説明

表示パネル、及びそれを有する液晶表示装置

【課題】構造や製造工程の複雑化を最小限に抑えたまま、照度センサの分光感度特性を人間の視感度に十分に接近させ得る表示パネル、及びそれを搭載した液晶表示装置を提供する。
【解決手段】本発明による液晶表示装置では、表示パネルの周辺領域に照度センサが集積化されている。照度センサでは、赤、緑、白の三つの色フィルタが上部パネルに形成され、液晶層を隔てて各色フィルタと対向する下部パネルの領域に一つずつ光感知部が集積化されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に搭載される表示パネルに関し、特に液晶表示装置に搭載される表示パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置(Liquid Crystal Display、LCD)に搭載される表示パネルは、画素電極が形成された下部パネル、共通電極が形成された上部パネル、及び下部パネルの前面と上部パネルの背面との間に挟まれている液晶層を含む。画素電極は下部パネルの前面にマトリックス状に配列され、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、TFT)などのスイッチング素子に個別に連結されている。スイッチング素子がターンオンするとき、画素電極に対してはデータ電圧が個別に印加される。共通電極は上部パネルの全面を覆っている。共通電極に対しては所定の電圧(共通電圧)が印加される。液晶層は誘電率異方性を持ち、特に透過光の偏光方向を回転させる。画素電極に対してデータ電圧が印加され、かつ共通電極に対して共通電圧が印加されるとき、液晶層ではその誘電率異方性が変化するので、透過光の偏光方向の回転角が変化する。ここで、その回転角はデータ電圧と共通電圧との間の差で調節可能である。更に、画素電極、共通電極、及びその間の液晶層は、回路的にはキャパシタ(以下、液晶キャパシタという)と等価であるので、画素電極と共通電極との間の電圧が所定時間保持される。一方、下部パネルと上部パネルとの間では透過可能な偏光方向が異なる。従って、液晶層での誘電率異方性の変化が表示パネルの光透過率を変化させる。このような光透過率の変化が画素ごとに調節されることにより、表示パネルに所望の画像が再現される。
【0003】
液晶表示装置は、透過型、反射型、及び半透過型に大別される。透過型液晶表示装置は表示パネルの背面に配置された照明(バックライト)を利用する。反射型液晶表示装置は表示パネルの前面を照らす外部光、特に自然光を利用する。半透過型液晶表示装置は透過型の構造と反射型の構造とを結合させた構造を持つ。外部の光が弱く暗い所(例えば屋内)では、半透過型液晶表示装置が透過モードで動作し、バックライトを利用して画像を表示する。一方、高照度の環境下(例えば屋外)では、半透過型液晶表示装置が反射モードで動作し、外部光を表示パネルで反射して画像を表示する。
【0004】
バックライトは一般に、光源として複数の蛍光ランプ(CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)やEEFL(Externalel Ectrode Fluorescent))を使用する。それらの蛍光ランプはインバータで駆動される。インバータは、外部から入力される直流電圧を交流電圧に変換して蛍光ランプに対して印加する。それにより蛍光ランプが点灯する。特にインバータが、外部から入力される制御電圧や蛍光ランプを流れる電流に従って交流電圧を調節することで、蛍光ランプの輝度が調節される。
【0005】
上記の液晶表示装置ではバックライトの輝度が十分に高く設定される。それにより、液晶表示装置が明るい(すなわち、高照度の)室内に設置された場合でも、画面が十分に鮮明に見える。しかし、液晶表示装置が暗い(すなわち、低照度の)室内に設置された場合は逆に画面が明る過ぎ、ユーザの目を過度に疲労させるおそれがある。更に、黒等の暗色が光漏れで明るくなるので、コントラストが低下するのみならず、ユーザの目の疲労度を更に増大させるおそれがある。
【0006】
そこで、周辺の照度に応じて画面の輝度を変化させることで画質を高く維持する技術が開発中である。この技術は特に液晶テレビ(LCD−TV)での利用が望まれている。従来の技術では例えば、LCD−TVの外部に照度センサが外付けされ、LCD−TVの設置場所(例えば室内)の照度が測定される。更に、その照度に応じてバックライトの輝度が調節される。それにより、室内の照明環境の変化や、LCD−TVの設置場所に関わらず、LCD−TVは最適の輝度と高画質とを維持する。
【特許文献1】韓国特許出願公開第2004−096168号明細書
【特許文献2】特開2000−122575号公報
【特許文献3】特開2001−134235号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の外付け照度センサは、入射される光のエネルギーのみを、その光源のスペクトルとは無関係に測定する。従って、照度センサにより測定される照度は光源の種類に依存しない。その結果、液晶表示装置を照らす外部光が、日光のような自然光であっても、蛍光灯や白熱灯のような照明器具による人工光であっても、バックライトの輝度が同じように調節される。しかし、人間が実際に感じる明るさは光源のスペクトルに依存するので、自然光と人工光との間では一般に、照度センサの出力が共通であっても、ユーザには異なる明るさに感じられる。それ故、自然光と人工光との両方に対してバックライトの輝度を更に高精度で最適化することは困難である。
【0008】
照度センサにより測定される照度を、人間が実際に感じる明るさ(視感度)と高精度に対応させる目的で、照度センサの分光感度特性を人間の視感度に接近させる研究が進められている。従来の研究では、外付け照度センサの構造の変更や、光学フィルタの挿入が必要である。しかし、それらは、照度センサを装着するための器具の変更や製造工程の追加を要するので、液晶表示装置の構造や製造工程の更なる簡素化が阻まれる。更に、液晶表示装置の原価を上昇させるという問題点がある。
本発明の目的は、構造や製造工程の複雑化を最小限に抑えたまま、照度センサの分光感度特性を人間の視感度に十分に接近させ得る表示パネル、及びそれを搭載した液晶表示装置、の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による表示パネルは、
所定距離を隔てて互いに対向する第1パネルと第2パネル、
第1パネルに形成されている複数の色フィルタ、及び、
それら複数の色フィルタのそれぞれと対向する第2パネルの領域に個別に形成されている複数の光感知部、を含む照度センサ、を有する。好ましくは、第1パネルが共通電極を含み、第2パネルが複数の薄膜トランジスタと複数の画素電極とを含む。好ましくは、複数の色フィルタが、赤色フィルタ、緑色フィルタ、青色フィルタ、及び白色フィルタのうち、少なくとも二つを含む。更に好ましくは、複数の色フィルタが、赤色フィルタ、緑色フィルタ、及び白色フィルタを含み、又は、赤色フィルタ、緑色フィルタ、及び青色フィルタを含む。
【0010】
光感知部は好ましくは、色フィルタを通過した光のエネルギーによって抵抗値が変化する。更に好ましくは、光感知部が、
基板、
その基板の上に形成されている第1絶縁膜、
その第1絶縁膜の上に形成されている半導体層、
その半導体層の上に形成されている第1電極と第2電極、及び、
第1電極と第2電極との上に形成されている第2絶縁膜、を含む。第1電極と第2電極とは好ましくは、それぞれ櫛の歯状の部分を含む。そのとき、第1電極と第2電極との間では、それぞれの櫛の歯状の部分が交互に配列されている。半導体層は好ましくは、非晶質シリコンを含む。照度センサは好ましくは、表示パネルの周縁に形成されている。光感知部は更に好ましくは、照度センサに入射する外部光のエネルギーに比例する出力電圧を生成する。その出力電圧は好ましくは、外部光の光量と波長とによって決定される。
【0011】
本発明による液晶表示装置は、
所定距離を隔てて互いに対向する第1パネルと第2パネル、を含む表示パネル、並びに、
第1パネルに形成されている複数の色フィルタ、及びそれら複数の色フィルタのそれぞれと対向する第2パネルの領域に個別に形成されている複数の光感知部、を含む、表示パネルに集積化された照度センサ、
を有する。この液晶表示装置は、透過型、反射型、半透過型のいずれであっても良い。好ましくは、複数の色フィルタが、赤色フィルタ、緑色フィルタ、青色フィルタ、及び白色フィルタのうち、少なくとも二つを含む。更に好ましくは、複数の色フィルタが、赤色フィルタ、緑色フィルタ、及び白色フィルタを含み、又は、赤色フィルタ、緑色フィルタ、及び青色フィルタを含む。
【0012】
光感知部は好ましくは、色フィルタを通過した光のエネルギーによって抵抗値が変化する。更に好ましくは、光感知部が、
基板、
その基板の上に形成されている第1絶縁膜、
その第1絶縁膜の上に形成されている半導体層、
その半導体層の上に形成されている第1電極と第2電極、及び、
