説明

積層セラミックキャパシタ

【課題】本発明は、積層セラミックキャパシタに関する。
【解決手段】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタは、セラミック素体と、上記セラミック素体の内部に形成され、上記セラミック素体の第1面及び上記第1面と連結された第3面または第4面に露出し、上記第1面に露出した領域のうち一部が互いに重なる引出し部を有する第1及び第2内部電極と、上記セラミック素体の第1面及び上記第1面から延長されて上記第1面と連結された第3面または第4面に形成され、上記引出し部と夫々連結される第1及び第2外部電極と、上記セラミック素体の第1面、上記第1面と連結された第3面及び第4面に形成される絶縁層と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層セラミックキャパシタに関し、より詳細には、優れた静電容量を有し、低い等価直列インダクタンスを実現した積層セラミックキャパシタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、キャパシタ、インダクタ、圧電体素子、バリスタまたはサーミスタなどのセラミック材料を用いる電子部品は、セラミック材料からなるセラミック本体と、本体の内部に形成された内部電極と、上記内部電極と接続されるようにセラミック本体の表面に設けられた外部電極と、を備える。
【0003】
セラミック電子部品のうち積層セラミックキャパシタは、積層された複数の誘電体層と、一誘電体層を挟んで対向配置される内部電極と、上記内部電極に電気的に接続された外部電極と、を含む。
【0004】
積層セラミックキャパシタは、小型でありながらも高容量が保障され、実装が容易であるという長所により、コンピュータ、PDA、携帯電話などの移動通信装置の部品として広く用いられている。
【0005】
最近は、電子製品が小型化及び多機能化するにつれて、チップ部品も小型化及び高機能化される傾向にあるため、積層セラミックキャパシタもサイズが小さいながら容量が大きい高容量製品が求められている。
【0006】
また、積層セラミックキャパシタは、LSIの電源回路内に配置されるバイパス(bypass)キャパシタとして有用に用いられており、このようなバイパスキャパシタとして機能するためには、積層セラミックキャパシタが高周波ノイズを効果的に除去できなければならない。このような要求は、電子装置の高周波化の傾向によりさらに増加している。バイパスキャパシタとして用いられる積層セラミックキャパシタは、回路基板上の実装パッド上に半田付けにより電気的に連結され、上記実装パッドは基板上の配線パターンや導電性ビアを介して他の外部回路と連結されることができる。
【0007】
積層セラミックキャパシタは、キャパシタンス成分の他に等価直列抵抗(ESR)及び等価直列インダクタンス(ESL)成分をともに有し、このような等価直列抵抗(ESR)及び等価直列インダクタンス(ESL)成分はバイパスキャパシタの機能を阻害する。特に、等価直列インダクタンス(ESL)は、高周波でキャパシタのインダクタンスを高くし、高周波ノイズの除去特性を阻害する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、優れた静電容量を有し、低い等価直列インダクタンスを実現した積層セラミックキャパシタを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態によると、セラミック素体と、上記セラミック素体の内部に形成され、上記セラミック素体の第1面及び上記第1面と連結された第3面または第4面に露出し、上記第1面に露出した領域のうち一部が互いに重なる引出し部を有する第1及び第2内部電極と、上記セラミック素体の第1面及び上記第1面から延長されて上記第1面と連結された第3面または第4面に形成され、上記引出し部と夫々連結される第1及び第2外部電極と、上記セラミック素体の第1面、上記第1面と連結された第3面及び第4面に形成される絶縁層と、を含む積層セラミックキャパシタが提供される。
【0010】
上記第1内部電極は上記セラミック素体の第1面及び第3面に露出する第1引出し部を有し、上記第2内部電極は上記セラミック素体の第1面及び第4面に露出する第2引出し部を有することができる。
【0011】
上記第1外部電極は上記セラミック素体の第1面及び上記第1面から延長されて上記第3面に形成され、上記第2外部電極は上記セラミック素体の第1面及び上記第1面から延長されて上記第4面に形成されることができる。
【0012】
上記第1及び第2内部電極の端部は、上記セラミック素体の第3面及び第4面に露出することができる。
【0013】
上記第1及び第2内部電極は、セラミック素体の実装面に対して垂直に配置されることができる。
【0014】
上記絶縁層はセラミックスラリーによって形成されることができる。
【0015】
上記第1外部電極は、上記第1内部電極の引出し部のうち第2内部電極の引出し部と重ならない領域と連結されることができる。
【0016】
上記絶縁層は、互いに重なった第1及び第2内部電極の引出し部を全て覆うように形成されることができる。
【0017】
上記絶縁層は、上記セラミック素体の第1面から測定される第1及び第2外部電極の高さより小さく形成されることができる。
【0018】
上記第1及び第2外部電極が所定の間隔を置いて形成されるセラミック素体のx−方向の長さは、内部電極が積層されるy−方向の長さより短く形成されることができる。
【0019】
上記第1内部電極は二つの引出し部を有し、上記一つの引出し部は上記セラミック素体の第1面及び第3面に露出し、他の一つの引出し部は上記セラミック素体の第1面及び第4面に露出して、上記第1内部電極の二つの引出し部は第2内部電極の引出し部と第1面で重畳領域を形成することができる。
【0020】
上記第1及び第2内部電極は上記セラミック素体の第1面及び上記第1面に対向する第2面に夫々露出する二つの引出し部を有し、上記第1内部電極の一つの引出し部は上記第1面及び上記第3面に露出し、上記第1内部電極の他の一つの引出し部は上記第2面及び第3面に露出し、上記第2内部電極の一つの引出し部は上記第1面及び第4面に露出し、上記第2内部電極の他の引出し部は上記第2面及び第4面に露出することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一実施形態によると、内部電極は、セラミック素体に最小限のマージン部を残して、最大限広い面積に形成されることができる。これにより、第1及び第2内部電極の重畳領域が広くなり、高容量の積層セラミックキャパシタを形成することができる。
