説明

表示装置

【課題】薄型化を実現すると共に、透明電極パターンの不可視化を達成する。
【解決手段】表示装置全体で透明電極パターンの不可視化を達成する。複数の画素電極22と駆動電極43が、TFT基板21と第2基板41との間に配置されている。複数の検出電極44は第2基板41の駆動電極43と反対の側に配置され、電極隣接層(例えば接着層48)が第2基板41と複数の検出電極44に接し、その屈折率na(no)が第2基板41の屈折率nsから44検出電極の屈折率npまでの範囲内である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが指等で触れることにより情報入力が可能なタッチセンサの機能をもつ表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、接触検出装置は、検出面に対しユーザの指やペン等が接触し、あるいは、近接したことを検出する装置である。
【0003】
いわゆるタッチパネルと呼ばれる接触検出装置が知られている。タッチパネルは、表示パネルに重ねて形成し、表示面に画像として各種のボタンを表示させることにより、通常のボタンの代わりとして情報入力を可能とする。この技術を小型のモバイル機器に適用すると、ディスプレイとボタンの配置の共用化が可能で画面の大型化、あるいは、操作部の省スペース化や部品点数の削減という大きなメリットをもたらす。
【0004】
このように“タッチパネル”というとき、一般には、表示装置と組み合わされるパネル状の接触検出装置を指す。
しかしながら、タッチパネルを液晶パネルに設けると、液晶モジュールの全体の厚さが厚くなる。そこで、例えば特許文献1には、薄型化に適した構造の、静電容量型タッチパネル付き液晶表示素子が提案されている。
静電容量式のタッチセンサは、駆動電極と、当該駆動電極と静電容量を形成する複数の検出電極を有する。
一例として、液晶表示素子の観察側基板とその外面に配置された観察用偏光板との間にタッチパネル用導電膜(検出電極)を設けることが可能である。この構造では、タッチパネル用導電膜(検出電極)と偏光板の外面との間に、偏光板の外面をタッチ面とした静電容量型タッチパネルを形成し、薄型化が図られる。
【0005】
しかし、一般に駆動電極や検出電極のパターンは画素ピッチより大きく、電極の重なり具合に応じた透過率差が原因で電極パターンが表示面から視覚されてしまうことがある。
【0006】
そこで、特許文献1には、例えばディスプレイ装置の上部に配置される容量式センサにおいて、透明な導体と基板とを接着剤を介して接合することが記載されている。
【0007】
また、特許文献2には液晶表示装置のセルの裏面にITOを成膜し、ITO上に偏光板を接着する方法が提案されている。
【0008】
また、電極パターンを不可視化に関連し、例えば特許文献3には、検出電極をパターニングした際に透明電極を人の目に視認されないようにパターン間に非導通の透明電極を配置したタッチパネル構造が提案されている。
【0009】
タッチパネル単体で特許文献3に記載のように不可視化のための工夫を行うと、ある程度、透明電極のパターンを視認できなくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特表2003−511799号公報
【特許文献2】米国特許公開公報第2008−0062139号明細書
【特許文献3】特開2008−129708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、2次元の座標を検出するためにはX軸方向に並ぶ複数の透明な導体とY方向に並ぶ複数の透明な導体とを形成するための基板を例えばディスプレイ装置の上部に配置する必要がある。従って、センサシステムを搭載したディスプレイ装置全体としての厚さが増大する問題がある。また、特許文献1には、透明な導体が直接パターン化された透明基板と他の透明基板とを接着する接着剤の、不可視化のために求められる光学的特性について述べられていない。
【0012】
上記特許文献2に記載の技術では、ディスプレイ装置全体としての厚さが増大すると共に、通常の(液晶)表示装置に用いられるガラス基板および偏光板の屈折率とITOの屈折率は、偏光板、ガラス基板、そしてITOの順に高くなるため、ITOの配線が見え易くなる。
【0013】
本発明は、タッチセンサ機能を有する表示装置全体として薄型化を実現すると共に、透明電極パターンの不可視化を達成した表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に関わる表示装置は、互いに対向する第1および第2基板、複数の画素電極、表示機能層、駆動電極、複数の検出電極、電極隣接層を有する。
前記複数の画素電極は、前記第1基板と前記第2基板とが互いに対向する2つの面の前記第1基板の側に配置されている。
前記表示機能層は、前記画素電極に供給される画像信号に基づいて画像表示機能を発揮する。
前記駆動電極は、前記2つの面の何れか一方の側に前記複数の画素電極と対向して配置されている。
前記複数の検出電極は、前記第2基板の、前記駆動電極と反対側の面に配置されて一方向に分離され、前記駆動電極との間に容量を形成する。
前記電極隣接層は、前記第2基板と前記複数の検出電極に接して配置されて、複数の検出電極を覆う。
【0015】
本発明において、前記電極隣接層が、前記第2基板の屈折率と等しい屈折率から前記検出電極の屈折率と等しい屈折率までの範囲内の屈折率を有する。
【0016】
この構成によれば、互いに対向する第1および第2基板の間に駆動電極が配置されるため、第1および第2基板の外側に駆動電極を配置するための基板が不要となる。そして、電極隣接層が、第2基板と検出電極との屈折率差を緩和するように屈折率調整の役目をする。
【0017】
本発明に関わる他の表示装置は、上記表示装置と同様に、第1基板および第2基板と、複数の画素電極と、表示機能層と、駆動電極とを有する。
この他の表示装置は、前記第2基板と前記複数の検出電極に接して配置されて、複数の検出電極を覆う保護層をさらに有する。この保護層の屈折率noは、屈折率を規定する際の波長を550nmとしたときに前記検出電極の屈折率npおよび前記第2基板の屈折率nsとの関係が次式(2)、すなわち、
np≦nsの場合 np≦no≦ns
np>nsの場合 ns≧no>np…式(2)
を満たす。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、タッチセンサ機能を有する表示装置全体として薄型化を実現すると共に、透明電極パターンの不可視化を達成した表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1〜第8の実施の形態および実施例1,2に関わるタッチセンサ部の動作を説明するための等価回路図と概略断面図である。
【図2】図1に示すタッチセンサ部に指が接触または接近した場合の、同等価回路図と同概略断面図である。
【図3】実施形態に関わるタッチセンサ部の入出力波形を示す図である。
【図4】第1〜第8の実施の形態および実施例1,2に関わる表示装置のタッチ検出のための電極パターンと、その駆動回路との接続を示す平面図と概略断面図である。
【図5】第1〜第8の実施の形態および実施例1,2に関わる表示装置の画素回路の等価回路図である。
【図6】第1〜第8の実施の形態および実施例1,2に関わる表示装置のセンサ駆動部の回路図である。
【図7】第1〜第8の実施の形態および実施例1,2に関わる表示装置の電圧検出器の回路図である。
【図8】第1の実施の形態に関わる液晶表示装置の表示面側構造を強調した概略断面図である。
【図9】第2の実施の形態に関わる液晶表示装置の表示面側構造を強調した概略断面図である。
【図10】第3の実施の形態に関わる液晶表示装置の表示面側構造を強調した概略断面図である。
【図11】第4の実施の形態に関わる液晶表示装置の表示面側構造を強調した概略断面図である。
【図12】第5の実施の形態に関わる検出電極のレイアウト図である。
【図13】第6の実施の形態に関わる検出電極および浮遊電極のレイアウト図である。