第1電極と第2電極との上に形成されている第2絶縁膜、を含む。好ましくは、第2パネルが複数のゲート線と複数のデータ線とを含み、光感知部の第1電極と第2電極とがデータ線と同じ層に形成されている。第1電極と第2電極とは好ましくは、それぞれが櫛の歯状の部分を含む。第1電極と第2電極との間では、それぞれの櫛の歯状の部分が交互に配列されている。半導体層は好ましくは、非晶質シリコンを含む。照度センサは好ましくは、表示パネルの周縁に形成されている。
【0013】
好ましくは、照度センサが、光感知部のそれぞれに入射する外部光のエネルギーに応じて複数の感知信号を出力する。一方、液晶表示装置が、
それら複数の感知信号を互いに比較し、その結果に応じて複数の第1制御信号を出力する判別部、及び、
それら複数の第1制御信号に基づいて複数の第2制御信号を出力する信号制御部、をさらに有する。ここで、好ましくは、感知信号のレベルが外部光のエネルギーに比例する。更に、その外部光が上記の色フィルタを通過した光である。更に好ましくは、その外部光の通過した色フィルタの色が、赤、緑、青、及び白のいずれかである。
【0014】
好ましくは、一端に対して所定の入力電圧が印加され、他端に対して接地電圧が印加される、第1抵抗器と第2抵抗器との直列接続、を上記の照度センサが含む。そのとき、好ましくは、第1抵抗器は外部光に応じて抵抗値が変化し、第2抵抗器は抵抗値が一定である。本発明による上記の液晶表示装置は更に好ましくは、第1抵抗器と第2抵抗器との間の接続点に連結され、上記の感知信号を出力する出力端子、をさらに有する。
【0015】
本発明による上記の液晶表示装置は好ましくは、
表示パネルに形成されている三原色の画素、
それら三原色の画素のそれぞれに供給されるべき複数の階調電圧を生成する階調電圧生成部、及び、
表示パネルを照らすバックライト部、をさらに有する。その場合、好ましくは、上記の第2制御信号が、階調電圧生成部に対して印加される第3制御信号、及びバックライト部に対して印加される第4制御信号、を含む。一方、判別部が複数の感知信号に基づき、外部光を放出した光源の種類と外部光の明るさとを判別し、その光源の種類と外部光の明るさとを第1制御信号で信号制御部に伝達する。ここで、好ましくは、上記の光源の種類別に複数の感知信号の各レベルが分類されたルックアップテーブルを、判別部が含む。好ましくは、上記複数の色フィルタが、赤色フィルタ、緑色フィルタ、及び白色フィルタを含む。その場合、更に好ましくは、判別部が、上記の緑色フィルタを透過した外部光のエネルギーに応じて出力される感知信号に基づいて第1制御信号を出力する。
【0016】
本発明の他の観点による液晶表示装置は、
液晶表示パネル、
その液晶表示パネルに配置され、外部光を感知する照度センサ、
その照度センサの出力から上記の外部光を放出した光源の種類を判別する判別部、
判別部により判別された光源の種類を示す制御信号を出力する信号制御部、及び、
その制御信号の示す光源の種類に基づいて複数の階調電圧を制御する階調電圧生成部、を有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明による上記の液晶表示装置は、照度センサを表示パネルに形成している。その照度センサでは、色フィルタを透過した外部光が感知されるので、分光感度特性を人間の視感度に容易に接近させ得る。上記の照度センサは更に、表示パネルに集積化可能である(後述の実施例参照)。従って、照度センサの搭載に伴う表示パネルの構造や製造工程の複雑化が最小限に抑えられる。その結果、液晶表示装置の原価の上昇が回避される。本発明による上記の液晶表示装置はさらに、照度センサにより感知された外部光のスペクトルからその光源の種類を判別し、その光源の種類に応じて階調電圧を制御する。それにより、外部光の種類に関わらず、画面の鮮明度を更に向上させ得る。その上、環境の照度に応じてバックライトの輝度を調節することにより、消費電力の更なる節減とランプの更なる長寿命化とを同時に実現させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付された図面を参照しながら、本発明の最適な実施例について、詳細に説明する。
図1に示されているように、本発明の一実施例による液晶表示装置は、表示パネル300、判別部750、信号制御部600、バックライト部900、階調電圧生成部800、ゲート駆動部400、及びデータ駆動部500、を有する。
【0019】
表示パネル300は、図2に示されているように、二枚のパネル100、200と液晶層3とを含む。二枚のパネル100、200は液晶層3を隔てて対向している。以下、表示パネル300の前面(図2では上側の面)に相当する第1パネル200を上部パネルといい、表示パネル300の背面(図2では下側の面)に相当する第2パネル100を下部パネルという。好ましくは、下部パネル100の背面と、上部パネル200の前面にはそれぞれ、偏光子(図示せず)が接着されている。二枚の偏光子の透過軸は方向が異なり、好ましくは直交している。液晶層3は液晶分子の配列を含み、その液晶分子の配列の異方性に起因する誘電率異方性を示す。それにより、液晶層3を透過する光は偏光方向が回転する。特に液晶層3を透過する光の偏光方向の回転角が上記二枚の偏光子の透過軸間の角度と一致するとき、表示パネル300の光透過率が高い。
【0020】
表示パネル300は更に、複数の表示信号線G1−Gn、D1−Dm、及び複数の画素を含む(図1参照)。ここで、表示パネル300は、図3に示されているように、表示領域DAとその外側を囲む周辺領域PAとに大別される。画素は表示パネル300の表示領域DA内にマトリックス状に配置されている(図1参照)。表示信号線G1−Gn、D1−Dmは下部パネル100に形成され、n本(n>1)のゲート線G1−Gn、及びm本(m>1)のデータ線D1−Dmを含む。ゲート線G1−Gnは画素のマトリックスの列方向で等間隔に配置され、画素のマトリックスの行方向に対して平行にのびている。データ線D1−Dmは画素のマトリックスの行方向で等間隔に配置され、画素のマトリックスの列方向に対して平行にのびている。表示パネル300は更に、複数の維持電極線を含んでも良い(図1、2には示されていない)。維持電極線は下部パネル100に形成され、、画素のマトリックスの列方向ではゲート線G1−Gnと交互に配置され、画素のマトリックスの行方向ではゲート線G1−Gnに対してほぼ平行に延びている。
【0021】
各画素は、図1、2に示されているように、スイッチング素子Q、液晶キャパシタCLC、及びストレジキャパシタCSTを含む。
スイッチング素子Qは好ましくは、下部パネル100に形成された薄膜トランジスタである(図2参照)。スイッチング素子Qの制御端子はゲート線G1−Gnの一つGi(i=1、…、n)に連結され、入力端子はデータ線D1−Dmの一つDj(j=1、…、m)に連結され、出力端子は液晶キャパシタCLCとストレージキャパシタCSTとに連結されている。液晶キャパシタCLCは、画素電極190、共通電極270、及びそれら二つの電極190、270間に挟まれた液晶層3の組み合わせと等価である(特に、液晶層3は誘電体として機能する)。画素電極190は下部パネル100に、画素ごとに一つずつ形成され、各画素のスイッチング素子Qに連結されている。共通電極270は上部パネル200の全面を覆うように形成されている。共通電極270に対しては外部から、共通電圧が印加される。尚、図2とは異なり、共通電極270が下部パネル100に形成されても良い。その場合、二つの電極190、270の少なくとも一つが好ましくは、線状または棒状に形成される。ストレージキャパシタCSTは、絶縁体を隔てて互いに重なった画素電極190と維持電極線(図示せず)との部分と等価である。ここで、維持電極線に対しては所定の電圧(好ましくは共通電圧)が印加される。それにより、ストレージキャパシタCSTは液晶キャパシタCLCの容量を補う。尚、画素電極190が絶縁体を隔ててゲート線と重なった部分が、ストレージキャパシタCSTとして利用されても良い。更に、ストレージキャパシタCSTが省略されても良い。その場合、維持電極線も不要である。
【0022】
液晶表示装置による色表示方式には、各画素が三原色の特定の一つのみを表示する空間分割方式や、各画素が三原色のそれぞれの表示時間を変化させる時間分割方式がある。三原色間での空間的分布の差又は表示時間の差によって所望の色相が表現される。図2は空間分割方式の一例を示し、各画素が、好ましくは、液晶層3を隔てて画素電極190に対向する上部パネル200の領域に色フィルタ230を含む。色フィルタ230の色は画素ごとに設定され、好ましくは、赤、緑、青のいずれかである。尚、図2とは異なり、色フィルタ230が下部パネル100に形成され、特に画素電極190の上または下に重ねて形成されても良い。
【0023】
