移動端末、移動通信システム、プログラムおよび制御方法
【課題】2つの測位方式により取得したデータを、より効率的に表示する。
【解決手段】第1測位手段11は、GPS方式により、自装置の位置を示す第1位置情報を取得する。第2測位手段12は、測位サーバ20を用いた方式により、自装置の位置を示す第2位置情報を取得する。第2方式は、第1方式よりも位置情報の精度が低く、かつ位置情報の取得にかかる時間が短い方式である。この例で、第2測位手段12は、測位サーバ20から送信される測位情報を用いて第2位置情報を取得する。施設情報取得手段13は、施設を識別するための複数の施設情報を、ネットワーク40上の情報提供サーバ30から第2位置情報に応じて取得する。並べ替え手段14は、施設情報取得手段13により取得された複数の施設情報の順序を、第1位置情報に基づいて並べ替える。表示手段15は、並べ替え手段14により順序が並べ替えられた複数の施設情報を表示する。
【解決手段】第1測位手段11は、GPS方式により、自装置の位置を示す第1位置情報を取得する。第2測位手段12は、測位サーバ20を用いた方式により、自装置の位置を示す第2位置情報を取得する。第2方式は、第1方式よりも位置情報の精度が低く、かつ位置情報の取得にかかる時間が短い方式である。この例で、第2測位手段12は、測位サーバ20から送信される測位情報を用いて第2位置情報を取得する。施設情報取得手段13は、施設を識別するための複数の施設情報を、ネットワーク40上の情報提供サーバ30から第2位置情報に応じて取得する。並べ替え手段14は、施設情報取得手段13により取得された複数の施設情報の順序を、第1位置情報に基づいて並べ替える。表示手段15は、並べ替え手段14により順序が並べ替えられた複数の施設情報を表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動端末の現在位置に応じた情報を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等の移動端末において、現在位置に応じた情報をネットワークから取得して表示する技術が知られている。特許文献1は、GPSによる測位と、基地局による測位とを同時に行い、それぞれから得られた位置情報を処理することを開示している。特許文献1は、例えば、基地局による位置情報を取得すると、その位置情報に適した地図を表示し、その上に、GPSによる位置データを重ねて表示することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−284121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1によれば、GPSによる測位結果に応じた情報取得と、基地局による測位結果に応じた情報取得と、2回の情報取得の処理があり、効率が悪いという問題があった。
これに対し本発明は、2つの測位方式により、より効率的にデータを取得しつつ、より正確な現在位置に基づいた表示を行う技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、第1方式により、自装置の位置を示す第1位置情報を取得する第1測位手段と、前記第1方式よりも位置情報の精度が低く、かつ位置情報の取得にかかる時間が短い第2方式により、自装置の位置を示す第2位置情報を取得する第2測位手段と、施設を識別するための施設名を含む複数の施設情報を、ネットワーク上のサーバから前記第2位置情報に応じて取得する施設情報取得手段と、前記施設情報取得手段により取得された複数の施設情報の順序を前記第1位置情報に基づいて並べ替える処理を行う並べ替え手段と、前記並べ替え手段により順序が並べ替えられた前記複数の施設情報を表示する表示手段とを有する移動端末を提供する。
【0006】
好ましい態様において、前記並べ替え手段は、前記処理として、前記複数の施設情報を、前記第1位置情報により示される自装置の位置に近い位置にあるものから順に並べ替えてもよい。
【0007】
別の好ましい態様において、前記第1測位手段は、繰り返し前記第1位置情報を取得し、前記並べ替え手段は、新たな前記第1位置情報が取得されると、前記処理を行ってもよい。
【0008】
また、本発明は、移動端末、測位サーバ、および情報提供サーバを有する移動通信システムであって、前記移動端末は、第1方式により、自装置の位置を示す第1位置情報を取得する第1測位手段と、前記第1方式よりも位置情報の精度が低く、かつ位置情報の取得にかかる時間が短い第2方式により、自装置の位置を示す第2位置情報を取得する第2測位手段と、ネットワーク上のサーバから、前記第2位置情報に応じて複数の施設情報を取得する施設情報取得手段と、前記施設情報取得手段により取得された複数の施設情報の順序を、前記第1位置情報に基づいた並べ替えを行う並べ替え手段と、前記並べ替え手段により順序が並べ替えられた前記複数の施設情報を表示する表示手段とを有し、前記測位サーバは、前記移動端末の識別子および前記移動端末が通信している基地局に関する位置を示す基地局情報を記録したデータベースを記憶した測位記憶手段と、前記測位記憶手段に記憶されているデータベースを用いて、前記移動端末の識別子に対応する基地局情報を前記移動端末に送信する測位送信手段とを有し、前記情報提供サーバは、施設名を含む施設情報および前記施設情報に対応する位置情報を記録したデータベースを記憶した施設情報記憶手段と、前記移動通信端末から前記第2位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記施設情報記憶手段に記憶されているデータベースを用いて、前記第2位置情報により示される位置を中心とするある範囲内に位置する複数の施設の施設情報を抽出する抽出手段と、前記抽出された複数の施設情報を前記移動端末に送信する施設情報送信手段とを有することを特徴とする移動通信システムを提供する。
【0009】
さらに、本発明は、第1方式により、自装置の位置を示す第1位置情報を取得する第1測位手段と、前記第1方式よりも位置情報の精度が低く、かつ位置情報の取得にかかる時間が短い第2方式により、自装置の位置を示す第2位置情報を取得する第2測位手段と、制御手段とを有する移動端末に、前記第1測位手段が、前記第1位置情報を取得するステップと、前記第2測位手段が、前記第2位置情報を取得するステップと、前記制御手段が、施設を識別するための複数の施設情報を、ネットワーク上のサーバから前記第2位置情報に応じて取得するステップと、前記制御手段が、前記複数の施設情報の順序を前記第1位置情報に基づいて並べ替える処理を行うステップと、前記制御手段が、前記処理が行われた前記複数の施設情報を表示手段に表示させるステップとを実行させるためのプログラムを提供する。
【0010】
さらに、本発明は、第1方式により、自装置の位置を示す第1位置情報を取得する第1測位手段と、前記第1方式よりも位置情報の精度が低く、かつ位置情報の取得にかかる時間が短い第2方式により、自装置の位置を示す第2位置情報を取得する第2測位手段と、制御手段とを有する移動端末の制御方法であって、前記第1測位手段が、前記第1位置情報を取得するステップと、前記第2測位手段が、前記第2位置情報を取得するステップと、前記制御手段が、施設を識別するための複数の施設情報を、ネットワーク上のサーバから前記第2位置情報に応じて取得するステップと、前記制御手段が、前記複数の施設情報の順序を前記第1位置情報に基づいて並べ替える処理を行うステップと、前記制御手段が、前記処理が行われた前記複数の施設情報を表示手段に表示させるステップとを有する制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、単一の測位方式により得られた現在位置情報を用いて得られた施設情報を表示する構成と比較して、より効率的に情報を取得し、かつ、より正確な現在位置に基づいた表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一実施形態に係る移動通信システム1の概略を示す図である。
【図2】移動端末10の機能構成を示す図である。
【図3】測位サーバ20の機能構成を示す図である。
【図4】情報提供サーバ30の機能構成を示す図である。
【図5】移動端末10のハードウェア構成を示す図である。
【図6】移動通信システム1の動作を示すシーケンスチャートである。
【図7】位置登録データベース211に記録されているデータを例示する図である。
【図8】基地局データベース212に記録されているデータを例示する図である。
【図9】施設情報データベース311に記録されているデータを例示する図である。
【図10】画面表示を例示する図である。
【図11】画面表示の別の例を示す図である。
【図12】変形例1に係る移動端末10の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.構成
図1は、本発明の一実施形態に係る移動通信システム1の概略を示す図である。移動通信システム1は、移動端末10と、測位サーバ20と、情報提供サーバ30と、ネットワーク40と、GPS(Global Positioning System)衛星50とを含む。移動通信システム1は、複数の移動端末10および複数のGPS衛星50を有するが、ここでは簡単のためそれぞれ1つだけ図示している。ネットワーク40は、移動通信網であり、無線基地局を有している。移動端末10は、無線基地局を介して、ネットワーク40と通信することができる。測位サーバ20および情報提供サーバ30はネットワーク40の一部を構成する装置であるが、ここでは説明のためネットワーク40とは別に図示する。移動端末10は、無線基地局を含むネットワーク40を介して、測位サーバ20または情報提供サーバ30と通信する。さらに、移動端末10はGPS衛星50から送信されるGPS信号を受信することができる。この例で、移動端末10は携帯電話機である。
