説明

移動体用測位装置及びカーナビゲーション装置

【課題】測位精度を維持しながら省電力化が可能な移動体用測位装置を提供する。
【解決手段】GPS受信器10で、GPS衛星から送信される信号を受信し、受信した信号に基づいて車両の現在位置を検出する。制御部40では、車速センサ20により検出した車両の走行速度と方位センサ30で検出した車両の方位に基づいて、車両の現在位置を推測する。推測した車両の現在位置をGPS受信器10により検出した車両の現在位置に基づいて補正した後、GPS受信器10の電源をオフし、その時点から、車速センサ20の車速検出誤差及び方位センサ30の方位検出誤差のうち少なくとも1つの誤差の時間経過に伴う累積値に基づき、車両の推測現在位置の誤差を算出し、誤差が予め設定した許容範囲を超えたときに、GPS受信器10の電源をオンして、車両の推測現在位置をGPS受信器10により検出した車両の現在位置に基づいて補正するという動作を繰り返す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の位置を測定する移動体用測位装置及びそれを用いたカーナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カーナビゲーション装置に用いられる測位装置は、車両の車速を検出する車速センサと車両の走行している方位を検出するジャイロセンサとを組合せ、車両の車速と方位から推測航法により車両位置を決定しつつ、衛星測位用受信器(GPS受信器)から得られた現在位置に基づいて、車両位置を補正する測位方法をとることが一般的である。
【0003】
ところが、車速センサとジャイロセンサを組み合わせた推測航法では、車速センサの車速検出誤差やジャイロセンサの方位検出誤差が時間の経過とともに蓄積して、その測位精度が低下するという問題がある。そのため、絶対値座標が取得でき、測位誤差が蓄積しないGPS受信器から得られる現在位置により、推測航法の誤差を補正するのである。
【0004】
逆に、GPS受信器単独の測位では、例えば、ビル群の中を走行したりすると、マルチパスの影響を強く受けその測位精度は大きく変動するというように、車両の走行環境の影響を強く受けて測位精度が大きく変動するという問題がある。そのため、車速センサとジャイロセンサによる推測航法により車両の軌跡を算出し、GPSにより補正する方法をとることが一般的となっているのである。
【0005】
ところで、近年車載機器の省電力化が要求されており、カーナビゲーション装置においても測位精度を維持しながら省電力化を図ることが必要となってきた。
このため、GPS受信器以外の車速センサやジャイロセンサによって、車両が停止していることが検出された場合にGPS受信器の電源をオフすることで省電力化を図るようにしたカーナビゲーション装置がある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表平8−512163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上記カーナビゲーション装置では、車両が停止する期間が長かったり、停止状態が頻発するとGPS受信器の電源がオフとなり続けたりするため、GPS受信器から車両位置を受信できず、逆に、車両が停止しないで走行し続けた場合には、GPS受信器の電源がほとんどオフにならず省電力化を図れないという問題がある。
【0008】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、測位精度を維持しながら省電力化が可能な移動体用測位装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この欄においては、発明に対する理解を容易にするため、必要に応じて「発明を実施するための形態」欄において用いた符号を付すが、この符号によって請求の範囲を限定することを意味するものではない。
【0010】
上記「発明が解決しようとする課題」において述べた問題を解決するためになされた発明は、GNSS受信器(10)、車速検出手段(20)、方位検出手段(30)、位置推測手段(40)、誤差算出手段(40)及び制御手段(40)を備えた移動体用測位装置(5)である。
【0011】
GNSS受信器(10)は、移動体に搭載され、GNSS衛星から送信される信号を受信し、受信した信号に基づいて移動体の現在位置を検出し、車速検出手段(20)は、移動体の走行速度を検出する。また、方位検出手段(30)は、移動体の走行している方位を検出する。
【0012】
位置推測手段(40)は、車速検出手段(20)により検出した移動体の走行速度と方位検出手段(30)で検出した移動体の方位に基づいて、移動体の現在位置を推測し、誤差算出手段(40)は、位置推測手段(40)で推測した移動体の現在位置の誤差を、車速検出手段(20)の車速検出誤差及び方位検出手段(30)の方位検出誤差のうち少なくとも1つの誤差の時間経過に伴う累積値に基づき算出する。
【0013】
