磁区壁の移動を利用した情報保存装置
【課題】磁区壁の移動を利用した情報保存装置を提供する。
【解決手段】磁区壁の移動を利用した情報保存装置において、磁化方向を有する磁区が形成された書き込みトラックと、書き込みトラック上に形成され、中間層及び情報保存トラックを備えるカラム構造体と、を備える磁区壁の移動を利用した情報保存装置である。
【解決手段】磁区壁の移動を利用した情報保存装置において、磁化方向を有する磁区が形成された書き込みトラックと、書き込みトラック上に形成され、中間層及び情報保存トラックを備えるカラム構造体と、を備える磁区壁の移動を利用した情報保存装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報保存装置に係り、特に磁性物質の磁区壁の移動原理を利用して情報を記録、保存及び消去できる磁区壁の移動を利用した情報保存装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報産業が発達するにつれて、大容量の情報処理が要求されており、高容量の情報を保存できる情報記録媒体に関する需要が増加し続けている。需要の増加によって、情報保存速度が速く、かつ小型の情報記録媒体に関する研究が進められており、結果的に多様な種類の情報保存装置が開発された。一般的に情報記録媒体として広く使われるHDD(Hard Disk Drive)は、読み取り/書き込みヘッドと情報が記録される回転媒体とを備えており、100GB以上の高容量情報が保存されうる。しかし、HDDのように回転部分を有する保存装置は、磨耗する傾向があり、動作時に不具合が発生する可能性が高いため、信頼性が低下するという短所がある。
【0003】
最近では、磁性物質の磁区壁の移動原理を利用する新たなデータ保存装置に関する研究及び開発が行われている。
【0004】
図1Aないし図1Cは、磁区壁の移動原理を示す図面である。図1Aに示すように、第1磁区11、第2磁区12、及び第1磁区11と第2磁区12との境界である磁区壁13を備える磁性ワイヤーが開示されている。
【0005】
一般的に、磁性体を構成する磁気的な微小領域を磁区という。磁区内では、電子のスピン、すなわち磁気モーメントの方向が同じであるという特徴を有している。かかる磁区のサイズ及び磁化方向は、磁性材料の形態、サイズ及び外部エネルギーにより適切に制御される。磁区壁は、異なる磁化方向を有する磁区の境界部分を表すものである。かかる磁区壁は、磁性材料に印加される磁場または電流により移動できるという特徴がある。
【0006】
図1Aに示したように、所定の幅及び厚さを有する磁性層内に特定の方向を有する複数の磁区を生成した後、外部で磁場または電流を印加した場合、磁区壁が移動する。
【0007】
図1Bに示すように、第2磁区12から第1磁区11の方向に外部で磁場を加えれば、磁区壁13は、第2磁区12から第1磁区11の方向、すなわち外部磁場の印加方向と同じ方向に移動するということが分かる。同じ原理により、第1磁区11から第2磁区12の方向に磁場を印加する場合、磁区壁13は、第1磁区11から第2磁区12の方向に移動する。
【0008】
図1Cに示すように、第1磁区11から第2磁区12の方向に外部で電流を印加すれば、磁区壁13は、第2磁区12から第1磁区11の方向に移動する。電流を印加する場合、電子は、逆方向に流れ、磁区壁13は、電子の移動方向と共に移動する。すなわち、磁区壁は、外部電流の印加方向と逆方向に移動するということが分かる。同じ原理により、第2磁区12から第1磁区11の方向に電流を印加する場合、磁区壁13は、第1磁区11から第2磁区12の方向に移動する。
【0009】
結果的に、磁区壁は、外部磁場や電流の印加を通じて移動し、これは、磁区の移動を意味する。
【0010】
磁区壁の移動原理は、HDDや不揮発性RAMのような情報保存装置に適用される。すなわち、特定の方向に磁化された磁区及びそれらの境界である磁区壁を有する磁性物質において、磁区壁が移動するにつれて磁性物質内の電圧が変化する原理を利用して、‘0’または‘1’のデータを読み取り/書き込み可能な不揮発性メモリ素子を具現できる。この場合、ライン形態の磁性物質内に特定の電流を流れて、磁区壁の位置を変化させつつデータを読み取り/書き込み可能であるため、非常に簡単な構造を有する高集積素子の具現が可能である。したがって、磁区壁の移動原理を利用する場合、従来のFRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、MRAM(Magnetoresistive RAM)及びPRAM(Phase−change RAM)などに比べて非常に高い保存容量を有するメモリの製造が可能である。しかし、磁区壁の移動を利用した情報保存装置は、まだ開発初期段階にあり、概ね情報保存密度が低いという短所がある。したがって、高密度で最適化された構造を有する磁区壁の移動を利用したメモリ装置が要求される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、高い情報保存密度を有し、構造的に安定しており、記録媒体を回転させるなどの物理的移動が必要ないので、磨耗及び不具合現象を防止できる磁区壁の移動を利用した情報保存装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために、磁区壁の移動を利用した情報保存装置において、磁化方向を有する磁区が形成された書き込みトラックと、前記書き込みトラック上に形成され、中間層及び情報保存トラックを備えるカラム構造体と、を備える磁区壁の移動を利用した情報保存装置を提供する。
【0013】
本発明において、前記カラム構造体は、中間層及び情報保存トラックが交互に形成されたことを特徴とする。
【0014】
本発明において、前記情報保存トラックの方向は、前記書き込みトラックの方向と平行、直交または交差する方向であることを特徴とする。
【0015】
本発明において、前記書き込みトラック及び前記情報保存トラックは、単層または多層構造で形成されたことを特徴とする。
【0016】
本発明において、前記情報保存トラックの長さは、前記書き込みトラックの長さより短いことを特徴とする。
【0017】
本発明において、前記書き込みトラック及び前記情報保存トラックは、105J/m3ないし107J/m3の磁気異方性定数値を有する磁性物質で形成されたことを特徴とする。
【0018】
本発明において、前記書き込みトラック及び前記情報保存トラックは、CoPtまたはFePtのうち少なくともいずれか一つの物質を含んで形成されたことを特徴とする。
【0019】
本発明において、前記書き込みトラック及び前記情報保存トラックは、1ないし100nmの厚さに形成されたことを特徴とする。
【0020】
本発明において、前記書き込みトラック及び前記情報保存トラックは、10ないし500nmの幅に形成されたことを特徴とする。
【0021】
本発明において、前記中間層は、単層または多層構造で形成されたことを特徴とする。
本発明において、前記中間層は、102ないし103J/m3の磁気異方性定数を有する磁性物質で形成されたことを特徴とする。
【0022】
本発明において、前記中間層は、10ないし100nmの厚さに形成されたことを特徴とする。
【0023】
本発明において、前記中間層は、NiFeまたはCoFeのうちいずれか一つの物質で形成されたことを特徴とする。
【0024】
本発明において、前記カラム構造体は、中間層及び情報保存トラックが交互に形成され、前記情報保存トラックは、上部に形成された情報保存トラックの長さが下部に形成された情報保存トラックの長さより長いことを特徴とする。
【0025】
本発明において、前記カラム構造体の上部の情報保存トラックの長さは、下部の情報保存トラックの長さより長いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、次のような長所がある。
【0027】
第1に、情報保存装置の駆動時、HDDなどとは異なり、機構的に移動または接触させずに情報を保存及び再生できるので、機構的磨耗がなくてモバイル用として使用でき、超小型化できてテラビット/in2の高密度の情報保存装置を提供できる。
【0028】
第2に、構造が非常に簡単で量産に有利であり、再現性の確保に有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、添付された図面を参照して、本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置を詳細に説明する。図面に示した各層の厚さ及び幅は、説明のために多少誇張されていることには留意されたい。
【0030】
