説明

自動車用内外装材及びそれを用いた成形品

【課題】引張強度が高いことに加えて、引張伸び及び衝撃強度にも優れる自動車内外装材及びその成形品を提供する。
【解決手段】下記(イ)成分及び下記(ロ)成分を含有し、下記(イ)成分100重量部に対して、下記(ロ)成分1〜100重量部を含有する樹脂組成物からなる自動車用内外装材。
[(イ)成分]:ポリ乳酸
[(ロ)成分]:カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシル基、イソシアネート基及びオキサゾリン基の群から選択される少なくとも1種の官能基を有する水素添加ジエン系重合体

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリ乳酸及び特定の官能基を有する水素添加ジエン系重合体を含有する樹脂組成物からなる自動車用内外装材及びそれを用いた成形品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、バンパー、インストルメントパネル、ファンシュラウド、コンソールボックス、グローブボックス、トリム、センターピラー、ドアトリム等の自動車用の内外装部品を成形するための材料(以下、「自動車用内外装材」と記す)としては、α−オレフィン系重合体からなる樹脂やゴムを主たる成分とし、これにタルクを加えた樹脂組成物が用いられてきた(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
また、近年、植物由来の澱粉から得られ、石油資源に依存する必要がないポリ乳酸が注目されており、このポリ乳酸を自動車用内外装材として用いることも試みられている。
【0004】
例えば、ポリ乳酸と特定構造の軟質ポリアミドを含有するポリ乳酸複合材料(特許文献3参照)、或いは天然ゴムや合成ゴムからなる分散相がポリ乳酸の連続相中に分散されており、その前記分散相の平均直径が100μm以下であるポリマーブレンド材料(特許文献4参照)を自動車用内外装材に用いることが提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開平9−137035号公報
【特許文献2】特開平11−323071号公報
【特許文献3】特開2004−51835号公報
【特許文献4】特開2004−143315号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1〜4に記載の材料は、自動車用内外装材として特に要求される引張強度、引張伸び及び耐衝撃性の点で十分に満足できるものではないという課題が残されており、なお改善の余地を残すものであった。
【0007】
本発明は、前記のような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、引張強度が高いことに加えて、引張伸び及び衝撃強度にも優れた自動車用内外装材及びその成形品を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上述のような従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリ乳酸及び特定の官能基を有する水素添加ジエン系重合体を含有する樹脂組成物によって自動車用内外装材を構成することによって、上記課題が解決されることに想到し、本発明を完成させた。具体的には、本発明により、以下の自動車用内外装材及び成形品が提供される。
【0009】
[1] 下記(イ)成分及び下記(ロ)成分を含有し、下記(イ)成分100重量部に対して、下記(ロ)成分1〜100重量部を含有する樹脂組成物からなる自動車用内外装材。
[(イ)成分]:ポリ乳酸
[(ロ)成分]:カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシル基、イソシアネート基及びオキサゾリン基の群から選択される少なくとも1種の官能基を有する水素添加ジエン系重合体
【0010】
[2] 下記(イ)成分、下記(ロ)成分及び下記(ハ)成分を含有し、下記(イ)成分1〜99重量部と下記(ハ)成分99〜1重量部(但し、下記(イ)成分と下記(ハ)成分の合計は100重量部)とからなる樹脂成分100重量部に対して、下記(ロ)成分1〜100重量部を含有する樹脂組成物からなる自動車用内外装材。
[(イ)成分]:ポリ乳酸
[(ロ)成分]:カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシル基、イソシアネート基及びオキサゾリン基の群から選択される少なくとも1種の官能基を有する水素添加ジエン系重合体
[(ハ)成分]:ポリオレフィン
【0011】
[3] 前記(ロ)成分が、下記重合体ブロックB、並びに下記重合体ブロックA及び/又は下記重合体ブロックCを含むとともに、その共役ジエン部分の二重結合の少なくとも80%が水素添加された水素添加ジエン系重合体である樹脂組成物からなる前記[1]又は[2]に記載の自動車用内外装材。
[重合体ブロックA]:芳香族ビニル化合物単位を50重量%以上含有する重合体ブロック
[重合体ブロックB]:共役ジエン化合物単位を50重量%以上含有し、その1,2−結合含量及び3,4−結合含量の合計が30〜90%の範囲内である重合体ブロック
[重合体ブロックC]:共役ジエン化合物単位を50重量%以上含有し、その1,2−結合含量及び3,4−結合含量の合計が30%未満である重合体ブロック
【0012】
[4] 前記(ロ)成分は、前記官能基としてアミノ基を有する水素添加ジエン系重合体である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の自動車用内外装材。
【0013】
[5] 前記[1]〜[4]のいずれかに記載の自動車用内外装材からなる成形品。
【発明の効果】
【0014】
本発明の自動車内外装材及びその成形品は、引張強度が高いことに加えて、引張伸び及び衝撃強度にも優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の自動車用内外装材及び成形品を実施するための最良の形態について具体的に説明する。但し、本発明は、その発明特定事項を備える全ての実施形態を包含するものであり、以下に示す実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書においては、「単量体Xに由来する繰り返し単位」を単に「X単位」と記す場合がある。
【0016】
[1]自動車用内外装材:
本発明の自動車用内外装材は、必須成分として、ポリ乳酸((イ)成分)及び特定の官能基を有する水素添加ジエン系重合体((ロ)成分)を含有する樹脂組成物からなるものである。以下、構成成分ごとに説明する。
【0017】
[1−1(イ)]ポリ乳酸((イ)成分):