ここで、「車速検出手段(20)の車速検出誤差及び方位検出手段(30)の方位検出誤差のうち少なくとも1つの誤差の時間経過に伴う累積値に基づき」とは、車速検出誤差の時間経過に伴う累積値又は方位検出誤差の時間経過に伴う累積値やそれらの2つの値のうち大きいもの又は小さいもの、或いは、車速検出誤差及び方位検出誤差の両方の時間経過に伴う累積値のベクトル和や平方和などを意味している。
【0014】
また、「車速検出誤差」及び「方位検出誤差」とは、ノイズやバイアス電圧など、真の値に対する車速検出手段(20)や方位検出手段(40)の固有の検出誤差を意味している。
【0015】
制御手段(40)は、位置推測手段(40)により推測された移動体の現在位置をGNSS受信器(10)により検出した移動体の現在位置に基づいて補正した後、GNSS受信器(10)の電源をオフし、その後、誤差算出手段(40)による位置推測手段(40)で推測した移動体の現在位置の誤差が予め設定した許容範囲内であるか否かを判定する。
【0016】
そして、誤差が予め設定した許容範囲内である場合には、GNSS受信器(10)の電源をオフし続け、誤差が予め設定した許容範囲を超えたときに、GNSS受信器(10)の電源をオンして、位置推測手段(40)により推測された移動体の現在位置をGNSS受信器(10)により検出した移動体の現在位置に基づいて補正するという動作を繰り返す。
【0017】
したがって、予め設定する許容範囲を所望の値にしておけば、測位精度も所望の値に維持することができる。また、誤差算出手段(40)で算出した、移動体の現在位置の誤差が予め設定した許容範囲内である場合には、GNSS受信器(10)の電源はオフし続けることになるので、省電力化が可能となる。つまり、測位精度を維持しながら省電力化が可能な移動体用測位装置(5)とすることができる。
【0018】
なお、「GNSS」とは、Global Navigation Satellite Systemの略であり、GPS(米国)、GALILEO(欧州)、CLONASS(ロシア)、準天頂衛星(日本)など測位衛星の総称である。
【0019】
ところで、GNSS受信器(10)の電源をオフする場合、GNSS受信器(10)全体の電源をオフした場合には、省電力の効果は大きいものの、再度電源をオンしたときにGNSS衛星からの信号を受信して測位を開始するまでに比較的長い時間が必要となる。
【0020】
つまり、移動体の位置を補正するために長時間を要することになり、適切なタイミングで補正がなされず、一時的に測位精度が低下することが考えられる。
そこで、請求項2に記載のように、GNSS受信器(10)を、GNSS衛星からの電波を受信する受信アンテナ(11)と、受信アンテナ(11)で受信した電波を信号処理に適した周波数の信号に変換して出力するフロントエンド部(12)と、フロントエンド部(12)からの出力信号を信号処理してデータとして出力するベースバンド部(13)と、ベースバンド部(13)から出力されるデータに基づき測位処理を行う測位処理部(14)と、フロントエンド部(12)を作動させるためのフロントエンドクロック信号を発生させる第1クロック信号発生手段(15)と、測位処理部(14)の待機時の電流低減と測位時間短縮のためのリアルタイムクロック信号を発生させる第2クロック信号発生手段(16)と、測位処理部(14)を作動させるための、リアルタイムクロック信号よりも周波数が高い基準クロック信号発生させる第3クロック信号発生手段(17)と、を備えるように構成する。
【0021】
そして、制御手段(40)では、GNSS受信器(10)の電源をオフする際に、フロントエンド部(12)及びベースバンド部(13)に供給する電源をオフするとともに、第1クロック信号発生手段(15)及び第2クロック信号発生手段(16)に供給する電源をオフすることにより、フロントエンドクロック信号及びリアルタイムクロック信号を停止させ、第3クロック信号発生手段(17)には電源を供給し続けて、測位処理部(14)に基準クロック信号を入力し続けるようにするとよい。
【0022】
このようにすると、GNSS受信器(10)の電源を再度オンしたときにGNSS衛星からの信号を受信して測位を開始するまでの時間を短縮することができるので、移動体の位置を補正するための時間が短くなる。したがって、適切なタイミングで補正を行うことができるので、一時的に測位精度が低下する状況が発生しなくなる。
【0023】
さらに詳細に説明すると、GNSS受信器(10)の測位処理部(14)には、測位処理部(14)を作動させるための基準クロック信号発生と、測位処理部(14)の待機時の電流低減と測位時間短縮のためのリアルタイムクロック信号と、が必要とされる。
【0024】
この2つのクロック信号のうち、基準クロックのみを入力し続けていれば、リアルタイムクロック信号やフロントエンド部(12)を作動させるためのフロントエンドクロック信号を停止させたり、フロントエンド部(12)或いはベースバンド部(13)に供給する電源をオフした場合であっても、それらのクロック信号の入力を再開したり、電源を再度オンしたりした場合に、GNSS衛星からの信号を受信して測位を開始するまでの時間を短縮することができるのである。
