蓄電装置
電気化学セル用の構成部品が開示されており、その構成部品は、電気的に分離された導電性の2つ以上の電極が中に埋め込まれた、電気化学的に活性なペースト塊を備えている。複数の端子が、そのペースト塊から突出しており、且つ、電極に電気的に接続されている。ペースト塊は、自己支持性とすることができ、または、多孔質基板の一方面上にある層の形態にすることができる。そこでは、基板の他方側のペースト。基板の一方側のペーストを正とし、基板の反対側のペーストを負とすることができ、それによって、この構成部品は1つのセルを構成する。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置に関する。
【本発明の背景】
【0002】
鉛蓄電池は、広く使用されている。鉛蓄電池は、高い起動電流を短期間に供給する能力が必要な自動車で使用される。鉛蓄電池はまた、予備発電機を備えるのに見合う十分な寸法はないものの、主電源が機能しなくなったときに予備電源が必要となる設備において用いられる。大量のそのような電池はまた、短い距離だけを必要とする配達車両のモータに電力供給するのに用いられてきた。鉛タイプの電池は、創出されてからずっと改良されてきたが、最初の開発以来、根本的には少しも変わっていない。
【0003】
高電流を必要としない電子機器への電力供給などの他の目的では、リチウム鉄およびニッケルカドミウム電池が開発されてきた。
【0004】
前述の電池はすべて、いわゆる2次タイプであり、すなわち充電することができる。
【0005】
本発明者のPCT出願第PCT/IB2006/002784号(国際公開第2007/042892号パンフレットとして2007年4月19日公開)の明細書では、正および負の充電端子と正および負の放電端子とを有する蓄電池が開示されている。この電池の構造は、正および負のペーストをその上に有する基板をベースにしている。この電池は、同時に充電し且つ放電することができる。たとえば自動車に嵌合されたとき、充電端子は車両の交流発電機に接続され、放電端子は車両の電気機器に接続される。
【0006】
本発明の目的は、新規な構造であり、且つ、前述のPCT出願に開示したものと同様に充電と放電とを同時におこなうことができる蓄電池を提供することである。
【本発明の簡単な説明】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、電極を構成する導電性の第1のトラックおよび第2のトラックを備える電気化学セル用の構成部品であって、第1のトラックおよび第2のトラックは、各トラックの接続タブを除き、電気化学的に活性な電池ペースト内に埋め込まれ、且つ、第1のトラックと第2のトラックとの間に直接的な電気的接触がないように、ペーストによって互いに物理的に分離された、構成部品が提供される。
【0008】
各トラックが第1の電極片を備え、第1の電極片から複数の平行に離隔された第2の電極片が延び、第1のトラックの第2の電極片と第2のトラックの第2の電極片とが交互になるように、第1のトラックおよび第2のトラックの第2の電極片がかみ合うことが好ましい。
【0009】
電気化学セルを形成するために、上に定義した構成部品が2つ使用され、一方の構成部品の電気化学的に活性なペーストは正であり、他方の構成部品の電気化学的に活性なペーストは負であり、これらの構成部品が並置され、構成部品間に多孔質の電気絶縁スペーサが存在する。
【0010】
本発明の第2の態様によれば、電気化学セル用の構成部品であって、電気化学セル用の構成部品であって、電気的に分離された導電性の第1のトラックおよび第2のトラックを一方側に有する多孔質基板を備え、各トラックが、電極を構成し且つそれぞれの端子に接続され、電気化学的に活性なペースト層が第1のトラックおよび第2のトラックを覆う、構成部品が提供される。
【0011】
トラックは、トラックを成型またはその他の方法で形成し、次いでトラックを基板に固定することによって、基板上に設けられる。この形式では、トラックは、基板内の溝の中に入れることができる。代替形式では、トラックは、基板上の金属被覆をエッチング除去して、トラックの構造を有する残留金属を残すことによって設けられる。残留金属は、耐酸性の金属で被覆することができる。さらなる方法では、トラックは、多孔質基板に電気めっきを施すことによって設けられる。
【0012】
セルを形成するために、構成部品は、多孔質基板の他方側に、電気的に分離された導電性の第3のトラックおよび第4のトラックを有することができ、これらの第3のトラックおよび第4のトラックは電極を構成し且つそれぞれの電池端子に接続され、第3のトラックおよび第4のトラックを覆う電気化学的に活性な電池ペーストが存在し、第1のトラックおよび第2のトラックを覆うペーストは、第3のトラックおよび第4のトラックを覆うペーストとは逆の極性である。
【0013】
電池を形成するために、第1のトラック、第2のトラック、第3のトラックおよび第4のトラックの端子それぞれは、互いに電気的に接続され、それによって、電池は2つの負端子と2つの正端子とを有する。
【0014】
本発明の第3の態様によれば、電気化学セルであって、電気的に分離された導電性の第1のトラックおよび第2のトラックを一方側に有する多孔質基板であって、第1のトラックおよび第2のトラックが、電池電極を構成し且つそれぞれの端子に接続された、多孔質基板と、第1のトラックおよび第2のトラックを覆う電気化学的に活性な第1のペースト層であって、電気化学的に活性な第1のペースト層と第1のトラックと第2のトラックが電気化学セルのカソードを構成する、第1のペースト層と、多孔質基板の他方側にある、電気的に分離された導電性の第3のトラックおよび第4のトラックであって、それぞれの端子に接続された、第3のトラックおよび第4のトラックと、第3のトラックおよび第4のトラックを覆う第2のペースト層であって、電気化学的に活性な第2のペースト層と第3のトラックと第4のトラックとが電気化学セルのアノードを構成する、第2のペースト層とを備える、電気化学セルが提供される。
【0015】
本発明の第4の態様によれば、電気化学セル用の構成部品であって、導電性の第1のトラックを一方側に有する基板であって、第1のトラックが第1の電池端子に接続された、基板と、第1のトラックを覆う電気化学的に活性な正ペースト層と、基板の他方側にあり、第2の電池端子に接続された導電性の第2のトラックと、第2のトラックを覆う電気化学的に活性な負ペースト層とを備える、構成部品が提供される。
【0016】
使用される2つ以上の充電電源を利用可能にし、且つ、使用される2つ以上の電力消費装置を使用可能にするために、それぞれの充電端子および/または放電端子に接続される3つ以上のトラックが設けられる。
【0017】
本発明の第5の態様によれば、電気化学セル用の構成部品を製造する方法であって、電気化学的に活性なペースト層を形成するステップと、ペースト層に、電気的に分離された導電性の第1の電極および第2の電極を配置するステップと、第1の電極および第2の電極をさらなるペーストで覆い、それによって第1の電極および第2の電極を埋め込むステップとを含む方法が提供される。
【0018】
ペースト層は型枠内で形成され、第1の電極および第2の電極はペースト層上に配置され、次いでさらなるペーストによって覆われる。
【0019】
本発明をより良く理解するために、またどのようにして同じことを実行できるかを示すために、例として、以下の添付の図面を次に参照する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】電池筐体の絵画図である。
【図2】セル構成部品の正面図である。
【図3】図2の線III−III上の、修正された構造を示す断面図である。
【図4】図2のセル構成部品の絵画図である。
【図5】電池セルを形成する前記構成部品のアセンブリの絵画図である。
【図6】3つの電池セルの絵画図である。
【図7】コネクタおよび端子が嵌合された図6のセルの絵画図である。
【図8】図1の電池筐体内の図7のセルを示す図である。
【図9】さらなるセル構成部品の絵画図である。
【図10】図9の構成部品を含む電池を示す図である。
【図11】さらなる形式のセル構成部品の絵画図である。
