説明

被加熱調理容器

【課題】緻密な温度調整、均一加熱などができ、調理性能を十分確保しつつ使い勝手がよく、利便性に優れた組込み型の誘導加熱調理器用の大容量、大底径を有した被加熱調理容器を提供すること。
【解決手段】トッププレートの下方に配設された複数個の誘導加熱装置の加熱部を覆い隠すように形成することで、大容量、大底径を有した構成とすることができ、トッププレートの面に効率的に当接させて操作部ユニットにより複数個の加熱部を同時に一定火力で加熱、制御したり、複数個の加熱部をそれぞれ異なる火力で加熱、制御したりできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に家庭用のキッチンに組み込まれる組込み型誘導加熱調理器の加熱用調理容器に関し、特に複数の加熱バーナーを覆って複数の加熱バーナーで効率よく加熱される構成の被加熱調理容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の家庭用のキッチンに組み込まれる組込み型誘導加熱調理器用の被加熱調理容器の構成において加熱は、1バーナーに1個の鍋やフライパンといった被加熱調理容器を調理面を構成するガラスプレートに配置して加熱するように構成したものが一般的である。
【0003】
まず図8は従来の組込み型の誘導加熱調理器用の被加熱調理容器の一例を示すものである。図8に示すように本体ユニット80は外郭ケース81の中に2口の誘導加熱装置82と冷却装置83と制御装置84を配設して構成し、トップユニット85はトップフレーム86の下方にトッププレート87とさらにその下方にアンダーフレーム88を配設し、トップフレーム86とトッププレート87とアンダーフレーム88を互いに接着、かしめて固定している。ここで本体ユニット80の上方開口部を覆うようにトップユニット85を載置して、アンダーフレーム88に溶接された取付金具89で外郭ケース81とビス締め固定され、キッチン天面90に配設されたキッチン穴開口91に本体ユニット80が収まり、キッチン天面90の上にアンダーフレーム88が載置されるようにキッチンに組み込まれる。ここで操作部ユニット93によって2口の誘導加熱装置82の加熱部92a、92bが別々に制御され、トッププレート87に載置されたそれぞれの被加熱調理容器94、95を加熱するよう構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】実開平6−68626号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ここで図6、図7に代表される従来の組込み型の誘導加熱調理器用の被加熱調理容器において、トッププレート87の下方に配置された誘導加熱装置82の加熱部92a、92bに合わせてそれぞれ被加熱調理容器94、95を配置し、操作部ユニット93によりそれぞれ加熱、制御されるため、温度調整、加熱ムラなどの調理性能を損なわないよう使用制約として鍋底径略26cm以下の鍋類しか使えないという課題を有していた。
【0005】
また、パーティーや大家族団らんで焼きそばなど5〜6人前同時にうまく調理するための機能がなく使い勝手と利便性に欠けるという課題を有していた。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、鍋底径略26cm以下という使用制約をなくした大容量、大底径の被加熱調理容器やパーティーや大家族団らんで焼きそばなど5〜6人前同時にうまく調理するための被加熱調理容器を複数の誘導加熱装置82の加熱部92a、92bで同時に加熱し、精度よく制御する構成とすることで、使い勝手がよく、利便性に優れた組込み型の誘導加熱調理器用の被加熱調理容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、トッププレートの下方に配設された複数個の誘導加熱装置の加熱部を覆い隠すように1個の被加熱調理容器を形成することで、大容量、大底
