説明

紫外線照射装置および紫外線照射方法

【課題】生産性が高くかつ高品質な半導体基板を得ることが可能な紫外線照射装置および紫外線照射方法を提供すること。
【解決手段】紫外線ランプユニット8から照射される赤外線によるウェハ6の温度上昇を考慮し、紫外線ランプユニット6と重合する位置に配備されたヒータユニット7bから放射される輻射熱と紫外線ランプユニット8から放出される輻射熱の単位面積あたりの総和が他のヒータユニット7aの単位面積あたりの輻射熱と同等になるようにヒータユニット7bを加熱制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線照射装置および紫外線照射方法に関し、特に、回転テーブル上に配置したウェハに対し、回転テーブルの回転中に所定の加熱および紫外線照射を行う紫外線照射装置および其の装置を用いた紫外線照射方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体素子は微少量の電荷による帯電でも素子が破壊される場合があり、静電気対策は半導体製造工程で重大な課題である。そこで半導体の製造工程では、例えば、特許文献1に開示されるように、紫外線をウェハに照射して電荷を消去する方法がとられている。
【0003】
特許文献1記載の紫外線照射装置によれば、静電気を除去すべき対象物の上に、当該対象物に紫外線を照射する紫外線ランプとして低圧水銀ランプが設けられ、この低圧水銀ランプの上方には、アルミニウム製の半円筒型の凹型反射板からなる導電性部材が、低圧水銀ランプの封体の表面に接近してこれを取り囲むように配置されており、この導電性部材は電線によりアースされている。また、低圧水銀ランプはランプ点灯装置に接続されている。
【0004】
特許文献1記載の紫外線照射装置では、対象物への紫外線の照射を一枚ずつ処理していた。この場合、一連のプロセスが完了するまでは次のウェハを投入することができず、装置一台あたりのスループットを大きくできないという問題があった。
【0005】
これに対し、ウェハ加熱ヒーターを有して複数のウェハを載置可能とした回転テーブルと、半導体基板表面に紫外線を照射する水銀ランプとを備えた半導体処理装置が、例えば、特許文献2として提案されている。
【0006】
図5は特許文献2に開示される半導体処理装置の構成を示した側断面図である。この半導体処理装置は、紫外線入射窓101,エッチングガスを供給するための供給管102,反応後のガスを廃棄する排気管103を備えた耐エッチング性の密閉反応器100と、該容器100の内部に設けられた半導体基板回転支持台104と、光化学反応を起こすための光源である低圧水銀ランプまたは高圧水銀ランプもしくは水銀−キセノンランプ等のランプ105と、エッチング用高周波電極106と、高周波電源107と、マッチングボックス108とで構成され、半導体基板109を載置するための半導体基板回転支持台104には、加熱器110が組み込まれている。
【0007】
なお、特許文献2に開示される半導体処理装置は、半導体製造工程において、レジストをマスクとしたRIE等のエッチング処理の後に行われる表面デポ膜除去処理に際し、半導体基板109にダメージを与えることなく表面デポ膜を完全に除去することを目的として考案されたものである。
【0008】
また、専ら加熱処理に特化したものではあるが、密閉されたチャンバ内でウェハホルダを回転させて半導体基板のアニール処理を行なう装置が、例えば、特許文献3として開示されている。但し、このアニール装置は、半導体基板を1枚宛てで保持するウェハホルダをチェンバ内で公転軌跡に沿って移動させることによってチェンバ内に設置された熱輻射体や熱吸収体と半導体基板との相対位置を変化させてアニール処理を行なうものであり、前述した特許文献1記載の紫外線照射装置と同様、スループットを大きくできない点で不都合がある。
【0009】
半導体基板の電荷消去においては、半導体基板に紫外線を照射すると共に加熱することで其の効果が高くなることがわかっている。
【0010】
そこで、特許文献1記載の紫外線照射装置に対して特許文献2記載の半導体処理装置における半導体基板回転支持台104の周辺構造を転用し、複数の半導体基板を加熱しつつ紫外線を照射するようにしてスループットを向上させるといったことが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平9−69478号広報(段落0005,0008)
【特許文献2】特開平2−81430号公報(第1図)
【特許文献3】特開2005−19725号公報(段落0029,0030,図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、図5に示されるような半導体処理装置の構成にあっては、一般に、ランプ105から放射される光の波長に赤外線が多く含まれており、半導体基板回転支持台104に載置された半導体基板109がランプ105の照射領域を通過する度に赤外線が照射されることになり、この赤外線が半導体基板109の加熱源として作用する。
【0013】
また、半導体基板109の電荷を消去するためには半導体基板109に紫外線を照射していない時間間隔を短くする方が効果が高いため、半導体基板回転支持台104を高速に回転する必要がある。この際、半導体基板回転支持台104に内蔵された加熱器110は半導体基板109に常に接触しており、加熱器110および半導体基板回転支持台104も相当の熱容量を持っている。
【0014】
