説明

荷電粒子線装置

【課題】容易に調整可能で焦点深度の深い、収差補正手段を備えた走査形荷電粒子顕微鏡を提供する。
【解決手段】複数開口をもつ絞りを使用することにより、収差の補正状態をSEM画像から判定して、収差補正手段の調整にフィードバックする。略輪帯形状の絞りを収差補正手段と併用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は荷電粒子線装置に関わり、特に収差補正器を搭載した走査電子顕微鏡、電子線半導体検査装置、電子線半導体測長装置、収束イオンビーム装置などに関する。
【背景技術】
【0002】
走査電子顕微鏡(SEM)は物体の表面を光学顕微鏡よりも高分解能で観察できるため、研究用の他、近年微細化の進む半導体ウェハーパターンの測長や表面異物観察など産業用装置としても広く用いられている。半導体測長の場合、1kV以下の低加速電圧で数nmの高分解能が要求されるようになってきた。SEMの分解能は試料面上で電子ビームを如何に小さく絞れるかに左右されるので、レンズにより縮小結像された電子源の大きさのほか回折収差や電子レンズの色収差、球面収差などによって決まってくる。今まで電子光学系の工夫、特に光源の縮小率を大きくとり、加速電界、減速電界を組み合わせ対物レンズの形状を最適化して収差を小さくすることで高分解能化を進めてきた。
【0003】
しかし、光軸の周りに回転対称な対物レンズでは球面収差や色収差はゼロにできないことがScherzerにより証明されており、これら従来の方法では形状寸法、加工精度、材料、耐電圧の面から高分解能化に制約があった。そこで4極子と8極子を組み合わせた色及び球面収差補正器により対物レンズの収差をキャンセルする方法が提案され(非特許文献1)、1995年にはZachらにより収差補正器を搭載したSEMが実用化された(非特許文献2)。
【0004】
収差補正器の実際の使用にあたっては収差補正器の各極子の強さの調整、極子間のアライメントおよび対物レンズを含めた系全体でのアライメントが非常に重要である。非特許文献2には、SEM画像のボケの量、方向、対称性から多極子の制御量を判断して調整する方法が開示されている。また、非特許文献3や特表2003-521801号公報(特許文献1)には、複数のSEM画像のフーリエ変換からデコンボリューションにより各種幾何収差の大きさを推定し、多極子の制御にフィードバックする方法が開示されている。また、公表特許公報特表2005-505899号公報(特許文献2)には、非点補正を行なうに際して、荷電粒子のビームエネルギーを変調させて走査画像を取得し、像のずれや鮮鋭度の変化からカラムのアライメントをする方法が開示されている。また特開2004-355822号公報(特許文献3)には試料上の同一ラインへのビーム走査をエネルギーを変えて3回おこない、3つの画像を形成し、それらの画像間の像のずれや鮮鋭度の変化からから色収差補正器の調整を行う方法が開示されている。
【0005】
【特許文献1】公表特許公報特表2003-521801号公報
【0006】
【特許文献2】公表特許公報特表2005-505899号公報
【特許文献3】特開2004−355822号公報
【特許文献4】特開2002−124205号公報
【非特許文献1】H.Rose, Optik 33 (1971) 1〜24ページ
【非特許文献2】J.Zach and M.Haider, Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A363 (1995) 316〜325ページ
【非特許文献3】S.Uno, K.Honda, N.Nakamura, M.Matsuya,J.Zach Proc.of 8APEM (2004) 46〜47ページ
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
収差補正器を使用するにあたっては、多極子を実際にどうやって調整するかが重要であるが、多極子の操作は複雑で十分な経験を必要とする。上記「従来技術」欄で列挙した特許文献1,2では、収差補正器の調整方法の原理動作は説明されているものの、収差補正器の調整を簡単に行う手法およびそのために必要な構成を備えた装置は開示されていない。例えば、特許文献1には、球面収差補正の前段階として必要となる色収差の補正に関して全く開示がない。また、特許文献2には「非点収差は非点収差補正装置によって補償することができる」との開示があるのみで、非点収差補正装置の内部構成やその具体的な調整方法については何らの開示もない。また特許文献3の手法では複数の画像を画面上で比較しながら調整する必要がある。
【0008】
そこで、本発明は、従来よりも簡便な装置構成で操作性よく、色収差または球面収差あるいはその両方の補正をおこなえる収差補正器を備えた荷電粒子線装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
