説明

苗移植機

【課題】畦越えなどしようとして、苗植付装置を上昇させるときにエンストを起こさないようにすることができる苗移植機を提供すること。
【解決手段】車体の後側に昇降リンク装置2を介して昇降可能に装着された苗植付装置3を接地する作業位置まで下降させる操作と対地浮上する所定の非作業位置まで上昇させる操作が行える昇降操作装置110bと苗植付装置を任意の高さに上昇させることができる任意上昇操作装置110cを設け、任意上昇操作装置110cを操作すると、その上昇操作量に応じてエンストさせないようにエンジン12のアイドリング回転数を上昇させ、昇降操作装置110bを操作するとエンジンのアイドリング回転数を上昇させる作動状態であると、それを解除してアイドリング回転から元の通常回転に戻るようにしたので、畦越えしながらの植付時、エンジン12のアイドリング回転数が上昇するので、走行負荷に対処でき、エンストを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場に苗を植え付ける苗移植機に関する。
【背景技術】
【0002】
走行装置の後方に苗の植え付けなどの農作業を行う農作業部を備えた苗移植機が知られている。該苗移植機はエンジン動力を静油圧式無段変速装置(HST)で、苗植付等の作業速、路上走行などの移動速、農作業部のみを作動させるPTO速などの変速操作位置に変速制御して走行装置の駆動輪に出力する構成を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−92881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1記載の苗移植機が圃場を出ながら苗移植作業するとき、畦越えしながら苗の移植をするが、機体が前上がり姿勢に変化していくのに応じて任意上昇操作装置により農作業部を適切な高さに上昇させながら苗移植作業を行うには走行負荷が大きくなり過ぎてエンストを起こすことがあった。
【0005】
そこで、本発明の課題は、畦越えなどしょうとして、苗植付装置を上昇させるときにエンストを起こさないようにすることができる苗移植機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題は、次の解決手段により解決される。
すなわち、請求項1記載の発明は、エンジン(12)を備える走行車体と、エンジン(12)からの動力により駆動する走行車輪(7)と、走行車体の後側に昇降リンク装置(2)を介して昇降可能に装着された苗植付部(3)と、苗植付部(3)を接地する作業位置まで下降させる操作と苗植付部(3)を対地浮上する所定の非作業位置まで上昇させる操作が行える昇降操作装置(110b)と、苗植付部を任意の高さに上昇させることができる任意上昇操作装置(110c)と、任意上昇操作装置(110c)の操作があると、エンジン(12)のアイドリング回転数を上昇させるアイドリング回転数上昇装置(266)と、昇降操作装置(110b)の操作があると、アイドリング回転数上昇装置(266)によるエンジン(12)のアイドリング回転数の上昇作動を解除して元の通常回転に戻すアイドリング回転数上昇解除装置(266)を設けた苗移植機である。
【0007】
請求項2記載の発明は、苗植付部(3)を昇降させる油圧式のアクチュエータ(160)又は左右ローリングさせる油圧式のアクチュエータ(225)と、該アクチュエータ(160、225)へ圧油を供給する油圧ポンプ(270)と、該油圧ポンプ(270)へエンジン(12)の動力を伝達する伝動装置(31)と、前記アクチュエータ(160,225)が作動状態であるときエンジンの回転数を上昇させるエンジン回転数上昇装置(266)を設けた請求項1記載の苗移植機である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によれば、圃場を出ながら植付作業するとき、畦越えしながら植付けするが、機体が前上がり姿勢に変化していくのに応じて任意上昇操作装置110cにより苗植付装置3を適切な高さに上昇させながら植付作業ができる。この畦越えしながらの苗の植付時にエンジン12のアイドリング回転数が上昇するので、走行負荷に対処でき、エンストを防止できる。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の効果に加えて、アクチュエータ160,225の作動によるエンジン馬力ロスに対応でき、畦越え作業などの走行負荷が増大する状態でも、エンストを防止し、エンジン12の駆動力不足を防止して良好な走行性能が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例である乗用型田植機の全体側面図である。
【図2】図1に示す乗用型田植機の全体平面図である。
【図3】図1に示す乗用型田植機の伝動構成を示す概略平面図である。
【図4】図1に示す乗用型田植機の走行ミッションの展開図である。
【図5】図1に示す乗用型田植機の変速レバーと電動モータとの機械的連係機構の概略図である。
【図6】図1に示す乗用型田植機の変速レバーの先端部分の側面図(図6(a))と背面図(図6(b))である。
【図7】図1に示す乗用型田植機の前進ケーブルと後進ケーブルへのアクセルペダル設置部の斜視図である。
【図8】図1に示す乗用型田植機の前進ケーブルと後進ケーブルとHSTとの連結部を示す平面図である。
