説明

表面形状測定装置

本発明は測定対象物の表面の2Dイメージを撮像する表面形状測定装置に関する。本発明による表面形状測定装置は、第1単色光を前記測定対象物の表面に照射する第1光源と;前記第1単色光と相異なる色相の第2単色光を前記測定対象物の表面に照射する第2光源と;前記第1光源及び前記第2光源から照射されて前記測定対象物の表面で反射した前記第1単色光及び前記第2単色光を撮像する白黒カメラと;前記第1単色光及び前記第2単色光が前記測定対象物の表面にそれぞれ照射される状態で前記第1単色光及び前記第2単色光にそれぞれ対応する第1白黒イメージデータ及び第2白黒イメージデータが獲得されるように前記第1光源、前記第2光源及び前記白黒カメラを制御し、前記第1白黒イメージデータ及び前記第2白黒イメージデータを利用して前記測定対象物の表面に関する合成カラーイメージを生成する制御部とを含むことを特徴とする。これにより、低コストの白黒カメラを利用してカラー2Dイメージが獲得でき、カラーカメラより処理速度が速い白黒カメラを利用することによって処理速度も向上することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表面形状測定装置に関し、さらに詳しくは、白黒カメラから獲得された白黒イメージデータを利用して合成カラーイメージを生成することができる表面形状測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、コンピューター、携帯電話、PDAなどの普及で電子製品の需要が急増することによって、表面実装技術(SMT:Surface Mount Technology、以下、「SMT」という)を利用した印刷回路基板(PCB:Printed Circuit Board、以下、「PCB」という)の重要性が増している。
【0003】
SMTインラインシステムを構成する装備の中で、検査装備としてPCB基板の表面形状を撮影することができる表面形状測定装置が使われ、このような表面形状測定装置は、部品装着の異常、ソルダーの不良、回路の短絡などのPCB基板の製造の時に発生する異常を検出するのに使われる。
【0004】
SMTインラインシステム上に配置されてPCB基板の表面形状を撮影する表面形状測定装置は、エリアスキャンカメラ(Area−scan camera)を使う形式とラインスキャンカメラ(Line−scan camera)を使う形式とに分類され、通常、エリアスキャンカメラ(Area−scan camera)を使う形式がよく用いられている。
【0005】
一方、表面形状測定装置に使われているカラーカメラには、図1に示すようにそれぞれの画素に色フィルター(Bayer filter)が装着され、このような色フィルターは、それぞれの画素にRed、GreenまたはBlueのフィルターがお互いに隣接しないように配置される。
【0006】
ここで、カラーカメラを利用してカラー映像を作るためには、すべての画素に対してR,G,Bの三つの色情報が必要であるが、実際のカラーカメラでは、一つの画素がR、GまたはBの情報のみを持つようになる。したがって、図2に示すように、直接取得された固有の色情報以外の他の二つの色情報は、隣接する画素の色情報から補間(Interpolation)して得ることになる。図2はこのような補間(Interpolation)の一つの例を示したものである。このようなカラーカメラは、3Dイメージを獲得するための表面形状測定装置のモアレシステムにも適用されている。
【0007】
モアレ縞を利用した3D測定は、一般的に格子(Grating)を測定対象物に映写させた後、格子(Grating)を一定の間隔で3回以上移動させながら映像を獲得して、測定しようとするポイントの明るさの変化を感知することで成り立つ。したがって、モアレ縞を利用する3D測定において重要な点の一つは、測定しようとするポイントまたは画素の明るさの変化をどのくらい正確に感知することができるかである。
【0008】
一般に、モアレ縞を利用する方式の3Dソルダーの検査では、格子照明の光源として単色光を利用しにくい。例えば、光源にBlueを使ってRed系列であるPCBの表面を測定する場合、PCBの表面はRed成分の光だけ反射させるので、カメラはPCBの表面から反射する光を感知することができないし、明るさの変化も感知することができない。したがって、Blue照明では、表面の色がRed系列であるPCBの3次元測定ができない。
【0009】
したがって、色フィルターを利用したカラーカメラが適用されたモアレ3D方式の表面形状測定装置では、格子照明の光源として白色光を使うが、白色光を使っても各画素別にRed、GreenまたはBlueの中で一つの情報しか得ることができないので、66.66%の画素はGreenまたはBlueしか感知できず、3D測定結果を信頼することができなくなる。