この結果、半導体基板回転支持台104を高速で回転させると、半導体基板回転支持台104の回転周期を基準とする半導体基板109の温度制御に応答性の遅れが生じ、半導体基板109がランプ105の下を通過する度にランプ105の赤外線によって一時的に加熱されて温度が上昇し、半導体基板109の温度が不安定となり、半導体基板109の品質が低下するといった問題が生じる。
【0015】
そこで、本発明の目的は、生産性(スループット)が高くかつ高品質な半導体基板を得ることが可能な紫外線照射装置および紫外線照射方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の紫外線照射装置は、前記目的を達成するため、特に、ウェハを載置するためのウェハ載置部を同一円周上に沿って複数備えた回転テーブルと、前記回転テーブルを回転駆動するテーブル駆動ユニットと、前記回転テーブルの面に沿って当該テーブルから間隔をおいて配備され、前記ウェハ載置部のウェハを非接触の状態で加熱する複数のヒータユニットと、前記回転テーブルの面に沿って当該テーブルから間隔をおいて配備され、前記ウェハ載置部のウェハに紫外線を照射する紫外線ランプユニットとを備え、
前記回転テーブルの面の法線方向で前記紫外線ランプユニットと重合する位置に配備されたヒータユニットから放射される輻射熱と前記紫外線ランプユニットから放出される輻射熱の単位面積あたりの総和が他のヒータユニットの単位面積あたりの輻射熱と同等になるように、前記紫外線ランプユニットと重合する位置に配備されたヒータユニットを加熱制御するようにしたことを特徴とする構成を有する。
【0017】
また、本発明の紫外線照射方法は、ウェハを載置するためのウェハ載置部を同一円周上に沿って複数備えた回転テーブルと、前記回転テーブルの面に沿って当該テーブルから間隔をおいて配備され、前記ウェハ載置部のウェハを非接触の状態で加熱する複数のヒータユニットと、前記回転テーブルの面に沿って当該テーブルから間隔をおいて配備され、前記ウェハ載置部のウェハに紫外線を照射する紫外線ランプユニットとを備えた紫外線照射装置を用いたウェハの紫外線照射方法であり、前記と同様の目的を達成するため、
前記回転テーブルを設定回数または設定時間に亘って回転させて回転テーブル上のウェハに対する加熱と紫外線の照射を周期的に繰り返し実行することにより、予め決められた熱量と紫外線照射量を前記ウェハに与えるようにしたことを特徴とする構成を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の紫外線照射装置は、紫外線ランプユニットから照射される赤外線によるウェハの温度上昇を考慮し、紫外線ランプユニットと重合する位置に配備されたヒータユニットから放射される輻射熱と紫外線ランプユニットから放出される輻射熱の単位面積あたりの総和が他のヒータユニットの単位面積あたりの輻射熱と同等になるようにヒータユニットを加熱制御するようにしたので、回転テーブルの回転によってウェハが各ヒーターユニットの位置で加熱されるときの紫外線ランプユニットの輻射熱の有無に関わりなくウェハの温度を一定にすることができ、温度の不安定化で生じるウェハの品質低下を防止して高品質な半導体基板を得ることができる。
また、温度制御の応答性の遅れが問題とならないので回転テーブルの回転速度を落とす必要がなく、同時に複数のウェハを処理することができるので、ウェハの生産性(スループット)を高くすることができる。
【0019】
本発明の紫外線照射方法は、設定回数または設定時間に亘って回転テーブルを回転させてウェハに対する加熱と紫外線の照射を周期的に繰り返し実行することにより予め決められた熱量と紫外線照射量をウェハに与えるようにしたので、回転テーブルの回転によってウェハが各ヒーターユニットの位置で加熱されるときの紫外線ランプユニットの輻射熱の有無に関わりなくウェハの温度を一定にすることができ、温度の不安定化で生じるウェハの品質低下を防止して高品質な半導体基板を得ることができる。
また、温度制御の応答性の遅れが問題とならないので回転テーブルの回転速度を落とす必要がなく、同時に複数のウェハを処理することができるので、ウェハの生産性(スループット)を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明を適用した一実施形態の紫外線照射装置の構成について簡略化して示した平断面図である。
【図2】同実施形態の紫外線照射装置の構成について簡略化して示した側断面図である。
【図3】本発明を適用した他の一実施形態の紫外線照射装置の構成について簡略化して示した平断面図である。
【図4】本発明を適用した更に別の一実施形態の紫外線照射装置の構成について簡略化して示した側断面図である。
【図5】従来の半導体処理装置の構成を示した側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0022】
〔第1の実施形態〕
図1は本発明を適用した一実施形態の紫外線照射装置1の構成について示した平断面図、また、図2は同実施形態の紫外線照射装置1の構成について示した側断面図である。
【0023】
この実施形態の紫外線照射装置1は、プロセスチャンバ2と、プロセスチャンバ2内に回転可能な状態で設けられた回転テーブル3と、回転テーブル3の中心に固着されたシャフト4を介して回転テーブル3を速度制御可能に回転駆動するテーブル駆動ユニット5と、回転テーブル3の面に沿って回転テーブル3から間隔をおいてプロセスチャンバ2の内部に配備され、回転テーブル3上に載置されたウェハ6を非接触の状態で加熱するヒーターユニット7a,7bと、回転テーブル3の面に沿って回転テーブル3から間隔をおいてプロセスチャンバ2内に配備され、回転テーブル3上に載置されたウェハ6に紫外線を照射する紫外線ランプユニット8と、回転テーブル3上に載置されたウェハ6を昇降させるためのリフトピン9とを備え、回転テーブル3には、ウェハ6を載置するためのウェハ載置部10が同一円周上に沿って複数箇所に設けられている。