径を有した被加熱調理容器を使用でき、トッププレートの面に効率的に当接させて操作部ユニットにより加熱部を同時に一定火力で加熱、制御したり、加熱部のそれぞれ異なる火力で加熱、制御したりできるため、緻密な温度調整、均一加熱などができ、調理性能を十分確保しつつ使い勝手がよく、利便性に優れた組込み型の誘導加熱調理器用の大容量、大底径を有した被加熱調理容器を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の被加熱調理容器は、トッププレートの下方に配設された複数個の誘導加熱装置の加熱部を覆い隠すように形成することで、大容量、大底径を有した構成とすることができ、トッププレートの面に効率的に当接させて操作部ユニットにより複数個の加熱部を同時に一定火力で加熱、制御したり、複数個の加熱部をそれぞれ異なる火力で加熱、制御したりできるため、緻密な温度調整、均一加熱などができ、調理性能を十分確保しつつ使い勝手がよく、利便性に優れた組込み型の誘導加熱調理器用の大容量、大底径を有した被加熱調理容器を提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
第1の発明は、組込み型誘導加熱調理器において、トッププレートの下方に配設された複数個の誘導加熱装置の加熱部を少なくとも2個以上覆い隠すように前記トッププレートに載置される被加熱調理容器であって、前記被加熱調理容器の底面にはそれぞれの前記誘導加熱装置の加熱部を覆う同心円状の加熱凸部を複数個有し、前記複数個の加熱凸部は前記トッププレートと当接してなる構成とすることにより、大容量、大底径を有した被加熱調理容器を形成することができ、底径26cmを超える大鍋による調理やパーティーや大家族団らんでの5〜6人前焼きそば同時調理などに最適で、調理性能、利便性に優れた組込み型誘導加熱調理器用の被加熱調理容器を提供することができる。
【0010】
第2の発明は、特に、第1の発明の一つの被加熱調理容器は、トッププレートの端面を全周覆うように嵌合したトップフレームの端面で係止する位置決めリブを配設することにより、被加熱調理容器で覆い隠された複数個の加熱部に対して、所定のトッププレートの位置に常に配置でき、被加熱調理容器への加熱、制御が変動することなく安定した調理性能を確保することができる。また使用者が配置を気にすることなく位置決めできて使い勝手のよい被加熱調理容器を提供することができる。
【0011】
第3の発明は、特に、第1の発明の一つの複数個の誘導加熱装置おのおのの加熱部の略加熱範囲に合わせて、加熱ゾーン、保温ゾーンを配設し、前記加熱ゾーンと前記保温ゾーンの調理面にそれぞれ異なる形状を有することにより、複数個の誘導加熱装置の火力を別々に設定して加熱ゾーンと保温ゾーンにそれぞれ対応した誘導加熱装置の火力を供給して温度制御し、かたや火力感、かたや焦げ付き防止の保温が同時にできる使い勝手と利便性に優れた被加熱調理容器を提供することができる。
【0012】
第4の発明は、特に、第1の発明の1つのアルミニウム加熱可能な誘導加熱装置を有した誘導加熱調理器において、全体をアルミニウムで構成することにより、加熱による調理面の均一でリニアな温度上昇が可能で、大容量の被加熱調理容器であるため、ヒートマスは増大し、熱しやすく、さめにくい調理面を構成することができ、特にクレープやホットケーキやお好み焼きといった調理に最適で、出来栄えのよい料理を作ることができる。
【0013】
第5の発明は、特に、第1の発明の1つの被加熱調理容器の温度を検知して制御する温度検知装置は、それぞれの誘導加熱装置に少なくとも1個配設され、前記被加熱調理容器を温度制御する前記温度検知装置の内の1個が異常温度を検知して加熱を停止すると、同時に残りの前記温度検知装置も加熱を停止するよう制御することにより、広範囲での調理時に任意の部位の異常温度を迅速に検知でき、他の誘導加熱装置も安全かつ迅速に加熱停
止することができる。
【0014】
第6の発明は、特に、第1の発明の1つの被加熱調理容器を加熱する複数個の誘導加熱装置をすべて同時に加熱開始または加熱停止する1個の一括スイッチを配設することにより、1度に複数個の誘導加熱装置の加熱開始または加熱停止をすることができ、使い勝手と利便性に優れた被加熱調理容器を提供することができる。
