説明

複合マフラーシステム熱硬化性ポリマー

マフラーアセンブリーは、少なくとも1つの内部チャンバーを画定するハウジングを含む。ハウジングは、熱可塑性樹脂と強化要素から製造された複合材料で構成される。強化要素は、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、鉱物繊維、セラミック繊維、カーボンナノチューブ、ナノフィラー、鉱物フィラー、セラミックフィラー及びこれらの組合せから成る強化材料の群より選択される。ハウジング内にパイプが収容される。パイプは、パイプの内部通路とハウジングのチャンバーとの間の音響伝達を可能にする少なくとも1つの開口を含む。当該チャンバー内に音響減衰材料が収容される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野及び産業上の利用可能性)
本発明は、一般的にマフラーアセンブリー、さらに詳しくは複合材料製マフラーアセンブリーに関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
Zahnらに対する米国特許第5,726,398号は、バンパー/マフラーアセンブリーを開示している。マフラーを画定する構造の一部はバンパー部分をも形成するので、強い衝撃荷重を吸収できなければならない。一定期間の車両運転後にマフラーが不具合になり、交換しなければならない場合、当該欠陥部品を二重機能(すなわち、音響エネルギーの減衰と強い衝撃荷重の吸収)を果たせる高価な部品と交換しなければならない。‘398特許は、バンパー/マフラーアセンブリーを金属から形成しうることをも教示している。金属マフラーに可能な形状とサイズに関する設計の観点から固有の限界がある。従って、不規則な形状の車両の凹所又はくぼみ内に収容できるマフラーを設計する能力は制限される。金属マフラーの金型費が非常に高価であることも知られており、いずれかの特定車両の適用又はモデルのために限られた数だけのマフラーを製造しなければならないのは問題である。
Huffらに対する米国特許第6,668,972号は、金属、樹脂又は複合材料で形成された外側ハウジング又はシェルを含むバンパー/マフラーアセンブリーを開示している。複合材料は、強化繊維と樹脂材料を含むと記載されている。そしてさらに樹脂材料は、フェノール樹脂(限定するものではないが、フェノールホルムアルデヒド樹脂、例えばノボラック及びレゾール樹脂が挙げられる)、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド、高温ナイロン及びポリエーテルエーテルケトンとして同定されている。強化繊維は、ガラス繊維、グラファイト繊維、アラミド繊維、炭素繊維、金属繊維及び/又はセラミック繊維として記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、複合材料製のハウジングを組み入れた新規かつ改良されたマフラーアセンブリーであって、当該ハウジングの少なくとも一部を、車両成分を形成し、それによって二重機能を果たすように成型又は製造しうるマフラーアセンブリーに関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の概要)
本明細書に記載の本発明の目的により、マフラーアセンブリーを提供する。当該マフラーアセンブリーは少なくとも1つの内部チャンバーを画定するハウジングを含む。ハウジングは、熱可塑性樹脂と強化要素から製造された複合材料で構成される。強化要素は、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、鉱物繊維、セラミック繊維、カーボンナノチューブ、ナノフィラー、鉱物フィラー、セラミックフィラー及びこれらの組合せから成る強化繊維の群から選択される。マフラーアセンブリーは、ハウジング内に収容されるパイプをも含む。パイプは、パイプの内部通路とハウジングのチャンバーとの間の音響伝達を提供する少なくとも1つの開口を含む。なおさらに、マフラーアセンブリーはハウジングのチャンバー内に収容される音響減衰材料を含む。
複合材料を形成するために利用される熱可塑性樹脂は、ポリアミド、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、芳香族ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフタルアミド、ポリフェニレンスルフィド、シンジオタクチックポリスチレン、ポリエーテルイミド/シリコーンブレンド、液晶ポリマー、ポリブチレンテレフタラート、ポリエチレンテレフタラート、環状熱可塑性樹脂、大環状ブチレンテレフタラート、大環状エチレンテレフタラート、大環状ポリカルボナート、熱可塑性ウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルエーテルケトン及びこれらの組合せから成る樹脂材料の群から選択される。
【0005】
1つの可能な実施形態では、複合材料は、ガラス繊維質量分率が約5〜約90質量%の範囲であり、前記ガラス繊維分率の約5質量%より多くが50以上の原長対直径比を有するガラス強化要素を含む。
さらに別の実施形態では、複合材料は、約0〜約90質量%のポリプロピレンと、約0〜約90質量%のポリエチレンテレフタラートと、約10〜約85質量%のガラス繊維との混合物である。