【図9】図1に示す乗用型田植機のローリング用シリンダ装置の背面図である。
【図10】図9のローリング用シリンダ装置の側面図である。
【図11】図9のローリング制御装置等の構成を示すブロック図である。
【図12】図9のローリング装置と昇降シリンダの油圧装置の一部の油圧回路図である。
【図13】図1に示す乗用型田植機のエンジンのガバナの開閉度を調整する機械的構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1の側面図と図2の平面図に本実施例の乗用型田植機を示し、図3に前後輪への動力伝動機構図、図4の走行ミッションの展開図を示す。
図1と図2に示すように、乗用型田植機1は走行車両に昇降用リンク装置2で作業装置の一種である苗植付装置3を設けている。乗用型田植機1は駆動輪である左右各一対の前輪6、6および後輪7、7を有する四輪駆動車両である。
なお本明細書では田植機1の前進方向に向かって左右をそれぞれ左側と右側といい、前進方向を前側、後進方向を後側という。
【0012】
図1に示すように、ステップフロア19の下方にあるメインフレーム10にミッションケース11とエンジン12が前後に配設されており、該ミッションケース11の後部上面に油圧ポンプ13(図3)が一体に組み付けられ、またミッションケース11の前部からステアリングポスト14が上方に突設されている。
【0013】
そして、ステアリングポスト14の上端部にステアリングハンドル16とメータパネル17が設けられている。機体の上部には操縦用のフロアとなるステップフロア19が取り付けられ、エンジン12の上方部に操縦席20が設置されている。
【0014】
前輪6、6は、ミッションケース11の側方に向きを変更可能に設けた前輪支持ケース22、22に軸支されている。また、後輪7、7は、ローリング杆23(図3)の左右両端部に一体に取り付けた後輪支持ケース24、24に軸支されている。ローリング杆23はメインフレーム10の後端部に突設したローリング軸25で進行方向と垂直な面内で回動自在に支持されている。また、左右の線引きマーカ223は、苗植付装置3の伝動ケース162の左右両端部に起立・転倒可能に設けられている。
【0015】
作業装置3は左右に往復動する苗載タンク163、1株分の苗を切取って土中に植込む植込杆を有する植付装置164、苗植付面を整地するフロ−ト165,166(センターフロート165は接地センサとして機能する)等からなる。
【0016】
苗植付装置3の昇降は、車体10の後側に設けた昇降用リンク装置2を介して苗植付装置3を連結し、昇降シリンダ160の伸縮によって昇降させて、非作業位置に上昇したり、対地作業位置に下降したりすることができる。また、苗植付装置3への動力伝達は、前記エンジン12からPTO伝動軸167(図1)を介して行われ、このPTO伝動軸167の伝動を入り切りするPTO(植付)クラッチ(図示せず)を介して行われる。
【0017】
HST5はハンドル16の右側に設けられる変速レバー110によって変速操作される。この変速レバー110を中立位置に操作したときは、走行駆動停止状態として、変速レバー110を前側へ操作することによって前進高速状態とし、中立位置から後側へ操作することによって後進高速状態として、変速レバー110の傾斜角度に応じて前、後進速度を増減速することができる。
【0018】
図3の前後輪6、7への動力伝動機構図に示すように、エンジン12の回転動力は、ベルト31を介して油圧ポンプ13の駆動軸であるカウンタ軸32に伝えられ、さらに該カウンタ軸32からベルト33を介して油圧式変速装置HST5の入力軸35に伝えられ、油圧式変速装置HST5の出力軸36からベルトを介してミッション入力軸34に伝えられる。
【0019】
なお、ミッション入力軸34上には、メインクラッチ43が設けられており、油圧式変速装置HST5の駆動力はメインクラッチ43を介してミッション入力軸34に伝動される。メインクラッチ43は周知の多板クラッチであり、図4の走行ミッションの展開図に示すようにメインクラッチ軸側の摩擦板44とミッション入力軸側の摩擦板45、両摩擦板を押し付けるスプリング46、切替操作用の固定部材47と摺動部材48などから構成されている。
【0020】
ミッションケース11のケーシング40の前部には、ミッション入力軸34、カウンタ軸50、走行一次軸51、走行二次軸52、植付一次軸53、植付二次軸54がそれぞれ平行に支承されている。ミッション入力軸34のギアG1とカウンタ軸50のギアG2、およびギアG2と走行一次軸51のギアG3がそれぞれ互いに噛合しており、ミッション入力軸34の回転が走行一次軸51に順方向に伝えられる。
【0021】
主変速装置Kとして、走行一次軸51に前記ギアG3とギアG4がそれぞれ定位置に嵌着され、走行二次軸52に互いに一体に成形されたギアG5、G6が軸方向に摺動自在に嵌合している。シフタ56でギアG5、G6を移動させ、ギアG4、G5が噛合すると低速の作業速、ギアG3とギアG6が噛合すると高速の路上走行速になる。
また、植付一次軸53にはギアG4に常時噛合するギアG7が嵌着されている。ギアG5、G6がいずれのギアとも噛合しない位置がニュートラルになる。
【0022】