【0015】
第7の発明は、特に、第6の発明の1つの組込み型誘導加熱調理器に1個の一括スイッチに付随して火力調節可能な一括火力操作キーを配設し、前記一括火力操作キーを押して所定の火力に設定すれば被加熱調理容器を加熱する複数個の誘導加熱装置の消費電力をすべて同じに制御することにより、1度の操作で複数個の誘導加熱装置が同じ火力を被加熱調理容器に供給することができ、均一で温度ムラの少ない調理を実現することができる。
【0016】
第8の発明は、特に、第3及び第7の発明の1つの組込み型誘導加熱調理器の複数個の誘導加熱装置それぞれに対応して、火力調節可能な個別火力操作キーを配設することにより、被加熱調理容器を加熱する複数個の誘導加熱装置を調理シーンに合わせて異なる温度設定にすることができる。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器用の被加熱調理容器の要部断面図を示すものである。
【0019】
図1において、キッチンカウンター1の開口穴に組み込まれた誘導加熱調理器本体2は、板金製の外郭ケース3の中に略円形でΦ180mm以上の直径を有する3口の加熱コイルで構成された誘導加熱装置4a、4b、4cを配設し、その下方に相対して3つの制御装置5a、5b、5c及び3つの冷却装置6a、6b、6cを配設し、誘導加熱装置4a、4b、4cのそれぞれ略中央に構成されかつトッププレート9の下面に当接するように温度検知装置7a、7b、7cが配設されている。
【0020】
次に外郭ケース3の上方開口を覆うようにトップユニット8を嵌合し、ビス締め固定している。トップユニット8はトッププレート9の端面を全周覆いトッププレート9の上面より突出させて段差を設けて嵌合したトップフレーム10と、トッププレート9の下面を接着して載置するアンダーフレーム11で構成されている。
【0021】
ここでクラッド材でできた被加熱調理容器12は、トッププレート9の下方に配設された3口の誘導加熱装置4a、4b、4cをすべて覆い、加熱凸部13a、13b、13cそれぞれが誘導加熱装置4a、4b、4cの略円形の加熱コイルを覆うように略同心円状に形成され、トッププレート9に当接、載置される。被加熱調理容器12の調理面14は前面フラットで両端には樹脂製の把手15が配設されている。なお、キッチンカウンター1に配設された操作部16は制御装置5a、5b、5cに電気的に接続されている。
【0022】
以上のように構成された誘導加熱調理器用の被加熱調理容器について、以下その動作、作用を説明する。
【0023】
操作部15により誘導加熱装置4a、4b、4cに電力が供給されると、トッププレート9に載置された被加熱調理容器12の加熱凸部13a、13b、13cそれぞれが加熱され調理面14全体を加熱することができ、幅約800mm、奥行き約250mmの大容
量の被加熱調理容器12を提供することができるように作用する。さらに被加熱調理容器12の大きさ、ヒートマスに応じた火力、消費電力を3口の誘導加熱装置4a、4b、4cで効率よく発生させるとともに、調理面14を均一に加熱して5〜6人前の焼きそばや野菜炒めなどを一度に出来栄えよく調理することができ、大容量調理に最適で調理性能、利便性に優れた被加熱調理容器12を提供できるように作用する。
【0024】
なお、被加熱調理容器12はクラッド材としているが、調理の種類によって本実施の形態1の作用を有するものであれば、どのような材料であってもよい。
【0025】
また、本実施の形態1では3口の誘導加熱装置を配設しているが、2口以上の誘導加熱装置を加熱源とする被加熱調理容器12で構成されればよく、円形、矩形、鍋、フライパン等どのような被加熱調理容器12であってもよい。
【0026】
(実施の形態2)
図2は、本発明の第2の実施の形態における誘導加熱調理器用の被加熱調理容器の要部断面図である。なお、本実施の形態2の基本構成は実施の形態1と同様であるので、その同様な部分の説明は省略し、相違点を中心に説明する。また、実施の形態1と同じ機能には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0027】
