説明

発振周波数制御回路

【課題】 自己の周波数を補正し、自走した時にも発振周波数を安定に保ち、更に外部からの固定電圧を可変にした制御電圧で発振できる発振周波数制御回路を提供する。
【解決手段】 電圧制御発振器15と、分周器16と、位相比較器12と、ループフィルタ14と、検波回路17と、PWM回路22と、メモリ21と、制御電圧可変回路26と、位相比較器12とループフィルタ14との接続をオン/オフすると共に制御電圧可変回路26からの制御電圧を選択出力する選択スイッチ13と、当該制御電圧選択の指示で当該制御電圧を優先的に選択出力し、当該指示がない場合に検波回路17で検出された外部基準信号のレベルが適正範囲内であれば選択スイッチ13をオンとし、レベルが適正範囲外であれば選択スイッチ13をオフとしてメモリ21に記憶されたパルス生成の情報をPWM回路22に出力するCPU20とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発振器の発振周波数制御回路に係り、特に、出力信号に同期させ、自己の周波数を補正し、高安定な基準信号がないときでも一定期間安定に保つことができ、更に、外部からの固定電圧を可変にした制御電圧で発振できる発振周波数制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代移動体通信及び地上デジタル放送などの基地局では、周波数基準信号に対する要求精度は益々高まっている。
周波数基準信号として、セシウム周波数基準発振器、ルビシウム周波数基準発振器、GPS信号による周波数同期型の基準発振器などが、放送、通信分野のシステムで利用されている。
【0003】
しかしながら、これらの発振器は、一般的に高価であるため、それら発振器からの基準信号は分配して装置の基準信号源として使用される。
【0004】
分配された基準信号は、通信システムの基準クロックに使用される。
具体的には、PLL(Phase Locked Loop)回路の位相比較のリファレンス信号、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの基準クロック信号、DA(Digital/Analog)コンバータ、AD(Analog/Digital)コンバータのサンプリングクロックとして使用される。
【0005】
[従来のPLL回路:図6]
次に、従来のPLL回路について図6を参照しながら説明する。図6は、一般的PLL回路の構成ブロック図である。
PLL回路は、図6に示すように、外部基準信号(Fref )と1/N分周された信号を比較し、位相差信号を出力する位相比較器(Phase Comparator)32と、位相差をパルス幅の電圧で出力するチャージポンプ(Charge Pump)33と、チャージポンプ33からの出力電圧を平滑化するループフィルタ(Loop Filter)34と、ループフィルタ34からの制御電圧によって周波数を変更して希望する周波数(内部基準信号:Output Frequency)を発振出力する電圧制御機能付き水晶発振器(VCXO:Voltage Controlled Crystal Oscillator)35と、VCXO35の出力(内部基準信号)を1/Nに分周する分周器(Divider)36とを備えている。
尚、内部基準信号は、N×Fref の信号である。
【0006】
PLL回路は、外部より入力された基準信号と内部のVCXO35の位相差が一定になるよう、内部のVCXO35に対してフィードバック制御をかけることで、基準信号に同期し、基準信号の周波数安定度と同一の発振器出力を得るものである。
【0007】
具体的には、位相比較器32は、高安定な外部基準信号と、入力電圧により周波数制御するVCXO35からの出力信号との位相を比較し、位相比較結果を平滑化した直流電圧がVCXO35にフィードバックされるPLL制御を行うことで、高精度の信号生成を行うものである。
PLL回路は、通信、放送装置などにおいて広く使用されている。
【0008】
尚、従来の発振器における発振周波数制御回路に関する先行技術として、特開2000−083003号公報(特許文献1)、特開2003−179489号公報(特許文献2)がある。
【0009】
特許文献1には、周波数カウンタがパルス幅に対応する時間内に入力されるVCO(Voltage Controlled Oscillator)の出力信号に同期した計数動作を行っており、VCOの発振周波数に対応した計数値がラッチ回路に保持され、CPUは係数値が所定範囲内から外れている場合には、VCOの印加電圧を変化させてフリーラン周波数が所定範囲になるよう調整するフレーラン周波数調整方式が記載されている。
【0010】
また、特許文献2には、マイクロコンピュータが、位相比較器の出力が所定レベルにある期間中にVCOの出力パルス信号のパルスをカウントし、そのカウント値に応じて制御用のデータを更新し、そのデータをDAC(Digital Analog Converter)でアナログ信号としてLPF(Low Pass Filter)からの信号と結合させてVCOの周波数制御信号とする電圧制御発振器の自走周波数の自動調整機能を有する位相ロックループ回路が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2000−083003号公報
