説明

自律走行車および自律走行方法

【課題】飛行体と連携して走行先の死角を無くし、走行できる自律走行車を提供する。
【解決手段】飛行体12が自律走行車11を観測することにより得られた自律走行車11の走行履歴と飛行体12が自律走行車11の周辺を観測することにより得られた第1の観測区画毎の自律走行車11の走行可否と第1の観測区画毎の座標とを受信する受信手段と、自車両の位置の履歴を記憶する走行履歴作成手段と、自車両の周辺を観測し、第2の観測区画毎に物体の存在有無を判定する走行可否作成手段と、飛行体12から受信した走行履歴と、走行履歴作成手段により作成された走行履歴とから座標変換行列を算出し、座標変換行列を用いて飛行体12から受信した座標を座標変換し、飛行体12から受信した走行可否と、走行可否作成手段により作成された走行可否とに基づいて、第2の観測区画毎に走行可否を算出する計算手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律走行車および自律走行方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自律走行車は、事前に設定された走行経路(あるいは、先導車から与えられた走行経路)に沿った自律走行を行う。自律走行を実現するためには、経路上の障害物を検出し、適切にその障害物を回避(あるいは障害物の前で停止)しなければならない。そのためには、車両に備え付けられたセンサで周囲の路面を観測し、その結果から、路面上の走行可否を判断する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3214122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、自律走行車の経路上のブラインドカーブの先、トンネル出口の先などのこれから進行する経路上でセンサの死角となる場所では、他の車両が止まっている、事故が起きている、対向車が来ているといった状況を判断することは不可能である。また、市街地の交差点におけるビルの谷間、前方車両の陰および歩道橋やビルなど構造物の陰といった自律走行車のセンサの死角となる場所から、人、動物、自転車、単車および車両が飛び出してくることを検出することはできない。さらに、センサが特定の方向(例えば、車両前方方向)のみを観測している場合は、その観測領域以外から接近する車両(暴走車両や酒酔い運転)等を検出することができないという問題があった。
【0005】
その問題を解決するため、交通の状況を監視する上空の飛行体(飛翔体および飛行船など)と自律走行車を連携させることが提案されていた。しかしながら、これまでその具体的な方法は提供されてこなかった。通常、自律走行車と飛行体は、それぞれが備えているGPS(Global Positioning System)が測定した緯度および経度から、自己の現在位置を推定(以下、自己位置推定と称す)する。ここで、自律走行車は、自車両の周辺を自車両に備えられたセンサを用いて観測し、緯線および経線を軸とする2次元座標系において、自律走行車の周辺の領域をある大きさのブロックで分割し、そのブロック毎に走行が可能であるか否かの情報を保持した地図(以下、走行可否グリッドマップと称す)を作成する。一方、飛行体も自律走行車の周辺を飛行体に備えられたセンサを用いて観測し、飛行体が持っている2次元座標系において、自律走行車の周辺の領域をある大きさのブロックで分割し、自律走行車の走行可否グリッドマップを作成する。
【0006】
しかしながら、自律走行車および飛行体のそれぞれのGPSの緯度および経度情報には誤差があるので、自律走行車と飛行体が持っている座標系にはそれぞれ誤差が含まれることになる。そのため、それぞれの走行可否グリッドマップの座標には、誤差が含まれることになるので、両方の走行可否グリッドマップのブロック毎の走行可否情報を統合する際には、それぞれの座標の誤差をなくす必要がある。また、自律走行車と飛行体が持っている座標系の両方が緯線および経線を軸とする座標系を持っていたとしても、それぞれの座標には誤差が含まれるため、やはりそれぞれの座標の誤差をなくす必要がある。通常の市街地等であれば、自律走行車の位置周辺の地図情報を用いることで、公知のマップマッチング法を用いて、自己位置推定の誤差をキャンセルすることができる。それに対し、地図が整備されていない環境や、走行路が特定されていない環境(草原、砂漠、荒野等)においては、上記手法は適用できないという問題があった。
【0007】
そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされていたものであり、自律走行車の周辺、走行先および走行経路上の死角を無くし、走行できる自律走行車を提供することを課題とする。また、走行可否グリッドマップの座標に誤差があっても誤差の影響を受けずに走行できる自律走行車および自律走行方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下[1]−[4]の態様を提供するものである。
[1]飛行体が自律走行車を観測することにより得られた前記自律走行車の走行履歴と前記飛行体が前記自律走行車の周辺を観測することにより得られた第1の観測区画毎の前記自律走行車の走行可否と前記第1の観測区画毎の座標とを受信する受信手段と、前記自律走行車の位置の履歴を記憶する走行履歴作成手段と、前記自律走行車の周辺を観測し、第2の観測区画毎に物体の存在有無を判定する走行可否作成手段と、前記飛行体から受信した前記走行履歴と、前記走行履歴作成手段により作成された走行履歴とから座標変換行列を算出し、前記座標変換行列を用いて前記飛行体から受信した前記座標を座標変換し、前記飛行体から受信した前記走行可否と、前記走行可否作成手段により作成された走行可否とに基づいて、前記第2の観測区画毎に走行可否を算出する計算手段と、を備えたことを特徴とする自律走行車。
本発明の第1の態様によれば、自律走行車が観測した自律走行車周囲の走行可否情報に、飛行体が観測した自律走行車周囲の走行可否情報を加えて、自律走行車周囲の走行可否を算出することができる。また、走行路が特定されていない環境(草原、砂漠、荒野等)において、走行可否グリッドマップの座標に誤差がある場合にも、その誤差の影響を受けずに自律走行できる。
【0009】
[2]前記自律走行車がこれから走行する経路上であって、まだ走行可否が判定されていない位置を抽出する計算手段と、前記位置を前記飛行体へ送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする上記[1]記載の自律走行車。
本発明の第2の態様によれば、飛行体が、自律走行車から自律走行車の経路上でまだ走行可否が判定されていない領域の指示を受信し、その領域まで飛行し、その領域を観測したことで得られる走行可否グリッドマップの情報を、自律走行車へ送信するので、経路上でまだ走行可否を判断できていない領域の走行可否を判断できる。
【0010】
[3]前記自律走行車の周辺の物体を検知する検知手段と、
前記検知手段の検知領域外であって、まだ走行可否が判定されていない位置を抽出する計算手段と、前記位置を前記飛行体へ送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする上記[1]記載の自律走行車。
本発明の第3の態様によれば、飛行体が、自律走行車から自律走行車の死角となる領域の指示を受信し、その領域まで飛行し、その領域を観測したことで得られる走行可否情報を、自律走行車へ送信するので、自律走行車に搭載されたセンサの死角領域の走行可否を判断できる。
【0011】