本明細書において「ポリ乳酸」というときは、L−乳酸及び/又はD−乳酸由来の繰り返し単位(乳酸単位)を主成分として含む重合体を意味する。(イ)成分は乳酸単位を主成分とするものであればその含有率は特に限定されないが、乳酸単位を80モル%以上含むものが好ましく、90モル%以上含むものが更に好ましい。
【0018】
(イ)成分としては、自動車用内外装材の耐熱性を向上させるという観点から、光学純度が高い乳酸単位から構成されているものを用いることが好ましい。具体的には、L−乳酸単位又はD−乳酸単位のいずれか一方が80モル%以上含まれるものを用いることが好ましく、90モル%以上含まれるものを用いることが更に好ましく、95モル%以上含まれるものを用いることが特に好ましい。
【0019】
(イ)成分は、乳酸単位以外の単量体単位を含むものであってもよい。他の単量体単位としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、フマル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸等の多価カルボン酸類;ビスフェノールA、ビスフェノールにエチレンオキシドを付加反応させた芳香族多価アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の多価アルコール類;グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸類;グリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類;等を挙げることができる。
【0020】
前記の乳酸単位以外の単量体単位については、本発明の効果を阻害しないという観点から、その含有率が20モル%未満であることが好ましく、10モル%未満であることが好ましい。
【0021】
(イ)成分の分子量や分子量分布について特に制限はない。従って、実質的に成形加工が可能の範囲で適宜選択すればよい。そのような観点からは、重量平均分子量は1万以上であることが好ましく、4万以上であることが更に好ましく、8万以上であることが特に好ましい。なお、ここにいう「重量平均分子量」とは、溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノールを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリメタクリル酸メチル換算の重量平均分子量を意味するものとする。
【0022】
(イ)成分の融点についても特に制限はないが、120℃以上であることが好ましく、140℃以上であることが更に好ましい。なお、(イ)成分の融点は示差走査熱量計(DSC)により測定することができる。
【0023】
(イ)成分は従来公知のポリ乳酸製造法により製造することができる。具体的には、乳酸からの直接重合法やラクチドを介する開環重合法等の方法を挙げることができる。
【0024】
[1−1(ロ)]特定の官能基を有する水素添加ジエン系重合体((ロ)成分):
本明細書において「水素添加ジエン系重合体」というときは、共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を含む重合体(共役ジエン系重合体)を基本骨格とし、その共役ジエン化合物に由来する二重結合の少なくとも80%が水素添加された重合体を意味する。
【0025】
「共役ジエン化合物」としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、ミルセン及びクロロプレン等を挙げることができる。(ロ)成分としては、原料となる単量体の入手容易性、重合性の観点から、また、耐衝撃性や耐寒性に優れた自動車用内外装材を得られるという理由から、1,3−ブタジエン単位又はイソプレン単位を含む重合体を基本骨格とするものが好ましい。
【0026】
(ロ)成分は、共役ジエン系重合体を基本骨格とし、その共役ジエン化合物に由来する二重結合の少なくとも80%が水素添加された重合体であればよいが、耐候性や耐熱性に優れた自動車用内外装材を得るという観点から、前記二重結合の90%以上が水素添加された重合体であることが好ましく、95%以上が水素添加された重合体であることが更に好ましい。
【0027】
(ロ)成分は、基本骨格となる共役ジエン系重合体中に共役ジエン化合物以外の単量体を含むものであってもよい。例えば、スチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン及びビニルピリジン等の芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位等を挙げることができる。共役ジエン化合物以外の単量体としては、原料となる単量体の入手容易性、重合性の観点から、また、耐熱性に優れた自動車用内外装材を得られるという理由から、スチレン単位又はtert−ブチルスチレン単位を含む重合体を基本骨格とするものが好ましい。
【0028】
前記のように芳香族ビニル化合物を含む場合における共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との重量比は100:0〜20:80であることが好ましく、97:3〜40:60であることが更に好ましい。重量比が20:80を超えると、(ロ)成分のガラス転移点が高くなりすぎ、自動車用内外装材の耐衝撃性や耐寒性が低下するという不具合が生ずる傾向にあり好ましくない。
【0029】
また、(ロ)成分としては、下記重合体ブロックB、並びに下記重合体ブロックA及び/又は下記重合体ブロックCを含むものが好ましい。即ち、下記重合体ブロックBを必須の重合体ブロックとし、更に下記重合体ブロックA及び下記重合体ブロックCのうちの少なくとも1種の重合体ブロックを含む水素添加ジエン系重合体であることが好ましい。
[重合体ブロックA]:芳香族ビニル化合物を50重量%以上含有する重合体ブロック
[重合体ブロックB]:共役ジエン化合物を50重量%以上含有し、その1,2−結合含量及び3,4−結合含量の合計が30〜90%の範囲内である重合体ブロック
[重合体ブロックC]:共役ジエン化合物を50重量%以上含有し、その1,2−結合含量及び3,4−結合含量の合計が30%未満である重合体ブロック
【0030】
前記の「重合体ブロックB、並びに重合体ブロックA及び/又は重合体ブロックCを含む水素添加ジエン系重合体」としては、例えば、(A)−(B)、(B)−(C)、[(A)−(B)]x−Y、[(B)−(C)]x−Y、(A)−(B)−(C)、(C)−(B)−(C)、(A)−(B)−(A)、[(A)−(B)−(C)]x−Y、[(A)−(B)−(A)]x−Y、[(B)−(C)−(B)]x−Y、(A)−(B)−(A)−(B)、(B)−(A)−(B)−(A)、(B)−(C)−(B)−(C)、(C)−(B)−(C)−(B)、[(A)−(B)−(A)−(B)]x−Y、(A)−(B)−(A)−(B)−(A)、[(A)−(B)−(A)−(B)−(A)]x−Y、[(B)−(A)]x−Y、[(C)−(B)]x−Y、(B)−(A)−(B)−(C)、(B)−(A)−(C)−(A)及び[(C)−(A)−(B)−(C)]x−Y等のブロック共重合体を挙げることができる。