表示パネル300は更に、照度センサ700を含む(図1参照)。照度センサ700は好ましくは、図3に示されているように、表示パネル300の周辺領域PAに形成されている。照度センサ700は更に好ましくは、図3、4に示されているように、三つのセンサ701、702、703を含む。各センサ701、702、703は、色フィルタ730R、730G、730W、及び光感知部740R、740G、740Wを含む。色フィルタ730R、730G、730Wは上部パネル200の基板210の背面(図4では下側の表面)に形成されている。第1センサ701の色フィルタ730Rの色は赤であり、第2センサ702の色フィルタ730Gの色は緑であり、第3センサ703の色フィルタ730Wの色は白である。各光感知部740R、740G、740Wは下部パネル100の基板110の前面(図4では上側の表面)に形成され、特に、液晶層3を隔てて色フィルタ730R、730G、730Wの一つと対向している。表示パネル300の前面に照射される外部光は各色フィルタ730R、730G、730Wと液晶層3とを透過し、各光感知部740R、740G、740Wにより感知される。それにより、その外部光に含まれる、赤色成分のエネルギーが第1センサ701により測定され、緑色成分のエネルギーが第2センサ702により測定される。更に、外部光のほぼ全体のエネルギーが第3センサ703により測定される。各センサ701、702、703の出力、すなわち感知信号Voutのレベルがエネルギーの測定値を表す。
【0024】
判別部750(図1参照)は、照度センサ700から出力される三種類の感知信号Voutに基づき、外部光を放出した光源の種類と外部光の明るさとを判別する(詳細は後述参照)。判別部750は更に、判別された光源の種類と外部光の明るさとを第1制御信号CONT3で信号制御部600に伝達する。
【0025】
信号制御部600は外部のグラフィックコントローラ(図示せず)から、好ましくは、入力映像信号R、G、Bと入力制御信号とを受信する(図1参照)。入力映像信号R、G、Bは各画素の輝度情報を含む。入力制御信号は好ましくは、垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync、メインクロックMCLK、データイネーブル信号DEを含む。信号制御部600は表示パネル300の動作条件に合わせて入力映像信号R、G、Bを適切に処理し(例えばガンマ補正を施し)、映像データDATに変換する。信号制御部600は更に、水平同期信号Hsyncと垂直同期信号Vsyncとに基づいてゲート制御信号CONT1とデータ制御信号CONT2とを生成する。ゲート制御信号CONT1は好ましくは、フレームごとにゲートオン電圧Vonの出力開始を指示する垂直同期開始信号、各フレーム内でゲートオン電圧Vonの出力のタイミングを指示するゲートクロック信号、及び、ゲートオン電圧Vonの持続時間を限定する出力イネーブル信号、を含む。データ制御信号CONT2は好ましくは、マトリックスの行ごとに画素への映像データDATの伝送開始を知らせる水平同期開始信号、データ線D1−Dmに対するデータ電圧の印加を指示するロード信号、共通電圧に対するデータ電圧の極性(以下、データ電圧の極性と略す)の反転を指示する反転信号、及びデータクロック信号を含む。ゲート制御信号CONT1はゲート駆動部400a、400b(または400)に送られ、データ制御信号CONT2と映像データDATとはデータ駆動部500に送られる。
【0026】
信号制御部600は更に、判別部750からの第1制御信号CONT3に応じて第2制御信号を次のように生成する。信号制御部600はまず、第1制御信号CONT3から、照度センサ700によって感知された外部光の光源の種類と明るさとを解読する。信号制御部600は次に、解読された光源の種類と外部光の明るさとに基づき、三原色のそれぞれについて階調電圧の強調/抑制を判断し、かつ、表示パネル300を照らすランプの輝度を決定する。信号制御部600は続いて、その判断結果と決定された輝度とから第2制御信号を生成する。ここで、第2制御信号は複数であり、好ましくは、階調電圧生成部800に対して印加される第3制御信号CONT4と、バックライト部900に対して印加される第4制御信号CONT5とを含む。特に、三原色の各階調電圧の強調/抑制に対する判断結果が第3制御信号CONT4で階調電圧生成部800に伝達され、決定された輝度が第4制御信号CONT5でバックライト部900に伝達される。
【0027】
バックライト部900は、光源部910とインバータ(図示せず)とを含む(図1参照)。光源部910は、表示パネル300(特に下部パネル100)の背面に装着されている。光源部910は少なくとも一つのランプを含み、そのランプで表示パネル300の背面を照らす。ここで、ランプとしては好ましくは、CCFL又はEEFLが使用される。その他に、発光ダイオード(LED)が使用されても良い。インバータは、外部電源から印加される直流電圧を交流電圧に変換して光源部910に対して印加する。それにより光源部910のランプが点灯する。インバータは特に、信号制御部600から受信される第4制御信号CONT5に従って交流電圧を調節する。それにより、光源部910のランプの輝度が、信号制御部600により決定された輝度に調節される。
【0028】
階調電圧生成部800は、三原色(赤色、緑色、及び青色)のそれぞれに対し、二組の階調電圧群を生成する。各階調電圧群は、画素の輝度の階調別にレベルが設定された電圧(階調電圧)の集合である。二組の階調電圧群の一方では階調電圧が共通電圧に対して正であり、他方では階調電圧が負である。階調電圧生成部800は特に、信号制御部600から受信される第3制御信号CONT4に従い、三原色の各階調電圧を個別に上昇させ、又は下降させる。
【0029】
ゲート駆動部400は、表示パネル300のゲート線G1−Gnに連結されている(図1参照)。ゲート駆動部400は、外部から印加されるゲートオン電圧Vonとゲートオフ電圧Voffとの組み合わせをゲート信号として、ゲート制御信号CONT1に従ってゲート線G1−Gnに対して印加する。ゲート信号がゲートオン電圧Vonに維持される期間では、そのゲート信号を伝達するゲート線に接続されたスイッチング素子Qがオン状態を維持する。ゲート信号がゲートオフ電圧Voffに維持される期間では、そのゲート信号を伝達するゲート線に接続されたスイッチング素子Qがオフ状態を維持する。
【0030】
データ駆動部500は、表示パネル300のデータ線D1−Dmに連結されている(図1参照)。データ駆動部500は映像データDATに従い、階調電圧生成部800から出力される二組の階調電圧群のいずれかから階調電圧を選択する。選択された階調電圧はデータ電圧として、目標の画素に接続されたデータ線D1−Dmに対し、データ制御信号CONT2の示すタイミングで印加される。
【0031】
ゲート駆動部400とデータ駆動部500とは好ましくは複数の集積回路チップの集合体である。それらのチップ群は好ましくはTCP(Tape Carrier Package)に実装されている(図示せず)。そのTCPは更に、表示パネル300の周辺領域PA(図3参照)に接着されている。その他に、TCPに代え、上記のチップ群が表示パネル300の上に直接、実装されても良い。更に、ゲート駆動部400とデータ駆動部500とが、表示信号線G1−Gn、D1−Dmやスイッチング素子Qなどと共に、表示パネル300の上に集積化されても良い。
【0032】
本発明の実施例による液晶表示装置が透過型である場合、表示パネル300が好ましくは以下のような積層構造を持つ(図5、6、9、10参照)。図6に示されているように、上部パネル200は基板210を含む。基板210は透明な絶縁物(好ましくはガラス)から成る。基板210の背面(図6では下側の表面)の上に遮光部材(ブラックマトリックスともいう)220が形成されている。表示パネル300の表示領域DA内(図3参照)では、遮光部材220が、液晶層3を隔てて画素電極190と対向する各領域に第1開口部221を一つずつ含む。各第1開口部221の周は各画素電極190の周とほぼ同一の形状である(図5参照)。そのような構造により、遮光部材220は画素電極190以外の場所からの光漏れを防止する。その他に、遮光部材220が、液晶層3を隔ててデータ線171に対向する部分と薄膜トランジスタ(スイッチング素子Q)に対向する部分とに分かれていても良い。表示パネル300の周辺領域PA内(図3参照)では、遮光部材220が、液晶層3を隔てて光感知部740と対向する各領域に第2開口部222を一つずつ含む(図4、10参照)。各第2開口部222の周は各光感知部740の周とほぼ同一の形状である。そのような構造により、遮光部材220は三つのセンサ701、702、703間での光漏れを防止する。
【0033】
基板210の上には更に、複数の色フィルタ230、730が形成されている(図4、6、10参照)。表示パネル300の表示領域DA内(図3参照)では、各色フィルタ230が遮光部材220の開口部221に囲まれた基板210の各領域を一つずつ覆っている(図6参照)。それらの色フィルタ230の色は、三原色のいずれか一つである。表示パネル300の周辺領域PA内(図3参照)では、三つの色フィルタ730が、液晶層3を隔てて三つの光感知部740に対向している各領域を一つずつ覆っている(図4、10参照)。図10では、色フィルタ730が図4に示されている、赤色フィルタ730R、緑色フィルタ730G、及び白色フィルタ730Wのいずれかを表す。ここで、白色フィルタ730Wは好ましくは、透明な有機物質製の感光剤から成る。その他に、白色フィルタ730Wとしては何も設置されず、遮光部材220の第2開口部222の一つからは基板210の背面がそのまま露出していても良い。遮光部材220と色フィルタ230、730とはオーバーコート膜250で覆われている(図6、10参照)。オーバーコート膜250は特に色フィルタ230、730を保護し、かつ上部パネル200の表面を平坦にする。