【0010】
一方、上記のような3D測定と同じく、2D測定でのカラーイメージの必要性はもっと重要である。そして2D/3D複合検査装備を利用した2D測定の場合にも、カラー映像情報は非常に重要である。
【0011】
2D方式を利用したソルダー検査装備の場合、鉛ソルダーの正確な仕分けのためにサイド照明やトップ照明を利用したカラー映像は非常に重要である。しかし、PCB表面の色相は非常に多様であり、甚だしくは一つのPCBの内部でも、お互いに対照される色相が混在している場合も多数存在する。よって、白黒映像より情報量が3倍多いカラー映像では、2D映像だけでソルダーを抽出することは非常に有効である。
【0012】
また、NG検査の時、大概の場合、2Dイメージと3Dイメージを検査者が直接目で見て最終のNGを決めるが、白黒2Dイメージの場合、ソルダーとパッドとの境界が曖昧な場合がたくさん存在するので、カラー2D映像を利用して検査者にとって明確な結論を導出することができるようにするのが重要である。
【0013】
上記のように2D映像を利用する表面形状測定におけるカラーイメージの重要性にもかかわらず、カラーカメラは白黒カメラに比べてそのコストが高価であり、撮影速度も同一の解像度の場合、白黒カメラに比べて落ちるという短所がある。
【0014】
したがって現実的には、2Dや3D方式の表面形状測定装置には白黒カメラが広く使われているのが実情である。また、モアレ縞を利用する3D装備の場合、カラーカメラが持つ短所、すなわち上述したところのように白色光を使っても3D測定結果の信頼度が下がるという点で、白黒カメラを使う場合が多い。
【0015】
ところが、モアレ縞を利用する3D装備の場合、2D測定が可能な複合検査機の形態に構成され、3D測定の信頼度を高めて製造コストを抑えるために白黒カメラを設置するようになるが、2D測定の時に白黒2Dイメージが持つ問題点、すなわちソルダーとパッドとの境界が曖昧な場合には2D測定の効果が小さくなって、2D/3D複合検査装備としての有用性が小さくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明はこのような問題点に鑑みて提出されたもので、白黒カメラから獲得された白黒イメージデータを利用して合成カラーイメージを生成することができる表面形状測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は上記目的を達するために、測定対象物の表面の2Dイメージを撮像する表面形状測定装置において、第1単色光を前記測定対象物の表面に照射する第1光源と;前記第1単色光と相異なる色相の第2単色光を前記測定対象物の表面に照射する第2光源と;前記第1光源及び前記第2光源から照射されて前記測定対象物の表面で反射した前記第1単色光及び前記第2単色光を撮像する白黒カメラと;前記第1単色光及び前記第2単色光が前記測定対象物の表面にそれぞれ照射される状態で前記第1単色光及び前記第2単色光にそれぞれ対応する第1白黒イメージデータ及び第2白黒イメージデータが獲得されるように前記第1光源、前記第2光源及び前記白黒カメラを制御し、前記第1白黒イメージデータ及び前記第2白黒イメージデータを利用して前記測定対象物の表面に関する合成カラーイメージを生成する制御部とを含むことを特徴とする表面形状測定装置を提供する。
【0018】
ここで、前記第1単色光は緑色光及び青色光のうちいずれか一つを含み、前記第2単色光は赤色光を含むことができる。
【0019】
そして、前記制御部は、前記第2白黒イメージデータと、前記青色光及び前記緑色光のうちいずれか一つの照射によって獲得された前記第1白黒イメージデータとに基づいて前記青色光及び前記緑色光のうちの他の一つに対する第3白黒イメージデータを算出して、前記第1白黒イメージデータ、前記第2白黒イメージデータ及び前記算出された第3白黒イメージデータを合成して前記合成カラーイメージを生成することができる。
【0020】
ここで、前記制御部は、下記数学式、I_3rd_data=n×(I_1st_data) + m × (I_2nd_data)(ここで、I_1st_dataは前記第1白黒イメージデータであり、I_2nd_dataは前記第2白黒イメージデータであり、I_3rd_dataは第3白黒イメージデータであり、n及びkは前記第3白黒イメージデータを算出するために前記第1白黒イメージデータに付与される定数であり、m及びpは前記第3白黒イメージデータを算出するために前記第2白黒イメージデータに付与される定数である)によって前記第3白黒イメージデータを算出することができる。