本発明では、第1方向に形成された書き込みトラックと、第2方向に形成された情報保存トラックと、前記書き込みトラックと前記情報保存トラックとの間及び前記情報保存トラック同士の間に形成された軟磁性中間層と、を備える情報保存装置を提供する。
【0031】
図2Aは、本発明の第1実施形態による磁区壁の移動を利用したメモリ装置を示す斜視図である。
【0032】
図2Aに示すように、メモリ装置は、第1方向に形成された書き込みトラック21と、書き込みトラック21と直交しており、第2方向に形成された複数の情報保存トラック22と、書き込みトラック21と情報保存トラック22との間及び情報保存トラック22の間に形成された中間層23と、を備える。そして、磁気抵抗センサー24が書き込みトラック21の下部に形成されている。代わりに、磁気抵抗センサー24は、書き込みトラック21の上部に形成されてもよい。情報保存トラック22は、書き込みトラック21上に多層構造で形成されるが、書き込みトラック21の同じ領域上に形成された中間層23及び情報保存トラック22を単位カラム構造体と定義する。
【0033】
図2Aでは、書き込みトラック21上に10個のカラムが形成されており、一つのカラムには、5個の情報保存トラック22が多層構造で形成されたことを示している。しかし、書き込みトラック21上に形成されるカラム数は制限されない。また、単位カラムに備えられる情報保存トラック22の個数も制限されない。
【0034】
図2Bは、図2Aに示した本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用したメモリ装置の側面図である。図2Bに示すように、書き込みトラック21上に中間層23と情報保存トラック22とが交互に形成されているということが分かる。情報保存トラック22は、いずれも5個が形成されており、上方へ行くほど長くなるということが分かる。これは、情報保存トラック22の端部に電流を印加する電極(図示せず)を形成しやすくする目的で情報保存トラック22の長さを調節したためである。情報保存トラック22の側方に電極を形成する場合には、情報保存トラック22の長さは制限されない。本発明において、情報保存トラック22の長さは、書き込みトラック21の長さより短いことが望ましい。その理由は、情報保存トラック22の情報は、磁区のスピン方向によって0または1と記録され、情報を読み取るために、情報保存トラック22の磁区を書き込みトラック21に移動させて磁気抵抗センサー24で読み取るためである。
【0035】
図3Aは、本発明の第2実施形態による磁区壁の移動を利用したメモリ装置を示す斜視図である。
【0036】
図3Aに示すように、メモリ装置は、第1方向に形成された書き込みトラック21と、書き込みトラック21と交差しており、第2方向に形成された複数の情報保存トラック22と、書き込みトラック21と情報保存トラック22との間及び情報保存トラック22同士の間に形成された中間層23と、を備える。そして、磁気抵抗センサー24は、書き込みトラック21の下部に形成されている。代わりに、磁気抵抗センサー24は、書き込みトラック21の上部に形成されてもよい。図2Aと同様に、情報保存トラック22は、書き込みトラック21上に多層構造で形成されるが、書き込みトラック21の同じ領域上に形成された中間層23及び情報保存トラック22をカラムという。図2Aでは、情報保存トラック22が書き込みトラック21に対して直交する構造で形成された実施形態を示したが、図3Aでは、情報保存トラック22が書き込みトラック21と交差する構造の実施形態を示した。また、情報保存トラック22は、書き込みトラック21と平行な方向に形成させることも可能である。
【0037】
図3Bは、図3Aに示した本発明の第2実施形態による磁区壁の移動を利用したメモリ装置の側面図である。図3Bに示すように、中間層23は、書き込みトラック21と情報保存トラック22との間及び情報保存トラック22同士の間に形成されているということが分かる。図2Bに示した構造のように、図3Bに示した構造でも、情報保存トラック22が上方へ行くほど長く形成されたということが分かる。情報保存トラック22の端部に電流を印加する電極(図示せず)を形成しやすくする目的で、情報保存トラック22の長さを調節したためであり、情報保存トラック22の側方に電極を形成する場合には、情報保存トラック22の長さは制限されない。情報保存トラック22の長さは、書き込みトラック21の長さより短いことが望ましい。
【0038】
以下、本発明の実施形態による情報保存装置の各層を形成する物質について詳細に説明する。
【0039】
書き込みトラック21及び情報保存トラック22は、情報保存密度を高めるために、高い磁気異方性エネルギー特性を有する物質を使用して形成させる。例えば、磁気異方性定数は105J/m3以上である物質であって、105J/m3ないし107J/m3の磁気異方性エネルギー定数を有する物質を使用することが望ましい。具体的には、垂直磁化特性を有するCoPt,FePtまたはそれらを含む合金物質がある。書き込みトラック21及び情報保存トラック23は、単層または多層構造で形成される。多層構造で形成する場合を例として挙げれば、MgO,B2O3,AgまたはCで第1層を形成し、その上部にCoPtまたはFePtで第2層を形成した後、再び第1層と第2層とを交互に積層する。書き込みトラック21及び情報保存トラック22の幅及び厚さは、使用環境によって調節可能であり、大きく制限されないが、幅は、10ないし500nmであることが望ましく、厚さは、1ないし100nmであることが望ましい。
【0040】
中間層23は、書き込みトラック21及び情報保存トラック22より低い磁気異方性定数を有する物質で形成されたものであって、単層または多層構造で形成される。中間層23は、103J/m3より小さい磁気異方性エネルギー定数を有する物質で形成され、さらに、102ないし103J/m3の磁気異方性エネルギー定数を有する物質で形成されることが望ましい。具体的には、NiFeまたはCoFeのような物質で形成される。中間層23の厚さは、10nm以上に形成され、10ないし100nmの厚さに形成されることが望ましい。
【0041】
磁気抵抗センサー24は、一般的にHDDのような磁気メモリ装置に使われる磁気抵抗センサーのように、GMR(Giant Magneto−Resistance)センサーまたはTMR(Tunneling Magneto−Resistance)センサーを使用できる。
【0042】
以下、本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の作動原理、すなわち情報の書き込み及び読み取り過程について詳細に説明する。
【0043】
図4Aないし図4Hは、本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【0044】
図4Aに示すように、書き込みトラック21上に書き込みトラック21と交差する方向に形成された情報保存トラック22が形成されており、書き込みトラック21と情報保存トラック22との間及び情報保存トラック22同士の間に中間層23が形成されている。情報保存トラックには、二つのカラムが形成されており、各カラムには、書き込みトラック21と交差する二つの情報保存トラック22が形成されているということが分かる。書き込みトラックの両側端部及び情報保存トラック22の端部には、電流を印加できる電極Eが形成されている。書き込みトラック21は、基本的に磁化方向の異なる第1磁区21a及び第2磁区21bが存在し、第1磁区21aと第2磁区21bとの境界には、磁区壁が存在する。第1磁区21aの磁化方向が上方であれば、第2磁区21bの磁化方向は下方であり、それぞれ“0”または“1”の情報と認識される。
【0045】
図4Bに示すように、情報保存トラック22のうち、情報を記録する特定のトラックを選択する。例えば、22aで表示された情報保存トラックを選択する。以下では、この情報保存トラックを第1情報保存トラック22aと称する。第1情報保存トラック22aに対して第1磁区21aと同じ磁化方向を有する磁区を形成するために、まず、書き込みトラック21の両側部の電極E1及びE2をONに設定する。第1情報保存トラック22aの電極E3は、OFFに設定する。
【0046】
図4Cに示すように、電極E1の方向から電極E2の方向に電流を印加すれば、電子は、電極E2から電極E1の方向に流れる。したがって、第1磁区21aと第2磁区21bとの間の磁区壁は、電子の流れによって電極E2から電極E1の方向に移動する。
【0047】
図4Dに示すように、書き込みトラック21の第1磁区21aと第2磁区21bとの間の磁区壁が第1情報保存トラック22aと書き込みトラック21との間の中間層23aを通過するまで、電極E1及び電極E2を通じて電流を印加する。これにより、第1磁区21aが中間層23aの下部に位置する。第1磁区21aが中間層23aの下部に位置すれば、中間層23aは、第1磁区21aの影響により第1磁区21aと同じ磁化方向を有する。