【図14】静電容量式のタッチセンサTSが駆動されたときの様子を示す図である。
【図15】第7の実施形態に関わる液晶表示装置の透過平面図である。
【図16】第8の実施の形態における構成例1の概略断面構造図である。
【図17】第8の実施の形態における構成例2の概略断面構造図である。
【図18】第8の実施の形態における構成例3の概略断面構造図である。
【図19】第8の実施の形態における構成例4の概略断面構造図である。
【図20】第1〜第8の実施の形態に関わる液晶表示装置を備えたデジタルスチルカメラを示す斜視図である。
【図21】第1〜第8の実施の形態に関わる液晶表示装置を備えたノート型パーソナルコンピュータを示す斜視図である。
【図22】第1〜第8の実施の形態に関わる液晶表示装置を備えたビデオカメラを示す斜視図である。
【図23】第1〜第8の実施の形態に関わる液晶表示装置を備えた携帯端末装置の開状態と閉状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態を、表示装置が液晶表示装置である場合を例として図面を参照して説明する。
以下、次の順で説明を行う。
1.第1の実施の形態:第2基板、接着層および検出電極による屈折率調整する。
2.第2の実施の形態:接着層を偏光板の貼り合わせに用いる場合である。
3.第3の実施の形態:接着層と偏光板の機能が一体化する場合である。
4.第4の実施の形態:第2基板、保護層、検出電極による屈折率調整する場合である。
5.第5の実施の形態:第1基板側の電極配置例1を示す。
6.第6の実施の形態:第1基板側の電極配置例2を示す。
7.第7の実施の形態:色と検出電極との関係を規定した表示装置である。
8.第8の実施の形態:液晶表示装置のその他の具体的構成例を示す。
9.実施例1
10.実施例2
11.適用例(電子機器の実施例)
【0021】
以下の実施の形態では、いわゆるタッチセンサの機能を表示パネルに一体化して形成した、タッチセンサ付き液晶表示装置を例とする。
【0022】
<1.第1の実施の形態>
タッチセンサの検出電極(表示面側で指等が近接する電極)よりパネル内部に設けられ、検出のための静電容量を検出電極との間に形成するもう片方の電極を、駆動電極という。駆動電極は、タッチセンサ専用の駆動電極であってもよいが、より薄型化のために望ましい構成として、ここでは駆動電極は、タッチセンサの走査駆動と、画像表示装置の、いわゆるVCOM反転駆動とを同時に行う兼用電極である。なお、薄型化のためにタッチセンサの走査電極とVCOM駆動電極とは電極としては兼用されているが、後述するようにタッチセンサの走査駆動とVCOM駆動の駆動自体は互いに独立して行われる。
この場合を例として、以下、図面を用いて本実施の形態を説明する。なお、単に駆動電極というと、どちらの駆動かが紛らわしいため、ここでは対向電極と呼ぶ。
【0023】
[タッチ検出の基本構成と動作]
最初に、以下の他の実施形態に共通な事項として、図1〜図3を参照して、本実施形態の表示装置におけるタッチ検出の基本を説明する。
図1(A)と図2(A)は、タッチセンサ部の等価回路図、図1(B)と図2(B)は、タッチセンサ部の構造図(概略断面図)である。ここで図1は、被検出物としての指がセンサに近接していない場合、図2がセンサに近接または接触している場合をそれぞれ示す。
【0024】
図解するタッチセンサ部は、静電容量型タッチセンサであり、図1(B)および図2(B)に示すように容量素子からなる。具体的に、誘電体と、誘電体を挟んで対向配置する1対の電極、すなわち駆動電極E1および検出電極E2とから容量素子(静電容量)C1が形成されている。
図1(A)および図2(A)に示すように、容量素子C1は、駆動電極E1がACパルス信号Sgを発生する交流信号源Sに接続され、検出電極E2が電圧検出器DETに接続される。このとき検出電極E2は抵抗Rを介して接地されることで、DCレベルが電気的に固定される。
【0025】
交流信号源Sから駆動電極E1に所定の周波数、例えば数[kHz]〜数十[kHz]程度のACパルス信号Sgを印加する。このACパルス信号Sgの波形図を図3(B)に例示する。
すると検出電極E2に、図3(A)に示すような出力波形(検出信号Vdet)が現れる。
なお、詳細は後述するが、本発明の実施形態では、駆動電極E1が液晶駆動のための対向電極(画素電極に対向する、複数画素で共通の電極)に相当する。ここで対向電極は液晶駆動のため、いわゆるVcom反転駆動と称される交流駆動がなされる。よって、本発明の実施形態では、Vcom反転駆動のためのコモン駆動信号Vcomを、駆動電極E1をタッチセンサのために駆動するACパルス信号Sgとしても用いる。
【0026】
指を接触していない図1に示す状態では、容量素子C1の駆動電極E1が交流駆動され、その充放電にともなって検出電極E2に交流の検出信号Vdetが出現する。以下、このときの検出信号を「初期検出信号Vdet0」と表記する。検出電極E2側はDC接地されているが高周波的には接地されていないため交流の放電経路がなく、初期検出信号Vdet0のパルス波高値は比較的大きい。ただし、ACパルス信号Sgが立ち上がってから時間が経過すると、初期検出信号Vdet0のパルス波高値が損失のため徐々に低下している。図3(C)に、スケールとともに波形を拡大して示す。初期検出信号Vdet0のパルス波高値は、初期値の2.8[V]から高周波ロスによって僅かな時間の経過で0.5[V]ほど、低下している。
【0027】
この初期状態から、指が検出電極E2に接触、または、影響を及ぼす至近距離まで接近すると、図2(A)に示すように、検出電極E2に容量素子C2が接続された場合と等価な状態に回路状態が変化する。これは、高周波的に人体が、片側が接地された容量と等価になるからである。
この接触状態では、容量素子C1とC2を介した交流信号の放電経路が形成される。よって、容量素子C1とC2の充放電に伴って、容量素子C1,C2に、それぞれ交流電流I1,I2が流れる。そのため、初期検出信号Vdet0は、容量素子C1とC2の比等で決まる値に分圧され、パルス波高値が低下する。
【0028】
図3(A)および図3(C)に示す検出信号Vdet1は、この指が接触したときに検出電極E2に出現する検出信号である。図3(C)から、検出信号の低下量は0.5[V]〜0.8 [V]程度であることが分かる。
図1および図2に示す電圧検出器DETは、この検出信号の低下を、例えば閾値Vthを用いて検出することにより、指の接触を検出する。
【0029】
[表示装置の構成]
図4(A)〜図4(C)に、本実施形態に関わる表示装置の電極と、その駆動や検出のための回路の配置に特化した平面図を示す。また、図4(D)に、本実施形態に関わる表示装置の概略的な断面構造を示す。図4(D)は、例えば行方向(画素表示ライン方向)の6画素分の断面を表している。図5は、画素の等価回路図である。
図4に図解する表示装置は、「表示機能層」としての液晶層を備える液晶表示装置である。
【0030】
液晶表示装置は、前述したように、液晶層を挟んで対抗する2つの画素のうち、複数の画素で共通な電極であり、画素ごとに階調表示のための信号電圧に対し基準電圧を付与するコモン駆動信号Vcomが印加される電極(対向電極)を有する。本発明の実施形態では、この対向電極をセンサ駆動のための電極としても用いる。
図4(D)では断面構造を見易くするために、この本発明の主要な構成である、対向電極、画素電極および検出電極についてはハッチングを付すが、それ以外の部分(基板、絶縁膜および機能膜等)についてはハッチングを省略している。このハッチングの省略は、これ以降の他の断面構造図においても同様である。
【0031】
液晶表示装置1は、図5に示す画素がマトリクス配置されている。
各画素は、図5に示すように、画素のセレクト素子としての薄膜トランジスタ(TFT;thin film transistor、以下、TFT23と表記)と、液晶層6の等価容量C6と、保持容量(付加容量ともいう)Cxとを有する。液晶層6を表す等価容量C6の一方側の電極は、画素ごとに分離されてマトリクス配置された画素電極22であり、他方側の電極は複数の画素で共通な対向電極43である。
