説明

表示装置

【課題】共通の表示画面上で異なる方向からそれぞれ異なる画像を視認できる表示装置であって、使用状況に合致した表示手段12の画素配置及びシャッター手段15の制御を実現すると共に光量を制御して省電力化を実現する。
【解決手段】一方から見るための一方用画素と、他方から見るための他方用画素を有する表示手段12と、一方用画素が透明部分を介して一方から視認され他方用画素が透明部分を介して他方から視認されるシャッター手段15と、光量を制御するバックライト18とを備える。2方向から同じ画面を見るシングルモードと、異なる画面を見るデュアルモードとを選択する。光量を減らすエコシングルモードと、光量をエコシングルモードよりは高める通常シングルモードとに切替え、また光量を減らすエコデュアルモードと、光量をエコデュアルモードよりは高める通常デュアルモードとに切替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隣接して位置する少なくとも2名のユーザが、単一の表示手段から異なる映像を見ることが出来る表示装置に関するものである。特には、車両内において運転者と助手席乗員が、単一の表示手段から異なる映像を見ることが出来る車載用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示された表示装置が知られている。図15は、この特許文献の構造を示している。これは、画面を左右2画面表示にして、表示画像の精細度を低下させることなく、視差角制御を実現するものである。
【0003】
具体的には、表示手段となる表示用LCD12と、表示用LCD12に重ねて配置される視野角制御用の視差バリア(シャッター)を構成する視差角制御用LCD15とを備える。そして、表示用LCD12は、1画素毎に表示領域及び遮光領域を有している。遮光領域とは不透明な部分である。
【0004】
視差角制御用LCD15は、表示用LCD12の1画素毎に対応する領域単位で、透過状態と不透過状態の何れかに切り替え可能な透過状態切り替え部を有している。図15の例では、視差角制御用LCD15の透過状態切り替え部は、表示用LCD12の1画素に対応する領域の一部である左側の3分の2を不透過にする部分としている。
【0005】
上記透過状態切り替え部によって透過状態とされた視差角制御用LCD15の領域と、表示用LCD12の表示領域及び遮光領域との位置関係によって、表示用LCD12の全部の表示領域に表示される画像を運転席及び助手席の方向の両方から視認可能な両方視認状態と、運転席及び助手席の方向のいずれか一方のみで視認可能な一方視認状態とを切り替え可能に構成されている。
【0006】
さらに、表示用LCD12へ画像を表示させると共に、車両停車等の所定の状態変化が生じたことを検知した場合、表示用LCD12の全部の表示領域に表示される画像を運転席及び助手席の方向の両方から視認可能な両方視認状態と、当該画像を運転席及び助手席の方向のいずれか一方のみで視認可能な一方視認状態とを切り替えるよう、透過状態切り替え部の透過状態を制御する制御部を備えている。
【0007】
この制御部は、一方視認状態においては、透過状態切り替え部に対して、さらに運転席の方向のみ視認可能な状態と助手席の方向のみ視認可能な状態を時間多重(時分割)にて切り替え、かつ、その時間多重の切替タイミングと同期させて表示用LCD12へ2種類の画像を切替表示させるものである。
【0008】
そして、視野角制御用LCD15は、ブラックマトリックスを有している。つまり、シャッター側にブラックマトリックスを有している。
【0009】
これにより、次のような画面構成が可能となっている。第1の例では、運転時において運転席は画面半分の地図画面、助手席では画面半分のメンテナンスの操作画面または画面半分の操作画面と画面半分の地図画面の両方を見ることが出来る。また、停車時においては全画面で地図を見ることが出来る。また真ん中の後部座席からは、画面半分の操作画面と画面半分の地図画面の両方を見ることが出来る。
【0010】
第2の例では、運転時において運転席は全画面の地図画面、助手席では全画面の操作画面を時間多重で見ることが出来る。また、停車時においては運転席助手席共に全画面で地図画面を見ることが出来る。また真ん中の後部座席からは、時間多重の影響で混ざった画面しか見ることが出来ない。
【0011】
第3の例では、運転席は画面半分の地図画面、助手席では画面半分の操作画面または画面半分の操作画面と画面半分の地図画面の両方を見ることが出来る。また、真ん中の後部座席からは、画面半分の操作画面と画面半分の地図画面の両方を見ることが出来る。なお、バックライトの光量、明るさ、輝度等に関する記述は特になされていない。
【0012】
次に、特許文献2に開示された表示装置が知られている。これは、図16の(a)及び(b)のように、同一画面上に運転者用表示出力と助手席側用表示出力とを含む出力パターンを作成する。図16(a)に示した第1の表示状態では、表示手段12を構成する画面の各画素列(S1,S2・・・)に、運転席側画像信号Dと助手席側画像信号Pとが交互に出力される(交互出力パターン)。
【0013】
一方、液晶シャッター15を構成する各画素列(V1,V2・・・)は、交互出力パターンに対応させた運転席側と助手席側とに分離表示する遮光パターンである。運転席側画像信号Dは右側(助手席)への表示が遮断され、左側(運転席)からは見える一方、助手席側画像信号Pは左側(運転席)への表示が遮断され、右側(助手席)からは見える遮光パターンに駆動制御されている。
【0014】
そして第1の表示状態に続く、図16(b)に示した第2の表示状態では、第1の表示状態において運転席側画像信号Dが出力されていた表示手段12の各画素列には、助手席側画像信号Pが出力され、助手席側画像信号Pが出力されていた各画素列には、運転席側画像信号Dが出力される。
【0015】
そして、図16(a)に示した第1の表示状態と図16(b)に示した第2の表示状態とを繰り返す(例えば、単位時間あたりの出力フレーム数を従来の2倍以上とするのが好ましい)ことにより、第1の表示状態の画像と、第2の表示状態の画像とを時間的に重ね合わせて、その残像効果により、解像度(すなわち有効画素数)を低下させること無く、運転者には運転者用表示出力の内容を、助手席側乗員には助手席側用表示出力の内容を視認させることが可能となっている。
【0016】
このように、運転席方向に対する表示内容と助手席方向に対する表示内容とを含む出力パターンを時分割で切り換えて出力するとともに、当該出力パターンの切り換えタイミングと液晶シャッター15による指向性(分離表示するための遮光パターン)の切り換えタイミングとを連動させる。
【0017】
よって、運転席方向に対する表示内容と助手席方向に対する表示内容とを交互出力パターンで画面上に同時に出力する方式であっても、当該出力パターンの切り換えタイミングと液晶シャッター15による指向性の切り替えタイミングとを連動させる。
【0018】
すなわち、同期させることにより、運転席方向に対する表示内容と助手席方向に対する表示内容とを各々時間的に混合して、解像度を低下させない画像を得ることができる。このとき、目の残像現象を利用することで、解像度を低下させることなく複数方向に異なる表示出力を行なう表示装置を得ることができる。
【0019】
なお、バックライトの光量、明るさ、輝度等に関する記述として以下のものが記載されている。明るさ検知手段として、車両のライトスイッチや光センサ等を使うものが記載されている。制御部は、明るさ検知手段や乗員検知手段により検知された情報を元に、出力画像や音声の設定を変更する制御等を行うようになっている。
【0020】
輝度補正部は、運転席側表示処理部および助手席側表示制御部が作成した表示内容の輝度を補正する処理を行なう。この輝度補正部の補正処理によって、表示の可視時間割合が小さい程、輝度を上げる補正を行なうことにより、各表示出力は時分割で表示した際に充分な輝度を持つことができる。
【0021】
