移動物体計測システム、移動物体計測装置、移動物体計測方法及びプログラム
【課題】簡素な設備構成により車両等の移動物体の長さを計測可能な移動物体計測システム、移動物体計測装置、移動物体計測方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】移動物体4の移動路の上部に設置された移動路からの光を反射する反射板1と、前記反射板1と対向する前記移動路の上部に設置され、前記反射板方向の画像及び前記反射板の反射画像を同時に撮像する撮像装置2と、前記撮像装置2が撮像した撮像画像に基づいて前記反射板1と前記撮像装置2の間の前記移動物体4の長さを計測する移動物体計測装置3と、を備える。
【解決手段】移動物体4の移動路の上部に設置された移動路からの光を反射する反射板1と、前記反射板1と対向する前記移動路の上部に設置され、前記反射板方向の画像及び前記反射板の反射画像を同時に撮像する撮像装置2と、前記撮像装置2が撮像した撮像画像に基づいて前記反射板1と前記撮像装置2の間の前記移動物体4の長さを計測する移動物体計測装置3と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動物体の長さを計測する移動物体計測システム、移動物体計測装置、移動物体計測方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラ等の撮像装置により道路を撮像し、走行する車両の撮像画像の画像処理を行うことにより車両を計測する交通流計測システムが一般道路や高速道路に設置されている。
【0003】
このような計測システムの関連技術として、直上または真横から車両を撮像して車長を計測する計測方法が特許文献1や特許文献2に提案されており、また、複数の撮像装置を用いて車長を計測する計測方法が特許文献3に提案されている。また、反射板を用いることによって1台の撮像装置で車の前部と車の後部を同時に撮像して車長を計測する計測方法が特許文献4に提案されている。
【0004】
図22は特許文献4に記載された反射板と1台の撮像装置で車の長さを計測する車両測定装置を示す図である。
車15の先端部aと後端部bの上方に設けた先端鏡11aと後端鏡11b及び中央部上方に設けた中央鏡12a、12bと、中央鏡12a、12bにより反射した車の先端部a及び後端部bの画像を同一視野内で撮影するカメラ13と、カメラ13からの画像信号の処理により車の長さLを演算する処理手段14と、から構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−236992号公報
【特許文献2】特開2007−163171号公報
【特許文献3】特開2001−6084号公報
【特許文献4】特開平10−89925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1〜3に記載されている車両の計測方法は、複数の撮像装置や撮像装置と他のセンサー等を用いるものであるから、装置数、装置間の配置構成及びネットワーク設備等の増設が必要であるという点で問題がある。
【0007】
また、特許文献4に記載されている反射板を用いた車両の計測方法は、車両の上部に配置した単一の撮像装置を用いて車長を計測できる。しかし、車両の先端部aと後端部bの上部に2つの反射板11a、11bと、2つの反射板の中間に2つの反射板12a、12bと、2つの反射板12a、12bの上部に処理手段14と接続された撮像装置13を配置する必要があり、大掛かりな設備構成となるという点で問題がある。
【0008】
本発明は、以上のような問題を解決するものであり、簡素な設備構成により車両等の移動物体の長さを計測可能な移動物体計測システム、移動物体計測装置、移動物体計測方法及びプログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の移動物体計測システムは、移動物体の移動路の上部に設置され移動路からの光を反射する反射板と、前記反射板と対向する前記移動路の上部に設置され、前記反射板方向の画像及び前記反射板の反射画像を同時に撮像する撮像装置と、前記撮像装置が撮像した撮像画像に基づいて前記反射板と前記撮像装置の間の前記移動物体の長さを計測する移動物体計測装置と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の移動物体計測装置は、移動物体の移動路の上部に設置された撮像装置から、前記移動路の前方の上部に設置した反射板に映る移動路の反射画像を含む前記反射板方向の撮像画像を入力し、前記撮像画像の前記反射板と前記撮像装置の間の同一移動物体の長さを計測する画像処理装置を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の移動物体計測方法は、画像処理装置が移動物体の移動路の上部に設置された撮像装置から、前記移動路の前方の上部に設置した反射板に映る移動路の反射画像を含む移動路の撮像画像を入力する第1のステップと、前記画像処理装置が前記撮像画像の前記反射板と前記撮像装置の間の同一移動物体の長さを計測する第2のステップと、からなることを特徴とする。
【0012】
本発明のプログラムは、画像処理装置が移動物体の移動路の上部に設置された撮像装置から、前記移動路の前方の上部に設置した反射板に映る移動路の反射画像を含む移動路の撮像画像を入力する第1のステップと、前記画像処理装置が前記撮像画像の前記反射板と前記撮像装置の間の同一移動物体の長さを計測する第2のステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、移動物体の長さの計測を反射板と撮像装置により行うことが可能であり設備構成の簡略化が可能である。
【0014】
また、本発明によれば複数の撮像装置を用いることなく、かつ撮影範囲で車両等の移動物体の一端部と他端部を同時に直接的に撮像できない場合でも長さの計測が可能である。
【0015】
さらに、撮像装置と反射板との間にはネットワークケーブルや電源等の接続を必要としないのでネットワーク設備等を増設する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は本発明の第1の実施形態の移動物体計測システムを示す図である。
【図2】図2は本発明の第1の実施形態の構成を示す図であり、図2(a)は移動物体計測装置、図2(b)は移動物体計測方法である。
【図3】図3は第2の実施形態の車長計測システムを車両の真横から見た構成を示す図である。
【図4】図4は第2の実施形態の車長計測システムを車両の真上から見た構成を示す図である。
【図5】図5は車両が走行しておらず道路と前方の反射板10等が撮像された場合の撮像画像を示す図である。
【図6】図6は撮像装置の撮像範囲に最初の車両Aが現れた場合の撮像画像を示す図である。
【図7】図7は車両Aが反射板10に向けて走行している場合の撮像画像を示す図である。
【図8】図8は反射板に走行する車両Aの車頭が映った場合の撮像画像を示す図である。
【図9】図9は後続の車両Bが現れた場合の撮像画像を示す図である。
【図10】図10は撮像画像に基づいて画像処理により車両の車長を計測する原理を示す図である。
【図11】図11は本実施形態の車長計測動作の処理フローチャートを示す図である。
【図12】図12は車尾の背景差分画像の例を示す図であり、図12(a)は撮像画像、図12(b)は静止背景を差分した背景差分画像である。
【図13】図13は保存する車尾画像のテンプレートを示す図である。
【図14】図14は反射板の画像の車頭の存在を判定する背景差分画像の例であり、図14(a)は撮影画像、図14(b)は背景差分画像である。
【図15】図15は反射板10でナンバープレートが映る画像例であり、図15(a)は撮像画像、図15(b)は背景差分の2値画像である。
【図16】図16は第2の実施形態のより具体的な反射板10と撮像装置20の配置例を示す図である。
【図17】図17は第3の実施形態の片側複数車線の撮像画像例を示す図である。
【図18】図18は第4の実施形態として反射板側から車両計測装置側に車両が進行する場合の例を示す図である。
【図19】図19は第4の実施形態の処理フローチャートを示す図である。
【図20】図20は本発明の第5の実施形態として反射板に表示案内板を使用した構成例を示す図である。
【図21】図21は本発明の移動物体計測装置の処理をプログラムにより実行する実施形態を示す図である。
【図22】図22は特許文献4に記載された反射板と1台の撮像装置で車の長さを計測する車両測定装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(発明の実施形態)
本発明の移動物体計測システム、移動物体計測装置、移動物体計測方法及びプログラムの実施形態について説明する。
【0018】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態の移動物体計測システムを示す図である。移動物体4の移動路の上部に設置された前記移動路からの光を反射する反射板1と、前記反射板1と対向する前記移動路の上部に設置され、前記移動路方向の画像及び前記反射板の反射画像を同時に撮像する撮像装置2と、前記撮像装置2が撮像した撮像画像(画像データ)に基づいて前記反射板1と前記撮像装置2の間の移動物体4の長さを計測する移動物体計測装置3と、を備える。
【0019】
より具体的には、移動物体計測装置3は撮像画像装置でなる。移動物体計測装置3は、撮影画像中の移動物体の一端部(後端等)の撮像画像と反射板1に映る移動物体の他端部(前端等)の撮影画像とが同一移動物体の場合に各位置を計測して移動物体の長さを計測する。
【0020】
図2は本発明の第1の実施形態の構成を示す図であり、図2(a)は移動物体計測装置、図2(b)は移動物体計測方法である。
本発明の第1の実施形態の移動物体計測装置は、移動物体の移動路の上部に設置された撮像装置2から、前記移動路の前方の上部に設置した反射板に映る移動路の反射画像を含む移動路の撮像画像を入力し、前記撮像画像の前記反射板と前記撮像装置2の間の同一移動物体の長さを計測する画像処理装置31を備える。
【0021】
より具体的には、画像処理装置31は撮像装置2から入力した反射板の反射画像を含む移動物体の移動路方向の撮像画像のデータを入力する。次に、画像処理装置31は同一移動物体の一端部及び他端部の位置を検出する。そして画像処理装置31は移動物体の一端部及び他端部の位置に基づいて移動物体の一端部と他端部の間の長さを算出する。
【0022】