【特許文献2】特開2003−179489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記従来のPLL回路では、基準信号の入力がなくなったときは、位相比較ができなくなるため、他の外部基準信号への切り替えを行うか、または電圧制御発振器のフリーラン(自走)で動作することになるが、予備系の他の外部基準信号への切り替え時は、再びPLL制御が行われるので、基準信号の偏差が外部基準信号に依存するので問題とならないが、自走したときには切り替え時の位相比較結果により周波数が過剰に制御され、上限又は下限の周波数に張り付いて周波数ズレが大きくなるという問題点があった。
【0013】
自走した時でも、短期的な問題解決として、電圧制御発振器として温度補償型の高安定な水晶発振器(VC−TCXO)が使われることがある。
しかしながら、この場合、例えば、±0.5ppmの周波数安定度で動作するが、経年変化があるため、長期間性能を満足させることはできないものである。
【0014】
例えば、エージング特性として年±1ppm程度の変動があると仮定すると、10年経過すると最大で10.5ppmの周波数偏差が発生する。これは、通信している搬送波出力周波数が800MHzとすると、基準周波数の周波数偏差と同様に、8.4kHzの周波数ズレが発生する。このような周波数偏差はシステムとして許容できない。
【0015】
また、電圧制御機能付き恒温槽水晶発振器(VC−OCXO)が使用される高安定なシステムの場合でも、エージング特性として長期間では周波数偏差が発生するため、一定期間毎に校正作業が発生し、校正作業が面倒であるとの問題点があった。
【0016】
また、特許文献1,2では、VCOの出力をカウントして、若しくは位相比較器の出力をカウントして自走周波数の調整を行うものであるが、外部基準信号の異常を直接検出して周波数調整を行うものではなく、更に経年変化に十分対応できるものとはなっていなかった。
【0017】
[VCXOの制御電圧特性:図7]
尚、VCXOの制御電圧特性を図7に示す。図7は、電圧制御機能付き水晶発振器の制御電圧特性例を示す図である。図7において、横軸は制御電圧であり、縦軸は周波数偏差である。
図7の例のVCXOでは、制御電圧が0〜4Vであれば、動作可能であるが、4V以上では動作不能となる。
【0018】
[フリーラン特性:図8]
また、VCXOのフリーラン(自走)の場合の特性を図8に示す。図8は、VCXOのフリーラン特性を示す図である。
VCXOの場合でも、時間の経過に伴って、周波数偏差が上昇するため、適正な制御電圧が変化する。温度補償型の水晶発振器でも同様である。
【0019】
[周波数特性:図9]
次に、外部基準信号がルビシウムなどの高安定信号時の周波数特性を図9に示す。図9は、外部基準信号が高安定信号の場合の周波数特性を示す図である。
図9に示すように、外部基準信号がルビシウムなどの高安定信号の時は、時間が経過しても、システムで許容される周波数偏差の範囲内に収まるものである。
【0020】
[外部基準信号が切れたときの周波数特性:図10]
そして、外部基準信号が切れたときの周波数特性を図10に示す。図10は、外部基準信号が切れたときの周波数特性を示す図である。
外部基準信号が切れたときの周波数特性は、図10に示すように、接続断の時点で周波数偏差が大幅に上昇し、その後、時間経過に伴い周波数偏差が徐々に上昇し、定期校正が行われなければ、システムが許容できる周波数範囲を超えてしまうものである。
【0021】
また、基地局によっては、必ずしも外部基準信号が得られない基地局もあり、その場合には、上記PLL回路ではなく、発振器を固定電圧で発振させる別の構成の発振器が必要になり、基地局によって対応する発振制御回路を準備しなければならないという問題点があった。
【0022】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、自己の周波数を補正し、高安定な基準信号の入力がなく、自走したときでも発振周波数を安定に保つことができ、更に、外部からの固定電圧を可変にした制御電圧で発振できるようにした発振周波数制御回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、発振周波数制御回路において、電圧制御発振器と、電圧制御発振器からの出力を分周する分周器と、外部基準信号と分周器からの出力の位相を比較し、位相差信号を出力する位相比較器と、位相比較器からの出力を平滑化して出力するループフィルタと、外部基準信号を検波する検波回路と、パルス生成の情報が入力されるとパルスを生成してループフィルタに出力するパルス生成回路と、規定の電圧情報とそれに対応するパルス生成の情報を記憶するメモリと、固定電圧を変更する調整を行う制御電圧可変回路と、位相比較器とループフィルタとの接続をオン/オフする選択スイッチと、検波回路で検出された外部基準信号のレベルが適正範囲内であれば選択スイッチをオンとし、レベルが適正範囲外であれば選択スイッチをオフとし、制御電圧可変回路からの制御電圧を選択する場合には当該制御電圧を選択する指示を、制御電圧を選択しない場合