【0024】
紫外線ランプユニット8と、紫外線ランプユニット8に重合するヒータユニット7bとは、図2に示される通り、回転テーブル3を挟むようにして回転テーブル3の表裏すなわち回転テーブル3の上面側と下面側に配置されている。
【0025】
また、プロセスチャンバ2には、プロセスチャンバ2内にプロセスガスを導入するためのプロセスガス導入口11と、プロセスチャンバ2内のガスを排気するためのプロセスガス排気口12と、リフトピン9を上下駆動するためのリフトピン駆動機構13と、ウェハ6の温度を測定するための非接触温度計14a,14bと、プロセスチャンバ2へウェハ6を搬入したりプロセスチャンバ2からウェハ6を搬出したりするための開閉ゲート15が設けられ、リフトピン9を取り付けるためにプロセスチャンバ2の下面に穿設された開口部とリフトピン駆動機構13のリフトピンプレート16との間の間隙が、可撓性のベーローズ17によって密閉されている。
【0026】
ヒーターユニット7a,7bは非接触温度計14a,14bで測定されるウェハ6の温度を元にしてヒーター制御ユニット18で温度制御される。
【0027】
また、紫外線ランプユニット8は、紫外線ランプ本体19と、紫外線ランプ本体19から放射される紫外線を反射してウェハ6へ照射する反射板20と、紫外線ランプユニット8からの光を遮光するためのシャッター21とを備える。
紫外線ランプ本体19は、プロセスチャンバ2内で紫外線ランプユニット8の下方位置に設置された紫外線照度計22によって検出される紫外線の強度に基いてランプ制御ユニット23で輝度を制御される。
【0028】
非接触温度計14a,14bは、ウェハ6を透過するヒーターユニット7a,7bからの輻射熱や紫外線ランプユニット8から照射されてウェハ6の表面で反射される赤外線が直に非接触温度計14a,14bに届かないように、回転テーブル3やウェハ6に対して斜めに配置され、図2に示されるウェハ6上の温度測定点25aおよび温度測定点25bの位置でウェハ6自体の温度を的確に測定できるようになっている。
【0029】
ハンドリングロボット24は、プロセスチャンバ2へのウェハ6の搬入操作およびプロセスチャンバ2からのウェハ6の搬出操作を行うためのもので、プロセスチャンバ2における開閉ゲート15の近傍位置に配置されて、図示しないロボット制御装置で駆動制御される。
【0030】
ここで、ウェハ6の加熱および紫外線照射と電荷消去の効果の関係について説明する。ウェハ6の電荷を消去するためには、ウェハ6に対する加熱も紫外線の照射も共に有効であり、特に、ウェハ6が例えば300℃といったような高温になればなるほど電荷消去の効果が大きい。また、紫外線照射については、紫外線の照射時間が長いほど、紫外線の波長が短いほど、紫外線の照射量が多いほど、電荷消去の効果が大きい。
【0031】
そして、加熱および紫外線照射は共に長時間に亘って行われるほど電荷消去の効果は大きいが、加熱と紫外線照射との効果を比較すると、紫外線照射よりも高温で長時間ウェハ6を加熱する方が効果が大きいことがわかっている。
【0032】
次に、本実施形態における紫外線照射装置1の動作について説明する。
【0033】
まず、ハンドリングロボット24が開閉ゲート15を介してプロセスチャンバ2内のウェハ設置部10の上方位置にウェハ6を搬入する。
【0034】
次に、リフトピン9が図2に示される初期位置から上昇し、ハンドリングロボット24からウェハ6を受け取る。
【0035】
そして、ハンドリングロボット24がプロセスチャンバ2から退避すると、リフトピン9が下降してウェハ6をウェハ設置部10に載置し、その後、リフトピン9が更に下降して図2に示される初期位置に復帰する。
【0036】
なお、全てのヒーターユニット7a,7bは、ウェハ設置部10にウェハ6を載置するのに適した温度、例えば、100℃となるように予め予熱しておく。
【0037】
次に、回転テーブル3がシャフト4を中心として90度回転し、ウェハ6が載置されていない他のウェハ設置部10が開閉ゲート15の対応位置に位置決めされる。
【0038】
以下、このような操作、すなわち、ハンドリングロボット24によるウェハ6の搬入操作とリフトピン9によるウェハ6の受け取り操作、および、ハンドリングロボット24とリフトピン9の退避操作と、回転テーブル3の90度単位の回転操作とを繰り返し実行し、4箇所のウェハ設置部10の全てにウェハ6を載置した後、ハンドリングロボット24をプロセスチャンバ2から退避させて、開閉ゲート15を閉じる。
【0039】
次いで、回転テーブル3を回転させながら、夫々のウェハ6がプロセス温度(例えば300℃)になるようにヒーターユニット7a,7bの発熱量を制御してウェハ6を加熱すると共に、紫外線ランプユニット8のシャッター21を開き、紫外線ランプ本体19を作動させて紫外線ランプユニット8の下方位置を通過するウェハ6の夫々に紫外線を照射して、ウェハ6内の電荷を消去する。
【0040】
