説明

目的地設定方法、目的地設定プログラム、及び、車載器

【課題】 目的地の位置をユーザが概略的に認識しているだけでも当該目的地を適切に設定させる。
【解決手段】 複数の地域に分割された全体地図を表示する全体地図表示ステップと、該全体地図中の一地域を選択する選択ステップと、選択された地域を、更に複数の地域に分割された詳細地図として表示する詳細地図表示ステップと、選択可能な地域を所定の段階まで絞り込むよう、選択ステップと詳細地図表示ステップとを繰り返す繰り返しステップと、該所定の段階まで地域が絞り込まれたとき、当該地域内から目的地を選択させて設定する目的地設定ステップとを含む方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、目的地を設定する目的地設定方法、目的地を設定する為の目的地設定プログラム、及び、車両に搭載された車載器に関する。
【背景技術】
【0002】
車両を目的地まで案内する所謂ナビゲーション機能を備えた車載器が種々提案され、広く普及している(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−116039号公報
【0003】
上記特許文献1に示されたような装置において目的地を設定する場合、例えば、先ず、当該装置が、画面上に入力キーを表示し、ユーザに目的の都市名を入力させる。都市名の先頭側のスペルの少なくとも一部をユーザが入力すると、当該装置は、それに該当する都市名を列挙したリストを表示し、その中から目的の都市をユーザに選択させる。ユーザが都市名を選択すると、当該装置は、画面上に入力キーを再表示し、ユーザに目的のストリート名を入力させる。ストリート名の先頭側のスペルの少なくとも一部をユーザが入力すると、当該装置は、先と同様に、それに該当するストリート名を列挙したリストを表示し、その中から目的のストリートをユーザに選択させる。最後に建物の番号等をユーザが入力すると目的地が設定され、車載器によるナビゲーションが開始される。このように階層的に表示される各フィールドのリストの中から該当するものを順次選択していくことにより、目的地設定が成される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上述した手順で目的地を設定する為には、当該目的地の住所をユーザが正確に記憶していることが前提となる。この為、目的地の位置を概略的にしか認識していない場合には、当該目的地を適切に設定することが困難であり得る。また、上記の如きリストでは目的地の文字列を例えば五十音順に列挙している為、リスト下部に位置する目的地を選択するには当該リストをスクロールさせる等の煩雑な操作が必要となる。また、一般に、このようなリストでは多くの文字が密に配列されている為、その視認性が悪く、視力の低いユーザにとっては使用し難いものであった。
【0005】
そこで、本発明は上記の事情に鑑み、目的地の位置をユーザが概略的に認識しているだけでも当該目的地を適切に設定でき、また、煩雑な作業を軽減させ、更に、優れた視認性でユーザに目的地を設定させることができる車載器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決する本発明の一態様に係る目的地設定方法は、地図を表示可能な表示部を用いて目的地を設定する方法であり、複数の地域に分割された全体地図を表示する全体地図表示ステップと、該全体地図中の一地域を選択する選択ステップと、選択された地域を、更に複数の地域に分割された詳細地図として表示する詳細地図表示ステップと、選択可能な地域を所定の段階まで絞り込むよう、選択ステップと詳細地図表示ステップとを繰り返す繰り返しステップと、該所定の段階まで地域が絞り込まれたとき、当該地域内から目的地を選択させて設定する目的地設定ステップとを含む。
【0007】
なお、上記目的地設定ステップにおいて、絞り込まれた地域内の目的地となり得る少なくとも一箇所の情報をリストアップして表示し、該リスト内のいずれか一つが選択されたとき、それを目的地として設定することができる。また、上記目的地設定方法が目的地のジャンルを選択するジャンル選択ステップを更に含んだものであっても良く、この場合、上記目的地選択ステップで、選択されたジャンルに対応した目的地となり得る箇所の情報だけをリストアップし得る。
【0008】
また、上記目的地設定ステップにおいて、絞り込まれた地域内の目的地となり得る少なくとも一箇所にアイコンを表示し、該アイコンのいずれか一つが選択されたとき、それを目的地として設定することができる。また、上記目的地設定方法が目的地のジャンルを選択するジャンル選択ステップを更に含んだものであっても良く、この場合、上記目的地選択ステップで、選択されたジャンルに対応した目的地となり得る箇所だけに該アイコンを表示しても良い。