【0022】
本発明の一実施形態によると、第1及び第2内部電極は引出し部にも重畳領域が形成され、積層セラミックキャパシタの容量が増加することができる。
【0023】
また、外部極性が印加される第1及び第2内部電極間の距離が近くなり、カレントループ(current loop)が短くなることができ、これにより、等価直列インダクタンス(ESL、Equivalent Series Inductance)が低くなることができる。
【0024】
本発明の一実施形態によると、外部電極は内部電極の引出し部のコーナー部を覆うように形成されるため、内部電極に対する外部電極の固着強度が向上されることができる。
【0025】
本発明の一実施形態によると、セラミック素体に形成される絶縁層は、セラミック素体の一面に露出する第1及び第2内部電極の端部、第1及び第2内部電極の引出し部を覆うように形成されるため、内部電極間の短絡を防止し、耐湿特性の低下などの内部欠陥を防止することができる。
【0026】
本発明の一実施形態によると、絶縁層の高さを調節することができる。絶縁層の高さを第1及び第2外部電極の高さより低く形成する場合、積層セラミックキャパシタが回路基板上により安定して実装されることができる。
【0027】
本発明の一実施形態によると、積層セラミックキャパシタのx−方向の長さがy−方向の長さより短く形成されるため、第1及び第2外部電極間の距離がより短く形成されることができ、外部極性が印加される第1及び第2内部電極間の距離がより近くなることができる。これにより、カレントループ(current loop)が短くなることができ、等価直列インダクタンス(ESL、Equivalent Series Inductance)がより低くなることができる。
【0028】
本発明の一実施形態によると、積層セラミックキャパシタの電流の流れは、複数の外部電極を介して内部電極に伝達されることができる。これにより、積層セラミックキャパシタのキャパシタンス成分に直列で連結されるインダクタンスの成分の大きさを非常に小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1a】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを示す概略的な斜視図である。
【図1b】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを示す概略的な斜視図である。
【図2】図1a及び図1bに図示された積層セラミックキャパシタのセラミック素体を示す概略的な斜視図である。
【図3】図1及び図2に図示された積層セラミックキャパシタの内部電極の構造を示す断面図である。
【図4】図1bのA−A'線に沿った断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタを示す断面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシタを示す概略的な斜視図である。
【図7】図6に図示された積層セラミックキャパシタの内部電極の構造を示す断面図である。
【図8】図6に図示された積層セラミックキャパシタの断面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシタを示す概略的な斜視図である。
【図10】図9に図示された積層セラミックキャパシタの内部電極の構造を示す断面図である。
【図11】図9に図示された積層セラミックキャパシタの断面図である。
【図12】本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシタを示す概略的な斜視図である。
【図13】図12に図示された積層セラミックキャパシタの内部電極の構造を示す断面図である。
【図14】図12に図示された積層セラミックキャパシタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。但し、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形することができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は当業界で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。従って、図面における要素の形状及び大きさ等はより明確な説明のために誇張されることがあり、図面上において同一の符号で表される要素は同一の要素である。
【0031】
図1a及び図1bは本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを示す概略的な斜視図であり、図2は図1a及び図1bに図示された積層セラミックキャパシタのセラミック素体を示す概略的な斜視図である。図3は図1及び図2に図示された積層セラミックキャパシタの内部電極の構造を示す断面図である。図4は図1bのA−A'線に沿った断面図である。
【0032】
本実施形態による積層セラミックキャパシタは、2端子垂直積層型キャパシタであることができる。「垂直積層型(vertically laminated or vertical multilayer)」はキャパシタ内に積層された内部電極が回路基板の実装領域面に垂直に配置されることを意味し、「2端子(2−terminal)」はキャパシタの端子として二つの端子が回路基板に接続されることを意味する。
【0033】
図1から図4を参照すると、本実施形態による積層セラミックキャパシタは、セラミック素体110と、上記セラミック素体の内部に形成される内部電極121、122と、上記セラミック素体の一面に夫々形成される絶縁層141、143、144と、外部電極131、132と、を含むことができる。
【0034】
本実施形態において、セラミック素体110は、互いに対向する第1面1及び第2面2と、上記第1面及び第2面を連結する第3面3、第4面4、第5面5及び第6面6と、を有することができる。上記セラミック素体110の形状は特に制限されないが、図示されたように、第1面から第6面を有する六面体形状であることができる。本発明の一実施形態によると、第3面3と第4面とが互いに対向し、第5面5と第6面6とが互いに対向することができる。本発明の一実施形態によると、セラミック素体の第1面1は、回路基板の実装領域に配置される実装面となることができる。
【0035】
本発明の一実施形態によると、x−方向は第1及び第2外部電極が所定の間隔を置いて形成される方向であり、y−方向は内部電極が誘電体層を挟んで積層される方向であり、z−方向は内部電極が回路基板に実装される方向であることができる。