(但し、(A):重合体ブロックA、(B):重合体ブロックB、(C):重合体ブロックC、x:2以上の整数、Y:カップリング剤残基、を示す)
【0031】
このような2種以上のブロックを含むブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物又は共役ジエン化合物の含有率がブロック中で連続的に変化するテーパー型、又はランダム型であってもよい。
【0032】
また、重合体をペレット形状とする場合には、水添ジエン系重合体の外側のブロック成分として少なくとも1つ以上のブロックA及び/又はブロックCを含むブロック共重合体とすることが好ましい。
【0033】
なお、「カップリング剤」としては、例えば、メチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、テトラクロロシラン、ジブロモエタン、テトラクロロ錫、ブチルトリクロロ錫、テトラクロロゲルマニウム、ビス(トリクロロシリル)エタン等のハロゲン化合物;エポキシ化大豆油等のエポキシ化合物;アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジメチル、ジメチルテレフタル酸、ジエチルテレフタル酸等のカルボニル化合物、ジビニルベンゼン等のポリビニル化合物;ポリイソシアネート;等を挙げることができる。
【0034】
(ロ)成分の分子量については特に制限はないが、重量平均分子量が3万〜200万であることが好ましく、4万〜100万であることが更に好ましく、5万〜50万であることが特に好ましい。重量平均分子量が3万未満であると、自動車用内外装材の強度や寸法安定性が低下するという不具合が生ずる傾向にあり好ましくない。一方、重量平均分子量が200万を超えると、(ロ)成分の溶液粘度や溶融粘度が高くなりすぎ、自動車用内外装材の加工性や生産性が低下するという不具合が生ずる傾向にあり好ましくない。なお、ここにいう「重量平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量を意味するものとする。
【0035】
(ロ)成分は、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシル基、イソシアネート基及びオキサゾリン基の群から選択される少なくとも1種の官能基を有する重合体であることが必要である。これらの官能基を有することによって、(イ)成分との相互作用が高まり、(イ)成分と(ロ)成分との相溶性が向上するという好ましい効果が発揮される。(ロ)成分としては、(イ)成分との相互作用が高いアミノ基を有する重合体が好ましく、1級アミノ基を有する重合体が更に好ましい。
【0036】
(ロ)成分としては、前記官能基を平均0.01〜100(個/1分子)有している重合体であることが好ましく、平均0.1〜10(個/1分子)有している重合体であることが更に好ましい。官能基の数が平均0.01(個/1分子)未満であると(イ)成分との相互作用が低下し、(イ)成分との相溶性が低下するという不具合が生ずる傾向にあり好ましくない。一方、官能基の数が100(個/1分子)を超えると自動車用内外装材の流動性や加工性が低下するという不具合が生ずる傾向にあり好ましくない。但し、本発明の自動車用内外装材には、前記官能基を有しない水素添加ジエン系重合体が含有されていてもよい。
【0037】
(ロ)成分は、例えば、下記(a)〜(e)のいずれかに記載の方法により製造することができる。
【0038】
製法(a):
製法(a)は、共役ジエン化合物を単独で、或いは、共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物を、有機アルカリ金属化合物の存在下でブロック共重合し、その共重合体を水素添加して得られた水素添加ジエン系重合体に、下記一般式(1)で示される(メタ)アクリロイル基含有化合物、下記一般式(2)で示されるエポキシ基含有化合物及び無水マレイン酸の群から選択される少なくとも1種を、溶液中ないしは押し出し機等の混練機中で反応する方法である。
【0039】
【化1】

〔一般式(1)中、R1は水素原子又はメチル基、Aは単結合又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、X1はアルコキシシリル基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基又はオキサゾリン基、qはアミノ基の場合1〜3の整数、その他の官能基の場合1を示す。〕
【0040】
【化2】

〔一般式(2)中、R2は炭素数2〜18のアルケニル基、Xはカルボニルオキシ基、メチレンオキシ基又はフェニレンオキシ基を示す。〕
【0041】
製法(a)により得られる重合体としては、例えば、無水マレイン酸変性スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体、無水マレイン酸変性スチレン−エチレン・プロピレンースチレンブロック共重合体、無水マレイン酸変性スチレン−エチレン・ブチレン・プロピレンースチレンブロック共重合体、エポキシ変性スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体、エポキシ変性スチレン−エチレン・プロピレンースチレンブロック共重合体、エポキシ変性スチレン−エチレン・ブチレン・プロピレンースチレンブロック共重合体等を挙げることができる。
【0042】
製法(b):
製法(b)は、共役ジエン化合物を単独で、或いは、共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物を、下記一般式(3)又は(4)で示される、アミノ基を有する有機アルカリ金属化合物の存在下でブロック共重合した後、その共重合体を水素添加する方法である。
【0043】
【化3】

〔一般式(3)中、R3及びR4は双方が炭素数3〜18のトリアルキルシリル基、又はいずれか一方が前記トリアルキルシリル基、他方が炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基若しくは炭素数1〜100のオルガノシロキシ基、R5は炭素数1〜20のアルキレン基又はアルキリデン基を示す。〕
【0044】
【化4】

〔一般式(4)中、R5は、炭素数1〜20のアルキレン基又はアルキリデン基、R6は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基又は炭素数1〜100のオルガノシロキシ基を示す。〕
【0045】