【図12】電池電極の一部および位置決め部材の一部を示す図である。
【図13】図11の構成部品の作製を示す断面図である。
【図14】さらなる構成部品の側面図である。
【図15】図8または図10に示す電池を含む設備を示す図である。
【図16】図8または図10に示す電池を含む設備を示す図である。
【図17】燃料電池を示す図である。
【図面に沿っての詳細な説明】
【0021】
まず図1を参照すると、図示の電池筐体10は、内部に2つの垂直な隔壁14を有する基部12と、中に7つの孔を有する蓋16とを備える。1列の孔18は、電池に電解液が充填された後、栓(図示せず)によって閉じられる。孔20からは、電池の4つの端子が突出する。
【0022】
セル(下記)が、隔壁14および筐体10の壁によって画定される隔室内に配置された後、蓋16は、基部12に加熱封止される。
【0023】
次に図2に移ると、図示の構造体は、非導電材料の基板22を備える。この基板は、たとえば、プリント回路基板(「Viroboard」と呼ばれる)が製造される材料のものとすることができる。そのような材料は、薄板状で入手可能であり、中に多数の小さな孔を有する。それらの孔により、電解液は材料内に入ることができ、したがって、本発明の目的のために、この材料は多孔質と見なすことができる。また、毛細管現象を呈し、中を通って電解液を移動させる材料を使用することも可能である。基板は方形であり、この基板から、4つの一体型タブ24、26、28、および30が突出する。以下の説明から理解されるように、図2では基板22のわずかな部分のみを示す。
【0024】
それぞれ電池電極を構成する2つの導電トラック32および34が、基板22の見える面上に設けられる。図を簡単にするために、トラック32には一方向に網目状の陰影をつけ、トラック34には他方向に網目状の陰影をつけ、基板22の見える部分は無地のままとした。
【0025】
トラック32は、タブ24の大部分を覆い、且つ一方の垂直縁部および基板22の下側の水平縁部に沿って延びる。トラック32の電極片(strips)36は、トラック32のうちの基板の下側の縁部に沿って延びる部分から垂直に上方へ突出する。
【0026】
トラック34は、タブ26を覆い、且つ基板22の上縁部の幅のほぼ全体にわたって延びる。片38は、トラック34のうちの基板の上縁部に沿って延びる部分から下方へ延びる。電極片36および38は、かみ合うが接触しない。この意味では、トラックは、互いに電気的に分離されている。
【0027】
基板の反対側には、同一の構成のトラックが存在し、これらのトラックは、タブ28および30で終端する。これらのトラックの小さい部分は、図4の40および42で見ることができる。
【0028】
トラック32、34、40、および42は、両側に薄い銅層を有する基板を使用して作製することができる。これらの層は、銅のうちの保持すべき領域を保護するようにマスキングされ、露出した銅は、エッチング除去される。マスクが除去された後、残りの銅は、鉛、カドミウム、リチウム、若しくはニッケルなどの耐酸性の金属、または耐酸性の金属水素化物でめっきされる。可能であれば、使用の際、残りの銅は浸食されるが、耐酸性の金属は残る。
【0029】
次いで基板の両面は、電気化学的に活性な酸化物ペーストで被覆される。このペーストは、たとえば、酸化鉛、酸化カドミウム、酸化リチウム、または酸化ニッケルとすることができる。鉛が使用される場合、中にカーボンブラックを有し「エキスパンダ(Expander)」と呼ばれる酸化鉛を、電気化学的に活性な負ペーストとして使用することができ、炭素をもたない酸化鉛を、電気化学的に活性な正ペーストとして使用することができる。
【0030】
これらのペーストは、トラックがタブ24、26、28、および30上の部分を除いてペースト内に埋め込まれるように、基板の両面を完全に覆う。これらのトラックは、板の電極を構成する。
【0031】
したがって、電極と正および負の電気化学的に活性なペーストとの両方を有する図2、3、および4の構成部品は、アノードとカソードの両方を有し、且つ低電圧を生成するセルとして働く。
【0032】
図3の形式では、基板はその両面に溝44を有し、溝44内にトラックが入れられる。図3のトラックは、鋳造またはその他の方法で形成し、次いで溝44内に圧入することができる。トラックを定位置に固定するための、溝とトラックの連動部品などの適切な手段を設けることができる。
【0033】
基板内の溝が基板の上縁部および下縁部まで延びる場合、トラックは、圧入するのではなく、溝の中へ滑り込ませることができる。この目的のため必然的に、トラック32のうちのタブ24の部分は、トラックを滑り込ませるとき互いに干渉するのを防止するために、タブ24を横切って延びる図示の破線で終端しなければならない。
【0034】
さらなる製造方法によれば、トラックは、鋳造または成型され、次いで射出金型の空洞内に配置される。金型が閉じられた後、トラック間の狭い間隙内にプラスチック材料が射出されて、薄い基板22を形成する。成型された基板のプラスチック材料は、電解液を中へ浸透させるために多孔質である。
【0035】
トラック32、34、40、42の電極片36、38がかみ合う構成により、ペーストの体積の大部分が、確実にトラックに近接するようにする。この構成は、簡単に実現できるものであるが、2つのペースト塊の大部分をトラックに隣接させる任意の他のトラック構成を利用することもできる。
【0036】
多孔質の合成プラスチック材料の薄い基板上に耐酸性の金属で電気めっきを施し、それによってトラックを形成することも可能である。
【0037】
図5は、図2、3、および4に示した構成部品が5つ互いに並置され、これらの構成部品間に4つの多孔質で耐酸性のセパレータ46が配置されることを示す。図5の構造体が1つのセルを構成する。このセルという用語は、従来使用される通りである。
【0038】
図6は図5に類似しているが、3つのセルC1、C2、およびC3を示し、これらのセルがともに1つの電池を構成する。
【0039】
図7でも、セルはC1、C2、およびC3と呼ばれる。C1およびC2と呼ばれるセルのタブ24上へ延びるトラック32は、ブリッジ48によって相互接続され、また同様に、セルC1およびC2のタブ26で終端するトラック34は、ブリッジ50によって相互接続されている。
【0040】
セルC1のタブ28上へ延びるトラック40は、ブリッジ52によって接続され、ブリッジ52からは、端子54が突出する。同様に、タブ30上へ延びるトラック42は、ブリッジ56によって相互接続され、ブリッジ56からは、端子58が突出する。
【0041】
ブリッジ60および62は、セルC3の正トラックを接続し、ブリッジ60および62からは、端子64および66が突出する。ブリッジ68および70は、セルC2の正トラックをセルC3の負トラックに接合する。構成部品の極性を示すために、符号+およびを図7に挿入した。
【0042】
端子64および66は、正の充電端子および正の放電端子であり、端子54および58は、負の放電端子および充電端子である。充電に使用される電極トラックを形成する材料は、放電に使用されるトラックを構成する導電材料より導電性の大きいものとすることができる。
【0043】
図8では、3つのセルC1、C2、およびC3は、基部12の隔室内にある。基部に蓋16が圧入されると、孔20から端子54、58、64、および66が突出する。電解液が注入され、充填孔18内に栓(図示せず)が挿入される。
【0044】
トラックを覆う電解活性ペーストは多孔質であり、このペーストに電解液が浸透する。基板22には孔が開けられ、またはその他の方法で多孔質であることから、電解液は最終的に、2つのペースト層同士の間を埋める。この理由で、負と正のペースト材料をどちらも有し、それらの両方に電解液が接触している図2の構成部品自体がセルを構成すると前述した。
【0045】
前の段落で説明したセルが、同時に充電し且つ放電することが可能なものではない場合、トラック32および34は、互いに電気的に接続し、且つ単一の端子に電気的に接続することができる。同様にトラック40、42も、互いに電気的に接続し、且つ単一の端子に電気的に接続することができる。
【0046】