にはメモリに記憶されたパルス生成の情報をパルス生成回路に出力する制御部とを有し、選択スイッチは、制御電圧可変回路から入力される制御電圧を選択する制御信号が入力されると、位相比較器とループフィルタとの接続をオフにして当該制御電圧を選択してループフィルタに出力し、外部基準信号を選択する制御信号が入力されると、位相比較器とループフィルタとの接続をオンし、パルス生成回路からのパルスを選択する制御信号が入力されると、位相比較器とループフィルタとの接続をオフし、制御部は、検波回路で検出された外部基準信号のレベルが適正範囲内であるときに外部基準信号を選択する制御信号を出力して選択スイッチをオンとし、当該オンの状態で、レベルが適正範囲外になると、予め設定された、制御電圧可変回路からの制御電圧を選択する制御信号又はパルス生成回路からのパルスを選択する制御信号のいずれか選択スイッチに出力可能となり、パルスを選択する制御信号に対して制御電圧を選択する制御信号を優先的に出力することを特徴とする。
【0024】
本発明は、上記発振周波数制御回路において、メモリに記憶された規定の電圧情報を、電圧制御発振器を制御可能な制御電圧において中心制御電圧としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、電圧制御発振器と、電圧制御発振器からの出力を分周する分周器と、外部基準信号と分周器からの出力の位相を比較し、位相差信号を出力する位相比較器と、位相比較器からの出力を平滑化して出力するループフィルタと、外部基準信号を検波する検波回路と、パルス生成の情報が入力されるとパルスを生成してループフィルタに出力するパルス生成回路と、規定の電圧情報とそれに対応するパルス生成の情報を記憶するメモリと、固定電圧を変更する調整を行う制御電圧可変回路と、位相比較器とループフィルタとの接続をオン/オフする選択スイッチと、検波回路で検出された外部基準信号のレベルが適正範囲内であれば選択スイッチをオンとし、レベルが適正範囲外であれば選択スイッチをオフとし、制御電圧可変回路からの制御電圧を選択する場合には当該制御電圧を選択する指示を、制御電圧を選択しない場合にはメモリに記憶されたパルス生成の情報をパルス生成回路に出力する制御部とを有し、選択スイッチが、制御電圧可変回路から入力される制御電圧を選択する制御信号が入力されると、位相比較器とループフィルタとの接続をオフにして当該制御電圧を選択してループフィルタに出力し、外部基準信号を選択する制御信号が入力されると、位相比較器とループフィルタとの接続をオンし、パルス生成回路からのパルスを選択する制御信号が入力されると、位相比較器とループフィルタとの接続をオフし、制御部が、検波回路で検出された外部基準信号のレベルが適正範囲内であるときに外部基準信号を選択する制御信号を出力して選択スイッチをオンとし、当該オンの状態で、レベルが適正範囲外になると、予め設定された、制御電圧可変回路からの制御電圧を選択する制御信号又はパルス生成回路からのパルスを選択する制御信号のいずれか選択スイッチに出力可能となり、パルスを選択する制御信号に対して制御電圧を選択する制御信号を優先的に出力する発振周波数制御回路としているので、自己の周波数を補正し、高安定な基準信号の入力がなく、自走したときに、予め、外部からの固定電圧を可変にした制御電圧で発振させること、または、パルス生成回路からのパルスによる発振周波数を安定に保つようにすることの両方が利用可能となり、更に制御電圧可変回路からの制御電圧を優先できる効果がある。
【0026】
本発明によれば、メモリに記憶された規定の電圧情報を、電圧制御発振器を制御可能な制御電圧において中心制御電圧とした上記発振周波数制御回路としているので、自己の周波数を補正し、発振周波数を安定に保つことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態に係る発振周波数制御回路の構成ブロック図である。
【図2】電圧・PWMデューティーサイクルテーブルの概略図である。
【図3】校正時の特性を示す図である。
【図4】経年変化・制御電圧特性を示す図である。
【図5】経年変化特性テーブルの概略図である。
【図6】一般的PLL回路の構成ブロック図である。
【図7】電圧制御機能付き水晶発振器の制御電圧特性例を示す図である。
【図8】VCXOのフリーラン特性を示す図である。
【図9】外部基準信号が高安定信号の場合の周波数特性を示す図である。
【図10】外部基準信号が切れたときの周波数特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態に係る発振周波数制御回路は、電圧制御発振器と、電圧制御発振器からの出力を分周する分周器と、外部基準信号と分周器からの出力の位相を比較し、位相差信号を出力する位相比較器と、位相比較器からの出力を平滑化して出力するループフィルタと、外部基準信号を検波する検波回路と、パルス生成の情報が入力されるとパルスを生成してループフィルタに出力するパルス生成回路と、規定の電圧情報とそれに対応するパルス生成の情報を記憶するメモリと、固定電圧を変更する調整を行う制御電圧可変回路と、位相比較器とループフィルタとの接続をオン/オフする選択スイッチと、検波回路で検出された外部基準信号のレベルが適正範囲内であれば選択スイッチをオンとし、レベルが適正範囲外であれば選択スイッチをオフとし、制御電圧可変回路からの制御電圧を選択する場合には当該制御電圧を選択する指示を、制御電圧を選択しない場合にはメモリに記憶されたパルス生成の情報をパルス生成回路に出力する制御部とを有し、選択スイッチが、制御電圧可変回路から入力される制御電圧を選択する制御信号が入力されると、位相比較器とループフィルタとの接続をオフにして当該制御電圧を選択してループフィルタに出力し、外部基準信号を選択する制御信号が入力されると、位相比較器とループフィルタとの接続をオンし、パルス生成回路からのパルスを選択する制御信号が入力されると、位相比較器とループフィルタとの接続をオフし、制御部が、検波回路で検出された外部基準信号のレベルが適正範囲内であるときに外部基準信号を選択する制御信号を出力して選択スイッチをオンとし、当該オンの状態で、レベルが適正範囲外になると、予め設定された、制御電圧可変回路からの制御電圧を選択する制御信号又はパルス生成回路からのパルスを選択する制御信号のいずれか選択スイッチに出力可能となり、パルスを選択する制御信号に対して制御電圧を選択する制御信号を優先的に出力する発振周波数制御回路としているので、自己の周波数を補正し、高安定な基準信号の入力がなく、自走したときに、予め、外部からの固定電圧を可変にした制御電圧で発振させること、または、パルス生成回路からのパルスによる発振周波数を安定に保つようにすることの両方が利用可能となり、更に制御電圧可変回路からの制御電圧を優先できるものである。
【0029】
また、本発明の実施の形態に係る発振周波数制御回路は、電圧制御発振器と、電圧制御発振器からの出力を分周する分周器と、外部基準信号と分周器からの出力の位相を比較し、位相差信号を出力する位相比較器と、位相比較器からの出力を平滑化して出力するループフィルタと、外部基準信号を検波する検波回路と、パルス生成の情報が入力されるとパルスを生成してループフィルタに出力するパルス生成回路と、規定の電圧情報とそれに対応するパルス生成の情報を記憶するメモリと、固定電圧を変更する調整を行う制御電圧可変回路と、制御電圧可変回路から入力される制御電圧を選択する制御信号が入力されると、当該制御電圧を選択してループフィルタに出力し、制御電圧の選択が為されていない場合に、位相比較器とループフィルタとの接続をオン/オフする選択スイッチと、制御電圧可変回路からの制御電圧を選択する指示が入力されると、当該制御電圧を優先的に選択する制御信号を選択スイッチに出力し、当該指示の入力が為されていない場合に、検波回路で検出された外部基準信号のレベルが適正範囲内であれば選択スイッチをオンとし、レベルが適正範囲外であれば選択スイッチをオフとしてメモリに記憶されたパルス生成の情報をパルス発生回路に出力する制御部とを有するものであり、自己の周波数を補正し、高安定な基準信号の入力がなく、自走したときでも発振周波数を安定に保つことができ、更に、外部からの固定電圧を可変にした制御電圧で発振できるものである。
【0030】
また、本発明の実施の形態に係る発振周波数制御回路は、電圧制御発振器と、電圧制御発振器からの出力を分周する分周器と、外部基準信号と前記分周器からの出力の位相を比較し、位相差信号を出力する位相比較器と、位相比較器からの出力を平滑化して出力するループフィルタと、外部基準信号を検波する検波回路と、パルス生成の情報が入力されるとパルスを生成してループフィルタに出力するパルス生成回路と、規定の電圧情報とそれに対応するパルス生成の情報を記憶するメモリと、固定電圧を変更する調整を行う制御電圧可変回路と、制御電圧可変回路から入力される制御電圧を選択する制御信号が入力されると、当該制御電圧を選択してループフィルタに出力し、外部基準信号を選択する制御信号が入力されると、位相比較器とループフィルタとの接続をオンし、パルス生成回路からのパルスを選択する制御信号が入力されると、位相比較器とループフィルタとの接続をオフする選択スイッチと、検波回路で検出された外部基準信号のレベルが適正範囲内であるときに外部基準信号を選択する制御信号を出力して選択スイッチをオンとしている状態で、レベルが適正範囲外になると、予め設定された、制御電圧可変回路からの制御電圧を選択する制御信号又はパルス生成回路からのパルスを選択する制御信号のいずれかを選択スイッチに出力する制御部とを有する発振周波数制御回路としているので、自己の周波数を補正し、高安定な基準信号の入力がなく、自走したときに、予め、外部からの固定電圧を可変にした制御電圧で発振させるか、または、パルス生成回路からのパルスによる発振周波数を安定に保つようにするかのいずれかを設定できる効果がある。
【0031】
また、本発明の実施の形態に係る発振周波数制御回路は、上記発振周波数制御回路において、メモリに経年変化の時間に対する適正な制御電圧とそれに対応するパルス生成の情報を記憶する経年変化特性テーブルを記憶し、制御部が、内部にタイマーを備えて時間を計測し、外部基準信号のレベルが適正範囲外であるときに、メモリの経年変化特性テーブルから計測した時間に応じた制御電圧を検索し、検索した制御電圧に対応するパルス生成の情報を読み取り、パルス生成回路に出力するものであり、周波数補正を経年変化に対応させることができるものである。