前記一般式(3)又は(4)で示される有機アルカリ金属化合物としては、例えば、3−リチオ−1−[N,N−ビス(トリメチルシリル)]アミノプロパン、2−リチオ−1−[N,N−ビス(トリメチルシリル)]アミノエタン、3−リチオ−2,2−ジメチル−1−[N,N−ビス(トリメチルシリル)]アミノプロパン、2,2,5,5−テトラメチル−1−(3−リチオプロピル)−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン、2,2,5,5−テトラメチル−1−(3−リチオ−2,2−ジメチル−プロピル)−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン、2,2,5,5−テトラメチル−1−(2−リチオエチル)−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン、3−リチオ−1−[N−(tert−ブチル−ジメチルシリル)−N−トリメチルシリル]アミノプロパン、3−リチオ−1−(N−メチル−N−トリメチルシリル)アミノプロパン及び3−リチオ−1−(N−エチル−N−トリメチルシリル)アミノプロパン等を挙げることができる。
【0046】
製法(c):
製法(c)は、共役ジエン化合物を単独で、或いは、共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物を、下記一般式(5)又は(6)に示される、アミノ基を有する不飽和単量体と、有機アルカリ金属化合物の存在下でブロック共重合した後、その重合体を水素添加する方法である。
【0047】
【化5】

〔一般式(5)中、R7及びR8は双方が炭素数3〜18のトリアルキルシリル基、又はいずれか一方が前記トリアルキルシリル基、他方が炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基若しくは炭素数1〜100のオルガノシロキシ基、nは1〜3の整数を示す。〕
【0048】
【化6】

〔一般式(6)中、R7及びR8は双方が炭素数3〜18のトリアルキルシリル基、又はいずれか一方が前記トリアルキルシリル基、他方が炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基若しくは炭素数1〜100のオルガノシロキシ基、R9は炭素数1〜20のアルキレン基又はアルキリデン基、nは1〜3の整数を示す。〕
【0049】
前記一般式(5)又は(6)で示される不飽和単量体としては、例えば、p−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]スチレン、p−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノメチル]スチレン、p−{2−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]エチル}スチレン、m−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]スチレン、p−(N−メチル−N−トリメチルシリルアミノ)スチレン及びp−(N−メチル−N−トリメチルシリルアミノメチル)スチレン等を挙げることができる。
【0050】
製法(d):
製法(d)は、共役ジエン化合物を単独で、或いは、共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物を、有機アルカリ金属化合物の存在下でブロック共重合し、得られた共重合体の活性点に下記一般式(7)で示されるアルコキシシラン化合物を反応させた後、その重合体を水素添加する方法である。
10(4-m-n)Si(OR11mn :(7)
〔一般式(7)中、R10は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基又は炭素数1〜100のオルガノシロキシ基を示す。R10が複数ある場合は、各々のR10は同じ官能基であっても異なる官能基であってもよい。R11は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基を示す。OR11が複数ある場合は、各々のR11は同じ官能基であっても異なる官能基であってもよい。XはN原子を含む極性基を有する置換基を示す。Xが複数ある場合は、各々のXは同じ官能基であっても異なる官能基であってもよい。また、各々のXは独立の置換基であっても環状構造を形成していてもよい。m及びnは1〜3の整数を示す。但し、mとnの和は1〜4の整数である。〕
【0051】
前記一般式(7)で示されるアルコキシシラン化合物としては、例えば、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルジメチルエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルジメチルエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルジメチルメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジメトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピルトリメトキシシラン、
【0052】
N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピルトリエトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピルジメチルエトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピルジメチルメトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルジメチルエトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルジメチルメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、
【0053】
N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン、
【0054】
N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(メチルジメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(メチルジメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(メチルジメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(メチルジメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(メチルジメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン、