例えば、車速センサや変速機構状態検知部、ブレーキ状態検知部の出力から自車両が走行中である場合には、運転席側表示状態と助手席側表示状態との比率が1対2である場合に、助手席側表示状態の密度を上げることが望ましい。これは、車両の走行中、すなわち運転中に運転者が表示手段を凝視することはなく、その一方で助手席の乗員はDVD再生出力などを観ることが考えられるためである。
【0022】
ナビゲージョン装置から運転者に対する案内出力を実行する場合には、運転者に即時にかつ確実に情報を伝達することが必要であるので、運転席側表示状態の密度を上げる。運転席側表示状態と助手席側表示状態との切換密度を変更する場合には、その切換密度に応じて輝度補正部による補正量を変化させることが望ましいと記載されている。
【0023】
つまり、切換密度が小さい(可視時間割合が小さい)程、輝度を上げる補正を行なう。尚、輝度を上げる補正は、バックライトの輝度を上げる処理、或いは画像処理(画像の各画素の輝度値にオフセットを加えるなどの処理)により実現できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】特開2007−219486号公報
【特許文献2】特開2006−301573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
上記特許文献1及び2の技術によると、輝度は変えられるものの、積極的にエコモードを設定するためにバックライトの光量制御を行うものは記載されていない。またPDPDの画素の配列は、単純な交互出力パターンであり、運転者側と助手席側との画面に対する要求と、種々の画素配列、並びにバックライト光量を互いに関連付けてダイナミックに変更する考え方は記載されていない。
【0026】
また、画面をくっきりと鮮明に見せる境界画素の考え方が記載されていない。更に、太陽光等の外光で、まぶしい場合の画面の視認性を高める工夫についても充分ではない。
【0027】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目して成されたものであり、その目的は、共通の表示画面上で異なる方向からそれぞれ異なる画像を視認できる、デュアルモード、及びシングルモードでの切り替えが出来る表示装置であって、ユーザの使用状況に合致した表示手段の画素配置及びシャッター手段の制御を実現すると共に光量を制御して一層の省電力を実現することを目的とする。
【0028】
従来技術として列挙された特許文献の記載内容は、この明細書に記載された技術的要素の説明として、参照によって導入ないし援用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、隣接する一方と他方の2方向から、少なくとも異なる画像を見るために、一方から見るための多数の一方用画素と、他方から見るための多数の他方用画素を有する表示手段、表示手段の側面に配置され、多数の不透明部分と多数の透明部分を有し、一方用画素が透明部分を介して、一方から視認され、他方用画素が透明部分を介して、他方から視認されるシャッター手段、表示手段の一方用画素、及び他方用画素からの光量を制御する光量制御手段、及び表示手段とシャッター手段と光量制御手段とを制御する制御手段を備え、制御手段には、一方と他方の2方向から同じ画面を見るシングルモードと、異なる画面を見るデュアルモードとを選択する手段、シングルモードが選択されたときに光量を減らすエコシングルモードと光量をエコシングルモードよりは高める通常シングルモードとに切替える手段、及びデュアルモードが選択されたときに、光量を減らすエコデュアルモードと光量をエコデュアルモードよりは高める通常デュアルモードとに切替える手段を備えることを特徴としている。
【0030】
この発明によれば、シングルモード、及びデュアルモードの夫々において、エコモードが設定されるので、光量を削減することが出来、省電力化が達成できる。
【0031】
請求項2に記載の発明では、光量制御手段は、表示手段とシャッター手段とに光を照射する発光素子を使用したバックライトであることを特徴としている。
【0032】
この発明によれば、バックライトへの入力電力を制御して簡単に光量を調整できる。
【0033】
請求項3に記載の発明では、シングルモードにおいては、シャッター手段を全開放し、2方向から見る画像は、同一画像とすると共に、デュアルモードのときの光量よりも少ない光量に光量制御手段が制御されることを特徴としている。
【0034】
この発明によれば、シングルモード時において、デュアルモード時よりも省電力化することが出来る。
【0035】
請求項4に記載の発明では、通常シングルモード時の光量を、通常デュアルモード時の光量の実質的に半分とし、エコシングルモード時の光量を、通常デュアルモード時の光量の実質的に半分未満とすることを特徴としている。
【0036】
この発明によれば、光量を実質的に半分、または半分未満にすることにより、確実に省電力化が達成出来る。
【0037】
請求項5に記載の発明では、エコデュアルモード時においては、表示手段が搭載された車両の運転者のための一方用画素の画素数よりも、他方用画素の画素数を多くし、かつ通常デュアルモードよりも光量を減少させることを特徴としている。
【0038】
この発明によれば、一方向側から画像をあまり見ないときに、一方用画素の画素数よりも他方用画素の画素数を多くして、光量を減少させるので、他方向側から見たときの画像の品質を実質的に低下させることなく省電力を達成できる。
【0039】
請求項6に記載の発明では、エコデュアルモードにおいて、一方用画素をDとし、他方用画素をPとしたとき、表示手段における画素の配列をDPPDPPDPPのように交互に、かつDに対してPの数の割合を実質的に二倍にし、通常デュアルモードでの表示手段における画素の配列をDPDPDPDPDのように完全に交互として、エコデュアルモードにおけるPの画素数を通常デュアルモードでのPの画素数よりも増加させ、かつエコデュアルモードにおける光量を通常デュアルモードでの光量よりも少なくすることを特徴としている。
【0040】
この発明によれば、運転者が画像をあまり見ないときに、他方用画素の画素数を一方用画素の画素数よりも多くして、その分、光量を減少できるので、助手席側の他方から見たときの画像の品質を実質的に低下させることなく省電力を達成できる。
【0041】
請求項7に記載の発明では、エコデュアルモードから通常デュアルモードへの切り替え時に、シャッター手段の不透明部分と透明部分の位置をずらせるだけでなく、不透明部分と透明部分の幅パターンを変化させることを特徴としている。
【0042】
この発明によれば、エコデュアルモードにおいて、一方用画素の画素数を他方用画素の画素数よりも多めに設定した場合においても、シャッター手段の不透明部分と透明部分の位置をずらせ、かつ不透明部分と透明部分の幅パターンを変化させるから、一方向及び他方向から夫々異なる画像を確実に見ることができる。
【0043】
請求項8に記載の発明では、一方用画素と、他方用画素の間に境界画素を挿入する、境界画素挿入手段を有することを特徴としている。
【0044】
この発明によれば、一方用画素と他方用画素の色が混ざる等の、隣接画素間の干渉を防止することが出来る。
【0045】
請求項9に記載の発明では、シングルモードにおいて、境界画素の挿入と共に、シャッター手段に不透明部分を形成し、かつ光量をエコシングルモードよりも増加させるセルフシャドーモードへの切り替えを行う手段を有することを特徴としている。
【0046】
この発明によれば、セルフシャドーモードによって、太陽光等で表示手段の周囲が眩しいときに、画像を見やすくすることが出来る。
【0047】
請求項10に記載の発明では、境界画素が挿入されたときのエコデュアルモードにおいて、他方用画素Pの画素数と一方用画素Dの画素数の割合を3対1とし、境界画素が挿入されたときのエコデュアルモードのときの光量を、境界画素が挿入されたときの通常デュアルモードのときの光量よりも少なくしたことを特徴としている。
【0048】
この発明によれば、エコデュアルモードにおいて境界画素を挿入して、くっきりした見やすい画像としながら画素数に見合った光量の削減を図ることができる。
【0049】