また、株間変速装置Cとして、植付一次軸53に互いに一体に成形されたギアG9、G10が軸方向に摺動自在に嵌合しているとともに、植付二次軸54にギアG11、G12がそれぞれ取り付けられている。シフタ57でギアG9、G10を適宜に移動させることにより、ギアG9とギアG11、ギアG10とギアG11、およびギアG10とギアG12の3通りの組み合わせが得られ、3段階の株間切替を行える。植付二次軸54からベベルギアG13、G14を介して植付部伝動軸58に伝動される。
【0023】
ケーシング40の後部には、リヤアクスル60、60とフロントアクスル61、61が支承され、前記走行二次軸52からリヤデフ装置Dを介してリヤアクスル60、60に伝動されるとともに、リヤデフ装置Dからフロントデフ装置Eを介して左右フロントアクスル61、61に伝動される。そして、左右フロントアクスル61、61により各々左右前輪6、6が駆動回転される構成となっている。
【0024】
リヤデフ装置Dは、走行二次軸52のギアG15に噛合するギアG16が外周部に形成された容器63を備え、該容器内の縦軸64に取り付けた一次ベベルギアG17と左右のリヤアクスル60、60に各別に取り付けた二次ベベルギアG18、G18とが互いに噛合する状態で収納されており、各アクスルに伝動される駆動力が適宜変動するようになっている。
【0025】
フロントデフ装置Eもリヤデフ装置Dと同様の構成で、容器65、縦軸66、リヤデフ装置側のギアG19、フロントデフ装置側のギアG20、縦軸66に取り付けたベベルギアG21、フロントアクスル61に取り付けたベベルギアG22を備えている。上記リヤデフ装置Dおよびフロントデフ装置Eにはデフ機能を停止し、両アクスル60、61に駆動力が均等に伝動されるようにするデフロック装置F、Hが設けられている。このデフロック装置F(H)は、容器63(65)に形成された爪69(70)とアクスル60(61)の角棒部に嵌合するデフロック部材71(72)の爪73(74)とアクスル60(61)を互いに固定するようになっている。この後輪7のデフロック装置Fを操作するデフロックレバー91(図2)はメータパネル17に設けられている。
【0026】
なお、前輪6のデフロック装置Hは、ステップ19に設けたデフロックペダル37(図2)を踏み込むことでもデフ機能が停止される構成となっている。このデフロックレバー91及びデフロックペダル37は、操縦席20とステアリングポスト14との間に位置する操縦席20の前側のフロア19部分において、共に機体の前部に配置されており、デフロックペダル37、デフロックレバー91共に機体の左側にそれぞれ配置されている。
デフロックペダル37から足を離せば、左右前輪6、6のデフロック装置Hがデフオンとなり左右前輪6、6が差動する。
【0027】
従って、後述するブレーキペダル140及びデフロックペダル37は、操縦席20とステアリングポスト14との間に位置する操縦席20の前側のフロア19部分において操縦席20の前側で且つ右側と左側に振り分けて配置され、操縦席20に座るオペレータが左右の足で踏み込み操作する構成となっている。
【0028】
例えば、圃場の畦を乗り越えて機体を圃場から出す時等に、操縦者は機体から降りて機体の前方に立って(自分の身体をウエイト代わりにするために機体の前端部に乗って)機体を前進若しくは後進させてこの畦越えを安全に行う。
この時、左右前輪6、6の何れか又は左右後輪7、7の何れかが空回りした場合に即座に操縦者は機体前部にあるデフロックレバー91又はデフロックペダル37を容易な姿勢で操作できてデフロック状態にして安全に畦越えを行うことができる。
【0029】
リヤアクスル60、60はベベルギアG23、G24、…によってサイドクラッチ軸76、76に伝動連結され、さらに該サイドクラッチ軸76、76からリヤ出力軸77、77にサイドクラッチI、Iを介して伝動される。サイドクラッチIは多板クラッチであり、サイドクラッチ軸側の摩擦板80、リヤ出力軸側の摩擦板81を備えている。リヤ出力軸77に摺動自在に嵌合する作動筒82は、板ばね83によって両摩擦板80、81を押し付ける方向に付勢されており、常時はサイドクラッチIが入った状態となっている。シフタ85Iで作動筒82を付勢方向と逆向きに移動させると、サイドクラッチIが切れる。
【0030】
更に、リヤ出力軸77、77には後輪ブレーキ装置J、Jが設けられている。後輪ブレーキ装置Jは、リヤ出力軸77に取り付けたディスク87、…にプレッシャプレート88、…を押し付けて制動するものであり、このプレッシャプレート88、…の作動はシフタ85Jで行う。すなわち、常時はサイドクラッチIが入で、後輪ブレーキ装置Jが掛かっていない状態であり、シフタ85Iを操作して作動筒82を付勢方向と逆向きに移動させるとサイドクラッチIが切れ、シフタ85Jを操作すると後輪ブレーキ装置Jが掛かるのである。後輪ブレーキ装置Jの操作(左右シフタ85Jの操作)は、後述のステップ19上に設けたペダル140で行う。なお、左右シフタ85Iには、左右クラッチ操作アーム86Iの基部が固着されており、左右シフタ85Jには、左右ブレーキ操作アーム86Jの基部が固着されている。
【0031】
リヤ出力軸77、77の後端部はケーシング40外に突出し、この突出端部に前記後輪支持ケース24、24に伝動する左右後輪伝動軸89、89が接続されている。そして、この左右後輪伝動軸89、89により各々左右後輪7、7が駆動回転される構成となっている。
【0032】