【0055】
N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(ジメチルメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(ジメチルメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(ジメチルメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(ジメチルメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(ジメチルメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン等を挙げることができる。
【0056】
製法(e):
製法(e)は、共役ジエン化合物を単独で、或いは、共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物を、有機アルカリ金属化合物の存在下でブロック共重合し、得られた共重合体の活性点に、エポキシ化合物又はケトン化合物又は上記一般式(3)〜(7)を除く含窒素化合物を反応させた重合体とした後、その重合体を水素添加する方法である。
【0057】
「エポキシ化合物」としてはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が、「ケトン化合物」としてはアセトン、ベンゾフェノン等が、前記一般式(3)〜(7)を除く含窒素化合物としては下記一般式(8)で示される含窒素化合物等を挙げることができる。
1213C=N−Y :(8)
〔一般式(8)中、R12及びR13は各々が同一若しくは異なった水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基又は炭素数1〜100のオルガノシロキシ基、Yは水素原子、炭素数3〜18のトリアルキルシリル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基又は炭素数1〜100のオルガノシロキシ基を示す。〕
【0058】
前記一般式(8)で示される含窒素化合物としては、例えば、N−ベンジリデンメチルアミン、N−ベンジリデンエチルアミン、N−ベンジリデンブチルアミン及びN−ベンジリデンアニリン等を挙げることができる。
【0059】
本発明の自動車用内外装材は、(イ)成分100重量部に対して、(ロ)成分1〜100重量部を含有するものであることが必要であり、(ロ)成分2〜50重量部を含有するものであることが好ましく、(ロ)成分3〜30重量部を含有するものであることが更に好ましい。(ロ)成分が1重量部未満であると自動車用内外装材の耐衝撃性が低下する傾向にあり好ましくない。一方、(ロ)成分が100重量部を超えると本発明の自動車用内外装材の剛性、引張強度が低下する傾向にあり、成形品の成形外観が悪化するおそれがあるため好ましくない。
【0060】
[1−1(ハ)]ポリオレフィン((ハ)成分):
本発明の自動車用内外装材は、(イ)成分及び(ロ)成分に加えて、ポリオレフィン((ハ)成分)を含有するものが好ましい。(ハ)成分を混合することによって、自動車用内外装材の成形性や寸法安定性等を向上させることができる。また、比較的高価なポリ乳酸((イ)成分)に(ハ)成分を混合することによって、より安価な自動車用内外装材を得ることができる。
【0061】
本明細書において「ポリオレフィン」というときは、1種又は2種以上のエチレン及び/又はα−オレフィンを高圧法ないし低圧法のいずれかの方法により重合して得られる重合体を意味する。「α−オレフィン」としては、例えば、プロペン(以下、「プロピレン」と記す)、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン等の炭素数3〜12のα−オレフィンを挙げることができる。
【0062】
「ポリオレフィン」としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン樹脂、メチルペンテン樹脂等を挙げることができ、これらのうちの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。「ポリエチレン系樹脂」としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。「ポリプロピレン系樹脂」としては、例えば、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、プロピレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン共重合体等を挙げることができる。これらのポリオレフィンの中では、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂を用いることが好ましい。
【0063】
「ポリエチレン系樹脂」を用いる場合、そのメルトフローレート(MFR)は、0.01〜300g/10分であることが好ましく、0.1〜100g/10分であることがより好ましい。MFRが0.01g/10分未満であると、自動車用内外装材の混練加工性、押出加工性等が不十分となる傾向にあり好ましくない。一方、300g/10分を超えると自動車用内外装材の強度が低下する傾向にあり好ましくない。なお、ここにいう「メルトフローレート」は、ASTM−D1238に記載の方法に準拠して、190℃、21.2N荷重下で測定されたメルトフローレートを意味するものとする。
【0064】
(ハ)成分を含有せしめる場合には、(イ)成分1〜99重量部と(ハ)成分99〜1重量部(但し、(イ)成分と(ハ)成分の合計は100重量部)とからなる樹脂成分100重量部に対して、(ロ)成分1〜100重量部を含有する樹脂組成物とすることが好ましい。(ハ)成分が1重量部未満であると、(ハ)成分の添加効果(成形性や寸法安定性の向上効果)が不十分となる傾向がある。100重量部を超えると、剛性不足という不具合を生じるおそれがある。
【0065】
[1−1(ニ)]その他の添加物:
本発明の自動車用内外装材には、その物性を損なわない限りにおいて、(イ)成分〜(ハ)成分以外の副次的添加物を加えることができる。副次的添加物としては、例えば、安定剤、酸化防止剤、離型剤、紫外線吸収剤、各種充填材、滑剤、可塑剤、着色防止剤、着色剤、抗菌剤、核形成剤、帯電防止剤等を挙げることができる。
【0066】
安定剤は、耐加水分解性を向上させる目的で添加する添加物であり、例えば、エポキシ系安定剤等を用いることができる。「エポキシ系安定剤」としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートを用いることが好ましい。酸化防止剤としては、例えば、リン系安定剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、エポキシ系安定剤及びイオウ系安定剤等を挙げることができる。
