表示システム、表示方法、プログラム
【課題】車両に装備されて、走行する道路に応じて、より適切なメータ表示に切り替えることができる表示システム、表示方法、プログラムを提供する。
【解決手段】車両のメータ表示部に表示させる複数個のメータを記憶しておき、複数の車両から、どの道路でどのメータを用いたかの履歴の情報を集めてセンターで蓄積し、その情報をもとに使用回数が上位の推奨メータを車両に送信する。車両の乗員が持つ携帯端末の表示部305に、推奨メータの画像900、910を、(a)優先順位とともに、あるいは(b)地図上に道路と重畳して表示する。表示されたなかからユーザによって選択された1個のメータがメータ表示部に表示される。
【解決手段】車両のメータ表示部に表示させる複数個のメータを記憶しておき、複数の車両から、どの道路でどのメータを用いたかの履歴の情報を集めてセンターで蓄積し、その情報をもとに使用回数が上位の推奨メータを車両に送信する。車両の乗員が持つ携帯端末の表示部305に、推奨メータの画像900、910を、(a)優先順位とともに、あるいは(b)地図上に道路と重畳して表示する。表示されたなかからユーザによって選択された1個のメータがメータ表示部に表示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システム、表示方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車の車両用の表示装置において、液晶ディスプレイ(LCD)、特にTFT液晶ディスプレイなどで表示装置を構成して、その画面上に、コンピュータグラフィックス技術により作成されたメータ(計器)の画像を表示する場合が増えてきている。その場合、組付けの容易さやデザイン変更の自由度の高さなどの利点がある。
【0003】
例えば下記特許文献1には、メータの枠部分であるリング画像で光沢感を表現するとともに、指針が現示している部分を視認し易い輝度に自動的に変更する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−157434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
当然メータ表示は、できるだけ運転者にとって視認性が高い表示であるほうが望ましい。また走行する道路に応じて、その道路の特性に応じた適切な表示方法を用いたり付加的な情報を報知できれば、より高性能な表示装置となる。したがって例えば走行している道路に応じてメータ表示(メータ画像)を替えれば、視認性の向上や、適切な表示方法、適切な情報の報知が実現できることが考えられるが、従来技術においてそのような提案はない。
【0006】
そこで本発明が解決しようとする課題は、上記問題点に鑑み、車両に装備されて、走行する道路に応じて、より適切なメータ表示に切り替えることができる表示システム、表示方法、プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
上記課題を達成するために、本発明に係る表示システムは、車両に装備されて、車両の走行に関する計測値を示す計器を表示する表示部と、前記車両の現在位置を算出するナビゲーション手段と、前記車両の走行に関する同一の計測値を異なる表示形態で表示する複数個の前記計器を記憶する記憶手段と、前記ナビゲーション手段により算出された車両の現在位置の走行方向前方に延びる道路に応じて、前記記憶手段に記憶された複数個の前記計器のうちから1個の前記計器を選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された前記計器を前記表示部に表示する表示制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
これにより本発明に係る表示システムでは、単一の計測値を異なる表示形態で示す車両の計器を複数個記憶しておいて、ナビゲーション手段によって車両の現在位置を算出して、現在位置の前方に延びる道路に応じて複数個の計器のなかから1個の計器を選択して表示するので、車両が走行中の道路、あるいは今後走行することとなる道路に応じて適切な計器を表示できる表示システムが実現できる。したがって道路の特性に応じて、視認しやすい計器や、付加的な情報を報知する計器等に順次切替えて、適切な運転に寄与することができる。
【0009】
また複数の前記車両が前記選択手段を備え、個々の道路において、複数の前記車両の前記選択手段が過去に選択した前記計器の履歴を記憶する副記憶手段を備え、前記選択手段は、前記ナビゲーション手段によって算出された車両の現在位置の走行方向前方に延びる道路ごとに、前記副記憶手段によって記憶された、複数の前記計器それぞれの過去の使用頻度の情報を用いて、1個の前記計器を選択する第1副選択手段を備えたとしてもよい。
【0010】
これにより、個々の道路に応じて、複数の車両が過去にどの計器を選択したかの情報を蓄積しておいて、その情報を用いて道路ごとに1個の計器を選択するので、自車両のみでなく、他の車両が過去にどの計器を選択したかの情報を有効に利用することにより、個々の道路ごとに適切な計器を表示できる。
【0011】
また複数の前記車両が前記選択手段を備え、個々の道路において、複数の前記車両の前記選択手段が過去に選択した前記計器の履歴を記憶する副記憶手段と、使用者からの入力を受け付ける入力手段と、個々の道路ごとに、前記副記憶手段によって記憶された、複数の前記計器それぞれの過去の使用頻度が高い前記計器を表示する副表示手段と、を備え、前記選択手段は、前記副表示手段によって表示された複数の前記計器のなかから1個の前記計器を選択する入力を前記入力手段で受け付けることにより、1個の前記計器を選択する第2副選択手段を備えたとしてもよい。
【0012】
これにより、個々の道路に応じて、複数の車両が過去にどの計器を選択したかの情報を蓄積しておいて、その情報に、ユーザによる選択入力を加えて1個の計器を選択するので、自車両のみでなく他の車両が過去にどの計器を選択したかの情報を有効に利用するとともに、ユーザの好みにも応じて、個々の道路ごとに適切な計器を表示できる。
【0013】
また前記記憶手段に記憶された複数の前記計器のそれぞれに対して、その計器に適した道路の条件が設定されており、個々の道路において前記計器のそれぞれが前記条件を満たすか否かを判定する判定手段を備え、前記選択手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記ナビゲーション手段によって算出された車両の現在位置の走行方向前方に延びる道路に対して1個の前記計器を選択する第3副選択手段を備えたとしてもよい。
【0014】
これにより、どのような道路にはどのような計器が適しているかに関する条件を設定しておいて、その条件を満たすか否かで1個の計器を選択するので、個々の道路の特性に応じた計器を表示することができる。
【0015】
また前記記憶手段に記憶された複数の前記計器のそれぞれに対して、その計器に適した道路の条件が設定されており、個々の道路において前記計器のそれぞれが前記条件を満たすか否かを判定する判定手段と、使用者からの入力を受け付ける入力手段と、前記ナビゲーション手段によって算出された車両の現在位置の走行方向前方に延びる道路ごとに、その道路に対する前記条件が満たされると前記判定手段によって判定された複数の前記計器を表示する副表示手段と、を備え、前記選択手段は、前記副表示手段によって表示された複数の前記計器のなかから1個の前記計器を選択する入力を前記入力手段で受け付けることにより、1個の前記計器を選択する第4副選択手段を備えたとしてもよい。
【0016】
これにより、どのような道路にはどのような計器が適しているかに関する条件を設定しておいて、その条件を満たすか否かの判定に、ユーザによる選択入力を加えて1個の計器を選択するので、個々の道路の特性に応じるとともに、ユーザの好みにも応じて計器を表示することができる。
【0017】
また前記記憶手段によって記憶された複数個の前記計器のなかには、制限速度を強調して表示する速度計が含まれるとしてもよい。
【0018】
これにより、制限速度を強調して表示する速度計が選択できるので、例えば直線状の道路や交通量の少ない道路などのように制限速度を超えやすい道路を走行する場合は、制限速度を強調して表示する速度計を選択することにより、速度超過を抑制できる計器表示が可能となる。
【0019】
また前記記憶手段によって記憶された複数個の前記計器のなかには、前記車両の車体の傾斜を車速と重畳して表示する速度計が含まれるとしてもよい。
【0020】
これにより車両の車体の傾斜を車速と重畳して表示する速度計が選択できるので、勾配がある道路を走行する場合には、車体の傾斜を車速と重畳して表示する速度計を選択することにより、勾配のある道路に適した運転が促せる計器表示が可能となる。
【0021】
また本発明に係る表示方法は、車両に装備されて、車両の走行に関する計測値を示す計器を表示する表示部における表示方法であって、前記車両の現在位置を算出するナビゲーションステップと、前記車両の走行に関する同一の計測値を異なる表示形態で表示する複数個の前記計器を記憶する記憶ステップと、前記ナビゲーションステップにより算出された車両の現在位置の走行方向前方に延びる道路に応じて、前記記憶ステップにより記憶された複数個の前記計器のうちから1個の前記計器を選択する選択ステップと、前記選択ステップによって選択された前記計器を前記表示部に表示する表示制御ステップと、を実行することを特徴とする。
【0022】
これにより本発明に係る表示方法では、単一の計測値を異なる表示形態で示す車両の計器を複数個記憶しておいて、ナビゲーション手段によって車両の現在位置を算出して、現在位置の前方に延びる道路に応じて複数個の計器のなかから1個の計器を選択して表示するので、車両が走行中の道路、あるいは今後走行することとなる道路に応じて適切な計器を表示できる表示方法が実現できる。したがって道路の特性に応じて、視認しやすい計器や、付加的な情報を報知する計器等に順次切替えて、適切な運転に寄与することができる。
【0023】
また本発明に係るプログラムは、コンピュータで読取可能なプログラムであって、前記コンピュータは、車両に装備されて、車両の走行に関する計測値を示す計器を表示する表示部と、前記車両の現在位置を算出するナビゲーション部と、前記車両の走行に関する同一の計測値を異なる表示形態で表示する複数個の前記計器を記憶する記憶部と、に接続され、前記コンピュータを、前記ナビゲーション部により算出された車両の現在位置の走行方向前方に延びる道路に応じて、前記記憶部に記憶された複数個の前記計器のうちから1個の前記計器を選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された前記計器を前記表示部に表示する表示制御手段と、して機能させることを特徴とする。
【0024】
これにより本発明に係るプログラムは、単一の計測値を異なる表示形態で示す車両の計器を複数個記憶しておいて、ナビゲーション手段によって車両の現在位置を算出して、現在位置の前方に延びる道路に応じて複数個の計器のなかから1個の計器を選択して表示するように機能させるので、車両が走行中の道路、あるいは今後走行することとなる道路に応じて適切な計器を表示できる表示システムを実現するプログラムとなる。したがって道路の特性に応じて、視認しやすい計器や、付加的な情報を報知する計器等に順次切替えて、適切な運転に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例における表示システムの構成図。
【図2】実施例1における表示処理のフローチャート。
【図3】実施例2における表示処理のフローチャート。
【図4】実施例3における表示処理のフローチャート。
【図5】実施例4における表示処理のフローチャート。
【図6】第1の最適(推奨)メータ探索処理のフローチャート。
【図7】第2の最適(推奨)メータ探索処理のフローチャート。
【図8】強調スピードメータの第1の表示処理のフローチャート。
【図9】強調スピードメータの第2の表示処理のフローチャート。
【図10】傾斜スピードメータの表示処理のフローチャート。
【図11】眠気スピードメータの表示処理のフローチャート。
【図12】エコスピードメータの表示処理のフローチャート。
【図13】タコメータ選択処理のフローチャート。
【図14】タコメータ表示処理のフローチャート。
【図15】推奨メータの表示例。
【図16】強調スピードメータの表示例。
【図17】傾斜スピードメータの表示例。
【図18】眠気スピードメータの表示例。
【図19】エコスピードメータの表示例。
【図20】振れ角が大きいタコメータの表示例。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。まず図1は、本発明に係る車両用表示システム1(表示システム)の装置構成の概略図である。表示システム1は、自動車の車両2に搭載された各部、携帯端末3、通信ネットワーク5と接続されたセンター4(サーバ)を備える。
【0027】
表示システム1は、車両2にメータ電子制御装置200(ECU:Electronic Control Unit)を備える。メータECU200は、通常のコンピュータの構造を有するとし、各種演算や情報処理を実行するCPU、その作業領域としての一時記憶部であるRAM、各種情報を記憶するためのROM、車内通信のためのインターフェイス部等を備えるとすればよい。
【0028】
そしてメータECU200は、液晶ディスプレイ201(LCD:Liquid Crystal Display)、バックライトモジュール202、無線通信部203、近距離無線通信部204、データベース205(DB)と接続されている。
【0029】
LCD201は例えばTFT液晶ディスプレイとし、ダッシュボード(インストルメントパネル)における運転席に対向した場所に設置されて、メータ画像が表示されて、それにより運転者に車両の走行に関する各種計測値の情報を報知する。バックライトモジュール202はLCD201の裏側から光を照射して、LCD201の画像が運転者(乗員、ユーザ)に視認できるようにする。