【0025】
請求項3に記載の発明は、移動体としての車両に搭載した請求項1又は請求項2に記載の移動体用測位装置(5)と、画像を表示するための表示手段(50)と、使用者が車両の目的地を設定するための目的地設定手段(60)と、車両の経路案内に用いる地図データを格納した地図データ格納手段(70)と、移動体用測位装置(5)で得られた車両の現在位置と地図データに基づいて、目的地設定手段(60)で設定された目的地までの車両の経路案内を行う経路案内手段(80)と、経路案内手段(80)により実行された経路案内中の車両の位置を、地図データ格納手段(70)に格納されている地図データ上に重畳させて表示手段(50)に表示させる表示制御手段(80)と、を備えたことを特徴とするカーナビゲーション装置(1)である。
【0026】
このようなカーナビゲーション装置(1)では、請求項1又は請求項2に記載の移動体用測位装置(5)の特徴を有するカーナビゲーション装置(1)とすることができる。
また、請求項4に記載のように、表示制御手段(80)は、移動体用測位装置(5)により得られた車両の現在位置を地図データ格納手段(70)に格納された地図データ上にマップマッチングさせて表示手段(50)に表示させ、
移動体用測位装置(5)の制御手段(40)は、誤差算出手段(40)による位置推測手段(40)で推測する移動体の現在位置の誤差として予め設定した許容範囲を複数有し、
補正後の移動体としての車両の現在位置が、地図データ格納手段(70)に格納された地図データにおける複数の道路上に存在する確率を算出し、算出した確率の高さに応じて、予め設定した複数の許容範囲のうち小さい方から選択するようにするとよい。
【0027】
ここで、「算出した確率の高さに応じて、予め設定した複数の許容範囲のうち小さい方から許容範囲を選択する」とは、例えば、地図データにおける複数の道路上に存在する確率の範囲を予め高確率から低確率まで段階的に決めておき、算出した地図データにおける複数の道路上に存在する確率が最も高い範囲に入る場合には、予め設定した複数の許容範囲のうち最も小さい範囲を選択し、確率が最も低い範囲に入る場合には、最も大きな範囲を選択することを意味している。
【0028】
つまり、地図データにおける複数の道路上に存在する確率が高いほど、許容範囲を小さく(換言すれば許容範囲を厳しく)するのである。
このようにすると、例えば、地図データ上の現在位置の形状が狭角分岐や碁盤目状である場合には、車両の現在位置が地図データ格納手段(70)に格納された地図データにおける複数の道路上に存在する確率が高くなる。逆に、分岐や交差がない一本道のような場合には、複数の道路上に存在する確率が低くなる。
【0029】
そこで、地図データにおける複数の道路上に存在する確率が高いほど、許容範囲を厳しくすれば、カーナビゲーション装置(1)の測位精度を向上させることができる。
逆に、確率が低くなるに従って許容範囲を大きく(緩やかに)すれば、測位精度を所定の精度に保ちつつ、電源をオフすることができる期間を長くすることができるので、カーナビゲーション装置(1)の消費電力低減効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】カーナビゲーション装置の概略の構成を示すブロック図である。
【図2】GPS受信器の概略の構成を示すブロック図である。
【図3】制御部で実行される測位処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】推測現在位置の誤差が許容範囲を超えているか否かの基本的な判定方法についての説明図である。
【図5】マップマッチング確率により許容範囲を変化させたときの推測現在位置の誤差が許容範囲を超えているか否かの判定方法についての説明図である。
【図6】測位処理部に供給されるクロック信号と再衛星捕捉時間の関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0032】
図1は、本発明が適用されたカーナビゲーション装置1の概略の構成を示すブロック図であり、図2は、GPS受信器10の概略の構成を示すブロック図である。
カーナビゲーション装置1は、図1に示すように、車両用測位装置5、表示装置50、目的地設定部60、地図データ格納部70及びナビゲーション部80を備えている。
【0033】
表示装置50は、画像を表示するためのものであり、LEDパネルや有機ELパネル、或いは、CRTを用いたディスプレイである。
目的地設定部60は、使用者が車両の目的地を設定するための装置であり、表示装置50の画面の表面に配置されたフィルム状のタッチセンサや画面の周囲に配置された押しボタンなどで構成されている。
【0034】
地図データ格納部70は、車両の経路案内に用いる地図データを格納した記憶装置であり、HDD、DVD、CD−ROMなどに記憶された地図データを読み出すことができるものである。
【0035】
ナビゲーション部80は、図示しないCPU、ROM、RAM及びI/Oを備えており、ROMに格納されたプログラムにより、以下の(ア)、(イ)に示すナビゲーション処理を実行する。
