説明

肌刺激の可能性が低い抗菌ティッシュ

内側層又は積層体、或いは内側層又は積層体の内側表面を1つ又はそれより多い抗菌剤で処理し、更に1つ又はそれより多い外側層又は積層体、或いは層又は積層体の外側表面を1つ又はそれより多い刺激防止剤で処理することにより形成された、刺激のない、抗菌性で多層又は多積層体のティッシュ製品と、その製造方法及び使用方法を示している。抗菌剤は、ティッシュ製品の内側部分に閉じ込められたままであるので、使用者に刺激を与えることがなく、更に刺激防止化合物で処理された層又は積層体は、ティッシュ製品に心地よい、滑らかで刺激のない手触り質感を与える。刺激のない抗菌多層又は多積層体ティッシュ製品は、更に吸収促進剤を含む。一実施形態においては、刺激防止化合物は、油を含み、この場合は、ティッシュ製品は、抗菌剤と接触したまま吸収されたあらゆる汚染物質を取り込むことになるであろう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
多くの知られている抗菌剤は、使用者の肌を刺激する。抗菌剤処理されたティッシュ製品などの不織製品は、製品が使用される時に、抗菌剤が肌と接触するようになるので、使用者の肌を刺激する。
【0002】
抗菌剤を含む化合物は、製品の感触特性を低下させ、製品を粗い感じにするので、抗菌剤が内側積層体に付与されている製品であっても、使用者の肌を刺激することとなる。
【0003】
消費者が使用するティッシュ製品に抗菌剤が含有されることによる刺激は、継続的問題である。抗菌剤とローション又は軟化剤を混合して、この問題を改善する試みが成されてきた。抗菌剤及びローション又は軟化剤の混合物を含む製品もまた、刺激を与える可能性が高く、それは、抗菌剤が製品の表面上にあり、かつ、ローション又は軟化剤と共に使用者に移動するように意図されており、長時間にわたって、刺激の原因となる抗菌剤と接触する結果を生じるからである。
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,975,217号公報
【特許文献2】米国特許第4,828,912号公報
【特許文献3】米国特許第4,897,304号公報
【特許文献4】米国特許第4,764,418号公報
【特許文献5】米国特許第4,738,847号公報
【特許文献6】カナダ特許第1,188,225号公報
【特許文献7】米国特許第5,869,075号公報
【特許文献8】米国特許第5,665,426号公報
【特許文献9】米国特許第5,650,218号公報
【特許文献10】米国特許出願番号10/659968
【特許文献11】米国特許第6,083,346号公報
【特許文献12】米国特許第6,096,169号公報
【特許文献13】米国特許第6,080,279号公報
【特許文献14】米国特許第3,953,638号公報
【特許文献15】米国特許第5,324,575号公報
【特許文献16】米国特許第5,656,134号公報
【特許文献17】米国特許第5,685,954号公報
【特許文献18】米国特許第5,690,788号公報
【特許文献19】米国特許第5,336,373号公報
【特許文献20】米国特許第5,556,509号公報
【特許文献21】米国特許第5,709,775号公報
【特許文献22】米国特許第5,776,312号公報
【特許文献23】米国特許第5,837,103号公報
【特許文献24】米国特許第5,871,887号公報
【特許文献25】米国特許第4,637,859号公報
【特許文献26】米国特許第5,814,190号公報
【特許文献27】米国特許第5,846,379号公報
【特許文献28】米国特許第5,885,415号公報
【特許文献29】米国特許第5,885,417号公報
【特許文献30】米国特許第5,779,860号公報
【特許文献31】米国特許第5,048,589号公報
【特許文献32】米国特許第4,100,324号公報
【特許文献33】米国特許第4,426,417号公報
【特許文献34】欧州特許出願EP0677612A2
【特許文献35】欧州特許出願EP0631014B1
【特許文献36】米国特許出願一連番号09/751,329
【特許文献37】米国特許出願一連番号09/564,449
【特許文献38】米国特許出願一連番号09/565,623
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、柔軟で、刺激がなく、汚染物質を殺すか、その他の方法で不活性化することが可能なティッシュ製品を形成する。より特定的には、本発明は、少なくとも刺激防止剤を含む刺激防止化合物で処理された外側表面、層、又は積層体、及び、抗菌剤で処理された内側表面、層、又は積層体を有する多層又は多積層体ティッシュ製品を提供するものである。本発明は、一般的には、多層又は多積層体材料を含むフェーシャル・ティッシュ、紙タオル、浴用ティッシュ、ナプキン又は拭き布などのティッシュ製品に関する。
【0006】
本発明の一態様においては、ティッシュ製品は、複数の層を含んでおり、層の少なくとも1つが外側層を形成し、層の少なくとも1つが内側層を形成する。少なくとも1つ又はそれより多い刺激防止剤を含む刺激防止化合物が、少なくとも1つの外側層に施され、抗菌作用上有効な量の1つ又はそれより多い抗菌剤が、少なくとも1つの内側層に施される。
【0007】
本発明の更なる態様においては、刺激のない、抗菌性で、多層のティッシュ製品の製造方法が提供される。更に本発明の別の態様においては、病気の広がりを妨げるための、刺激のない、抗菌性で、多層のティッシュ製品の使用方法が提供される。
【0008】
本発明の別の態様においては、ティッシュ製品は、複数の積層体を含み、該積層体の少なくとも1つが外側積層体を形成し、該積層体の少なくとも1つが内側層を形成する表面を有する。少なくとも1つ又はそれより多い刺激防止剤を含む刺激防止化合物が、少なくとも1つの外側積層体に施され、かつ、抗菌作用上有効な量の1つ又はそれより多い抗菌剤が、少なくとも1つの内側表面に施される。
【0009】
本発明の更なる態様においては、刺激のない、抗菌性で、多積層体のティッシュ製品の製造方法が提供される。更に本発明の別の態様においては、病気の広がりを妨げるための、刺激のない、抗菌性で、多層のティッシュの使用方法が提供される。
【0010】
本発明の他の態様が、以下の実施形態の説明及び添付された図面により明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
添付図面の図1を先ず参照すると、多層ティッシュ製品全体が10で示されている。「層」という用語は、積層体内における異なる繊維からなるか、異なる化学処理などを施された複数の層状物を意味する。
【0012】
図1に示される実施形態においては、多層ティッシュ10は、第一外側層11、内側層12、及び第二外側層13を有する。第一外側層11及び第二外側層13の各々は、ティッシュ製品10の外側表面21及び22それぞれを形成する外向き表面を有する。内側層12は、内側表面23及び24を有する外向き表面を有する。
【0013】
ティッシュ製品10の層は、天然繊維、合成繊維、又はこれらの混合物から形成することができる。例えば、幾つかの適当な天然繊維は、これらに制限されるものではないが、アバカ、サバイグラス、トウワタ線状繊維、パイナップルリーフ繊維などの非木質繊維、北方及び南方軟材クラフト繊維などの軟材繊維、及びユーカリ、メープル、カバノキ、アスペン、及び同様のものなどの硬材繊維を含むことができる。他の適当なパルプの例は、南方パイン、ベイスギ、ドクニンジン、及びクロトウヒを含む。本発明に使用される、商業的に入手可能な長パルプ繊維は、「Longlac−19」の商標名でKimberly−Clark Corporationより入手可能なものを含む。更に、再生繊維を含む完成紙料も、利用することができる。更に、幾つかの適当な合成繊維は、これらに制限されるものではないが、レーヨン繊維及びエチレンビニルアルコールコポリマー繊維などの親水性合成繊維、同様にポリオレフィン繊維のような疎水性合成繊維を含むことができる。多層ティッシュ製品10は、多層顔用ティッシュ、浴用ティッシュ、紙タオル、ナプキン、拭き布、及び同様のものを含むことができる。
【0014】
内側層12は、抗菌作用上有効な量の抗菌剤14で処理される。ここで用いられる「抗菌作用上有効な量」という用語は、標的とするウイルス又は微生物の再生率を減少させるか、或いはウイルス又は微生物の量を減少するのに有効な抗菌剤14の量を意味する。
【0015】
抗菌剤14は、使用中にティッシュ製品10と接触するか、又はティッシュ製品10の中に吸収されるウイルス、細菌、真菌、又は他の微生物などの汚染物質を殺すか又はそうでなければ不活性化するように作用し、その結果ウイルス汚染などの疾病を広げることを妨げる。本発明の一実施形態においては、使用者が、多層製品10を汚染物質15に接触させ、その結果、汚染物質15が抗菌剤14と接触することになる。抗菌剤14は、典型的には、多層ティッシュ製品10の内側層12に閉じ込められ、これにより抗菌剤が肌に移動して刺激が形成されることを妨げる。
【0016】
ここで用いられる「汚染物質」という用語は、土、微生物、グラム陽性及びグラム陰性バクテリア、酵母菌、ウイルス、糞、尿、月経、酵素、毒素、内毒素、血液、原生動物、有機及び無機材料、及び他の有機及び無機土を意味する。本発明の別の実施形態においては、多層ティッシュ製品10は、病気の広がりを妨げる。多層ティッシュ製品10は、フェーシャル・ティッシュとすることができる。使用者は、鼻排出物などの身体排出物の形態の汚染物質15を多層ティッシュ製品10に接触させ、この汚染物質15を抗菌剤14と接触させる。