【0030】
メータECU200は、LCD201への表示のために描画LSI、グラフィックメモリを備えるとする。描画LSIによりグラフィックメモリ上で画像を形成して、その画像をLCD201に伝えて表示させる。なおLCD201は、プラズマディスプレイやELディスプレイなどの自発光ディスプレイに変更してもよい。
【0031】
無線通信部203は、基地局500、通信ネットワーク5を介してセンター4と無線で通信するために装備される。近距離無線通信部204は、例えばBluetooth(登録商標)による無線通信部とし、携帯端末3に装備された近距離無線通信部304との無線通信のために装備される。DB205には、本システムで必要となる、個々の道路における各メータの使用履歴などの情報が蓄積される。メータECU200は不揮発性のメモリ206を備え、メモリ206には後述する各種メータ画像データ207が記憶されているとする。
【0032】
さらに表示システム1は、車両2にボディECU220(ECU)を備える。ボディECU220は、車速センサ221、エンジン回転数センサ222、燃料残量センサ223、水温センサ224と接続されている。車速センサ221は、周知のロータリエンコーダ等の回転検出部を含み、例えば車輪取り付け部付近に設置されて車輪の回転を検出してパルス信号としてECU220に送る。ECU220では、その車輪の回転数を車両の速度に換算する。
【0033】
エンジン回転数センサ222は、エンジンの(単位時間あたりの)回転数を計測する。具体的には、エンジン回転数センサ222は、例えばエンジンから連結されたクランクの回転角度を計測するクランク角センサであり、その検出値がECU220へ送られてエンジンの回転数が算出される。燃料残量センサ223は、車両の燃料タンクにおける燃料の残量を検出する。水温センサ224は、エンジンの冷却水の温度を検出する。ボディECU220はさらに、シフトレバー情報や方向指示灯情報を取得するとしてもよい。またボディECU220は加速度センサ225(傾斜センサ)と接続されて、車体の傾斜角度の情報も取得する。
【0034】
さらに表示システム1は、ナビゲーション装置240(ナビ装置)を備える。ナビ装置240は通常のコンピュータの構造を有するとし、各種演算や情報処理を実行するCPU、その作業領域としての一時記憶部であるRAM、各種情報を記憶するためのROM、車内通信のためのインターフェイス部等を備えるとすればよい。ナビ装置240は、GPS受信部241、ジャイロセンサ242、地図情報データベース243(DB)、表示部244、入力部245を備える。
【0035】
GPS受信部241は、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を受信する。ジャイロセンサ242は、車両のヨー方向の角速度を検出する機能を有するセンサである。ジャイロセンサ242が検出した角速度を積分することにより車両の方向変化が算出される。
【0036】
DB243は、カーナビゲーションで利用される地図情報のデータベースである。表示部244は例えば液晶ディスプレイとし、車室内の乗員から視認される位置に配置すればよい。入力部245は乗員からカーナビに関する入力を受けつける。入力部245は例えば表示部244と一体のタッチパネルなどとすればよい。
【0037】
ナビ装置240では、以上の構成を用いて、以下のとおりカーナビゲーション(カーナビ)に関する情報処理を実行する。
【0038】
カーナビにおける位置算出方法は、例えばGPS航法、自律航法、マップマッチング法の組合せとする。このうちGPS航法では、GPS受信部241によってGPS衛星からのGPS信号を受信することによって、地球上での車両の位置(緯度、経度)を算出する。
【0039】
自律航法では、ジャイロセンサ242等によって車両の方向を求め、車速センサ221で検出した車速を積分して走行距離を求めることによって車両の位置を算出する。ナビ装置240では、上記GPS航法と自律航法とを組み合わせたハイブリッド航法によって車両位置を算出するとすればよい。
【0040】
ハイブリッド航法では例えば、最初の位置決定を含めた、時々の数値補正のときにGPS航法を用い、それ以外のときは自律航法によって車両の進行方向及び走行距離を時々刻々算出し、それを積算していくことにより、逐次車両位置を算出していく。ハイブリッド航法を使用することによって、GPS航法ではトンネル内や建築物の陰でGPS衛星からの電波が受信しにくい状況では車両位置の算出が困難である問題点と、自律航法では走行距離を積算していくうちに誤差が累積していき車両位置の精度が低減する問題点とを互いに補うことができて、高精度に車両位置が算出できる。
【0041】
そして、ハイブリッド航法によって得られた車両位置をさらにマップマッチング法によって修正すればよい。マップマッチング法では、ハイブリッド航法によって得られた車両位置がDB243が有する地図と照らし合わせて不適切な位置であるとみなされた場合には、DB243が有する地図に整合させて、より適切な車両位置に修正する。
【0042】
さらに表示システム1は、眠気レベル検出ユニット260を備える。眠気レベル検出ユニット260は運転者の眠気レベルを検出する機能を有する。眠気レベル検出ユニット260で用いられる検出原理は、例えば特開2009−45418号公報に開示された方法とすればよい。すなわち撮影部261を運転者の顔を撮影できる位置に設置して、これにより撮影された運転者の顔の画像に対して画像解析を行って運転者の眠気の程度に関する特徴を抽出する。
【0043】
具体的には、運転者の顔画像から例えば、左右の口角の距離,眉と目の距離,頭部傾き角度,眉頭の中点と目頭の中点間の距離,眉頭間の距離,鼻下端の中点と目頭の中点間の距離,口端の中点と目頭の中点間の距離,下唇下端と目頭の中点間の距離,上まぶたと下まぶた間の距離,左右鼻孔外側端間の距離,上唇上端と目頭の中点間の距離などを検出する。そして、それらの数値を運転者の覚醒時も含めて取得しておいて、その蓄積された数値から、個々の数値における眠気の有無判定のための閾値を定める。各数値と閾値との大小を比較して、その結果をまとめて運転者の眠気レベルを算出する。眠気レベル検出ユニット260で算出する眠気レベルは、例えば不連続な数値(整数値)でもよく、連続的な数値でもよい。
【0044】
以上で述べたメータECU200、ボディECU220、ナビゲーション装置240、眠気レベル検出ユニット260は多重通信バスで接続されて情報の受け渡しが可能とする。
【0045】
次に、携帯端末3は、乗員が携帯可能で通信機能を有する端末とし、例えば携帯電話機などとすればよい。携帯端末3は、CPU300、RAM301、ROM302、無線通信部303、近距離無線通信部304、表示部305、入力部306を備える。
【0046】
CPU300は、本システムに関する各種演算や情報処理を実行する。RAM301はCPU300の作業領域として用いられる一時記憶部である。ROM302は、本システムで必要とされる各種プログラムなどを記憶する不揮発性の記憶部である。無線通信部303は、基地局500、通信ネットワーク5を介してセンター4と無線で通信するために装備される。なお無線通信部303は装備しないとしてもよい。
【0047】
近距離無線通信部304は、例えばBluetooth(登録商標)による無線通信部とし、メータECU200に接続された近距離無線通信部204との無線通信のために装備される。表示部305は例えば液晶ディスプレイとし、後述するように各種メータ画像等を表示する。入力部306はユーザから本システムに関する各種入力、例えばメータ画像の選択入力などを受け付ける。入力部306は例えば表示部305と一体のタッチパネルなどとすればよい。
【0048】
次に、センター4(サーバ装置)は通信ネットワーク5に接続されて、基地局500を介して車両2(や携帯端末3)と通信する。センター4はCPU400、RAM401、ROM402、データベース403(DB)を備える。
【0049】
CPU400は、本システムに関する各種演算や情報処理、例えばDB403へのメータ使用履歴の格納指令等を実行する。RAM401はCPU400の作業領域として用いられる一時記憶部であり、ROM402は、本システムで必要とされる各種プログラムなどを記憶する不揮発性の記憶部である。DB403には、本システムで必要となる、個々の道路における各メータの使用履歴などの情報が蓄積される。なおDB205とDB403とは、後述するようにいずれか一方を装備すればよい。
【0050】
以上の構成のもとで、表示システム1は、車両のメータ表示部(LCD201)に走行中の道路に適したメータを表示する。その際、個々の道路の特徴(制限速度を超えやすい道路か、眠気を誘発しやすい道路か等)の情報を用いる場合と、本システムに加入している車両(自車両も他車両も含む)から、どの道路でどのメータを表示させたかの情報を無線で取得してセンターで蓄積し、その情報を用いる場合とがある。
【0051】
またシステムの側でユーザに推奨メータ画像を示して、そのなかからユーザに選択させる手動(マニュアル)のタイプと、システムで自動的に最適なメータを選択する自動(オート)のタイプとがある。
【0052】
具体的に、以下で説明する実施例1、2は、ユーザが手動でメータ画像を選択する例であり、そのうち実施例1はメータ使用履歴をセンター4で蓄積する場合、実施例2はセンター4を使用しない場合である。また実施例3、4は、システムが自動で最適なメータ画像を選択する例であり、そのうち実施例3はメータ使用履歴をセンター4で蓄積する場合、実施例4は、センター4を使用しない場合である。
【0053】
ユーザからの(例えば入力部306への)入力により、上記手動(マニュアル)モードと自動(オート)モードとは切替可能としてもよい。実施例1、3ではDB205は装備しなくともよく、実施例2、4ではDB403(あるいはセンター4)を装備しなくともよい。なお以下で述べる、メータECU200と携帯端末3の間の通信は近距離無線通信部204、304を用いて行えばよい。またメータECU200とセンター4の間の通信は無線通信部203を用いて行えばよい。
【0054】
まず実施例1から説明する。実施例1の処理手順は図2に示されている。図2の処理手順は予めプログラム化して、例えばメモリ206、ROM302、ROM402に記憶しておき、メータECU200、携帯端末3のCPU300、センター4のCPU400が(ユーザによる操作以外は)自動的にこれを実行すればよい。
【0055】
図2の処理ではまず手順S10で携帯端末3においてユーザが本システムに関する(つまり本フローチャートを含む)アプリケーションソフトを起動する。そしてS15でメータECU200へ向けて、センター4へ車両の現在位置情報を送信することを指令する。
【0056】
メータECU200は、S20でこの指令を受信して、S25でナビゲーション装置240から車両の現在位置情報を取得する。そしてS30で車両の現在位置情報をセンター4へ向けて送信する。この際同時に車両の識別コードも送信する。
【0057】
センター4はS35で、車両の識別コードとその車両の現在位置情報を受信する。そしてセンター4はS40で、その車両が現在走行中の道路あるいは次の道路(後述)に適したメータを探索する。この探索方法に関しては後述する。メータの探索が終了したら、センター4は、S45で、車両が現在走行中の道路あるいは次の道路に適したメータ(以下、推奨メータ)を、S35で受信した識別コードに対応する車両2のメータECU200へ向けて送信する。
【0058】
メータECU200はS50で推奨メータを受信すると、ただちにS55で携帯端末3へ送信する。携帯端末3では、S60でこれを受信したら、表示部305に推奨メータ画像を表示する。その表示例が図15に示されているが後で説明する。
【0059】
次にS70でユーザは、入力部245を用いて(例えば入力部245がタッチパネルの場合、1つのメータ画像の表示領域に指先で触れて)、表示させたい1つのメータ画像を選択する。携帯端末3はS75で、ユーザによって選択されたメータ(以下、選択メータ)をメータECU200へ送信する。
【0060】
メータECU200はS80でこれを受信して、S85で、メータ表示部(LCD201)に選択メータを表示する(つまり現在表示されているメータから選択メータに切り替える)。
【0061】
以上でメータの表示処理は完了であるが、続いて以下でセンター4への情報蓄積に関係する処理を実行する。具体的にはS90で、車両の現在位置情報とともに、S70でユーザが選択したメータが何かの情報をセンター4へ向けて送信する。センター4では、S95でこれを受信し、S97でデータベース403に、この情報を新たに記憶する。
【0062】
図1に示されているように本システムに複数の車両2が加入している状況において、S90からS97の処理が、本システムに加入している全ての車両2から逐次おこなわれることにより、個々の道路において、個々のメータの使用回数の情報が蓄積されていく。上記S40で、この蓄積情報が活用される。
【0063】
次に実施例2を説明する。実施例2の処理手順は図3に示されている。図3の処理手順は予めプログラム化して、例えばメモリ206、ROM302に記憶しておき、メータECU200、携帯端末3のCPU300が(ユーザによる操作以外は)自動的にこれを実行すればよい。
【0064】
図3の処理ではまず手順S100で携帯端末3においてユーザが本システムに関するアプリケーションソフトを起動する。そしてS105でメータECU200へ向けて、推奨メータの探索指令を送信する。
【0065】
メータECU200は、S110でこの指令を受信して、S115でナビゲーション装置240から車両の現在位置情報を取得する。そしてメータECU200はS120で、車両が現在走行中の道路あるいは次の道路に適したメータをDB205内で探索する。この探索方法に関しては後述する。