【0014】
図2は、移動端末10の機能構成を示す図である。移動端末10は、第1測位手段11と、第2測位手段12と、施設情報取得手段13と、並べ替え手段14と、表示手段15とを有する。移動端末10は、移動通信システム1におけるクライアントであり、ネットワーク40を介して測位サーバ20および情報提供サーバ30と通信することができる。
【0015】
第1測位手段11は、GPS方式(第1方式の一例)により、自装置の位置を示す第1位置情報を取得する。第2測位手段12は、測位サーバ20を用いた方式(第2方式の一例)により、自装置の位置を示す第2位置情報を取得する。第2方式は、第1方式よりも位置情報の精度が低く、かつ位置情報の取得にかかる時間が短い方式である。この例で、第2測位手段12は、測位サーバ20から送信される測位情報を用いて第2位置情報を取得する。施設情報取得手段13は、施設に関する複数の施設情報を、ネットワーク40上の情報提供サーバ30から第2位置情報に応じて取得する。並べ替え手段14は、施設情報取得手段13により取得された複数の施設情報の順序を、第1位置情報に基づいて並べ替える。表示手段15は、並べ替え手段14により順序が並べ替えられた複数の施設情報を表示する。
【0016】
図3は、測位サーバ20の機能構成を示す図である。測位サーバ20は、記憶手段21と、要求取得手段22と、抽出手段23と、送信手段24とを有する。記憶手段21は、位置登録データベース211と、基地局データベース212とを記憶している。位置登録データベース211は、移動端末10の現在位置を示す情報を記録したデータベースである。基地局データベース212は、基地局の位置等、基地局に関する情報を記録したデータベースである。要求取得手段22は、移動端末10の測位要求(移動端末10の測位情報の送信要求)を取得する。測位要求は、移動端末10の端末識別子を含んでいる。要求取得手段22は、例えば、移動端末10から、測位要求を取得する。抽出手段23は、記憶手段21に記憶されている位置登録データベース211の中から、測位要求に応じて、移動端末10の現在位置を示す情報を抽出する。送信手段24は、移動端末10の現在位置を示す情報に応じた測位応答を、測位要求の送信元の移動端末10に送信する。
【0017】
図4は、情報提供サーバ30の機能構成を示す図である。情報提供サーバ30は、記憶手段31と、位置情報取得手段32と、抽出手段33と、送信手段34とを有する。記憶手段31は、施設情報データベース311を記憶している。施設情報データベース311は、施設情報と、その施設情報に対応する位置情報とを含むデータセットを複数記憶している。施設情報は、施設に関する情報であり、少なくとも施設名を含む。ここで、「施設」とは、地図上に表示可能な有体物であり、例えば、ビル・塔・マンション等の建造物、建造物内の店舗、および交差点・道路等の地図上の標識を含む。位置情報取得手段32は、移動端末10から第2位置情報を取得する。抽出手段33は、第2位置情報により示される位置との関係がある条件を満たす複数の施設情報を、施設情報データベース311から抽出する。この条件は、例えば、第2位置情報により示される基地局識別子と同じ基地局識別子に対応付けられているというものである。送信手段34は、抽出された複数の施設情報を移動端末10に送信する。
【0018】
図5は、移動端末10のハードウェア構成を示す図である。移動端末10は、制御部110と、記憶部120と、GPS測位部130と、入力部140と、表示部150と、通信部160とを有する。制御部110は、移動端末10の要素を制御する。制御部110は、CPU(Central Processing Unit)111と、RAM(Random Access Memory)112と、ROM(Read Only Memory)113とを有する。ROM113は、プログラムおよびデータを記憶した不揮発性の記憶装置である。RAM112は、揮発性の記憶装置である。CPU111は、RAM112を使用してプログラムを実行する演算装置である。記憶部120は、データおよびプログラムを記憶する不揮発性の記憶装置であり、例えばフラッシュメモリまたはHDD(Hard Disk Drive)を含む。GPS測位部130は、GPS衛星50から送信される信号を受信し、受信した信号に基づいて自機の現在位置を計算するGPS受信機を含む。入力部140は、制御部110に命令またはデータを入力するための装置であり、例えば、タッチパネルまたはキーパッドを含む。表示部150は、制御部110の制御下で文字・画像等を表示する装置であり、例えばLCDまたは有機ELディスプレイを含む。通信部160は、基地局を介してネットワーク40と通信する装置であり、例えばアンテナおよび増幅器を含む。この例で、記憶部120は、施設情報を取得し、表示するための地図情報表示プログラムを記憶している。制御部110がこの地図情報表示プログラムを実行することにより、移動端末10に図1の機能が実装される。地図情報表示プログラムを実行している制御部110は、第2測位手段12、施設情報取得手段13、並べ替え手段14の一例である。制御部110に制御されているGPS測位部130は、第1測位手段11の一例である。制御部110に制御されている表示部150は、表示手段15の一例である。
【0019】
測位サーバ20および情報提供サーバ30は、制御部と、記憶部と、通信部(いずれも図示略)とを有するコンピュータ装置である。測位サーバ20および情報提供サーバ30は、それぞれ、サーバとして動作するためのサーバプログラムを記憶部に記憶している。測位サーバ20において、記憶部は、記憶手段21の一例である。サーバプログラムを実行している制御部は、要求取得手段22、抽出手段23、および送信手段24の一例である。情報提供サーバ30において、記憶部は、記憶手段31の一例である。サーバプログラムを実行している制御部は、位置情報取得手段32、抽出手段33、および送信手段34の一例である。
【0020】
2.動作
図6は、移動通信システム1の動作を示すシーケンスチャートである。この例では、図6のシーケンスチャートの開始前に、移動端末10において地図情報表示プログラムが起動され、ユーザの指示入力待ちの状態になっている。以下の処理のうち、移動端末10の処理は、地図情報表示プログラムによるものである。ステップS101において、移動端末10は、現在地周辺の情報の表示要求を受け付ける。具体的には、ユーザが、入力部140を介して、現在地周辺の情報の表示要求を入力する。表示要求を受け付けると、制御部110は、GPS測位部130に測位を開始するよう指示する。GPS測位部130は、この指示を受けて、測位を開始する(ステップS102)。GPS測位部130は、複数のGPS衛星50からの信号を受信し、受信した信号を用いて自機の位置を算出することにより、測位を行う。GPS測位部130により行われる測位を「GPS測位」という。測位にはある程度の時間がかかるので、直ちには完了しない。さらに、制御部110は、測位サーバ20に対し、通信部160を介して測位要求を送信する(ステップS103)。測位要求は、移動端末10の端末識別子を含んでいる。
【0021】
図7は、位置登録データベース211に記録されているデータを例示する図である。この例で、移動端末10の現在位置を示す情報として、移動端末10が通信している基地局を特定するための基地局識別子が用いられる。位置登録データベース211には、端末識別子と、その端末識別子に対応する基地局識別子とを含むデータセットが複数記録されている。端末識別子は、移動通信システム1において移動端末10を一意に特定する識別子、例えば電話番号または端末識別番号である。基地局識別子は、移動通信システム1において基地局を一意に特定する識別子である。
【0022】
図8は、基地局データベース212に記録されているデータを例示する図である。この例で、基地局データベース212には、基地局識別子と、その基地局の属性を示す属性情報が複数記録されている。この例で、属性情報としては、基地局の座標と、基地局の地名と、基地局のセル半径とが用いられる。基地局の座標は、基地局の位置を特定するための座標であり、この例では緯度・経度で表されている。基地局の地名は、移動端末10の現在位置の表示に用いられる文字列であり、基地局が設置されている大まかな場所を表している。セル半径は、基地局によって形成されるセルの範囲を特定するためのパラメータである。
【0023】
移動端末10から測位要求を受信すると、測位サーバ20の制御部は、測位要求に含まれる端末識別子に対応する基地局識別子を位置登録データベース211から抽出する。さらに、制御部は、その基地局識別子に対応する属性情報を基地局データベース212から抽出する。
【0024】
再び図6を参照する。測位サーバ20の制御部は、抽出された基地局識別子(第2位置情報の一例)および属性情報を測位応答として、測位要求の送信元の移動端末10に送信する(ステップS104)。測位応答に含まれる情報により示される、移動端末10の位置を「基地局測位結果」といい、「基地局測位結果」を取得することを「基地局測位」という。測位応答を受信すると、移動端末10の制御部110は、施設情報を要求する情報要求を、通信部160を介して情報提供サーバ30に送信する(ステップS105)。情報要求は、移動端末10の端末識別子と、受信された測位応答に含まれる基地局識別子とを含んでいる。
【0025】