収差補正手段を備えた荷電粒子線装置において収差補正手段の調整時に多孔絞りを使用し、複数に分割されたビームをもちいて、走査荷電粒子線画像(たとえばSEM画像像やSIM画像)を形成する。試料は複数ビームで走査されるので重複した画像が得られる。その重複の方向、対称性から収差の補正状態を判定して、重複がなくなるよう収差補正器の調整にフィードバックすることにより、操作性よく色収差、球面収差の補正を行うことができる。さらに収差補正された状態で中央部の遮蔽された輪帯開口を用いて深い焦点深度を得る。
【発明の効果】
【0010】
同一の荷電粒子源から出た荷電粒子線の光軸を複数に分離しこれらが重なるように収差補正器の調整を行なう。収差補正器の調整度合いが目視確認できるため、収差補正器調整時の操作性が格段に向上する。また、目視確認しながらの調整の工程は容易に画像処理に置換えられるため、収差補正器の調整を自動化する際にも相性が良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
実施形態として、本発明を走査電子顕微鏡に応用した例を説明する。他の電子線応用装置や陽子やイオンなど他の荷電粒子線装置についてもレンズや収差補正器の構成はその種類に応じて変わるが本実施例と基本的に同一の手法が適用できる。
【実施例1】
【0012】
図1に本発明の実施例の一つである走査電子顕微鏡の概略構成を示す。本実施例の走査電子顕微鏡は、大まかに、電子線を試料上に照射ないし走査させるSEMカラム101、試料ステージが格納される試料室102、SEMカラム101や試料室102の各構成部品を制御するための制御ユニット103等により構成されている。制御ユニット103には、更に、所定の情報を格納するためのデータストレージ76や取得画像を表示するモニタ77、装置と装置ユーザとのマン・マシンインタフェースとなる操作卓78が接続されている。操作卓は、例えば、キーボードやマウスなどの情報入力手段により構成される。
【0013】
初めに、SEMカラム101内部の構成要素について説明する。ショットキー電子源1はタングステンの単結晶に、酸素とジルコニウムなどを拡散させショットキー効果を利用する電子源で、その近傍にサプレッサー電極2、引き出し電極3が設けられる。ショットキー電子源1を加熱し、引き出し電極3との間に+2kV程度の電圧を印加することにより、ショットキー電子を放出させる。サプレッサー電極2には負電圧が印加されショットキー電子源1の先端以外からの電子放出を抑制する。引き出し電極3の穴を出た電子は第1陽極4、第2陽極5で形成される静電レンズにより加速、収束された電子は、光軸60に沿って後段の構成要素へ入射する。第1コンデンサーレンズ6で収束され、可動絞り31にてビーム径を制限され、第2コンデンサーレンズ7および偏向器8を通り、収差補正器10に入射する。ここで、多孔絞りは収差補正器10の後段に配置されていても良い。偏向器8は、コンデンサーレンズ7の軸と収差補正器10の軸が一致するように調節される。本実施例では4極―8極子系の色球面収差補正器10を例に説明する。
【0014】
収差補正器10の各段で4極子、8極子を形成するがこれには12極の電極(磁極を兼ねてもよい)を用いると、4極子、8極子のほか、2極子、6極子、12極子も形成可能で電極、磁極の組み立て誤差、磁極材料の不均一性により生じる場の歪みを電気的に補正するためにそれらを使用する。収差補正器10により対物レンズ17と相殺する色収差、球面収差を与えられた電子ビームは対物レンズ17にて、試料18上に収束し、そのスポットは走査偏向器15にて試料上を走査される。引出番号38は対物アライナである。
【0015】
試料室102内部には、試料17を載置する試料載置面を備えた試料ステージ80が格納されている。電子線照射により発生する2次電子は、対物レンズ17を抜けて、反射板72に当たり電子を発生させる。発生した電子は、2次電子検出器73で検出されるが、ExB偏向器71により、反射板72に2次電子の当たる位置を調整することもできる。検出された2次電子信号は、走査と同期した輝度信号として制御コンピュータ30に取り込まれる。制御コンピュータ30は、取り込んだ輝度信号情報に対して適当な処理を行い、モニタ77上にSEM画像として表示される。検出器はここでは1つしか図示していないが、反射電子や2次電子のエネルギーや角度分布を選別して画像取得できるように、複数配置することもできる。ExB偏向器71により直接2次電子検出器73に2次電子を集める、あるいは中心に穴のあいた同軸円板状の2次電子検出器を光軸60上に配置すれば反射板72は必ずしも必要ではない。
【0016】
