発光素子
発光素子、及び関連部品、システム及び方法を開示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光素子、及び関連部品、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(light emitting diode:LED)は多くの場合、白熱光源及び/又は蛍光光源よりも効率良く光を供給することができる。LEDは非常に高い電力効率を有するので、LEDを使用して種々の照明用途における従来の光源に置き換えるという考えが注目されている。例えば、或る例では、LEDは交通信号灯として、そして携帯電話キーパッド及びディスプレイを照らすために使用されている。
【0003】
通常、LEDは複数の層により形成され、これらの層の内の少なくとも幾つかの層は異なる材料により形成される。一般的に、これらの層に選択される材料及び厚さによって、LEDが放出する光の波長(群)が決まる。更に、これらの層の化学組成は、複数の領域(一般的には量子井戸と呼ばれる)に注入される電荷キャリアを絶縁して光電力への変換が非常に高い効率で行われるように選択することができる。一般的に、接合の内、量子井戸が形成される一方の側の層には、高い電子密度を実現するドナー原子が添加され(このような層は一般的にn型層と呼ばれる)、そして反対側の層には、かなり高い正孔密度を実現するアクセプタ原子が添加される(このような層は一般的にp型層と呼ばれる)。
【0004】
LEDを形成するための一般的な手法は次の通りである。複数の材料層をウェハの形で用意する。通常、これらの層は、有機金属気相成長法(metal−organic chemical vapor deposition:MOCVD)のようなエピタキシャル成長法を使用して形成され、この場合、初期堆積層が成長基板の上に形成される。次に、これらの層に、種々のエッチング法及び金属配線技術を用いて電流注入を行なうためのコンタクトを形成し、続いてウェハを個々のLEDチップに分割する。普通、これらのLEDチップはパッケージングされる。
【0005】
使用の間、電気エネルギーが普通にLEDに注入され、続いて電磁放射線(光)に変換され、この電磁放射線の或る部分がLEDから取り出される。
【特許文献1】米国特許第6,420,242号
【特許文献2】米国特許第6,071,795号
【非特許文献1】CRC, Boca Raton, FL, 1993
【非特許文献2】Artech House, London, 1995
【非特許文献3】Cambridge University Press, Cambridge, England 1996
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は発光素子、及び関連部品、システム、及び方法に関する。
一の実施形態では、本発明は複数の材料から成る多層積層体を含む発光素子を特徴とする。複数の材料から成る多層積層体は、光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層を含む。第1層の表面は、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができるように構成される。第1層の表面は、パターンに従って空間的に変化する誘電関数を有し、そしてパターンは理想的な格子定数及びゼロよりも大きい値の微調整(detuning)パラメータを有する。
【0007】
別の実施形態では、本発明は複数の材料から成る多層積層体を含む発光素子を特徴とする。複数の材料から成る多層積層体は、光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層
を含む。第1層の表面は、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができるように構成され、そして表面は非周期パターンに従って空間的に変化する誘電関数を有する。
【0008】
更に別の実施形態では、本発明は複数の材料から成る多層積層体を含む発光素子を特徴とする。複数の材料から成る多層積層体は、光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層を含む。第1層の表面は、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができるように構成され、そして表面は複素周期パターンに従って空間的に変化する誘電関数を有する。
【0009】
一の実施形態では、本発明は複数の材料から成る多層積層体を含む発光素子を特徴とする。複数の材料から成る多層積層体は、n型材料層、p型材料層、及び光発生領域を含む。発光素子は反射材料層も含み、この反射材料層は、光発生領域によって生成される光の少なくとも50%の光であって、反射材料層に衝突する光を反射する機能を備える。n型材料層の表面は、光発生領域が生成する光を発光素子からn型材料層の表面を通して放出することができるように構成される。n型材料層の表面はパターンに従って空間的に変化する誘電関数を有し、そしてp型材料層と反射材料層との間の距離は、n型材料層と反射材料層との間の距離よりも短い。
【0010】
別の実施形態では、本発明は、複数の材料から成り、かつ光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層を含む多層積層体を含む発光素子を特徴とする。第1層の表面は、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができるように構成され、そして第1層の表面はパターンに従って空間的に変化する誘電関数を有する。発光素子は反射材料層も含み、この反射材料層は、光発生領域によって生成される光の少なくとも50%の光であって、反射材料層に衝突する光を反射する機能を備える。光発生領域は反射材料層と第1層との間に位置し、そしてパターンは第1層を超えて延びることがない。
【0011】
更に別の実施形態では、本発明は複数の材料から成る多層積層体を含む発光素子を特徴とする。複数の材料から成る多層積層体は、光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層を含む。第1層の表面は、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができるように構成される。発光素子は、第1層の表面に接触する材料も含み、この材料は約1.5未満の屈折率を有する。発光素子はパッケージングされる。
【0012】
一の実施形態では、本発明は複数の材料から成る多層積層体を含む発光素子を特徴とする。複数の材料から成る多層積層体は、光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層を含む。第1層の表面は、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができるように構成される。第1層の表面はパターンに従って空間的に変化する誘電関数を有する。発光素子は、第1層の表面によって支持されるリン材料も含む。発光素子の側壁はほとんどリン材料を含まない。
【0013】
別の実施形態では、本発明はウェハを形成する方法を特徴とする。この方法では、リン材料をウェハの表面の上に載置する。ウェハは複数の発光素子を含む。各発光素子は、複数の材料から成り、かつ光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層を含む多層積層体を含む。第1層の表面は、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができるように構成され、そして第1層の表面はパターンに従って空間的に変化する誘電関数を有する。
【0014】
更に別の実施形態では、本発明は複数の材料から成る多層積層体を含む発光素子を特徴とする。複数の材料から成る多層積層体は、光発生領域、及び光発生領域に支持される第
1層を含む。第1層の表面は、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができるように構成され、そして第1層の表面はパターンに従って空間的に変化する誘電関数を有する。発光素子はリン材料も含み、このリン材料は、光発生領域が生成し、かつ発光素子から第1層の表面を通して放出される光がリン材料と相互反応して、リン材料から放出される光がほぼ白色光となるように構成される。発光素子の面積に対する発光素子の高さの比は、白色光が全方向に広がることができるように十分に小さい。
【0015】
一の実施形態では、本発明は複数の材料から成る多層積層体を含む発光素子を特徴とする。複数の材料から成る多層積層体は、光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層を含む。第1層の表面は、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができるように構成される。発光素子はまた、発光素子から放出される光をほぼ透過する材料により形成される第1シートと、そしてリン材料を含む第2シートと、を含む。第2シートは第1シートに隣接する。発光素子はパッケージングされ、そして第1及び第2シートは発光素子のパッケージの一部を形成する。
【0016】
別の実施形態では、本発明は、複数の材料から成り、かつ光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層を含む多層積層体を含む発光素子を特徴とする。第1層の表面は、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができるように構成される。第1層の表面はパターンに従って空間的に変化する誘電関数を有し、そしてパターンは、光発生領域が生成し、かつ発光素子から第1層の表面を通して放出される光が、ランバート分布の場合よりも平行度が高くなるように構成される。
【0017】
更に別の実施形態では、本発明は、複数の発光素子を含むウェハを特徴とする。これらの発光素子の内の少なくとも幾つかの発光素子は、複数の材料から成る多層積層体を含む。複数の材料から成る多層積層体は、光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層を含む。第1層の表面は、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができるように構成される。第1層の表面はパターンに従って空間的に変化する誘電関数を有し、そしてパターンは、光発生領域が生成し、かつ発光素子から第1層の表面を通して放出される光が、ランバート分布の場合よりも平行度が高くなるように構成される。ウェハは、1平方センチメートル当たり少なくとも約5個(例えば少なくとも約25個、少なくとも約50個)の発光素子を有する。
【0018】
一の実施形態では、本発明は複数の材料から成る多層積層体を含む発光素子を特徴とする。複数の材料から成る多層積層体は、光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層を含むことにより、発光素子を使用している間に、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができる。第1層の表面はパターンに従って空間的に変化する誘電関数を有し、そして光発生領域が生成し、かつ発光素子から放出される光の合計量の少なくとも約45%(例えば少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%)が発光素子の表面を通して放出される。
【0019】
別の実施形態では、本発明は複数の材料から成る多層積層体を含む発光素子を特徴とする。複数の材料から成る多層積層体は、光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層を含むことにより、発光素子を使用している間に、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができる。発光素子は端面(edge)を有し、この端面は少なくとも約1ミリメートル(例えば、少なくとも約1.5ミリメートル、少なくとも約2ミリメートル、少なくとも約2.5ミリメートル)の長さであり、そして発光素子は、発光素子の取り出し効率が端面の長さにほぼ無関係となるように構成される。
【0020】
更に別の実施形態では、本発明は複数の材料から成る多層積層体を含む発光素子を特徴
とする。複数の材料から成る多層積層体は、光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層を含むことにより、発光素子を使用している間に、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができる。発光素子は端面を有し、この端面は少なくとも約1ミリメートル(例えば、少なくとも約1.5ミリメートル、少なくとも約2ミリメートル、少なくとも約2.5ミリメートル)の長さであり、そして発光素子は、発光素子の量子効率が端面の長さにほぼ無関係となるように構成される。
【0021】
一の実施形態では、本発明は複数の材料から成る多層積層体を含む発光素子を特徴とする。複数の材料から成る多層積層体は、光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層を含むことにより、発光素子を使用している間に、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができる。発光素子は端面を有し、この端面は少なくとも約1ミリメートル(例えば、少なくとも約1.5ミリメートル、少なくとも約2ミリメートル、少なくとも約2.5ミリメートル)の長さであり、そして発光素子は、発光素子のウォールプラグ効率が端面の長さにほぼ無関係となるように構成される。
【0022】
別の実施形態では、本発明は発光素子を形成する方法を特徴とする。この方法では、反射材料層をp型材料層と接着させる。発光素子は、複数の材料から成り、かつp型材料層と、光発生領域と、そして第1層と、を含む多層積層体を含む。第1層は、パターンに従って空間的に変化する誘電関数を有する表面を含み、そして反射材料は、光発生領域が生成する光の少なくとも約50%の光であって、反射材料層に衝突する光を反射する機能を備える。
【0023】
更に別の実施形態では、本発明は発光素子を形成する方法を特徴とする。この方法では、第1層に接着している基板を取り外す。第1層は、複数の材料から成る多層積層体の内、光発生領域を含む部分を形成し、そして本方法によって発光素子が形成され、この発光素子においては、第1層の表面は、パターンに従って空間的に変化する誘電関数を有する表面を有する。
【0024】
複数の実施形態は、次の態様の内の一つ以上を特徴とすることができる。
複数の材料から成る多層積層体は、複数の半導体材料から成る多層積層体により形成することができる。第1層はn型半導体材料層とすることができ、そして多層積層体は更に、p型半導体材料層を含むことができる。光発生領域は、n型半導体材料層とp型半導体材料層との間に設けることができる。
【0025】
発光素子は更に、複数の材料から成る多層積層体を支持する支持体を含むことができる。
発光素子は更に、光発生領域によって生成される光の少なくとも50%の光であって、反射材料層に衝突する光を反射する機能を備える反射材料層を含むことができる。反射材料層は、支持体と、複数の材料から成る多層積層体との間に設けることができる。p型半導体材料層と反射材料層との間の距離は、n型半導体材料層と反射材料層との間の距離よりも短くすることができる。発光素子は更に、p型オーミックコンタクト層をp型半導体材料層と反射材料層との間に含むことができる。
【0026】
発光素子は更に、電流拡散層を第1と光発生領域との間に含むことができる。
複数の材料から成る多層積層体は、例えばIII−V族半導体材料、有機半導体材料、及び/又はシリコンのような半導体材料により形成することができる。
【0027】
或る実施形態では、パターンは光発生領域の中にまで延びない。
或る実施形態では、パターンは第1層を超えて延びることがない。
或る実施形態では、パターンは第1層を超えて延びる。
【0028】
発光素子は更に、電流を発光素子に注入するように構成される複数の電気コンタクトを含むことができる。これらの電気コンタクトは、電流を発光素子に縦方向に注入するように構成することができる。
【0029】
パターンはその一部を、例えば第1層の表面の複数の穴、第1層の複数のピラー(柱)、第1層の複数の連続する筋(vein)、第1層の複数の不連続な筋、及びこれらの組合せの中から選択される部品により形成することができる。
【0030】
或る実施形態では、パターンは三角形パターン、方形パターン、及び格子パターンから選択することができる。
或る実施形態では、パターンは非周期パターン、準結晶パターン、ロビンソン(Robinson)パターン、及びアムマン(Amman)パターンから選択することができる。或る実施形態では、パターンはペンローズ(Penrose)パターンである。
【0031】
或る実施形態では、パターンは蜂の巣状パターン及びアルキミディアンパターンから選択することができる。或る実施形態では、パターン(例えば蜂の巣パターン)は異なる直径の複数の穴を有することができる。
【0032】
パターンはその一部を、第1層の表面の複数の穴により形成することができる。
微調整パラメータは、例えば理想格子定数の少なくとも約1%、そして/または理想格子定数の最大約25%とすることができる。或る実施形態では、パターンはほぼランダムに微調整された理想パターンに対応させることができる。
【0033】
パターンは、第1層の表面から放出される光が放射モードのスペクトルを有し、かつ放射モードのスペクトルが光発生領域の固有放出スペクトルとほぼ同じとなるように構成することができる。
【0034】
発光素子は、例えば発光ダイオード、レーザ、または光増幅器とすることができる。発光素子の例として、有機発光素子(OLEDs)、面発光LED、及び高輝度発光素子(HBLEDs)が挙げられる。
【0035】
或る実施形態では、第1層の表面は約λ/5未満のサイズのパターンを有し、この場合、λは第1層が放出することができる光の波長である。
或る実施形態では、発光素子はパッケージングされる(例えば、パッケージチップの形で)。或る実施形態では、パッケージングされた発光素子には封止材料が不要となる。
【0036】
或る実施形態では、第1層の表面に接触する材料はガス(例えば空気)である。このガスは約100Torr未満の圧力を有することができる。
或る実施形態では、第1層の表面に接触する材料は少なくとも約1の屈折率を有する。
【0037】
或る実施形態では、パッケージングされたLEDはカバーを含む。カバーはリン材料を含むことができる。カバーは、光発生領域が生成し、かつ第1層の表面を通して放出される光がリン材料と相互反応することができ、そして第1層の表面を通して放出され、かつリン材料と相互反応する光がカバーからほぼ白色光として放出されるように構成することができる。
【0038】
或る実施形態では、発光素子は更に、発光素子から放出される光をほぼ透過する材料を含む第1シート、及びリン材料を含む第2シートを含む。第2シートは第1シートに隣接することができ、そして約1.5未満の屈折率を有する材料を第1シートと第1層の表面
との間に設けることができる。第1及び第2シートは、光発生領域が生成し、かつ第1層の表面を通して放出される光がリン材料と相互反応することができ、そして第1層の表面を通して放出され、かつリン材料と相互反応する光が第2シートからほぼ白色光として放出されるように構成することができる。
【0039】
リン材料は第1層の表面の上に配置することができる。
ウェハを形成する方法では、リン材料を配置して約20%未満だけ変化する厚さを有する層を形成することができる。本方法では、リン材料層の厚さが約20%未満だけ変化するようにリン材料層を平坦化することができる。本方法ではまた、リン材料を第1層の表面の上に配置した後に、リン材料を平坦化することができる。リン材料は、例えばスピン塗布により第1層の表面の上に形成することができる。本方法では、ウェハから複数の発光素子を形成し、そしてこれらの発光素子の内の少なくとも幾つかの発光素子を互いから分離することができる。
【0040】
或る実施形態では、光発生領域が生成する光は発光素子から第1層の表面を通して放出されるとき、第1層の表面を通して放出される光の少なくとも約40%が、第1層の表面の法線に対して最大約30°の角度以内で放出される。
【0041】
或る実施形態では、発光素子の準位占有率が少なくとも約10%そして/または最大約75%である。
発光素子を形成する方法では更に、反射材料層をp型材料層に接着させる前に、第1層を基板に接着させることができ、この場合、複数の材料から成る多層積層体は基板と反射材料層との間に位置する。本方法ではまた、接着層を第1層と基板との間に形成することができる。本方法ではまた、基板を取り外すことができる。本方法は更に、基板を取り外す工程の後に、ラッピング工程及び研磨工程を含むことができる。基板は、反射材料層を第1層に接着させた後に取り外すことができる。基板を取り外す工程においては、第1層と基板との間に配置される接着層を加熱することができる。接着層を加熱する工程においては、接着層の少なくとも一部を分解することができる。接着層を加熱する工程においては、接着層をレーザからの放射線に晒すことができる。基板を取り外す工程においては、基板をレーザリフトオフ法を使用してレーザ光に晒すことができる。基板を取り外すことにより、第1層の表面をほぼ平坦にすることができる。本方法では更に、パターンを第1層の表面に形成する前に、かつ基板を取り外した後に、第1層の表面を平坦化することができる。第1層の表面を平坦化する工程においては、第1層の表面に化学機械研磨を施すことができる。第1層の表面を平坦化することによって、第1層の表面の粗さを、約λ/5超にまで小さくすることができ、この場合、λは第1層が放出することができる光の波長である。パターンを形成する工程では、ナノリソグラフィを使用することができる。本方法ではまた、基板を反射材料層の上に配置することができる。本方法では更に、電流拡散層を第1層と光発生領域との間に配置することができる。
【0042】
複数の実施形態は、次の利点の内の一つ以上を特徴とすることができる。
或る実施形態では、LED及び/又は非常に大きなLEDチップは、非常に大きな表面輝度、非常に大きな平均表面輝度を示し、熱放散の必要性が非常に小さい、または熱放散の速度が非常に大きく、エテンデュー(etendue:利用できる光源の面積×立体角)を大きく減らすことができ、そして/または電力効率を非常に高くすることができる。
【0043】
或る実施形態では、LED及び/又は非常に大きなLEDチップは、LED/LEDチップが放出する光がほとんどパッケージによって吸収されないように構成することができる。
【0044】
或る実施形態では、パッケージLED(例えば、非常に大きなパッケージLED)は、
封止材料を使用することなく製造することができる。これによって、或る封止材料を使用することによってもたらされる、経時的な性能低下及び/又は性能ばらつきのような或る問題を回避することができるので、非常に良好な、そして/または高信頼性の性能を非常に長い期間に渡って示すことができるパッケージLEDを提供することができる。