【0009】
また、上記目的地設定ステップにおいて、絞り込まれた地域内のいずれか一箇所が選択されたとき、それを目的地として設定することもできる。
【0010】
また、上記の課題を解決する本発明の一態様に係る目的地設定プログラムは、地図を表示可能な表示部を用いて目的地を設定する為のプログラムであり、複数の地域に分割された全体地図を表示させ、該全体地図中の一地域が選択されたことを検知したとき、当該地域を、更に複数の地域に分割された詳細地図として表示させ、地域の選択と詳細地図の表示とが繰り返し実行され、選択可能な地域が所定の段階まで絞り込まれたことを検知したとき、当該地域内から目的地を選択させて設定する。
【0011】
なお、上記目的地設定プログラムにおいて、絞り込まれた地域内の目的地となり得る少なくとも一箇所の情報をリストアップして表示させ、該リスト内のいずれか一つが選択されたことを検知したとき、それを目的地として設定することもできる。また、目的地のジャンルを選択させ、選択されたジャンルに対応した目的地となり得る箇所の情報だけをリストアップしても良い。
【0012】
また、上記目的地設定プログラムにおいて、絞り込まれた地域内の目的地となり得る少なくとも一箇所にアイコンを表示させ、該アイコンのいずれか一つが選択されたことを検知したとき、それを目的地として設定することもできる。また、目的地のジャンルを選択させ、選択されたジャンルに対応した目的地となり得る箇所だけに該アイコンを表示させても良い。
【0013】
また、上記目的地設定プログラムにおいて、絞り込まれた地域内のいずれか一箇所が選択されたとき、それを目的地として設定することもできる。
【0014】
また、上記の課題を解決する本発明の一態様に係る車両に搭載された車載器は、地図を表示する表示部と、表示された地図の任意の箇所を選択する為の選択手段と、複数の地域に分割された全体地図を所定の地域単位で階層的に記憶した記憶手段とを備えており、選択手段により該全体地図中の一地域が選択されたとき、記憶手段に記憶された一階層下の当該地域の地図であって、更に複数の地域に分割された詳細地図を表示し、記選択手段による詳細地図中の地域選択が繰り返されて、表示される地域が所定の階層のものに達したとき、当該地域内から目的地を選択させて設定する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の目的地設定方法、目的地設定プログラム、及び、車載器では、所定の地域単位で管理された地図を順(広域から狭域)に表示部に表示させて目的地を設定させるようにしている。この為、ユーザは、例えば視覚的イメージでしか目的地の位置を認識していない場合であっても、当該目的地を適切に設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態のナビゲーション機能を備えた車載器の構成及び作用について説明する。
【0017】
図1は、本実施形態の車載器100の構成を示したブロック図である。車載器100は、例えばナビゲーションを実行したりラジオ/テレビ放送を再生したりする機能を有し、制御部1、GPS(Global Positioning System)レシーバ2、ジャイロセンサ3、車速センサ4、記録媒体処理部5、画像処理部6、表示部7、ROM(Read Only Memory)8、DRAM(Dynamic Random Access Memory)9、SRAM(Static Random Access Memory)10、VRAM(Video Random Access Memory)11、FM信号処理部12、ビーコン処理部13、入力部14、及び、音声認識部15を具備する。
【0018】
制御部1は、車載器100全体を統括的に制御する。また、GPSレシーバ2は、GPS用人工衛星から発信された、位置情報を取得する為のGPS信号を受信して制御部1に出力する。また、ジャイロセンサ3は、車載器100を搭載した車両の角速度を計測し、その計測結果を制御部1に出力する。また、車速センサ4は、当該車両の左右の駆動輪の回転速度を検出してその平均速度に応じた車速パルス信号を生成して制御部1に出力する。また、記録媒体処理部5は、例えばCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disk)が収納され、或いは、HD(Hard Disk)を内蔵したものであり、これらの記録媒体に記録されたデータを読み取る機能を有する。本実施形態では、このような記録媒体には、例えば車載器100がナビゲーションを行う為に必要なデジタル地図データが記録されている。