[4]飛行体が自律走行車を観測することにより得られた前記自律走行車の走行履歴と前記飛行体が前記自律走行車の周辺を観測することにより得られた第1の観測区画毎の前記自律走行車の走行可否と前記第1の観測区画毎の座標とを受信する受信手順と、前記自律走行車の位置の履歴を記憶する走行履歴作成手順と、前記自律走行車の周辺を観測し、第2の観測区画毎に物体の存在有無を判定する走行可否作成手順と、前記飛行体から受信した前記走行履歴と、前記走行履歴作成手順により作成された走行履歴とから座標変換行列を算出し、前記座標変換行列を用いて前記飛行体から受信した前記座標を座標変換し、前記飛行体から受信した前記走行可否と、前記走行可否作成手順により作成された走行可否とに基づいて、前記第2の観測区画毎に走行可否を算出する計算手順と、を備えたことを特徴とする自律走行方法。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明によれば、自律走行車の周辺、走行先および走行経路上の死角を無くし、走行できる自律走行車を提供することができる。また、走行可否グリッドマップの座標に誤差があっても誤差の影響を受けずに走行できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態である飛行体との連携により車の自律走行を実現するシステムの概略構成図である。
【図2】自律走行車の電気的なブロック構成図である。
【図3】飛行体の電気的なブロック構成図である。
【図4】自律走行車からみた走行可否グリッドマップおよび飛行体からみた走行可否グリッドマップを示した模式図である。
【図5】自律走行車からみた走行履歴および飛行体からみた走行履歴を示した模式図である。
【図6】飛行体の座標系から緯線および経線を軸とする座標系へ変換する変換行列の算出方法を示した模式図である。
【図7】飛行体からみた走行可否グリッドマップの座標を座標変換する方法を説明するための模式図である。
【図8】自律走行車からみた走行可否情報と飛行体からみた走行可否情報の統合方法を説明するための模式図である。
【図9】グリッドマップが重なったときの走行可否判定方法を示した表と各ブロックにおける走行可否情報の統合方法を説明するための模式図である。
【図10】自律走行車において、自律走行車の走行可否情報と飛行体から受信した自律走行車の走行可否情報とを基にブロック毎に走行可否を算出する方法を説明するためのフローチャートである。
【図11】飛行体において、飛行体からみたグリッドマップの算出方法を説明するためのフローチャートである。
【図12】自律走行車において、設定経路上にあって、まだ走行可否が判定されていないブロック(不明ブロック)の座標を抽出する方法を説明するための模式図である。
【図13】自律走行車において、不明ブロックの走行可否を算出する方法を説明するためのフローチャートである。
【図14】自律走行車において、自律走行車のレーザレーダの観測視野外にあって、まだ走行可否が判定されていないブロック(死角ブロック)の座標を抽出する方法を説明するための模式図である。
【図15】自律走行車において、死角ブロックの走行可否を算出する方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1に、本発明の実施形態である飛行体との連携により車の自律走行を実現するシステムの概略構成10を示す。同図に示すように、前方に向けてレーザレーダが設置された自律走行車11が道路14を走行している。走行先の交差点では、向かって左側に建物13があり、自律走行車11の観測視野15は建物13で遮られているため、自律走行車11は交差点に向かって左側から進入してくる車や歩行者等を検知することができない。そこで、レーザレーダを搭載した飛行体12が交差点付近まで移動し、飛行体12のレーザレーダを用いて建物13で自律走行車11の観測視野15が遮られている部分を観測することで、飛行体12による観測視野16が自律走行車11の死角になる視野を補うことができる。
【0015】
次に、自律走行車11の電気的な概略構成を説明する。図2は、自律走行車11の電気的なブロック構成図200である。同図において、自律走行車11は、制御部201と、記憶装置202と、GPS203と、レーザレーダ204と、無線送信部205と、無線受信部206と、ステアリングアクチュエーター207と、アクセル/ブレーキアクチュエーター208と、ステアリング209と、アクセル210と、ブレーキ211とを有している。
【0016】
記憶装置202は、出発地、経由地、目的地等の概略経路情報、自律走行車11がレーザレーダを用いて観測した走行可否グリッドマップおよび自律走行車11の走行履歴を保存する。
GPS203は、自律走行車11の現在位置を計測し、緯度および経度を自己位置推定部201bへ出力する。
【0017】
レーザレーダ204は、レーザレーダ制御部201cからの制御信号を受けて、仰俯角方向に異なる角度を持った複数のレーザビームを出力し、そのレーザビームに対する反射光を観測することによって、レーザレーダ204とレーザビームを反射した対象物との距離を検出する。そして、レーザビームを反射した対象物までの距離の情報(以下、距離情報と称す)、照射したレーザビームの仰俯角の情報(以下、ビーム角度と称す)および反射光の振幅を含む検出情報をレーザレーダ制御部201cに出力する。また、レーザレーダ204は、水平面内で、一定速度で回転される。そして、レーザレーダ204がレーザビームを照射した方向(以下、照射方向と称す)の情報を、レーザレーダ制御部201cに出力する。なお、以下の説明においては、上述した距離情報、ビーム角度、反射光の振幅、照射方向を合わせて、検出情報という。
【0018】
無線送信部205は、自律走行車11の走行経路、緯度および経度、自車両の走行方向、自車両の走行速度、自車両の識別番号(ID)、および自車両を識別するために車両の屋根に印字された目印または車体の屋根に取り付けられたLEDライトの点滅発光パターンといった情報を飛行体12へ無線送信する。
無線受信部206は、飛行体12が計測した自律走行車11の走行可否グリッドマップと飛行体12が観測した自律走行車11の走行履歴を飛行体12から無線受信する。
【0019】
ステアリングアクチュエーター207は、制御指令生成部201hから入力された制御信号中の車両が走行する方向の情報に基づいて、自律走行車11のステアリング209を制御する。このステアリングアクチュエーター209による制御によって、自律走行車11の進行方向が変更される。
ステアリング209は、ステアリングアクチュエーター209による制御によって、自律走行車11の車輪の向きを変える。
【0020】
アクセル/ブレーキアクチュエーター208は、制御指令生成部201hから入力された制御信号中の車両が走行する速度の情報に基づいて、自律走行車11のアクセル210およびブレーキ211を制御する。このアクセル/ブレーキアクチュエーター208による制御によって、自律走行車11が発進、加速、減速、または停止などの動作を行う。
アクセル210は、自律走行車11のエンジンの回転数を上げ、ブレーキ211は自律走行車11の速度を低下させる。
【0021】
制御部201は、走行経路計算部201aと、自己位置推定部201bと、レーザレーダ制御部201cと、グリッドマップ処理部201dと、座標変換行列計算部201eと、飛行体からみたグリッドマップの座標変換部201fと、グリッドマップ統合処理部201gと、制御指令生成部201hとを有している。ここで、図2の制御部201内の矢印は、主要な情報の流れを表しており、制御部201内のすべての部は互いに連結しているものとする。
【0022】
走行経路計算部201aは、記憶装置から出発地、経由地、目的地等の概略経路情報を読み込み、ナビゲーションシステムを用いて、走行経路(ルート)を算出し、自己位置推定部201bに出力する。