【0045】
或る実施形態では、LED(例えば、非常に大きなパッケージLEDとすることができるパッケージLED)は、リン材料から成る非常に均一なコーティングを含むことができる。
【0046】
或る実施形態では、LED(例えば、非常に大きなパッケージLEDとすることができるパッケージLED)は、特定の角度範囲内(例えば、LED表面の法線に対する特定の角度範囲内)で所望の光出力を実現するように構成することができる。
【0047】
或る実施形態では、LED及び/又は非常に大きなLEDチップは、商業的規模で実行することができ、プロセスを経済的に採算の採れなくしてしまうようなコストを生じることがないプロセスによって製造することができる。
【0048】
本発明の特徴及び利点は記述、図、及び請求項に示される。
種々の図における同様の参照符号は同様の構成要素を指す。
図1は、パッケージチップ(packaged die)構成のLED100の側面図を示している。LED100は、サブマウント120上に配置される多層積層体122を含む。多層積層体122は320nm厚さのシリコン添加(n型)GaN層134を含み、このGaN層は複数の開口150から成るパターンをその上側表面110に有する。多層積層体122はまた、接着層124、100nm厚さの銀層126、40nm厚さのマグネシウム添加(p型)GaN層128、複数のInGaN/GaN量子井戸により形成される120nm厚さの光発生領域130、及びAlGaN層132を含む。n側コンタクトパッド136は層134の上に配置され、そしてp側コンタクトパッド138は層126の上に配置される。封止材(屈折率が1.5のエポキシ)144は層134とカバースリップ140と支持体142との間に設けられる。層144は複数の開口150の内部には延在しない。
【0049】
光はLED100によって次のように生成される。p側コンタクトパッド138はn側コンタクトパッド136に対して正の電位に保持され、これによって電流がLED100に注入される。電流が光発生領域130を通過すると、n型層134からの電子が領域130の内部でp型層128からの正孔と結合し、これによって領域130が光を生成する。光発生領域130は、領域130内で光発生領域130を形成するために使用される材料の波長スペクトル特性を有する光を放出する(例えば等方的に)多くの点双極子放射源を含む。InGaN/GaN量子井戸の場合、領域130によって生成される光の波長スペクトルは約445ナノメートル(nm)にピーク波長を、そして約30nmの半値幅(full width at half maximum:FWMH)を有する。
【0050】
ここで、p型層126の電荷キャリアは、n型半導体層134の電荷キャリアに比べて非常に低い移動度を有することに注目されたい。その結果、銀層126(導体である)をp型層128の表面に沿って配置することにより、コンタクトパッド138からp型層128及び光発生領域130への電荷注入の均一性を高めることができる。これによってまた、素子100の電気抵抗を下げ、そして/または素子100の注入効率を高めることができる。n型層134の電荷移動度が非常に高いので、電子はn側コンタクトパッド136から層132及び134を通過して非常に大きな速度で拡散することができ、光発生領域130内の電流密度は領域130全体に渡ってほぼ均一となる。ここでまた、銀層126は非常に高い熱伝導率を有するので、層126がLED100のヒートシンクとして機
能する(多層積層体122からサブマウント120に向かって縦方向に熱を移動させる)ことができることに注目されたい。
【0051】
領域130によって生成される光の少なくとも或る部分は銀層126に振り向けられる。この光は層126によって反射され、そしてLED100から表面110を通って放出される、または層126によって反射され、次にLED100の半導体材料内部で吸収されると領域130内で結合する電子−正孔ペアを生じさせるので、領域130は光を生成する。同様に、領域130によって生成される光の少なくとも或る部分はパッド136に振り向けられる。パッド136の下側は、光発生領域130によって生成される光の少なくとも或る部分を反射する材料(例えばTi/Al/Ni/Au合金)により形成される。従って、パッド136に振り向けられる光はパッド136によって反射され、続いてLED100から表面110を通って放出される(例えば、銀層126によって反射されることにより)、またはパッド136に振り向けられる光はパッド136によって反射され、次にLED100の半導体材料内部で吸収されると領域130内で結合する電子−正孔ペアを生じさせるので、領域130は光を生成する(例えば、銀層126によって反射されることにより、または反射されることなく)。
【0052】
図1及び2に示すように、LED100の表面110は平坦ではないが、複数の開口150を変形三角形状に配列したパターンを有する。一般的に、開口150の深さは種々の値に選択することができ、開口150の直径及び開口150の最近接開口(nearest neighbors)間の間隔は変えることができる。特に断らない限り、以下の図を用いて数値計算の結果を示すために、開口150は約280nmに等しい深さ146を有し、約160bnmの非ゼロ直径を有し、約220nmの最近接開口間隔を有し、そして約1.0に等しい屈折率を有する。三角形状配列パターンを微調整して、パターン150の最近接開口の中心から中心の距離が(a−Δa)と(a+Δa)との間の値を有するようにし、この場合「a」は理想的な三角形状配列パターンの格子定数であり、「Δa」は長さの次元を有する微調整パラメータであり、この微調整はランダムな方向に行なうことができる。LED100からの光取り出し効率を高めるために(以下の議論を参照のこと)、微調整パラメータΔaは通常、理想格子定数aの少なくとも約1%(例えば、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%)であり、そして/または理想格子定数aの最大約25%(例えば、最大約20%、最大約15%、最大約10%)である。或る実施形態では、最近接開口間隔は、(a−Δa)と(a+Δa)との間でほぼランダムに変化して、パターン150をほぼランダムに微調整することができるようにする。
【0053】
複数の開口150が変形三角形状に配列されるパターンの場合、微調整パラメータを非ゼロにすることによって、LED100からの取り出し効率を高めることができることが判明している。上述のLED100の場合、微調整パラメータΔaがゼロから約0.15aにまで増えると、LED100における電磁界の数値モデル化(以下に記載する)によれば、図3に示すように、素子からの取り出し効率が約0.60から約0.70にまで増大することが判明している。
【0054】
図3に示す取り出し効率データは、3次元有限差分時間領域(FDTD)法を使用してLED100の内部及び外部の光に関するマクスウェル方程式の近似解を求めることによって計算される。これについては、例えばK.S. Kunz and R.J. Luebbersによる「有限差分時間領域法」と題する非特許文献1(CRC, Boca
Raton, FL, 1993)、A. Tafloveによる「計算電気力学:有限差分時間領域法」と題する非特許文献2(Artech House, London, 1995)を参照されたく、これらの文献の両方を本明細書において参照することにより、これらの文献の内容が本発明の開示に含まれる。特定パターン150を有するLE
D100の光動作を説明するために、FDTD計算の入力パラメータは、光発生領域130の点双極子放射源が放出する光の中心周波数及び帯域幅、多層積層体122内の各層の寸法及び誘電特性、及びパターン150の開口の直径、深さ、及び最近接開口間距離(NND)を含む。
【0055】
或る実施形態では、LED100に関する取り出し効率データはFDTD法を使用して次のように計算される。FDTD法を使用して完全ベクトルの、時間に依存する(full−vector time−dependent)マクスウェル方程式を解く。
【0056】
【数1】
【0057】
上の式において、分極率
【数2】
【0058】
は量子井戸光発生領域130、pコンタクト層126、及びLED100内の他の層の周波数応答を表わす。個々のベクトルP
【数3】
【0059】
項は、材料の全分極率に対する異なる寄与度を示す実験的に得られる値である(例えば、束縛電子の振動の分極応答、自由電子の振動の分極応答)。特に、次の等式が成り立ち、
【数4】
【0060】
上の式において分極は次式により表わされる誘電率に対応する。
【0061】
【数5】
【0062】
数値計算を行なうために、考察対象の層は封止材144、銀層126、及び封止材144と銀層126との間の層だけである。この近似は、封止材144及び層126が十分に厚いのでこれらを取り囲む層はLED100の光学特性に影響を与えないという仮定に基づいている。周波数に依存する誘電率を有すると推定されるLED100内の関連構造は、銀層126及び光発生領域130である。LED100内の他の関連層は、周波数に依存する誘電率を持たないと推定される。ここで、LED100が追加の金属層を封止材144と銀層126との間に含む実施形態では、これらの追加の金属層の各層が該当する周波数に依存する誘電率を有することに注目されたい。銀層126(及びLED100内の他の全ての金属層)は、束縛電子及び自由電子の両方に関して周波数に依存する項を有し
、他方、光発生領域130は束縛電子に関して周波数に依存する項を有するが、自由電子に関しては周波数に依存する項を持たないことにも注目されたい。或る実施形態では、他の項を、誘電率の周波数依存をモデル化する場合には含むことができる。このような項は、例えば電子−光子相互作用、原子分極、イオン分極、及び/又は分子分極を含むことができる。
【0063】
光発生領域130の量子井戸領域からの光放出は、ランダムに配置された多くの定電流双極子放射源を光発生領域130内に組み込むことによりモデル化することができ、これらの定電流双極放射源の各々は、実際の量子井戸のスペクトル幅に等しいスペクトル幅の短いガウスパルスを放出し、これらのパルスの各々はランダムな初期位相及び開始時間を有する。
【0064】
LED100の表面110の開口群150から成るパターンに対応するために、横方向に大きなスーパーセルを周期境界条件と一緒に使用する。これによって、非常に大きな(例えば、端面が0.01mm超)素子サイズのシミュレーションを行ない易くなる。全ての発展方程式を、全ての双極子放射源がエネルギーを放出した後、長時間経過し、系に残留するエネルギーが無くなるまでの時間に関して解く。シミュレーションの間、合計放出エネルギー、上面110から放射されるエネルギー束、及び量子井戸及びn型層が吸収するエネルギーをモニターする。時間領域及び空間領域の両方におけるフーリェ変換を使用して、放射束の周波数分解及び角度分解データが得られるので、角度分解及び周波数分解による取り出し効率を計算することができる。合計放出エネルギーを実験により判明する光発生領域130の発光(ルミネセンス)と照合することにより、所与の電気入力に対する、ルーメン/単位立体角/単位チップ面積で表わした角度分解による取り出し効率の絶対値が得られる。
【0065】
理論にこだわらないとすると、微調整パターン150によって領域130において生成される光がLED100から表面110を通して放出される効率を高くすることができると考えられる、というのは、開口群150によって、パターン150に従って層134において空間的に変化する誘電関数が生じるからである。これによって、LED100内の放射モード(すなわち、表面110から放出される光モード)及びガイドモード(すなわち、多層積層体122内に閉じ込められる光モード)の密度が変化し、かつLED100内の放射モード及びガイドモードの密度のこの変化によって、この変化が無い場合にパターン150が無い状態でガイドモードの方向に放出される光の或る部分が、放射モードの方向にリークすることができるモードの方向に散乱される(例えばブラッグ散乱)と考えられる。或る実施形態では、パターン150(例えば、上に議論したパターン、または以下に議論する複数のパターンの内の一つのパターン)によってLED100内のガイドモードの全てを無くすことができると考えられる。
【0066】
格子を微調整した効果は、点散乱サイトを有する結晶によるブラッグ散乱を考察することにより理解することができると思われる。距離dだけ離れた複数の格子平面に配列された完全格子の場合、波長λの単色光は、nが散乱次数を与える整数である場合のブラッグ条件nλ=2dsinθに従った角度θで散乱される。しかしながら、スペクトル帯域幅Δλ/λを有し、立体角ΔΘで光を放出する光源の場合、ブラッグ条件は、格子サイトの間隔を微調整パラメータΔaだけ微調整することにより緩和することができると考えられる。格子を微調整することによりパターンによる散乱効率及び角度精度が光源のスペクトル帯域及び空間放出分布に渡って高くなる。
【0067】
非ゼロの微調整パラメータΔaを有する変形三角形状配列パターン150によってLED100からの光取り出し効率を高くすることができるという風に変形三角形状配列パターン150について記載してきたが、他のパターンを使用してLED100からの光取り
出し効率を高くすることもできる。所与のパターンによってLED100からの光取り出し効率を高くすることができるかどうか、そして/またはどの開口パターンを使用してLED100からの光取り出し効率を高くすることができるかについて決定すると、このような数値計算を行なう前に、物理的考察をまず使用して光取り出し効率を高くすることができる基本パターンを近似することができる。
【0068】
LED100からの取り出し効率については、パターン150に従って空間的に変化する誘電関数のフーリエ変換を考察することによって更に深く理解することができる(例えば、弱散乱領域において)。図4は理想的な三角形状配列格子に関するフーリエ変換を表わしている。面内波数ベクトルkで表わされる特定の方向への光の取り出しは、逆格子ベクトルGを加算する、または減算することによってkとほぼ等しくなる、すなわちk=k’±Gとなる面内波数ベクトルk’(すなわち、パターン150に平行な)を持つ全てのモードの方向に放出される光源放出Sk’に関連する。取り出し効率は、次式により与えられる誘電関数εGの該当するフーリエ成分(Fk)の絶対値に比例する。
【0069】
【数6】
【0070】
材料中の光の伝搬は通常、等式k2(面内成分)+k2(法線成分)=ε(ω/c)2を満たすので、考察対象の最大のGは光発生領域から放出される周波数(ω)及び光発生領域の誘電率によって決まる。図4に示すように、これによって光ラインと呼ばれることが多いリングが逆空間において定義される。光ラインは、光発生領域の有限帯域により環状となるが、説明を明瞭にするために単色光源の光ラインを示している。同様に、封止材の内部を伝搬する光は光ラインによって限界が画定される(図4の内側の円)。従って、取り出し効率はFkを封止材の光ラインの内側に含まれる全ての方向kに関して大きくすることによって高くなり、その結果、封止材の光ラインの内側に含まれるG(逆格子ベクトル)点の数が増え、かつ材料の光ラインの内側に含まれるG点に関する散乱強度εGが大きくなる。この物理的考察は、取り出し効率を高くすることができるパターンを選択する際に使用することができる。
【0071】
一例として、図5は理想的な三角形状配列パターンの格子定数を大きくする場合の効果を示している。図5に示すデータは、図1に示すLED100に与えられるパラメータを使用して計算されるが、パラメータの中では、放出光が450nmのピーク波長を有し、そして穴の深さ、穴の直径、及びn型層134は最近接開口間距離aによってスケーリングされてそれぞれ1.27a,0.72a,及び1.27a+40nmとなる点が異なる。格子定数を大きくすると、封止材の光ラインの内側に含まれるG(逆格子ベクトル)点の密度が高くなる。取り出し効率における明らかな傾向が最近接開口間距離(NND)に関して観察される。最大取り出し効率は、真空中での光の波長にほぼ等しい最近接開口間距離(NND)において生じると考えられる。最大になる理由は、NNDが光の波長よりもずっと長くなると、材料が更に均一になることによって散乱効果が小さくなるからである。
【0072】
別の例として、図6は穴サイズまたは充填率が大きくなるときの効果を示している。三角形状配列パターンの充填率は
【数7】
【0073】
により与えられ、rは穴の半径である。図6に示すデータは、図1に示すLED100に与えられるパラメータを使用して計算されるが、パラメータの中では、開口の直径がグラフのx軸の充填率の値に従って変化する点が異なる。取り出し効率は充填率とともに増大するが、これは散乱強度(εG)が大きくなるからである。最大値はこの特定の系では約48%の充填率で生じる。或る実施形態では、LED100は少なくとも約10%(例えば少なくとも約15%、少なくとも約20%)及び/又は最大約90%(例えば最大約80%、最大約70%、最大約60%)の充填率を有する。
【0074】
変形三角形状配列パターンを、微調整パラメータが理想の三角形状配列格子の位置を基にしたパターンの開口の位置に関連する形で記載してきたが、変形(微調整)三角形状配列パターンは、理想の三角形状配列パターンの穴を、中心を理想の三角形状配列パターンの位置に維持しながら変更することによって実現することもできる。図7はこのようなパターンの一の実施形態を示している。光取り出し効率を高くする方法、該当する数値計算を行なう方法、及び図7に示すパターンを有する発光素子の光取り出し効率を高めることに関する物理的説明は概して上述の説明と同じである。或る実施形態では、変形(微調整)パターンは、理想の位置から変位した開口及び理想の位置であるが変化する直径を有する開口を有することができる。
【0075】
他の実施形態では、発光素子からの光取り出し効率を高くする操作は、例えば複素周期パターン及び非周期性パターンを含む異なるタイプのパターンを使用することにより実行することができる。本明細書において記載する場合、複素周期パターンとは、周期的に繰り返す各ユニットセルに一つよりも多くのパターンを有するパターンである。複素周期パターンの例として、蜂の巣パターン、蜂の巣状パターン、(2×2)基本パターン、リングパターン、及びアルキミディアンパターンが挙げられる。以下に議論するように、或る実施形態では、複素周期パターンは一の直径を有する或る開口群及びそれよりも短い直径を有する開口群を有することができる。本明細書において記載する場合、非周期性パターンとは、領域130が生成する光のピーク波長の少なくとも50倍の長さを有する各ユニットセルに対して並進対称を示さないパターンである。非周期性パターンの例として、非周期(aperiodic)パターン、準結晶パターン、ロビンソンパターン、及びアムマンパターンが挙げられる。
【0076】
図8は、LED100に関する数値計算を2つの異なる複素周期パターンに関して行った結果を示しており、この場合、パターンの或る開口群は特定の直径を有し、そしてパターンの他の開口群はそれよりも短い直径を有する。図8に示す数値計算によって、取り出し効率(直径が80nmの相対的に大きな穴の場合の)がそれよりも小さい穴の直径(dR)が0nmから95nmに変化するとともにどのように変化するかが分かる。図6に示すデータは、図1に示すLED100に与えられるパラメータを使用して計算されるが、パラメータの中では、開口の直径がグラフのx軸の充填率の値に従って変化する点が異なる。理論にこだわらないとすると、複数の穴サイズによって、パターン内の複数の周期的構造による散乱が可能になるので、パターンの角度アクセプタンス及びスペクトル効率が大きくなる。光取り出し効率を高くする方法、該当する数値計算を行なう方法、及び図8に示すパターンを有する発光素子の光取り出し効率を高めることに関する物理的説明は概して上述の説明と同じである。
【0077】
図9は、異なるリングパターン(複素周期パターン)を有するLED100に関する数
値計算を示している。中央の穴を取り囲む第1リングの穴の数は、異なるリングパターンに関して異なる(6,8,または10)。図9に示すデータは、図1に示すLED100に与えられるパラメータを使用して計算されるが、パラメータの中では、放出光が450nmのピーク波長を有する点が異なる。図9に示す数値計算によって、LED100の取り出し効率が、ユニットセルに渡って繰り返されるユニットセル当たりのリングパターン数が2から4に変化するとともにどのように変化するかが分かる。光取り出し効率を高くする方法、該当する数値計算を行なう方法、及び図9に示すパターンを有する発光素子の光取り出し効率を高めることに関する物理的説明は概して上述の説明と同じである。
【0078】
図10は、アルキミディアンパターンを有するLED100に関する数値計算を示している。アルキミディアンパターンA7は、最近接開口間距離がaの7つの等間隔穴を有する六角形ユニットセル230から成る。ユニットセル230内では、6個の穴が正六角形状に配列され、そして7個目の穴が六角形の中心に配置される。従って、六角形状配列ユニットセル230は、ユニットセル間の中心間の間隔が
【数8】
【0079】
で与えられ、セルエッジが互いに沿って丁度ぴったりと並ぶように配列されるので、LEDの全表面をパターニングすることができる。これはA7タイル貼りとして知られ、これは7個の穴がユニットセルを構成するからである。同様に、アルキミディアンタイル貼りA19は、NND(最近接開口間距離)がaの19個の等間隔の穴から成る。これらの穴は、7個の穴を内側六角形の形に、そして12個の穴を外側六角形の形に並べ、更に内側六角形の内部に1個の中心穴を置くことによって配列される。従って、六角形状配列ユニットセル230は、ユニットセル間の中心間の間隔が
【数9】
【0080】
で与えられ、セルエッジが互いに沿って丁度ぴったりと並ぶように配列されるので、LEDの全表面をパターニングすることができる。光取り出し効率を高くする方法、該当する数値計算を行なう方法、及び図10に示すパターンを有する発光素子の光取り出し効率を高めることに関する物理的説明は概して上述の説明と同じである。図10に示すように、A7及びA19に関する取り出し効率は約77%である。図10に示すデータは、図1に示すLED100に与えられるパラメータを使用して計算されるが、これらのパラメータの中で、放出光が450nmのピーク波長を有し、かつNND(最近接開口間距離)が個々のセル内部の開口の間の距離として定義される点が異なる。
【0081】
図11は、準結晶パターンを有するLED100に関する数値計算を示している。準結晶パターンは、例えばM.Senechalによる「準結晶及び構造(Quasicrystal and Geometory)」と題する非特許文献3(Cambridge
University Press, Cambridge, England 1996)に記載されており、この文献を本明細書において参照することによりこの文献の内容が本発明の開示に含まれる。数値計算によって、取り出し効率が8重準周期構造(class of 8−fold based quasi−periodic structure)が変化するとともにどのように変化するかが分かる。準結晶パターンは、このような構造によって可能になる面内回転対称性が高いので高い取り出し効率を示すと考えられる。光取り出し効率を高くする方法、該当する数値計算を行なう方法、及び図11に