図2において、本実施の形態の特徴は、実施の形態1の被加熱調理容器12の4辺に係止リブ21を配設して、誘導加熱調理器本体2のトップフレーム10の突出部22に当接している点である。
【0028】
以上のように構成された誘導加熱調理器用の被加熱調理容器について、以下その動作、作用を説明する。
【0029】
被加熱調理容器12の4辺に係止リブ21を配設して、トップフレーム10の突出部22に当接しているため、トッププレート9の下方に配設された誘導加熱装置4a、4b、4cの円形状の加熱コイルに対して被加熱調理容器12の加熱凸部13a、13b、13cが同心円状に配設されてトッププレート9に当接することで、効率よく被加熱調理容器12を誘導加熱するよう作用するとともに使用者が配置を気にすることなく位置決めできて使い勝手のよい被加熱調理容器12を提供することができるよう作用する。
【0030】
(実施の形態3)
図3は、本発明の第3の実施の形態における誘導加熱調理器用の被加熱調理容器の要部断面図である。なお、本実施の形態3の基本構成は実施の形態1と同様であるので、その同様な部分の説明は省略し、相違点を中心に説明する。また実施の形態1と同じ機能には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0031】
図3において本実施の形態の特徴は、実施の形態1の被加熱調理容器31の調理面32にフラットな形状の加熱ゾーン33と凸凹な形状の保温ゾーン34と両者の境界に境界凸部を配設している点である。
【0032】
以上のように構成された誘導加熱調理器用の被加熱調理容器について、以下その動作、作用を説明する。
【0033】
誘導加熱装置4a、4b、4cの火力を別々に設定して被加熱調理容器31の調理面32にフラットな形状で直接調理物を効率よく加熱する加熱ゾーン33と凸凹な形状で調理物への接触面積を軽減した保温ゾーン34を配設することでそれぞれのゾーンに対応した誘導加熱装置4a、4b、4cの火力を供給して温度制御し、かたや火力感、かたや焦げ
付き防止の保温が同時にできる使い勝手と利便性に優れた被加熱調理容器12を提供することができるように作用する。
【0034】
(実施の形態4)
図1により本発明の第4の実施の形態を説明する。
【0035】
図1において、本実施の形態の特徴は、実施の形態1の誘導加熱装置4a、4b、4cが制御装置5a、5b、5cによりアルミニウム製の被加熱調理容器12を加熱、制御することができる点である。
【0036】
以上のように構成された誘導加熱調理器用の被加熱調理容器について、以下その動作、作用を説明する。
【0037】
誘導加熱装置4a、4b、4cが制御装置5a、5b、5cによりアルミニウム製の被加熱調理容器12を加熱、制御することができるため、アルミニウムの特性を活かして加熱による調理面14の均一でリニアな温度上昇が可能で、大容量の被加熱調理容器12であるため、ヒートマスは増大し、熱しやすく、さめにくい調理面14を構成することができ、特にクレープやホットケーキやお好み焼きといった調理に最適で、出来栄えのよい料理を作ることができるよう作用する。
【0038】
(実施の形態5)
図4は、本発明の第5の実施の形態における誘導加熱調理器用の被加熱調理容器の要部断面図である。なお、本実施の形態5の基本構成は実施の形態1と同様であるので、その同様な部分の説明は省略し、相違点を中心に説明する。また実施の形態1と同じ機能には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0039】
図4において、本実施の形態の特徴は、実施の形態1の誘導加熱装置4a、4b、4cにそれぞれ2個の温度検知装置41a甲、41a乙、41b甲、41b乙、41c甲、41c乙が配設されている点である。
【0040】
以上のように構成された誘導加熱調理器用の被加熱調理容器について、以下その動作、作用を説明する。
【0041】
大容量の被加熱調理容器12の任意の位置での異常温度上昇を検知できるよう誘導加熱装置4a、4b、4cにそれぞれ2個の温度検知装置41a甲、41a乙、41b甲、41b乙、41c甲、41c乙が最適に配設されることで広範囲での調理時の異常温度を迅速に検知でき、他の誘導加熱装置も安全かつ迅速に加熱停止するように作用する。