【0032】
また、本発明の実施の形態に係る発振周波数制御回路は、上記発振周波数制御回路において、ループフィルタからの出力について電圧レベルを検出して最新の電圧情報を制御部に出力するレベル検出回路を設け、メモリに最新の電圧情報と、複数の電圧情報とそれに対応するパルス生成の情報を記憶する電圧・パルス生成の情報テーブルを記憶し、制御部が、レベル検出回路から入力された最新の電圧情報でメモリの最新の電圧情報を更新し、外部基準信号のレベルが適正範囲外であるときに、メモリの電圧・パルス生成の情報テーブルから最新の電圧情報に対応するパルス生成の情報を読み取り、パルス生成回路に出力するものであり、基準信号の入力がなく、自走したときでもそれまでの状態を引き継いで発振周波数を安定に保つことができるものである。
【0033】
[発振周波数制御回路:図1]
本発明の実施の形態に係る発振周波数制御回路について図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る発振周波数制御回路の構成ブロック図である。
本発明の実施の形態に係る発振周波数制御回路(本回路)は、図1に示すように、フィルタ11と、位相比較器12と、選択スイッチ13と、ループフィルタ14と、電圧制御発振器15と、分周器16と、検波回路17と、増幅器18と、CPU(Central Processing Unit)20と、メモリ21と、PWM(Pulse Width Modulation)回路22と、レベル検出回路23と、ADコンバータ24と、ADコンバータ25と、制御電圧可変回路26とから構成されている。
【0034】
[本回路の各部]
フィルタ11は、例えば、10MHzの外部基準信号を帯域制限するフィルタである。基本構成として必須ではないが、外部基準信号の高周波成分を除去する働きがある。
位相比較器12は、フィルタ11から出力された基準信号と、分周器16で分周された信号の位相を比較し、位相差信号を出力する。
尚、位相比較器12は、外部基準信号と分周信号との位相を比較して同期(ロック)を検出した場合は、CPU20にロック検出信号を出力し、非同期(アンロック)を検出した場合は、CPU20にアンロック検出信号を出力する。
【0035】
選択スイッチ13は、CPU20からの切替指示(切替制御信号)により、制御電圧可変回路26からの固定電圧をループフィルタ14に供給する固定電圧モード(A)と、位相比較器12とループフィルタ14との接続をオンして外部基準信号を供給する外部基準信号モード(B)と、位相比較器12とループフィルタ14との接続をオフしてPWM回路22からの電圧を供給する内部電圧モード(C)を切り替える。
【0036】
つまり、選択スイッチ13は、CPU20から固定電圧モード(A)、外部基準信号モード(B)、若しくは内部電圧モード(C)のいずれかを選択する切替制御信号が入力される。
CPU20は、通常、外部基準信号モード(B)となるよう切替制御信号を出力し、外部基準信号が入力されなくなった異常状態で内部電圧モード(C)を選択する切替制御信号を出力する。
【0037】
そして、図示していないが、入力部からCPU20に固定電圧モード(A)選択の指示が入力されると、CPU20は、優先的に固定電圧モード(A)に選択する切替制御信号を出力する。即ち、選択スイッチ13は、固定電圧モード(A)の切替制御信号が入力されていない限り、外部基準信号モード(B)で動作し、異常状態で内部電圧モード(C)に切り替わるようになっている。
【0038】
ループフィルタ14は、位相比較器12からの出力電圧を平滑化するフィルタであり、つまり、電圧制御発振器15に入力される制御電圧を平滑化するものである。
電圧制御発振器15は、ループフィルタ14からの制御電圧によって周波数を変更して希望する周波数(内部基準信号)を発振出力する。
尚、電圧制御発振器(VCO)の代わりに、電圧制御付水晶発振器(VCXO)、VC−TCXO、電圧制御機能付恒温槽水晶発振器(VC−OCXO)等を用いてもよい。
【0039】
分周器16は、電圧制御発振器15から出力される内部基準信号を1/Nに分周する。
検波回路17は、フィルタ11からの出力信号のレベル検波を行う。
増幅器18は、検波回路17で検波された信号を増幅する。
【0040】
CPU20は、入力部からの固定電圧モード(A)選択の指示が入力されると、選択スイッチ13に対して固定電圧モード(A)選択の切替制御信号を出力し、当該固定電圧モード(A)選択の指示が入力部から入力されていなければ、以下に説明する正常状態と判定した場合には、外部基準信号モード(B)選択の切替制御信号を出力し、更に、以下に説明する異常状態と判定した場合には、内部電圧モード(C)選択の切替制御信号を出力する。
【0041】
CPU20は、ADコンバータ25からの制御電圧情報を入力し、最新の制御電圧情報としてメモリ21に記憶する。具体的には、CPU20は、ADコンバータ25から制御電圧情報が常時入力され、前回入力した制御電圧情報と変更がなければメモリ21の更新は行わず、変更があればメモリ21の制御電圧情報を更新する。
【0042】