【0021】
一方、前記目的は本発明の他の実施形態により、測定対象物の表面の2Dイメージを撮像する表面形状測定装置において、第1単色光を前記測定対象物の表面に照射する第1光源と;前記第1単色光と相異なる色相の第2単色光を前記測定対象物の表面に照射する第2光源と;前記第1単色光及び前記第2単色光と相異なる色相の第3単色光を前記測定対象物の表面に照射する第3光源と;前記第1光源、前記第2光源及び前記第3光源から照射されて前記測定対象物の表面で反射した前記第1単色光、前記第2単色光及び前記第3単色光を撮像する白黒カメラと;前記第1単色光、前記第2単色光及び前記第3単色光が前記測定対象物の表面にそれぞれ照射される状態で前記第1単色光、前記第2単色光及び前記第3単色光にそれぞれ対応する第1白黒イメージデータ、第2白黒イメージデータ及び第3白黒イメージデータが獲得されるように前記第1光源、前記第2光源、前記第3光源及び前記白黒カメラを制御し、前記第1白黒イメージデータ、前記第2白黒イメージデータ及び前記第3白黒イメージデータを合成して前記測定対象物の表面に対する合成カラーイメージを生成する制御部とを含むことを特徴とする表面形状測定装置によっても達成することができる。
【0022】
ここで、前記第1単色光は青色光を含み、前記第2単色光は赤色光を含み、前記第3単色光は緑色光を含むことができる。
【0023】
そして、前記制御部は、前記第1白黒イメージデータ、前記第2白黒イメージデータ及び前記第3白黒イメージデータを互いに対応するピクセルについてのR,G,Bデータで処理して前記合成カラーイメージを生成することができる。
【0024】
ここで、前記白黒カメラは、エリアスキャンカメラ(Area−scan camera)またはラインスキャンカメラ(Line−scan camera)の形態にて設けることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、白黒カメラから獲得された白黒イメージデータを利用して合成カラーイメージを生成することができる表面形状測定装置が提供される。これにより、低コストの白黒カメラを利用してカラー2Dイメージが獲得でき、カラーカメラより処理速度が速い白黒カメラを利用することによって処理速度も向上することができる。
【0026】
また、モアレ縞を利用した2D及び3D検査装置に適用される場合、白黒カメラを利用しながらも2D測定の時にカラーイメージを獲得することができるようになって、2D及び3D検査装置の実用価値を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】カラーカメラに適用される色フィルター及びその補間(Interpolation)法を説明するための図面である。
【図2】カラーカメラに適用される色フィルター及びその補間(Interpolation)法を説明するための図面である。
【図3】本発明の第1実施形態による表面形状測定装置の構成の一つの例を示す図面である。
【図4】本発明の第1実施形態による表面形状測定装置によって獲得された第1白黒イメージデータ及び第2白黒イメージデータによって表現される白黒2Dイメージの例を示す図面である。
【図5】図4の第1白黒イメージデータ及び第2白黒イメージデータを利用して生成された合成カラーイメージの例を示す図面である。
【図6】本発明の第2実施形態による表面形状測定装置の構成の一つの例を示す図面である。
【符号の説明】
【0028】
10:白黒カメラ
31:第1光源
32:第2光源
33:第3光源
40:制御部
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は測定対象物の表面の2Dイメージを撮像する表面形状測定装置において、第1単色光を前記測定対象物の表面に照射する第1光源と;前記第1単色光と相異なる色相の第2単色光を前記測定対象物の表面に照射する第2光源と;前記第1光源及び前記第2光源から照射されて前記測定対象物の表面で反射した前記第1単色光及び前記第2単色光を撮像する白黒カメラと;前記第1単色光及び前記第2単色光が前記測定対象物の表面にそれぞれ照射される状態で前記第1単色光及び前記第2単色光にそれぞれ対応する第1白黒イメージデータ及び第2白黒イメージデータが獲得されるように前記第1光源、前記第2光源及び前記白黒カメラを制御して、前記第1白黒イメージデータ及び前記第2白黒イメージデータを利用して前記測定対象物の表面に関する合成カラーイメージを生成する制御部とを含むことを特徴とする表面形状測定装置に関する。
【0030】
以下、添付された図面を参照して本発明に係る実施形態をさらに詳しく説明する。
【0031】
