参照され組み込まれた第12/375,861号明細書に記載されるように採用されることが可能である。たとえば、対象物は、本明細書に記載されるEOCまたはI−EOCセンサの高密度アレイに接近または接触させられることが可能であり、光は対象物を通過することができ、センサリード線からの電圧読み取り値は対象物の画像の画素を生成するために使用されることが可能である。天文学的検出/観測、ビデオカメラ、およびスチルカメラの用途において、本明細書に開示されるEOCおよびI−EOCセンサは、CCD装置と同じ光学センサとして使用されることが可能である(ここで、各EOC/I−EOCセンサは、画素センサとして有効に役立つだろう)。癌分析および検出を伴う用途では、癌分析/検出は、インビボまたはインビトロで、病的分子と結合するかまたは形質転換またはトランスフェクト細胞によって発現する蛍光体またはその他の発光剤(生物発光など)によって、達成されてもよい。ナノ粒子拡散およびサイズ調査を伴う用途では、本発明者らは、対象ナノ粒子を含有する媒体が、本明細書に記載されるEOC/I−EOCセンサのアレイに接近または接触させられることが可能であり、光はアレイに衝突するために媒体を通過することが可能であることに、注目する。センサリード線の電圧読み取り値はその後、時間に応じた強度分布のために監視されることが可能である。位置有感検出用途では、たとえば、本明細書に記載されるEOC/I−EOCセンサは、ナノ粒子拡散について記載されたのと類似のやり方で使用されることが可能であるが、しかし動いている(マイクロまたはナノ)フラグ(その位置が検出されるべき対象物に、またはその中に付着する正孔など)が含まれる。情報記憶に関する用途において、単一のI−EOCセンサ(または少数のそのようなセンサ)は、光ディスクからの反射光を検出するために、光情報記憶システムの可動アーム上に配置されることが可能であろう。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Wielandらによる「Extraordinary optoconductance in metal−semiconductor hybrid structures」,Appl.Phys.Lett.88,052105(2006)
【非特許文献2】Solinらによる「Enhanced Room−Temperature Geometric Magnetoresistance in Inhomogeneous Narrow−Gap Semiconductors」,Science 289,1530(2000)
【非特許文献3】Roweらによる「Enhanced Room−Temperature Piezoconductance of Metal−Semiconductor Hybrid Structures」,Appl.Phys.Lett.83,1160(2003)
【非特許文献4】Roweらによる「Giant Room−Temperature Piezoresistance in a Metal−Silicon Hybrid Structure」,Phys.Rev.Lett.100,145501(2008)
【非特許文献5】Wangらによる「Extraordinary electroconductance in metal−semiconductor hybrid structures」,Appl.Phys.Lett.92,262106(2008)
【非特許文献6】Nakanishiらによる「Photoconductance and inverse photoconductance in films of functionalized metal nanoparticles」,Nature 460,371(2009)
【非特許文献7】Lawらによる「Nanoribbon Waveguides for Subwavelength Photonics Integration」,Science 305,1269(2004)
【非特許文献8】Newazらによる「Transport measurements and analytical modeling of extraordinary electrical conductance in Ti−GaAs metal−semiconductor hybrid structures」,Phys.Rev.B79,195308(2009)
【非特許文献9】Newazらによる「A nanoscale Ti/GaAs metal−semiconductor hybrid sensor for room temperature light detection」,Applied Physics Letters,97,082105(2010)
【非特許文献10】S.M.Szeによる、Physics of Semiconductor Devices,2nd Ed.(Wiley−Interscience,New York,1981,793−795ページ)
【非特許文献11】Haysらによる「Hot−Electron Spectroscopy of GaAs」,Phys.Rev.Lett.54,1570(1985)
【非特許文献12】Palesvkiらによる「Lateral Tunneling,Ballistic Transport,and Spectroscopy in a Two−Dimensional Electron Gas」,Phys.Rev.Lett.15,1776(1989)
【非特許文献13】Brozelらによる、「Properties of Gallium Arsenide 3rd Ed.」,INSPEC,London(1996)
【非特許文献14】Gilbertsonらによる、「Dimensional crossover and weak localization in ultra thin n−GaAs films」,Appl.Phys.Lett.95,012113(2009)
【非特許文献15】Shabanらによる、「Characterization of near−infrared n−type β−FeSi2/p−type Si heterojunction photodiodes at room temperature」,Appl.Phys.Lett.94,222113(2009)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の実施形態の態様によれば、本発明者らは、EOC効果を生じるために光を用いてナノスケールMSH装置を摂動するステップを含む方法を、本明細書に開示する。好ましくは、このEOC効果はI−EOC効果である。さらに、MSH装置は、半導体材料、半導体材料の表面に位置する金属シャントを含み、それによって半導体/金属界面を定義してもよく、半導体材料表面の一部は金属シャントによって被覆されておらず、半導体材料および金属シャントは実質的平行面にあるが共平面ではなく、半導体/金属界面は光摂動に応えて抵抗値の変化を呈するように構成されている。
【0013】
本発明の実施形態の別の態様によれば、本発明者らは、I−EOC効果を生じるために光を用いてショットキー障壁(非線形)界面を定義する半導体/金属界面を有するナノスケールMSH装置を摂動するステップを含む方法を、本明細書に開示する。
【0014】
本発明の実施形態のさらに別の態様によれば、本発明者らは、EOC応答を生じるために光を用いてMSH装置を摂動するステップを含む方法であって、半導体/金属界面を横断するMSH装置内のキャリア流は、光による摂動に応えて主に弾道的輸送から拡散輸送に遷移する方法を、本明細書に開示する。
【0015】
さらにまた、本発明の実施形態の別の態様によれば、本発明者らは、EECおよびEOC応答を生じるために光および電荷摂動の両方を用いてMSH装置を摂動するステップを含む方法を、本明細書に開示する。
【0016】
さらに、本発明の実施形態のさらに別の態様によれば、本発明者らは、ナノスケール分解能の画素を有する撮像装置が作られるように、アレイ内の多数のI−EOC装置の組み合わせを、本明細書に開示する。このようなアレイは、ナノスケール分解能を有する画像を形成するために、電荷および/または光を用いて摂動されることが可能である。
【0017】
本発明のこれらおよびその他の特徴および利点は、当業者を対象に、以下に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】オーミック半導体/金属界面を有する例示的なEOC装置を描写する図である。
【図2】例示的なEEC装置を描写する図である。
【図3】別の例示的なEEC装置を描写する図である。
【図4】本発明の実施形態による例示的なEOC装置を描写する図である。
【図5】本発明の実施形態による、無シャント半導体装置(パネル(a))および例示的なEOC装置(パネル(b)および(c))を描写する図である。
【図6】3つの異なるサイズのEOC装置および基準無シャント半導体装置のSEM画像および抵抗画像プロットを示す図である。
【図7】図6に示される4つの異なるサイズのEOC装置の抵抗対光強度のグラフである。
【図8】本発明の実施形態による、別の例示的なEOC装置を示す図である。
【図9(a)】EOC装置の例示的なアレイの断面図である。
【図9(b)】図9(a)のアレイの斜視図である。
【図10】様々な画素幾何学的形状を示す、例示的なマルチEOC装置アレイの模式図である。
【図11(a)】そのナノセンサが複数の画素として編成されている、例示的なアレイの上面図である。
【図11(b)】複数の異なるタイプのナノセンサに対応する画素の上面図である。
【図12(a)】異なるナノセンサがどのようにして合成画素に分類されるかを示す、例示的なアレイを描写する図である。
【図12(b)】異なるナノセンサがどのようにして合成画素に分類されるかを示す、例示的なアレイを描写する図である。
【図13】ナノセンサのアレイがカメラの役割を果たすためにプロセッサと通信する、例示的実施形態を描写する図である。
【図14】5μmMSH装置のショットキーダイオード部品の2点I−V特性の強度依存を描写する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図4は、本発明の実施形態による、EOCセンサとして採用されることが可能な、例示的なMSH装置200を描写する。図4に示されるように、EOCセンサ200は、半導体部202および金属シャント部204を含む、いくつかの層を含むMSH装置である。半導体部204が金属シャント部202と基板206との間に挟まれるように、金属シャント部204は半導体部202の表面上に設けられ、半導体部202は基板206の表面上に設けられている。図4に示されるように、金属シャント部204、半導体部202、および基板部206は、好ましくは実質的平行面に存在する。まとまって、金属シャント部204と半導体部206との間の接触は、半導体/金属界面208を定義する。したがって、関連する上記で参照された特許出願に記載されるEOCセンサアーキテクチャとは異なり、図4に示されるEOCセンサの半導体/金属界面208の平面は、金属シャント/半導体/基板の平面と実質的に平行である。