また、CPU20は、ADコンバータ24からの外部基準信号(外部REF)の検出されたレベルを入力し、メモリ21に記憶された適正範囲(第1のしきい値から第2のしきい値の間の範囲)内であるか否かを判定し、適正範囲内であれば選択スイッチ13へはオンの指示(位相比較器12とループフィルタ14を接続する指示)を出力し、適正範囲外であれば選択スイッチ13へはオフの指示(位相比較器12とループフィルタ14を切断する指示)を出力する。
【0043】
また、CPU20は、外部REFの検出レベルが適正範囲外であれば、メモリ21内に格納された電圧・PWMデューティーサイクルテーブルを参照し、現在(最新)の制御電圧の電圧情報に基づくPWMデューティーサイクルに従ったパルス幅の情報をPWM回路22に出力する。
【0044】
メモリ21は、最新の制御電圧情報、外部REFの検出レベルに対して適正範囲の基準となる第1のしきい値及び第2のしきい値、更に、電圧・PWMデューティーサイクルテーブルが記憶されている。
制御電圧情報は、レベル検出回路23で検出され、変更となった場合にメモリ21で更新され、最新の値として保持される。
【0045】
[電圧・PWMデューティーサイクルテーブル:図2]
ここで、電圧・PWMデューティーサイクルテーブルについて図2を参照しながら説明する。図2は、電圧・PWMデューティーサイクルテーブルの概略図である。
電圧・PWMデューティーサイクルテーブルは、図2に示すように、電圧情報に対してパルス幅を特定するためのPWMデューティーサイクル(%)が記憶されている。
【0046】
ここで、電圧情報は、ループフィルタ14をからの制御電圧の値(制御電圧情報)を維持するために、PWM回路22からループフィルタ14に出力されるパルスのPWMデューティーサイクルを予め定めたものとなっている。
従って、レベル検出回路23で検出された制御電圧情報に対応するPWMデューティーサイクルを電圧・PWMデューティーサイクルテーブルから読み取り、そのサイクルに応じたパルスをPWM回路22がループフィルタ14に出力すると、ループフィルタ14から以前と同様の制御電圧が電圧制御発振器15に出力される。
【0047】
PWM回路22は、CPU20から入力されるPWMデューティーサイクルのデータをパルス幅変調して所望のパルス信号をループフィルタ14に出力する。CPU20から電圧情報のデータが出力されるのであれば、PWM回路に代えてDA(Digital/Analog)コンバータを用いることができる。
【0048】
レベル検出回路23は、ループフィルタ14から出力される直流電圧を検出して制御電圧情報としてADコンバータ25に出力する。
ADコンバータ24は、増幅器18から出力された外部REFの検出レベルをアナログ信号からデジタル信号に変換してCPU20に出力する。
ADコンバータ25は、レベル検出回路23からの制御電圧情報をアナログ信号からデジタル信号に変換してCPU20に入力する。
【0049】
尚、本回路において、外部基準信号の入力異常については、検波回路17及び増幅器18から出力される外部REFの検出レベルによってCPU20は、認識できるため、位相比較器12からのアンロック検出信号は用いていない。
【0050】
[本回路の動作]
本回路における動作について説明する。
本回路は、入力部から固定電圧モード(A)選択の指示が入力されると、CPU20が、選択スイッチ13に固定電圧モード(A)選択の切替制御信号を出力して、制御電圧可変回路26からの電圧をループフィルタ14に出力する。電圧制御発振器15は、制御電圧可変回路26からの電圧を、ループフィルタ14を介して入力し、入力された電圧によって発振動作を行う。
【0051】
また、入力部から固定電圧モード(A)選択の指示が入力されていなければ、CPU20が、正常時、選択スイッチ13に外部基準信号モード(B)選択の切替制御信号を出力して、選択スイッチ13は位相比較器12とループフィルタ14とが接続された状態となっている。
【0052】
そして、位相比較器12は、外部基準信号と分周器16からの信号の位相差の信号を、ループフィルタ14を介して電圧制御発振器15に出力し、電圧制御発振器15における発振周波数を制御している。この際、レベル検出回路23は、最新の制御電圧を検出し、ADコンバータ25を介してCPU20に出力し、CPU20は、制御電圧情報に変更があれば、メモリ21で最新の制御電圧情報を更新する。
【0053】
そして、本回路において、外部基準信号は、検波回路17で検波され、増幅器18で増幅されて、外部REFのレベルが検出され、ADコンバータ24を介してCPU20に出力される。
【0054】
CPU20では、入力された外部REFの検出レベルが適正範囲内であるか否かを判定する。具体的には、メモリ21に記憶された適正範囲を示す第1のしきい値と第2のしきい値との間に外部REFの検出レベルの値があれば適正範囲内と判定し、第1のしきい値と第2のしきい値との間に外部REFの検出レベルの値がなければ適正範囲外と判定する。
【0055】
判定結果、CPU20は、適正範囲内であれば、正常状態として選択スイッチ13を位相比較器12とループフィルタ14とを接続にするオン状態(外部基準信号モード)に維持し、適正範囲外であれば、異常状態として選択スイッチ13を位相比較器12とループフィルタ14とを非接続にするオフ状態(内部電圧モード)として、位相比較器12とループフィルタ14との接続を断とする。