図9は、施設情報データベース311に記録されているデータを例示する図である。この例で、各データセットは、IDと、施設情報と、位置情報と、基地局識別子とを含む。IDは、各データセットを特定するための識別子である。施設情報は、施設に関する情報であり、この例では、施設名、住所、および電話番号を含む。例えば、ID=1のデータセットにおいて、施設名は「東京駅」であり、住所は「千代田区丸の内1丁目」であり、電話番号は「03−XXXX−XXXX」である。位置情報は、その施設の緯度および軽度を含む。例えば、「東京駅」は北緯35.681361°、東経139.766082°に位置することが示されている。基地局識別子は、その施設の位置に対応するセルを管轄する基地局の識別子である。例えば、「東京駅」は、基地局識別子「B1」の基地局のセル内に位置することが示されている。
【0026】
移動端末10から情報要求を受信すると、情報提供サーバ30の制御部は、施設情報データベース311から、情報要求に含まれる基地局識別子と同じ基地局識別子に対応する施設情報および位置情報を抽出する。例えば、情報要求に含まれる基地局識別子が「B1」であった場合、ID=1、2および3の施設情報および位置情報が抽出される。
【0027】
再び図6を参照する。情報提供サーバ30の制御部は、抽出した施設情報および位置情報を含むデータセットを、情報要求に対する応答として、情報要求の送信元である移動端末10に送信する(ステップS106)。
情報応答を受信すると、移動端末10の制御部110は、情報応答として受信したデータセットに含まれる施設情報および位置情報を用いた表示を行う(ステップS107)。
【0028】
図10(A)は、ステップS107における画面表示を例示する図である。図10(A)は、地図上に施設情報がプロットされる例を示している。この地図は、測位応答に含まれる情報により示される基地局の位置を中心として表示されている。この地図上に、移動端末10の現在位置が、ある形状および大きさを有する領域(範囲)として示されている。さらに、この地図上に、取得された施設情報がプロットされている。この画面を表示する処理は、例えば以下のように行われる。制御部110は、測位応答に含まれる基地局の座標により示される位置を中心とし、測位応答に含まれるセル半径により示される半径を有する円を算出する。この演算には、測位応答に含まれる基地局のセル半径が用いられる。制御部110は、算出された円を地図上に描くように、表示部150を制御する。さらに、制御部110は、情報応答として受信したデータセットに含まれる位置情報により示される位置に、そのデータセットに含まれる施設情報を表示するように、表示部150を制御する。例えば、地図上の北緯35.681361°、東経139.766082°に相当する位置に、「東京駅」というポップアップが表示される。
【0029】
図11(A)は、ステップS107における画面表示の別の例を示す図である。図11(A)は、施設情報がリスト形式で表示される例を示している。この画面には、現在地を示す文字列(この例では「日比谷付近」)および情報応答として受信したデータセットに含まれる施設情報が示されている。この画面を表示する処理は、例えば以下のように行われる。制御部110は、測位応答に含まれる基地局の地名「日比谷付近」を表示するように、表示部150を制御する。制御部110は、情報応答として受信したデータセットに含まれる施設情報を、ID番号の順番に従って並べて表示するように、表示部150を制御する。この例では、上から、有楽町駅、日比谷公園、東京駅の順番で表示される。
【0030】
図10(A)の地図と図11(A)のリストとは、同一の画面に表示されてもよい。すなわち、画面が2つの領域に分割され、一方の領域には地図が、他方の領域にはリストが表示されてもよい。あるいは、入力部140を介したユーザの指示により、地図とリストが切り替えられてもよい。
【0031】
再び図6を参照する。制御部110は、GPS測位が完了したか判断する。GPS測位が完了したか否かは、例えば、GPS測位部130から出力される信号に基づいて判断される。GPS測位が完了していないと判断された場合、制御部110は、GPS測位が完了するまで待機する。GPS測位が完了したと判断された場合、制御部110は、GPS測位部130から測位結果(第1位置情報の一例)を取得する(ステップS108)。GPS測位部130から取得される測位結果を「GPS測位結果」という。GPS測位結果は、移動端末10の位置を示す情報(例えば緯度・経度)を含んでいる。
【0032】
GPS測位部130から測位結果を取得すると、制御部110は、この測位結果に応じて施設情報を並び替える(ステップS109)。さらに、制御部110は、並び替えられた施設情報に基づいて表示を更新するように、表示部150を制御する。詳細には以下のとおりである。制御部110は、複数の施設情報の各々について、測位結果により示される移動端末10の位置と、施設情報により示される施設の位置との距離を算出する。制御部110は、算出された距離に応じて、複数の施設情報を並べ替える。より具体的には、制御部110は、算出された距離が短い順に、複数の施設情報を並べ替える。例えば、移動端末10との距離が近いものから、東京駅、有楽町駅、日比谷公園の順番であった場合、制御部110は、施設情報をこの順番に並べ替える。制御部110は、各施設情報について順番を記憶する。さらに、制御部110は、記憶されている順番に応じて、複数の施設情報を表示する。順番が並べ替えられた施設情報を表示すると、移動通信システム1は、図6の処理を終了する。
【0033】
図10(B)は、GPS測位が完了した後の地図表示の例を示す図である。この例では、移動端末10の現在位置が点で示されている。
図11(B)は、GPS測位が完了した後のリスト表示の例を示す図である。複数の施設情報が、並べ替え後の順番に従って表示されている。
【0034】
移動通信システム1によれば、まず基地局測位の結果を用いて得られた施設情報が表示され、GPS測位が完了した後で、その表示が更新される。GPS測位が完了した後で初めて表示を行う構成、または、GPS測位の結果を用いて施設情報を取得する構成と比較して、移動通信システム1は、ユーザの表示待ちの時間を低減することができる。また、移動通信システム1は、高速低精度の現在位置情報に基づいて得られた施設情報を低速高精度の現在位置情報に基づいて並べ替える。これにより、単一の測位方式により得られた現在位置情報を用いて得られた施設情報を表示する構成と比較して、より効率的に情報を取得し、かつ、より正確な現在位置に基づいた表示を行うことができる。
【0035】
3.他の実施形態
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下の変形例のうち、2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
【0036】
3−1.変形例1
図12は、変形例1に係る移動端末10の動作を示すフローチャートである。上述の実施形態において、一連の処理において移動端末10はGPS測位を1回行ったが、変形例1において、移動端末10は、GPS測位を繰り返し行う。図12のフローは、例えば、ステップS101で説明した、移動端末10が現在地周辺の情報の表示要求を受け付けたことを契機として開始される。
【0037】
ステップS201において、移動端末10の制御部110は、GPS測位を開始するように、GPS測位部130を制御する。ステップS202において、制御部110は、測位サーバ20に測位要求を送信する。ステップS203において、制御部110は、測位サーバ20から、測位要求に対する測位応答を受信する。ステップS204において、制御部110は、情報提供サーバ30に情報要求を送信する。ステップS205において、制御部110は、情報要求に対する情報応答を受信する。ステップS206において、制御部110は、基地局測位結果に応じて施設情報を表示する。ステップS207において、制御部110は、GPS測位が終了したか判断する。GPS測位が終了したと判断された場合(ステップS207:YES)、制御部110は、処理をステップS208に移行する。GPS測位が終了していないと判断された場合(ステップS207:NO)、制御部110は、ステップS207の処理を繰り返す。ステップS208において、制御部110は、GPS測位が成功したか否か判断する。GPS測位が成功したか否かは、例えば、GPS測位部130からエラー信号が入力されたか否かによって判断される。GPS測位が成功したと判断された場合(ステップS208:YES)、制御部110は、処理をステップS209に移行する。GPS測位が成功しなかったと判断された場合(ステップS208:NO)、制御部110は、処理をステップS211に移行する。
【0038】
ステップS209において、制御部110は、GPS測位結果が基地局測位結果の範囲内であるか判断する。すなわち、制御部110は、GPS測位結果により示される移動端末10の位置が、基地局測位結果により示される範囲内にあるか(セルの内部にあるか)判断する。GPS測位結果が基地局測位結果の範囲内であると判断された場合(ステップS209:YES)、制御部110は、処理をステップS210に移行する。GPS測位結果が基地局測位結果の範囲外であると判断された場合(ステップS209:NO)、制御部110は、処理をステップS202に移行する。
【0039】
ステップS210において、制御部110は、GPS測位結果に応じて施設情報を並び替える。この処理は、ステップS109、図10(B)および図11(B)で説明したとおりである。
【0040】
ステップS211において、制御部110は、GPS測位を開始するように、GPS測位部130を制御する。以下、あらかじめ決められた割り込み処理により処理の中断が指示されるまで、制御部110は、ステップS207−ステップS211の処理を繰り返し行う。