請求項11に記載の発明では、エコシングルモードから通常シングルモードへの切替え、及びエコデュアルモードから通常デュアルモードへの切替えは、表示手段の画像を注視するときを自動検出して行うことを特徴としている。
【0050】
この発明によれば、自動的にエコモードから通常モードに切り替わるから、煩わしい操作が不要であり、見え難い画像を少なくすることが出来る。
【0051】
請求項12に記載の発明では、表示手段の画像を注視するときを自動検出するために、表示手段を搭載した車両のナビゲーション装置本体からのナビゲーション装置作動情報、またはナビゲーション装置本体からの車両走行情報を判定することを特徴としている。
【0052】
この発明によれば、ナビゲーション装置本体のナビゲーション装置作動情報、または車両走行情報を利用して、適切な自動検出が出来るため、エコシングルモードから通常シングルモードへの切替え、及びエコデュアルモードから通常デュアルモードへの切替えが、自動的に的確に行える。
【0053】
請求項13に記載の発明では、ナビゲーション装置本体からの、ナビゲーション装置作動情報、または車両走行情報とは、車両の運転者がナビゲーション装置本体を操作した情報、ナビゲーション装置本体が公差点または分岐点に車両が進入することを検出した情報、ナビゲーション装置本体が地図画情報内に運転者向けの告知情報を挿入した情報のいずれかであることを特徴としている。
【0054】
この発明によれば、ビゲーション装置本体からの情報により、正確に表示手段の画像を注視するときを自動検出することが出来、的確にエコモードから、より見やすい通常モードに画面を切替えることが出来るため、安全走行に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1実施形態と成る車載表示装置の概要構成を示す概要構成図である。
【図2】上記実施形態における液晶パネルによって実現された表示手段を成す画面表示用LCDと、液晶シャッターを成す視差バリア用LCDとの構成を模式的に示した部分断面図である。
【図3】図2内のTFT基板の概略構成を示す回路図である。
【図4】上記実施形態におけるシングルモードとデュアルモードとを選択する処理のフローチャートである。
【図5】上記実施形態におけるシングルモード時の、エコシングルモードと通常シングルモードとを実行する、より具体的な処理を示すフローチャートである。
【図6】上記実施形態におけるデュアルモード時において、エコデュアルモードと通常デュアルモードを実行する、より具体的な処理を示すフローチャートである。
【図7】上記実施形態における上記エコデュアルモードのときの、運転者用画素と助手席側用画素の配列と液晶シャッター、並びにバックライトの状態を示す模式構成図である。
【図8】上記実施形態における上記通常デュアルモードのときの、運転者用画素と助手席側用画素の配列と液晶シャッター、並びにバックライトの状態を示す模式構成図である。
【図9】上記実施形態における図1の車載表示装置の概要構成から、境界画素挿入のための構成を取り出して示したブロック図である。
【図10】上記実施形態における図9のブロック図の作動を示すフローチャートである。
【図11】上記実施形態における上記シングルモードにおいて、境界画素を挿入したときの画素の配列と液晶シャッター、並びにバックライトの状態を示す模式構成図である。
【図12】上記実施形態における上記シングルモードにおいて、周囲が高輝度のときに一部シャッター手段をオンにして境界画素を挿入したときの、画素の配列と液晶シャッター、並びにバックライトの状態を示す模式構成図である。
【図13】上記実施形態における上記エコデュアルモードにおいて、境界画素を挿入したときの運転者用画素と助手席側用画素の配列と液晶シャッター、並びにバックライトの状態を示す模式構成図である。
【図14】上記実施形態における上記通常デュアルモードにおいて、境界画素を挿入したときの運転者用画素と助手席側用画素の配列と液晶シャッター、並びにバックライトの状態を示す模式構成図である。
【図15】公知の特許文献1に記載された画像の状況と表示手段とシャッター手段の状態を示す模式構成図である。
【図16】公知の特許文献2に記載された表示手段とシャッター手段の時分割切替え状態を示す模式構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態となる車載表示装置について図1乃至図14を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の上記車載表示装置の概要構成を示す概要構成図である。概要を述べると、第1実施形態は、遮光パターン幅が制御できるシャッター手段をなす液晶シャッターを用いて、搭乗者の数と位置に応じて、遮光パターンの幅を変更することにより視差バリアを調整して、搭乗者それぞれに、見やすい画像を提供するものである。
【0057】
このために、特に、次の構成を有する。周囲の明るさに応じて、コントラストをあげたい環境にあるとき、あるいは隣接画像の影響をうけない画像をユーザが見たくなったときに、境界画素を形成して、液晶シャッターを、画素と境界画素に応じて制御し、見やすい画像する。
【0058】
デュアルモードにおいて、画素ごとに、運転手者用画像表示信号と助手席側用画像表示信号とを出力し、 かつ、運転者が画面を注視する時と、画面を注視しないエコモード時に応じて、画素数を調整する。
【0059】
以下、図に基づいて説明する。図1において、車載表示装置1は、その内部に制御手段を成す主制御部2、及び表示処理部3を有する。主制御部2には、ナビゲーション装置本体30からの地図画情報4が入力される。また、テレビからのTV信号5が入力される。また、DVD(ディーブイディー、Digital Versatile Disc)装置からのDVD信号6が入力される。
【0060】
車速センサからの車速情報7、及びユーザ操作情報8が入力される。ユーザ操作情報8は、スイッチやタッチパネルなどを用いた乗員からの操作入力を受け付けた情報である。乗員検知情報9は運転席と助手席への乗員の着座有無を検出した情報である。また、車室内の明るさや、太陽光のまぶしさを表す明るさ検出情報10が入力される。
【0061】
ナビゲーション装置本体30は、自車両の走行経路の設定および誘導を行なうユニットである。具体的には、GPS(Global Positioning System)によって、自車両の現在位置を取得し、地図データを用いて自車両が走行している道路を特定し、表示手段12や図示しないスピーカを用いて経路誘導を実行する。
【0062】
主制御部2は、車載表示装置1を全体制御する制御部であり、ユーザ操作情報8等の入力を受けて、運転者用表示処理部3a及び助手席側用表示処理部3bを介して、表示手段12及びスピーカ等への出力を行なう。
【0063】
表示手段12は、乗員に対する表示出力を行なう装置であり、その表示内容は運転者用表示処理部3a及び助手席側用表示処理部3bが作成する。そして、シャッター手段を成す液晶シャッター15は、表示手段12による表示出力の指向性を制御する指向性制御手段となる視差バリアを形成する。
【0064】
図2は、液晶パネルから成るディスプレイによって実現された表示手段12を成す画面表示用LCDと、液晶シャッター15を成す視差バリア用LCDとの構成を模式的に示した部分水平断面図である。表示手段12は、偏光板12aとTFT基板12bから成る基板モジュール12a及び12bと、カラーフィルタ基板12d、ガラス基板12e、及び偏光板12fからなる対向電極側基板モジュール12d、12e、及び12fとの間に、液晶層12cが封入された構成となっている。
【0065】
基板モジュール12a及び12bの背面側には、バックライト18が配設されている。バックライト18は光量の変更が可能である。対向電極側基板モジュール12d、12e、及び12fは、ガラス基板12eと、このガラス基板12eの背面側に配設されたカラーフィルタ基板12dと、ガラス基板12eの前面側に配設された偏光板12fとを含んで構成されている。
【0066】
液晶シャッター15は、表示手段12の前面側に配設されており、表示手段12の偏光板12f上に配設されたTFT基板15aと、最前面側に配置された偏光板15d、その背面側に形成されたガラス基板15cと、上記TFT基板15aとガラス基板15cの間に封入された液晶層15bとを含んで構成されている。
