説明

移動端末イベントを管理する方法及び装置

無線端末(100)が、着信する音声通話とテキストメッセージとを共通の応答リスト(144)に選択的に格納する。着信送信を手動で応答リストに追加することができる。「応答リスト」のメニューオプションが選択されると、着信送信データが応答リストの中へ記録され、このエントリは不在呼出しリスト、テキストメッセージリスト又は通話記録(140)から削除される。このようにして、着信送信データを無線端末の唯一の格納位置に保存することが可能となる。無線端末のカレンダ・アプリケーション(146)又はウェブブラウザ・アプリケーション(108)から応答リストへエントリを保存することも可能である。エントリが応答を受けた後、応答リストからエントリを削除することができる。上記によって、ユーザは無線端末に関する活動を応答リストに入れることが可能になり、それによってこのリストは着信送信からは発生しないエントリも含むことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に移動端末用の着信送信に関し、特に、着信音声通話、着信テキストメッセージ、及び移動端末の他の活動を管理して、これらのイベントに対するユーザの応答を容易にする方法及び装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
移動端末がセルラ電話機、PCS電話機、パーソナル・デジタル・アシスタント、無線接続機能等を備えたコンピュータを含むことができることは理解できよう。その場合、移動端末は、無線ネットワーク、公衆交換電話網、インターネット、専用ネットワーク又は他のネットワーク設備を介して別の端末と通信を行うことができる。無線端末は、エアインタフェースを介して、GSM、CDMA、TDMA、GPRS、EDGE、UMTS又は、周知のような他の標準化された独自仕様のトランスポートを用いて、ネットワークに接続することができる。
【0003】
音声メッセージの受信に加えて、ショートメッセージサービス(SMS)、拡張メッセージングサービス(EMS)又はマルチメディア・メッセージング・サービス(MMS)を用いて、無線装置がテキストメッセージの送受信を行うことができることが知られている。電子メールのようなテキストメッセージを送信するための1つのプロトコルとして無線アプリケーションプロトコル(WAP)がある。3Gは、電子メールのようなアプリケーションをサポートする高帯域サービスを提供するものである。3Gは、UMTS、W−CDMA及びCDMA2000を含む複数の標準規格で規定されている。本明細書に記載の発明は、特定の技術プロトコルにかかわりなく、音声、テキスト及び他のマルチメディア伝送を受信する能力を備えた任意の移動端末についても有用である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多くの無線端末には不在呼出しリスト及びテキストメッセージリストのような呼の管理システムが含まれている。このようなリストは、着信音声通話又はテキストメッセージのような直近の呼イベントに基づいて無線端末により自動的に作成することができる。着信音声通話又はテキストメッセージが、通信モードに基づいて別々のリストに格納される別々のリストの作成が知られている。ユーザは、すべての着信送信データを取得するためにその別々のリストに独立してアクセスし、互いをモニタする必要がある。様々な種類の送信データが別々に表示されるため、ユーザが、着信送信にシステマティックに応答することは困難である。さらに、ウェブブラウザのブックマーク及びカレンダのエントリ(入力)のような別々のリストの中に他の活動が記録されることが知られている。その結果、複数のソースにアクセスし、モニタして、無線端末の関連する活動の全体像を取得することがユーザに要求される場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの実施形態では、無線端末は共通の応答リスト内の着信音声通話とテキストメッセージとを選択的に格納する。着信送信を手動で応答リストに追加することも可能である。例えば、無線端末において着信送信が受信されると、メニューオプションの「応答リスト」が表示され、ユーザがメニューオプションを選択すれば、通話又はテキストメッセージの送信データが応答リストの中へエントリされる。「応答リスト」のメニューオプションが選択されなければ、無線端末は、不在呼出しリスト、通話記録又はテキストメッセージリストの中に着信送信データを適切に保持する。「応答リスト」のメニューオプションが選択された場合、着信送信データが応答リストの中へ記録され、このエントリは不在呼出しリスト又はテキストメッセージリストへは記入されない。