【0067】
核形成剤としては、例えば、リン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム、リン酸ビス(4−t−ブチルフェニル)ナトリウム、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、アルキル置換ジベンジリデンソルビトール、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール等を挙げることができる。
【0068】
帯電防止剤としては、例えば、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、脂肪族アミン及び脂肪族アマイドの硫酸塩類、脂肪族アルコールリン酸エステル塩類、ホルマリン縮合のナフタリンスルホン塩類、脂肪族アミン塩類、第4級アンモニウム塩類、アルキルピリジニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類及びイミダゾリン誘導体等を挙げることができる。
【0069】
[1−2]製造方法:
本発明の自動車用内外装材は、前記構成成分を溶融混合することにより、極めて容易に製造することができる。混合方法や混合装置は、特に限定されないが、混練効率の高い二軸押し出し機やバンバリーミキサー等を用いることが好ましく、また、連続的な処理が可能な装置を用いる方が工業的に有利で好ましい。この際の溶融混合温度としては150〜240℃の範囲内とすることが好ましい。
【0070】
[2]成形品:
本発明の自動車用内外装材は、従来公知の成形方法、例えば、プレス成形、射出成形、押出し成形、パウダースラッシュ成形等の成形方法により成形品とすることができる。このような成形品は自動車用内外装材、具体的には、バンパー、インストルメントパネル、ファンシュラウド、コンソールボックス、グローブボックス、トリム、センターピラー、ドアトリム等をはじめとする自動車用の内外装部品として特に好適に用いることができる。
【実施例】
【0071】
以下、本発明の自動車用内外装材について実施例を用いて更に具体的に説明する。但し、これらの実施例は本発明の一部の実施形態を示すものに過ぎない。従って、本発明がこれらの実施例に限定して解釈されるべきではない。なお、実施例、比較例中の部及び%は、特に断らない限り重量基準である。
【0072】
〔1〕(ロ)成分の合成及び評価:
本発明の自動車用内外装材を説明するのに先立って、その原料となる(ロ)成分(特定の官能基を有する水素添加ジエン系重合体)を合成した。その合成方法を参考例として示す。なお、(ロ)成分の物性値については以下の方法により測定し、評価した。
【0073】
(1)ビニル結合含量(1,2−結合含量及び3,4−結合含量):
赤外分析法を用い、ハンプトン法により算出した。
【0074】
(2)結合スチレン含量:
四塩化炭素を溶媒として用い、270MHz、1H−NMRスペクトルから算出した。
【0075】
(3)重量平均分子量:
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、商品名:HLC−8120、東ソー社製)を用いてポリスチレン換算の重量平均分子量を求めた。
【0076】
(4)MFR(メルトフローレート):
JIS K7210に記載の方法に準拠して、230℃、21.2N荷重の条件で測定した。
【0077】
(5)官能基含量(個/ポリマー):
「官能基含量」とは、重合体中の官能基の割合を意味し、下記式(9)により表すことができる。
官能基含量=官能基(個)/ポリマー(一分子鎖) :(9)
この官能基含量については、Analy.Chem.564(1952)記載のアミン滴定法に準拠して定量した。即ち、(ロ)成分を精製した後、有機溶剤に溶解し、指示薬としてメチルバイオレットを用い、溶液の色が紫から水色に変化するまでHClO4/CH3COOHを滴下し、その滴下量から官能基含量を算出した。
【0078】
(6)共役ジエンの水素添加率:
四塩化炭素を溶媒として用い、270MHz、1H−NMRスペクトルから算出した。
【0079】
(参考例1/(ロ)成分の合成例1)
窒素置換された内容積50リットルの反応容器に、シクロヘキサン(25kg)、テトラヒドロフラン(750g)、スチレン(2,000g)及び3−リチオ−1−N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロパン(14.4g)を加え、50℃からの断熱重合を行った。反応完結後、温度を20℃として1,3−ブタジエン(2,500g)を添加し、更に断熱重合を行った。30分後、スチレン(500g)を添加し、更に重合を行った。
【0080】
重合が完結した後、水素ガスを0.4MPa−Gaugeの圧力で供給し、20分間撹拌し、リビングアニオンとして生きているポリマー末端リチウムと反応させ、水素化リチウムとした。反応溶液を90℃にし、チタノセンジクロリドを主体とする触媒を使用して水素添加反応を行った。水素の吸収が終了した時点で、反応溶液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出し、次いで反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒をスチームストリッピングにより除去することによって、構造がA−B−A型の水素添加ジエン系重合体を得た(「重合体−1」と記す)。
【0081】
重合体−1の分子特性を測定したところ、ポリブタジエンブロック(重合体ブロックB)のビニル結合含量は80%、水素添加前ポリマーの結合スチレン含量は50重量%、重量平均分子量は10万、MFRは2.7g/10分、官能基含量は1.0個/ポリマー、水素添加率は98%であった。
【0082】
(参考例2/(ロ)成分の合成例2)
窒素置換された内容積50リットルの反応容器に、シクロヘキサン(25kg)、テトラヒドロフラン(750g)、スチレン(500g)及び2,2,5,5−テトラメチル−1−(3−リチオプロピル)−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン(14.5g)を加え、50℃からの断熱重合を行った。反応完結後、温度を20℃として1,3−ブタジエン(4,250g)を添加し、更に断熱重合を行った。30分後、スチレン(250g)を添加し、更に重合を行った。
【0083】
重合が完結した後、参考例1と同様にして、水素添加反応及びスチームストリッピングによる溶媒除去をすることによって、構造がA−B−A型の水素添加ジエン系重合体を得た(「重合体−2」と記す)。重合体−2の分子特性を測定したところ、ポリブタジエンブロック(重合体ブロックB)のビニル結合含量は78%、水素添加前ポリマーの結合スチレン含量は15重量%、重量平均分子量は12万、MFRは22.1g/10分、官能基含量は0.98個/ポリマー、水素添加率は97%であった。