【0019】
制御部1は、GPSレシーバ2から出力される信号に基づいて測位演算を行う。また、ジャイロセンサ3と車速センサ4から出力される信号に基づいてデッドレコニング(以下、DRと略記)を行う(すなわち車両の向き或いは進行方向及び距離を演算する)。そして演算されたDR測位結果及びGPS測位結果(別の言い方をすると車両の現在位置及び進行方向)に基づいて記録媒体処理部5を作動させ、現在位置周辺のデジタル地図データを抽出し、画像処理部6に出力する。画像処理部6は、それをD/A変換し、変換された地図データと共に車両の現在位置を示す自車マークを重畳して出力する。この出力信号が表示部7に入力すると、例えば表示部7の画面中央に自車マークが表示され、その画面全体に当該車両周辺の地図が表示される。
【0020】
ROM8は、車載器100起動時に制御部1によってアクセスされるものであり、当該制御部1が実行するプログラムやその他の各種データ等を記憶している。また、DRAM9やSRAM10は、記録媒体処理部5やROM8からロードされたプログラムやデータを、高速処理の為、一時的に読み書き自由に格納する。なお、SRAM10は、電源オフ時にバッテリバックアップされており、そのメモリ内容を保持することができる。また、VRAM11は、表示部7に表示される内容を保持することができる。
【0021】
FM信号処理部12は、例えばFM多重放送を受信し、その受信信号の中から所望の信号を抽出して処理する装置である。また、ビーコン処理部13は、例えば幹線道路に設置された光ビーコンや、高速道路に設置された電波ビーコンから発信される信号を受信して処理する装置である。FM信号処理部12やビーコン処理部13で受信される信号は、例えば、道路交通情報通信システムセンターが配信する道路交通情報(VICS(Vehicle Information and Communication System)信号)である。
【0022】
本実施形態では、表示部7は、例えば感圧式又は静電式等の周知のタッチ・パネルであり、入力手段を兼ねている。入力部14は車載器100前面に配列されたメカニカル・ボタン等であり、例えば電源スイッチはこれに含まれる。入力部14が操作されるとそれに応じた信号が制御部に入力し、制御部1にて所定の処理が実行される。また、音声認識部15も入力手段の一種であり、マイク(不図示)に入力された音声を認識し、その認識内容に応じた信号を制御部1に出力する。なお、音声認識部15で操作可能な内容は、全て、入力部14でも操作可能である。
【0023】
次に、本実施形態の車載器100に備えられたナビゲーション機能について説明する。このようなナビゲーション機能を使用する為には、通常、ユーザが車載器100を操作してその目的地を入力する必要がある。目的地を入力することにより、表示部7においてナビゲーション情報が地図画像に重畳して表示され、ナビゲーションが開始される。ユーザは、地図上のナビゲーション情報とそれに対応した音声情報等に従うことにより、見知らぬ道であっても迷うことなく目的地に向かうことができる。ここで、図2に示されたフローチャートを参照して、本実施形態の車載器100において実行され得る、ナビゲーションの為の目的地設定処理について説明する。
【0024】
図2に示された目的地設定処理は、ユーザが、各種入力手段(タッチ・パネルや、入力部14、音声認識部15)を操作し、ナビゲーション機能に含まれる目的地を設定する為の項目を選択したときに開始される。
【0025】
本実施形態の目的地設定処理が開始されると、画像処理部6は、目的地のジャンルをユーザに選択させる為の画像(以下、ジャンル選択画像と略記)を描画する(ステップ1:YES、以下、ステップを「S」と略記)。このジャンル選択画像は、それぞれ異なるジャンルを表した複数のアイコンから成る。なお、これらのジャンルには、小学校以外に、例えば、公園や図書館等の公共施設や、ホテルや旅館等の宿泊施設、スキー場やゴルフ場等の娯楽施設、レストラン等の飲食店、ガソリンスタンド等のあらゆるものが想定される。
【0026】
上記複数のジャンルのアイコンの中から一つ(例えば小学校)をユーザが選択すると、画像処理部6は、次に、図3に示された全国地図を描画する(S2)。なお、ここで描画される全国地図のデータ(及び後述の地方や都道府県等の各地図データ)は、例えば記録媒体処理部5に記憶されたナビゲーション用のデジタル地図データそのものであっても良く、当該デジタル地図データとは別のデータベースに格納(例えばROM8)された地図データであっても良い。これらのメモリには、地図データが、所定の地域単位(後述するように地方や都道府県等の単位)で階層的に格納されている。
