説明

表示ユニット、および大型表示装置

【課題】 従来の大形表示装置において、反射型表示装置は外光を反射して表示するので夜間など暗い環境のもとでは表示部の前面に照明装置を設ける必要があった。また、自発光のLEDによる表示は、高輝度を必要とし、大電力を消費するものであり、しかもコストが高かった。
【解決手段】 反射型表示素子と自発光表示素子を組み合わせて表示素子を構成すると、昼は反射型の大形表示装置として使用できる。また、夜は自発光の表示装置として使用できるので照明が不要となり薄型化できる.しかも夜の表示は昼間に比べて輝度を抑制できるので低消費電力化できる.

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ビルの壁面、屋上あるいは道路わきなどに看板のように設置され、文字や画像情報を表示できる大型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にビルの壁面や屋上、あるいは道路わきなどに設置される看板類は、大型のポスターやネオンサインなどであった。こららの看板は、いずれも表示内容が固定で、表示内容を自動的に更新したり、必要に応じて更新したりすることが難しかった。また、ネオンサインは、発している光が弱く、日中の太陽光のもとでは表示内容を示すことはできなかった。ネオンサインによる発光を視認できるのは、もっぱら夕暮れ時や夜間などの外光が弱いときであった。一方、これらの表示内容固定の看板などに対して、表示されている内容を制御可能な装置として、磁気反転表示装置やLED表示装置などが実用化されている。
【0003】図7は磁気反転素子を示す図である。図において、40は磁気反転素子、41は球体で、2色に着色されている。まず、磁気反転表示装置の表示素子として用いられている磁気反転素子は、2色〜4色に着色された反射面と磁性体を有する球体、あるいは多面体を表示部に有しており、この表示部に磁界を印加して反転あるいは回転させて,表示部に所定の色の面を向けて表示するものである。磁気反転素子は、表示を変更するときのみ電力を消費し、表示を維持するときは,全く電力を消費しない。
【0004】図7は磁気反転素子と、その原理を示す図である。図において、40は磁気反転素子、41は球体で2色に着色されている。ここでは2色の球あるいは円筒系の回転体が磁界を印加することにより反転表示するもので、表示面の前面に面した側の色が表示色となる。磁界を印加した状態が図7にONと示した状態で、着色された面が表示面側になっている。磁界を印加していない状態は、図7にOFFと示した状態のものであり、球体は反転することはない。磁気反転素子を用いた大型表示装置(磁気反転表示装置)は、外光を反射することによって表示を行なうため、明るい太陽光のもとで使用され、しかも低消費電力である。特に電力は,表示を更新するときに消費されるが、表示を維持している期間は外光を反射して電力を消費せず、消費電力はきわめて小さいという優れた特徴を持つ。特に常時表示を行なう看板などの用途に適している。
【0005】次に、LEDを表示素子とする大型表示装置の場合は、自発光なので明るい屋外でも高輝度の表示を得ることができる。しかも表示できる内容は、磁気反転表示素子を用いた大型表示装置の表示内容が静止画に制約されるのに対し、フルカラーで高精細の動画を表示できるなどの優れた表示品質を誇る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】磁気反転表示装置は、外光を反射して表示する(反射型表示装置)ので、夜間など暗い環境のもとでは表示部の前面に照明装置を設ける必要がある。したがって、夜間は照明を用いるので、その分だけ電力を消費し、さらに照明装置を設置するための適切な空間を必要とする。
【0007】一方、LEDを表示素子とする大型表示装置は、太陽光のもとで適切なコントラストの表示を得るためには高輝度を必要とし、大電力を消費することになる。しかも高精細の画像を表示するためには、LEDを高密度に配置する必要があり、コストが高くなるなどの問題があった。
【0008】本発明は、これらの課題を解決するためになされたもので、昼間の明るい環境でも、夜間の暗い環境でも、表示内容を任意に制御することが可能で、照明設備を必要とせず、低消費電力で高画質の表示を得ることのできる大型表示装置を得ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る表示ユニットは、表示面の状態を変化させることにより表示色を変えて面表示を行なう反射型表示素子と、この反射型表示素子の近傍に設けられ、上記反射型表示素子の表示面よりも小さい点状の発光面を有する自発光表示素子とを備えたものである。
【0010】第2の発明に係る表示ユニットにおいて、自発光表示素子は、反射型表示素子の表示面周辺の映像表示部分以外に設けられている。