【0020】
半導体部202は、好ましくは、およそ100nmのその活性部の厚みを有する薄い半導体膜である。しかしながら、たとえばおよそ25nmからおよそ2000nmの範囲の活性層の厚みなど、その他の厚み値が使用されることも可能であり、厚み値は、熱雑音低減および信号対雑音比の改善のため、入力抵抗を低減するために選択されることは、理解されるべきである。たとえば、図5および図8は、例示的な代替設計を描写する。さらに、半導体膜202は、およそ100nmの長さおよびおよそ50nmの幅を有してもよい。しかしながら、たとえばその下限がリソグラフィ能力によってのみ定められるナノスケールの長さおよび幅など、半導体膜202の別のナノスケールの長さおよび幅の値が使用され得ることは、留意すべきである。本明細書で使用される際に、「厚み」という用語が図4に示されるz軸に沿った寸法を指すこと、「長さ」という用語が図4に示されるy軸に沿った寸法を指すこと、および「幅」という用語が図4に示されるx軸に沿った寸法を指すことは、留意すべきである。
【0021】
金属シャント204の厚みは、好ましくはおよそ10nmよりも大きいが、しかし活性半導体層の厚みのおよそ10倍の最大値よりも小さい。しかしながら、本発明者らは、より大きい厚み値が原則として使用され得るという信念を、特筆する。このため、別の厚み(たとえば、熱雑音低減および信号対雑音比の改善のために入力抵抗を低減するように厚み値が選択される、およそ25nmからおよそ2000nmの範囲内のいずれかの値)が使用され得ることは、再び理解されるべきである。長さおよび幅寸法については、およそ100nmの長さおよびおよそ50nmの幅が採用されてもよい。本発明者らは、金属シャントの横寸法がEOC装置の画素サイズを効果的に固定することに、注目する。このため、これらの長さ/幅寸法をナノスケールまで減少することは、高分解能を実現するために非常に有利であると信じられる。EOCセンサについて、金属シャント204の幅および長さは、好ましくは半導体膜202よりも小さく、下限はリソグラフィ能力、および上述のいずれか最低限の間隔由来の制約によってのみ、定められる。
【0022】
さらにまた、EOCセンサが矩形ではなくむしろ丸みを帯びた形状を有する実施形態において、半導体膜および金属シャントの直径が、長さおよび幅寸法の類似物の役割を果たすであろうことは、特筆に値する。
【0023】
EOC装置がI−EOC効果を伴って動作するか否かを制御するための便利な調整パラメータは、リード線と金属シャントとの間の間隔である。図5および図8を参照して以下に説明されるように、この間隔をおよそ500nm〜1000nmを超えない値まで減少させることによって、本発明者らは、I−EOC効果が際立つと確信する。本発明者らはさらに、別の因子がEOC効果からI−EOC効果への遷移に影響する可能性があると、確信する。たとえば、半導体部の活性層のキャリアの平均自由行程は、I−EOC動作に影響を及ぼすと信じられ、この特性は、半導体、ドーパント、ドーピング密度、および温度の適切な選択を通じて制御されることが可能である。本発明者らはさらに、装置の室温動作が望ましい実施形態において、平均自由行程の望ましい寸法は所望の画素サイズのおよそ1/10程度であり、これが室温での空間分解能を設定し、さらにI−EOC装置が機能する寸法の上限を定義することに、注目する。I−EOC動作に影響すると信じられる追加因子は、接触子の幾何学的配置、ショットキー障壁の高さ、照射の強度、および照射の波長を含む。本発明者らは、ショットキー障壁の高さは金属−半導体の組み合わせの選択を通じて制御されることが可能であり、高さは、活性半導体層の空乏幅の具体的範囲を付与し、シャント内へのトンネル現象を促進するように設計されるべきであることに、注目する。本発明者らはさらに、I−EOC装置を用いて検出したいと望む波長(たとえば、紫外(UV)から近赤外(IR)の範囲)に基づいて変化できることを、特筆する。
【0024】
好ましくは、基板206の寸法は、半導体膜202の寸法を支持するように適切なサイズになっており、このため基板206は、一般的に半導体膜および金属シャントよりもはるかに大きい。基板206の例示的な寸法は、およそ400μmの厚み、およびおよそ2インチの直径である。しかしながら、別の寸法も使用され得ることは、理解されるべきである。
【0025】
EOCセンサ200は好ましくは、2本の電流リード線210および2本の電圧リード線212も含む。これらのリード線は、半導体膜202と接触するが、しかし金属シャント204とは接触しない。また、これらのリード線は、図4に示されるように、半導体膜202のxz厚みに沿った表面上で半導体膜202と接触してもよい。リード線の幾何学的形状に関して、2本の電圧リード線212は好ましくは、図4に示されるように2本の電流リード線210の間に設けられる。さらに、リード線の間の間隔は、好ましくはEOCセンサ200のEOC効果を最大化するようなやり方で選択される(またはEOCセンサが二重EOC/EECセンサとして採用される場合には、間隔は所望のEOC効果とEEC効果とのバランスを取るように選択されることが可能である)。
【0026】
金属シャントと接触する第五リード線もまた採用され得る(たとえば、図3のパネル(a)の金属シャントと接触している第五リード線を参照のこと)。このようなリード線は金属シャントが独立してバイアスをかけられるようにし、これがEOC装置による高性能を可能にする。
【0027】
EOCセンサ200を用いると、半導体膜202および金属シャント204の露光面に衝突する光摂動源120からの光摂動122は、EOC効果を通じて測定可能な電圧を生じる。好ましくは、光122の伝播方向は、ほぼz軸に沿っている(または半導体膜202および金属シャント204の平面に直交するか、または実質的に界面208の平面と同じ平面内にある)。しかしながら、以下に記されるように、EOCセンサのサイズがナノスケール寸法まで減少するに連れて、EOCナノセンサの小さいサイズのため、光はより均一にEOCナノセンサを照射する。
【0028】
光摂動源120は、レーザ発光装置または蛍光発光を有する細胞(フッ素ベースの造影剤の導入で発光するようなもの)など、いずれの発光源であってもよい。さらにまた、摂動光122は、数百ナノメートルの範囲で測定される波長を有する、赤外から紫外範囲にわたる、電磁放射線であってもよい。光摂動にとって望ましい波長は、EOC装置の活性半導体層の吸収特性に基づいて選択されることが可能である。EOC装置に関連して採用され得るであろう光摂動の追加のタイプの例は、細胞分析のための透過および反射、ならびに化学分析および撮像のための蛍光発光を含む。
【0029】
上述のように、本発明者らは、図4に示されるEOCアーキテクチャの寸法が大きいと、EOCセンサは、EOCセンサの有効抵抗が照度の増加とともに減少するEOC応答を呈することを、発見した。しかしながら、このEOCアーキテクチャのより小さい寸法では、本発明者らは、EOCセンサの有効抵抗が照度の増加とともに増加するのみならず、この逆応答が著明であることを、予想外に発見した。上述のように、本発明者らは、この応答をI−EOC応答と名付けた。この予想外の結果に続いて、本発明者らは、その原因を説明および理解しようと試みた。
【0030】
本発明者らはまず、EXX効果に関わる根本的な物理的原理は、MSH装置に印加される、EOCの場合の光子ビームなどの外部摂動が、MSH装置の抵抗を変化させる半導体と金属シャントとの間の電流再配分を誘起し、幾何学的設計(金属および半導体部品の相対的サイズおよび形状、または接触子の配置など)はこの変化を増幅することができる、という彼らの信念を、特筆する。上述のように、GaAsを備えるオーミック界面を形成する金属(Au)を用いる巨視的MSH構造における正常なEOCは、すでに記載されてきた(たとえば、上記で参照され組み込まれた特許出願を参照のこと)。本発明の実施形態を用いて、本発明者らは、ショットキー界面(すなわちTi/GaAsショットキー界面)を備えるナノスケールMSH構造のI−EOC特性を開示する。
【0031】
ショットキー障壁界面を備えるこれらのMSH装置は、分子線エピタキシャル成長法(MBE)によって成長した格子整合GaAsエピタキシャル層上に用意された。この装置構造の例示的実施形態の模式図は、図5(パネル(b)および(c))に示され、上方から見た電子顕微鏡写真は図6に示されている。4つの異なる正方形の装置が、活性半導体層を含むメサの長さおよび幅について以下の寸法を備えて製造された:
5μm(図6のパネル(a)における装置A)、
250nm(図6のパネル(b)における装置B)、
500nm(図6のパネル(c)における装置C)、
500nm(無シャント基準装置である、図6のパネル(d)における装置D)。
【0032】
図5の例の活性半導体層の厚みは90nmであった。各EOC装置サイズについて、4つの装置の最小値が調査された;特定サイズの全装置は、実質的に同等の結果を示す。装置製造手順の詳細は、その全開示内容が参照によって本願に組み込まれる、Newazらによる「Transport measurements and analytical modeling of extraordinary electrical conductance in Ti−GaAs metal−semiconductor hybrid structures」,Phys.Rev.B79,195308(2009)に記載されている。Ti/GaAs界面は、良好に特徴付けされたショットキー障壁を形成し、その一方でTi−Au層は障壁を横断する電流のためのシャントの役割を果たす。シャントの効果を確認するために、同等だが無シャントの基準装置(たとえば図6のパネル(d)参照)もまた調査された。ここに提示される全ての光学および輸送測定は、室温で実行された。例示的なEOC装置は、電流がリード線1および2の間に印加され、電圧がリード線3および4の間で測定される、修正ファンデルポー(van der Pauw)(VdP)メサ構造(その全開示内容が参照によって本願に組み込まれる、Wangらによる「Extraordinary electroconductance in metal−semiconductor hybrid structures」,Appl.Phys.Lett.92,262106(2008)参照)を採用している(図5のパネル(b)参照)。4点抵抗は、R=V34/I12と定義される。