【0006】
無線端末のカレンダ・アプリケーション又はウェブブラウザ・アプリケーションから応答リストへエントリを保存することも可能である。この保存によってユーザは、無線端末に関連する活動を応答リストにエントリすることが可能となり、これによってリストが、着信送信からは発生しないエントリを含むようにすることができる。
【0007】
応答リストが作成されると、(テキストメッセージと音声通話の双方の)保存済みの着信送信のすべて並びに他の活動を単一のリストの形で表示することが可能となる。この応答リストは、着信送信の頻度、順序及びモード(音声又はテキスト)を表示する。例えば、ユーザは、無線端末が複数のテキストと音声通話並びに個々の送信時刻と送信モードを通話相手から受信したかどうかを応答リストから判断することができる。ユーザは、応答を行うための通信と適当なモード(音声又はテキストのいずれか)とに応答するための優先順位を決定することができる。着信送信に応答するために、ユーザは応答リスト上でエントリを強調表示し、応答リストに格納されているデータの呼出しに基づいて、強調表示された装置との接続を開始することができる。応答リストはまた、カレンダのエントリとウェブページのブックマークのような別のイベントを含むこともできるため、応答リストを用いて、着信送信に直接関係しない応答のスケジュールを行うようにすることも可能である。
【0008】
応答リストは、例えば1日に一度の特定の時刻に自動的に表示することができる。同様に、応答リストを自動的に消去することも可能である。例えば、応答リストが1日分のエントリのみを提示するようにリストを24時間毎に消去することができる。これらのエントリは、手動であるいは返信の終了のようなイベントの発生時にリストから削除することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の特定の実施形態を示す添付図面を参照しながら、好適な実施形態についての以下の詳細な説明を行う。異なる構造及び処理を有する他の実施形態も本発明の範囲から逸脱するものではない。
【0010】
本開示において、「着信送信」という用語は、PTT(プッシュ・ツー・トーク)アラート(警報)又は無線端末によって受信されるテキストメッセージを含む音声通話を意味する。「送信データ」とは、無線端末に格納されているか、あるいは無線端末を介してアクセス可能な情報又はデータを意味するために用いられる。その場合、このデータは、着信する音声通話又はテキストメッセージに関連づけられた氏名又は呼出し番号によって同定される人のようなエンティティ、又は、送信モード又は送信時刻のような着信送信に関連する別の特定情報を特定する。「呼出し番号」は、無線端末から接続を確定できる根拠となる一連の文字を特定するために用いられる。呼出し番号は、電話番号、ファックス番号、インターネットIPアドレス、eメールアドレス又は別の装置との接続を可能にする他のこのような文字列であってもよい。「テキストメッセージリスト」とは、無線端末に格納されている、又は、電子メール受信箱のような受信済みテキストメッセージに関係する、無線端末を介してアクセス可能なデータを意味する。「不在呼出しリスト」とは、不在(無応答の)呼出しに関係するデータを意味し、典型的には起呼側の呼出し番号を含み、さらに、別の送信データを含むことができる。「通話記録」とは、無線装置によって保持される、発着信双方の終了した送信ログを意味する。テキストメッセージリスト、通話記録、及び不在呼出しリストの形の通信データは通常無線装置によって自動的に保存される。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に基づく機能を含む無線端末を備えた通信装置100の1例を示すブロック概略図である。通信装置100はプロセッサ兼制御論理ユニット104を含むことができる。プロセッサ兼制御論理ユニット104はマイクロプロセッサ等であってもよい。プロセッサ兼制御論理ユニット104はアプリケーションモジュール、データ構造、又は、コンピュータ実行可能命令、又はコンピュータ可読命令を含むソフトウェアプログラム106を含み、通信装置100及びその構成要素の動作を制御することができる。プロセッサ兼制御論理ユニット104はまた、ブラウザ108及び音声認識システム110を含むものであってもよい。
【0012】