また、デフロックレバー91を前方に操作するとデフロック、後方に操作するとデフオンとなる。従って、圃場内で苗植付作業を行なう場合には、デフロックレバー91をデフロックにし、主変速装置Kを作業速にシフトし、苗植付装置3の苗載台163に苗を載置し、各部を駆動させて前進すると、左右後輪7、7のデフロック装置Fはデフロックされてデフ機能が停止した状態であるので、機体の直進性が良くて良好な苗植付作業が行なえる。
また、路上走行の場合には、リヤデフ装置D及びフロントデフ装置E共にデフ機能が働く状態に操作すれば、安全に走行できる。
【0033】
苗植付装置3は、田植機1に昇降用リンク装置2で昇降自在に装着されているが、その昇降機構と苗植付装置3の構成について説明する。
先ず、田植機1に基部が回動自在に設けられた一般的な昇降シリンダ160(図1)のピストン上端部を昇降用リンク装置2に連結し、田植機1に設けた油圧ポンプ13(図3)にて昇降バルブ170(図12)を介して昇降シリンダ160に圧油を供給・排出して、昇降シリンダ160のピストンを伸進・縮退させて昇降用リンク装置2に連結した苗植付装置3が上下動されるように構成されている。
【0034】
苗植付装置3は、昇降用リンク装置2の後部にローリング軸を介してローリング自在に装着されたフレームを兼ねる植付伝動ケース162と、該植付伝動ケース162に設けられた支持部材に支持されて機体左右方向に往復動する苗載台163と、植付伝動ケース162の後端部に装着され前記苗載台163の下端より1株分づつの苗を分割して圃場に植え付ける苗植付け具164と、植付伝動ケース162の下部にその後部が枢支されてその前部が上下揺動自在に装着された整地体であるセンター(センサー)フロート165・サイドフロート166等にて構成されている。センターフロート165、サイドフロート166は、圃場を整地すると共に苗植付け具164にて苗が植付けられる圃場の前方を整地すべく設けられている。
【0035】
図5には変速レバー110とトラニオン軸駆動用電動モータ201との機械的連係機構の概略図を示す。
変速レバー110の基部が軸113に固着されており、該軸113には扇状ギア114も固着されている。該扇状ギア114の扇状部分に設けられた長穴114aに摺動自在にロッド115の先端部が係止されている。該ロッド115の他端部は回動支持軸117の一端部に固着された板材118に回動自在に係止されている。
【0036】
また、回動支持軸117の他端は電動モータ201の回転軸201aに設けられる駆動ギア202に噛合する大径従動ギア203の中心軸穴203aに貫通して支持されている。 回動支持軸117の中間部にはアーム119が固着されている。該アーム119の端部には回動自在のロッド120の一端が連結され、該ロッド120の他端はHST5のトラニオン軸121に直結したトラニオンアーム122の端部に連結している。
【0037】
大径従動ギア203の両側に設けられたブレーキパッド205の中心部に回動支持軸117が貫通し、また大径従動ギア203を挟んで前記ブレーキパッド205の反対側にもブレーキパッド205が配置され、該ブレーキパッド205の外側には順にワッシャ206、巻きバネ207、ワッシャ206が配置され、これらの部材205〜207の中心部は回動支持軸117を貫通して配置されている。従って外側のワッシャ206のさらに外側からボルト208で締め付けることで大径従動ギア203は2つのブレーキパッド205、205にきつく挟み込まれているので、電動モータ201の回転駆動は大径従動ギア203に伝達され、大径従動ギア203の回動は回動支持軸117とロッド120を介してトラニオンアーム122に伝達される。
なお、扇状ギア114とトラニオンアーム122の回動角度は、それぞれポテンショメータからなる操作位置センサ126、127で測定される。
【0038】
上記構成において電動モータ201の正逆回転により、大径従動ギア203もギア202を介して回動し、該大径従動ギア203の回転により回動支持軸117も回転するので、板材118、ロッド115、扇状ギア114及び軸113を介して変速レバー110を揺動させる力が働き、また回動支持軸117の回転でアーム119が回転してロッド120を介してトラニオンアーム122がトラニオン軸121を中心にして回転して、HST5のトラニオン軸121を作動させる。
【0039】
従って電動モータ201の回動が変速レバー110の作動をサポートするため、変速レバー110の操作が軽くなる。また電動モータ201が故障すると、前記大径従動ギア203は回転不能となるが、大径従動ギア203を挟んで両側にブレーキパッド205、205があるために、変速レバー110を操作すると、この動きに連動する回動支持軸117はブレーキパッド205、205を介して大径従動ギア203の中心軸穴203a内を回転する。その結果、変速レバー110を操作することができ、従ってHST5のトラニオン軸121を回転させることができる。
【0040】
上記構成では、変速レバー110の操作位置センサ126の検出結果に基づいて電動モータ201が作動して、連動機構を経由してHST5のトラニオン軸121を作動させるが、電動モータ201が故障した場合には、前記連動機構を電動モータ201との連動系統を切らなくても、回動支持軸117と大径従動ギア203との間でブレーキパッド205、205が摺動するので変速レバー110を操作することができる。
このようにパワーアシストHST5において電動モータ201が故障しても、直ちに変速レバー110を手動操作が可能になった。
【0041】