【0036】
(ア)車両用測位装置5で得られた車両の現在位置と地図データに基づいて、目的地設定部60で設定された目的地までの車両の経路案内を行う(経路案内処理)。
(イ)経路案内処理により実行される経路案内中の車両の位置を、地図データ格納部70に格納されている地図データ上に重畳させて画像として表示装置50に表示させる(表示制御処理)。
【0037】
(ウ)車両の位置を地図データ上に重畳させる際、車両用測位装置5により得られた車両の現在位置を地図データにおける道路上にマップマッチングさせて、表示装置50に表示させる。
【0038】
なお、これらの経路案内処理、表示制御処理及びマップマッチング処理における処理内容については、周知の処理であるため、その詳細な説明は省略する。
車両用測位装置5は、GPS受信器10、車速センサ20、方位センサ30及び制御部40を備えている。
【0039】
GPS受信器10は、車両に搭載され、複数(通常4個)のGPS衛星から送信される信号を受信し、受信した信号に基づいて車両の現在位置を検出する装置である。
車速センサ20は、車両の走行速度を検出するセンサであり、車軸に取り付けたパルス発生器から出力される単位時間当たりのパルス数から車軸の回転速度を検出し、検出した回転速度から車両の速度を算出したり、車軸の回転速度に比例する電圧を発生させるジェネレータの出力電圧から速度を算出したりする。
【0040】
方位センサ30は、車両の走行している方位を検出するセンサであり、図示しない機械式ジャイロセンサ或いはリングレーザジャイロなどの光学ジャイロセンサなどで検出された角速度と、図示しない角加速度センサで検出された角加速度から、以下に示す式1により、方位角ψを算出して出力する。
【0041】
【数1】

【0042】
ここで、
a:ジャイロ感度
t:経過時間
cosθ:角加速度センサによる補正
b:ジャイロのオフセット電圧
次にGPS受信器10の詳細について説明する。
【0043】
GPS受信器10は、図2に示すように、受信アンテナ11、フロントエンド部12、ベースバンド部13、測位処理部14、第1クロック信号発生器15、第2クロック信号発生器16及び第3クロック信号発生器17を備えている。
【0044】
受信アンテナ11は、複数(通常4個)のGPS衛星から送信される1575.42MHzの周波数の電波を受信するためのアンテナであり、パッチアンテナ、フィルムアンテナなど車両に搭載が容易なアンテナである。
【0045】
フロントエンド部12は、受信アンテナ11で受信した電波を信号処理に適した周波数の信号に変換して出力する高周波回路であり、受信アンテナ11で受信したGPS衛星からの1575.42MHzの周波数の電波を、スーパへテロダイン方式などにより中間周波数に変換して、ベースバンド部13に出力する。
【0046】
また、フロントエンド部12には、フロントエンド部12に供給する電源をオン/オフするFE電源スイッチ12aが設けられている。
ベースバンド部13は、フロントエンド部12からの出力信号を信号処理してデータとして出力する回路であり、出力されるデータとしては、クロック補正情報、軌道情報(エフェメリスやアルマナック)や電離遅延補正係数などの航法メッセージなどがある。
【0047】
また、ベースバンド部13には、ベースバンド部13に供給する電源をオン/オフするBB電源スイッチ13aが設けられている。
測位処理部14は、ベースバンド部13から出力されるデータに基づき測位処理を行う。GPS受信器10の測位処理部14における測位処理の内容については、一般的な処理内容であり、周知であるため、その詳細な説明は省略する。
【0048】
第1クロック信号発生器15は、フロントエンド部12を作動させるためのフロントエンドクロック信号を発生させる発振器であり、第2クロック信号発生器16は、測位処理部14の待機時の電流低減と測位時間短縮のためのリアルタイムクロック信号を発生させる発振器である。また、第3クロック信号発生器17は、測位処理部14を作動させるための、リアルタイムクロック信号よりも周波数が高い基準クロック信号を発生させる発振器である。
【0049】
また、第1クロック信号発生器15〜第3クロック信号発生器17には、各クロック発生器15〜17に供給する電源をオン/オフする第1スイッチ15a〜第3スイッチ17aが設けられている。
【0050】
制御部40は、図示しないCPU、ROM、RAM及びI/Oを備え、ROMに格納されたプログラムにより、以下の(エ)〜(コ)に示す制御処理を実行する。
(エ)車速センサ20により検出した車両の走行速度と方位センサ30で検出した車両の方位に基づいて、車両の現在位置を推測する(位置推測処理)。
【0051】
(オ)車速センサ20の車速検出誤差及び方位センサ30の方位検出誤差のうち少なくとも1つの誤差の時間経過に伴う累積値に基づき、位置推測処理で推測した車両の現在位置の誤差を算出する(誤差算出処理)。
【0052】
(カ)位置推測処理により推測された車両の現在位置(以下、推測現在位置とも呼ぶ)をGPS受信器10により検出した車両の現在位置に基づいて補正する(位置誤差補正処理)