【0042】
(実施の形態6)
図5は、本発明の第6の実施の形態における誘導加熱調理器の操作部の平面図である。なお、本実施の形態6の基本構成は実施の形態1と同様であるので、その同様な部分の説明は省略し、相違点を中心に説明する。また実施の形態1と同じ機能には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0043】
図5において、本実施の形態の特徴は、実施の形態1の操作部51に電源スイッチ52と一括スイッチ53を配設している点である。
【0044】
以上のように構成された誘導加熱調理器用の被加熱調理容器について、以下その動作、作用を説明する。
【0045】
誘導加熱装置4a、4b、4cをすべて同時に加熱開始または加熱停止する1個の一括スイッチ53を操作部51に配設することにより、電源スイッチ52を押して電源を入れ、一括スイッチ53を押すと1度に誘導加熱装置4a、4b、4cの加熱開始または加熱停止をすることができ、使い勝手と利便性に優れた被加熱調理容器を提供することができるよう作用する。
【0046】
(実施の形態7)
図6は、本発明の第7の実施の形態における誘導加熱調理器の操作部の平面図である。なお、本実施の形態7の基本構成は実施の形態6と同様であるので、その同様な部分の説明は省略し、相違点を中心に説明する。また実施の形態6と同じ機能には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0047】
図6において、本実施の形態の特徴は、実施の形態6の操作部61に一括火力操作キー62と火力レベル表示63を配設している点である。
【0048】
以上のように構成された誘導加熱調理器用の被加熱調理容器について、以下その動作、作用を説明する。
【0049】
操作部61に一括スイッチ53に付随して火力調節可能な一括火力操作キー62を配設し、一括火力操作キー62のアップダウン矢印を押して所定の火力に設定すれば火力レベル表示63が所定の設定位置で点灯し、被加熱調理容器12を加熱する誘導加熱装置4a、4b、4cの消費電力をすべて同じに制御することにより、1度の操作で誘導加熱装置4a、4b、4cが同じ火力を被加熱調理容器12に供給することができ、均一で温度ムラの少ない調理を実現するように作用する。
【0050】
(実施の形態8)
図7は、本発明の第8の実施の形態における誘導加熱調理器の操作部の平面図である。なお、本実施の形態8の基本構成は実施の形態3および7と同様であるので、その同様な部分の説明は省略し、相違点を中心に説明する。また実施の形態3および7と同じ機能には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0051】
図7において、本実施の形態の特徴は、実施の形態3および7の誘導加熱装置4a、4b、4cそれぞれに対応して操作部71に個別加熱スイッチ72a、72b、72cと個別火力操作キー73a、73b、73cと個別火力レベル表示74a、74b、74cを配設している点である。
【0052】
以上のように構成された誘導加熱調理器用の被加熱調理容器について、以下その動作、作用を説明する。
【0053】
誘導加熱装置4a、4b、4cそれぞれに対応して、火力調節可能な個別火力操作キー73a、73b、73cを配設することにより、個別加熱スイッチ72a、72b、72cを押すと、被加熱調理容器12を加熱する誘導加熱装置4a、4b、4cを個別に加熱したり、個別に火力設定したりでき、調理シーンに合わせてきめ細かな設定ができるように作用する。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上のように、本発明にかかる組込み型加熱調理器用被加熱調理容器は、一般家庭のキッチンに組み込まれる全ての誘導加熱調理器に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1及び第4の実施の形態における誘導加熱調理器用の被加熱調理容器の要部断面図