【0066】
メータの探索が終了したら、メータECU200は、S125で、車両が現在走行中の道路あるいは次の道路に適したメータ(推奨メータ)を、携帯端末3へ送信する。携帯端末3では、S130でこれを受信したら、S135で表示部305に推奨メータ画像を表示する。表示例は例えば図15のようにする(後述)。
【0067】
次にS140でユーザは、入力部245を用いて(例えば入力部245がタッチパネルの場合、1つのメータ画像の表示領域に指先で触れて)、表示させたい1つのメータ画像を選択する。携帯端末3はS145で、ユーザによって選択されたメータ(以下、選択メータ)をメータECU200へ送信する。
【0068】
メータECU200はS150でこれを受信して、S155で、メータ表示部(LCD201)に選択メータを表示する(つまり現在表示されているメータから選択メータに切り替える)。
【0069】
以上でメータの表示処理は完了であるが、続いてS160でDB205への情報蓄積に関係する処理を実行する。これにより、個々の道路における個々のメータの使用回数の情報が蓄積されていく。実施例2においては、実施例1と異なり、自車両のみの過去のメータ使用情報が蓄積される。上記S135でこの蓄積情報が活用される。
【0070】
次に実施例3を説明する。実施例3の処理手順は図4に示されている。図4の処理手順は予めプログラム化して、例えばメモリ206、ROM402に記憶しておき、メータECU200、センター4のCPU400が自動的にこれを実行すればよい。
【0071】
図4の処理ではまず手順S200でナビゲーション装置240から車両の現在位置情報を取得する。そしてS210で車両の現在位置情報をセンター4へ向けて送信する。この際同時に車両の識別コードも送信する。
【0072】
センター4はS220で、車両の識別コードとその車両の現在位置情報を受信する。そしてセンター4はS230で、その車両が現在走行中の道路あるいは次の道路に最適のメータを探索する。この探索方法に関しては後述する。メータの探索が終了したら、センター4は、S240で、車両が現在走行中の道路あるいは次の道路に最適のメータ(以下、最適メータ)を、S210で受信した識別コードに対応する車両2のメータECU200へ向けて送信する。
【0073】
メータECU200はS250でこれを受信して、S260で、メータ表示部(LCD201)に最適メータを表示する(つまり現在表示されているメータから選択メータに切り替える)。
【0074】
次に実施例4を説明する。実施例4の処理手順は図5に示されている。図5の処理手順は予めプログラム化して、例えばメモリ206に記憶しておき、メータECU200が自動的にこれを実行すればよい。
【0075】
図5の処理においてメータECU200は、まず手順S300でナビゲーション装置240から車両の現在位置情報を取得する。そしてメータECU200はS310で、車両が現在走行中の道路あるいは次の道路に最適のメータ(最適メータ)を探索する。この探索方法に関しては後述する。メータの探索が終了したら、メータECU200は、S320で、メータ表示部(LCD201)に最適メータを表示する(つまり現在表示されているメータから最適メータに切り替える)。以上が図5の処理手順である。
【0076】
次に上述のS40、S135、S230、S310における推奨メータ(最適メータ)の探索方法を説明する。この探索方法の例が図6又は図7に示されている。
【0077】
図6の例では道路の特徴に基づいて推奨メータ(最適メータ)を決定する。ここで道路とは、車両の現在位置から車両の進行方向前方に延びる道路、すなわち現在走行中の道路や、次の道路(現在走行中の道路の次に車両が走行することとなる道路)等とすればよい。図6の例では、道路の特徴として、「制限速度を超えやすい道路」、「眠気を誘発しやすい道路」、「勾配のある道路」、「エコ走行がなされにくい道路」が用いられている。これらの特徴を満たすか否かの判定方法は、ナビ装置3から情報を取得して行えばよい。
【0078】
例えば直線状の道路や交通量の少ない道路は制限速度を超えやすい道路と判定する。また例えば高速道路、信号機の少ない(例えば走行ルートにおける現在位置を含む所定範囲における信号機の設置数が所定値以下の)道路は、眠気を誘発しやすい道路と判定する。また例えばナビ装置3からの情報で所定値以上の勾配が算出された道路は、勾配のある道路と判定する。また例えば信号機の多い(例えば走行ルートにおける現在位置を含む所定範囲における信号機の設置数が所定値以上の)道路は、加速、減速の回数が多いことや停車中のアイドリングなどによりエコ走行がなされにくい道路と判定する。
【0079】
そして、これらの条件の間に優先順位が設けられており、優先順位に従い、制限速度を超えやすい道路であるか否か(S400)、眠気を誘発しやすい道路か否か(S410)、勾配のある道路か否か(S420)、エコ走行されにくい道路か否か(S430)の順序で判定する。なおこの優先順位は一例に過ぎず適宜変更してよい。
【0080】
制限速度を超えやすい道路である場合(S400:YES)はS440に進んで、制限速度(以上)部分を強調したスピードメータ(以下、強調スピードメータ)を呼び出す。なお予め各メータには固有の番号(符号)が付与してあるとすればよい。例えば1番から10番が強調スピードメータであるとした場合、S440では1番から10番のメータを推奨メータとして決定する処理(あるいはそのなかから1つを最適メータとして決定する処理)を行う。そして最終的に上記S85などのメータ表示処理では、選択メータ(最適メータ)の番号に対応するメータ画像データ207がメモリ206から呼び出されてLCD201に表示される。
【0081】
同様に、眠気を誘発しやすい道路の場合(S400:NOかつS410:YES)は、S450に進んで眠気レベル表示を重畳(兼用)したスピードメータ(以下、眠気スピードメータ)を呼び出す。勾配のある道路の場合(S400:NO、S410:NO、かつS420:YES)、S460に進んで勾配表示を重畳(兼用)したスピードメータ(以下、勾配スピードメータ)を呼び出す。エコ走行されにくい道路の場合(S400:NO、S410:NO、S420:NOかつS430:YES)、S470に進んでエコ走行表示(エコゲージ)を重畳(兼用)したスピードメータ(以下、エコスピードメータ)を呼び出す。
【0082】
それ以外の場合は(S400:NO、S410:NO、S420:NOかつS430:NO)、S480に進んで通常のスピードメータを呼び出す。なお強調スピードメータ、眠気スピードメータ、勾配スピードメータ、エコスピードメータ、通常のスピードメータは予め複数記憶されているとして、S440、S450、S460、S470、S480ではそれぞれのスピードメータが複数個呼び出されるとすればよい。
【0083】
次に図7の例を説明する。図7の場合、上述のS97、あるいはS160で記憶されたメータ使用履歴の情報を用いる。具体的にはS490で車両が現在走行中の道路あるいは次の道路において、S97、あるいはS160で記憶されたメータ使用履歴の情報を用いて、過去に使用された回数が上位のメータを呼び出す。
【0084】
S97で記憶されたメータ使用履歴の情報を用いる場合、本システムに加入した全ての車両からセンター4のDB403に集められた使用メータ情報である。したがって自車両だけでなく他車両を含めたうえでの過去の使用回数上位メータが呼び出される。
【0085】
S160で記憶された使用メータの情報を用いる場合、自車両のDB205に集められた使用メータ情報である。したがって現在走行中の道路あるいは次の道路における、自車両の過去の使用回数上位メータが呼び出される。
【0086】
図6の処理では、強調スピードメータ、眠気スピードメータ、勾配スピードメータ、エコスピードメータ、通常のスピードメータのうちいずれか1つ(言い換えると1種類)しか選択されないが、以下のとおり複数の種類が選択されるように変形してもよい(変形例1)。この変形例1の場合、S400からS430までの判定処理を全て行い、肯定判断(YES)となった判定処理に対応するスピードメータをすべて呼び出す。この場合、S440の処理後にS410に進み、S450の処理後にS420に進み、S460の処理後にS430に進み、S470の処理後にS480に進むように図6を変形すればよい。
【0087】
また図6と図7を組み合わせた処理を実行してもよい(変形例2)。例えば図6あるいは図7のいずれか一方(あるいは両方)の処理で推奨メータとされたメータすべてを最終的に推奨メータとする。
【0088】
なおメータには予め優先順位が付けられているとすればよい。そして最適メータの呼び出しの場合は、図6、図7(及び変形例1、2)の処理により呼び出された複数のメータのうちで優先順位が最上位の1個のメータを最適メータとすればよい。
【0089】
また推奨メータの呼び出しの場合は、例えば図6、図7(及び変形例1、2)の処理により呼び出された複数のメータ全てを推奨メータとすればよい。あるいは予め推奨メータの数の上限を定めておき、図6、図7(及び変形例1、2)の処理により呼び出された複数のメータのうち優先順位の上位から上限内のメータを推奨メータとしてもよい。
【0090】
推奨メータが呼び出された場合は、以上の処理で呼び出された複数の推奨メータの画像を、上述のとおりS65あるいはS135でユーザに向けて表示する。その表示例が図15に示されている。図15(a)の例では、表示部305に複数の推奨メータの画像900を優先順位とともに表示する。
【0091】
図15(b)の例では、表示部305に複数の推奨メータの画像910を、地図上で現在走行中の道路、あるいは次の道路に重畳して併置する。
【0092】
ユーザは、図15(a)、(b)のように表示された複数の推奨メータのなかから1個を選択する。図15がタッチパネルの例で、表示部305が入力部306を兼用している場合、ユーザは希望のメータ画像900を指先で接触することにより1個のメータを選択する。
【0093】
既に述べているように、推奨メータを表示する道路は現在走行中の道路に限らず、次の道路でもよい。そして次の道路に進入する前の時点でその道路での最適メータを求めておいて、その道路に進入するのと同時(あるいは直前)にメータをその道路の最適メータに切り替えるとしてもよい。またユーザがメータを選択する場合にも、例えば表示部305に地図を表示する場合に現在走行中の道路のみでなく次の道路も表示して、個々の道路に複数の推奨メータを重畳表示する。そしてユーザが現在走行中の道路で使用するメータも、次の道路で使用するメータも選択できるようにしてもよい。
【0094】
次にS85、S155、S260、S320におけるメータの表示処理の詳細を説明する。表示処理の例が図8から図12、図16から図19に示されている。
【0095】
図8、9と図16が制限速度(以上)を強調したスピードメータ(強調スピードメータ)の表示例である。図8の例ではまずS500で、車両が現在走行中の道路(あるいは次の道路)の制限速度情報を取得する。この情報は例えば地図情報DB243に記憶されているとし、S500でこれを呼び出すとすればよい。
【0096】
次にS510で制限速度(以上)の目盛を強調する。そしてS520で表示する。例えば図16(a)に例示された強調スピードメータ画像700は、指針部701、目盛板702を備え、目盛板702においては、制限速度の目盛数字703(図16(a)の例では60km/hの数字)を強調している。強調する方法は、目盛数字703のみを大きい文字とし、かつ他の目盛数字とは異なる視認しやすい色(赤)としている。
【0097】
図16(b)に例示された強調スピードメータ画像700では、制限速度の目盛数字703(図4(b)の例では100km/hの数字)及び制限速度を超えた目盛数字704を強調している。強調する方法は、制限速度の目盛数字703は他より大きい文字とし、かつ制限速度及び制限速度を超える目盛数字703、704を他とは異なる視認しやすい色(赤)としている。
【0098】
また図9の例では制限速度が常に最上部に来るように目盛数字の配置が調節される。図9ではまずS530で、車両が現在走行中の道路(あるいは次の道路)の制限速度情報を取得する。この情報は例えば地図情報DB243に記憶されているとし、S500でこれを呼び出すとすればよい。
【0099】
次にS540で制限速度が最上部に来るように目盛数字の配置を調節する。そしてS550でメータの目盛数字を表示する。図16(c)、(d)にその表示例が示されている。図16(c)では制限速度の目盛数字705(60km/h)が、図16(d)では制限速度の目盛数字706(100km/h)が、最上部に配置されている。これに伴ない、制限速度の目盛数字707は間隔が狭められる。
【0100】
次に、図10と図17とが路面の傾斜情報の表示を兼用したスピードメータ(傾斜スピードメータ)の表示例である。
【0101】
図17で例示された傾斜スピードメータ730では、LCD201上に球体画像731を表示する。球体画像731の表面の一部は円状に削除されて、その円状領域732は、球体画像731の表面とは異なる色とされる。そして円状領域732内に車速数値の文字画像732と車速単位の文字画像734とが重畳して表示される。
【0102】
この表示処理は図10に示されている。図10の処理ではまずS560で車体の傾斜角度を算出する。これは加速度センサ(傾斜センサ)225によって検出すればよい。次にS570で球体画像731の傾斜処理を行う。球体731の傾斜は、図17に示されているように、下り坂においては、球体731が前のめりとなるように、上り坂においては、球体731が後ろのめりとなるようにする。
【0103】
次にS580で球体画像731の傾斜に合わせて車速数字733(及び単位文字734)の画像も傾斜させる。そしてS590で球体画像731と車速数字733(及び単位文字734)の画像を合成(重畳)する。なお上記の傾斜スピードメータ730では球体画像731を用いたが、この形状は球体には限定されない。立方体などの正多面体や楕円体など他のあらゆる立体を用いてもよい。