【0032】
TFT23のソースとドレインの一方に画素電極22が接続され、TFT23のソースとドレインの他方に信号線SIGが接続されている。信号線SIGは不図示の垂直駆動回路に接続され、信号電圧を持つ映像信号が信号線SIGに垂直駆動回路から供給される。
対向電極43には、コモン駆動信号Vcomが与えられる。コモン駆動信号Vcomは、中心電位を基準として正と負の電位を、1水平期間(1H)ごとに反転した信号である。
TFT23のゲートは行方向、即ち表示画面の横方向に並ぶ全ての画素PIXで電気的に共通化され、これにより走査線SCNが形成されている。走査線SCNは、不図示の垂直駆動回路から出力され、TFT23のゲートを開閉するためのゲートパルスが供給される。そのため走査線SCNはゲート線とも称せられる。
【0033】
図5に示すように、保持容量Cxが等価容量C6と並列に接続されている。保持容量Cxは、等価容量C6では蓄積容量が不足し、TFT23のリーク電流などによって書き込み電位が低下するのを防止するために設けられている。また、保持容量Cxの追加はフリッカ防止や画面輝度の一様性向上にも役立っている。
【0034】
このような画素が配置された液晶表示装置1は、断面構造(図4(D))で見ると、断面に現れない箇所で図5に示すTFT23が形成され画素の駆動信号(信号電圧)が供給される基板(以下、駆動基板2という)と、駆動基板2に対向して配置された対向基板4と、駆動基板2と対向基板4との間に配置された液晶層6とを備えている。
【0035】
駆動基板2は、図5のTFT23が形成された回路基板としてのTFT基板21(基板ボディ部はガラス等からなる)と、このTFT基板21上にマトリクス配置された複数の画素電極22とを有する。
TFT基板21に、各画素電極22を駆動するための図示しない表示ドライバ(垂直駆動回路、水平駆動回路等)が形成されている。また、TFT基板21に、図5に示すTFT23、ならびに、信号線SIGおよび走査線SCN等の配線が形成されている。TFT基板21に、後述するタッチ検出動作を行う検出回路が形成されていてもよい。
【0036】
対向基板4は、ガラス基板41と、このガラス基板41の一方の面に形成されたカラーフィルタ42と、カラーフィルタ42の上(液晶層6側)に形成された対向電極43とを有する。カラーフィルタ42は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のカラーフィルタ層を周期的に配列して構成したもので、画素PIX(画素電極22)ごとにR、G、Bの3色の1色が対応付けられている。なお、1色が対応付けられている画素をサブ画素といい、R、G、Bの3色のサブ画素を画素という場合があるが、ここではサブ画素も画素PIXと表記する。
対向電極43は、タッチ検出動作を行うタッチセンサの一部を構成するセンサ駆動電極としても兼用されるものであり、図1および図2における駆動電極E1に相当する。
【0037】
対向電極43は、コンタクト導電柱7によってTFT基板21と連結されている。このコンタクト導電柱7を介して、TFT基板21から対向電極43に交流パルス波形のコモン駆動信号Vcomが印加されるようになっている。このコモン駆動信号Vcomは、図1および図2の交流信号源Sから供給されるACパルス信号Sgに相当する。
【0038】
ガラス基板41の他方の面(表示面側)には、検出電極44が形成され、さらに、検出電極44の上には、保護層45が形成されている。検出電極44は、タッチセンサの一部を構成するもので、図1および図2における検出電極E2に相当する。ガラス基板41に、後述するタッチ検出動作を行う検出回路が形成されていてもよい。
【0039】
液晶層6は、「表示機能層」として、印加される電界の状態に応じて厚さ方向(電極の対向方向)を通過する光を変調する。液晶層6は、例えば、TN(ツイステッドネマティック)、VA(垂直配向)、ECB(電界制御複屈折)等の各種モードの液晶材料が用いられる。
【0040】
なお、液晶層6と駆動基板2との間、および液晶層6と対向基板4との間には、それぞれ配向膜が配設される。また、駆動基板2の反表示面側(即ち背面側)と対向基板4の表示面側には、それぞれ偏光板が配置される。これらの光学機能層は、図4で図示を省略している。
【0041】
対向電極43は、図4(A)に示すように、画素配列の行または列、本例では列の方向(図の縦方向)に分割されている。この分割の方向は、表示駆動における画素ラインの走査方向、すなわち不図示の垂直駆動回路が走査線SCNを順次活性化していく方向と対応する。
対向電極43は、合計でn個に分割されている。よって、対向電極43_1,43_2,…,43_m,…,43_nは、行方向に長い帯状のパターンを有して面状配置され、当該面内で互いの離間距離をとって平行に敷き詰められている。
このn分割された対向電極43_1〜43_nの分割配置ピッチが、(サブ)画素ピッチ、あるいは、画素電極の配置ピッチの自然数倍に設定されていることが望ましい。
【0042】
なお、図4に示す符号“EU”はm(>2)本の対向電極の集合を有し、この単位で交流駆動が行われる。この単位を、交流駆動電極ユニットEUと呼ぶ。この交流駆動の単位を1画素ラインより大きくするのはタッチセンサの静電容量を大きくして検出感度を上げるためである。その一方で、交流駆動電極ユニットEUを画素ピッチ単位の自然数倍でシフトさせて、シフトの不可視化を図ることができる。
【0043】
その一方、このように対向電極の交流駆動電極ユニットEUを単位とするVcom駆動において、そのシフト動作は、不図示の垂直駆動回路(書き込み駆動走査部)内に設けられた、「交流駆動走査部」としてのVcom駆動回路9により行われる。Vcom駆動回路9の動作は、「m本の対向電極の配線を同時に、かつ、Vcom駆動電圧と同じ電位または異なる電位で交流駆動する交流信号源S(図1および図2参照)を列方向に移動して、選択する対向電極を1つずつ変えながら列方向に走査する動作」に等しいとみなせる。
【0044】
電極駆動のVcom駆動と、それによる駆動電極自身の不可視化は、望ましいが本発明で必須ではない。
本発明は、シフト駆動する、しないに拘らず、表示装置全体で透明電極の配置に起因したパターンの不可視化を図るために、駆動基板2側の屈折率の不均一を対向基板4側において調整するための構成を提供する。
【0045】
図4に示すように、表示部の周辺領域に、Vcom駆動回路9とともにセンサ検出部8が設けられている。
以下、Vcom駆動回路9内のACパルス信号Sgを発生する交流信号源Sと、センサ検出部8の基本構成である電圧検出器DETとの回路例を説明する。
【0046】
[駆動部および検出部の基本構成例]
図6は、本発明にかかる実施形態において、交流信号源S(図1,図2及び図4参照)として用いることが可能なセンサ駆動部9Aの詳細構成を示す図である。
センサ駆動部9Aは、図6に示すように、制御部91と、第1スイッチSW1と、第2スイッチSW2と、ラッチ回路92と、バッファ回路93と、第3スイッチSW3とを有しており、交流信号源として機能するように構成されている。センサ駆動部9Aは、たとえば、数[kHz]〜数十[kHz]の周波数の交流矩形波であって、コモン駆動信号VcomであるACパルス信号Sg(図3(B)参照)を、対向電極43へ印加する。
【0047】
センサ駆動部9Aを構成する各部について順次説明する。
センサ駆動部9Aにおいて、制御部91は、図6に示すように、第1スイッチSW1と、第2スイッチSW2と、第3スイッチSW3とのそれぞれのスイッチング動作を制御する回路として構成されている。
【0048】
センサ駆動部9Aにおいて、第1スイッチSW1は、図6に示すように、一方の端子がラッチ回路92に電気的に接続されている。そして、第1スイッチSW1は、制御部91によるスイッチング制御によってオン状態にされたときに、プラス電圧V(+)をラッチ回路92に印加するように構成されている。
【0049】