【0048】
図4Eに示すように、電極E1をOFFに設定し、電極E2及び電極E3をONに設定する。図4Fに示すように、電極E3から電極E2の方向に電流を印加する。電子は、電極E2から電極E3の方向に流れ、したがって、第1磁区21aが中間層23aを通じて第1情報保存トラック22aに拡張される。
【0049】
次いで、書き込みトラック21の第2磁区21bと同じ磁化方向を有する磁区を第1情報保存トラック22aに形成する過程を説明する。
【0050】
図4Gに示すように、電極E1及び電極E2をONに設定し、電極E2から電極E1の方向に電流を印加する。これにより、電極E1から電極E2の方向に電子が流れ、書き込みトラック21の第2磁区21bと第1磁区21aとの間の磁区壁が電極E2の方向に移動する。第2磁区21bの領域が中間層23aの下部に位置するまで、電流を印加する。第2磁区21bが中間層23aの下部に位置するので、中間層23aは、第2磁区21bと同じ方向の磁化方向を有する。
【0051】
図4Hに示すように、電極E1及び電極E3をONに設定し、電極E2はOFFに設定する。そして、電極E3から電極E1の方向に電流を印加すれば、電子は、電極E1から電極E3の方向に移動し、結果的に、書き込みトラック21の第2磁区21bは、中間層23aを通じて第1情報保存トラック22aに領域が拡張される。結果的に、第1情報保存トラック22aに第2磁区21bと同じ磁化方向を有する磁区が形成される。
【0052】
前述した方法により、情報保存トラック22の所望の領域には、所定の磁化方向を有する磁区を形成でき、これは、情報を保存することを意味する。
【0053】
図5Aないし図5Gを参照して、本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の読み取り原理について詳細に説明する。
【0054】
図5Aに示すように、書き込みトラック21上に書き込みトラック21と交差する方向に形成された情報保存トラック22が形成されており、書き込みトラック21と情報保存トラック22との間及び情報保存トラック22同士の間には中間層23が形成されている。書き込みトラック21の下部には、磁気抵抗センサー24が形成されている。図5Aでは、図2Aに示したように10個のカラムが形成されており、それぞれのカラムには、5個の情報保存トラック22が形成されている。磁気抵抗センサー24には、磁気抵抗センサー24の抵抗値を読み取るための電極S1が形成されており、磁気抵抗センサー24の両側には、書き込みトラック21に電流を印加できる電極S2及びS3が形成されている。
【0055】
まず、情報を読み取ろうとする情報保存トラック22を選択する。図5A及び図5Bに示すように、磁気抵抗センサー24が形成された書き込みトラック21の右側領域にある第2情報保存トラック22bを選択する場合、電極E1から電極E2の方向に電流を印加する。書き込みトラック21には、異なる磁化方向を有する二つの磁区が形成されており、それらの磁区壁が電極S2の左側に移動するまで電極E1から電極E2の方向に電流を印加する。磁区壁を電極S2の左側に移動させる理由は、読み取り過程で書き込みトラック21内に異なる磁化方向を有する磁区を保存するためである。
【0056】
図5Bないし図5Dに示すように、電極S2と第2情報保存トラック22bの端部に形成された電極E4とをONに設定する。そして、電極S2から電極E4の方向に電流を印加する。電流が電極S2から電極E4の方向に流れるので、電子は、電極E4から電極S2の方向に移動する。これにより、第2情報保存トラック22bの磁区が中間層23を経て書き込みトラック21に移動する。参考までに、書き込みトラックの電極E1と電極S2との間には電流が流れないため、電極E1と電極S2との間の磁区の位置変化はないということが分かる。したがって、図5Aの書き込みトラック21の磁区壁Wの位置は変わらないということが分かる。
【0057】
図5E及び図5Fに示すように、第2情報保存トラック22bの磁区が磁気抵抗センサー24の位置に達すれば、電極S2をOFFに設定し、電極E1をONに設定する。そして、電極E1から電極E4の方向に電流を印加する。これにより、電子は、電極E4から電極E1の方向に流れ、電極E1と電極E4との間の磁区が電極E1の方向に移動する。磁区が磁気抵抗センサー24を通過しつつ磁区の磁化方向による磁気抵抗センサー24の抵抗変化を電極S1を通じて読み取ることによって、第2情報保存トラック22bの情報を読み取る。
【0058】
最後に、図5Gに示すように、電極E4から電極E1の方向に電流を印加することによって、磁区を書き込みトラック21から第2情報保存トラック22bに移動させる。または、図5Aないし図5Fと逆過程で電流を印加することによって、本来の状態に復帰させることによって情報の読み取り過程を終える。
【0059】
図6Aないし図6Eは、本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の読み取り原理を説明するための図面である。図5Aないし図5Gでは、書き込みトラック21の磁気抵抗センサー24の右側に位置した情報保存トラック22の情報を読み取る過程を示したが、ここでは、左側に位置した情報保存トラック22の情報を読み取る過程を示す。
【0060】
図6Aに示すように、書き込みトラック21の磁気抵抗センサー24の左側に形成された第3情報保存トラック22cの情報を読み取ろうとする場合、電極E1及び電極E2をONに設定した後、電極E2から電極E1の方向に電流を印加する。書き込みトラック21に形成された異なる磁化方向を有する二つの磁区間の磁区壁Wは、電極E2の方向に移動し、磁区壁Wが電極S3の右側に移動するまで電流を印加する。
【0061】
図6B及び図6Cに示すように、電極S3と第3情報保存トラック22cの端部に形成された電極E5とをONに設定する。そして、電極S3から電極E5の方向に電流を印加する。電極S3から電極E5の方向に電流を印加すれば、電子は、電極E5から電極S3の方向に流れる。これにより、第3情報保存トラック22cの磁区が中間層23を経て書き込みトラック21に移動する。書き込みトラック21の電極S3と電極E2との間には電流が流れないため、電極S3と電極E2との間の磁区の位置変化はなく、書き込みトラック21の磁区壁Wの位置は変わらないということが分かる。
【0062】
図6Dに示すように、第3情報保存トラック22cの磁区が磁気抵抗センサー24の位置に達すれば、電極S3をOFFに設定し、電極E2をONに設定する。そして、電極E2から電極E5の方向に電流を印加する。これにより、電子は、電極E5から電極E2の方向に流れ、電極E5と電極E2との間の磁区が電極E2の方向に移動する。第3情報保存トラック22cの磁区が磁気抵抗センサー24の上部の書き込みトラック21を移動しつつ、磁区の磁化方向による磁気抵抗センサー24の抵抗変化を電極S1を通じて読み取る。
【0063】
最後に、図6Eに示すように、電極E5から電極E2の方向に電流を印加することによって、磁区を書き込みトラック21から第3情報保存トラック22cに移動させる。または、図6Aないし図6Dと逆過程で電流を印加することによって、磁区を本来の位置に復帰させる。
【0064】
前述したように、本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の場合、情報の記録及び消去時に物理的に移動する構成要素がなく単純に電流の印加により駆動するということが分かる。すなわち、本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の場合、従来の磁気ヘッドのように部品の物理的な磨耗現象を基本的に防止できる構造になる。
【0065】
図7は、本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の設計上の一例を示す平面図である。図7に示すように、磁気抵抗センサー24は、書き込みトラック21の中心部に形成されており、磁気抵抗センサー24の位置を中心に情報保存トラック22が対称構造で形成されている。かかる構造は、設計上の一例を示すものであって、これに限定されず、前述したように、書き込みトラック21上のカラムの位置及び個数、一つのカラムに形成された情報保存トラック22の個数は制限されない。
【0066】