本発明の第1の実施形態の移動物体計測方法は、画像処理装置が移動物体の移動路の上部に設置された撮像装置から、前記移動路の前方の上部に設置した反射板に映る移動路の反射画像を含む移動路の撮像画像を入力する第1のステップ(S1)と、前記画像処理装置が前記撮像画像の前記反射板と前記撮像装置の間の同一移動物体の長さを計測する第2のステップ(S2)と、からなる。
【0023】
より具体的には、画像処理装置31は撮像装置2から移動物体の移動路方向の画像及び反射板の反射画像を同時に撮像した撮像画像を入力する。次に画像処理装置31は画像処理装置により前記撮像画像に基づいて同一移動物体の一端部及び他端部の位置を検出して前記移動物体の長さを算出する。
【0024】
以上の移動物体計測システム、移動物体計測装置、移動物体計測方法によれば、移動物体の長さの計測を単一の反射板と撮像装置により行うことが可能でありシステム構成を簡略化することが可能である。
【0025】
(第2の実施形態)
本発明の移動物体計測システム、移動物体計測装置、移動物体計測方法の第2の実施形態として、道路を進行する車両の前端部(「車頭」という。)と後端部(「車尾」という。)の間の長さ(「車長」という。)を計測する車長計測システムの構成例により説明する。
【0026】
図3は第2の実施形態の車長計測システムを車両の真横から見た構成を示す図であり、図4は第2の実施形態の車長計測システムを車両の真上から見た構成を示す図である。
【0027】
本実施形態の車長計測システムは、道路(車道)に沿って設置された、光を反射する反射板10、反射板10で反射された画像を含む道路上の計測対象車両等を撮像するビデオカメラ等の撮像装置20、及び撮像装置20が出力する撮像画像から車両の車頭と車尾を検出して車長を算出する画像処理装置を用いた車両計測装置30から構成される。
【0028】
反射板10は道路及び車両40の車頭の像を映すことができる鏡や鏡面等、光を反射する機能を持つ反射板である。本実施形態では反射板10は反射面が車両の進行(走行)方向と逆方向であって、道路を進行してきた車両40の車頭に面するように道路の上部等から斜め下方向等に向けて配置される。つまり、前記撮像装置20の撮像方向と反対方向に反射面を有し、前記車両の車頭方向からの光を前記撮像装置20側に反射できる位置、向きに設置される。
【0029】
撮像装置20は、道路上を走行する車両40の車尾及び道路を含む画像と、反射板10に映る車両40の車頭の画像とを撮像できるように設置される。撮像装置20は、撮像方向が車両40の進行方向であって、車両40の上部に水平ないし斜め下方向に向けて道路の上方に設置される。つまり、撮像装置20は道路を走行する車両40の後方から道路を含む画像を撮像するとともに、少なくとも車両の車尾と反射板10に映る車両の車頭を同時に撮像できる位置、向きに設置される。
【0030】
反射板10と撮像装置20は、例えば、道路の路肩等に設置されたそれぞれ直線状、逆L字状等の支柱や、道路を跨ぐように設置された支柱等の上部等に固定、設置される。
【0031】
車両計測装置30は、撮像装置20から出力された撮像画像を画像処理し、車両40を検出して追跡するとともに、車両40の車頭と車尾の画像の位置を計測し、その計測値に基づいて車長を算出する機能を有する。車両計測装置30はパーソナルコンピュータ等により構成することができる。
【0032】
(動作の説明)
次に第2の実施形態の動作について図面を参照して以下詳細に説明する。片側1車線の道路の上部に反射板10及び撮像装置20を設置した場合について、撮像装置20で撮像した車両の進行方向の画像例により以下説明する。本実施形態では撮像装置20を配置した道路路側を原点とし、車両進行方向と一致する方向の座標軸をX軸、画像上の座標軸をx軸とする。
【0033】
図5は車両が走行しておらず道路と前方の反射板10等の撮像画像を示す図である。図6は撮像装置の撮像範囲に最初の車両Aが現れた場合の撮像画像を示す図である。図7は前記車両Aが反射板10に向けて走行している場合の撮像画像を示す図である。図8は反射板10に走行する車両Aの車頭が映った場合の撮像画像を示す図である。図9は後続の車両Bが現れた場合の撮像画像を示す図である。
【0034】
撮像装置20で撮像される画像には、走行車両がなければ、図5に示すように道路と前方の反射板10が映っており、その後、図6に示すように車両Aが現れ、図7に示すように車両Aが反射板10方向に進行する。そして、車両Aが反射板10に近づくと図8に示すように反射板10に車両Aの車頭側が映ることとなる。また、車両Aの後続の車両がある場合は、図9に示すように車両Aと車両Bが同時に映り走行する。
【0035】
図10は撮像画像に基づいて画像処理により車両の車長を計測する原理を示す図である。本実施形態の車長計測の原理は、撮像装置20で撮像した画像中に直接撮像された計測対象の車両の車尾と、反射板10に映る当該車両の車頭とが同時に検出された時点で、その車尾(下端等)の位置と車頭(下端等)の位置を画像のx軸上で計測する。そして、それぞれの位置を実際の道路上の位置である実軸のX軸上の位置に変換して、実軸X上の位置の差分を算出して車長を算出する手法に基づくものである。
【0036】
但し、後述するように実際には撮影画像に車両が現れ始め、反射板10の撮像画像に車頭が現れるまでに時間を要する場合があり、その間に図9に示すように他の車両Bの出現もあり得る。そこで、車両計測装置30では車頭と車尾が同時に検出された場合に同一車両に係るものか否かを識別するため、車両の追跡、車頭と車尾の識別等の画像処理を行う。
【0037】
図11は本実施形態の車長計測動作の処理フローチャートを示す図である。本実施形態の処理フローチャートの動作は、撮像装置20に関する撮像処理のステップA1、A2と車両計測装置30に関する車長計測の処理ステップB1〜B14が交互に継続して行われる。
【0038】
以下、本実施形態の撮像装置20と車両計測装置30の車両の車長計測の処理動作について説明する。
【0039】
前時刻(t1)での撮像装置20及び車両計測装置30の撮像及び車長計測に関する処理動作の終了後、撮像装置20は後時刻(t2)の撮像の処理として反射板10により映し出される画像を含む車両の進行方向の道路の画像を撮像する(ステップA1)。撮像装置20は撮像した撮像画像を車両計測装置30に出力する(ステップA2)。
【0040】
車両計測装置30は後時刻(t2)の処理として撮像装置20から入力した撮像画像を解析し、前時刻(t1)の画像に追跡車両が存在するか否かを判定する(ステップB1)。車両計測装置30は追跡車両が存在するか否かを画像中に車尾を含む車両が存在するか否かで判定する。後述するように画像中の道路上に車尾を含む車両が存在する場合は、当該車両に車両ID(Identification;個体識別情報)が付与される。車両計測装置30は、追跡車両が存在を、たとえば、保存されている車両IDの中に追跡中のIDがあるか否かにより判定する方法がある。
【0041】
ステップB1で車両計測装置30は追跡車両が存在しないと判定した場合は、画像中の計測領域内に車尾を含む車両が存在するか否かを判定する(ステップB2)。
【0042】
ステップB2の車両(車尾)の存在の判定は、車両計測装置30が、たとえば、画像から静止背景の領域を差分した画像(背景差分画像)を生成して、静止背景でない領域を抽出し車両領域が存在するか否かを判定する方法がある。前記両画像の各画素の画素値を差分すると背景になかった車両の領域の画素値が0より大きくなり、ある値で閾値処理を行うと2値画像ができ車両領域が分かる。また、この方法では静止背景でない領域の形、エッジの数等を用いて当該領域が車両領域か否かを検証して精度を向上させる方法がある。
【0043】
図12は車尾の背景差分画像の例を示す図であり、図12(a)は撮像画像、図12(b)は静止背景を差分した背景差分画像である。背景差分画像として2値画像の差分として現したものであり白色部分が車両領域である。
【0044】
ステップB2で車両計測装置30が車両が存在しないと判定した場合は(ステップB2、NO)、1周期の処理を終了し、撮像装置20の次の時刻(t3)の撮像動作に移行する(ステップA1)。
【0045】
ステップB2で図12(b)のような背景差分画像から車両計測装置30が車両が存在すると判定した場合は(ステップB2、YES)、当該車両Aに車両IDを付けて保存し(ステップB3)、当該車両Aの追跡を開始し(ステップB4)、1周期の処理を終了する。1周期の処理を終了すると、撮像装置20の次の時刻(t3)の撮像動作に移行する(ステップA1)。
【0046】
ステップB4の車両計測装置30の車両の追跡開始には、たとえば、後時刻(t3)で行われる、後述するパターンマッチングに用いる車尾の画像(車尾画像)のテンプレートを保存する方法がある。
【0047】
図13は保存する車尾画像のテンプレートを示す図である。図13に示す車尾画像を含む枠内の領域の画像をテンプレートとして保存する。この状態(位置)から車両計測装置30は車両及び画像の下端等の追跡処理の動作を開始する。テンプレートは車両の後姿全部でなく一部とすることも可能である。
【0048】
追跡処理としては、たとえば、保存した車尾画像のテンプレートと後時刻(t3)で撮影した撮像画像とのパターンマッチングにより追跡処理を行う方法がある。
【0049】
また、ステップB1で車両計測装置30が追跡車両が存在すると判定した場合は(ステップB1、YES)、ステップA2で撮像装置20から出力された撮像画像を用いて追跡処理を行い、追跡処理の終了後に当該画像の画像座標x軸上の車両の車尾位置を算出する(ステップB5)。
【0050】
ステップB5で車両計測装置30の追跡処理としては、撮像画像に対し前時刻(t1)で保存されたテンプレートをずらしながら画像のマッチングを行う方法がある。具体的には、検出された車両Aの位置から進行方向に向かってテンプレートをずらしながらテンプレートのマッチングを行い、最も類似(マッチング)している部分が車両Aの存在する場所とする。また、マッチングの処理後、次の時刻(t2)の追跡処理のために車尾画像のテンプレートを更新する。
【0051】
次に、追跡処理の結果、撮像画像に追跡が行われていない新規な車両(IDが付与されていない後続の車両等)の車尾画像が存在するか否かを判定する(ステップB6)。
【0052】
ステップB6で新規な車両が存在しない場合は、反射板10の反射画像に車頭を含む車両が存在するか否かを判定する(ステップB9)。
【0053】