(キ)その後、GPS受信器10の電源をオフする(電源オフ処理)。GPS受信器10の電源をオフする際には、フロントエンド部12及びベースバンド部13に供給する電源をオフするとともに、第1クロック信号発生器15及び第2クロック信号発生器16に供給する電源をオフすることにより、フロントエンドクロック信号及びリアルタイムクロック信号を停止させる。
【0053】
(ク)GPS受信器10の電源オフ時を開始点として、位置推測処理で推測した車両の現在位置の誤差が、予め設定した許容範囲内であるか否かを判定する(判定処理)。このとき、車両の現在位置の誤差として予め設定した許容範囲を複数有し、補正後の車両の現在位置が、地図データ格納部70に格納された地図データにおける複数の道路上に存在する確率をマップマッチングにより算出し、該算出した確率の高さに応じて、予め設定した複数の許容範囲のうち小さい方から許容範囲を選択する。
【0054】
(ケ)誤差が予め設定した許容範囲を超えたときには、GPS受信器10の電源をオンする。
(コ)位置推測処理により推測された車両の現在位置をGPS受信器10により検出した車両の現在位置に基づいて補正する。
【0055】
(制御処理の説明)
次に、図3に基づき、制御部40で実行される制御処理について説明する。図3は、制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0056】
カーナビゲーション装置1の経路案内開始とともに処理が開始され、まずS100において車速センサ20から車速が取得され、続くS105において、方位センサ30から車両が走行している方位が取得される。
【0057】
続くS110では、S100において取得された車速及びS105において取得された車両の方位から、車両の現在位置が推測される。
ここで、車速センサ20から取得された車速をv、方位センサ30から取得した車両の方位をψとすると、推測される車両の現在位置の二次元平面上の(x、y)座標は、下記式2により算出される。
【0058】
【数2】

【0059】
続くS115では、S110において推測された車両の現在位置の誤差が加算される。ここで、誤差の加算について説明すると、ジャイロセンサにより検出される方位角には、式1に示すようにオフセット電圧bが誤差として含まれる。したがって、オフセット電圧bによる誤差が制御処理における各処理ループにおいて加算される、つまり、時間の経過に伴い累積されていくのである。
【0060】
続くS120では、ナビゲーション部80からマップマッチング確率が取得される。
ここで、マップマッチング確率について説明すると、地図データ格納部70に格納された地図データにおいて、道路が狭角分岐していたり碁盤目状であったりする場合、車両の現在位置に誤差があると、分岐した道路や碁盤目の道路のうち、複数の道路上に車両が存在してしまう可能性がある。
【0061】
そのように車両が複数の道路上に存在する確率を、ここでは、マップマッチング確率と呼ぶ。
ナビゲーション部80では、マップマッチングを行い、その結果に基づいて、車両を実データ上に重畳し、表示装置50に表示させている。したがって、ナビゲーション部80においては、マップマッチング確率を算出しているので、その値を取得するのである。
【0062】
マップマッチング確率は、車両の現在位置が、狭角分岐や碁盤目状の道路の近傍にある場合には高くなり、逆に、分岐や交差がない一本道のような場合には低くなる。
続くS125では、S120において取得されたマップマッチング確率に基づいて許容範囲が選択される。つまり、マップマッチング確率の値を、高い方から低い方へ幅を持たせて予め段階的に分割しておく。
【0063】
そして、その段階に対応した複数の許容範囲を予めROMに格納しておき、S120において取得されたマップマッチング確率が最も高い範囲に入る場合には、予め設定した複数の許容範囲のうち最も小さい範囲を選択し、確率が最も低い範囲に入る場合には、最も大きな範囲を選択するに対応した許容範囲を選択するのである。
【0064】
具体的には、後述するように、マップマッチング確率が高ければ、許容範囲β0の値として、より1に近い値を選択し、逆に、マップマッチング確率が低ければ、許容範囲β0の値として、より0に近い値を選択するのである。
【0065】
続くS130では、S115において加算された誤差(累積誤差)が、予め設定された許容範囲内であるか否かが判定される。そして、累積誤差が許容範囲内であると判定された場合(S130:Yes)、処理がS135へ移行され、許容範囲を超えていると判定された場合(S130:No)、処理がS140へ移行される。
【0066】
ここで、誤差が許容範囲を超えているか否かの判定方法について、図4及び図5に基づいて説明する。図4は、推測現在位置の誤差が許容範囲を超えているか否かの基本的な判定方法についての説明図であり、図5は、マップマッチング確率により許容範囲を変化させたときの推測現在位置の誤差が許容範囲を超えているか否かの判定方法についての説明図である。
【0067】