【0017】
第一及び第二外側層11及び13それぞれの外側表面21及び22の少なくとも1つを刺激防止化合物30で処理して、第一及び第二外側層11及び13に柔軟な感触を与えるようにすることができる。一実施形態においては、刺激防止化合物30は、軟化剤、グリセリン及びその派生物、グリコール及びその派生物、液体ポリエチレングリコール、エトキシレート化したポリジメチルシロキサン、4元素アンモニウム化合物、抗刺激特性を持つ植物抽出物、ワックス、固体脂肪酸エステル、固体脂肪アルコール、水素処理された動物又は野菜オイル及びその派生物、ローション化合物、又はこれらの混合物を含む。刺激防止化合物30は、更に吸収促進剤を含む。刺激防止化合物30は、基材の外側表面21又は22の少なくとも1つの上に存在し、これらは水素結合、静電気引力、或いは他の化学的又は物理的相互作用のいずれかの結果として付与され、これにより表面21又は22上に柔軟性という利点を与える。汚染物質15は内側層12に吸収され易く、そこで抗菌剤14と接触するようになり、汚染物質15を不活性化して、使用者がこれらに曝されることを妨げる。
【0018】
刺激防止化合物30は、多層ティッシュ製品10から使用者の肌に容易に移動することができる。刺激防止化合物30のこのような移動は、使用者の肌に、肌改善の効果を与えることができる。抗菌剤14が、多層ティッシュ製品10から使用者の肌に移動する場合には、刺激防止化合物30はバリアとして機能し、滑らかな質を与えるか、そうでなければ使用者の肌を保護することができる。
【0019】
図1Aは、第一外側層11、内側層12、及び第二外側層13を有する多層ティッシュ製品10を示している。内側層12は、抗菌作用上有効な量の抗菌剤14で処理される。第一及び第二外側層11及び13はそれぞれ、刺激防止化合物30で処理される。
【0020】
図1Bは、第一外側層11、内側層12、及び第二外側層13を有する多層ティッシュ製品10を示している。内側層の内側表面23及び24は、抗菌作用上有効な量の抗菌剤14で処理される。第一及び第二外側層11及び13の外側表面21及び22はそれぞれ、刺激防止化合物30で処理される。
【0021】
図1Cは、第一外側層11、内側層12、及び第二外側層13を有する多層ティッシュ製品10を示している。内側層12は、抗菌作用上有効な量の抗菌剤14で処理される。第一外側層11の外側表面21は、刺激防止化合物30で処理される。第二外側層13の外側表面22は、第一外側層11の外側表面21を処理する代わりに、刺激防止化合物30で処理されることが理解される。
【0022】
図1Dは、第一外側層11、内側層12、及び第二外側層13を有する多層ティッシュ製品10を示している。内側層12は、抗菌作用上有効な量の抗菌剤14で処理される。第一外側層11は、刺激防止化合物30で処理される。第二外側層13は、第一外側層11を処理する代わりに、刺激防止化合物30で処理されることが理解される。
【0023】
図1Eは、第一外側層11、内側層12、及び第二外側層13を有する多層ティッシュ製品10を示している。内側層12の内側表面23は、抗菌作用上有効な量の抗菌剤14で処理される。第一外側層11の外側表面21は、刺激防止化合物30で処理される。第二外側層13の外側表面22は、第一外側層11の外側表面21を処理する代わりに、刺激防止化合物30で処理されることが理解される。更に、内側層12の内側表面24は、内側層12の内側表面23を処理する代わりに、抗菌作用上有効な量の抗菌剤14で処理されることが理解される。
【0024】
図1Fは、第一外側層11、内側層12、及び第二外側層13を有する多層ティッシュ製品10を示している。内側層12の内側表面23は、抗菌作用上有効な量の抗菌剤14で処理される。第一外側層11の外側表面21は、刺激防止化合物30で処理される。第二外側層13の外側表面22は、第一外側層11の外側表面21を処理する代わりに、刺激防止化合物30で処理されることが理解される。更に、第二外側層13は、第一外側層11を処理する代わりに、抗菌作用上有効な量の抗菌剤14で処理されることが理解される。
【0025】
図1Gは、第一外側層11、内側層12、及び第二外側層13を有する多層ティッシュ製品10を示している。内側層12の内側表面23及び24は、抗菌作用上有効な量の抗菌剤14で処理される。第一及び第二外側層11及び13は、刺激防止化合物30で処理される。
【0026】
図1Hは、第一外側層11、内側層12、及び第二外側層13を有する多層ティッシュ製品10を示している。内側層12の内側表面23は、抗菌作用上有効な量の抗菌剤14で処理される。第一外側層11は、刺激防止化合物30で処理される。第二外側層13は、第一外側層11を処理する代わりに、刺激防止化合物30で処理されることが理解される。更に、第二外側層12の内側表面24は、内側層12の内側表面23を処理する代わりに、抗菌作用上有効な量の抗菌剤14で処理されることが理解される。
【0027】
図1Iは、第一外側層11、内側層12、及び第二外側層13を有する多層ティッシュ製品10を示している。第一外側層11の外側表面21は、抗菌作用上有効な量の抗菌剤14で処理される。第一外側層11の外側表面21は、次に刺激防止化合物30で処理されて、刺激防止剤30が抗菌剤14全体に施される。第二外側層13の外側表面22は、第一外側層11の外側表面21を処理する代わりに、抗菌作用上有効な量の抗菌剤14で処理されることが理解される。
【0028】
抗菌剤14と刺激防止化合物30両方の粒状物は、以下に詳細に述べられるであろう。
【0029】
添付図面を参照するにあたり、最初に図2を参照すると、多積層体ティッシュ製品が全体を110として示されている。「積層体」という用語は、互いが並列状態に配列された別個の製品要素を意味する。この用語は又、多積層体フェーシャル・ティッシュ、浴用ティッシュ、紙タオル、拭き布、又はナプキンなどの、複数のウエブ様成分を意味する。
【0030】
図2に示される実施形態においては、多積層体ティッシュ製品110は、第一外側積層体111、内側積層体112、及び第二外側積層体113を有する。第一外側積層体111及び第二外側積層体113各々は、外側表面121及び122のそれぞれを形成する外向き表面を有する。内側積層体112は、内側表面123及び124を形成する2つの外向き表面を有する。
【0031】
多積層体ティッシュ製品110の外側及び内側積層体111、112及び113は、上記した繊維から形成される。多積層体ティッシュ製品110は、多積層体顔用ティッシュ、浴用ティッシュ、紙タオル、ナプキン、拭き布、及び同様のものを含むことができる。外側及び内側積層体111、112、及び113は、同じ繊維或いは繊維の混合物で形成されるか、又は他の積層体に使用されるものとは異なる繊維或いは1つ又はそれより多い繊維の混合物から形成される。
【0032】
内側積層体112の内側表面123及び124は、抗菌作用上有効な量の抗菌剤140で処理される。本発明の一実施形態においては、使用者は、汚染物質150を多積層体ティッシュ製品110と接触させ、その結果汚染物質150が抗菌剤140と接触するようにする。抗菌剤140は、典型的には、多積層体ティッシュ製品110の内側積層体112に閉じ込められて、抗菌剤140が肌に移動して刺激を形成することを妨げる。
【0033】
本発明の別の実施形態においては、多積層体ティッシュ製品110は、病気の広がりを妨げる。多積層体ティッシュ製品110は、フェーシャル・ティッシュとすることができる。使用者は、鼻排出物などの身体排出物の形態の汚染物質150を、積層体ティッシュ製品110に接触させ、この汚染物質150が、抗菌剤140と接触するようにする。
【0034】
第一及び第二外側積層体111及び113それぞれの外側表面121及び122の少なくとも1つは、刺激防止化合物130で処理され、ティッシュ製品110の第一及び第二外側積層体111及び113に柔軟な感触を与える。一実施形態においては、刺激防止化合物130は、軟化剤、ワックス、固形脂肪酸エステル、脂肪アルコール、水素化合した動物又は野菜オイル、ローション組成物、又はこれらの混合物から選択された少なくとも1つの刺激防止剤を含む。刺激防止化合物130は、基材の外側表面121及び122の少なくとも1つの上にあり、これらは水素結合、静電気引力、又は他の化学的相互作用のいずれかの結果として付与され、これにより外側表面121及び122上に柔軟性という利点を与える。汚染物質150は、内側積層体112の内側表面123及び124の、又は内側積層体112の少なくとも1つの上に吸収されやすく、そこで汚染物質150は抗菌剤140と接触することとなり、その結果、汚染物質150内の微生物を殺すか又はそうでなければ不活性化し、かつ使用者がこれらに曝されることを妨げる。
【0035】
図2Aは、第一外側積層体111、内側積層体112、及び第二外側積層体113を有する多積層体ティッシュ製品110を示している。内側積層体112は、抗菌作用上有効な量の抗菌剤140で処理される。第一及び第二外側積層体111及び113は、刺激防止化合物130で処理される。
【0036】