以上、多くの事項が具体的に記載されているが、それらは発明の範囲を限定するというより、望ましい実施形態の例示として解析されたい。例えば、本発明の半導体装置は、読み取り/書き込みヘッドをさらに備えるHDDのようなストレージ装置であってもよく、読み取り/書き込み電極をさらに備えるRAMのようなメモリ素子であってもよく、場合によってはロジック素子として使われる。したがって、本発明の範囲は、説明された実施形態により決まるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想により決まるものである。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、情報保存装置関連の技術分野に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1A】磁区壁の移動に関する基本原理を示す図面である。
【図1B】磁区壁の移動に関する基本原理を示す図面である。
【図1C】磁区壁の移動に関する基本原理を示す図面である。
【図2A】本発明の第1実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置を示す斜視図である。
【図2B】図2Aに示した本発明の第1実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の側断面図である。
【図3A】本発明の第2実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置を示す斜視図である。
【図3B】図3Aに示した本発明の第2実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の側断面図である。
【図4A】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【図4B】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【図4C】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【図4D】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【図4E】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【図4F】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【図4G】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【図4H】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【図5A】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の読み取り方法を説明するための図面である。
【図5B】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の読み取り方法を説明するための図面である。
【図5C】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の読み取り方法を説明するための図面である。
【図5D】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の読み取り方法を説明するための図面である。
【図5E】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の読み取り方法を説明するための図面である。
【図5F】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の読み取り方法を説明するための図面である。
【図5G】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の読み取り方法を説明するための図面である。
【図6A】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【図6B】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【図6C】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【図6D】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【図6E】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【図7】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の設計上の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0069】
11 第1磁区
12 第2磁区
13 磁区壁
21 書き込みトラック
22 情報保存トラック
23 中間層
24 磁気抵抗センサー
E1,E2,E3,E4,E5 電極
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報保存装置に係り、特に磁性物質の磁区壁の移動原理を利用して情報を記録、保存及び消去できる磁区壁の移動を利用した情報保存装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報産業が発達するにつれて、大容量の情報処理が要求されており、高容量の情報を保存できる情報記録媒体に関する需要が増加し続けている。需要の増加によって、情報保存速度が速く、かつ小型の情報記録媒体に関する研究が進められており、結果的に多様な種類の情報保存装置が開発された。一般的に情報記録媒体として広く使われるHDD(Hard Disk Drive)は、読み取り/書き込みヘッドと情報が記録される回転媒体とを備えており、100GB以上の高容量情報が保存されうる。しかし、HDDのように回転部分を有する保存装置は、磨耗する傾向があり、動作時に不具合が発生する可能性が高いため、信頼性が低下するという短所がある。
【0003】
最近では、磁性物質の磁区壁の移動原理を利用する新たなデータ保存装置に関する研究及び開発が行われている。
【0004】
図1Aないし図1Cは、磁区壁の移動原理を示す図面である。図1Aに示すように、第1磁区11、第2磁区12、及び第1磁区11と第2磁区12との境界である磁区壁13を備える磁性ワイヤーが開示されている。
【0005】
一般的に、磁性体を構成する磁気的な微小領域を磁区という。磁区内では、電子のスピン、すなわち磁気モーメントの方向が同じであるという特徴を有している。かかる磁区のサイズ及び磁化方向は、磁性材料の形態、サイズ及び外部エネルギーにより適切に制御される。磁区壁は、異なる磁化方向を有する磁区の境界部分を表すものである。かかる磁区壁は、磁性材料に印加される磁場または電流により移動できるという特徴がある。
【0006】
図1Aに示したように、所定の幅及び厚さを有する磁性層内に特定の方向を有する複数の磁区を生成した後、外部で磁場または電流を印加した場合、磁区壁が移動する。
【0007】
図1Bに示すように、第2磁区12から第1磁区11の方向に外部で磁場を加えれば、磁区壁13は、第2磁区12から第1磁区11の方向、すなわち外部磁場の印加方向と同じ方向に移動するということが分かる。同じ原理により、第1磁区11から第2磁区12の方向に磁場を印加する場合、磁区壁13は、第1磁区11から第2磁区12の方向に移動する。
【0008】
図1Cに示すように、第1磁区11から第2磁区12の方向に外部で電流を印加すれば、磁区壁13は、第2磁区12から第1磁区11の方向に移動する。電流を印加する場合、電子は、逆方向に流れ、磁区壁13は、電子の移動方向と共に移動する。すなわち、磁区壁は、外部電流の印加方向と逆方向に移動するということが分かる。同じ原理により、第2磁区12から第1磁区11の方向に電流を印加する場合、磁区壁13は、第1磁区11から第2磁区12の方向に移動する。
【0009】
結果的に、磁区壁は、外部磁場や電流の印加を通じて移動し、これは、磁区の移動を意味する。
【0010】