【0034】
表示パネル300の表示領域DA内(図3参照)では、オーバーコート膜250の上に共通電極270が形成されている(図6参照)。共通電極270は透明な導体(好ましくは、ITO(Indium Tin Oxide)又はIZO(Indium Zinc Oxide))から成る。共通電極270は配向膜21で覆われている。
【0035】
図6に示されているように、下部パネル100は基板110を含む。基板110は透明な絶縁物(好ましくはガラス)から成る。基板110の前面(図6では上側の表面)の上には複数のゲート線121が形成されている(図5、6参照)。図5では、ゲート線121が主に横方向にのびている。ゲート線121は各画素に一つずつ、ゲート電極124と突出部127とを含む。突出部127は画素のマトリックスの列方向(図5では下方)に突出している。ゲート線121の側面は基板110の表面に対して傾いている。好ましくは、その傾斜角が約30°−80゜である。ゲート線121は導電膜を含む。その導電膜は好ましくは、銀系金属(銀(Ag)や銀合金など)、アルミニウム系金属(アルミニウム(Al)やアルミニウム合金など)、又は銅系金属(銅(Cu)や銅合金など)を含み、特に比抵抗が低い。ゲート線121は上記のような導電膜に加え、他の物質から成る導電膜を含む多層膜であっても良い。その導電膜は好ましくは、クロム(Cr)、チタニウム(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、又はそれらの合金(例えば、モリブデン−タングステン(MoW)合金)を含み、特にITOやIZOに対する接触特性が、物理的、化学的、及び電気的のいずれにも優れている。そのような多層膜の例としては、クロム/アルミニウム−ネオジム(Nd)合金が知られている。
【0036】
基板110とゲート線121とはゲート絶縁膜140で覆われている(図6参照)。ゲート絶縁膜140は好ましくは、窒化ケイ素(SiNx)を含む。ゲート電極124を覆うゲート絶縁膜140の部分の上には島形半導体154が形成されている(図5、6参照)。島形半導体154は好ましくは、水素化非晶質シリコン(a−Si:H)または多結晶シリコンから成る。島形半導体154は好ましくは四角形であり、特にゲート電極124より広い。一方、光感知部740ではゲート絶縁膜140が矩形半導体150で覆われている(図10参照)。各半導体154、150の側面は基板110の表面に対し、好ましくは30°−80゜の角度で傾いている。
【0037】
各島形半導体154の上には一対の島型オーミック接触部材163、165が形成され(図6参照)、各矩形半導体150の上には一対の櫛歯形オーミック接触部材160a、160bが形成されている(図9、10参照)。各オーミック接触部材163、165、160a、160bは好ましくは、シリサイドまたはn+水素化非晶質シリコン(n型不純物が高濃度にドーピングされている水素化非晶質シリコン)から成る。特に各ゲート電極124の上方では、一対の島型オーミック接触部材163、165が所定距離を隔てて互いに対向している。一方、各光感知部740では、特に、一対の櫛歯形オーミック接触部材160a、160b間で各櫛歯部分が、所定距離を隔てて交互に配列されている(図9参照)。各オーミック接触部材163、165、160a、160bの側面は基板110の表面に対し、好ましくは30°−80゜の角度で傾いている。
【0038】
ゲート絶縁膜140と島形オーミック接触部材の各対の一方163との上にはデータ線171が形成されている(図5、6参照)。更に、島形オーミック接触部材の各対の他方165とその近傍のゲート絶縁膜140の上には、ドレイン電極175が形成されている。その上、ゲート線121の各突出部127を覆うゲート絶縁膜140の部分の上には、ストレージキャパシタ用導電体177が形成されている。データ線171、ドレイン電極175、及びストレージキャパシタ用導電体177はいずれも好ましくは、耐熱性金属(クロム、モリブデンとその合金、チタニウム、又はタンタル)から成る。その他に、ゲート線121に含まれる多層膜と同様な組成の多層膜であっても良い。
【0039】
図5では、データ線171が主に縦方向にのび、ゲート線121と交差している。各交差点の近傍では、データ線171からゲート電極124に向かって複数の枝が延び、ソース電極173を構成している。特に、ソース電極173の先端が島形半導体154を隔ててゲート電極124に重なっている(図5、6参照)。ドレイン電極175は好ましくは矩形であり、一端が島形半導体154を隔ててゲート電極124に重なっている。ゲート電極124の上では特に、ソース電極173の先端とドレイン電極175の一端とが所定距離を隔てて互いに対向し、かつゲート電極124に対して対称的に配置されている。ストレージキャパシタ用導電体177は好ましくは矩形であり、ゲート絶縁膜140を隔ててゲート線121の突出部127と完全に重なっている。データ線171、ドレイン電極175、及びストレジキャパシタ用導電体177の各側面は基板110の表面に対し、約30°−80゜の角度で傾いている。更に、島形オーミック接触部材163、165により、島形半導体154とソース電極173との間、及び、島形半導体154とドレイン電極175との間ではいずれも、接触抵抗が低い。
【0040】
ゲート電極124、それを覆うゲート絶縁膜140、島形半導体154、ソース電極173、及びドレイン電極175は薄膜トランジスタ(TFT)を構成し、画素のスイッチング素子Q(図1、2参照)として利用される。薄膜トランジスタのチャンネルは、ソース電極173とドレイン電極175との間に露出した島形半導体154の一部に形成される。一方、ストレージキャパシタ用導電体177とゲート線121の突出部127との間の容量がストレジキャパシタCST(図1、2参照)として利用される。
【0041】
光感知部740では、一対の櫛歯形オーミック接触部材の一方160aの上に第1電極(以下、入力電極という)170が形成され、他方160bの上に第2電極(以下、出力電極という)176が形成されている(図9、10参照)。入力電極170と出力電極176とはいずれも好ましくは、耐熱性金属(クロム、モリブデンとその合金、チタニウム、又はタンタル)から成る。その他に、ゲート線121に含まれる多層膜と同様な組成の多層膜であっても良い。入力電極170と出力電極176とはいずれも櫛の歯状の枝を含み、それらの枝が一定の間隔で交互に配列されている。ここで、櫛歯形オーミック接触部材160a、160bにより、矩形半導体150と二つの電極170、176との間では接触抵抗が低い。入力電極170の終端naと出力電極176の終端nbとはいずれも面積が広く、外部との接触が容易である。入力電極170に対して所定の電圧が印加されるとき、入力電極170の枝と出力電極176の枝との間に露出した矩形半導体150の部分に馬蹄形状のチャンネルが形成される。そのチャンネルに光が入射して正孔と電子との対を生成するとき、入力電極170の終端naと出力電極176の終端nbとの間の抵抗値が変化する。その変化からチャンネルに吸収された光のエネルギーが求められる(詳細は後述参照)。
【0042】
データ線171、ドレイン電極175、ストレージキャパシタ用導電体177、入力電極170、出力電極176、島形半導体154と矩形半導体150との露出部分は保護膜180で覆われている(図6、10参照)。保護膜180は好ましくは、平坦化特性に優れ、かつ感光性を持つ有機物質、プラズマ化学気相蒸着(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition、PECVD)で形成されるa−Si:C:O、a−Si:O:Fなどの低誘電率絶縁物質、または、窒化ケイ素などの無機物質から成る。保護膜180はその他に、有機物と窒化ケイ素との二重層であっても良い。保護膜180には複数の接触孔182、185、187が形成されている(図5、6参照)。第1接触孔182ではデータ線171の端部179が露出し、第2接触孔185ではドレイン電極175が露出し、第3接触孔187ではストレジキャパシタ用導電体177が露出している。
【0043】
保護膜180の上には複数の画素電極190が形成されている(図5、6参照)。表示パネル300の表示領域DAでは更に、画素電極190と保護膜180とが配向膜11で覆われている。画素電極190は透明な導電性物質(好ましくは、ITO又はIZO)から成る。配向膜11は好ましくはポリイミドを含む。画素電極190は、第2接触孔185を通じてドレイン電極175に連結され、第3接触孔187を通じてストレジキャパシタ用導電体177に連結されている。ゲート電極124に対してゲートオン電圧Vonが印加されるとき、島形半導体154にチャンネルが形成され、薄膜トランジスタ(スイッチング素子)Qがターンオンする。そのとき、データ線171から、ソース電極173、ドレイン電極175、及び第2接触孔185を通して画素電極190に対し、データ電圧が印加される。それにより、液晶キャパシタCLCが充電される。一方、ストレージキャパシタ用導電体177に対してもデータ電圧が印加されるので、ストレージキャパシタCSTが充電される。ここで、ゲート線121の突出部127は面積が大きい。更に、画素電極190が保護膜180の上に位置しているのに対し、ストレージキャパシタ用導電体177は保護膜180の下地に位置しているので、ゲート線121の突出部127との間の距離が短い。従って、ストレージキャパシタCSTの容量は十分に大きい。画素電極190は好ましくは、隣接するゲート線121とデータ線171とのそれぞれと重なっている。それにより、画素の開口率が高い。