示すパターンを有する発光素子の光取り出し効率を高めることに関する物理的説明は概して上述の説明と同じである。図11に示すFDTD計算による結果は、準結晶構造の取り出し効率が約82%に達することを示している。図11に示すデータは、図1に示すLED100に与えられるパラメータを使用して計算されるが、これらのパラメータの中で、放出光が450nmのピーク波長を有し、かつNND(最近接開口間距離)が個々のセル内部の開口の間の距離として定義される点が異なる。
【0082】
パターンの或る例について本明細書において記載してきたが、パターンが上に議論した基本原理を満たす場合には、他のパターンによってもLED100からの取り出し効率を高くすることができると考えられる。例えば、準結晶構造または複素周期構造に微調整を加えることによって、取り出し効率を高くすることができると考えられる。
【0083】
或る実施形態では、光発生領域130によって生成され、かつLED100から放出される光の合計量の少なくとも約45%(例えば、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%)の光が表面110を通して放出される。
【0084】
或る実施形態では、LED100の断面積は、LED100からの光取り出し効率を高く維持しつつも非常に大きくすることができる。例えば、LED100の一つ以上の端面は少なくとも約1ミリメートル(例えば、少なくとも約1.5ミリメートル、少なくとも約2ミリメートル、少なくとも約2.5ミリメートル、少なくとも約3ミリメートル)とすることができ、そして光発生領域130によって生成され、かつLED100から放出される光の合計量の少なくとも約45%(例えば、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%)の光が表面110を通して放出される。これによってLEDは、良好な電力変換効率を示しつつ、非常に大きな断面(例えば、(少なくとも約1ミリメートル)×(少なくとも約1ミリメートル))を有することができる。
【0085】
或る実施形態では、LED100の構成を有するLEDの取り出し効率は、LEDの端面の長さにほとんど無関係である。例えば、LED100の構成を有し、かつ約0.25ミリメートルの長さの一つ以上の端面を有するLEDの取り出し効率と、LED100の構成を有し、かつ1ミリメートルの長さの一つ以上の端面を有するLEDの取り出し効率との差は、約10%未満しか変わらない(例えば、約8%未満、約5%未満、約3%未満)。本明細書において記載する場合、LEDの取り出し効率とは、素子が生成する光の量(この量はエネルギーまたは光子の単位で測定することができる)に対するLEDが放出する光の比である。これによって、LEDは良好な電力変換効率を示しながら非常に大きな断面(例えば、(少なくとも約1ミリメートル)×(少なくとも約1ミリメートル))を有することができる。
【0086】
或る実施形態では、LED100の構成を有するLEDの量子効率は、LEDの端面の長さにほとんど無関係である。例えば、LED100の構成を有し、かつ約0.25ミリメートルの長さの一つ以上の端面を有するLEDの量子効率と、LED100の構成を有し、かつ1ミリメートルの長さの一つ以上の端面を有するLEDの量子効率との差は、約10%未満しか変わらない(例えば、約8%未満、約5%未満、約3%未満)。本明細書において記載する場合、LEDの量子効率とは、LEDにおいて生じる電子−正孔再結合の数に対するLEDが生成する光子の数の比である。これによって、LEDは良好な性能を示しながら非常に大きな断面(例えば、(少なくとも約1ミリメートル)×(少なくとも約1ミリメートル))を有することができる。
【0087】
或る実施形態では、LED100の構成を有するLEDのウォールプラグ効率は、LE
Dの端面の長さにほとんど無関係である。例えば、LED100の構成を有し、かつ約0.25ミリメートルの長さの一つ以上の端面を有するLEDのウォールプラグ効率と、LED100の構成を有し、かつ1ミリメートルの長さの一つ以上の端面を有するLEDのウォールプラグ効率との差は、約10%未満しか変わらない(例えば、約8%未満、約5%未満、約3%未満)。本明細書において記載する場合、LEDのウォールプラグ効率とは、LEDの注入効率(素子の光発生領域において再結合するキャリアの数に対する素子に注入されるキャリアの数の比)と、LEDの放射効率(電子−正孔再結合の合計数に対する放射時に生じる電子−正孔再結合の比)と、そしてLEDの取り出し効率(生成される光子の合計数に対するLEDから取り出される光子の比)との積である。これによって、LEDは良好な性能を示しながら非常に大きな断面(例えば、(少なくとも約1ミリメートル)×(少なくとも約1ミリメートル))を有することができる。
【0088】
或る実施形態では、LED100から表面110を通して放出される光の角度分布を操作することが望ましい。所与の立体角の方向(例えば、表面110の法線方向近傍の立体角)の取り出し効率を高くするために、我々は、パターン150に従って空間的に変化する誘電関数のフーリエ変換を分析する(前に記載したように)。図12は、異なる格子定数を有する2つの理想的な三角形状配列格子に関するフーリエ変換結果を示している。取り出し効率を高くするために、我々は、封止材の光ライン内部のG点の数及び材料の光ライン内部のG(逆格子ベクトル)点の散乱強度(εG)を大きくするように試みる。これは、NND(最近接開口間距離)を大きくして図5に示す効果を実現することを意味する。しかしながら、ここで我々は、法線方向を中心とする立体角方向の取り出し効率を高くすることに重点を置く。従って、我々は、封止材の光ラインの半径を小さくしてGの絶対値がG>(ω(ne))/cの関係を満たすようにすることにより高次元のG点の導入を制限したいとも考える。我々は、封止材の屈折率を小さくする(屈折率の最小値は封止材を全て取り除いたときに得られる)ことにより、我々は、NND(最近接開口間距離)を大きくすることができるので、法線方向(Fk=0)の光取り出しに寄与させることができる、材料の光ライン内部のG点の数を増やすと共に、封止材における高次方向(傾斜角度方向)の回折を回避する。上述の傾向は図13に示され、この図は、立体角(図における受光半値角により与えられる)方向の取り出し効率を示している。図13に示すデータは、図1に示すLED100に与えられるパラメータを使用して計算されるが、パラメータの中では、放出光が530nmのピーク波長及び34nmの帯域幅を有し、封止材の屈折率が1.0であり、p型層の厚さが160nmであり、光発生領域が30nmの厚さであり、3つの曲線に関するNND(a)が図13に示す値であり、そして深さ、穴の直径、及びn型層の厚さがaによってスケーリングされてそれぞれ1.27a,0.72a,及び1.27a+40nmとなる点が異なる。格子定数が大きくなると、狭い角度での取り出し効率が高くなるだけでなく全ての角度方向の取り出し効率が高くなる。しかしながら、格子定数が更に大きくなると、全ての角度方向の総合取り出し効率が高くなる場合でも、封止材における高次モードの方向への回折によって狭い角度での取り出し効率が低くなる。格子定数が460nmの場合、計算によれば、30度の受光半値角方向への取り出し効率が25%超になる。すなわち、取り出し光の約半分が立体角の上側半球の約13.4%のみの範囲内で収集され、パターンがコリメート効果を有することを示している。材料の光ライン内部のG点の数を大きくし、同時に封止材の光ライン内部のG点の数をk=0のG点のみに限定するパターンであれば必ず、法線方向を中心とする立体角方向への取り出し効率を高くすることができると考えられる。
【0089】
この手法は、nを周囲材料(例えば封止材)の屈折率とすると、多くの場合n2に比例すると考えられる光源のエテンデューを小さくするために特に適用することができる。従って、LED100の封止層の屈折率を小さくすることによって、コリメート光が多くの割合で放出され、光源のエテンデューが小さくなり、従って表面輝度が高くなる(ここでは、光源のエテンデュー(etendue:利用できる光源の面積×立体角)に取り出さ
れる全ルーメンとして定義される)と考えられる。従って或る実施形態では、空気を封止材として使用することによって光源のエテンデューが小さくなると同時に、法線方向を中心とする所与の集光角の方向への取り出し効率が高くなる。
【0090】
或る実施形態では、領域130により生成される光がLED100から表面110を通して放出されると、光の分布はランバート分布の場合よりも平行度が高い。例えば、或る実施形態では、領域130により生成される光がLED100から表面110を通して放出される場合、誘電体層の表面を通して放出される光の少なくとも約40%(例えば、少なくとも約50%、少なくとも約70%、少なくとも約90%)が、表面110の法線方向に対して最大約30°(例えば、最大約25°、最大約20°、最大約15°)の角度の内側で放出される。
【0091】
所望の角度方向のみの光、または非常に高い光取り出し効率で結合する光の非常に大きな部分を取り出す機能を備えると、非常に高い集積度のLEDを所与のウェハの上に設けることができる。例えば、或る実施形態では、1枚のウェハは、1平方センチメートル当たり少なくとも約5個のLED(例えば、少なくとも約25個のLED、少なくとも約50個のLED)を有する。
【0092】
或る実施形態では、パッケージングされたLED100から放出される光の波長(群)を光発生領域130により生成される光の波長(群)に対して変更することが望ましい。例えば、図14に示すように、リン材料180を含有する層を有するLED300を表面110の上に配置することができる。リン材料は領域130により生成される波長(群)の光と相互反応して所望の波長(群)の光を供給することができる。或る実施形態では、パッケージングされたLED100から放出される光がほぼ白色光であることが望ましい。このような実施形態では、層180のリン材料は、例えば(Y,Gd)(Al,Ga)G:Ce3+または「YAG」(yttrium,alminium,garnet)リンにより形成することができる。光発生領域130から放出される青色光によって励起されると、層180のリン材料が活性化されて、黄色波長を中心とする広いスペクトルを有する光を放出する(等方的に)。パッケージングされたLED100から放出される合計の光スペクトルを眺める観察者は黄色リンの広い放出スペクトル及び青色InGaNの狭い放出スペクトルを観察し、そして通常、これらの2つのスペクトルが混合されて白色として視覚する。
【0093】
或る実施形態では、層180はほぼ均一に表面110の上に形成することができる。例えば、パターン150の上部151と層180の上部181との間の距離は、表面110全体で約20%未満(例えば、約10%未満、約5%未満、約2%未満)しか変化しない。
【0094】
一般的に、層180の厚さは、通常約1ミリメートル(mm)×約1ミリメートルであるLED100の表面130の断面寸法と比べて小さい。層180は表面110の上でほぼ均一に形成されるので、層180のリン材料を表面110を通して放出される光によってほぼ一様に励起することができる。リン層180はLED100の表面110の寸法に比べて非常に薄いので、光発生領域130により放出される光は、LED100の全表面に渡ってほぼ均一なリン層180の内部において短い波長の光に変換される。従って、非常に薄く、均一なリン層180はLED100から放出される均一なスペクトルの白色光を表面110上の位置の関数として生成する。
【0095】
一般的に、LED100は所望通りに形成することができる。通常、LED100の形成においては、種々の堆積工程、レーザ処理工程、リソグラフィ工程、及びエッチング工程が行なわれる。
【0096】
図15を参照すると、サファイア基板の上に堆積するLED層積層体材料を含有するLEDウェハ500は容易に利用することができ、そして商用ベンダーから購入することができる。サファイア基板の上には連続して、バッファ層504、n型Si:GaN層506、電流拡散層508となるAlGaN/GaNヘテロ接合または超格子、InGaN/GaN多量子井戸光発生領域510、及びp型Mg:GaN層512が配置される。市販のLEDウェハは直径が約2〜3インチであり、そして複数のLEDチップは、ウェハを処理した後にウェハを切断分離することによって個々の素子とすることができる。ウェハをダイシングする前に、ウェハの大きさで行なう多くの処理工程を使用してp型層128を、ミラー層126と同じ側の光発生領域130の上に位置させる。
【0097】
図16を参照すると、非常に薄いニッケル層520をp型層512の上に堆積させて(例えば、電子ビーム蒸着を使用して)、p型層512のp型オーミックコンタクトを形成する。銀層522はニッケル層520の上に堆積させる(例えば、電子ビーム蒸着を使用して)。非常に厚いニッケル層524を銀層522の上に堆積させる(例えば、電子ビーム蒸着を使用して)。層524は、汚染物質の銀層522への拡散を低減する拡散バリアとして機能する。金層526をニッケル層524の上に堆積させる(例えば、抵抗加熱蒸着を使用して)。次に、ウェハ500を、400℃〜600℃の間の温度で、30〜300秒の間、窒素、酸素、大気、またはフォーミングガスの雰囲気中でアニールしてオーミックコンタクトを形成する。
【0098】
図17を参照すると、サブマウントウェハ600を、p型シリコンウェハ602の上に連続して(例えば、電子ビーム蒸着を使用して)アルミニウムコンタクト層604を堆積させることにより設ける。金層608を層604の上に堆積させ(例えば、熱蒸着を使用して)、そしてAuSn接着層610を層608の上に堆積させる(例えば、熱蒸着を使用して)。サブマウントウェハ600を、350℃〜500℃の間の温度で、30〜300秒の間、窒素、酸素、大気、またはフォーミングガスの雰囲気中でアニールしてオーミックコンタクトを形成する。
【0099】
ウェハ500及び600は、0〜0.5MPaの圧力及び200〜400℃の範囲の温度を使用して層526をサブマウントウェハ600の層610と接触させる(例えば、熱的機械的圧力を使用して)ことにより互いに接着させる。層510及び610は共晶結合を形成する。結合ウェハサンドイッチを冷却し、そして接着サンドイッチを圧力から開放する。
【0100】
接着の後、基板502を結合構造から、レーザリフトオフ法によって取り除く。レーザリフトオフ法は、例えば特許文献1(米国特許第6,420,242号)及び特許文献2(米国特許第6,071,795号)に開示されており、これらの文献を本明細書において参照することによりこれらの文献の内容が本発明の開示に含まれる。或る実施形態では、248nmのレーザビームを基板502を通して照射して、n型Si:GaN層506をこの層のサファイア基板502との境界近傍を局部的に加熱してn型層506の一部の層厚に渡って分解させる。次に、ウェハサンドイッチをガリウムの融点を超える温度にまで加熱し、この融点では、サファイア基板502を、この基板に横方向の力を加える(例えば、綿棒を使用して)ことによって取り外すことができる。次に、露出したGaN表面をクリーニングして(例えば、塩酸溶液を使用して)液体ガリウムを表面から除去する。多くの場合、サファイア基板502をGaNエピタキシャル層積層体から取り外すと、積層体に内在していた歪み(基板502と積層体との間の格子不整合による)が積層体から取り除かれる。これによって、積層体は、積層体が基板502に接着したときに有していた、曲がった、またはそった形状から解放され、かつn型層506の露出表面の上で非常に平坦な形状を有することができる。熱膨張係数は、サブマウントを選択するときに考慮
に入れてサブマウントがレーザリフトオフ法においてクラックを生じないようする。更に、レーザリフトオフの間のクラックは、工程及び繰り返しプロセスにおいてほぼ重なった場によって低減することができる。
【0101】
図18を参照すると、n型Si:GaN層506の露出表面をエッチバックして(反応性イオンエッチングプロセスを使用して)最終素子において使用される層の所望の厚さを実現する(図19参照)。エッチングの後、エッチングされたGaN層506の表面はエッチングによって粗い表面構造700となる。粗表面700を平坦化し、そして薄くして(例えば、化学機械プロセスを使用して)、層506の最終厚さ及び二乗平均値(rms)が約5nm未満の表面平滑度を実現することができる。別の構成として、粗表面700をそのままにして、局部的に平坦ではない境界を素子100に設けることにより素子の取り出し効率を上げ易くすることができる。粗表面によって、顕微鏡的なサイズの平滑性を有する表面よりも、表面700に複数回衝突する光線が最終的に表面をスネルの法則で与えられる臨界角度未満の角度で衝突し、そして表面700から取り出される確率が高くなる。
【0102】
エッチングの後、誘電関数パターンをn型層506に設けるために、まず、材料(例えばポリマー)の平坦化層702をn型GaN層506の上に形成し(例えばスピン塗布を使用して)、そしてレジスト層704を平坦化層702の上に形成する(例えばスピンコーティングする)。次に、フォトニック格子をLEDに形成するパターンをn型層506にナノインプリントリソグラフィ及びエッチングプロセスにより形成する。まず、所望パターンの一部を画定するモールドをレジスト層704に圧入し、そしてウェハの全表面を部分毎に段階的に横切って、プロセスフローの後の方で設けられるnコンタクトを堆積させるためのパターン150及び残りの領域の形状を印刷する。好適には、n型層506の表面はプロセスのこの部分の間はほぼ平坦である。例えば、X線リソグラフィまたはディープ紫外線リソグラフィを使用してもパターンをレジスト層704に形成することができる。レジストをウェハ上に堆積させ、そしてパターンをウェハ上のレジストに形成する方法に代わる方法として、予め膜を堆積させてエッチングを施したマスクを層506の表面の上に設けることができる。
【0103】
パターニング済み層704をマスクとして使用してパターンを平坦化層702に転写する(例えば、リアクティブイオンエッチングプロセスを使用して)。続いて、平坦化層をマスクとして使用してパターンをn型層506に転写する。GaN層506をエッチングした後、平坦化層を除去する(例えば、酸素リアクティブイオンエッチングを使用して)。
【0104】
パターンをn型層506に転写した後、リン材料層を任意選択の形でn型層506のパターニング済み表面の上に形成する(例えばスピンコーティングする)ことができる。或る実施形態では、リンはパターニング済み表面にコンフォーマルに形成されるように塗布することができる(パターニング済み表面の開口の底面及び側壁に沿ってボイドがほとんど発生しないように塗布することができる)。別の構成として、封止材料層はパターニング済みn型層506の表面の上に形成することができる(例えば、CVD、スパッタリング、後の工程で蒸発させる液体バインダーへの懸濁を使用して)。或る実施形態では、封止材は一つ以上のリン材料を含むことができる。或る実施形態では、リンを圧縮して、バラツキがリンの平均厚さの20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、または2%未満となる均一な厚さが得られる。或る実施形態では、リン含有封止材はパターニング済み表面にコンフォーマルに形成されるように塗布することができる。
【0105】
誘電関数パターンをn型層506に形成した後、個々のLEDチップはウェハを切断分離することにより得られる。一旦、ウェハ処理及びウェハテストが完了すると、個々のL
EDチップを分離し、そしてパッケージング工程及びテスト工程に搬送する準備が整う。側壁保護膜形成工程及び/又は分離前の深いメサエッチング工程を使用して、ウェハ切断分離の間に生じるパターニング済みLEDの電気特性及び/又は光学特性へのダメージの確率を小さくすることができる。個々のLEDはウェハ自体のサイズを上限としてどのようなサイズとすることもできるが、個々のLEDは通常、辺の長さが約0.5mm〜5mmの正方形または矩形である。チップを形成するために、標準のリソグラフィを使用して、素子を駆動するコンタクトパッドの位置をウェハ上に画定し、そしてオーミックコンタクトを蒸着によって(例えば電子ビーム蒸着を使用して)所望の位置に形成する。
【0106】
LEDチップをパッケージングする場合、パッケージは通常、光収集を容易にすると同時にチップを機械的に、かつ周りの環境から保護する機能を備える必要がある。例えば、封止材を使用しない場合に、透明カバーをLEDチップの上にパッケージングして506のパターニング済み表面を保護する。カバースリップを支持体142に、炉の中で溶融するガラスフリットを使用して取り付ける。支持体の反対側の両端部は、例えばキャップ溶接またはエポキシを使用して接続される。支持体は通常、ニッケルメッキしてパッケージの金メッキ表面への溶接を容易にする。封止層を設けないことによって、LED100のパターニング済み表面の単位面積当たりの許容電力負荷を大きくすることができると考えられる。封止材の劣化は、標準LEDの普通の故障メカニズムであり、封止層を使用しないことによって回避される。
【0107】
複数のLEDは大きな面積を有する平坦なウェハを切断することによって得られるので、これらのLEDの単位面積あたりの光出力は面積と共に小さくなることはない。また、ウェハを切断することによって得られる個々のLEDの断面は、LEDの発光表面の面積よりほんの少しだけ大きいだけであるので、多くの個々の、別々に指定することができるLEDは、アレイ状に近接する形で一緒に敷き詰めることができる。一つのLEDが動作しない(例えば大きな欠陥に起因して)場合、個々の素子が近接して敷き詰められているのでアレイの性能を大きく低下させることはない。
【0108】
或る実施形態について記載してきたが、他の実施形態を用いることができる。
一例として、発光素子及び関連する層の或る厚さは上に議論したものであるが、他の厚さを採用することも可能である。一般的に、発光素子はどのような所望の厚さを有することもでき、そして発光素子内の個々の層はどのような所望の厚さを有することもできる。通常、多層積層体122内部の層の厚さは、光発生領域130との光モードの空間的重なりを大きくして領域130において生成される光の出力が大きくなるように選択される。発光素子の或る層の例示としての厚さは次の如くである。或る実施形態では、層134は少なくとも約100nm(例えば、少なくとも約200nm、少なくとも約300nm、少なくとも約400nm、少なくとも約500nm)及び/又は最大約10ミクロン(例えば、最大約5ミクロン、最大約3ミクロン、最大約1ミクロン)の厚さを有することができる。或る実施形態では、層128は少なくとも約10nm(例えば、少なくとも約25nm、少なくとも約40nm)及び/又は最大約1ミクロン(例えば、最大約500nm、最大約100nm)の厚さを有することができる。或る実施形態では、層126は少なくとも約10nm(例えば、少なくとも約50nm、少なくとも約100nm)及び/又は最大約1ミクロン(例えば、最大約500nm、最大約250nm)の厚さを有することができる。或る実施形態では、光発生領域130は少なくとも約10nm(例えば、少なくとも約25nm、少なくとも約50nm、少なくとも約100nm)及び/又は最大約500nm(例えば、最大約250nm、最大約150nm)の厚さを有することができる。
【0109】