新規な車両の存在の判定としては、たとえば、ステップB2と同様の背景差分を用いた方法がある。つまり、画像から静止背景の領域を差分して、静止背景ではない領域を抽出し、必要により形、エッジの数等を用いて検証を行い、新規な車両領域が存在するか否かを判定する方法がある。
【0054】
また、ステップB6で図9に示すように後続の車両Bが存在する場合は、新規車両として新たな車両IDを付けて保存し(ステップB7)、新規車両の追跡を開始した後(ステップB8)、反射板10上に車頭を含む車両が存在するか否かを判定するステップB9に移行する。
【0055】
ステップB8で車両計測装置30の新規な車両の追跡開始には、ステップB4と同様に後時刻(t3)に行われるパターンマッチングに用いる車尾画像のテンプレートを保存する方法がある。
【0056】
ステップB9で反射板10の画像に車両が存在しない場合は(ステップB9、NO)、1周期の処理を終了し、撮像装置20による次の時刻(t3)の撮像動作のステップA1に移行する。
【0057】
また、ステップB9で反射板10の画像に車両が存在する場合は、反射板10の画像に車両の車頭が存在するか否かを判定する(ステップB10)。反射板10の画像の車頭の存在の判定としては、たとえば、反射板10の画像に対する背景差分画像を用いる方法がある。
【0058】
図14は反射板の画像の車頭の存在を判定する背景差分の2値画像の例であり、図14(a)は撮影画像、図14(b)は背景差分画像である。図5に示す画像を背景画像とし、図14(a)を撮影画像とする背景差分の2値画像である。この2値画像から反射板10に映る車両領域を検出することができる。
【0059】
また、反射板10の画像の車頭の存在の判定としては、反射板10でナンバープレートを映すことができれば、パターンマッチング等によりナンバープレートの存在を判定することによって行う方法がある。
【0060】
図15は反射板10にナンバープレートが映る画像例であり、図15(a)は撮像画像、図15(b)は背景差分の2値画像である。車両計測装置30は、ナンバープレートのモデルを事前に保存しておき、そのモデルと反射板が映す画像の撮影画像とのテンプレートマッチングによりナンバープレート位置を検出する。
【0061】
ステップB10で車頭が存在しない場合は(ステップB10、NO)、1周期の処理を終了し、撮像装置20による次の時刻(t3)の撮像動作のステップA1に移行する。
【0062】
また、ステップB10で車頭が存在する場合は(ステップB10、YES)、画像座標x軸上の車頭位置を算出する(ステップB11)。画像座標の算出としては、たとえば、ステップB10で検出された車両領域の位置(下端等)の位置や、検出したナンバープレートの位置(下端等)を車頭位置として検出する方法がある。
【0063】
次に、ステップB10で車両計測装置30は検出された車頭がどの車両IDと対応するかの車両の対応付けを行う(ステップB12)。この対応付けとしては、たとえば、車両IDが登録された時刻を見て最も古い車両IDと対応付けるという方法がある。
【0064】
また、ステップB11で車両計測装置30は得られた車頭位置とステップB5の追跡処理で得られる直前の車尾位置を画像座標(x軸)から実座標(X軸)に変換する(ステップB13)。座標変換としては、たとえば、画像座標から実座標への変換テーブルをあらかじめ計測により作成しておき、入力した画像座標の位置から変換テーブルを参照して対応するX軸の位置を出力する方法がある。
【0065】
更に、ステップB14で車両計測装置30は算出したX軸上の車頭位置と車尾位置との差分を演算して車長を算出する。また、一度車長を計測すると、その車両は追跡する必要がなくなるから、車両計測装置30は当該車両の車両IDを廃棄し(ステップB14)、撮像装置20による次の時刻(t3)の撮像動作のステップA1に移行する。
【0066】
本実施形態によれば、単一の反射板10と撮像装置20により、図11に示す処理フローチャートにより、撮像装置20で撮像された画像内の走行する車両の車長の計測が実現できる。例えば1ないし数台の車両の後部の画像と前方に設置した反射板10に映る前部の画像の両方を撮像することにより、1ないし複数台の車両の車長を計測することが可能である。
【0067】
図16は第2の実施形態のより具体的な反射板10と撮像装置20の配置例を示す図である。最大長が12m程度の車両の車長計測を予定したものである。反射板10と撮像装置20を30mの間隔で道路の上部6mの高さに設置し、撮像装置20は視野角40°で、略水平方向を撮像するように設定している。
【0068】
本実施形態は、カメラ等の撮像装置で同時に撮像された車両の車尾の直接撮像画像と、光を反射する反射板10によって車尾の間接撮像画像と、から車頭と車尾の位置を算出し、その値から車長を算出するものである。これにより車長の計測を反射板と撮像装置により行うことが可能であり、設備構成を簡略化することが可能である。
【0069】
特に、車両の車頭と車尾を同時に撮像できるから、一般道路や高速道路の交通監視用の撮像装置のように、撮像装置が車両の前方または後方から撮像するように設置されているシステムに適用可能である。
【0070】
(第3の実施形態)
第1、2の実施形態においては、移動路の路線は片側1路線(車線)の場合の移動物体(車両)の長さ(車長)計測について説明したが、本発明は片側2路線(車線)以上の場合にも適用可能である。
【0071】
図17は第3の実施形態の片側複数車線の撮像画像例を示す図である。本実施形態では複数車線の車両A、Bの反射画像が車両計測装置で撮像可能なように複数車線に跨る反射板50を配置する。
【0072】
車両計測装置の画像処理は図11に示す処理フローチャートが適用できる。但し、車線が複数車線となることから、車両計測装置30による同処理フローチャートの車尾画像の検出、車両追跡及び車尾位置と車頭位置の計測処理は、画像中に予め設定した車線領域毎に行う。たとえば、ステップB3、B7の車両IDの登録等は車線別のIDとして登録し、ステップB1の追跡中か否かの判断及びステップB12の車両対応付けの判断は、ステップB14の処理で廃棄されていない車線別の最も先頭の車両IDとして行う。その他の処理は図11の処理と同様であるから説明を省略する。
【0073】
(第4の実施形態)
第1〜3の実施形態では、車両計測装置20が移動路(道路)を進行する移動物体(車両)の後方から移動路を含む画像を撮像する例を説明したが、本発明は、車両計測装置20に対する移動物体(車両)の進行方向が逆の場合でも同様に適用可能である。
【0074】
図18は第4の実施形態として反射板側から車両計測装置側に車両が進行する場合の例を示す図である。道路上の反射板10と撮像装置20を同じ位置に設置し、第2の実施形態の反対車線を走行する車両の車長を計測する構成例である。車両Cが前方から反射板10の下を通過して撮像装置20側に近づいてくる例である。
【0075】
車両計測装置30の画像処理は図11に示す処理フローチャートが適用できる。但し、車両の画像に関する処理が車頭と車尾とが逆になることから、同処理フローチャートの車尾画像の検出は車頭画像の検出に、車両追跡は車頭による追跡に、車尾位置と車頭位置の計測処理はそれぞれ車頭位置と車尾位置の計測処理に変更することで実現可能である。つまり、図11に示す処理フローチャートで、最初に車頭を検出し、車両IDを登録して追跡し、その後、反射板10に映る当該車両IDの車尾を検出して車頭位置と車尾位置を計測して車長を算出する。
【0076】
図19は第4の実施形態の処理フローチャートを示す図である。本実施形態の処置フローチャートの同一符号のステップの処理は第2の実施形態に関する図7に示す処理フローチャートと同様であるから説明を省略する。但し、主にステップB15は車頭位置の計測を行い、ステップB16は車尾位置の計測を行う等、車頭と車尾に関する処理が逆となる。
【0077】
また、第4の実施形態は、複数の移動路(車線)の移動物体(車両)に適用できることは明らかである。この場合、車線が複数車線となることから、第3の実施形態と同様に図19(図11)の処理フローチャートの車尾画像の検出、車両追跡及び車尾位置と車頭位置の計測処理は、画像中に予め設定した車線領域毎に行う。
【0078】
(第5の実施形態)
以上の各実施形態では反射板10に鏡等を使用した例を示したが、本発明は反射板で車頭又は車尾側の反射画像を映し出す機能を有し、移動物体(車両)計測装置が当該画像を含む画像が撮影可能であれば車長の計測が可能である。つまり、反射板としてはこのような反射画像を映し出せればよく、本発明は鏡等に代えて任意の表示案内板等を反射板として使用して構成することができる。
【0079】
図20は本発明の第5の実施形態として反射板に表示案内板を使用した構成例を示す図である。撮像装置20として遠赤外線カメラを用い、反射板として道路に設置される表示案内板60を用いて構成したものである。
【0080】
表示反射板60は遠赤外線を反射する反射板として使用することが可能であり、表示反射板60に映し出される遠赤外線の画像を遠赤外線カメラにより撮像する。遠赤外線カメラから得られる遠赤外線画像は、車両計測装置30における画像処理により車長計測が実現される。本実施形態の車両計測の画像処理は以上の各実施形態の処理動作と同様である。
【0081】
本実施形態によれば、遠赤外線カメラを用いることにより既存の表示反射板60を代用することが可能となり、専用の表示板を新たに設置する必要がないという利点を有する。
【0082】
(第6の実施形態)
次に以上の実施形態の処理は、ハードウェアにより実行させることが可能であるとともに、ソフトウェアにより実行させることが可能である。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、以上の実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶部を移動物体計測装置内に備え、移動物体計測装置のコンピュータ(CPU:Central Processing Unit)が前記プログラムコードを読み込んで以上の機能を実行するように構成する。
【0083】
また、前記プログラムコードを記憶した記憶媒体を使用し、この記憶媒体からプログラムコードを読み出し、前記記憶部に格納することができる。この場合、前記記憶媒体から読み出されたプログラムコードが以上説明した各実施形態の機能を実現する。
【0084】
図21は本発明の移動物体計測装置の処理をプログラムにより実行する実施形態を示す図である。
【0085】
移動物体計測装置30は、バスにより相互に接続されたコンピュータを構成するCPU305、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を含む記憶部301、キー入力部302、表示部303及び撮像装置20の撮像画像のデータを入出力するインターフェイス304等を備える。