実験的な研究では、太陽光パネルから充電電流が導出されると、電池は「自己調整」し、太陽光エネルギーが失われる夕暮れには電池は完全に充電されることがわかっている。実験的な研究ではさらに、充電および放電電流を調整することによって、太陽光エネルギーまたは別の源を使用して充電電流を生成するとき、「過充電」が可能であることもわかっている。この結果、水素ガスおよび酸素ガスが生成されて気泡となり、このガスを収集することができる。
【0047】
さらなるセル構成部品72を図9に示す。板72の基板は、薄く、可撓性があり、且つ多孔質であり、丸めて円筒形にすることができる。図2のセル構成部品と図9の構成部品との主な違いは、構成部品72が細長い方形(実質上正方形とは対照的)であること、並びに74、76、78、および80と呼ばれるタブが異なる形で位置決めされることである。これらのタブは、すべて同じ縁部から突出する図2のタブとは対照的に、基板の対向する長い方の縁部からそれぞれ2つずつ突出する。
【0048】
図10の電池は、84と呼ばれる端子構造体によって一方の端部で閉じられた円筒形の筐体82を備える。構造体84は、2つの端子86、88を備え、端子86、88は、90および92と呼ばれるセパレータによって互いに且つ筐体の残りの部分から絶縁される。
【0049】
筐体の他方の端部は、94と呼ばれるさらなる端子構造体によって閉じられる。構造体94もまた、96および98と呼ばれる2つの端子を提供し、端子96および98は、セパレータ100および102によって互いに且つ筐体から電気的に分離される。
【0050】
タブ74、76、78、および80は、端子86、88、96、および98のうちのそれぞれ1つに接続される。これにより、筐体の一方の端部では、負の充電および放電端子が提供され、筐体の他方の端部では、正の充電および放電端子が提供される。
【0051】
図11に示すセル構成部品104は、以下に図13を参照して説明するように作製される、電気化学的に活性な電池ペーストの方形の塊106を備える。
【0052】
ペースト内には、図2に示した形の2つのトラック108、110が埋め込まれる。これらのトラックは、トラックが互いに物理的に分離され、したがって直接電気的に接触しないような形で、電池ペースト塊内に位置決めされる。トラックの接続タブ112、114は、ペースト塊の上縁部から突出する。
【0053】
トラックは、溶接されまたはその他の方法でともに固定された個々の構成部品から、鋳造若しくは成型、または製作することができる。電池をより小さくする場合、トラックは、薄い片状(ストリップ状)の導電材料から構成することができる。電池をより大きくする場合、トラックは、横断面が方形または円形のより太い棒状のものとすることができる。埋め込まれたトラックはそれぞれ、1つの電極を構成する。
【0054】
トラック間に直接的な電気的接触が全くないようにするために、位置決め部材を使用することができる。図12では、丸い棒116、118が1つのトラックの一部を形成し、棒120が別のトラックの一部を形成する。図示の位置決め部材122は、これらの棒を受けるための輪124と、輪124を接合するストラップ126とを備える。部材122は、部材122が露出する電池ペーストおよび電解液による腐食に耐性のある電気絶縁材料からなる。
【0055】
図11の構成部品は、図13に示すものなどの方形の型枠128内に作製することができる。この型枠は、下部壁部分132と緩い上部壁部分134とを含む基部130を有する。
【0056】
初めに、型枠内にペースト層が配置さる。この層は、完成した電池板を構成する塊の厚さの約2分の1であり、下部壁部分132の上縁部と同じ高さにスクラップ(scrapped off)される。
【0057】
次いでペースト層上に、2つのトラックが配置され、トラック間に直接接触がないように位置決めされる。タブ112、114は、壁部分132を越えて突出する。部分132上に部分134が配置され、次いで、部分134の壁の上縁部の高さまで型枠にペーストが充填され、それによってペースト内にトラックを埋め込む。部分134は、突出するタブ112、114の周りに嵌合するように構成される。
【0058】
予備電力を供給するために使用されるものなどのより大きな電池は、たとえば自動車用の電池より大きな構造を有することが、理解されるであろう。上記の実施形態では、電極を構成するトラックは、同じ平面にある。しかし、より大きな電池では、板を構成するペースト塊は、塊の厚さの方向にトラックを隔置するのに十分なほど厚い。図14では、電気化学的に活性なペースト塊140内に、電気的に分離された電極136、138を並べて示す。
【0059】
電池の耐用年数の終わりは、電極の腐食のために到達することが多い。電池を通る電流が常に設計値を超えていたのでない限り、ペーストは通常、依然として使用可能な状態である。
【0060】
本発明によれば、腐食した場合に交換できる電極を提供することが可能である。これを実現するには、プラスチックまたは金属の形成型の周りにペースト塊が鋳造される。この型は、ペーストが硬化した後、ペーストから容易に引き抜くことができるような形で先細りしている。これにより、ペースト内には先細りした空洞が残り、これらの空洞内に、金属電極を挿入することができる。これらの電極は、必要な場合、交換のために引き抜くことができる。
【0061】
前述のセル構成部品のすべての形式では、各ペースト塊内に2つの電極が存在する。しかし、各ペースト塊内に3つ以上の電極を組み込み、それに比例して端子の数を増やすことが可能である。
【0062】
充電に関する限り、2つの充電電極を有することで、充電する目的で2つ以上の電源を電池に接続することができる。放電の面では、これらの電極を使用して、異なる電力出力を供給することができる。
【0063】
別の製造方法によれば、網状の多孔質基板を2つのローラ間に下方へ送ることができる。各ローラは、その面に、基板上に必要なトラックを複製した溝のパターンを有する。基板の両側のローラ間の間隙内にペーストが送られる。ローラは、ペーストが接着しない材料からなり、基板は、ペーストが接着する材料からなる。ローラが回転するにつれ、ペーストが溝を充填し、基板の両面に転写される。
【0064】
次に図15に移ると、次のように、前述の電池を組み込んだ設備を示す。電池はBで示されている。
【0065】
参照番号142は、12ボルトの直流充電電源を示している。これは、整流器と必要なら変圧器とを有する交流発電機とすることができる。交流発電機本体は、接地されないが、交流発電機が取り付けられる下部構造体144から分離されるように固定される。絶縁パッドを146で示す。下部構造体は、自動車の金属製車体とすることができる。直流充電電源142の正端子および負端子は、それぞれ電池端子64および58に接続される。
【0066】
電力消費手段は、全体として148と呼び、たとえば、電力を消費する自動車のすべての装置とすることができる。車両のエンジンが動作しているときには、燃料ポンプが主に電力を消費し、夜間は、照明もまた相当な電力を消費する。手段148は、電池端子66と54の間に接続される。
【0067】
図示の設備では、電力消費手段148には、電池Bから供給され、電源142からは直接供給されないことが、理解されるであろう。
【0068】
実験的な研究では、図15に示すような電気設備を有する自動車は、電源142から直接電力を取り込み、電池は、エンジンが切られて電源142が発電していない間に始動モータへの電力および車両の他の電気機器への「予備」電力を供給するだけである従来の構成を有する自動車に比べて、走行100Km当たりより少ない燃料を消費することがわかっている。
【0069】
図15では、電源142は、太陽光発電パネルとすることができ、電池Bは、リチウム鉄またはニッケルカドミウムタイプとすることができ、手段128は、携帯電話などの電子機器とすることができる。太陽光パネルは、携帯電話筐体の外側の表面に取り付けることができ、光に当たると、電池Bに充電電流を供給する。
【0070】
図16の設備では、直列に接続され、約36ボルトの電圧を供給する3つの電池B1、B2、およびB3が存在する。参照番号150は、ガソリンまたはディーゼルエンジンを指し、このエンジンは、発電機または交流発電機とすることができる直流充電電源152を駆動する。電源152の出力端子は、電池B1、B2、およびB3の充電端子間に接続される。