自己位置推定部201bは、GPSから自車両の緯度および経度を取得し、走行経路と自車両の緯度および経度をレーザレーダ制御部201cへ出力し、自己位置推定部201bは、自車両の緯度および経度を制御指令生成部201hに出力する。また、緯線および経線を軸とする座標系22aにおいて、各時刻における自車両の座標を、記憶装置202に保存する。これによって、各時刻における自律走行車11の走行位置(以下、走行履歴と称す)41aを読み出すことができる。図5(a)は、自律走行車11が観測した自車両の走行履歴を示した模式図であり、自律走行車の走行履歴は、走行履歴41aの各点で表される。
レーザレーダ制御部201cは、レーザレーダ204に制御信号を出力し、レーザレーダ204からレーザレーダ204の検出情報を取得し、走行経路、自車両の緯度および経度およびレーザレーダ204の検出情報をグリッドマップ処理部201dに出力する。
【0023】
グリッドマップ処理部201dは、レーザレーダ制御部201cから入力されたレーザレーダ204の検出情報の内、距離情報、ビーム角度および照射方向に基づいて、自車両の周囲にある物体の位置を特定し、座標系22a上の座標で表す。次に、グリッドマップ処理部201dは、自車両の周囲を一辺がある一定の距離の正方形(以下、ブロックと称す)で分割し、緯線および経線を軸とする座標系22aにおいて、物体の位置に基づいて、各ブロック中に物体があるか否かを判定する。グリッドマップ処理部201dは、ブロック中に、物体(人、動物、自転車、自動車などの車両、壁、その他の自律走行車の走行に障害となる物)がなければ走行可能と判定し、物体があれば走行不能と判定し、物体に遮られえてレーザビームが届かなかったブロックまたはレーザレーダ204の観測範囲外のブロックは不明と判定する。その結果、図4(a)に示すような自律走行車からみた走行可否グリッドマップ21aが得られる。その後、グリッドマップ処理部201dは、ブロック毎の中心座標、そのブロック毎の走行可否情報を記憶装置202に保存する。
【0024】
座標変換行列計算部201eは、飛行体12の進行方向を地表と平行な面に写像した線を軸として、その軸に垂直で地表と平行な線をもう1つの軸とする座標系(以下、飛行体の座標系と称す)22bを緯線および経線を軸とする座標系に変換する変換行列を算出し(詳細は後述する)、算出した変換行列をグリッドマップ座標変換部201fへ出力する。
グリッドマップ座標変換部201fは、座標変換行列計算部201eから入力された座標変換行列Tを用いて、飛行体12が観測した自律走行車の走行可否グリッドマップの各ブロックの座標を座標変換する。これによって、図7に示すように、飛行体からみた走行可否グリッドマップ情報のうち、飛行体の座標系22bで表された各ブロックの座標(図7(a))を、変換行列Tを用いて、座標系22aで表される座標(図7(b))に変換することができ、変換済みのブロック中心座標とそのブロックにおける走行可否情報を含む座標変換済みの飛行体からみた走行可否グリッドマップ(以下、座標変換済みの飛行体グリッドマップと称す)51bが得られる。
【0025】
グリッドマップ統合処理部201gは、自律走行車11が算出した自車両の走行可否グリッドマップの情報と飛行体12が算出した自律走行車11の走行可否グリッドマップの情報を統合し、ブロック毎に走行可否を算出し(詳細は後述する)、ブロックの座標と各ブロックにおける走行可否情報を制御指令生成部201hに出力する。
制御指令生成部201hは、グリッドマップ統合処理部201gから入力された各ブロックにおける走行可否情報と、自己位置推定部201bから入力された自車両の緯度および経度に基づいて、これからの走行経路を修正し、ステアリングアクチュエーター207とアクセル/ブレーキアクチュエーター208へ制御信号を出力する。
【0026】
次に、飛行体12の電気的な概略構成を説明する。図3は、飛行体12の電気的なブロック構成図300である。同図において、飛行体12は、制御部301と、無線受信部302と、操縦桿アクチュエーター303と、スロットルアクチュエーター304と、操縦桿305と、スロットル306と、センサ部307と、GPS308と、高度計309と、記憶装置310と、無線送信部311とを有している。
【0027】
無線受信部302は、自律走行車11の走行経路、緯度および経度、走行方向、走行速度、自車両の識別番号(ID)、および自律走行車11を識別するために車両の屋根に印字された目印または車両の屋根に取り付けられたLEDライトの点滅発光パターンといった情報を自律走行車11から無線受信する。
無線受信部302は、自律走行車11の走行経路、緯度および経度、走行方向、走行速度、識別番号(ID)を航路計算部301aへ出力し、自律走行車11の走行経路、走行方向、走行速度および緯度および経度を制御指令生成部301bへ出力し、自律走行車11の緯度および経度をセンサ制御部301cへ出力する。また、無線受信部302は、自律走行車11を識別するために車両の屋根に印字された目印または車両の屋根に取り付けられたLEDライトの点滅発光パターンといった情報を車両位置特定部301eへ出力する。
無線送信部311は、記憶装置310から読み出した飛行体12が観測した自律走行車11の走行履歴41bと、グリッドマップ算出部から入力された自律走行車の走行可否グリッドマップの構成情報である各ブロックの座標であって飛行体の座標系22bにおける座標とその座標における自律走行車11の走行可否を、自律走行車11に無線送信する。また、無線送信部311は、警告信号生成部301dから警告信号が入力された場合、直ちに警告信号を自律走行車11へ無線送信する。
【0028】
操縦桿アクチュエーター303は、制御指令生成部301bから入力された制御信号中の飛行体12が飛行する方向の情報に基づいて、飛行体12のスロットル306を制御する。この操縦桿アクチュエーター303による制御によって、飛行体12の進行方向が変更される。
操縦桿305は、操縦桿アクチュエーター303の制御によって、飛行体12の傾きを制御する。
スロットルアクチュエーター304は、制御指令生成部301bから入力された制御信号中の飛行体12が飛行する速度の情報に基づいて、飛行体12のスロットル306を制御する。このスロットルアクチュエーター304による制御によって、飛行体12が離陸、加速、減速、または着陸などの動作を行う。
スロットル306は、スロットルアクチュエーター304の制御によって、飛行体12のエンジンの回転数を変更する。
【0029】
センサ部307は、レーザレーダまたはカメラである。センサ部307がレーザレーダの場合、センサ制御部301cからの制御信号を受けて、レーザビームに対する反射光を観測することによって、対象物を検出する。そして、反射光の振幅の大きさをその振幅の大きさに基づいて画像の輝度値に変換した画像(以下、レーザレーダ観測画像と称す)を作成し、センサ制御部301cに出力する。
センサ部307は、センサ制御部301cの制御信号に基づいて、レーザビームの地表面と平行な面における照射方向(以下、照射方向と称す)および照射したレーザビームの仰俯角の情報(以下、ビーム角度と称す)を変更し、その情報を、センサ制御部301cに出力する。
センサ部307がカメラの場合、センサ制御部301cからの制御信号を受けて、カメラの地表面と平行な面における方向(以下、カメラ方向と称す)、カメラの仰俯角方向の角度(以下、カメラ角度と称す)を変更し、カメラで撮影する。センサ部307は、撮影した画像(以下、カメラ画像と称す)、センサ方向およびセンサ角度をセンサ制御部301cへ出力する。なお、以下の説明においては、上述したレーザレーダ観測画像とカメラ画像を合わせてセンサ画像といい、照射方向とカメラ方向を合わせてセンサ方向といい、ビーム角度とカメラ角度を合わせてセンサ角度ということとする。また、上述したセンサ方向、センサ角度、センサ画像を合わせて、センサの検出情報ということとする。
【0030】
GPS308は、飛行体12の現在位置を計測し、緯度および経度をセンサ制御部301cへ出力する。
高度計309は、飛行体12の高度を計測し、高度をセンサ制御部301cへ出力する。
記憶装置310は、車両座標計算部301fから入力された飛行体12が観測した自律走行車11の走行履歴41bを保存する。