【0044】
表示パネル300の周辺領域PA(図3参照)では、保護膜180の上に複数の接触補助部材82が形成されている(図5、6参照)。接触補助部材82は透明な導電性物質(好ましくは、ITO又はIZO)から成る。接触補助部材82は、第1接触孔182を通じてデータ線の端部179に連結されている。接触補助部材82は、データ線171の端部179と外部装置(特にデータ駆動部500)との間の接着を補完し、更にその接着部を保護する。尚、接触補助部材82の設置は必須ではなく、選択的である。
【0045】
本発明の実施例による上記の液晶表示装置は透過型であるので、特に画素電極190が透明な導電性物質から成る。一方、本発明を反射型液晶表示装置に適用するには、画素電極190が不透明な反射性金属から形成されれば良い。尚、接触補助部材82は、画素電極190とは異なる物質、特にITOまたはIZOから形成されても良い。
【0046】
本発明の実施例による液晶表示装置が半透過型である場合、表示パネル300が好ましくは以下のような積層構造を持つ(図7、8参照)。尚、図7、8では、照度センサ700を始め、上記の透過型液晶表示装置に含まれる構成要素と同様な構成要素に対しては、図5、6、9、10で付されている符号と同じ符号を付す。更に、以下では、上記の透過型液晶装置に含まれている構成要素の特徴とは異なる特徴を説明し、同様な特徴については上記の説明を援用する。
【0047】
本発明の実施例による半透過型液晶表示装置は上記の透過型液晶表示装置とは以下の構成で異なる。まず、下部パネル100では、図7、8に示されているように、基板110の上にゲート線121に対して平行な複数の維持電極線131が形成されている。図7では、各維持電極線131が、隣接する二つのゲート線121の間を、主に横方向にのびている。各維持電極線131は更に、各画素に含まれる部分に一つずつ、維持電極133を構成する突出部を含む。維持電極133は画素のマトリックスの列方向(図7では縦方向)に大きく拡がっている。維持電極線131に対しては所定の電圧、好ましくは共通電圧が印加される。維持電極線131の側面は基板110の表面に対して約20°−80゜の角度で傾いている(図8参照)。維持電極線131はゲート線121と同様に、ゲート絶縁膜140で覆われている。
【0048】
ゲート絶縁膜140の上部には複数の線状半導体151が形成されている(図7参照)。線状半導体151は好ましくは、水素化非晶質シリコンまたは多結晶シリコンから成る。線状半導体151はデータ線171の下地であり、画素のマトリックスの行方向(図7では横方向)で等間隔に配置され、画素のマトリックスの列方向(図7では縦方向)に対して平行にのびている。各線状半導体151は各画素に一つずつ、突出部154を含む。図7では、各突出部154がデータ線171とゲート線121との間の交差点の近傍から横方向に拡がり、ゲート電極124と重なっている。尚、図7では、ゲート電極124が図5に示されているものとは異なり、データ線171とゲート線121との間の交差点の近傍から縦方向に拡がっている。線状半導体151の突出部154の先端からは拡張部157が更に横方向にのび、維持電極133と重なっている。線状半導体151は更に、ゲート線121と維持電極線131とのそれぞれと交差する地点付近で幅が拡がり、ゲート線121と維持電極線131との広い面積を覆っている。線状半導体151の側面は基板110の表面に対して30°−80゜の角度で傾いている。
【0049】
線状半導体151の上には、線状オーミック接触部材が形成されている(図示せず)。各線状オーミック接触部材はゲート線121との交差点ごとに、突出部163を含む。突出部163は線状半導体151の突出部154の上に拡がり、図8に示されているように、ゲート電極124の上方で、島形オーミック接触部材165と所定距離を隔てて対向している。一方、島形オーミック接触部材165は、線状半導体151の突出部154から拡がり、拡張部157を覆っている。オーミック接触部材163、165の側面は基板110の表面に対して30°−80゜の角度で傾いている。
【0050】
島形オーミック接触部材165、及びそれに隣接するゲート絶縁膜140の領域の上に、ドレイン電極175が形成されている。特に、図7に示されているように、各ドレイン電極175が、維持電極133のほぼ全体と重なる拡張部178を含む。図7、8では、ドレイン電極124の拡張部178と維持電極133との間の容量がストレージキャパシタCSTとして利用される。
【0051】
図7では、データ線171から突出するソース電極173が、図6に示されているものとは異なり、ドレイン電極175の先端を、所定距離を隔てて囲んでいる。従って、図7では、薄膜トランジスタのチャンネルが、ドレイン電極175の先端を囲むように形成される。
【0052】
図8では図6とは異なり、保護膜180が有機絶縁膜188で覆われている。有機絶縁膜188は、平坦化特性に優れ、かつ感光性を持つ有機物質から成る。更に、有機絶縁膜188の表面には凹凸パターンが形成されている(図8参照)。それにより、有機絶縁膜188を覆う画素電極190にも同様な凹凸パターンが誘導されている。尚、表示パネル300の周辺領域PA(図3参照)では、特にゲート線121の端部129とデータ線171の端部179の上から有機絶縁膜188が除去され、保護膜180だけが残されている(図示せず)。その部分では更に、保護膜180に第1接触孔182が形成され、保護膜180とゲート絶縁膜140とに第4接触孔181が形成されている(図7参照)。第4接触孔181ではゲート線121の端部129が露出している。第2接触孔185では、図5、6とは異なり、ドレイン電極175の拡張部178が露出している。
【0053】
画素電極190は有機絶縁膜188の上に形成されている。半透過型液晶表示装置では透過型液晶装置とは異なり、画素電極190が、透明電極192とその上に形成されている反射電極194との二層を含む。透明電極192は透明な導電物質(好ましくはITOまたはIZO)から成り、反射電極194は不透明で光反射率の高い金属(好ましくは、アルミニウム若しくはアルミニウム合金、又は銀若しくは銀合金)から成る。尚、画素電極190は、接触補助層(図示せず)をさらに含んでも良い。接触補助層は好ましくは、モリブデン、モリブデン合金、クロム、チタニウム、又はタンタルから成り、透明電極192と反射電極194との間の接触特性を良好に維持し、かつ透明電極192による反射電極194の酸化を防ぐ。
【0054】
各画素は反射電極194の有無により、透過領域TAと反射領域RAとに大別される。透過領域TAでは反射電極194が除去されているので、光が透過する。反射領域RAは反射電極194で覆われているので、上部パネル200を通して入射される光が反射される。尚、維持電極133や薄膜トランジスタは反射領域RAに形成されている。更に、有機絶縁膜188は反射領域RAのみを覆っているので、凹凸パターンは反射領域RAの画素電極190(特に反射電極192)に誘導されている。従って、反射領域RAでは反射光が乱反射するので、液晶表示装置の外部にある物体の像が画面には映らない。一方、透過領域TAでは有機絶縁膜188が除去されているので、セルギャップ(下部パネル100と上部パネル200との間の距離)が反射領域RAでのセルギャップより大きく、特にほぼ2倍である(図8参照)。それにより、反射領域RAで反射される光と透過領域TAを透過する光との間の光路差が補償される。更に好ましくは、反射領域RAでは反射電極194が第1位相遅延膜13で覆われ、透過領域TAでは透明電極192が第2位相遅延膜14で覆われている。二つの位相遅延膜13、14は、液晶層3の液晶分子を硬化させることで形成される。二つの位相遅延膜13、14は各領域TA、RAで、液晶層3の透過に伴う光の位相の遅延を補償する。更に、上部パネル200では好ましくは、各色フィルタ230の透過領域TAでの厚さが反射領域RAでの厚さより大きい(図示せず)。それにより、透過領域TAを透過する光と反射領域RAで反射される光との間では、色フィルタ230の通過回数の差に起因する色相の変化が補償される。その他に、画素全体で色フィルタ230の厚さが均一に維持される一方、反射領域RAでは色フィルタ230にホールが形成されても良い。
【0055】
本発明の実施例による上記の液晶表示装置は以下のように表示動作を行う。