図2Bは、第一外側積層体111、内側積層体112、及び第二外側積層体113を有する多積層体ティッシュ製品110を示している。内側積層体112の内側表面123及び124は、抗菌作用上有効な量の抗菌剤140で処理される。第一及び第二外側積層体111及び113の外側表面121及び122それぞれは、刺激防止化合物130で処理される。
【0037】
図2Cは、第一外側積層体111、内側積層体112、及び第二外側積層体113を有する多積層体ティッシュ製品110を示している。内側積層体112は、抗菌作用上有効な量の抗菌剤140で処理される。第一外側積層体111の外側表面121は、刺激防止化合物130で処理される。第二外側積層体113の外側表面122は、第一外側積層体111の外側表面121を処理する代わりに、刺激防止化合物130で処理されることが理解される。
【0038】
図2Dは、第一外側積層体111、内側積層体112、及び第二外側積層体113を有する多積層体ティッシュ製品110を示している。内側積層体112は、抗菌作用上有効な量の抗菌剤140で処理される。第一外側積層体111は、刺激防止化合物130で処理される。第二外側積層体113は、第一外側積層体111を処理する代わりに、刺激防止化合物130で処理されることが理解される。
【0039】
図2Eは、第一外側積層体111、内側積層体112、及び第二外側積層体113を有する多積層体ティッシュ製品110を示している。内側積層体112の内側表面123は、抗菌作用上有効な量の抗菌剤140で処理される。第一外側積層体111の外側表面121は、刺激防止化合物130で処理される。第二外側積層体113の外側表面122は、第一外側積層体111の外側表面121を処理する代わりに、刺激防止化合物130で処理されることが理解される。内側積層体112の内側表面124は、内側積層体112の内側表面123を処理する代わりに、抗菌作用上有効な量の抗菌剤140で処理されることが理解される。
【0040】
図2Fは、第一外側積層体111、内側積層体112、及び第二外側積層体113を有する多積層体ティッシュ製品110を示している。第一外側積層体111は、抗菌作用上有効な量の抗菌剤140で処理される。第一外側積層体111の外側表面121は、刺激防止化合物130で処理される。第二外側積層体113の外側表面122は、第一外側積層体111の外側表面121を処理する代わりに、刺激防止化合物130で処理されることが理解される。第二外側積層体113は、第一外側積層体111を処理する代わりに、抗菌作用上有効な量の抗菌剤140で処理されることが理解される。
【0041】
図2Gは、第一外側積層体111、内側積層体112、及び第二外側積層体113を有する多積層体ティッシュ製品110を示している。第一外側積層体111の外側表面121は、抗菌作用上有効な量の抗菌剤140で処理される。第一外側積層体111の外側表面121は、刺激防止化合物130が抗菌剤140全体に施されるように、刺激防止化合物130で処理される。第二外側積層体113の外側表面122は、第一外側積層体111の外側表面121を処理する代わりに、抗菌作用上有効な量の抗菌剤140で処理され、次に第二外側積層体113の外側表面122が、第一外側積層体111の外側表面121を処理する代わりに、刺激防止化合物130で処理されることが理解される。
【0042】
図3は、本発明の別の実施形態を示している。この実施形態の多積層体ティッシュ製品210は、2つの外側積層体211及び213を有する。外側積層体211及び213の外側表面221及び222の少なくとも1つはそれぞれ、軟化剤、ワックス、固体脂肪酸エステル、脂肪アルコール、水素処理された動物又は野菜オイル、ローション組成物、又はこれらの混合物から選択された少なくとも1つの刺激防止剤を含む刺激防止化合物230で処理される。この実施形態においては、内側積層体はない。外側積層体211及び213の内側表面225及び226のそれぞれは、外側積層体211及び213それぞれの内向き表面により定められる。内側表面225及び226の少なくとも1つは、抗菌剤240で処理される。本発明の第二実施形態におけるように、汚染物質250は、内側表面225及び226の少なくとも1つの上に吸収されやすく、そこで汚染物質250は抗菌剤240と接触することとなり、その結果、汚染物質250内の微生物を殺すか又はそうでなければ不活性化し、かつ使用者がこれらに曝されることを妨げる。
【0043】
図3Aは、2つの外側積層体211及び213を有する多積層体ティッシュ製品210を示している。外側積層体211及び213の外側表面221及び222はそれぞれ、刺激防止化合物230で処理される。外側積層体211及び213は、抗菌剤240で処理される。
【0044】
図3Bは、2つの外側積層体211及び213を有する多積層体ティッシュ製品210を示している。外側積層体211及び213は、刺激防止化合物230で処理される。外側積層体211及び213の内側表面225及び226はそれぞれ、抗菌剤240で処理される。
【0045】
図3Cは、2つの外側積層体211及び213を有する多積層体ティッシュ製品210を示している。外側積層体211の外側表面221は、刺激防止化合物230で処理される。外側積層体211は、抗菌剤240で処理される。外側積層体213の外側表面222は、外側積層体211の外側表面121を処理する代わりに、刺激防止化合物230で処理されることが理解される。更に、外側積層体213は、外側積層体211を処理する代わりに、抗菌剤240で処理されることが理解される。
【0046】
図3Dは、2つの外側積層体211及び213を有する多積層体ティッシュ製品210を示している。外側積層体211は、刺激防止化合物230で処理される。外側積層体211の内側表面225は、抗菌剤240で処理される。外側積層体213の内側表面226は、外側積層体211の内側表面225を処理する代わりに、抗菌剤240で処理されることが理解される。更に、外側積層体213は、外側積層体211を処理する代わりに、刺激防止化合物230で処理されることが理解される。
【0047】
図3Eは、2つの外側積層体211及び213を有する多積層体ティッシュ製品210を示している。外側積層体211及び213は、刺激防止化合物230で処理される。外側積層体211の内側表面225は、抗菌剤240で処理される。外側積層体213の内側表面226は、外側積層体211の内側表面225を処理する代わりに、抗菌剤240で処理されることが理解される。
【0048】
図3Fは、2つの外側積層体211及び213を有する多積層体ティッシュ製品210を示している。外側積層体211及び213の外側表面221及び222のそれぞれは、刺激防止化合物230で処理される。外側積層体211の内側表面225は、抗菌剤240で処理される。外側積層体213の内側表面226或いは、外側積層体211及び213の内側表面225及び226の両方はそれぞれ、外側積層体213の内側表面225を処理する代わりに、抗菌剤240で処理されることが理解される。
【0049】
図3Gは、2つの外側積層体211及び213を有する多積層体ティッシュ製品210を示している。外側積層体211及び213の外側表面221及び222それぞれは、刺激防止化合物230で処理される。外側積層体211は、抗菌剤240で処理される。外側積層体213は、外側積層体211を処理する代わりに、抗菌剤240で処理されることが理解される。
【0050】
図3Hは、2つの外側積層体211及び213を有する多積層体ティッシュ製品210を示している。外側積層体211の外側表面221は、刺激防止化合物230で処理される。外側積層体211及び213は、抗菌剤240で処理される。外側積層体213の外側表面222は、外側積層体211の外側表面221を処理する代わりに、刺激防止化合物230で処理されることが理解される。
【0051】
図3Iは、2つの外側積層体211及び213を有する多積層体ティッシュ製品210を示している。外側積層体211の外側表面221は、抗菌剤240で処理される。外側積層体211の外側表面221は、刺激防止化合物230が抗菌剤240全体に施されるように、刺激化合物230で処理される。外側積層体213の外側表面222或いは、外側積層体211及び213の外側表面221及び222の両方はそれぞれ、外側積層体211の外側表面221を処理する代わりに、抗菌剤240で処理され、抗菌剤240で処理された表面は、次に刺激防止化合物230で処理されることが理解される。
【0052】
抗菌剤
抗菌剤は、当業者に知られている殺ウイルス剤、殺菌剤、殺細菌剤、殺真菌剤、及び消毒剤のどれかを含むことができる。特定の抗菌剤の選択は、微生物、人間の安全性と毒素学の分析、及び環境の安全性と毒素学の分析に相応する効果に応じて行う。本発明における抗菌剤として特に興味のあるものは、有機酸である。
【0053】
本発明にとって適当な抗菌剤は、殺ウイルス化合物を含む。殺ウイルス化合物は、これらに制限されるものではないが、カルボキシル酸又はカルボキシル酸/界面活性剤化合物を含むことができ、これらはBrown−Skrobot他の米国特許第4,975,217号、Hossain他の米国特許第4,828,912号、Hossain他の米国特許第4,897,304号、Kuenn他の米国特許第4,764,418号、及びRothe他の米国特許第4,738,847号に記載されている。この特許の明細書及び特許請求の範囲の各々は、本明細書にすべてが記載されているものとして、その全体が引用により、本明細書に組み入れられる。
【0054】