また、前記パワーアシストHST5において、手動で変速レバー110を操作する場合に、変速段が路上走行位置にあるときは、電動モータ201のアシストなしでHST5を変速させる構成とする。
これは路上走行時に電動モータ201のアシストでHST5が早すぎる動きをすると、オペレータが不意をつかれるおそれがあるので、それを防止して車両の走行安全性を高めるためである。
【0042】
また、本実施例の苗移植機1は変速レバー110を備えているが、図6に示す変速レバー110の先端部分の図(図6(a)は側面図、図6(b)は背面図)に示すように、変速レバー110のグリップの側面上側に親指で押し操作して苗植付クラッチの入切を切り替えるための植付スイッチ110aを設け、該グリップの側面下側に親指で上下に操作して苗植付装置3を所定の最高高さ位置まで上昇(上向きの操作で)と苗植付装置3を接地する高さ位置まで下降(下向きの操作で)させるための昇降操作をするための自動中立復帰式の昇降スイッチ110bを設け、該グリップの後面に植付クラッチが切り状態では押している間だけ苗植付装置3を任意の高さに下降させ、植付クラッチが入り状態では押している間だけ苗植付装置3を任意の高さに上昇させる任意昇降スイッチ110cを設けたものにおいて、グリップの前面に人差し指で左右に操作して苗植付位置の指標となるマーカ223の左右切換をするためのマーカ切換スイッチ110dを設けた構成を採用しても良い。この場合にはオペレータが変速レバー110を握ったままでマーカ223の左右の切り換えができる。
【0043】
本実施例のアイドリング回転数上昇装置(コントローラ266)は、図13に示す通り、エンジン12のガバナ303の開閉度を調整する操作アーム305の先端に接続したケーブル306と該ケーブル306を操作するガバナ駆動モータ301からなる構成を作動制御する。前記モータ301の作動用スイッチ(任意昇降スイッチ)110cをオンすることでアイドリング回転数上昇装置266によるアイドリング回転数上昇時は、前記モータ301は設定位置(例えば回転角度1度)まで駆動(回転)するが、安全のため、それ以上の回転はしない。但し、任意昇降スイッチ110cは任意下降操作装置ともなり得るので、任意昇降スイッチ110cにより苗植付装置3を上昇させたときだけアイドリング回転数上昇装置266を作動させる。
【0044】
また、図7の要部斜視図と図8の要部平面図に示すように、エンジン12のスロットル弁(図示せず)とHST5のトラニオンアーム122との間に前進側ケーブル198と後進側ケーブル199を接続して、変速レバー110の操作でエンジン12のスロットル弁の開閉度を調整してエンジン回転数を変更できる構成を採用した場合に、図7に示すアクセルペダル212とその関連部品である回動アーム213と係合部材211の動作により、アクセルペダル212を踏み込むと回動アーム213は矢印S2方向に回動し、トラニオンアーム122側のケーブル198,199は弛む側(矢印S4方向:図8)に操作されるため、トラニオンアーム122は動かない。
【0045】
すなわち、係合部材211の下側でHST側のケーブル198、199の端部とエンジン側ケーブル197の接続部の楕円形の3つの部材198a,199a,197aを遊嵌して貫通する軸部材(図示せず)がコ字状の係合部材211の両壁面に支持されている。
【0046】
前記接続部がHST側のケーブル198、199とエンジン側ケーブル197との合流部にあるため、アクセルペダル212を踏み込むと、前進側ケーブル198と後進側ケーブル199が弛む側に動き、エンジン側ケーブル197が矢印S3方向に引っ張られてスロットル弁が開く側に動く。
【0047】
次に、コントローラ266が油圧回路を経由してトラニオンアーム122を動かさないでスロットル弁を開く動きを説明する。
前進側ケーブル198と後進側ケーブル199のエンジン12側の連結部とは反対側の端部はそれぞれく字状アーム214、215の一端部に連結している。該く字状アーム214、215の他端部はHST5のケースに回動自在に接続している。そしてく字状アーム214、215の中央部が重ね合わされいて、その中心部は両方のアーム214、215に形成された凹部があり、該凹部にトラニオンアーム122に立設されたピン216が係止されて、該ピン216は、連動ピン移動用電動シリンダ200のピストンロッドの先端に一体的に取り付けられている。
【0048】
苗植付部3が上昇する側に昇降バルブ170(図12)が切り替えられたとき、又はローリング制御バルブ226が中立位置以外に切り替えられているとき、コントローラ266が連動ピン移動用電動シリンダ200を作動させると、連動ピン移動用電動シリンダ200のピストンロッドが伸びて、前進側ケーブル198に連結したく字状アーム214又は後進側ケーブル199に連結したく字状アーム215がそれぞれピン216で押されて前進側ケーブル198に連結したく字状アーム214と後進側ケーブル199に連結したく字状アーム215が矢印S5方向(図8)に引っ張られ、前進側ケーブル198と後進側ケーブル199が矢印S4方向に動き、エンジン側ケーブル197も矢印S3方向に引っ張られてスロットル弁が開放側に作動してエンジン回転数が上昇する。
【0049】
このときピン216はトラニオンアーム122とは一体でないので、連動ピン移動用電動シリンダ200のピストンロッドが伸びてもピン216がトラニオンアーム122をHST5の増速側又は減速側に作動させない。
【0050】
