説明

真空引き装置と真空引き方法

【課題】 チャンバ内を真空引きする技術を提供する。
【解決手段】 真空引き装置10は、チャンバ30と、チャンバ30内を脱気する真空ポンプ60と、チャンバ30内にマイクロ波を照射するマイクロ波照射装置50を備えている。チャンバ30は、半導体ウエハ20を収容する収容部40を備えている。また、チャンバ30は、マイクロ波を透過するとともに、気密性、及び耐圧性に優れた素材で形成されている。この真空引き装置10では、収容部40を真空引きする際に、真空ポンプ60を用いて収容部40内を脱気するとともに、収容部40にマイクロ波を照射する。これによって、収容部40内の水分子が水蒸気化し、収容部40内に存在する水蒸気が真空ポンプ60によって脱気される。収容部40にマイクロ波を照射することで、半導体ウエハ20に無用な熱履歴を与えることなく、チャンバ30内を短時間で高真空化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャンバ内を真空引きする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、真空熱処理装置が記載されている。この装置では、処理対象物である半導体ウエハを反応チャンバ内に載置し、真空ポンプを用いて反応チャンバ内を脱気(排気)し、反応チャンバ内で半導体ウエハに熱処理(薄膜形成)を実施する。一般に、反応チャンバ内を高真空化することで、半導体ウエハの表面に良質な薄膜を形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−8994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、チャンバ内を脱気すると、チャンバ内の圧力の急速な低下に伴ってチャンバ内の温度が低下し、チャンバ内に存在する水蒸気(気体)が水(液体)や氷(固体)に変化する。チャンバ内に水や氷が発生した場合、その水や氷を除去しなければ、チャンバ内の高真空化を完了することができない。チャンバ内の水や氷を除去するためには、低温化したチャンバ内で水や氷が自然に水蒸気へ戻るまで、比較的に長い時間に亘って脱気を続ける必要があり、チャンバ内を高真空化するのに長い時間が必要であった。
上記の問題に対して、ヒータ等によってチャンバ内を加熱し、発生した水や氷を再び水蒸気へと変化させることが考えられる。しかしながら、ヒータ等によってチャンバ内を加熱した場合、チャンバ内に収容された処理対象物(例えば半導体ウエハ)も同時に加熱されてしまう。この場合、処理対象物に無用な熱履歴を与えてしまうこととなり、処理対象物を意図せず変化させてしまう。
本発明は、上記の問題を解決する。本発明は、処理対象物に無用な熱履歴を与えることなく、チャンバ内を短時間で高真空化することができる技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、チャンバ内を真空引きするための真空引き装置に具現化される。この真空引き装置は、チャンバと、脱気手段と、マイクロ波照射手段を備えている。脱気手段は、チャンバ内を脱気する。マイクロ波照射手段は、チャンバ内にマイクロ波を照射する。
【0006】
本発明の真空引き装置では、チャンバ内を脱気する際に、チャンバ内にマイクロ波を照射する。これによって、チャンバ内で水や氷が発生した場合でも、その水や氷を短時間で水蒸気化することができる。マイクロ波の照射によって生じた水蒸気は、脱気手段によってチャンバ外へ速やかに脱気される。低温なチャンバ内で水や氷が水蒸気へ自然に変化するのを待つ必要がなく、チャンバ内を比較的に短時間で高真空化することができる。また、マイクロ波を利用することから、チャンバ内の処理対象物を加熱することなく、チャンバ内で発生した水や氷のみを加熱することができる。
本発明の真空引き装置によると、処理対象物に無用な熱履歴を与えることなく、チャンバ内を短時間で高真空化することができる。
【0007】
本発明に係る真空引き装置では、脱気手段とマイクロ波照射手段を制御する制御手段をさらに備えていることが好ましい。この場合、制御手段は、脱気手段の動作期間の少なくとも一部において、マイクロ波照射手段を動作させることが好ましい。つまり、制御手段は、脱気手段とマイクロ波照射手段が同時に動作する期間が存在するように、脱気手段とマイクロ波照射手段を制御することが好ましい。