この際、紫外線ランプユニット8の下方位置に配置されたヒーターユニット7b、つまり、回転テーブル3の面の法線方向で紫外線ランプユニット8と重合する位置に配備されたヒータユニット7bについては、紫外線ランプ本体19から放出される光線に含まれる赤外線による温度上昇分を考慮し、ヒーターユニット7bから放射される輻射熱と紫外線ランプユニット8から放出される輻射熱の単位面積あたりの総和が、他のヒータユニット7aの単位面積あたりの輻射熱と同等になるように、ヒーター制御ユニット18によってヒーターユニット7bの発熱量を制御する。
【0041】
具体的には、回転テーブル3の所定回転毎(例えば1回転毎)のサンプリング周期で温度測定点25aの温度を非接触温度計14aで測定すると共に紫外線照度計22で紫外線ランプユニット8から照射される紫外線の強度を測定することによってヒータユニット7aの発熱量と紫外線ランプ本体19の紫外線照射量をフィードバック制御して夫々の値を基準値に保持し、同時に、温度測定点25bの温度を非接触温度計14bで測定して、温度測定点25bと温度測定点25aとの間の温度偏差を求め、この温度偏差を解消するように、つまり、温度測定点25bの温度が温度測定点25aの温度よりも高い場合にはヒーターユニット7bの発熱量を抑制し、また、温度測定点25bの温度が温度測定点25aの温度よりも低い場合にはヒーターユニット7bの発熱量を増長させて、ヒーターユニット7bから放射される輻射熱と紫外線ランプユニット8から放出される輻射熱の単位面積あたりの総和が、他のヒータユニット7aの単位面積あたりの輻射熱と同等になるように、ヒーターユニット7bの発熱量を制御する。
【0042】
ヒーターユニット7bの発熱量の制御は、ヒーターユニット7bに印加する電流の大きさを調整して行なってもよいし、あるいは、ヒーターユニット7bに対する通電時間と非通電時間のデューティ比の調整によって行なってもよい。
【0043】
これにより、ウェハ6は紫外線ランプユニット8から照射される赤外線の有無に関わらず安定的に一定の温度で加熱される。
【0044】
このような状態を保持したまま回転テーブル3を設定回数または設定時間に亘って回転させ、回転テーブル3上のウェハ6に対する加熱と紫外線の照射を周期的に繰り返し実行することにより、予め決められた熱量と紫外線照射量を夫々のウェハに与え、ウェハ6内の電荷を消去する。
ヒーターユニット7a,7bおよび紫外線ランプユニット8は連続的に作動するが、回転テーブル3上のウェハ6は回転テーブル3の回転に伴ってヒーターユニット7a,7bおよび紫外線ランプユニット8をよぎるようにして移動することになるので、ウェハ6の加熱や紫外線の照射は、ウェハ6の側からみれば周期的なものとなる。
【0045】
その後、回転テーブル3を更に回転させながら、各ウェハ6の温度がウェハ6の搬出に適した温度(例えば100℃)になるようにヒーターユニット7a,7bを制御して、紫外線ランプユニット8のシャッター21を閉じ、各ウェハ6を紫外線ランプユニット8から遮光する。
【0046】
そして、最終的に、各ウェハ6の温度がウェハ6の搬出に適した温度(例えば100℃)になった時点で、開閉ゲート15を開き、ハンドリングロボット24を作動させてウェハ設置部10に載置されているウェハ6を順に回収する。
【0047】
ヒーターユニット7a,7bは回転テーブル3と独立して離間した位置に設けられているので、ヒータを一体化して構成した回転テーブルを用いた場合と比べ、ウェハ6の温度を早急にプロセス温度から搬出に適した温度(例えば100℃)にまで低下させることができ、大量のウェハ6を連続的に投入して処理する場合のサイクルタイムの短縮の面で有利である。
【0048】
ウェハ6の回収作業は、搬入時とは逆の動作、つまり、リフトピン9の突出によるウェハ6の押し上げ操作とハンドリングロボット24によるウェハ6の搬出操作、および、ハンドリングロボット24とリフトピン9の退避操作と回転テーブル3の90度単位の回転操作の繰り返しによって行われる。
【0049】
ここでは、ヒーターユニット7aを3個設けた例について述べたが、その数は1個または2個あるいは4個以上であってもよい。
【0050】
また、ヒーターユニット7a,7bの形状は、回転テーブル3のウェハ載置部10に載置されているウェハ6が回転テーブル3の回転に伴って移動するときの円形状の領域、または、この円形状の領域の一部を形成する円弧状(扇形)の領域に相似な形状としてもよい。
【0051】
紫外線ランプ本体19,反射板20,シャッター21からなる紫外線ランプユニット8を複数の箇所に設けることも可能である。
【0052】
また、図1の例のように、1つの紫外線ランプユニット8に複数の紫外線ランプ本体19を配置した場合にあっては、紫外線ランプ本体19毎に、照射する紫外線の波長を異ならせてもよく、更に、紫外線ランプユニット8を複数の箇所に設けた場合にあっては、各紫外線ランプユニット8毎に照射する紫外線の波長を異ならせてもよい。
【0053】
紫外線ランプユニット8における紫外線ランプ本体19の配置についても、ヒーターユニット7a,7bの場合と同様、回転テーブル3のウェハ載置部10に載置されているウェハ6が回転テーブル3の回転に伴って移動するときの円形状の領域、または、この円形状の領域の一部を形成する円弧状(扇形)の領域に相似な形状とすることができる。
【0054】