【0071】
モータ154は、電池B1、B2、およびB3によって駆動され、放電端子間に接続される。図16に示す設備は、自動車に電力供給するのに適している。
【0072】
図17では、参照番号156は燃料電池を指し、この燃料電池は、そこに供給される水素および酸素から発電するために、若しくはそこに電力が供給されたときに水素および酸素を生成するために使用することができ、または可逆性であり、両方の目的で使用することができる。
【0073】
燃料電池156は、図1〜4を参照して説明した電池板160または図9を参照して説明した電池板を受けるのに十分な寸法の隔室を間に画定する主壁158を有する筐体を備える。狭い端壁162は、垂直に延びるリブ164をその上に有し、リブ164内に、板160の垂直な縁部を滑り込ませる。リブ164および垂直な縁部は協働して、ガスがこれらの空間相互間を流動できないように、板160の片側の空間を反対側の空間から封止する。
【0074】
筐体の上端部は、中に2つのガス入口および出口ポート168を有するぴったりと嵌合しまたは封止する蓋166によって閉じられる。蓋166および板160の上縁部は、封止を形成し、それによって前記空間を分離する。
【0075】
各ポート168は、ポートをさらに分割する垂直な隔壁を内部に有する。ポート168の区域はそれぞれ、前記空間のうちの1つと別々に連通し、隔壁は、ポートの区域内のガスが混合するのを防止する。蓋は、内部に2つの流路を有し、各流路は、ポート168の区域のうちの1つにつながる。
【0076】
板の両面は、アノードおよびカソードとして働き、電流が流れている間は水素および酸素が発生する。発生したガスは、筐体からポート168の区域を介して流路内に流入する。
【0077】
図17に示すものなどの複数のセル156は、図17に示すような複数の平行な壁158を提供する筐体内に収容することができる。これにより、複数の隔室が提供される。蓋が移され、且つ流路を備える。この流路により、発生した酸素を共通の出口へ導き、且つ発生した水素を別の共通の出口へ導くことができる。
【発明の分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置に関する。
【本発明の背景】
【0002】
鉛蓄電池は、広く使用されている。鉛蓄電池は、高い起動電流を短期間に供給する能力が必要な自動車で使用される。鉛蓄電池はまた、予備発電機を備えるのに見合う十分な寸法はないものの、主電源が機能しなくなったときに予備電源が必要となる設備において用いられる。大量のそのような電池はまた、短い距離だけを必要とする配達車両のモータに電力供給するのに用いられてきた。鉛タイプの電池は、創出されてからずっと改良されてきたが、最初の開発以来、根本的には少しも変わっていない。
【0003】
高電流を必要としない電子機器への電力供給などの他の目的では、リチウム鉄およびニッケルカドミウム電池が開発されてきた。
【0004】
前述の電池はすべて、いわゆる2次タイプであり、すなわち充電することができる。
【0005】
本発明者のPCT出願第PCT/IB2006/002784号(国際公開第2007/042892号パンフレットとして2007年4月19日公開)の明細書では、正および負の充電端子と正および負の放電端子とを有する蓄電池が開示されている。この電池の構造は、正および負のペーストをその上に有する基板をベースにしている。この電池は、同時に充電し且つ放電することができる。たとえば自動車に嵌合されたとき、充電端子は車両の交流発電機に接続され、放電端子は車両の電気機器に接続される。
【0006】
本発明の目的は、新規な構造であり、且つ、前述のPCT出願に開示したものと同様に充電と放電とを同時におこなうことができる蓄電池を提供することである。
【本発明の簡単な説明】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、電極を構成する導電性の第1のトラックおよび第2のトラックを備える電気化学セル用の構成部品であって、第1のトラックおよび第2のトラックは、各トラックの接続タブを除き、電気化学的に活性な電池ペースト内に埋め込まれ、且つ、第1のトラックと第2のトラックとの間に直接的な電気的接触がないように、ペーストによって互いに物理的に分離された、構成部品が提供される。
【0008】
各トラックが第1の電極片を備え、第1の電極片から複数の平行に離隔された第2の電極片が延び、第1のトラックの第2の電極片と第2のトラックの第2の電極片とが交互になるように、第1のトラックおよび第2のトラックの第2の電極片がかみ合うことが好ましい。
【0009】
電気化学セルを形成するために、上に定義した構成部品が2つ使用され、一方の構成部品の電気化学的に活性なペーストは正であり、他方の構成部品の電気化学的に活性なペーストは負であり、これらの構成部品が並置され、構成部品間に多孔質の電気絶縁スペーサが存在する。
【0010】
本発明の第2の態様によれば、電気化学セル用の構成部品であって、電気化学セル用の構成部品であって、電気的に分離された導電性の第1のトラックおよび第2のトラックを一方側に有する多孔質基板を備え、各トラックが、電極を構成し且つそれぞれの端子に接続され、電気化学的に活性なペースト層が第1のトラックおよび第2のトラックを覆う、構成部品が提供される。
【0011】
トラックは、トラックを成型またはその他の方法で形成し、次いでトラックを基板に固定することによって、基板上に設けられる。この形式では、トラックは、基板内の溝の中に入れることができる。代替形式では、トラックは、基板上の金属被覆をエッチング除去して、トラックの構造を有する残留金属を残すことによって設けられる。残留金属は、耐酸性の金属で被覆することができる。さらなる方法では、トラックは、多孔質基板に電気めっきを施すことによって設けられる。
【0012】
セルを形成するために、構成部品は、多孔質基板の他方側に、電気的に分離された導電性の第3のトラックおよび第4のトラックを有することができ、これらの第3のトラックおよび第4のトラックは電極を構成し且つそれぞれの電池端子に接続され、第3のトラックおよび第4のトラックを覆う電気化学的に活性な電池ペーストが存在し、第1のトラックおよび第2のトラックを覆うペーストは、第3のトラックおよび第4のトラックを覆うペーストとは逆の極性である。
【0013】
電池を形成するために、第1のトラック、第2のトラック、第3のトラックおよび第4のトラックの端子それぞれは、互いに電気的に接続され、それによって、電池は2つの負端子と2つの正端子とを有する。
【0014】
本発明の第3の態様によれば、電気化学セルであって、電気的に分離された導電性の第1のトラックおよび第2のトラックを一方側に有する多孔質基板であって、第1のトラックおよび第2のトラックが、電池電極を構成し且つそれぞれの端子に接続された、多孔質基板と、第1のトラックおよび第2のトラックを覆う電気化学的に活性な第1のペースト層であって、電気化学的に活性な第1のペースト層と第1のトラックと第2のトラックが電気化学セルのカソードを構成する、第1のペースト層と、多孔質基板の他方側にある、電気的に分離された導電性の第3のトラックおよび第4のトラックであって、それぞれの端子に接続された、第3のトラックおよび第4のトラックと、第3のトラックおよび第4のトラックを覆う第2のペースト層であって、電気化学的に活性な第2のペースト層と第3のトラックと第4のトラックとが電気化学セルのアノードを構成する、第2のペースト層とを備える、電気化学セルが提供される。
【0015】
本発明の第4の態様によれば、電気化学セル用の構成部品であって、導電性の第1のトラックを一方側に有する基板であって、第1のトラックが第1の電池端子に接続された、基板と、第1のトラックを覆う電気化学的に活性な正ペースト層と、基板の他方側にあり、第2の電池端子に接続された導電性の第2のトラックと、第2のトラックを覆う電気化学的に活性な負ペースト層とを備える、構成部品が提供される。
【0016】
使用される2つ以上の充電電源を利用可能にし、且つ、使用される2つ以上の電力消費装置を使用可能にするために、それぞれの充電端子および/または放電端子に接続される3つ以上のトラックが設けられる。