【0056】
更に、異常状態では、CPU20は、メモリ21に記憶された最新の制御電圧情報を読み取り、その電圧情報に対応するPWMデューティーサイクルを電圧・PWMデューティーサイクルテーブルから読み取り、そのPWMデューティーサイクルとなるパルスを形成するための情報(データ)をPWM回路22に出力する。
PWM回路22は、CPU20から入力されたパルス形成の情報に従ってパルスを生成し、ループフィルタ14を介して電圧制御発振器15に制御電圧を出力する。
【0057】
これにより、外部基準信号に異常が発生した場合、特に、外部基準信号の入力がなくなった場合(自走の場合)等に、CPU20は、検波回路17、増幅器18からの出力により直ちに異常を検出し、位相比較器12の出力を切断して、これまで電圧制御発振器15を制御していた制御電圧と同様のパルスをPWM回路22から出力するものである。
つまり、位相比較器12の出力に代えて、PWM回路22からの出力を用いることで、これまでの状態を引き継いで電圧制御発振器15での周波数発振を適正化できるものである。
【0058】
また、本回路によれば、外部基準信号が得られる基地局、外部基準信号が得られない基地局の双方に、当該回路一台で対応できる。
そして、外部基準信号が得られる基地局の場合には、自己の周波数を補正し、高安定な基準信号の入力がなく、自走したときでも発振周波数を安定に保つことができ、更に、外部からの固定電圧を可変にした制御電圧で発振できる。
【0059】
[本回路における別のモード選択]
尚、上記本回路では、CPU20は、固定電圧モード(A)を優先的に選択するようにしているが、正常状態で外部基準信号モード(B)で選択しておき、異常状態になった場合に、予め、内部電圧モード(C)又は固定電圧モード(A)のいずれかを選択するかをCPU20若しくはメモリ21に設定しておき、異常状態で設定したいずれかのモードを選択する切替制御信号を出力するようにしてもよい。
【0060】
また、上記別のモード選択を実施した本回路では、自己の周波数を補正し、高安定な基準信号の入力がなく、自走したときに、予め、外部からの固定電圧を可変にした制御電圧で発振させるか、または、パルス生成回路からのパルスによる発振周波数を安定に保つようにするかのいずれかを設定できる。
【0061】
[別の実施の形態1]
尚、上記例では、PWM回路22から出力されるパルスを、レベル検出回路23で検出された最新の制御電圧情報に基づいて生成するようにしたが、デフォルトの電圧情報を記憶し、そのデフォルトの電圧情報に対応するPWMデューティーサイクルに基づいてパルス生成の情報を出力するようにしてもよい。
【0062】
具体的には、メモリ21には、電圧制御発振器15に対する制御電圧において、その適正範囲内の中心電圧値を記憶しておき、それに対応するPWMデューティーサイクルは、50%となるから、電圧制御発振器14の制御電圧が0〜3.3Vで動作するのであれば、3.3/2Vの制御電圧に設定する。尚、中心電圧値以外の任意の電圧値を記憶して対応する制御電圧を設定してもよい。
デフォルトの電圧情報を用いれば、レベル検出回路23及びADコンバータ25の部品、メモリ21内の電圧・PWMデューティーサイクルテーブルを不要とすることができる。
【0063】
[校正]
本回路における校正について図3を参照しながら説明する。図3は、校正時の特性を示す図である。
本回路において、図3に示すように、外部基準信号が入力されない状態で時間が経過すると、周波数偏差が徐々に上昇又は下降する。図では上昇を示している。そこで、特定のタイミングで、適正な基準信号を入力して、その後、基準信号の入力を停止すると、自走制御により周波数偏差が中心周波数に戻ってきて校正が為されるようになっている。
【0064】
この校正では、電圧制御発振器15に対する制御電圧の制御範囲内における中心電圧値を用いて周波数制御を行っている。
本回路によれば、校正時に特別な回路を接続しなくても、校正作業を行うことができる効果がある。
【0065】
[経年変化の電圧特性:図4]
次に、本回路における経年変化に対する最適な制御電圧特性例を図4に示す。図4は、経年変化・制御電圧特性を示す図である。
図4に示すように、本回路においては、時間の経過と共に、最適な制御電圧が小さくなっている(但し、周波数偏差として上昇する場合を示している)。
【0066】
[別の実施の形態2]
更に、別の実施の形態(別の実施の形態2)として、本回路を上記経年変化に対応した構成とするものである。この別の実施の形態2について図5を参照しながら説明する。図5は、経年変化特性テーブルの概略図である。
本回路において、メモリ21には、電圧・PWMデューティーサイクルテーブルが格納されているが、そのテーブルの代わりに、図5の経年変化特性テーブルを利用するものである。
【0067】
[経年変化特性テーブル:図5]
図5の経年変化特性テーブルは、電圧情報とPWMデューティーサイクルの関係に、更に時間のファクタを設けている。
具体的には、時間の経過に対して適正な電圧情報が設定され、更にその電圧情報に対応してPWMデューティーサイクルが設定されてテーブルとして記憶されている。