磁区壁の移動原理は、HDDや不揮発性RAMのような情報保存装置に適用される。すなわち、特定の方向に磁化された磁区及びそれらの境界である磁区壁を有する磁性物質において、磁区壁が移動するにつれて磁性物質内の電圧が変化する原理を利用して、‘0’または‘1’のデータを読み取り/書き込み可能な不揮発性メモリ素子を具現できる。この場合、ライン形態の磁性物質内に特定の電流を流れて、磁区壁の位置を変化させつつデータを読み取り/書き込み可能であるため、非常に簡単な構造を有する高集積素子の具現が可能である。したがって、磁区壁の移動原理を利用する場合、従来のFRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、MRAM(Magnetoresistive RAM)及びPRAM(Phase−change RAM)などに比べて非常に高い保存容量を有するメモリの製造が可能である。しかし、磁区壁の移動を利用した情報保存装置は、まだ開発初期段階にあり、概ね情報保存密度が低いという短所がある。したがって、高密度で最適化された構造を有する磁区壁の移動を利用したメモリ装置が要求される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、高い情報保存密度を有し、構造的に安定しており、記録媒体を回転させるなどの物理的移動が必要ないので、磨耗及び不具合現象を防止できる磁区壁の移動を利用した情報保存装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために、磁区壁の移動を利用した情報保存装置において、磁化方向を有する磁区が形成された書き込みトラックと、前記書き込みトラック上に形成され、中間層及び情報保存トラックを備えるカラム構造体と、を備える磁区壁の移動を利用した情報保存装置を提供する。
【0013】
本発明において、前記カラム構造体は、中間層及び情報保存トラックが交互に形成されたことを特徴とする。
【0014】
本発明において、前記情報保存トラックの方向は、前記書き込みトラックの方向と平行、直交または交差する方向であることを特徴とする。
【0015】
本発明において、前記書き込みトラック及び前記情報保存トラックは、単層または多層構造で形成されたことを特徴とする。
【0016】
本発明において、前記情報保存トラックの長さは、前記書き込みトラックの長さより短いことを特徴とする。
【0017】
本発明において、前記書き込みトラック及び前記情報保存トラックは、105J/m3ないし107J/m3の磁気異方性定数値を有する磁性物質で形成されたことを特徴とする。
【0018】
本発明において、前記書き込みトラック及び前記情報保存トラックは、CoPtまたはFePtのうち少なくともいずれか一つの物質を含んで形成されたことを特徴とする。
【0019】
本発明において、前記書き込みトラック及び前記情報保存トラックは、1ないし100nmの厚さに形成されたことを特徴とする。
【0020】
本発明において、前記書き込みトラック及び前記情報保存トラックは、10ないし500nmの幅に形成されたことを特徴とする。
【0021】
本発明において、前記中間層は、単層または多層構造で形成されたことを特徴とする。
本発明において、前記中間層は、102ないし103J/m3の磁気異方性定数を有する磁性物質で形成されたことを特徴とする。
【0022】
本発明において、前記中間層は、10ないし100nmの厚さに形成されたことを特徴とする。
【0023】
本発明において、前記中間層は、NiFeまたはCoFeのうちいずれか一つの物質で形成されたことを特徴とする。
【0024】
本発明において、前記カラム構造体は、中間層及び情報保存トラックが交互に形成され、前記情報保存トラックは、上部に形成された情報保存トラックの長さが下部に形成された情報保存トラックの長さより長いことを特徴とする。
【0025】
本発明において、前記カラム構造体の上部の情報保存トラックの長さは、下部の情報保存トラックの長さより長いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、次のような長所がある。
【0027】
第1に、情報保存装置の駆動時、HDDなどとは異なり、機構的に移動または接触させずに情報を保存及び再生できるので、機構的磨耗がなくてモバイル用として使用でき、超小型化できてテラビット/in2の高密度の情報保存装置を提供できる。
【0028】
第2に、構造が非常に簡単で量産に有利であり、再現性の確保に有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、添付された図面を参照して、本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置を詳細に説明する。図面に示した各層の厚さ及び幅は、説明のために多少誇張されていることには留意されたい。
【0030】
本発明では、第1方向に形成された書き込みトラックと、第2方向に形成された情報保存トラックと、前記書き込みトラックと前記情報保存トラックとの間及び前記情報保存トラック同士の間に形成された軟磁性中間層と、を備える情報保存装置を提供する。
【0031】
図2Aは、本発明の第1実施形態による磁区壁の移動を利用したメモリ装置を示す斜視図である。
【0032】
図2Aに示すように、メモリ装置は、第1方向に形成された書き込みトラック21と、書き込みトラック21と直交しており、第2方向に形成された複数の情報保存トラック22と、書き込みトラック21と情報保存トラック22との間及び情報保存トラック22の間に形成された中間層23と、を備える。そして、磁気抵抗センサー24が書き込みトラック21の下部に形成されている。代わりに、磁気抵抗センサー24は、書き込みトラック21の上部に形成されてもよい。情報保存トラック22は、書き込みトラック21上に多層構造で形成されるが、書き込みトラック21の同じ領域上に形成された中間層23及び情報保存トラック22を単位カラム構造体と定義する。
【0033】
図2Aでは、書き込みトラック21上に10個のカラムが形成されており、一つのカラムには、5個の情報保存トラック22が多層構造で形成されたことを示している。しかし、書き込みトラック21上に形成されるカラム数は制限されない。また、単位カラムに備えられる情報保存トラック22の個数も制限されない。
【0034】
図2Bは、図2Aに示した本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用したメモリ装置の側面図である。図2Bに示すように、書き込みトラック21上に中間層23と情報保存トラック22とが交互に形成されているということが分かる。情報保存トラック22は、いずれも5個が形成されており、上方へ行くほど長くなるということが分かる。これは、情報保存トラック22の端部に電流を印加する電極(図示せず)を形成しやすくする目的で情報保存トラック22の長さを調節したためである。情報保存トラック22の側方に電極を形成する場合には、情報保存トラック22の長さは制限されない。本発明において、情報保存トラック22の長さは、書き込みトラック21の長さより短いことが望ましい。その理由は、情報保存トラック22の情報は、磁区のスピン方向によって0または1と記録され、情報を読み取るために、情報保存トラック22の磁区を書き込みトラック21に移動させて磁気抵抗センサー24で読み取るためである。
【0035】
図3Aは、本発明の第2実施形態による磁区壁の移動を利用したメモリ装置を示す斜視図である。
【0036】
図3Aに示すように、メモリ装置は、第1方向に形成された書き込みトラック21と、書き込みトラック21と交差しており、第2方向に形成された複数の情報保存トラック22と、書き込みトラック21と情報保存トラック22との間及び情報保存トラック22同士の間に形成された中間層23と、を備える。そして、磁気抵抗センサー24は、書き込みトラック21の下部に形成されている。代わりに、磁気抵抗センサー24は、書き込みトラック21の上部に形成されてもよい。図2Aと同様に、情報保存トラック22は、書き込みトラック21上に多層構造で形成されるが、書き込みトラック21の同じ領域上に形成された中間層23及び情報保存トラック22をカラムという。図2Aでは、情報保存トラック22が書き込みトラック21に対して直交する構造で形成された実施形態を示したが、図3Aでは、情報保存トラック22が書き込みトラック21と交差する構造の実施形態を示した。また、情報保存トラック22は、書き込みトラック21と平行な方向に形成させることも可能である。
【0037】
図3Bは、図3Aに示した本発明の第2実施形態による磁区壁の移動を利用したメモリ装置の側面図である。図3Bに示すように、中間層23は、書き込みトラック21と情報保存トラック22との間及び情報保存トラック22同士の間に形成されているということが分かる。図2Bに示した構造のように、図3Bに示した構造でも、情報保存トラック22が上方へ行くほど長く形成されたということが分かる。情報保存トラック22の端部に電流を印加する電極(図示せず)を形成しやすくする目的で、情報保存トラック22の長さを調節したためであり、情報保存トラック22の側方に電極を形成する場合には、情報保存トラック22の長さは制限されない。情報保存トラック22の長さは、書き込みトラック21の長さより短いことが望ましい。
【0038】
以下、本発明の実施形態による情報保存装置の各層を形成する物質について詳細に説明する。
【0039】