【0033】
本発明者らは、非集束He−Neレーザビーム(TEM00モード、ビームウェスト径800μm、出力5mW、波長632.8nm)が最小10μmまで、段階的にセンサ領域を横断する際に、4点抵抗を記録することによって、これらEOC装置の空間感度を測定した。図6の装置Aである、最大のEOC装置の2D画像プロットは、対応するSEM画像(上列)とともに、図6のパネル(a)に示されている。図6の装置Aの抵抗は、レーザスポットが装置から離れている(最低照度)ときに大きく、レーザがほぼ装置中心にある(最大照度)ときに最低である。レーザ光源に対する装置の検知応答をさらに定量化するために、EOC(P)=|[R(hv,P)−R]/R|×100%としてEOCを定量化することができ、ここでPはセンサに当たるレーザ出力密度であり、Rは照射下の4点抵抗であり、Rは4点暗抵抗である。図6の装置Aで観測された最大EOC値は、およそ60%である。本発明者らは、少なくとも1%のEOC(P)率は光コンダクタンス効果が異常であることを示すことを、特筆する。
【0034】
先の実験において、上述のように、本発明者らは、SiドープGaAsメサの一側面とのオーミック接触を生じるInシャントを備える巨視的なMSハイブリッド構造のためのEOC効果を実証した。彼らは、6.3×10W/cmの出力密度の477nm集束照射の下で、室温で〜60%の最大EOCを観測した。しかしながら、先に示されたように、本発明の実施形態は、それらのオーミック界面EOC装置とは異なる。たとえば、本発明の例示的実施形態のEOC装置は、オーミック界面の代わりにショットキー界面を有する。また、本発明の例示的実施形態のEOC装置では、界面は側面ではなくメサの上面に位置する。さらに、FETなどの典型的な上部ゲート構造とは対照的に、シャントはEOC装置内に重要な目的とする電流経路を提供する。たとえシャント透過率が633nmで1%以下であっても、これは照射下でショットキー障壁を低くして、シャントを通る電流を促進するのに十分である。図14に示される直接的I−V測定は、この特徴を実証している(その全開示内容が参照によって本願に組み込まれる、Newazらによる「A nanoscale Ti/GaAs metal−semiconductor hybrid sensor for room temperature light detection」,Applied Physics Letters,97,082105(2010)を参照されたい)。図14は、5μmMSH装置のショットキーダイオード部品の2点I−V特性の強度依存を示す(I=1W/cm)。図14に示されるように、I−V特性は、高照度でショットキー状からオーミックに変化する。これは、10−5からIへの照度変化を伴う209という係数だけゼロバイアス抵抗の減少を伴い、ここでIは1W/cmである。図14に見られる強度依存開回路電圧は、照射されたショットキー障壁の特性であり(その全開示内容が参照によって本願に組み込まれる、S.M.Szeによる、Physics of Semiconductor Devices,2nd Ed.(Wiley−Interscience,New York,1981,793−795ページ)を参照のこと)、この対象例において、ほぼ確実に、光生成キャリアから界面/空乏領域への移動に起因すると信じられる。
【0035】
照射下の図6の装置Aの挙動は、本発明者らによって先に調査されたオーミック界面EOC構造のものと、質的に類似である。シャント内を移動するキャリアは、MSH装置の抵抗を減少させる。シャントを迂回するキャリアは、抵抗ρ=1/(nμe)を用いる拡散輸送を呈し、ここでnはキャリア濃度、μはドリフト移動度、およびeは電子電荷である。積nμはnに対して増加し、装置AおよびBに衝突する光はその4点抵抗を減少させる。シャントはほぼ不透明なので、観測された応答は、横光起電力効果(LPE)と区別されることが可能である。さらに、eビーム製造に内在するリード線およびシャントの非対称配置(たとえば、リード線とシャントとの間の間隙は、リード線位置とともに変化する(図6参照))は、均一に照射された装置からのEOC出力にとって望ましい対称性の破れを提供する。
【0036】
珍しく、そして予想外なことに、図6の装置BおよびCの光学特性は、図6の装置A(ならびに図6の基準装置D)のものとは逆である。図6の装置BおよびCのSEM画像とともに、抵抗の2D画像プロットが図6のパネル(b)および(c)にそれぞれ示されている。ここで抵抗は、照射の増加とともに、大幅に増加する。今や広く普及している異なる物理的プロセスは、図6のより大きい装置A(および図6の基準装置D)で観測されたような、電子−正孔対生成に起因する抵抗の減少を、克服しなければならない。
【0037】
光強度に対する異なるサイズのEOC装置の動的応答の比較研究は、図7に示されている(この研究において、サンプルAはショットキー界面を備える5μmEOC装置であり、サンプルBはショットキー界面を備える1μmEOC装置であり、サンプルCはショットキー界面を備える500nmEOC装置であり、サンプルDはショットキー界面を備える250nmEOC装置であった。光強度減衰は、EOC装置を照射したビームの経路内に減光(ND:neutral density)フィルタを配置することによって生じた。応答曲線は、サブミクロンEOC装置(図7のサンプルCおよびD)について、40dBまでの、広いダイナミックレンジを明らかに実証している。ガウスビームプロファイル、ほぼ不透明なシャントおよび接触子、ならびにドープGaAsエピ層の照射領域の吸光度を考慮することによって、それぞれ975%(1.0nW)および9460%(0.25nW)の、図7のサンプルCおよびDのEOC%(P)値を見いだすことができる。サブミクロン装置のEOC値は、図7のサンプルAおよびBのものよりもおよそ16〜160倍大きいことに、注目する。
【0038】
シャントの役割を強調するために、本発明者らは、図6のパネル(d)および図5のパネル(a)に示されるものなど、ベア(無シャント)制御装置も調査した。500nm制御装置の光学特性もまた、図6の装置Aのものと類似しているが、しかし最大EOC(2nW)はわずか6%であり、たとえばメサの上にシャント金属を有する全てのEOC装置からのものよりも著しく小さい。632.8nm放射線の1W/cmの最大出力密度および放射性再結合を用いると、定常光誘起キャリア密度は、
【数1】

である。これだけで、制御装置の6%のEOC%(P)を十分に説明し、シャントによるEOC%(P)の強化を強調するが、これはサブミクロン構造の応答の大きさおよび逆の性質(下記参照)に影響を及ぼす。
【0039】
これらの結果を説明するために、本発明者らは、シャントリード線の横方向幾何学的形状および配置が保存される場合には、測定された光抵抗R(P)値が定常抵抗率にのみ依存すべきであることを、特筆する。各装置において同じ再結合プロセスが行き渡っている場合、nphは固定されており、装置は最大照射でほぼ等しい抵抗を有し、本発明者らは、全ての装置がこの限界内で拡散すると結論づける。本発明者らはさらに、サブミクロン装置におけるI−EOC応答は、弾道的および準弾道的キャリア輸送、ならびに拡散輸送を検討することによって、質的に説明されることが可能であると、確信する。いずれの導体の電気抵抗も、電荷キャリアの運動量散乱から生じる。導体の長さがキャリアの平均自由行程λに匹敵するようになると、電子がまったく散乱することなく、すなわち弾道的に移動する確率が、増加する。サブミクロン寸法を有するGaAs装置内の電子の弾道的輸送は、多くの研究者によって確立されてきた。(Haysらによる「Hot−Electron Spectroscopy of GaAs」,Phys.Rev.Lett.54,1570(1985);Palesvkiらによる「Lateral Tunneling,Ballistic Transport,and Spectroscopy in a Two−Dimensional Electron Gas」,Phys.Rev.Lett.15,1776(1989)を参照されたい)。
【0040】
末端で接触している配線に沿った弾道的輸送のため、配線の抵抗はゼロであり、電圧降下の全てが2つの接触子で生じる。低バイアスでは、光誘起キャリアの十分な密度の導入は、接触子の間の有限抵抗、およびこれに対応して弾道的から拡散輸送への遷移を結果的に生じる、キャリア間拡散を引き起こすことになる。再結合がオージェプロセス(Brozelらによる、「Properties of Gallium Arsenide 3rd Ed.」,INSPEC,London(1996))を参照のこと)によって支配されていると考えた場合、図6の装置BおよびCならびに図7のサンプルCおよびDの本発明者らの照射研究で誘起された定常キャリア密度は、1×1018cm−3から1×1020cm−3の範囲内にあり、ドーピングのためキャリア密度をはるかに超過していることが示され得る。
【0041】
MSH構造の内部のキャリア輸送機構を特徴付けるために、本発明者らはまた、同じウエハから製造された、従来のホールバーを用いて、GaAsエピタキシャル層の温度依存輸送測定も行った。(Gilbertsonらによる、「Dimensional crossover and weak localization in ultra thin n−GaAs films」,Appl.Phys.Lett.95,012113(2009)を参照されたい)。λの値は、2Kで18nmから300Kで35nmまで異なることが見いだされたが、これはホットエレクトロン分光および電子エネルギー分光によって測定された値との妥当な一致を見せる。サブミクロン装置の空間拘束およびeビームリソグラフィ制限のため、オーミックリード線およびシャントの実際の分離は、図6の装置Cでは20nmから40nm、図6の装置Bでは10nmから30nmの間で変動する。ゆえに、オーミックリード線とシャント金属との間の分離は、図6の装置Bではλよりもはるかに下回り、図6の装置Cではλと同程度以下である。したがって、サブミクロン装置(図6の装置BおよびC)内の電荷キャリアの組み合わせは、2種類のキャリアを有することになり、その1つは弾道的に移動し、他方は間隙内で拡散しながら移動する。
【0042】