まず、判別部750が照度センサ700から出力される感知信号Voutに基づいて外部光の光源の種類と外部光の明るさとを判別し、第1制御信号CONT3で信号制御部600に伝達する(図1参照)。そのとき、信号制御部600は第1制御信号CONT3から外部光の光源の種類と明るさとを解読し、三原色のそれぞれについて階調電圧の強調/抑制を判断し、かつ、バックライト部900のランプの輝度を決定する。信号制御部600は続いて、三原色の各階調電圧の強調/抑制に対する判断結果を第3制御信号CONT4で階調電圧生成部800に伝達し、決定された輝度を第4制御信号CONT5でバックライト部900に伝達する。階調電圧生成部800は第3制御信号CONT4に従い、三原色の各階調電圧を個別に上昇させ、又は下降させる。バックライト部900では、光源部910のランプの輝度が、信号制御部600により決定された輝度に調節される。
【0056】
次に、信号制御部600が外部から入力映像信号R、G、Bと入力制御信号とを受信する(図1参照)。信号制御部600は入力映像信号R、G、Bを映像データDATに変換し、入力制御信号に基づいてゲート制御信号CONT1とデータ制御信号CONT2とを生成する。続いて、データ駆動部500がデータ制御信号CONT2に従い、マトリックスの行ごとに画素に対する映像データDATを受信する。データ駆動部500はそのとき、階調電圧生成部800から出力される二つの階調電圧群のいずれかの中から画素に対する映像データDATに対応する階調電圧を選択する。選択された階調電圧がその画素に伝達されるべきデータ電圧として、その画素に接続されたデータ線D1−Dmに対して印加される。
【0057】
一方、ゲート駆動部400がゲート制御信号CONT1に従い、ゲートオン電圧Vonをゲート線G1−Gnに対して順番に印加する(図1参照)。そのとき、ゲートオン電圧Vonが印加されたゲート線Giに接続されたスイッチング素子Qがターンオンする(図2参照)。それにより、データ線Djに対して印加されたデータ電圧がターンオンしたスイッチング素子Qを通して画素電極190に対して印加される。そのデータ電圧と共通電極270に対して印加された共通電圧との間の差により、液晶キャパシタCLCとストレージキャパシタCSTとが充電される。そのとき、その液晶キャパシタCLCに含まれている液晶層3の部分では、液晶分子の配向が変化する。その結果、バックライト部900から下部パネル100に入射した光が液晶層3を通過する間に受ける偏光方向の回転角が変化する。従って、上部パネル200の偏光子を透過可能な光の光量が変化する。こうして、各画素の輝度が変化し、特に映像データDATの示す階調の輝度に調節される。
【0058】
データ駆動部500とゲート駆動部400とは上記の動作を、1水平周期ごとに繰り返す。それにより、1フレームの間に全てのゲート線G1−Gnに対してゲートオン電圧Vonが印加され、全ての画素に対してデータ電圧が印加される。更に、データ駆動部500に伝達される反転信号の状態が制御され、フレームごとにデータ電圧の極性が反転する(フレーム反転)。その上、反転信号を利用し、同じフレーム内で、画素のマトリックスの行ごとにデータ電圧の極性が反転し(例:行反転、ドット反転)、または、隣接する二つのデータ線間でデータ電圧の極性が反転しても良い(例:列反転、ドット反転)。
【0059】
本発明の実施例による液晶表示装置では特に、外部光の光源の種類に応じて階調電圧が色ごとに調節されるので、映像データDATの示す階調が同じでも、実際の輝度は一般に異なる。更に、外部光の明るさに応じてバックライト部900のランプの輝度が調節される。それにより、以下に述べる通り、外部光が自然光であっても、人工光であっても、画面の鮮明度が高く維持される。その上、消費電力の更なる節減とランプの更なる長寿命化とが同時に実現可能である。
【0060】
まず、本発明の実施例による照度センサ700に含まれている光感知部740の動作原理について、詳細に説明する。照度センサ700を構成する三つのセンサ701、702、703のそれぞれに含まれている光感知部740は、図11に示されているように、入力端子naと接地端子GNDとの間に直列に連結されている第1抵抗器R1と第2抵抗器R2と等価である。二つの抵抗器R1、R2間の接続点には出力端子nbが連結され、その電位の変化が感知信号Voutとして出力される。入力端子naは光感知部740の入力電極170の終端na(図9参照)に相当し、入力電圧Vinが印加される。接地端子GNDは下部パネル100の基板110に相当する。出力端子nbは光感知部740の出力電極176の終端nbに相当する。第1抵抗器R1は入力電極170と出力電極176との間の抵抗と等価である。この抵抗はいわゆる光抵抗である。すなわち、その抵抗値が入力電極170と出力電極176との間のチャンネルに吸収される光のエネルギー量で変化する。従って、第1抵抗器R1は可変抵抗器とみなせる。第2抵抗器R2は好ましくは抵抗値が一定であり、器表示パネル300に連結されている印刷回路基板(図示せず)に実装されている。第2抵抗器R2の一端は出力電極176の終端nbに連結され、他端は接地されている。
【0061】
光感知部740の可変抵抗器R1の抵抗値R1は、光感知部740に入射する外部光の光子数Ep、矩形半導体150の厚さD、入力電極170の枝と出力電極176の枝との各長さW、及び入力電極170の枝と出力電極176の枝との間の距離L(図9参照)によって、次のように表される。まず、光感知部740に入射する外部光の光子数(相対エネルギーともいう)Epが、光感知部740に入射する外部光のエネルギーEと、その外部光の波長の一光子当たりのエネルギーEλとの間の比として、次式(1)で表される:
【0062】
【数1】

【0063】
式(1)で表される数Epの光子が色フィルタ730を通じて光感知部740入射するとき、光感知部740内で生成される電子の数n(=正孔の数)は、次式(2)で表される。ここで、光反射率rは下部パネル100の基板110とゲート絶縁膜140とのそれぞれの物性や表面状態によって決定される。尚、基板110やゲート絶縁膜140によって吸収された光のエネルギーは考慮されていない。
【0064】
【数2】

【0065】
式(2)で表される電子数n(=正孔数)、電子の移動度μn、正孔の移動度μp、入力電極170と出力電極176との各構造、及び矩形半導体150の厚さDを考慮すれば、光感知部740の伝導率σは次式(3)で求まる(定数qは電子1個当たりの電荷量を表す)。特に、伝導率σが光子数Epに正比例することが分かる。
【0066】
【数3】

【0067】
従って、式(3)から、光感知部740の可変抵抗器R1の抵抗値R1が次式(4)で表される。
【0068】
【数4】

【0069】
式(4)から明らかな通り、光感知部740の可変抵抗器R1の抵抗値R1は、光感知部740に入射する外部光の光子数(相対エネルギー)に反比例する。従って、入力電極170と出力電極176との間の抵抗値R1の測定から外部光のエネルギーが測定可能である。ここで、入力電極170と出力電極176との各枝の長さW、入力電極170の枝と出力電極176の枝との間の長さL、及び矩形半導体150の厚さDを調節することにより、光感知部740の感度を高精度に調節できる。光感知部740の可変抵抗器R1の抵抗値R1は、次式(5)に従い、出力端子nbの電圧(感知信号)Voutとして出力される:
【0070】
【数5】

【0071】
式(4)、(5)から明らかな通り、外部光の相対エネルギーEpが大きいほど、光感知部740で生成される電流が大きいので、可変抵抗器R1の抵抗値R1が減少する。その結果、出力端子nbの電圧(感知信号のレベル)Voutが上昇する。特に、第2抵抗器R2の抵抗値R2が可変抵抗器R1の抵抗値R1に対して十分に小さいとき、感知信号Voutのレベルは、外部光の相対エネルギーEpにほぼ比例する。
【0072】
次に、照度センサ700の分光感度特性について説明する。図12には、複数の光源のエネルギースペクトル曲線が示されている。図12では、縦軸が光の相対エネルギーを表し、横軸が可視光領域の波長を表す。図12では、曲線Aの光源は太陽であり、曲線Bの光源は白熱灯であり、曲線Cの光源はろうそくであり、曲線Dの光源は蛍光灯である。これらの光源は、液晶表示装置が特にTV受像器に利用される場合、次に述べる通り、画面に照射され得る外部光の光源として代表的な例である。一般に、TVは室内で視聴される。一方、一般家屋や事務所等の建物内で使用される光源のスペクトルは、図12に示されている蛍光灯や白熱灯のスペクトルと大差がない。更に、TVが窓際に置かれている場合、昼間の視聴では、画面が日光に照らされる。日光のエネルギーは、450nmを超える波長領域ではほぼ均一に分布する(図12に示されている曲線A参照)。白熱灯の光のエネルギーは、波長の増大に伴って線形的に増加する(図12に示されている曲線B参照)。ろうそくの光のエネルギーは、波長の増大に伴って指数関数的に増加する(図12に示されている曲線C参照)。蛍光灯の光のエネルギーは、450nm付近と500nm−600nmの領域とで比較的大きい。
【0073】