【0086】
キー入力部302は操作者により表示部303を参照しながら操作され、移動路及び計測対象の設定、選択、テンプレートの設定、選択等の各種の設定等が行われる。
【0087】
記憶部301には、画像軸上の車両等の移動物体の位置情報と実座標軸上の位置情報との変換テーブル、追跡用のテンプレートデータ及び以上の実施形態の機能を実現する制御プログラムを含む各種プログラムが格納される。
【0088】
CPU305は記憶部301のプログラムを読み込み、読み込んだプログラムにより制御される。これにより、CPU305はインターフェイス304を介して入力される撮像画像を処理し、画像内の車両等の移動物体の検出、ID付与、パターンマッチング等による追跡、車頭と車尾等の位置の計測、変換テーブルを用いた座標変換、変換座標による位置情報を用いた車長の算出等に関する前述の処理を実行する。前記プログラムは、少なくとも移動物体の移動路の上部に設置された撮像装置から、前記移動路の前方の上部に設置した反射板に映る移動路の反射画像を含む移動路の撮像画像を入力する第1のステップと、前記撮像画像の前記反射板と前記撮像装置の間の同一移動物体の長さを計測する第2のステップと、をコンピュータに実行させるプログラムとすることができる。
【0089】
以上のように本発明は、移動物体の長さの計測を単一の反射板と撮像装置により行うことが可能であり、システム構成の簡略化が可能である。また、本発明によれば複数の撮像装置を用いることなく、撮影範囲に車両の車頭と車尾が同時に撮像できない場合でも車長計測の実施が可能である。さらに、撮像装置は反射板との間にネットワークケーブルや電源等の接続を必要としないのでネットワーク設備等を増設する必要がない。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、進行する移動物体の一端部と他端部の位置計測により長さを計測するものであるから、車両の長さの計測に限らず任意の物体の長さの計測に適用可能である。たとえば、物流における荷物サイズの計測等の物体の長さを計測する計測装置として適用できる。また、道路における車種判別や駐車場の入庫管理またはフェリーの乗船管理等に適用可能である。
【符号の説明】
【0091】
1 車両
2 撮像装置
3 移動物体計測装置
31 画像処理装置
4 移動物体
10、50 反射板
20 撮像装置
30 車両計測装置(画像処理装置)
40 車両
60 表示案内板
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動物体の長さを計測する移動物体計測システム、移動物体計測装置、移動物体計測方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラ等の撮像装置により道路を撮像し、走行する車両の撮像画像の画像処理を行うことにより車両を計測する交通流計測システムが一般道路や高速道路に設置されている。
【0003】
このような計測システムの関連技術として、直上または真横から車両を撮像して車長を計測する計測方法が特許文献1や特許文献2に提案されており、また、複数の撮像装置を用いて車長を計測する計測方法が特許文献3に提案されている。また、反射板を用いることによって1台の撮像装置で車の前部と車の後部を同時に撮像して車長を計測する計測方法が特許文献4に提案されている。
【0004】
図22は特許文献4に記載された反射板と1台の撮像装置で車の長さを計測する車両測定装置を示す図である。
車15の先端部aと後端部bの上方に設けた先端鏡11aと後端鏡11b及び中央部上方に設けた中央鏡12a、12bと、中央鏡12a、12bにより反射した車の先端部a及び後端部bの画像を同一視野内で撮影するカメラ13と、カメラ13からの画像信号の処理により車の長さLを演算する処理手段14と、から構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−236992号公報
【特許文献2】特開2007−163171号公報
【特許文献3】特開2001−6084号公報
【特許文献4】特開平10−89925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1〜3に記載されている車両の計測方法は、複数の撮像装置や撮像装置と他のセンサー等を用いるものであるから、装置数、装置間の配置構成及びネットワーク設備等の増設が必要であるという点で問題がある。
【0007】
また、特許文献4に記載されている反射板を用いた車両の計測方法は、車両の上部に配置した単一の撮像装置を用いて車長を計測できる。しかし、車両の先端部aと後端部bの上部に2つの反射板11a、11bと、2つの反射板の中間に2つの反射板12a、12bと、2つの反射板12a、12bの上部に処理手段14と接続された撮像装置13を配置する必要があり、大掛かりな設備構成となるという点で問題がある。
【0008】
本発明は、以上のような問題を解決するものであり、簡素な設備構成により車両等の移動物体の長さを計測可能な移動物体計測システム、移動物体計測装置、移動物体計測方法及びプログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の移動物体計測システムは、移動物体の移動路の上部に設置され移動路からの光を反射する反射板と、前記反射板と対向する前記移動路の上部に設置され、前記反射板方向の画像及び前記反射板の反射画像を同時に撮像する撮像装置と、前記撮像装置が撮像した撮像画像に基づいて前記反射板と前記撮像装置の間の前記移動物体の長さを計測する移動物体計測装置と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の移動物体計測装置は、移動物体の移動路の上部に設置された撮像装置から、前記移動路の前方の上部に設置した反射板に映る移動路の反射画像を含む前記反射板方向の撮像画像を入力し、前記撮像画像の前記反射板と前記撮像装置の間の同一移動物体の長さを計測する画像処理装置を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の移動物体計測方法は、画像処理装置が移動物体の移動路の上部に設置された撮像装置から、前記移動路の前方の上部に設置した反射板に映る移動路の反射画像を含む移動路の撮像画像を入力する第1のステップと、前記画像処理装置が前記撮像画像の前記反射板と前記撮像装置の間の同一移動物体の長さを計測する第2のステップと、からなることを特徴とする。
【0012】
本発明のプログラムは、画像処理装置が移動物体の移動路の上部に設置された撮像装置から、前記移動路の前方の上部に設置した反射板に映る移動路の反射画像を含む移動路の撮像画像を入力する第1のステップと、前記画像処理装置が前記撮像画像の前記反射板と前記撮像装置の間の同一移動物体の長さを計測する第2のステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、移動物体の長さの計測を反射板と撮像装置により行うことが可能であり設備構成の簡略化が可能である。
【0014】
また、本発明によれば複数の撮像装置を用いることなく、かつ撮影範囲で車両等の移動物体の一端部と他端部を同時に直接的に撮像できない場合でも長さの計測が可能である。
【0015】
さらに、撮像装置と反射板との間にはネットワークケーブルや電源等の接続を必要としないのでネットワーク設備等を増設する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は本発明の第1の実施形態の移動物体計測システムを示す図である。
【図2】図2は本発明の第1の実施形態の構成を示す図であり、図2(a)は移動物体計測装置、図2(b)は移動物体計測方法である。
【図3】図3は第2の実施形態の車長計測システムを車両の真横から見た構成を示す図である。
【図4】図4は第2の実施形態の車長計測システムを車両の真上から見た構成を示す図である。
【図5】図5は車両が走行しておらず道路と前方の反射板10等が撮像された場合の撮像画像を示す図である。
【図6】図6は撮像装置の撮像範囲に最初の車両Aが現れた場合の撮像画像を示す図である。
【図7】図7は車両Aが反射板10に向けて走行している場合の撮像画像を示す図である。
【図8】図8は反射板に走行する車両Aの車頭が映った場合の撮像画像を示す図である。
【図9】図9は後続の車両Bが現れた場合の撮像画像を示す図である。
【図10】図10は撮像画像に基づいて画像処理により車両の車長を計測する原理を示す図である。
【図11】図11は本実施形態の車長計測動作の処理フローチャートを示す図である。
【図12】図12は車尾の背景差分画像の例を示す図であり、図12(a)は撮像画像、図12(b)は静止背景を差分した背景差分画像である。
【図13】図13は保存する車尾画像のテンプレートを示す図である。
【図14】図14は反射板の画像の車頭の存在を判定する背景差分画像の例であり、図14(a)は撮影画像、図14(b)は背景差分画像である。
【図15】図15は反射板10でナンバープレートが映る画像例であり、図15(a)は撮像画像、図15(b)は背景差分の2値画像である。
【図16】図16は第2の実施形態のより具体的な反射板10と撮像装置20の配置例を示す図である。
【図17】図17は第3の実施形態の片側複数車線の撮像画像例を示す図である。
【図18】図18は第4の実施形態として反射板側から車両計測装置側に車両が進行する場合の例を示す図である。
【図19】図19は第4の実施形態の処理フローチャートを示す図である。
【図20】図20は本発明の第5の実施形態として反射板に表示案内板を使用した構成例を示す図である。
【図21】図21は本発明の移動物体計測装置の処理をプログラムにより実行する実施形態を示す図である。
【図22】図22は特許文献4に記載された反射板と1台の撮像装置で車の長さを計測する車両測定装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(発明の実施形態)
本発明の移動物体計測システム、移動物体計測装置、移動物体計測方法及びプログラムの実施形態について説明する。