【0036】
本発明の一実施形態によると、上記セラミック素体110は、複数の誘電体層111が積層されて形成されることができる。上記セラミック素体110を構成する複数の誘電体層111は、焼結された状態であり、隣接する誘電体層同士は境界を確認することができないほど一体化されていることができる。
【0037】
上記誘電体層111は、セラミック粉末、有機溶剤及び有機バインダを含むセラミックグリーンシートの焼成によって形成されることができる。上記セラミック粉末は高い誘電率を有する物質であり、これに制限されるものではないが、チタン酸バリウム(BaTiO)系材料、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)系材料などを用いることができる。
【0038】
本発明の一実施形態によると、セラミック素体110の内部には内部電極が形成されることができる。
【0039】
図3はセラミック素体110を構成する誘電体層111及び上記誘電体層に形成された内部電極121、122を示す断面図である。本発明の一実施形態によると、第1極性の第1内部電極121と第2極性の第2内部電極122とが一対をなし、一誘電体層111を挟んで互いに対向するように、y−方向に積層されることができる。本発明の一実施形態によると、第1及び第2内部電極121、122は、積層セラミックキャパシタの実装面、即ち、第1面1に垂直に配置されることができる。
【0040】
本発明において、第1及び第2は相違する極性を意味し、第1及び第3は同一の極性を意味し、第2及び第4は同一の極性を意味することができる。
【0041】
本発明の一実施形態によると、第1及び第2内部電極は、導電性金属を含む導電性ペーストにより形成されることができる。上記導電性金属は、これに制限されるものではないが、Ni、Cu、Pd、またはこれらの合金であることができる。
【0042】
誘電体層を形成するセラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法のような印刷法を利用して導電性ペーストで内部電極層を印刷することができる。内部電極層が印刷されたセラミックグリーンシートを交互に積層した後焼成することにより、セラミック素体を形成することができる。
【0043】
図3を参照すると、第1及び第2内部電極121、122は、相違する極性の外部電極と連結されるために、夫々第1及び第2引出し部121a、122aを有し、上記第1及び第2引出し部121a、122aはセラミック素体の第1面1に露出することができる。
【0044】
本発明の一実施形態によると、内部電極の引出し部は、内部電極を形成する導体パターンのうち幅Wが増加してセラミック素体の一面に露出した領域を意味することができる。
【0045】
本発明の一実施形態によると、積層セラミックキャパシタは垂直積層型であり、第1及び第2引出し部はセラミック素体の同一面に露出することができる。本実施形態において、上記第1及び第2引出し部121a、122aはセラミック素体の第1面に露出している。本発明の一実施形態によると、第1引出し部121aはセラミック素体の第1面及び第1面と連結された第3面に露出することができる。また、第2引出し部122aはセラミック素体の第1面及び第1面と連結された第4面に露出することができる。
【0046】
また、図2及び図3に図示されたように、本発明の一実施形態によると、第1内部電極121の端部はセラミック素体の第3面及び第4面に露出することができ、第2内部電極122の端部はセラミック素体の第3面及び第4面に露出することができる。
【0047】
本発明の一実施形態によると、第1及び第2内部電極はセラミック素体の第2面にのみマージン部を形成し、第3面及び第4面にはマージン部なしに形成されることができる。また、第1面に対しても第1及び第2引出し部が一部重なることができるため、最大限広い面積に内部電極が形成されることができる。これにより、第1及び第2内部電極の重畳領域が広くなり、高容量の積層セラミックキャパシタを形成することができる。
【0048】
一般的に、第1及び第2内部電極は重なる領域によって静電容量を形成し、相違する極性の外部電極と連結される引出し部は重なる領域を有さない。しかし、本発明の一実施形態によると、第1及び第2引出し部121a、122aは互いに重なる領域を有することができる。本発明の一実施形態によると、第1及び第2引出し部は第1面に露出した領域のうち一部が重なることができる。
【0049】
図4を参照すると、セラミック素体に露出した第1内部電極の第1引出し部121aと連結されるように第1外部電極131が形成されることができる。本発明の一実施形態によると、第1内部電極の第1引出し部121aはセラミック素体の第1面及び第3面に露出することができ、上記第1外部電極131はセラミック素体の第1面から延長されてセラミック素体の第3面まで形成されることができる。
【0050】
また、セラミック素体の第1面に引出された第2内部電極の第2引出し部122aと連結されるように第2外部電極132が形成されることができる。上記第2外部電極132は、セラミック素体の第1面から延長されてセラミック素体の第4面まで形成されることができる。上記第2外部電極132は、セラミック素体の第4面に引出された第2引出し部122aと連結されるようにセラミック素体の第4面に形成されることができる。
【0051】
即ち、本発明の一実施形態によると、第1外部電極は第1内部電極の第1引出し部の第1面と第3面を連結するコーナー部を覆うように形成され、第2外部電極は第2内部電極の第2引出し部の第1面と第4面を連結するコーナー部を覆うように形成されることができる。これにより、内部電極に対する外部電極の固着強度が向上されることができる。
【0052】
上記第1外部電極131は第1引出し部121aのうち第2引出し部122aと重ならない領域と連結されることができ、第2外部電極132は第2引出し部122aのうち第1引出し部121aと重ならない領域と連結されることができる。
【0053】
上記第1外部電極131は第2引出し部122aと接触されないように第1引出し部121aの一部と連結され、第2外部電極132は第1引出し部121aと接触されないように第2引出し部122aの一部と連結されることができる。
【0054】
図4の右側図面には、第1内部電極の引出し部121aと第2内部電極の引出し部122aとが重なった領域が矢印で表示されており、第2内部電極122と重なった第1内部電極は点線で表示されている。
【0055】
本発明の一実施形態によると、第1及び第2引出し部121a、122aは互いに重なる領域を有し、夫々相違する極性を示す第1及び第2外部電極131、132と連結されることができる。