また、回転テーブル3が回転するとき、回転テーブル3上のウェハ6の各部位では回転テーブル3の半径方向の位置の相違によってヒーターユニット7a,7b上を通過する際の速度(v=r・ω)が異なり、ウェハ6の各部位毎にヒーターユニット7a,7bによる加熱効率が異なって、移動速度が速い径方向外側の部位ではウェハ6が単位面積あたりにヒーターユニット7a,7bから受ける熱量が相対的に少なく、これとは逆に移動速度が遅い径方向内側の部位ではウェハ6が単位面積あたりにヒーターユニット7a,7bから受ける熱量が相対的に多くなる傾向があるので、回転テーブル3の半径方向の位置に応じてヒーターユニット7a,7bの温度分布を制御できるような構成、例えば、回転テーブル3の半径方向の各位置に応じてヒーターユニット7a,7bの発熱量を分割して制御できるような構成とし、ウェハ6の各部位がヒーターユニット7a,7bから受け取る熱量を均等化してウェハ6の各部位における品質のバラツキすなわち電荷消去率のバラツキをなくすことが望ましい。
【0055】
これと同様、ウェハ6上で相対的に移動速度が速い径方向外側の部位ではウェハ6が単位面積あたりに紫外線ランプユニット8から受ける紫外線の照射量が少なく、これとは逆に移動速度が相対的に遅い径方向内側の部位ではウェハ6が単位面積あたりに紫外線ランプユニット8から受ける紫外線の照射量が多くなる傾向があるので、回転テーブル3の半径方向の位置に応じて紫外線ランプユニット8の紫外線強度の分布を制御できるような構成、例えば、回転テーブル3の半径方向に沿ってチューブ状の紫外線ランプ本体19を幾つも円弧状に併設し、各紫外線ランプ本体19の紫外線強度を独立的に制御できるような構成とし、ウェハ6の各部位が紫外線ランプユニット8から受け取る紫外線量を均等化してウェハ6の各部位における品質のバラツキすなわち電荷消去率のバラツキをなくすことが望ましい。
【0056】
また、回転テーブル3をウェハ設置部10の配設ピッチに応じて例えば90度でステップ回転させるようにしてもよい。
これにより、回転テーブル3を定速で連続回転さる場合と比べ、回転テーブル3の1回転あたりに放射される熱や紫外線がウェハ6自体に照射される時間の割合を大きくすることができ、熱や紫外線が回転テーブル3上に無意味に照射される無駄が軽減される。
【0057】
〔第2の実施形態〕
図3は本発明を適用した他の一実施形態の紫外線照射装置1’の構成について示した平断面図である。
【0058】
プロセスチャンバ2,回転テーブル3,ウェハ載置部10,リフトピン9等の構成に関しては図1および図2に示した第1の実施形態のものと同様であるが、回転テーブル3上のウェハ6を加熱するヒーターユニット7aが、回転テーブル3の回転に伴ってウェハ6が移動するときの円形状の領域の一部である円弧状(扇形)の形で形成されている点、および、紫外線ランプユニット8が、回転テーブル3の半径方向に沿って円弧状に併設された複数のチューブ状の紫外線ランプ本体19によって構成されて全体として円弧状(扇形)の形とされている点が、図1および図2に示した第1の実施形態とは異なる。
【0059】
このような構成を適用した場合、複数のヒーターユニット7aが隙間なく隣接して配置され、かつ、複数の円弧状の紫外線ランプ本体19からなる紫外線ランプユニット8が面状にウェハ6を照射することになるので、ウェハ6を絶え間なく加熱し且つ紫外線を照射することができ、ウェハ6の温度の変動を更に減少させて電荷消去の効率を向上させることができる。
【0060】
〔第3の実施形態〕
次に、回転テーブルの半径方向の各位置で相違するウェハの単位面積あたりの受熱量や紫外線照射量によってウェハ6の各部位に生じる電荷消去率のバラツキを解消するためのヒーターユニットおよび紫外線ランプユニットの構造を適用すると共に、ヒータユニットに対して回転テーブルを接離移動させることによってウェハ処理のサイクルタイムを短縮するようにした他の一実施形態について説明する。
【0061】
図4は本発明を適用した他の一実施形態の紫外線照射装置1”の構成について簡略化して示した側断面図である。
【0062】
プロセスチャンバ2,回転テーブル3,シャフト4,テーブル駆動ユニット5,プロセスガス導入口11,プロセスガス排気口12,開閉ゲート15等の構成に関しては図1および図2に示した第1の実施形態のものと同様であるが、回転テーブル3上のウェハ6を加熱するヒーターユニット7aが回転テーブル3の半径方向に沿って円弧状に併設された複数の棒ヒーター26によって構成されている点と、紫外線ランプユニット8が回転テーブル3の半径方向に沿って円弧状に形成された複数のチューブ状の紫外線ランプ本体28によって構成されている点、および、ヒーターユニット7aおよび紫外線ランプユニット8が図4に示されるようにして回転テーブル3の同一面側つまり回転テーブル3の上面側に配備されている点、ならびに、回転テーブル3を上下させて回転テーブル3上のウェハ6をヒーターユニット7aおよび紫外線ランプユニット8に対して接離移動させるテーブル移動機構27が併設されている点と、非接触温度計14a,14bが回転テーブル3の下面側に配置されている点が、図1および図2に示した第1の実施形態とは異なる。
【0063】
また、この実施形態における紫外線ランプ本体28は、回転テーブル3上のウェハ6に対して紫外線と同時に熱源となる赤外線を照射するものであり、専ら紫外線のみを照射する第1の実施形態における紫外線ランプ本体19とでは特性が異なる。
【0064】
この実施形態にあっては、紫外線ランプユニット8は、回転テーブル3上のウェハ6を非接触の状態で加熱するヒータユニットの1つとして機能する。前述した通り、加熱と紫外線照射との効果を比較すると、紫外線照射よりも高温で長時間ウェハ6を加熱する方が電荷除去の効果が大きいので、ここでは、紫外線ランプユニット8を専ら赤外線を照射する加熱手段として利用している。
この場合、紫外線照射手段と加熱手段は一体であるから、両者は回転テーブル3の面の法線方向で重合する位置にあるといってよい。
【0065】