【0031】
制御部301は、航路計算部301aと、制御指令生成部301bと、センサ制御部301cと、警告信号生成部301dと、車両位置特定部301eと、車両座標計算部301fと、グリッドマップ算出部301gとを有している。ここで、図3の制御部301内の矢印は、主要な情報の流れを表しており、制御部301内のすべての部は互いに連結しているものとする。
【0032】
航路計算部301aは、無線受信部302から入力された自律走行車11の走行経路、緯度および経度、走行方向、および走行速度に基づいて、航路を算出する。その際、自律走行車11の走行経路上に交差点があれば、その走行経路上で自律走行車から一番近い交差点まで(以下、次の交差点と称す)の航路を算出する。また、自律走行車11の走行経路上にトンネルがあれば、その走行経路上で自律走行車から一番近いトンネル(以下、次のトンネルと称す)までの航路を算出する。航路計算部301aは、上記の算出した航路を制御指令生成部301bに出力する。また、航路計算部301aは複数の自律走行車を車両の識別番号(ID)を使って識別し、複数の自律走行車を監視できる航路を算出することもできる。
【0033】
制御指令生成部301bは、無線受信部302から入力された自律走行車11の走行経路、走行方向、走行速度および緯度および経度から、飛行体12のナビゲーションシステムを用いて、自律走行車11が例えば、次の交差点の100m手前まで到達するのにかかる時間または次のトンネルの出口の100m手前まで到達するのにかかる時間(以下、到達時間と称す)を算出し、制御指令生成部301cに出力する。航路計算部301aから入力された航路と算出した自律走行車11の到達時間から、自律走行車11が次の交差点の100m手前または次のトンネルの出口の100m手前に到達する前に、交差点付近に到着するように制御信号を生成し、操縦桿アクチュエーター303とスロットルアクチュエーター304に制御信号を出力する。また、制御指令生成部301bは、飛行体12が次の交差点付近または次のトンネル付近に到達した場合、到達信号をセンサ制御部301cへ出力する。
【0034】
センサ制御部301cは、制御指令生成部301bから到達信号を受信した後に、高度計309から入力された飛行体12の高度、GPS308から入力された飛行体12の緯度および経度から、交差点がセンサの観測範囲に入るようなセンサ部307のセンサ方向およびセンサ角度を算出する。
次に、センサ制御部301cは、制御信号をセンサ部307に出力して、センサ部307のセンサ方向およびセンサ角度を算出した方向および角度に変更させる。その後、無線受信部302から取得した自律走行車11の緯度および経度から、自律走行車11のその時点における位置が、次の交差点の100m手前または次のトンネル出口の100m手前に到達したら、センサ部307がレーザレーダの場合、センサ制御部301cは制御信号をセンサ部307へ出力し、センサ部307からレーザビームを出力させ、照射光に対する反射光の強度を検知させ、レーザレーダ観測画像を作成させる。センサ部307がカメラの場合、センサ制御部301cは制御信号をセンサ部307へ出力し、カメラで撮影させる。
その後、センサ制御部301cはセンサ部307からセンサ画像、センサ角度およびセンサ方向を取得し、グリッドマップ算出部301gへ出力する。また、センサ制御部301cは、センサ画像を車両位置特定部301eへ出力し、飛行体の高度、緯度および経度、およびセンサ検知情報を車両座標計算部301fへ出力する。
【0035】
車両位置特定部301eは、センサ制御部301cから入力されたレーザレーダ観測画像から、自律走行車11の車体の形状を見つけ出し、画像に表示された車両の中心位置を特定する。
車両の形状から車体を特定できない場合であって、センサ制御部301cからレーザレーダ画像が入力された場合、車両位置特定部301eは、レーザレーダ画像中から、自律走行車11の屋根の上に取り付けられた強反射体(例えば、夜間に安全走行するため自転車につける反射テープ等)からの非常に強い反射光を反映した高い輝度値の集合を見つけ出し、その集合を自律走行車11と判定する。強反射体は自然物体とは比べ物にならない程非常に強い反射光が得られるため、この反射光を検出することで、車両位置を特定することが可能である。
車両の形状から車体を特定できない場合であって、センサ制御部301cからカメラ画像が入力された場合、車両位置特定部301eは、無線受信部302から入力された自車両を識別するために車両の屋根に印字された目印または車両の屋根に取り付けられたLEDライトの点滅発光パターンを用いて、レーザレーダ観測画像中における車両の位置を特定する。
自律走行車11のセンサ画像中の位置を特定後、車両位置特定部301eは、その画像に表示された車両の中心位置を車両座標計算部301fに出力する。
【0036】
車両座標計算部301fは、センサ制御部301cから入力された飛行体の高度、緯度および経度、センサ方向およびセンサ角度に基づいて、車両位置特定部301eから入力されたセンサ画像の画像内の画素毎の位置を飛行体の座標系22bにおける座標に変換する変換式を求める。この変換式を用いて、車両位置特定部301eから入力された画像に表示された車両の中心位置を飛行体の座標系22bにおける座標に変換し、その座標を自律走行車11の走行履歴として記憶装置310に保存する。また、車両座標計算部301fは、上記の変換式をグリッドマップ算出部301gに出力する。
記憶装置310は、各時刻における飛行体12から見た飛行体の座標22bにおける自律走行車11の走行履歴を保存する。図5(b)に、飛行体12からみた自律走行車11の走行履歴を示した模式図を示す。同図に示すように、座標系22bで表されたグリッドマップ21b上に、飛行体12に搭載のセンサ部307で観測した自律走行車11の走行履歴41bが点で表される。
【0037】
グリッドマップ算出部301gは、センサ制御部301cから入力されたセンサ部307のセンサの検出情報の内、センサ角度およびセンサ方向に基づいて、センサ画像中において、自律走行車11の周囲にある物体の位置を特定し、車両座標計算部301fから入力された変換式を用いて、その位置を飛行体の座標系22bに変換する。次に、グリッドマップ算出部301gは、センサ部307の観測領域を一辺がある一定の距離の正方形のブロックで分割し、飛行体の座標系22bにおいて、算出した物体の座標に基づいて、各ブロック中に物体があるか否かを判定する。グリッドマップ算出部301gは、ブロック中に、物体がなければ走行可能と判定し、物体があれば走行不能と判定し、物体に遮られえてレーザビームが届かなかったブロックまたはレーザレーダの観測視野16外のブロックは不明と判定する。グリッドマップ算出部301gは、車両座標計算部301fから入力された変換式を用いて、各ブロックの中心位置を飛行体12の座標系22bに変換する。その結果、図4(b)に示すような飛行体12からみた走行可否グリッドマップ21bが得られる。その後、グリッドマップ算出部301gは、ブロックの中心座標、そのブロックにおける走行可否情報を無線送信部311に出力する。
【0038】
また、グリッドマップ算出部301gは、自律走行車11の走行経路上で、トンネルの出口のブロックにおいて、走行不可と判定した場合、その走行不可情報を警告信号生成部301dに出力する。
【0039】
警告信号生成部301dは、グリッドマップ算出部301gから入力されたトンネル出口の走行不可情報に基づいて、警告信号を生成し、無線送信部に出力する。
【0040】