【0011】第3の発明に係る表示ユニットにおいて、自発光表示素子は、反射型表示素子の中央部分に設けられている。
【0012】第4の発明に係る大型表示装置は、表示面の状態を変化させることにより表示色を変えて面表示を行なう反射型表示素子、この反射型表示素子の近傍に設けられ、上記反射型表示素子の表示面よりも小さい点状の発光面を有する自発光表示素子からなる表示ユニットと、この表示ユニットを縦横のマトリクス状に配置し、それぞれの表示ユニットを接続することによりなる画像表示手段と、上記表示ユニットの反射型表示素子を駆動する反射型表示素子駆動手段と、上記表示ユニットの自発光表示素子を駆動する自発光表示素子駆動手段と、映像信号に基づいて、反射型表示素子駆動手段、あるいは自発光表示素子のどちらか一方を制御する制御手段とを備えたものである。
【0013】第5の発明に係る大型表示装置において、照度を検知する照度検知手段を備え、制御手段は、上記照度検知手段の出力に応じて、反射型表示素子、あるいは自発光表示素子のいずれか一方を制御するものである。
【0014】第6の発明に係る大型表示装置において、照度を検知する照度検知手段を備え、制御手段は、反転型表示素子を制御しているときに、照度検知手段の出力が低下したときは、自発光表示素子に対しても制御を行ない、照度検知手段の出力低下に応じて、自発光表示素子の輝度調整を行なうものである。
【0015】第7の発明に係る表示ユニットにおいて、複数個の反射型表示素子が、1つの表示ユニット内に縦横に配列され、それぞれの反射型表示素子の間隔は、各反射型表示素子の 非発光部の幅の約2倍の幅であり、自発光表示素子は、上記各反射型表示素子 間の非発光部に設けられたものである。
【0016】第8の発明に係る大型表示装置において、表示ユニットは、複数個の反射型表示素子を有し、これらの複数個の反射型表示素子が、1つの表示ユニット内に縦横に配列され、それぞれの反射型表示素子の間隔は、各反射型表示素子の非発光部の幅の約2倍の幅であるとともに、上記各反射型表示素子 間の非発光部に設けられた自発光表示素子とを備えたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、本発明に係る第1の実施の形態を示す図である。図において、1は表示ユニット、2は反射型表示素子、3はLEDなどの点状の自発光表示素子である。表示ユニット1は、1枚の反射型表示素子で1画素を構成し、その近傍にLED3を配置した1画素ユニットの一例である。LED3は、反射型表示素子の非発光部(映像無表示部分)に設けられる。また、反射型表示素子2の中央部分に設けることも可能である。LEDを反射型表示素子の近傍に設ける場合は、非発光部、あるいは、映像無表示部や映像表示部以外に設けることができる。ここで反射型表示デバイスの種類は、表示部にある球体4aを磁気で反転あるいは回転させて表示する磁気反転表示素子、微粒子を電気的、あるいは磁気的に移動させる電気泳動素子、磁気泳動素子、さらにLCD(液晶)などのデバイスを使用することができる。
【0018】まず、磁気反転表示素子4を用いた反射型表示素子(反転型表示素子4)について説明する。図2は、磁気反転表示素子4にLEDを組み込んだときの説明図である。磁気反転表示素子4の近傍にLED3を配置して1画素表示ユニットを構成する。ここでは、LED3は磁気反転表示素子4の右下部分に設けられている。この1画素ユニットを2次元的に多数配列して(たとえば、縦横にマトリクス状に設ける)大型ディスプレイを構成すると、昼間は磁気反転表示素子4を用いて、外光の反射を利用して表示を行なうことで消費電力を削減できる。磁気反転表示素子4は、磁気により球体4aを反転、あるいは回転させることにより表示色を決めている。表示面側に球面4bが位置しているときは、球面4bの色が表示される。また、表示面側に球面4cが位置しているときは、球面4cの色が表示されることになる。また、夜は自発光表示素子であるLED3によって表示を行なうので、反射型の表示素子に必要な照明が不要となる。すなわち、低消費電力で薄型の表示装置を実現することができる。このように、1つの表示ユニットに反射型表示素子(反転型表示素子4)と自発光表示素子3を備え、反射型表示素子、あるいは自発光表示素子3を切り換えて表示を行なうことができるので、1つの表示ユニットで反射型表示素子として、あるいは自発光表示素子の両方に使用することができる。
【0019】一方、磁気反転表示素子を用いた大型表示装置には,磁気反転表示素子の球体4aを反転させるための機械的な稼動部がある。このため設置環境によっては、稼動部の磨耗や腐食などによる故障が心配される。図3は電気泳動素子を用いた反射型表示素子である。図において、5は電気泳動素子、5aは白の荷電粒子、5bは液体である。図3に示した表示ユニット1は、電気泳動素子5の中央部に自発光表示素子であるLED3を組み込んだ例である。