一例として、発光ダイオードについて記載してきたが、上述の特徴(例えば、パターン、プロセス)を有する他の発光素子を使用することができる。このような発光素子はレー
ザ及び光増幅器を含む。
【0110】
別の例として、電流拡散層132をn型層134とは別の層として記載してきたが、或る実施形態では、電流拡散層を層134と一体化して(層134の一部として)形成することができる。このような実施形態では、電流拡散層は層134の非常に高い不純物濃度のn型部分とする、または(例えばAlGaN/GaNの間の)ヘテロ接合として2次元電子ガスを形成することができる。
【0111】
更に別の例として、或る半導体材料について記載してきたが、他の半導体材料を使用することもできる。一般的に、発光素子において使用することができるものであればどのような半導体材料(例えば、III−V族半導体材料、有機半導体材料、シリコン)も使用することができる。他の光発生材料の例としては、InGaAsP,AlInGaN,AlGaAs,InGaAlPが挙げられる。有機発光材料には、アルミニウムトリス−8−ヒドロキシキノリン(Alq3)のような小分子及びポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルへキシルオキシ)−1,4−ビニレンフェニレン]またはMEH−PPVのような共役ポリマーが含まれる。
【0112】
更に別の例として、大面積LEDについて記載してきたが、これらのLEDは小面積LED(例えば、端面が約300ミクロンの標準LEDよりも小さいLED)とすることもできる。
【0113】
別の例として、パターンが穴により形成されるパターンに従って空間的に変化する誘電関数について記載してきたが、パターンは他の方法によって形成することもできる。例えば、パターンは、適切な層における連続する筋(vein)及び/又は不連続な筋の形状に形成することができる。更に、誘電関数を変化させるパターンは、穴または筋を使用せずに形成することができる。例えば、異なる誘電関数を有する複数の材料を適切な層においてパターニングすることができる。このようなパターンの組合せも使用することができる。
【0114】
更に別の例として、層126が銀により形成されるものとして記載してきたが、他の材料を使用することもできる。或る実施形態では、層126は、光発生領域によって生成される光の少なくとも50%の光であって、反射材料層に衝突する光を反射することができる材料により形成され、反射材料層は支持体と複数の材料から成る多層積層体との間に位置する。このような材料の例として、分布ブラッグ反射器から成る積層構造及びアルミニウム及びアルミニウム含有合金のような種々の金属及び合金が挙げられる。
【0115】
別の例として、支持体120が種々の材料により形成されるものとして記載してきた。支持体120を形成することができる材料の例として、銅、銅−タングステン、窒化アルミニウム、シリコンカーバイド、酸化ベリリウム、ダイアモンド、TEC及びアルミニウムが挙げられる。
【0116】
更に別の例として、層126がヒートシンク材料により形成されるものとして記載してきたが、或る実施形態では、発光素子は、ヒートシンクとして機能する別の層(例えば、層126とサブマウント120との間に配置される)を含むことができる。このような実施形態では、層126は、ヒートシンクとして機能する材料により形成することができる、または形成しなくてもよい。
【0117】
更に別の例として、誘電関数を変化させるパターンが、光発生領域の全体を利用することに加えて、n型層134だけに食い込んで延在する(これによって表面再結合キャリア損失が生じる確率を非常に低くすることができる)ものとして記載してきたが、或る実施
形態では、誘電関数を変化させるパターンはn型層134を超えて延在することができる(例えば、電流拡散層132、光発生領域130、及び/又はp型層128に食い込むように)。
【0118】
別の例として、空気を表面110とカバースリップ140との間に設けることができる実施形態について記載してきたが、或る実施形態では、空気以外の、または空気に加えて複数の材料を表面110とカバースリップ140との間に設けることができる。一般的に、このような材料は、少なくとも約1かつ約1.5未満(例えば、約1.4未満、約1.3未満、約1.2未満、約1.1未満)の屈折率を有する。このような材料の例として、窒素、空気、または或る高熱伝導ガスが挙げられる。このような実施形態では、表面110はパターニングすることができる、またはパターニングしなくてもよい。例えば、表面110はパターニングしないが、粗面化することができる(すなわち、λ/5未満の種々のサイズ及び形のランダムに分布させた形状を有する)。
【0119】
或る実施形態では、発光素子は表面110、カバー層140及び支持体142を被覆するリン材料層を含むことができる。
或る実施形態では、リン材料を含有するカバー層140を含むことができる。このような実施形態では、表面110はパターニングすることができる、またはパターニングしなくてもよい。
【0120】
別の実施形態では、光発生領域130によって放出される光はUV(またはバイオレットUV、または青色UV)であり、そしてリン層180は赤色リン材料(例えばL2O2S:Eu3+)、緑色リン材料(例えばZnS:Cu,Al,Mn)、及び青色リン材料(例えば、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO4)6Cl:Eu2+)を含む。
【0121】
他の実施形態は請求項に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】パターニング済み表面を有するLEDの側面図。
【図2】図1のLEDのパターニング済み表面の上面図。
【図3】パターニング済み表面を有するLEDの取り出し効率を微調整パラメータの関数として表わすグラフ。
【図4】LEDのパターニング済み表面に対するフーリエ変換を模式的に表わしている模式図。
【図5】パターニング済み表面を有するLEDの取り出し効率を最近接個体間距離の関数として表わすグラフ。
【図6】パターニング済み表面を有するLEDの取り出し効率を準位占有率(filling factor)の関数として表わすグラフ。
【図7】LEDのパターニング済み表面の上面図。
【図8】異なる表面パターンを有するLEDの取り出し効率を表わすグラフ。
【図9】異なる表面パターンを有するLEDの取り出し効率を表わすグラフ。
【図10】異なる表面パターンを有するLEDの取り出し効率を表わすグラフ。
【図11】異なる表面パターンを有するLEDの取り出し効率を表わすグラフ。
【図12】異なるパターン表面を有する2つのLEDに対するフーリェ変換をLEDからの放射線のスペクトルと比較する形で模式的に表わしている模式図。
【図13】異なる表面パターンを有するLEDの取り出し効率を角度の関数として表わすグラフ。
【図14】パターニング済み表面及びパターニング済み表面上のリン層を有するLEDの側面図。
【図15】パターニング済み表面を有するLEDに関するエピタキシャル層の前駆体の側面図。
【図16】パターニング済み表面を有するLEDに関するエピタキシャル層の前駆体の側面図。
【図17】パターニング済み表面を有するLEDに関するエピタキシャル層の前駆体の側面図 。
【図18】パターニング済み表面を有するLEDに関するエピタキシャル層の前駆体の側面図。
【図19】パターニング済み表面を有するLEDに関するエピタキシャル層の前駆体の側面図。
【技術分野】
【0001】
本発明は発光素子、及び関連部品、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(light emitting diode:LED)は多くの場合、白熱光源及び/又は蛍光光源よりも効率良く光を供給することができる。LEDは非常に高い電力効率を有するので、LEDを使用して種々の照明用途における従来の光源に置き換えるという考えが注目されている。例えば、或る例では、LEDは交通信号灯として、そして携帯電話キーパッド及びディスプレイを照らすために使用されている。
【0003】
通常、LEDは複数の層により形成され、これらの層の内の少なくとも幾つかの層は異なる材料により形成される。一般的に、これらの層に選択される材料及び厚さによって、LEDが放出する光の波長(群)が決まる。更に、これらの層の化学組成は、複数の領域(一般的には量子井戸と呼ばれる)に注入される電荷キャリアを絶縁して光電力への変換が非常に高い効率で行われるように選択することができる。一般的に、接合の内、量子井戸が形成される一方の側の層には、高い電子密度を実現するドナー原子が添加され(このような層は一般的にn型層と呼ばれる)、そして反対側の層には、かなり高い正孔密度を実現するアクセプタ原子が添加される(このような層は一般的にp型層と呼ばれる)。
【0004】
LEDを形成するための一般的な手法は次の通りである。複数の材料層をウェハの形で用意する。通常、これらの層は、有機金属気相成長法(metal−organic chemical vapor deposition:MOCVD)のようなエピタキシャル成長法を使用して形成され、この場合、初期堆積層が成長基板の上に形成される。次に、これらの層に、種々のエッチング法及び金属配線技術を用いて電流注入を行なうためのコンタクトを形成し、続いてウェハを個々のLEDチップに分割する。普通、これらのLEDチップはパッケージングされる。
【0005】
使用の間、電気エネルギーが普通にLEDに注入され、続いて電磁放射線(光)に変換され、この電磁放射線の或る部分がLEDから取り出される。
【特許文献1】米国特許第6,420,242号
【特許文献2】米国特許第6,071,795号
【非特許文献1】CRC, Boca Raton, FL, 1993
【非特許文献2】Artech House, London, 1995
【非特許文献3】Cambridge University Press, Cambridge, England 1996
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は発光素子、及び関連部品、システム、及び方法に関する。
一の実施形態では、本発明は複数の材料から成る多層積層体を含む発光素子を特徴とする。複数の材料から成る多層積層体は、光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層を含む。第1層の表面は、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができるように構成される。第1層の表面は、パターンに従って空間的に変化する誘電関数を有し、そしてパターンは理想的な格子定数及びゼロよりも大きい値の微調整(detuning)パラメータを有する。
【0007】
別の実施形態では、本発明は複数の材料から成る多層積層体を含む発光素子を特徴とする。複数の材料から成る多層積層体は、光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層
を含む。第1層の表面は、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができるように構成され、そして表面は非周期パターンに従って空間的に変化する誘電関数を有する。
【0008】
更に別の実施形態では、本発明は複数の材料から成る多層積層体を含む発光素子を特徴とする。複数の材料から成る多層積層体は、光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層を含む。第1層の表面は、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができるように構成され、そして表面は複素周期パターンに従って空間的に変化する誘電関数を有する。
【0009】
一の実施形態では、本発明は複数の材料から成る多層積層体を含む発光素子を特徴とする。複数の材料から成る多層積層体は、n型材料層、p型材料層、及び光発生領域を含む。発光素子は反射材料層も含み、この反射材料層は、光発生領域によって生成される光の少なくとも50%の光であって、反射材料層に衝突する光を反射する機能を備える。n型材料層の表面は、光発生領域が生成する光を発光素子からn型材料層の表面を通して放出することができるように構成される。n型材料層の表面はパターンに従って空間的に変化する誘電関数を有し、そしてp型材料層と反射材料層との間の距離は、n型材料層と反射材料層との間の距離よりも短い。
【0010】
別の実施形態では、本発明は、複数の材料から成り、かつ光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層を含む多層積層体を含む発光素子を特徴とする。第1層の表面は、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができるように構成され、そして第1層の表面はパターンに従って空間的に変化する誘電関数を有する。発光素子は反射材料層も含み、この反射材料層は、光発生領域によって生成される光の少なくとも50%の光であって、反射材料層に衝突する光を反射する機能を備える。光発生領域は反射材料層と第1層との間に位置し、そしてパターンは第1層を超えて延びることがない。
【0011】
更に別の実施形態では、本発明は複数の材料から成る多層積層体を含む発光素子を特徴とする。複数の材料から成る多層積層体は、光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層を含む。第1層の表面は、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができるように構成される。発光素子は、第1層の表面に接触する材料も含み、この材料は約1.5未満の屈折率を有する。発光素子はパッケージングされる。
【0012】
一の実施形態では、本発明は複数の材料から成る多層積層体を含む発光素子を特徴とする。複数の材料から成る多層積層体は、光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層を含む。第1層の表面は、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができるように構成される。第1層の表面はパターンに従って空間的に変化する誘電関数を有する。発光素子は、第1層の表面によって支持されるリン材料も含む。発光素子の側壁はほとんどリン材料を含まない。
【0013】
別の実施形態では、本発明はウェハを形成する方法を特徴とする。この方法では、リン材料をウェハの表面の上に載置する。ウェハは複数の発光素子を含む。各発光素子は、複数の材料から成り、かつ光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層を含む多層積層体を含む。第1層の表面は、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができるように構成され、そして第1層の表面はパターンに従って空間的に変化する誘電関数を有する。
【0014】
更に別の実施形態では、本発明は複数の材料から成る多層積層体を含む発光素子を特徴とする。複数の材料から成る多層積層体は、光発生領域、及び光発生領域に支持される第
1層を含む。第1層の表面は、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができるように構成され、そして第1層の表面はパターンに従って空間的に変化する誘電関数を有する。発光素子はリン材料も含み、このリン材料は、光発生領域が生成し、かつ発光素子から第1層の表面を通して放出される光がリン材料と相互反応して、リン材料から放出される光がほぼ白色光となるように構成される。発光素子の面積に対する発光素子の高さの比は、白色光が全方向に広がることができるように十分に小さい。
【0015】
一の実施形態では、本発明は複数の材料から成る多層積層体を含む発光素子を特徴とする。複数の材料から成る多層積層体は、光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層を含む。第1層の表面は、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができるように構成される。発光素子はまた、発光素子から放出される光をほぼ透過する材料により形成される第1シートと、そしてリン材料を含む第2シートと、を含む。第2シートは第1シートに隣接する。発光素子はパッケージングされ、そして第1及び第2シートは発光素子のパッケージの一部を形成する。
【0016】
別の実施形態では、本発明は、複数の材料から成り、かつ光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層を含む多層積層体を含む発光素子を特徴とする。第1層の表面は、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができるように構成される。第1層の表面はパターンに従って空間的に変化する誘電関数を有し、そしてパターンは、光発生領域が生成し、かつ発光素子から第1層の表面を通して放出される光が、ランバート分布の場合よりも平行度が高くなるように構成される。
【0017】
更に別の実施形態では、本発明は、複数の発光素子を含むウェハを特徴とする。これらの発光素子の内の少なくとも幾つかの発光素子は、複数の材料から成る多層積層体を含む。複数の材料から成る多層積層体は、光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層を含む。第1層の表面は、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができるように構成される。第1層の表面はパターンに従って空間的に変化する誘電関数を有し、そしてパターンは、光発生領域が生成し、かつ発光素子から第1層の表面を通して放出される光が、ランバート分布の場合よりも平行度が高くなるように構成される。ウェハは、1平方センチメートル当たり少なくとも約5個(例えば少なくとも約25個、少なくとも約50個)の発光素子を有する。
【0018】
一の実施形態では、本発明は複数の材料から成る多層積層体を含む発光素子を特徴とする。複数の材料から成る多層積層体は、光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層を含むことにより、発光素子を使用している間に、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができる。第1層の表面はパターンに従って空間的に変化する誘電関数を有し、そして光発生領域が生成し、かつ発光素子から放出される光の合計量の少なくとも約45%(例えば少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%)が発光素子の表面を通して放出される。
【0019】
別の実施形態では、本発明は複数の材料から成る多層積層体を含む発光素子を特徴とする。複数の材料から成る多層積層体は、光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層を含むことにより、発光素子を使用している間に、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができる。発光素子は端面(edge)を有し、この端面は少なくとも約1ミリメートル(例えば、少なくとも約1.5ミリメートル、少なくとも約2ミリメートル、少なくとも約2.5ミリメートル)の長さであり、そして発光素子は、発光素子の取り出し効率が端面の長さにほぼ無関係となるように構成される。
【0020】
更に別の実施形態では、本発明は複数の材料から成る多層積層体を含む発光素子を特徴
とする。複数の材料から成る多層積層体は、光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層を含むことにより、発光素子を使用している間に、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができる。発光素子は端面を有し、この端面は少なくとも約1ミリメートル(例えば、少なくとも約1.5ミリメートル、少なくとも約2ミリメートル、少なくとも約2.5ミリメートル)の長さであり、そして発光素子は、発光素子の量子効率が端面の長さにほぼ無関係となるように構成される。
【0021】
一の実施形態では、本発明は複数の材料から成る多層積層体を含む発光素子を特徴とする。複数の材料から成る多層積層体は、光発生領域、及び光発生領域に支持される第1層を含むことにより、発光素子を使用している間に、光発生領域が生成する光を発光素子から第1層の表面を通して放出することができる。発光素子は端面を有し、この端面は少なくとも約1ミリメートル(例えば、少なくとも約1.5ミリメートル、少なくとも約2ミリメートル、少なくとも約2.5ミリメートル)の長さであり、そして発光素子は、発光素子のウォールプラグ効率が端面の長さにほぼ無関係となるように構成される。
【0022】
別の実施形態では、本発明は発光素子を形成する方法を特徴とする。この方法では、反射材料層をp型材料層と接着させる。発光素子は、複数の材料から成り、かつp型材料層と、光発生領域と、そして第1層と、を含む多層積層体を含む。第1層は、パターンに従って空間的に変化する誘電関数を有する表面を含み、そして反射材料は、光発生領域が生成する光の少なくとも約50%の光であって、反射材料層に衝突する光を反射する機能を備える。
【0023】
更に別の実施形態では、本発明は発光素子を形成する方法を特徴とする。この方法では、第1層に接着している基板を取り外す。第1層は、複数の材料から成る多層積層体の内、光発生領域を含む部分を形成し、そして本方法によって発光素子が形成され、この発光素子においては、第1層の表面は、パターンに従って空間的に変化する誘電関数を有する表面を有する。
【0024】
複数の実施形態は、次の態様の内の一つ以上を特徴とすることができる。
複数の材料から成る多層積層体は、複数の半導体材料から成る多層積層体により形成することができる。第1層はn型半導体材料層とすることができ、そして多層積層体は更に、p型半導体材料層を含むことができる。光発生領域は、n型半導体材料層とp型半導体材料層との間に設けることができる。
【0025】
発光素子は更に、複数の材料から成る多層積層体を支持する支持体を含むことができる。
発光素子は更に、光発生領域によって生成される光の少なくとも50%の光であって、反射材料層に衝突する光を反射する機能を備える反射材料層を含むことができる。反射材料層は、支持体と、複数の材料から成る多層積層体との間に設けることができる。p型半導体材料層と反射材料層との間の距離は、n型半導体材料層と反射材料層との間の距離よりも短くすることができる。発光素子は更に、p型オーミックコンタクト層をp型半導体材料層と反射材料層との間に含むことができる。
【0026】
発光素子は更に、電流拡散層を第1と光発生領域との間に含むことができる。
複数の材料から成る多層積層体は、例えばIII−V族半導体材料、有機半導体材料、及び/又はシリコンのような半導体材料により形成することができる。
【0027】
或る実施形態では、パターンは光発生領域の中にまで延びない。
或る実施形態では、パターンは第1層を超えて延びることがない。
或る実施形態では、パターンは第1層を超えて延びる。
【0028】