このように、アクセルペダル212の回動アーム213の端部に接続した係合部材211をケーブル198、199の合流部上に配置するだけでケーブル198、199の合流部の連結構成が簡単になるため、安価なペダル構成が得られる。
【0051】
上記構成により、圃場を出ながら植付作業するとき、畦越えしながら植付けするが、機体が前上がり姿勢に変化していくのに応じて任意上昇操作装置110cにより苗植付装置3を適切な高さに上昇させながら植付作業ができる。この畦越えしながらの植付時、エンジン12のアイドリング回転数が上昇するので、走行負荷に対処でき、エンストを防止できる。
【0052】
次に、ローリング用シリンダ装置225の取付部の構造を図9の該装置225の背面図と図10の該装置の側面図に基づき説明する。
ローリング用シリンダ装置225は、シリンダ本体225aから両側にピストンロッド225b,225bが突出する複動型油圧シリンダで、シリンダ本体225aと一体にローリング制御弁226が形成されている。このローリング用シリンダ装置225は、左右方向を向くようにシリンダ本体225aが縦リンク(昇降用リンク装置2の側面視平行四辺形のリンク機構の後側縦リンク)2aの上部に取り付けられ、ピストンロッド225b,225bの先端部が前記苗載台163のガイドフレーム235に固着の連結板250,250に連結されている。
【0053】
シリンダ本体225aの取り付けに関しては、縦リンク2aの上端部から上向きに突設した取付板251に側面視コ字型のシリンダ保持枠252を前後方向の軸253によって回動自在に取り付け、さらにそのシリンダ保持枠252の内部にシリンダ本体225aを上下方向の軸254,254によって回動自在に取り付けている。したがって、シリンダ本体225aは、前後方向の軸回りに回動自在かつ上下方向の軸回りに回動自在である。また、前後方向の軸253が挿通される取付板の穴255は上下に長い長穴になっているため、シリンダ本体225aは上下方向の移動に融通を持たせた状態で取り付けられている。なお、上下方向の軸254が挿通されるシリンダ保持枠252の穴を前後に長い長穴として、シリンダ本体225aを前後方向の移動に融通を持たせた状態で取り付けてもよい。
【0054】
ピストンロッド225bと連結板250の連結部256に関しては、ピストンロッド225bにねじ込み式に取り付けた第一ボール257Aと連結板250にねじ込み式に取り付けた第二ボール257Bとを突き合わせて設け、前記第一ボール257Aの外周部に摺動自在に接する第一ブーツ258Aと前記第二ボール257Bの外周部に摺動自在に接する第二ブーツ258Bとをハブ259で連結した構造をしている。すなわち、2つのボールジョイントを結合した構造であり、1個のボールだけを有する普通のボールジョイントに比べ、被連結物であるピストンロッド225bと連結板250との角度変更に対する自由度が高い。
【0055】
ローリング用シリンダ装置225を作動して、一方のピストンロッド225bを突出させ他方のピストンロッド225bを後退させると、突出側の連結板250が外側に押され、後退側の連結板250が内側に引かれることにより、苗植付装置3がローリング軸253を支点にしてローリング作動する。このローリング作動は、以下に説明するローリング制御装置によって制御する。
【0056】
図11にローリングなどの制御装置の構成を示す。走行機体に対する苗植付装置3の角度を検出するローリング角センサ261、走行機体の左右傾斜を検出する左右傾斜センサ262、走行機体2の左右傾斜の変化速度を検出する傾斜角速度センサ263、エンジン回転数を検出するエンジン回転センサ264、及び苗載台163の左右位置を検出する苗載台位置センサ265がコントローラ266の入力側に接続され、比例ソレノイド弁であるローリング制御弁226の右回り用及び左回り用のソレノイド267R,267L、及び変速モータ201がコントローラ266の出力側に接続されている。このローリング制御装置により、以下の各制御を行う。
【0057】
植付作業中に走行機体及び苗植付装置3が左右何れかに傾斜すると、これを左右傾斜センサ262及び傾斜角速度センサ263が検出し、その検出結果に基づき、苗植付装置3が左右水平に復帰する側にローリング用シリンダ装置225が伸縮するようにローリング制御弁226のソレノイド267R又は267Lに出力する。そして、ローリング角センサ261が苗植付装置3の左右水平を検出すると出力を停止する。このように制御することにより、苗植付装置3の各フロート165,166が接地して滑走する状態となり、各条の苗植付深さが一定する。
【0058】
上記ローリング制御出力は、傾斜角速度センサ263の値が所定範囲内である場合は左右傾斜センサ262の値に基づいて算出し、傾斜角速度センサ263の値が所定範囲外である場合は該傾斜角速度センサ263の値に基づいて算出する。傾斜角速度センサ263の値が所定範囲外であるということは走行機体及び苗植付装置3が急激に左右に傾いたことを意味するから、苗植付装置3のローリング作動を迅速に行う必要がある。しかしながら、ローリング用シリンダ装置225の特性上、あまり速く苗植付装置3をローリング作動させることは難しいので、実際の傾斜に制御が追いつかず浮き苗や深植えが発生するおそれがある。そこで、これを防ぐために、傾斜角速度センサ263の値に応じ、変速モータ201に出力して車速を変更するように制御する。これにより、正確なローリング制御が可能な適正車速に維持することができ、苗植付け精度を向上させられるとともに、フロート165,166による泥押しを防止できる。