【0020】電気泳動素子5は、電界により荷電粒子5aが表示ユニット1の表示面である前面に移動したときは荷電粒子5aの色が見える。荷電粒子4aが表示ユニット1の裏面側に移動したときは着色された液体5bの色を表示することになる。荷電粒子5aの移動は、表示面側と裏面側の制御電極5c,5dによって制御される。ここで、表示面側の電極5cとしては透明電極が使用される。電気泳動素子4の中央部にはLED3が配置されており、昼は電気泳動素子4による反射型ディスプレイとして、夜はLED3による自発光ディスプレイとして動作させることができる。このように反射型表示部に電気泳動素子2を使用すると、磁気反転表示素子2に見られるような稼動部の磨耗などによる故障が軽減される。なお、電気泳動素子4は荷電粒子4aの移動によって表示を得るもので、磁気泳動などの磁界で磁性粒子を移動させる方式を用いても同様の効果が得られる。電気泳動素子5、反転型表示素子4は、表示面、あるいは表示面側の状態を変化させて、表示色、あるいは表示内容を変えることにより、面表示を行なう反射型表示素子の一つである。
【0021】反射型ディスプレイは,磁気反転方式、電気泳動方式以外にもいくつかの方式が考えられるが、いずれも夜間の表示には照明を必要とする。特に照明光の質(色,スペクトル分布)によって表示品質が決まるため、適切な照明光を選択する必要がある。特に磁気反転表示素子や電気泳動素子などは,表示色が制約されるので、フルカラー化が難しかった。これに対し、LCDを用いると、カラーフィルタを使用することで、あるいはコレステリック液晶やゲストホスト液晶により入射光から特定波長の光を選択的に反射ことで、フルカラー化することが可能である。ここで、LEDについても3原色の素子を配置することでフルカラー化が可能であり、LCDを用いた反射型表示素子と3色のLED(自発光表示素子)を組み合わせて1画素ユニットを構成すると、反射型表示素子と自発光表示素子の両者の特徴を生かしたフルカラーの大型ディスプレイ用の表示素子ユニットを実現することができる。反射型のLCDも表示面の状態を変化させて、表示色、あるいは表示内容を変えることにより、面表示を行なう表示素子である。
【0022】実施の形態2.図4はこの発明の実施の形態2である大型ディスプレイ(大型表示装置)を示した図である。実施の形態1に示した1画素ユニット(表示ユニット1)を2次元的に多数配列する(たとえば、縦横に複数個並べる)ことによって、大型ディスプレイを構成する。
【0023】図4に示すように、1画素ユニットを縦横に2次元的に配列することで、大型ディスプレイ6(大型表示装置)は、複数の反射型表示素子からなる反射型表示パネル(反射型表示部)と複数の反射型表示素子それぞれの近傍に設けられた点状の自発光表示素子(たとえば、LED)によって構成されることになる。このように構成される大型ディスプレイ6の反射型表示部は高開口率で、LED表示部は低開口率となる。昼間は反射型表示パネルにより表示が行なわれ、昼間の表示では高開口率ゆえ十分な外光の反射により高コントラストが得られる。夜は、LEDなどの自発光表示素子による表示に切り換えるが、夜間の表示輝度は昼間に必要とされる輝度3000〜5000Cd/mの10分の1以下の100〜300cd/m以下の低輝度でよく、開口率が低くても問題ない。
【0024】自発光表示素子であるLEDは、反射型表示パネルを構成する複数の反射型表示素子それぞれの近傍に設けられるが、LEDを設ける位置は反射型表示素子の中央や反射型表示素子の非発光部とすればよい。また反射型表示パネルの画素の中心位置とLEDの中心位置がずれていても,この種の大型ディスプレイは十分な視距離を必要とするため,遠くから見る場合は全く問題ない。また、LEDを反射型表示部の画素の中心に配置した場合、LEDが反射型表示部の表示面の妨げになるが、LEDは点光源に近く、LEDの表示面の大きさに対して反射型表示部の画素面積が十分に大きければ実害はない。
【0025】このように本実施の形態の大型表示装置(大型ディスプレイ6)は、昼間は反射型表示素子からなる反射型表示パネルで表示を行なうので、省電力による表示が可能である。夜は反射型表示パネルでは表示輝度が低いので、自発光の表示素子により表示を行なうので、ある程度の電力を消費するが、昼間に必要とされる輝度の10分の1以下の低輝度で表示を行なえば良いので、消費電力を削減することができる。また、夜間に反射型表示パネルと照明を用いて表示を行なう場合に比べて、消費電力も大幅に少なくてすむ。しかも従来、反射型表示パネルを夜間に使用する場合に、必要とされた照明は不要となるため照明に必要な空間がなくなり、薄型で低消費電力の大型ディスプレイを実現できる.