【0041】
変形例1によれば、GPS測位結果が基地局測位結果の範囲内であれば、すなわち、同一の基地局のセル内で移動している限りは、施設情報を再取得することはない。これにより、GPS測位結果により施設情報を再取得する構成と比較して、ネットワークとの通信量を低減することができる。
【0042】
3−2.変形例2
複数の施設情報の並べ替えの方法は、実施形態で説明したものに限定されない。例えば、GPS測位結果による移動端末10との距離が遠いものから順番に並べ替えが行われてもよい。あるいは、GPS測位結果による移動端末10との距離に加え、別の因子が考慮されてもよい。例えば、各施設に対して設定された優先度を加味した重みつきの距離に従って、施設情報が並べ替えられてもよい。この場合、施設情報データベース311に、各施設の優先度が記録されている。別の例で、各施設に設定された分類により施設情報の絞り込みが行われた後で、施設情報の並べ替えが行われてもよい。この場合、施設情報データベース311に、各施設の分類(駅、ホテル、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド等)が記録されている。移動端末10の制御部110は、例えば、取得した施設情報の中から、特定の分類(例えばホテル)に属する施設情報だけを、GPS測位結果に基づいて並べ替えてもよい。
【0043】
3−3.変形例3
並べ替えられた施設情報を表示する態様は、図10(B)および図11(B)に例示したものに限定されない。地図上に施設情報を表示する場合において、GPS測位結果に基づいて算出された順番に従って、施設情報のポップアップの位置が並べ替えられてもよい。別の例で、GPS測位結果に基づいて算出された順番に従って、施設情報のポップアップの大きさが変えられてもよい(例えば、順番の早いものは大きく、順番の遅いものは小さく)。さらに別の例で、GPS測位結果に基づいて算出された順番に従って、施設情報のポップアップの色が変えられてもよい(例えば、順番の早いものは目立つ色で、順番の遅いものは目立たない色で)。さらに別の例で、GPS測位結果に基づいて算出された順番に従って、施設情報のポップアップ中の文字の書体が変えられてもよい(例えば、順番の早いものは太字で、順番の遅いものは細字で)。
【0044】
3−4.変形例4
基地局測位結果を用いて移動端末10の現在位置を算出する方法は、実施形態で説明したものに限定されない。例えば、基地局データベース212はセル半径等、セル範囲を特定するパラメータを含んでいなくてもよい。この場合、基地局のセル半径は、地図情報表示プログラムによりある一定値に設定されていてもよい。また、携帯端末10は、測位サーバ20以外の装置から、基地局の位置およびセル半径等の基地局に関する情報を取得してもよい。
【0045】
3−5.変形例5
移動端末10の現在位置を測位する第1方式および第2方式の具体例は、GPS測位および基地局測位に限定されない。第1方式と、第1方式よりも測位結果を得るのが速く(高速)かつ、得られる結果により示される位置の精度が低い(低精度)第2方式との組み合わせであれば、GPS測位および基地局測位以外の測位方式が用いられてもよい。例えば、基地局測位方式に代わり、無線LANのアクセスポイントによる測位が用いられてもよい。この場合、ネットワーク40はアクセスポイントを有する無線LANである。
【0046】
3−6.他の変形例
移動端末10は、携帯電話機に限定されない。移動端末10は、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、カーナビゲーション装置、PDA(Personal Digital Assistant)、電子ブック、または携帯音楽プレーヤーであってもよい。
図2に示される機能構成を実現するための、移動端末10のハードウェア構成は、図5に示されるものに限定されない。必要な機能を実現するためのものであれば、移動端末10はどのようなハードウェア構成を有していてもよい。例えば、移動端末10は、図2の各機能要素にそれぞれ対応する回路(装置)を有していてもよい。
上述の実施形態において制御部110によって実行される地図表示プログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD、FD(Flexible Disk))など)、光記録媒体(光ディスク(CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk))など)、光磁気記録媒体、半導体メモリ(フラッシュROMなど)などのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネットのようなネットワーク経由でダウンロードされてもよい。また、このプログラムは地図表示プログラムに限定されない。図2の機能を実現できるものであれば、どのような種類のプログラムであってもよい。
【符号の説明】
【0047】
1…移動通信システム、10…移動端末、11…第1測位手段、12…第2測位手段、13…施設情報取得手段、14…並べ替え手段、15…表示手段、20…測位サーバ、21…記憶手段、22…要求取得手段、23…抽出手段、24…送信手段、30…情報提供サーバ、31…記憶手段、32…位置情報取得手段、33…抽出手段、34…送信手段、40…ネットワーク、50…GPS衛星、110…制御部、111…CPU、112…RAM、113…ROM、120…記憶部、130…GPS測位部、140…入力部、150…表示部、160…通信部、211…位置登録データベース、212…基地局データベース、311…施設情報データベース
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動端末の現在位置に応じた情報を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等の移動端末において、現在位置に応じた情報をネットワークから取得して表示する技術が知られている。特許文献1は、GPSによる測位と、基地局による測位とを同時に行い、それぞれから得られた位置情報を処理することを開示している。特許文献1は、例えば、基地局による位置情報を取得すると、その位置情報に適した地図を表示し、その上に、GPSによる位置データを重ねて表示することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−284121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1によれば、GPSによる測位結果に応じた情報取得と、基地局による測位結果に応じた情報取得と、2回の情報取得の処理があり、効率が悪いという問題があった。
これに対し本発明は、2つの測位方式により、より効率的にデータを取得しつつ、より正確な現在位置に基づいた表示を行う技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、第1方式により、自装置の位置を示す第1位置情報を取得する第1測位手段と、前記第1方式よりも位置情報の精度が低く、かつ位置情報の取得にかかる時間が短い第2方式により、自装置の位置を示す第2位置情報を取得する第2測位手段と、施設を識別するための施設名を含む複数の施設情報を、ネットワーク上のサーバから前記第2位置情報に応じて取得する施設情報取得手段と、前記施設情報取得手段により取得された複数の施設情報の順序を前記第1位置情報に基づいて並べ替える処理を行う並べ替え手段と、前記並べ替え手段により順序が並べ替えられた前記複数の施設情報を表示する表示手段とを有する移動端末を提供する。
【0006】
好ましい態様において、前記並べ替え手段は、前記処理として、前記複数の施設情報を、前記第1位置情報により示される自装置の位置に近い位置にあるものから順に並べ替えてもよい。
【0007】
別の好ましい態様において、前記第1測位手段は、繰り返し前記第1位置情報を取得し、前記並べ替え手段は、新たな前記第1位置情報が取得されると、前記処理を行ってもよい。
【0008】
また、本発明は、移動端末、測位サーバ、および情報提供サーバを有する移動通信システムであって、前記移動端末は、第1方式により、自装置の位置を示す第1位置情報を取得する第1測位手段と、前記第1方式よりも位置情報の精度が低く、かつ位置情報の取得にかかる時間が短い第2方式により、自装置の位置を示す第2位置情報を取得する第2測位手段と、ネットワーク上のサーバから、前記第2位置情報に応じて複数の施設情報を取得する施設情報取得手段と、前記施設情報取得手段により取得された複数の施設情報の順序を、前記第1位置情報に基づいた並べ替えを行う並べ替え手段と、前記並べ替え手段により順序が並べ替えられた前記複数の施設情報を表示する表示手段とを有し、前記測位サーバは、前記移動端末の識別子および前記移動端末が通信している基地局に関する位置を示す基地局情報を記録したデータベースを記憶した測位記憶手段と、前記測位記憶手段に記憶されているデータベースを用いて、前記移動端末の識別子に対応する基地局情報を前記移動端末に送信する測位送信手段とを有し、前記情報提供サーバは、施設名を含む施設情報および前記施設情報に対応する位置情報を記録したデータベースを記憶した施設情報記憶手段と、前記移動通信端末から前記第2位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記施設情報記憶手段に記憶されているデータベースを用いて、前記第2位置情報により示される位置を中心とするある範囲内に位置する複数の施設の施設情報を抽出する抽出手段と、前記抽出された複数の施設情報を前記移動端末に送信する施設情報送信手段とを有することを特徴とする移動通信システムを提供する。