【0017】
本発明の第5の態様によれば、電気化学セル用の構成部品を製造する方法であって、電気化学的に活性なペースト層を形成するステップと、ペースト層に、電気的に分離された導電性の第1の電極および第2の電極を配置するステップと、第1の電極および第2の電極をさらなるペーストで覆い、それによって第1の電極および第2の電極を埋め込むステップとを含む方法が提供される。
【0018】
ペースト層は型枠内で形成され、第1の電極および第2の電極はペースト層上に配置され、次いでさらなるペーストによって覆われる。
【0019】
本発明をより良く理解するために、またどのようにして同じことを実行できるかを示すために、例として、以下の添付の図面を次に参照する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】電池筐体の絵画図である。
【図2】セル構成部品の正面図である。
【図3】図2の線III−III上の、修正された構造を示す断面図である。
【図4】図2のセル構成部品の絵画図である。
【図5】電池セルを形成する前記構成部品のアセンブリの絵画図である。
【図6】3つの電池セルの絵画図である。
【図7】コネクタおよび端子が嵌合された図6のセルの絵画図である。
【図8】図1の電池筐体内の図7のセルを示す図である。
【図9】さらなるセル構成部品の絵画図である。
【図10】図9の構成部品を含む電池を示す図である。
【図11】さらなる形式のセル構成部品の絵画図である。
【図12】電池電極の一部および位置決め部材の一部を示す図である。
【図13】図11の構成部品の作製を示す断面図である。
【図14】さらなる構成部品の側面図である。
【図15】図8または図10に示す電池を含む設備を示す図である。
【図16】図8または図10に示す電池を含む設備を示す図である。
【図17】燃料電池を示す図である。
【図面に沿っての詳細な説明】
【0021】
まず図1を参照すると、図示の電池筐体10は、内部に2つの垂直な隔壁14を有する基部12と、中に7つの孔を有する蓋16とを備える。1列の孔18は、電池に電解液が充填された後、栓(図示せず)によって閉じられる。孔20からは、電池の4つの端子が突出する。
【0022】
セル(下記)が、隔壁14および筐体10の壁によって画定される隔室内に配置された後、蓋16は、基部12に加熱封止される。
【0023】
次に図2に移ると、図示の構造体は、非導電材料の基板22を備える。この基板は、たとえば、プリント回路基板(「Viroboard」と呼ばれる)が製造される材料のものとすることができる。そのような材料は、薄板状で入手可能であり、中に多数の小さな孔を有する。それらの孔により、電解液は材料内に入ることができ、したがって、本発明の目的のために、この材料は多孔質と見なすことができる。また、毛細管現象を呈し、中を通って電解液を移動させる材料を使用することも可能である。基板は方形であり、この基板から、4つの一体型タブ24、26、28、および30が突出する。以下の説明から理解されるように、図2では基板22のわずかな部分のみを示す。
【0024】
それぞれ電池電極を構成する2つの導電トラック32および34が、基板22の見える面上に設けられる。図を簡単にするために、トラック32には一方向に網目状の陰影をつけ、トラック34には他方向に網目状の陰影をつけ、基板22の見える部分は無地のままとした。
【0025】
トラック32は、タブ24の大部分を覆い、且つ一方の垂直縁部および基板22の下側の水平縁部に沿って延びる。トラック32の電極片(strips)36は、トラック32のうちの基板の下側の縁部に沿って延びる部分から垂直に上方へ突出する。
【0026】
トラック34は、タブ26を覆い、且つ基板22の上縁部の幅のほぼ全体にわたって延びる。片38は、トラック34のうちの基板の上縁部に沿って延びる部分から下方へ延びる。電極片36および38は、かみ合うが接触しない。この意味では、トラックは、互いに電気的に分離されている。
【0027】
基板の反対側には、同一の構成のトラックが存在し、これらのトラックは、タブ28および30で終端する。これらのトラックの小さい部分は、図4の40および42で見ることができる。
【0028】
トラック32、34、40、および42は、両側に薄い銅層を有する基板を使用して作製することができる。これらの層は、銅のうちの保持すべき領域を保護するようにマスキングされ、露出した銅は、エッチング除去される。マスクが除去された後、残りの銅は、鉛、カドミウム、リチウム、若しくはニッケルなどの耐酸性の金属、または耐酸性の金属水素化物でめっきされる。可能であれば、使用の際、残りの銅は浸食されるが、耐酸性の金属は残る。
【0029】
次いで基板の両面は、電気化学的に活性な酸化物ペーストで被覆される。このペーストは、たとえば、酸化鉛、酸化カドミウム、酸化リチウム、または酸化ニッケルとすることができる。鉛が使用される場合、中にカーボンブラックを有し「エキスパンダ(Expander)」と呼ばれる酸化鉛を、電気化学的に活性な負ペーストとして使用することができ、炭素をもたない酸化鉛を、電気化学的に活性な正ペーストとして使用することができる。
【0030】
これらのペーストは、トラックがタブ24、26、28、および30上の部分を除いてペースト内に埋め込まれるように、基板の両面を完全に覆う。これらのトラックは、板の電極を構成する。
【0031】
したがって、電極と正および負の電気化学的に活性なペーストとの両方を有する図2、3、および4の構成部品は、アノードとカソードの両方を有し、且つ低電圧を生成するセルとして働く。
【0032】
図3の形式では、基板はその両面に溝44を有し、溝44内にトラックが入れられる。図3のトラックは、鋳造またはその他の方法で形成し、次いで溝44内に圧入することができる。トラックを定位置に固定するための、溝とトラックの連動部品などの適切な手段を設けることができる。
【0033】
基板内の溝が基板の上縁部および下縁部まで延びる場合、トラックは、圧入するのではなく、溝の中へ滑り込ませることができる。この目的のため必然的に、トラック32のうちのタブ24の部分は、トラックを滑り込ませるとき互いに干渉するのを防止するために、タブ24を横切って延びる図示の破線で終端しなければならない。
【0034】
さらなる製造方法によれば、トラックは、鋳造または成型され、次いで射出金型の空洞内に配置される。金型が閉じられた後、トラック間の狭い間隙内にプラスチック材料が射出されて、薄い基板22を形成する。成型された基板のプラスチック材料は、電解液を中へ浸透させるために多孔質である。
【0035】
トラック32、34、40、42の電極片36、38がかみ合う構成により、ペーストの体積の大部分が、確実にトラックに近接するようにする。この構成は、簡単に実現できるものであるが、2つのペースト塊の大部分をトラックに隣接させる任意の他のトラック構成を利用することもできる。
【0036】
多孔質の合成プラスチック材料の薄い基板上に耐酸性の金属で電気めっきを施し、それによってトラックを形成することも可能である。
【0037】
図5は、図2、3、および4に示した構成部品が5つ互いに並置され、これらの構成部品間に4つの多孔質で耐酸性のセパレータ46が配置されることを示す。図5の構造体が1つのセルを構成する。このセルという用語は、従来使用される通りである。
【0038】
図6は図5に類似しているが、3つのセルC1、C2、およびC3を示し、これらのセルがともに1つの電池を構成する。
【0039】
図7でも、セルはC1、C2、およびC3と呼ばれる。C1およびC2と呼ばれるセルのタブ24上へ延びるトラック32は、ブリッジ48によって相互接続され、また同様に、セルC1およびC2のタブ26で終端するトラック34は、ブリッジ50によって相互接続されている。
【0040】
セルC1のタブ28上へ延びるトラック40は、ブリッジ52によって接続され、ブリッジ52からは、端子54が突出する。同様に、タブ30上へ延びるトラック42は、ブリッジ56によって相互接続され、ブリッジ56からは、端子58が突出する。
【0041】