ここで用いられる、抗菌カルボキシル酸は、ライノウイルス及びインフルエンザなどのウイルスを殺すか又は不活性化することが可能な材料である。本発明で抗菌剤として使用されるカルボキシル酸は、これに制限されるものではないが、次の構造を有する化合物を含む。
R−COOH
ここで、Rは、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、カルボキシC1−C6アルキル、カルボキシヒドロキシC1−C6アルキル、カルボキシハロC1−C6アルキル、カルボキシジヒドロキシC1−C6アルキル、ジカルボキシヒドロキシC1−C6アルキル、C1−C6アルケニル、カルボキシC1−C6アルケニル、ジカルボキシC1−C6アルケニル、フェニール、及び置換フェニール基から成るグループから選択された基である。上記した化合物の水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、チオール基、ニトロ基、及びシアン基、及び同様のものなどの、1つ又はそれより多い機能基により置換される。
【0055】
本発明の抗菌剤は、これらに制限されるものではないが、次のような構造を有する化合物を含むことができる。
R−COOR’
ここで、Rは、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、カルボキシC1−C6アルキル、カルボキシヒドロキシC1−C6アルキル、カルボキシハロC1−C6アルキル、カルボキシジヒドロキシC1−C6アルキル、ジカルボキシヒドロキシC1−C6アルキル、C1−C6アルケニル、カルボキシC1−C6アルケニル、ジカルボキシC1−C6アルケニル、フェニール、及び置換フェニール基から成るグループから選択された基である。更にR’は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、チオール基、ニトロ基、及びシアン基から成るグループから選択される。
【0056】
より特定的には、本発明において抗菌剤として使用される有機酸は、これらに制限されるものではないが、クエン酸、林檎酸、マエリン酸、酒石酸、サリチル酸、グリコール酸、アジピン酸、グルタル酸、琥珀酸、安息香酸、乳酸、及びこれらの混合物を含む。アルファヒドロキシ酸及びベータヒドロキシ酸も又、本発明の抗菌剤として使用するのに適当である。
【0057】
カルボキシル酸が、抗菌作用上有効な量で、ティッシュ製品に存在するようにすることができる。「抗菌作用上有効な量」という用語は、上記した米国特許4,897,304号及びカナダ特許1,188,225号に記載されている殺ウイルス分析テストにおいて20分以内にライノウイルス16型に3ログ滴をもたらすのに十分な量を意味するが、ウイルス学の分野における当業者は、この目的のために他の適当なテスト法を想起することもできるであろう。抗菌剤のティッシュ表面への添加割合は、約0.1から約10mg/平方インチの範囲とすることができる。代替的には、抗菌剤のティッシュ表面への添加割合は、約0.3から約8.0mg/平方インチの範囲とすることができる。別の代替例としては、抗菌剤のティッシュ表面への添加割合は、約0.5から約5.0mg/平方インチとすることができる。
【0058】
カルボキシル酸は、界面活性剤と結合することができる。カルボキシル酸/界面活性剤抗菌剤は、0.5mg/平方インチの低い付加割合で有効である。界面活性剤は、陽イオン、陰イオン、又は非イオンとすることができる。非イオン界面活性剤は、これらに制限されるものではないが、コネチカット州ダンベリーのUnion Carbideにより製造されるTRITON X−100(登録商標)のようなポリオキシエチレン化アルキフェノール、及びデラウエアー州ウイルミントンのUniquemaより製造されるTWEEN40(登録商標)のようなポリオキシエチレン化ソルビトールエステルを含むことができる。陽イオン界面活性剤は、これらに制限されるものではないが、塩化セチルピリジウム(C55+(CH215CH3CL-)、ジメチルベンゼトニウム4元素塩化アンモニウム(Me3CCH2C(Me)263(Me)−OCH2CH2OCH2CH2+N(Me)2265Cl-)を含むことができる。陰イオン表面活性剤は、次の構造により表される。
(ROSO3X+ 又は(RSO3X+
ここで、M+は、一価、二価又は三価金属陽イオン或いはアンモニウム又は置換アンモニウムイオンとし、Xは整数、Rはアルキル基とするか、或いは、
【化1】

ここで、M+及びXは、上記したものと同じであり、R1とR2は同一又は異なるものとすることができ、直鎖又は分枝鎖脂肪族基により表される。
【0059】
より特定的には、陰イオン界面活性剤は、第二アルカンスルフォネート及びサルコシネート界面活性剤を含む。本発明のいつかの実施形態においては、陰イオン界面活性剤は、ナトリウムドデシル硫酸塩(CH3(CH210−CH2OSO3−Na、及びAEROSOL OTの商標名で、ニュージャージー州ウエストパターソンのCytec Industriesで製造される1、4−ビス(2−エチルヘキシル)エステル、スルホサクシニック酸のナトリウム塩を含む。上記した界面活性剤は、制限された意味ではなく、説明において示されているものである。
【0060】
抗菌剤は、湿潤端による添加、エンボス加工、スプレー加工、被膜、浸漬、印刷、又は当業者に知られている他の方法によって、均一な形態でティッシュ製品に付与することができ、かつ、消費者の使用中におけるティッシュ製品の心地よさがなくなる程度までティッシュ製品の刺激防止の効果を妨げることがないような材料又は化合物とすることができる。抗菌剤の付与は、区分された変成領域に一様に行なうか、或いは、縞、ドット、波状パターン、及び同様のものなどの他のパターンとすることができる。
【0061】
ティッシュ製品の抗菌剤有効性を更に最大に活用するために、2つ又はそれより多い抗菌剤の混合物が、ティッシュ製品の表面に付与される。1つの特定的例においては、クエン酸と林檎酸の混合物が使用される。クエン酸と林檎酸の比率は、約10対約1、より特定的には約1対約1、又は代替的には約1対約10とすることができる。
【0062】
多層ティッシュへの抗菌剤の付加割合は、約0.5パーセントから約15パーセントの抗菌剤固形物とする。より特定的には、多層ティッシュ製品への抗菌剤の付加割合は、約3パーセントから約12パーセントの抗菌剤固形物とする。最も特定的には、多層ティッシュ製品への抗菌剤の付加割合は、約5パーセントから約10パーセントの抗菌剤固形物とする。
【0063】
多積層体ティッシュへの抗菌剤の付加割合は、約1パーセントから約15パーセントの抗菌剤固形物とする。より特定的には、多積層体ティッシュ製品への抗菌剤の付加割合は、約3パーセントから約12パーセントの抗菌剤固形物とする。最も特定的には、多積層体ティッシュ製品への抗菌剤の付加割合は、約5パーセントから約10パーセントの抗菌剤固形物とする。
【0064】
他の添加剤も抗菌剤に付加することができる。本発明の幾つかの実施形態においては、抗菌剤は、湿潤剤を含む。ここでの目的にとって、「湿潤剤」という用語は、水親和性を有し、湿度が変動する状態において、ティッシュ製品の湿分含有量を安定させるように機能する吸湿性化合物又は材料を意味する。湿潤剤が存在すると、特定的に低湿度(相対湿度が35%より少ない)の状態の時に、有機酸を含むティッシュ製品における柔軟性の経時的減少を妨げることが可能である。適当な湿潤剤は、これらに制限されるものではないが、アロエ、ポリエチレングリコール(後で定義する)、ブチレングリコール、プロピレングリコール及び他のグリコール、及びその派生物、ソルビトール及びその派生物、デキストロース及びその派生物、フルクトース及びその派生物、乳酸及びその塩、キトサン及びその派生物、グリセリン及びその派生物、カルボキシル酸の塩、エトキシレートジメチコーン、及び水素処理された澱粉加水分解物を含む。
【0065】
刺激防止剤
刺激防止剤は、多層及び多積層体ティッシュ製品にある抗菌剤からの刺激又は刺痛を緩和するように機能し、柔軟で、心地よい、滑らかな、和らげる、刺激のない質に貢献することができ、同様に加湿、肌調整、保護、及び同様のものなどの肌の健康に利点を与えることができる。適当な刺激防止剤は、これらに制限されるものではないが、軟化剤、ワックス、個体脂肪酸エステル、固体脂肪アルコール、水素処理された動物又は野菜オイル及びその派生物、グリセリン及びその派生物、グリコール及びその派生物、液体ポリエチレングリコール、エトキシレート化されたポリジメチルシロキサン、4元素アンモニウム化合物、抗刺激特性を持つ植物抽出物、ローション化合物、及びこれらの混合物を含む。刺激防止剤を含む刺激防止化合物は、望ましくは、高粘性液体又は乳濁液、ゲル、半固体、又は室温で固体状のものを含み、液体の状態で押し出され、被膜され又はスプレー加工されることが可能で、ティッシュ製品の外側層又は外側積層体の表面から離れている。
【0066】
本発明の刺激防止剤として使用される軟化剤は、これらに制限されるものではないが、ペトロラタム、鉱油、水素処理されていない野菜又は動物オイル、液体脂肪アルコール、液体脂肪酸、ポリジメチルシロキサン、有機変成シリコン、シリコンゴム、シリコン樹脂、シリコンエラストマー、合成オイル、トリグルセリド、トリアセチン、液体脂肪アルコール、分枝脂肪アルコール、分枝エステル、グリセリルエステル及びその派生物、グルベ・エステル、ラノリン及びその派生物、イソプロピルパルミチン酸塩、オクチルパルミチン酸塩、イソプロピルミリスチン酸塩、ミリスチルミリスチル酸塩、セチル乳酸塩、及び同様のものなどの液体脂肪酸エステル、他の軟化剤エステル、及びこれらの混合物を含む。