次に、自律走行車11の座標変換行列計算部201eにおける処理の詳細を説明する。図6に、飛行体12の座標系22bを緯線および経線を軸とする座標系22aへ変換する変換行列の算出方法を示す。同図において、座標変換行列計算部201eは、自律走行車11の走行履歴41aの各点との距離の和が最小になるような走行曲線31aを算出する。一方、図6(b)に示すように、座標変換行列計算部201eは、飛行体12からみた自律走行車11の走行履歴41bの各点との距離の和が最小になるような走行曲線31bを算出する。ここで、自律走行車と飛行体が走行履歴を記録するタイミングが一般的には同期していないので、自車両からみた走行履歴41aと飛行体からみた走行履歴41bの各点は場所が一致していない。
【0041】
この各点の場所が一致していないという不都合を解消するために、各点のマッチングではなく、走行曲線同士のマッチングをとることにする。そこで、自律走行車11の座標変換行列計算部201eは、図6(d)に示すように、自律走行車11からみた自車両の走行曲線31aと飛行体12からみた自律走行車11の走行曲線31bの二つの走行曲線が重なるように、座標系22bから座標系22aに座標変換する変換行列Tを算出する(図6(c))。ここで、この変換行列Tは最接近点を求めるアルゴリズムであるICP(Iterative Closest Point)アルゴリズムなどを用いて、それぞれの走行曲線を等分割した点同士の距離の和が最も小さくなるような回転行列を求めることで計算できる。
【0042】
次に、自律走行車11のグリッドマップ統合処理部201gにおける処理の詳細を説明する。図8は、自律走行車11からみた走行可否グリッドマップと座標変換済みの飛行体グリッドマップとを基にしてブロック毎に走行可否を算出する方法を示した模式図である。
図8(c)は、図8(a)に示す自律走行車からみた走行可否グリッドマップ21aと図8(b)に示す座標変換済みの飛行体グリッドマップ51bを座標系22aの原点で重ね合わせたことを想定したイメージ図である。
【0043】
自律走行車11のグリッドマップ統合処理部201gが、図8(a)に示す自律走行車11からみた走行可否グリッドマップ21aの各ブロックにおいて、図8(b)に示す座標変換済みの飛行体グリッドマップ51bの座標のブロックが重なるかどうか判定する。グリッドマップ51bのブロックが重なるグリッドマップ21aのブロックにおいて、グリッドマップ統合処理部201gは、図9(a)の表71に示す走行可否情報統合ルールを用いて、自律走行車からみた走行可否情報と飛行体から走行可否情報からそのブロックの走行可否を判定する。一方、グリッドマップ21bのブロックが重ならないグリッドマップ21aのブロックにおいて、グリッドマップ統合処理部201gは、自律走行車11からみた走行可否情報をそのままそのブロックの走行可否情報とする。
【0044】
次に、表71に示す走行可否情報統合ルールの適用方法について、具体的に説明する。例えば、あるブロックにおいて、自律走行車から走行可能の判定があり、飛行体から走行可能の判定がある場合、グリッドマップ統合処理部201gは走行可能と判定する。自律走行車から走行可能の判定があり、飛行体から走行不可能の判定がある場合、グリッドマップ統合処理部201gは走行不可能と判定する。自律走行車から走行可能の判定があり、飛行体から走行できるか不明の判定がある場合、グリッドマップ統合処理部201gは走行可能と判定する。なお、グリッドマップ統合処理部201gは、他の組み合わせについても、上記と同様の適用方法で、表71のルールに基づいて走行可否を判定する。
【0045】
次に、グリッドマップ統合処理部201gが走行可否を判定する際には、各ブロックの中心でブロック毎の走行可否を判断する。具体的には、図9(b)において、自律走行車11からみた走行可否グリッドマップの拡大図72aと座標変換済みの飛行体グリッドマップの拡大図72bが重なった場合には、自律走行車11のグリッドマップ統合処理部201gは、グリッドマップ拡大図72aの各ブロックの中心において、表71のルールに基づいて走行可否を判定する。
【0046】
具体的には、自律走行車11からみた走行可否グリッドマップの拡大図72aの左上のブロックにおいては、72aの判定が走行可否不明で、72aの左上のブロックの中心において、座標変換済みの飛行体グリッドマップの拡大図72bの判定が走行可否不明なので、統合結果73の左上のブロックは、走行可否不明となる。次に、72aの左下のブロックにおいては、72bのブロックが重なっていないので、統合結果73の左下のブロックは、走行可否不明のままである。次に、72aの右上のブロックにおいては、72aの判定が走行可否不明で、72aの右上のブロックの中心において72bの判定が走行不可なので、統合結果73の右上のブロックは、走行不可となる。同様にして、72aの右下のブロックにおいては、72aの判定が走行できるか不明で、72aの右下のブロックの中心において72bの判定が走行可能なので、統合結果73の右下のブロックは、走行不可となる。
【0047】
最終的に、自律走行車11のグリッドマップ統合処理部201gは、重なっているブロックにおいて、各ブロック単位で走行可否を判断することにより、図8(d)に示す統合されたグリッドマップ61の各ブロックの中心座標とその座標における走行可否情報を制御指令生成部201hに出力する。
【0048】
次に、自律走行車において、自律走行車の走行可否情報と飛行体から受信した自律走行車の走行可否情報とを基にブロック毎に走行可否を算出する処理の工程を説明する。図10は、自律走行車において、自律走行車の走行可否情報と飛行体から受信した自律走行車の走行可否情報とを基にブロック毎に走行可否を算出する方法を説明するためのフローチャートである。自律走行車11の走行経路計算部201aは、記憶装置202に保存された出発地、経由地および目的地などの概略経路情報を読み出し(ステップS1001)、出発地、経由地および目的地からナビゲーションシステムを用いて、具体的な目的地までのルート(以下、走行経路と称す)を算出する(ステップS1003)。また、自律走行車11の自己位置推定部201bは、自車両の位置情報(時刻およびその時刻における緯度および経度)を走行履歴として記憶装置202にある一定の取得周期で記録する。
【0049】
次に自律走行車11の自己位置推定部201bは、自車両に搭載されたGPSの緯度および経度情報を基に、自律走行車11の走行経路上の自己位置を推定し(ステップS1005)、自車両に搭載されたレーザレーダ204により自車両の周辺を観測する(ステップS1007)。そのレーザレーダの検知情報から、座標系22aにおいて、グリッドマップ処理部201dは、観測領域をある一定の距離の正方形の区画に区切り、そのブロックの中心座標とそのブロックにおける走行可否情報を算出する(ステップS1009)。
【0050】
自律走行車11の無線送信部205は、飛行体12に自車両の位置および走行状態を知らせるために、自車両の走行計画、緯度および経度、走行方向、走行速度、自車両の識別番号(ID)、および自律走行車11を識別するために車両の屋根に印字された目印または車体の屋根に取り付けられたLEDライトの点滅発光パターンといった情報を、飛行体12へ送信する(ステップS1011)。
【0051】
自律走行車11の無線受信部206が、飛行体からみた自律走行車11の走行可否グリッドマップと飛行体が観測した自律走行車11の走行履歴を、飛行体から受信していない場合ステップS1013 NO)、制御指令生成部201hは、それ以前に受信した古い走行可否情報と自己位置推定部201bから入力された自車両の緯度おより経度に基づいて、制御信号を生成し(ステップS1021)、その制御信号をステアリングアクチュエーター207とアクセル/ブレーキアクチュエーター208に出力し、それぞれステアリング209とアクセル210およびブレーキ211を制御して、自律走行車11の走行を制御する(ステップS1023)。