通信装置100は、通話及び別の通信の開始と実行とを含む通信装置100の動作の制御を容易にするためのオペレータインタフェース又はユーザインタフェース112を含むことができる。ユーザインタフェース112は、通信装置100の状態と動作とに関する視覚信号を加入者又はユーザへ提供するディスプレイ114を含むことができる。ディスプレイ114はカラー画像を提示する能力を備えた液晶ディスプレイ(LCD)等であってもよい。ディスプレイ114は、画像、テキスト、数字、文字、グラフィックユーザインタフェース(GUI)等の形でユーザ又はオペレータへ情報を提供する。ユーザインタフェース112はまた、キーパッド116とファンクションキー又はジョイスティック等のようなポインティングデバイスを含むボタン118を含むものであってもよい。ファンクションボタンはソフトキー・ポップアップメニューを備えることができる。理解すべきことだが、ソフトキー・ポップアップメニューはディスプレイ114に表示される1以上のメニューのエントリ部又は機能を備え、この場合、メニューのエントリは物理的ボタン又は別の装置の押下によって選択することができる。ソフトキー・ポップメニューに関連づけられる機能はソフトウェア制御され、それによって様々なアプリケーションの機能の変更が可能になる。キーパッド116、ファンクションボタン及びジョイスティック118は、ユーザがコマンドを通信装置100へ通信し、電話番号をダイアルし、通話の開始と終了とを行い、インターネットへのアクセスのような別の通信を確立し、電子メール、テキストメッセージ等の送受信を行うことを可能にする。また、通信装置100の動作を制御して、本発明の応答リスト機能を可能にするために、キーパッド116、ファンクションボタン及びジョイスティック118を用いることも可能である。
【0013】
ユーザインタフェース112はまた、マイク120とスピーカ121とを含むものであってもよい。マイク120はユーザから又はラジオ、テレビ等のような音源から出される音声信号又は音響信号を受信することができる。マイク120はこれらの音声信号又は音響信号を電気信号に変換することができる。マイク120はプロセッサ兼制御論理ユニット104に接続してもよい。その場合、プロセッサ兼制御論理ユニット104は電気信号をベースバンド通信信号に変換することができる。プロセッサ兼制御論理ユニット104は送信機122に接続してもよい。該送信機122は、メインプロセッサ兼制御論理ユニット104から出されるベースバンド信号を無線周波数(RF)信号に変換することができる。送信機122は、通信媒体又はシステム126へRF信号を送信するためのアンテナアセンブリ124に接続してもよい。
【0014】
アンテナアセンブリ124はRF信号を無線で受信し、このRF信号を受信機128へ転送することができる。受信機128はRF信号をベースバンド信号に変換することができる。ベースバンド信号は、プロセッサ兼制御論理ユニット104に印加することができ、該ユニット104は上記ベースバンド信号を電気信号に変換することができる。プロセッサ兼制御論理ユニット104はこの電気信号をスピーカ121へ送信することができ、該スピーカは上記電気信号をユーザが理解できるオーディオ信号に変換することができる。
【0015】
電源130は、通信装置100を動作させる電力を提供するためにプロセッサ兼制御論理ユニット104に接続してもよい。電源130は再充電可能バッテリ等であってもよい。通信装置100はまた、少なくとも1つのデータ格納装置132を含んでもよい。データ格納装置132は呼出し番号のリストを格納することができる。これらのリストの例は、格納装置132の一部に格納された不在呼出しリスト、テキストメッセージリスト、通話記録140及びブックマーク142を含むものであってもよい。このデータ格納装置には、図2に示す応答リストデータを含む応答リスト用アプリケーション144が含まれる。データ格納装置132は、本発明の実施形態に従って記載されるような特別の処理又は機能を実行するためのデータ構造又はソフトウェアプログラム106のような、コンピュータで実行可能な又はコンピュータで使用可能な命令又はデータ構造を格納するコンピュータ可読媒体であってもよい。
【0016】
通信装置100は、本発明の実施形態による通信システム/媒体126に関連して動作可能である。通信システム/媒体126は、移動、無線、セルラ通信システム又は同様のシステムであってもよい。通信システム/媒体126は通信装置100を別の通信ネットワーク134又は公衆交換電話網136と結合することができる。
【0017】