【0018】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態の移動物体計測システムを示す図である。移動物体4の移動路の上部に設置された前記移動路からの光を反射する反射板1と、前記反射板1と対向する前記移動路の上部に設置され、前記移動路方向の画像及び前記反射板の反射画像を同時に撮像する撮像装置2と、前記撮像装置2が撮像した撮像画像(画像データ)に基づいて前記反射板1と前記撮像装置2の間の移動物体4の長さを計測する移動物体計測装置3と、を備える。
【0019】
より具体的には、移動物体計測装置3は撮像画像装置でなる。移動物体計測装置3は、撮影画像中の移動物体の一端部(後端等)の撮像画像と反射板1に映る移動物体の他端部(前端等)の撮影画像とが同一移動物体の場合に各位置を計測して移動物体の長さを計測する。
【0020】
図2は本発明の第1の実施形態の構成を示す図であり、図2(a)は移動物体計測装置、図2(b)は移動物体計測方法である。
本発明の第1の実施形態の移動物体計測装置は、移動物体の移動路の上部に設置された撮像装置2から、前記移動路の前方の上部に設置した反射板に映る移動路の反射画像を含む移動路の撮像画像を入力し、前記撮像画像の前記反射板と前記撮像装置2の間の同一移動物体の長さを計測する画像処理装置31を備える。
【0021】
より具体的には、画像処理装置31は撮像装置2から入力した反射板の反射画像を含む移動物体の移動路方向の撮像画像のデータを入力する。次に、画像処理装置31は同一移動物体の一端部及び他端部の位置を検出する。そして画像処理装置31は移動物体の一端部及び他端部の位置に基づいて移動物体の一端部と他端部の間の長さを算出する。
【0022】
本発明の第1の実施形態の移動物体計測方法は、画像処理装置が移動物体の移動路の上部に設置された撮像装置から、前記移動路の前方の上部に設置した反射板に映る移動路の反射画像を含む移動路の撮像画像を入力する第1のステップ(S1)と、前記画像処理装置が前記撮像画像の前記反射板と前記撮像装置の間の同一移動物体の長さを計測する第2のステップ(S2)と、からなる。
【0023】
より具体的には、画像処理装置31は撮像装置2から移動物体の移動路方向の画像及び反射板の反射画像を同時に撮像した撮像画像を入力する。次に画像処理装置31は画像処理装置により前記撮像画像に基づいて同一移動物体の一端部及び他端部の位置を検出して前記移動物体の長さを算出する。
【0024】
以上の移動物体計測システム、移動物体計測装置、移動物体計測方法によれば、移動物体の長さの計測を単一の反射板と撮像装置により行うことが可能でありシステム構成を簡略化することが可能である。
【0025】
(第2の実施形態)
本発明の移動物体計測システム、移動物体計測装置、移動物体計測方法の第2の実施形態として、道路を進行する車両の前端部(「車頭」という。)と後端部(「車尾」という。)の間の長さ(「車長」という。)を計測する車長計測システムの構成例により説明する。
【0026】
図3は第2の実施形態の車長計測システムを車両の真横から見た構成を示す図であり、図4は第2の実施形態の車長計測システムを車両の真上から見た構成を示す図である。
【0027】
本実施形態の車長計測システムは、道路(車道)に沿って設置された、光を反射する反射板10、反射板10で反射された画像を含む道路上の計測対象車両等を撮像するビデオカメラ等の撮像装置20、及び撮像装置20が出力する撮像画像から車両の車頭と車尾を検出して車長を算出する画像処理装置を用いた車両計測装置30から構成される。
【0028】
反射板10は道路及び車両40の車頭の像を映すことができる鏡や鏡面等、光を反射する機能を持つ反射板である。本実施形態では反射板10は反射面が車両の進行(走行)方向と逆方向であって、道路を進行してきた車両40の車頭に面するように道路の上部等から斜め下方向等に向けて配置される。つまり、前記撮像装置20の撮像方向と反対方向に反射面を有し、前記車両の車頭方向からの光を前記撮像装置20側に反射できる位置、向きに設置される。
【0029】
撮像装置20は、道路上を走行する車両40の車尾及び道路を含む画像と、反射板10に映る車両40の車頭の画像とを撮像できるように設置される。撮像装置20は、撮像方向が車両40の進行方向であって、車両40の上部に水平ないし斜め下方向に向けて道路の上方に設置される。つまり、撮像装置20は道路を走行する車両40の後方から道路を含む画像を撮像するとともに、少なくとも車両の車尾と反射板10に映る車両の車頭を同時に撮像できる位置、向きに設置される。
【0030】
反射板10と撮像装置20は、例えば、道路の路肩等に設置されたそれぞれ直線状、逆L字状等の支柱や、道路を跨ぐように設置された支柱等の上部等に固定、設置される。
【0031】
車両計測装置30は、撮像装置20から出力された撮像画像を画像処理し、車両40を検出して追跡するとともに、車両40の車頭と車尾の画像の位置を計測し、その計測値に基づいて車長を算出する機能を有する。車両計測装置30はパーソナルコンピュータ等により構成することができる。
【0032】
(動作の説明)
次に第2の実施形態の動作について図面を参照して以下詳細に説明する。片側1車線の道路の上部に反射板10及び撮像装置20を設置した場合について、撮像装置20で撮像した車両の進行方向の画像例により以下説明する。本実施形態では撮像装置20を配置した道路路側を原点とし、車両進行方向と一致する方向の座標軸をX軸、画像上の座標軸をx軸とする。
【0033】
図5は車両が走行しておらず道路と前方の反射板10等の撮像画像を示す図である。図6は撮像装置の撮像範囲に最初の車両Aが現れた場合の撮像画像を示す図である。図7は前記車両Aが反射板10に向けて走行している場合の撮像画像を示す図である。図8は反射板10に走行する車両Aの車頭が映った場合の撮像画像を示す図である。図9は後続の車両Bが現れた場合の撮像画像を示す図である。
【0034】
撮像装置20で撮像される画像には、走行車両がなければ、図5に示すように道路と前方の反射板10が映っており、その後、図6に示すように車両Aが現れ、図7に示すように車両Aが反射板10方向に進行する。そして、車両Aが反射板10に近づくと図8に示すように反射板10に車両Aの車頭側が映ることとなる。また、車両Aの後続の車両がある場合は、図9に示すように車両Aと車両Bが同時に映り走行する。
【0035】
図10は撮像画像に基づいて画像処理により車両の車長を計測する原理を示す図である。本実施形態の車長計測の原理は、撮像装置20で撮像した画像中に直接撮像された計測対象の車両の車尾と、反射板10に映る当該車両の車頭とが同時に検出された時点で、その車尾(下端等)の位置と車頭(下端等)の位置を画像のx軸上で計測する。そして、それぞれの位置を実際の道路上の位置である実軸のX軸上の位置に変換して、実軸X上の位置の差分を算出して車長を算出する手法に基づくものである。
【0036】
但し、後述するように実際には撮影画像に車両が現れ始め、反射板10の撮像画像に車頭が現れるまでに時間を要する場合があり、その間に図9に示すように他の車両Bの出現もあり得る。そこで、車両計測装置30では車頭と車尾が同時に検出された場合に同一車両に係るものか否かを識別するため、車両の追跡、車頭と車尾の識別等の画像処理を行う。
【0037】
図11は本実施形態の車長計測動作の処理フローチャートを示す図である。本実施形態の処理フローチャートの動作は、撮像装置20に関する撮像処理のステップA1、A2と車両計測装置30に関する車長計測の処理ステップB1〜B14が交互に継続して行われる。
【0038】
以下、本実施形態の撮像装置20と車両計測装置30の車両の車長計測の処理動作について説明する。
【0039】
前時刻(t1)での撮像装置20及び車両計測装置30の撮像及び車長計測に関する処理動作の終了後、撮像装置20は後時刻(t2)の撮像の処理として反射板10により映し出される画像を含む車両の進行方向の道路の画像を撮像する(ステップA1)。撮像装置20は撮像した撮像画像を車両計測装置30に出力する(ステップA2)。
【0040】
車両計測装置30は後時刻(t2)の処理として撮像装置20から入力した撮像画像を解析し、前時刻(t1)の画像に追跡車両が存在するか否かを判定する(ステップB1)。車両計測装置30は追跡車両が存在するか否かを画像中に車尾を含む車両が存在するか否かで判定する。後述するように画像中の道路上に車尾を含む車両が存在する場合は、当該車両に車両ID(Identification;個体識別情報)が付与される。車両計測装置30は、追跡車両が存在を、たとえば、保存されている車両IDの中に追跡中のIDがあるか否かにより判定する方法がある。
【0041】
ステップB1で車両計測装置30は追跡車両が存在しないと判定した場合は、画像中の計測領域内に車尾を含む車両が存在するか否かを判定する(ステップB2)。
【0042】
ステップB2の車両(車尾)の存在の判定は、車両計測装置30が、たとえば、画像から静止背景の領域を差分した画像(背景差分画像)を生成して、静止背景でない領域を抽出し車両領域が存在するか否かを判定する方法がある。前記両画像の各画素の画素値を差分すると背景になかった車両の領域の画素値が0より大きくなり、ある値で閾値処理を行うと2値画像ができ車両領域が分かる。また、この方法では静止背景でない領域の形、エッジの数等を用いて当該領域が車両領域か否かを検証して精度を向上させる方法がある。
【0043】
図12は車尾の背景差分画像の例を示す図であり、図12(a)は撮像画像、図12(b)は静止背景を差分した背景差分画像である。背景差分画像として2値画像の差分として現したものであり白色部分が車両領域である。
【0044】
ステップB2で車両計測装置30が車両が存在しないと判定した場合は(ステップB2、NO)、1周期の処理を終了し、撮像装置20の次の時刻(t3)の撮像動作に移行する(ステップA1)。
【0045】
ステップB2で図12(b)のような背景差分画像から車両計測装置30が車両が存在すると判定した場合は(ステップB2、YES)、当該車両Aに車両IDを付けて保存し(ステップB3)、当該車両Aの追跡を開始し(ステップB4)、1周期の処理を終了する。1周期の処理を終了すると、撮像装置20の次の時刻(t3)の撮像動作に移行する(ステップA1)。
【0046】
ステップB4の車両計測装置30の車両の追跡開始には、たとえば、後時刻(t3)で行われる、後述するパターンマッチングに用いる車尾の画像(車尾画像)のテンプレートを保存する方法がある。
【0047】
図13は保存する車尾画像のテンプレートを示す図である。図13に示す車尾画像を含む枠内の領域の画像をテンプレートとして保存する。この状態(位置)から車両計測装置30は車両及び画像の下端等の追跡処理の動作を開始する。テンプレートは車両の後姿全部でなく一部とすることも可能である。