【0067】
本発明の刺激防止剤として使用されるワックスは、これらに制限されるものではないが、ヤマモモワックス、セラシン、オゾケライト、フッ素処理されたワックス、パラフィン、ポリエチレン、C28又はこれより大きいイソパラフィン、セレシン、米糠ワックス、微細結晶ワックス、蜜ろう、木ろう、カルナウバワックス、モンタン酸ワックス、セラック・ワックス、使用済粒状ワックス、オゾケライト、合成ワックス、ウーリキュリ・ワックス、アルキルシリコンワックス、ラノリンワックス、PEG蜜ろう、PEGカルナウバワックス、及び水素処理された野菜及び動物オイルなどのワックス派生物、及びこれらの混合物を含む。
【0068】
本発明の刺激防止剤として使用される脂肪アルコールは、これらに制限されるものではないが、セチアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニールアルコール、ミリスチルアルコール、ラノリンアルコール、C20からC40のアルコール、及びこれらの混合物を含む。
【0069】
本発明の刺激防止剤として使用される固体脂肪酸エステルは、これらに制限されるものではないが、セチルエステル、ベヘニール安息香酸塩、ステアリル安息香酸塩、ベヘニールベヘン酸塩、アラキジルベヘン酸塩、C20からC40のアルキルベヘン酸塩、C20からC40のアルキル安息香酸塩、ステアリルベヘン酸塩、セチル乳酸塩、ミリスチルミリスチン酸塩、C12からC15のアルキル乳酸塩、C20からC40のアルキルステアリン酸塩、ステアリルステアリン酸塩、及びこれらの混合物を含む。
【0070】
本発明の刺激防止剤として使用される水素処理された動物又は植物オイル及びその派生物は、これらに制限されるものではないが、水素処理されたパームトリグルセリド、水素処理されたカスター油、水素処理されたパーム油、水素処理された綿実油、水素処理されたホホバ油、水素処理されたミンク油、水素処理された米糠ワックス、水素処理された植物オイル、水素処理されたカスター油ラウリニ酸塩、水素処理されたカスター油、トリイオステアリンエステル、水素処理されたアボカド油、水素処理された菜種油、水素処理された大豆油、及びこれらの混合物を含む。
【0071】
本発明の刺激防止剤として使用される植物抽出物及び他の抗刺激化合物は、これらに制限されるものではないが、キュウリ抽出物、ケルセチン、セージ抽出物、ユビキノン、緑茶、グレープシード抽出物、カナダアカバナ抽出物、ポリフェノール、ルチン、シリマリン、アズレン、及びこれらの混合物を含む。
【0072】
多くの刺激防止剤が、ティッシュ製品の外側層又は積層体だけに、或いは他の部品と組み合わせて付与される。しかしながら、刺激防止剤がティッシュ製品の層又は積層体の内側部分に移動することを防ぐために、刺激防止剤は、構造形成剤又は凝固剤を含む化合物に刺激防止剤を配合する必要がある。更に、これらの化合物は、溶媒、界面活性剤、安定剤、粘性/流動変成剤、溶融点変成剤、懸濁剤、酸化防止剤、着色剤、防腐剤及び芳香、肌保護剤、及び/又は望ましい物理的特性を与え、かつ肌の健康に他の利点を与える他の試剤を含むことができる。これに関しては、刺激防止化合物は、少なくとも約25℃の溶融点を持つべきであり、特定的には、約30℃から約100℃の間、更に特定的には、約55℃から約70℃の間の溶融点を持つべきであり、これにより化合物に改善された安定性を付与し、化合物の使用者の肌への改善された移動をもたらす。低い溶融点を持つ刺激防止化合物は、高い貯蔵温度では化合物の移動を示し、これは使用者の肌への移動を減少させるという望ましくない結果を起こす。
【0073】
しかしながら、本発明の幾つかの実施形態においては、刺激防止剤を含む化合物は、ティッシュ製品の使用中に、使用者の肌に移動することができる。刺激防止剤を含む化合物は、化合物が使用中に、表面から使用者の肌に移動することを妨げるほど、中実で、或いはティッシュ製品の層又は積層体に強く接着するべきではない。これに関しては、刺激防止剤の浸透硬さは、約5から約350ミリメートル、より特定的には約40から約150ミリメートルの範囲とする。
【0074】
本発明の一実施形態においては、多積層体又は多層ティッシュ製品は、外側積層体又は層の外側表面上で、親水性刺激防止化合物と処理され、この親水性刺激防止化合物は、約10から約100重量パーセントの刺激防止剤、約10から約90重量パーセントの親水性溶媒、約5から約90重量パーセントの、20℃で固体であるポリエチレングリコール又はその派生物である凝固剤(室温で刺激防止化合物が固体であるように、刺激防止化合物を固体化する第一機能)を含み、更に少なくとも約720の分子量、及び約C14からC30までの長さの鎖を任意に持つ脂肪アルコール又は脂肪酸を有する。親水性溶媒は、これらに制限されるものではないが、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコール、へキシレングリコール、プロパンジオール、低分子量(720より小さい)のポリエチレングリコール、グリセリン、水素処理された澱粉加水分解物、及びこれらの混合物を含むことができる。脂肪アルコールは、典型的には、これらに制限されるものではないが、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベンへニルアルコール、ラノリンアルコール、及びこれらの混合物を含むC14からC30までの長さの炭素鎖を持つアルコールを含む。脂肪酸は、典型的には、これらに制限されるものではないが、パルミチック酸、ステアリン酸、べヘニックアルコール、ラノリン酸、及びこれらの混合物を含む、約C14からC30の長さの炭素鎖を持つ酸を含む。幾つかの実施形態においては、少ない量の親油性材料を親水性刺激防止化合物に乳化するために、低HLB界面活性剤を使用する必要がある。
【0075】
本発明の他の実施形態においては、移送及び貯蔵中に遭遇する温度のような高い温度において、粘性/流動変成剤を付加することで、ティッシュ製品の層又は積層体に親水性刺激防止化合物が移動することを妨げることが望ましい。適当な粘性/流動変成剤は、これらに制限されるものではないが、タルク、陶土、有機的に変成された陶土、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、金属石鹸、キサンタンゴムなどのカラギーナンゴム、セルロース濃化剤、ペンタエリトリトールのアリルエーテル、スクロースのアリルエーテル又はプロピレン濃化剤のアリルエーテル、及びこれらの混合物を含む。
【0076】
この型の親水性刺激防止化合物は、1999年2月9日付けのKrzysikの米国特許第5,869,075号に詳細に記載されている。この特許の明細書及び特許請求の範囲の各々は、本明細書にすべてが記載されているものとして、その全体が引用により、本明細書に組み入れられる。
【0077】
本発明の別の実施形態によると、多積層体又は多層ティッシュ製品は、外側積層体又は層の外側表面の95パーセント又はこれより小さい量で、疎水性刺激防止化合物と処理され、これが外側積層体又は層の疎水性刺激防止化合物表面であり、この疎水性刺激防止化合物は、約10から約90重量パーセントの刺激防止剤、約10から約90重量パーセントの軟化剤、約5から約85重量パーセントの凝固剤、更に任意なものとして、約C14からC30の長さの鎖を持つ脂肪アルコールを含む。適当な軟化剤は、これらに制限されるものではないが、ワセリンベースの油、野菜ベースの油、動物ベースの油、鉱油、シリコン、合成オイル、ラノリン及びその派生物、エステル、分枝エステル、グルベ・エステル、脂肪酸、脂肪酸エステル、トリグルセリド、アルキルヒドロキシステアリン酸塩、及びこれらの混合物を含む。疎水性刺激防止化合物が室温で固体であるように、疎水性刺激防止化合物を固体化することが第一の機能である凝固剤の適当なものは、これらに制限されるものではないが、約C16又はこれより大きいアルキルシリコン、少なくとも約35℃の溶融点を持つ脂肪酸エステル、約C16又はこれより大きいアルキルヒドロキシステアリン酸塩、アルコキシレートアルコール、アルコキシレートカルボキシリックアルコール、水素処理された動物又は野菜オイル、ヤマモモワックス、蜜ろう、カルナウバワックス、セレシン、ラノリンワックス、パラフィン、米糠ろう、合成鯨ろう、セラシン、オゾケライト、ポリエチレン、C28及びこれより大きいイソパラフィン、微細結晶ワックス、セラック・ワックス、モンタン酸ワックス、フルオラネートワックス、及びこれらの混合物などのワックス及び変成されたワックスを含む。このような疎水性刺激防止化合物は、Krzysik他の米国特許第5,665,426号、Krzysik他の米国特許第5,650,218号、及び2003年9月11日付けのKrzysik他の米国特許出願番号10/659968に詳細に記載されている。この特許の明細書及び特許請求の範囲の各々は、本明細書にすべてが記載されているものとして、その全体が引用により、本明細書に組み入れられる。
【0078】
本発明の幾つかの実施形態においては、移送及び貯蔵中に遭遇する温度のような高い温度において、粘性/流動変成剤を付加することで、ティッシュ製品の層又は積層体に疎水性刺激防止化合物が移動することを妨げることが望ましい。適当な粘性/流動変成剤は、これらに制限されるものではないが、ポリオレフィン樹脂及びポリマー、ポリエチレン、ポリスチレン、エチレン/ビニルアセテートコポリマー、エチレン/プロピレンスチレンコポリマー、ブチレン/エチレンスチレンコポリマー、シリカ、処理済みシリカ、タルク、有機的に変成された陶土、コロイド性二酸化シリコン、及びこれらの混合物を含む。