センサ駆動部9Aにおいて、第2スイッチSW2は、図6に示すように、一方の端子がラッチ回路92に電気的に接続されている。そして、第2スイッチSW2は、制御部91による制御によってオン状態にされたときに、マイナス電圧V(−)をラッチ回路92に印加するように構成されている。
【0050】
センサ駆動部9Aにおいて、ラッチ回路92は、入力端子が、第1スイッチSW1と第2スイッチSW2とのそれぞれに電気的に接続されている。また、ラッチ回路92は、出力端子が、バッファ回路93を介して、第3スイッチSW3に電気的に接続されている。
【0051】
センサ駆動部9Aにおいて、バッファ回路93は、波形整形部であって、プラス電圧V(+)とマイナス電圧V(−)に、入力電位を電位補償して出力する回路として設けられている。
【0052】
センサ駆動部9Aにおいて、第3スイッチSW3は、制御部91によってスイッチング動作が制御される。ここでは、第3スイッチSW3は、オン状態にされたときには、対向電極43に電気的に接続される。一方で、オフ状態にされたときには、非活性のGND接続となる。
【0053】
このように構成されたセンサ駆動部9Aは、複数の対向電極43のそれぞれに対応するように設けられている。
上記のようなセンサ駆動部9A(交流信号源S)は、たとえば、液晶表示装置1の駆動基板において表示領域の周辺に位置するVcom駆動回路9(図4参照)を構成するように設けることができる。あるいは、図4(D)に示すように、対向基板4の表示領域の周辺にセンサ駆動部9Aを設けてもよい。
【0054】
次に、図1,図2及び図4に示す電圧検出器DETの詳細な構成について説明する。
【0055】
図7は、本発明にかかる実施形態において、電圧検出器DETを示す回路図である。
電圧検出器DETは、図7に示すように、OPアンプ回路81と、整流回路82と、出力回路83とを含む。
【0056】
電圧検出器DETを構成する各部について順次説明する。
電圧検出器DETにおいて、OPアンプ回路81は、図7に示すように、OPアンプ84と、抵抗R,R1,R2と、キャパシタC3とを含み、信号増幅回路のほか、フィルタ回路として機能するように構成されている。つまり、OPアンプ回路81は、検出電極44から出力された検出信号Vdetを増幅後、その検出信号Vdetにおいて所定の周波数成分を除去して、整流回路82へ出力する。
【0057】
具体的には、図7に示すように、OPアンプ回路81においては、OPアンプ84の非反転入力「+」に、検出電極44が電気的に接続され、検出電極44から出力された検出信号Vdetが入力される。ここでは、検出電極44は、電位のDCレベルを電気的に固定するために、抵抗Rを介して接地電位に接続されている。また、OPアンプ84の反転入力「−」と出力との間に、抵抗R2とキャパシタC3とが並列に接続されており、OPアンプ84の反転入力「−」と接地電位との間に抵抗R1が接続されている。
【0058】
電圧検出器DETにおいて、整流回路82は、図7に示すように、ダイオードD1と、充電キャパシタC4と、放電抵抗R0とを有する。この整流回路82は、OPアンプ回路81から出力された信号をダイオードD1が半波整流した後に、充電キャパシタC4と放電抵抗R0とによって構成される平滑回路によって、その信号を平滑化して、出力回路83へ出力するように構成されている。
【0059】
具体的には、整流回路82においては、図7に示すように、ダイオードD1のアノードが、OPアンプ回路81の出力端子に電気的に接続されている。そして、ダイオードD1のカソードと接地電位との間に、充電キャパシタC4と放電抵抗R0とのそれぞれが電気的に接続されている。
【0060】
電圧検出器DETにおいて、出力回路83は、図7に示すように、コンパレータ85を含み、整流回路82から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するADコンバータとして機能するように構成されている。
【0061】
具体的には、図7に示すように、コンパレータ85において、正入力端子(+)は、整流回路82に電気的に接続されている。また、コンパレータ85において、負入力端子(−)には、閾値電圧Vthが入力されている。そして、コンパレータ85においては、整流回路82から出力されるアナログ信号について、閾値電圧Vthとの間で比較処理し、その結果に基づいて、デジタル信号を出力する。
【0062】
上記のような電圧検出器DETは、たとえば、対向基板4において、表示領域の周辺において、検出電極44の長さ方向の一方端側に並んで配置され、これによりセンサ検出部8を構成している。なお、電圧検出器DETを基本構成とするセンサ検出部8は、検出電極44の他方端側、あるいは、両端側に配置してもよい。両端側配置の場合、例えば、検出電極44の奇数番目に対応した電圧検出器DET群を検出電極44の長さ方向の一方端側に配置し、偶数番目に対応した電圧検出器DETを他方端側に配置してもよい。
【0063】
[屈折率の調整手段]
図8は、第1の実施の形態に関わる液晶表示装置1の特に表示面側を強調して示す概略断面図である。
図8に図解する断面構造において、図4(D)と共通する構成は同一符号を付している。図8には、図4(D)の検出電極44と保護層45の接着部の構造が強調して示されている。
この接着部においては、ガラス基板41の液晶層6と反対側の面(以下、第2基板表示側面41A)の上に、複数の検出電極44が等間隔に配列されている。検出電極44は透明電極材料から形成され、図4の平面図に示すように列方向に長い平行ストライプ配置を有する。そのため、検出電極44の隙間に電極材料に接しない領域(電極間領域)が存在する。
この電極間領域と検出電極44を覆って接着層48が形成され、その上に保護層45が貼られている。保護層45は無機材料、有機材料、または無機材料と有機材料のハイブリッド材料等を適当な膜厚(0.1〜100[μm]程度)として各種コーティング手法で形成してもよいし、透明樹脂製のシートのようなものでもよい。
【0064】
接着層48は、検出電極44および第2基板(ガラス基板41)と接している。このため接着層48が、本発明の“電極隣接層”の一例に該当する。後述する他の実施の形態でも検出電極44の電極間領域で第2基板41に接する層が“電極隣接層”の一例に該当する。
第2基板はガラスに限定されないので、以下、同一符号“41”を用いて第2基板を表す。
【0065】
検出電極44と第2基板41の屈折率(および透過率)が異なる場合には、これを表示装置に組み込んだ場合に、検出電極44による反射率と第2基板41による反射率が異なるために、特に外光が強いところで観察した場合に視認されてしまう。
【0066】
屈折率n1の層と屈折率n2の層との境界面での反射率は(n1−n2)2/(n1+n2)2となる。従って、接着層48(電極隣接層)は、検出電極44と第2基板41の反射率差を低減する機能を有する。このため、接着層48の屈折率naを検出電極44の屈折率npと第2基板41の屈折率nsの間(好ましくは中間)にすることにより、反射率差を低減することが可能である。
【0067】
このことを式で表すと、電極隣接層(接着層48)の屈折率naは、屈折率を規定する際の波長を550nmとしたときに検出電極44の屈折率npおよび第2基板41の屈折率nsとの関係が次式(1)、すなわち、
np≦nsの場合 np≦na≦ns
np>nsの場合 np≧na>ns …式(1)
を満たす必要がある。
より好ましくは、屈折率naは、検出電極44の屈折率npと第2基板41の屈折率nsの丁度中間を基準に微調整されることが望ましい。多くの場合、両屈折率の丁度中間に屈折率naを設定すると、大きな屈折率差は生じない。
【0068】
ここで屈折率naの具体例を挙げる。
第2基板41である板(ガラス)の屈折率を1.52、検出電極44(ITO)の屈折率を1.8とした場合には、接着層48の屈折率は1.52〜1.8の間であり、さらに好ましくは1.6〜1.7の間が好ましく、理想的には1.62〜1.68の間が好ましい。
【0069】