いずれの実施形態でも、複合材料は、いくらかの熱硬化性樹脂を含んでもよい。当該熱硬化性樹脂は、不飽和ポリエステル、ジシクロペンタジエン、フェノール樹脂、フェノールホルムアルデヒド、ノボラック、レゾール、エポキシ、ビニルエステル、ウレタン及びこれらの組合せから成る熱硬化性樹脂の群より選択されうる。
なおさらに本発明を説明すると、ハウジングは入口と出口を含みうる。入口に第1ヒートシンクを設け、出口に第2ヒートシンクを設けうる。さらに、ハウジングは、外側被覆(overmolded)強化物を含んでよい。当該外側被覆強化物は、不織繊維マット、織り繊維マット、単方向性繊維織物、金属シーティング(sheeting)及びこれらの組合せから成る群より選択される材料で構成されたインレー(inlay)であってよい。さらに詳細には、インレーは、ガラス繊維、天然繊維、炭素繊維、鉱物繊維、金属繊維、アラミド繊維及びこれらの組合せから成る材から製造されうる。
【0006】
さらに別の実施形態では、外側被覆強化物は、耐衝撃性をもたらすオーバーレイ(overlay)である。オーバーレイは、金属シーティング、スチール、アルミニウム、ステンレススチール、織り繊維マット、不織繊維マット、単方向性繊維織物及びこれらの組合せを含む材料で構成されうる。
なおさらに、マフラーアセンブリーは、ハウジング内にバッフルを含んでよい。マフラーアセンブリーは、ハウジングによって支持される取付けブラケットを含んでもよい。なおさらに、マフラーはハウジングによって支持される能動型音響制御装置(active sound control device)を含んでよい。ハウジングは、第1区分、第2区分及び分割線を含みうる。分割線(part line)は、ハウジングによって画定される入口と出口を通って伸びうる。
本発明のさらなる態様によれば、ハウジングの少なくとも一部が車体又はシャーシ成分を形成しうる。従って、複合材料は、マフラーのハウジングとして機能するのみならず、車両の一部をも形成する。ハウジングによって形成される車両部品は、スペアホイールウェル、車体下部シールド、フェンダー、ホイールアーチ、バンパー、踏板、ロッカーパネル、サイドフェアリング(side fairing)及びエアダム(air dam)から成るの群より選択されうる。
本発明のさらに別の実施形態によれば、マフラーアセンブリーは、ハウジング内に収容される内側ハウジングを含んでよい。内側ハウジングは、熱硬化性樹脂と強化要素を含む第2の複合材料で構成されうる。
以下の説明では、本発明を実施するのに最も良く適している態様のいくつかを単に実例としてこの発明のいくつかの好ましい実施形態を示して説明する。当然のことながら、本発明は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、全て本発明から逸脱することなく、種々の明白な態様で修正することができる。従って、図面及び説明は、実際には例示とみなし、限定とみなすものでない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付図面は、本発明のいくつかの態様を例示し、詳細な説明と共に本発明の特定原理を説明するのに役立つ。
【図1】本発明の第1実施形態により構成されたマフラーアセンブリーの分解斜視図である。
【図2】第1実施形態でハウジングの入口端に用いたヒートシンクを示す詳細断面図である。
【図3】図2と同様であるが、ヒートシンク及びハウジングの構成の代替の第2実施形態を示す図である。
【図4】車両バンパーをも形成するハウジングを備えたマフラーアセンブリーを示す本発明の第2の代替実施形態の分解斜視図である。
【図5】マフラーアセンブリーがスペアホイールウェルの一部を形成する、本発明のさらに別の実施形態を示す斜視図である。
【図5a】マフラーアセンブリーのハウジングが車両のホイールウェル及び車体下部シールディングの一部を形成する、さらに別の実施形態の分解斜視図である。
【図6】サイドフェアリングと踏板又はトランクのロッカーパネルの一部を二者択一的に形成するマフラーアセンブリーを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
さて、添付図面にその例を示してある本発明の好ましい実施形態について詳細に言及する。
(発明の好ましい実施形態の詳細な説明)
ここで、本発明のマフラーアセンブリー10の第1実施形態を示す図1について言及する。マフラーアセンブリー10は、第1区分又はシェル14と第2区分又はシェル16を含むハウジング12を含む。各区分14、16は、ハウジング12を閉じるために隣接関係に配置される接続フランジ18を含む。限定するものではないが、超音波溶接及び機械的締め具といった技術上公知のいずれの適切な手段によっても2つの区分14、16を一緒に固定してよい。図に示すように、ハウジング12は入口20と出口22を含む。図1の実施形態では、隣接フランジ18によって画定される分割線が入口20と出口22を通って伸びる。しかし、当然のことながら、入口20又は出口22を通って分割線が伸びる必要はない。
内部キャビティ又はチャンバー24はハウジング12によって画定される。パイプ26はハウジング12内に収容される。さらに詳しくは、図示した実施形態では、パイプ26は、入口20を通って伸長し、ハウジング12を通過する中間区分28を含み、出口22を通って伸長する。パイプ26の中間区分28は、いくつかの穴又は開口30を含む。これらの開口30は、パイプ26の内部通路とハウジング12によって形成された内部チャンバー24との間の音響伝達をもたらす。音響減衰材料32がハウジング12のチャンバー24内に収容され、車両によって生じた排気騒音を低減する働きをする。
