経路誘導装置及び経路誘導方法
【課題】
面的な空間において、障害物を避けながら移動体を目的位置まで誘導する。
【解決手段】
移動体の位置における仮想力の合力を、仮想力と地理情報との対応データに基づいて求め、仮想力の合力から経路誘導情報を作成して移動体に提示する。
【効果】
移動体の周囲からの仮想力に基づいて経路誘導情報を作成するので、面的な空間においても移動体を誘導できる。
面的な空間において、障害物を避けながら移動体を目的位置まで誘導する。
【解決手段】
移動体の位置における仮想力の合力を、仮想力と地理情報との対応データに基づいて求め、仮想力の合力から経路誘導情報を作成して移動体に提示する。
【効果】
移動体の周囲からの仮想力に基づいて経路誘導情報を作成するので、面的な空間においても移動体を誘導できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体に経路誘導を行うための経路誘導装置及び経路誘導方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車が道路に沿って走行する事を前提にカーナビゲーション装置においてはノードを交差点、リンクを交差点間を結ぶ経路として道路にあてはめ経路誘導を行っている。従って、道路の上を走行する車の誘導の場合、自車がリンク上を走行しているか否かの判断及びノードに接近した場合、次のノードへの誘導情報をドライバーに提示することにより車の経路ナビゲーションを実現している。
【0003】
また、コンピュータグラフィック(CG)のキャラクタや、ロボットの制御を目的に、特許文献1(特開平6−110999号公報)で述べられているように、周囲の障害物或は目的位置から仮想力を発生させ、仮想力の合力をもとにCGキャラクタの制御やロボットの移動方向を直接制御し目的位置へ誘導している。
【0004】
【特許文献1】特開平6−110999号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術は、歩行者の移動空間に多く存在する移動経路が幅をもった広い空間における移動体のナビゲーション技術に関して考慮したものとはなっていなかった。
【0006】
例えば車の場合、道路上を車が移動するため経路の情報は幅の情報が無い線的な情報でもかまわない。ところが、人間の移動空間を考えると、駅のコンコースや公園の広場などに代表されるように面的な移動空間が数多く存在する。このような空間内では、空間内に特定の経路を設けないで、その時々に応じて移動空間内を自由に進行方向を変え目的地へ進んでゆく。そのため、車の経路誘導に使われているノードとリンクの関係を人間の経路誘導に適用した場合、幅の自由度がある移動空間であっても、ノードとリンクにより設定された幅の無い直線経路上での誘導となってしまう。そのために、斜めに横切れば目的地へ到達できる場合でも、リンクに沿った線分状の経路誘導情報が生成されることになる。また、歩行空間内に柱などの障害物がある場合、その柱の左右どちら側を通行するのかなどをノードとリンクの関係で表現する必要があり、多くのノードとリンクデータを作成しなければならない。更に、障害物を通過する側を間違えて通過してしまった場合、誘導経路の逸脱となり再度誘導経路の探索計算が必要となる。
【0007】
また、CGキャラクタやロボット制御においては、仮想力から得られた合力を直接CGキャラクタやロボット制御に使っている。ところが人間を誘導する場合、合力をもとに直接人間に力を加えて進行方向を変更することは出来ない。進行方向の変更を促す何らかの情報の提示が必要となるが、それについては何ら考慮されていない。
【0008】
本発明は、上述したような問題点を考慮してなされたもので、面的な空間において、障害物を避けながら移動体を目的位置まで誘導することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による経路誘導装置及び経路誘導方法においては、移動体の位置における仮想力の合力を、仮想力と地理情報との対応データに基づいて求め、仮想力の合力から経路誘導情報を作成して移動体に提示する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、移動体の周囲からの仮想力に基づいて経路誘導情報を作成するので、面的な空間においても移動体を誘導できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、本発明の1実施形態である経路誘導装置の構成図である。1は地理情報のD.B.(データベース)であり、建物の壁の位置情報や柱などの障害物,通路や階段,公園の形状等の地理情報が格納されている。2は地理情報と仮想力の対応D.Bであり、1の地理情報D.B.に格納されている地理情報に対応する仮想力の発生方法に関するデータが格納されている。これらのD.B.,ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置に登録されている。3は移動体の位置及び進行方向の検知手段である。位置を検知するためには、GPSなどのように人工衛星を使った測位装置,無線局の電界強度や到達時間を使った測位装置,電磁波や赤外線または超音波等を通信手段として発信源から取得されるIDをもとに発信源の位置情報を取得する測位手段,慣性航法等の自律的位置検知手段を利用して移動軌跡より現在位置を検知する手段等を利用する。進行方向は、移動体が向いている方向あるいは、経路誘導を行う端末の向いている方向によって検知し、方位センサやジャイロセンサ、上記のようにして検出した移動体の位置の時間差分などから求める。7は目的位置の指定手段である。地理情報D.B.1の情報を画面・音声等に表示し(地図・音声案内)その画面・音声等を利用して目的位置を指定しても良いし、電話番号を入力し電話番号に対応した位置を目的位置としても良い。あるいは前もって登録しておいた目的位置を選択して指定しても良い。4は仮想力の演算手段であり、3で検出した移動体の位置において観測される仮想力を1あるいは2あるいは7の情報をもとに算出する。5は、経路誘導情報作成手段であり、4で求めた仮想力の合力ベクトル或はその強さと3で求めた移動体の進行方向から、移動体に提示する経路誘導情報を作成する。提示する情報としては、矢印のように画像情報に変換した経路誘導情報,音声や文字情報に変換した経路誘導情報,振動や光または音による経路誘導情報などである。なお、4,5としては、マイクロプロセッサなどのデータ処理装置が用いられる。6は、経路誘導情報の提示手段であリ、5で作成した、画像情報,音声・文字情報,振動・光・音の情報を提示または表示する。提示装置6としては、ディスプレイやスピーカ,バイブレータ,LEDやストロボなど用いられる。
【0012】
次に、図2に示す図1における経路誘導方法の処理の流れ及び図3に示す経路移動の例を用いて、図1の経路誘導装置の機能や動作を説明する。まず、図3の経路移動の例を説明する。この経路は、壁で囲まれた通路内に障害物があり目的位置に向かって移動体が移動して行く例である。目的位置は306、障害物は307である。進行方向左側の壁は頂点A,B,C,Dからなる線分a(301),線分b(302),線分c(303)で構成され、右側の壁は頂点E,F,G,Hからなる線分e(304),線分f(318),線分g(305)から構成される。移動体は最初308の位置に居り、目的位置306へ向けて経路誘導を行う。
【0013】