無線受信部206が、飛行体からみた自律走行車11の走行可否グリッドマップの各ブロックの座標、その各ブロックにおける走行可否情報および飛行体が観測した自律走行車11の走行履歴を、飛行体から受信した場合は(ステップS1013 YES)、それらの情報を座標変換行列計算部201eに出力する。座標変換行列計算部201eは、図6(a)に示すように、自律走行車11自身が観測した自律走行車11の走行履歴41aから、その走行履歴からの走行履歴各点の距離の和が最小になるような走行曲線31aを算出する。同様にして、座標変換行列計算部201eは、図6(b)に示すように、飛行体12が観測した自律走行車11の走行履歴41bから、その走行履歴からの走行履歴各点の距離の和が最小になるような走行曲線31bを算出する。そして、座標変換行列計算部201eは、これら二つの走行曲線31aと31bが一致するように、最接近点を求めるアルゴリズムであるICP(Iterative Closest Point)アルゴリズムなどを用いて、飛行体の座標系22bから緯線および経線を軸とする座標系22aへ変換する変換行列Tを算出する(ステップS1015)。次に、座標変換行列計算部201eは、図7に示すように、上記変換行列Tを用いて、飛行体からみた自律走行車11の走行可否グリッドマップの座標を変換する(ステップS1017)。
【0052】
次に、グリッドマップ統合処理部201gは、図8に示すように、自律走行車11から見た走行可否グリッドマップ21aの情報と座標変換済みの飛行体のグリッドマップ51bの情報に基づいて、図8(d)に示すように、グリッドマップの走行可否情報を統合し、各ブロックの中心座標とその各ブロックにおける走行可否情報を制御指令生成部201hに出力する(ステップS1019)。
【0053】
次に、制御指令生成部201hは、統合されたグリッドマップの走行可否情報と自己位置推定部201bから入力された自車両の緯度おより経度に基づいて、走行経路を変更し、自車両の速度および進行方向などの制御信号を生成し(ステップS1021)、その制御信号をステアリングアクチュエーター207とアクセル/ブレーキアクチュエーター208に出力し、それぞれステアリング209とアクセル210およびブレーキ211を制御して、自律走行車11の走行を制御する(ステップS1023)。次に、目的地に到着していない場合(ステップS1025 NO)、ステップS1005に戻る。目的地に到着した場合(ステップS1025 YES)、処理を終了する。
【0054】
図11は、飛行体において、飛行体からみたグリッドマップの算出方法を説明するためのフローチャートである。飛行体12の無線受信部302は、自律走行車11から送信された情報を受信していない場合(ステップS1101 NO)、それ以前に受信した古い情報に基づいて、制御指令部301bは制御信号を生成し(ステップS1105)、操縦桿アクチュエーター305とスロットルアクチュエーター306に制御信号を出力し、飛行体12の飛行方向と飛行速度を制御する(ステップS1107)。
飛行体12の無線受信部302が自律走行車11から送信された情報を受信した場合(ステップS1101 YES)、その情報を航路計算部301aに出力する。航路計算部301aは、飛行体12に搭載されたナビゲーションシステムにおける車両の位置から、これから車両が進む経路上に交差点があるかないか判定する。交差点があると判定した場合には、航路計算部301aは、飛行体12の航路を設定し(ステップS1103)、制御指令生成部301bへ出力する。
【0055】
制御指令生成部301bは、飛行体12に搭載されたナビゲーションシステムにおいて、無線受信部302から取得した自律走行車11の走行経路、走行速度、走行方向および緯度および経度から、例えば自律走行車11が次の交差点の100m手前に到達するまでにかかる時間を算出する。
制御指令生成部301bは、飛行体12の航路と算出した自律走行車11の到達時間から、自律走行車11が次の交差点の100m手前に到達する前に、交差点付近に到着するように、制御信号を生成し(ステップS1105)、操縦桿アクチュエーター305とスロットルアクチュエーター306に制御信号を出力し、飛行体12の飛行方向と飛行速度を制御する(ステップS1107)。制御指令生成部301bは、飛行体12が次の交差点付近に到達した場合、到達信号をセンサ制御部301cへ出力する。
【0056】
次に、センサ制御部301cは、飛行体12が交差点付近に到着し制御指令生成部301bから到達信号の入力を受けると、高度計309から入力された飛行体12の高度、GPS308から入力された飛行体12の緯度および経度から、交差点がセンサの観測範囲に入るようなセンサ部307のセンサ方向およびセンサ角度を算出する。
次に、センサ制御部301cは、制御信号をセンサ部307に出力して、センサ部307のセンサ方向およびセンサ角度を算出した方向および角度に変更させる。その後、無線受信部302から取得した自律走行車11の緯度および経度から、自律走行車11のその時点における位置が、次の交差点の100m手前に到達したら、センサ制御部301cは、センサ部307を制御してセンサ画像、センサ方向およびセンサ角度といったセンサの検知情報を取得し(ステップS1109)、センサ画像を画像位置特定部301eに出力し、飛行体の高度、緯度および経度、およびセンサ検知情報を車両座標計算部301fへ出力し、センサの検知情報をグリッドマップ算出部301gに出力する。
【0057】
次に、グリッドマップ算出部301gは、センサ制御部301cから入力されたセンサの検知情報から、自律走行車11の走行経路上に障害物があると判定した場合には、判定結果を警告信号生成部301dに出力する(ステップS1111 YES)。次に、警告信号生成部301dは警告信号を生成し、無線送信部311に出力する。警告信号生成部301dから警告信号が入力された無線送信部311は、自律走行車11へ警告信号を無線送信する(ステップS1113)。
【0058】
一方、グリッドマップ算出部301gが、センサ部307の検出情報から、自律走行車11の走行経路上に障害物がないと判定した場合(ステップS1111 NO)、車両の画像位置特定部301eは、センサ画像中から自律走行車11を特定する(ステップS1115)。次に、車両座標計算部301fは、レーザレーダ観測画像中の自律走行車11の位置を飛行体の座標系22bにおける座標に変換し(ステップS1117)、その変換後の座標とその時の時刻を走行履歴として記憶装置310に保存する。
【0059】
次に、グリッドマップ生成部301gは、センサ部307の観測領域をある一定の距離の正方形の区画に区切り、センサ部307の検知情報を基に、その区画毎に自律走行車11の走行可否を判定し、そのブロックの飛行体の座標系22bにおける中心座標とその座標における自律走行車の走行可否情報を算出し(ステップS1119)、それらの情報を無線送信部311に出力する。
【0060】
次に、飛行体12の無線送信部311は、自律走行車11の走行履歴、飛行体12からみた自律走行車の走行可否グリッドマップの各ブロックの中心座標およびその各ブロックの走行可否情報を自律走行車11へ無線送信する(ステップS1123)。次に、自律走行車11が目的地に到着していない場合(ステップS1125 NO)、無線受信部302は自律走行車11からの情報の受信を待つ。自律走行車11が目的地に到着した場合(ステップS1125 YES)、処理を終了する。
【0061】
以上により、自律走行車の走行曲線と飛行体からみた自律走行車の走行曲線が一致するように変換行列Tを求め、その変換行列Tを用いて飛行体からみた走行可否グリッドマップの座標を変換し、自律走行車からみた走行可否情報と飛行体からみた走行可否情報を統合することにより、自律走行車の周辺、走行先および走行経路上の死角を無くすことができる。また、地図情報を用いることができない走行路が特定されていない環境(草原、砂漠、荒野等)においても、自己位置推定の誤差の影響を受けずに走行できる。
【0062】