発光素子は更に、電流を発光素子に注入するように構成される複数の電気コンタクトを含むことができる。これらの電気コンタクトは、電流を発光素子に縦方向に注入するように構成することができる。
【0029】
パターンはその一部を、例えば第1層の表面の複数の穴、第1層の複数のピラー(柱)、第1層の複数の連続する筋(vein)、第1層の複数の不連続な筋、及びこれらの組合せの中から選択される部品により形成することができる。
【0030】
或る実施形態では、パターンは三角形パターン、方形パターン、及び格子パターンから選択することができる。
或る実施形態では、パターンは非周期パターン、準結晶パターン、ロビンソン(Robinson)パターン、及びアムマン(Amman)パターンから選択することができる。或る実施形態では、パターンはペンローズ(Penrose)パターンである。
【0031】
或る実施形態では、パターンは蜂の巣状パターン及びアルキミディアンパターンから選択することができる。或る実施形態では、パターン(例えば蜂の巣パターン)は異なる直径の複数の穴を有することができる。
【0032】
パターンはその一部を、第1層の表面の複数の穴により形成することができる。
微調整パラメータは、例えば理想格子定数の少なくとも約1%、そして/または理想格子定数の最大約25%とすることができる。或る実施形態では、パターンはほぼランダムに微調整された理想パターンに対応させることができる。
【0033】
パターンは、第1層の表面から放出される光が放射モードのスペクトルを有し、かつ放射モードのスペクトルが光発生領域の固有放出スペクトルとほぼ同じとなるように構成することができる。
【0034】
発光素子は、例えば発光ダイオード、レーザ、または光増幅器とすることができる。発光素子の例として、有機発光素子(OLEDs)、面発光LED、及び高輝度発光素子(HBLEDs)が挙げられる。
【0035】
或る実施形態では、第1層の表面は約λ/5未満のサイズのパターンを有し、この場合、λは第1層が放出することができる光の波長である。
或る実施形態では、発光素子はパッケージングされる(例えば、パッケージチップの形で)。或る実施形態では、パッケージングされた発光素子には封止材料が不要となる。
【0036】
或る実施形態では、第1層の表面に接触する材料はガス(例えば空気)である。このガスは約100Torr未満の圧力を有することができる。
或る実施形態では、第1層の表面に接触する材料は少なくとも約1の屈折率を有する。
【0037】
或る実施形態では、パッケージングされたLEDはカバーを含む。カバーはリン材料を含むことができる。カバーは、光発生領域が生成し、かつ第1層の表面を通して放出される光がリン材料と相互反応することができ、そして第1層の表面を通して放出され、かつリン材料と相互反応する光がカバーからほぼ白色光として放出されるように構成することができる。
【0038】
或る実施形態では、発光素子は更に、発光素子から放出される光をほぼ透過する材料を含む第1シート、及びリン材料を含む第2シートを含む。第2シートは第1シートに隣接することができ、そして約1.5未満の屈折率を有する材料を第1シートと第1層の表面
との間に設けることができる。第1及び第2シートは、光発生領域が生成し、かつ第1層の表面を通して放出される光がリン材料と相互反応することができ、そして第1層の表面を通して放出され、かつリン材料と相互反応する光が第2シートからほぼ白色光として放出されるように構成することができる。
【0039】
リン材料は第1層の表面の上に配置することができる。
ウェハを形成する方法では、リン材料を配置して約20%未満だけ変化する厚さを有する層を形成することができる。本方法では、リン材料層の厚さが約20%未満だけ変化するようにリン材料層を平坦化することができる。本方法ではまた、リン材料を第1層の表面の上に配置した後に、リン材料を平坦化することができる。リン材料は、例えばスピン塗布により第1層の表面の上に形成することができる。本方法では、ウェハから複数の発光素子を形成し、そしてこれらの発光素子の内の少なくとも幾つかの発光素子を互いから分離することができる。
【0040】
或る実施形態では、光発生領域が生成する光は発光素子から第1層の表面を通して放出されるとき、第1層の表面を通して放出される光の少なくとも約40%が、第1層の表面の法線に対して最大約30°の角度以内で放出される。
【0041】
或る実施形態では、発光素子の準位占有率が少なくとも約10%そして/または最大約75%である。
発光素子を形成する方法では更に、反射材料層をp型材料層に接着させる前に、第1層を基板に接着させることができ、この場合、複数の材料から成る多層積層体は基板と反射材料層との間に位置する。本方法ではまた、接着層を第1層と基板との間に形成することができる。本方法ではまた、基板を取り外すことができる。本方法は更に、基板を取り外す工程の後に、ラッピング工程及び研磨工程を含むことができる。基板は、反射材料層を第1層に接着させた後に取り外すことができる。基板を取り外す工程においては、第1層と基板との間に配置される接着層を加熱することができる。接着層を加熱する工程においては、接着層の少なくとも一部を分解することができる。接着層を加熱する工程においては、接着層をレーザからの放射線に晒すことができる。基板を取り外す工程においては、基板をレーザリフトオフ法を使用してレーザ光に晒すことができる。基板を取り外すことにより、第1層の表面をほぼ平坦にすることができる。本方法では更に、パターンを第1層の表面に形成する前に、かつ基板を取り外した後に、第1層の表面を平坦化することができる。第1層の表面を平坦化する工程においては、第1層の表面に化学機械研磨を施すことができる。第1層の表面を平坦化することによって、第1層の表面の粗さを、約λ/5超にまで小さくすることができ、この場合、λは第1層が放出することができる光の波長である。パターンを形成する工程では、ナノリソグラフィを使用することができる。本方法ではまた、基板を反射材料層の上に配置することができる。本方法では更に、電流拡散層を第1層と光発生領域との間に配置することができる。
【0042】
複数の実施形態は、次の利点の内の一つ以上を特徴とすることができる。
或る実施形態では、LED及び/又は非常に大きなLEDチップは、非常に大きな表面輝度、非常に大きな平均表面輝度を示し、熱放散の必要性が非常に小さい、または熱放散の速度が非常に大きく、エテンデュー(etendue:利用できる光源の面積×立体角)を大きく減らすことができ、そして/または電力効率を非常に高くすることができる。
【0043】
或る実施形態では、LED及び/又は非常に大きなLEDチップは、LED/LEDチップが放出する光がほとんどパッケージによって吸収されないように構成することができる。
【0044】
或る実施形態では、パッケージLED(例えば、非常に大きなパッケージLED)は、
封止材料を使用することなく製造することができる。これによって、或る封止材料を使用することによってもたらされる、経時的な性能低下及び/又は性能ばらつきのような或る問題を回避することができるので、非常に良好な、そして/または高信頼性の性能を非常に長い期間に渡って示すことができるパッケージLEDを提供することができる。
【0045】
或る実施形態では、LED(例えば、非常に大きなパッケージLEDとすることができるパッケージLED)は、リン材料から成る非常に均一なコーティングを含むことができる。
【0046】
或る実施形態では、LED(例えば、非常に大きなパッケージLEDとすることができるパッケージLED)は、特定の角度範囲内(例えば、LED表面の法線に対する特定の角度範囲内)で所望の光出力を実現するように構成することができる。
【0047】
或る実施形態では、LED及び/又は非常に大きなLEDチップは、商業的規模で実行することができ、プロセスを経済的に採算の採れなくしてしまうようなコストを生じることがないプロセスによって製造することができる。
【0048】
本発明の特徴及び利点は記述、図、及び請求項に示される。
種々の図における同様の参照符号は同様の構成要素を指す。
図1は、パッケージチップ(packaged die)構成のLED100の側面図を示している。LED100は、サブマウント120上に配置される多層積層体122を含む。多層積層体122は320nm厚さのシリコン添加(n型)GaN層134を含み、このGaN層は複数の開口150から成るパターンをその上側表面110に有する。多層積層体122はまた、接着層124、100nm厚さの銀層126、40nm厚さのマグネシウム添加(p型)GaN層128、複数のInGaN/GaN量子井戸により形成される120nm厚さの光発生領域130、及びAlGaN層132を含む。n側コンタクトパッド136は層134の上に配置され、そしてp側コンタクトパッド138は層126の上に配置される。封止材(屈折率が1.5のエポキシ)144は層134とカバースリップ140と支持体142との間に設けられる。層144は複数の開口150の内部には延在しない。
【0049】
光はLED100によって次のように生成される。p側コンタクトパッド138はn側コンタクトパッド136に対して正の電位に保持され、これによって電流がLED100に注入される。電流が光発生領域130を通過すると、n型層134からの電子が領域130の内部でp型層128からの正孔と結合し、これによって領域130が光を生成する。光発生領域130は、領域130内で光発生領域130を形成するために使用される材料の波長スペクトル特性を有する光を放出する(例えば等方的に)多くの点双極子放射源を含む。InGaN/GaN量子井戸の場合、領域130によって生成される光の波長スペクトルは約445ナノメートル(nm)にピーク波長を、そして約30nmの半値幅(full width at half maximum:FWMH)を有する。
【0050】
ここで、p型層126の電荷キャリアは、n型半導体層134の電荷キャリアに比べて非常に低い移動度を有することに注目されたい。その結果、銀層126(導体である)をp型層128の表面に沿って配置することにより、コンタクトパッド138からp型層128及び光発生領域130への電荷注入の均一性を高めることができる。これによってまた、素子100の電気抵抗を下げ、そして/または素子100の注入効率を高めることができる。n型層134の電荷移動度が非常に高いので、電子はn側コンタクトパッド136から層132及び134を通過して非常に大きな速度で拡散することができ、光発生領域130内の電流密度は領域130全体に渡ってほぼ均一となる。ここでまた、銀層126は非常に高い熱伝導率を有するので、層126がLED100のヒートシンクとして機
能する(多層積層体122からサブマウント120に向かって縦方向に熱を移動させる)ことができることに注目されたい。
【0051】
領域130によって生成される光の少なくとも或る部分は銀層126に振り向けられる。この光は層126によって反射され、そしてLED100から表面110を通って放出される、または層126によって反射され、次にLED100の半導体材料内部で吸収されると領域130内で結合する電子−正孔ペアを生じさせるので、領域130は光を生成する。同様に、領域130によって生成される光の少なくとも或る部分はパッド136に振り向けられる。パッド136の下側は、光発生領域130によって生成される光の少なくとも或る部分を反射する材料(例えばTi/Al/Ni/Au合金)により形成される。従って、パッド136に振り向けられる光はパッド136によって反射され、続いてLED100から表面110を通って放出される(例えば、銀層126によって反射されることにより)、またはパッド136に振り向けられる光はパッド136によって反射され、次にLED100の半導体材料内部で吸収されると領域130内で結合する電子−正孔ペアを生じさせるので、領域130は光を生成する(例えば、銀層126によって反射されることにより、または反射されることなく)。
【0052】
図1及び2に示すように、LED100の表面110は平坦ではないが、複数の開口150を変形三角形状に配列したパターンを有する。一般的に、開口150の深さは種々の値に選択することができ、開口150の直径及び開口150の最近接開口(nearest neighbors)間の間隔は変えることができる。特に断らない限り、以下の図を用いて数値計算の結果を示すために、開口150は約280nmに等しい深さ146を有し、約160bnmの非ゼロ直径を有し、約220nmの最近接開口間隔を有し、そして約1.0に等しい屈折率を有する。三角形状配列パターンを微調整して、パターン150の最近接開口の中心から中心の距離が(a−Δa)と(a+Δa)との間の値を有するようにし、この場合「a」は理想的な三角形状配列パターンの格子定数であり、「Δa」は長さの次元を有する微調整パラメータであり、この微調整はランダムな方向に行なうことができる。LED100からの光取り出し効率を高めるために(以下の議論を参照のこと)、微調整パラメータΔaは通常、理想格子定数aの少なくとも約1%(例えば、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%)であり、そして/または理想格子定数aの最大約25%(例えば、最大約20%、最大約15%、最大約10%)である。或る実施形態では、最近接開口間隔は、(a−Δa)と(a+Δa)との間でほぼランダムに変化して、パターン150をほぼランダムに微調整することができるようにする。
【0053】
複数の開口150が変形三角形状に配列されるパターンの場合、微調整パラメータを非ゼロにすることによって、LED100からの取り出し効率を高めることができることが判明している。上述のLED100の場合、微調整パラメータΔaがゼロから約0.15aにまで増えると、LED100における電磁界の数値モデル化(以下に記載する)によれば、図3に示すように、素子からの取り出し効率が約0.60から約0.70にまで増大することが判明している。
【0054】
図3に示す取り出し効率データは、3次元有限差分時間領域(FDTD)法を使用してLED100の内部及び外部の光に関するマクスウェル方程式の近似解を求めることによって計算される。これについては、例えばK.S. Kunz and R.J. Luebbersによる「有限差分時間領域法」と題する非特許文献1(CRC, Boca
Raton, FL, 1993)、A. Tafloveによる「計算電気力学:有限差分時間領域法」と題する非特許文献2(Artech House, London, 1995)を参照されたく、これらの文献の両方を本明細書において参照することにより、これらの文献の内容が本発明の開示に含まれる。特定パターン150を有するLE
D100の光動作を説明するために、FDTD計算の入力パラメータは、光発生領域130の点双極子放射源が放出する光の中心周波数及び帯域幅、多層積層体122内の各層の寸法及び誘電特性、及びパターン150の開口の直径、深さ、及び最近接開口間距離(NND)を含む。
【0055】
或る実施形態では、LED100に関する取り出し効率データはFDTD法を使用して次のように計算される。FDTD法を使用して完全ベクトルの、時間に依存する(full−vector time−dependent)マクスウェル方程式を解く。
【0056】
【数1】
【0057】
上の式において、分極率
【数2】
【0058】
は量子井戸光発生領域130、pコンタクト層126、及びLED100内の他の層の周波数応答を表わす。個々のベクトルP
【数3】
【0059】
項は、材料の全分極率に対する異なる寄与度を示す実験的に得られる値である(例えば、束縛電子の振動の分極応答、自由電子の振動の分極応答)。特に、次の等式が成り立ち、
【数4】
【0060】
上の式において分極は次式により表わされる誘電率に対応する。
【0061】
【数5】
【0062】
数値計算を行なうために、考察対象の層は封止材144、銀層126、及び封止材144と銀層126との間の層だけである。この近似は、封止材144及び層126が十分に厚いのでこれらを取り囲む層はLED100の光学特性に影響を与えないという仮定に基づいている。周波数に依存する誘電率を有すると推定されるLED100内の関連構造は、銀層126及び光発生領域130である。LED100内の他の関連層は、周波数に依存する誘電率を持たないと推定される。ここで、LED100が追加の金属層を封止材144と銀層126との間に含む実施形態では、これらの追加の金属層の各層が該当する周波数に依存する誘電率を有することに注目されたい。銀層126(及びLED100内の他の全ての金属層)は、束縛電子及び自由電子の両方に関して周波数に依存する項を有し
、他方、光発生領域130は束縛電子に関して周波数に依存する項を有するが、自由電子に関しては周波数に依存する項を持たないことにも注目されたい。或る実施形態では、他の項を、誘電率の周波数依存をモデル化する場合には含むことができる。このような項は、例えば電子−光子相互作用、原子分極、イオン分極、及び/又は分子分極を含むことができる。
【0063】
光発生領域130の量子井戸領域からの光放出は、ランダムに配置された多くの定電流双極子放射源を光発生領域130内に組み込むことによりモデル化することができ、これらの定電流双極放射源の各々は、実際の量子井戸のスペクトル幅に等しいスペクトル幅の短いガウスパルスを放出し、これらのパルスの各々はランダムな初期位相及び開始時間を有する。
【0064】
LED100の表面110の開口群150から成るパターンに対応するために、横方向に大きなスーパーセルを周期境界条件と一緒に使用する。これによって、非常に大きな(例えば、端面が0.01mm超)素子サイズのシミュレーションを行ない易くなる。全ての発展方程式を、全ての双極子放射源がエネルギーを放出した後、長時間経過し、系に残留するエネルギーが無くなるまでの時間に関して解く。シミュレーションの間、合計放出エネルギー、上面110から放射されるエネルギー束、及び量子井戸及びn型層が吸収するエネルギーをモニターする。時間領域及び空間領域の両方におけるフーリェ変換を使用して、放射束の周波数分解及び角度分解データが得られるので、角度分解及び周波数分解による取り出し効率を計算することができる。合計放出エネルギーを実験により判明する光発生領域130の発光(ルミネセンス)と照合することにより、所与の電気入力に対する、ルーメン/単位立体角/単位チップ面積で表わした角度分解による取り出し効率の絶対値が得られる。
【0065】
理論にこだわらないとすると、微調整パターン150によって領域130において生成される光がLED100から表面110を通して放出される効率を高くすることができると考えられる、というのは、開口群150によって、パターン150に従って層134において空間的に変化する誘電関数が生じるからである。これによって、LED100内の放射モード(すなわち、表面110から放出される光モード)及びガイドモード(すなわち、多層積層体122内に閉じ込められる光モード)の密度が変化し、かつLED100内の放射モード及びガイドモードの密度のこの変化によって、この変化が無い場合にパターン150が無い状態でガイドモードの方向に放出される光の或る部分が、放射モードの方向にリークすることができるモードの方向に散乱される(例えばブラッグ散乱)と考えられる。或る実施形態では、パターン150(例えば、上に議論したパターン、または以下に議論する複数のパターンの内の一つのパターン)によってLED100内のガイドモードの全てを無くすことができると考えられる。
【0066】
格子を微調整した効果は、点散乱サイトを有する結晶によるブラッグ散乱を考察することにより理解することができると思われる。距離dだけ離れた複数の格子平面に配列された完全格子の場合、波長λの単色光は、nが散乱次数を与える整数である場合のブラッグ条件nλ=2dsinθに従った角度θで散乱される。しかしながら、スペクトル帯域幅Δλ/λを有し、立体角ΔΘで光を放出する光源の場合、ブラッグ条件は、格子サイトの間隔を微調整パラメータΔaだけ微調整することにより緩和することができると考えられる。格子を微調整することによりパターンによる散乱効率及び角度精度が光源のスペクトル帯域及び空間放出分布に渡って高くなる。
【0067】
非ゼロの微調整パラメータΔaを有する変形三角形状配列パターン150によってLED100からの光取り出し効率を高くすることができるという風に変形三角形状配列パターン150について記載してきたが、他のパターンを使用してLED100からの光取り
出し効率を高くすることもできる。所与のパターンによってLED100からの光取り出し効率を高くすることができるかどうか、そして/またはどの開口パターンを使用してLED100からの光取り出し効率を高くすることができるかについて決定すると、このような数値計算を行なう前に、物理的考察をまず使用して光取り出し効率を高くすることができる基本パターンを近似することができる。
【0068】
LED100からの取り出し効率については、パターン150に従って空間的に変化する誘電関数のフーリエ変換を考察することによって更に深く理解することができる(例えば、弱散乱領域において)。図4は理想的な三角形状配列格子に関するフーリエ変換を表わしている。面内波数ベクトルkで表わされる特定の方向への光の取り出しは、逆格子ベクトルGを加算する、または減算することによってkとほぼ等しくなる、すなわちk=k’±Gとなる面内波数ベクトルk’(すなわち、パターン150に平行な)を持つ全てのモードの方向に放出される光源放出Sk’に関連する。取り出し効率は、次式により与えられる誘電関数εGの該当するフーリエ成分(Fk)の絶対値に比例する。
【0069】
【数6】
【0070】
材料中の光の伝搬は通常、等式k2(面内成分)+k2(法線成分)=ε(ω/c)2を満たすので、考察対象の最大のGは光発生領域から放出される周波数(ω)及び光発生領域の誘電率によって決まる。図4に示すように、これによって光ラインと呼ばれることが多いリングが逆空間において定義される。光ラインは、光発生領域の有限帯域により環状となるが、説明を明瞭にするために単色光源の光ラインを示している。同様に、封止材の内部を伝搬する光は光ラインによって限界が画定される(図4の内側の円)。従って、取り出し効率はFkを封止材の光ラインの内側に含まれる全ての方向kに関して大きくすることによって高くなり、その結果、封止材の光ラインの内側に含まれるG(逆格子ベクトル)点の数が増え、かつ材料の光ラインの内側に含まれるG点に関する散乱強度εGが大きくなる。この物理的考察は、取り出し効率を高くすることができるパターンを選択する際に使用することができる。
【0071】
一例として、図5は理想的な三角形状配列パターンの格子定数を大きくする場合の効果を示している。図5に示すデータは、図1に示すLED100に与えられるパラメータを使用して計算されるが、パラメータの中では、放出光が450nmのピーク波長を有し、そして穴の深さ、穴の直径、及びn型層134は最近接開口間距離aによってスケーリングされてそれぞれ1.27a,0.72a,及び1.27a+40nmとなる点が異なる。格子定数を大きくすると、封止材の光ラインの内側に含まれるG(逆格子ベクトル)点の密度が高くなる。取り出し効率における明らかな傾向が最近接開口間距離(NND)に関して観察される。最大取り出し効率は、真空中での光の波長にほぼ等しい最近接開口間距離(NND)において生じると考えられる。最大になる理由は、NNDが光の波長よりもずっと長くなると、材料が更に均一になることによって散乱効果が小さくなるからである。
【0072】