通信装置100は、コードレス電話、セルラ電話機、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、コミュニケータ、コンピュータ装置等のような移動端末であってもよく、また、最新型移動電話サービス(AMPS)、デジタルの最新型移動電話サービス(D−AMPS)、移動通信用広域システム(GSM)、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、UMTS、W−CDMA、CDMA2000等のような特定の通信規格に固有の一意的なものではない。図1に例示のレイアウト及びデザインは本発明を説明するための便宜的なものであり、何らかの特定のデザインのみに限定されるわけではない。図1に例示の通信装置100は移動端末ではあるが、本発明はまた、有線の又は配線回路による通信装置及びシステムに対しても適用可能である。
【0018】
本発明の実施形態の実行に関与する処理の少なくとも一部を実行するために、種々のコンピュータプログラム命令の形のコンピュータプログラムコードを用いることができることに留意されたい。このようなコンピュータプログラムコードは、媒体に格納されたコンピュータプログラム命令のすべて又は一部を含むコンピュータプログラム製品を介して供給することができる。この媒体は固定媒体又は取り外し可能な媒体であってもよい。このような媒体が、固定格納媒体として図1の132に概念的に例示されているが、この媒体は取り外し可能な光ディスク又は磁気ディスクあるいは磁気テープであってもよい。コンピュータプログラム命令は任意の媒体上に常駐することが可能であり、該媒体は、任意のタイプのコンピューティング用プラットフォームか、命令実行システムか、バス又はネットワークを介して相互に接続されたこのようなシステムの集合体かのいずれかによって実行するためのコンピュータプログラムコードを含み、このコードを格納し、通信し、伝播し、又はトランスポートすることができる。このようなコンピュータ可読媒体には、たとえば、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線の、又は半導体のシステム、装置、又は伝播媒体があるが、これらに限定されるわけではない。コンピュータ可読媒体の別の例には、1以上の配線を有する電気接続、ポータブルコンピュータディスケット又は携帯用固定ディスク、光ファイバ、コンパクトディスク・リードオンリメモリ(CD−ROM)、及びデジタルの多用途ディスク・リードオンリメモリ(DVD−ROM)が含まれる。なお、コンピュータで使用可能な媒体又はコンピュータ可読媒体は、プログラムが印刷された紙媒体又は他の適切な媒体であってもよい。これは、例えば紙又は他の媒体を光学的に走査し、その後必要に応じてコンパイルや変換あるいは適切な方法で処理を行い、次いでコンピュータメモリに格納することによって、プログラムを電子的に取り込むことが可能であるからである。本発明のすべて又は一部を実行するコンピュータプログラム命令はまた、インターネットのようなネットワークを介して検索される情報の流れの中で実施することができる。モジュール、アプリケーション又はアプリケーションモジュールという用語は、この間ずっと論じてきたシステムの一部として実行されるある特定の処理を意味する意図を示す用語であり、この用語には通常ソフトウェアアプリケーションが含まれている。
【0019】
次に図1及び図2を参照して本発明のシステムの動作について説明する。応答リスト144aは格納装置132に格納されていて、個々のエントリは呼出し番号145を含むエントリのリストを備え、応答リスト上でのエントリの選択は呼出し番号への送信を開始できるようになっている。個々のエントリはまた、エントリのモード147と別の送信データ149とを含むことができる。着信送信の場合、モードは、着信送信がテキストメッセージであったか、音声通話であったかを参照する。別の無線活動の場合、モードはウェブブラウザ・アプリケーション又はカレンダ・アプリケーションなどのエントリソースを参照する。例示の実施形態では、エントリはリストへのエントリ時刻151に基づいてリストされる。週の異なる曜日に対応するエントリが応答リストの中で分離されるようにリストを曜日に細分化することができる。1つの実施形態では、応答リストは、該応答リストが無線端末に表示される1日のエントリを表示する。時刻以外の方法で応答リストを編成することも可能であること、また、この編成を1日24時間以外の方法で行ってもよいことは理解できよう。
【0020】