暗所において、キャリアの大部分は弾道的である。これは、ナノスケール装置の暗抵抗が巨視的装置よりも低い理由を説明している(図7参照)。レーザ放射の存在下で、オーミックリード線からシャント金属へ、そしてシャント金属から集電極へと移動する電子は、弾道的に移動する確率が低く、より多くの電子が間隙拡散的に横断させられることになる。拡散運動に加わる電子の数が増加した結果として、サブミクロンEOC装置の抵抗は、光学光子の存在下で増加する。当然ながら、半導体およびシャントを通じて拡散的に移動する追加キャリアは、光子摂動により図6の装置BおよびCの抵抗の減少にも貢献することになるが、しかしこの変化は、全体的な抵抗の増加を引き起こす、弾道的キャリアから拡散運動への遷移に起因する変化によって圧倒される。
【0043】
図6の装置Cに対する図6の装置Bの10倍大きいEOC値もまた、類似の趣旨によるキャリアの弾道的および準弾道的横断に起因する可能性がある。オーミックリード線とシャントとの間の分離がより短い場合には、より多くの電子が弾道的に移動している;ゆえに、照射に対する応答は、小間隙装置ではより正確になる。おそらく、装置サイズが減少したEOCの増加は、境界散乱によって最終的に制限されるだろう。
【0044】
図6の装置BおよびCによって示された、観測された増加光抵抗に関する本発明者らの説明は、以下のように要約されることが可能である:低バイアスにおいて、光誘起キャリアの十分な密度の導入は、弾道的から拡散輸送への遷移および対応する抵抗の増加を結果的に生じる、付加的な散乱(光イオン化トラップまたは散乱中心からの)を引き起こす。この抵抗の増加が光誘起キャリア密度(6%)およびシャントの影響による減少よりも大きい場合には、正の光抵抗が生じる。弾道的から拡散輸送への変換の正確なメカニズムは、励起および再結合メカニズムの特徴に依存することになる;しかしながら、500および250nm装置の低R0は、これらが弾道的系であるという主張を裏付けており、最大照射下の2という係数に含まれる4つの全ての装置の抵抗の集中は、サイズ依存の最終拡散状態を裏付ける。
【0045】
より従来型のメトリックを用いてI−EOCセンサの感度を評価するため、およびこれらを競合装置と比較するために、本発明者らはまた、最低照度で応答性R=ΔV/ΔPを計算し、ここでΔPは活性領域に入射するレーザ出力、ΔVは対応する電圧変化とし、また固有検出能
【数2】

ここでAは検出の活性領域、Vは単位帯域幅あたりの実効値雑音電圧とする、計算をした。(Shabanらによる、「Characterization of near−infrared n−type β−FeSi/p−type Si heterojunction photodiodes at room temperature」,Appl.Phys.Lett.94,222113(2009)を参照されたい)。図6の装置Bについて、本発明者らは、40dBのNDフィルタを通過した後、2.5×10−14Wのレーザ出力で16.7オームの抵抗変化を見いだした。その後、装置を流れる電流は100nA、R=6.68×10V/Wであった。ジョンソン雑音限界において、Vは熱雑音電圧によって置き換えられることが可能であり、
【数3】

となり、ここでTは温度、Rは暗抵抗である。ゆえに、我々の最小サブミクロン装置では、
【数4】

である。これは、下記の表1からわかるように、光検出器の個別アドレス指定可能画素について測定された最高値に含まれる。
【0046】
【表1】

【0047】
この比較において、金属−半導体−金属PDはBrozelらによる「Properties of Gallium Arsenide 3rd Ed.」,INSPEC,London(1996)に記載され、Si−CCDセンサはHaysらによる「Hot−Electron Spectroscopy of GaAs」,Phys.Rev.Lett.54,1570(1985)に記載され、CMOS埋込二重接合PDは当該技術分野において記載され、Si−PIN PDはPalevskiらによる「Lateral Tunneling, Ballistic Transport, and Spectroscopy in a Two−Dimensional Electron Gas」,Phys.Rev.Lett.,15,1776(1989)に記載されている。
【0048】
表1より明らかなように、メゾスコピック系において、Dは、検出器の空間分解能限界を組み込んでいないので、メトリックとしては不十分である。このため表1において最高Dを有する検出器は、250nmI−EOC検出器よりも2桁悪い空間分解能を有する。さらに、次善の空間分解能を有する検出器、MSM PDは、50倍以上大きく、2桁以上低いDを有する。また、I−EOCサブミクロン装置の動作原理は、250nmを下回るサイズまでの装置の寸法のさらなる減少を妨げる、いかなる直接的な制限因子も示していないことにも注目すべきである。現在の半導体製造技術の出現により、50nmまでの小ささで機能的なI−EOC装置を製造することができると信じられており、本発明者らは、これが画像およびその他のフォトニック用途における前例のない空間分解能をもたらすと確信している。
【0049】
図5および図8は、本発明によるI−EOCナノセンサの例示的実施形態を描写している。図5のパネル(b)に示されるように、図5のI−EOCナノセンサは、対称的vdPプレートアーキテクチャを備える非常に四角張った形状を有している。しかしながら、上述のように、長方形および円形を含むがこれらに限定されない、別の形状が採用されることも可能であろう。図5の断面図は、40nm厚のAuの層および40nm厚のTiの層から形成された、金属シャントを描写している。この金属シャントは、100nm厚のSiドープGaAsエピタキシャル層の上に堆積しており、これは800nm厚の非ドープGaAsエピタキシャル層のメサ上に存在している。図5および図8からわかるように、装置200の半導体層202は、ドープ半導体層および非ドープ半導体層を含む。非ドープ半導体層(非ドープGaAsエピタキシャル層であってもよい)は、基板206とドープ半導体層との間のバッファの役割を果たす。ドープ半導体層は、電流が発生する装置200のための活性層の役割を果たす。この非ドープバッファ層は、適切な結晶特性を備える活性層の堆積を容易にする。半導体材料から180nm厚のメサを形成するために、反応性イオンエッチング(RIE)が使用された。製造中、好ましくは非ドープ半導体層は、最初に置かれる。次に、ドープ活性半導体層が、非ドープ層の上に堆積される。次に、パターン領域の外側にある材料をエッチング除去して、メサが形成される。
【0050】
半絶縁性GaAs基板は、図5に示されるように、半導体部および金属シャント部を支持する。およそ180nm厚のオーミックリード線1〜4(AuGe/Ni/Au)が、図5のパネル(b)および(c)に示されるように、EOC装置の半導体部と接触するように配置される。また、図5のパネル(c)に示されるように、EOC装置の上面を被覆するために、およそ50nmの窒化ケイ素層が使用されてもよい。この窒化ケイ素層は、無孔絶縁体の役割を果たし、好ましくは高誘電率を有する。窒化ケイ素層は、(EOCが細胞撮像目的のために採用される場合)EOCの表面上に細胞を堆積させるために使用されるいずれかのイオン生体液からEOC装置を電気的に絶縁する。好ましくは、この窒化ケイ素層は、二重EEC/EOC装置としてEOC装置を採用するために望ましければ、可能な限り薄い。EOC装置の外面には、リード線がこのような液体と接触しないように皿状部を形成するエポキシ樹脂が埋め込まれている。
【0051】
上記で説明されたように、金属シャントおよび半導体部の長さおよび幅寸法は、異なってもよい。たとえば、図5の実施形態において、図5のパネル(b)より、金属シャント204の長さおよび幅はおよそ2.5μmであり、半導体層202の長さおよび幅はおよそ5μmであることがわかる。しかしながら、その他の寸法が採用されることも可能であることは、理解されるべきである。さらに、より円形に近いI−EOC装置が設計される場合、装置部品に用いられる直径寸法は、図5に示される長方形設計の長さ/幅寸法と類似であってもよい。
【0052】
本発明者らは、金属シャントとリード線との間の間隔寸法500は、I−EOC効果を伴って動作するようにEOC装置を調整するために使用されることが可能なパラメータであると、確信する。この間隔寸法500は好ましくは、おおむね金属シャントの外縁と、リード線が活性半導体層に接触する金属シャントに最も近い位置との間の最短距離として測定される。図5の例において、図5のパネル(b)より、この横間隔寸法はおよそ500nmであってもよいことがわかる。しかしながら、上述のように、およそ250nmの間隔500もまた観測されており、これらの研究は、250nmにおいて際立ったI−EOC効果を示している。活性半導体層内のキャリアの平均自由行程と同程度の間隔500が望ましいと、信じられている。GaAs活性層では、これはおよそ50nmの間隔500を意味する。本発明者らは、最小間隔寸法500が上記のように存在することを、さらに特筆する。さらに、各リード線は、金属シャントに関するその他のリード線の間隔500とは異なる、自身の間隔500を有することができることも、特筆すべきである。しかしながら、リード間の対称間隔が用いられることも可能なので、これは必ずしも該当する必要はない。
【0053】
上述のように、EOC効果からI−EOC効果への遷移に影響を及ぼす可能性のあるその他の因子は、半導体部の活性層のキャリアの平均自由行程がI−EOC動作に影響を及ぼすと信じられており、リード線接触の幾何学的配置、ショットキー障壁の高さ、照射の強度、および照射の波長を含む。
【0054】
図5および図8の金属シャントはTi/Auから作られていたが、その他の金属が使用されてもよいことは、特筆すべきである。選択された半導体活性層を備える適切なショットキー障壁を形成するいずれの金属が使用されることも可能であると、信じられている。GaAs活性層では、このような適当な金属は、Cu、Au、Ag、Fe、Ni、Alなどを含むが、これらに限定されない。さらに、InAs、AlAs、Si、Ge、InSbなどを含むがこれらに限定されない、GaAs以外の半導体材料が半導体層に採用されることも可能である。
【0055】
図8は、図5の設計とはわずかに異なる寸法を有する、I−EOCナノセンサの別の例示的実施形態を描写している。たとえば、図8の設計において、センサの上面にある窒化ケイ素層は20nm厚である。また、SiドープGaAsエピタキシャル層は、110nm厚である。さらに、第二窒化ケイ素層(およそ25nm厚)は、リード線が半導体部のメサ部(すなわちSiドープGaAsエピタキシャル層の上面)にのみ接触するように、リード線を半導体部と接触させるために設けられる。この第二窒化ケイ素層は、検出された電圧応答において基板および非ドープ半導体層からの光コンダクタンス的関与を回避するために、基板および非ドープ半導体層からリード線を絶縁する絶縁層の役割を果たす。オーミックリード線もまた、およそ300nmと厚めである。基板はおよそ650nmの厚みを有する。図8はさらに、およそ100μmの厚みを有する両面スコッチテープを通じて金属プレートに接着されているEOC装置を示す。この実施形態では金属プレートが使用されたが、EOC装置を支持するために、十分に剛性のいずれの支持構造が用いられることも可能であろう。