図2の処理の流れを説明する。まず、目的位置の指定手段7(図1)を用いて目的位置を指定する(ステップ20)。例えば図3の例では、目的位置306の周辺の地図を描画し、利用者が描画した地図の中から目的位置を指定する。目的位置の指定が完了したら誘導開始を指令する(ステップ21)。誘導を開始すると、移動体の位置及び進行方向の検知手段3(図1)を用いて移動体の位置と進行方向を検知する(ステップ22)。
【0014】
次にこの位置で観測される仮想力を、仮想力の演算手段4(図1)によって計算する
(ステップ23)。仮想力とは、壁や目的位置あるいは障害物から発生する仮想的な力のベクトルである。目的位置306から発生する仮想力は発生位置を306の位置として目的位置に引き寄せられる正の力とし、障害物307から発生する仮想力は発生位置を障害物307の位置として障害物から遠ざける方向に働く負の力とする。壁(幅のある障害物)から発生する力は、壁を構成する線分に垂直で壁から遠ざける方向に働く負の力とする。また、仮想力の及ぼす領域を距離の関数として、公知の下式(数1)を用いても良い。
【0015】
【数1】
【0016】
ただし、Sは仮想力の力を制御するゲイン、dは移動体までの距離、Dはゲインが0.5になる距離である。Tは緩急度であり、Tの大きさにより仮想力の及ぼす範囲及び発生源に近づいた時の仮想力の変化率を制御できる。
【0017】
緩急度Tによるゲインの変化を図4に示す。Dの位置で急激にゲインを変化させたい場合には、Tを0に近い値とする(41)。滑らかに変化させたい場合にはTの値を大きくすれば良く、図4の例ではT1<T2の場合、T2(43)の方がT1(42)に比べ滑らかに変化し遠くまで力を及ぼすことが出来る。例えば、壁など物理的に越えることが困難な地理情報の場合、壁付近で急激にゲインを大きくして壁に衝突しないように誘導する。幅のある通路などでは、緩急度Tを大きくして滑らかにゲインを変化させることにより、わずかずつ中央に寄らせる誘導も可能である。なお、数1で用いたゲインの制御方法は一例であり、単調減少関数を用いても良いし、目的位置への仮想力などに適用する場合には距離に無関係で常に一定のゲインにするような関数を用いても構わない。或いは、仮想力の影響する範囲を距離で指定して、その距離を閾値として仮想力の大きさを制御してもかまわない。このように1点から発生する仮想力や線上に発生する仮想力、また距離に応じた仮想力の発生方法は、地理情報と仮想力の対応D.B.2(図1)に登録されており、対象となる地理情報(1に格納)と対応付けて仮想力を発生させる。
【0018】
これら複数の場所から発生した仮想力をもとに移動体が観測する仮想力の合力を計算する(ステップ24)。例えば、図3の308の位置に移動体がいたとする。308の位置で移動体が観測する仮想力は、目的位置306から発生する引力Fo(311)と壁を構成する線分c(303)から発生する斥力Fc(310)及び反対側の壁を構成する線分g(305)から発生する斥力Fg(309)である。これらの仮想力の合力をステップ24で計算し、仮想力の合力ベクトルF1(312)が生成される。この生成された仮想力の合力ベクトルが移動体を誘導する方向を表す方向ベクトルである。さらに移動体が移動して障害物307付近の313の位置に到達すると、障害物307から発生する斥力ベクトルFh(314)が観測され始める。この位置では、壁を構成する線分c及び線分g更に障害物307から発生する斥力ベクトルFc,Fg,Fhと目的位置からの引力Foとの合力となるF2(315)が生成され、障害物307と壁303の間を誘導するような仮想力の合力ベクトルが生成される。なお、壁や障害物から発生する仮想力を大きく、緩急度Tを小さくすることにより壁や障害物から遠い時には仮想力の合力に影響を与えなくし、接近した場合にだけ大きな斥力を発生させることが可能である。壁に接近した例が、移動体が316の位置にいるときである。壁の線分aから発生する斥力Faが大きくなり仮想力の合力F3(317)が壁から遠ざかる方向を示す。
【0019】
次に、仮想力の合力ベクトルと移動体の進行方向の情報をもとに、移動体(利用者)に進むべき方向を経路誘導情報作成手段5(図1)を用い提示情報に変換する(ステップ
25)。図5及び図6は、経路誘導情報提示手段の一例として表示端末に矢印で進むべき方向を提示するものを示す。進むべき方向は、仮想力の合力として求めたベクトル方向である。移動体の位置(端末の位置)は図3の308の位置としている。52は端末を北の方向を向けた場合の表示例、62は端末を東の方向を向けた例である。図3で示す地図の方位が319であるので、図5の例では、進行方向に対して少し左方向を指し示す矢印
53が表示され、53の方向への移動を移動体に促す。図6では表示端末の向いている方向を検知しているので63に示すような矢印が表示され63の方向への移動を促している。これらの処理は移動体の位置を検知するごとにステップ22からの処理を繰り返す。従って、移動体が表示される方向に進み、図3の313,317に移動するに従い、その場の仮想力の合力の計算結果及び表示端末の向いている方向を考慮して経路誘導情報が表示される。この経路誘導情報に従って移動体が進んで行くと、最終的に306の位置に到達することができる。
【0020】
上記の例では、障害物307の左側を通過しているが、障害物の右側を通過した場合には、障害物から発生される仮想力が進行方向左側から負の仮想力として観測され、結果的に障害物307と右側の壁の間を誘導するような経路誘導の矢印が生成される。つまり、仮想力の合力計算によれば、図3に示すような歩行空間では、経路の再計算をしなくても、目的位置に到達する経路誘導情報が生成できる。なお、表示の例として矢印での誘導の例を示したが、図3のような地理情報を表示した画像の上に、移動体の位置と進むべき方向(仮想力の合力)を示す矢印を表示しても良い。あるいは、矢印の方向を音声に変換して(例えば、「進行方向右側」、「11時の方向」など)提示してもかまわない。更に、図7に示すように端末73にLEDなどのような発光体を71のように円周上に配置して進むべき方向を72のように点灯させて提示させても良い。
【0021】
本実施形態では、幅のある空間においても空間の特性を考慮して経路誘導情報を作成できるという効果がある。また、ノードとリンクの関係ではないので、誘導経路からずれても再度経路探索を行わなくても、ずれた位置での仮想力の合力から生成される経路誘導情報により経路誘導を続行できるという効果もある。
【0022】
次に、経路が長い場合の実施形態について述べる。図8は誘導経路が長くなった場合の実施形態を示す図である。移動体の現在位置が816、目的位置が808である。また、地理情報の要素は店舗などの障害物801,柱などの障害物802,壁803などで構成されている。図3の例では目的位置までの距離が短いので仮想力の合力計算だけで経路誘導を行う事ができた。ところが、図8のように移動距離が長くなり経路が複雑になると、最終目的位置からの仮想力だけでは目的位置に到達できない場合が生じてくる。そこで、本実施形態では経路を分割し、分割した領域内での目標領域を設け、そこを仮の目的位置として仮想力を計算して誘導を行う。目標領域は、図8の804,805,806,807のように経路が交差する場所に設ける。なお、カーナビにおいてはノード位置が経路交差位置に設定されるが、本実施形態では、途中の障害物や壁の回避については仮想力の合力計算で誘導を行うために障害物の回避を考慮するような更に詳細なノードの配置は不要である。分割された領域内の目標領域に到達すると次に進むべき領域内の目標領域から仮想力が発生し、次々に分割領域を通過して最終目的位置へと誘導される。目標領域間は、