なお、飛行体12は自律走行車11が進む経路上にある交差点付近だけでなく、以下のようにして、トンネルの出口付近を観察するようにしてもよい。航路計算部301aがナビゲーションシステムにおける自律走行車11の位置から、これから自律走行車11が進む経路上にトンネルがあるか判定する。トンネルがあると判定した場合、飛行体12の航路計算部301aは次のトンネル出口付近までの航路を設定し、制御指令生成部301bへ出力する。
【0063】
飛行体12の制御指令生成部301bは、飛行体12のナビゲーションシステムにおいて、自律走行車11から送られてきた自律走行車11の走行経路、緯度および経度、進行方向および走行速度から、自律走行車11の次のトンネル出口の100m手前までにかかる時間を算出し、センサ制御部301cへ出力する。
制御指令部301bは、飛行体12の航路と算出された到達時間から、自律走行車11がトンネル出口の100m手前に到達する前に、トンネル出口付近に到着するように、操縦桿とスロットルの制御信号を生成し、操縦桿305とスロットル306を制御して、飛行体12の飛行方向と飛行速度を制御し、飛行体12を出口上空に先行させる。トンネル出口付近到着後、レーザ制御部301cはトンネル出口付近をセンサ部307で観測し、グリッドマップ算出部301gは、センサ画像からトンネル出口付近における障害物の有無を判定する。障害物があると判定した場合には、制御指令部301bは、操縦桿アクチュエーター303とスロットルアクチュエーター304に制御信号を出力することにより、飛行体12をトンネル出口近くまで降下させる。次に、警告信号生成部301dは、トンネル内に向けて警告信号を無線送信部311から自律走行車11へ無線送信する。
【0064】
次に、第2の実施形態について説明する。図12は、自律走行車11において、設定経路92上にあって、まだ走行可否が判定されていないブロック(以下、不明ブロックと称す)の座標を抽出する方法を説明するための模式図である。自律走行車11のグリッドマップ処理部201dは、図12(a)に示す自律走行車11からみた走行可否グリッドマップ21aから、不明ブロックを抽出し(図12(b))、不明ブロックの座標を無線送信部205に出力する。
【0065】
なお、自律走行車11のグリッドマップ処理部201dは、全ての走行上の不明ブロックを抽出するのではなく、自律走行車11に最も近いブロックから、所定個数の設定経路上の不明ブロックを抽出し(図12(c))、不明ブロックの座標を無線送信部205に出力してもよい。これにより、必要度の高い領域のブロックを優先的に無線送信部205に出力することができる。
【0066】
次に、自律走行車11において、不明ブロックの走行可否を算出する方法を説明する。図13は、自律走行車11において、不明ブロックの走行可否を算出する方法を説明するためのフローチャートである。自律走行車11におけるステップS1301からステップS1309までの処理は、図10のフローチャートにおけるステップS1001からステップS1009までの処理と同じであるので、省略する。
【0067】
次に、自律走行車11のグリッドマップ処理部201dは、図12(a)に示すように、自律走行車11が作成した走行可否グリッドマップ21aと走行経路計算部201aが算出した走行経路とを比較し(ステップS1311)、不明ブロックを抽出し(ステップS1313)、そのブロックの座標を無線送信部205へ出力する。その際、図12(c)に示すように、抽出したブロックの内、所定のブロック数(あるいは、所定の距離範囲内)のブロックだけ抽出し、そのブロックの座標を無線送信部205へ出力しても良い。これによって、飛行体12が必要度の高いエリアを優先的に観測することができる。
【0068】
その後、自律走行車11の無線送信部205は、不明ブロックの座標、自車両の走行計画、緯度および経度、進行方向、走行速度、自車両の識別番号(ID)、および自車両を識別するために車両の屋根に印字された目印または車体の屋根に取り付けられたLEDライトの点滅発光パターンといった情報を、を飛行体12へ無線送信する(ステップS1315)。
【0069】
次に、飛行体12における処理は、第1の実施形態において説明した図11のフローチャートと類似しているので、概略を簡単に説明する。飛行体12の無線受信部302は、不明ブロックの座標等の情報を受信し、その不明ブロックを観測するように、航路計算部301aは不明ブロック付近までの航路を設定する。航路に基づいて、制御指令生成部301bは、操縦桿アクチュエーター303とスロットルアクチュエーター304に制御信号を出力し、飛行体12の飛行方向および飛行速度を制御する。不明ブロック付近に到着後、センサ制御部301cは、センサを用いて周辺を観測し、センサ画像を車両位置特定部301eに出力する。車両位置特定部301eは、画像中の車両位置を特定し、車両座標計算部301fは、車両の座標系22bにおける座標を算出し、車両の座標とその時刻を走行履歴として記憶装置310に保存する。次に、グリッドマップ生成部301gは、センサ制御部301cから入力されたセンサ検知情報から、センサ観測領域をブロックに分割し、各ブロックの中心座標とその各ブロックの走行可否情報を算出する。無線送信部311は、各ブロックの中心座標、その各ブロックの走行可否情報および記憶装置310から読み出した飛行体12からみた自律走行車11の走行履歴を自律走行車11へ送信する。
【0070】
次に、自律走行車11におけるステップS1317からステップS1329までの処理は、図10のフローチャートにおけるステップS1013からステップS1025までの処理と同じであるので、省略する。
【0071】
以上により、自律走行車11が不明ブロックの座標を抽出し、その座標を受信した飛行体が不明ブロック付近の走行可否情報を算出し、その走行可否情報を受信した自律走行車が不明ブロックの走行可否を判定することにより、自律走行車は、走行経路上でまだ走行可否が判定されていないブロックの走行可否を判定できる。
【0072】
次に、第3の実施形態について説明する。図14は、自律走行車11において、自律走行車11のレーザレーダ204の観測視野15外にあって、まだ走行可否が判定されていないブロック(以下、死角ブロックと称す)の座標を抽出する方法を説明するための模式図である。自律走行車11のグリッドマップ処理部201dは、図14(a)に示す自律走行車11からみた走行可否グリッドマップ21aから、死角ブロックを抽出し(図14(b))、死角ブロックの座標を無線送信部205に出力する。
【0073】
なお、自律走行車11のグリッドマップ処理部201dは、全ての死角ブロックを抽出するのではなく、自律走行車11に近いほうから所定個数の死角ブロックを抽出し(図12(c))、その抽出した死角ブロックの座標を無線送信部205に出力してもよい。これにより、必要度の高い領域のブロックを優先的に無線送信部205に出力することができる。
【0074】
次に、自律走行車11において、死角ブロックの走行可否を算出する方法を説明する。図15は、自律走行車11において、死角ブロックの走行可否を算出する方法を説明するためのフローチャートである。自律走行車11におけるステップS1501からステップS1509までの処理は、図10のフローチャートにおけるステップS1001からステップS1009までの処理と同じであるので、省略する。
【0075】
次に、自律走行車11のグリッドマップ処理部201dは、図14(a)に示すように、自律走行車11が作成した走行可否グリッドマップ21aと自律走行車11のレーザレーダ204の観測領域とを比較し(ステップS1511)、死角ブロックを抽出し(ステップS1513)、その死角ブロックの座標を無線送信部205へ出力する。その際、図14(c)に示すように、抽出したブロックの内、所定のブロック数(あるいは、所定の距離範囲内)のブロックだけ抽出し、そのブロックの座標を無線送信部205へ出力しても良い。これによって、飛行体12が必要度の高いエリアを優先的に観測することができる。
【0076】