書き込みトラック21及び情報保存トラック22は、情報保存密度を高めるために、高い磁気異方性エネルギー特性を有する物質を使用して形成させる。例えば、磁気異方性定数は105J/m3以上である物質であって、105J/m3ないし107J/m3の磁気異方性エネルギー定数を有する物質を使用することが望ましい。具体的には、垂直磁化特性を有するCoPt,FePtまたはそれらを含む合金物質がある。書き込みトラック21及び情報保存トラック23は、単層または多層構造で形成される。多層構造で形成する場合を例として挙げれば、MgO,B2O3,AgまたはCで第1層を形成し、その上部にCoPtまたはFePtで第2層を形成した後、再び第1層と第2層とを交互に積層する。書き込みトラック21及び情報保存トラック22の幅及び厚さは、使用環境によって調節可能であり、大きく制限されないが、幅は、10ないし500nmであることが望ましく、厚さは、1ないし100nmであることが望ましい。
【0040】
中間層23は、書き込みトラック21及び情報保存トラック22より低い磁気異方性定数を有する物質で形成されたものであって、単層または多層構造で形成される。中間層23は、103J/m3より小さい磁気異方性エネルギー定数を有する物質で形成され、さらに、102ないし103J/m3の磁気異方性エネルギー定数を有する物質で形成されることが望ましい。具体的には、NiFeまたはCoFeのような物質で形成される。中間層23の厚さは、10nm以上に形成され、10ないし100nmの厚さに形成されることが望ましい。
【0041】
磁気抵抗センサー24は、一般的にHDDのような磁気メモリ装置に使われる磁気抵抗センサーのように、GMR(Giant Magneto−Resistance)センサーまたはTMR(Tunneling Magneto−Resistance)センサーを使用できる。
【0042】
以下、本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の作動原理、すなわち情報の書き込み及び読み取り過程について詳細に説明する。
【0043】
図4Aないし図4Hは、本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【0044】
図4Aに示すように、書き込みトラック21上に書き込みトラック21と交差する方向に形成された情報保存トラック22が形成されており、書き込みトラック21と情報保存トラック22との間及び情報保存トラック22同士の間に中間層23が形成されている。情報保存トラックには、二つのカラムが形成されており、各カラムには、書き込みトラック21と交差する二つの情報保存トラック22が形成されているということが分かる。書き込みトラックの両側端部及び情報保存トラック22の端部には、電流を印加できる電極Eが形成されている。書き込みトラック21は、基本的に磁化方向の異なる第1磁区21a及び第2磁区21bが存在し、第1磁区21aと第2磁区21bとの境界には、磁区壁が存在する。第1磁区21aの磁化方向が上方であれば、第2磁区21bの磁化方向は下方であり、それぞれ“0”または“1”の情報と認識される。
【0045】
図4Bに示すように、情報保存トラック22のうち、情報を記録する特定のトラックを選択する。例えば、22aで表示された情報保存トラックを選択する。以下では、この情報保存トラックを第1情報保存トラック22aと称する。第1情報保存トラック22aに対して第1磁区21aと同じ磁化方向を有する磁区を形成するために、まず、書き込みトラック21の両側部の電極E1及びE2をONに設定する。第1情報保存トラック22aの電極E3は、OFFに設定する。
【0046】
図4Cに示すように、電極E1の方向から電極E2の方向に電流を印加すれば、電子は、電極E2から電極E1の方向に流れる。したがって、第1磁区21aと第2磁区21bとの間の磁区壁は、電子の流れによって電極E2から電極E1の方向に移動する。
【0047】
図4Dに示すように、書き込みトラック21の第1磁区21aと第2磁区21bとの間の磁区壁が第1情報保存トラック22aと書き込みトラック21との間の中間層23aを通過するまで、電極E1及び電極E2を通じて電流を印加する。これにより、第1磁区21aが中間層23aの下部に位置する。第1磁区21aが中間層23aの下部に位置すれば、中間層23aは、第1磁区21aの影響により第1磁区21aと同じ磁化方向を有する。
【0048】
図4Eに示すように、電極E1をOFFに設定し、電極E2及び電極E3をONに設定する。図4Fに示すように、電極E3から電極E2の方向に電流を印加する。電子は、電極E2から電極E3の方向に流れ、したがって、第1磁区21aが中間層23aを通じて第1情報保存トラック22aに拡張される。
【0049】
次いで、書き込みトラック21の第2磁区21bと同じ磁化方向を有する磁区を第1情報保存トラック22aに形成する過程を説明する。
【0050】
図4Gに示すように、電極E1及び電極E2をONに設定し、電極E2から電極E1の方向に電流を印加する。これにより、電極E1から電極E2の方向に電子が流れ、書き込みトラック21の第2磁区21bと第1磁区21aとの間の磁区壁が電極E2の方向に移動する。第2磁区21bの領域が中間層23aの下部に位置するまで、電流を印加する。第2磁区21bが中間層23aの下部に位置するので、中間層23aは、第2磁区21bと同じ方向の磁化方向を有する。
【0051】
図4Hに示すように、電極E1及び電極E3をONに設定し、電極E2はOFFに設定する。そして、電極E3から電極E1の方向に電流を印加すれば、電子は、電極E1から電極E3の方向に移動し、結果的に、書き込みトラック21の第2磁区21bは、中間層23aを通じて第1情報保存トラック22aに領域が拡張される。結果的に、第1情報保存トラック22aに第2磁区21bと同じ磁化方向を有する磁区が形成される。
【0052】
前述した方法により、情報保存トラック22の所望の領域には、所定の磁化方向を有する磁区を形成でき、これは、情報を保存することを意味する。
【0053】
図5Aないし図5Gを参照して、本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の読み取り原理について詳細に説明する。
【0054】
図5Aに示すように、書き込みトラック21上に書き込みトラック21と交差する方向に形成された情報保存トラック22が形成されており、書き込みトラック21と情報保存トラック22との間及び情報保存トラック22同士の間には中間層23が形成されている。書き込みトラック21の下部には、磁気抵抗センサー24が形成されている。図5Aでは、図2Aに示したように10個のカラムが形成されており、それぞれのカラムには、5個の情報保存トラック22が形成されている。磁気抵抗センサー24には、磁気抵抗センサー24の抵抗値を読み取るための電極S1が形成されており、磁気抵抗センサー24の両側には、書き込みトラック21に電流を印加できる電極S2及びS3が形成されている。
【0055】
まず、情報を読み取ろうとする情報保存トラック22を選択する。図5A及び図5Bに示すように、磁気抵抗センサー24が形成された書き込みトラック21の右側領域にある第2情報保存トラック22bを選択する場合、電極E1から電極E2の方向に電流を印加する。書き込みトラック21には、異なる磁化方向を有する二つの磁区が形成されており、それらの磁区壁が電極S2の左側に移動するまで電極E1から電極E2の方向に電流を印加する。磁区壁を電極S2の左側に移動させる理由は、読み取り過程で書き込みトラック21内に異なる磁化方向を有する磁区を保存するためである。
【0056】
図5Bないし図5Dに示すように、電極S2と第2情報保存トラック22bの端部に形成された電極E4とをONに設定する。そして、電極S2から電極E4の方向に電流を印加する。電流が電極S2から電極E4の方向に流れるので、電子は、電極E4から電極S2の方向に移動する。これにより、第2情報保存トラック22bの磁区が中間層23を経て書き込みトラック21に移動する。参考までに、書き込みトラックの電極E1と電極S2との間には電流が流れないため、電極E1と電極S2との間の磁区の位置変化はないということが分かる。したがって、図5Aの書き込みトラック21の磁区壁Wの位置は変わらないということが分かる。
【0057】
図5E及び図5Fに示すように、第2情報保存トラック22bの磁区が磁気抵抗センサー24の位置に達すれば、電極S2をOFFに設定し、電極E1をONに設定する。そして、電極E1から電極E4の方向に電流を印加する。これにより、電子は、電極E4から電極E1の方向に流れ、電極E1と電極E4との間の磁区が電極E1の方向に移動する。磁区が磁気抵抗センサー24を通過しつつ磁区の磁化方向による磁気抵抗センサー24の抵抗変化を電極S1を通じて読み取ることによって、第2情報保存トラック22bの情報を読み取る。
【0058】