【0056】
本発明の一実施形態によると、図4に図示されたように、セラミック素体の一面には絶縁層141、143、144が形成されることができる。より具体的には、セラミック素体の第1面には第1絶縁層141が形成され、セラミック素体の第3面及び第4面には夫々第2絶縁層143及び第3絶縁層144が形成されることができる。
【0057】
セラミック素体の第1面に形成された第1絶縁層141は、第1外部電極131と第2外部電極132との間に形成されることができる。上記第1絶縁層141は、第1面に露出した第1及び第2引出し部121a、122aを覆うように形成されることができ、第1及び第2引出し部の重畳領域を全て覆うように形成されることができる。
【0058】
本発明の一実施形態によると、図4に図示されたように、上記第1絶縁層141は、第1外部電極と第2外部電極との間のセラミック素体の第1面を完全に埋めるように形成されることができる。
【0059】
また、図示されていないが、本発明の一実施形態によると、第1絶縁層141は第1及び第2引出し部121a、122aの重畳領域のみを覆うように形成され、第1及び第2外部電極131、132と所定の間隔を置いて形成されることができる。
【0060】
本発明の一実施形態によると、第1及び第2内部電極121、122の端部が露出したセラミック素体の第3面及び第4面には、夫々第2絶縁層143及び第3絶縁層144が形成されることができる。
【0061】
本発明の一実施形態によると、絶縁層141、143、144はセラミックスラリーで形成されることができる。上記セラミックスラリーの量及び形状を調節して、絶縁層の形成位置及び高さを調節することができる。上記絶縁層141、143、144は、焼成工程によりセラミック素体が形成された後、上記セラミック素体にセラミックスラリーを形成し、焼成することにより形成されることができる。
【0062】
または、セラミック素体を形成するセラミックグリーンシート上に絶縁層を形成するセラミックスラリーを形成し、セラミックグリーンシートとともに焼成して形成されることができる。
【0063】
上記セラミックスラリーの形成方法は、特に制限されず、例えば、スプレー方式で噴射したり、ローラーを利用した塗布、コーティング、付着などの方法を利用することができる。
【0064】
本発明の一実施形態によると、絶縁層141、143、144は、セラミック素体の一面に露出した第1及び第2内部電極の引出し部121a、122a、第1及び第2内部電極121、122の端部を覆うように形成され、内部電極間の短絡を防止し、耐湿特性の低下などの内部欠陥を防止することができる。
【0065】
本発明の一実施形態によると、第1及び第2内部電極は、引出し部にも重畳領域が形成されるため、積層セラミックキャパシタの容量が増加することができる。また、外部極性が印加される第1及び第2内部電極間の距離が近くなり、カレントループ(current loop)が短くなることができ、これにより、等価直列インダクタンス(ESL、Equivalent Series Inductance)が低くなることができる。
【0066】
図5は本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタを示す断面図である。上述の実施形態と相違する構成要素を中心に説明し、同一の構成要素についての詳細な説明は省略する。
【0067】
図5を参照すると、図4と同様に、セラミック素体の第1面及び第3面には第1外部電極131が形成され、第1面及び第4面には第2外部電極132が形成されることができる。また、セラミック素体の第1面には第1絶縁層141が形成され、第3面には第2絶縁層143が形成され、第4面には第3絶縁層144が形成されることができる。
【0068】
本発明の一実施形態によると、第1絶縁層141は第1外部電極と第2外部電極との間に形成されることができる。本実施形態によると、第1絶縁層141の高さh2は、第1外部電極131または第2外部電極132の高さh1より小さく形成されることができる。上記絶縁層及び外部電極の高さは第1面を基準に測定されることができる。
【0069】
本実施形態によると、上記第1絶縁層141の高さが第1及び第2外部電極の高さより低いため、積層セラミックキャパシタが回路基板上により安定して実装されることができる。
【0070】
本実施形態によると、第2絶縁層143または第3絶縁層144の厚さD2は、第1外部電極131または第2外部電極132の厚さD1より大きく形成されることができる。上記絶縁層及び外部電極の厚さは第3面または第4面を基準に測定されることができる。
【0071】
また、図示されていないが、本発明の一実施形態によると第2絶縁層または第3絶縁層の厚さd2は、第1外部電極または第2外部電極の厚さd1より小さく形成されることができる。
【0072】
図6から図8は本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタを示す。図6は本実施形態による積層セラミックキャパシタを示す概略的な斜視図であり、図7は図6に図示された積層セラミックキャパシタの内部電極の構造を示す断面図であり、図8は図6に図示された積層セラミックキャパシタの断面図である。上述の実施例と相違する構成要素を中心に説明し、同一の構成要素についての詳細な説明は省略する。
【0073】
図6から図8を参照すると、本実施形態による積層セラミックキャパシタは2端子垂直積層型キャパシタであることができる。本実施形態による積層セラミックキャパシタは、セラミック素体210と、上記セラミック素体の内部に形成される内部電極221、222と、上記セラミック素体の一面に形成される絶縁層241、243、244と、外部電極231、232と、を含むことができる。
【0074】
本発明の一実施形態によると、x−方向は第1及び第2外部電極が所定の間隔を置いて形成される方向であり、y−方向は内部電極が誘電体層を挟んで積層される方向であり、z−方向は内部電極が回路基板に実装される方向であることができる。
【0075】
本実施形態によると、積層セラミックキャパシタは、x−方向の長さがy−方向の長さより短く形成されることができる。即ち、第1及び第2外部電極が所定の間隔を置いて形成されるセラミック素体のx−方向の長さは、内部電極が積層されるy−方向の長さより短く形成されることができる。
【0076】