脱気手段とマイクロ波照射手段が同時に動作することで、マイクロ波の照射によって生じた水蒸気を、脱気手段によって直ちにチャンバ外へと脱気することができる。これによって、チャンバ内を高真空化するのに必要な時間をさらに短縮することができる。
【0008】
前記した制御手段は、脱気手段の動作を開始させた後に、マイクロ波照射手段の動作を開始させることが好ましい。
チャンバ内では、主に、圧力低下に伴う温度低下によって水や氷が発生する。即ち、脱気手段が動作を開始し、チャンバ内の圧力がある程度低下した段階で、水や氷が発生し始める。そのころから、マイクロ波照射手段は、初期段階において必ずしも動作する必要はなく、脱気手段が動作を開始した後に適切なタイミングで動作を開始すれば足りる。それにより、無駄にマイクロ波を照射する時間を省くことができる。
【0009】
また、制御手段は、マイクロ波照射手段の動作を停止させた後に、脱気手段の動作を停止させることが好ましい。
上記ように制御することで、マイクロ波の照射によって生じた水蒸気を確実に脱気することができ、チャンバ内を確実に高真空化することができる。
【0010】
本発明は、チャンバ内を真空引きする方法にも具現化される。この真空引き方法は、以下の2つの工程を少なくとも備えている。
(1)チャンバ内を脱気する工程。
(2)チャンバ内にマイクロ波を照射する工程。
上記2つの工程は、同時に行われてもよいし、交互に繰り返して行われてもよい。
この方法によれば、処理対象物に無用な熱履歴を与えることなく、チャンバ内を短時間で高真空化することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、処理対象物に無用な熱履歴を与えることなく、チャンバ内を短時間で高真空化することができる。これにより、例えば半導体ウエハを高真空雰囲気で熱処理する場合に、熱処理に必要な時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】真空引き装置10の模式図。
【図2】真空引き装置10のフローチャート。
【図3】真空引き装置110の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に説明する実施例の主要な特徴を最初に整理する。
(特徴1) チャンバは、気密性、及び耐圧性を有している。
(特徴2) チャンバは、例えば石英やアルミナのように、マイクロ波を透過する材料で形成されている。
(特徴3) 制御手段は、コンピュータを備えている。コンピュータのハードウエアやソフトウエアによって、脱気手段とマイクロ波照射手段を制御する各処理を実行する構成が実現されている。
【実施例1】
【0014】
本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。図1に、第1実施例の真空引き装置10の構成を示す模式図を示す。真空引き装置10は、半導体ウエハ20を高真空雰囲気下で薄膜形成するために、半導体ウエハ20を載置するチャンバとチャンバ内を高真空化する手段を備えている。
【0015】
図1に示すように、真空引き装置10は、主に、チャンバ30と真空ポンプ60とマイクロ波照射装置50と制御装置80を備えている。
チャンバ30は、半導体ウエハ20を収容する密閉容器であり、気密性、及び耐圧性に優れている。チャンバ30は、本体部34と蓋部36によって構成されている。チャンバ30は、石英で形成されている。石英は、マイクロ波を透過する特性を有している。なお、チャンバ30は、石英に限られず、例えばアルミナで形成することもできる。本体部34の内部には、半導体ウエハ20を収容するための収容部40が形成されている。収容部40には、収容された半導体ウエハ20を支える支持台48が形成されている。
本体部34には、収容部40に半導体ウエハ20を搬入するための導入部38が形成されている。収容部40は、導入部38を通して本体部34の外部に繋がっている。収容部40を密閉する際には、蓋部36によって本体部34の導入部38を塞ぐ。これによって、耐圧性と断熱性が高く維持された収容部40が気密に密閉される。
【0016】