ブリッジ60および62は、セルC3の正トラックを接続し、ブリッジ60および62からは、端子64および66が突出する。ブリッジ68および70は、セルC2の正トラックをセルC3の負トラックに接合する。構成部品の極性を示すために、符号+およびを図7に挿入した。
【0042】
端子64および66は、正の充電端子および正の放電端子であり、端子54および58は、負の放電端子および充電端子である。充電に使用される電極トラックを形成する材料は、放電に使用されるトラックを構成する導電材料より導電性の大きいものとすることができる。
【0043】
図8では、3つのセルC1、C2、およびC3は、基部12の隔室内にある。基部に蓋16が圧入されると、孔20から端子54、58、64、および66が突出する。電解液が注入され、充填孔18内に栓(図示せず)が挿入される。
【0044】
トラックを覆う電解活性ペーストは多孔質であり、このペーストに電解液が浸透する。基板22には孔が開けられ、またはその他の方法で多孔質であることから、電解液は最終的に、2つのペースト層同士の間を埋める。この理由で、負と正のペースト材料をどちらも有し、それらの両方に電解液が接触している図2の構成部品自体がセルを構成すると前述した。
【0045】
前の段落で説明したセルが、同時に充電し且つ放電することが可能なものではない場合、トラック32および34は、互いに電気的に接続し、且つ単一の端子に電気的に接続することができる。同様にトラック40、42も、互いに電気的に接続し、且つ単一の端子に電気的に接続することができる。
【0046】
実験的な研究では、太陽光パネルから充電電流が導出されると、電池は「自己調整」し、太陽光エネルギーが失われる夕暮れには電池は完全に充電されることがわかっている。実験的な研究ではさらに、充電および放電電流を調整することによって、太陽光エネルギーまたは別の源を使用して充電電流を生成するとき、「過充電」が可能であることもわかっている。この結果、水素ガスおよび酸素ガスが生成されて気泡となり、このガスを収集することができる。
【0047】
さらなるセル構成部品72を図9に示す。板72の基板は、薄く、可撓性があり、且つ多孔質であり、丸めて円筒形にすることができる。図2のセル構成部品と図9の構成部品との主な違いは、構成部品72が細長い方形(実質上正方形とは対照的)であること、並びに74、76、78、および80と呼ばれるタブが異なる形で位置決めされることである。これらのタブは、すべて同じ縁部から突出する図2のタブとは対照的に、基板の対向する長い方の縁部からそれぞれ2つずつ突出する。
【0048】
図10の電池は、84と呼ばれる端子構造体によって一方の端部で閉じられた円筒形の筐体82を備える。構造体84は、2つの端子86、88を備え、端子86、88は、90および92と呼ばれるセパレータによって互いに且つ筐体の残りの部分から絶縁される。
【0049】
筐体の他方の端部は、94と呼ばれるさらなる端子構造体によって閉じられる。構造体94もまた、96および98と呼ばれる2つの端子を提供し、端子96および98は、セパレータ100および102によって互いに且つ筐体から電気的に分離される。
【0050】
タブ74、76、78、および80は、端子86、88、96、および98のうちのそれぞれ1つに接続される。これにより、筐体の一方の端部では、負の充電および放電端子が提供され、筐体の他方の端部では、正の充電および放電端子が提供される。
【0051】
図11に示すセル構成部品104は、以下に図13を参照して説明するように作製される、電気化学的に活性な電池ペーストの方形の塊106を備える。
【0052】
ペースト内には、図2に示した形の2つのトラック108、110が埋め込まれる。これらのトラックは、トラックが互いに物理的に分離され、したがって直接電気的に接触しないような形で、電池ペースト塊内に位置決めされる。トラックの接続タブ112、114は、ペースト塊の上縁部から突出する。
【0053】
トラックは、溶接されまたはその他の方法でともに固定された個々の構成部品から、鋳造若しくは成型、または製作することができる。電池をより小さくする場合、トラックは、薄い片状(ストリップ状)の導電材料から構成することができる。電池をより大きくする場合、トラックは、横断面が方形または円形のより太い棒状のものとすることができる。埋め込まれたトラックはそれぞれ、1つの電極を構成する。
【0054】
トラック間に直接的な電気的接触が全くないようにするために、位置決め部材を使用することができる。図12では、丸い棒116、118が1つのトラックの一部を形成し、棒120が別のトラックの一部を形成する。図示の位置決め部材122は、これらの棒を受けるための輪124と、輪124を接合するストラップ126とを備える。部材122は、部材122が露出する電池ペーストおよび電解液による腐食に耐性のある電気絶縁材料からなる。
【0055】
図11の構成部品は、図13に示すものなどの方形の型枠128内に作製することができる。この型枠は、下部壁部分132と緩い上部壁部分134とを含む基部130を有する。
【0056】
初めに、型枠内にペースト層が配置さる。この層は、完成した電池板を構成する塊の厚さの約2分の1であり、下部壁部分132の上縁部と同じ高さにスクラップ(scrapped off)される。
【0057】
次いでペースト層上に、2つのトラックが配置され、トラック間に直接接触がないように位置決めされる。タブ112、114は、壁部分132を越えて突出する。部分132上に部分134が配置され、次いで、部分134の壁の上縁部の高さまで型枠にペーストが充填され、それによってペースト内にトラックを埋め込む。部分134は、突出するタブ112、114の周りに嵌合するように構成される。
【0058】
予備電力を供給するために使用されるものなどのより大きな電池は、たとえば自動車用の電池より大きな構造を有することが、理解されるであろう。上記の実施形態では、電極を構成するトラックは、同じ平面にある。しかし、より大きな電池では、板を構成するペースト塊は、塊の厚さの方向にトラックを隔置するのに十分なほど厚い。図14では、電気化学的に活性なペースト塊140内に、電気的に分離された電極136、138を並べて示す。
【0059】
電池の耐用年数の終わりは、電極の腐食のために到達することが多い。電池を通る電流が常に設計値を超えていたのでない限り、ペーストは通常、依然として使用可能な状態である。
【0060】
本発明によれば、腐食した場合に交換できる電極を提供することが可能である。これを実現するには、プラスチックまたは金属の形成型の周りにペースト塊が鋳造される。この型は、ペーストが硬化した後、ペーストから容易に引き抜くことができるような形で先細りしている。これにより、ペースト内には先細りした空洞が残り、これらの空洞内に、金属電極を挿入することができる。これらの電極は、必要な場合、交換のために引き抜くことができる。
【0061】
前述のセル構成部品のすべての形式では、各ペースト塊内に2つの電極が存在する。しかし、各ペースト塊内に3つ以上の電極を組み込み、それに比例して端子の数を増やすことが可能である。
【0062】
充電に関する限り、2つの充電電極を有することで、充電する目的で2つ以上の電源を電池に接続することができる。放電の面では、これらの電極を使用して、異なる電力出力を供給することができる。
【0063】
別の製造方法によれば、網状の多孔質基板を2つのローラ間に下方へ送ることができる。各ローラは、その面に、基板上に必要なトラックを複製した溝のパターンを有する。基板の両側のローラ間の間隙内にペーストが送られる。ローラは、ペーストが接着しない材料からなり、基板は、ペーストが接着する材料からなる。ローラが回転するにつれ、ペーストが溝を充填し、基板の両面に転写される。
【0064】
次に図15に移ると、次のように、前述の電池を組み込んだ設備を示す。電池はBで示されている。
【0065】
参照番号142は、12ボルトの直流充電電源を示している。これは、整流器と必要なら変圧器とを有する交流発電機とすることができる。交流発電機本体は、接地されないが、交流発電機が取り付けられる下部構造体144から分離されるように固定される。絶縁パッドを146で示す。下部構造体は、自動車の金属製車体とすることができる。直流充電電源142の正端子および負端子は、それぞれ電池端子64および58に接続される。
【0066】