制御ユニット103は、電子銃電源20,制御電圧源21、加速電圧源22、第1コンデンサーレンズ電源23、第2コンデンサーレンズ電源24、偏向コイル電源25、収差補正器電源26、走査コイル電源27、対物レンズ電源28、リターディング電源29、可動絞り微動機構32、非点補正コイル電源35、対物アライナー電源37、2次電子検出器電源74,ExB偏向器電源75、試料ステージ制御機構81等により構成され、それぞれSEMカラム内の対応する構成要素と、信号伝送路や電気配線等で接続されている。
【0017】
図2には、可動絞り31の構成例を示す。図2に示される可動絞りは、通常使用されるビーム電流量制限のための円形開口310の他、色収差補正用の開口311及び312、球面収差補正用の開口317、318を備えている。紙面の都合上、311,312と317,318とは2段に分けて図示されているが、実際には一枚の板の上に形成されている。なお、開口311、312、317、318はそれぞれ複数の開口からなるが、それぞれの開口に属する1つの開口と区別する意味で、開口群311、312、317,318と呼称する。開口群311は、中心の孔の周りに90度ピッチで、つまり中心の孔に対して四回対称な位置に設けられた4つの小孔を配した5つ孔開口であり、開口群312では、開口群311の小孔の位相を45度ずらした5つ孔開口が設けられている。
【0018】
ここで、中心孔がないとプローブ電流が少なくなり調整しにくくなる。収差が補正された状態では中心孔を通るビームと周辺の小孔を通るビームが対物レンズにより一点に集束されるためである。また、中心孔より周辺孔が小さい理由は、補正すべき方向(周辺像が中心像に一致する方向で調整)を明確にするためである。収差補正の調整で中心孔を通るビームによる像の強度を強く、周辺孔による像強度を弱くすることにより、取得される二次電子画像で、中心孔を通るビームによる像の強度が強く、周辺孔による像強度が弱くなる。これにより、収差補正の際の視認性が向上し、自動化の際の画像処理も行いやすくなる。開口群317、318は、球面収差補正用の開口群であり、色収差補正用の開口群311,312に比べて、中心の開口と周囲の小孔との距離が大きくなっている。色収差補正調整の際は高電圧ワブラーの振幅を変えることで像の分離具合を、見えやすい状態にできるが、球面収差の調整の場合は開口間の距離で調整する必要がある。本来はいろいろな開口間距離の開口群があるのが望ましいが、一つ開口間距離の大きい絞りを設けておく。逆にこの絞りで色収差調整と球面収差調整を兼ねてもよいが、その場合色収差補正時に球面収差による像分離が残るので色収差補正調整の終点が判定しずらい。開口間の距離が小さい絞りなら球面収差による像分離が無視でき色収差補正調整の終点がわかりやすい。
【0019】
次に、図3に示すフローチャートを用いて、収差補正器10の調整手順を示す。なお、以下に説明する収差補正の制御は、自動化も可能であるが、特に断らない限り、装置ユーザのマニュアル操作による調整を想定している。但し、分り易さのため、図3に示すフローチャートでは、自動化の際に、制御コンピュータ30が実行するステップを長円により示している。
【0020】
本実施例の収差補正の調整手順は、大きく分けて色収差補正のステップと球面収差補正のステップにより構成される。色収差の補正時には電子の近軸軌道を変えて調整することもあり、その場合球面収差補正の条件がかわるので、必ず色収差補正を先におこなう必要がある。初めに、色収差補正のステップを説明する。
【0021】
(1)まず収差補正器オフの状態で、通常のSEMの軸合わせを一通り実行する。次に、(2)収差補正器10の各段の4極子を順に励起して4極子のほぼ中心をビームが通るように偏向器8、走査偏向器15により収差補正器10の軸と光軸とを概略合わせる。色収差補正の調整では、収差補正器の各段の4極子の強さをあらかじめ計算などで求めた初期値に設定し、像が観察できる状態にした後、
(3)5つ孔開口312を光軸上に挿入する。
(4)この状態で加速電圧を周期的に変動させる。
のステップを実行する。
【0022】
本実施例では、加速電圧に対して周期的に変動電圧を印加する制御を高電圧ワブルと呼ぶ。このときのSEMの像倍率は球面収差の影響が見えない程度の低倍率にしておく。本実施例の高電圧ワブルでは、高圧ワブラー電源33により、第2陽極5とアース電位の間に交流電圧が印加される。これにより、電子ビームの加速電圧が所定周期で変調され、高電圧ワブルが実現される。
【0023】
図4(a)〜(c)には、5つ孔開口312が光軸上に挿入された状態でモニタ上に表示されるSEM画像が、高電圧ワブルにより変動する様子を模式的に示した。図1における第1コンデンサレンズを通過した電子ビームは、5つ孔開口絞りを通過することにより、光路が5つに分離されて対物レンズに入射する。加速電圧の変動により、フォーカス面が光軸上を上下に動くため、試料面は変動する加速電圧の上限と下限で5つのスポットで走査される。この結果、観測されるSEM像は、図4(a)〜(c)に示すように、中心の像とそのまわりに90度ピッチでずれて重なる5重の像が見られるようになる。調整の際に使用する試料としては、形状が対称な試料が良く、特に球形のものが適している。なお、本実施例では、試料としてラテックスボールを使用した。
【0024】
図4(a)は、変動電圧が印加されていない状態を示す。対物レンズを通過した5つの光路のうち、中心の開口を通過した電子ビームは、対物レンズにより観察面(試料17の表面)に焦点を形成するように制御される。一方、中心の光路を除く周囲の4つの光路は途中でクロスオーバを形成して試料上に照射される。これは、中心の光路を通過する電子ビームとは焦点面が異なるためであり、本実施例の場合には、試料の手前側つまり電子源側に存在するクロスオーバ位置に、焦点面が形成されている。この結果、図4(a)の状態で観察されるSEM画像では、中心の開口を通過した電子線が形成するシャープな(つまり焦点のあった)リング状の画像と、その周囲に形成される輪郭のややぼけた(つまり焦点のややぼけた)4つのリング状画像が観測される。
【0025】
図4(b)は、印加する変動電圧の振幅が負になった場合の模式図であり、5つの開口を通過した電子ビームの焦点面、つまりクロスオーバ位置が対物レンズ側に移動する。この結果、図4(b)の状態で観察されるSEM画像では、5つの開口を通過した電子ビームに対応する画像は、いずれも図4(a)で観察される状態より焦点のぼけが大きくなった状態で観察される。また、周囲の4つの小孔を通過した電子ビームの形成する画像については、ビームのクロスオーバ位置が観察面から遠ざかるため、真中のリング状画像の中心位置と周囲4つのリング状画像の中心位置との距離が大きくなる。
【0026】
図4(c)は、印加する変動電圧の振幅が正になった場合の模式図であり、5つの開口を通過した電子ビームの焦点面が試料面側に移動する。この結果、観察されるSEM像では、5つのリング状画像とも図4(a)で観察される状態より焦点のぼけが大きくなっている。また、図4(c)の場合、焦点面は、試料に対して更にステージ側に移動しており、見かけ上、クロスオーバ位置も試料内部に形成される。周囲4つの電子ビームのクロスオーバ位置も、試料表面よりもステージ側に移動するため、観察されるSEM画像では、真中のリング状画像の中心位置と周囲4つのリング状画像の中心位置との距離が小さくなる。
【0027】
以上説明した5つのリング状画像の像ずれの幅は、高電圧ワブルの振幅に比例して大きくなる。また、以上述べた収差補正器の調整手順はマニュアル操作を想定しており、装置ユーザはSEM画像をモニタで目視確認しながら、5つのリングが重なるように収差補正器の調整を行なう。従って、高電圧ワブラの印加電圧の振幅値は、5重の像のずれが観察しやすい程度の振幅値に設定する。電子ビームが対物レンズの光軸からずれて入射している場合は、重複した像全体が渦巻状(対物レンズが磁界レンズの場合)でなく、横方向(左右、上下、斜めなど)に移動するので、視野中心のまわりに渦巻状に動くように絞り31の位置を調整することにより精度のよい光軸合わせができる。
【0028】
(5)2段目の4極子の電場、磁場の強さの比率を変えて色収差補正を進めると、分離して重なっていたSEM像が、ある一方向(x方向とする)には中心像に重なってくるようになる。その様子を図5に示す。電場、磁場の強さの調整は、装置ユーザがモニタ77を目視確認しながら、収差補正器電源26の設定パラメータを操作卓78で変更することにより行なう。このとき、SEM画像の変化する像ずれ方向と5つ孔開口の小孔の方向(たとえばx方向313)とが合うように、あらかじめ収差補正器の4極子の位相を設定しておくと調整の際の操作が行いやすい。
【0029】
(6)次に3段目の4極子の電場、磁場の強さの比率を、先と直交方向へ分離していたSEM像が重なるように調整する。この操作も、収差補正器電源26の設定パラメータを操作卓78で変更しながら行なう。
(7)以上のプロセスを高電圧ワブルの振幅を小さくしながら繰り返し、ずれた像が4方向均等に中心像に寄ってきたところで終了する。図6(a)〜(c)に、色収差補正が完了したときの高電圧ワブルによるSEM画像の変化を示した。1次の色収差が補正され、2次の色収差が残るので正負の加速電圧変動に対し、電子軌道のずれおよびSEM画像の変化は、図6(b)(c)とも同様な傾向を示す。
【0030】