図3は本発明の第1実施形態による表面形状測定装置の構成の一つの例を示す図面である。本発明の第1実施形態による表面形状測定装置の一例は、2D測定装置に適用されたものである。
【0032】
図3を参照して説明すれば、本発明による表面形状測定装置は、第1光源31、第2光源32、白黒カメラ10、及び制御部40を含む。
【0033】
第1光源31は第1単色光を測定対象物100の表面に照射し、第2光源32は、第1光源31が照射する第1単色光と相異なる色相の第2単色光を測定対象物100の表面に照射する。ここで、本発明による表面形状測定装置の第1光源31で照射される第1単色光は、一例として緑色光または青色光であり、第2光源32で照射される第2単色光は、一例として赤色光である。
【0034】
そして、第1光源31及び第2光源32は、トップ照明TL及び/またはサイド照明SLの形態に設置される。図3では、一例として、第1光源31及び第2光源32をトップ照明TLとサイド照明SLとに適用している。すなわち、本発明の一例では、第1光源31及び第2光源32はトップ照明TL側にそれぞれ設けられ、また、第1光源31及び第2光源32はサイド照明SL側にもそれぞれ設けられる。これにより、測定対象物100の形態に応じてトップ照明TLやサイド照明SLを適切に利用したり、トップ照明TLとサイド照明SLとの両方を利用することができる。
【0035】
ここで、本発明による第1光源31及び第2光源32は、一例として、制御部40の制御によって点滅するLED(Light Emitting Diode)の形態をとり、制御部40の制御によって白黒カメラ10の撮像に同期して点灯される。
【0036】
白黒カメラ10は、第1光源31及び第2光源32から照射されて測定対象物100の表面から反射した第1単色光及び第2単色光を撮像する。そして、白黒カメラ10は、第1単色光及び第2単色光に対して撮像された白黒イメージデータを制御部40に伝達する。
【0037】
以下、第1光源31から第1単色光が照射された状態で白黒カメラ10によって撮像されて獲得された白黒イメージデータを第1白黒イメージデータと言い、第2光源32から第2単色光が照射された状態で白黒カメラ10によって撮像されて獲得された白黒イメージデータを第2白黒イメージデータと定義して説明する。
【0038】
制御部40は、第1単色光が測定対象物100の表面に照射される状態で第1単色光に対応する第1白黒イメージデータが獲得されるように、第1光源31及び白黒カメラ10を制御する。また、制御部40は、第2単色光が測定対象物100の表面に照射される状態で第2単色光に対応する第2白黒イメージデータが獲得されるように、第2光源32及び白黒カメラ10を制御する。
【0039】
ここで、本発明による白黒カメラ10は、エリアスキャンカメラ(Area−scan camera)またはラインスキャンカメラ(Line−scan camera)の形態をとることができる。そして、白黒カメラ10がエリアスキャンカメラ(Area−scan camera)の形態をとる場合、制御部40は、一つのFOV(Field Of View)を撮影する時、第1光源31から第1単色光が照射される状態で第1白黒イメージデータを獲得し、同一のFOV(Field Of View)に対して第2光源32から第2単色光が照射される状態で第2白黒イメージデータを獲得する。そして、制御部40は、次のFOV(Field Of View)に対しても同一の方法で第1白黒イメージデータ及び第2白黒イメージデータを獲得する方法で、測定対象物100の表面全体に対する第1白黒イメージデータ及び第2白黒イメージデータを獲得することができる。
【0040】
また、本発明による白黒カメラ10がラインスキャンカメラ(Line−scan camera)の形態をとる場合、制御部40は、一つのラインスキャンに対して第1白黒イメージデータ及び第2白黒イメージデータを獲得する方法で、測定対象物100の表面全体に対する第1白黒イメージデータ及び第2白黒イメージデータを獲得することができる。
【0041】
上記のような方法で第1白黒イメージデータ及び第2白黒イメージデータが獲得されると、制御部40は、第1白黒イメージデータ及び第2白黒イメージデータを利用して測定対象物100の表面に対する合成カラーイメージを生成する。
【0042】
ここで、第1単色光が青色光で、第2単色光が赤色光であることを例にして、制御部40が合成カラーイメージを生成する方法について説明すれば次のようである。
【0043】
第1白黒イメージデータは、青色光が測定対象物100の表面に照射される状態で白黒カメラ10によって撮像されたデータであり、第2白黒イメージデータは、赤色光が測定対象物100の表面に照射される状態で白黒カメラ10によって撮像されたデータである。