一方、図13には、照度センサ700を構成する三つのセンサ701、702、703の各分光感度特性曲線R、G、W、及び人間の比視感度曲線Hが示されている。ここで、三つのセンサ701、702、703はそれぞれ、赤色フィルタ、緑色フィルタ、及び白色フィルタを含む(図4参照)。赤色フィルタは580nm以上の波長領域で光を良く透過させるので、第1センサ701はその波長領域の感度が高い。緑色フィルタは450nm−600nmの波長領域で光を良く透過させるので、第2センサ702はその波長領域の感度が高い。白色フィルタは全ての波長領域で光を良く透過させるので、第1センサ701は波長領域の全体で均一に感度が高い。ここで、第3センサ703が白色フィルタの代わりに青色フィルタを使用しても良い。その場合、赤色、緑色、及び青色を合わせれば白色になるので、三つのセンサ701、702、703の感度の合成で白色に対する感度が求められる。
【0074】
図12と図13との間の比較から次のことが分かる。光源が蛍光灯である場合、緑色フィルタを含む第2センサ702から出力される感知信号Voutのレベルが高い。光源が白熱灯である場合、赤色フィルタを含む第1センサ701から出力される感知信号Voutのレベルが高い。光源が太陽である場合、白色フィルタを含む第3センサ703から出力される感知信号Voutのレベルが高い。更に、例えば、蛍光灯の光と日光とが外部光として混在する場合、第2センサ702と第3センサ703との各感知信号Voutのレベルが共に高い。このような外部光の光源の種類と感知信号Voutのレベルとの間の関係は図14に示されている表のように整理される。同様に、光源がろうそくである場合、第1センサ701では感知信号Voutのレベルが低く、第3センサ703では感知信号Voutのレベルが高く、第2センサ702では感知信号Voutのレベルがそれらの中間である。従って、三つのセンサ701、702、703間での感知信号Voutのレベルのバランスを図14の表のような形で光源の種類ごとに予め分類し、実際に測定された三つの感知信号Vout間でのレベルのバランスをその表に照らすことで、外部光の光源の種類が判別可能である。
【0075】
本発明の上記の実施例による液晶表示装置では判別部750が上記の判別を行う(図15参照)。照度センサ700内の三つのセンサ701、702、703はそれぞれ、感知信号Vout1、Vout2、Vout3を判別部750に出力する。判別部750は、図14に示されている表に関する情報を、好ましくはルックアップテーブルの形態で予め記憶している。三つの感知信号Vout1、Vout2、Vout3を受信した時、判別部750はそれらのレベルを比較し、図14の表等から光源の種類を判別する。判別部750は更に、好ましくは第2センサ702の感知信号Vout2に基づき、外部光の明るさ(すなわち、液晶表示装置の周辺環境の照度)を求める(式(4)、(5)参照)。例えば、第1センサ701では感知信号のレベルVout1が低い一方、第2センサ702と第3センサ703とでは共に感知信号のレベルが高ければ、光源は蛍光灯であると判別される。更に、外部光の明るさは好ましくは、第2センサ702の感知信号Vout2と第3センサ703の感知信号Vout3との間でのレベルの平均値で評価される。ここで、図13から明らかな通り、緑色フィルタを含む第2センサ702の分光感度特性曲線Gは人間の比視感度曲線Hとほぼ一致する。従って、更に好ましくは、第2センサ702の感知信号Vout2を用いて外部光の明るさが測定される。
【0076】
判別部750は判別結果を、好ましくは二つの異なる第1制御信号CONT31、CONT32で出力する。ここで、第1制御信号の一方CONT31は光源の種類を示し、他方CONT32は外部光の明るさを表す。信号制御部600は、好ましくは二つの第1制御信号の一方CONT31から外部光の光源の種類を解読し、光源の種類に応じて三原色の各階調電圧の強調/抑制を判断する。例えば、光源が白熱灯である場合、図13に示されている曲線Bから明らかな通り、外部光の赤色成分のエネルギーが大きいので、赤色に対するユーザの視感度が高い。従って、各階調電圧が一定に維持される場合、ユーザには画面の赤色部分が映像データDATの示す階調より赤く見えるので画像から受ける色感が本来の色感から外れる。本発明の上記の実施例ではこの場合、信号制御部600が赤色の階調電圧の抑制を判断し、その判断結果を階調電圧生成部800に対して第3制御信号CONT4で伝達する(図15参照)。階調電圧生成部800は第3制御信号CONT4に従い、赤色の階調電圧を下降させる。同様に、光源が蛍光灯である場合は緑色に対するユーザの視感度が高いので、信号制御部600が階調電圧生成部800に緑色の階調電圧を下降させる。こうして、外部光の光源の種類に関わらず、映像信号の示す本来の画像の鮮明な色感が画面に再現される。
【0077】
信号制御部600は更に、好ましくは二つの第1制御信号の他方CONT32から外部光の明るさを解読し、外部光の明るさに応じてバックライト部900のランプの輝度を決定する(図15参照)。例えば、液晶表示装置の置かれた室内の照度が低い場合、信号制御部600はバックライト部900のランプの輝度を低く設定する。輝度の設定値は第4制御信号CONT5でバックライト部900に伝達される(図15参照)。バックライト部900では、光源部910のランプの輝度が第4制御信号CONT5の示す値に向かって低下する。それにより、画面の光漏れが減少するのでユーザの目の疲労が軽減する。更に、消費電力が削減され、かつバックライト部900のランプの寿命が延長する。
【0078】
本発明の上記の実施例による液晶表示装置は特に低照度の環境で、以下に述べる通り、更に鮮明な色感を画像に与える。人間の目の視細胞は桿体細胞と錐体細胞とに大別される。桿体細胞は主に明暗を区別し、錐体細胞は形状と色合いとを識別する。照度が低い室内では、桿体細胞が波長の短い青色に敏感に反応するので、ユーザには青色の画面がより青く感じる。一方、赤色に対する視感度が低下するので、ユーザには赤色の画面が赤くは見えにくい。本発明の上記の実施例による液晶表示装置では、この場合、バックライト部900のランプの輝度が低下する。更に、青色の階調電圧が下降し、又は赤色の階調電圧が上昇する。それらの組み合わせにより、更に鮮明な色感が画像に与えられる。
【0079】
本発明の上記の実施例では、照度センサ700が三つの色フィルタを含む。その他に、照度センサが色フィルタを、一つ若しくは二つ、又は四つ以上含んでも良い。更に、本発明は上記の透過型や半透過型の液晶表示装置だけでなく、反射型液晶表示装置に対しても適用可能である。
以上、本発明の好ましい実施例について詳細に説明した。しかし、本発明の技術的範囲は上記の実施例には限定されない。実際、当業者には、特許請求の範囲で定義されている本発明の基本概念を利用した多様な変形や改良が可能であろう。従って、それらの変形や改良も当然に本発明の技術的範囲に属すると解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施例による液晶表示装置のブロック図
【図2】本発明の実施例による液晶表示装置の一つの画素を表す等価回路図
【図3】本発明の実施例による液晶表示装置に含まれている表示パネルの概略的な平面図
【図4】図3に示されている表示パネルの直線IV−IV´に沿った断面図
【図5】本発明の実施例による透過型液晶表示装置に含まれている表示パネルの拡大部分平面図
【図6】図5に示されている折線VI−VI´線に沿った断面の展開図
【図7】本発明の他の実施例による半透過形液晶表示装置に含まれている表示パネルの拡大部分平面図
【図8】図7に示されている折線VIII−VIII´に沿った断面の展開図
【図9】図3に示されている照度センサの拡大部分平面図
【図10】図9に示されている直線X−X´に沿った断面図
【図11】本発明の実施例による照度センサに含まれている光感知部の等価回路図
【図12】代表的なな光源のエネルギースペクトルを表すグラフ
【図13】本発明の実施例による照度センサの分光感度特性を色フィルタの色別に示すグラフ
【図14】本発明の実施例による照度センサに含まれている三つのセンサ間での感知信号のレベルのバランスを外部光の光源の種類別に分類した表
【図15】本発明の実施例による液晶表示装置について、照度センサの出力に基づく階調電圧とバックライトの輝度との制御系統を示すブロック図
【符号の説明】
【0081】
100 下部パネル
13 第1位相遅延膜
14 第2位相遅延膜
110 基板
121 ゲート線
124 ゲート電極
127 ゲート線121の突出部
129 ゲート線121の端部
131 維持電極線
133 維持電極
140 ゲート絶縁膜
150 矩形半導体
151 線状半導体
154 線状半導体151の突出部
157 線状半導体151の拡張部
160a、160b 櫛歯状オーミック接触部材
163 ソース電極173の下地のオーミック接触部材
165 ドレイン電極175の下地のオーミック接触部材
170 入力電極
171 データ線
173 ソース電極
175 ドレイン電極
176 出力電極
177 ストレージキャパシタ用導電体
178 ドレイン電極175の拡張部
179 データ線171の端部
180 保護膜
182、183、185、187 接触孔
188 有機絶縁膜
190 画素電極
192 透明電極
194 反射電極
TA 透過領域
RA 反射領域
200 上部パネル
210 基板
220 遮光部材
230 色フィルタ
250 オーバーコート膜
270 共通電極
300 表示パネル