【0056】
図5および図8に示されるものなどのEOC装置の例示的実施形態は、分子線エピタキシャル成長法(MBE)によって成長する、格子整合GaAsエピタキシャル層を用いて用意されることが可能である。活性半導体層は、SiドープGaAsエピタキシャル層(たとえば、移動度μ=4400cm−1−1およびキャリア濃度ND=4×1017cm−3)であってもよく、底部に半絶縁性GaAs基板を備えるバッファとしての非ドープエピタキシャル成長GaAs層が続く。メサは、標準的な光リソグラフィおよびウェットエッチングを用いて最初に製造されることが可能である。第二に、オーミックリード線用のAuGe/Ni/Au金属層が堆積されることが可能であり、450℃で1分間の熱アニーリングがこれに続く。リード線の4つの接触パッドはメサディスクの周囲に対称的に分布されることが可能であり、表面とのオーミック接触が実現される。次に、Ti薄膜を含む同心二重金属層が堆積され、これはショットキー界面、および電子輸送のための有効なシャントの役割を果たすAu/Ge薄膜を形成するために、GaAsエピタキシャル層と密接に接触する。TiおよびAu金属は、金属蒸着システム内で連続的に堆積されることが可能である。オーミックリード線およびシャントのために金属を堆積する前に、サンプルをHCl:DI(1:2)溶液に5分間浸漬し、サンプルを蒸着システムに迅速に移動させることによって、表面酸化をエッチングすることが可能である。望ましければ、バイアス目的のため、追加ボンディングリード線がシャントに取り付けられることが可能である。窒化ケイ素絶縁誘電層は、プラズマ促進化学蒸着(PECVD)によって装置の表面に堆積され、プラズマエッチャでエッチングされることが可能である。好ましくは、リード線と半導体との間の窒化ケイ素層は、メサが切断された後、ならびにリードおよびシャントが堆積される前に、堆積される。
【0057】
図4、図5、および図8に関連して先に記載されたEOCナノセンサは、図9(a)および図9(b)に示されるように、多数のナノスケールEOCセンサ902のN×Mアレイ900を形成するために組み合わせられることが可能である。NおよびMの値は、ナノスケールEOCセンサの意図される使用に基づく設計選択として、本発明の実践者によって選択されることが可能である(製造能力によってのみ制限される上限を備え、たとえば、4×4、16×16、2×20、64×64など)。たとえば、本発明者らは、現在のデジタル表示技術から判断するナノセンサマトリクス寸法は、640×480、800×600、1024×768、1600×1200、2048×1536、および3200×2400も可能であると考える。好ましくは、このようなアレイを製造するために、VLSIおよびULSI技術が用いられる。これらのナノスケールEOCセンサ902は、SiO基板などのアレイ基板1204上に堆積されることが可能である。基板904の例示的な厚みはおよそ400μmであるが、ただしその他の厚みが使用されることも可能である。説明しやすくするため、個別のナノスケールEOCセンサの電圧および電流リード線が図9(a)および図9(b)に示されていないことは、特筆すべきである。アレイ900内のナノセンサ902のマトリクスからアドレス指定する行/列ピン配列のためのバイア設計は、特に多数のナノセンサを有するアレイについて、使用され得ることも、特筆すべきである(図10参照)。図10に示されるアレイ構造について、EXXセンサ902の4本リード線の各々は個別アドレス指定可能であり、それによってn×nアレイの4nピン配列を生み出す。さらに、これらのリード線は、n×nアレイの3n+1ピン配列への減少を生み出すために、選択的に組み合わせられることが可能である。
【0058】
個別のEOCセンサが基板904と同じ材料の基板206を有するように設計されている例では、基板904の材料は適切な基板の役割を果たすことができるので、アレイ900上に位置するEXXセンサ902は基板206を含む必要がないこともまた、特筆すべきである。しかしながら、基板材料が似ていない場合には、個別のEXXセンサ902は好ましくは自身の基板206を含む(たとえば、EOCセンサ902がGaAs基板を有し、その一方でアレイ900がSiO基板904を有するとき)。好ましくは、アレイ900は、EOCセンサ902の間に狭い間隔を呈する。たとえば、およそ50nmからおよそ1000nmの範囲内に収まる間隔値が使用されることが可能である。
【0059】
本発明のEOCセンサはEECセンサの役割も果たすことができるので、アレイ900は、光子および電荷信号の両方を同時に(またはほぼ同時に)検出するために採用され得るという点において、二重目的であってもよいことは、特筆すべきである。このような二重用途は、極端に高い空間分解能を有する多機能画像の生成を可能にする。
【0060】
また、アレイ900は、EOC/EECセンサのみならず、上記で参照され組み込まれた特許出願に記載されるEMR/EPC/EACセンサなどの異なるアーキテクチャを有するその他のセンサも、含むことができる。アレイ内に多数の異なるタイプのEXXナノセンサを統合することは(EPCおよびEOC/EECナノセンサなど)、LSCのように、電荷および蛍光撮像の結果に基づく細胞の予測問い合わせのためにHCSを実行可能な、スクリーニングシステムを提供するだろう。しかしながら、音響サブシステムの分解能は、光学顕微鏡法から得られるものと同等以上となり、さらにデジタル化された超音波波形の時間軸は、現在利用可能な臨床超音波システムを用いて撮像器官構造と直接的に類似の分散関係を通じて撮像されている細胞内への距離にマッピングされることが可能な情報を含むので、容積データを表すことになる(すなわち、一度に1つの焦点面に限定されない)。このタイプの器具使用は、電気泳動技術、および高分解能、低雑音蛍光撮像に内在する複雑さおよび曖昧さを伴わず、高価な高輝度光源、高精度および高分解能表面電荷測定を必ずしも必要とせずに、現在の光学顕微鏡法よりも高い分解能の、ナノスケール音響顕微鏡法に基づく、容積データの同時収集など、現在のサイトメトリ/顕微鏡法器具では得られない、いくつかの利点を提供するだろう。
【0061】
また、アレイ900は、好ましくは各画素が個別アドレス指定可能な、図11(a)に示されるような、複数の画素1100に再分割されることが考えられることも、特筆すべきである。各画素1100は、1つ以上のEOCナノセンサ902を含むことができる。たとえば、図11(b)に示されるように、画素1100は、タイプ「A」、「B」、および「C」の3つのナノセンサなど(ここでタイプ「A」はEOC/EECナノセンサに対応し、タイプ「B」はEPCナノセンサに対応し、タイプ「C」はEMRナノセンサに対応してもよい)、複数の異なるタイプのナノセンサ902を含むことができる。画素1100に含まれる異なるタイプのナノセンサのこのような群は、ナノセンサの電圧応答に対して信号平均化技術を用いることによってアレイ900の感度を向上させるのに役立つ可能性がある。
【0062】
同様に、画素1100またはその部分が別の画素1100またはその部分と組み合わせられて合成画素を形成することは、特筆すべきである。たとえば、図12(a)は、図12(b)に示される構成の4つの画素1100の組み合わせから形成された合成画素1200を描写している。さらに、合成画素1200は、1種類のナノセンサのみ(たとえば、図12(a)にボールド体で示されるように、これら4つの画素1200の中で「A」タイプナノセンサのみ)で作られることも可能である。繰り返しになるが、合成画素のこのような構成は、信号平均化技術を通じて感度を向上させるのに役立つことが可能である。
【0063】
図12(b)は、直線状に配置された同じタイプの複数のナノセンサから作られ、複数の画素1100の長さを有する、合成画素1202の例を描写している(たとえば、合成画素1202内にボールド体で示されている「A」タイプナノセンサ)。図12(b)はまた、合成画素1202に対して直角の直線状に配置された同じタイプの複数のナノセンサから作られ、複数の画素1100の長さを有する、合成画素1204の例も描写している。合成画素1202および1204のように配置された合成画素は、光信号の位相タイプ撮像、偏向された光の偏光、または採用されるナノセンサのタイプに応じて異なる音響モード(たとえば、剪断、横断、様々なプレートモード)の検出に役立つ可能性がある。
【0064】
1つ以上の細胞などの対象物は、EEC/EOCセンサ902の露出面上のアレイ900と接触するように配置されると、そしてアレイのEEC/EOCセンサ902が摂動されると、様々なEEC/EOCセンサ902の電圧応答は、信号プロセッサを含む受信器エレクトロニクス(図示せず)によって測定、デジタル化、記憶、および処理されることが可能である。ひるがえって電圧応答の収集は、対象物の1つ以上の特徴を表す対象物の画像を生成するために、EEC/EOCセンサの間の空間的関係に基づいて、選択的に画素化されることが可能である。単モード画像および多モードパラメータ化画像のいずれも、異なるタイプのナノセンサからの出力を登録して組み合わせることによって生成されることが可能である。アレイのEXXセンサのナノスケールのため、結果的に得られる画像もまたナノスケールの分解能を呈する。さらに、各ナノスケールEEC/EOCセンサ902は、データ収集速度(単位時間あたりの対象物の所定領域の撮像フレーム)の増加を可能にするために、受信器エレクトロニクスによって個別にアドレス指定可能であってもよい。また、細胞の成長能力を強化してアレイ表面に接着するために、1つ以上の細胞がアレイに接触するアレイの露出面が、フィブロネクチン、ビトロネクチン、コラーゲンなどのタンパク質、あるいはポリ−l−リジンまたはシランなどのタンパク質模倣物で被覆されることが可能である。
【0065】
たとえば、多数のEACおよびEEC/EOCセンサ902を備えるアレイ900を用いて、細胞がそのアレイ上に配置された後、アレイは、ナノスケール分解能を有する細胞の超音波画像が生成される元になり得るEACセンサからの電圧応答を得るために、音波によって摂動されることが可能である。同時に、アレイ900上のEECセンサは、ナノスケール分解能を有して細胞全体の電荷の空間的分布を表す画像が生成される元になり得るEECセンサからの電圧応答を生じるために、細胞自体からの表面電荷によって摂動されることが可能である。さらにまた、細胞からの表面電荷はEACセンサを摂動しそうもなく、音波はEECセンサを摂動しそうもないので、EECおよびEACセンサの間のクロストークは最小化されることが可能であり、細胞の多数の特徴の画像は同時に生成されることが可能である。