図3を参照すると、応答リスト144aにデータをエントリする1つのメカニズムとして、着信する音声通話又はテキストメッセージに対応する、無線端末が受信する送信データを利用するメカニズムがある。着信送信が受信される(ステップS301)と、無線端末は、耳に聞こえる発信音と、目に見える表示と、(振動などの)物理的アラートとのうちの少なくともいずれかのようなアラートを発して、呼又はテキストメッセージの着信をユーザに知らせる(ステップS302)。着信送信用の送信データがディスプレイ114に表示される(ステップS303)。「応答リスト」メニューオプションを含む着信送信を処理するためのメニューオプションも表示される(ステップS304)。「応答」のような別の呼処理オプションをユーザに提示できる応答リスト・メニューオプションに加えて、ソフトキー・ポップアップメニューのようなグラフィックユーザインタフェースを介して、あるいはハードキーによってメニューオプションを提示することができる。同様に、「削除」、「応答」、「転送」等のような別のメニューオプションに加えて、テキストメッセージによるアラートが受信されるか、あるいはテキストメッセージリスト項目が選択されるか、開かれると、1つのオプションとしてテキストメッセージが提供される。
【0021】
ユーザが応答リスト・メニューオプションを選択した場合(ステップS309)、応答リストアプリケーション144aがプロセッサ兼制御論理ユニット104において開始され、着信送信データはデータ格納装置132内の応答リスト144に保存される(ステップS305)。ユーザが「応答リスト」メニューオプションを選択しなかった場合、送信データがSMS又はMMSメッセージか、電子メールか、あるいはその他のメッセージのようなテキストメッセージであれば、テキストメッセージリストの中に、あるいは、送信データが音声通話であれば不在呼出しリストの中に送信データは保存される(ステップS306)。
【0022】
本発明のシステムはまた、「応答」メニューオプションを選択することによってユーザが着信送信に応答することを可能にするものである。着信送信が応答される(ステップS311)と、当該送信用の送信データは通話記録に格納される(ステップS307)。ユーザが応答リスト・メニューオプションを選択した(ステップS309)場合、プロセッサ兼制御論理ユニット104において応答リストアプリケーションが開始され、着信送信データがデータ格納装置132内の応答リストに保存される(ステップS305)。ユーザが着信通信には応答するが、応答リスト・メニューオプションを選択しなかった場合、呼データは無線端末の通話記録にのみ保存される(ステップS307)。テキストメッセージの場合、応答リストアプリケーションが選択されなければ、テキストメッセージは電子メールの受信箱のようなテキストメッセージリストに格納される。
【0023】
図4を参照すると、本発明の代替実施形態では、周知のように、着信送信用の送信データが、不在呼出しリストか、テキストメッセージリストかのいずれかに自動的に保存される。着信送信が無線端末によって受信される(ステップS401)と、無線端末は、周知のようにアラートを発し(ステップS402)、送信データを表示する(ステップS403)。呼が応答された場合、送信データは通話記録に自動的に格納される(ステップS404)。呼が応答されなかった場合、送信データは、呼のモードに基づいて不在呼出しリストか、テキストメッセージリストに適当な形で格納される(ステップS405)。適当なメニューオプションを選択することによってこれらのリストにアクセスすることが可能となる(ステップS406)。これらのリストのうちの1つのリストからのエントリが強調表示(ハイライト)されると、ユーザに対して「応答リスト」メニューオプションが提示される(ステップS407)。「応答リスト」メニューオプションは、「通話/送信」、「削除」等のようなユーザに対して提示される複数のメニューオプションのうちの1つのオプションであってもよい。応答リスト・メニューオプションが選択された場合(ステップS410)、応答リストアプリケーションが開始され、強調表示されたエントリが応答リストの一部として格納され、該エントリが以前に格納されていた不在呼出しリスト、通話記録又はテキストメッセージリストのいずれかから削除される(ステップS408)。応答リスト・メニューオプションが選択されなかった場合、送信データは応答リストへ転送され、次いで、不在呼出しリストか、通話記録か、又はテキストメッセージリストの中に残ることになる(ステップS409)。
【0024】
着信送信データを応答リストにエントリする別のメカニズムを無線装置によって自動的に実行することができる。着信送信が無線端末により受信されると、不在呼出しリストかテキストメッセージリストのいずれかに情報を格納する代わりに、無線端末はデフォルトとして送信データを応答リストに格納することができる。次いで、ユーザは応答リストにアクセスして、応答リストから項目を削除し、次いで、不在呼出しリスト又はテキストメッセージリストのいずれかにこの項目を保存することができる。
【0025】