【0079】
本発明の幾つかの実施形態においては、少ない量の親水性材料を親水性刺激防止化合物に乳化するために、ミディアムHLB界面活性剤を使用することが必要である。親水性刺激防止化合物は、約10から約100重量パーセントの疎水性刺激防止剤、約10から約90重量パーセントの疎水性軟化剤、ワックス、変成されたワックス、合成ワックス、ポリマーワックス、野菜ワックス、脂肪アルコール、脂肪酸及び脂肪酸エステル、及びこれらの混合物のグループから選択された、約35℃から約75℃の溶融点を持つ約5から約90重量パーセントの構造形成剤又は凝固剤、及びシリカ、ポリエチレン、エチレンビニルアセテートコポリマー、ポリエチレン、アルファ−オレフィン変成ポリエチレン、有機陶土、及びこれらの混合物のグループから選択された流動変成剤を含む。この型の親水性刺激防止化合物は、1999年2月9日付けのKrzysikの米国特許第5,869,075号に詳細に記載されている。この特許の明細書及び特許請求の範囲の各々は、本明細書にすべてが記載されているものとして、その全体が引用により、本明細書に組み入れられる。
【0080】
吸収促進剤
吸収促進剤は、汚染物質が抗菌剤と接触して、殺されるかそうでなければ不活性化されるように、多層及び多積層体ティッシュ製品に汚染物質が吸収されることを可能にするか或いは促進するものである。
【0081】
本発明で使用される吸収促進剤は、これらに制限されるものではないが、アルキル硫酸塩、第一及び第二アルカンスルホン酸塩、酸化アルキルジフェニールジスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、イソチオ酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルファオレフィンスルホン酸塩、アルキルタウリン酸塩、アルキルサルコン酸塩、イソラウリス−6、ポリアルケンオキサイド変成ポリジメチルシロキサン、アルキルポリエチレンオキサイドエタノール、1−アルキル−2−ピロリドン、酸化アルキルアミドアルキレンジアルキルアミン、酸化トリアルキルアミン、アルキルアミドアルキルジアルキルベタイン、及び同様のもの、更にこれらの混合物を含むことができる。本発明の吸収促進剤で処理された多層又は多積層体ティッシュ製品は、抗菌作用上有効なティッシュ製品を形成する。
【0082】
ティッシュ表面への本発明の吸収促進剤の添加割合は、約0.1から約10mg/平方インチ、約0.3から約8.0mg/平方インチ、更に約0.5から約5.0mg/平方インチの範囲とすることができる。
【0083】
多層ティッシュ製品への本発明の吸収促進剤の付加割合は、吸収促進剤固形物が約0.5パーセントから約15パーセントとなるようにすることができる。より特定的には、多層ティッシュ製品への吸収促進剤の付加割合は、吸収促進剤固形物が約3パーセントから約12パーセントとなるようにすることができる。最も特定的には、多層ティッシュ製品への吸収促進剤の付加割合は、吸収促進剤固形物が約5パーセントから約10パーセントとなるようにすることができる。
【0084】
吸収促進剤で処理された多層又は多積層体ティッシュ製品への0.1グラムの水の吸収時間は、約6分又はこれより小さいか、約5分又はこれより小さいか、約3分又はこれより小さいか、約1分又はこれより小さいか、約30秒又はこれより小さいか、約10秒又はこれより小さいか、約5秒又はこれより小さいか、約3秒又はこれより小さいか、約1秒又はこれより小さいか、約0.8秒又はこれより小さいか、約0.5秒又はこれより小さいか、約0.1秒又はこれより小さいものとする。吸収時間は、約6分から約0.01秒、より特定的には、約5分から約0.1秒、より特定的には約3分から約0.5秒、最も特定的には、約1分から約0.8秒の範囲とすることができる。
【0085】
添加剤
刺激防止剤又は化合物は、湿潤端による添加、エンボス加工、スプレー加工、被膜、浸漬、印刷、スロット被膜又は当業者に知られている他の方法によって、均一な形態でティッシュ製品に付与することができ、かつティッシュ製品の抗菌効果がなくなる程度まで、ティッシュ製品の抗菌効果の効果を妨げることがないような材料又は化合物とすることができる。刺激防止剤の付与は、区分された変成領域において一様に行うか、或いは、縞、ドット、波状パターン、及び同様のものなどの他のパターンとすることができる。
【0086】
刺激防止剤又は化合物の処理温度での低剪断粘性の範囲は、約100センチポアズから約1,000,000センチポアズ又はこれより高い値、より特定的には、約1,000から約500,000センチポアズとすることができる。刺激防止剤又は化合物の室温での低剪断粘性の範囲は、約5,000センチポアズから約2,000,000又はこれより大きい、或いは固体、より特定的には約50,000センチポアズから約2,000,000又は固体とすることができる。
【0087】
柔軟性、刺痛緩和、及び刺激防止剤の肌への効果を最大に活用し更に平衡を保つために、2つ又はそれより多い刺激防止剤の混合物が、多層又は多積層体ティッシュ製品の表面に付与される。1つの特定的な例においては、ペテロラタムとステアリルアルコールの混合物が使用される。ペテロラタムのステアリルアルコールに対する割合は、約4対約1、より特定的には約7対約3、最も特定的には、約3対約2とすることができる。
【0088】
多層又は多積層体ティッシュ製品への刺激防止剤又は化合物の付加割合は、ティッシュ製品の重量を基本にして、約1パーセントから約30パーセントとする。より特定的には、多層又は多積層体ティッシュ製品への刺激防止剤又は化合物の付加割合は、ティッシュ製品の重量を基本にして、約3パーセントから約20パーセントとする。最も特定的には、多層又は多積層体ティッシュ製品への刺激防止剤又の付加割合は、ティッシュ製品の重量を基本にして、約5パーセントから約15パーセントとする。
【0089】
刺激防止剤又は化合物の重量割合の量は、望ましい手触り特性、相互作用させるために必要な存在する抗菌剤の量、刺激防止剤又は化合物そのものの特性、及び同様のものによって、大幅に変化させることができる。
【0090】
本発明のティッシュ製品は、当業者に知られているあらゆる方法によって形成される。様々なティッシュ製品及びティッシュ製品の製造方法は、Hermans他の米国特許第6,083,346号、Hermans他の米国特許第6,096,169号、Hada他の米国特許第6,080,279号、Kemp他の米国特許第3,953,638号、Sultze他の米国特許第5,324,575号、Marinack他の米国特許第5,656,134号、Marinack他の米国特許第5,685,954号、Marinack他の米国特許第5,690,788号、Scattolino他の米国特許第5,336,373号、Trokhan他の米国特許第5,556,509号、Trokhan他の米国特許第5,709,775号、Trokhan他の米国特許第5,776,312号、Trokhan他の米国特許第5,837,103号、Trokhan他の米国特許第5,871,887号、Trokhan他の米国特許第4,637,859号、Van Phan他の米国特許第5,814,190号、Ampulski他の米国特許第5,846,379号、Marinack他の米国特許第5,885,415号、Marinack他の米国特許第5,885,417号、Hollenberg他の米国特許第5,779,860号、Cook他の米国特許第5,048,589号、Anderson他の米国特許第4,100,324号、Meitner他の米国特許第4,426,417号、又同様に、Wendt他の欧州特許及び特許出願EP0677612A2、Farrington,Jr.他の欧州特許及び特許出願EP0631014B1、及び2000年12月29日付けの「Composite Material with Cloth−like Feel」という名称の米国特許出願一連番号09/751,329、2000年5月4日付けの「Ion−Sensitive,Water Dispersible Polymers,A Method of Making Same and Items Using Same」という名称の米国特許出願一連番号09/564,449、及び2000年5月4日付けの「Ion−Sensitive Hard Water Dispersible Polymers and Applications Therefor」という名称の米国特許出願一連番号09/565,623に記載されている。この特許の明細書及び特許請求の範囲の各々は、本明細書にすべてが記載されているものとして、その全体が引用により、本明細書に組み入れられる。
【0091】
本発明は、更に参照として次のような特定の例が説明される。例は説明のために示されたものであり、本明細書又は添付の特許請求の範囲を制限するものではないことを理解すべきである。
【実施例】
【0092】
親水性刺激防止化合物は、これらに制限されるものではないが、次のものを含むことができる。



【0093】
疎水性刺激防止化合物は、これらに制限されるものではないが、次のものを含むことができる。