回転テーブル3の半径方向に沿って円弧状に併設されたヒーターユニット7aの各々の棒ヒーター26はテーブル3の半径方向の各位置毎つまり図4中の左右方向の各位置毎に独立して発熱量の調整が可能であり、また、回転テーブル3の半径方向に沿って円弧状に併設された紫外線ランプユニット8の複数の紫外線ランプ本体28はテーブル3の半径方向の各位置毎つまり図4中の左右方向の各位置毎に独立して紫外線および赤外線の照射強度の調整が可能である。
【0066】
また、紫外線ランプユニット8の下方位置に配備されたコールドフィルター29(赤外域用波長選択フィルター)は、テーブル移動機構27によってテーブル3を上昇させた状態、つまり、図4中で実線で示される位置にテーブル3がある状態で、紫外線ランプユニット8からウェハ6に照射される赤外線によってウェハ6に与えられる輻射熱とヒーターユニット7aからウェハ6に与えられる輻射熱とが同等となるように、紫外線ランプユニット8からウェハ6に照射される赤外線の強度を調整する。
【0067】
この実施形態の紫外線照射装置1”も前述した第1,第2の実施形態における紫外線照射装置1,1’と同様にリフトピン9,リフトピン駆動機構13といったものを備えるが、図4では図面の簡略化のために記載を省略している。
【0068】
次に、本実施形態における紫外線照射装置1”の動作について説明する。
【0069】
まず、作業開始前の前処理作業として、ヒーターユニット7aの温度を一定温度(例えば300℃)に加熱する。
【0070】
次に、ヒーターユニット7aを作動させたまま紫外線ランプユニット8を作動させずに回転テーブル3にウェハ6を仮載置して回転テーブル3を本作業時の設定回転速度で回転させ、テーブル移動機構27を作動させて回転テーブル3の高さを上下に調整し、ウェハ6の温度がプロセス温度(例えば180℃)となるときの回転テーブル3の高さを測定し、この高さを本作業時に適用すべき回転テーブル3の高さとしてテーブル移動機構27にセットする。
【0071】
そして、回転テーブル3を本作業時の高さに上昇させた状態で、ヒーターユニット7aを作動させずに紫外線ランプユニット8を作動させ、紫外線ランプユニット8からウェハ6に照射される赤外線で加熱されるウェハ6の温度が前述のプロセス温度と一致するようにコールドフィルター29の透過率を選択し、選択したコールドフィルター29を紫外線ランプユニット8の下方位置にセットする。
【0072】
以上で前処理作業が完了し、回転テーブル3とヒータユニット7aおよび紫外線ランプユニット8との間の離間距離の調整によって、予め決められた熱量と紫外線照射量をウェハ6に与えることが可能な状態となる。
つまり、ヒータユニット7aによるウェハ6の加熱効果と赤外線と紫外線を含む紫外線ランプユニット8によるウェハ6の加熱効果が同等となる。
【0073】
そして、実際のウェハ処理に際しては、まず、ヒーターユニット7aからの熱が届かないようにヒーターユニット7aから十分に離間した退避位置、つまり、図4中の破線で示される退避位置にテーブル3の高さを位置決めした状態でハンドリングロボット24を作動させ、開閉ゲート15を介してプロセスチャンバ2内のウェハ設置部10の上方位置にウェハ6を搬入させる。
【0074】
ウェハ6の搬入操作に関しては前述した第1の実施形態の場合と同様であり、ハンドリングロボット24によるウェハ6の搬入操作とリフトピン9によるウェハ6の受け取り操作、および、ハンドリングロボット24とリフトピン9の退避操作と回転テーブル3の90度単位の回転操作の繰り返しによって行われる。
【0075】
そして、4箇所のウェハ設置部10の全てにウェハ6を載置した後、ハンドリングロボット24をプロセスチャンバ2から退避させて、開閉ゲート15を閉じる。
【0076】
次に、回転テーブル3を回転させながらテーブル移動機構27を作動させ、前処理作業でセットされた本作業用のテーブル高さまで回転テーブル3を上昇させる。
【0077】
そして、回転テール部3の高さが本作業用のテーブル高さに達したならばテーブル移動機構27の作動を停止して回転テール部3の上下高さを保持し、ヒーターユニット7aおよび紫外線ランプユニット8により回転中の回転テーブル3上のウェハ6を周期的に加熱し且つ紫外線を照射する。ヒーターユニット7aおよび紫外線ランプユニット8は連続的に作動するが、回転テーブル3上のウェハ6は回転テーブル3の回転に伴ってヒーターユニット7aおよび紫外線ランプユニット8をよぎるようにして移動することになるので、ウェハ6の加熱や紫外線の照射は、ウェハ6の側からみれば周期的なものとなる。
【0078】
この際、ヒーター制御ユニット18は、相対的に移動速度が速い回転テーブル3の径方向外側の部位でウェハ6が単位面積あたりに受ける熱量と相対的に移動速度が遅い回転テーブル3の径方向内側の部位でウェハ6が単位面積あたりに受ける熱量とが一致するようにヒーターユニット7aの棒ヒーター26の各々の発熱量を独立的に制御し、また、ランプ制御ユニット23も、相対的に移動速度が速い回転テーブル3の径方向外側の部位でウェハ6が単位面積あたりに受ける紫外線および赤外線の照射量と相対的に移動速度が遅い回転テーブル3の径方向内側の部位でウェハ6が単位面積あたりに受ける紫外線および赤外線の照射量とが一致するように紫外線ランプユニット8の紫外線ランプ本体28の各々の紫外線照射量と赤外線照射量を制御する。
【0079】