図7はセラミック素体210を構成する誘電体層211及び上記誘電体層に形成された内部電極221、222を示す断面図である。本発明の一実施形態によると、第1極性の第1内部電極221と第2極性の第2内部電極222とが一対をなし、一誘電体層211を挟んで互いに対向するようにy−積層されることができる。本発明の一実施形態によると、第1及び第2内部電極221、222は、積層セラミックキャパシタの実装面、即ち、第1面1に垂直に配置されることができる。
【0077】
図7を参照すると、第1及び第2内部電極221、222は、相違する極性の外部電極と連結されるために、夫々第1及び第2引出し部221a、222aを有し、上記第1及び第2引出し部221a、222aはセラミック素体の第1面1に露出することができる。
【0078】
本発明の一実施形態によると、第1引出し部221aは、セラミック素体の第1面及び第1面と連結された第3面に露出することができる。また、第2引出し部222aは、セラミック素体の第1面及び第1面と連結された第4面に露出することができる。
【0079】
また、本発明の一実施形態によると、第1内部電極221の端部はセラミック素体の第3面及び第4面に露出し、第2内部電極222の端部はセラミック素体の第3面及び第4面に露出することができる。
【0080】
本発明の一実施形態によると、第1及び第2内部電極はセラミック素体の第2面にのみマージン部を形成し、第3面及び第4面にはマージン部なしに形成されることができる。また、第1面に対しても第1及び第2引出し部が一部重なることができるため、最大限広い面積に内部電極が形成されることができる。これにより、第1及び第2内部電極の重畳領域が広くなり、高容量の積層セラミックキャパシタを形成することができる。
【0081】
本発明の一実施形態によると、第1及び第2引出し部221a、222aは第1面に露出し、第1面に露出した領域のうち一部が互いに重なる領域を有することができる。
【0082】
図7及び図8を参照すると、セラミック素体に露出した第1内部電極221の第1引出し部と連結されるように、第1外部電極231が形成されることができる。本発明の一実施形態によると、第1内部電極の第1引出し部221aはセラミック素体の第1面及び第3面に露出することができ、上記第1外部電極231は、セラミック素体の第1面から延長されてセラミック素体の第3面まで形成されることができる。
【0083】
また、セラミック素体の第1面に引出された第2内部電極の第2引出し部222aと連結されるように、第2外部電極232が形成されることができる。上記第2外部電極232は、セラミック素体の第1面から延長されてセラミック素体の第4面まで形成されることができる。上記第2外部電極232は、セラミック素体の第4面に引出された第2引出し部222aと連結されるように、セラミック素体の第4面に形成されることができる。
【0084】
即ち、本発明の一実施形態によると、第1外部電極は第1内部電極の第1引出し部の第1面と第3面を連結するコーナー部を覆うように形成され、第2外部電極は第2内部電極の第2引出し部の第1面と第4面を連結するコーナー部を覆うように形成されることができる。これにより、内部電極に対する外部電極の固着強度が向上されることができる。
【0085】
本実施形態によると、セラミック素体の絶縁層241、243、244が形成されることができる。より具体的には、セラミック素体の第1面には第1絶縁層241が形成され、セラミック素体の第3面及び第4面には夫々第2絶縁層243及び第3絶縁層244が形成されることができる。
【0086】
セラミック素体の第1面に形成された第1絶縁層241は、第1外部電極231と第2外部電極232との間に形成されることができる。上記第1絶縁層241は、第1面に露出した第1及び第2引出し部221a、222aを覆うように形成されることができ、第1及び第2引出し部の重畳領域を全て覆うように形成されることができる。
【0087】
本発明の一実施形態によると、第1及び第2内部電極221、222の端部が露出したセラミック素体の第3面及び第4面には、夫々第2絶縁層243及び第3絶縁層244が形成されることができる。
【0088】
本発明の一実施形態によると、絶縁層241、243、244は、セラミック素体の一面に露出した第1及び第2内部電極の引出し部221a、222a、第1及び第2内部電極221、222の端部を覆うように形成されるため、内部電極間の短絡を防止し、耐湿特性の低下などの内部欠陥を防止することができる。
【0089】
本発明の一実施形態によると、第1及び第2内部電極はセラミック素体の第2面にのみマージン部を形成し、第3面及び第4面にはマージン部なしに形成されることができる。また、第1面に対しても第1及び第2引出し部が一部重なることができるため、最大限広い面積に内部電極が形成されることができる。これにより、第1及び第2内部電極の重畳領域が広くなり、高容量の積層セラミックキャパシタを形成することができる。
【0090】
また、本実施形態によると、第1及び第2内部電極は、引出し部にも重畳領域が形成されるため、積層セラミックキャパシタの容量が増加することができる。また、外部極性が印加される第1及び第2内部電極間の距離が近くなり、カレントループ(current loop)が短くなることができ、これにより、等価直列インダクタンス(ESL、Equivalent Series Inductance)が低くなることができる。
【0091】
本実施形態によると、積層セラミックキャパシタのx−方向の長さがy−方向の長さより短く形成されるため、第1及び第2外部電極間の距離がより短く形成されることができ、外部極性が印加される第1及び第2内部電極間の距離がより近くなることができる。これにより、カレントループ(current loop)が短くなることができ、等価直列インダクタンス(ESL、 Equivalent Series Inductance)がより低くなることができる。
【0092】
図9から図11は本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシタを示す。図9は本実施形態による積層セラミックキャパシタを示す概略的な斜視図であり、図10は図9に図示された積層セラミックキャパシタの内部電極の構造を示す断面図であり、図11は図9に図示された積層セラミックキャパシタの断面図である。上述の実施例と相違する構成要素を中心に説明し、同一の構成要素についての詳細な説明は省略する。
【0093】
図9から図11を参照すると、本実施形態による積層セラミックキャパシタは4端子垂直積層型キャパシタであることができる。「4端子(4−terminal)」はキャパシタの端子として4個の端子が回路基板に接続されることを意味する。
【0094】