【0009】
さらに、本発明は、第1方式により、自装置の位置を示す第1位置情報を取得する第1測位手段と、前記第1方式よりも位置情報の精度が低く、かつ位置情報の取得にかかる時間が短い第2方式により、自装置の位置を示す第2位置情報を取得する第2測位手段と、制御手段とを有する移動端末に、前記第1測位手段が、前記第1位置情報を取得するステップと、前記第2測位手段が、前記第2位置情報を取得するステップと、前記制御手段が、施設を識別するための複数の施設情報を、ネットワーク上のサーバから前記第2位置情報に応じて取得するステップと、前記制御手段が、前記複数の施設情報の順序を前記第1位置情報に基づいて並べ替える処理を行うステップと、前記制御手段が、前記処理が行われた前記複数の施設情報を表示手段に表示させるステップとを実行させるためのプログラムを提供する。
【0010】
さらに、本発明は、第1方式により、自装置の位置を示す第1位置情報を取得する第1測位手段と、前記第1方式よりも位置情報の精度が低く、かつ位置情報の取得にかかる時間が短い第2方式により、自装置の位置を示す第2位置情報を取得する第2測位手段と、制御手段とを有する移動端末の制御方法であって、前記第1測位手段が、前記第1位置情報を取得するステップと、前記第2測位手段が、前記第2位置情報を取得するステップと、前記制御手段が、施設を識別するための複数の施設情報を、ネットワーク上のサーバから前記第2位置情報に応じて取得するステップと、前記制御手段が、前記複数の施設情報の順序を前記第1位置情報に基づいて並べ替える処理を行うステップと、前記制御手段が、前記処理が行われた前記複数の施設情報を表示手段に表示させるステップとを有する制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、単一の測位方式により得られた現在位置情報を用いて得られた施設情報を表示する構成と比較して、より効率的に情報を取得し、かつ、より正確な現在位置に基づいた表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一実施形態に係る移動通信システム1の概略を示す図である。
【図2】移動端末10の機能構成を示す図である。
【図3】測位サーバ20の機能構成を示す図である。
【図4】情報提供サーバ30の機能構成を示す図である。
【図5】移動端末10のハードウェア構成を示す図である。
【図6】移動通信システム1の動作を示すシーケンスチャートである。
【図7】位置登録データベース211に記録されているデータを例示する図である。
【図8】基地局データベース212に記録されているデータを例示する図である。
【図9】施設情報データベース311に記録されているデータを例示する図である。
【図10】画面表示を例示する図である。
【図11】画面表示の別の例を示す図である。
【図12】変形例1に係る移動端末10の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.構成
図1は、本発明の一実施形態に係る移動通信システム1の概略を示す図である。移動通信システム1は、移動端末10と、測位サーバ20と、情報提供サーバ30と、ネットワーク40と、GPS(Global Positioning System)衛星50とを含む。移動通信システム1は、複数の移動端末10および複数のGPS衛星50を有するが、ここでは簡単のためそれぞれ1つだけ図示している。ネットワーク40は、移動通信網であり、無線基地局を有している。移動端末10は、無線基地局を介して、ネットワーク40と通信することができる。測位サーバ20および情報提供サーバ30はネットワーク40の一部を構成する装置であるが、ここでは説明のためネットワーク40とは別に図示する。移動端末10は、無線基地局を含むネットワーク40を介して、測位サーバ20または情報提供サーバ30と通信する。さらに、移動端末10はGPS衛星50から送信されるGPS信号を受信することができる。この例で、移動端末10は携帯電話機である。
【0014】
図2は、移動端末10の機能構成を示す図である。移動端末10は、第1測位手段11と、第2測位手段12と、施設情報取得手段13と、並べ替え手段14と、表示手段15とを有する。移動端末10は、移動通信システム1におけるクライアントであり、ネットワーク40を介して測位サーバ20および情報提供サーバ30と通信することができる。
【0015】
第1測位手段11は、GPS方式(第1方式の一例)により、自装置の位置を示す第1位置情報を取得する。第2測位手段12は、測位サーバ20を用いた方式(第2方式の一例)により、自装置の位置を示す第2位置情報を取得する。第2方式は、第1方式よりも位置情報の精度が低く、かつ位置情報の取得にかかる時間が短い方式である。この例で、第2測位手段12は、測位サーバ20から送信される測位情報を用いて第2位置情報を取得する。施設情報取得手段13は、施設に関する複数の施設情報を、ネットワーク40上の情報提供サーバ30から第2位置情報に応じて取得する。並べ替え手段14は、施設情報取得手段13により取得された複数の施設情報の順序を、第1位置情報に基づいて並べ替える。表示手段15は、並べ替え手段14により順序が並べ替えられた複数の施設情報を表示する。
【0016】
図3は、測位サーバ20の機能構成を示す図である。測位サーバ20は、記憶手段21と、要求取得手段22と、抽出手段23と、送信手段24とを有する。記憶手段21は、位置登録データベース211と、基地局データベース212とを記憶している。位置登録データベース211は、移動端末10の現在位置を示す情報を記録したデータベースである。基地局データベース212は、基地局の位置等、基地局に関する情報を記録したデータベースである。要求取得手段22は、移動端末10の測位要求(移動端末10の測位情報の送信要求)を取得する。測位要求は、移動端末10の端末識別子を含んでいる。要求取得手段22は、例えば、移動端末10から、測位要求を取得する。抽出手段23は、記憶手段21に記憶されている位置登録データベース211の中から、測位要求に応じて、移動端末10の現在位置を示す情報を抽出する。送信手段24は、移動端末10の現在位置を示す情報に応じた測位応答を、測位要求の送信元の移動端末10に送信する。
【0017】
図4は、情報提供サーバ30の機能構成を示す図である。情報提供サーバ30は、記憶手段31と、位置情報取得手段32と、抽出手段33と、送信手段34とを有する。記憶手段31は、施設情報データベース311を記憶している。施設情報データベース311は、施設情報と、その施設情報に対応する位置情報とを含むデータセットを複数記憶している。施設情報は、施設に関する情報であり、少なくとも施設名を含む。ここで、「施設」とは、地図上に表示可能な有体物であり、例えば、ビル・塔・マンション等の建造物、建造物内の店舗、および交差点・道路等の地図上の標識を含む。位置情報取得手段32は、移動端末10から第2位置情報を取得する。抽出手段33は、第2位置情報により示される位置との関係がある条件を満たす複数の施設情報を、施設情報データベース311から抽出する。この条件は、例えば、第2位置情報により示される基地局識別子と同じ基地局識別子に対応付けられているというものである。送信手段34は、抽出された複数の施設情報を移動端末10に送信する。
【0018】
図5は、移動端末10のハードウェア構成を示す図である。移動端末10は、制御部110と、記憶部120と、GPS測位部130と、入力部140と、表示部150と、通信部160とを有する。制御部110は、移動端末10の要素を制御する。制御部110は、CPU(Central Processing Unit)111と、RAM(Random Access Memory)112と、ROM(Read Only Memory)113とを有する。ROM113は、プログラムおよびデータを記憶した不揮発性の記憶装置である。RAM112は、揮発性の記憶装置である。CPU111は、RAM112を使用してプログラムを実行する演算装置である。記憶部120は、データおよびプログラムを記憶する不揮発性の記憶装置であり、例えばフラッシュメモリまたはHDD(Hard Disk Drive)を含む。GPS測位部130は、GPS衛星50から送信される信号を受信し、受信した信号に基づいて自機の現在位置を計算するGPS受信機を含む。入力部140は、制御部110に命令またはデータを入力するための装置であり、例えば、タッチパネルまたはキーパッドを含む。表示部150は、制御部110の制御下で文字・画像等を表示する装置であり、例えばLCDまたは有機ELディスプレイを含む。通信部160は、基地局を介してネットワーク40と通信する装置であり、例えばアンテナおよび増幅器を含む。この例で、記憶部120は、施設情報を取得し、表示するための地図情報表示プログラムを記憶している。制御部110がこの地図情報表示プログラムを実行することにより、移動端末10に図1の機能が実装される。地図情報表示プログラムを実行している制御部110は、第2測位手段12、施設情報取得手段13、並べ替え手段14の一例である。制御部110に制御されているGPS測位部130は、第1測位手段11の一例である。制御部110に制御されている表示部150は、表示手段15の一例である。
【0019】
測位サーバ20および情報提供サーバ30は、制御部と、記憶部と、通信部(いずれも図示略)とを有するコンピュータ装置である。測位サーバ20および情報提供サーバ30は、それぞれ、サーバとして動作するためのサーバプログラムを記憶部に記憶している。測位サーバ20において、記憶部は、記憶手段21の一例である。サーバプログラムを実行している制御部は、要求取得手段22、抽出手段23、および送信手段24の一例である。情報提供サーバ30において、記憶部は、記憶手段31の一例である。サーバプログラムを実行している制御部は、位置情報取得手段32、抽出手段33、および送信手段34の一例である。