図4は、GPS受信器10から取得した車両の現在位置を真値(α0)とし、誤差を累積した推測現在位置(α)に対する真値(α0)の比(β=α0/α)の時間変化の様子を示している。
【0068】
βは、図4中A点おいて、カーナビゲーション装置の電源がオンされると、GPS受信器10の電源がオンされるため、多少の時間遅れの後、推測現在位置が真値に補正される。したがって、その時、α=α0となり、図4中B点に示すように、β=1と最も高い値となる。
【0069】
ここで、GPS受信器10の電源がオフされるので、その後は時間の経過とともに、αが大きくなっていく。したがって、βの値は減少していく。そして、図4中C点において、βの値が予め設定していた許容範囲(β0)を下回ると、許容範囲を超えていると判定されるのである。
【0070】
そして、後述するように、C点においてGPS受信器10の電源がオンされると、多少の時間遅れの後、推測現在位置が真値に補正されため、βは1まで上昇し、GPS受信器10の電源がオフされ、βの値は徐々に減少する。
【0071】
次に、図5は、マップマッチング確率によって、許容範囲がβ0とβ1に変化する場合のβの時間変化の様子を示している。
図5中にP(破線の曲線)で示すグラフが図4と同じ許容範囲β0を選択した場合を示しており、Q(実線の曲線)で示すグラフが、β0よりも厳しい(より高い値)許容範囲β1を選択した場合を示している。
【0072】
図5に示すように、許容範囲がβ1と厳しい場合、測位精度は高くなるが、GPS受信器10の電源オフ時間t1は、図5中B点からC点までであり、許容範囲がβ0と緩やかな場合の電源オフ時間t2(図5中B点からD点まで)よりも短い。
【0073】
S135では、GPS受信器10の電源がオフされる。GPS受信器10の電源オフは、図2に示すように、フロントエンド部12に供給する電源をオン/オフするFE電源スイッチ12a及びベースバンド部13に供給する電源をオン/オフするBB電源スイッチ13aがオフされる(図2参照)。
【0074】
また、第1スイッチ15a及び第3スイッチ17aをオフすることにより、フロントエンドクロック信号及びリアルタイムクロック信号を停止させる。このとき、第2スイッチ16aはオンとし、基準クロック信号を測位処理部14に供給し続ける(図2参照)。
【0075】
このようにして電源のオン/オフを行うことにより、測位精度を低下させずに、消費電力を抑制することができる理由について、図6に基づき説明する。
図6は、測位処理部14に供給されるクロック信号と再衛星捕捉時間の関係を示す説明図である。図6において、縦軸はGPS衛星からの信号と測位処理部14に供給されるクロック信号との周波数誤差を示し、横軸は時間を示している。
【0076】
リアルタイムクロック信号を用いてGPS衛星の捕捉をする場合(図6中Pで示す)について説明する。GPS衛星の捕捉開始(図6中A点で示す)後、GPS受信器10の電源をオフ(図6中B点で示す)する場合、リアルタイムクロック信号により時間を計測し、再度電源をオンする時(図6中C点で示す)にリアルタイムクロック信号による時間分だけ進めて再衛星捕捉する(図6中D点で示す)。
【0077】
この場合、リアルタイムクロック信号の分解能が基準クロック信号に比べ低い(基準クロック信号の方が周波数が高い)ため、データの信頼性確保が必要となり衛星からの航法データ復調が必要となる。そのため、通常、6〜12秒の時間(図6中t0で示す時間)が必要となる。
【0078】
そこで、GPSの第3クロック信号発生器17のみは電源をオンした状態でGPS受信器10のその他の電源をオフする。その場合、GPS受信器10の基準クロック信号の精度に応じて航法メッセージ復調が必要とならない時間で電源をオフできる期間を設定する。
【0079】
この場合、基準クロック信号の分解能が高いため、図6中Qで示すように、リアルタイムクロック信号を用いる場合に比べ、再衛星捕捉(図6中E点で示す)の時間が短くなる。
【0080】
このように、基準クロック信号を用いると、リアルタイムクロック信号を用いるよりも待機電流は大きくなるが、再捕捉に必要な時間が1秒以下で可能であるので、測位精度を低下させることがなくなる。このようにしてGPS受信器10の電源がオフされた後、処理がS155へ移行される。
【0081】
S140では、GPS受信器10の電源がオンされる。GPS受信器10の電源オンは、FE電源スイッチ12a及びBB電源スイッチ13aがオンされ、フロントエンド部12及びベースバンド部13に対する電源供給が再開されるとともに、第1スイッチ15a及び第2スイッチ16aがオンされ、フロントエンド部12に対するフロントエンドクロック信号及び測位処理部14に対するリアルタイムクロック信号の供給が再開される。
【0082】
このとき、第3スイッチ17aはオンのままとされ、測位処理部14に対する基準クロック信号は供給され続ける。
続くS145では、GPS受信器10から車両の現在位置が取得され、続くS150では、S110において推測された車両の現在位置が、S145において取得された車両の現在位置に補正された後、処理がS155へ移行される。
【0083】