別の例として、図6は穴サイズまたは充填率が大きくなるときの効果を示している。三角形状配列パターンの充填率は
【数7】
【0073】
により与えられ、rは穴の半径である。図6に示すデータは、図1に示すLED100に与えられるパラメータを使用して計算されるが、パラメータの中では、開口の直径がグラフのx軸の充填率の値に従って変化する点が異なる。取り出し効率は充填率とともに増大するが、これは散乱強度(εG)が大きくなるからである。最大値はこの特定の系では約48%の充填率で生じる。或る実施形態では、LED100は少なくとも約10%(例えば少なくとも約15%、少なくとも約20%)及び/又は最大約90%(例えば最大約80%、最大約70%、最大約60%)の充填率を有する。
【0074】
変形三角形状配列パターンを、微調整パラメータが理想の三角形状配列格子の位置を基にしたパターンの開口の位置に関連する形で記載してきたが、変形(微調整)三角形状配列パターンは、理想の三角形状配列パターンの穴を、中心を理想の三角形状配列パターンの位置に維持しながら変更することによって実現することもできる。図7はこのようなパターンの一の実施形態を示している。光取り出し効率を高くする方法、該当する数値計算を行なう方法、及び図7に示すパターンを有する発光素子の光取り出し効率を高めることに関する物理的説明は概して上述の説明と同じである。或る実施形態では、変形(微調整)パターンは、理想の位置から変位した開口及び理想の位置であるが変化する直径を有する開口を有することができる。
【0075】
他の実施形態では、発光素子からの光取り出し効率を高くする操作は、例えば複素周期パターン及び非周期性パターンを含む異なるタイプのパターンを使用することにより実行することができる。本明細書において記載する場合、複素周期パターンとは、周期的に繰り返す各ユニットセルに一つよりも多くのパターンを有するパターンである。複素周期パターンの例として、蜂の巣パターン、蜂の巣状パターン、(2×2)基本パターン、リングパターン、及びアルキミディアンパターンが挙げられる。以下に議論するように、或る実施形態では、複素周期パターンは一の直径を有する或る開口群及びそれよりも短い直径を有する開口群を有することができる。本明細書において記載する場合、非周期性パターンとは、領域130が生成する光のピーク波長の少なくとも50倍の長さを有する各ユニットセルに対して並進対称を示さないパターンである。非周期性パターンの例として、非周期(aperiodic)パターン、準結晶パターン、ロビンソンパターン、及びアムマンパターンが挙げられる。
【0076】
図8は、LED100に関する数値計算を2つの異なる複素周期パターンに関して行った結果を示しており、この場合、パターンの或る開口群は特定の直径を有し、そしてパターンの他の開口群はそれよりも短い直径を有する。図8に示す数値計算によって、取り出し効率(直径が80nmの相対的に大きな穴の場合の)がそれよりも小さい穴の直径(dR)が0nmから95nmに変化するとともにどのように変化するかが分かる。図6に示すデータは、図1に示すLED100に与えられるパラメータを使用して計算されるが、パラメータの中では、開口の直径がグラフのx軸の充填率の値に従って変化する点が異なる。理論にこだわらないとすると、複数の穴サイズによって、パターン内の複数の周期的構造による散乱が可能になるので、パターンの角度アクセプタンス及びスペクトル効率が大きくなる。光取り出し効率を高くする方法、該当する数値計算を行なう方法、及び図8に示すパターンを有する発光素子の光取り出し効率を高めることに関する物理的説明は概して上述の説明と同じである。
【0077】
図9は、異なるリングパターン(複素周期パターン)を有するLED100に関する数
値計算を示している。中央の穴を取り囲む第1リングの穴の数は、異なるリングパターンに関して異なる(6,8,または10)。図9に示すデータは、図1に示すLED100に与えられるパラメータを使用して計算されるが、パラメータの中では、放出光が450nmのピーク波長を有する点が異なる。図9に示す数値計算によって、LED100の取り出し効率が、ユニットセルに渡って繰り返されるユニットセル当たりのリングパターン数が2から4に変化するとともにどのように変化するかが分かる。光取り出し効率を高くする方法、該当する数値計算を行なう方法、及び図9に示すパターンを有する発光素子の光取り出し効率を高めることに関する物理的説明は概して上述の説明と同じである。
【0078】
図10は、アルキミディアンパターンを有するLED100に関する数値計算を示している。アルキミディアンパターンA7は、最近接開口間距離がaの7つの等間隔穴を有する六角形ユニットセル230から成る。ユニットセル230内では、6個の穴が正六角形状に配列され、そして7個目の穴が六角形の中心に配置される。従って、六角形状配列ユニットセル230は、ユニットセル間の中心間の間隔が
【数8】
【0079】
で与えられ、セルエッジが互いに沿って丁度ぴったりと並ぶように配列されるので、LEDの全表面をパターニングすることができる。これはA7タイル貼りとして知られ、これは7個の穴がユニットセルを構成するからである。同様に、アルキミディアンタイル貼りA19は、NND(最近接開口間距離)がaの19個の等間隔の穴から成る。これらの穴は、7個の穴を内側六角形の形に、そして12個の穴を外側六角形の形に並べ、更に内側六角形の内部に1個の中心穴を置くことによって配列される。従って、六角形状配列ユニットセル230は、ユニットセル間の中心間の間隔が
【数9】
【0080】
で与えられ、セルエッジが互いに沿って丁度ぴったりと並ぶように配列されるので、LEDの全表面をパターニングすることができる。光取り出し効率を高くする方法、該当する数値計算を行なう方法、及び図10に示すパターンを有する発光素子の光取り出し効率を高めることに関する物理的説明は概して上述の説明と同じである。図10に示すように、A7及びA19に関する取り出し効率は約77%である。図10に示すデータは、図1に示すLED100に与えられるパラメータを使用して計算されるが、これらのパラメータの中で、放出光が450nmのピーク波長を有し、かつNND(最近接開口間距離)が個々のセル内部の開口の間の距離として定義される点が異なる。
【0081】
図11は、準結晶パターンを有するLED100に関する数値計算を示している。準結晶パターンは、例えばM.Senechalによる「準結晶及び構造(Quasicrystal and Geometory)」と題する非特許文献3(Cambridge
University Press, Cambridge, England 1996)に記載されており、この文献を本明細書において参照することによりこの文献の内容が本発明の開示に含まれる。数値計算によって、取り出し効率が8重準周期構造(class of 8−fold based quasi−periodic structure)が変化するとともにどのように変化するかが分かる。準結晶パターンは、このような構造によって可能になる面内回転対称性が高いので高い取り出し効率を示すと考えられる。光取り出し効率を高くする方法、該当する数値計算を行なう方法、及び図11に
示すパターンを有する発光素子の光取り出し効率を高めることに関する物理的説明は概して上述の説明と同じである。図11に示すFDTD計算による結果は、準結晶構造の取り出し効率が約82%に達することを示している。図11に示すデータは、図1に示すLED100に与えられるパラメータを使用して計算されるが、これらのパラメータの中で、放出光が450nmのピーク波長を有し、かつNND(最近接開口間距離)が個々のセル内部の開口の間の距離として定義される点が異なる。
【0082】
パターンの或る例について本明細書において記載してきたが、パターンが上に議論した基本原理を満たす場合には、他のパターンによってもLED100からの取り出し効率を高くすることができると考えられる。例えば、準結晶構造または複素周期構造に微調整を加えることによって、取り出し効率を高くすることができると考えられる。
【0083】
或る実施形態では、光発生領域130によって生成され、かつLED100から放出される光の合計量の少なくとも約45%(例えば、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%)の光が表面110を通して放出される。
【0084】
或る実施形態では、LED100の断面積は、LED100からの光取り出し効率を高く維持しつつも非常に大きくすることができる。例えば、LED100の一つ以上の端面は少なくとも約1ミリメートル(例えば、少なくとも約1.5ミリメートル、少なくとも約2ミリメートル、少なくとも約2.5ミリメートル、少なくとも約3ミリメートル)とすることができ、そして光発生領域130によって生成され、かつLED100から放出される光の合計量の少なくとも約45%(例えば、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%)の光が表面110を通して放出される。これによってLEDは、良好な電力変換効率を示しつつ、非常に大きな断面(例えば、(少なくとも約1ミリメートル)×(少なくとも約1ミリメートル))を有することができる。
【0085】
或る実施形態では、LED100の構成を有するLEDの取り出し効率は、LEDの端面の長さにほとんど無関係である。例えば、LED100の構成を有し、かつ約0.25ミリメートルの長さの一つ以上の端面を有するLEDの取り出し効率と、LED100の構成を有し、かつ1ミリメートルの長さの一つ以上の端面を有するLEDの取り出し効率との差は、約10%未満しか変わらない(例えば、約8%未満、約5%未満、約3%未満)。本明細書において記載する場合、LEDの取り出し効率とは、素子が生成する光の量(この量はエネルギーまたは光子の単位で測定することができる)に対するLEDが放出する光の比である。これによって、LEDは良好な電力変換効率を示しながら非常に大きな断面(例えば、(少なくとも約1ミリメートル)×(少なくとも約1ミリメートル))を有することができる。
【0086】
或る実施形態では、LED100の構成を有するLEDの量子効率は、LEDの端面の長さにほとんど無関係である。例えば、LED100の構成を有し、かつ約0.25ミリメートルの長さの一つ以上の端面を有するLEDの量子効率と、LED100の構成を有し、かつ1ミリメートルの長さの一つ以上の端面を有するLEDの量子効率との差は、約10%未満しか変わらない(例えば、約8%未満、約5%未満、約3%未満)。本明細書において記載する場合、LEDの量子効率とは、LEDにおいて生じる電子−正孔再結合の数に対するLEDが生成する光子の数の比である。これによって、LEDは良好な性能を示しながら非常に大きな断面(例えば、(少なくとも約1ミリメートル)×(少なくとも約1ミリメートル))を有することができる。
【0087】
或る実施形態では、LED100の構成を有するLEDのウォールプラグ効率は、LE
Dの端面の長さにほとんど無関係である。例えば、LED100の構成を有し、かつ約0.25ミリメートルの長さの一つ以上の端面を有するLEDのウォールプラグ効率と、LED100の構成を有し、かつ1ミリメートルの長さの一つ以上の端面を有するLEDのウォールプラグ効率との差は、約10%未満しか変わらない(例えば、約8%未満、約5%未満、約3%未満)。本明細書において記載する場合、LEDのウォールプラグ効率とは、LEDの注入効率(素子の光発生領域において再結合するキャリアの数に対する素子に注入されるキャリアの数の比)と、LEDの放射効率(電子−正孔再結合の合計数に対する放射時に生じる電子−正孔再結合の比)と、そしてLEDの取り出し効率(生成される光子の合計数に対するLEDから取り出される光子の比)との積である。これによって、LEDは良好な性能を示しながら非常に大きな断面(例えば、(少なくとも約1ミリメートル)×(少なくとも約1ミリメートル))を有することができる。
【0088】
或る実施形態では、LED100から表面110を通して放出される光の角度分布を操作することが望ましい。所与の立体角の方向(例えば、表面110の法線方向近傍の立体角)の取り出し効率を高くするために、我々は、パターン150に従って空間的に変化する誘電関数のフーリエ変換を分析する(前に記載したように)。図12は、異なる格子定数を有する2つの理想的な三角形状配列格子に関するフーリエ変換結果を示している。取り出し効率を高くするために、我々は、封止材の光ライン内部のG点の数及び材料の光ライン内部のG(逆格子ベクトル)点の散乱強度(εG)を大きくするように試みる。これは、NND(最近接開口間距離)を大きくして図5に示す効果を実現することを意味する。しかしながら、ここで我々は、法線方向を中心とする立体角方向の取り出し効率を高くすることに重点を置く。従って、我々は、封止材の光ラインの半径を小さくしてGの絶対値がG>(ω(ne))/cの関係を満たすようにすることにより高次元のG点の導入を制限したいとも考える。我々は、封止材の屈折率を小さくする(屈折率の最小値は封止材を全て取り除いたときに得られる)ことにより、我々は、NND(最近接開口間距離)を大きくすることができるので、法線方向(Fk=0)の光取り出しに寄与させることができる、材料の光ライン内部のG点の数を増やすと共に、封止材における高次方向(傾斜角度方向)の回折を回避する。上述の傾向は図13に示され、この図は、立体角(図における受光半値角により与えられる)方向の取り出し効率を示している。図13に示すデータは、図1に示すLED100に与えられるパラメータを使用して計算されるが、パラメータの中では、放出光が530nmのピーク波長及び34nmの帯域幅を有し、封止材の屈折率が1.0であり、p型層の厚さが160nmであり、光発生領域が30nmの厚さであり、3つの曲線に関するNND(a)が図13に示す値であり、そして深さ、穴の直径、及びn型層の厚さがaによってスケーリングされてそれぞれ1.27a,0.72a,及び1.27a+40nmとなる点が異なる。格子定数が大きくなると、狭い角度での取り出し効率が高くなるだけでなく全ての角度方向の取り出し効率が高くなる。しかしながら、格子定数が更に大きくなると、全ての角度方向の総合取り出し効率が高くなる場合でも、封止材における高次モードの方向への回折によって狭い角度での取り出し効率が低くなる。格子定数が460nmの場合、計算によれば、30度の受光半値角方向への取り出し効率が25%超になる。すなわち、取り出し光の約半分が立体角の上側半球の約13.4%のみの範囲内で収集され、パターンがコリメート効果を有することを示している。材料の光ライン内部のG点の数を大きくし、同時に封止材の光ライン内部のG点の数をk=0のG点のみに限定するパターンであれば必ず、法線方向を中心とする立体角方向への取り出し効率を高くすることができると考えられる。
【0089】
この手法は、nを周囲材料(例えば封止材)の屈折率とすると、多くの場合n2に比例すると考えられる光源のエテンデューを小さくするために特に適用することができる。従って、LED100の封止層の屈折率を小さくすることによって、コリメート光が多くの割合で放出され、光源のエテンデューが小さくなり、従って表面輝度が高くなる(ここでは、光源のエテンデュー(etendue:利用できる光源の面積×立体角)に取り出さ
れる全ルーメンとして定義される)と考えられる。従って或る実施形態では、空気を封止材として使用することによって光源のエテンデューが小さくなると同時に、法線方向を中心とする所与の集光角の方向への取り出し効率が高くなる。
【0090】
或る実施形態では、領域130により生成される光がLED100から表面110を通して放出されると、光の分布はランバート分布の場合よりも平行度が高い。例えば、或る実施形態では、領域130により生成される光がLED100から表面110を通して放出される場合、誘電体層の表面を通して放出される光の少なくとも約40%(例えば、少なくとも約50%、少なくとも約70%、少なくとも約90%)が、表面110の法線方向に対して最大約30°(例えば、最大約25°、最大約20°、最大約15°)の角度の内側で放出される。
【0091】
所望の角度方向のみの光、または非常に高い光取り出し効率で結合する光の非常に大きな部分を取り出す機能を備えると、非常に高い集積度のLEDを所与のウェハの上に設けることができる。例えば、或る実施形態では、1枚のウェハは、1平方センチメートル当たり少なくとも約5個のLED(例えば、少なくとも約25個のLED、少なくとも約50個のLED)を有する。
【0092】
或る実施形態では、パッケージングされたLED100から放出される光の波長(群)を光発生領域130により生成される光の波長(群)に対して変更することが望ましい。例えば、図14に示すように、リン材料180を含有する層を有するLED300を表面110の上に配置することができる。リン材料は領域130により生成される波長(群)の光と相互反応して所望の波長(群)の光を供給することができる。或る実施形態では、パッケージングされたLED100から放出される光がほぼ白色光であることが望ましい。このような実施形態では、層180のリン材料は、例えば(Y,Gd)(Al,Ga)G:Ce3+または「YAG」(yttrium,alminium,garnet)リンにより形成することができる。光発生領域130から放出される青色光によって励起されると、層180のリン材料が活性化されて、黄色波長を中心とする広いスペクトルを有する光を放出する(等方的に)。パッケージングされたLED100から放出される合計の光スペクトルを眺める観察者は黄色リンの広い放出スペクトル及び青色InGaNの狭い放出スペクトルを観察し、そして通常、これらの2つのスペクトルが混合されて白色として視覚する。
【0093】
或る実施形態では、層180はほぼ均一に表面110の上に形成することができる。例えば、パターン150の上部151と層180の上部181との間の距離は、表面110全体で約20%未満(例えば、約10%未満、約5%未満、約2%未満)しか変化しない。
【0094】
一般的に、層180の厚さは、通常約1ミリメートル(mm)×約1ミリメートルであるLED100の表面130の断面寸法と比べて小さい。層180は表面110の上でほぼ均一に形成されるので、層180のリン材料を表面110を通して放出される光によってほぼ一様に励起することができる。リン層180はLED100の表面110の寸法に比べて非常に薄いので、光発生領域130により放出される光は、LED100の全表面に渡ってほぼ均一なリン層180の内部において短い波長の光に変換される。従って、非常に薄く、均一なリン層180はLED100から放出される均一なスペクトルの白色光を表面110上の位置の関数として生成する。
【0095】
一般的に、LED100は所望通りに形成することができる。通常、LED100の形成においては、種々の堆積工程、レーザ処理工程、リソグラフィ工程、及びエッチング工程が行なわれる。
【0096】
図15を参照すると、サファイア基板の上に堆積するLED層積層体材料を含有するLEDウェハ500は容易に利用することができ、そして商用ベンダーから購入することができる。サファイア基板の上には連続して、バッファ層504、n型Si:GaN層506、電流拡散層508となるAlGaN/GaNヘテロ接合または超格子、InGaN/GaN多量子井戸光発生領域510、及びp型Mg:GaN層512が配置される。市販のLEDウェハは直径が約2〜3インチであり、そして複数のLEDチップは、ウェハを処理した後にウェハを切断分離することによって個々の素子とすることができる。ウェハをダイシングする前に、ウェハの大きさで行なう多くの処理工程を使用してp型層128を、ミラー層126と同じ側の光発生領域130の上に位置させる。
【0097】
図16を参照すると、非常に薄いニッケル層520をp型層512の上に堆積させて(例えば、電子ビーム蒸着を使用して)、p型層512のp型オーミックコンタクトを形成する。銀層522はニッケル層520の上に堆積させる(例えば、電子ビーム蒸着を使用して)。非常に厚いニッケル層524を銀層522の上に堆積させる(例えば、電子ビーム蒸着を使用して)。層524は、汚染物質の銀層522への拡散を低減する拡散バリアとして機能する。金層526をニッケル層524の上に堆積させる(例えば、抵抗加熱蒸着を使用して)。次に、ウェハ500を、400℃〜600℃の間の温度で、30〜300秒の間、窒素、酸素、大気、またはフォーミングガスの雰囲気中でアニールしてオーミックコンタクトを形成する。
【0098】
図17を参照すると、サブマウントウェハ600を、p型シリコンウェハ602の上に連続して(例えば、電子ビーム蒸着を使用して)アルミニウムコンタクト層604を堆積させることにより設ける。金層608を層604の上に堆積させ(例えば、熱蒸着を使用して)、そしてAuSn接着層610を層608の上に堆積させる(例えば、熱蒸着を使用して)。サブマウントウェハ600を、350℃〜500℃の間の温度で、30〜300秒の間、窒素、酸素、大気、またはフォーミングガスの雰囲気中でアニールしてオーミックコンタクトを形成する。
【0099】
ウェハ500及び600は、0〜0.5MPaの圧力及び200〜400℃の範囲の温度を使用して層526をサブマウントウェハ600の層610と接触させる(例えば、熱的機械的圧力を使用して)ことにより互いに接着させる。層510及び610は共晶結合を形成する。結合ウェハサンドイッチを冷却し、そして接着サンドイッチを圧力から開放する。
【0100】
接着の後、基板502を結合構造から、レーザリフトオフ法によって取り除く。レーザリフトオフ法は、例えば特許文献1(米国特許第6,420,242号)及び特許文献2(米国特許第6,071,795号)に開示されており、これらの文献を本明細書において参照することによりこれらの文献の内容が本発明の開示に含まれる。或る実施形態では、248nmのレーザビームを基板502を通して照射して、n型Si:GaN層506をこの層のサファイア基板502との境界近傍を局部的に加熱してn型層506の一部の層厚に渡って分解させる。次に、ウェハサンドイッチをガリウムの融点を超える温度にまで加熱し、この融点では、サファイア基板502を、この基板に横方向の力を加える(例えば、綿棒を使用して)ことによって取り外すことができる。次に、露出したGaN表面をクリーニングして(例えば、塩酸溶液を使用して)液体ガリウムを表面から除去する。多くの場合、サファイア基板502をGaNエピタキシャル層積層体から取り外すと、積層体に内在していた歪み(基板502と積層体との間の格子不整合による)が積層体から取り除かれる。これによって、積層体は、積層体が基板502に接着したときに有していた、曲がった、またはそった形状から解放され、かつn型層506の露出表面の上で非常に平坦な形状を有することができる。熱膨張係数は、サブマウントを選択するときに考慮
に入れてサブマウントがレーザリフトオフ法においてクラックを生じないようする。更に、レーザリフトオフの間のクラックは、工程及び繰り返しプロセスにおいてほぼ重なった場によって低減することができる。
【0101】