【0044】
この時、制御部40は、第1白黒イメージデータを合成カラーイメージの生成のためのR,G,Bデータの中のBlueデータと認識し、第2白黒イメージデータを合成カラーイメージの生成のためのRedデータと認識する。
【0045】
そして、制御部40は、第1白黒イメージデータ及び第2白黒イメージデータに基づいて、第3白黒イメージデータのGreenデータを算出する。ここで、第3白黒イメージデータを算出する方法の一つの例は、下の[数学式1]の通りである。
【0046】
[数学式1]
I_3rd_data = n × (I_1st_data) + m × (I_2nd_data)
ここで、I_1st_dataは第1白黒イメージデータであり、I_2nd_dataは第2白黒イメージデータであり、I_3rd_dataは第3白黒イメージデータであり、n及びkは上記第3白黒イメージデータを算出するために上記第1白黒イメージデータに付与される定数であり、m及びpは上記第3白黒イメージデータを算出するために上記第2白黒イメージデータに付与される定数である。
【0047】
上記のような方法ですべての画素に対して第3白黒イメージデータが算出されると、制御部40は、第1白黒イメージデータ、第2白黒イメージデータ及び第3白黒イメージデータを合成して合成カラーイメージを生成する。この時、制御部40は、第1白黒イメージデータ、第2白黒イメージデータ及び第3白黒イメージデータを互いに対応するピクセルに対するR,G,Bデータで処理することで、合成カラーイメージを生成することになる。
【0048】
図4及び図5は、本発明による表面形状測定装置を利用して第1白黒イメージデータ及び第2白黒イメージデータを獲得し、これを利用して合成カラーイメージを生成した例を示す図面である。
【0049】
図4を参照して説明すれば、図4(a)は、第1光源31から第1単色光として青色光が照射された状態で白黒カメラ10によって撮像されて獲得した第1白黒イメージデータを白黒イメージで表示したものであり、図4(b)は、第2光源32から第2単色光として赤色光が照射された状態で白黒カメラ10によって撮像されて獲得した第2白黒イメージデータを白黒イメージで表示したものである。
【0050】
図4(a)及び(b)に示すように、第1単色光及び第2単色光がそれぞれ照射された状態で白黒カメラ10を利用して撮像して第1白黒イメージデータ及び第2白黒イメージデータを獲得すれば、当該第1白黒イメージデータ及び第2白黒イメージデータは、色相に関する情報ではなく明るさに関する情報のみを持つようになる。
【0051】
ここで、制御部40は、[数学式1]のように第1白黒イメージデータ及び第2白黒イメージデータを利用して第3白黒イメージデータを算出し、3個の白黒イメージデータをカラーイメージに関するR,G,Bデータで処理して合成することにより、図5のような合成カラーイメージが生成される。
【0052】
図4及び図5に示すように、青色光または赤色光の照射によって獲得された白黒イメージではソルダーとパッドとの境界が明確ではないが、合成カラーイメージを生成するとソルダーとパッドとの境界が明確になることが分かる。
【0053】
上記のような構成により、白黒カメラ10によって獲得された白黒イメージデータを利用して合成カラーイメージを生成することによって、低コストの白黒カメラ10を設置しながらもカラーイメージが獲得できて、カラーカメラより処理速度が速い白黒カメラ10を利用することによって処理速度も向上できる。
【0054】
図6は、本発明の第2実施形態に係る表面形状測定装置の構成を示す図面である。本発明の第2実施形態は、表面形状測定装置が2D/3D測定装置のモアレシステムに適用された例である。
【0055】
図6を参照して説明すれば、本発明の第2実施形態による表面形状測定装置は、3D光源部50、白黒カメラ10、第1光源31、第2光源32、及び制御部40を含む。
【0056】
3D光源部50は、3D測定時に測定対象物100の表面に光を照射する。ここで、本発明による3D光源部50は、測定対象物100が置かれる基準面(図示せず。理想的に、測定対象物100がPCB基板の場合、PCB基板の表面)で一定の間隔を挟んで配置される3D光源51と、測定対象物100と光源の間に配置されて格子縞が刻まれた投影格子52とを含むことができる。
【0057】
3D光源51は白色光を発光するものが好ましく、小型軽量で価格が比較的安価な半導体レーザーと呼ばれるレーザーダイオードやハロゲン光源やLED光源を用いることができる。そして、投影格子52に近接するように投影格子52と測定対象物100の間には、投影格子52を通った光を測定対象物100に投影する投影レンズ53を配置することができる。