本実施形態による積層セラミックキャパシタは、セラミック素体310と、上記セラミック素体の内部に形成される内部電極321、322と、上記セラミック素体の一面に形成される絶縁層341、342、343、344と、外部電極331、332、333、334と、を含むことができる。
【0095】
図10はセラミック素体310を構成する誘電体層311と上記誘電体層に形成された内部電極321、322を示す断面図である。本発明の一実施形態によると、第1極性の第1内部電極321と第2極性の第2内部電極322とが1対をなし、一誘電体層311を挟んで互いに対向するようにy−方向に積層されることができる。本発明の一実施形態によると、第1及び第2内部電極321、322は、積層セラミックキャパシタの実装面に垂直に配置されることができる。
【0096】
本実施形態によると、積層セラミックキャパシタの実装面は、第1面またはこれに対向する第2面となることができる。
【0097】
図10を参照すると、第1及び第2内部電極321、322は、相違する極性の外部電極と連結されるために、夫々第1及び第2引出し部321a、321b、322a、322bを有することができる。第1内部電極の二つの第1引出し部321a、321bは夫々セラミック素体の第1面及びこれに対向する第2面に露出し、第2内部電極の二つの第2引出し部322a、322bは夫々セラミック素体の第1面とこれに対向する他面、即ち、第2面に露出することができる。
【0098】
また、第1内部電極の一つの第1引出し部321aと第2内部電極の一つの第2引出し部322aはセラミック素体の第1面に露出し、第1面に露出する領域のうち一部が互いに重なることができる。また、第1内部電極の他の一つの第1引出し部321bと第2内部電極の他の一つの第2引出し部322bはセラミック素体の第2面に露出し、第2面に露出する領域のうち一部が互いに重なることができる。
【0099】
本発明の一実施形態によると、第1内部電極の一つの第1引出し部321aはセラミック素体の第1面及び第1面と連結された第3面に露出し、他の一つの第1内部電極の第1引出し部321bはセラミック素体の第2面及び第2面と連結された第3面に露出することができる。
【0100】
また、第2内部電極の一つの第2引出し部322aはセラミック素体の第1面及び第1面と連結された第4面に露出し、他の一つの第2内部電極の第2引出し部322bはセラミック素体の第2面及び第2面と連結された第4面に露出することができる。
【0101】
また、本発明の一実施形態によると、第1内部電極321の端部はセラミック素体の第3面及び第4面に露出し、第2内部電極322の端部はセラミック素体の第3面及び第4面に露出することができる。
【0102】
本発明の一実施形態によると、第1及び第2内部電極は、相違する極性の外部電極と連結されるために、引出し部が露出するセラミック素体の第1面を除き、誘電体層の全体にマージン部なしに形成されることができる。また、第1面に対しても第1及び第2引出し部が一部重なることができるため、最大限広い面積に内部電極が形成されることができる。これにより、第1及び第2内部電極の重畳領域が広くなり、高容量の積層セラミックキャパシタを形成することができる。
【0103】
図11を参照すると、セラミック素体に露出した第1及び第2内部電極の第1及び第2引出し部321a、321b、322a、322bと連結されるように、第1から第4外部電極331、332、333、334が形成されることができる。
【0104】
本発明の一実施形態によると、第1内部電極の一つの第1引出し部321aはセラミック素体の第1面及び第3面に露出することができ、これと連結されるように、第1外部電極331はセラミック素体の第1面から延長されてセラミック素体の第3面まで形成されることができる。また、第1内部電極の他の一つの第1引出し部321bはセラミック素体の第2面及び第3面に露出することができ、これと連結されるように、第3外部電極333はセラミック素体の第2面から延長されてセラミック素体の第3面まで形成されることができる。
【0105】
また、セラミック素体の第1面及び第4面、第2面及び第4面に引出された第2内部電極の二つの第2引出し部322a、322bと連結されるように、第2及び第4外部電極332、334が形成されることができる。より具体的には、第2内部電極の一つの第2引出し部322aはセラミック素体の第1面及び第4面に露出することができ、これと連結されるように、第2外部電極332はセラミック素体の第1面から延長されてセラミック素体の第4面まで形成されることができる。また、第2内部電極の他の一つの第2引出し部322bはセラミック素体の第2面及び第4面に露出することができ、これと連結されるように、第4外部電極334はセラミック素体の第2面から延長されてセラミック素体の第4面まで形成されることができる。
【0106】
即ち、本発明の一実施形態によると、外部電極は内部電極の引出し部のコーナー部を覆うように形成されることができる。これにより、内部電極に対する外部電極の固着強度が向上されることができる。
【0107】
本発明において、第1及び第2は相違する極性を意味し、第1及び第3と第2及び第4は夫々同一の極性を意味することができる。
【0108】
上述したように、上記第1外部電極331は第1引出し部321aのうち第2引出し部322aと重ならない領域と連結されることができ、上記第3外部電極333は第1引出し部321bのうち第2引出し部322bと重ならない領域と連結されることができる。また、上記第2外部電極332は第2引出し部322aのうち第1引出し部321aと重ならない領域と連結され、上記第4外部電極334は第2引出し部322bのうち第1引出し部321bと重ならない領域と連結されることができる。
【0109】
図11の右側図面には、第1内部電極の二つの引出し部と第2内部電極の二つの引出し部が重なった領域が矢印で表示されており、第2内部電極と重なった第1内部電極は点線で表示されている。
【0110】
本実施形態によると、セラミック素体の一面には絶縁層341、342、343、344が形成されることができる。より具体的には、セラミック素体の第1面には第1絶縁層341が形成され、セラミック素体の第2面には第2絶縁層342が形成されることができる。また、セラミック素体の第3面及び第4面には、夫々第3絶縁層343及び第4絶縁層344が形成されることができる。
【0111】
上記第1及び第2絶縁層341、342は、夫々第1外部電極331と第2外部電極332との間、第3外部電極333と第4外部電極334との間に形成されることができる。上記第1及び第2絶縁層341、342は、第1面または第2面に露出した第1及び第2引出し部321a、322a、321b、322bを覆うように形成されることができる。上述したように、第1及び第2絶縁層は、第1及び第2引出し部の重畳領域を全て覆うように形成されることができる。