その後、自律走行車11の無線送信部205は、死角ブロックの座標、自自車両の緯度および経度、進行方向、走行速度、車両の識別番号(ID)および自車両を識別するために車両の屋根に印字された目印または車体の屋根に取り付けられたLEDライトの点滅発光パターンといった情報を飛行体12へ無線送信する(ステップS1515)。
【0077】
次に、飛行体12における処理は、実施形態1の図11のフローチャートと類似しているので、概略を簡単に説明する。飛行体12の無線受信部302は、死角ブロックの座標等の情報を受信する。その死角ブロックを観測するように、航路計算部301aは死角ブロック付近までの航路を設定する。航路に基づいて、制御指令生成部301bは、操縦桿アクチュエーター303とスロットルアクチュエーター304へ制御信号を出力し、飛行体12の飛行方向および飛行速度を制御する。死角ブロック到着後に、センサ制御部301cは、センサを用いて周辺を観測し、センサ画像を車両位置特定部301eに出力する。車両位置特定部301eは、画像中の車両位置を特定する。次に、車両座標計算部301fは、車両の座標を算出し、車両の座標とその時刻を走行履歴として記憶装置310に記録する。次に、グリッドマップ生成部301gは、センサ観測領域をブロックに区画し、各ブロックの中心座標とその各ブロックにおける走行可否情報を算出する。無線送信部311は、各ブロックの中心座標、その各ブロックにおける走行可否情報および記憶装置310から読み出した飛行体12からみた自律走行車11の走行履歴を自律走行車11へ送信する。
【0078】
次に、自律走行車11におけるステップS1517からステップS1529までの処理は、図10のフローチャートにおけるステップS1013からステップS1025までの処理と同じであるので、省略する。
【0079】
以上により、自律走行車が死角ブロックの座標を抽出し、その座標を受信した飛行体が死角ブロック付近の走行可否情報を算出し、その走行可否情報を受信した自律走行車が死角ブロックの走行可否を判定することにより、自律走行車は、自律走行車に搭載されたレーザレーダの観測視野外の領域における走行可否を判定できる。
【0080】
なお、走行可否情報を統合する際に、各ブロックにおいて、自律走行車からみた走行可否情報と飛行体からみた走行可否情報の両方が存在する場合、どちらか新しい情報を採用して、走行可否を決定してもよい。
【0081】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0082】
11 自律走行車
12 飛行体
13 建物
14 道路
15 自律走行車の観測視野
16 飛行体の観測視野
21a 自律走行車からみた走行可否グリッドマップ
21b 飛行体からみた走行可否グリッドマップ
22a 自律走行車からみた座標系
22b 飛行体からみた座標系
31a 自律走行車からみた自車の走行曲線
31b 飛行体からみた自律走行車の走行曲線
41a 自律走行車が記録した自車の走行履歴
41b 飛行体からみた自律走行車の走行履歴
41d 座標変換済みの飛行体からみた自律走行車の走行履歴
51b 座標変換済みの飛行体からみた走行可否グリッドマップ
61 統合された走行可否グリッドマップ
71 グリッドマップが重なったときの走行可否判定方法を示した表
72a 自律走行車からみた走行可否グリッドマップの拡大図
72b 飛行体からみた走行可否グリッドマップの拡大図
73 統合されたグリッドマップの拡大図
91b 経路上の不明ブロックが抽出された自律走行車からみた走行可否グリッドマップ
91c 経路上の不明ブロックのうち所定個数が抽出された自律走行車からみた走行可否グリッドマップ
92 設定経路
111b センサ死角上の不明ブロックが抽出された自律走行車からみた走行可否グリッドマップ
111c センサ死角上の不明ブロックのうち所定個数が抽出された自律走行車からみた走行可否グリッドマップ
200 自律走行車の電気的なブロック構成図
201 自律走行車の制御部
201a 走行経路計算部
201b 自己位置推定部
201c レーザレーダ制御部
201d グリッドマップ処理部
201e 座標変換行列計算部
201f グリッドマップ座標変換部
201g グリッドマップ統合処理部
201h 制御指令生成部
202 記憶装置
203 GPS
204 レーザレーダ
205 無線送信部
206 無線受信部
207 ステアリングアクチュエーター
208 アクセル/ブレーキアクチュエーター
209 ステアリング
210 アクセル
211 ブレーキ
300 飛行体の電気的なブロック構成図
301 飛行体の制御部
301a 航路計算部
301b 制御指令生成部
301c センサ制御部
301d 警告信号生成部
301e 車両位置特定部
301f 車両座標計算部
301g グリッドマップ生成部
302 無線受信部
303 操縦桿アクチュエーター
304 スロットルアクチュエーター
305 操縦桿
306 スロットル
307 センサ部
308 GPS
309 高度計
310 記憶装置
311 無線送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行体が自律走行車を観測することにより得られた前記自律走行車の走行履歴と前記飛行体が前記自律走行車の周辺を観測することにより得られた第1の観測区画毎の前記自律走行車の走行可否と前記第1の観測区画毎の座標とを受信する受信手段と、
前記自律走行車の位置の履歴を記憶する走行履歴作成手段と、
前記自律走行車の周辺を観測し、第2の観測区画毎に物体の存在有無を判定する走行可否作成手段と、
前記飛行体から受信した前記走行履歴と、前記走行履歴作成手段により作成された走行履歴とから座標変換行列を算出し、前記座標変換行列を用いて前記飛行体から受信した前記座標を座標変換し、前記飛行体から受信した前記走行可否と、前記走行可否作成手段により作成された走行可否とに基づいて、前記第2の観測区画毎に走行可否を算出する計算手段と、
を備えたことを特徴とする自律走行車。
【請求項2】
前記自律走行車がこれから走行する経路上であって、まだ走行可否が判定されていない位置を抽出する計算手段と、
前記位置を前記飛行体へ送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の自律走行車。
【請求項3】
前記自律走行車の周辺の物体を検知する検知手段と、
前記検知手段の検知領域外であって、まだ走行可否が判定されていない位置を抽出する計算手段と、
前記位置を前記飛行体へ送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の自律走行車。
【請求項4】
飛行体が自律走行車を観測することにより得られた前記自律走行車の走行履歴と前記飛行体が前記自律走行車の周辺を観測することにより得られた第1の観測区画毎の前記自律走行車の走行可否と前記第1の観測区画毎の座標とを受信する受信手順と、
前記自律走行車の位置の履歴を記憶する走行履歴作成手順と、
前記自律走行車の周辺を観測し、第2の観測区画毎に物体の存在有無を判定する走行可否作成手順と、
前記飛行体から受信した前記走行履歴と、前記走行履歴作成手順により作成された走行履歴とから座標変換行列を算出し、前記座標変換行列を用いて前記飛行体から受信した前記座標を座標変換し、前記飛行体から受信した前記走行可否と、前記走行可否作成手順により作成された走行可否とに基づいて、前記第2の観測区画毎に走行可否を算出する計算手順と、
を備えたことを特徴とする自律走行方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−108084(P2011−108084A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−263836(P2009−263836)
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】