マイクロ波照射装置50は、チャンバ30に向けてマイクロ波を照射する装置であり、チャンバ30の本体部34の外周面34aに配置されている。マイクロ波照射装置50から照射されたマイクロ波は、チャンバ30を透過して収容部40へと照射される。マイクロ波照射装置50から照射されるマイクロ波の波長は、水分子の分子運動を活性化させるのに適した周波数に調整されている。そのため、マイクロ波照射装置50から収容部40へとマイクロ波を照射すると、収容部40に存在する水分子が加熱される。つまり、チャンバ30内に氷が存在する場合には、氷が融解して水となり、あるいは氷が昇華して水蒸気となる。また、チャンバ30内に水が存在する場合には、水が蒸発して水蒸気となる。なお、収容部40に半導体ウエハ20を搬入し、マイクロ波照射装置50から収容部40へとマイクロ波を照射しても、半導体ウエハ20は直接的には加熱されない。
【0017】
チャンバ30には、排気管70と圧力センサ72と排気弁76がさらに設けられている。排気管70は、概して管形状を有しており、その一端が収容部40に開口している。また、排気管70の他端は真空ポンプ60に接続されており、真空ポンプ60は、排気管70を通して収容部40内を脱気する。排気管70を開閉する排気弁76が、排気管70に形成されている。排気弁76が開かれると、排気管70を通して真空ポンプ60が収容部40内を脱気する。逆に、排気弁76が閉じられると、収容部40と真空ポンプ60の間が遮断され、収容部40内の圧力(真空)が維持される。圧力センサ72が、排気管70のうちの排気弁76よりも収容部40側に配置されている。圧力センサ72は、排気管70を通して収容部40内の圧力を測定する。
【0018】
制御装置80は、マイクロ波照射装置50と真空ポンプ60に接続されており、マイクロ波照射装置50と真空ポンプ60の動作タイミング等を制御している。制御装置80はさらに、排気弁76に接続されている。制御装置80は、真空ポンプ60による収容部40の脱気を開始する際に、排気弁76を開放し、排気管70を通して真空ポンプ60と収容部40を接続する。逆に、真空ポンプ60による収容部40の脱気を停止する際に、排気弁76を閉鎖し、真空ポンプ60と収容部40を遮断する。制御装置80はさらに、圧力センサ72に接続されている。制御装置80には、複数の圧力基準値(Pref1、Pref2)が記憶されており、制御装置80は、圧力センサ72が測定した圧力値Pinと圧力基準値を比較し、その比較結果に基づいてマイクロ波照射装置50と真空ポンプ60の動作を切換え、また排気弁76の開閉を制御する。
【0019】
図2は、真空引き装置10の動作の流れを示すフローチャートである。以下、図2を用いて、真空引き装置10の動作を説明する。
先ず、チャンバ30の収容部40に半導体ウエハ20を収容(ステップS12)した後に、蓋部36によって本体部34の導入部38を塞ぎ、収容部40を密閉する(ステップS14)。
【0020】
次に、制御装置80は、真空ポンプ60を用いて収容部40の脱気を開始する(ステップS16)。制御装置80は、上記の動作を実行する際に、排気弁76を開放し、真空ポンプ60を始動させる。
収容部40の脱気が開始されると、収容部40内の圧力が急激に低下し、それに伴って収容部40内の温度が急激に低下する。収容部40内の温度が急激に低下すると、収容部40内に存在する水分が液化して水が発生する。あるいは、収容部40内に存在する水分が昇華して氷が発生する。
【0021】
収容部40内に水や氷が存在していると、高真空化後に水や氷が再び水蒸気となり、チャンバ30内の真空度が低下してしまう。チャンバ30内の真空度が低下すると、チャンバ30内で半導体ウエハ20に薄膜形成する際に、精度のよい薄膜を形成することができない。
【0022】
そのため、収容部40内に水や氷が発生した場合、発生した水や氷を除去する必要がある。真空ポンプ60を用いて水や氷を除去するには、水や氷を再び水蒸気化し、真空ポンプ60によって発生した水蒸気を脱気する必要がある。しかし、上記したように、真空引きをしている間は、チャンバ30内が低温化しており、水や氷を再び水蒸気化するのに長い時間が必要となる。つまり、チャンバ30内を真空化するのに必要な時間が長期化してしまう。
【0023】