CPU20は、内部にタイマーを備え、時間の経過を測定している。
【0068】
別の実施の形態2では、外部基準信号の検出レベルが適正範囲外であるときに、CPU20が、選択スイッチ13をオフにし、内部のタイマーで測定している時間を参照し、当該時間に対応する電圧情報からPWMデューティーサイクルを検索し、当該PWMデューティーサイクルに従ったパルスを生成するための情報をPWM回路22に出力し、PWM回路22で所望のパルスを生成してループフィルタ14を介して電圧制御発振器15に制御電圧を出力するものである。
【0069】
これにより、別の実施の形態2では、CPU20が、外部基準信号の異常時に経年変化に対応した電圧情報、それに応じたPWMデューティーサイクルに従って生成したパルスにより発振周波数の補正を行うようにしているので、周波数制御回路を経年変化に対応させることができる効果がある。
【0070】
また、別の実施の形態2における回路構成において、校正を行うようにしてもよい。
この場合、CPU20は時間経過を計測しており、校正作業のときは経年変化特性テーブルを参照して時間経過に対応した電圧値を用いて周波数制御を行う。これにより、校正作業を周波数制御回路の経年変化に対応させることができる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、自己の周波数を補正し、高安定な基準信号の入力がなく、自走したときでも発振周波数を安定に保つことができ、更に外部からの固定電圧を可変にした制御電圧で発振できるようにした発振周波数制御回路に好適である。
【符号の説明】
【0072】
11...フィルタ、 12...位相比較器、 13...選択スイッチ、 14...ループフィルタ、 15...電圧制御発振器、 16...分周器、 17...検波回路、 18...増幅器、 20...CPU、 21...メモリ、 22...PWM回路、 23...レベル検出回路、 24...ADコンバータ、 25...ADコンバータ、 26...制御電圧可変回路、 32...位相比較器、 33...チャージポンプ、 34...ループフィルタ、 35...VCXO、 36...分周器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧制御発振器と、前記電圧制御発振器からの出力を分周する分周器と、外部基準信号と前記分周器からの出力の位相を比較し、位相差信号を出力する位相比較器と、前記位相比較器からの出力を平滑化して出力するループフィルタと、外部基準信号を検波する検波回路と、パルス生成の情報が入力されるとパルスを生成して前記ループフィルタに出力するパルス生成回路と、規定の電圧情報とそれに対応するパルス生成の情報を記憶するメモリと、固定電圧を変更する調整を行う制御電圧可変回路と、前記位相比較器と前記ループフィルタとの接続をオン/オフする選択スイッチと、前記検波回路で検出された外部基準信号のレベルが適正範囲内であれば前記選択スイッチをオンとし、前記レベルが適正範囲外であれば前記選択スイッチをオフとし、前記制御電圧可変回路からの制御電圧を選択する場合には当該制御電圧を選択する指示を、前記制御電圧を選択しない場合には前記メモリに記憶されたパルス生成の情報を前記パルス生成回路に出力する制御部とを有し、
前記選択スイッチは、前記制御電圧可変回路から入力される制御電圧を選択する制御信号が入力されると、前記位相比較器と前記ループフィルタとの接続をオフにして当該制御電圧を選択して前記ループフィルタに出力し、外部基準信号を選択する制御信号が入力されると、前記位相比較器と前記ループフィルタとの接続をオンし、前記パルス生成回路からのパルスを選択する制御信号が入力されると、前記位相比較器と前記ループフィルタとの接続をオフし、
前記制御部は、前記検波回路で検出された外部基準信号のレベルが適正範囲内であるときに前記外部基準信号を選択する制御信号を出力して前記選択スイッチをオンとし、当該オンの状態で、前記レベルが適正範囲外になると、予め設定された、前記制御電圧可変回路からの制御電圧を選択する制御信号又は前記パルス生成回路からのパルスを選択する制御信号のいずれか前記選択スイッチに出力可能となり、前記パルスを選択する制御信号に対して前記制御電圧を選択する制御信号を優先的に出力することを特徴とする発振周波数制御回路。
【請求項2】
メモリに記憶された規定の電圧情報を、電圧制御発振器を制御可能な制御電圧において中心制御電圧としたことを特徴とする請求項1記載の発振周波数制御回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−24274(P2011−24274A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248146(P2010−248146)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【分割の表示】特願2007−331767(P2007−331767)の分割
【原出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(000232483)日本電波工業株式会社 (1,148)
【Fターム(参考)】