S155では、車両の現在位置がナビゲーション部80へ出力された後、処理がS100へ戻され、制御処理が繰り返される。
なお、カーナビゲーション装置1の経路案内終了とともに、本制御処理が終了される。
【0084】
(カーナビゲーション装置1の特徴)
以上に説明したカーナビゲーション装置1は、車両の推測位置誤差が予め設定した許容範囲内である場合には、GPS受信器10の電源をオフし続け、推測位置誤差が予め設定した許容範囲を超えたときに、GPS受信器10の電源をオンして、制御部40により推測された車両の推測現在位置をGPS受信器10により検出した車両の現在位置に基づいて補正するという動作を繰り返している。
【0085】
したがって、予め設定する許容範囲を所望の値にしておけば、測位精度も所望の値に維持することができる。また、車両の推測現在位置の誤差が予め設定した許容範囲内である場合には、GPS受信器10の電源はオフし続けることになるので、省電力化が可能となる。
【0086】
また、GPS受信器10を、受信アンテナ11、フロントエンド部12、ベースバンド部13、測位処理部14、第1クロック信号発生器15、第3クロック信号発生器17、第2クロック信号発生器16により構成し、GPS受信器10の電源をオフする際に、フロントエンド部12及びベースバンド部13に供給する電源をオフするとともに、第1クロック信号発生器15及び第2クロック信号発生器16に供給する電源をオフすることにより、フロントエンドクロック信号及びリアルタイムクロック信号を停止させ、第3クロック信号発生器17には電源を供給し続けて、測位処理部14に基準クロック信号を入力し続けている。
【0087】
これにより、GPS受信器10の電源を再度オンしたときにGPS衛星からの信号を受信して測位を開始するまでの時間を短縮することができるので、車両の位置を補正するための時間が短くなる。したがって、適切なタイミングで補正を行うことができるので、一時的に測位精度が低下する状況が発生しなくなる。
【0088】
さらに、補正後の車両の現在位置が、地図データにおける複数の道路上に存在する確率の高さに応じて、予め設定した複数の許容範囲のうち小さい方から選択するようにしている。つまり、地図データにおける複数の道路上に存在する確率が高いほど、許容範囲を小さく(換言すれば許容範囲を厳しく)している。
【0089】
したがって、地図データ上の現在位置の形状が狭角分岐や碁盤目状である場合のように、複数の道路上に存在する確率が高いほど、許容範囲を厳しくすれば、カーナビゲーション装置1の測位精度を向上させることができる。
【0090】
逆に、分岐や交差がない一本道のように、複数の道路上に存在する確率が低くなるほど、許容範囲を大きく(緩やかに)すれば、測位精度を所定の精度に保ちつつ、電源をオフすることができる期間を長くすることができるので、カーナビゲーション装置1の消費電力低減効果を向上させることができる。
【0091】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
(1)上記実施形態では、測位システムとしてGPSを用いたカーナビゲーション装置1について説明したが、GPSと同じ測位方法を用いている他のGNSSを用いたカーナビゲーション装置であってもよい。
【0092】
他のGNSSとしては、GALILEO(欧州)、CLONASS(ロシア)、準天頂衛星(日本)などがある。
(2)上記実施形態では、GPS受信器10を車両に搭載したが、列車、船舶、航空機など車両以外の移動体に搭載してもよいし、移動体としての人が携帯するようにしてもよい。
【0093】
(3)上記実施形態では、誤差の許容範囲として、推定現在位置の時間経過に伴う累積誤差、つまり、車速と方位角から、式1及び式2により得られる推測現在位置座標の平方和の誤差、を用いたが、式2により得られる方位角誤差の絶対値を時間経過に伴って累積してもよい。
【0094】
また、式2により得られる方位角誤差をベクトルとして、時間経過に伴って加算し、そのベクトルの大きさ又は角度を誤差として用いてもよい。
(4)上記実施形態では、GPS受信器10の電源をオフする際に、フロントエンド部12及びベースバンド部13に供給する電源をオフするとともに、第1クロック信号発生器15及び第2クロック信号発生器16に供給する電源をオフすることにより、フロントエンドクロック信号及びリアルタイムクロック信号を停止させていたが、GPS受信器10のすべての電源をオフするようにしてもよい。
【0095】
これにより、GPS受信器10の電源オン後の再衛星捕捉までの時間が長くなるため、測位精度が一時的に低下する場合があるものの、大きな省電力効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0096】