この数値範囲は、検出電極44が形成されるベース部材は第2基板41の母材であるガラスの場合である。しかし、本実施形態では、検出電極44が形成される面はガラス面に限らず、例えば第2基板41の第2基板表示側面41Aが絶縁膜等の表面である場合もある。そのような場合、第2基板41の実質的な屈折率は、母材の屈折率と等しいとは限らない。
【0070】
このような場合を考慮して、上記数値範囲を一般化できる。
具体的には、屈折率を規定する際の波長を550nmとしたときに、上記ベース部材(第2基板41、または、その最表層)の屈折率nsと検出電極の屈折率npとの差をΔNとする。下地がガラスの例では、ΔN=0.28である。
この屈折率差ΔNを100[%]とすると、その中心(1.66)から−21%〜+14%(下地がガラスの場合、屈折率が−0.06〜+0.04)の範囲が望ましく、屈折率差ΔNの中心から−14%から+7%(下地がガラスの場合、屈折率が−0.04〜+0.02)の範囲がさらに望ましい。
【0071】
画素電極22内に静電容量を形成、検出するためのシグナル電極層である駆動電極(対向電極43)が表示装置内に含まれている場合、本実施の形態によれば以下の利益が得られる。
この場合、画素電極22が細かく人の目には解像できないため、検出電極44単体で不可視化する必要がある。検出電極44の屈折率を式(1)のように定義することにより、界面での反射率が均一化され、反射表示、透過表示においても視認し難くなり、検出電極44単体においても不可視化することが可能となる。
【0072】
しかしながら、通常、対向電極43もパターニングされているため、第2基板41、検出電極44および接着層48の屈折率を完全に一致させると、透過屈折率差が大きくなる。一方、反射屈折率差は、外光が大きい場合には均一なほどよい。そのバランスをとると、上記具体例のように、屈折率naが乖離した2つの屈折率np,nsの中間値に近いほど好ましい。具体的には、屈折率np,nsの差を100[%]とした場合、その中間値(50[%]の値)から−21%〜+14%の範囲が望ましく、−14%から+7%の範囲がさらに望ましい。
【0073】
また、本実施の形態で表示装置が液晶表示装置である場合に、第2基板41、保護層45の接着層48(電極隣接層)が、それ本来の機能に加えて屈折率調整の部材として兼用されているため、追加部材を最小限にして構成することが可能となる。
【0074】
<2.第2の実施の形態>
図9は、第2の実施の形態に関わる液晶表示装置1の断面図である。図9は図8と同様に表面側を強調して示す概略図である。
図9が図8と異なるのは、接着層48が、第2基板41の検出電極形成面に第2偏光板62を貼り付けるために用いられていることである。第2偏光板62を設けることにより外光の光を約半分にすることが可能であるため、より視認されなくなる。また、液晶表示装置1や有機ELの表示装置では画像表示のために偏光板を設けることがあるため、第2偏光板62は表示のためにも兼用できる。第2偏光板62としては、直線偏光板でもよいが、円偏光板を用いてもよい。
【0075】
本実施の形態によれば、第2偏光板62を設けることにより、反射率、透過率が実質的に半減するためセンサ電極パターンが見えにくくなる。特に、本実施の形態で表示装置が液晶表示装置1である場合に、第2基板41、第2偏光板62の接着層48が、それ本来の機能に加えて屈折率調整の部材(電極隣接層)として兼用されているため、追加部材を最小限にして構成することが可能となる。
【0076】
<3.第3の実施の形態>
図10は、第3の実施の形態に関わる液晶表示装置1の断面図である。図10は図8や図9と同様に表面側を強調して示す概略図である。
図10が図9と異なるのは、第2偏光板62を第2基板41上に直接形成するため、光学的機能と屈折率調整機能とを一体化した電極隣接層63を形成していることである。
【0077】
本実施の形態によれば、接着層48を、第2偏光板62を構成する層の一部とすることにより、薄型化が可能となる。
特に、本実施の形態で表示装置が液晶表示装置1である場合に、第2基板41、電極隣接層63(接着層48+第2偏光板62)が、偏光板62それ本来の光学的機能に加えて屈折率調整の部材として兼用されているため、追加部材を最小限にして構成することが可能となる。
この第3の実施の形態の一例として、第2基板41の電極間領域および検出電極44の上から偏光機能を有する材料を塗布して形成することが考えられる。
【0078】
この塗布型の偏光材料としては、例えば特開2007−241267号公報に記載されているリオトロピック液晶材料等を用いることができる。
液晶材料を塗布する場合には、下地としてラビング等により配向処理された配向膜を用いる必要があり、配向膜を検出電極形成面上に設けることにより、屈折率調整の部材として兼用できる。
すなわち、この塗布型の偏光材料と第2基板41との間に設けられる配向膜を用いて電極隣接層63を形成する。
【0079】
前記配向膜としては、屈折率がガラスと検出電極の間のものであれば、どのようなものでもよいが、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール等が通常使用される。
ラビング処理は、レーヨン、綿、ポリアミド、ポリメチルメタアクリレート等の素材から選ばれた材料でなるラビング布を金属ロールに捲きつけ、これをフィルムに接した状態で回転させるか、ロールを固定したままフィルムを搬送する。このとき、フィルム面をラビングで摩擦する方法が通常採用される。
【0080】
配向膜の膜厚は、検出電極44の隙間を埋めるように設けることが好ましく、検出電極44の厚みより厚いことが好ましい。また、配向膜の塗布エリアは少なくとも、ディスプレイの有効領域(アクティブエリア)を覆うように配置することが好ましく、有効エリア外の電極の不可視化ということでは、検出電極44を覆うように配置することがさらには好ましい。
【0081】
配向膜およびリオトロピック液晶は、各種印刷方式(スリットコーター、スピンコーター、ダイコーター、フレキソ印刷等)で塗布し形成することができる。
【0082】
<4.第4の実施の形態>
図11は、第4の実施の形態に関わる液晶表示装置1の断面図である。図11は図8〜図10と同様に表面側を強調して示す概略図である。
図11が図9と異なるのは、接着層48は電極隣接層とせずに、接着層48と第2基板41間に保護層45を設けていることである。保護層45は、第2基板41の電極間領域と検出電極44を覆い、電極隣接層として機能する。
保護層45は検出電極44を保護する機能も兼ねており、硬いものが好ましい。
【0083】
接着層48は、検出電極44に対して僅かなスクラッチによる、検出感度の低下や散乱を防ぐ機能を有する。また、接着層48は電極隣接層としての機能、つまり屈折率を図9の接着層48と同範囲にすることにより、第2基板41と検出電極44間の反射率差を低減することが可能である。
また、検出電極44はパターニングされているため、パターンのエッジ部分が散乱して見えることがあるが、保護層45を設けることによりエッジの形状を滑らかにすることが可能である。
【0084】
保護層45の電極隣接層としての機能を式で表すと、電極隣接層(保護層45)の屈折率noは、屈折率を規定する際の波長を550[nm]としたときに検出電極44の屈折率npおよび第2基板41の屈折率nsとの関係が次式(2)、すなわち、
np≦nsの場合 np≦no≦ns
np>nsの場合 np≧no>ns …式(2)
を満たす必要がある。
より好ましくは、屈折率noは、検出電極44の屈折率npと第2基板41の屈折率nsの丁度中間を基準に微調整されることが望ましい。多くの場合、両屈折率の丁度中間に屈折率naを設定すると、大きな屈折率差は生じない。
【0085】
本実施の形態によれば、保護層45を設けることにより、機械的強度にも優れた不可視化パターンを実現することができる。また、検出電極44の保護機能が他の実施形態の電極隣接層より強化されている。そのためにセンサ部のテーパ(検出電極44のパターンエッジ部分)を滑らかにし、エッジでの散乱を防ぐことができる。
【0086】
保護層45は、珪素酸化物または珪素窒化物単体を用いるか、珪素酸化物または珪素窒化物を含む化合物を用いることにより、機械的強度に優れた不可視化パターンを得ることができる。