なお、以上の説明では、マニュアル操作による極子の調整方法について説明したが、コンピュータ制御による自動調整も実現可能である。自動調整を実現するためには、4極子の調整過程で得られる2次電子画像を、上の(5)(6)(7)の各プロセス毎に制御コンピュータ30に取り込み、各画像の重なり具合を数値化する。その手法としては例えば、多孔絞り挿入前の試料の画像と(5)(6)(7)の各プロセスで得られる試料の画像とをフーリエ変換し位相限定処理を施してマッチングをとる位相限定相関法などの画像処理法を用いればよい。データストレージ76には、画像処理の結果得られる制御情報と当該制御情報に対して極子に印加すべき電圧値とを対比して格納した参照テーブルが格納されている。制御コンピュータ30は、当該テーブルを参照して、収差補正電源26にフィードバックする電圧値を決定し送信する。このテーブルは、コンピュータ30自身に格納されていても良い。調整ステップの全自動化を図るためには、図3に示したフローチャートの全ステップを自動化する必要があるが、極子の調整さえ自動化できれば、他のステップに関しては容易に自動化可能である。
【0031】
次に、球面収差補正のステップを説明する。
(8)高電圧ワブルをオフし、球面収差の影響でインフォーカスで5重のSEM像が観察できるまで倍率を上げる。または可動絞り31を動かして小開口間の間隔が広い五つ孔絞り、つまり開口群317を選択し、インフォーカスで5重のSEM像が容易に観察できるようにする。2段目の8極子を動作させ電圧を上げて行くと一方向(仮にx方向とする)に球面収差が補正され像が中心像に寄ってくる。これを中心像に一致するように2段目の8極子電圧を調整し、同様に直交するy方向で像が一致するよう3段目の8極子電圧を調整する。次に使用している5つ孔開口と45度位相のずれた小開口をもつ5つ孔絞り、すなわち開口群318を挿入し、先と45度回転した方向の像の動きから1段目と4段目の8極子電圧を調整する。このようにして球面収差(開口収差)の補正が完了する。
【0032】
以上の調整において、マニュアル調整の場合には、色収差の調整の場合と同様、装置ユーザがモニタ77を目視確認しながら、収差補正器電源26の設定パラメータを操作卓78で変更することにより行なう。また、自動制御により調整を行なう場合には、やはり、先に説明した場合と同様、適当な画像処理アルゴリズムを用いて、SEM画像の重なり具合を数値化し、5つの画像が全て重なるように極子を制御する。また、ここでは4極子−8極子による色球面収差補正器を実施例で取り上げたが、これに限らず他の形式の収差補正手段、色収差補正のみ、球面収差補正のみの過程でも本発明は適用可能である。
【0033】
なお、以上説明した収差補正器の調整方法において、原理的には高電圧ワブラをかけなくとも収差補正器の調整は可能である。高電圧ワブラは、マニュアル操作の際に目視確認しやすいように行う制御であり、図4(a)に相当するSEM画像のみを見ながら、5つのリング状画像が一致するように極子を調整することも可能である。但し、高電圧ワブラを併用する方が、収差の度合いが強調されてSEM画像表示されるため、調整が容易になるという効果がある。また、図7に示すような、3つ孔絞りや、4つ孔絞りを用いても原理的には調整が可能である。但し、視覚的には、図2に示すような、小孔が四回回転対称に配置された絞りの方が調整は行ないやすい。
以上、本実施例により説明した手法により、調整の容易な収差補正器を実現することが可能になり、これを搭載した荷電粒子線応用装置の操作性を格段に向上することが可能となる。
【実施例2】
【0034】
本実施例では、測長SEM(Critical-Dimension-measurement Scanning Electron Microscope)への適用例について説明する。測長を行なう試料としては、回路パターンが形成された半導体ウェハ、チップ、あるいはウェハの一部分を切り出して作成した試料片などが挙げられる。
【0035】
図8には、本実施例の測長SEMのハードウェア構成図を示す。測長SEMの全体構成が、SEMカラム101、試料ステージが格納される試料室102、制御ユニット103等により構成される点は、実施例1で説明した荷電粒子線応用装置と同じであるが、測長される試料を装置内に導入するための試料準備室(ロードチャンバ)40を有する。試料準備室40と装置本体の試料室102とはゲートバルブ42で仕切られており、試料を本体側に導入する際には、ゲートバルブが開いて、試料搬送機構41により、試料が装置本体の試料室内に搬送される。制御ユニット103についても、おおよその構成は実施例1の装置と同じであるが、測長SEMの場合には、あらかじめ入力されたレシピに従い試料ステージを駆動しウェハ上の所定の位置の画像を取得し、検出した二次電子画像信号に対して画像解析を行ない所定のラインパターンの測長を行なう機能を、制御コンピュータ30が有している。なお、SEMカラム101内に格納されている電子光学系の各構成要素は実施例1の装置と同じため、説明は省略する。
【0036】