【0048】
追跡処理としては、たとえば、保存した車尾画像のテンプレートと後時刻(t3)で撮影した撮像画像とのパターンマッチングにより追跡処理を行う方法がある。
【0049】
また、ステップB1で車両計測装置30が追跡車両が存在すると判定した場合は(ステップB1、YES)、ステップA2で撮像装置20から出力された撮像画像を用いて追跡処理を行い、追跡処理の終了後に当該画像の画像座標x軸上の車両の車尾位置を算出する(ステップB5)。
【0050】
ステップB5で車両計測装置30の追跡処理としては、撮像画像に対し前時刻(t1)で保存されたテンプレートをずらしながら画像のマッチングを行う方法がある。具体的には、検出された車両Aの位置から進行方向に向かってテンプレートをずらしながらテンプレートのマッチングを行い、最も類似(マッチング)している部分が車両Aの存在する場所とする。また、マッチングの処理後、次の時刻(t2)の追跡処理のために車尾画像のテンプレートを更新する。
【0051】
次に、追跡処理の結果、撮像画像に追跡が行われていない新規な車両(IDが付与されていない後続の車両等)の車尾画像が存在するか否かを判定する(ステップB6)。
【0052】
ステップB6で新規な車両が存在しない場合は、反射板10の反射画像に車頭を含む車両が存在するか否かを判定する(ステップB9)。
【0053】
新規な車両の存在の判定としては、たとえば、ステップB2と同様の背景差分を用いた方法がある。つまり、画像から静止背景の領域を差分して、静止背景ではない領域を抽出し、必要により形、エッジの数等を用いて検証を行い、新規な車両領域が存在するか否かを判定する方法がある。
【0054】
また、ステップB6で図9に示すように後続の車両Bが存在する場合は、新規車両として新たな車両IDを付けて保存し(ステップB7)、新規車両の追跡を開始した後(ステップB8)、反射板10上に車頭を含む車両が存在するか否かを判定するステップB9に移行する。
【0055】
ステップB8で車両計測装置30の新規な車両の追跡開始には、ステップB4と同様に後時刻(t3)に行われるパターンマッチングに用いる車尾画像のテンプレートを保存する方法がある。
【0056】
ステップB9で反射板10の画像に車両が存在しない場合は(ステップB9、NO)、1周期の処理を終了し、撮像装置20による次の時刻(t3)の撮像動作のステップA1に移行する。
【0057】
また、ステップB9で反射板10の画像に車両が存在する場合は、反射板10の画像に車両の車頭が存在するか否かを判定する(ステップB10)。反射板10の画像の車頭の存在の判定としては、たとえば、反射板10の画像に対する背景差分画像を用いる方法がある。
【0058】
図14は反射板の画像の車頭の存在を判定する背景差分の2値画像の例であり、図14(a)は撮影画像、図14(b)は背景差分画像である。図5に示す画像を背景画像とし、図14(a)を撮影画像とする背景差分の2値画像である。この2値画像から反射板10に映る車両領域を検出することができる。
【0059】
また、反射板10の画像の車頭の存在の判定としては、反射板10でナンバープレートを映すことができれば、パターンマッチング等によりナンバープレートの存在を判定することによって行う方法がある。
【0060】
図15は反射板10にナンバープレートが映る画像例であり、図15(a)は撮像画像、図15(b)は背景差分の2値画像である。車両計測装置30は、ナンバープレートのモデルを事前に保存しておき、そのモデルと反射板が映す画像の撮影画像とのテンプレートマッチングによりナンバープレート位置を検出する。
【0061】
ステップB10で車頭が存在しない場合は(ステップB10、NO)、1周期の処理を終了し、撮像装置20による次の時刻(t3)の撮像動作のステップA1に移行する。
【0062】
また、ステップB10で車頭が存在する場合は(ステップB10、YES)、画像座標x軸上の車頭位置を算出する(ステップB11)。画像座標の算出としては、たとえば、ステップB10で検出された車両領域の位置(下端等)の位置や、検出したナンバープレートの位置(下端等)を車頭位置として検出する方法がある。
【0063】
次に、ステップB10で車両計測装置30は検出された車頭がどの車両IDと対応するかの車両の対応付けを行う(ステップB12)。この対応付けとしては、たとえば、車両IDが登録された時刻を見て最も古い車両IDと対応付けるという方法がある。
【0064】
また、ステップB11で車両計測装置30は得られた車頭位置とステップB5の追跡処理で得られる直前の車尾位置を画像座標(x軸)から実座標(X軸)に変換する(ステップB13)。座標変換としては、たとえば、画像座標から実座標への変換テーブルをあらかじめ計測により作成しておき、入力した画像座標の位置から変換テーブルを参照して対応するX軸の位置を出力する方法がある。
【0065】
更に、ステップB14で車両計測装置30は算出したX軸上の車頭位置と車尾位置との差分を演算して車長を算出する。また、一度車長を計測すると、その車両は追跡する必要がなくなるから、車両計測装置30は当該車両の車両IDを廃棄し(ステップB14)、撮像装置20による次の時刻(t3)の撮像動作のステップA1に移行する。
【0066】
本実施形態によれば、単一の反射板10と撮像装置20により、図11に示す処理フローチャートにより、撮像装置20で撮像された画像内の走行する車両の車長の計測が実現できる。例えば1ないし数台の車両の後部の画像と前方に設置した反射板10に映る前部の画像の両方を撮像することにより、1ないし複数台の車両の車長を計測することが可能である。
【0067】
図16は第2の実施形態のより具体的な反射板10と撮像装置20の配置例を示す図である。最大長が12m程度の車両の車長計測を予定したものである。反射板10と撮像装置20を30mの間隔で道路の上部6mの高さに設置し、撮像装置20は視野角40°で、略水平方向を撮像するように設定している。
【0068】
本実施形態は、カメラ等の撮像装置で同時に撮像された車両の車尾の直接撮像画像と、光を反射する反射板10によって車尾の間接撮像画像と、から車頭と車尾の位置を算出し、その値から車長を算出するものである。これにより車長の計測を反射板と撮像装置により行うことが可能であり、設備構成を簡略化することが可能である。
【0069】
特に、車両の車頭と車尾を同時に撮像できるから、一般道路や高速道路の交通監視用の撮像装置のように、撮像装置が車両の前方または後方から撮像するように設置されているシステムに適用可能である。
【0070】
(第3の実施形態)
第1、2の実施形態においては、移動路の路線は片側1路線(車線)の場合の移動物体(車両)の長さ(車長)計測について説明したが、本発明は片側2路線(車線)以上の場合にも適用可能である。
【0071】
図17は第3の実施形態の片側複数車線の撮像画像例を示す図である。本実施形態では複数車線の車両A、Bの反射画像が車両計測装置で撮像可能なように複数車線に跨る反射板50を配置する。
【0072】
車両計測装置の画像処理は図11に示す処理フローチャートが適用できる。但し、車線が複数車線となることから、車両計測装置30による同処理フローチャートの車尾画像の検出、車両追跡及び車尾位置と車頭位置の計測処理は、画像中に予め設定した車線領域毎に行う。たとえば、ステップB3、B7の車両IDの登録等は車線別のIDとして登録し、ステップB1の追跡中か否かの判断及びステップB12の車両対応付けの判断は、ステップB14の処理で廃棄されていない車線別の最も先頭の車両IDとして行う。その他の処理は図11の処理と同様であるから説明を省略する。
【0073】
(第4の実施形態)
第1〜3の実施形態では、車両計測装置20が移動路(道路)を進行する移動物体(車両)の後方から移動路を含む画像を撮像する例を説明したが、本発明は、車両計測装置20に対する移動物体(車両)の進行方向が逆の場合でも同様に適用可能である。
【0074】
図18は第4の実施形態として反射板側から車両計測装置側に車両が進行する場合の例を示す図である。道路上の反射板10と撮像装置20を同じ位置に設置し、第2の実施形態の反対車線を走行する車両の車長を計測する構成例である。車両Cが前方から反射板10の下を通過して撮像装置20側に近づいてくる例である。
【0075】
車両計測装置30の画像処理は図11に示す処理フローチャートが適用できる。但し、車両の画像に関する処理が車頭と車尾とが逆になることから、同処理フローチャートの車尾画像の検出は車頭画像の検出に、車両追跡は車頭による追跡に、車尾位置と車頭位置の計測処理はそれぞれ車頭位置と車尾位置の計測処理に変更することで実現可能である。つまり、図11に示す処理フローチャートで、最初に車頭を検出し、車両IDを登録して追跡し、その後、反射板10に映る当該車両IDの車尾を検出して車頭位置と車尾位置を計測して車長を算出する。
【0076】
図19は第4の実施形態の処理フローチャートを示す図である。本実施形態の処置フローチャートの同一符号のステップの処理は第2の実施形態に関する図7に示す処理フローチャートと同様であるから説明を省略する。但し、主にステップB15は車頭位置の計測を行い、ステップB16は車尾位置の計測を行う等、車頭と車尾に関する処理が逆となる。
【0077】
また、第4の実施形態は、複数の移動路(車線)の移動物体(車両)に適用できることは明らかである。この場合、車線が複数車線となることから、第3の実施形態と同様に図19(図11)の処理フローチャートの車尾画像の検出、車両追跡及び車尾位置と車頭位置の計測処理は、画像中に予め設定した車線領域毎に行う。
【0078】
(第5の実施形態)
以上の各実施形態では反射板10に鏡等を使用した例を示したが、本発明は反射板で車頭又は車尾側の反射画像を映し出す機能を有し、移動物体(車両)計測装置が当該画像を含む画像が撮影可能であれば車長の計測が可能である。つまり、反射板としてはこのような反射画像を映し出せればよく、本発明は鏡等に代えて任意の表示案内板等を反射板として使用して構成することができる。
【0079】
図20は本発明の第5の実施形態として反射板に表示案内板を使用した構成例を示す図である。撮像装置20として遠赤外線カメラを用い、反射板として道路に設置される表示案内板60を用いて構成したものである。
【0080】
表示反射板60は遠赤外線を反射する反射板として使用することが可能であり、表示反射板60に映し出される遠赤外線の画像を遠赤外線カメラにより撮像する。遠赤外線カメラから得られる遠赤外線画像は、車両計測装置30における画像処理により車長計測が実現される。本実施形態の車両計測の画像処理は以上の各実施形態の処理動作と同様である。