図5を参照すると、送信データを応答リストに保存するさらに別のメカニズムによって、無線端末のカレンダ・アプリケーションが利用されている。ほとんどの無線装置には、会議、電話をかける予定、人と会う約束等のようなイベントをユーザがスケジュールできるカレンダ・アプリケーションが含まれていることは理解できよう。カレンダ・アプリケーションにはカレンダ化された情報に基づいて無線装置がアクションを行うことがきるようにする機能も含まれている。例えば、無線装置が、所定の時刻に、ユーザにアラートを発するか、カレンダ化されたエントリを表示するかの少なくともいずれかを行うことができることは知られている。本発明の1つの実施形態では、カレンダ・アプリケーションから応答リストへエントリを行うことができる(ステップS501)。人と会う約束をスケジュールするようなカレンダへのエントリが行われるとき(ステップS502)、カレンダ・アプリケーションは応答リスト・メニューオプションを表示する(ステップS503)。応答リスト・メニューオプションが選択された場合(ステップS506)、応答リストアプリケーションが開始され、関連性のある電話番号のような送信データを含む、カレンダ・アプリケーションにエントリされた情報がカレンダのその日のエントリ用として応答リストへコピーされる(ステップS504)。本実施形態では、カレンダのエントリは削除されず、そのため情報はカレンダ・アプリケーションと応答リストの双方に保存されるようになる。このエントリ情報はスケジュールされた日に応答リストの一部として表示されることになる。上記とは別に、応答リスト上にあるカレンダのエントリから情報のすべてを表示する代わりに、応答リストは、その日に関連するカレンダのエントリが応答リストに追加されたことを示すリンクを単に表示することも可能である。リンクが選択されると、無線装置のカレンダモジュールはエントリ済み情報の表示を開始することができる。応答リスト・メニューオプションが選択されなかった場合、送信データは応答リストへコピーされない(ステップS505)。
【0026】
図6を参照すると、応答リストの中へ情報をエントリするための別のオプションとして、無線装置ウェブブラウザ・アプリケーションモジュールを利用するオプションがある。ウェブブラウザ・アプリケーションはウェブページIPアドレスをブックマークファイルにブックマークする(保存する)機能を有することが知られている。本発明のシステムでは、応答リスト・メニューオプションがウェブブラウザに提供される。ウェブブラウザを用いてウェブページが表示され(ステップS601)、応答リスト・メニューオプションがウェブブラウザのツールバーの一部として表示される(ステップS602)。応答リスト・メニューオプションが選択された場合(ステップS605)、応答リストアプリケーションが開始され、そして、IPアドレスとウェブサイト名のような送信データが応答リストへコピーされる(ステップS603)。本実施形態では、IPアドレスをウェブブラウザのブックマークに保存することも可能である。ユーザが応答リストにアクセスすると、ブックマークは応答リストにおける1つのエントリとして提示されることになる。応答リスト・メニューオプションが選択されなかった場合、送信データ(IPウェブアドレス)は応答リストへ転送されない(ステップS604)。
【0027】
着信送信データと、ウェブページのIPアドレスと、カレンダのエントリとのうちの少なくともいずれかが応答リストに配置されると、この応答リストをディスプレイ114に表示して、該応答リストを用いてエントリに対するシステマティックな応答を容易にすることが可能となる。無線端末に表示される応答リストの実施形態は図7の700に示されている。ユーザは、「表示応答リスト」メニューオプションを選択することによって、無線装置メインメニューから応答リスト700にアクセスすることができる。上記応答リストにはその日分のすべての保存済みのエントリが表示され、このエントリには、不在着信及び未読テキストメッセージの双方を含む単一のリスト上の着信音声及びデータ送信が含まれることになる。この応答リストはまた、応答済みの音声通話、ユーザによる既読のテキストメッセージ、カレンダのエントリ又はウェブページの「ブックマーク」を含むものであってもよいことを理解すべきである。1つの好適な実施形態では、応答リストに対するエントリへの応答が行われるとすぐに、当該エントリは応答リストから削除される。応答リストは、送信データ又はモードに基づいて(図示のように)時系列でアルファベット順にエントリをソートし、表示することができる。上記とは別に、優先順位が割り当てられたユーザに基づいてエントリをソートし、表示することも可能である。例えば、第1の呼出し番号(自宅)からのエントリを最初に表示するようにし、次いで第2の呼出し番号(職場)からのエントリが後続する等々のようにしてもよい。このようにして特定ユーザのニーズに対応してリストの表示をカスタマイズすることが可能となる。表示されるエントリは、送信モード又はエントリソース、応答リストへのエントリ時刻702、及び人の名前、ウェブサイト名703等のようなソースの識別子を特定するアイコン701を含むことができる。応答リストはまたエントリ用として呼出し番号704を表示することも可能である。