810,811,812,813,814,815のようにリンクで結ばれ接続関係が判るようになっている。
【0023】
図8における経路誘導方法(処理の流れ)を図9を用いて説明する。図2と同じように先ず、目標位置(最終目的位置)を指定する(ステップ20)。次に経路探索計算を行う(ステップ90)。経路探索計算においては、目標領域の「何処を」「どのような順番」で通過するかを計算する。計算の方法は、目標領域をノードと考えれば、カーナビで用いられているダイクストラ法等を用いることができる。また、リンクのコストとして距離を用いたり、通行人の多さ、階段やエレベータなどの通路の状況などを数値化してコストとしても良い。この経路計算により、目標領域の場所と通過する順番が求められる。図8の実施形態では目標領域804→807→814の順番に通過する結果が得られたとしている。この経路情報からステップ91で、最初の目標領域(804)から仮想力を発生させる。ステップ22で位置と進行方向を検知し、ステップ23,24,25で目標領域
(804)及び周りの地理情報から発生する仮想力の合力を計算して誘導方向を提示する。これにより提示された情報によって移動体(816)は目標領域(804)の位置に誘導される。移動体(816)が目標領域(804)に到達すると(ステップ92)、これまで目標領域(804)から発生していた仮想力を消滅させ、次の目標領域807から仮想力を発生させる(ステップ93)。これにより経路誘導の表示装置6(図1)には移動体が柱や壁(店舗)を避けながら目標領域807へ向かう案内情報が提示される。以後、目標領域からの仮想力の発生・消滅を繰り返しながら、目的位置(808)への経路誘導が行われる。
【0024】
本実施形態によれば、移動経路が長く(複雑)になった場合においても経路誘導情報を作成できる。
【0025】
なお、空間に存在する全ての仮想力を考慮して合力計算を行うと計算負荷が多くなる。そこで、図8の817のように移動体を中心とした領域を設け、この中に存在する仮想力だけを合力計算対象にしても良い。また、この領域の進行方向は長くして後ろ方向は短くするというように、移動速度や方向を考慮して計算対象領域を変形してもかまわない。これにより、仮想力の発生源が多くなった場合でも高速に合力を計算できる。
【0026】
次に、利用する移動体の身体的、精神的特性を考慮しながら経路誘導を行う実施形態について説明する。図10は経路誘導装置の構成図、図11,図12は案内の様子を説明するための図である。身体的特性とは、視覚や聴覚に障害があるとか車椅子を利用しているように、移動時に何らかの制約がある場合である。精神的特性とは、人通りが非常に多い通路は好まないといった心理的嗜好を数値化したものである。例えば、視覚障害者の場合、なるべく点字ブロックに沿って道案内する必要があるし、車椅子利用者の場合、階段など車椅子では通過できない場所は障害物として考慮する必要がある。また、視覚障害者の場合、聴覚を用いて周囲の状況を感知するため音を発生させる障害物(工事現場,無関係なスピーカ)は通常の移動体より大きく回避する必要があるといった身体的特性,精神的特性両方を考慮する必要がある。このような特性を考慮して経路誘導を行うための経路誘導装置を図10に示す。図1の構成に、移動体の属性と仮想力の対応D.B.1001及び移動体の属性情報の入力手段1000が追加されている。移動体の属性情報の入力手段によって上記の身体的特性を入力する。属性情報は、例えば、「点字ブロック上の移動を優先する」や点字ブロックがない場合、「移動のガイドとなりやすい壁側に近い部分を優先する」といった情報である。移動体の属性と仮想力の対応D.B.1001には、そのような属性情報が入力された場合に各地理情報の仮想力をどのように制御するかといった情報が格納されている。例えば、点字ブロック上の誘導を優先する場合、点字ブロックに正の仮想力(引力)を設定したり、壁際を歩かせる場合には壁際に沿った領域に正の仮想力を発生させ、階段が通行できない場合、階段の領域から負の仮想力を発生して障害物と同等の属性にするというような情報である。
【0027】
図11は点字ブロック上の誘導を優先する例である。移動体は1105、目標位置が
1101である。通常の誘導の場合は障害物となる壁1106からの負の仮想力及び目的位置1101からの正の仮想力との合力により誘導情報が移動体に提示され、経路1104の示すような移動経路を通って目標位置1101へ到達する。身体的特性で点字ブロック上を優先して移動すると入力した場合には、点字ブロック1102から正の仮想力が生成される。従って、移動体1105の位置で観測される仮想力は、壁1106から受ける負の仮想力と目的位置1101及び点字ブロック1102から受ける正の仮想力となる。従って、移動体は、最初点字ブロック1102へ引き寄せられるような誘導情報が提示され以後点字ブロック上を移動しながら目標位置1101へ誘導する誘導情報が提示され目標位置1101へ到達する。ここで点字ブロックに設定された正の仮想力の値は壁に設定された正の仮想力の値より大きいため、一度点字ブロック上に乗ってしまえばそれ以上壁の方へは誘導はされない。それは点字ブロックから離れることによる仮想力の減衰が壁に近づくことによる仮想力の増大より大きいからである。
【0028】
図12は、壁際を歩行するように設定した場合の経路誘導例である。壁が1202、目標位置が1201、壁際に沿って帯状に1206の領域が設定されている。通常の誘導では図11と同様に壁1202と目標位置1201からの仮想力による案内情報が提示され、利用者は1205のような経路を描いて目標位置1201へ到達する。壁際の歩行を優先した場合、帯状の領域1206から正の仮想力が生成され移動体1203を引き寄せるような働きをする。従って、移動体は1206の方に引寄せるような案内情報が提示され結果的に1204のような移動経路を描きながら目標位置1201へ到達する。なお、帯状の誘導領域1206と壁1202の間で、距離に対する仮想力の強さの変化を制御する数1を用い、緩急度Tを0に近い値にすることにより帯状の誘導領域1206から少しでも壁際に近づくと壁から大きな負の仮想力を発生させ、壁への接触を回避するように誘導情報を提示することも可能である。
【0029】
なお、上記実施形態では移動体の特性により仮想力の発生を制御しているが、例えば、あるフロアにエレベータが到着してない場合にはエレベータの入り口は壁と同じ斥力を発生する仮想力源であるが、エレベータが到着するとその入り口は、目標位置と同じ引力を発生させたりするような制御を行っても良い。同様の制御は、電車の到着と連動する駅のプラットフォームやバス停、横断歩道(赤信号の場合には斥力、青の場合には引力)などのように時間的に移動する物体の仮想力表現に使うことも可能である。
【0030】
本実施形態では、移動体の移動特性を考慮した経路誘導情報を提供できるという効果がある。
【0031】
次に、障害物や誘導路(点字ブロック領域)などの位置を仮想力を用いて検知し、移動体に提示する実施形態について説明する。図13は、障害物(壁)に接近した場合の仮想力のベクトルを示し、図14は誘導路に引寄せられている場合の仮想力のベクトルを示す。図13の1301が移動体の位置、1302は障害物となる壁の位置、1304は目的位置に誘導するための仮想力のベクトルである。障害物となる壁の位置からは衝突を避けるための斥力が発生されており、移動体には1303のベクトルのように観測されている。図2,図5,図6の説明では、それぞれの仮想力の合力ベクトル1305の経路誘導情報を移動体に提示し経路を誘導していた。本実施形態では、合力ベクトルではなく、各制御領域から発生する仮想力の大きさに注目して更に詳細な経路誘導情報を提供する。壁