【0027】
図3に示された全国地図は、日本全国を、「関東地方」や「中部地方」等の複数都道府県を含む単位に区分して表した地図である。この画面には、全国地図に重畳して、その右下に上矢印21、右矢印22、下矢印23、左矢印24が表示される。また、画面左下に「ヘルプ」アイコン25及び「戻る」アイコン26が表示される。
【0028】
上記矢印の各々は全国地図をスクロール表示させる為のものであり、例えば、ユーザが左矢印23をタッチすると(S3:矢印)、タッチ期間中当該地図がスクロールして中国地方や四国地方等が表示され得る(S4)。なお、図3では一画面中に一部の地域だけが表示されるスケールで全国地図を表示しているが、このスケールはユーザが任意に設定可能なものである。このスケール設定を変更することにより、例えば全国地図全体を一画面中に表示させることもできる。この場合、上記各矢印は不要となる。
【0029】
また、「ヘルプ」アイコン25は、車載器100の操作に不慣れなユーザを対象としたヘルプ機能にリンクされたものであり、当該操作を円滑に行う為の補助的情報を提供する為のものである。ユーザがこれをタッチすると(S3:ヘルプ)、例えば画面の一部の領域に、目的地を設定する為の一連の操作手順を示した文字列や画像が表示される(S6)。このようなヘルプを参照することにより、ユーザは、目的地設定操作を円滑に行うことができる。なお、このヘルプ画面を閉じると図3の画面に戻る。
【0030】
また、「戻る」アイコン26は一画面前に戻る為のアイコンであり、ユーザがこれをタッチすると(S3:戻る)、表示部7には上記ジャンル選択画像が表示される。このアイコンは主にジャンル選択を誤ったときに使用され得る。
【0031】
なお、図3では各地方に「関東地方」や「中部地方」等の文字列を表示させているが、設定を変更することによって、これらの文字列を非表示にすることもできる。
【0032】
ここで、図3に示された全国地図においていずれかの地方(ここでは関東地方)をタッチすると(S3:地方)、画像処理部6は、図4に示された地図であって、それに対応した地方の地図(ここでは関東地方)を描画する(S5)。ここで表示される図4の地図は、全国地図の中から関東地方の地図を抽出・拡大したものであり、当該地方を都道府県単位に区分して表したものである。なお、画像処理部6は、図3から図4の地図に切り替えるとき、その表示領域が全国から関東地方にズームアップされたようユーザが知覚するように描画処理を行う。
【0033】
図4の画面には、選択された地方の地図に重畳して、その左下に、先と同様の「ヘルプ」アイコン25及び「戻る」アイコン26が表示される。「ヘルプ」アイコン25は先と同一の機能を有し、ユーザがこれをタッチすると(S7:ヘルプ)、表示部7に上記操作手順が表示される(S9)。また、「戻る」アイコン26も先と同様の機能を有し、ユーザがこれをタッチすると(S7:戻る)、表示部7に、図3に示された一画面前の地図である上記全国地図が表示される。
【0034】
また、図4に示された関東地方の地図においていずれかの都道府県(ここでは神奈川県)をタッチすると(S7:都道府県)、画像処理部6は、図5に示された地図であって、それに対応した都道府県の地図(ここでは神奈川県)を描画する(S8)。ここで表示される図5の地図は、関東地方の地図の中から神奈川県の地図を抽出・拡大したものであり、当該県を市町村単位に区分して表したものである。なお、図5では、図面の簡略化の為、各市町村に付されるべき例えば「横浜市」等の名称を省略している。
【0035】
図5の画面には、選択された都道府県の地図に重畳して、その左下に、先と同様の「ヘルプ」アイコン25及び「戻る」アイコン26が表示される。「ヘルプ」アイコン25は先と同一の機能を有し、ユーザがこれをタッチすると(S10:ヘルプ)、表示部7に上記操作手順が表示される(S12)。また、「戻る」アイコン26も先と同様の機能を有し、ユーザがこれをタッチすると(S10:戻る)、表示部7に、図4に示された一画面前の地図である上記関東地方の地図が表示される。
【0036】
また、図5に示された神奈川県の地図においていずれかの市町村(ここでは市101に該当する横浜市)をタッチすると(S10:市町村)、画像処理部6は、図6に示された地図であって、それに対応した市町村の地図(ここでは横浜市)を描画する(S11)。ここで表示される図6の地図は、神奈川県の地図の中から横浜市の地図を抽出・拡大したものであり、当該市を区(又は別の市等では例えば町)単位に区分して表したものである。なお、図6でも図5と同様に、図面の簡略化の為、各区に付されるべき例えば「青葉区」等の名称を省略している。