電子光学系の動作についても、実施例1の荷電粒子線装置と本質的に同様であり、収差補正器調整動作やアライメントの操作は、実施例1で説明した手順で実行される。但し、測長SEMにおいては自動運転に重点がおかれるため、可動絞り31の操作が自動化されている。図3の各プロセスにおいて、制御コンピュータ30が、画像の重複の方向性、90度ピッチの対称性を判断し、可動絞り微動機構32に指令して圧空機構、パルスモーター等を駆動し、複数ある絞り孔の選択およびその位置微動をおこなう。絞りの切り欠きやマーキングを検出して絞り位置を制御することができる。即ち、図3に示されるフローチャートにおいて、色収差補正用絞りの挿入、色収差補正用絞りの位置調整、球面収差補正用絞りの選択・挿入、多孔絞りから単孔絞りへの切替の各ステップが自動化される。他の調整ステップ、すなわち、4極子電源の電圧値、電流値の初期設定化、高電圧ワブルの印加電圧振幅の設定等の各ステップは、参照テーブル等を設けることにより自動化が可能である。本実施例においては、図9の317で示されるような9つ孔絞りを使用すると好ましい。色収差、球面収差補正時に、x、y方向補正に対する45度方向の補正までが、一つの多孔絞りで実行できるためである。つまり、9つ孔絞りを使用することにより、絞りの切替にかかる時間を節約することができ、装置調整に要する時間を短くすることができる。測長SEMはインラインで使用される計測装置であるため、スループットを少しでも大きくすることが装置として重要である。従って、装置調整時間が短縮されることにより、一日辺りの装置稼動時間を大きくすることができ、装置ユーザにとってのコストメリットを大きくすることができる。
【0037】
測長SEMに収差補正器を搭載すると、電子レンズ系(特に対物レンズ)の色収差や球面収差がキャンセルされるため、得られるSEM画像の分解能が向上する。このため、これまで球面収差、色収差により制限されてきた大きな開き角のビームをプローブ形成に使用できるようになるが、次の式で示されるように焦点深度は逆に浅くなってしまう。
【0038】
(数1) DOF〜dp/2α
DOF:焦点深度、dp:プローブ径、α:ビーム開き角(半開角)
測長SEMの代表的な被測長試料である半導体回路においては、基板上に形成される回路パターンが積層化されており、更にパターン自体もある程度の凹凸を有している。従って、パターンを測長する際に使用するSEM画像は、少なくとも測長を行なうレイヤーに関しては焦点が合っている必要がある。従って、色収差、球面収差が補正された場合に、焦点深度が浅くなるという課題にも対応する必要がある。
【0039】
電子線応用装置の分野で解像度向上と焦点深度増大を図った従来技術として、特開2002−124205(特許文献4)には、輪帯照明絞りを用いて光軸付近の電子ビームをカットし、焦点深度の劣化を防止する技術か開示されている。光軸付近の電子ビームをカットすることにより焦点深度の劣化が防止できる理由を簡単に説明すると、輪帯照明絞りを通った電子ビームが対物レンズにより焦点近傍に収束される場合、電子ビームはどれも光軸に対しほぼ同じ傾きをもって焦点近傍に入射する。電子の波動性を考慮すると、これら光軸と等角度をなす電子波群の干渉により、光軸に平行な平面群の上で電子の存在確率が高くなる。光軸のまわり一周について積分すると電子の存在確率が高くなる場所は光軸上を焦点位置を中心に前後に広がっている。つまり焦点深度が増大している。一方中心付近のビームをカットしないと、中心ビームと絞り周辺からのビームとの干渉では光軸と斜めに交わる平面群上で電子の存在確率が高くなる。光軸のまわり一周について積分するとそれらは打ち消しあって電子の存在確率が高くなるのは焦点位置近傍のみになり焦点深度は輪帯照明の場合より小さくなる。しかし、当該文献には、球面収差、色収差を補正をする手段が開示されていない。球面収差により中心ビームと周辺ビームのフォーカス位置が異なるため、絞りを通常の円形単孔絞りから輪帯開口絞りに換えたときに、フォーカスずれが生じ、フォーカス位置を移動する必要が生じる。そしてフォーカス位置を移動しても色収差が補正されていないため、スポットが分離したままなので、得られる画像は図4(a)に似た重複像であり上記従来技術の適用には限界がある。
【0040】
そこで、本実施例の測長SEMでは、長焦点深度モードと、収差補正モードの双方で動作する機能を装置が備え、装置ユーザがいずれかのモードを選択できるようにした。図10には、球面収差補正後の動作フローについての装置動作を示すフローチャートを示した。図7のフローチャートにおける球面収差補正完了ステップが終了すると、図8のモニタ77には、長焦点深度モードと、収差補正モードのいずれかを選択させるためのアイコンが表示され、装置ユーザはいずれかを選択する。長焦点深度モードをユーザが選択すると、制御コンピュータ30の指示により、可動絞り微動機構32が図11に示す8つ孔開口323(荷電粒子線の場合光軸上に遮蔽物を支持なしに置くことはできないので擬似的輪帯開口)を光路上に移動する。これにより、焦点深度は円形開口絞りのときの
【0041】
(数2) 1/{1-(a'/a)2}