1302から発生している仮想力1303は、数1を用いれば、移動体1301が壁1302に近づけば近づくほど大きな値として観測される。従って、この仮想力1303の大きさを観測して、ある値よりも大きな値として観測された場合に「壁が接近しています」などのような情報を提示する。また、閾値を複数設け、「壁が近くにあります」や「壁に接触しそうです。回避してください」などのような案内を提示する。更に、移動体の進行方向や端末の向いている方向情報を利用することにより、「右側に壁が接近してきました」
「正面に壁があります」等のように障害物の方向情報を付加して移動体に提示する。なお、障害物の一例として壁の例を示したが、柱のようにその他の障害物でも構わないし、車椅子利用者にとって障害物となる階段などの障害物を移動体の属性情報をもとに選択して提示してもかまわない。
【0032】
図14は、誘導路方向に誘導する場合に、その旨を移動体に提示する方法の説明図である。移動体が1401、誘導路となる点字ブロックが1402、目的位置から発生している仮想力が1404、仮想力の合力が1405である。点字ブロックからは、点字ブロックへ誘導するための仮想力1403が発生しており、1402に接近すると大きな引力となり観測される。従って、図13と同様に1403に閾値を設け、ある値を超えると「もうすぐ点字ブロックです」や方向情報を併用して「右側に点字ブロックがあります」といった情報を移動体に提示し誘導する。
【0033】
これらを組み合わせて移動体が現在位置から目的位置まで到達するまでの経路誘導例について図15を用いて説明する。移動体が1501の位置に存在し目的地1503まで経路誘導を行う場合、移動体特性により最適となる誘導経路が異なる場合がある。移動体が視覚障害者の場合には移動経路1504が最適な経路となる。その場合、移動経路1504は、移動体の現在位置1501から中継地点1506までの頼るものが無い経路、中継地点1506から中継地点1507までの点字ブロックに沿って移動する経路及び中継地点
1506から目的地1503までの壁に沿って移動する経路の3つの特性をもった移動空間を通過する。そのため、移動体が1501の位置から移動を開始する際に、「左側に点字ブロックがあります。左前方に10m進んでその後、点字ブロックに沿って右に50m直進。最後に、左に壁があるため壁沿いに40m直進」といった目的地までの移動経路の概要をあらかじめ伝えておくことで、メンタルマップの作成が行えるため快適に移動することが出来る。それぞれの中継地点までの誘導については距離が短く単純な経路であるため図3で説明した方法で誘導する。また、1501の地点にいるのが健常者の場合には、移動経路は1505となる。この場合は中継地点として1508を設定し、現在位置1501から中継地点1505と中継地点1508から目的地1503との間にあまり異なる空間特性がなければ「左側に障害物があります。」といった注意喚起情報を提供することで、より移動の安全性を確保することが可能となる。またここで示した中継地点1506,
1507,1508については移動体の現在位置1501、目的地1503により状況に応じ動的に生成が可能であるため、図15に示した面的な移動空間には移動に関するノード・リンク情報をあらかじめ設定しておく必要はない。
【0034】
本実施形態によれば、障害物や誘導路となる制御領域に関する情報を、各制御領域から発生する仮想力の大きさや方向から生成することができる。
【0035】
上記各実施形態によれば、次のいずれか或いは複数の効果を生じる。
【0036】
幅のある空間においても空間の特性を考慮して経路誘導情報を作成できる。また、誘導経路からずれても再度経路探索を行わなくても、ずれた位置での仮想力の合力から生成される経路誘導情報により経路誘導を続行できる。
【0037】
経路探索手法を用いて代表的な通過領域を算出しておくことにより、移動経路が長く
(複雑)になった場合においても経路誘導情報を作成できる。
【0038】
移動体の特性毎に地理情報から発生する仮想力の大きさを制御することにより、移動体の移動特性を考慮した経路誘導情報を提供できる。
【0039】
仮想力の探索領域を距離に応じて制御することにより、仮想力の発生源が多くなった場合でも高速に合力計算ができる。
【0040】
障害物や誘導路となる制御領域に関する情報を、各制御領域から発生する仮想力の大きさや方向から生成することができる。
【0041】
なお、上記実施形態に限らず、本発明の技術的思想の範囲内で、種々の変形例が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の1実施形態である経路誘導装置の構成図。
【図2】図1における経路誘導方法を示す処理の流れ。
【図3】経路移動の例。
【図4】緩急度によるゲインの変化。
【図5】経路誘導情報提示手段の一例。
【図6】経路誘導情報提示手段の一例。
【図7】発光体を配置する提示例。
【図8】誘導経路が長い場合の実施形態。
【図9】図8における経路誘導方法を示す処理の流れ。
【図10】移動体の特性を考慮する場合の経路誘導装置の構成図。
【図11】点字ブロック上の誘導を優先する例。
【図12】壁際を歩行するように設定した場合の例。
【図13】障害物に接近した場合の仮想力のベクトル。
【図14】誘導路に引き寄せられている場合の仮想力のベクトル。
【図15】図13,図14の方法を組み合わせた経路誘導例。
【符号の説明】
【0043】
1…地理情報D.B.、2…地理情報と仮想力の対応D.B.、3…移動体の位置及び進行方向の検知手段、4…仮想力の演算手段、5…経路誘導情報作成手段、6…経路誘導情報提示手段、7…目的位置指定手段。
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体に経路誘導を行うための経路誘導装置及び経路誘導方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車が道路に沿って走行する事を前提にカーナビゲーション装置においてはノードを交差点、リンクを交差点間を結ぶ経路として道路にあてはめ経路誘導を行っている。従って、道路の上を走行する車の誘導の場合、自車がリンク上を走行しているか否かの判断及びノードに接近した場合、次のノードへの誘導情報をドライバーに提示することにより車の経路ナビゲーションを実現している。
【0003】
また、コンピュータグラフィック(CG)のキャラクタや、ロボットの制御を目的に、特許文献1(特開平6−110999号公報)で述べられているように、周囲の障害物或は目的位置から仮想力を発生させ、仮想力の合力をもとにCGキャラクタの制御やロボットの移動方向を直接制御し目的位置へ誘導している。
【0004】
【特許文献1】特開平6−110999号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術は、歩行者の移動空間に多く存在する移動経路が幅をもった広い空間における移動体のナビゲーション技術に関して考慮したものとはなっていなかった。
【0006】