【0104】
次に、図11と図18とが運転者の眠気の表示を兼用したスピードメータ(眠気スピードメータ)の表示例である。
【0105】
図18の眠気レベルメータ画像750の例では、コーヒーカップ画像751内にコーヒー画像752を合成して表示する。そしてコーヒー画像752におけるコーヒーの色と量を眠気レベルに応じて変化させる。図18の場合はコーヒーカップ画像751を上方から見た画像であるが、側方から見た画像としてもよい。側方から見た場合はコーヒーカップ画像751を透過する形態でコーヒー画像752を表示すればよい。
【0106】
眠気レベルが高くなるほど、コーヒーの色を濃く、コーヒーの量を多くする。コーヒーを飲むと覚醒度が高まり眠気が低減することは広く知られているので、コーヒーの色が濃く、コーヒーの量が多いほど、直感的に眠気レベルが高いことが運転者に報知できる。またメータ750には車速の数値画像753と単位画像754が重畳して表示される。
【0107】
車速の数値画像753は眠気レベルが高くなるほど数字(文字、フォント)の太さを太く表示する。あるいは眠気レベルが高くなるほど車速の数値画像753の大きさを大きく表示してもよい。あるいは眠気レベルが高くなるほど車速の数値画像753の色の明度を高める(白色に近い色にする)としてもよい。
【0108】
本実施例における眠気メータ表示の処理手順は図11に示されている。図11の処理ではまず手順S900で眠気レベル検出ユニット260により運転者の眠気レベルを検出する。眠気レベルは例えば不連続な数値(整数)で表された複数(多段階)のレベルであってもよく、連続的な数値によって表されたレベルでもよい。
【0109】
次にS905で、S900で検出した眠気レベルに応じて、コーヒーの色を設定する。眠気レベルが高いほど色を濃く設定する。具体的には、眠気レベルが低いほど、クリームまたはミルクが多く含まれたコーヒー、あるいはカフェイン量が相対的に少ないコーヒーをイメージ(想起)させる色、すなわち明度の高い茶系統色とし、眠気レベルが高いほど、ブラックコーヒー、あるいはカフェイン量が相対的に多いコーヒーをイメージさせる色、つまり暗度の高いこげ茶系統色あるいは黒色とする。そして眠気レベルの変化により、これらの色の間を連続的に変化するように色を設定する。
【0110】
次にS910で、S900で検出した眠気レベルに応じて、コーヒーの量を設定する。具体的には眠気レベルが高いほどコーヒーの量を多く設定する。
【0111】
次にS915で、S905で設定された色、S910で設定された量に従ってコーヒー画像752を作成する。図18におけるコーヒー画像752を作成する場合、コーヒー画像752に陰影、ハイライトが形成されているが、例えば単一のコーヒー画像を記憶しておき、コーヒーの量が多い(少ない)ほど、その画像を拡大(縮小)した上で、コーヒーの色を変化させるという方法で作成すれば、簡易的である。
【0112】
次にS920でコーヒーカップ画像751を呼び出す。つまり、コーヒーカップ画像751は予め例えば記憶しておき、それをS920で呼び出す。コーヒーカップ画像751の一部には取っ手部の画像755が含まれている。取っ手部画像755の存在により、運転者は直ちにコーヒーカップであることが認識できる。
【0113】
次にS925で車速情報を取得する。これは、車速センサ221による計測値を車内通信で取得すればよい。
【0114】
そしてS930で、S925で取得した数値により車速数字画像753を作成する。車速数字画像753は、例えば予め数字のフォントをメータECU200で記憶しておき、それを呼び出して作成する。その際に図18で示されているように、数字が背景から浮き上がって視認されるように数字に影をつけてもよい。これにより車速数字の視認性が向上する。
【0115】
さらに図18で示されているように、眠気レベルが高くなるほど、車速数字画像753が太くなるように調節する。あるいは眠気レベルが高くなるほど、車速数字画像753の大きさを大きくしてもよく、色の明度を上げる(白色に近づける)としてもよい。こうした処理により視認性や誘目性が高まって、運転者への眠気の報知に好適となる。
【0116】
また車速数字画像753には、車速の単位(例えばkm/h)の文字画像である単位文字画像754を付加(重畳)する。単位文字画像754があることで、数字が車速を示していることを運転者に誤認識なく確実に認識させる効果がある。
【0117】
次にS935で、S915で作成したコーヒー画像752、S920で呼び出したコーヒーカップ画像751、S930で作成した車速数字画像753を合成(重畳)する。こうして図18で示された眠気スピードメータ画像750が形成される。
【0118】
S940で、このメータ画像をLCD201上の定められた場所に表示する。イグニションオフなどの場合は(S945:YES)表示処理を終了し、そうでなければ(S945:NO)S900に戻って上記手順を繰り返す。これにより、運転している間、常に運転者の時々刻々の眠気レベルがLCD201に表示される。以上が図11の処理手順である。
【0119】
図12と図19とがエコゲージを兼用したスピードメータ(エコスピードメータ)の表示例である。
【0120】
図19に例示されたエコスピードメータ770では、透明で(透光性を有し)内部が空洞の球体771の内部に、CO2画像772、植物画像773、半球体774が配置されている。半球体774は断面が上方に位置するように配置されて、その断目上の左右両側にCO2画像772と植物画像773とが配置されている。半球体774の画像に、車速の数字画像775と単位文字画像776とが重畳されている。
【0121】
このエコスピードメータ770の表示処理手順は図12に示されている。図12の処理ではまずS600で車両の燃費情報を取得する。燃費情報は車内通信により車両の他のECU(図示せず)等から取得すればよい。
【0122】
次にS610で、CO2画像772、植物画像773それぞれのサイズ(あるいは両者のサイズ比率)を算出する。この処理では、低燃費であるほどCO2画像772のサイズを小さく、植物画像773のサイズを大きくすればよい。
【0123】
そしてS620で、CO2画像772、植物画像773それぞれが重量を有し、それにより半球体774がシーソーの様に傾斜していると見る者に認識されるように、S610で求めたCO2画像772、植物画像773それぞれのサイズ(あるいは両者のサイズ比率)に応じて、半球体774画像の傾斜角を算出する。CO2画像772の方が植物画像773よりもサイズが大きい(小さい)場合は、CO2画像772が上方(下方)に、植物画像773が下方(上方)に動くような傾斜角とする。
【0124】
次にS630で車速数字画像775(及び単位文字画像776)を、車速情報に基づき作成する。そしてS640で、以上で求めたCO2画像772、植物画像773、半球体画像774、車速数字画像775、単位文字画像776)を合成する。そしてS650でLCD201に表示する。
【0125】
本発明におけるメータ表示はスピードメータに限定されない。図13、14と図20には、指針部の振れ角を大きくしたタコメータを表示する例が示されている。図20に示したタコメータ780の例は、目盛板781と指針部782(ポインタ)とを備え、目盛板781は、ポインタ782の振れ角が大きくなるように目盛が配置されている。これにより運転者が感じる加速感覚が効果的に表現される。
【0126】
この表示処理は、図13に示されているようにまずS660で、スポーティな走行向きの道路か否かを判定する。スポーティな走行向きの道路の場合(S660:YES)はS670に進み、振れ角が大きなタコメータを呼び出す。スポーティな走行向きでない場合(S660:NO)は通常のタコメータを呼び出す。
【0127】
具体的なS670での処理は図14に示されているように、まずS700で振れ角が大きな目盛板781を呼び出す。次にS710でポインタ画像を呼び出して合成し、S730でLCD201に表示する。
【0128】
以上の実施例では携帯端末3を用いたが、これを用いないように変形してもよい。この場合、例えば表示部305、入力部306の機能を、ナビゲーション部240の表示部244、入力部245に置き換えればよい。この場合、推奨メータを表示する地図表示をナビの地図で兼用できる効果がある。
【0129】
また図2から図14のフローチャートは車両2の運転中、常に繰り返し実行するとすればよい。また上記では現在走行中の道路と次の道路とに注目したシステムとしたが、これに限らず、例えば表示部305に表示された全ての道路に推奨メータを重畳して表示し、それらの道路全て(あるいはいくつか)でメータを選択してもよい。また上記実施例では、強調スピードメータや傾斜スピードメータ等を例示したが、本発明はこれらに限定されず、道路の特性に応じたメータ表示であれば適宜変更できる。
【符号の説明】
【0130】
1 表示システム
2 メータECU
3 ボディECU
4 眠気レベル検出ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システム、表示方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車の車両用の表示装置において、液晶ディスプレイ(LCD)、特にTFT液晶ディスプレイなどで表示装置を構成して、その画面上に、コンピュータグラフィックス技術により作成されたメータ(計器)の画像を表示する場合が増えてきている。その場合、組付けの容易さやデザイン変更の自由度の高さなどの利点がある。
【0003】
例えば下記特許文献1には、メータの枠部分であるリング画像で光沢感を表現するとともに、指針が現示している部分を視認し易い輝度に自動的に変更する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−157434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
当然メータ表示は、できるだけ運転者にとって視認性が高い表示であるほうが望ましい。また走行する道路に応じて、その道路の特性に応じた適切な表示方法を用いたり付加的な情報を報知できれば、より高性能な表示装置となる。したがって例えば走行している道路に応じてメータ表示(メータ画像)を替えれば、視認性の向上や、適切な表示方法、適切な情報の報知が実現できることが考えられるが、従来技術においてそのような提案はない。
【0006】
そこで本発明が解決しようとする課題は、上記問題点に鑑み、車両に装備されて、走行する道路に応じて、より適切なメータ表示に切り替えることができる表示システム、表示方法、プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
上記課題を達成するために、本発明に係る表示システムは、車両に装備されて、車両の走行に関する計測値を示す計器を表示する表示部と、前記車両の現在位置を算出するナビゲーション手段と、前記車両の走行に関する同一の計測値を異なる表示形態で表示する複数個の前記計器を記憶する記憶手段と、前記ナビゲーション手段により算出された車両の現在位置の走行方向前方に延びる道路に応じて、前記記憶手段に記憶された複数個の前記計器のうちから1個の前記計器を選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された前記計器を前記表示部に表示する表示制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
これにより本発明に係る表示システムでは、単一の計測値を異なる表示形態で示す車両の計器を複数個記憶しておいて、ナビゲーション手段によって車両の現在位置を算出して、現在位置の前方に延びる道路に応じて複数個の計器のなかから1個の計器を選択して表示するので、車両が走行中の道路、あるいは今後走行することとなる道路に応じて適切な計器を表示できる表示システムが実現できる。したがって道路の特性に応じて、視認しやすい計器や、付加的な情報を報知する計器等に順次切替えて、適切な運転に寄与することができる。
【0009】
また複数の前記車両が前記選択手段を備え、個々の道路において、複数の前記車両の前記選択手段が過去に選択した前記計器の履歴を記憶する副記憶手段を備え、前記選択手段は、前記ナビゲーション手段によって算出された車両の現在位置の走行方向前方に延びる道路ごとに、前記副記憶手段によって記憶された、複数の前記計器それぞれの過去の使用頻度の情報を用いて、1個の前記計器を選択する第1副選択手段を備えたとしてもよい。
【0010】
これにより、個々の道路に応じて、複数の車両が過去にどの計器を選択したかの情報を蓄積しておいて、その情報を用いて道路ごとに1個の計器を選択するので、自車両のみでなく、他の車両が過去にどの計器を選択したかの情報を有効に利用することにより、個々の道路ごとに適切な計器を表示できる。
【0011】
また複数の前記車両が前記選択手段を備え、個々の道路において、複数の前記車両の前記選択手段が過去に選択した前記計器の履歴を記憶する副記憶手段と、使用者からの入力を受け付ける入力手段と、個々の道路ごとに、前記副記憶手段によって記憶された、複数の前記計器それぞれの過去の使用頻度が高い前記計器を表示する副表示手段と、を備え、前記選択手段は、前記副表示手段によって表示された複数の前記計器のなかから1個の前記計器を選択する入力を前記入力手段で受け付けることにより、1個の前記計器を選択する第2副選択手段を備えたとしてもよい。
【0012】
これにより、個々の道路に応じて、複数の車両が過去にどの計器を選択したかの情報を蓄積しておいて、その情報に、ユーザによる選択入力を加えて1個の計器を選択するので、自車両のみでなく他の車両が過去にどの計器を選択したかの情報を有効に利用するとともに、ユーザの好みにも応じて、個々の道路ごとに適切な計器を表示できる。
【0013】