また、接着層48に珪素酸化物または珪素窒化物を含む化合物を用いると、薄くても強度的に十分な保護層45を実現し、これにより薄型化することができる。
【0087】
<5.第5の実施の形態>
本第5の実施の形態と次の第6の実施の形態は、検出電極44の平面電極配置構成を例示する。液晶表示装置1全体で電極パターンの不可視化を行うには、材料の種類による透過率の調整のほかに、2次元平面における透過率の調整も重要である。
以下に述べる2つの実施の形態は、上述した第1〜第4の実施の形態と重複適用により、より大きな効果を発揮する。材料選択の余地を拡大し、より最適化が可能となるからである。
【0088】
図12は、第5の実施の形態に関わる検出電極44の配置平面図である。
図12に示すように、表示部の有効表示領域内に、検出電極44がほぼ充填されている。
検出電極44の未配置領域(電極間領域)が、有効表示領域の20[%]以下とすることにより、マクロで見た際の第2基板41と検出電極44の反射率差が小さくなり、電極パターンがより視認されにくくなる。特に、検出電極44の配置ピッチとカラーフィルタによる色配列がずれている、つまり、同色の色領域でも検出電極44との重なり具合が異なる場合でも、不可視化することが可能となる。
【0089】
<6.第6の実施の形態>
図13は、第6の実施の形態に関わる検出電極44の配置平面図である。
図13に示す検出電極44はx方向の幅が細い。これは静電容量の最適化の要請から、このように検出電極44を細くする必要があるなどの理由に基づく。そのような場合、透明電極材料の充填率を上げる目的で、検出電極44間に同じ材料の浮遊電極46を敷き詰めている。浮遊電極46は好ましくは、y方向で画素ピッチの自然数倍で分断されている。これは、検出感度を上げるためには検出電極44間の隙間における電位変化が、比較的電位変動しやすい浮遊電極46を介して伝達しやすくする要請に基づく。
このように検出感度との兼ね合いで検出電極44を太く出来ない場合は、浮遊電極46を配置することが望ましい。
なお浮遊電極46のパターンは図示例に限らない。
【0090】
[検出電極幅の最適化の要請]
つぎに、検出電極44の幅と検出感度との関係、さらには、浮遊電極46の作用について説明する。
【0091】
図14は、静電容量式のタッチセンサTSが駆動されたときの様子を示す図である。図14において、(A)は、タッチセンサTSの検知面に被検知体Fが近接していない場合を示している。一方で、(B)は、検知面に被検知体Fが近接した場合を示している。なお、図14は一般的な静電容量式のタッチセンサを示すため、ここで検出電極は符号“24J”を用いて表す。
【0092】
図14に示すように、静電容量式のタッチセンサTSは、たとえば、走査電極23Jと検出電極24Jとの一対の電極が誘電体Yを挟んで対向しており、静電容量素子が構成される。
【0093】
被検知体Fが検知面に近接していない場合において、駆動電極である走査電極23Jにコモン駆動信号Vcomが印加されたときは、図14(A)に示すように、走査電極23Jと検出電極24Jとの間に電界が生ずる。
【0094】
これに対して、大きな静電容量を持った指などの被検知体Fが検知面に近接した場合においては、図14(B)に示すように、その被検知体Fによってフリンジ電界(図中の点線部分)が遮られる。
【0095】
図2(A)に示す人体がもつ等価的な容量素子C2の影響に加えて、フリンジ電界が遮られるため、走査電極23Jと検出電極24Jとによる静電容量は、被検知体Fの有無によって変動する。この静電容量の変化に基づいて、検知面に被検知体Fが近接した位置が検出される。
【0096】
上記のような静電容量式のタッチセンサにおいては、その検出感度が十分に高くない場合があり、タッチ位置の検出を高精度に実施することが困難な場合がある。このため、本実施形態では、浮遊電極46を設けることで感度向上を図っている。
【0097】
より詳細には、検出器(図4等の電圧検出器DET)の寄生容量に対して走査電極と検出電極とによる静電容量が著しく小さいときは、検出が好適にできなくなる場合がある。そのため、検出電極24Jの幅を太くする必要が生ずる。しかし、この場合には、その太い検出電極24Jによってフリンジ電界が遮られることになるので、その分だけ検出感度が向上しない、あるいは、逆に検出感度が低下する場合がある。
【0098】
また、検出電極24JをITO(Indium Tin Oxide)などの透明電極として形成する場合において、より高い透明度を確保しようとする場合には、検出電極の比抵抗が大きくなってしまうので、時定数の増加が生ずる。このため、検出時間が長くなる場合がある。
【0099】
このように、タッチセンサにおいては、検出感度が十分でなく、検出時間が長くなる場合があるために、検出を高精度に実施することが困難な場合がある。
【0100】
以上の種々の要請から、検出電極幅が最適化されるが、場合によって、検出電極幅が比較的細く、検出電極間の隙間が大きい場合がある。そのような場合、不可視化のために浮遊電極を検出電極間にライン状に繋げて配置すると、その浮遊電極容量が大きいため、フリンジング電界が遮蔽される傾向がある。
【0101】
本実施形態では、浮遊電極46を細かく分割することで、フリンジング電界の遮蔽を軽減して感度を向上させるとともに、不可視化を図ることができるという利点がある。
【0102】
<7.第7の実施の形態>
図15は、第7の実施形態に関わる液晶表示装置の透過平面図である。この図16は、例えば図4(D)において、対向電極43と検出電極44を、裏面(TFT基板21の下面)側から見たときの透過平面図である。図15は、種々のパターンのうち、カラーフィルタ42、検出電極44、浮遊電極46および信号線SIGのみ示す。
【0103】
本実施形態では、カラーフィルタ42の色配列に合わせて、検出電極44に複数の開口部44Aが設けられている。開口部44Aは、1色または複数色のフィルタ部分に対応した大きさと配置となっている。
【0104】
図15の例では、カラーフィルタ42は、その3原色のフィルタ部分が、赤(R)、緑(G)、青(B)の繰り返しでx方向に配列され、各々がy方向に長く形成されたストライプ状配列を有する。そして、本例では、青(B)のフィルタ部分のみが検出電極44と重なっていない。つまり、検出電極44の開口部44Aは、青(B)のフィルタ部分を検出電極44から開口させるように設けられている。なお、この検出電極44と重ならないフィルタ部分の色は、青(B)以外でもよい。
本例では、検出電極44を構成する透明電極材料における青(B)の光の透過率が他の色より低いという事情に基づいて、透明電極材料からなる検出電極44を避けて青(B)の出射領域の位置を対応させ、青(B)の光の出射効率を高める意図がある。これにより、各色で光透過率が揃えられる。
なお、色と検出電極44の関係は、他の事情がある場合、その事情に適合して任意に設定可能である。
【0105】
なお、カラーフィルタ42の色配列は平行ストライプ状に限定されない。平行ストライプ状以外の色配列では、ある特定色(図15の場合は青(B))を避けて検出電極44を配列するために検出電極44を蛇行させるなど、検出電極44の配線パターンを平行ストライプ状以外としてもよい。
この検出電極44を蛇行させるなど、検出電極44の配線パターンを平行ストライプ状以外としてもよいこと自身は、他の実施形態においても適用可能である。
【0106】
図15では、平行ストライプ状のカラーフィルタ42を前提としており、開口部44Aは、検出電極44の幅方向(x方向)に5個、長さ方向(y方向)に3個の合計15個が同様な形状で互いに離間して配置されている。この電極幅方向の開口数は、検出電極44の幅が異なれば5以外でもよく、任意である。また、図15では、長さ方向の個数は、検出領域における縦方向(y方向)の画素数と同じ数となる。なお、y方向に2画素ごと、あるいは、それ以上の複数画素ごとに開口部44Aを設ける変形も可能である。
【0107】