具体的には、ヒーターユニット7aの棒ヒーター26にあっては、径方向外側つまり図4において左側に位置するものから径方向内側つまり図4において右側に位置するものへと順に発熱量を制限し、また、紫外線ランプユニット8の紫外線ランプ本体28にあっては、径方向外側つまり図4において右側に位置するものから径方向内側つまり図4において左側に位置するものへと順に照射量を制限することで、ウェハ6が各部位で単位面積あたりに受ける熱量と紫外線の照射量を径方向の内外で一致させる制御を行なう。
【0080】
棒ヒーター26の発熱量の制御や紫外線ランプ本体28の紫外線照射量の制御は、第1の実施形態でも述べたように、印加する電流の大きさの調整によっても実現できるし、通電時間と非通電時間のデューティ比の調整によっても実現できる。
【0081】
これにより、ウェハ6の各部位が回転テーブル3の半径方向を基準としてどのような位置に存在するかに関わりなく、ウェハ6の各部位における品質のバラツキすなわち電荷消去率のバラツキをなくすことが可能となる。
【0082】
このような状態を保持したまま回転テーブル3を設定回数または設定時間に亘って回転させ、回転テーブル3上のウェハ6に対する加熱と紫外線の照射を周期的に繰り返し実行することにより、予め決められた熱量と紫外線照射量を、回転テーブル3の半径方向を基準とする位置に関わりなく夫々のウェハ6の各部位に均等に与え、ウェハ6内の電荷を均一に消去する。
【0083】
また、前述した回転テーブル3の径方向に沿った棒ヒーター26の発熱量の制御や紫外線ランプ本体28の制御に重畳して、更に、回転テーブル3の所定回転毎(例えば1回転毎)のサンプリング周期で非接触温度計14a,14bで検出される温度の平均値を求め、この平均値が設定されたプロセス温度よりも低い場合には回転テーブル3を上昇させてヒーターユニット7aや紫外線ランプユニット8に接近させる一方、平均値が設定されたプロセス温度よりも高い場合には回転テーブル3を下降させてヒーターユニット7aや紫外線ランプユニット8から離間させる制御を同時に行うようにしてもよい。
【0084】
この場合、ウェハ6の各部位における電荷消去率のバラツキをなくすための制御つまり回転テーブル3の径方向に沿った棒ヒーター26の発熱量の制御や紫外線ランプ本体28の制御と、ウェハ6に与える熱量や紫外線照射量の総量を最適化するための制御すなわち回転テーブル3を上下させてヒーターユニット7aや紫外線ランプユニット8から受け取る熱や紫外線を調整する制御が並列して行われることになるので、ウェハ6の各部位における電荷消去率のバラツキが解消されると共に各ウェハ6の間に生じる品質の相違、特に、多数のウェハ6を処理する場合に生じ易い他のロットのウェハ6との間に生じる品質のバラツキもなくすことができる。
【0085】
また、熱や紫外線の強度は距離の自乗に反比例するので、回転テーブル3の上下動による全体的な温度や照度の調整は、棒ヒーター26の発熱量や紫外線ランプ本体28の照射強度を直接的に制御する場合と比較して遅れが少なく、ウェハ6の温度を素早く調整することが可能である。
【0086】
その後、テーブル移動機構27を作動させて回転テーブル3を本作業用のテーブル高さから図4中において破線で示される退避位置にまで下降させる。
【0087】
この際、回転テーブル3およびウェハ6はヒーターユニット7aや紫外線ランプユニット8から急速に離間するので、ヒーターユニット7aや紫外線ランプユニット8の温度の低下を待つことなくウェハ6の温度を搬出に適した温度(例えば100℃)にまで引き下げることができる。
【0088】
つまり、ヒーターユニット7aが備える温度制御の応答性よりも早くウェハ6の温度を下げることが可能となるので、ウェハ6の電荷を均一に消去するのみならず、ウェハ処理の大幅な短縮が実現され、生産性が更に向上する。
【0089】
特に、ヒーターユニット7aの温度を大幅に下げる必要がなく、紫外線照射装置1”の再使用の際の加温時間が短縮されることから、大量のウェハ6を連続的に投入して処理する場合のサイクルタイムの短縮の面で有益である。
【0090】
各ウェハ6の搬出作業に関しては第1の実施形態の場合と同様であり、搬入時とは逆の動作、つまり、リフトピン9の突出によるウェハ6の押し上げ操作とハンドリングロボット24によるウェハ6の搬出操作、および、ハンドリングロボット24とリフトピン9の退避操作と回転テーブル3の90度単位の回転操作の繰り返しによって行われることになる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明の装置および方法は、半導体の電荷消去の他、レジストキュア工程や洗浄工程などにも利用可能である。
【符号の説明】
【0092】
1,1’,1” 紫外線照射装置
2 プロセスチャンバ
3 回転テーブル
4 シャフト
5 テーブル駆動ユニット
6 ウェハ
7a ヒーターユニット
7b ヒーターユニット
8 紫外線ランプユニット
9 リフトピン
10 ウェハ載置部
11 プロセスガス導入口
12 プロセスガス排気口
13 リフトピン駆動機構
14a,14b 非接触温度計
15 開閉ゲート
16 リフトピンプレート
17 ベーローズ
18 ヒーター制御ユニット
19 紫外線ランプ本体
20 反射板
21 シャッター
22 紫外線照度計
23 ランプ制御ユニット
24 ハンドリングロボット
25a,25b 温度測定点
26 棒ヒーター
27 テーブル移動機構
28 紫外線ランプ本体
29 コールドフィルター
100 密閉反応器
101 紫外線入射窓
102 供給管
103 排気管
104 半導体基板回転支持台
105 ランプ
106 エッチング用高周波電極
107 高周波電源
108 マッチングボックス
109 半導体基板