本実施例の真空引き装置10では、制御装置80が、収容部40の脱気を開始してから一定時間経過後に、マイクロ波照射装置50を始動させる。あるいは、圧力センサ72が測定した収容部40の圧力値Pinがマイクロ波照射装置50の動作タイミングを決定するための第1圧力基準値Pref1よりも低くなった場合に、マイクロ波照射装置50を始動させる(ステップS18)。これによって、マイクロ波照射装置50から収容部40へとマイクロ波が照射され、収容部40内に存在する水分子の分子運動が発熱する。そのため、収容部40に発生した水や氷が加熱されて水蒸気となり、発生した水蒸気が真空ポンプ60によって脱気される。この結果、収容部40に存在する水蒸気が除去され、収容部40内が高真空化される。
【0024】
制御装置80は、圧力センサ72が測定した収容部40の圧力値Pinを監視し、圧力値Pinが熱処理に必要な真空度以下に設定されている第2圧力基準値Pref2以上である間(ステップS20でNo)は、真空ポンプ60による脱気と、マイクロ波照射装置50によるマイクロ波の照射を継続する。そして、制御装置80は、圧力値Pinが第2圧力基準値Pref2よりも低くなった場合(ステップS20でYes)に、マイクロ波照射装置50を停止する(ステップS22)。
【0025】
次に、制御装置80は、マイクロ波照射装置50を停止してから一定時間経過後に、真空ポンプ60を用いた収容部40の脱気を停止する。(ステップS24)。制御装置80は、上記の動作を実行する際に、排気弁76を閉鎖し、真空ポンプ60を停止させる。これによって、半導体ウエハ20が載置された収容部40が高真空化された状態に維持される。
【0026】
本実施例の真空引き装置10では、チャンバ30内を真空引きする際に、マイクロ波照射装置50から収容部40へとマイクロ波を照射し、収容部40内の水分子を発熱させる。本実施例によれば、チャンバ30内を真空引きする際に、チャンバ30内に存在する水蒸気が液化又は昇華した場合でも、マイクロ波を用いて水や氷を加熱し、水や氷を短時間で再び水蒸気化することができる。真空引きによって低温化したチャンバ30内で水や氷が自然と水蒸気化するまで、長い時間に亘って真空ポンプ60を動作し続ける必要がない。短時間でチャンバ30内を高真空化することができる。
【0027】
マイクロ波照射装置50から照射されるマイクロ波は、収容部40内の水分子を加熱し、チャンバ30自体や半導体ウエハ20そのものを加熱しない。そのため、チャンバ30全体を加熱する従来技術のように、チャンバ30内に収容されている半導体ウエハ20に意図しない熱履歴が加わることがない。
半導体ウエハ20が受けた熱履歴は、半導体ウエハ20に形成される酸化膜の特性値(厚みや耐圧)に少なからず影響を与える。半導体ウエハ20に意図しない熱履歴が加わった場合、半導体ウエハ20から製造する半導体装置の製造品質を意図した品質に保つことができない。
【0028】
本実施例では、マイクロ波を用いることから、半導体ウエハ20の加熱を避けることができる。また、マイクロ波の照射によってチャンバ30が加熱され、それによって半導体ウエハ20が加熱されることもない。そのため、半導体ウエハ20に意図しない熱履歴が加わることがなく、半導体ウエハ20から製造する半導体装置の製造品質を意図した品質に保つことができる。
【0029】
本実施例の真空引き装置10では、チャンバ30内の真空引きを開始する際に、制御装置80が、マイクロ波照射装置50を始動させるに先立って、真空ポンプ60を用いた収容部40の脱気を開始する。
チャンバ30内では、主に、圧力低下に伴う温度低下によって水や氷が発生する。即ち、真空ポンプ60が動作を開始し、チャンバ30内の圧力がある程度低下した段階で、水や氷が発生し始める。そのころから、マイクロ波照射装置50は、初期段階において必ずしも動作する必要はなく、真空ポンプ60が動作を開始した後に、適切なタイミングで動作を開始すれば足りる。それにより、無駄にマイクロ波を照射する時間を省くことができる。
【0030】
また、マイクロ波照射装置50を遅れて動作させることで、真空ポンプ60によってチャンバ30内の圧力及び温度が十分に低下した後に、チャンバ30で発生した水や氷の加熱が開始される。この段階では、チャンバ30内が低温化することによって、半導体ウエハ20の温度も低下している。そのため、マイクロ波によって発生した水蒸気が半導体ウエハ20の表面を酸化させることが防止され、半導体ウエハ20に意図しない酸化膜が形成されることがない。