【0112】
上記絶縁層341、342、343、344は、セラミック素体の一面に露出した第1及び第2内部電極の端部、第1及び第2内部電極の引出し部321a、321b、322a、322bを覆うように形成され、内部電極間の短絡を防止し、耐湿特性の低下などの内部欠陥を防止することができる。
【0113】
本実施形態によると、第1及び第2内部電極は、引出し部にも重畳領域が形成されるため、積層セラミックキャパシタの容量が増加することができる。また、外部極性が印加される第1及び第2内部電極間の距離が近くなり、カレントループ(current loop)が短くなることができ、これにより、等価直列インダクタンス(ESL、Equivalent Series Inductance)が低くなることができる。
【0114】
図12から図14は本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシタを示す。図12は本実施形態による積層セラミックキャパシタを示す概略的な斜視図であり、図13は図12に図示された積層セラミックキャパシタの内部電極の構造を示す断面図であり、図14は図12に図示された積層セラミックキャパシタの断面図である。上述の実施例と相違する構成要素を中心に説明し、同一の構成要素についての詳細な説明は省略する。
【0115】
図12から図14を参照すると、本実施形態による積層セラミックキャパシタは3端子垂直積層型キャパシタであることができる。「3端子(3−terminal)」はキャパシタの端子として3個の端子が回路基板に接続されることを意味する。
【0116】
本実施形態による積層セラミックキャパシタは、セラミック素体410と、上記セラミック素体の内部に形成される内部電極421、422と、上記セラミック素体の一面に形成される絶縁層441、442、443、444と、外部電極431、432、433と、を含むことができる。
【0117】
図13はセラミック素体410を構成する誘電体層411及び上記誘電体層に形成された内部電極421、422を示す断面図である。本発明の一実施形態によると、第1極性の第1内部電極421と第2極性の第2内部電極422とが1対をなし、一誘電体層411を挟んで互いに対向するようにy−方向に積層されることができる。本発明の一実施形態によると、第1及び第2内部電極421、422は、積層セラミックキャパシタの実装面に垂直に配置されることができる。
【0118】
図13を参照すると、第1及び第2内部電極421、422は、相違する極性の外部電極と連結されるために、夫々第1及び第2引出し部421a、421b、422aを有し、上記第1及び第2引出し部421a、421b、422aはセラミック素体の第1面に露出することができる。
【0119】
本実施形態によると、第1内部電極は二つの引出し部421a、421bを有することができる。上記第1内部電極の二つの引出し部421a、421bは、夫々第2内部電極の第2引出し部422aと互いに重なる領域を有することができる。本発明の一実施形態によると、第1内部電極の二つの引出し部421a、421b及び第2内部電極の第2引出し部422aはセラミック素体の同一面に露出し、露出した領域のうち一部が重なることができる。
【0120】
本発明の一実施形態によると、第1内部電極の一つの第1引出し部421aはセラミック素体の第1面及び第1面と連結された第3面に露出し、他の一つの第1内部電極の第1引出し部421bはセラミック素体の第1面及び第1面と連結された第4面に露出することができる。
【0121】
また、本発明の一実施形態によると、第1内部電極421の端部はセラミック素体の第3面及び第4面に露出し、第2内部電極422の端部はセラミック素体の第3面及び第4面に露出することができる。
【0122】
図14を参照すると、セラミック素体の一面に引出された第1内部電極の二つの引出し部421a、421bと連結されるように、セラミック素体の一面に第1及び第3外部電極431、433が形成されることができる。
【0123】
本実施形態によると、第1内部電極は第1及び第3外部電極によって外部極性と連結されることができる。また、セラミック素体の一面に引出された第2内部電極の第2引出し部422aと連結されるように第2外部電極432が形成されることができる。上記第2外部電極432は第1外部電極と第3外部電極との間に形成されることができる。本発明において、第1及び第2は相違する極性を意味し、第1及び第3は同一の極性を意味することができる。
【0124】
図14を参照すると、第1内部電極の一つの第1引出し部421aはセラミック素体の第1面及び第3面に露出することができ、これと連結されるように、第1外部電極431はセラミック素体の第1面から延長されてセラミック素体の第3面まで形成されることができる。また、第1内部電極の他の一つの第1引出し部421bはセラミック素体の第1面及び第4面に露出することができ、これと連結されるように、第3外部電極433はセラミック素体の第1面から延長されてセラミック素体の第4面まで形成されることができる。上記第2外部電極432はセラミック素体の第1面に形成されることができる。
【0125】
本発明の一実施形態によると、第1及び第3外部電極は第1内部電極の引出し部のコーナー部を覆うように形成されることができる。これにより、内部電極に対する外部電極の固着強度が向上されることができる。
【0126】
本発明の一実施形態によると、第1外部電極431は一つの第1引出し部421aのうち第2引出し部422aと重ならない領域と連結され、上記第3外部電極433は一つの第1引出し部421bのうち第2引出し部422aと重ならない領域と連結されることができる。上記第2外部電極432は、第2引出し部422aのうち二つの第1引出し部421a、421bと重ならない領域と連結されることができる。
【0127】
図14の右側図面には、第1内部電極の二つの引出し部と第2内部電極の引出し部が重なった領域が矢印で表示されており、第2内部電極と重なった第1内部電極は点線で表示されている。
【0128】
本実施形態によると、セラミック素体の一面には絶縁層441、442、443、444が形成されることができる。より具体的には、第1絶縁層441及び第2絶縁層442は、夫々第1外部電極431と第2外部電極432との間、第2外部電極432と第3外部電極433との間に形成されることができる。上記第1及び第2絶縁層441、442は、セラミック素体の一面に露出した第1及び第2引出し部421a、421b、422aを覆うように形成されることができ、第1及び第2引出し部の重畳領域を全て覆うように形成されることができる。