最後に、図5Gに示すように、電極E4から電極E1の方向に電流を印加することによって、磁区を書き込みトラック21から第2情報保存トラック22bに移動させる。または、図5Aないし図5Fと逆過程で電流を印加することによって、本来の状態に復帰させることによって情報の読み取り過程を終える。
【0059】
図6Aないし図6Eは、本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の読み取り原理を説明するための図面である。図5Aないし図5Gでは、書き込みトラック21の磁気抵抗センサー24の右側に位置した情報保存トラック22の情報を読み取る過程を示したが、ここでは、左側に位置した情報保存トラック22の情報を読み取る過程を示す。
【0060】
図6Aに示すように、書き込みトラック21の磁気抵抗センサー24の左側に形成された第3情報保存トラック22cの情報を読み取ろうとする場合、電極E1及び電極E2をONに設定した後、電極E2から電極E1の方向に電流を印加する。書き込みトラック21に形成された異なる磁化方向を有する二つの磁区間の磁区壁Wは、電極E2の方向に移動し、磁区壁Wが電極S3の右側に移動するまで電流を印加する。
【0061】
図6B及び図6Cに示すように、電極S3と第3情報保存トラック22cの端部に形成された電極E5とをONに設定する。そして、電極S3から電極E5の方向に電流を印加する。電極S3から電極E5の方向に電流を印加すれば、電子は、電極E5から電極S3の方向に流れる。これにより、第3情報保存トラック22cの磁区が中間層23を経て書き込みトラック21に移動する。書き込みトラック21の電極S3と電極E2との間には電流が流れないため、電極S3と電極E2との間の磁区の位置変化はなく、書き込みトラック21の磁区壁Wの位置は変わらないということが分かる。
【0062】
図6Dに示すように、第3情報保存トラック22cの磁区が磁気抵抗センサー24の位置に達すれば、電極S3をOFFに設定し、電極E2をONに設定する。そして、電極E2から電極E5の方向に電流を印加する。これにより、電子は、電極E5から電極E2の方向に流れ、電極E5と電極E2との間の磁区が電極E2の方向に移動する。第3情報保存トラック22cの磁区が磁気抵抗センサー24の上部の書き込みトラック21を移動しつつ、磁区の磁化方向による磁気抵抗センサー24の抵抗変化を電極S1を通じて読み取る。
【0063】
最後に、図6Eに示すように、電極E5から電極E2の方向に電流を印加することによって、磁区を書き込みトラック21から第3情報保存トラック22cに移動させる。または、図6Aないし図6Dと逆過程で電流を印加することによって、磁区を本来の位置に復帰させる。
【0064】
前述したように、本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の場合、情報の記録及び消去時に物理的に移動する構成要素がなく単純に電流の印加により駆動するということが分かる。すなわち、本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の場合、従来の磁気ヘッドのように部品の物理的な磨耗現象を基本的に防止できる構造になる。
【0065】
図7は、本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の設計上の一例を示す平面図である。図7に示すように、磁気抵抗センサー24は、書き込みトラック21の中心部に形成されており、磁気抵抗センサー24の位置を中心に情報保存トラック22が対称構造で形成されている。かかる構造は、設計上の一例を示すものであって、これに限定されず、前述したように、書き込みトラック21上のカラムの位置及び個数、一つのカラムに形成された情報保存トラック22の個数は制限されない。
【0066】
以上、多くの事項が具体的に記載されているが、それらは発明の範囲を限定するというより、望ましい実施形態の例示として解析されたい。例えば、本発明の半導体装置は、読み取り/書き込みヘッドをさらに備えるHDDのようなストレージ装置であってもよく、読み取り/書き込み電極をさらに備えるRAMのようなメモリ素子であってもよく、場合によってはロジック素子として使われる。したがって、本発明の範囲は、説明された実施形態により決まるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想により決まるものである。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、情報保存装置関連の技術分野に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1A】磁区壁の移動に関する基本原理を示す図面である。
【図1B】磁区壁の移動に関する基本原理を示す図面である。
【図1C】磁区壁の移動に関する基本原理を示す図面である。
【図2A】本発明の第1実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置を示す斜視図である。
【図2B】図2Aに示した本発明の第1実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の側断面図である。
【図3A】本発明の第2実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置を示す斜視図である。
【図3B】図3Aに示した本発明の第2実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の側断面図である。
【図4A】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【図4B】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【図4C】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【図4D】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【図4E】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【図4F】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【図4G】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【図4H】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【図5A】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の読み取り方法を説明するための図面である。
【図5B】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の読み取り方法を説明するための図面である。
【図5C】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の読み取り方法を説明するための図面である。
【図5D】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の読み取り方法を説明するための図面である。
【図5E】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の読み取り方法を説明するための図面である。
【図5F】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の読み取り方法を説明するための図面である。
【図5G】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の読み取り方法を説明するための図面である。
【図6A】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【図6B】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【図6C】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【図6D】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【図6E】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の情報の書き込み方法を説明するための図面である。
【図7】本発明の実施形態による磁区壁の移動を利用した情報保存装置の設計上の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0069】