1…カーナビゲーション装置、5…車両用測位装置、10…GPS受信器、11…受信アンテナ、12…フロントエンド部、13…ベースバンド部、13a…BB電源スイッチ、14…測位処理部、15…第1クロック信号発生器、16…第2クロック信号発生器、16a…第2スイッチ、17…第3クロック信号発生器、17a…第3スイッチ、20…車速センサ、30…方位センサ、40…制御部、50…表示装置、60…目的地設定部、70…地図データ格納部、80…ナビゲーション部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載され、GNSS衛星から送信される信号を受信し、該受信した信号に基づいて前記移動体の現在位置を検出するGNSS受信器と、
前記移動体の走行速度を検出する車速検出手段と、
前記移動体の走行している方位を検出する方位検出手段と、
前記車速検出手段により検出した前記移動体の走行速度と前記方位検出手段で検出した前記移動体の方位に基づいて、前記移動体の現在位置を推測する位置推測手段と、
前記車速検出手段の車速検出誤差及び前記方位検出手段の方位検出誤差のうち少なくとも1つの誤差の時間経過に伴う累積値に基づき、前記位置推測手段で推測した前記移動体の現在位置の誤差を算出する誤差算出手段と、
前記位置推測手段により推測された前記移動体の現在位置を前記GNSS受信器により検出した前記移動体の現在位置に基づいて補正した後、前記GNSS受信器の電源をオフし、
前記GNSS受信器の電源オフ時を開始点として、前記位置推測手段で推測した前記移動体の現在位置の誤差が、予め設定した許容範囲内であるか否かを判定し、
前記誤差が予め設定した許容範囲を超えたときには、前記GNSS受信器の電源をオンして、前記位置推測手段により推測された前記移動体の現在位置を前記GNSS受信器により検出した前記移動体の現在位置に基づいて補正するという動作を繰り返す制御手段と、
を備えたことを特徴とする移動体用測位装置。
【請求項2】
請求項1に記載の移動体用測位装置において、
前記GNSS受信器は、
GNSS衛星からの電波を受信する受信アンテナと、
前記受信アンテナで受信した電波を信号処理に適した周波数の信号に変換して出力するフロントエンド部と、
前記フロントエンド部からの出力信号を信号処理してデータとして出力するベースバンド部と、
前記ベースバンド部から出力されるデータに基づき測位処理を行う測位処理部と、
前記フロントエンド部を作動させるためのフロントエンドクロック信号を発生させる第1クロック信号発生手段と、
前記測位処理部の待機時の電流低減と測位時間短縮のためのリアルタイムクロック信号を発生させる第2クロック信号発生手段と、
前記測位処理部を作動させるための、前記リアルタイムクロック信号よりも周波数が高い基準クロック信号を発生させる第3クロック信号発生手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記GNSS受信器の電源をオフする際に、前記フロントエンド部及び前記ベースバンド部に供給する電源をオフするとともに、前記第1クロック信号発生手段及び第2クロック信号発生手段に供給する電源をオフすることにより、前記フロントエンドクロック信号及び前記リアルタイムクロック信号を停止させることを特徴とする移動体用測位装置。
【請求項3】
移動体としての車両に搭載した請求項1又は請求項2に記載の移動体用測位装置と、
画像を表示するための表示手段と、
使用者が前記車両の目的地を設定するための目的地設定手段と、
前記車両の経路案内に用いる地図データを格納した地図データ格納手段と、
前記移動体用測位装置で得られた前記車両の現在位置と前記地図データに基づいて、前記目的地設定手段で設定された目的地までの前記車両の経路案内を行う経路案内手段と、
前記経路案内手段により実行される経路案内中の車両の位置を、前記地図データ格納手段に格納されている地図データ上に重畳させて画像として前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えたことを特徴とするカーナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3に記載のナビゲーション装置において、
前記表示制御手段は、
前記移動体用測位装置により得られた前記車両の現在位置を前記地図データ格納手段に格納された前記地図データにおける道路上にマップマッチングさせて、前記表示手段に表示させ、
前記移動体用測位装置の制御手段は、
前記誤差算出手段による前記位置推測手段で推測する前記移動体の現在位置の誤差として予め設定した許容範囲を複数有し、
前記補正後の前記移動体としての前記車両の現在位置が、前記地図データ格納手段に格納された地図データにおける複数の道路上に存在する確率をマップマッチングにより算出し、
該算出した確率の高さに応じて、前記予め設定した複数の許容範囲のうち小さい方から許容範囲を選択することを特徴とするカーナビゲーション装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−93240(P2012−93240A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−240997(P2010−240997)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】