【0081】
本実施形態によれば、遠赤外線カメラを用いることにより既存の表示反射板60を代用することが可能となり、専用の表示板を新たに設置する必要がないという利点を有する。
【0082】
(第6の実施形態)
次に以上の実施形態の処理は、ハードウェアにより実行させることが可能であるとともに、ソフトウェアにより実行させることが可能である。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、以上の実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶部を移動物体計測装置内に備え、移動物体計測装置のコンピュータ(CPU:Central Processing Unit)が前記プログラムコードを読み込んで以上の機能を実行するように構成する。
【0083】
また、前記プログラムコードを記憶した記憶媒体を使用し、この記憶媒体からプログラムコードを読み出し、前記記憶部に格納することができる。この場合、前記記憶媒体から読み出されたプログラムコードが以上説明した各実施形態の機能を実現する。
【0084】
図21は本発明の移動物体計測装置の処理をプログラムにより実行する実施形態を示す図である。
【0085】
移動物体計測装置30は、バスにより相互に接続されたコンピュータを構成するCPU305、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を含む記憶部301、キー入力部302、表示部303及び撮像装置20の撮像画像のデータを入出力するインターフェイス304等を備える。
【0086】
キー入力部302は操作者により表示部303を参照しながら操作され、移動路及び計測対象の設定、選択、テンプレートの設定、選択等の各種の設定等が行われる。
【0087】
記憶部301には、画像軸上の車両等の移動物体の位置情報と実座標軸上の位置情報との変換テーブル、追跡用のテンプレートデータ及び以上の実施形態の機能を実現する制御プログラムを含む各種プログラムが格納される。
【0088】
CPU305は記憶部301のプログラムを読み込み、読み込んだプログラムにより制御される。これにより、CPU305はインターフェイス304を介して入力される撮像画像を処理し、画像内の車両等の移動物体の検出、ID付与、パターンマッチング等による追跡、車頭と車尾等の位置の計測、変換テーブルを用いた座標変換、変換座標による位置情報を用いた車長の算出等に関する前述の処理を実行する。前記プログラムは、少なくとも移動物体の移動路の上部に設置された撮像装置から、前記移動路の前方の上部に設置した反射板に映る移動路の反射画像を含む移動路の撮像画像を入力する第1のステップと、前記撮像画像の前記反射板と前記撮像装置の間の同一移動物体の長さを計測する第2のステップと、をコンピュータに実行させるプログラムとすることができる。
【0089】
以上のように本発明は、移動物体の長さの計測を単一の反射板と撮像装置により行うことが可能であり、システム構成の簡略化が可能である。また、本発明によれば複数の撮像装置を用いることなく、撮影範囲に車両の車頭と車尾が同時に撮像できない場合でも車長計測の実施が可能である。さらに、撮像装置は反射板との間にネットワークケーブルや電源等の接続を必要としないのでネットワーク設備等を増設する必要がない。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、進行する移動物体の一端部と他端部の位置計測により長さを計測するものであるから、車両の長さの計測に限らず任意の物体の長さの計測に適用可能である。たとえば、物流における荷物サイズの計測等の物体の長さを計測する計測装置として適用できる。また、道路における車種判別や駐車場の入庫管理またはフェリーの乗船管理等に適用可能である。
【符号の説明】
【0091】
1 車両
2 撮像装置
3 移動物体計測装置
31 画像処理装置
4 移動物体
10、50 反射板
20 撮像装置
30 車両計測装置(画像処理装置)
40 車両
60 表示案内板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動物体の移動路の上部に設置され移動路からの光を反射する反射板と、前記反射板と対向する前記移動路の上部に設置され、前記反射板方向の画像及び前記反射板の反射画像を同時に撮像する撮像装置と、前記撮像装置が撮像した撮像画像に基づいて前記反射板と前記撮像装置の間の前記移動物体の長さを計測する移動物体計測装置と、を備えることを特徴とする移動物体計測システム。
【請求項2】
前記移動物体計測装置は、前記移動物体の移動方向の一端部の位置と他端部の位置とを計測することにより前記移動物体の長さを計測することを特徴とする請求項1記載の移動物体計測システム。
【請求項3】
前記移動物体計測装置は、前記撮像画像中に現れる前記移動物体にIDを付与して追跡することにより1ないし複数の前記移動物体の長さを計測することを特徴とする請求項1又は2記載の移動物体計測システム。
【請求項4】
前記移動物体計測装置は、画像上の座標軸を移動路上の座標軸へ変換して前記移動物体の長さを計測することを特徴とする請求項1から3の何れかの請求項記載の移動物体計測システム。
【請求項5】
前記移動物体計測装置は、前記移動物体の長さを複数の移動路別に計測することを特徴とする請求項1から4の何れかの請求項記載の移動物体計測システム。
【請求項6】
前記反射板は表示案内板であり、前記撮像装置は赤外線撮像装置であることを特徴とする請求項1から5の何れかの請求項記載の移動物体計測システム。
【請求項7】
前記移動物体は車両であり、前記一端部は車両の車頭又は車尾であり、前記他端部は車両の車尾又は車頭であり、前記移動物体計測装置は前記車両の車長を計測する車両計測装置であることを特徴とする請求項1から6の何れかの請求項記載の移動物体計測システム。
【請求項8】
前記移動物体計測装置は、前記車両の車尾の位置を車尾の画像のパターンマッチングにより検出し、前記車頭の位置を車頭の画像のパターンマッチング又はナンバープレートの画像のパターンマッチングにより検出することを特徴とする請求項7記載の移動物体計測システム。
【請求項9】
移動物体の移動路の上部に設置された撮像装置から、前記移動路の前方の上部に設置した反射板に映る移動路の反射画像を含む前記反射板方向の撮像画像を入力し、前記撮像画像の前記反射板と前記撮像装置の間の同一移動物体の長さを計測する画像処理装置を備えることを特徴とする移動物体計測装置。
【請求項10】
前記画像処理装置は、前記移動物体の一端部の位置と他端部の位置とを検出し、前記一端部の位置と他端部の位置から前記移動物体の長さを算出することを特徴とする請求項9記載の移動物体計測装置。
【請求項11】
前記画像処理装置は、前記撮像画像中に現れる前記移動物体にIDを付与して追跡することにより1ないし複数の前記移動物体の長さを計測することを特徴とする請求項9又は10記載の移動物体計測装置。
【請求項12】
前記画像処理装置は、画像上の座標軸を移動路上の座標軸へ変換して前記移動物体の長さを計測することを特徴とする請求項9から11の何れかの請求項記載の移動物体計測装置。
【請求項13】
前記画像処理装置は、前記移動物体の長さを複数の移動路別に計測することを特徴とする請求項9から12の何れかの請求項記載の移動物体計測装置。
【請求項14】
前記反射板は表示案内板であり、前記撮像装置は赤外線撮像装置であることを特徴とする請求項9から13の何れかの請求項記載の移動物体計測装置。
【請求項15】
前記移動物体は車両であり、前記一端部は車頭又は車尾であり、前記他端部は車尾又は車頭であり、前記画像処理装置は前記車両の車長を計測することを特徴とする請求項9から14の何れかの請求項記載の移動物体計測装置。
【請求項16】
前記画像処理装置は、前記車両の車尾の位置を車尾の画像のパターンマッチングにより検出し、前記車頭の位置を車頭の画像のパターンマッチング又はナンバープレートの画像のパターンマッチングにより検出することを特徴とする請求項15記載の移動物体計測装置。
【請求項17】
画像処理装置が移動物体の移動路の上部に設置された撮像装置から、前記移動路の前方の上部に設置した反射板に映る移動路の反射画像を含む移動路の撮像画像を入力する第1のステップと、前記画像処理装置が前記撮像画像の前記反射板と前記撮像装置の間の同一移動物体の長さを計測する第2のステップと、からなることを特徴とする移動物体計測方法。
【請求項18】
前記第2のステップは、前記画像処理装置が前記移動物体の一端部の位置と他端部の位置とを検出し、前記画像処理装置が前記一端部の位置と他端部の位置から前記移動物体の長さを算出することを特徴とする請求項17記載の移動物体計測方法。
【請求項19】
前記第2のステップは、前記画像処理装置が前記撮像画像中に現れる前記移動物体にIDを付与して追跡することにより1ないし複数の前記移動物体の長さを計測することを特徴とする請求項17又は18記載の移動物体計測方法。
【請求項20】
前記第2のステップは、前記画像処理装置が画像上の座標軸を移動路上の座標軸へ変換して前記移動物体の長さを計測することを特徴とする請求項17から19の何れかの請求項記載の移動物体計測方法。
【請求項21】
前記第2のステップは、前記画像処理装置が前記移動物体の長さを複数の移動路別に計測することを特徴とする請求項17から20の何れかの請求項記載の移動物体計測方法。
【請求項22】
前記反射板は表示案内板であり、前記撮像装置は赤外線撮像装置であることを特徴とする請求項17から21の何れかの請求項記載の移動物体計測方法。
【請求項23】
前記移動物体は車両であり、前記一端部は車頭又は車尾であり、前記他端部は車尾又は車頭であり、前記第2のステップは前記画像処理装置が前記車両の車長を計測することを特徴とする請求項17から22の何れかの請求項記載の移動物体計測方法。
【請求項24】
前記第2のステップは、前記画像処理装置が前記車両の車尾の位置を車尾の画像のパターンマッチングにより検出し、前記画像処理装置が前記車頭の位置を車頭の画像のパターンマッチング又はナンバープレートの画像のパターンマッチングにより検出することを特徴とする請求項23記載の移動物体計測方法。
【請求項25】
画像処理装置が移動物体の移動路の上部に設置された撮像装置から、前記移動路の前方の上部に設置した反射板に映る移動路の反射画像を含む移動路の撮像画像を入力する第1のステップと、前記画像処理装置が前記撮像画像の前記反射板と前記撮像装置の間の同一移動物体の長さを計測する第2のステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項26】