【0084】
(参考例3/(ロ)成分の合成例3)
窒素置換された内容積50リットルの反応容器に、シクロヘキサン(25kg)、テトラヒドロフラン(750g)、スチレン(500g)及びn−ブチルリチウム(4.5g)を加え、50℃からの断熱重合を行った。反応完結後、温度を20℃として1,3−ブタジエン(4,250g)を添加し、更に断熱重合を行った。30分後、スチレン(250g)を添加し、更に重合を行った。次いで、この系内に4−{2−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]エチル}スチレン(37g)を加えて30分反応させ、前記の重合により得られたジエン系重合体の活性点に導入した。
【0085】
反応が完結した後、参考例1と同様にして、水素添加反応及びスチームストリッピングによる溶媒除去をすることによって、構造がA−B−A型のアミノ基含有水素添加ジエン系重合体を得た(「重合体−3」と記す)。重合体−3の分子特性を測定したところ、ポリブタジエンブロック(重合体ブロックB)のビニル結合含量は79%、水素添加前ポリマーの結合スチレン含量は15重量%、重量平均分子量は12万、MFRは17.4g/10分、官能基含量は1.77個/ポリマー、水素添加率は99%であった。
【0086】
(参考例4/(ロ)成分の合成例4)
脱気・脱水したシクロヘキサン(30kg)、1,3−ブタジエン(1,000g)を仕込んだ後、テトラヒドロフラン(1.5g)及びn−ブチルリチウム(4g)を加え、60℃からの断熱重合を40分行った(重合1段目)。反応終了後、反応液を30℃とし、テトラヒドロフラン(60g)及び1,3−ブタジエン(3,750g)を添加し、更に断熱重合を行った(重合2段目)。転化率がほぼ100%になった後、スチレン(250g)を添加し、更に重合を行った。その後、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン(17g)を加えて30分反応させ、前記の重合により得られたジエン系重合体の活性点に導入した。
【0087】
反応が完結した後、参考例1と同様にして、水素添加反応及びスチームストリッピングによる溶媒除去をすることによって、構造がC−B−A型のアミノ基含有水素添加ジエン系重合体を得た(「重合体−4」と記す)。重合体−4((ロ)成分の基本骨格となる共役ジエン系重合体)の物性値を測定したところ、重合1段目のポリブタジエンブロック(重合体ブロックC)のビニル結合含量は15%、重合2段目ポリブタジエンブロック(重合体ブロックB)のビニル結合含量は42%、水素添加前ポリマーの結合スチレン含量は5重量%、重量平均分子量は14万、MFRは2.4g/10分、官能基含量は0.89個/ポリマー、水素添加率は99%であった。
【0088】
(参考例5/(ロ)成分の合成例5)
窒素置換された内容積50リットルの反応容器に、シクロヘキサン(25kg)、テトラヒドロフラン(1.25g)、1,3−ブタジエン(1,500g)及びn−ブチルリチウム(4.3g)を加え、70℃からの断熱重合を行った。反応完結後、温度を20℃としてテトラヒドロフラン(750g)及び1,3−ブタジエン(3,500g)を添加し、更に断熱重合を行った。次いで、この系内にN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン(8g)を加えて30分間反応させ、前記の重合により得られたジエン系重合体の活性点に導入した。
【0089】
反応が完結した後、参考例1と同様にして、水素添加反応及びスチームストリッピングによる溶媒除去をすることによって、構造がC−B−C型のアミノ基含有水素添加ジエン系重合体を得た(「重合体−5」と記す)。重合体−5の物性値を測定したところ、重合1段目のポリブタジエンブロック(重合体ブロックC)のビニル結合含量は14%、重合2段目ポリブタジエンブロック(重合体ブロックB)のビニル結合含量は80%、水素添加前ポリマーの結合スチレン含量は5重量%、重量平均分子量は30万、MFRは0.7g/10分、官能基含量は0.83個/ポリマー、水素添加率は97%であった。
【0090】
(参考例6/(ロ)成分の合成例6)
窒素置換された内容積50リットルの反応容器に、シクロヘキサン(25kg)、テトラヒドロフラン(750g)、スチレン(500g)及びn−ブチルリチウム(4.2g)を加え、50℃からの断熱重合を行った。反応完結後、温度を20℃として1,3−ブタジエン(4,250g)を添加し、更に断熱重合を行った。30分後、スチレン(250g)を添加し、更に重合を行った。次いで、この系内にベンジリデンエチルアミン(7.8g)を加えて30分間反応させ、前記の重合により得られたジエン系重合体の活性点に導入した。
【0091】
そして、反応溶液を80℃以上にして系内に水素を導入した。次いで、Pd−BaSO4触媒(13g)を加え、水素圧2.0MPaを保つようにして1時間反応させた。反応後、反応溶液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出し、次いで、反応溶液を水中に撹拌投入し、水蒸気蒸留により溶媒を除去することによって、構造がA−B−A型のアミノ基含有水素添加ジエン系重合体(重合体−6)を得た。重合体−6の分子特性を測定したところ、ポリブタジエンブロック(重合体ブロックB)のビニル結合含量は80%、水素添加前ポリマーの結合スチレン含量は15重量%、重量平均分子量は13万、MFRは4.4g/10分、官能基含量は0.84個/ポリマー、水素添加率は98%であった。
【0092】
〔2〕自動車用内外装材の製造:
(実施例1)
(イ)成分として、ポリ乳酸(融点150℃、トヨタ自動車社製)50重量部、(ロ)成分として、前記〔1〕で合成した「重合体−1」15重量部及び(ハ)成分として、ポリプロピレン(表中、「PP」と記す)50重量部を各々真空乾燥機により十分に水分率を減少させた後、混合し、40mmφ押出機(池貝社製)を用いて200℃に加熱・混練してストランドとし、更にこれをペレタイザーで切断することにより、ペレット化した。得られたペレットを真空乾燥機を用いて乾燥することにより、実施例1の自動車用内外装材を得た。その評価結果を表1に示す。
【0093】
【表1】

【0094】
(実施例2〜8)
(イ)成分、(ロ)成分、(ハ)成分の種類及び量を表1に記載のように変更したことを除いては、実施例1と同様にして、実施例2〜8の自動車用内外装材を得た。その結果を表1に示す。
【0095】
(比較例1〜2)
(ロ)成分に代えて、(ロ)成分の比較対象となる成分(表中、「(ロ)’成分」と記す)を用いたことを除いては、実施例1と同様にして、比較例1〜2の自動車用内外装材を得た。その結果を表1に示す。
【0096】
(実施例9〜11、比較例3)