【0026】実施の形態3.図5はこの発明の実施の形態3である表示素子を示した図で、高画素密度の表示素子を示したものである。図において、7は高画素密度の表示素子(表示ユニット)、8は反射型表示部、9は自発光型表示素子、10は列方向の配線、11は行方向の配線である。実施の形態1では1画素の表示素子を対象としていたのに対し、実施の形態3には、1素子内に複数の画素が配列された高画素密度の反射型表示素子が示されている。1つの表示ユニットに、複数の反射型表示素子を有する形になっており、それぞれの反射型表示素子が各画素に対応する。実施の形態1に示した1つの表示ユニットで1画素に対応する場合に比べて、本実施の形態による表示ユニットは高画素密度の表示素子となる。図5に示す複数の反射型表示部8が各画素に対応する。反射型表示部8は反射型表示素子といえる。
【0027】平面状の表示素子7に画素(反射型表示部8)をマトリクス状に配置した反射型表示デバイスにおいて、各画素の近傍にチップ状のLED9を配置している。2次元的に配列するための表示素子は、継目がタイル状に目立たないようにする必要があり、各画素間に表示素子周辺部に必要に応じて非発光部幅(図4に示すGp/2)の2倍程度の非発光部(図4に示すGp)が設けられる。この非発光部をLED9の配置と、その配線10,11のためのスペースとして使用することができる。このように反射型表示部8とLED9による自発光の表示部を1枚の表示素子内に共存させることで、高画素密度の表示素子を実現できる。
【0028】この表示パネル7を、図4に示す表示ユニット1のように縦横に2次元的に多数配列して大型ディスプレイを構成し、昼間は反射型表示素子により表示を行ない、夜は自発光表示素子により表示を行えるように切り換え可能とすることで、昼は反射型表示装置として、夜は自発光の表示装置として使用可能な、高解像度の大型表示装置を実現することができる。
【0029】実施の形態4.図6はこの発明の実施の形態4である大型表示装置を示した図である。大型表示装置のスクリーン12は、表示ユニット13を縦横に2次元的に配列して構成されている。表示ユニット13は、LED表示部16とLCD(反射型)表示部14からなる。反射型表示部14は、外光の反射に依存するため、外光が弱くなるにつれて表示のコントラストが低下する。特に夜間は照明が無ければ全く表示できなくなってしまう。そこで、スクリーン12に照度センサー30(照度検知手段)を設け、照度センサー30によって外光の照度を検出して、検出された外光の照度に応じて、反射型表示部による表示から LEDの表示に切り換えることで、昼夜を問わず表示可能な表示装置を実現することができる。
【0030】さらに、照度に応じてLED16による表示の輝度を制御する手段を設けることによって、反射型表示部(LCD)14と自発光の表示部(LED)16を同時に使用することもできる。この場合、外光が低下することによって、反射型表示部のコントラストも低くなる。そこで、外光が低下してきたときは、反射型表示部だけではなく、LEDによる表示も行ない、そのあとは外光の低下に応じて、LEDによる表示の輝度を上げることにより、反射型表示部のコントラストの低下を LEDによる表示で補うことができる。制御回路19に、照度に応じてLED16による表示の輝度を制御する手段の機能を持たせるようにしても良い。具体的には、反射型表示部による表示を行なっているときに、照度が低下したが、LEDなどの自発光の表示部だけで表示を行わなくても問題ないときなどに、反射型表示部による表示とともに、自発光の表示部による表示も行なう。ただし、この場合、自発光の表示部による表示は、照度の低下に応じて輝度を調整するようにして、反射型表示部のコントラスト低下を補うようにする。
【0031】大型ディスプレイの動作について説明する。ビデオシステム21からのテレビ信号は、表示コントローラ23のA/D変換回路24に入力される。A/D変換回路24からの信号は、画素変換処理回路25で画素変換され、バッファメモリ29を介して、それぞれの表示ユニット13に入力される。また、コンピュータシステム22からの信号は通信制御回路26に入力される。通信制御回路26からの信号はグラフィック処理回路27と文字情報処理回路28に入力され、さらにバッファメモリ29を介して、それぞれの表示ユニット13に入力される。表示ユニット13に入力された信号は、制御回路19に入力され、LCD駆動部15、LED駆動部17を制御する。反射型表示素子(LCD)14と自発光表示素子(LED)16は、LCD駆動部15、LED駆動部17により制御され表示を行なう。