110 加熱器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハを載置するためのウェハ載置部を同一円周上に沿って複数備えた回転テーブルと、前記回転テーブルを回転駆動するテーブル駆動ユニットと、前記回転テーブルの面に沿って当該テーブルから間隔をおいて配備され、前記ウェハ載置部のウェハを非接触の状態で加熱する複数のヒータユニットと、前記回転テーブルの面に沿って当該テーブルから間隔をおいて配備され、前記ウェハ載置部のウェハに紫外線を照射する紫外線ランプユニットとを備えた紫外線照射装置であって、
前記回転テーブルの面の法線方向で前記紫外線ランプユニットと重合する位置に配備されたヒータユニットから放射される輻射熱と前記紫外線ランプユニットから放出される輻射熱の単位面積あたりの総和が他のヒータユニットの単位面積あたりの輻射熱と同等になるように、前記紫外線ランプユニットと重合する位置に配備されたヒータユニットを加熱制御するようにしたことを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項2】
前記紫外線ランプユニットと該紫外線ランプユニットに重合するヒータユニットとが前記回転テーブルを挟むようにして前記回転テーブルの表裏に配備されていることを特徴とする請求項1記載の紫外線照射装置。
【請求項3】
前記紫外線ランプユニットと前記ヒータユニットとが前記回転テーブルの同一面側に配備され、前記紫外線ランプユニットが、紫外線と赤外線を同時に照射する機能を有し、前記ウェハ載置部のウェハを非接触の状態で加熱するヒータユニットとして機能することを特徴とする請求項1記載の紫外線照射装置。
【請求項4】
前記紫外線ランプユニットは、前記テーブルの半径方向の各位置毎に紫外線の照射強度が調整可能なように構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうち何れか一項に記載の紫外線照射装置。
【請求項5】
前記ヒーターユニットは、前記テーブルの半径方向の各位置毎に発熱量が調整可能なように構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のうち何れか一項に記載の紫外線照射装置。
【請求項6】
前記ヒーターユニットは、前記ウェハ載置部に載置されているウェハが前記回転テーブルの回転に伴って移動するときの円形状の領域、または、該円形状の領域の一部を形成する円弧状の領域に相似な形状を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のうち何れか一項に記載の紫外線照射装置。
【請求項7】
前記紫外線ランプユニット、もしくは、前記紫外線ランプユニットを構成する紫外線ランプが複数個配備されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のうち何れか一項に記載の紫外線照射装置。
【請求項8】
前記紫外線ランプユニット、もしくは、前記紫外線ランプユニットを構成する紫外線ランプの照射する波長が相互に異なることを特徴とする請求項7記載の紫外線照射装置。
【請求項9】
前記紫外線ランプユニットは、前記ウェハ載置部に載置されているウェハが前記回転テーブルの回転に伴って移動するときの円形状の領域、または、該円形状の領域の一部を形成する円弧状の領域に相似な形状を有することを特徴とする請求項1ないし請求項8のうち何れか一項に記載の紫外線照射装置。
【請求項10】
前記回転テーブルは、該回転テーブル上に載置された前記ウェハを前記ヒータユニットに対して接離移動させるテーブル移動機構を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項9のうち何れか一項に記載の紫外線照射装置。
【請求項11】
請求項1ないし請求項10のうち何れか一項に記載された紫外線照射装置を用いたウェハの紫外線照射方法であって、
前記回転テーブルを設定回数または設定時間に亘って回転させて回転テーブル上のウェハに対する加熱と紫外線の照射を周期的に繰り返し実行することにより、予め決められた熱量と紫外線照射量を前記ウェハに与えるようにしたことを特徴とする紫外線照射方法。
【請求項12】
前記回転テーブル上のウェハに予め決められた熱量と紫外線照射量が与えられるように前記回転テーブルの所定回転毎に前記ヒータユニットおよび紫外線ランプユニットの出力を制御するようにしたことを特徴とする請求項11記載の紫外線照射方法。
【請求項13】
請求項10に記載された紫外線照射装置を用いたウェハの紫外線照射方法であって、
前記回転テーブルを回転させて回転テーブル上のウェハに対する加熱と紫外線の照射を周期的に繰り返し実行すると共に、前記回転テーブルの所定回転毎に前記回転テーブルと前記ヒータユニットおよび紫外線ランプユニットとの離間距離を制御することにより、予め決められた熱量と紫外線照射量を前記ウェハに与えるようにしたことを特徴とする紫外線照射方法。
【請求項14】
前記回転テーブルをステップ動作で回転させることを特徴とした請求項11ないし請求項13のうち何れか一項に記載の紫外線照射方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−186815(P2010−186815A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−28757(P2009−28757)
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】