【0066】
さらに、そのEECおよびEOC効果の両方について同じアレイ内の二重EEC/EOC装置を採用するために(EEC/EOCアレイ内に単独であっても、別のEXX装置と組み合わせてでも)、摂動源を時系列化することによって、EECおよびEOC応答の間のクロストーク問題を最小限に抑えることができるだろう。光源がオフのとき、そのEEC応答についてEEC/EOC装置をサンプリングすることができるだろう。光源がオンのときには、結合されたEECおよびEOC応答をサンプリングすることができるだろう。これらの応答から、結合応答とEECのみの応答との差(すなわち(EEC+EOC)−EEC)としてEOC応答を提示することができるだろう。また、潜在的なクロストーク問題を最小限に抑えるために、位相感応検出などの付加的な信号処理技術を用いることも可能であろう。
【0067】
EEC/EOCセンサ902の摂動源は、撮像されるべき対象物自体を含む、上記で説明されたような1つ以上の外部摂動源であってもよい(特にEOCおよびEECナノセンサに関して)。たとえば、近接場走査型光学顕微鏡(NSOM)などのレーザ光源は、NSOMが取り付け/適合された走査トンネル顕微鏡(STM)の圧電性XおよびY運動制御によって、アレイを横断してXおよびY方向に走査/駆動されることが可能な小さいサイズ(1ミクロン程度以下、およびアレイ上のEEC/EOCセンサ間の間隔よりも小さい)まで光子場を空間的に局在化するために、SAFT技術を用いることができる。EACおよびEOCナノセンサの両方を採用するアレイでは、いずれかのEACナノセンサを摂動するためにSTMが使用されることが可能であろうが、その一方でいずれかのEOCナノセンサを摂動するためにはNSOMが使用されることが可能であろう。NSOMは、先細の金属化された光ファイバの末端にあるサブミクロンサイズの開口を通じて、適切なレーザから光を案内するだろう。近接場法は、可視領域内で500nmの小ささの横方向局在化を光子場に提供することができる。さらにまた、EECナノセンサを摂動するための空間的に局在化された場は、先細金属化先端部をSTMスキャナに実装し、先端部と基板1204の金属化裏面との間に周知の電圧を印加することによって得られることが可能であろう。レーザ摂動および電場摂動の両方について、印加される場の空間分解能は、それがセンサアレイの表面との近接を維持することに依存するだろう。このような近接は、STM(案内)先端部からの信号を通じてのSTMのZ運動のフィードバック制御によって維持されることが可能である。
【0068】
アレイ内のEEC/EOCセンサの全てが同じ電流を受けないように、アレイ内のEEC/EOCセンサの各々が、自身のバイアス電流を受けることが可能であることもまた、特筆に値する。たとえば、アレイ内のEEC/EOCセンサ1〜10は電流Aを受けてもよく、その一方でそのアレイのEEC/EOCセンサ11〜20は電流Bを受けてもよい。さらなる例として、20種類の異なる電流が、アレイの20個のEEC/EOCセンサに送達されることもまた可能であろう。
【0069】
図13は、複数のEOCナノセンサ902を含むアレイ900がプロセッサ1302と通信している、例示的実施形態を描写している。プロセッサ1302は、光摂動に対するこれらナノセンサのEOC応答を反映する、EOCナノセンサ902によって生成された信号1300を受信するように構成されている。プロセッサ902はその後、EOCナノセンサ902のEOC効果に対応するデータを生成するために、これらの信号を処理することができる。例示的実施形態において、アレイ900およびプロセッサ902は、ともにカメラ(たとえば、スチルカメラおよび/またはビデオカメラ)として機能し、ここでプロセッサはEOCナノセンサ902によって生成された信号から画像を生成する。このようなカメラは、ラップトップコンピュータおよびスマートフォンなどの携帯用計算機器を含むがこれらに限定されない、カメラが組み込まれた装置をいくつ備えてもよい独立型カメラ装置などの装置1304において配備されることが可能である。このような携帯用装置は好ましくは、カメラによって生成された画像データに対応する画像を表示するように構成されたスクリーンを有する。対象アレイ900のナノスケール寸法および高分解能性能をもってすれば、図13のアレイ900に基づくカメラ例は、多くの従来型カメラにおいて一般的に見られるCCD画素アレイを有利に置き換えまたは補完することができる。
【0070】
本発明の特定の実施形態が詳細に記載されてきたが、本開示の教示全体を鑑みて、これらの詳細に対する様々な変形例および代替例が開発される可能性があることは、当業者によって理解されるだろう。したがって、開示される具体的な構成は、例示目的のみであって、添付請求項にその全容が示されるべき本発明の範囲、ならびにそのいずれかのまたは全ての同等物に関して限定するように意図されるものではない。本明細書に開示される実施形態が、本明細書に開示されるおよび/または従属請求項のいずれかに記載されるような特徴の全ての組み合わせを含むことも、さらに理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
半導体層と、
半導体層の表面に位置し、それによって半導体/金属界面を定義する金属シャントであって、半導体層表面の一部は金属シャントによって被覆されず、半導体層および金属シャントは実質的平行面に存在するが共平面ではない、金属シャントとを含み、
半導体/金属界面は、光学摂動によって摂動されている半導体/金属界面に応えてその抵抗の変化を呈するように構成されている、装置。
【請求項2】
装置が、光学摂動に対する逆異常光コンダクタンス(I−EOC)応答を呈するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
半導体/金属界面はショットキー障壁界面として構成されている、請求項1から2のいずれかに記載の装置。
【請求項4】
装置が、光学摂動に応えて、半導体/金属界面を横断する概弾道的キャリア流から半導体/金属界面を横断する概拡散キャリア流に遷移するように構成されている、請求項1から3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
半導体層と接触する複数のリード線をさらに含む、請求項1から4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
リード線が、
半導体層と接触する少なくとも2本のオーミック電流リード線と、
半導体層と接触する少なくとも2本のオーミック電圧リード線と、を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
金属シャントと接触するリード線をさらに含む、請求項1から6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
電流および電圧リード線が半導体層の一部にのみ接触するように、電流および電圧リード線と半導体層との間に設けられた絶縁層をさらに含む、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
金属シャントが、ナノスケール長およびナノスケール幅を有する、請求項1から8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
リード線と金属シャントとの間に、半導体層の活性層の平均自由行程と同程度の間隔ができるように、リード線が半導体層と接触するように位置決めされている、請求項5から9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
間隔がおよそ50nmである、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
間隔がおよそ1nmからおよそ1000nmの範囲内のいずれかの値である、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
半導体層が、金属シャントのナノスケール長およびナノスケール幅よりも大きいナノスケール長およびナノスケール幅を有する、請求項1から12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
その上に半導体層が位置する基板をさらに含み、金属シャントは基板と接触していない、請求項1から13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
金属シャントが、異なる金属タイプの第一金属層および第二金属層を含む、請求項1から14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
半導体層が、その上に金属シャントが位置するメサ部を含む、請求項1から15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
メサが、ドープ半導体エピタキシャル層を含む、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
半導体層が、非ドープ半導体エピタキシャル層を含む、請求項1から17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
金属シャントおよび半導体層の露出面を被覆する絶縁層をさらに含む、請求項1から18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
半導体/金属界面が、電場摂動によって摂動されている半導体/金属界面に応えてその抵抗の変化を呈するように構成されている、請求項1から19のいずれかに記載の装置。
【請求項21】
装置が、電場摂動に応えて異常電気コンダクタンス(EEC)を呈するように構成されている、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
(1)抵抗変化を表す信号を受信し、(2)受信信号に基づいて画像データを生成するように構成された受信器エレクトロニクスをさらに含む、請求項1から21のいずれかに記載の装置。
【請求項23】
半導体/金属界面がさらに、異常電気コンダクタンス(EEC)応答に対応する電場摂動によって摂動されている半導体/金属界面に応えてその抵抗の変化を呈するように構成されており、受信器エレクトロニクスはさらに、装置の光学応答および電場応答を表す異なる画像データ集合を生成するために、装置が光学摂動によって摂動されているときおよびされていないときに、受信信号をサンプリングするように構成されている、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