【0028】
ユーザは、同じソースから得られる複数のテキストと音声通信とが特定の周期で受信されたかどうかを容易に決定することができる。応答リストがソース又はタイプにかかわりなくすべての着信送信を示すという理由のために、ユーザは応答に先行してすべての着信送信を迅速に再査することが可能となる。また、ユーザが音声通話とテキストメッセージの双方にアクセスするという理由のために、ユーザは応答する適当な方法を決定することができ、適当なエントリを選択して、メニューオプションの呼出し705か、あるいはメッセージメニューオプションの送信706かを選択することによって、テキストメッセージか、音声通話か、あるいはこれら双方のいずれかにより応答を行うことが可能となる。
【0029】
1つの実施形態では、応答リストは24時間毎に自動的に消去することができ、それによって、その日から得られる無応答送信のみが応答リストに毎日含まれることになる。消去する時間は24時間以外の時間であってもよい。この時間はまた、ユーザにより変更することも可能であり、それによって、ユーザがシステムの修正を行うことも可能となる。ユーザはまた、「削除」メニューオプション707を選択することによってリストからエントリを削除することができる。応答リストのエントリのうちの1つのエントリに関連づけられた呼出し番号との接続が終了した場合、リストから自動的にエントリを削除することも可能である。上記メニューは「次のリスト」メニューオプション708を提示することもでき、それによって次のリスト(翌日用の応答リスト)を表示することができるようになっている。
【0030】
1つの発明の複数の特定の実施例について本明細書で開示した。当業者であれば、本発明が別の環境において別の応用例を有することを認識するであろう。例えば、「応答リスト」のような特定のラベルを含むメニューオプションについて説明した。もしボタン機能が本明細書に記載のようなボタン機能に対応していれば、別の記述子によるラベルをメニューオプションに設けることができることは理解されよう。多くの実施形態が実施可能である。特許請求の範囲は決して本発明の範囲を前述の特定の実施例に限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態に従う機能を含む無線端末の1例を示すブロック概略図である。
【図2】応答リストのデータ構造の1実施例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に従って応答リストを配置する方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に従って応答リストを配置する方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に従って応答リストを配置する方法を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に従って応答リストを配置する方法を示すフローチャートである。
【図7】本発明のシステム用ユーザインタフェースの実施形態を示すスクリーンショットを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線端末におけるイベント管理方法であって、
複数のテキストメッセージと複数の音声通話とを受信するステップと、
前記複数のテキストメッセージと複数の音声通話とに関連づけられた複数の呼出し番号を保存するステップと、
前記複数のテキストメッセージと複数の音声通話とに関連づけられた複数の呼出し番号をエントリするリストを表示するステップと、