【0129】
また、セラミック素体の第3面には第3絶縁層443が形成され、第4面には第4絶縁層444が形成されることができる。
【0130】
上記絶縁層441、442、443、444は、セラミック素体の一面に露出した第1及び第2内部電極の端部、第1及び第2内部電極の引出し部を覆うように形成され、内部電極間の短絡を防止し、耐湿特性の低下などの内部欠陥を防止することができる。
【0131】
本実施形態によると、第1及び第2内部電極は、引出し部にも重畳領域が形成されるため、積層セラミックキャパシタの容量が増加することができる。また、外部極性が印加される第1及び第2内部電極間の距離が近くなり、カレントループ(current loop)が短くなることができ、これにより、等価直列インダクタンス(ESL、Equivalent Series Inductance)が低くなることができる。
【0132】
また、本実施形態によると、電流の流れは、第1及び第3外部電極と連結された第1内部電極を介して第2内部電極に流れる。このような電流の流れにより、積層セラミックキャパシタのキャパシタンス成分に直列で連結されるインダクタンスの成分の大きさを非常に小さくすることができる。
【0133】
また、図示されていないが、第1内部電極または第2内部電極は二つ以上の引出し部を有することができ、相違する極性の引出し部が互いに重なるように形成されることができる。また、第1内部電極または第2内部電極に形成された引出し部は、セラミック素体の同一面に露出したり、またはセラミック素体の相違する面に露出することができる。内部電極が有する引出し部の数、引出し部の位置などは、当業者により多様に変更されることができる。
【0134】
本発明は、上述の実施形態及び添付の図面により限定されず、添付の請求範囲により限定される。従って、請求範囲に記載された本発明の技術的思想を外れない範囲内で様々な形態の置換、変形及び変更が出来るということは当技術分野の通常の知識を有する者には明白であり、これも本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0135】
110 セラミック素体
111 誘電体層
121、122 第1及び第2内部電極
131、132 第1及び第2外部電極
140 絶縁層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック素体と、
前記セラミック素体の内部に形成され、前記セラミック素体の第1面及び前記第1面と連結された第3面または第4面に露出し、前記第1面に露出した領域のうち一部が互いに重なる引出し部を有する第1及び第2内部電極と、
前記セラミック素体の第1面及び前記第1面から延長されて前記第1面と連結された第3面または第4面に形成され、前記引出し部と夫々連結される第1及び第2外部電極と、
前記セラミック素体の第1面、前記第1面と連結された第3面及び第4面に形成される絶縁層と、
を含む積層セラミックキャパシタ。
【請求項2】
前記第1内部電極は前記セラミック素体の第1面及び第3面に露出する第1引出し部を有し、前記第2内部電極は前記セラミック素体の第1面及び第4面に露出する第2引出し部を有する請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項3】
前記第1外部電極は前記セラミック素体の第1面及び前記第1面から延長されて前記第3面に形成され、前記第2外部電極は前記セラミック素体の第1面及び前記第1面から延長されて前記第4面に形成される請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項4】
前記第1及び第2内部電極の端部は、前記セラミック素体の第3面及び第4面に露出する請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項5】
前記第1及び第2内部電極は、セラミック素体の実装面に対して垂直に配置される請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項6】
前記絶縁層はセラミックスラリーによって形成される請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項7】
前記第1外部電極は、前記第1内部電極の引出し部のうち第2内部電極の引出し部と重ならない領域と連結される請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項8】
前記絶縁層は、互いに重なった第1及び第2内部電極の引出し部を全て覆うように形成される請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項9】
前記絶縁層は、前記セラミック素体の第1面から測定される第1及び第2外部電極の高さより小さく形成される請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項10】
前記第1及び第2外部電極が所定の間隔を置いて形成されるセラミック素体のx−方向の長さは、内部電極が積層されるy−方向の長さより短く形成される請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項11】
前記第1内部電極は二つの引出し部を有し、前記一つの引出し部は前記セラミック素体の第1面及び第3面に露出し、他の一つの引出し部は前記セラミック素体の第1面及び第4面に露出して、前記第1内部電極の二つの引出し部は第2内部電極の引出し部と第1面で重畳領域を形成する請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項12】
前記第1及び第2内部電極は前記セラミック素体の第1面及び前記第1面に対向する第2面に夫々露出する二つの引出し部を有し、前記第1内部電極の一つの引出し部は前記第1面及び前記第3面に露出し、前記第1内部電極の他の一つの引出し部は前記第2面及び第3面に露出し、前記第2内部電極の一つの引出し部は前記第1面及び第4面に露出し、前記第2内部電極の他の引出し部は前記第2面及び第4面に露出する請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−55320(P2013−55320A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−64931(P2012−64931)
【出願日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】