【0059】
図12は油圧装置の一部を表す油圧回路図である。ローリング制御弁226により、油圧ポンプ270からの圧力油をパイロットチェック弁271Lを経由してローリング用シリンダ装置225の左シリンダ室225cLに供給する状態と、パイロットチェック弁271Rを経由してローリング用シリンダ装置225の右シリンダ室225cRに供給する状態と、何れのシリンダ室にも供給せずにタンク272に戻す状態とに切り替える。両シリンダ室225cL,225cRにつながる油圧経路間には、圧力差が一定以上になると圧力油を高圧側から低圧側へ逃す調圧弁(図示せず)が設けられている。これにより、ローリング用シリンダ装置225に一定圧以上の外力が加わった場合、調圧弁が開いて高圧側のシリンダ室から低圧側のシリンダ室に油が移動して外力を吸収し、ローリング用シリンダ装置225が破損するのを防止する。
【0060】
本発明のローリング用シリンダ装置225を備えた苗移植機では、上記苗植付装置3を昇降させる昇降シリンダ装置160が、昇降バルブ170と下降規制バルブ171を介して昇降シリンダ装置160に作動油を供給する作動状態であるとき、又は左右ローリングさせるローリング用シリンダ装置225が作動状態であるとき、エンジン12の回転数を上昇させることでエンジン12の馬力ロスに対応でき、畦越え作業など走行負荷が増大する状態でも、エンストを防止して良好な走行性能を達成できる。
【0061】
エンジン回転数上昇に連動して変速装置の変速比を増大させる構成(図8のオートアクセル機構の構成)において、圃場の耕盤が深いとき(例えば、苗植付装置3の昇降リンク装置2の昇降リンクセンサ300で検出する)、変速装置の変速比(変速装置の出力軸回転数/エンジン12からの変速装置への入力軸の回転数)に比較してエンジン回転数を優先して上昇させる構成とする。例えば、前述のアイドリング回転数上昇装置266による制御でガバナ駆動モータ301(図11)を作動させる構成、又は図5〜図8に示すHST5のピン216の移動用電動シリンダ200の作動によりエンジン出力を上げる構成にしても良い。
こうして、耕盤が深い圃場での走行負荷の増大に対処でき、エンストを防止し、エンジンの駆動力不足を防止して良好な走行性能が得られる。
【0062】
前記図8のオートアクセル機構の構成からなるエンジン回転数上昇に連動して変速装置の変速比を増大させるものにおいて、圃場の耕盤が浅いときには、エンジン回転数の上昇に比較して変速装置の変速比の上昇を優先させて変速させる構成とする。例えば、前述のアイドリング回転数上昇装置266による制御でガバナ駆動モータ301(図11)を作動させる構成、又は図5〜図8に示すHSTピン216の移動用電動シリンダ200の作動によりエンジン出力を上げる構成にしても良い。
このような構成によりエンジン回転数をむやみに増大させないので、燃料消費を低減でき、ランニングコストを抑えるとともに、省エネルギー化が図れる。環境にもよい。
【0063】
さらに前記図8のオートアクセル機構の構成からなるものにおいて、下り傾斜の時(下り傾斜は、例えば機体の前後傾斜センサ302で検出する。)、エンジン回転数に比較して変速装置の変速比を優先して制御する。例えば、上記アイドリング回転数上昇装置266による制御でガバナ駆動モータ301(図11)を作動させるか、又は上記図5〜図8に示すHSTピン216の連動ピン移動用シリンダ200の作動よりエンジン出力を制御する構成にしても良い。
こうして、エンジン回転数をむやみに増大させないので、燃料消費を低減でき、ランニングコストを抑えるとともに、省エネルギー化が図れる。環境にもよい。また、下り傾斜時にエンジンブレーキを効かせることができ、急加速を抑えて安全性が向上する。
【0064】
エンジン回転数上昇に連動して変速装置の変速比を増大させるものにおいて、上り傾斜での走行負荷の増大に対処して、変速装置の変速比に比較してエンジン回転数を優先して制御する。例えば、上記アイドリング回転数上昇装置266による制御でガバナ駆動モータ301(図11)を作動させるか、又は上記図5〜図8に示すHSTピン216の移動用電動シリンダ200の作動よりエンジン出力を上げる構成にしても良い。
こうして、上り傾斜での走行負荷の増大に対処してエンジン駆動力を上昇させることができ、良好な走行性能が得られる。
【0065】
燃料タンク(図示せず)内の燃料が所定量以下になると(例:燃料タンクセンサで検出)、操縦室のモニタ(図示せず)の燃料切れランプが点滅を開始するとともに、図示しないスロットルレバーやアクセルペダル212等のエンジン回転数変更操作具を操作しても(この操作は、通常は、スロットルレバーセンサ304やアクセルペダルセンサ307に基づいてエンジン回転数変更用のガバナ駆動モータ301を駆動する構成で行う。)、一定時間後にはエンジン回転数を低回転域の設定回転数(例えば2500rpm)に自動的に制御する(実施例:上記エンジン回転数変更用のガバナ駆動モータ301で行う。)。こうして燃料が残り少なくなると、燃料消費を自動的に抑えることができ、燃料切れを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、乗用型田植機などの作業機に適用できる。
【符号の説明】
【0067】
1 乗用型田植機 2 昇降用リンク装置
3 苗植付装置 5 HST
6 前輪 7 後輪