例えば車の場合、道路上を車が移動するため経路の情報は幅の情報が無い線的な情報でもかまわない。ところが、人間の移動空間を考えると、駅のコンコースや公園の広場などに代表されるように面的な移動空間が数多く存在する。このような空間内では、空間内に特定の経路を設けないで、その時々に応じて移動空間内を自由に進行方向を変え目的地へ進んでゆく。そのため、車の経路誘導に使われているノードとリンクの関係を人間の経路誘導に適用した場合、幅の自由度がある移動空間であっても、ノードとリンクにより設定された幅の無い直線経路上での誘導となってしまう。そのために、斜めに横切れば目的地へ到達できる場合でも、リンクに沿った線分状の経路誘導情報が生成されることになる。また、歩行空間内に柱などの障害物がある場合、その柱の左右どちら側を通行するのかなどをノードとリンクの関係で表現する必要があり、多くのノードとリンクデータを作成しなければならない。更に、障害物を通過する側を間違えて通過してしまった場合、誘導経路の逸脱となり再度誘導経路の探索計算が必要となる。
【0007】
また、CGキャラクタやロボット制御においては、仮想力から得られた合力を直接CGキャラクタやロボット制御に使っている。ところが人間を誘導する場合、合力をもとに直接人間に力を加えて進行方向を変更することは出来ない。進行方向の変更を促す何らかの情報の提示が必要となるが、それについては何ら考慮されていない。
【0008】
本発明は、上述したような問題点を考慮してなされたもので、面的な空間において、障害物を避けながら移動体を目的位置まで誘導することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による経路誘導装置及び経路誘導方法においては、移動体の位置における仮想力の合力を、仮想力と地理情報との対応データに基づいて求め、仮想力の合力から経路誘導情報を作成して移動体に提示する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、移動体の周囲からの仮想力に基づいて経路誘導情報を作成するので、面的な空間においても移動体を誘導できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、本発明の1実施形態である経路誘導装置の構成図である。1は地理情報のD.B.(データベース)であり、建物の壁の位置情報や柱などの障害物,通路や階段,公園の形状等の地理情報が格納されている。2は地理情報と仮想力の対応D.Bであり、1の地理情報D.B.に格納されている地理情報に対応する仮想力の発生方法に関するデータが格納されている。これらのD.B.,ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置に登録されている。3は移動体の位置及び進行方向の検知手段である。位置を検知するためには、GPSなどのように人工衛星を使った測位装置,無線局の電界強度や到達時間を使った測位装置,電磁波や赤外線または超音波等を通信手段として発信源から取得されるIDをもとに発信源の位置情報を取得する測位手段,慣性航法等の自律的位置検知手段を利用して移動軌跡より現在位置を検知する手段等を利用する。進行方向は、移動体が向いている方向あるいは、経路誘導を行う端末の向いている方向によって検知し、方位センサやジャイロセンサ、上記のようにして検出した移動体の位置の時間差分などから求める。7は目的位置の指定手段である。地理情報D.B.1の情報を画面・音声等に表示し(地図・音声案内)その画面・音声等を利用して目的位置を指定しても良いし、電話番号を入力し電話番号に対応した位置を目的位置としても良い。あるいは前もって登録しておいた目的位置を選択して指定しても良い。4は仮想力の演算手段であり、3で検出した移動体の位置において観測される仮想力を1あるいは2あるいは7の情報をもとに算出する。5は、経路誘導情報作成手段であり、4で求めた仮想力の合力ベクトル或はその強さと3で求めた移動体の進行方向から、移動体に提示する経路誘導情報を作成する。提示する情報としては、矢印のように画像情報に変換した経路誘導情報,音声や文字情報に変換した経路誘導情報,振動や光または音による経路誘導情報などである。なお、4,5としては、マイクロプロセッサなどのデータ処理装置が用いられる。6は、経路誘導情報の提示手段であリ、5で作成した、画像情報,音声・文字情報,振動・光・音の情報を提示または表示する。提示装置6としては、ディスプレイやスピーカ,バイブレータ,LEDやストロボなど用いられる。
【0012】
次に、図2に示す図1における経路誘導方法の処理の流れ及び図3に示す経路移動の例を用いて、図1の経路誘導装置の機能や動作を説明する。まず、図3の経路移動の例を説明する。この経路は、壁で囲まれた通路内に障害物があり目的位置に向かって移動体が移動して行く例である。目的位置は306、障害物は307である。進行方向左側の壁は頂点A,B,C,Dからなる線分a(301),線分b(302),線分c(303)で構成され、右側の壁は頂点E,F,G,Hからなる線分e(304),線分f(318),線分g(305)から構成される。移動体は最初308の位置に居り、目的位置306へ向けて経路誘導を行う。
【0013】
図2の処理の流れを説明する。まず、目的位置の指定手段7(図1)を用いて目的位置を指定する(ステップ20)。例えば図3の例では、目的位置306の周辺の地図を描画し、利用者が描画した地図の中から目的位置を指定する。目的位置の指定が完了したら誘導開始を指令する(ステップ21)。誘導を開始すると、移動体の位置及び進行方向の検知手段3(図1)を用いて移動体の位置と進行方向を検知する(ステップ22)。
【0014】
次にこの位置で観測される仮想力を、仮想力の演算手段4(図1)によって計算する
(ステップ23)。仮想力とは、壁や目的位置あるいは障害物から発生する仮想的な力のベクトルである。目的位置306から発生する仮想力は発生位置を306の位置として目的位置に引き寄せられる正の力とし、障害物307から発生する仮想力は発生位置を障害物307の位置として障害物から遠ざける方向に働く負の力とする。壁(幅のある障害物)から発生する力は、壁を構成する線分に垂直で壁から遠ざける方向に働く負の力とする。また、仮想力の及ぼす領域を距離の関数として、公知の下式(数1)を用いても良い。
【0015】
【数1】
【0016】
ただし、Sは仮想力の力を制御するゲイン、dは移動体までの距離、Dはゲインが0.5になる距離である。Tは緩急度であり、Tの大きさにより仮想力の及ぼす範囲及び発生源に近づいた時の仮想力の変化率を制御できる。
【0017】
緩急度Tによるゲインの変化を図4に示す。Dの位置で急激にゲインを変化させたい場合には、Tを0に近い値とする(41)。滑らかに変化させたい場合にはTの値を大きくすれば良く、図4の例ではT1<T2の場合、T2(43)の方がT1(42)に比べ滑らかに変化し遠くまで力を及ぼすことが出来る。例えば、壁など物理的に越えることが困難な地理情報の場合、壁付近で急激にゲインを大きくして壁に衝突しないように誘導する。幅のある通路などでは、緩急度Tを大きくして滑らかにゲインを変化させることにより、わずかずつ中央に寄らせる誘導も可能である。なお、数1で用いたゲインの制御方法は一例であり、単調減少関数を用いても良いし、目的位置への仮想力などに適用する場合には距離に無関係で常に一定のゲインにするような関数を用いても構わない。或いは、仮想力の影響する範囲を距離で指定して、その距離を閾値として仮想力の大きさを制御してもかまわない。このように1点から発生する仮想力や線上に発生する仮想力、また距離に応じた仮想力の発生方法は、地理情報と仮想力の対応D.B.2(図1)に登録されており、対象となる地理情報(1に格納)と対応付けて仮想力を発生させる。
【0018】