【0037】
図6の画面には、選択された市町村の地図に重畳して、その左下に、先と同様の「ヘルプ」アイコン25及び「戻る」アイコン26が表示される。「ヘルプ」アイコン25は先と同一の機能を有し、ユーザがこれをタッチすると(S13:ヘルプ)、表示部7に上記操作手順が表示される(S15)。また、「戻る」アイコン26も先と同様の機能を有し、ユーザがこれをタッチすると(S13:戻る)、表示部7に、図5に示された一画面前の地図である上記神奈川県の地図が表示される。
【0038】
また、図6に示された横浜市の地図においていずれかの区町(ここでは区102に該当する神奈川区)をタッチすると(S13:区町)、画像処理部6は、図7に示されたリストであって、S1の処理で選択されたジャンルに関する神奈川区のリスト31(ここでは神奈川区に存在する小学校のリスト)を描画する(S14)。リスト31の横には当リストをスクロールさせる為の矢印アイコン32及び33が描画される。矢印アイコン32や33を操作して目的地の小学校を探し出し、それをタッチすると、車載器100は、その小学校を目的地として設定し(S16)、以降、周知のナビゲーション処理を実行する。
【0039】
このように本実施形態の車載器100では所定の地域単位で管理された地図を順(広域から狭域)に表示させて目的地を設定させるようにしている。この為、ユーザは、視覚的イメージでしか目的地の位置を認識していない場合であっても、当該目的地を適切に設定することができる。
【0040】
なお、図7の如くリストに列挙される目的地が多い場合には当該リストをスクロールさせる必要がある。しかしながら、このとき地域が既に絞り込まれており、列挙されるべき数が比較的少ない為、そのスクロール量は限定的である。従って、リストスクロールという煩雑な作業は従来と比較して軽減される。
【0041】
以上が本発明の実施形態である。本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく様々な範囲で変形が可能である。
【0042】
例えば、目的地設定時における拡大地図表示を、本実施形態では区町単位までにしているが、別の実施形態ではより細分化された単位までにすることもできる。
【0043】
また、本実施形態では最終的にリストを表示させているが、別の実施形態では、例えば区町(例えば神奈川区)の拡大地図の該当位置に、選択ジャンル(例えば小学校)のアイコンをそれぞれ重畳して表示させても良い。ユーザがその中の一つをタッチすると、それが目的地として設定される。この実施形態では、ユーザは、例えば小学校の名称を記憶していない場合であっても、それの位置の視覚的イメージだけを頼りに目的地設定をすることもできる。また、文字列が密に並べられたリストを完全になくすことができる為、その視認性を著しく向上させることができる。なお、図示しない操作用アイコンにより、目的地をリスト又はアイコンで表示させるかを選択することもできる。
【0044】
また、本実施形態ではジャンルを選択してから目的地を設定しているが、別の実施形態ではジャンルを選択せずに例えば住所で検索することもできる。この場合、ユーザは、例えば番地や号単位のリスト或いは地図が最終的に表示されるように地域を絞り込んでいく。そしてリストの中のいずれか一つ、又は、番地や号単位の地図のいずれかの箇所をタッチすることにより目的地設定をすることができる。
【0045】
また、本実施形態では区町単位以降はリスト表示に切り替えているが、このようなリストの表示タイミングはこれに限定されない。例えば、都道府県単位においてリストを表示させるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態の車載器の構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の目的地設定処理を示したフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態の表示部に表示される全国地図の画面を示した図である。
【図4】本発明の実施の形態の表示部に表示される関東地方の地図画面を示した図である。
【図5】本発明の実施の形態の表示部に表示される神奈川県の地図画面を示した図である。
【図6】本発明の実施の形態の表示部に表示される横浜市の地図画面を示した図である。
【図7】本発明の実施の形態の表示部に表示される神奈川区の小学校のリストを示した図である。
【符号の説明】
【0047】
1 制御部
2 GPSレシーバ
3 ジャイロセンサ
4 車速センサ
5 記録媒体処理部
6 画像処理部
7 表示部