【0067】
また、図1の主制御部2は、その内部に運転者用入出力制御部2a、助手席側用入出力制御部2bを有する。運転者用入出力制御部2aは、運転者からのユーザ操作情報8を成す操作入力の受け付け、かつ運転者への出力を制御する制御部である。助手席側用入出力制御部2bは、助手席側に座った乗員からのユーザ操作情報8の操作入力の受け付け、かつ助手席側乗員への出力を制御する制御部である。
【0068】
ここで、運転者用入出力制御部2aによる運転者への表示出力と助手席側用入出力制御部2bによる助手席側乗員への表示出力とは、単一の表示手段12によって同時に表示可能である。乗員検知情報9は、乗員の有無を検出するものであり、例えば、座席着座時にオンする圧力センサから構成されたシートスイッチから成る。
【0069】
図3は、図2内のTFT基板12b、及び15aの概略構成を示す回路図である。図2のTFT基板12b、及び15aは、走査線駆動回路23と、データ線駆動回路24と、走査線駆動回路23に接続された走査線LSN1、LSN2、LSN3、…と、データ線駆動回路24に接続されたデータ線LD1、LD2、LD3、LD4…と、各走査線LSN1、LSN2、LSN3、…、及びデータ線LD1、LD2、LD3、LD4…によって囲まれた領域を一単位として形成された複数のサブピクセル26とを含んで構成されている。各サブピクセル26には、図2の液晶層12c、及び15bに電圧を印加する画素電極27とそれをスイッチング制御するTFT素子28とが形成されている。
【0070】
走査線駆動回路23及びデータ線駆動回路24には、表示パネル駆動部20が接続されており、表示パネル駆動部20は、走査線駆動回路23及びデータ線駆動回路24の駆動タイミングを制御する。走査線駆動回路23は、TFT素子28の選択操作を行い、またデータ線駆動回路24は画素電極27への印加電圧を制御するように構成されている。図3の各サブピクセル26は、例えば、データ線LD1及びLD3に、助手席側用の画素データを、また、データ線LD2及びLD4に運転席用の画素データを供給することによって作動する。
【0071】
また、図1の車載表示装置1は、シングルモードにおいて、運転者用の表示内容と助手席側用の表示内容が共通の内容を含む場合に、共通の内容を表示手段12の表示画面の同一の領域に表示するとともに、液晶シャッター15の対応する部分を常時全開するので、解像度を低下させることなく複数方向に異なる表示を行なう。
【0072】
また、図1の運転者用表示処理部3aは、運転者への表示の内容を作成する処理部である。助手席側用表示処理部3bは、助手席に着座した助手席側乗員への表示の内容を作成する処理部である。また、図1の表示処理部3は、その他にも、境界画素挿入部3c、画像解像度変換回路3d、バックライト制御部3e、液晶シャッター制御部3f、輝度補正部3gを有している。液晶シャッター制御部3fは、液晶シャッター15の動作を制御する。
【0073】
輝度補正部3gは、運転者用表示処理部3a及び助手席側用表示処理部3bが作成した表示内容の輝度を補正する処理を行なう。この輝度補正部3gの補正処理によって、表示の可視領域割合が小さい程、バックライト18の輝度を上げる補正を行なうことにより、運転者用と助手席側用各表示映像は充分な輝度を持つことができる。
【0074】
次に、フローチャートに基づいて説明する。図4は、第1実施形態のシングルモードとデュアルモードとを選択する処理のフローチャートである。制御がスタートすると、ステップS401において、乗員の変化有無を検出する。これは座席の圧力センサや赤外線センサからの信号で助手席の乗員の変化有無を検出する。乗員の状態に変化が無ければ、ステップS402に進み現状態を維持する。
【0075】
乗員の状態に変化が有れば、ステップS403に進む。このステップS403において、助手席に乗員が座る、あるいは助手席側でも映像を見るようにユーザ操作情報8(図1)が入力されユーザ設定がなされるとYESになり、ステップS404を経由した後、ステップS405のデュアルモードが選択され、これに合致するように、液晶シャッター15(図1)にて視差バリアが形成される。なお、ステップS405の詳細は後述する。また、左右夫々に設定された映像信号を表示手段12(図1)に出力する。次に、バックライト18(図1)が制御される。
【0076】
なお、ステップS404の黒画処理は、バックライト18を一瞬オフし、この間に液晶シャッター15(図1)の遮光パターンを変更するものである。この黒画処理により、画面切り替え時の見苦しい画像をカットできる。換言すれば、バックライト18(図1及び図2)を一瞬オフにして、混ざった画像を見せないようにしている。
【0077】
ステップS403において、助手席に乗員が座らず、かつ、助手席側でも映像を見るようにユーザ操作情報8(図1)が入力されないときは、NOと成り、ステップS406の黒画処理を経てステップS407でシングルモードが選択され、液晶シャッター15(図1)は全開放となり、左右同一の映像信号が表示手段12(図1)に出力される。
【0078】
このシングルモードでは、画素数が増えるため、デュアルモードよりも精細な画像に成る。次に、バックライト18(図1)の制御が行われ、上記デュアルモードのときの光量を1としたとき半分の0.5の光量でバックライト18が点灯されるようバックライト18の発光ダイオードに供給する電流量(入力電力)が調整される。
【0079】
まとめれば、シングルモードにおいては、液晶シャッター15からなるシャッター手段を全開放し、2方向から見る画像は、同一画像とされると共に、デュアルモードのときの光量よりも少ない光量に図1の輝度補正部3gから成る光量制御手段が制御する。これにより、シングルモード時において、デュアルモード時よりも省電力化することが出来、バックライト18の発光素子となる発光ダイオードが長寿命化する。
【0080】
そして、通常シングルモード時の光量を、通常デュアルモード時の光量の実質的に半分とし、エコシングルモード時の光量を、前記通常デュアルモード時の光量の実質的に半分未満とする。これにより、確実に省電力化が達成出来る。また、一方と他方の2方向から同じ画面を見るシングルモードと、異なる画面を見るデュアルモードとを選択する手段として上記ステップS403、405、及び407を有する。
【0081】
次に、シングルモードは、安全運転上画面を広く使いたい場合などに有効である。助手席乗員が着座しているのに運転者の操作でシングルモードにした場合、助手席側には、緊急を示す何らかの告知を行ない、かつ、DVDやテレビの音声だけを流すようにするなどの処理を適宜加えると、助手席側乗員に違和感を与えずに済む。
【0082】
デジタルハイビジョン放送(画素数1920×1080、または1440×1080)等を表示する際に、図1の画像解像度変換回路3dにおいて、ユーザが視認しやすいように、画像解像度変換(画素を間引く、縮小する)を行う。
【0083】
後述するエコモードとは、例えば、運転手が詳しく地図画を見ると想定される時以外は、バックライト18の輝度を更に抑制するモードである。運転手が地図等を注視する場合は、自動的にバックライト18の輝度を補正して、ユーザが最も見やすい通常モードの画面に切替える。なお、ユーザ操作(例えば、ステアリングホイール部分に設置されたナビゲーション操作ボタン等による操作)により、手動にて表示モードを切り替え可能である。
【0084】
また、くっきりした見やすい画像を要求されたときは、後述する境界画素を表示手段12内に挿入する。更に、周囲が高輝度(例えば、太陽光がまぶしい等)でも、一部の液晶シャッター部分をONすることにより、境界画素プラス液晶シャッター効果により、ユーザに視認しやすい画像を提供可能である。これを以下では、セルフシャドーモードと称して説明する。
【0085】
運転手が地図等を注視する場合は、具体的には、地図画で渋滞情報を見る時、交差点近くや分岐点近くを走行しているときの道路案内中がある。このようなときには、自動的に表示画面を変更する。また、ユーザ操作によって手動で表示を変更できる。また、逆に運転手が地図等を注視しないと判定する場合の一例は、図1の車速情報7が高速走行状態を示しているときである。