【図2】本発明の第2の実施の形態における誘導加熱調理器用の被加熱調理容器の要部断面図
【図3】本発明の第3の実施の形態における誘導加熱調理器用の被加熱調理容器の要部断面図
【図4】本発明の第5の実施の形態における誘導加熱調理器用の被加熱調理容器の要部断面図
【図5】本発明の第6の実施の形態における誘導加熱調理器の操作部の平面図
【図6】本発明の第7の実施の形態における誘導加熱調理器の操作部の平面図
【図7】本発明の第8の実施の形態における誘導加熱調理器の操作部の平面図
【図8】従来の組込み型加熱調理器の要部断面図
【符号の説明】
【0056】
1 キッチンカウンター
2 誘導加熱調理器本体
3 外郭ケース
4a、4b、4c 誘導加熱装置
5a、5b、5c 制御装置
6a、6b、6c 冷却装置
7a、7b、7c 温度検知装置
8 トップユニット
9 トッププレート
10 トップフレーム
11 アンダーフレーム
12、31 被加熱調理容器
13 加熱凸部
14、32 調理面
15 把手
16、51、61、71 操作部
21 係止リブ
22 突出部
33 加熱ゾーン
34 保温ゾーン
35 境界凸部
41a甲、41a乙、41b甲、41b乙、41c甲、41c乙 温度検知装置
52 電源スイッチ
53 一括スイッチ
62 一括火力操作キー
63 火力レベル表示
72a、72b、72c 個別加熱スイッチ
73a、73b、73c 個別火力操作キー
74a、74b、74c 個別火力レベル表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組込み型誘導加熱調理器において、トッププレートの下方に配設された複数個の誘導加熱装置の加熱部を少なくとも2個以上覆い隠すように前記トッププレートに載置される被加熱調理容器であって、前記被加熱調理容器の底面にはそれぞれの前記誘導加熱装置の加熱部を覆う同心円状の加熱凸部を複数個有し、前記複数個の加熱凸部は前記トッププレートと当接してなる構成とした被加熱調理容器。
【請求項2】
被加熱調理容器は、トッププレートの端面を全周覆うように嵌合したトップフレームの端面で係止する位置決めリブを配設してなる請求項1に記載の被加熱調理容器。
【請求項3】
複数個の誘導加熱装置おのおのの加熱部の略加熱範囲に合わせて、加熱ゾーン、保温ゾーンを配設し、前記加熱ゾーンと前記保温ゾーンの調理面にそれぞれ異なる形状を有した請求項1に記載の被加熱調理容器。
【請求項4】
アルミニウム加熱可能な誘導加熱装置を有した誘導加熱調理器において、全体をアルミニウムで構成した請求項1に記載の被加熱調理容器。
【請求項5】
被加熱調理容器の温度を検知して制御する温度検知装置は、それぞれの誘導加熱装置に少なくとも1個配設され、前記被加熱調理容器を温度制御する前記温度検知装置の内の1個が異常温度を検知して加熱を停止すると、同時に残りの前記温度検知装置も加熱を停止するよう制御してなる請求項1に記載の被加熱調理容器。
【請求項6】
被加熱調理容器を加熱する複数個の誘導加熱装置をすべて同時に加熱開始または加熱停止する1個の一括スイッチを配設してなる請求項1に記載の被加熱調理容器。
【請求項7】
組込み型誘導加熱調理器に1個の一括スイッチに付随して火力調節可能な一括火力操作キーを配設し、前記一括火力操作キーを押して所定の火力に設定すれば被加熱調理容器を加熱する複数個の誘導加熱装置の消費電力をすべて同じに制御してなる請求項6に記載の被加熱調理容器。
【請求項8】
組込み型誘導加熱調理器の複数個の誘導加熱装置それぞれに対応して、火力調節可能な個別火力操作キーを配設してなる請求項3または7に記載の被加熱調理容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−167109(P2010−167109A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−12622(P2009−12622)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】