受信器エレクトロニクスと通信するアレイをさらに含み、アレイは複数の光学センサを含み、少なくとも複数の光学センサの各々は半導体層、金属シャント、および半導体/金属界面を含み、受信器エレクトロニクスはさらに、光学センサの光学摂動に応えて光学センサからの受信信号に基づいて画像データを生成するように構成されている、請求項22から23のいずれかに記載の装置。
【請求項25】
方法であって、
センサによって異常電気コンダクタンス(EOC)効果を生じるために光子を用いてセンサを摂動するステップを含み、センサは(1)半導体層と、(2)半導体層の表面に位置し、それによって半導体/金属界面を定義する金属シャントと、を含み、半導体層表面の一部は金属シャントによって被覆されず、半導体層および金属シャントは実質的平行面に存在するが共平面ではなく、半導体/金属界面は、摂動ステップに応えてEOC効果に対応する抵抗の変化を呈するように構成されている、方法。
【請求項26】
発生したEOC効果に応えて画像を生成するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
EOC効果がI−EOC効果を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
センサによって異常電気コンダクタンス(EEC)効果を生じるために電荷を用いてセンサを摂動するステップをさらに含む、請求項25から27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
発生したEOC効果に応えて画像を生成するステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
光子摂動ステップおよび電荷摂動ステップを同時に実行するステップをさらに含む、請求項28から29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
光子摂動ステップおよび電荷摂動ステップをほぼ同時に実行するステップをさらに含む、請求項28から29のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
室温で方法を実行するステップをさらに含む、請求項25から31のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
半導体/金属界面がショットキー障壁界面として構成されている、請求項25から32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
センサが、摂動ステップに応えて、半導体/金属界面を横断する概弾道的キャリア流から半導体/金属界面を横断する概拡散キャリア流に遷移するように構成されている、請求項25から33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
金属シャントがナノスケール長およびナノスケール幅を有する、請求項25から34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
半導体層が、金属シャントのナノスケール長およびナノスケール幅よりも大きいナノスケール長およびナノスケール幅を有する、請求項25から35のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
金属シャントが、異なる金属タイプの第一金属層および第二金属層を含む、請求項25から36のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
半導体層が、その上に金属シャントが位置するメサ部を含む、請求項25から37のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
メサが、ドープ半導体エピタキシャル層を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
半導体層が、非ドープ半導体エピタキシャル層を含む、請求項25から39のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
センサが、金属シャントおよび半導体層の露出面を被覆する絶縁層をさらに含む、請求項25から40のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
センサが、アレイを形成する複数のセンサを含む、請求項25から41のいずれかに記載の方法。
【請求項43】
アレイが複数の個別アドレス指定可能画素を含み、各画素はそれぞれ異なるセンサに対応している、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
発生したEOC効果に応えてマルチ画素画像を生成するステップをさらに含む、請求項42から43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
EOC効果がI−EOC効果を含む、請求項42から44のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
センサによって異常電気コンダクタンス(EEC)効果を生じるために電荷を用いてアレイを摂動するステップをさらに含む、請求項42から46のいずれかに記載の方法。
【請求項47】
発生したEEC効果に応えてマルチ画素画像を生成するステップをさらに含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
光子摂動ステップおよび電荷摂動ステップを同時に実行するステップをさらに含む、請求項46から47のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
光子摂動ステップおよび電荷摂動ステップをほぼ同時に実行するステップをさらに含む、請求項46から47のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
アレイが複数の異常圧電コンダクタンス(EPC)センサをさらに含み、方法はEPCセンサによってEPC効果を生じるために圧電摂動を用いてEPCセンサを摂動するステップをさらに含む、請求項42から49のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
アレイが複数の異常音響コンダクタンス(EAC)センサをさらに含み、方法はEACセンサによってEAC効果を生じるために音響摂動を用いてEACセンサを摂動するステップをさらに含む、請求項42から50のいずれかに記載の方法。
【請求項52】
アレイが複数の異常磁気抵抗(EMR)センサをさらに含み、方法はEMRセンサによってEMR効果を生じるために磁場摂動を用いてEMRセンサを摂動するステップをさらに含む、請求項42から51のいずれかに記載の方法。
【請求項53】
室温で方法を実行するステップをさらに含む、請求項42から52のいずれかに記載の方法。
【請求項54】
摂動ステップが、病変を示す分子と結合する発光剤によって発生した光子を用いてアレイを摂動するステップを含み、方法は、アレイのセンサの生成されたEOC効果に基づいて病変を検出するステップをさらに含む、請求項42から53のいずれかに記載の方法。
【請求項55】
発光剤が蛍光体を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
インビボで検出を実行するステップをさらに含む、請求項54から55のいずれかに記載の方法。
【請求項57】
インビトロで検出を実行するステップをさらに含む、請求項54から55のいずれかに記載の方法。
【請求項58】
摂動ステップが、形質転換またはトランスフェクト細胞によって発現する発光剤によって発生した光子を用いてアレイを摂動するステップを含み、方法は、アレイのセンサの生成されたEOC効果に基づいて形質転換またはトランスフェクト細胞を検出するステップをさらに含む、請求項42から57のいずれかに記載の方法。
【請求項59】
発光剤が蛍光体を含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
インビボで検出を実行するステップをさらに含む、請求項58から59のいずれかに記載の方法。
【請求項61】
インビトロで検出を実行するステップをさらに含む、請求項58から59のいずれかに記載の方法。
【請求項62】
生成されたEOC効果に基づいて接触撮像を実行するステップをさらに含む、請求項25から61のいずれかに記載の方法。
【請求項63】
生成されたEOC効果に基づいて天文学的検出を実行するステップをさらに含む、請求項25から62のいずれかに記載の方法。
【請求項64】
生成されたEOC効果に基づいて天文学的観測を実行するステップをさらに含む、請求項25から63のいずれかに記載の方法。
【請求項65】
センサがカメラ内に存在し、方法は、生成されたEOC効果に基づいてカメラ画像を生成するステップをさらに含む、請求項25から64のいずれかに記載の方法。
【請求項66】
カメラがビデオカメラを含み、カメラ画像は動画を含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
生成されたEOC効果に基づいて癌検出を実行するステップをさらに含む、請求項25から66のいずれかに記載の方法。
【請求項68】
生成されたEOC効果に基づいて血液分析を実行するステップをさらに含む、請求項25から67のいずれかに記載の方法。
【請求項69】
生成されたEOC効果に基づいてナノ粒子拡散およびサイズ調査を実行するステップをさらに含む、請求項25から68のいずれかに記載の方法。
【請求項70】
生成されたEOC効果に基づいて位置感応検出操作を実行するステップをさらに含む、請求項25から69のいずれかに記載の方法。
【請求項71】
光情報記憶および検出に関する方法を実行するステップをさらに含む、請求項25から70のいずれかに記載の方法。
【請求項72】
方法であって、
センサによってI−EOC応答を生成するために光子を用いて複数のナノスケールI−EOCセンサで形成されたアレイを摂動するステップと、
生成されたI−EOC応答からナノスケール分解能を有する画像を生成するステップと、を含む方法。
【請求項73】
方法であって、
EOC応答を生成するために光子を用いて金属半導体ハイブリッド(MSH)装置を摂動するステップであって、MSH装置はキャリア流に対するショットキー障壁の役割を果たす半導体/金属界面を含む、ステップを含む方法。