前記第2のステップは、前記画像処理装置が前記移動物体の一端部の位置と他端部の位置とを検出し、前記画像処理装置が前記一端部の位置と他端部の位置から前記移動物体の長さを算出することを特徴とする請求項25記載のプログラム。
【請求項27】
前記第2のステップは、前記画像処理装置が前記撮像画像中に現れる前記移動物体にIDを付与して追跡することにより1ないし複数の前記移動物体の長さを計測することを特徴とする請求項25又は26記載のプログラム。
【請求項28】
前記第2のステップは、前記画像処理装置が画像上の座標軸を移動路上の座標軸へ変換して前記移動物体の長さを計測することを特徴とする請求項25から27の何れかの請求項記載のプログラム。
【請求項29】
前記第2のステップは、前記画像処理装置が前記移動物体の長さを複数の移動路別に計測することを特徴とする請求項25から28の何れかの請求項記載のプログラム。
【請求項30】
前記反射板は表示案内板であり、前記撮像装置は赤外線撮像装置であることを特徴とする請求項25から29の何れかの請求項記載のプログラム。
【請求項31】
前記移動物体は車両であり、前記一端部は車頭又は車尾であり、前記他端部は車尾又は車頭であり、前記第2のステップは前記画像処理装置が前記車両の車長を計測することを特徴とする請求項25から30の何れかの請求項記載のプログラム。
【請求項32】
前記第2のステップは、前記画像処理装置が前記車両の車尾の位置を車尾の画像のパターンマッチングにより検出し、前記画像処理装置が前記車頭の位置を車頭の画像のパターンマッチング又はナンバープレートの画像のパターンマッチングにより検出することを特徴とする請求項31記載のプログラム。
【請求項1】
移動物体の移動路の上部に設置され移動路からの光を反射する反射板と、前記反射板と対向する前記移動路の上部に設置され、前記反射板方向の画像及び前記反射板の反射画像を同時に撮像する撮像装置と、前記撮像装置が撮像した撮像画像に基づいて前記反射板と前記撮像装置の間の前記移動物体の長さを計測する移動物体計測装置と、を備えることを特徴とする移動物体計測システム。
【請求項2】
前記移動物体計測装置は、前記移動物体の移動方向の一端部の位置と他端部の位置とを計測することにより前記移動物体の長さを計測することを特徴とする請求項1記載の移動物体計測システム。
【請求項3】
前記移動物体計測装置は、前記撮像画像中に現れる前記移動物体にIDを付与して追跡することにより1ないし複数の前記移動物体の長さを計測することを特徴とする請求項1又は2記載の移動物体計測システム。
【請求項4】
前記移動物体計測装置は、画像上の座標軸を移動路上の座標軸へ変換して前記移動物体の長さを計測することを特徴とする請求項1から3の何れかの請求項記載の移動物体計測システム。
【請求項5】
前記移動物体計測装置は、前記移動物体の長さを複数の移動路別に計測することを特徴とする請求項1から4の何れかの請求項記載の移動物体計測システム。
【請求項6】
前記反射板は表示案内板であり、前記撮像装置は赤外線撮像装置であることを特徴とする請求項1から5の何れかの請求項記載の移動物体計測システム。
【請求項7】
前記移動物体は車両であり、前記一端部は車両の車頭又は車尾であり、前記他端部は車両の車尾又は車頭であり、前記移動物体計測装置は前記車両の車長を計測する車両計測装置であることを特徴とする請求項1から6の何れかの請求項記載の移動物体計測システム。
【請求項8】
前記移動物体計測装置は、前記車両の車尾の位置を車尾の画像のパターンマッチングにより検出し、前記車頭の位置を車頭の画像のパターンマッチング又はナンバープレートの画像のパターンマッチングにより検出することを特徴とする請求項7記載の移動物体計測システム。
【請求項9】
移動物体の移動路の上部に設置された撮像装置から、前記移動路の前方の上部に設置した反射板に映る移動路の反射画像を含む前記反射板方向の撮像画像を入力し、前記撮像画像の前記反射板と前記撮像装置の間の同一移動物体の長さを計測する画像処理装置を備えることを特徴とする移動物体計測装置。
【請求項10】
前記画像処理装置は、前記移動物体の一端部の位置と他端部の位置とを検出し、前記一端部の位置と他端部の位置から前記移動物体の長さを算出することを特徴とする請求項9記載の移動物体計測装置。
【請求項11】
前記画像処理装置は、前記撮像画像中に現れる前記移動物体にIDを付与して追跡することにより1ないし複数の前記移動物体の長さを計測することを特徴とする請求項9又は10記載の移動物体計測装置。
【請求項12】
前記画像処理装置は、画像上の座標軸を移動路上の座標軸へ変換して前記移動物体の長さを計測することを特徴とする請求項9から11の何れかの請求項記載の移動物体計測装置。
【請求項13】
前記画像処理装置は、前記移動物体の長さを複数の移動路別に計測することを特徴とする請求項9から12の何れかの請求項記載の移動物体計測装置。
【請求項14】
前記反射板は表示案内板であり、前記撮像装置は赤外線撮像装置であることを特徴とする請求項9から13の何れかの請求項記載の移動物体計測装置。
【請求項15】
前記移動物体は車両であり、前記一端部は車頭又は車尾であり、前記他端部は車尾又は車頭であり、前記画像処理装置は前記車両の車長を計測することを特徴とする請求項9から14の何れかの請求項記載の移動物体計測装置。
【請求項16】
前記画像処理装置は、前記車両の車尾の位置を車尾の画像のパターンマッチングにより検出し、前記車頭の位置を車頭の画像のパターンマッチング又はナンバープレートの画像のパターンマッチングにより検出することを特徴とする請求項15記載の移動物体計測装置。
【請求項17】
画像処理装置が移動物体の移動路の上部に設置された撮像装置から、前記移動路の前方の上部に設置した反射板に映る移動路の反射画像を含む移動路の撮像画像を入力する第1のステップと、前記画像処理装置が前記撮像画像の前記反射板と前記撮像装置の間の同一移動物体の長さを計測する第2のステップと、からなることを特徴とする移動物体計測方法。
【請求項18】
前記第2のステップは、前記画像処理装置が前記移動物体の一端部の位置と他端部の位置とを検出し、前記画像処理装置が前記一端部の位置と他端部の位置から前記移動物体の長さを算出することを特徴とする請求項17記載の移動物体計測方法。
【請求項19】
前記第2のステップは、前記画像処理装置が前記撮像画像中に現れる前記移動物体にIDを付与して追跡することにより1ないし複数の前記移動物体の長さを計測することを特徴とする請求項17又は18記載の移動物体計測方法。
【請求項20】
前記第2のステップは、前記画像処理装置が画像上の座標軸を移動路上の座標軸へ変換して前記移動物体の長さを計測することを特徴とする請求項17から19の何れかの請求項記載の移動物体計測方法。
【請求項21】
前記第2のステップは、前記画像処理装置が前記移動物体の長さを複数の移動路別に計測することを特徴とする請求項17から20の何れかの請求項記載の移動物体計測方法。
【請求項22】
前記反射板は表示案内板であり、前記撮像装置は赤外線撮像装置であることを特徴とする請求項17から21の何れかの請求項記載の移動物体計測方法。
【請求項23】
前記移動物体は車両であり、前記一端部は車頭又は車尾であり、前記他端部は車尾又は車頭であり、前記第2のステップは前記画像処理装置が前記車両の車長を計測することを特徴とする請求項17から22の何れかの請求項記載の移動物体計測方法。
【請求項24】
前記第2のステップは、前記画像処理装置が前記車両の車尾の位置を車尾の画像のパターンマッチングにより検出し、前記画像処理装置が前記車頭の位置を車頭の画像のパターンマッチング又はナンバープレートの画像のパターンマッチングにより検出することを特徴とする請求項23記載の移動物体計測方法。
【請求項25】
画像処理装置が移動物体の移動路の上部に設置された撮像装置から、前記移動路の前方の上部に設置した反射板に映る移動路の反射画像を含む移動路の撮像画像を入力する第1のステップと、前記画像処理装置が前記撮像画像の前記反射板と前記撮像装置の間の同一移動物体の長さを計測する第2のステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項26】
前記第2のステップは、前記画像処理装置が前記移動物体の一端部の位置と他端部の位置とを検出し、前記画像処理装置が前記一端部の位置と他端部の位置から前記移動物体の長さを算出することを特徴とする請求項25記載のプログラム。
【請求項27】
前記第2のステップは、前記画像処理装置が前記撮像画像中に現れる前記移動物体にIDを付与して追跡することにより1ないし複数の前記移動物体の長さを計測することを特徴とする請求項25又は26記載のプログラム。
【請求項28】
前記第2のステップは、前記画像処理装置が画像上の座標軸を移動路上の座標軸へ変換して前記移動物体の長さを計測することを特徴とする請求項25から27の何れかの請求項記載のプログラム。
【請求項29】
前記第2のステップは、前記画像処理装置が前記移動物体の長さを複数の移動路別に計測することを特徴とする請求項25から28の何れかの請求項記載のプログラム。
【請求項30】
前記反射板は表示案内板であり、前記撮像装置は赤外線撮像装置であることを特徴とする請求項25から29の何れかの請求項記載のプログラム。
【請求項31】
前記移動物体は車両であり、前記一端部は車頭又は車尾であり、前記他端部は車尾又は車頭であり、前記第2のステップは前記画像処理装置が前記車両の車長を計測することを特徴とする請求項25から30の何れかの請求項記載のプログラム。
【請求項32】
前記第2のステップは、前記画像処理装置が前記車両の車尾の位置を車尾の画像のパターンマッチングにより検出し、前記画像処理装置が前記車頭の位置を車頭の画像のパターンマッチング又はナンバープレートの画像のパターンマッチングにより検出することを特徴とする請求項31記載のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2010−204047(P2010−204047A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−52580(P2009−52580)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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