図15では、浮遊電極46が1つの検出電極44のx方向両側に、y方向に分離して配置されている。浮遊電極46が、図15では現れていない隣接する2つの検出電極間領域をほぼ敷き詰めるように配置されることは、図13と同じである。図15では、青(B)の透過率を向上させるために、青(B)に対応した部分が欠落した形状で、RGBの画素トリオごとに分離して浮遊電極46が敷き詰められている。
【0108】
個々の浮遊電極46の面積を小さくすることが、前記したようにフリンジング電界の遮蔽を軽減して感度向上に寄与する場合、浮遊電極46を可能な限り細かく分割することが望ましい。したがって、浮遊電極46を画素ごと、例えばカラーフィルタ42の1つの色部分ごとに分割してもよい。この場合、図15の画素トリオごとの配置と同様、青(B)等の画素など、浮遊電極46を配置すると透過率が低くなる色に対しては、浮遊電極46を配置しないようにすることが望ましい。
【0109】
以上の第7の実施形態では、浮遊電極46を設けてフリンジング容量を増加させて感度を向上させることができる。また、それと同時に透過率の低い色の波長帯、例えば青(B)の波長帯の光透過率を向上させるという相乗効果が得られる。そして、浮遊電極46や、光透過率向上のため開口部44Aが設けられた検出電極44を電極隣接層により覆うことにより、浮遊電極46や検出電極44の不可視化を図ることができる。
【0110】
<8.第8の実施の形態>
図16〜図19は、横電界モード液晶表示装置の構造例を示す。
図4の構造は、画素電極22と対向電極43が液晶層6を介在して対面しており、この2つの電極間の印加電圧に応じて縦方向の電界を液晶層6に与えていた。
横電界モードでは、画素電極22と駆動電極(対向電極43)が駆動基板2側に配置される。
【0111】
図16〜図19の構造では、TFT基板21の正面側(表示面側)の面に対向電極43が配置され絶縁層24を介して、対向電極43と画素電極22が近接する。対向電極43は、表示ラインの向き(x方向)に長いライン状に配置され、画素電極22は、その向きに画素ごとに分離されている。
TFT基板21は、その画素電極22側を液晶層6に隣接させ、ガラス基板41と貼り合わされている。液晶層6は不図示のスペーサで強度的に保たれている。
【0112】
図16と図17において、符号“49”はガラスや透明性のフィルムなどの表示面側の基材を示す。この基材49の片側の面に検出電極44が形成されている。基材49に保持された検出電極44は、接着層48によってガラス基板41の反液晶側の面に固定されている。
一方、TFT基板21の背面には第1偏光板61が貼られ、これと偏光の向きが異なる第2偏光板62が、基材49の表示面側に貼られている。
第2偏光板62の表示面側に不図示の保護層が形成される。
【0113】
ここで、画素電極22、対向電極43および検出電極44は、好ましくは透明電極材料から形成される。透明電極材料としてはITOやIZO、さらには有機導電膜からこれらの電極を形成してよい。
透過率は95[%]以上(波長450〜650[nm]の範囲)が好ましく、透過率が低いと屈折率を合わせてもスジ状に見えてしまう。
また、接着層48は高屈折率を有する接着剤が望ましい。
【0114】
液晶層6は、電界の状態に応じて通過する光の偏光状態を変調するものであり、例えば、FFS(フリンジフィールドスイッチング)モードや、IPS(インプレーンスイッチング)モード等の横電界モードの液晶が好適に用いられる。
【0115】
図17に示す構造では、カラーフィルタ42がガラス基板41の液晶側に予め形成されている。カラーフィルタ42は(サブ)画素ごとに異なる色領域が規則的に配置されている。
【0116】
図18に示す構造では、表示面側の積層構造が図17と異なる。
図17では検出電極44が基材49に予め形成されて、例えばロール状の部材として貼られるが、図18ではガラス基板41の表示面側に検出電極44を形成し、その上に第2偏光板62が貼られる。
【0117】
図18では第2偏光板62と検出電極44が密着しているが、図19に示す構造では、その間に保護層45を有する。この構造の詳細は図11に示されている。
【0118】
なお、接着層48がある図16や図17の構造では接着層48の屈折率を適切に選ぶことによって、より電極パターンの不可視化が達成できる。
図16〜図19以外の構造の液晶表示装置、さらには透明電極を用いる他の表示装置にも本発明の適用が可能である。また、液晶表示装置の場合、透過型、反射型、半透過型のいずれでもよい。第2偏光板62は直線偏光板に限らず円偏光板でもよい。
【0119】
<9.実施例1>
より具体的な実施例1においては、以下の条件で液晶表示装置1を作製した。
【0120】
画素サイズ:156×52(×3(RGB))[μm]
画素数:QVGA
ガラス厚:0.5[mm]
液晶モード:FFS
【0121】
ITOをCF側の第2基板41の裏面に膜厚8[nm]でスパッタした後、レジストを塗布しフォトリソグラフィー法により露光、現像、エッチング処理を実施した。
その後、電極隣接層および第2偏光板62を貼り付け、目視による評価を行なった。
表1に評価結果をまとめた。表中の記号意味を、表の下に示す。
【0122】
【表1】

◎:全方位でほとんど見えない
○:正反射以外ではほとんど見えない
△:正反射以外でもわずかに見える
×:全方位で見える
【0123】
<10.実施例2>
他の実施例2においては、以下の条件で液晶表示装置1を作製した。
【0124】
画素サイズ:156×52(×3(RGB))[μm]
画素数:QVGA
ガラス厚:0.5[mm]
液晶モード:FFS
【0125】
ITOをCF側の第2基板41の裏面に膜厚8[nm]でスパッタした後、レジストを塗布しフォトリソグラフィー法により露光、現像、エッチング処理を実施した。
その後、CVDによりSiOまたはSiNを成膜し、成膜温度および成膜レートを変更することにより屈折率を調整したものを成膜した。
その後、電極隣接層および第2偏光板62を貼り付け、目視による評価を行なった。
表2に評価結果をまとめた。表中の記号意味は表1と同じである。
【0126】
【表2】

【0127】
以上の2つの実施例より、第2基板41板(ガラス)の屈折率を1.52、検出電極44(ITO)の屈折率を1.8とした場合には、接着層48の屈折率は1.52〜1.8の間が好ましく、さらに好ましくは1.6〜1.7の間が好ましく、理想的には1.62〜1.68の間が好ましいことが分かる。
【0128】
<11.適用例(電子機器の実施例)>
次に、図20〜図23を参照して、上記第1〜第8の実施の形態で説明した表示装置の適用例について説明する。上記第1〜第7に関わる表示装置は、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、上記第1〜第7の実施の形態に関わる表示装置は、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。ここでは、その主な電子機器について説明する。
【0129】
図20は本発明が適用されたデジタルカメラを示し、(A)が正面図であり(B)が背面図である。
図20に図解するデジタルカメラ310は、保護カバー314内の撮像レンズ、フラッシュ用の発光部311、表示部313、コントロールスイッチ、メニュースイッチ、シャッター312等を有する。デジタルカメラ310は、上記第1〜第8の実施形態で説明したタッチセンサ付の表示パネルを有する表示装置を、表示部313に用いることにより作製される。
【0130】
図21は本発明が適用されたノート型パーソナルコンピュータを示す。
図21に図解するパーソナルコンピュータ340は、本体341に、文字等を入力するとき操作されるキーボード342を有し、本体カバーには画像を表示する表示部343を有する。パーソナルコンピュータ340は、上記第1〜第8の実施形態で説明したタッチセンサ付の表示パネルを有する表示装置を、表示部343に用いることにより作製される。
【0131】
図22は本発明が適用されたビデオカメラを示す。