【0086】
図5は、図4のステップS407のシングルモード時の具体的な処理を示すフローチャートである。制御が開始されると、ユーザがエコモードを設定しているか否かをステップS501で判定する。エコモードを選択していないときはステップS502で通常シングルモードでの表示を行い、このときのバックライト18(図1)の光量は、後述する通常デュアルモードのときの光量を1としたとき半分の0.5の光量に調整される。
【0087】
ステップS501において、エコモードが設定されているときは、ステップS503において、バックライト18を減光する。このときは、上記通常デュアルモードのときの光量を1としたとき0.5未満の光量で、バックライト18が点灯される。
【0088】
次に、ステップS504において、ユーザである運転者が地図画を注視する状況か否かを判定する。この判定は、ナビゲーション装置本体30からの情報により、所定車速以下で公差点や分岐点近くを自車両が走行したとき、渋滞情報等をチェックする操作が行われたとき、ユーザが注視モードに操作したときに、YESとなり、ステップS505において、通常シングルモードでの表示が行われる。このときのバックライトの光量は、通常デュアルモードのときの光量を1としたとき半分の0.5の光量に調整される。
【0089】
また、ステップS504において、公差点や分岐点近くを自車両が走行していないし、渋滞情報等をチェックする操作が行われていないし、ユーザが注視モードになるように操作していないときは、NOとなり、ステップS503に戻る。
【0090】
なお、ステップS502及びステップS505のシングルモードのとき、並びにステップS503におけるエコシングルモードのときの運転者用画素Dと助手席側用画素Pの配列と液晶シャッターの状態は周知であるため省略する。
【0091】
即ち、このときは、液晶シャッターは全開放であり、運転者用画素Dと助手席側用画素Pとの共通画素(DまたはP)は、通常の画像である。そして、通常シングルモードからエコシングルモードに移行する場合は、単にバックライト18の発光ダイオードの電流値を低下させることによって切替えられる。
【0092】
つまり、エコシングルモードのときは、バックライト光量をデュアルモードのときの半分未満にし、暗くする。これは、車室内に運転者しかいないし、運転者が運転操作中であって、あまり表示手段12(図1)の画像を見ないときに最適である。
【0093】
まとめれば、シングルモードが選択されたときに、光量を減らすエコシングルモードと、光量をエコシングルモードよりは高める通常シングルモードとに切替える手段として上述のステップS503、504、505が存在する。
【0094】
また、エコシングルモードから通常シングルモードへの切替えは、表示手段12の画像を注視するときを自動検出して行う。これによれば、自動的にエコモードから通常モードに切り替わるから、煩わしい操作が不要であり、見え難い画像を少なくすることが出来る。
【0095】
そして、表示手段12の画像を注視するときを自動検出するために、表示手段12を搭載した車両のナビゲーション装置本体30からのナビゲーション装置作動情報31、またはナビゲーション装置本体30からの車両走行情報32を判定する。
【0096】
具体的には、ナビゲーション装置本体30からの車両走行情報32により、所定車速以下で公差点や分岐点近くを自車両が走行したときを検出する。また、渋滞情報等をチェックする運転者の操作が行われたことをナビゲーション装置作動情報31から検出する。更に、運転者がナビゲーション操作画面で注視モードに手動操作したことをナビゲーション装置作動情報31から検出する。これによれば、適切な自動検出が出来るため、エコシングルモードから通常シングルモードへの切替え、及びエコデュアルモードから通常デュアルモードへの切替えが、自動的に的確に行える。
【0097】
なお、ナビゲーション装置本体30が図1の地図画情報4内に前記運転者向けの告知表示情報を挿入したことを検出して、画像を注視するときを自動検出しても良い。即ち、ナビゲーション装置本体30内に画像を注視せよとの信号を出力する機能を設けて、それを活用しても良い。
【0098】
次に、図4のステップS405におけるデュアルモードについて説明する。先ず、概要について説明する。例えば、運転手が詳しく地図画を見ると想定される時以外は、液晶の表示画素数を制御して、助手席側乗員が視認しやすいように助手席側乗員優先の画素配置にて画像を提供する。その際、バックライト18を制御し消費電力低減も可能とする。
【0099】
運転手が地図を注視する場合は、自動的にバックライト18の輝度を変更して、ユーザが最も見やすい画面とする。なお、ユーザ操作(例えば、ナビゲーション操作ボタン等)により、手動にて表示画面を変更可能である。また、エコデュアルモードから通常デュアルモードへ表示形態を変更する際は、バックライト18を消灯させ、一瞬黒画とする黒画処理を行うことで、クロストーク画面(混ざった画面)表示を防ぐ。
【0100】
更に、手動操作あるいは自動で表示画像に境界画素を挿入することにより、境界画素挿入デュアルモードに切替えることが可能である。境界画素を挿入することにより、視差バリア制御を容易にすることが出来ると共に、運転手向け画素と助手席側向け画素の画素間の干渉を低減することが可能となる。
【0101】
デュアルモードでは、映像表示の視差バリアに液晶シャッター15(図1)を用いている。そして、デュアルモードの時、液晶シャッター15を制御して視差バリアを形成し、2方向に画面表示する。その際、バックライト18の光量も制御する。
【0102】
基本的には、まず、運転者と助手席の優先度から表示手段12(図1)の画素数の配分を決定する。コントラストをあげたい環境(周囲の明るさ)、あるいは隣接画像の影響をうけない画像をユーザが見たくなったら、境界画素を形成して、液晶シャッター15を画素及び境界画素に応じて制御し、見やすい画像を提供できるようにする。
【0103】
以下、デュアルモードでの作動を具体的に説明する。図6は、図4のステップS405のデュアルモード時の具体的な処理を示すフローチャートである。制御が開始されると、ユーザがエコモードを設定しているか否かをステップS601で判定する。エコモードを選択していないときはステップS602で通常デュアルモードでの表示を行い、このときのバックライトの光量は、予め設定されたデュアルモードのときの光量の100%(割合1)とする。
【0104】
ステップS601において、エコモードが設定されているときは、ステップS603において、バックライト18を減光する。このときは、上記通常デュアルモードのときの光量の割合を1としたとき0.67、つまり2/3の光量でバックライト18が点灯されるようバックライト18の発光ダイオードに供給する電流量が調整される。
【0105】
次に、ステップS604において、ユーザである運転者が地図画等を注視する状況か否かを判定する。この判定は、ナビゲーション装置本体30からの情報により、所定車速以下で公差点や分岐点近くを自車両が走行したとき、渋滞情報等をチェックする操作が行われたとき、及びユーザが注視モードに操作したときにYESとなり、ステップS605の黒画処理を経た後に、ステップS606において、通常デュアルモードでの表示が行われる。このときのバックライトの光量は、ステップS602の通常デュアルモードのときと同じであり、光量1の割合(100%)に調整される。また、ステップS604において、NOとなるときは、ステップS603に戻る。
【0106】
まとめれば、デュアルモードが選択されたときに、光量を減らすエコデュアルモードと、光量をエコシングルモードよりは高める通常デュアルモードとに切替える手段として、上述のステップS603、604、及び606が存在する。これによって、デュアルモードにおいても、エコモードが設定されるので、光量を削減することが出来、省電力化が達成できる。
【0107】