9 副変速レバー 10 メインフレーム
11 ミッションケース 12 エンジン
13 油圧ポンプ 14 ステアリングポスト
16 ステアリングハンドル 17 メータパネル
19 ステップフロア 20 操縦席
22 前輪支持ケース 23 ローリング杆
24 後輪支持ケース 25 ローリング軸
31、33 ベルト 32 カウンタ軸
34 ミッション入力軸 35 入力軸
36 出力軸 37 デフロックペダル
40 ケーシング 43 メインクラッチ
44、45 摩擦板 46 スプリング
47 切替操作用の固定部材 48 摺動部材
50 カウンタ軸 51 走行一次軸
52 走行二次軸 53 植付一次軸
54 植付二次軸 56、57 シフタ
58 植付部伝動軸 60 リヤアクスル
61 フロントアクスル 63、65 容器
64、66 縦軸 69、70、73、74 爪
71、72 デフロック部材 76 サイドクラッチ軸
77 リヤ出力軸 80、81 摩擦板
82 作動筒 83 板ばね
85I、85J シフタ 86I クラッチ操作アーム
85J ブレーキ操作アーム 87 ディスク
88 プレッシャプレート 89 左右後輪伝動軸
91 デフロックレバー 110 変速レバー
110a 植付スイッチ 110b 昇降スイッチ
110c 任意昇降スイッチ 110d マーカ切換スイッチ
113 軸 114 扇状ギア
114a 長穴 115 ロッド
117 回動支持軸 118 板材
119 アーム 120 ロッド
121 トラニオン軸 122 トラニオンアーム
126、127 操作位置検出センサ
140 ブレーキペダル 160 昇降シリンダ
162 植付伝動ケース 163 苗載台
164 苗植付け具 165 センターフロート
166 サイドフロート 167 PTO伝動軸
170 昇降バルブ 197 エンジン側ケーブル
198 前進側ケーブル 199 後進側ケーブル
200 支持部材移動用電動シリンダ
201 電動モータ 201a 回動軸
202 駆動ギア 203 大径従動ギア
205 ブレーキパッド 206 ワッシャ
207 巻きバネ 208 ボルト
211 係合部材 212 ペダル
213 回動アーム 214、215 く字状アーム
216 ピン 223 線引きマーカ
225 ローリング用シリンダ装置
225a シリンダ本体 225b ピストンロッド
226 ローリング制御弁 235 苗載台ガイドフレーム
250 連結板 251 取付板
252 シリンダ保持枠 253 前後方向の軸
254 上下方向の軸 255 穴
256 連結部
257A 第一ボール(ボールジョイント)
257B 第二ボール(ボールジョイント)
258A 第一ブーツ 258B 第二ブーツ
259 ハブ 261 ローリング角センサ
262 左右傾斜センサ 263 傾斜角速度センサ
264 エンジン回転センサ 265 苗載台位置センサ
266 コントローラ
267R,267L ソレノイド
270 油圧ポンプ
271L,R パイロットチェック弁
225cL,R シリンダ室 272 タンク
300 苗植付装置昇降リンクセンサ
301 ガバナ駆動用モータ 302 機体前後傾斜センサ
303 ガバナ
304 スロットルレバーセンサ
305 操作アーム 306 ケーブル
307 アクセルペダルセンサ
K 主変速装置 C 株間変速装置
D リヤデフ装置 E フロントデフ装置
F,H デフロック装置 I サイドクラッチ
J 後輪ブレーキ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン(12)を備える走行車体と、
エンジン(12)からの動力により駆動する走行車輪(7)と、
走行車体の後側に昇降リンク装置(2)を介して昇降可能に装着された苗植付部(3)と、
苗植付部(3)を接地する作業位置まで下降させる操作と苗植付部(3)を対地浮上する所定の非作業位置まで上昇させる操作が行える昇降操作装置(110b)と、
苗植付部を任意の高さに上昇させることができる任意上昇操作装置(110c)と、
任意上昇操作装置(110c)の操作があると、エンジン(12)のアイドリング回転数を上昇させるアイドリング回転数上昇装置(266)と、昇降操作装置(110b)の操作があると、アイドリング回転数上昇装置(266)によるエンジン(12)のアイドリング回転数の上昇作動を解除して元の通常回転に戻すアイドリング回転数上昇解除装置(266)を設けたことを特徴とする苗移植機。
【請求項2】
苗植付部(3)を昇降させる油圧式のアクチュエータ(160)又は左右ローリングさせる油圧式のアクチュエータ(225)と、該アクチュエータ(160、225)へ圧油を供給する油圧ポンプ(270)と、該油圧ポンプ(270)へエンジン(12)の動力を伝達する伝動装置(31)と、前記アクチュエータ(160,225)が作動状態であるときエンジンの回転数を上昇させるエンジン回転数上昇装置(266)を設けたことを特徴とする請求項1記載の苗移植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−252638(P2010−252638A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−103211(P2009−103211)
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】