また前記記憶手段に記憶された複数の前記計器のそれぞれに対して、その計器に適した道路の条件が設定されており、個々の道路において前記計器のそれぞれが前記条件を満たすか否かを判定する判定手段を備え、前記選択手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記ナビゲーション手段によって算出された車両の現在位置の走行方向前方に延びる道路に対して1個の前記計器を選択する第3副選択手段を備えたとしてもよい。
【0014】
これにより、どのような道路にはどのような計器が適しているかに関する条件を設定しておいて、その条件を満たすか否かで1個の計器を選択するので、個々の道路の特性に応じた計器を表示することができる。
【0015】
また前記記憶手段に記憶された複数の前記計器のそれぞれに対して、その計器に適した道路の条件が設定されており、個々の道路において前記計器のそれぞれが前記条件を満たすか否かを判定する判定手段と、使用者からの入力を受け付ける入力手段と、前記ナビゲーション手段によって算出された車両の現在位置の走行方向前方に延びる道路ごとに、その道路に対する前記条件が満たされると前記判定手段によって判定された複数の前記計器を表示する副表示手段と、を備え、前記選択手段は、前記副表示手段によって表示された複数の前記計器のなかから1個の前記計器を選択する入力を前記入力手段で受け付けることにより、1個の前記計器を選択する第4副選択手段を備えたとしてもよい。
【0016】
これにより、どのような道路にはどのような計器が適しているかに関する条件を設定しておいて、その条件を満たすか否かの判定に、ユーザによる選択入力を加えて1個の計器を選択するので、個々の道路の特性に応じるとともに、ユーザの好みにも応じて計器を表示することができる。
【0017】
また前記記憶手段によって記憶された複数個の前記計器のなかには、制限速度を強調して表示する速度計が含まれるとしてもよい。
【0018】
これにより、制限速度を強調して表示する速度計が選択できるので、例えば直線状の道路や交通量の少ない道路などのように制限速度を超えやすい道路を走行する場合は、制限速度を強調して表示する速度計を選択することにより、速度超過を抑制できる計器表示が可能となる。
【0019】
また前記記憶手段によって記憶された複数個の前記計器のなかには、前記車両の車体の傾斜を車速と重畳して表示する速度計が含まれるとしてもよい。
【0020】
これにより車両の車体の傾斜を車速と重畳して表示する速度計が選択できるので、勾配がある道路を走行する場合には、車体の傾斜を車速と重畳して表示する速度計を選択することにより、勾配のある道路に適した運転が促せる計器表示が可能となる。
【0021】
また本発明に係る表示方法は、車両に装備されて、車両の走行に関する計測値を示す計器を表示する表示部における表示方法であって、前記車両の現在位置を算出するナビゲーションステップと、前記車両の走行に関する同一の計測値を異なる表示形態で表示する複数個の前記計器を記憶する記憶ステップと、前記ナビゲーションステップにより算出された車両の現在位置の走行方向前方に延びる道路に応じて、前記記憶ステップにより記憶された複数個の前記計器のうちから1個の前記計器を選択する選択ステップと、前記選択ステップによって選択された前記計器を前記表示部に表示する表示制御ステップと、を実行することを特徴とする。
【0022】
これにより本発明に係る表示方法では、単一の計測値を異なる表示形態で示す車両の計器を複数個記憶しておいて、ナビゲーション手段によって車両の現在位置を算出して、現在位置の前方に延びる道路に応じて複数個の計器のなかから1個の計器を選択して表示するので、車両が走行中の道路、あるいは今後走行することとなる道路に応じて適切な計器を表示できる表示方法が実現できる。したがって道路の特性に応じて、視認しやすい計器や、付加的な情報を報知する計器等に順次切替えて、適切な運転に寄与することができる。
【0023】
また本発明に係るプログラムは、コンピュータで読取可能なプログラムであって、前記コンピュータは、車両に装備されて、車両の走行に関する計測値を示す計器を表示する表示部と、前記車両の現在位置を算出するナビゲーション部と、前記車両の走行に関する同一の計測値を異なる表示形態で表示する複数個の前記計器を記憶する記憶部と、に接続され、前記コンピュータを、前記ナビゲーション部により算出された車両の現在位置の走行方向前方に延びる道路に応じて、前記記憶部に記憶された複数個の前記計器のうちから1個の前記計器を選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された前記計器を前記表示部に表示する表示制御手段と、して機能させることを特徴とする。
【0024】
これにより本発明に係るプログラムは、単一の計測値を異なる表示形態で示す車両の計器を複数個記憶しておいて、ナビゲーション手段によって車両の現在位置を算出して、現在位置の前方に延びる道路に応じて複数個の計器のなかから1個の計器を選択して表示するように機能させるので、車両が走行中の道路、あるいは今後走行することとなる道路に応じて適切な計器を表示できる表示システムを実現するプログラムとなる。したがって道路の特性に応じて、視認しやすい計器や、付加的な情報を報知する計器等に順次切替えて、適切な運転に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例における表示システムの構成図。
【図2】実施例1における表示処理のフローチャート。
【図3】実施例2における表示処理のフローチャート。
【図4】実施例3における表示処理のフローチャート。
【図5】実施例4における表示処理のフローチャート。
【図6】第1の最適(推奨)メータ探索処理のフローチャート。
【図7】第2の最適(推奨)メータ探索処理のフローチャート。
【図8】強調スピードメータの第1の表示処理のフローチャート。
【図9】強調スピードメータの第2の表示処理のフローチャート。
【図10】傾斜スピードメータの表示処理のフローチャート。
【図11】眠気スピードメータの表示処理のフローチャート。
【図12】エコスピードメータの表示処理のフローチャート。
【図13】タコメータ選択処理のフローチャート。
【図14】タコメータ表示処理のフローチャート。
【図15】推奨メータの表示例。
【図16】強調スピードメータの表示例。
【図17】傾斜スピードメータの表示例。
【図18】眠気スピードメータの表示例。
【図19】エコスピードメータの表示例。
【図20】振れ角が大きいタコメータの表示例。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。まず図1は、本発明に係る車両用表示システム1(表示システム)の装置構成の概略図である。表示システム1は、自動車の車両2に搭載された各部、携帯端末3、通信ネットワーク5と接続されたセンター4(サーバ)を備える。
【0027】
表示システム1は、車両2にメータ電子制御装置200(ECU:Electronic Control Unit)を備える。メータECU200は、通常のコンピュータの構造を有するとし、各種演算や情報処理を実行するCPU、その作業領域としての一時記憶部であるRAM、各種情報を記憶するためのROM、車内通信のためのインターフェイス部等を備えるとすればよい。
【0028】
そしてメータECU200は、液晶ディスプレイ201(LCD:Liquid Crystal Display)、バックライトモジュール202、無線通信部203、近距離無線通信部204、データベース205(DB)と接続されている。
【0029】
LCD201は例えばTFT液晶ディスプレイとし、ダッシュボード(インストルメントパネル)における運転席に対向した場所に設置されて、メータ画像が表示されて、それにより運転者に車両の走行に関する各種計測値の情報を報知する。バックライトモジュール202はLCD201の裏側から光を照射して、LCD201の画像が運転者(乗員、ユーザ)に視認できるようにする。
【0030】
メータECU200は、LCD201への表示のために描画LSI、グラフィックメモリを備えるとする。描画LSIによりグラフィックメモリ上で画像を形成して、その画像をLCD201に伝えて表示させる。なおLCD201は、プラズマディスプレイやELディスプレイなどの自発光ディスプレイに変更してもよい。
【0031】
無線通信部203は、基地局500、通信ネットワーク5を介してセンター4と無線で通信するために装備される。近距離無線通信部204は、例えばBluetooth(登録商標)による無線通信部とし、携帯端末3に装備された近距離無線通信部304との無線通信のために装備される。DB205には、本システムで必要となる、個々の道路における各メータの使用履歴などの情報が蓄積される。メータECU200は不揮発性のメモリ206を備え、メモリ206には後述する各種メータ画像データ207が記憶されているとする。
【0032】
さらに表示システム1は、車両2にボディECU220(ECU)を備える。ボディECU220は、車速センサ221、エンジン回転数センサ222、燃料残量センサ223、水温センサ224と接続されている。車速センサ221は、周知のロータリエンコーダ等の回転検出部を含み、例えば車輪取り付け部付近に設置されて車輪の回転を検出してパルス信号としてECU220に送る。ECU220では、その車輪の回転数を車両の速度に換算する。
【0033】
エンジン回転数センサ222は、エンジンの(単位時間あたりの)回転数を計測する。具体的には、エンジン回転数センサ222は、例えばエンジンから連結されたクランクの回転角度を計測するクランク角センサであり、その検出値がECU220へ送られてエンジンの回転数が算出される。燃料残量センサ223は、車両の燃料タンクにおける燃料の残量を検出する。水温センサ224は、エンジンの冷却水の温度を検出する。ボディECU220はさらに、シフトレバー情報や方向指示灯情報を取得するとしてもよい。またボディECU220は加速度センサ225(傾斜センサ)と接続されて、車体の傾斜角度の情報も取得する。
【0034】
さらに表示システム1は、ナビゲーション装置240(ナビ装置)を備える。ナビ装置240は通常のコンピュータの構造を有するとし、各種演算や情報処理を実行するCPU、その作業領域としての一時記憶部であるRAM、各種情報を記憶するためのROM、車内通信のためのインターフェイス部等を備えるとすればよい。ナビ装置240は、GPS受信部241、ジャイロセンサ242、地図情報データベース243(DB)、表示部244、入力部245を備える。
【0035】
GPS受信部241は、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を受信する。ジャイロセンサ242は、車両のヨー方向の角速度を検出する機能を有するセンサである。ジャイロセンサ242が検出した角速度を積分することにより車両の方向変化が算出される。
【0036】
DB243は、カーナビゲーションで利用される地図情報のデータベースである。表示部244は例えば液晶ディスプレイとし、車室内の乗員から視認される位置に配置すればよい。入力部245は乗員からカーナビに関する入力を受けつける。入力部245は例えば表示部244と一体のタッチパネルなどとすればよい。
【0037】
ナビ装置240では、以上の構成を用いて、以下のとおりカーナビゲーション(カーナビ)に関する情報処理を実行する。
【0038】
カーナビにおける位置算出方法は、例えばGPS航法、自律航法、マップマッチング法の組合せとする。このうちGPS航法では、GPS受信部241によってGPS衛星からのGPS信号を受信することによって、地球上での車両の位置(緯度、経度)を算出する。
【0039】
自律航法では、ジャイロセンサ242等によって車両の方向を求め、車速センサ221で検出した車速を積分して走行距離を求めることによって車両の位置を算出する。ナビ装置240では、上記GPS航法と自律航法とを組み合わせたハイブリッド航法によって車両位置を算出するとすればよい。
【0040】
ハイブリッド航法では例えば、最初の位置決定を含めた、時々の数値補正のときにGPS航法を用い、それ以外のときは自律航法によって車両の進行方向及び走行距離を時々刻々算出し、それを積算していくことにより、逐次車両位置を算出していく。ハイブリッド航法を使用することによって、GPS航法ではトンネル内や建築物の陰でGPS衛星からの電波が受信しにくい状況では車両位置の算出が困難である問題点と、自律航法では走行距離を積算していくうちに誤差が累積していき車両位置の精度が低減する問題点とを互いに補うことができて、高精度に車両位置が算出できる。
【0041】
そして、ハイブリッド航法によって得られた車両位置をさらにマップマッチング法によって修正すればよい。マップマッチング法では、ハイブリッド航法によって得られた車両位置がDB243が有する地図と照らし合わせて不適切な位置であるとみなされた場合には、DB243が有する地図に整合させて、より適切な車両位置に修正する。
【0042】
さらに表示システム1は、眠気レベル検出ユニット260を備える。眠気レベル検出ユニット260は運転者の眠気レベルを検出する機能を有する。眠気レベル検出ユニット260で用いられる検出原理は、例えば特開2009−45418号公報に開示された方法とすればよい。すなわち撮影部261を運転者の顔を撮影できる位置に設置して、これにより撮影された運転者の顔の画像に対して画像解析を行って運転者の眠気の程度に関する特徴を抽出する。
【0043】
具体的には、運転者の顔画像から例えば、左右の口角の距離,眉と目の距離,頭部傾き角度,眉頭の中点と目頭の中点間の距離,眉頭間の距離,鼻下端の中点と目頭の中点間の距離,口端の中点と目頭の中点間の距離,下唇下端と目頭の中点間の距離,上まぶたと下まぶた間の距離,左右鼻孔外側端間の距離,上唇上端と目頭の中点間の距離などを検出する。そして、それらの数値を運転者の覚醒時も含めて取得しておいて、その蓄積された数値から、個々の数値における眠気の有無判定のための閾値を定める。各数値と閾値との大小を比較して、その結果をまとめて運転者の眠気レベルを算出する。眠気レベル検出ユニット260で算出する眠気レベルは、例えば不連続な数値(整数値)でもよく、連続的な数値でもよい。