エコデュアルモードから通常デュアルモードに移行する場合は、単にバックライト18の発光ダイオードの電流値を増加させるのみでなく、図7のエコデュアルモードのときの運転者用画素Dと助手席側用画素Pの配列(運転者用画素D数3と助手席側用画素P数6)と液晶シャッター15の状態から、図8の通常デュアルモードのときの運転者用画素Dと助手席側用画素Pの配列(運転者用画素D数5と助手席側用画素P数4)と液晶シャッター15の状態に切替えられる。
【0108】
つまり、図7のエコデュアルモードにおいては、DPPDPPDPPDPPDPPのように、運転者用画素Dと助手席側用画素Pの配列がなされる。また、液晶シャッター15の不透明部分(図7の黒い部分)151と、透明部分152は、幅の長い部分と短い部分が繰り返される。
【0109】
図8の通常デュアルモードにおいては、DPDPDPDPDPDPDPように、運転者用画素Dと助手席側用画素Pの配列が完全に交互になされる。また、液晶シャッター15の不透明部分(図8の黒い部分)151と、透明部分152は、均一な幅で繰り返される。
【0110】
これにより、図7のエコデュアルモード(運転者用画素D=3と助手席側用画素P=6)と、図8の通常デュアルモード(運転者用画素D=5と助手席側用画素P=4)とでは、運転者が見る画素数と助手席側が見る画素数が反転する。
【0111】
これにより、エコデュアルモードから通常デュアルモードに切替えたときに、運転者は、より明るく精細な画像を見ることが出来る。また、助手席側は画素数が6から4のように減るが、バックライトの明るさが0.67から1の割合に増加するように補正することにより、助手席側では、実質的に変化の無い明るさの画面を見ることが出来る。
【0112】
まとめれば、エコデュアルモード時においては、表示手段12が搭載された車両の運転者のための一方用画素Dの画素数よりも、他方用画素Pの画素数を多くし、かつエコモードにして、光量を減少させる。これにより、運転者が画像をあまり見ないときに、一方用画素Dの画素数よりも他方用画素Pの画素数を多くして、光量を減少させるので、助手席側から見たときの画像の品質を実質的に低下させることなく省電力を達成できる。
【0113】
また、エコデュアルモードにおいて、一方用画素をDとし、他方用画素をPとしたとき、表示手段における画素の配列をDPPDPPDPPのように交互に、かつDに対してPの数の割合を実質的に二倍にし、通常デュアルモードでの表示手段12における画素の配列をDPDPDPDPDのように完全に交互として、エコデュアルモードにおけるPの画素数を通常デュアルモードでのPの画素数よりも増加させ、かつエコデュアルモードにおける光量を通常デュアルモードでの光量よりも少なくする。
【0114】
これにより、運転者が画像をあまり見ないときに、他方用画素Pの画素数を一方用画素Dの画素数よりも多くして、その分、光量を減少できるので、助手席側の他方から見たときの画像の品質を実質的に低下させることなく省電力を達成できる。
【0115】
また、エコデュアルモードと通常デュアルモードとの切り替え時に、シャッター手段15の不透明部分151と透明部分152の位置をずらせるだけでなく、不透明部分151と透明部分152の幅パターンを変化させる(図7及び図8)。
【0116】
このことにより、エコデュアルモードにおいて、他方用画素Pの画素数を一方用画素Dの画素数よりも多めに設定した場合においても、シャッター手段15の不透明部分151と透明部分152の位置をずらせ、かつ不透明部分151と透明部分152の幅パターンを変化させるから、一方向及び他方向から夫々異なる画像を確実に見ることができる。
【0117】
次に、くっきりした見やすい画像を得るために、境界画素の挿入を図1のユーザ操作情報8で運転者が操作指示したときや、図1の明るさ検出情報にて、境界画素の挿入が主制御部2から指示され表示処理部3の境界画素挿入部3cが作動するときの状況について説明する。
【0118】
シングルモードとデュアルモードとの切り替えが行われ、シングルモードが選択された場合でも、ユーザの設定でエコシングルモードを選ぶことが出来るが、このシングルモード及びエコシングルモードのときに、周囲が明るすぎて画面が見にくいときやユーザからの境界画素挿入要求操作が有ったときに、境界画素を挿入することが出来る。
【0119】
この境界画素を挿入するか否かは、主制御部2内で判定される。つまり、図1のユーザ操作情報8、あるいは、照度センサ等からの周囲の明るさ検出情報10が入力されて所定以上の明るさであり、まぶしくて画面が見にくいことが、主制御部2内で判定されたときに、境界画素挿入のためのプログラムが作動する。
【0120】
同様に、通常デュアルモード及びエコデュアルモードにおいても、周囲が明るすぎて画面が見にくいときや、ユーザからの境界画素挿入要求操作が有ったときに、境界画素を挿入するプログラムが作動する。
【0121】
図9は、図1の車載表示装置1の概要構成のうち、境界画素挿入のための構成のみを取り出して示したブロック図である。図10は、図9のブロック図の作動を示すフローチャートである。図9において、画像ソース1〜3は、図1の地図画情報4、TV信号5、DVD信号6に対応している。これらの各信号は、主制御部2を経由して画像解像度変換回路3dに供給される。
【0122】
境界画素の挿入は、運転者側と、助手席側の画像が隣接している場合、色が混ざり合って、見かけ上の解像度が落ちる場合があるため、見易さを改善するために行われる。たとえば、ナビゲーションのための画面の画素が青色系統、DVD画面が赤色系統であると、ナビゲーションのための画面もDVD画面も隣接した色が混ざり、本来の色ではなくなるおそれがある。
【0123】
このため、隣接画素は、運転者が見る画像と助手席乗員が見る画像の色が混ざるのを防止するために、画素の境界を暗い画素として、隣接する画素の色が混ざることを防止する。境界画素は、運転者を優先するか、助手席を優先するかが図1及び図9の優先度判定部2cにて判定されたとき、その判定条件に応じて、図9の境界画素挿入部3cによって、決まった位置に挿入されるように境界画素信号が生成され、表示手段12、及び液晶シャッター15に境界画素信号が出力される。
【0124】
表示手段12には、多くのデジタル画像が入力され表示ができるようになっている。図10のステップS1001で図9の各画像ソース4、5、及び6から、デジタル画像信号を取り込んだ後、それぞれのデジタル画像信号は、ステップS1002において、表示画面の解像度、及びサイズ等に合うように画像解像度変換が行われる。
【0125】
どのデジタル画像を表示画面のどこに表示するかは、図示しないユーザインターフェースで決定される。また、ユーザの画像に対する命令(たとえば拡大縮小など)は、図示しない画像変換手段で処理される。運転者側、及び助手席側のどちらを優先するか等が設定ファイルとして記憶されている。このような表示設定条件をステップS1003で読み込む。
【0126】
ステップS1003で読み込まれた条件に応じて、ステップS1004で、デジタル画像の境界画素40を含む各画素の配分を決定する。つまり、境界画素信号を生成する。各画素の配分が決定したら、ステップS1005において、境界画素信号が、液晶シャッター15に出力され、液晶シャッター15の透明部分、及び不透明部分の位置、つまりON/OFF位置が決定される。
【0127】
このとき、図示しない外光を検出する照度センサからの明るさ検出情報10(図1)により、透過部分及び不透過部分の幅や位置を微調整するようにしてもよい。次にステップS1006において、境界画素信号を表示手段12に出力し、液晶シャッター15と表示手段12の動作を同期させて映像表示を行う。
【0128】
図4においてシングルモードが選択されたとき、図5のフローチャートが実行され、通常シングルモードかエコシングルモードかが選択される。このシングルモードでは、運転者側及び助手席側が同じ画像を見ることになる。
【0129】
図11は、シングルモードにおいて境界画素40を挿入したときの画素の配列と液晶シャッター15の状態等を示す模式構成図である。図11において、運転者側と助手席側が同じ画像を見る場合、液晶シャッター15はOFF(透明)でよい。
【0130】