これら複数の場所から発生した仮想力をもとに移動体が観測する仮想力の合力を計算する(ステップ24)。例えば、図3の308の位置に移動体がいたとする。308の位置で移動体が観測する仮想力は、目的位置306から発生する引力Fo(311)と壁を構成する線分c(303)から発生する斥力Fc(310)及び反対側の壁を構成する線分g(305)から発生する斥力Fg(309)である。これらの仮想力の合力をステップ24で計算し、仮想力の合力ベクトルF1(312)が生成される。この生成された仮想力の合力ベクトルが移動体を誘導する方向を表す方向ベクトルである。さらに移動体が移動して障害物307付近の313の位置に到達すると、障害物307から発生する斥力ベクトルFh(314)が観測され始める。この位置では、壁を構成する線分c及び線分g更に障害物307から発生する斥力ベクトルFc,Fg,Fhと目的位置からの引力Foとの合力となるF2(315)が生成され、障害物307と壁303の間を誘導するような仮想力の合力ベクトルが生成される。なお、壁や障害物から発生する仮想力を大きく、緩急度Tを小さくすることにより壁や障害物から遠い時には仮想力の合力に影響を与えなくし、接近した場合にだけ大きな斥力を発生させることが可能である。壁に接近した例が、移動体が316の位置にいるときである。壁の線分aから発生する斥力Faが大きくなり仮想力の合力F3(317)が壁から遠ざかる方向を示す。
【0019】
次に、仮想力の合力ベクトルと移動体の進行方向の情報をもとに、移動体(利用者)に進むべき方向を経路誘導情報作成手段5(図1)を用い提示情報に変換する(ステップ
25)。図5及び図6は、経路誘導情報提示手段の一例として表示端末に矢印で進むべき方向を提示するものを示す。進むべき方向は、仮想力の合力として求めたベクトル方向である。移動体の位置(端末の位置)は図3の308の位置としている。52は端末を北の方向を向けた場合の表示例、62は端末を東の方向を向けた例である。図3で示す地図の方位が319であるので、図5の例では、進行方向に対して少し左方向を指し示す矢印
53が表示され、53の方向への移動を移動体に促す。図6では表示端末の向いている方向を検知しているので63に示すような矢印が表示され63の方向への移動を促している。これらの処理は移動体の位置を検知するごとにステップ22からの処理を繰り返す。従って、移動体が表示される方向に進み、図3の313,317に移動するに従い、その場の仮想力の合力の計算結果及び表示端末の向いている方向を考慮して経路誘導情報が表示される。この経路誘導情報に従って移動体が進んで行くと、最終的に306の位置に到達することができる。
【0020】
上記の例では、障害物307の左側を通過しているが、障害物の右側を通過した場合には、障害物から発生される仮想力が進行方向左側から負の仮想力として観測され、結果的に障害物307と右側の壁の間を誘導するような経路誘導の矢印が生成される。つまり、仮想力の合力計算によれば、図3に示すような歩行空間では、経路の再計算をしなくても、目的位置に到達する経路誘導情報が生成できる。なお、表示の例として矢印での誘導の例を示したが、図3のような地理情報を表示した画像の上に、移動体の位置と進むべき方向(仮想力の合力)を示す矢印を表示しても良い。あるいは、矢印の方向を音声に変換して(例えば、「進行方向右側」、「11時の方向」など)提示してもかまわない。更に、図7に示すように端末73にLEDなどのような発光体を71のように円周上に配置して進むべき方向を72のように点灯させて提示させても良い。
【0021】
本実施形態では、幅のある空間においても空間の特性を考慮して経路誘導情報を作成できるという効果がある。また、ノードとリンクの関係ではないので、誘導経路からずれても再度経路探索を行わなくても、ずれた位置での仮想力の合力から生成される経路誘導情報により経路誘導を続行できるという効果もある。
【0022】
次に、経路が長い場合の実施形態について述べる。図8は誘導経路が長くなった場合の実施形態を示す図である。移動体の現在位置が816、目的位置が808である。また、地理情報の要素は店舗などの障害物801,柱などの障害物802,壁803などで構成されている。図3の例では目的位置までの距離が短いので仮想力の合力計算だけで経路誘導を行う事ができた。ところが、図8のように移動距離が長くなり経路が複雑になると、最終目的位置からの仮想力だけでは目的位置に到達できない場合が生じてくる。そこで、本実施形態では経路を分割し、分割した領域内での目標領域を設け、そこを仮の目的位置として仮想力を計算して誘導を行う。目標領域は、図8の804,805,806,807のように経路が交差する場所に設ける。なお、カーナビにおいてはノード位置が経路交差位置に設定されるが、本実施形態では、途中の障害物や壁の回避については仮想力の合力計算で誘導を行うために障害物の回避を考慮するような更に詳細なノードの配置は不要である。分割された領域内の目標領域に到達すると次に進むべき領域内の目標領域から仮想力が発生し、次々に分割領域を通過して最終目的位置へと誘導される。目標領域間は、
810,811,812,813,814,815のようにリンクで結ばれ接続関係が判るようになっている。
【0023】
図8における経路誘導方法(処理の流れ)を図9を用いて説明する。図2と同じように先ず、目標位置(最終目的位置)を指定する(ステップ20)。次に経路探索計算を行う(ステップ90)。経路探索計算においては、目標領域の「何処を」「どのような順番」で通過するかを計算する。計算の方法は、目標領域をノードと考えれば、カーナビで用いられているダイクストラ法等を用いることができる。また、リンクのコストとして距離を用いたり、通行人の多さ、階段やエレベータなどの通路の状況などを数値化してコストとしても良い。この経路計算により、目標領域の場所と通過する順番が求められる。図8の実施形態では目標領域804→807→814の順番に通過する結果が得られたとしている。この経路情報からステップ91で、最初の目標領域(804)から仮想力を発生させる。ステップ22で位置と進行方向を検知し、ステップ23,24,25で目標領域
(804)及び周りの地理情報から発生する仮想力の合力を計算して誘導方向を提示する。これにより提示された情報によって移動体(816)は目標領域(804)の位置に誘導される。移動体(816)が目標領域(804)に到達すると(ステップ92)、これまで目標領域(804)から発生していた仮想力を消滅させ、次の目標領域807から仮想力を発生させる(ステップ93)。これにより経路誘導の表示装置6(図1)には移動体が柱や壁(店舗)を避けながら目標領域807へ向かう案内情報が提示される。以後、目標領域からの仮想力の発生・消滅を繰り返しながら、目的位置(808)への経路誘導が行われる。
【0024】
本実施形態によれば、移動経路が長く(複雑)になった場合においても経路誘導情報を作成できる。
【0025】
なお、空間に存在する全ての仮想力を考慮して合力計算を行うと計算負荷が多くなる。そこで、図8の817のように移動体を中心とした領域を設け、この中に存在する仮想力だけを合力計算対象にしても良い。また、この領域の進行方向は長くして後ろ方向は短くするというように、移動速度や方向を考慮して計算対象領域を変形してもかまわない。これにより、仮想力の発生源が多くなった場合でも高速に合力を計算できる。
【0026】