テキストメッセージ又は音声通話を前記複数の呼出し番号のうちの1つの呼出し番号へ送信するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記複数の呼出し番号のうちの前記1つの呼出し番号は前記リストから検索されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リストにウェブアドレスをさらに格納するステップを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の呼出し番号は前記無線端末に格納されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記無線端末はカレンダデータを格納するためのカレンダを含み、前記カレンダは前記リストにエントリされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記カレンダデータには前記エントリされたカレンダに関連づけられた呼出し番号が含まれることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記呼出し番号へのリンクを確立するステップをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記テキストメッセージ又は音声通話を前記複数の呼出し番号のうちの1つの呼出し番号へ送信するステップは、ソフトキーを用いるステップを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
無線端末における呼管理の方法であって、
カレンダ・アプリケーションを開始するステップと、
前記カレンダをエントリするステップと、
呼出し番号を前記エントリされたカレンダと関連づけるステップと、
前記カレンダ・アプリケーションとは別のリスト内に前記呼出し番号を表示するステップと、
前記リストから前記呼出し番号に電話をかけるステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項10】
カレンダ・アプリケーションと、
呼出し番号を含むカレンダをエントリする手段と、
前記カレンダ・アプリケーションとは別のリストに前記呼出し番号を表示するディスプレイと、
前記リストから前記呼出し番号に電話をかける手段と、
を備えることを特徴とする無線端末。
【請求項11】
前記無線端末はセルラ電話機であることを特徴とする請求項10に記載の無線端末。
【請求項12】
前記無線端末はコンピュータであることを特徴とする請求項10に記載の無線端末。
【請求項13】
発呼手段はポップアップメニューを備えたソフトキーボタンを備えることを特徴とする請求項10に記載の無線端末。
【請求項14】
前記呼出し番号は電話番号であることを特徴とする請求項10に記載の無線端末。
【請求項15】
前記呼出し番号はインタネットアドレスであることを特徴とする請求項10に記載の無線端末。
【請求項16】
ウェブブラウザ・アプリケーションと、
呼出し番号を含む別のリストに前記ウェブブラウザ・アプリケーションからのエントリを格納する手段と、
前記ウェブブラウザ・アプリケーションとは別の表示用リストに前記呼出し番号を表示するためのディスプレイと、
前記表示用リストから前記呼出し番号を呼び出す手段と、
を備えることを特徴とする無線端末。
【請求項17】
複数のテキストメッセージと複数の音声通話とを受信する手段と、
前記複数のテキストメッセージと複数の音声通話とに関連づけられた複数の呼出し番号を保存する手段と、
前記複数のテキストメッセージと複数の音声通話とに関連づけられた前記複数の呼出し番号用をエントリするリストを表示する手段と、
テキストメッセージ又は音声通話を前記複数の呼出し番号のうちの1つの呼出し番号へ送信する手段と、
を備えることを特徴とする無線端末。
【請求項18】
前記リストにウェブページアドレスを保存する手段をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の無線端末。
【請求項19】
前記リストにエントリされたカレンダ・アプリケーションを保存する手段をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の前記無線端末。
【請求項20】
エントリを前記リストから自動的に削除する手段をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の無線端末。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−532935(P2009−532935A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−502757(P2009−502757)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/041727
【国際公開番号】WO2007/114839
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】