【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の一実施形態による、2つの外側層を含む3つの層を持つティッシュ製品の略図である。
【図1A】本発明の一実施形態による、2つの外側層を含む3つの層を持つ、異なる形態を示すティッシュ製品の略図である。
【図1B】本発明の一実施形態による、2つの外側層を含む3つの層を持つ、異なる形態を示すティッシュ製品の略図である。
【図1C】本発明の一実施形態による、2つの外側層を含む3つの層を持つ、異なる形態を示すティッシュ製品の略図である。
【図1D】本発明の一実施形態による、2つの外側層を含む3つの層を持つ、異なる形態を示すティッシュ製品の略図である。
【図1E】本発明の一実施形態による、2つの外側層を含む3つの層を持つ、異なる形態を示すティッシュ製品の略図である。
【図1F】本発明の一実施形態による、2つの外側層を含む3つの層を持つ、異なる形態を示すティッシュ製品の略図である。
【図1G】本発明の一実施形態による、2つの外側層を含む3つの層を持つ、異なる形態を示すティッシュ製品の略図である。
【図1H】本発明の一実施形態による、2つの外側層を含む3つの層を持つ、異なる形態を示すティッシュ製品の略図である。
【図1I】本発明の一実施形態による、2つの外側層を含む3つの層を持つ、異なる形態を示すティッシュ製品の略図である。
【図2】本発明の別の実施形態による、2つの外側積層体を含む3つの積層体を持つティッシュ製品の略図である。
【図2A】本発明の別の実施形態による、2つの外側積層体を含む、3つの積層体を持つ、異なる形態を示すティッシュ製品の略図である。
【図2B】本発明の別の実施形態による、2つの外側積層体を含む、3つの積層体を持つ、異なる形態を示すティッシュ製品の略図である。
【図2C】本発明の別の実施形態による、2つの外側積層体を含む、3つの積層体を持つ、異なる形態を示すティッシュ製品の略図である。
【図2D】本発明の別の実施形態による、2つの外側積層体を含む、3つの積層体を持つ、異なる形態を示すティッシュ製品の略図である。
【図2E】本発明の別の実施形態による、2つの外側積層体を含む、3つの積層体を持つ、異なる形態を示すティッシュ製品の略図である。
【図2F】本発明の別の実施形態による、2つの外側積層体を含む、3つの積層体を持つ、異なる形態を示すティッシュ製品の略図である。
【図2G】本発明の別の実施形態による、2つの外側積層体を含む、3つの積層体を持つ、異なる形態を示すティッシュ製品の略図である。
【図3】本発明の別の実施形態による2つの積層体を持つティッシュ製品の略図である。
【図3A】本発明の別の実施形態による2つの積層体を持つ、異なる形態を示すティッシュ製品の略図である。
【図3B】本発明の別の実施形態による2つの積層体を持つ、異なる形態を示すティッシュ製品の略図である。
【図3C】本発明の別の実施形態による2つの積層体を持つ、異なる形態を示すティッシュ製品の略図である。
【図3D】本発明の別の実施形態による2つの積層体を持つ、異なる形態を示すティッシュ製品の略図である。
【図3E】本発明の別の実施形態による2つの積層体を持つ、異なる形態を示すティッシュ製品の略図である。
【図3F】本発明の別の実施形態による2つの積層体を持つ、異なる形態を示すティッシュ製品の略図である。
【図3G】本発明の別の実施形態による2つの積層体を持つ、異なる形態を示すティッシュ製品の略図である。
【図3H】本発明の別の実施形態による2つの積層体を持つ、異なる形態を示すティッシュ製品の略図である。
【図3I】本発明の別の実施形態による2つの積層体を持つ、異なる形態を示すティッシュ製品の略図である。
【符号の説明】
【0095】
10 ティッシュ製品
11 第一外側層
12 内側層
13 第二外側層
14 抗菌剤
15 汚染物質
21 外側表面
22 外側表面
23 内側表面
24 内側表面
30 刺激防止化合物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
刺激がなく、抗菌性で、多層のティッシュ製品であって、
少なくとも第一層及び第二層を形成する複数の層を有し、前記第一層が、外向きの外側表面と前記外側表面に近接する外側部分、内向きの内側表面と前記内側表面に近接する外側部分、及び、両方の外側部分に近接する内側部分を持つ外側層を形成している、少なくとも1つの積層体と、
少なくとも前記第一層の少なくとも一部に付与された少なくとも刺激防止剤を含む刺激防止化合物と、
前記多層ティッシュ製品の少なくとも一部に付与された抗菌作用上有効な量の少なくとも1つの抗菌剤と、
吸収促進剤と、
を含み、
前記少なくとも1つの抗菌剤は、前記刺激防止化合物で処理された前記多層ティッシュ製品の前記部分には付与されないことを特徴とする製品。
【請求項2】
前記第二層は、2つの外向きの内側表面、前記内側表面の各々に近接する外側部分、及び前記外側部分に近接する内側部分を持つ内側層を形成することを特徴とする請求項1に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項3】
前記第二層は、外向きの外側表面及び前記外側表面に近接する外側部分と、内向きの内側表面及び前記内側表面に近接する外側部分と、両方の外側部分に近接する内側部分を持つ外側層を形成することを特徴とする請求項1に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項4】
前記刺激防止化合物は、
約10から約85重量パーセントの刺激防止剤と、
約10から約85重量パーセントの親水性溶媒と、
ポリエチレングリコールとポリエチレングリコール派生物から選択された、約5から約80重量パーセントの凝固剤と、
を含み、前記凝固剤は、約20℃より大きい溶融点を持ち、更に少なくとも約720の分子量を持つことを特徴とする請求項1に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項5】
前記刺激防止化合物は、前記第一層の少なくとも前記外側表面、前記第一層の前記外側表面に近接する少なくとも前記外側部分、前記第一層の少なくとも前記内側表面、前記第一層の前記内側表面に近接する少なくとも前記外側部分、前記第一層の少なくとも前記内側部分、或いはこれらのいずれかの組み合わせに付与されることを特徴とする請求項1に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項6】
前記抗菌剤は、前記第二層の少なくとも前記外側表面、前記第二層の少なくとも前記外側部分、前記第二層の少なくとも前記内側表面、前記第二層の少なくとも前記内側部分、或いはこれらのいずれかの組み合わせに付与されることを特徴とする請求項3に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項7】
前記抗菌剤は、前記第二層の少なくとも1つの内側表面,前記第二層の少なくとも1つの外側部分、前記第二層の少なくとも前記内側部分、或いはこれらのいずれかの組み合わせに付与されることを特徴とする請求項2に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項8】
前記刺激防止化合物は、前記第一層の少なくとも前記外側表面,前記第一層の少なくとも前記外側部分、或いはこれらのいずれかの組み合わせに付与されることを特徴とする請求項1に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項9】
前記抗菌剤化合物は、前記第一層の少なくとも前記内側表面、前記第一層の前記内側表面に近接する少なくとも前記外側部分、前記第一層の少なくとも前記内側部分、或いは、これらのいずれかの組み合わせに付与されることを特徴とする請求項1に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項10】
前記抗菌剤の付加量は、多層ティッシュ製品に対する抗菌剤固形物の割合げ約0.5から約15パーセントであることを特徴とする請求項1に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項11】
前記刺激防止剤は、軟化剤、グリセリン及びその派生物、グリコール及びその派生物、液体ポリエチレングリコール、エトキシレートポリジメチルシロキサン、4元素アンモニウム化合物、植物抽出物、固形脂肪酸エステル、水素処理された動物又は野菜オイル及びその派生物、ローション化合物、ワックス、固形脂肪アルコール、及びこれらの混合物から成るグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項12】
前記刺激防止化合物の付加量は、多層ティッシュ製品に対する刺激防止化合物固形物の割合が約1から約30パーセントであることを特徴とする請求項1に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項13】
前記抗菌剤は、
R−COOR’の構造を持ち、
ここでRは、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、カルボキシC1−C6アルキル、カルボキシヒドロキシC1−C6アルキル、カルボキシハロC1−C6アルキル、カルボキシジヒドロキシC1−C6アルキル、ジカルボキシヒドロキシC1−C6アルキル、C1−C6アルケニル、カルボキシC1−C6アルケニル、ジカルボキシC1−C6アルケニル、フェニール、及び置換フェニール基から成るグループから選択され、更に