図11のときは、液晶シャッター15をOFFとするため、バックライト18からの光が、液晶シャッター15で減光されないので、バックライト18の明るさを境界画素入り通常デュアルモード(図14)の光量を1として0.5未満の光量に減光してエコモードにすることが出来る。
【0131】
このようにして図5のステップS502、S503、S505における境界画素入りのシングルモード表示が実行される。つまり、境界画素を挿入する場合もしない場合も、図5のフローチャートは共通化できる。
【0132】
図11の境界画素40の数と配置は、周囲の明るさに応じて適宜変更できるようにするとよい。文字を見やすくするために自動的に文字の境界を暗くするために画面の一部の領域に境界画素40を挿入してもよい。
【0133】
図5のステップS502、S503、及びS505における、境界画素40入りのシングルモード表示が実行されており、図1の明るさ検出情報10によって、周囲が太陽光などの外光で明るくなったことが検出されたとき、または、セルフシャドーモードを指示するユーザ操作情報8が図1の主制御部2に入力されたときの、液晶シャッター15と表示手段12の状況を、図12で示す。
【0134】
つまり、この図12は、シングルモード時において周囲が高輝度のときに、液晶シャッター15の一部の領域をオンにして不透明とし、かつ境界画素40を画素間に挿入し、バックライト18の光量を図11の場合より上げたときの画素の配列と液晶シャッター15の状態を示す模式構成図である。なお、図12において、PP、PPと画素を配列したが、図11と同じくDD、DDと配列しても良い。
【0135】
太陽光が強い場合、バックライト18が外光に負けて機能しないため、画素が見えなくなる。このような条件で、外光を液晶シャッター15で減衰して(液晶シャッター15で影を作るセルフシャドーモードを実行して)、バックライト18が少しでも機能するようにする。
【0136】
図1の明るさ検出情報10が、眩しい太陽光等の情報を、主制御部2に入力すると、上記外光の明るさに応じて減光量を決定し、それをもとに液晶シャッター15の透過幅を決定する。機器の表示条件(運転手優先、助手席優先)に応じて画素PPまたは画素DDを決定し、これらの画素PPまたはDDの隣に、境界画素40を挿入する。そして、外光が強いほど、液晶シャッター15の不透明部分151の幅を大きくする。
【0137】
図12におけるバックライトの光量は、デュアルモードのときの光量を1として、0.5に設定される。しかし、この機能は、太陽光等の外光が、表示手段12の表示画面に当たらなくても、省電力対策として、ユーザの操作で用いることが可能である。すなわち、液晶シャッター15の不透明部分151の幅を大きくすると、バックライト18を更に減光しても、表示を見ることができる。若干の見にくさは生ずるが、省電力を図ることが可能である。
【0138】
図4においてデュアルモードが選択されたとき、図6のフローチャートが実行され、通常デュアルモードかエコデュアルモードかが選択される。このデュアルモードでは、運転者側及び助手席側が異なる画像を見ることになる。
【0139】
図13は、バックライト18の光量を通常モード(図14)時よりも減光するエコデュアルモードにおいて、境界画素40を挿入したときの運転者用画素Dと助手席側用画素Pの配列と液晶シャッター15の不透明部分151と透明部分152の状態等を示す模式構成図である。また、図14は、通常デュアルモードにおいて境界画素40を挿入したときの運転者用画素Dと助手席側用画素Pの配列と液晶シャッター15の状態を示す模式構成図である。
【0140】
図13は、図6において、運転者があまり画面を見ない場合(または助手席優先の場合)のステップS603におけるエコデュアルモードのときの、境界画素40の位置を示す。運転者側の画素Dに対して助手席側が見る画素Pを多め(Dの割合1に対しPの割合3)に設定し、助手席が見る画素Pと運転者が見る画素Dの間に境界画素40を配置する。
【0141】
液晶シャッター15側は、助手席側用画素Pは助手席からだけ見えるように、運転席側画素Dは運転者側だけから見えるように、Dの画素またはPの画素群単位で、不透明部分151(ON)と透明部分152(OFF)を配列する。液晶シャッター15のON/OFFパターン(2次元ドットマトリックスのパターン)は、画素の配置が決定された後に、画素の見え方の設定条件に応じて決定される。
【0142】
運転者の視線位置や、助手席のユーザの位置に応じて、液晶シャッター15の2次元ドットマトリックスのパターンの微調整ができるようになっている。この液晶シャッター15は、公知の視野制限板のように、ライン(ストライプ)式のシャッターでもよいし、格子状(千鳥格子模様)でも良い。
【0143】
図14は、図6におけるステップS602、及びS606の場合の、通常デュアルモードにおいて、境界画素40を挿入したときの運転者用画素Dと助手席側用画素Pの配列と液晶シャッター15の状態等を示す模式構成図である。運転者側の画素Dと助手席側が見る画素Pの画素数の割合を同一に設定し、助手席が見る画素Pと運転者が見る画素Dの間に境界画素40を配置する。
【0144】
液晶シャッター15側は、助手席側用画素Pは助手席からだけ見えるように、運転席側画素Dは運転者側だけから見えるように、Dの画素群またはPの画素群単位で、ON/OFFする。
【0145】
なお、上述のエコデュアルモードのときの図7から、通常デュアルモードのときの図8への表示切り替え、及び境界画素40挿入時エコデュアルモードのときの図13から、境界画素挿入時通常デュアルモードのときの図14の切り替え時には、液晶シャッター15の不透明部分151、及び透明部分152の位置をずらすだけでなく、不透明部分151及び透明部分152の幅パターンが変わる。
【0146】
これによって、図13のように、運転者側の画素Dに対して助手席側が見る画素Pを多めに設置した場合においても、液晶シャッター15で、助手席側用画素Pは助手席からだけ見えるように、運転席側画素Dは運転者側だけから見えるように画像を制御できる。
【0147】
まとめれば、一方用画素Dと、他方用画素Pの間に境界画素40を挿入する図1の境界画素挿入部3cからなる境界画素挿入手段を有する。これによれば、一方用画素Dと他方用画素Pの色が混ざる等の、隣接画素間の干渉を防止することが出来る。
【0148】
また、境界画素40の挿入と共に、シャッター手段15の不透明部分151の幅を長くし、かつ光量をエコモードのときよりも増加させるセルフシャドーモードへの切り替えを行う手段を有する(図12)。これによれば、セルフシャドーモードによって、太陽光等で表示手段の周囲が眩しいときに、画像を見やすくすることが出来る。
【0149】
更に、境界画素40が挿入されたときのエコデュアルモードにおいて、他方用画素Pの画素数と一方用画素Dの画素数の割合を3対1とし(図13)、境界画素40が挿入されたときのエコデュアルモードのときの光量を、境界画素が挿入されたときの通常デュアルモード(図14)のときの前記光量よりも少なくする。これによれば、エコデュアルモードにおいて境界画素40を挿入して、くっきりした見やすい画像としながら画素数に見合った光量の削減を図ることができる。
【0150】
なお、境界画素40の挿入は、制御手段の一部となる図1の主制御部2に入力される明るさ検出情報に10応じて、自動的に行っても良い。これによれば、境界画素40の挿入が、自動的に行われるから煩わしい操作が不要である。
【0151】
(その他の実施形態)
本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。例えば、上述の第1実施形態では、助手席側と運転席側の2方向の画像形成について述べたが、上記特許文献1にも記載されているように、後部座席を含めた、3方向以上の表示画像形成であっても良い。
【0152】
また、公知の図16の構成のように、同じ画素位置(S1等)をP側とD側に使用することを時分割で交互に繰り返してもよいことは勿論である。このためには、図1の表示処理部3内に時分割連動制御部が設けられる。
【0153】