電力消費手段は、全体として148と呼び、たとえば、電力を消費する自動車のすべての装置とすることができる。車両のエンジンが動作しているときには、燃料ポンプが主に電力を消費し、夜間は、照明もまた相当な電力を消費する。手段148は、電池端子66と54の間に接続される。
【0067】
図示の設備では、電力消費手段148には、電池Bから供給され、電源142からは直接供給されないことが、理解されるであろう。
【0068】
実験的な研究では、図15に示すような電気設備を有する自動車は、電源142から直接電力を取り込み、電池は、エンジンが切られて電源142が発電していない間に始動モータへの電力および車両の他の電気機器への「予備」電力を供給するだけである従来の構成を有する自動車に比べて、走行100Km当たりより少ない燃料を消費することがわかっている。
【0069】
図15では、電源142は、太陽光発電パネルとすることができ、電池Bは、リチウム鉄またはニッケルカドミウムタイプとすることができ、手段128は、携帯電話などの電子機器とすることができる。太陽光パネルは、携帯電話筐体の外側の表面に取り付けることができ、光に当たると、電池Bに充電電流を供給する。
【0070】
図16の設備では、直列に接続され、約36ボルトの電圧を供給する3つの電池B1、B2、およびB3が存在する。参照番号150は、ガソリンまたはディーゼルエンジンを指し、このエンジンは、発電機または交流発電機とすることができる直流充電電源152を駆動する。電源152の出力端子は、電池B1、B2、およびB3の充電端子間に接続される。
【0071】
モータ154は、電池B1、B2、およびB3によって駆動され、放電端子間に接続される。図16に示す設備は、自動車に電力供給するのに適している。
【0072】
図17では、参照番号156は燃料電池を指し、この燃料電池は、そこに供給される水素および酸素から発電するために、若しくはそこに電力が供給されたときに水素および酸素を生成するために使用することができ、または可逆性であり、両方の目的で使用することができる。
【0073】
燃料電池156は、図1〜4を参照して説明した電池板160または図9を参照して説明した電池板を受けるのに十分な寸法の隔室を間に画定する主壁158を有する筐体を備える。狭い端壁162は、垂直に延びるリブ164をその上に有し、リブ164内に、板160の垂直な縁部を滑り込ませる。リブ164および垂直な縁部は協働して、ガスがこれらの空間相互間を流動できないように、板160の片側の空間を反対側の空間から封止する。
【0074】
筐体の上端部は、中に2つのガス入口および出口ポート168を有するぴったりと嵌合しまたは封止する蓋166によって閉じられる。蓋166および板160の上縁部は、封止を形成し、それによって前記空間を分離する。
【0075】
各ポート168は、ポートをさらに分割する垂直な隔壁を内部に有する。ポート168の区域はそれぞれ、前記空間のうちの1つと別々に連通し、隔壁は、ポートの区域内のガスが混合するのを防止する。蓋は、内部に2つの流路を有し、各流路は、ポート168の区域のうちの1つにつながる。
【0076】
板の両面は、アノードおよびカソードとして働き、電流が流れている間は水素および酸素が発生する。発生したガスは、筐体からポート168の区域を介して流路内に流入する。
【0077】
図17に示すものなどの複数のセル156は、図17に示すような複数の平行な壁158を提供する筐体内に収容することができる。これにより、複数の隔室が提供される。蓋が移され、且つ流路を備える。この流路により、発生した酸素を共通の出口へ導き、且つ発生した水素を別の共通の出口へ導くことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極を構成する導電性の第1のトラックおよび第2のトラックを備える電気化学セル用の構成部品であって、
前記第1のトラックおよび前記第2のトラックは、各トラックの接続タブを除き、電気化学的に活性な電池ペースト内に埋め込まれ、且つ、前記第1のトラックと前記第2のトラックとの間に直接的な電気的接触がないように、前記ペーストによって互いに物理的に分離されている、構成部品。
【請求項2】
前記各トラックが第1の電極片を備え、前記第1の電極片から複数の平行に離隔された第2の電極片が延び、前記第1のトラックの前記第2の電極片と前記第2のトラックの前記第2の電極片とが交互になるように、前記第1のトラックの前記第2の電極片と前記第2のトラックの前記第2の電極片とがかみ合う、請求項1に記載の構成部品。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の構成部品を2つ備え、
一方の構成部品の前記電気化学的に活性なペーストが正であり、他方の電池板の前記電気化学的に活性なペーストが負であり、前記電池板が並置され、これらの電池板間に多孔質で電気絶縁のスペーサが存在する、電気化学セル。
【請求項4】
電気化学セル用の構成部品であって、
電気的に分離された導電性の第1のトラックおよび第2のトラックを一方側に有する多孔質基板を備え、
前記各トラックが、電極を構成し且つそれぞれの端子に接続され、
電気化学的に活性なペースト層が前記第1のトラックおよび前記第2のトラックを覆う、構成部品。
【請求項5】
前記トラックを成型またはその他の方法で形成し、次いで前記トラックを前記基板に固定することによって、前記トラックは前記基板上に設けられる、請求項4に記載の構成部品。
【請求項6】
前記トラックが、前記基板内の溝の中にある、請求項5に記載の構成部品。
【請求項7】
前記トラックが、前記基板上の金属被覆をエッチング除去して、前記トラックの構造を有する残留金属を残すことによって設けられる、請求項4に記載の構成部品。
【請求項8】
前記残留金属が、耐酸性の金属で被覆される、請求項7に記載の構成部品。
【請求項9】
前記トラックが、前記多孔質基板に電気めっきを施すことによって設けられる、請求項4に記載の構成部品。
【請求項10】
前記多孔質基板の他方側に、電気的に分離された導電性の第3のトラックおよび第4のトラックを有し、
前記第3のトラックおよび前記第4のトラックが電極を構成し且つそれぞれの電池端子に接続され、前記第3のトラックおよび前記第4のトラックを覆う電気化学的に活性な電池ペーストが存在し、
前記第1のトラックおよび前記第2のトラックを覆う前記ペーストが、前記第3のトラックおよび前記第4のトラックを覆う前記ペーストとは逆の極性である、請求項4〜9のいずれか一項に記載の構成部品。
【請求項11】
請求項10に記載の構成部品を複数備える電池であって、
前記第1のトラック、前記第2のトラック、前記第3のトラックおよび前記第4のトラックの前記端子それぞれが、互いに電気的に接続され、それによって、当該電池が2つの負端子と2つの正端子とを有する、電池。
【請求項12】
電気化学セルであって、
電気的に分離された導電性の第1のトラックおよび第2のトラックを一方側に有する多孔質基板であって、前記第1のトラックおよび前記第2のトラックが、電池電極を構成し且つそれぞれの端子に接続された、多孔質基板と、
前記第1のトラックおよび前記第2のトラックを覆う電気化学的に活性な第1のペースト層であって、前記電気化学的に活性な第1のペースト層と前記第1のトラックと前記第2のトラックが前記電気化学セルのカソードを構成する、第1のペースト層と、
前記多孔質基板の他方側にある、電気的に分離された導電性の第3のトラックおよび第4のトラックであって、それぞれの端子に接続された、第3のトラックおよび第4のトラックと、
前記第3のトラックおよび第4のトラックを覆う第2のペースト層であって、電気化学的に活性な前記第2のペースト層と前記第3のトラックと第4のトラックとが前記電気化学セルのアノードを構成する、第2のペースト層と
を備える、電気化学セル。
【請求項13】
電気化学セル用の構成部品であって、
導電性の第1のトラックを一方側に有する基板であって、前記第1のトラックが第1の電池端子に接続された、基板と、
前記第1のトラックを覆う電気化学的に活性な正ペースト層と、
前記基板の他方側にあり、第2の電池端子に接続された導電性の第2のトラックと、
前記第2のトラックを覆う電気化学的に活性な負ペースト層と