【0032】照度センサー30は外光の照度を検出し、検出した値が所定の値以上(昼間)のときは、切換手段19aをLCD駆動部15側に切り換えることにより、制御回路19からの出力をLCD駆動部15に入力して反射型表示素子(LCD)14による表示を行なう。また、照度センサー30が検出した値が所定の値以下のときは、切換手段19aをLED駆動部17側に切り換えることにより、制御回路19からの出力をLCD駆動部15に入力して自発光型表示素子(LED)16による表示を行なう。上記の所定の値以下とは、たとえば、夜や、昼間であっても反射型表示素子では暗い表示になってしまうような照度をいう。このように昼夜、あるいは照度に応じて切り換えを行なうことで、大型表示装置で良好な表示内容を提供することができる。
【0033】
【発明の効果】第1の発明によれば、表示面の状態を変化させることにより 表示色を変えて面表示を行なう反射型表示素子と、この反射型表示素子の近傍に設けられ、上記反射型表示素子の表示面よりも小さい点状の発光面を有する自発光表示素子とを備えているので、強い外光のもとでは反射型表示素子として使用し、外光が弱いときは自発光表示素子として使用することができる。
【0034】第2の発明によれば、自発光表示素子は、反射型表示素子の表示面周辺の映像表示部分以外に設けられているので、反射型表示素子で表示を行なうときの妨げになることはない。
【0035】第3の発明によれば、自発光表示素子は、反射型表示素子の中央部分に設けられているので、自発光表示素子により最適な画像を作ることができる
【0036】第4の発明によれば、表示面の状態を変化させることにより表示色を変えて面表示を行なう反射型表示素子、この反射型表示素子の近傍に設けられ、上記反射型表示素子の表示面よりも小さい点状の発光面を有する自発光表示素子からなる表示ユニットと、この表示ユニットを縦横のマトリクス状に配置し、それぞれの表示ユニットを接続することによりなる画像表示手段と上記表示ユニットの反射型表示素子を駆動する反射型表示素子駆動手段と、上記表示ユニットの自発光表示素子を駆動する自発光表示素子駆動手段と、映像信号に基づいて、反射型表示素子駆動手段、あるいは自発光表示素子のどちらか一方を制御する制御手段とを備えているので、強い外光のもとでは反射型表示装置として使用し,外光が弱い場合は自発光表示素子を用いた表示装置として使用することができる。
【0037】第5の発明によれば、照度を検知する照度検知手段を備え、制御手段は、上記照度検知手段の出力に応じて、反射型表示素子、あるいは自発光表示素子のいずれか一方を制御するので、昼間の明るい環境では反射型表示素子からなる表示装置で表示を行ない、外光が弱いときは、自発光表示素子からなる表示装置によって表示を行なうことができる。
【0038】第6の発明によれば、照度を検知する照度検知手段を備え、制御手段は、反転型表示素子を制御しているときに、照度検知手段の出力が低下したときは、自発光表示素子に対しても制御を行ない、照度検知手段の出力低下に応じて、自発光表示素子の輝度調整を行なうので、反射型表示素子により表示を行なっているときに、外光が弱くなったとしても、反射型表示素子による表示とともに、自発光表示素子により表示を行ない、なおかつ、照度に応じて、自発光表示素子の輝度を調節するので、表示されている内容の輝度を適切に保つことができる。
【0039】第7の発明によれば、複数個の反射型表示素子が、1つの表示ユニット内に縦横に配列され、それぞれの反射型表示素子の間隔は、各反射型表示素子の非発光部の幅の約2倍の幅であり、自発光表示素子は、上記各反射型表示素子 間の非発光部に設けられているので、強い外光のもとでは高画素密度の反射型表示素子として使用し、外光が弱いときは高画素密度の自発光表示素子として使用することができる。
【0040】第8の発明によれば、表示ユニットは、複数個の反射型表示素子を有し、これらの複数個の反射型表示素子が、1つの表示ユニット内に縦横に配列され、それぞれの反射型表示素子の間隔は、各反射型表示素子の非発光部の幅の約2倍の幅であるとともに、上記各反射型表示素子 間の非発光部に設けられた自発光表示素子とを備えているので、強い外光のもとでは高画素密度の反射型表示装置として使用し,外光が弱い場合は自発光表示素子を用いた高画素密度の表示装置として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による表示ユニットを示す図である。