【0020】
2.動作
図6は、移動通信システム1の動作を示すシーケンスチャートである。この例では、図6のシーケンスチャートの開始前に、移動端末10において地図情報表示プログラムが起動され、ユーザの指示入力待ちの状態になっている。以下の処理のうち、移動端末10の処理は、地図情報表示プログラムによるものである。ステップS101において、移動端末10は、現在地周辺の情報の表示要求を受け付ける。具体的には、ユーザが、入力部140を介して、現在地周辺の情報の表示要求を入力する。表示要求を受け付けると、制御部110は、GPS測位部130に測位を開始するよう指示する。GPS測位部130は、この指示を受けて、測位を開始する(ステップS102)。GPS測位部130は、複数のGPS衛星50からの信号を受信し、受信した信号を用いて自機の位置を算出することにより、測位を行う。GPS測位部130により行われる測位を「GPS測位」という。測位にはある程度の時間がかかるので、直ちには完了しない。さらに、制御部110は、測位サーバ20に対し、通信部160を介して測位要求を送信する(ステップS103)。測位要求は、移動端末10の端末識別子を含んでいる。
【0021】
図7は、位置登録データベース211に記録されているデータを例示する図である。この例で、移動端末10の現在位置を示す情報として、移動端末10が通信している基地局を特定するための基地局識別子が用いられる。位置登録データベース211には、端末識別子と、その端末識別子に対応する基地局識別子とを含むデータセットが複数記録されている。端末識別子は、移動通信システム1において移動端末10を一意に特定する識別子、例えば電話番号または端末識別番号である。基地局識別子は、移動通信システム1において基地局を一意に特定する識別子である。
【0022】
図8は、基地局データベース212に記録されているデータを例示する図である。この例で、基地局データベース212には、基地局識別子と、その基地局の属性を示す属性情報が複数記録されている。この例で、属性情報としては、基地局の座標と、基地局の地名と、基地局のセル半径とが用いられる。基地局の座標は、基地局の位置を特定するための座標であり、この例では緯度・経度で表されている。基地局の地名は、移動端末10の現在位置の表示に用いられる文字列であり、基地局が設置されている大まかな場所を表している。セル半径は、基地局によって形成されるセルの範囲を特定するためのパラメータである。
【0023】
移動端末10から測位要求を受信すると、測位サーバ20の制御部は、測位要求に含まれる端末識別子に対応する基地局識別子を位置登録データベース211から抽出する。さらに、制御部は、その基地局識別子に対応する属性情報を基地局データベース212から抽出する。
【0024】
再び図6を参照する。測位サーバ20の制御部は、抽出された基地局識別子(第2位置情報の一例)および属性情報を測位応答として、測位要求の送信元の移動端末10に送信する(ステップS104)。測位応答に含まれる情報により示される、移動端末10の位置を「基地局測位結果」といい、「基地局測位結果」を取得することを「基地局測位」という。測位応答を受信すると、移動端末10の制御部110は、施設情報を要求する情報要求を、通信部160を介して情報提供サーバ30に送信する(ステップS105)。情報要求は、移動端末10の端末識別子と、受信された測位応答に含まれる基地局識別子とを含んでいる。
【0025】
図9は、施設情報データベース311に記録されているデータを例示する図である。この例で、各データセットは、IDと、施設情報と、位置情報と、基地局識別子とを含む。IDは、各データセットを特定するための識別子である。施設情報は、施設に関する情報であり、この例では、施設名、住所、および電話番号を含む。例えば、ID=1のデータセットにおいて、施設名は「東京駅」であり、住所は「千代田区丸の内1丁目」であり、電話番号は「03−XXXX−XXXX」である。位置情報は、その施設の緯度および軽度を含む。例えば、「東京駅」は北緯35.681361°、東経139.766082°に位置することが示されている。基地局識別子は、その施設の位置に対応するセルを管轄する基地局の識別子である。例えば、「東京駅」は、基地局識別子「B1」の基地局のセル内に位置することが示されている。
【0026】
移動端末10から情報要求を受信すると、情報提供サーバ30の制御部は、施設情報データベース311から、情報要求に含まれる基地局識別子と同じ基地局識別子に対応する施設情報および位置情報を抽出する。例えば、情報要求に含まれる基地局識別子が「B1」であった場合、ID=1、2および3の施設情報および位置情報が抽出される。
【0027】
再び図6を参照する。情報提供サーバ30の制御部は、抽出した施設情報および位置情報を含むデータセットを、情報要求に対する応答として、情報要求の送信元である移動端末10に送信する(ステップS106)。
情報応答を受信すると、移動端末10の制御部110は、情報応答として受信したデータセットに含まれる施設情報および位置情報を用いた表示を行う(ステップS107)。
【0028】
図10(A)は、ステップS107における画面表示を例示する図である。図10(A)は、地図上に施設情報がプロットされる例を示している。この地図は、測位応答に含まれる情報により示される基地局の位置を中心として表示されている。この地図上に、移動端末10の現在位置が、ある形状および大きさを有する領域(範囲)として示されている。さらに、この地図上に、取得された施設情報がプロットされている。この画面を表示する処理は、例えば以下のように行われる。制御部110は、測位応答に含まれる基地局の座標により示される位置を中心とし、測位応答に含まれるセル半径により示される半径を有する円を算出する。この演算には、測位応答に含まれる基地局のセル半径が用いられる。制御部110は、算出された円を地図上に描くように、表示部150を制御する。さらに、制御部110は、情報応答として受信したデータセットに含まれる位置情報により示される位置に、そのデータセットに含まれる施設情報を表示するように、表示部150を制御する。例えば、地図上の北緯35.681361°、東経139.766082°に相当する位置に、「東京駅」というポップアップが表示される。
【0029】
図11(A)は、ステップS107における画面表示の別の例を示す図である。図11(A)は、施設情報がリスト形式で表示される例を示している。この画面には、現在地を示す文字列(この例では「日比谷付近」)および情報応答として受信したデータセットに含まれる施設情報が示されている。この画面を表示する処理は、例えば以下のように行われる。制御部110は、測位応答に含まれる基地局の地名「日比谷付近」を表示するように、表示部150を制御する。制御部110は、情報応答として受信したデータセットに含まれる施設情報を、ID番号の順番に従って並べて表示するように、表示部150を制御する。この例では、上から、有楽町駅、日比谷公園、東京駅の順番で表示される。
【0030】
図10(A)の地図と図11(A)のリストとは、同一の画面に表示されてもよい。すなわち、画面が2つの領域に分割され、一方の領域には地図が、他方の領域にはリストが表示されてもよい。あるいは、入力部140を介したユーザの指示により、地図とリストが切り替えられてもよい。
【0031】
再び図6を参照する。制御部110は、GPS測位が完了したか判断する。GPS測位が完了したか否かは、例えば、GPS測位部130から出力される信号に基づいて判断される。GPS測位が完了していないと判断された場合、制御部110は、GPS測位が完了するまで待機する。GPS測位が完了したと判断された場合、制御部110は、GPS測位部130から測位結果(第1位置情報の一例)を取得する(ステップS108)。GPS測位部130から取得される測位結果を「GPS測位結果」という。GPS測位結果は、移動端末10の位置を示す情報(例えば緯度・経度)を含んでいる。
【0032】
GPS測位部130から測位結果を取得すると、制御部110は、この測位結果に応じて施設情報を並び替える(ステップS109)。さらに、制御部110は、並び替えられた施設情報に基づいて表示を更新するように、表示部150を制御する。詳細には以下のとおりである。制御部110は、複数の施設情報の各々について、測位結果により示される移動端末10の位置と、施設情報により示される施設の位置との距離を算出する。制御部110は、算出された距離に応じて、複数の施設情報を並べ替える。より具体的には、制御部110は、算出された距離が短い順に、複数の施設情報を並べ替える。例えば、移動端末10との距離が近いものから、東京駅、有楽町駅、日比谷公園の順番であった場合、制御部110は、施設情報をこの順番に並べ替える。制御部110は、各施設情報について順番を記憶する。さらに、制御部110は、記憶されている順番に応じて、複数の施設情報を表示する。順番が並べ替えられた施設情報を表示すると、移動通信システム1は、図6の処理を終了する。
【0033】
図10(B)は、GPS測位が完了した後の地図表示の例を示す図である。この例では、移動端末10の現在位置が点で示されている。
図11(B)は、GPS測位が完了した後のリスト表示の例を示す図である。複数の施設情報が、並べ替え後の順番に従って表示されている。
【0034】