を備える、構成部品。
【請求項14】
3つ以上のトラックを含み、それによって、それぞれの充電端子および/または放電端子が接続される3つ以上の充電電源および/または3つ以上の電力消費装置を利用することができる、請求項1、2、4〜10および13のいずれか一項に記載の構成部品。
【請求項15】
電気化学セル用の構成部品を製造する方法であって、
電気化学的に活性なペースト層を形成するステップと、
前記ペースト層に、電気的に分離された導電性の第1の電極および第2の電極を配置するステップと、
前記第1の電極および前記第2の電極をさらなるペーストで覆い、それによって前記第1の電極および前記第2の電極を埋め込むステップと
を含む方法。
【請求項16】
前記ペースト層は型枠内で形成され、前記第1の電極および前記第2の電極は前記ペースト層上に配置され、次いでさらなるペーストによって覆われる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
水素および酸素が供給されると発電することができ、且つ電流が中を流れると水素および酸素を生成する燃料電池であって、請求項1、2、4〜10および13のいずれか一項に記載の構成部品を用いて構成された、燃料電池。
【請求項1】
電極を構成する導電性の第1のトラックおよび第2のトラックを備える電気化学セル用の構成部品であって、
前記第1のトラックおよび前記第2のトラックは、各トラックの接続タブを除き、電気化学的に活性な電池ペースト内に埋め込まれ、且つ、前記第1のトラックと前記第2のトラックとの間に直接的な電気的接触がないように、前記ペーストによって互いに物理的に分離されている、構成部品。
【請求項2】
前記各トラックが第1の電極片を備え、前記第1の電極片から複数の平行に離隔された第2の電極片が延び、前記第1のトラックの前記第2の電極片と前記第2のトラックの前記第2の電極片とが交互になるように、前記第1のトラックの前記第2の電極片と前記第2のトラックの前記第2の電極片とがかみ合う、請求項1に記載の構成部品。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の構成部品を2つ備え、
一方の構成部品の前記電気化学的に活性なペーストが正であり、他方の電池板の前記電気化学的に活性なペーストが負であり、前記電池板が並置され、これらの電池板間に多孔質で電気絶縁のスペーサが存在する、電気化学セル。
【請求項4】
電気化学セル用の構成部品であって、
電気的に分離された導電性の第1のトラックおよび第2のトラックを一方側に有する多孔質基板を備え、
前記各トラックが、電極を構成し且つそれぞれの端子に接続され、
電気化学的に活性なペースト層が前記第1のトラックおよび前記第2のトラックを覆う、構成部品。
【請求項5】
前記トラックを成型またはその他の方法で形成し、次いで前記トラックを前記基板に固定することによって、前記トラックは前記基板上に設けられる、請求項4に記載の構成部品。
【請求項6】
前記トラックが、前記基板内の溝の中にある、請求項5に記載の構成部品。
【請求項7】
前記トラックが、前記基板上の金属被覆をエッチング除去して、前記トラックの構造を有する残留金属を残すことによって設けられる、請求項4に記載の構成部品。
【請求項8】
前記残留金属が、耐酸性の金属で被覆される、請求項7に記載の構成部品。
【請求項9】
前記トラックが、前記多孔質基板に電気めっきを施すことによって設けられる、請求項4に記載の構成部品。
【請求項10】
前記多孔質基板の他方側に、電気的に分離された導電性の第3のトラックおよび第4のトラックを有し、
前記第3のトラックおよび前記第4のトラックが電極を構成し且つそれぞれの電池端子に接続され、前記第3のトラックおよび前記第4のトラックを覆う電気化学的に活性な電池ペーストが存在し、
前記第1のトラックおよび前記第2のトラックを覆う前記ペーストが、前記第3のトラックおよび前記第4のトラックを覆う前記ペーストとは逆の極性である、請求項4〜9のいずれか一項に記載の構成部品。
【請求項11】
請求項10に記載の構成部品を複数備える電池であって、
前記第1のトラック、前記第2のトラック、前記第3のトラックおよび前記第4のトラックの前記端子それぞれが、互いに電気的に接続され、それによって、当該電池が2つの負端子と2つの正端子とを有する、電池。
【請求項12】
電気化学セルであって、
電気的に分離された導電性の第1のトラックおよび第2のトラックを一方側に有する多孔質基板であって、前記第1のトラックおよび前記第2のトラックが、電池電極を構成し且つそれぞれの端子に接続された、多孔質基板と、
前記第1のトラックおよび前記第2のトラックを覆う電気化学的に活性な第1のペースト層であって、前記電気化学的に活性な第1のペースト層と前記第1のトラックと前記第2のトラックが前記電気化学セルのカソードを構成する、第1のペースト層と、
前記多孔質基板の他方側にある、電気的に分離された導電性の第3のトラックおよび第4のトラックであって、それぞれの端子に接続された、第3のトラックおよび第4のトラックと、
前記第3のトラックおよび第4のトラックを覆う第2のペースト層であって、電気化学的に活性な前記第2のペースト層と前記第3のトラックと第4のトラックとが前記電気化学セルのアノードを構成する、第2のペースト層と
を備える、電気化学セル。
【請求項13】
電気化学セル用の構成部品であって、
導電性の第1のトラックを一方側に有する基板であって、前記第1のトラックが第1の電池端子に接続された、基板と、
前記第1のトラックを覆う電気化学的に活性な正ペースト層と、
前記基板の他方側にあり、第2の電池端子に接続された導電性の第2のトラックと、
前記第2のトラックを覆う電気化学的に活性な負ペースト層と
を備える、構成部品。
【請求項14】
3つ以上のトラックを含み、それによって、それぞれの充電端子および/または放電端子が接続される3つ以上の充電電源および/または3つ以上の電力消費装置を利用することができる、請求項1、2、4〜10および13のいずれか一項に記載の構成部品。
【請求項15】
電気化学セル用の構成部品を製造する方法であって、
電気化学的に活性なペースト層を形成するステップと、
前記ペースト層に、電気的に分離された導電性の第1の電極および第2の電極を配置するステップと、
前記第1の電極および前記第2の電極をさらなるペーストで覆い、それによって前記第1の電極および前記第2の電極を埋め込むステップと
を含む方法。
【請求項16】
前記ペースト層は型枠内で形成され、前記第1の電極および前記第2の電極は前記ペースト層上に配置され、次いでさらなるペーストによって覆われる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
水素および酸素が供給されると発電することができ、且つ電流が中を流れると水素および酸素を生成する燃料電池であって、請求項1、2、4〜10および13のいずれか一項に記載の構成部品を用いて構成された、燃料電池。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2011−503769(P2011−503769A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542386(P2009−542386)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【国際出願番号】PCT/IB2007/055274
【国際公開番号】WO2008/075317
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(506257892)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【国際出願番号】PCT/IB2007/055274
【国際公開番号】WO2008/075317
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(506257892)
【Fターム(参考)】
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