(aは擬似輪帯開口の外周半径、a'は擬似輪帯開口の内周半径)
倍だけ深くなる。この場合、色収差、球面収差の補正後なので、絞り中心位置さえ再現できればフォーカスずれ、像移動は起きない。これにより、収差補正器を使用した場合に起こる焦点深度の減少を改善することができ、焦点合わせのときの操作性およびSEM像の画質が向上する。一方、収差補正モードにおいては、収差補正により高分解能像が得られるが、ビーム開き角は大となるため焦点深度が減少する。長焦点深度モードでは自動化された測長の画像処理プロセスにおいて、測長したい場所の近辺にフォーカスが合ってさえいれば深い焦点深度のため測長したい場所でもフォーカスがほぼ合っており、測長の画像処理プロセスが止まらず進んでいく。手動でフォーカスを合わせなおさなくてもよいので自動化測長率が向上しスループットが向上する。一方パターンのラフネスや形状を詳細に観察したいときは収差補正モードを用いて見たいところにフォーカスを合わせて高分解能画像が得られる。従って、測長SEMにおいて自動化測長と画像観察にそれぞれ長焦点深度モードと、収差補正モードを対応させることにより、装置として高い性能(スループットと高画質)が得られる利点がある。
【0042】
図11の324,325には、他の輪帯開口の例を示した。323の輪帯開口に比べれると、枝の部分が少なく開口比率が大きいので、プローブ電流は半径aの単円形開口の場合のほぼ{1-(a'/a)2}倍の減少ですみ、より明るさを損なわない高分解能長焦点深度の測長が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は走査型電子顕微鏡、半導体検査装置、走査透過型電子顕微鏡、集束イオンビーム装置などへ利用の可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明を応用した走査電子顕微鏡の概略構成図。
【図2】本発明の単円形開口と複数孔(5つ孔)開口をもつ可動絞りの例。
【図3】本発明による収差補正器調整のフローチャート。
【図4】色収差補正前の5つ孔絞りを用いたときのSEM像の説明図。
【図5】色収差補正過程でのSEM像の説明図。
【図6】色収差補正後の5つ孔絞りを用いたときのSEM像の説明図。
【図7】多項絞りのその他の実施例。
【図8】本発明を応用した測長SEMの概略構成図。
【図9】本発明の円形開口と9つ孔開口をもつ可動絞りの例。
【図10】本発明による長焦点深度モードの説明のフローチャート。
【図11】輪帯絞りの例。
【符号の説明】
【0045】
1…ショットキー電子源、2…サプレッサー電極、3…引き出し電極、4…第1陽極、5…第2陽極、6…第1コンデンサーレンズ、7…第2コンデンサーレンズ、8…偏向器、10…収差補正器、15…走査偏向器、16…下走査コイル、17…対物レンズ、18…試料、20…電子銃電源、21…制御電圧源、22…加速電圧源、23…第1コンデンサーレンズ電源、24…第2コンデンサーレンズ電源、25…偏向コイル電源、26…収差補正器電源、27…走査コイル電源、28…対物レンズ電源、29…リターディング電源、30…制御コンピュータ、31…可動絞り、32…可動絞り微動機構、33…ワブラー電源、35…非点補正コイル電源、36…非点補正コイル、37…対物アライナー電源、38…対物アライナー、40…試料準備室、41…試料搬送機構、42…ゲートバルブ、50…偏向器電源、51…偏向器、60…光軸、71…ExB偏向器、72…反射板、73…2次電子検出器、74…2次電子検出器電源、75…ExB偏向器電源、76…データストレージ、77…モニタ、78…操作卓、80…試料ステージ、81…試料ステージ制御機構、90…真空容器、310…単円形開口、311…5つ孔開口、312…5つ孔開口(45度回転)、313…x方向、314…y方向、315…45度傾斜y方向、316…45度傾斜軸x方向、322…9つ孔開口、323…8つ孔擬似輪帯開口、324…2つ孔擬似輪帯開口、325…4つ孔擬似輪帯開口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を載置する試料ステージと、
該試料ステージ上に載置された試料に対して1次荷電粒子線を走査する照射光学系と、
当該荷電粒子線の走査により発生する2次荷電粒子を検出する検出器と、
当該検出器の出力信号を画像表示する表示手段とを有し、
前記照射光学系は、
入射した前記一次荷電粒子線の収差を補正する収差補正器と、
該収差補正器に入射する一次荷電粒子線または該収差補正器を通過した一次電子線の光路を複数に分ける手段とを備えたことを特徴とする荷電粒子線応用装置。
【請求項2】
請求項1に記載の荷電粒子線応用装置において、
前記一次荷電粒子線の光路を複数に分ける手段が、複数の開口を備えた絞りであることを特徴とする荷電粒子線応用装置。
【請求項3】
試料を載置する試料ステージと、