【請求項74】
方法であって、
EOC応答を生成するために光子を用いて金属半導体ハイブリッド(MSH)装置を摂動するステップであって、半導体/金属界面を横断するMSH装置内のキャリア流は、光子による摂動に応えて主に弾道的輸送から拡散輸送に遷移する、ステップを含む方法。
【請求項75】
装置であって、
半導体層と、
半導体層の表面に位置し、それによって半導体/金属界面を定義する金属シャントであって、半導体層表面の一部は金属シャントによって被覆されず、半導体層および金属シャントは実質的平行面に存在するが共平面ではない、金属シャントと、
金属シャントとリード線との間におよそ1nmからおよそ1000nmの範囲内のいずれかの値の間隔ができるように、半導体層と接触するが金属シャントとは接触しない、複数のリード線と、を含む装置。
【請求項76】
半導体層がドープ半導体層および非ドープ半導体層を含み、ドープ半導体層は金属シャントと接触して半導体/金属界面を形成し、非ドープ半導体層は金属シャントと接触していない、請求項75に記載の装置。
【請求項77】
リード線がドープ半導体層と接触し、装置は、リード線を非ドープ半導体層から絶縁する絶縁層をさらに含む、請求項76に記載の装置。
【請求項78】
金属シャントと接触しているリード線をさらに含む、請求項75から77のいずれかに記載の装置。
【請求項79】
半導体層および金属シャントがファンデルポー(van der Pauw)(vdP)プレートになっている、請求項75から78のいずれかに記載の装置。
【請求項80】
方法であって、
金属半導体ハイブリッド(MSH)装置にバイアスをかけるステップであって、MSH装置は半導体/金属界面を有するステップと、
半導体/金属界面を横断するキャリア流が概弾道的輸送から概拡散輸送に遷移するように、光を用いてMSH装置を摂動するステップと、
摂動ステップに応えてMSH装置からの電圧信号を検出するステップと、を含む方法。
【請求項81】
装置であって、
複数のセンサであって、複数のセンサの各々が、光による摂動に応えて異常光コンダクタンス(EOC)応答を表す信号を生成するように構成されている、センサと、
センサと通信するためのプロセッサであって、生成された信号に対応するデータを生成するように構成されている、プロセッサと、を含み、
複数のセンサの各々は、
半導体層と、
半導体層の表面に位置し、それによって半導体/金属界面を定義する金属シャントであって、半導体/金属界面はショットキー界面を含む、金属シャントと、を含み、
複数のセンサの各々は、照射の増加に応えてショットキー特性からオーミック特性に変化するI−V特性を呈するように構成されている、装置。
【請求項82】
複数のセンサの半導体層および金属シャントが、ナノスケール寸法を呈する、請求項81に記載の装置。
【請求項83】
複数のセンサの各々が、光による摂動に応えて逆異常光コンダクタンス(I−EOC)応答を表す信号を生成するように構成されている、請求項81から82のいずれかに記載の装置。
【請求項84】
プロセッサが、生成された信号に対応する画像データを生成するように構成されており、画像データは複数の画素を含み、複数のセンサはセンサのアレイを含み、センサは画素に対応する、請求項81から83のいずれかに記載の装置。
【請求項85】
装置がカメラを含む、請求項81から84のいずれかに記載の装置。
【請求項86】
装置がビデオカメラを含む、請求項85に記載の装置。
【請求項87】
カメラが携帯用計算装置上に存在する、請求項85から86のいずれかに記載の装置。
【請求項88】
携帯用計算装置がスマートフォンを含む、請求項87に記載の装置。
【請求項89】
少なくとも複数のセンサの各々が、電場による摂動に応えて異常電気コンダクタンス(EEC)応答を表す信号を生成するように構成されており、プロセッサはさらに、EECおよびEOC信号に対応する画像データを生成するように構成されている、請求項81から88のいずれかに記載の装置。
【請求項90】
複数のセンサの各々が、光摂動に応えてその半導体/金属界面を横断する概弾道的キャリア流からその半導体/金属界面を横断する概拡散キャリア流に遷移するように構成されている、請求項81から89のいずれかに記載の装置。
【請求項91】
方法であって、
光による摂動に応えて概弾道的キャリア流から概拡散キャリア流への、正の光抵抗および光誘起スイッチングを呈する個別アドレス指定可能ナノスケールハイブリッド金属−半導体光学センサを用いて、室温で光を検出するステップを含む方法。
【請求項92】
装置であって、
光による摂動に応えて概弾道的キャリア流から概拡散キャリア流への、正の光抵抗および光誘起スイッチングを呈するように構成された、個別アドレス指定可能ナノスケールハイブリッド金属−半導体光学センサを含む装置。
【請求項93】
センサと通信するためのプロセッサを含み、プロセッサは、光摂動に応えて提示された正の光抵抗に対応するデータを生成するように構成されている、請求項92に記載の装置。
【請求項94】
アレイ内に配置された複数の個別アドレス指定可能ナノスケールハイブリッド金属−半導体光学センサをさらに含み、プロセッサは、アレイとの通信用であって、光摂動に応えて光学センサからの提示された正の光抵抗に対応する画像データを生成するように構成されている、請求項93に記載の装置。
【請求項95】
方法であって、
装置によって異常光コンダクタンス(EOC)効果を生じるために、光子を用いて請求項1から27のいずれかにおいて定義された装置を摂動するステップを含む、方法。
【請求項96】
発生したEOC効果に応えて画像を生成するステップをさらに含む、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
EOC効果がI−EOC効果を含む、請求項95から96のいずれかに記載の方法。
【請求項98】
装置によって異常電気コンダクタンス(EEC)効果を生じるために、電荷を用いて装置を摂動するステップをさらに含む、請求項96から97のいずれかに記載の方法。
【請求項99】
発生したEOC効果に応えて画像を生成するステップをさらに含む、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
光子摂動ステップおよび電荷摂動ステップを同時に実行するステップをさらに含む、請求項98から99のいずれかに記載の方法。
【請求項101】
光子摂動ステップおよび電荷摂動ステップをほぼ同時に実行するステップをさらに含む、請求項98から99のいずれかに記載の方法。
【請求項102】
室温で方法ステップを実行するステップをさらに含む、請求項99から101のいずれかに記載の方法。
【請求項103】
方法であって、
装置によって異常光コンダクタンス(EOC)効果を生じるために、光子を用いて請求項1から27のいずれかにおいて定義された複数の装置を摂動するステップであって、複数の装置はアレイになっている、ステップを含む方法。
【請求項104】
アレイが複数の個別アドレス指定可能画素を含み、各画素はそれぞれ異なる装置に対応している、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
発生したEOC効果に応えてマルチ画素画像を生成するステップをさらに含む、請求項103から104のいずれかに記載の方法。
【請求項106】
EOC効果がI−EOC効果を含む、請求項103から105のいずれかに記載の方法。
【請求項107】
装置によって異常電気コンダクタンス(EEC)効果を生じるために、電荷を用いて装置を摂動するステップをさらに含む、請求項103から106のいずれかに記載の方法。
【請求項108】
発生したEEC効果に応えてマルチ画素画像を生成するステップをさらに含む。請求項107に記載の方法。
【請求項109】
光子摂動ステップおよび電荷摂動ステップを同時に実行するステップをさらに含む、請求項107から108のいずれかに記載の方法。
【請求項110】
光子摂動ステップおよび電荷摂動ステップをほぼ同時に実行するステップをさらに含む、請求項107から108のいずれかに記載の方法。
【請求項111】
アレイが複数の異常圧電コンダクタンス(EPC)センサをさらに含み、方法は装置によってEPC効果を生じるために圧電摂動を用いてEPCセンサを摂動するステップをさらに含む、請求項103から110のいずれかに記載の方法。
【請求項112】
アレイが複数の異常音響コンダクタンス(EAC)センサをさらに含み、方法は装置によってEAC効果を生じるために音響摂動を用いてEACセンサを摂動するステップをさらに含む、請求項103から111のいずれかに記載の方法。
【請求項113】
アレイが複数の異常磁気抵抗(EMR)センサをさらに含み、方法は装置によってEMR効果を生じるために磁場摂動を用いてEMRセンサを摂動するステップをさらに含む、請求項103から112のいずれかに記載の方法。
【請求項114】
室温で方法ステップを実行するステップをさらに含む、請求項103から113のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9(a)】
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【図9(b)】
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【図10】
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【図11(a)】
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【図11(b)】
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【図12(a)】
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【図12(b)】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2013−516794(P2013−516794A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548171(P2012−548171)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【国際出願番号】PCT/US2011/020545
【国際公開番号】WO2011/085220
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(500204278)ワシントン ユニヴァーシティー (14)
【Fターム(参考)】