移動通信システム1によれば、まず基地局測位の結果を用いて得られた施設情報が表示され、GPS測位が完了した後で、その表示が更新される。GPS測位が完了した後で初めて表示を行う構成、または、GPS測位の結果を用いて施設情報を取得する構成と比較して、移動通信システム1は、ユーザの表示待ちの時間を低減することができる。また、移動通信システム1は、高速低精度の現在位置情報に基づいて得られた施設情報を低速高精度の現在位置情報に基づいて並べ替える。これにより、単一の測位方式により得られた現在位置情報を用いて得られた施設情報を表示する構成と比較して、より効率的に情報を取得し、かつ、より正確な現在位置に基づいた表示を行うことができる。
【0035】
3.他の実施形態
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下の変形例のうち、2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
【0036】
3−1.変形例1
図12は、変形例1に係る移動端末10の動作を示すフローチャートである。上述の実施形態において、一連の処理において移動端末10はGPS測位を1回行ったが、変形例1において、移動端末10は、GPS測位を繰り返し行う。図12のフローは、例えば、ステップS101で説明した、移動端末10が現在地周辺の情報の表示要求を受け付けたことを契機として開始される。
【0037】
ステップS201において、移動端末10の制御部110は、GPS測位を開始するように、GPS測位部130を制御する。ステップS202において、制御部110は、測位サーバ20に測位要求を送信する。ステップS203において、制御部110は、測位サーバ20から、測位要求に対する測位応答を受信する。ステップS204において、制御部110は、情報提供サーバ30に情報要求を送信する。ステップS205において、制御部110は、情報要求に対する情報応答を受信する。ステップS206において、制御部110は、基地局測位結果に応じて施設情報を表示する。ステップS207において、制御部110は、GPS測位が終了したか判断する。GPS測位が終了したと判断された場合(ステップS207:YES)、制御部110は、処理をステップS208に移行する。GPS測位が終了していないと判断された場合(ステップS207:NO)、制御部110は、ステップS207の処理を繰り返す。ステップS208において、制御部110は、GPS測位が成功したか否か判断する。GPS測位が成功したか否かは、例えば、GPS測位部130からエラー信号が入力されたか否かによって判断される。GPS測位が成功したと判断された場合(ステップS208:YES)、制御部110は、処理をステップS209に移行する。GPS測位が成功しなかったと判断された場合(ステップS208:NO)、制御部110は、処理をステップS211に移行する。
【0038】
ステップS209において、制御部110は、GPS測位結果が基地局測位結果の範囲内であるか判断する。すなわち、制御部110は、GPS測位結果により示される移動端末10の位置が、基地局測位結果により示される範囲内にあるか(セルの内部にあるか)判断する。GPS測位結果が基地局測位結果の範囲内であると判断された場合(ステップS209:YES)、制御部110は、処理をステップS210に移行する。GPS測位結果が基地局測位結果の範囲外であると判断された場合(ステップS209:NO)、制御部110は、処理をステップS202に移行する。
【0039】
ステップS210において、制御部110は、GPS測位結果に応じて施設情報を並び替える。この処理は、ステップS109、図10(B)および図11(B)で説明したとおりである。
【0040】
ステップS211において、制御部110は、GPS測位を開始するように、GPS測位部130を制御する。以下、あらかじめ決められた割り込み処理により処理の中断が指示されるまで、制御部110は、ステップS207−ステップS211の処理を繰り返し行う。
【0041】
変形例1によれば、GPS測位結果が基地局測位結果の範囲内であれば、すなわち、同一の基地局のセル内で移動している限りは、施設情報を再取得することはない。これにより、GPS測位結果により施設情報を再取得する構成と比較して、ネットワークとの通信量を低減することができる。
【0042】
3−2.変形例2
複数の施設情報の並べ替えの方法は、実施形態で説明したものに限定されない。例えば、GPS測位結果による移動端末10との距離が遠いものから順番に並べ替えが行われてもよい。あるいは、GPS測位結果による移動端末10との距離に加え、別の因子が考慮されてもよい。例えば、各施設に対して設定された優先度を加味した重みつきの距離に従って、施設情報が並べ替えられてもよい。この場合、施設情報データベース311に、各施設の優先度が記録されている。別の例で、各施設に設定された分類により施設情報の絞り込みが行われた後で、施設情報の並べ替えが行われてもよい。この場合、施設情報データベース311に、各施設の分類(駅、ホテル、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド等)が記録されている。移動端末10の制御部110は、例えば、取得した施設情報の中から、特定の分類(例えばホテル)に属する施設情報だけを、GPS測位結果に基づいて並べ替えてもよい。
【0043】
3−3.変形例3
並べ替えられた施設情報を表示する態様は、図10(B)および図11(B)に例示したものに限定されない。地図上に施設情報を表示する場合において、GPS測位結果に基づいて算出された順番に従って、施設情報のポップアップの位置が並べ替えられてもよい。別の例で、GPS測位結果に基づいて算出された順番に従って、施設情報のポップアップの大きさが変えられてもよい(例えば、順番の早いものは大きく、順番の遅いものは小さく)。さらに別の例で、GPS測位結果に基づいて算出された順番に従って、施設情報のポップアップの色が変えられてもよい(例えば、順番の早いものは目立つ色で、順番の遅いものは目立たない色で)。さらに別の例で、GPS測位結果に基づいて算出された順番に従って、施設情報のポップアップ中の文字の書体が変えられてもよい(例えば、順番の早いものは太字で、順番の遅いものは細字で)。
【0044】
3−4.変形例4
基地局測位結果を用いて移動端末10の現在位置を算出する方法は、実施形態で説明したものに限定されない。例えば、基地局データベース212はセル半径等、セル範囲を特定するパラメータを含んでいなくてもよい。この場合、基地局のセル半径は、地図情報表示プログラムによりある一定値に設定されていてもよい。また、携帯端末10は、測位サーバ20以外の装置から、基地局の位置およびセル半径等の基地局に関する情報を取得してもよい。
【0045】
3−5.変形例5
移動端末10の現在位置を測位する第1方式および第2方式の具体例は、GPS測位および基地局測位に限定されない。第1方式と、第1方式よりも測位結果を得るのが速く(高速)かつ、得られる結果により示される位置の精度が低い(低精度)第2方式との組み合わせであれば、GPS測位および基地局測位以外の測位方式が用いられてもよい。例えば、基地局測位方式に代わり、無線LANのアクセスポイントによる測位が用いられてもよい。この場合、ネットワーク40はアクセスポイントを有する無線LANである。
【0046】
3−6.他の変形例
移動端末10は、携帯電話機に限定されない。移動端末10は、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、カーナビゲーション装置、PDA(Personal Digital Assistant)、電子ブック、または携帯音楽プレーヤーであってもよい。
図2に示される機能構成を実現するための、移動端末10のハードウェア構成は、図5に示されるものに限定されない。必要な機能を実現するためのものであれば、移動端末10はどのようなハードウェア構成を有していてもよい。例えば、移動端末10は、図2の各機能要素にそれぞれ対応する回路(装置)を有していてもよい。
上述の実施形態において制御部110によって実行される地図表示プログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD、FD(Flexible Disk))など)、光記録媒体(光ディスク(CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk))など)、光磁気記録媒体、半導体メモリ(フラッシュROMなど)などのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネットのようなネットワーク経由でダウンロードされてもよい。また、このプログラムは地図表示プログラムに限定されない。図2の機能を実現できるものであれば、どのような種類のプログラムであってもよい。
【符号の説明】
【0047】
1…移動通信システム、10…移動端末、11…第1測位手段、12…第2測位手段、13…施設情報取得手段、14…並べ替え手段、15…表示手段、20…測位サーバ、21…記憶手段、22…要求取得手段、23…抽出手段、24…送信手段、30…情報提供サーバ、31…記憶手段、32…位置情報取得手段、33…抽出手段、34…送信手段、40…ネットワーク、50…GPS衛星、110…制御部、111…CPU、112…RAM、113…ROM、120…記憶部、130…GPS測位部、140…入力部、150…表示部、160…通信部、211…位置登録データベース、212…基地局データベース、311…施設情報データベース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方式により、自装置の位置を示す第1位置情報を取得する第1測位手段と、