図22に図解するビデオカメラ320は、本体部321、前方を向いた側面に設けられた被写体撮影用のレンズ322、撮影時のスタート/ストップスイッチ323、モニタ324等を有する。ビデオカメラ320は、上記第1〜第8の実施形態で説明したタッチセンサ付の表示パネルを有する表示装置を、モニタ324に用いることにより作製される。
【0132】
図23は本発明が適用された携帯端末装置を示し、(A)が開いた状態を表し、(B)が閉じた状態を表している。
図23に図解する携帯端末装置330は、上側筐体331、下側筐体332、連結部(ここではヒンジ部)333、ディスプレイ334、サブディスプレイ335、ピクチャーライト336、カメラ337等を有する。携帯端末装置330は、上記第1〜第8の実施形態で説明したタッチセンサ付の表示パネルを有する表示装置を、ディスプレイ334やサブディスプレイ335に用いることにより作製される。
【0133】
以上のように、本発明の実施の形態および実施例によれば、表示装置全体で透明電極パターンの不可視化を達成した表示装置を提供することができる。
また、検出電極44の間に屈折率調整層(接着層48や保護層45)を配置することにより、電極が見えにくくなったタッチパネル付の表示装置を提供することができる。
また、本発明の実施の形態の適用例(電子機器)によれば、表示装置全体で透明電極パターンの不可視化を達成した表示装置を有する電子機器を提供することができる。
【符号の説明】
【0134】
1…液晶表示装置、2…駆動基板、21…TFT基板(第1基板)、22…画素電極、4…対向基板、41…第2基板、42…カラーフィルタ、43…対向(駆動)電極、44…検出電極、44A…開口部、45…保護層、46…浮遊電極、48…接着層、49…基材、6…液晶層6、61…第1偏光板、62…第2偏光板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第1基板および第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板とが互いに対向する2つの面の前記第1基板の側に配置された複数の画素電極と、
前記画素電極に供給される画像信号に基づいて画像表示機能を発揮する表示機能層と、
前記2つの面の何れか一方の側に前記複数の画素電極と対向して配置された駆動電極と、
前記第2基板の、前記駆動電極と反対側の面に配置されて一方向に分離され、前記駆動電極との間に容量を形成する複数の検出電極と、
前記第2基板と前記複数の検出電極に接して配置されて、複数の検出電極を覆う電極隣接層と、
を有し、
前記電極隣接層が、前記第2基板の屈折率と等しい屈折率から前記検出電極の屈折率と等しい屈折率までの範囲内の屈折率を有する
表示装置。
【請求項2】
前記電極隣接層の屈折率naは、屈折率を規定する際の波長を550nmとしたときに前記検出電極の屈折率npおよび前記第2基板の屈折率nsとの関係が次式(1)、すなわち、
np≦nsの場合 np≦na≦ns
np>nsの場合 np≧na>ns …式(1)
を満たす請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記電極隣接層の屈折率が、屈折率を規定する際の波長を550nmとしたときに、前記第2基板の屈折率と、前記検出電極の屈折率との中間となっている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
屈折率を規定する際の波長を550nmとしたときに、前記電極隣接層の屈折率が、前記第2基板の屈折率と前記検出電極の屈折率との間において、屈折率差の中心から屈折率差全体の大きさの−21%から+14%で規定される範囲内となっている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
屈折率を規定する際の波長を550nmとしたときに、前記電極隣接層の屈折率が、前記第2基板の屈折率と前記検出電極の屈折率との間において、屈折率差の中心から屈折率差全体の大きさの−14%から+7%で規定される範囲内となっている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記電極隣接層は、偏光板または偏光板を含む光学機能層を、前記検出電極が配置された前記第2基板の面に接着する接着層である
請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記電極隣接層は塗布型の偏光材料の下地層として設けられた配向膜により形成されている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記電極隣接層は、前記複数の検出電極を保護する保護層である
請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記保護層は、珪素酸化物と珪素窒化物の何れかの一方より構成され、または、珪素酸化物と珪素窒化物の何れか一方を含む化合物により構成される
請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記接着層は、珪素酸化物と珪素窒化物の何れか一方を含む化合物により構成される
請求項6に記載の表示装置。
【請求項11】
前記複数の検出電極が接する前記第2基板の面の有効表示領域内において、前記複数の検出電極が接していない領域の面積が、前記有効表示領域の20%以下である
請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
前記検出電極は、単数または複数の色が割り当てられた画素領域を開口する開口部を有する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
前記開口部が、青の画素領域を開口する前記検出電極の位置に形成されている
請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記複数の検出電極のそれぞれで電圧変化を検出可能な検出回路を有する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項15】
前記駆動電極が、前記複数の検出電極の分離配置方向と直交する方向で複数の駆動電極に分離され、
前記表示機能層へ印加される電圧の基準となる電圧と、前記容量が一部の検出電極で変化したことを検出するための駆動電圧とを、前記複数の駆動電極に供給する駆動回路を有する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項16】
前記表示装置は、前記第1基板と前記第2基板との間に封入された前記表示機能層としての液晶層を有する液晶表示装置である
請求項1に記載の表示装置。
【請求項17】
互いに対向する第1基板および第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板とが互いに対向する2つの面の前記第1基板の側に配置された複数の画素電極と、
前記画素電極に供給される画像信号に基づいて画像表示機能を発揮する表示機能層と、
前記2つの面の何れか一方の側に前記複数の画素電極と対向して配置された駆動電極と、
前記第2基板の、前記駆動電極と反対側の面に配置されて一方向に分離され、前記駆動電極との間に容量を形成する複数の検出電極と、
前記第2基板と前記複数の検出電極に接して配置されて、複数の検出電極を覆う保護層と、
を有し、
前記保護層の屈折率noは、屈折率を規定する際の波長を550nmとしたときに前記検出電極の屈折率npおよび前記第2基板の屈折率nsとの関係が次式(2)、すなわち、
np≦nsの場合 np≦no≦ns
np>nsの場合 ns≧no>np…式(2)
を満たす表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−231186(P2010−231186A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−296074(P2009−296074)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】