【0031】
また、本実施例の真空引き装置10では、チャンバ30内の真空引きを停止する際に、制御装置80が、マイクロ波照射装置50の動作を停止させるに遅れて、真空ポンプ60を用いた収容部40の脱気を停止する。これによって、マイクロ波の照射によって発生した水分を、真空ポンプ60を用いて確実に脱気することができ、チャンバ30内を確実に高真空化することができる。
【実施例2】
【0032】
図3に、第2実施例の真空引き装置110の構成の模式図を示す。第2実施例のチャンバ130は、複数枚の半導体ウエハ20を収容部140に収容可能なバッチ式チャンバである。チャンバ130は、その外周面130aにマイクロ波照射装置150が配置されている。マイクロ波照射装置150は、チャンバ130内の収容部140に向かってマイクロ波を照射する。
バッチ式のチャンバ130を用いた場合でも、真空ポンプ60を用いて収容部140を脱気する際に、マイクロ波を収容部140に照射することによって、半導体ウエハ20に無用な熱履歴を与えることなく、チャンバ130内を短時間で高真空化することができる。
【0033】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
上記では、マイクロ波照射装置50と真空ポンプ60を同時に動作させる場合の実施例を用いて説明を行ったが、マイクロ波照射装置50の動作と真空ポンプ60の脱気動作は必ずしも同時に行われる必要がない。例えば、マイクロ波照射装置50の動作と真空ポンプ60の脱気動作が交互に繰り返し実行されてもよい。真空ポンプ60の脱気動作後にマイクロ波を照射し、収容部40に発生した水や氷を加熱して水蒸気に変化させ、その後再び真空ポンプ60の脱気動作を動作させて収容部40に発生した水蒸気を脱気してもよい。
【0034】
しかし、マイクロ波照射装置50と真空ポンプ60は、同時に動作する期間を有することが好ましい。マイクロ波照射装置50と真空ポンプ60が同時に動作する期間があると、照射されたマイクロ波によって発生した水蒸気を、真空ポンプによってチャンバ30外へ直ちに脱気することができ、チャンバ30内を高真空化するのに必要な時間を短縮することができる。
【0035】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0036】
10、110 真空引き装置
20 半導体ウエハ
30、130 チャンバ
34 本体部
36 蓋部
38 導入部
40、140 収容部
48 支持台
50、150 マイクロ波照射装置
60 真空ポンプ
70 排気管
72 圧力センサ
76 排気弁
80 制御装置
Pin 圧力値
Pref1、Pref2 圧力基準値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバと、
チャンバ内を脱気する脱気手段と、
チャンバ内にマイクロ波を照射するマイクロ波照射手段と、
を備える真空引き装置。
【請求項2】
脱気手段とマイクロ波照射手段を制御する制御手段をさらに備えており、
制御手段は、脱気手段の動作期間の少なくとも一部においてマイクロ波照射手段を動作させることを特徴とする請求項1に記載の真空引き装置。
【請求項3】
制御手段は、脱気手段の動作を開始させた後にマイクロ波照射手段の動作を開始させることを特徴とする請求項2に記載の真空引き装置。
【請求項4】
制御手段は、マイクロ波照射手段の動作を停止させた後に脱気手段の動作を停止させることを特徴とする請求項2または3に記載の真空引き装置。
【請求項5】
チャンバ内を真空引きする真空引き方法であって、
チャンバ内を脱気する工程と、
チャンバ内にマイクロ波を照射する工程と、
を備える真空引き方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−157661(P2010−157661A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−102(P2009−102)
【出願日】平成21年1月5日(2009.1.5)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】