また、シャッター手段を表示手段の反バックライト側に配置して、運転者から見た場合に、シャッター手段、表示手段、バックライトの順番に配置したが、表示手段、シャッター手段、バックライトの順番に配置しても良い。
【0154】
また、表示手段として、各画素自体が発光する素子(例えば携帯電話などの携帯機器やカーオーディオに使用されている有機ELディスプレイ)を使用した場合は、バックライトは不要であるが、各画素に印加する電圧を制御して各画素からの光量を制御する光量制御手段がバックライトの代わりに必要である。
【0155】
また、表示手段及びシャッター手段からなるディスプレイの表面を乗員の手で触れただけでエコモードから通常モードに戻せば、緊急時に画像品質を向上することが出来る。これには赤外線式や静電式のタッチスイッチを活用する。画像を制御する操作スイッチやマウスがあるとき、操作スイッチやマウスが操作されることで、エコモードから通常モードに切替えても良い。
【0156】
また、ユーザ操作情報8(図1)は、ナビゲーション装置本体30内の操作手段からの情報としたが、ナビゲーション装置本体30以外のスイッチ等からの情報であっても良い。また、本発明は車載表示装置以外の用途、例えば電車、航空機、船舶等に使用することも出来る
【符号の説明】
【0157】
1 車載表示装置
2 主制御部
2a 運転者用入出力制御部
2b 助手席側用入出力制御部
3 表示処理部
3c 境界画素挿入部
3d 画像解像度変換回路
3e バックライト制御部
3f 液晶シャッター制御部
3g 輝度補正部
4 地図画情報
5 TV信号
6 DVD信号
7 車速情報
8 ユーザ操作情報
9 乗員検知情報
10 明るさ検出情報
12 表示手段
15 シャッター手段を成す液晶シャッター
18 光量制御手段を成すバックライト
30 ナビゲーション装置本体
31 ナビゲーション装置作動情報
32 車両走行情報
40 境界画素
151 液晶シャッターの不透明部分
152 液晶シャッターの透明部分
D 運転者用画素
P 助手席側用画素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接する一方と他方の2方向から、少なくとも異なる画像を見るために、前記一方から見るための多数の一方用画素と、前記他方から見るための多数の他方用画素を有する表示手段、
前記表示手段の側面に配置され、多数の不透明部分と多数の透明部分を有し、前記一方用画素が前記透明部分を介して、前記一方から視認され、前記他方用画素が前記透明部分を介して、前記他方から視認されるシャッター手段、
前記表示手段の前記一方用画素、及び前記他方用画素からの光量を制御する光量制御手段、及び
前記表示手段、前記シャッター手段、及び前記光量制御手段を制御する制御手段を備え、
前記制御手段には、
前記一方と前記他方の2方向から同じ画面を見るシングルモードと、異なる画面を見るデュアルモードとを選択する手段、
前記シングルモードが選択されたときに、前記光量を減らすエコシングルモードと、前記光量を前記エコシングルモードよりは高める通常シングルモードとに切替える手段、及び
前記デュアルモードが選択されたときに、前記光量を減らすエコデュアルモードと、前記光量を前記エコデュアルモードよりは高める通常デュアルモードとに切替える手段を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記光量制御手段は、前記表示手段と前記シャッター手段とに光を照射する発光素子を使用したバックライトであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記シングルモードにおいては、前記シャッター手段を全開放し、前記2方向から見る画像は、同一画像とすると共に、前記デュアルモードのときの前記光量よりも少ない光量に前記光量制御手段が制御されることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記通常シングルモード時の光量を、前記通常デュアルモード時の光量の実質的に半分とし、前記エコシングルモード時の光量を、前記通常デュアルモード時の光量の実質的に半分未満とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記エコデュアルモード時においては、前記表示手段が搭載された車両の運転者のための前記一方用画素の画素数よりも、前記他方用画素の画素数を多くし、かつ前記通常デュアルモードよりも前記光量を減少させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記エコデュアルモードにおいて、前記一方用画素をDとし、前記他方用画素をPとしたとき、前記表示手段における画素の配列をDPPDPPDPPのように交互に、かつDに対してPの数の割合を実質的に二倍にし、前記通常デュアルモードでの前記表示手段における画素の配列をDPDPDPDPDのように完全に交互として、前記エコデュアルモードにおけるPの画素数を前記通常デュアルモードでのPの画素数よりも増加させ、かつ前記エコデュアルモードにおける前記光量を前記通常デュアルモードでの前記光量よりも少なくすることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記エコデュアルモードから前記通常デュアルモードへの切り替え時に、前記シャッター手段の前記不透明部分と前記透明部分の位置をずらせるだけでなく、前記不透明部分と前記透明部分の幅パターンを変化させることを特徴とする請求項5または6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記一方用画素と、前記他方用画素の間に境界画素を挿入する、境界画素挿入手段を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記シングルモードにおいて、前記境界画素の挿入と共に、前記シャッター手段に不透明部分を形成し、かつ前記光量を前記エコシングルモードよりも増加させるセルフシャドーモードへの切り替えを行う手段を有することを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記境界画素が挿入されたときの前記エコデュアルモードにおいて、前記他方用画素Pの画素数と前記一方用画素Dの画素数の割合を3対1とし、前記境界画素が挿入されたときの前記エコデュアルモードのときの光量を、前記境界画素が挿入されたときの前記通常デュアルモードのときの前記光量よりも少なくしたことを特徴とする請求項8または9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記エコシングルモードから前記通常シングルモードへの切替え、及び前記エコデュアルモードから前記通常デュアルモードへの切替えは、前記表示手段の画像を注視するときを自動検出して行うことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記表示手段の画像を注視するときを自動検出するために、前記表示手段を搭載した車両のナビゲーション装置本体からのナビゲーション装置作動情報、または前記ナビゲーション装置本体からの車両走行情報を判定することを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記ナビゲーション装置本体からの、前記ナビゲーション装置作動情報、または車両走行情報とは、前記車両の運転者がナビゲーション装置本体を操作した情報、前記ナビゲーション装置本体が公差点または分岐点に前記車両が進入することを検出した情報、前記ナビゲーション装置本体が前記地図画情報内に前記運転者向けの告知情報を挿入した情報のいずれかであることを特徴とする請求項12に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−59438(P2011−59438A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−209682(P2009−209682)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】