【0044】
以上で述べたメータECU200、ボディECU220、ナビゲーション装置240、眠気レベル検出ユニット260は多重通信バスで接続されて情報の受け渡しが可能とする。
【0045】
次に、携帯端末3は、乗員が携帯可能で通信機能を有する端末とし、例えば携帯電話機などとすればよい。携帯端末3は、CPU300、RAM301、ROM302、無線通信部303、近距離無線通信部304、表示部305、入力部306を備える。
【0046】
CPU300は、本システムに関する各種演算や情報処理を実行する。RAM301はCPU300の作業領域として用いられる一時記憶部である。ROM302は、本システムで必要とされる各種プログラムなどを記憶する不揮発性の記憶部である。無線通信部303は、基地局500、通信ネットワーク5を介してセンター4と無線で通信するために装備される。なお無線通信部303は装備しないとしてもよい。
【0047】
近距離無線通信部304は、例えばBluetooth(登録商標)による無線通信部とし、メータECU200に接続された近距離無線通信部204との無線通信のために装備される。表示部305は例えば液晶ディスプレイとし、後述するように各種メータ画像等を表示する。入力部306はユーザから本システムに関する各種入力、例えばメータ画像の選択入力などを受け付ける。入力部306は例えば表示部305と一体のタッチパネルなどとすればよい。
【0048】
次に、センター4(サーバ装置)は通信ネットワーク5に接続されて、基地局500を介して車両2(や携帯端末3)と通信する。センター4はCPU400、RAM401、ROM402、データベース403(DB)を備える。
【0049】
CPU400は、本システムに関する各種演算や情報処理、例えばDB403へのメータ使用履歴の格納指令等を実行する。RAM401はCPU400の作業領域として用いられる一時記憶部であり、ROM402は、本システムで必要とされる各種プログラムなどを記憶する不揮発性の記憶部である。DB403には、本システムで必要となる、個々の道路における各メータの使用履歴などの情報が蓄積される。なおDB205とDB403とは、後述するようにいずれか一方を装備すればよい。
【0050】
以上の構成のもとで、表示システム1は、車両のメータ表示部(LCD201)に走行中の道路に適したメータを表示する。その際、個々の道路の特徴(制限速度を超えやすい道路か、眠気を誘発しやすい道路か等)の情報を用いる場合と、本システムに加入している車両(自車両も他車両も含む)から、どの道路でどのメータを表示させたかの情報を無線で取得してセンターで蓄積し、その情報を用いる場合とがある。
【0051】
またシステムの側でユーザに推奨メータ画像を示して、そのなかからユーザに選択させる手動(マニュアル)のタイプと、システムで自動的に最適なメータを選択する自動(オート)のタイプとがある。
【0052】
具体的に、以下で説明する実施例1、2は、ユーザが手動でメータ画像を選択する例であり、そのうち実施例1はメータ使用履歴をセンター4で蓄積する場合、実施例2はセンター4を使用しない場合である。また実施例3、4は、システムが自動で最適なメータ画像を選択する例であり、そのうち実施例3はメータ使用履歴をセンター4で蓄積する場合、実施例4は、センター4を使用しない場合である。
【0053】
ユーザからの(例えば入力部306への)入力により、上記手動(マニュアル)モードと自動(オート)モードとは切替可能としてもよい。実施例1、3ではDB205は装備しなくともよく、実施例2、4ではDB403(あるいはセンター4)を装備しなくともよい。なお以下で述べる、メータECU200と携帯端末3の間の通信は近距離無線通信部204、304を用いて行えばよい。またメータECU200とセンター4の間の通信は無線通信部203を用いて行えばよい。
【0054】
まず実施例1から説明する。実施例1の処理手順は図2に示されている。図2の処理手順は予めプログラム化して、例えばメモリ206、ROM302、ROM402に記憶しておき、メータECU200、携帯端末3のCPU300、センター4のCPU400が(ユーザによる操作以外は)自動的にこれを実行すればよい。
【0055】
図2の処理ではまず手順S10で携帯端末3においてユーザが本システムに関する(つまり本フローチャートを含む)アプリケーションソフトを起動する。そしてS15でメータECU200へ向けて、センター4へ車両の現在位置情報を送信することを指令する。
【0056】
メータECU200は、S20でこの指令を受信して、S25でナビゲーション装置240から車両の現在位置情報を取得する。そしてS30で車両の現在位置情報をセンター4へ向けて送信する。この際同時に車両の識別コードも送信する。
【0057】
センター4はS35で、車両の識別コードとその車両の現在位置情報を受信する。そしてセンター4はS40で、その車両が現在走行中の道路あるいは次の道路(後述)に適したメータを探索する。この探索方法に関しては後述する。メータの探索が終了したら、センター4は、S45で、車両が現在走行中の道路あるいは次の道路に適したメータ(以下、推奨メータ)を、S35で受信した識別コードに対応する車両2のメータECU200へ向けて送信する。
【0058】
メータECU200はS50で推奨メータを受信すると、ただちにS55で携帯端末3へ送信する。携帯端末3では、S60でこれを受信したら、表示部305に推奨メータ画像を表示する。その表示例が図15に示されているが後で説明する。
【0059】
次にS70でユーザは、入力部245を用いて(例えば入力部245がタッチパネルの場合、1つのメータ画像の表示領域に指先で触れて)、表示させたい1つのメータ画像を選択する。携帯端末3はS75で、ユーザによって選択されたメータ(以下、選択メータ)をメータECU200へ送信する。
【0060】
メータECU200はS80でこれを受信して、S85で、メータ表示部(LCD201)に選択メータを表示する(つまり現在表示されているメータから選択メータに切り替える)。
【0061】
以上でメータの表示処理は完了であるが、続いて以下でセンター4への情報蓄積に関係する処理を実行する。具体的にはS90で、車両の現在位置情報とともに、S70でユーザが選択したメータが何かの情報をセンター4へ向けて送信する。センター4では、S95でこれを受信し、S97でデータベース403に、この情報を新たに記憶する。
【0062】
図1に示されているように本システムに複数の車両2が加入している状況において、S90からS97の処理が、本システムに加入している全ての車両2から逐次おこなわれることにより、個々の道路において、個々のメータの使用回数の情報が蓄積されていく。上記S40で、この蓄積情報が活用される。
【0063】
次に実施例2を説明する。実施例2の処理手順は図3に示されている。図3の処理手順は予めプログラム化して、例えばメモリ206、ROM302に記憶しておき、メータECU200、携帯端末3のCPU300が(ユーザによる操作以外は)自動的にこれを実行すればよい。
【0064】
図3の処理ではまず手順S100で携帯端末3においてユーザが本システムに関するアプリケーションソフトを起動する。そしてS105でメータECU200へ向けて、推奨メータの探索指令を送信する。
【0065】
メータECU200は、S110でこの指令を受信して、S115でナビゲーション装置240から車両の現在位置情報を取得する。そしてメータECU200はS120で、車両が現在走行中の道路あるいは次の道路に適したメータをDB205内で探索する。この探索方法に関しては後述する。
【0066】
メータの探索が終了したら、メータECU200は、S125で、車両が現在走行中の道路あるいは次の道路に適したメータ(推奨メータ)を、携帯端末3へ送信する。携帯端末3では、S130でこれを受信したら、S135で表示部305に推奨メータ画像を表示する。表示例は例えば図15のようにする(後述)。
【0067】
次にS140でユーザは、入力部245を用いて(例えば入力部245がタッチパネルの場合、1つのメータ画像の表示領域に指先で触れて)、表示させたい1つのメータ画像を選択する。携帯端末3はS145で、ユーザによって選択されたメータ(以下、選択メータ)をメータECU200へ送信する。
【0068】
メータECU200はS150でこれを受信して、S155で、メータ表示部(LCD201)に選択メータを表示する(つまり現在表示されているメータから選択メータに切り替える)。
【0069】
以上でメータの表示処理は完了であるが、続いてS160でDB205への情報蓄積に関係する処理を実行する。これにより、個々の道路における個々のメータの使用回数の情報が蓄積されていく。実施例2においては、実施例1と異なり、自車両のみの過去のメータ使用情報が蓄積される。上記S135でこの蓄積情報が活用される。
【0070】
次に実施例3を説明する。実施例3の処理手順は図4に示されている。図4の処理手順は予めプログラム化して、例えばメモリ206、ROM402に記憶しておき、メータECU200、センター4のCPU400が自動的にこれを実行すればよい。
【0071】
図4の処理ではまず手順S200でナビゲーション装置240から車両の現在位置情報を取得する。そしてS210で車両の現在位置情報をセンター4へ向けて送信する。この際同時に車両の識別コードも送信する。
【0072】
センター4はS220で、車両の識別コードとその車両の現在位置情報を受信する。そしてセンター4はS230で、その車両が現在走行中の道路あるいは次の道路に最適のメータを探索する。この探索方法に関しては後述する。メータの探索が終了したら、センター4は、S240で、車両が現在走行中の道路あるいは次の道路に最適のメータ(以下、最適メータ)を、S210で受信した識別コードに対応する車両2のメータECU200へ向けて送信する。
【0073】
メータECU200はS250でこれを受信して、S260で、メータ表示部(LCD201)に最適メータを表示する(つまり現在表示されているメータから選択メータに切り替える)。
【0074】
次に実施例4を説明する。実施例4の処理手順は図5に示されている。図5の処理手順は予めプログラム化して、例えばメモリ206に記憶しておき、メータECU200が自動的にこれを実行すればよい。
【0075】
図5の処理においてメータECU200は、まず手順S300でナビゲーション装置240から車両の現在位置情報を取得する。そしてメータECU200はS310で、車両が現在走行中の道路あるいは次の道路に最適のメータ(最適メータ)を探索する。この探索方法に関しては後述する。メータの探索が終了したら、メータECU200は、S320で、メータ表示部(LCD201)に最適メータを表示する(つまり現在表示されているメータから最適メータに切り替える)。以上が図5の処理手順である。
【0076】
次に上述のS40、S135、S230、S310における推奨メータ(最適メータ)の探索方法を説明する。この探索方法の例が図6又は図7に示されている。
【0077】
図6の例では道路の特徴に基づいて推奨メータ(最適メータ)を決定する。ここで道路とは、車両の現在位置から車両の進行方向前方に延びる道路、すなわち現在走行中の道路や、次の道路(現在走行中の道路の次に車両が走行することとなる道路)等とすればよい。図6の例では、道路の特徴として、「制限速度を超えやすい道路」、「眠気を誘発しやすい道路」、「勾配のある道路」、「エコ走行がなされにくい道路」が用いられている。これらの特徴を満たすか否かの判定方法は、ナビ装置3から情報を取得して行えばよい。
【0078】
例えば直線状の道路や交通量の少ない道路は制限速度を超えやすい道路と判定する。また例えば高速道路、信号機の少ない(例えば走行ルートにおける現在位置を含む所定範囲における信号機の設置数が所定値以下の)道路は、眠気を誘発しやすい道路と判定する。また例えばナビ装置3からの情報で所定値以上の勾配が算出された道路は、勾配のある道路と判定する。また例えば信号機の多い(例えば走行ルートにおける現在位置を含む所定範囲における信号機の設置数が所定値以上の)道路は、加速、減速の回数が多いことや停車中のアイドリングなどによりエコ走行がなされにくい道路と判定する。
【0079】
そして、これらの条件の間に優先順位が設けられており、優先順位に従い、制限速度を超えやすい道路であるか否か(S400)、眠気を誘発しやすい道路か否か(S410)、勾配のある道路か否か(S420)、エコ走行されにくい道路か否か(S430)の順序で判定する。なおこの優先順位は一例に過ぎず適宜変更してよい。
【0080】
制限速度を超えやすい道路である場合(S400:YES)はS440に進んで、制限速度(以上)部分を強調したスピードメータ(以下、強調スピードメータ)を呼び出す。なお予め各メータには固有の番号(符号)が付与してあるとすればよい。例えば1番から10番が強調スピードメータであるとした場合、S440では1番から10番のメータを推奨メータとして決定する処理(あるいはそのなかから1つを最適メータとして決定する処理)を行う。そして最終的に上記S85などのメータ表示処理では、選択メータ(最適メータ)の番号に対応するメータ画像データ207がメモリ206から呼び出されてLCD201に表示される。
【0081】
同様に、眠気を誘発しやすい道路の場合(S400:NOかつS410:YES)は、S450に進んで眠気レベル表示を重畳(兼用)したスピードメータ(以下、眠気スピードメータ)を呼び出す。勾配のある道路の場合(S400:NO、S410:NO、かつS420:YES)、S460に進んで勾配表示を重畳(兼用)したスピードメータ(以下、勾配スピードメータ)を呼び出す。エコ走行されにくい道路の場合(S400:NO、S410:NO、S420:NOかつS430:YES)、S470に進んでエコ走行表示(エコゲージ)を重畳(兼用)したスピードメータ(以下、エコスピードメータ)を呼び出す。