次に、利用する移動体の身体的、精神的特性を考慮しながら経路誘導を行う実施形態について説明する。図10は経路誘導装置の構成図、図11,図12は案内の様子を説明するための図である。身体的特性とは、視覚や聴覚に障害があるとか車椅子を利用しているように、移動時に何らかの制約がある場合である。精神的特性とは、人通りが非常に多い通路は好まないといった心理的嗜好を数値化したものである。例えば、視覚障害者の場合、なるべく点字ブロックに沿って道案内する必要があるし、車椅子利用者の場合、階段など車椅子では通過できない場所は障害物として考慮する必要がある。また、視覚障害者の場合、聴覚を用いて周囲の状況を感知するため音を発生させる障害物(工事現場,無関係なスピーカ)は通常の移動体より大きく回避する必要があるといった身体的特性,精神的特性両方を考慮する必要がある。このような特性を考慮して経路誘導を行うための経路誘導装置を図10に示す。図1の構成に、移動体の属性と仮想力の対応D.B.1001及び移動体の属性情報の入力手段1000が追加されている。移動体の属性情報の入力手段によって上記の身体的特性を入力する。属性情報は、例えば、「点字ブロック上の移動を優先する」や点字ブロックがない場合、「移動のガイドとなりやすい壁側に近い部分を優先する」といった情報である。移動体の属性と仮想力の対応D.B.1001には、そのような属性情報が入力された場合に各地理情報の仮想力をどのように制御するかといった情報が格納されている。例えば、点字ブロック上の誘導を優先する場合、点字ブロックに正の仮想力(引力)を設定したり、壁際を歩かせる場合には壁際に沿った領域に正の仮想力を発生させ、階段が通行できない場合、階段の領域から負の仮想力を発生して障害物と同等の属性にするというような情報である。
【0027】
図11は点字ブロック上の誘導を優先する例である。移動体は1105、目標位置が
1101である。通常の誘導の場合は障害物となる壁1106からの負の仮想力及び目的位置1101からの正の仮想力との合力により誘導情報が移動体に提示され、経路1104の示すような移動経路を通って目標位置1101へ到達する。身体的特性で点字ブロック上を優先して移動すると入力した場合には、点字ブロック1102から正の仮想力が生成される。従って、移動体1105の位置で観測される仮想力は、壁1106から受ける負の仮想力と目的位置1101及び点字ブロック1102から受ける正の仮想力となる。従って、移動体は、最初点字ブロック1102へ引き寄せられるような誘導情報が提示され以後点字ブロック上を移動しながら目標位置1101へ誘導する誘導情報が提示され目標位置1101へ到達する。ここで点字ブロックに設定された正の仮想力の値は壁に設定された正の仮想力の値より大きいため、一度点字ブロック上に乗ってしまえばそれ以上壁の方へは誘導はされない。それは点字ブロックから離れることによる仮想力の減衰が壁に近づくことによる仮想力の増大より大きいからである。
【0028】
図12は、壁際を歩行するように設定した場合の経路誘導例である。壁が1202、目標位置が1201、壁際に沿って帯状に1206の領域が設定されている。通常の誘導では図11と同様に壁1202と目標位置1201からの仮想力による案内情報が提示され、利用者は1205のような経路を描いて目標位置1201へ到達する。壁際の歩行を優先した場合、帯状の領域1206から正の仮想力が生成され移動体1203を引き寄せるような働きをする。従って、移動体は1206の方に引寄せるような案内情報が提示され結果的に1204のような移動経路を描きながら目標位置1201へ到達する。なお、帯状の誘導領域1206と壁1202の間で、距離に対する仮想力の強さの変化を制御する数1を用い、緩急度Tを0に近い値にすることにより帯状の誘導領域1206から少しでも壁際に近づくと壁から大きな負の仮想力を発生させ、壁への接触を回避するように誘導情報を提示することも可能である。
【0029】
なお、上記実施形態では移動体の特性により仮想力の発生を制御しているが、例えば、あるフロアにエレベータが到着してない場合にはエレベータの入り口は壁と同じ斥力を発生する仮想力源であるが、エレベータが到着するとその入り口は、目標位置と同じ引力を発生させたりするような制御を行っても良い。同様の制御は、電車の到着と連動する駅のプラットフォームやバス停、横断歩道(赤信号の場合には斥力、青の場合には引力)などのように時間的に移動する物体の仮想力表現に使うことも可能である。
【0030】
本実施形態では、移動体の移動特性を考慮した経路誘導情報を提供できるという効果がある。
【0031】
次に、障害物や誘導路(点字ブロック領域)などの位置を仮想力を用いて検知し、移動体に提示する実施形態について説明する。図13は、障害物(壁)に接近した場合の仮想力のベクトルを示し、図14は誘導路に引寄せられている場合の仮想力のベクトルを示す。図13の1301が移動体の位置、1302は障害物となる壁の位置、1304は目的位置に誘導するための仮想力のベクトルである。障害物となる壁の位置からは衝突を避けるための斥力が発生されており、移動体には1303のベクトルのように観測されている。図2,図5,図6の説明では、それぞれの仮想力の合力ベクトル1305の経路誘導情報を移動体に提示し経路を誘導していた。本実施形態では、合力ベクトルではなく、各制御領域から発生する仮想力の大きさに注目して更に詳細な経路誘導情報を提供する。壁
1302から発生している仮想力1303は、数1を用いれば、移動体1301が壁1302に近づけば近づくほど大きな値として観測される。従って、この仮想力1303の大きさを観測して、ある値よりも大きな値として観測された場合に「壁が接近しています」などのような情報を提示する。また、閾値を複数設け、「壁が近くにあります」や「壁に接触しそうです。回避してください」などのような案内を提示する。更に、移動体の進行方向や端末の向いている方向情報を利用することにより、「右側に壁が接近してきました」
「正面に壁があります」等のように障害物の方向情報を付加して移動体に提示する。なお、障害物の一例として壁の例を示したが、柱のようにその他の障害物でも構わないし、車椅子利用者にとって障害物となる階段などの障害物を移動体の属性情報をもとに選択して提示してもかまわない。
【0032】
図14は、誘導路方向に誘導する場合に、その旨を移動体に提示する方法の説明図である。移動体が1401、誘導路となる点字ブロックが1402、目的位置から発生している仮想力が1404、仮想力の合力が1405である。点字ブロックからは、点字ブロックへ誘導するための仮想力1403が発生しており、1402に接近すると大きな引力となり観測される。従って、図13と同様に1403に閾値を設け、ある値を超えると「もうすぐ点字ブロックです」や方向情報を併用して「右側に点字ブロックがあります」といった情報を移動体に提示し誘導する。
【0033】
これらを組み合わせて移動体が現在位置から目的位置まで到達するまでの経路誘導例について図15を用いて説明する。移動体が1501の位置に存在し目的地1503まで経路誘導を行う場合、移動体特性により最適となる誘導経路が異なる場合がある。移動体が視覚障害者の場合には移動経路1504が最適な経路となる。その場合、移動経路1504は、移動体の現在位置1501から中継地点1506までの頼るものが無い経路、中継地点1506から中継地点1507までの点字ブロックに沿って移動する経路及び中継地点
1506から目的地1503までの壁に沿って移動する経路の3つの特性をもった移動空間を通過する。そのため、移動体が1501の位置から移動を開始する際に、「左側に点字ブロックがあります。左前方に10m進んでその後、点字ブロックに沿って右に50m直進。最後に、左に壁があるため壁沿いに40m直進」といった目的地までの移動経路の概要をあらかじめ伝えておくことで、メンタルマップの作成が行えるため快適に移動することが出来る。それぞれの中継地点までの誘導については距離が短く単純な経路であるため図3で説明した方法で誘導する。また、1501の地点にいるのが健常者の場合には、移動経路は1505となる。この場合は中継地点として1508を設定し、現在位置1501から中継地点1505と中継地点1508から目的地1503との間にあまり異なる空間特性がなければ「左側に障害物があります。」といった注意喚起情報を提供することで、より移動の安全性を確保することが可能となる。またここで示した中継地点1506,