8 ROM
9 DRAM
10 SRAM
11 VRAM
12 FM信号処理部
13 ビーコン処理部
14 入力部
15 音声認識部
100 車載器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図を表示可能な表示部を用いて目的地を設定する目的地設定方法であって、
複数の地域に分割された全体地図を表示する全体地図表示ステップと、
該全体地図中の一地域を選択する選択ステップと、
選択された地域を、更に複数の地域に分割された詳細地図として表示する詳細地図表示ステップと、
選択可能な地域を所定の段階まで絞り込むよう、前記選択ステップと前記詳細地図表示ステップとを繰り返す繰り返しステップと、
該所定の段階まで地域が絞り込まれたとき、当該地域内から目的地を選択させて設定する目的地設定ステップと、を含む目的地設定方法。
【請求項2】
前記目的地設定ステップにおいて、絞り込まれた地域内の目的地となり得る少なくとも一箇所の情報をリストアップして表示し、該リスト内のいずれか一つが選択されたとき、それを目的地として設定する、請求項1に記載の目的地設定方法。
【請求項3】
目的地のジャンルを選択するジャンル選択ステップを更に含み、
前記目的地選択ステップで、選択されたジャンルに対応した目的地となり得る箇所の情報だけをリストアップする、請求項2に記載の目的地設定方法。
【請求項4】
前記目的地設定ステップにおいて、絞り込まれた地域内の目的地となり得る少なくとも一箇所にアイコンを表示し、該アイコンのいずれか一つが選択されたとき、それを目的地として設定する、請求項1に記載の目的地設定方法。
【請求項5】
目的地のジャンルを選択するジャンル選択ステップを更に含み、
前記目的地選択ステップで、選択されたジャンルに対応した目的地となり得る箇所だけに該アイコンを表示する、請求項4に記載の目的地設定方法。
【請求項6】
前記目的地設定ステップにおいて、絞り込まれた地域内のいずれか一箇所が選択されたとき、それを目的地として設定する、請求項1に記載の目的地設定方法。
【請求項7】
地図を表示可能な表示部を用いて目的地を設定する為の目的地設定プログラムであって、
複数の地域に分割された全体地図を表示させ、
該全体地図中の一地域が選択されたことを検知したとき、当該地域を、更に複数の地域に分割された詳細地図として表示させ、
地域の選択と詳細地図の表示とが繰り返し実行され、選択可能な地域が所定の段階まで絞り込まれたことを検知したとき、当該地域内から目的地を選択させて設定する、目的地設定プログラム。
【請求項8】
絞り込まれた地域内の目的地となり得る少なくとも一箇所の情報をリストアップして表示させ、該リスト内のいずれか一つが選択されたことを検知したとき、それを目的地として設定する、請求項7に記載の目的地設定プログラム。
【請求項9】
目的地のジャンルを選択させ、選択されたジャンルに対応した目的地となり得る箇所の情報だけをリストアップする、請求項8に記載の目的地設定プログラム。
【請求項10】
絞り込まれた地域内の目的地となり得る少なくとも一箇所にアイコンを表示させ、該アイコンのいずれか一つが選択されたことを検知したとき、それを目的地として設定する、請求項7に記載の目的地設定プログラム。
【請求項11】
目的地のジャンルを選択させ、選択されたジャンルに対応した目的地となり得る箇所だけに該アイコンを表示させる、請求項10に記載の目的地設定プログラム。
【請求項12】
絞り込まれた地域内のいずれか一箇所が選択されたとき、それを目的地として設定する、請求項7に記載の目的地設定プログラム。
【請求項13】
車両に搭載された車載器において、
地図を表示する表示部と、
表示された地図の任意の箇所を選択する為の選択手段と、
複数の地域に分割された全体地図を所定の地域単位で階層的に記憶した記憶手段と、を備え、
前記選択手段により該全体地図中の一地域が選択されたとき、前記記憶手段に記憶された一階層下の当該地域の地図であって、更に複数の地域に分割された詳細地図を表示し、
前記選択手段による詳細地図中の地域選択が繰り返されて、表示される地域が所定の階層のものに達したとき、当該地域内から目的地を選択させて設定すること、を特徴とする車載器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−258658(P2006−258658A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−77795(P2005−77795)
【出願日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】