【0082】
それ以外の場合は(S400:NO、S410:NO、S420:NOかつS430:NO)、S480に進んで通常のスピードメータを呼び出す。なお強調スピードメータ、眠気スピードメータ、勾配スピードメータ、エコスピードメータ、通常のスピードメータは予め複数記憶されているとして、S440、S450、S460、S470、S480ではそれぞれのスピードメータが複数個呼び出されるとすればよい。
【0083】
次に図7の例を説明する。図7の場合、上述のS97、あるいはS160で記憶されたメータ使用履歴の情報を用いる。具体的にはS490で車両が現在走行中の道路あるいは次の道路において、S97、あるいはS160で記憶されたメータ使用履歴の情報を用いて、過去に使用された回数が上位のメータを呼び出す。
【0084】
S97で記憶されたメータ使用履歴の情報を用いる場合、本システムに加入した全ての車両からセンター4のDB403に集められた使用メータ情報である。したがって自車両だけでなく他車両を含めたうえでの過去の使用回数上位メータが呼び出される。
【0085】
S160で記憶された使用メータの情報を用いる場合、自車両のDB205に集められた使用メータ情報である。したがって現在走行中の道路あるいは次の道路における、自車両の過去の使用回数上位メータが呼び出される。
【0086】
図6の処理では、強調スピードメータ、眠気スピードメータ、勾配スピードメータ、エコスピードメータ、通常のスピードメータのうちいずれか1つ(言い換えると1種類)しか選択されないが、以下のとおり複数の種類が選択されるように変形してもよい(変形例1)。この変形例1の場合、S400からS430までの判定処理を全て行い、肯定判断(YES)となった判定処理に対応するスピードメータをすべて呼び出す。この場合、S440の処理後にS410に進み、S450の処理後にS420に進み、S460の処理後にS430に進み、S470の処理後にS480に進むように図6を変形すればよい。
【0087】
また図6と図7を組み合わせた処理を実行してもよい(変形例2)。例えば図6あるいは図7のいずれか一方(あるいは両方)の処理で推奨メータとされたメータすべてを最終的に推奨メータとする。
【0088】
なおメータには予め優先順位が付けられているとすればよい。そして最適メータの呼び出しの場合は、図6、図7(及び変形例1、2)の処理により呼び出された複数のメータのうちで優先順位が最上位の1個のメータを最適メータとすればよい。
【0089】
また推奨メータの呼び出しの場合は、例えば図6、図7(及び変形例1、2)の処理により呼び出された複数のメータ全てを推奨メータとすればよい。あるいは予め推奨メータの数の上限を定めておき、図6、図7(及び変形例1、2)の処理により呼び出された複数のメータのうち優先順位の上位から上限内のメータを推奨メータとしてもよい。
【0090】
推奨メータが呼び出された場合は、以上の処理で呼び出された複数の推奨メータの画像を、上述のとおりS65あるいはS135でユーザに向けて表示する。その表示例が図15に示されている。図15(a)の例では、表示部305に複数の推奨メータの画像900を優先順位とともに表示する。
【0091】
図15(b)の例では、表示部305に複数の推奨メータの画像910を、地図上で現在走行中の道路、あるいは次の道路に重畳して併置する。
【0092】
ユーザは、図15(a)、(b)のように表示された複数の推奨メータのなかから1個を選択する。図15がタッチパネルの例で、表示部305が入力部306を兼用している場合、ユーザは希望のメータ画像900を指先で接触することにより1個のメータを選択する。
【0093】
既に述べているように、推奨メータを表示する道路は現在走行中の道路に限らず、次の道路でもよい。そして次の道路に進入する前の時点でその道路での最適メータを求めておいて、その道路に進入するのと同時(あるいは直前)にメータをその道路の最適メータに切り替えるとしてもよい。またユーザがメータを選択する場合にも、例えば表示部305に地図を表示する場合に現在走行中の道路のみでなく次の道路も表示して、個々の道路に複数の推奨メータを重畳表示する。そしてユーザが現在走行中の道路で使用するメータも、次の道路で使用するメータも選択できるようにしてもよい。
【0094】
次にS85、S155、S260、S320におけるメータの表示処理の詳細を説明する。表示処理の例が図8から図12、図16から図19に示されている。
【0095】
図8、9と図16が制限速度(以上)を強調したスピードメータ(強調スピードメータ)の表示例である。図8の例ではまずS500で、車両が現在走行中の道路(あるいは次の道路)の制限速度情報を取得する。この情報は例えば地図情報DB243に記憶されているとし、S500でこれを呼び出すとすればよい。
【0096】
次にS510で制限速度(以上)の目盛を強調する。そしてS520で表示する。例えば図16(a)に例示された強調スピードメータ画像700は、指針部701、目盛板702を備え、目盛板702においては、制限速度の目盛数字703(図16(a)の例では60km/hの数字)を強調している。強調する方法は、目盛数字703のみを大きい文字とし、かつ他の目盛数字とは異なる視認しやすい色(赤)としている。
【0097】
図16(b)に例示された強調スピードメータ画像700では、制限速度の目盛数字703(図4(b)の例では100km/hの数字)及び制限速度を超えた目盛数字704を強調している。強調する方法は、制限速度の目盛数字703は他より大きい文字とし、かつ制限速度及び制限速度を超える目盛数字703、704を他とは異なる視認しやすい色(赤)としている。
【0098】
また図9の例では制限速度が常に最上部に来るように目盛数字の配置が調節される。図9ではまずS530で、車両が現在走行中の道路(あるいは次の道路)の制限速度情報を取得する。この情報は例えば地図情報DB243に記憶されているとし、S500でこれを呼び出すとすればよい。
【0099】
次にS540で制限速度が最上部に来るように目盛数字の配置を調節する。そしてS550でメータの目盛数字を表示する。図16(c)、(d)にその表示例が示されている。図16(c)では制限速度の目盛数字705(60km/h)が、図16(d)では制限速度の目盛数字706(100km/h)が、最上部に配置されている。これに伴ない、制限速度の目盛数字707は間隔が狭められる。
【0100】
次に、図10と図17とが路面の傾斜情報の表示を兼用したスピードメータ(傾斜スピードメータ)の表示例である。
【0101】
図17で例示された傾斜スピードメータ730では、LCD201上に球体画像731を表示する。球体画像731の表面の一部は円状に削除されて、その円状領域732は、球体画像731の表面とは異なる色とされる。そして円状領域732内に車速数値の文字画像732と車速単位の文字画像734とが重畳して表示される。
【0102】
この表示処理は図10に示されている。図10の処理ではまずS560で車体の傾斜角度を算出する。これは加速度センサ(傾斜センサ)225によって検出すればよい。次にS570で球体画像731の傾斜処理を行う。球体731の傾斜は、図17に示されているように、下り坂においては、球体731が前のめりとなるように、上り坂においては、球体731が後ろのめりとなるようにする。
【0103】
次にS580で球体画像731の傾斜に合わせて車速数字733(及び単位文字734)の画像も傾斜させる。そしてS590で球体画像731と車速数字733(及び単位文字734)の画像を合成(重畳)する。なお上記の傾斜スピードメータ730では球体画像731を用いたが、この形状は球体には限定されない。立方体などの正多面体や楕円体など他のあらゆる立体を用いてもよい。
【0104】
次に、図11と図18とが運転者の眠気の表示を兼用したスピードメータ(眠気スピードメータ)の表示例である。
【0105】
図18の眠気レベルメータ画像750の例では、コーヒーカップ画像751内にコーヒー画像752を合成して表示する。そしてコーヒー画像752におけるコーヒーの色と量を眠気レベルに応じて変化させる。図18の場合はコーヒーカップ画像751を上方から見た画像であるが、側方から見た画像としてもよい。側方から見た場合はコーヒーカップ画像751を透過する形態でコーヒー画像752を表示すればよい。
【0106】
眠気レベルが高くなるほど、コーヒーの色を濃く、コーヒーの量を多くする。コーヒーを飲むと覚醒度が高まり眠気が低減することは広く知られているので、コーヒーの色が濃く、コーヒーの量が多いほど、直感的に眠気レベルが高いことが運転者に報知できる。またメータ750には車速の数値画像753と単位画像754が重畳して表示される。
【0107】
車速の数値画像753は眠気レベルが高くなるほど数字(文字、フォント)の太さを太く表示する。あるいは眠気レベルが高くなるほど車速の数値画像753の大きさを大きく表示してもよい。あるいは眠気レベルが高くなるほど車速の数値画像753の色の明度を高める(白色に近い色にする)としてもよい。
【0108】
本実施例における眠気メータ表示の処理手順は図11に示されている。図11の処理ではまず手順S900で眠気レベル検出ユニット260により運転者の眠気レベルを検出する。眠気レベルは例えば不連続な数値(整数)で表された複数(多段階)のレベルであってもよく、連続的な数値によって表されたレベルでもよい。
【0109】
次にS905で、S900で検出した眠気レベルに応じて、コーヒーの色を設定する。眠気レベルが高いほど色を濃く設定する。具体的には、眠気レベルが低いほど、クリームまたはミルクが多く含まれたコーヒー、あるいはカフェイン量が相対的に少ないコーヒーをイメージ(想起)させる色、すなわち明度の高い茶系統色とし、眠気レベルが高いほど、ブラックコーヒー、あるいはカフェイン量が相対的に多いコーヒーをイメージさせる色、つまり暗度の高いこげ茶系統色あるいは黒色とする。そして眠気レベルの変化により、これらの色の間を連続的に変化するように色を設定する。
【0110】
次にS910で、S900で検出した眠気レベルに応じて、コーヒーの量を設定する。具体的には眠気レベルが高いほどコーヒーの量を多く設定する。
【0111】
次にS915で、S905で設定された色、S910で設定された量に従ってコーヒー画像752を作成する。図18におけるコーヒー画像752を作成する場合、コーヒー画像752に陰影、ハイライトが形成されているが、例えば単一のコーヒー画像を記憶しておき、コーヒーの量が多い(少ない)ほど、その画像を拡大(縮小)した上で、コーヒーの色を変化させるという方法で作成すれば、簡易的である。
【0112】
次にS920でコーヒーカップ画像751を呼び出す。つまり、コーヒーカップ画像751は予め例えば記憶しておき、それをS920で呼び出す。コーヒーカップ画像751の一部には取っ手部の画像755が含まれている。取っ手部画像755の存在により、運転者は直ちにコーヒーカップであることが認識できる。
【0113】
次にS925で車速情報を取得する。これは、車速センサ221による計測値を車内通信で取得すればよい。
【0114】
そしてS930で、S925で取得した数値により車速数字画像753を作成する。車速数字画像753は、例えば予め数字のフォントをメータECU200で記憶しておき、それを呼び出して作成する。その際に図18で示されているように、数字が背景から浮き上がって視認されるように数字に影をつけてもよい。これにより車速数字の視認性が向上する。
【0115】
さらに図18で示されているように、眠気レベルが高くなるほど、車速数字画像753が太くなるように調節する。あるいは眠気レベルが高くなるほど、車速数字画像753の大きさを大きくしてもよく、色の明度を上げる(白色に近づける)としてもよい。こうした処理により視認性や誘目性が高まって、運転者への眠気の報知に好適となる。
【0116】
また車速数字画像753には、車速の単位(例えばkm/h)の文字画像である単位文字画像754を付加(重畳)する。単位文字画像754があることで、数字が車速を示していることを運転者に誤認識なく確実に認識させる効果がある。
【0117】
次にS935で、S915で作成したコーヒー画像752、S920で呼び出したコーヒーカップ画像751、S930で作成した車速数字画像753を合成(重畳)する。こうして図18で示された眠気スピードメータ画像750が形成される。
【0118】
S940で、このメータ画像をLCD201上の定められた場所に表示する。イグニションオフなどの場合は(S945:YES)表示処理を終了し、そうでなければ(S945:NO)S900に戻って上記手順を繰り返す。これにより、運転している間、常に運転者の時々刻々の眠気レベルがLCD201に表示される。以上が図11の処理手順である。
【0119】
図12と図19とがエコゲージを兼用したスピードメータ(エコスピードメータ)の表示例である。
【0120】
図19に例示されたエコスピードメータ770では、透明で(透光性を有し)内部が空洞の球体771の内部に、CO2画像772、植物画像773、半球体774が配置されている。半球体774は断面が上方に位置するように配置されて、その断目上の左右両側にCO2画像772と植物画像773とが配置されている。半球体774の画像に、車速の数字画像775と単位文字画像776とが重畳されている。
【0121】
このエコスピードメータ770の表示処理手順は図12に示されている。図12の処理ではまずS600で車両の燃費情報を取得する。燃費情報は車内通信により車両の他のECU(図示せず)等から取得すればよい。
【0122】
次にS610で、CO2画像772、植物画像773それぞれのサイズ(あるいは両者のサイズ比率)を算出する。この処理では、低燃費であるほどCO2画像772のサイズを小さく、植物画像773のサイズを大きくすればよい。
【0123】