図18を参照すると、n型Si:GaN層506の露出表面をエッチバックして(反応性イオンエッチングプロセスを使用して)最終素子において使用される層の所望の厚さを実現する(図19参照)。エッチングの後、エッチングされたGaN層506の表面はエッチングによって粗い表面構造700となる。粗表面700を平坦化し、そして薄くして(例えば、化学機械プロセスを使用して)、層506の最終厚さ及び二乗平均値(rms)が約5nm未満の表面平滑度を実現することができる。別の構成として、粗表面700をそのままにして、局部的に平坦ではない境界を素子100に設けることにより素子の取り出し効率を上げ易くすることができる。粗表面によって、顕微鏡的なサイズの平滑性を有する表面よりも、表面700に複数回衝突する光線が最終的に表面をスネルの法則で与えられる臨界角度未満の角度で衝突し、そして表面700から取り出される確率が高くなる。
【0102】
エッチングの後、誘電関数パターンをn型層506に設けるために、まず、材料(例えばポリマー)の平坦化層702をn型GaN層506の上に形成し(例えばスピン塗布を使用して)、そしてレジスト層704を平坦化層702の上に形成する(例えばスピンコーティングする)。次に、フォトニック格子をLEDに形成するパターンをn型層506にナノインプリントリソグラフィ及びエッチングプロセスにより形成する。まず、所望パターンの一部を画定するモールドをレジスト層704に圧入し、そしてウェハの全表面を部分毎に段階的に横切って、プロセスフローの後の方で設けられるnコンタクトを堆積させるためのパターン150及び残りの領域の形状を印刷する。好適には、n型層506の表面はプロセスのこの部分の間はほぼ平坦である。例えば、X線リソグラフィまたはディープ紫外線リソグラフィを使用してもパターンをレジスト層704に形成することができる。レジストをウェハ上に堆積させ、そしてパターンをウェハ上のレジストに形成する方法に代わる方法として、予め膜を堆積させてエッチングを施したマスクを層506の表面の上に設けることができる。
【0103】
パターニング済み層704をマスクとして使用してパターンを平坦化層702に転写する(例えば、リアクティブイオンエッチングプロセスを使用して)。続いて、平坦化層をマスクとして使用してパターンをn型層506に転写する。GaN層506をエッチングした後、平坦化層を除去する(例えば、酸素リアクティブイオンエッチングを使用して)。
【0104】
パターンをn型層506に転写した後、リン材料層を任意選択の形でn型層506のパターニング済み表面の上に形成する(例えばスピンコーティングする)ことができる。或る実施形態では、リンはパターニング済み表面にコンフォーマルに形成されるように塗布することができる(パターニング済み表面の開口の底面及び側壁に沿ってボイドがほとんど発生しないように塗布することができる)。別の構成として、封止材料層はパターニング済みn型層506の表面の上に形成することができる(例えば、CVD、スパッタリング、後の工程で蒸発させる液体バインダーへの懸濁を使用して)。或る実施形態では、封止材は一つ以上のリン材料を含むことができる。或る実施形態では、リンを圧縮して、バラツキがリンの平均厚さの20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、または2%未満となる均一な厚さが得られる。或る実施形態では、リン含有封止材はパターニング済み表面にコンフォーマルに形成されるように塗布することができる。
【0105】
誘電関数パターンをn型層506に形成した後、個々のLEDチップはウェハを切断分離することにより得られる。一旦、ウェハ処理及びウェハテストが完了すると、個々のL
EDチップを分離し、そしてパッケージング工程及びテスト工程に搬送する準備が整う。側壁保護膜形成工程及び/又は分離前の深いメサエッチング工程を使用して、ウェハ切断分離の間に生じるパターニング済みLEDの電気特性及び/又は光学特性へのダメージの確率を小さくすることができる。個々のLEDはウェハ自体のサイズを上限としてどのようなサイズとすることもできるが、個々のLEDは通常、辺の長さが約0.5mm〜5mmの正方形または矩形である。チップを形成するために、標準のリソグラフィを使用して、素子を駆動するコンタクトパッドの位置をウェハ上に画定し、そしてオーミックコンタクトを蒸着によって(例えば電子ビーム蒸着を使用して)所望の位置に形成する。
【0106】
LEDチップをパッケージングする場合、パッケージは通常、光収集を容易にすると同時にチップを機械的に、かつ周りの環境から保護する機能を備える必要がある。例えば、封止材を使用しない場合に、透明カバーをLEDチップの上にパッケージングして506のパターニング済み表面を保護する。カバースリップを支持体142に、炉の中で溶融するガラスフリットを使用して取り付ける。支持体の反対側の両端部は、例えばキャップ溶接またはエポキシを使用して接続される。支持体は通常、ニッケルメッキしてパッケージの金メッキ表面への溶接を容易にする。封止層を設けないことによって、LED100のパターニング済み表面の単位面積当たりの許容電力負荷を大きくすることができると考えられる。封止材の劣化は、標準LEDの普通の故障メカニズムであり、封止層を使用しないことによって回避される。
【0107】
複数のLEDは大きな面積を有する平坦なウェハを切断することによって得られるので、これらのLEDの単位面積あたりの光出力は面積と共に小さくなることはない。また、ウェハを切断することによって得られる個々のLEDの断面は、LEDの発光表面の面積よりほんの少しだけ大きいだけであるので、多くの個々の、別々に指定することができるLEDは、アレイ状に近接する形で一緒に敷き詰めることができる。一つのLEDが動作しない(例えば大きな欠陥に起因して)場合、個々の素子が近接して敷き詰められているのでアレイの性能を大きく低下させることはない。
【0108】
或る実施形態について記載してきたが、他の実施形態を用いることができる。
一例として、発光素子及び関連する層の或る厚さは上に議論したものであるが、他の厚さを採用することも可能である。一般的に、発光素子はどのような所望の厚さを有することもでき、そして発光素子内の個々の層はどのような所望の厚さを有することもできる。通常、多層積層体122内部の層の厚さは、光発生領域130との光モードの空間的重なりを大きくして領域130において生成される光の出力が大きくなるように選択される。発光素子の或る層の例示としての厚さは次の如くである。或る実施形態では、層134は少なくとも約100nm(例えば、少なくとも約200nm、少なくとも約300nm、少なくとも約400nm、少なくとも約500nm)及び/又は最大約10ミクロン(例えば、最大約5ミクロン、最大約3ミクロン、最大約1ミクロン)の厚さを有することができる。或る実施形態では、層128は少なくとも約10nm(例えば、少なくとも約25nm、少なくとも約40nm)及び/又は最大約1ミクロン(例えば、最大約500nm、最大約100nm)の厚さを有することができる。或る実施形態では、層126は少なくとも約10nm(例えば、少なくとも約50nm、少なくとも約100nm)及び/又は最大約1ミクロン(例えば、最大約500nm、最大約250nm)の厚さを有することができる。或る実施形態では、光発生領域130は少なくとも約10nm(例えば、少なくとも約25nm、少なくとも約50nm、少なくとも約100nm)及び/又は最大約500nm(例えば、最大約250nm、最大約150nm)の厚さを有することができる。
【0109】
一例として、発光ダイオードについて記載してきたが、上述の特徴(例えば、パターン、プロセス)を有する他の発光素子を使用することができる。このような発光素子はレー
ザ及び光増幅器を含む。
【0110】
別の例として、電流拡散層132をn型層134とは別の層として記載してきたが、或る実施形態では、電流拡散層を層134と一体化して(層134の一部として)形成することができる。このような実施形態では、電流拡散層は層134の非常に高い不純物濃度のn型部分とする、または(例えばAlGaN/GaNの間の)ヘテロ接合として2次元電子ガスを形成することができる。
【0111】
更に別の例として、或る半導体材料について記載してきたが、他の半導体材料を使用することもできる。一般的に、発光素子において使用することができるものであればどのような半導体材料(例えば、III−V族半導体材料、有機半導体材料、シリコン)も使用することができる。他の光発生材料の例としては、InGaAsP,AlInGaN,AlGaAs,InGaAlPが挙げられる。有機発光材料には、アルミニウムトリス−8−ヒドロキシキノリン(Alq3)のような小分子及びポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルへキシルオキシ)−1,4−ビニレンフェニレン]またはMEH−PPVのような共役ポリマーが含まれる。
【0112】
更に別の例として、大面積LEDについて記載してきたが、これらのLEDは小面積LED(例えば、端面が約300ミクロンの標準LEDよりも小さいLED)とすることもできる。
【0113】
別の例として、パターンが穴により形成されるパターンに従って空間的に変化する誘電関数について記載してきたが、パターンは他の方法によって形成することもできる。例えば、パターンは、適切な層における連続する筋(vein)及び/又は不連続な筋の形状に形成することができる。更に、誘電関数を変化させるパターンは、穴または筋を使用せずに形成することができる。例えば、異なる誘電関数を有する複数の材料を適切な層においてパターニングすることができる。このようなパターンの組合せも使用することができる。
【0114】
更に別の例として、層126が銀により形成されるものとして記載してきたが、他の材料を使用することもできる。或る実施形態では、層126は、光発生領域によって生成される光の少なくとも50%の光であって、反射材料層に衝突する光を反射することができる材料により形成され、反射材料層は支持体と複数の材料から成る多層積層体との間に位置する。このような材料の例として、分布ブラッグ反射器から成る積層構造及びアルミニウム及びアルミニウム含有合金のような種々の金属及び合金が挙げられる。
【0115】
別の例として、支持体120が種々の材料により形成されるものとして記載してきた。支持体120を形成することができる材料の例として、銅、銅−タングステン、窒化アルミニウム、シリコンカーバイド、酸化ベリリウム、ダイアモンド、TEC及びアルミニウムが挙げられる。
【0116】
更に別の例として、層126がヒートシンク材料により形成されるものとして記載してきたが、或る実施形態では、発光素子は、ヒートシンクとして機能する別の層(例えば、層126とサブマウント120との間に配置される)を含むことができる。このような実施形態では、層126は、ヒートシンクとして機能する材料により形成することができる、または形成しなくてもよい。
【0117】
更に別の例として、誘電関数を変化させるパターンが、光発生領域の全体を利用することに加えて、n型層134だけに食い込んで延在する(これによって表面再結合キャリア損失が生じる確率を非常に低くすることができる)ものとして記載してきたが、或る実施
形態では、誘電関数を変化させるパターンはn型層134を超えて延在することができる(例えば、電流拡散層132、光発生領域130、及び/又はp型層128に食い込むように)。
【0118】
別の例として、空気を表面110とカバースリップ140との間に設けることができる実施形態について記載してきたが、或る実施形態では、空気以外の、または空気に加えて複数の材料を表面110とカバースリップ140との間に設けることができる。一般的に、このような材料は、少なくとも約1かつ約1.5未満(例えば、約1.4未満、約1.3未満、約1.2未満、約1.1未満)の屈折率を有する。このような材料の例として、窒素、空気、または或る高熱伝導ガスが挙げられる。このような実施形態では、表面110はパターニングすることができる、またはパターニングしなくてもよい。例えば、表面110はパターニングしないが、粗面化することができる(すなわち、λ/5未満の種々のサイズ及び形のランダムに分布させた形状を有する)。
【0119】
或る実施形態では、発光素子は表面110、カバー層140及び支持体142を被覆するリン材料層を含むことができる。
或る実施形態では、リン材料を含有するカバー層140を含むことができる。このような実施形態では、表面110はパターニングすることができる、またはパターニングしなくてもよい。
【0120】
別の実施形態では、光発生領域130によって放出される光はUV(またはバイオレットUV、または青色UV)であり、そしてリン層180は赤色リン材料(例えばL2O2S:Eu3+)、緑色リン材料(例えばZnS:Cu,Al,Mn)、及び青色リン材料(例えば、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO4)6Cl:Eu2+)を含む。
【0121】
他の実施形態は請求項に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】パターニング済み表面を有するLEDの側面図。
【図2】図1のLEDのパターニング済み表面の上面図。
【図3】パターニング済み表面を有するLEDの取り出し効率を微調整パラメータの関数として表わすグラフ。
【図4】LEDのパターニング済み表面に対するフーリエ変換を模式的に表わしている模式図。
【図5】パターニング済み表面を有するLEDの取り出し効率を最近接個体間距離の関数として表わすグラフ。
【図6】パターニング済み表面を有するLEDの取り出し効率を準位占有率(filling factor)の関数として表わすグラフ。
【図7】LEDのパターニング済み表面の上面図。
【図8】異なる表面パターンを有するLEDの取り出し効率を表わすグラフ。
【図9】異なる表面パターンを有するLEDの取り出し効率を表わすグラフ。
【図10】異なる表面パターンを有するLEDの取り出し効率を表わすグラフ。
【図11】異なる表面パターンを有するLEDの取り出し効率を表わすグラフ。
【図12】異なるパターン表面を有する2つのLEDに対するフーリェ変換をLEDからの放射線のスペクトルと比較する形で模式的に表わしている模式図。
【図13】異なる表面パターンを有するLEDの取り出し効率を角度の関数として表わすグラフ。
【図14】パターニング済み表面及びパターニング済み表面上のリン層を有するLEDの側面図。
【図15】パターニング済み表面を有するLEDに関するエピタキシャル層の前駆体の側面図。
【図16】パターニング済み表面を有するLEDに関するエピタキシャル層の前駆体の側面図。
【図17】パターニング済み表面を有するLEDに関するエピタキシャル層の前駆体の側面図 。
【図18】パターニング済み表面を有するLEDに関するエピタキシャル層の前駆体の側面図。
【図19】パターニング済み表面を有するLEDに関するエピタキシャル層の前駆体の側面図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子を形成する方法であって、
反射材料層をp型材料層に接着させる工程を備え、
前記発光素子は複数の材料から成り、かつp型材料層、光発生領域、及び第1層を含む多層積層体を備え、
前記第1層はパターンに従って空間的に変化する誘電関数を有する表面を有し、及び
前記反射材料は、前記光発生領域によって生成される光の少なくとも50%の光であって、反射材料層に衝突する光を反射する機能を備える、方法。
【請求項2】
前記反射材料層をp型材料層に接着させる前に、前記第1層を基板に接着させ、複数の材料から成る多層積層体は前記基板と前記反射材料層との間に位置する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第1層と前記基板との間に接着層を形成する工程をさらに備える、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記基板を取り外す工程をさらに備える、請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記基板を取り外した後に、ラッピング工程及び研磨工程をさらに備える、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記基板は前記反射材料層を前記第1層に接着させた後に取り外す、請求項4記載の方法。
【請求項7】
基板を取り外す工程は、前記第1層と前記基板との間に配置される接着層を加熱する工程を含む、請求項4記載の方法。
【請求項8】
前記接着層を加熱する工程は前記接着層の少なくとも一部を分解する、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記接着層を加熱する工程は、接着層をレーザが放出する光に曝露する工程を含む、請求項7記載の方法。
【請求項10】
前記基板を取り外す工程は、基板をレーザリフトオフ法を使用してレーザ光に曝露する工程を含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記基板を取り外すことによって、前記第1層の表面がほぼ平坦になる、請求項4記載の方法。
【請求項12】
前記パターンを前記第1層の表面に形成する前に、前記基板を取り外した後の前記第1層の表面を平坦化する、請求項4記載の方法。
【請求項13】
前記第1層の表面を平坦化する工程は、前記第1層の表面を化学機械研磨する、請求項12記載の方法。
【請求項14】
λが前記第1層が放出することができる光の波長である場合、第1層の表面を平坦化することによって、前記第1層の表面の粗さを約λ/5を超える粗さにまで低減する、請求項12記載の方法。
【請求項15】
前記パターンを前記第1層の表面に形成する工程をさらに備える、請求項4記載の方法。
【請求項16】
前記パターンを形成する工程においてナノリソグラフィを用いる、請求項15記載の方法。
【請求項17】
λは第1層が放出することができる光の波長である場合、前記パターンは約λ/5よりも大きい形状を有する、請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記反射材料層の上に基板を設ける工程をさらに備える、請求項1記載の方法。
【請求項19】
前記第1層と前記光発生領域との間に電流拡散層を配置する工程をさらに備える、請求項1記載の方法。
【請求項20】
前記発光素子は、発光ダイオード、レーザ、光増幅器、及びこれらの組合せから成るグループから選択される、請求項1記載の方法。
【請求項21】
前記発光素子は発光ダイオードからなる、請求項1記載の方法。
【請求項22】
前記発光素子は、OLED,面発光LED,HBLED、及びこれらの組合せから成るグループから選択される、請求項1記載の方法。
【請求項23】
発光素子を形成する方法であって、
第1層に接着している基板を取り外す工程を備え、
前記第1層は、複数の材料から成り、かつ光発生領域を含む多層積層体の一部を形成し、及びこの方法によって第1層の表面がパターンに従って空間的に変化する誘電関数を有する表面を有する構成の発光素子が形成される、方法。
【請求項24】
基板を取り外した後に、ラッピング工程及び研磨工程を備える、請求項23記載の方法。
【請求項25】
基板を取り外す工程は、前記第1層と前記基板との間に配置される接着層を加熱する工程を含む、請求項23記載の方法。
【請求項26】
前記接着層を加熱する工程は、前記接着層の少なくとも一部を分解する、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記接着層を加熱する工程は、前記接着層をレーザが放出する光に曝露する工程を含む、請求項25記載の方法。
【請求項28】
前記基板を取り外す工程は、前記基板をレーザリフトオフ法を使用してレーザ光に曝露する、請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記基板を取り外すことによって、前記第1層の表面がほぼ平坦になる、請求項23記載の方法。
【請求項30】
前記基板を取り外した後に、前記第1層の表面を平坦化する、請求項23記載の方法。
【請求項31】
前記第1層の表面を平坦化する工程は、前記第1層の表面を化学機械研磨する工程を含む、請求項30記載の方法。
【請求項32】
λが前記第1層が放出することができる光の波長である場合、前記第1層の表面を平坦化することによって、前記第1層の表面の粗さを約λ/5を超える粗さにまで低減する、請求項30記載の方法。
【請求項33】
前記基板を取り外した後に、前記パターンを前記第1層の表面に形成する、請求項23記載の方法。
【請求項34】
前記パターンを形成する工程においてナノリソグラフィを用いる、請求項33記載の方法。
【請求項35】
λが前記第1層が放出することができる光の波長である場合、前記パターンは約λ/5よりも大きい形状を有する、請求項33記載の方法。
【請求項36】
前記第1層はn型材料層からなり、多層積層体は更に、p型材料層からなり、及び光発生領域はp型材料層とn型材料層との間に位置する、請求項23記載の方法。
【請求項37】
λが前記光発生領域が生成することができ、かつ発光素子から第1層の表面を通して放出することができる光の波長である場合、前記第1層の表面は約λ/5未満のサイズの形状を有する、請求項1記載の方法。
【請求項38】
λが光発生領域が生成することができ、かつ発光素子から第1層の表面を通して放出することができる光の波長である場合、第1層の表面は約λ/5未満のサイズの形状を有する、請求項23記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子を形成する方法であって、
反射材料層をp型材料層に接着させる工程を備え、
前記発光素子は複数の材料から成り、かつp型材料層、光発生領域、及び第1層を含む多層積層体を備え、
前記第1層はパターンに従って空間的に変化する誘電関数を有する表面を有し、及び
前記反射材料は、前記光発生領域によって生成される光の少なくとも50%の光であって、反射材料層に衝突する光を反射する機能を備える、方法。
【請求項2】
前記反射材料層をp型材料層に接着させる前に、前記第1層を基板に接着させ、複数の材料から成る多層積層体は前記基板と前記反射材料層との間に位置する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第1層と前記基板との間に接着層を形成する工程をさらに備える、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記基板を取り外す工程をさらに備える、請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記基板を取り外した後に、ラッピング工程及び研磨工程をさらに備える、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記基板は前記反射材料層を前記第1層に接着させた後に取り外す、請求項4記載の方法。
【請求項7】
基板を取り外す工程は、前記第1層と前記基板との間に配置される接着層を加熱する工程を含む、請求項4記載の方法。
【請求項8】
前記接着層を加熱する工程は前記接着層の少なくとも一部を分解する、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記接着層を加熱する工程は、接着層をレーザが放出する光に曝露する工程を含む、請求項7記載の方法。
【請求項10】
前記基板を取り外す工程は、基板をレーザリフトオフ法を使用してレーザ光に曝露する工程を含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記基板を取り外すことによって、前記第1層の表面がほぼ平坦になる、請求項4記載の方法。
【請求項12】