3 液晶層
400 ゲート駆動部
500 データ駆動部
600 信号制御部
700 照度センサ
701、702、703 センサ
730 色フィルタ
740 光感知部
750 判別部
800 階調電圧生成部
900 バックライト部
910 光源部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定距離を隔てて互いに対向する第1パネルと第2パネル、
前記第1パネルに形成されている複数の色フィルタ、及び、
前記複数の色フィルタのそれぞれと対向する前記第2パネルの領域に個別に形成されている複数の光感知部、を含む照度センサ、
を有する表示パネル。
【請求項2】
前記複数の色フィルタが、赤色フィルタ、緑色フィルタ、青色フィルタ、及び白色フィルタのうち、少なくとも二つを含む、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記複数の色フィルタが、赤色フィルタ、緑色フィルタ、及び白色フィルタを含む、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記複数の色フィルタが、赤色フィルタ、緑色フィルタ、及び青色フィルタを含む、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記光感知部は、前記色フィルタを通過した外部光のエネルギーによって抵抗値が変化する、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記光感知部が、
基板、
前記基板の上に形成されている第1絶縁膜、
前記第1絶縁膜の上に形成されている半導体層、
前記半導体層の上に形成されている第1電極と第2電極、及び、
前記第1電極と前記第2電極との上に形成されている第2絶縁膜、
を含む、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記第1電極と前記第2電極とがそれぞれ、櫛の歯状の部分を含み、前記第1電極と前記第2電極との間では前記櫛の歯状の部分が交互に配列されている、請求項6に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記半導体層が非晶質シリコンを含む、請求項6に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記照度センサが前記表示パネルの周縁に形成されている、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記第1パネルが共通電極を含み、前記第2パネルが複数の薄膜トランジスタと複数の画素電極とを含む、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記光感知部が、前記照度センサに入射する外部光のエネルギーに比例する出力電圧を生成する、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記出力電圧が前記外部光の光量と波長とによって決定される、請求項11に記載の表示パネル。
【請求項13】
所定距離を隔てて互いに対向する第1パネルと第2パネル、を含む表示パネル、並びに、
前記第1パネルに形成されている複数の色フィルタ、及び、前記複数の色フィルタのそれぞれと対向する前記第2パネルの領域に個別に形成されている複数の光感知部、を含む、前記表示パネルに集積された照度センサ、
を有する液晶表示装置。
【請求項14】
前記複数の色フィルタが、赤色フィルタ、緑色フィルタ、青色フィルタ、及び白色フィルタのうち、少なくとも二つを含む、請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項15】
前記複数の色フィルタが、赤色フィルタ、緑色フィルタ、及び白色フィルタを含む、請求項14に記載の液晶表示装置。
【請求項16】
前記複数の色フィルタが、赤色フィルタ、緑色フィルタ、及び青色フィルタを含む、請求項14に記載の液晶表示装置。
【請求項17】
前記光感知部は、前記色フィルタを通過した外部光のエネルギーによって抵抗値が変化する、請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項18】
前記光感知部が、
基板、
前記基板の上に形成されている第1絶縁膜、
前記第1絶縁膜の上に形成されている半導体層、
前記半導体層の上に形成されている第1電極と第2電極、及び、
前記第1電極と前記第2電極との上に形成されている第2絶縁膜、
を含む、請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項19】
前記第2パネルが複数のゲート線と複数のデータ線とを含み、
前記第1電極と前記第2電極とが前記データ線と同じ層に形成されている、
請求項18に記載の液晶表示装置。
【請求項20】
前記第1電極と前記第2電極とがそれぞれ、櫛の歯状の部分を含み、前記第1電極と前記第2電極との間では前記櫛の歯状の部分が交互に配列されている、請求項19に記載の液晶表示装置。
【請求項21】
前記半導体層が非晶質シリコンを含む、請求項18に記載の液晶表示装置。
【請求項22】
前記照度センサが前記表示パネルの周縁に形成されている、請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項23】
前記照度センサが、前記光感知部のそれぞれに入射する外部光のエネルギーに応じて複数の感知信号を出力し、
前記液晶表示装置が、
前記複数の感知信号を互いに比較し、その結果に応じて複数の第1制御信号を出力する判別部、及び、
前記複数の第1制御信号に基づいて複数の第2制御信号を出力する信号制御部、
をさらに有する、
請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項24】
前記感知信号のレベルが前記外部光のエネルギーに比例する、請求項23に記載の液晶表示装置。
【請求項25】
前記外部光が前記色フィルタを通過した光である、請求項23に記載の液晶表示装置。
【請求項26】
前記外部光の通過した色フィルタの色が、赤、緑、青、及び白のいずれかである、請求項25に記載の液晶表示装置。
【請求項27】
一端に対して所定の入力電圧が印加され、他端に対して接地電圧が印加される、第1抵抗器と第2抵抗器との直列接続、
を前記照度センサが含む、請求項23に記載の液晶表示装置。
【請求項28】
前記第1抵抗器は前記外部光のエネルギーに応じて抵抗値が変化し、前記第2抵抗器は抵抗値が一定である、請求項27に記載の液晶表示装置。
【請求項29】
前記第1抵抗器と前記第2抵抗器との間の接続点に連結され、前記感知信号を出力する出力端子、をさらに有する、請求項28に記載の液晶表示装置。
【請求項30】
前記表示パネルに形成されている三原色の画素、
前記三原色の画素のそれぞれに供給されるべき階調電圧を生成する階調電圧生成部、及び、
前記表示パネルを照らすバックライト部、
をさらに有する、請求項23に記載の液晶表示装置。
【請求項31】
前記第2制御信号が、前記階調電圧生成部に対して印加される第3制御信号、及び前記バックライト部に対して印加される第4制御信号、を含む、請求項30に記載の液晶表示装置。
【請求項32】
前記判別部が前記複数の感知信号に基づき、前記外部光を放出した光源の種類と前記外部光の明るさとを判別し、前記光源の種類と前記外部光の明るさとを前記第1制御信号で前記信号制御部に伝達する、請求項23に記載の液晶表示装置。
【請求項33】
前記光源の種類別に前記複数の感知信号の各レベルが分類されたルックアップテーブル、を前記判別部が含む、請求項32に記載の液晶表示装置。
【請求項34】
前記複数の色フィルタが、赤色フィルタ、緑色フィルタ、及び白色フィルタを含む、請求項32に記載の液晶表示装置。
【請求項35】
前記判別部が、前記緑色フィルタを通過した外部光のエネルギーに応じて出力される前記感知信号に基づいて前記第1制御信号を出力する、請求項34に記載の液晶表示装置。
【請求項36】
前記液晶表示装置が、透過型、反射型、又は半透過型のいずれかである、請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項37】
液晶表示パネル、
前記液晶表示パネルに配置され、外部光を感知する照度センサ、
前記照度センサの出力から前記外部光を放出した光源の種類を判別する判別部、
前記判別部により判別された前記光源の種類を示す制御信号を出力する信号制御部、及び、
前記制御信号の示す前記光源の種類に基づいて複数の階調電圧を制御する階調電圧生成部、
を有する液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−251806(P2006−251806A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−62866(P2006−62866)
【出願日】平成18年3月8日(2006.3.8)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】