そしてS620で、CO2画像772、植物画像773それぞれが重量を有し、それにより半球体774がシーソーの様に傾斜していると見る者に認識されるように、S610で求めたCO2画像772、植物画像773それぞれのサイズ(あるいは両者のサイズ比率)に応じて、半球体774画像の傾斜角を算出する。CO2画像772の方が植物画像773よりもサイズが大きい(小さい)場合は、CO2画像772が上方(下方)に、植物画像773が下方(上方)に動くような傾斜角とする。
【0124】
次にS630で車速数字画像775(及び単位文字画像776)を、車速情報に基づき作成する。そしてS640で、以上で求めたCO2画像772、植物画像773、半球体画像774、車速数字画像775、単位文字画像776)を合成する。そしてS650でLCD201に表示する。
【0125】
本発明におけるメータ表示はスピードメータに限定されない。図13、14と図20には、指針部の振れ角を大きくしたタコメータを表示する例が示されている。図20に示したタコメータ780の例は、目盛板781と指針部782(ポインタ)とを備え、目盛板781は、ポインタ782の振れ角が大きくなるように目盛が配置されている。これにより運転者が感じる加速感覚が効果的に表現される。
【0126】
この表示処理は、図13に示されているようにまずS660で、スポーティな走行向きの道路か否かを判定する。スポーティな走行向きの道路の場合(S660:YES)はS670に進み、振れ角が大きなタコメータを呼び出す。スポーティな走行向きでない場合(S660:NO)は通常のタコメータを呼び出す。
【0127】
具体的なS670での処理は図14に示されているように、まずS700で振れ角が大きな目盛板781を呼び出す。次にS710でポインタ画像を呼び出して合成し、S730でLCD201に表示する。
【0128】
以上の実施例では携帯端末3を用いたが、これを用いないように変形してもよい。この場合、例えば表示部305、入力部306の機能を、ナビゲーション部240の表示部244、入力部245に置き換えればよい。この場合、推奨メータを表示する地図表示をナビの地図で兼用できる効果がある。
【0129】
また図2から図14のフローチャートは車両2の運転中、常に繰り返し実行するとすればよい。また上記では現在走行中の道路と次の道路とに注目したシステムとしたが、これに限らず、例えば表示部305に表示された全ての道路に推奨メータを重畳して表示し、それらの道路全て(あるいはいくつか)でメータを選択してもよい。また上記実施例では、強調スピードメータや傾斜スピードメータ等を例示したが、本発明はこれらに限定されず、道路の特性に応じたメータ表示であれば適宜変更できる。
【符号の説明】
【0130】
1 表示システム
2 メータECU
3 ボディECU
4 眠気レベル検出ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に装備されて、車両の走行に関する計測値を示す計器を表示する表示部と、
前記車両の現在位置を算出するナビゲーション手段と、
前記車両の走行に関する同一の計測値を異なる表示形態で表示する複数個の前記計器を記憶する記憶手段と、
前記ナビゲーション手段により算出された車両の現在位置の走行方向前方に延びる道路に応じて、前記記憶手段に記憶された複数個の前記計器のうちから1個の前記計器を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された前記計器を前記表示部に表示する表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする表示システム。
【請求項2】
複数の前記車両が前記選択手段を備え、
個々の道路において、複数の前記車両の前記選択手段が過去に選択した前記計器の履歴を記憶する副記憶手段を備え、
前記選択手段は、前記ナビゲーション手段によって算出された車両の現在位置の走行方向前方に延びる道路ごとに、前記副記憶手段によって記憶された、複数の前記計器それぞれの過去の使用頻度の情報を用いて、1個の前記計器を選択する第1副選択手段を備えた請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
複数の前記車両が前記選択手段を備え、
個々の道路において、複数の前記車両の前記選択手段が過去に選択した前記計器の履歴を記憶する副記憶手段と、
使用者からの入力を受け付ける入力手段と、
個々の道路ごとに、前記副記憶手段によって記憶された、複数の前記計器それぞれの過去の使用頻度が高い前記計器を表示する副表示手段と、
を備え、
前記選択手段は、前記副表示手段によって表示された複数の前記計器のなかから1個の前記計器を選択する入力を前記入力手段で受け付けることにより、1個の前記計器を選択する第2副選択手段を備えた請求項1に記載の表示システム。
【請求項4】
前記記憶手段に記憶された複数の前記計器のそれぞれに対して、その計器に適した道路の条件が設定されており、
個々の道路において前記計器のそれぞれが前記条件を満たすか否かを判定する判定手段を備え、
前記選択手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記ナビゲーション手段によって算出された車両の現在位置の走行方向前方に延びる道路に対して1個の前記計器を選択する第3副選択手段を備えた請求項1に記載の表示システム。
【請求項5】
前記記憶手段に記憶された複数の前記計器のそれぞれに対して、その計器に適した道路の条件が設定されており、
個々の道路において前記計器のそれぞれが前記条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
使用者からの入力を受け付ける入力手段と、
前記ナビゲーション手段によって算出された車両の現在位置の走行方向前方に延びる道路ごとに、その道路に対する前記条件が満たされると前記判定手段によって判定された複数の前記計器を表示する副表示手段と、
を備え、
前記選択手段は、前記副表示手段によって表示された複数の前記計器のなかから1個の前記計器を選択する入力を前記入力手段で受け付けることにより、1個の前記計器を選択する第4副選択手段を備えた請求項1に記載の表示システム。
【請求項6】
前記記憶手段によって記憶された複数個の前記計器のなかには、制限速度を強調して表示する速度計が含まれる請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項7】
前記記憶手段によって記憶された複数個の前記計器のなかには、前記車両の車体の傾斜を車速と重畳して表示する速度計が含まれる請求項1乃至6のいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項8】
車両に装備されて、車両の走行に関する計測値を示す計器を表示する表示部における表示方法であって、
前記車両の現在位置を算出するナビゲーションステップと、
前記車両の走行に関する同一の計測値を異なる表示形態で表示する複数個の前記計器を記憶する記憶ステップと、
前記ナビゲーションステップにより算出された車両の現在位置の走行方向前方に延びる道路に応じて、前記記憶ステップにより記憶された複数個の前記計器のうちから1個の前記計器を選択する選択ステップと、
前記選択ステップによって選択された前記計器を前記表示部に表示する表示制御ステップと、
を実行することを特徴とする表示方法。
【請求項9】
コンピュータで読取可能なプログラムであって、
前記コンピュータは、車両に装備されて、車両の走行に関する計測値を示す計器を表示する表示部と、前記車両の現在位置を算出するナビゲーション部と、前記車両の走行に関する同一の計測値を異なる表示形態で表示する複数個の前記計器を記憶する記憶部と、に接続され、
前記コンピュータを、
前記ナビゲーション部により算出された車両の現在位置の走行方向前方に延びる道路に応じて、前記記憶部に記憶された複数個の前記計器のうちから1個の前記計器を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された前記計器を前記表示部に表示する表示制御手段と、
して機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
車両に装備されて、車両の走行に関する計測値を示す計器を表示する表示部と、
前記車両の現在位置を算出するナビゲーション手段と、
前記車両の走行に関する同一の計測値を異なる表示形態で表示する複数個の前記計器を記憶する記憶手段と、
前記ナビゲーション手段により算出された車両の現在位置の走行方向前方に延びる道路に応じて、前記記憶手段に記憶された複数個の前記計器のうちから1個の前記計器を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された前記計器を前記表示部に表示する表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする表示システム。
【請求項2】
複数の前記車両が前記選択手段を備え、
個々の道路において、複数の前記車両の前記選択手段が過去に選択した前記計器の履歴を記憶する副記憶手段を備え、
前記選択手段は、前記ナビゲーション手段によって算出された車両の現在位置の走行方向前方に延びる道路ごとに、前記副記憶手段によって記憶された、複数の前記計器それぞれの過去の使用頻度の情報を用いて、1個の前記計器を選択する第1副選択手段を備えた請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
複数の前記車両が前記選択手段を備え、
個々の道路において、複数の前記車両の前記選択手段が過去に選択した前記計器の履歴を記憶する副記憶手段と、
使用者からの入力を受け付ける入力手段と、
個々の道路ごとに、前記副記憶手段によって記憶された、複数の前記計器それぞれの過去の使用頻度が高い前記計器を表示する副表示手段と、
を備え、
前記選択手段は、前記副表示手段によって表示された複数の前記計器のなかから1個の前記計器を選択する入力を前記入力手段で受け付けることにより、1個の前記計器を選択する第2副選択手段を備えた請求項1に記載の表示システム。
【請求項4】
前記記憶手段に記憶された複数の前記計器のそれぞれに対して、その計器に適した道路の条件が設定されており、
個々の道路において前記計器のそれぞれが前記条件を満たすか否かを判定する判定手段を備え、
前記選択手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記ナビゲーション手段によって算出された車両の現在位置の走行方向前方に延びる道路に対して1個の前記計器を選択する第3副選択手段を備えた請求項1に記載の表示システム。
【請求項5】
前記記憶手段に記憶された複数の前記計器のそれぞれに対して、その計器に適した道路の条件が設定されており、
個々の道路において前記計器のそれぞれが前記条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
使用者からの入力を受け付ける入力手段と、
前記ナビゲーション手段によって算出された車両の現在位置の走行方向前方に延びる道路ごとに、その道路に対する前記条件が満たされると前記判定手段によって判定された複数の前記計器を表示する副表示手段と、
を備え、
前記選択手段は、前記副表示手段によって表示された複数の前記計器のなかから1個の前記計器を選択する入力を前記入力手段で受け付けることにより、1個の前記計器を選択する第4副選択手段を備えた請求項1に記載の表示システム。
【請求項6】
前記記憶手段によって記憶された複数個の前記計器のなかには、制限速度を強調して表示する速度計が含まれる請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項7】
前記記憶手段によって記憶された複数個の前記計器のなかには、前記車両の車体の傾斜を車速と重畳して表示する速度計が含まれる請求項1乃至6のいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項8】
車両に装備されて、車両の走行に関する計測値を示す計器を表示する表示部における表示方法であって、
前記車両の現在位置を算出するナビゲーションステップと、
前記車両の走行に関する同一の計測値を異なる表示形態で表示する複数個の前記計器を記憶する記憶ステップと、
前記ナビゲーションステップにより算出された車両の現在位置の走行方向前方に延びる道路に応じて、前記記憶ステップにより記憶された複数個の前記計器のうちから1個の前記計器を選択する選択ステップと、
前記選択ステップによって選択された前記計器を前記表示部に表示する表示制御ステップと、
を実行することを特徴とする表示方法。
【請求項9】
コンピュータで読取可能なプログラムであって、
前記コンピュータは、車両に装備されて、車両の走行に関する計測値を示す計器を表示する表示部と、前記車両の現在位置を算出するナビゲーション部と、前記車両の走行に関する同一の計測値を異なる表示形態で表示する複数個の前記計器を記憶する記憶部と、に接続され、
前記コンピュータを、
前記ナビゲーション部により算出された車両の現在位置の走行方向前方に延びる道路に応じて、前記記憶部に記憶された複数個の前記計器のうちから1個の前記計器を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された前記計器を前記表示部に表示する表示制御手段と、
して機能させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2011−230710(P2011−230710A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−104473(P2010−104473)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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