【図2】 磁気反転表示素子とLEDを組み合わせた表示ユニットを示す図である。
【図3】 電気泳動素子とLEDを組み合わせた表示ユニットを示す図である。
【図4】 本発明による表示ユニットを配列して構成された大形表示装置を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態3による高画素密度の表示ユニットを示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態4による大型表示装置を示す図である。
【図7】 従来の表示素子の磁気反転表示素子を示す図である。
【符号の説明】
1 表示ユニット、 2 反射型表示素子、 3 自発光表示素子、4 磁気反転表示素子、 5 電気泳動素子、 6 大型ディスプレイ、7 高画素密度の表示素子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 表示面の状態を変化させることにより表示色を変えて面表示を行なう反射型表示素子と、この反射型表示素子の近傍に設けられ、上記反射型表示素子の表示面よりも小さい点状の発光面を有する自発光表示素子とを備えたことを特徴とする表示ユニット。
【請求項2】 自発光表示素子は、反射型表示素子の表示面周辺の映像表示部分以外に設けられていることを特徴とする請求項1記載の表示ユニット。
【請求項3】 自発光表示素子は、反射型表示素子の中央部分に設けられたことを特徴とする請求項1記載の表示ユニット。
【請求項4】 表示面の状態を変化させることにより表示色を変えて面表示を行なう反射型表示素子、この反射型表示素子の近傍に設けられ、上記反射型表示素子の表示面よりも小さい点状の発光面を有する自発光表示素子からなる表示ユニットと、この表示ユニットを縦横のマトリクス状に配置し、それぞれの表示ユニットを接続することによりなる画像表示手段と上記表示ユニットの反射型表示素子を駆動する反射型表示素子駆動手段と、上記表示ユニットの自発光表示素子を駆動する自発光表示素子駆動手段と、映像信号に基づいて、反射型表示素子駆動手段、あるいは自発光表示素子のどちらか一方を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする大型表示装置。
【請求項5】 照度を検知する照度検知手段を備え、制御手段は、上記照度検知手段の出力に応じて、反射型表示素子、あるいは自発光表示素子のいずれか一方を制御することを特徴とする請求項4記載の大型表示装置。
【請求項6】 照度を検知する照度検知手段を備え、制御手段は、反転型表示素子を制御しているときに、照度検知手段の出力が低下したときは、自発光表示素子に対しても制御を行ない、照度検知手段の出力低下に応じて、自発光表示素子の輝度調整を行なうことを特徴とする請求項4記載の大型表示装置。
【請求項7】 複数個の反射型表示素子が、1つの表示ユニット内に縦横に配列され、それぞれの反射型表示素子の間隔は、各反射型表示素子の非発光部の幅の約2倍の幅であり、自発光表示素子は、上記各反射型表示素子 間の非発光部に設けられたことを特徴とする請求項1記載の表示ユニット。
【請求項8】 表示ユニットは、複数個の反射型表示素子を有し、これらの複数個の反射型表示素子が、1つの表示ユニット内に縦横に配列され、それぞれの反射型表示素子の間隔は、各反射型表示素子の非発光部の幅の約2倍の幅であるとともに、上記各反射型表示素子 間の非発光部に設けられた自発光表示素子とを備えたことを特徴とする請求項4ないし6のいずれか一つに記載の大型表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図6】
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【公開番号】特開2003−271079(P2003−271079A)
【公開日】平成15年9月25日(2003.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−70335(P2002−70335)
【出願日】平成14年3月14日(2002.3.14)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】