R’は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、チオール基、ニトロ基、及びシアン基から成るグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項14】
前記抗菌剤は、少なくとも1つの有機酸を含むことを特徴とする請求項1に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項15】
前記抗菌剤は、少なくともクエン酸を含むことを特徴とする請求項1に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項16】
前記吸収促進剤は、少なくともナトリウムラウリル硫酸塩を含むことを特徴とする請求項1に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項17】
前記吸収促進剤は、約0.5から約10mg/平方インチの付加割合を持つことを特徴とする請求項1に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項18】
前記吸収促進剤は、少なくとも1つの外側層の少なくとも一部に付与されることを特徴とする請求項1に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項19】
前記多層ティッシュ製品は、顔用ティッシュ、浴用ティッシュ、紙タオル、拭き布、及びナプキンから成るグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項20】
刺激のない、抗菌性の、多層ティッシュ製品であって、
第一層と第二層とを形成する複数の層を有し、前記第一層が外側層を形成しており、前記第二層が、外向き第一内側表面、外向き第二内側表面、前記第一及び第二内側表面の各々に近接する外側部分、及び前記外側部部分に近接する内側部分を有する内側層を形成している少なくとも1つの積層体と、
少なくとも前記第二層の少なくとも一部に付与された、少なくとも刺激防止剤を含む刺激防止化合物と、
前記多層ティッシュ製品の少なくとも一部に付与された抗菌作用上有効な量の少なくとも1つの抗菌剤と、
吸収促進剤と、
を含み、
前記少なくとも1つの抗菌剤は、前記刺激防止化合物で処理された前記多層ティッシュ製品の前記部分には付与されていないことを特徴とする製品。
【請求項21】
前記刺激防止化合物は、前記第二層の少なくとも前記第一内側表面、前記第二層の少なくとも前記第二内側表面、前記第二層の前記第一内側表面に近接する少なくとも前記外側部分、前記第二層の前記第二内側表面に近接する少なくとも前記外側部分、又はこれらのいずれかの組合せに付与されることを特徴とする請求項20に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項22】
前記抗菌剤は、前記第二層の少なくとも前記内側部分に付与されることを特徴とする請求項21に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項23】
前記刺激防止化合物は、前記第二層の少なくとも前記第一内側表面、前記第二層の前記第一内側表面に近接する少なくとも前記外側部分、又はこれらのいずれかの組み合わせに付与されることを特徴とする請求項20に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項24】
前記抗菌剤は、前記第二層の少なくとも前記第二内側表面、前記第二層の前記第二内側表面に近接する少なくとも前記外側部分、前記第二層の少なくとも前記内側部分、又はこれらのいずれかの組み合わせに付与されることを特徴とする請求項23に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項25】
前記刺激防止化合物は、
約10から約85重量パーセントの刺激防止剤と、
約10から約85重量パーセントの親水性溶媒と、
ポリエチレングリコール及びポリエチレングリコール派生物から選択された、約5から約80重量パーセントの凝固剤と、
を含み、前記凝固剤は、約20℃より高い溶融点を持ち、かつ少なくとも約720の分子量を持つことを特徴とする請求項20に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項26】
前記抗菌剤の付加量は、多層ティッシュ製品に対する抗菌剤固形物の割合が約0.5から約15パーセントであることを特徴とする請求項20に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項27】
前記刺激防止剤は、軟化剤、グリセリン及びその派生物、グリコール及びその派生物、液体ポリエチレングリコール、エトキシレートポリジメチルシロキサン、4元素アンモニウム化合物、植物抽出物、固形脂肪酸エステル、水素処理された動物又は野菜オイル及びその派生物、ローション化合物、ワックス、固形脂肪アルコール、及びこれらの混合物から成るグループから選択されることを特徴とする請求項20に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項28】
前記刺激防止化合物の付加量は、多層ティッシュ製品に対する刺激防止化合物固形物の割合が約1から約30パーセントであることを特徴とする請求項20に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項29】
前記抗菌剤は、
R−COOR’の構造を持ち、
ここでRは、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、カルボキシC1−C6アルキル、カルボキシヒドロキシC1−C6アルキル、カルボキシハロC1−C6アルキル、カルボキシジヒドロキシC1−C6アルキル、ジカルボキシヒドロキシC1−C6アルキル、C1−C6アルケニル、カルボキシC1−C6アルケニル、ジカルボキシC1−C6アルケニル、フェニール、及び置換フェニール基から成るグループから選択され、更に
R’は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、チオール基、ニトロ基、及びシアン基から成るグループから選択されることを特徴とする請求項20に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項30】
前記抗菌剤は少なくとも1つの有機酸を含むことを特徴とする請求項20に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項31】
前記抗菌剤は、少なくともクエン酸を含むことを特徴とする請求項30に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項32】
前記吸収促進剤は、少なくともナトリウムラウリル硫酸塩を含むことを特徴とする請求項20に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項33】
前記吸収促進剤は、約0.5から約10mg/平方インチの付加割合を持つことを特徴とする請求項20に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項34】
前記吸収促進剤は、少なくとも1つの外側層の少なくとも一部に付与されることを特徴とする請求項20に記載の多層ティッシュ製品。
【請求項35】
前記多層ティッシュ製品は、顔用ティッシュ、浴用ティッシュ、紙タオル、拭き布、及びナプキンから成るグループから選択されることを特徴とする請求項20に記載の多層ティッシュ製品。

【図1】
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【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図1H】
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【図1I】
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【図2】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図3】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図3H】
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【図3I】
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【公表番号】特表2008−501685(P2008−501685A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515068(P2007−515068)
【出願日】平成17年4月1日(2005.4.1)
【国際出願番号】PCT/US2005/011095
【国際公開番号】WO2005/120228
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】