【0058】
投影格子52には格子縞が形成されている。3D光源51から放出された光は投影格子52を通りながら格子縞の光に転換され、このような格子縞の光が測定対象物100の表面から反射してモアレ縞を持つようになることで、測定対象物100表面の3次元情報を得ることができる。
【0059】
ここで、投影格子52は格子移動部(図示せず)によって、光の透過方向に対して垂直方向に微小移動する。これにより、投影格子52に形成された格子縞の位相遷移が可能になり、投影格子52を通って測定対象物100の表面で反射して白黒カメラ10によって撮像されたモアレ縞によって、制御部40が測定対象物100の表面形状に対する3D情報を得るようになる。
【0060】
一方、図6に示す表面形状測定装置によって2Dイメージを獲得する場合は、上記の第1実施形態に対応する。すなわち、制御部40は、第1光源31からの第1単色光が測定対象物100の表面に照射される状態で第1単色光に対応する第1白黒イメージデータが獲得されるように、第1光源31及び白黒カメラ10を制御する。また、制御部40は、第2光源32からの第2単色光が測定対象物100の表面に照射される状態で第2単色光に対応する第2白黒イメージデータが獲得されるように、第2光源32及び白黒カメラ10を制御する。
【0061】
そして、制御部40は、第1白黒イメージデータ及び第2白黒イメージデータが獲得されると、第1白黒イメージデータ及び第2白黒イメージデータを利用して測定対象物100の表面に対する合成カラーイメージを生成する。ここで、制御部40は、第1白黒イメージデータ及び第2白黒イメージデータを利用して第3白黒イメージデータを算出し、第1白黒イメージデータ、第2白黒イメージデータ及び第3白黒イメージデータを合成して合成カラーイメージを生成する。この過程は上述した第1実施形態と同一である。
【0062】
このように、モアレ縞を利用した2D/3D測定装置に白黒カメラ10を設置しても、2Dの場合にカラーイメージを獲得し、3Dの場合にカラーイメージの獲得による色情報の損失なしに白黒の3Dイメージを得ることができるようになって、2D/3D測定装置の有用性を増加させることができる。
【0063】
上記の実施形態では、第1白黒イメージデータ及び第2白黒イメージデータを白黒カメラ10によって獲得し、第1白黒イメージデータ及び第2白黒イメージデータを利用して第3白黒イメージデータを算出することを一つの例にした。
【0064】
一方、本発明による表面形状測定装置は、第1単色光及び第2単色光と相異なる第3単色光を測定対象物100の表面に照射する第3光源33を含み、第3光源33から第3単色光が照射された状態で白黒カメラ10が測定対象物100の表面を撮像して第3白黒イメージデータを獲得するように制御部40を構成することもできる。
【0065】
これによって、制御部40は、第1単色光、第2単色光及び第3単色光のそれぞれに対応する第1白黒イメージデータ、第2白黒イメージデータ及び第3白黒イメージデータを白黒カメラ10によって獲得し、獲得された第1白黒イメージデータ、第2白黒イメージデータ及び第3白黒イメージデータをR,G,Bデータで処理して合成カラーイメージを生成することができる。
【0066】
図3及び図6の説明しない参照符号20は、測定対象物100から反射した光を白黒カメラ側に集光する集光レンズ20である。
【0067】
また、上記の本発明の第2実施形態では、2D/3D測定のための表面形状測定装置がモアレ方式を使う場合を一つの例にしている。それ以外にも、他の方式の3D測定装置における2D測定に、本発明による表面形状測定装置が適用できることは勿論である。
【0068】
いくつかの実施形態を示して本発明を説明したが、本発明の属する技術分野の通常の知識を有する当業者ならば、本発明の原則や精神から逸脱せずに本実施形態が変形できることが分かるであろう。発明の範囲は添付された請求項とその均等物によって定められる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、白黒カメラから獲得された白黒イメージデータを利用して合成カラーイメージを生成することができる表面形状測定分野に適用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物の表面の2Dイメージを撮像する表面形状測定装置において、
第1単色光を前記測定対象物の表面に照射する第1光源と;
前記第1単色光と相異なる色相の第2単色光を前記測定対象物の表面に照射する第2光源と;
前記第1光源及び前記第2光源から照射されて前記測定対象物の表面で反射した前記第1単色光及び前記第2単色光を撮像する白黒カメラと;