前記第1方式よりも位置情報の精度が低く、かつ位置情報の取得にかかる時間が短い第2方式により、自装置の位置を示す第2位置情報を取得する第2測位手段と、
施設を識別するための施設名を含む複数の施設情報を、ネットワーク上のサーバから前記第2位置情報に応じて取得する施設情報取得手段と、
前記施設情報取得手段により取得された複数の施設情報の順序を前記第1位置情報に基づいて並べ替える処理を行う並べ替え手段と、
前記並べ替え手段により順序が並べ替えられた前記複数の施設情報を表示する表示手段と
を有する移動端末。
【請求項2】
前記並べ替え手段は、前記処理として、前記複数の施設情報を、前記第1位置情報により示される自装置の位置に近い位置にあるものから順に並べ替える
ことを特徴とする請求項1に記載の移動端末。
【請求項3】
前記第1測位手段は、繰り返し前記第1位置情報を取得し、
前記並べ替え手段は、新たな前記第1位置情報が取得されると、前記処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の移動端末。
【請求項4】
移動端末、測位サーバ、および情報提供サーバを有する移動通信システムであって、
前記移動端末は、
第1方式により、自装置の位置を示す第1位置情報を取得する第1測位手段と、
前記第1方式よりも位置情報の精度が低く、かつ位置情報の取得にかかる時間が短い第2方式により、自装置の位置を示す第2位置情報を取得する第2測位手段と、
ネットワーク上のサーバから、前記第2位置情報に応じて複数の施設情報を取得する施設情報取得手段と、
前記施設情報取得手段により取得された複数の施設情報の順序を、前記第1位置情報に基づいた並べ替えを行う並べ替え手段と、
前記並べ替え手段により順序が並べ替えられた前記複数の施設情報を表示する表示手段と
を有し、
前記測位サーバは、
前記移動端末の識別子および前記移動端末が通信している基地局に関する位置を示す基地局情報を記録したデータベースを記憶した測位記憶手段と、
前記測位記憶手段に記憶されているデータベースを用いて、前記移動端末の識別子に対応する基地局情報を前記移動端末に送信する測位送信手段と
を有し、
前記情報提供サーバは、
施設名を含む施設情報および前記施設情報に対応する位置情報を記録したデータベースを記憶した施設情報記憶手段と、
前記移動通信端末から前記第2位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記施設情報記憶手段に記憶されているデータベースを用いて、前記第2位置情報により示される位置を中心とするある範囲内に位置する複数の施設の施設情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出された複数の施設情報を前記移動端末に送信する施設情報送信手段と
を有する
ことを特徴とする移動通信システム。
【請求項5】
第1方式により、自装置の位置を示す第1位置情報を取得する第1測位手段と、前記第1方式よりも位置情報の精度が低く、かつ位置情報の取得にかかる時間が短い第2方式により、自装置の位置を示す第2位置情報を取得する第2測位手段と、制御手段とを有する移動端末に、
前記第1測位手段が、前記第1位置情報を取得するステップと、
前記第2測位手段が、前記第2位置情報を取得するステップと、
前記制御手段が、施設を識別するための複数の施設情報を、ネットワーク上のサーバから前記第2位置情報に応じて取得するステップと、
前記制御手段が、前記複数の施設情報の順序を前記第1位置情報に基づいて並べ替える処理を行うステップと、
前記制御手段が、前記処理が行われた前記複数の施設情報を表示手段に表示させるステップと
を実行させるためのプログラム。
【請求項6】
第1方式により、自装置の位置を示す第1位置情報を取得する第1測位手段と、前記第1方式よりも位置情報の精度が低く、かつ位置情報の取得にかかる時間が短い第2方式により、自装置の位置を示す第2位置情報を取得する第2測位手段と、制御手段とを有する移動端末の制御方法であって、
前記第1測位手段が、前記第1位置情報を取得するステップと、
前記第2測位手段が、前記第2位置情報を取得するステップと、
前記制御手段が、施設を識別するための複数の施設情報を、ネットワーク上のサーバから前記第2位置情報に応じて取得するステップと、
前記制御手段が、前記複数の施設情報の順序を前記第1位置情報に基づいて並べ替える処理を行うステップと、
前記制御手段が、前記処理が行われた前記複数の施設情報を表示手段に表示させるステップと
を有する制御方法。
【請求項1】
第1方式により、自装置の位置を示す第1位置情報を取得する第1測位手段と、
前記第1方式よりも位置情報の精度が低く、かつ位置情報の取得にかかる時間が短い第2方式により、自装置の位置を示す第2位置情報を取得する第2測位手段と、
施設を識別するための施設名を含む複数の施設情報を、ネットワーク上のサーバから前記第2位置情報に応じて取得する施設情報取得手段と、
前記施設情報取得手段により取得された複数の施設情報の順序を前記第1位置情報に基づいて並べ替える処理を行う並べ替え手段と、
前記並べ替え手段により順序が並べ替えられた前記複数の施設情報を表示する表示手段と
を有する移動端末。
【請求項2】
前記並べ替え手段は、前記処理として、前記複数の施設情報を、前記第1位置情報により示される自装置の位置に近い位置にあるものから順に並べ替える
ことを特徴とする請求項1に記載の移動端末。
【請求項3】
前記第1測位手段は、繰り返し前記第1位置情報を取得し、
前記並べ替え手段は、新たな前記第1位置情報が取得されると、前記処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の移動端末。
【請求項4】
移動端末、測位サーバ、および情報提供サーバを有する移動通信システムであって、
前記移動端末は、
第1方式により、自装置の位置を示す第1位置情報を取得する第1測位手段と、
前記第1方式よりも位置情報の精度が低く、かつ位置情報の取得にかかる時間が短い第2方式により、自装置の位置を示す第2位置情報を取得する第2測位手段と、
ネットワーク上のサーバから、前記第2位置情報に応じて複数の施設情報を取得する施設情報取得手段と、
前記施設情報取得手段により取得された複数の施設情報の順序を、前記第1位置情報に基づいた並べ替えを行う並べ替え手段と、
前記並べ替え手段により順序が並べ替えられた前記複数の施設情報を表示する表示手段と
を有し、
前記測位サーバは、
前記移動端末の識別子および前記移動端末が通信している基地局に関する位置を示す基地局情報を記録したデータベースを記憶した測位記憶手段と、
前記測位記憶手段に記憶されているデータベースを用いて、前記移動端末の識別子に対応する基地局情報を前記移動端末に送信する測位送信手段と
を有し、
前記情報提供サーバは、
施設名を含む施設情報および前記施設情報に対応する位置情報を記録したデータベースを記憶した施設情報記憶手段と、
前記移動通信端末から前記第2位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記施設情報記憶手段に記憶されているデータベースを用いて、前記第2位置情報により示される位置を中心とするある範囲内に位置する複数の施設の施設情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出された複数の施設情報を前記移動端末に送信する施設情報送信手段と
を有する
ことを特徴とする移動通信システム。
【請求項5】
第1方式により、自装置の位置を示す第1位置情報を取得する第1測位手段と、前記第1方式よりも位置情報の精度が低く、かつ位置情報の取得にかかる時間が短い第2方式により、自装置の位置を示す第2位置情報を取得する第2測位手段と、制御手段とを有する移動端末に、
前記第1測位手段が、前記第1位置情報を取得するステップと、
前記第2測位手段が、前記第2位置情報を取得するステップと、
前記制御手段が、施設を識別するための複数の施設情報を、ネットワーク上のサーバから前記第2位置情報に応じて取得するステップと、
前記制御手段が、前記複数の施設情報の順序を前記第1位置情報に基づいて並べ替える処理を行うステップと、
前記制御手段が、前記処理が行われた前記複数の施設情報を表示手段に表示させるステップと
を実行させるためのプログラム。
【請求項6】
第1方式により、自装置の位置を示す第1位置情報を取得する第1測位手段と、前記第1方式よりも位置情報の精度が低く、かつ位置情報の取得にかかる時間が短い第2方式により、自装置の位置を示す第2位置情報を取得する第2測位手段と、制御手段とを有する移動端末の制御方法であって、
前記第1測位手段が、前記第1位置情報を取得するステップと、
前記第2測位手段が、前記第2位置情報を取得するステップと、
前記制御手段が、施設を識別するための複数の施設情報を、ネットワーク上のサーバから前記第2位置情報に応じて取得するステップと、
前記制御手段が、前記複数の施設情報の順序を前記第1位置情報に基づいて並べ替える処理を行うステップと、
前記制御手段が、前記処理が行われた前記複数の施設情報を表示手段に表示させるステップと
を有する制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−73072(P2012−73072A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217049(P2010−217049)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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