11 第1磁区
12 第2磁区
13 磁区壁
21 書き込みトラック
22 情報保存トラック
23 中間層
24 磁気抵抗センサー
E1,E2,E3,E4,E5 電極
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁区壁の移動を利用した情報保存装置において、
磁化方向を有する磁区が形成された書き込みトラックと、
前記書き込みトラック上に形成され、中間層及び情報保存トラックを備えるカラム構造体と、を備えることを特徴とする磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項2】
前記カラム構造体は、中間層及び情報保存トラックが交互に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項3】
前記情報保存トラックの方向は、前記書き込みトラックの方向と平行、直交または交差する方向であることを特徴とする請求項1に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項4】
前記書き込みトラック及び前記情報保存トラックは、単層または多層構造で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項5】
前記情報保存トラックの長さは、前記書き込みトラックの長さより短いことを特徴とする請求項1に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項6】
前記書き込みトラック及び前記情報保存トラックは、105J/m3ないし107J/m3の磁気異方性エネルギー定数値を有する磁性物質で形成されたことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項7】
前記書き込みトラック及び前記情報保存トラックは、CoPtまたはFePtのうち少なくともいずれか一つの物質を含んで形成されたことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項8】
前記書き込みトラック及び前記情報保存トラックは、1ないし100nmの厚さに形成されたことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項9】
前記書き込みトラック及び前記情報保存トラックは、10ないし500nmの幅に形成されたことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項10】
前記中間層は、単層または多層構造で形成されたことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項11】
前記中間層は、102ないし103J/m3の磁気異方性エネルギー定数を有する磁性物質で形成されたことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項12】
前記中間層は、10ないし100nmの厚さに形成されたことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項13】
前記中間層は、NiFeまたはCoFeのうちいずれか一つの物質で形成されたことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項14】
前記書き込みトラックに形成された磁気抵抗センサーを備えることを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項15】
前記カラム構造体は、中間層及び情報保存トラックが交互に形成され、前記情報保存トラックは、上部に形成された情報保存トラックの長さが下部に形成された情報保存トラックの長さより長いことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項1】
磁区壁の移動を利用した情報保存装置において、
磁化方向を有する磁区が形成された書き込みトラックと、
前記書き込みトラック上に形成され、中間層及び情報保存トラックを備えるカラム構造体と、を備えることを特徴とする磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項2】
前記カラム構造体は、中間層及び情報保存トラックが交互に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項3】
前記情報保存トラックの方向は、前記書き込みトラックの方向と平行、直交または交差する方向であることを特徴とする請求項1に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項4】
前記書き込みトラック及び前記情報保存トラックは、単層または多層構造で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項5】
前記情報保存トラックの長さは、前記書き込みトラックの長さより短いことを特徴とする請求項1に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項6】
前記書き込みトラック及び前記情報保存トラックは、105J/m3ないし107J/m3の磁気異方性エネルギー定数値を有する磁性物質で形成されたことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項7】
前記書き込みトラック及び前記情報保存トラックは、CoPtまたはFePtのうち少なくともいずれか一つの物質を含んで形成されたことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項8】
前記書き込みトラック及び前記情報保存トラックは、1ないし100nmの厚さに形成されたことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項9】
前記書き込みトラック及び前記情報保存トラックは、10ないし500nmの幅に形成されたことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項10】
前記中間層は、単層または多層構造で形成されたことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項11】
前記中間層は、102ないし103J/m3の磁気異方性エネルギー定数を有する磁性物質で形成されたことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項12】
前記中間層は、10ないし100nmの厚さに形成されたことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項13】
前記中間層は、NiFeまたはCoFeのうちいずれか一つの物質で形成されたことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項14】
前記書き込みトラックに形成された磁気抵抗センサーを備えることを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【請求項15】
前記カラム構造体は、中間層及び情報保存トラックが交互に形成され、前記情報保存トラックは、上部に形成された情報保存トラックの長さが下部に形成された情報保存トラックの長さより長いことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載の磁区壁の移動を利用した情報保存装置。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図4H】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図4H】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7】
【公開番号】特開2008−78650(P2008−78650A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−239836(P2007−239836)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FRAM
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FRAM
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】
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