前記第1単色光及び前記第2単色光が前記測定対象物の表面にそれぞれ照射される状態で前記第1単色光及び前記第2単色光にそれぞれ対応する第1白黒イメージデータ及び第2白黒イメージデータが獲得されるように前記第1光源、前記第2光源及び前記白黒カメラを制御し、前記第1白黒イメージデータ及び前記第2白黒イメージデータを利用して前記測定対象物の表面に関する合成カラーイメージを生成する制御部と、を含むことを特徴とする表面形状測定装置。
【請求項2】
測定対象物の表面の2Dイメージを撮像する表面形状測定装置において、
第1単色光を前記測定対象物の表面に照射する第1光源と;
前記第1単色光と相異なる色相の第2単色光を前記測定対象物の表面に照射する第2光源と;
前記第1単色光及び前記第2単色光と相異なる色相の第3単色光を前記測定対象物の表面に照射する第3光源と;
前記第1光源、前記第2光源及び前記第3光源から照射されて前記測定対象物の表面で反射した前記第1単色光、前記第2単色光及び前記第3単色光を撮像する白黒カメラと;
前記第1単色光、前記第2単色光及び前記第3単色光が前記測定対象物の表面にそれぞれ照射される状態で前記第1単色光、前記第2単色光及び前記第3単色光にそれぞれ対応する第1白黒イメージデータ、第2白黒イメージデータ及び第3白黒イメージデータが獲得されるように前記第1光源、前記第2光源、前記第3光源及び前記白黒カメラを制御し、前記第1白黒イメージデータ、前記第2白黒イメージデータ及び前記第3白黒イメージデータを合成して前記測定対象物の表面に関する合成カラーイメージを生成する制御部と、を含むことを特徴とする表面形状測定装置。
【請求項3】
前記第1単色光は青色光を含み;
前記第2単色光は赤色光を含み;
前記第3単色光は緑色光を含むことを特徴とする請求項2に記載の表面形状測定装置。
【請求項4】
前記第1単色光は緑色光及び青色光のうちいずれか一つを含み;
前記第2単色光は赤色光を含むことを特徴とする請求項1に記載の表面形状測定装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第2白黒イメージデータと、前記青色光及び前記緑色光のうちいずれか一つの照射によって獲得された前記第1白黒イメージデータとに基づいて前記青色光及び前記緑色光のうちの他の一つに対する第3白黒イメージデータを算出して;
前記第1白黒イメージデータ、前記第2白黒イメージデータ及び前記算出された第3白黒イメージデータを合成して前記合成カラーイメージを生成することを特徴とする請求項4に記載の表面形状測定装置。
【請求項6】
前記制御部は、下記数学式、
I_3rd_data = n × (I_1st_data) + m × (I_2nd_data)
(ここで、I_1st_dataは前記第1白黒イメージデータであり、I_2nd_dataは前記第2白黒イメージデータであり、I_3rd_dataは第3白黒イメージデータであり、n及びkは前記第3白黒イメージデータを算出するために前記第1白黒イメージデータに付与される定数であり、m及びpは前記第3白黒イメージデータを算出するために前記第2白黒イメージデータに付与される定数である)によって前記第3白黒イメージデータを算出することを特徴とする請求項5に記載の表面形状測定装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1白黒イメージデータ、前記第2白黒イメージデータ及び前記第3白黒イメージデータを互いに対応するピクセルについてのR,G,Bデータで処理して前記合成カラーイメージを生成することを特徴とする請求項3または5に記載の表面形状測定装置。
【請求項8】
前記白黒カメラは、エリアスキャンカメラ(Area−scan camera)またはラインスキャンカメラ(Line−scan camera)の形態にて設けられることを特徴とする請求項7に記載の表面形状測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−521256(P2011−521256A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−510413(P2011−510413)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【国際出願番号】PCT/KR2009/001611
【国際公開番号】WO2009/142390
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(510306971)ペムトロンカンパニーリミテッド (1)
【Fターム(参考)】