前記パターンを前記第1層の表面に形成する前に、前記基板を取り外した後の前記第1層の表面を平坦化する、請求項4記載の方法。
【請求項13】
前記第1層の表面を平坦化する工程は、前記第1層の表面を化学機械研磨する、請求項12記載の方法。
【請求項14】
λが前記第1層が放出することができる光の波長である場合、第1層の表面を平坦化することによって、前記第1層の表面の粗さを約λ/5を超える粗さにまで低減する、請求項12記載の方法。
【請求項15】
前記パターンを前記第1層の表面に形成する工程をさらに備える、請求項4記載の方法。
【請求項16】
前記パターンを形成する工程においてナノリソグラフィを用いる、請求項15記載の方法。
【請求項17】
λは第1層が放出することができる光の波長である場合、前記パターンは約λ/5よりも大きい形状を有する、請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記反射材料層の上に基板を設ける工程をさらに備える、請求項1記載の方法。
【請求項19】
前記第1層と前記光発生領域との間に電流拡散層を配置する工程をさらに備える、請求項1記載の方法。
【請求項20】
前記発光素子は、発光ダイオード、レーザ、光増幅器、及びこれらの組合せから成るグループから選択される、請求項1記載の方法。
【請求項21】
前記発光素子は発光ダイオードからなる、請求項1記載の方法。
【請求項22】
前記発光素子は、OLED,面発光LED,HBLED、及びこれらの組合せから成るグループから選択される、請求項1記載の方法。
【請求項23】
発光素子を形成する方法であって、
第1層に接着している基板を取り外す工程を備え、
前記第1層は、複数の材料から成り、かつ光発生領域を含む多層積層体の一部を形成し、及びこの方法によって第1層の表面がパターンに従って空間的に変化する誘電関数を有する表面を有する構成の発光素子が形成される、方法。
【請求項24】
基板を取り外した後に、ラッピング工程及び研磨工程を備える、請求項23記載の方法。
【請求項25】
基板を取り外す工程は、前記第1層と前記基板との間に配置される接着層を加熱する工程を含む、請求項23記載の方法。
【請求項26】
前記接着層を加熱する工程は、前記接着層の少なくとも一部を分解する、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記接着層を加熱する工程は、前記接着層をレーザが放出する光に曝露する工程を含む、請求項25記載の方法。
【請求項28】
前記基板を取り外す工程は、前記基板をレーザリフトオフ法を使用してレーザ光に曝露する、請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記基板を取り外すことによって、前記第1層の表面がほぼ平坦になる、請求項23記載の方法。
【請求項30】
前記基板を取り外した後に、前記第1層の表面を平坦化する、請求項23記載の方法。
【請求項31】
前記第1層の表面を平坦化する工程は、前記第1層の表面を化学機械研磨する工程を含む、請求項30記載の方法。
【請求項32】
λが前記第1層が放出することができる光の波長である場合、前記第1層の表面を平坦化することによって、前記第1層の表面の粗さを約λ/5を超える粗さにまで低減する、請求項30記載の方法。
【請求項33】
前記基板を取り外した後に、前記パターンを前記第1層の表面に形成する、請求項23記載の方法。
【請求項34】
前記パターンを形成する工程においてナノリソグラフィを用いる、請求項33記載の方法。
【請求項35】
λが前記第1層が放出することができる光の波長である場合、前記パターンは約λ/5よりも大きい形状を有する、請求項33記載の方法。
【請求項36】
前記第1層はn型材料層からなり、多層積層体は更に、p型材料層からなり、及び光発生領域はp型材料層とn型材料層との間に位置する、請求項23記載の方法。
【請求項37】
λが前記光発生領域が生成することができ、かつ発光素子から第1層の表面を通して放出することができる光の波長である場合、前記第1層の表面は約λ/5未満のサイズの形状を有する、請求項1記載の方法。
【請求項38】
λが光発生領域が生成することができ、かつ発光素子から第1層の表面を通して放出することができる光の波長である場合、第1層の表面は約λ/5未満のサイズの形状を有する、請求項23記載の方法。
【請求項39】
前記変化のパターンは、非周期パターン、複素周期パターン、及び理想的な格子定数及びゼロよりも大きい値の微調整パラメータを有するパターンからなるグループから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項40】
前記非周期パターンは、非周期パターン、準結晶パターン、ロビンソンパターン、及び
アムマンパターンからなる群から選択される非周期パターンである、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記複素周期パターンは、蜂の巣状パターン及びアルキミディアンパターンからなる群から選択される複素周期パターンからなる請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記変化のパターンは、非周期パターン、複素周期パターン、及び理想的な格子定数及びゼロよりも大きい値の微調整パラメータを有するパターンからなるグループから選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項43】
前記非周期パターンは、非周期パターン、準結晶パターン、ロビンソンパターン、及びアムマンパターンからなる群から選択される非周期パターンである、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記複素周期パターンは、蜂の巣状パターン及びアルキミディアンパターンからなる群から選択される複素周期パターンからなる請求項42に記載の方法。
【請求項45】
第1層の表面に電気コンタクトを堆積する工程をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項46】
前記発光デバイスに電流を注入すべく形成された電気コンタクトを形成する工程をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項47】
第1層の表面に電気コンタクトを堆積する工程をさらに備える請求項23に記載の方法。
【請求項48】
前記発光デバイスに電流を注入すべく形成された電気コンタクトを形成する工程をさらに備える請求項23に記載の方法。
【請求項1】
発光素子を形成する方法であって、
反射材料層をp型材料層に接着させる工程を備え、
前記発光素子は複数の材料から成り、かつp型材料層、光発生領域、及び第1層を含む多層積層体を備え、
前記第1層はパターンに従って空間的に変化する誘電関数を有する表面を有し、及び
前記反射材料は、前記光発生領域によって生成される光の少なくとも50%の光であって、反射材料層に衝突する光を反射する機能を備える、方法。
【請求項2】
前記反射材料層をp型材料層に接着させる前に、前記第1層を基板に接着させ、複数の材料から成る多層積層体は前記基板と前記反射材料層との間に位置する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第1層と前記基板との間に接着層を形成する工程をさらに備える、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記基板を取り外す工程をさらに備える、請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記基板を取り外した後に、ラッピング工程及び研磨工程をさらに備える、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記基板は前記反射材料層を前記第1層に接着させた後に取り外す、請求項4記載の方法。
【請求項7】
基板を取り外す工程は、前記第1層と前記基板との間に配置される接着層を加熱する工程を含む、請求項4記載の方法。
【請求項8】
前記接着層を加熱する工程は前記接着層の少なくとも一部を分解する、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記接着層を加熱する工程は、接着層をレーザが放出する光に曝露する工程を含む、請求項7記載の方法。
【請求項10】
前記基板を取り外す工程は、基板をレーザリフトオフ法を使用してレーザ光に曝露する工程を含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記基板を取り外すことによって、前記第1層の表面がほぼ平坦になる、請求項4記載の方法。
【請求項12】
前記パターンを前記第1層の表面に形成する前に、前記基板を取り外した後の前記第1層の表面を平坦化する、請求項4記載の方法。
【請求項13】
前記第1層の表面を平坦化する工程は、前記第1層の表面を化学機械研磨する、請求項12記載の方法。
【請求項14】
λが前記第1層が放出することができる光の波長である場合、第1層の表面を平坦化することによって、前記第1層の表面の粗さを約λ/5を超える粗さにまで低減する、請求項12記載の方法。
【請求項15】
前記パターンを前記第1層の表面に形成する工程をさらに備える、請求項4記載の方法。
【請求項16】
前記パターンを形成する工程においてナノリソグラフィを用いる、請求項15記載の方法。
【請求項17】
λは第1層が放出することができる光の波長である場合、前記パターンは約λ/5よりも大きい形状を有する、請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記反射材料層の上に基板を設ける工程をさらに備える、請求項1記載の方法。
【請求項19】
前記第1層と前記光発生領域との間に電流拡散層を配置する工程をさらに備える、請求項1記載の方法。
【請求項20】
前記発光素子は、発光ダイオード、レーザ、光増幅器、及びこれらの組合せから成るグループから選択される、請求項1記載の方法。
【請求項21】
前記発光素子は発光ダイオードからなる、請求項1記載の方法。
【請求項22】
前記発光素子は、OLED,面発光LED,HBLED、及びこれらの組合せから成るグループから選択される、請求項1記載の方法。
【請求項23】
発光素子を形成する方法であって、
第1層に接着している基板を取り外す工程を備え、
前記第1層は、複数の材料から成り、かつ光発生領域を含む多層積層体の一部を形成し、及びこの方法によって第1層の表面がパターンに従って空間的に変化する誘電関数を有する表面を有する構成の発光素子が形成される、方法。
【請求項24】
基板を取り外した後に、ラッピング工程及び研磨工程を備える、請求項23記載の方法。
【請求項25】
基板を取り外す工程は、前記第1層と前記基板との間に配置される接着層を加熱する工程を含む、請求項23記載の方法。
【請求項26】
前記接着層を加熱する工程は、前記接着層の少なくとも一部を分解する、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記接着層を加熱する工程は、前記接着層をレーザが放出する光に曝露する工程を含む、請求項25記載の方法。
【請求項28】
前記基板を取り外す工程は、前記基板をレーザリフトオフ法を使用してレーザ光に曝露する、請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記基板を取り外すことによって、前記第1層の表面がほぼ平坦になる、請求項23記載の方法。
【請求項30】
前記基板を取り外した後に、前記第1層の表面を平坦化する、請求項23記載の方法。
【請求項31】
前記第1層の表面を平坦化する工程は、前記第1層の表面を化学機械研磨する工程を含む、請求項30記載の方法。
【請求項32】
λが前記第1層が放出することができる光の波長である場合、前記第1層の表面を平坦化することによって、前記第1層の表面の粗さを約λ/5を超える粗さにまで低減する、請求項30記載の方法。
【請求項33】
前記基板を取り外した後に、前記パターンを前記第1層の表面に形成する、請求項23記載の方法。
【請求項34】
前記パターンを形成する工程においてナノリソグラフィを用いる、請求項33記載の方法。
【請求項35】
λが前記第1層が放出することができる光の波長である場合、前記パターンは約λ/5よりも大きい形状を有する、請求項33記載の方法。
【請求項36】
前記第1層はn型材料層からなり、多層積層体は更に、p型材料層からなり、及び光発生領域はp型材料層とn型材料層との間に位置する、請求項23記載の方法。
【請求項37】
λが前記光発生領域が生成することができ、かつ発光素子から第1層の表面を通して放出することができる光の波長である場合、前記第1層の表面は約λ/5未満のサイズの形状を有する、請求項1記載の方法。
【請求項38】
λが光発生領域が生成することができ、かつ発光素子から第1層の表面を通して放出することができる光の波長である場合、第1層の表面は約λ/5未満のサイズの形状を有する、請求項23記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子を形成する方法であって、
反射材料層をp型材料層に接着させる工程を備え、
前記発光素子は複数の材料から成り、かつp型材料層、光発生領域、及び第1層を含む多層積層体を備え、
前記第1層はパターンに従って空間的に変化する誘電関数を有する表面を有し、及び
前記反射材料は、前記光発生領域によって生成される光の少なくとも50%の光であって、反射材料層に衝突する光を反射する機能を備える、方法。
【請求項2】
前記反射材料層をp型材料層に接着させる前に、前記第1層を基板に接着させ、複数の材料から成る多層積層体は前記基板と前記反射材料層との間に位置する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第1層と前記基板との間に接着層を形成する工程をさらに備える、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記基板を取り外す工程をさらに備える、請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記基板を取り外した後に、ラッピング工程及び研磨工程をさらに備える、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記基板は前記反射材料層を前記第1層に接着させた後に取り外す、請求項4記載の方法。
【請求項7】
基板を取り外す工程は、前記第1層と前記基板との間に配置される接着層を加熱する工程を含む、請求項4記載の方法。
【請求項8】
前記接着層を加熱する工程は前記接着層の少なくとも一部を分解する、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記接着層を加熱する工程は、接着層をレーザが放出する光に曝露する工程を含む、請求項7記載の方法。
【請求項10】
前記基板を取り外す工程は、基板をレーザリフトオフ法を使用してレーザ光に曝露する工程を含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記基板を取り外すことによって、前記第1層の表面がほぼ平坦になる、請求項4記載の方法。
【請求項12】
前記パターンを前記第1層の表面に形成する前に、前記基板を取り外した後の前記第1層の表面を平坦化する、請求項4記載の方法。
【請求項13】
前記第1層の表面を平坦化する工程は、前記第1層の表面を化学機械研磨する、請求項12記載の方法。
【請求項14】
λが前記第1層が放出することができる光の波長である場合、第1層の表面を平坦化することによって、前記第1層の表面の粗さを約λ/5を超える粗さにまで低減する、請求項12記載の方法。
【請求項15】
前記パターンを前記第1層の表面に形成する工程をさらに備える、請求項4記載の方法。
【請求項16】
前記パターンを形成する工程においてナノリソグラフィを用いる、請求項15記載の方法。
【請求項17】
λは第1層が放出することができる光の波長である場合、前記パターンは約λ/5よりも大きい形状を有する、請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記反射材料層の上に基板を設ける工程をさらに備える、請求項1記載の方法。
【請求項19】
前記第1層と前記光発生領域との間に電流拡散層を配置する工程をさらに備える、請求項1記載の方法。
【請求項20】
前記発光素子は、発光ダイオード、レーザ、光増幅器、及びこれらの組合せから成るグループから選択される、請求項1記載の方法。
【請求項21】
前記発光素子は発光ダイオードからなる、請求項1記載の方法。
【請求項22】
前記発光素子は、OLED,面発光LED,HBLED、及びこれらの組合せから成るグループから選択される、請求項1記載の方法。
【請求項23】
発光素子を形成する方法であって、
第1層に接着している基板を取り外す工程を備え、
前記第1層は、複数の材料から成り、かつ光発生領域を含む多層積層体の一部を形成し、及びこの方法によって第1層の表面がパターンに従って空間的に変化する誘電関数を有する表面を有する構成の発光素子が形成される、方法。
【請求項24】
基板を取り外した後に、ラッピング工程及び研磨工程を備える、請求項23記載の方法。
【請求項25】
基板を取り外す工程は、前記第1層と前記基板との間に配置される接着層を加熱する工程を含む、請求項23記載の方法。
【請求項26】
前記接着層を加熱する工程は、前記接着層の少なくとも一部を分解する、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記接着層を加熱する工程は、前記接着層をレーザが放出する光に曝露する工程を含む、請求項25記載の方法。
【請求項28】
前記基板を取り外す工程は、前記基板をレーザリフトオフ法を使用してレーザ光に曝露する、請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記基板を取り外すことによって、前記第1層の表面がほぼ平坦になる、請求項23記載の方法。
【請求項30】
前記基板を取り外した後に、前記第1層の表面を平坦化する、請求項23記載の方法。
【請求項31】
前記第1層の表面を平坦化する工程は、前記第1層の表面を化学機械研磨する工程を含む、請求項30記載の方法。
【請求項32】
λが前記第1層が放出することができる光の波長である場合、前記第1層の表面を平坦化することによって、前記第1層の表面の粗さを約λ/5を超える粗さにまで低減する、請求項30記載の方法。
【請求項33】
前記基板を取り外した後に、前記パターンを前記第1層の表面に形成する、請求項23記載の方法。
【請求項34】
前記パターンを形成する工程においてナノリソグラフィを用いる、請求項33記載の方法。
【請求項35】
λが前記第1層が放出することができる光の波長である場合、前記パターンは約λ/5よりも大きい形状を有する、請求項33記載の方法。
【請求項36】
前記第1層はn型材料層からなり、多層積層体は更に、p型材料層からなり、及び光発生領域はp型材料層とn型材料層との間に位置する、請求項23記載の方法。
【請求項37】
λが前記光発生領域が生成することができ、かつ発光素子から第1層の表面を通して放出することができる光の波長である場合、前記第1層の表面は約λ/5未満のサイズの形状を有する、請求項1記載の方法。
【請求項38】
λが光発生領域が生成することができ、かつ発光素子から第1層の表面を通して放出することができる光の波長である場合、第1層の表面は約λ/5未満のサイズの形状を有する、請求項23記載の方法。
【請求項39】
前記変化のパターンは、非周期パターン、複素周期パターン、及び理想的な格子定数及びゼロよりも大きい値の微調整パラメータを有するパターンからなるグループから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項40】
前記非周期パターンは、非周期パターン、準結晶パターン、ロビンソンパターン、及び
アムマンパターンからなる群から選択される非周期パターンである、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記複素周期パターンは、蜂の巣状パターン及びアルキミディアンパターンからなる群から選択される複素周期パターンからなる請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記変化のパターンは、非周期パターン、複素周期パターン、及び理想的な格子定数及びゼロよりも大きい値の微調整パラメータを有するパターンからなるグループから選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項43】
前記非周期パターンは、非周期パターン、準結晶パターン、ロビンソンパターン、及びアムマンパターンからなる群から選択される非周期パターンである、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記複素周期パターンは、蜂の巣状パターン及びアルキミディアンパターンからなる群から選択される複素周期パターンからなる請求項42に記載の方法。
【請求項45】
第1層の表面に電気コンタクトを堆積する工程をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項46】
前記発光デバイスに電流を注入すべく形成された電気コンタクトを形成する工程をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項47】
第1層の表面に電気コンタクトを堆積する工程をさらに備える請求項23に記載の方法。
【請求項48】
前記発光デバイスに電流を注入すべく形成された電気コンタクトを形成する工程をさらに備える請求項23に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2006−523953(P2006−523953A)
【公表日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509688(P2006−509688)
【出願日】平成16年4月6日(2004.4.6)
【国際出願番号】PCT/US2004/010385
【国際公開番号】WO2004/093267
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(505385295)ルミナス ディバイシズ インコーポレイテッド (10)
【氏名又は名称原語表記】LUMINUS DEVICES,INC.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年4月6日(2004.4.6)
【国際出願番号】PCT/US2004/010385
【国際公開番号】WO2004/093267
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(505385295)ルミナス ディバイシズ インコーポレイテッド (10)
【氏名又は名称原語表記】LUMINUS DEVICES,INC.
【Fターム(参考)】
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