1507,1508については移動体の現在位置1501、目的地1503により状況に応じ動的に生成が可能であるため、図15に示した面的な移動空間には移動に関するノード・リンク情報をあらかじめ設定しておく必要はない。
【0034】
本実施形態によれば、障害物や誘導路となる制御領域に関する情報を、各制御領域から発生する仮想力の大きさや方向から生成することができる。
【0035】
上記各実施形態によれば、次のいずれか或いは複数の効果を生じる。
【0036】
幅のある空間においても空間の特性を考慮して経路誘導情報を作成できる。また、誘導経路からずれても再度経路探索を行わなくても、ずれた位置での仮想力の合力から生成される経路誘導情報により経路誘導を続行できる。
【0037】
経路探索手法を用いて代表的な通過領域を算出しておくことにより、移動経路が長く
(複雑)になった場合においても経路誘導情報を作成できる。
【0038】
移動体の特性毎に地理情報から発生する仮想力の大きさを制御することにより、移動体の移動特性を考慮した経路誘導情報を提供できる。
【0039】
仮想力の探索領域を距離に応じて制御することにより、仮想力の発生源が多くなった場合でも高速に合力計算ができる。
【0040】
障害物や誘導路となる制御領域に関する情報を、各制御領域から発生する仮想力の大きさや方向から生成することができる。
【0041】
なお、上記実施形態に限らず、本発明の技術的思想の範囲内で、種々の変形例が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の1実施形態である経路誘導装置の構成図。
【図2】図1における経路誘導方法を示す処理の流れ。
【図3】経路移動の例。
【図4】緩急度によるゲインの変化。
【図5】経路誘導情報提示手段の一例。
【図6】経路誘導情報提示手段の一例。
【図7】発光体を配置する提示例。
【図8】誘導経路が長い場合の実施形態。
【図9】図8における経路誘導方法を示す処理の流れ。
【図10】移動体の特性を考慮する場合の経路誘導装置の構成図。
【図11】点字ブロック上の誘導を優先する例。
【図12】壁際を歩行するように設定した場合の例。
【図13】障害物に接近した場合の仮想力のベクトル。
【図14】誘導路に引き寄せられている場合の仮想力のベクトル。
【図15】図13,図14の方法を組み合わせた経路誘導例。
【符号の説明】
【0043】
1…地理情報D.B.、2…地理情報と仮想力の対応D.B.、3…移動体の位置及び進行方向の検知手段、4…仮想力の演算手段、5…経路誘導情報作成手段、6…経路誘導情報提示手段、7…目的位置指定手段。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体を目的地へ経路誘導する経路誘導装置であって、
前記目的地を指定する手段と、
前記移動体の位置及び進行方向を検知する手段と、
指定された前記目的地,検知された前記位置,地理情報、及び仮想力と前記地理情報との対応に関するデータに基づいて、前記位置における前記仮想力の合力を求める演算手段と、
検知された前記進行方向と前記仮想力の合力とから、前記移動体に提示する経路誘導情報を作成する手段と、
前記経路誘導情報を提示する手段と、
を備える経路誘導装置。
【請求項2】
請求項1において、前記演算手段が、前記移動体が通過する目標領域から発生する仮想力を含めて前記仮想力の合力を求める経路誘導装置。
【請求項3】
請求項2において、前記移動体が前記目標領域に到達したら前記目標領域から発生する仮想力を消滅させる経路誘導装置。
【請求項4】
請求項1において、前記移動体を中心とする所定の領域内に存在する仮想力を合力演算の対象とする経路誘導装置。
【請求項5】
請求項1において、さらに前記移動体の特性を入力する手段を備え、前記演算手段は、仮想力と前記特性との対応に関するデータに基づいて、前記位置における前記仮想力の合力を求める経路誘導装置。
【請求項6】
請求項1において、前記仮想力の強さに応じて、前記仮想力を発生する領域に関する情報を提示する経路誘導装置。
【請求項7】
移動体を目的地へ経路誘導する経路誘導方法であって、
前記目的地を指定する第1のステップと、
指定された前記目的地,移動体の位置,地理情報、及び仮想力と前記地理情報との対応に関するデータに基づいて、前記位置における前記仮想力の合力を求める第2のステップと、
前記移動体の進行方向と前記仮想力の合力とから、前記移動体に提示する経路誘導情報を作成する第3のステップと、
前記経路誘導情報を提示する第4のステップと、
を含む経路誘導方法。
【請求項1】
移動体を目的地へ経路誘導する経路誘導装置であって、
前記目的地を指定する手段と、
前記移動体の位置及び進行方向を検知する手段と、
指定された前記目的地,検知された前記位置,地理情報、及び仮想力と前記地理情報との対応に関するデータに基づいて、前記位置における前記仮想力の合力を求める演算手段と、
検知された前記進行方向と前記仮想力の合力とから、前記移動体に提示する経路誘導情報を作成する手段と、
前記経路誘導情報を提示する手段と、
を備える経路誘導装置。
【請求項2】
請求項1において、前記演算手段が、前記移動体が通過する目標領域から発生する仮想力を含めて前記仮想力の合力を求める経路誘導装置。
【請求項3】
請求項2において、前記移動体が前記目標領域に到達したら前記目標領域から発生する仮想力を消滅させる経路誘導装置。
【請求項4】
請求項1において、前記移動体を中心とする所定の領域内に存在する仮想力を合力演算の対象とする経路誘導装置。
【請求項5】
請求項1において、さらに前記移動体の特性を入力する手段を備え、前記演算手段は、仮想力と前記特性との対応に関するデータに基づいて、前記位置における前記仮想力の合力を求める経路誘導装置。
【請求項6】
請求項1において、前記仮想力の強さに応じて、前記仮想力を発生する領域に関する情報を提示する経路誘導装置。
【請求項7】
移動体を目的地へ経路誘導する経路誘導方法であって、
前記目的地を指定する第1のステップと、
指定された前記目的地,移動体の位置,地理情報、及び仮想力と前記地理情報との対応に関するデータに基づいて、前記位置における前記仮想力の合力を求める第2のステップと、
前記移動体の進行方向と前記仮想力の合力とから、前記移動体に提示する経路誘導情報を作成する第3のステップと、
前記経路誘導情報を提示する第4のステップと、
を含む経路誘導方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−337291(P2006−337291A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−164951(P2005−164951)
【出願日】平成17年6月6日(2005.6.6)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月6日(2005.6.6)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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