該試料ステージ上に載置された試料に対して1次荷電粒子線を走査する照射光学系と、
当該荷電粒子線の走査により発生する2次荷電粒子を検出する検出器と、
当該検出器の出力信号を画像表示する表示手段とを有し、
前記照射光学系は、
荷電粒子線源と、
入射した前記一次荷電粒子線の収差を補正する収差補正器と、
前記荷電粒子線源と前記収差補正器の間に配置される絞りとを有し、
当該絞りは、
前記荷電粒子線源から放出される一次荷電粒子の光軸上に配置された第1の開口と、
該第1の開口を中心としてその周囲に軸対称に配置された複数の第2の開口とを備えたことを特徴とする荷電粒子線応用装置。
【請求項4】
請求項1に記載の荷電粒子線応用装置において、
前記絞りは、前記複数の光路に分けられた一次荷電粒子線が通過する複数の開口を備えた第1の開口群を備え、
当該第1の開口群は、第1の開口と、当該第1の開口を中心としてその周囲に軸対称に配置された複数の第2の開口とを備えたことを特徴とする荷電粒子線応用装置。
【請求項5】
請求項4に記載の荷電粒子線応用装置において、
前記照射光学系は高電圧ワブラー機能を備えることを特徴とする荷電粒子線応用装置。
【請求項6】
請求項4に記載の荷電粒子線応用装置において、
前記複数の第2の開口は、前記第1の開口を中心として二回回転対称な位置に配置された2つの開口を少なくとも有することを特徴とする荷電粒子線応用装置。
【請求項7】
請求項4に記載の荷電粒子線応用装置において、
前記複数の第2の開口は、前記第1の開口を中心として四回回転対称または八回回転対称な位置に配置された2つの開口を少なくとも有することを特徴とする荷電粒子線応用装置。
【請求項8】
請求項4に記載の荷電粒子線応用装置において、
前記絞りは、前記第1の開口群とは別に設けられた第3の開口を備えたことを特徴とする荷電粒子線応用装置。
【請求項9】
請求項8に記載の荷電粒子線応用装置において、
前記第1の開口群または前記第3の開口を前記一次荷電粒子線の光軸から退避させる絞り可動手段を備えたことを特徴とする荷電粒子線応用装置。
【請求項10】
試料を載置する試料ステージと、
該試料ステージ上に載置された試料に対して1次荷電粒子線を走査する照射光学系と、
当該荷電粒子線の走査により発生する2次荷電粒子を検出する検出器と、
当該検出器の出力信号を画像表示する表示手段と、
前記照射光学系は、
入射した前記一次荷電粒子線の収差を補正する収差補正器と、
前記一次荷電粒子線の焦点深度を変える手段とを備えたことを特徴とする荷電粒子線応用装置。
【請求項11】
請求項10に記載の荷電粒子線応用装置において、
前記荷電粒子線応用装置は、収差補正モードと、焦点深度可変モードの双方で動作可能であり、更に上記2種のモードの切替手段を備えたことを特徴とする荷電粒子線応用装置。
【請求項12】
請求項10に記載の荷電粒子線応用装置において、
前記焦点深度を変える手段として、円形開口及び輪帯開口を備えた絞りを有することを特徴とする荷電粒子線応用装置。
【請求項13】
請求項9に記載の荷電粒子線応用装置において、
前記絞り可動手段を制御するための制御手段を備え、
当該制御手段には、前記表示手段が接続され、
当該表示手段には、前記第1の開口群、第2の開口群または前記第3の開口のいずれかを選択させるアイコンが表示されることを特徴とする荷電粒子線応用装置。
【請求項14】
請求項9に記載の荷電粒子線応用装置において、
前記絞り可動手段を制御するための制御手段と、
前記前記第1の開口群、第2の開口群または前記第3の開口のいずれかを選択させる入力手段とを備えたことを特徴とする荷電粒子線応用装置。
【請求項15】
請求項3に記載の荷電粒子線応用装置において、
前記荷電粒子線源が電子源であることを特徴とする荷電粒子線応用装置。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか1項に記載の荷電粒子線応用装置を用いたウェハ検査装置において、
前記検出器の出力信号を基に、前記試料に存在する欠陥の有無を判定する手段を備えたことを特徴とするウェハ応用装置。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか1項に記載の荷電粒子線応用装置を用いた測長装置において、
前記検出器の出力信号を基に、前記試料上に形成されたパターンの間隔を測長する手段を備えたことを特徴とする測長装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−318774(P2006−318774A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−140588(P2005−140588)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】