(ロ)成分の種類及び量を表2に記載のように変更したことを除いては、実施例1と同様にして、実施例9〜11の自動車用内外装材を得た。その結果を表2に示す。また、実施例11の自動車用内外装材をTEM(透過型顕微鏡)により拡大した画像を示す顕微鏡写真を図1に、比較例3の自動車用内外装材をTEMにより拡大した画像を示す顕微鏡写真を図2に示す。
【0097】
【表2】

【0098】
なお、実施例1〜11、比較例1〜3では、(イ)成分、(ロ)成分、(ハ)成分及び(ロ)’成分としては、以下のものを用いた。
[(イ)成分]:ポリ乳酸(融点150℃、トヨタ自動車社製)
[(ロ)成分]:前記〔1〕で合成した「重合体−1」〜「重合体6」
[(ハ)成分]:ポリプロピレン(PP、商品名:BC3L、日本ポリプロ社製)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE、商品名:UF440、日本ポリケム社製)
[(ロ)’成分]:無水マレイン酸変性エチレン・プロピレンゴム(MAH−EP、商品名「T7761」、JSR社製)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体水添物(SEBS、商品名「DYNARON8601P」、JSR社製)
【0099】
〔3〕自動車用内外装材の評価:
自動車用内外装材の物性値を以下の方法により測定し、評価した。その結果を表1と表2に示す。なお、評価用サンプルとしては、前記〔2〕で製造した実施例1〜11及び比較例1〜3の自動車用内外装材をプレス成形機を用いて150×150×2mmのシート状に成形した試験片(プレス成形品)、又は前記〔2〕で製造した自動車用内外装材を射出成形機を用いて150×150×2mmのシート状に成形して試験片(射出成形品)を用いた。
【0100】
(1)引張伸び率(%):
前記試験片についてJIS K7113に記載の方法に準拠して、23℃、湿度50%における引張伸び率(%)を測定した。引張伸び率が20%以上のものを良好、20%未満のものを不良として評価した。
【0101】
(2)引張応力(N/mm2):
前記試験片についてJIS K7113に記載の方法に準拠して、23℃、湿度50%における引張応力を測定した。引張応力が10N/mm2以上のものを良好、10N/mm2未満のものを不良として評価した。
【0102】
(3)IZOD衝撃強度(23℃、kJ/m2):
前記試験片についてJIS K7110に記載の方法に準拠して、23℃におけるIZOD衝撃強度を測定した。IZOD衝撃強度が5kJ/m2以上のものを良好、5kJ/m2未満のものを不良として評価した。
【0103】
[評価結果]:
実施例1〜11の自動車内外装材はプレス成形品、射出成形品のいずれの場合にも引張強度が高く、引張伸び及び衝撃強度にも優れており、良好な結果を示した。中でも、(イ)成分50重量部と(ハ)成分50重量部に対して(ロ)成分を20重量部含有させた実施例11の自動車内外装材は、引張強度、引張伸び及び衝撃強度のいずれにおいても特に優れており、極めて良好な結果を示した。(イ)成分と(ロ)成分だけの2成分系より、(イ)成分と(ハ)成分に(ロ)成分を含有させた3成分系のほうが物性のバランスは良好であった。
【0104】
これに対し、比較例1〜3の自動車内外装材はプレス成形品、射出成形品のいずれとした場合にも引張伸び及び衝撃強度に劣るものであった。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明の自動車内外装材及びその成形品は、引張強度が高いことに加えて、引張伸び及び衝撃強度にも優れるので、バンパー、インストルメントパネル、ファンシュラウド、コンソールボックス、グローブボックス、トリム、センターピラー、ドアトリム等をはじめとする自動車用の内外装部品を成形するための材料として特に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】実施例11の自動車用内外装材をTEMにより拡大した画像を示す顕微鏡写真である。
【図2】比較例3の自動車用内外装材をTEMにより拡大した画像を示す顕微鏡写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(イ)成分及び下記(ロ)成分を含有し、
下記(イ)成分100重量部に対して、下記(ロ)成分1〜100重量部を含有する樹脂組成物からなる自動車用内外装材。
[(イ)成分]:ポリ乳酸
[(ロ)成分]:カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシル基、イソシアネート基及びオキサゾリン基の群から選択される少なくとも1種の官能基を有する水素添加ジエン系重合体
【請求項2】
下記(イ)成分、下記(ロ)成分及び下記(ハ)成分を含有し、
下記(イ)成分1〜99重量部と下記(ハ)成分99〜1重量部(但し、下記(イ)成分と下記(ハ)成分の合計は100重量部)とからなる樹脂成分100重量部に対して、下記(ロ)成分1〜100重量部を含有する樹脂組成物からなる自動車用内外装材。
[(イ)成分]:ポリ乳酸
[(ロ)成分]:カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシル基、イソシアネート基及びオキサゾリン基の群から選択される少なくとも1種の官能基を有する水素添加ジエン系重合体
[(ハ)成分]:ポリオレフィン
【請求項3】
前記(ロ)成分が、下記重合体ブロックB、並びに下記重合体ブロックA及び/又は下記重合体ブロックCを含むとともに、その共役ジエン部分の二重結合の少なくとも80%が水素添加された水素添加ジエン系重合体である樹脂組成物からなる請求項1又は2に記載の自動車用内外装材。
[重合体ブロックA]:芳香族ビニル化合物単位を50重量%以上含有する重合体ブロック
[重合体ブロックB]:共役ジエン化合物単位を50重量%以上含有し、その1,2−結合含量及び3,4−結合含量の合計が30〜90%の範囲内である重合体ブロック
[重合体ブロックC]:共役ジエン化合物単位を50重量%以上含有し、その1,2−結合含量及び3,4−結合含量の合計が30%未満である重合体ブロック
【請求項4】
前記(ロ)成分は、前記官能基としてアミノ基を有する水素添加ジエン系重合体である請求項1〜3のいずれか一項に記載の自動車用内外装材。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の自動車用内外装材からなる成形品。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−63475(P2007−63475A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−253610(P2005−253610)
【出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】