高温による損傷からハウジング区分14、16を保護するため、パイプ26と入口20及び出口22のハウジング区分14、16との間にヒートシンク34を設けてある。ハウジング12は、熱可塑性樹脂と強化要素から製造された複合材料で構成される。熱可塑性樹脂は、ポリアミド、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、芳香族ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフタルアミド、ポリフェニレンスルフィド、シンジオタクチックポリスチレン、ポリエーテルイミド/シリコーンブレンド、液晶ポリマー、ポリブチレンテレフタラート、ポリエチレンテレフタラート、環状熱可塑性樹脂、大環状ブチレンテレフタラート、大環状エチレンテレフタラート、大環状ポリカルボナート、熱可塑性ウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルエーテルケトン及びこれらの組合せから成る樹脂材料の群より選択される。強化要素は、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、鉱物繊維、セラミック繊維、カーボンナノチューブ、ナノフィラー、鉱物フィラー、セラミックフィラー及びこれらの組合せから成る強化材料の群より選択される。
1つの特に有用な実施形態では、複合材料は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、芳香族ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフタルアミド、ポリフェニレンスルフィド、シンジオタクチックポリスチレン、ポリエーテルイミド/シリコーンブレンド、液晶ポリマー、ポリブチレンテレフタラート、ポリエチレンテレフタラート、環状熱可塑性樹脂、大環状ブチレンテレフタラート、大環状エチレンテレフタラート、大環状ポリカルボナート、熱可塑性ウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルエーテルケトン及びこれらの組合せから成る熱可塑性樹脂の群より選択される熱可塑性樹脂を含む長繊維熱可塑性物質を含む。長繊維熱可塑性物質は、ガラス繊維質量分率が約5〜約90質量%の範囲であるガラス強化要素をも含む。該ガラス繊維分率の約5質量%より多くが50以上の原長対直径比を有する。
本発明のさらに別の特に有用な実施形態では、複合材料は、約0〜約90質量%のポリプロピレンと、約0〜約90質量%のポリエチレンテレフタラートと、約10〜約85質量%のガラス繊維との混合物である。いずれの可能な実施形態でも、複合材料は、いくらかの熱硬化性樹脂を含んでもよい。当該熱硬化性樹脂は、不飽和ポリエステル、ジシクロペンタジエン、フェノール樹脂、フェノールホルムアルデヒド、ノボラック、レゾール、エポキシ、ビニルエステル、ウレタン及びこれらの組合せから成る熱硬化性樹脂の群より選択される。熱硬化性樹脂は、複合材料中の全樹脂の約5〜約85質量%程度を構成しうる。
【0009】
さて、さらに任意の特徴を組み入れた図1のマフラーアセンブリー10を詳細に示す図2を参照されたい。図2に示すように、マフラーアセンブリー10は取付けブラケット38を含む。取付けブラケット38の第1端部40は、ハウジング12を形成する複合材料中に形作られている。ブラケット38の第2端部42はハウジング12から突出し、マフラーアセンブリー10を車両に取り付けるための締め具(図示せず)を収容するための穴44を含む。
図2に示すマフラーアセンブリー10は、ハウジング12の内部を複数のチャンバー24'及び24"に分割するバッフル46をも含む。1つのバッフル46を示してあるが、当然のことながら、所望により複数の46を設けてよい。加圧空気を用いて織地化され(texturized)、商標SILENTEXで販売されている連続ガラスフィラメントストランドのような音響減衰材料32を各チャンバー24'、24"に収容してよい。バッフル46は、任意の能動型音響制御装置48を支持してもよい。能動型音響制御装置48は、コントローラー、音響センサー及び音響変換器を含む消音ジェネレーター(sound cancellation generator)を含む。音響制御装置48が機能して、車両の排気システムを通過する排気ガスによって発生した音を部分的又は全体的に消去する音波を生じさせる。
本発明のさらなる態様によれば、マフラーアセンブリー10は、任意のインレー50を含んでよい。インレー50は、ガラス繊維、天然繊維、炭素繊維、鉱物繊維、金属繊維、アラミド繊維及びこれらの組合せから成るの群より選択される材料製であってよい。さらに、ハウジング12を作るために用いた複合材料でインレー50を外側被覆してよい。有利には、インレー50を用いて、例えば、車両への接続点間の空間を補うためのような余分の強度をハウジング12が備えうる。
図2にさらに示すように、マフラーアセンブリー10はオーバーレイ52をも含みうる。該オーバーレイは、例えば、金属シーティング、スチール、アルミニウム、ステンレススチール、織り繊維マット、不織繊維マット、単方向性繊維織物及びこれらの組合せを含む材料で構成されうる。オーバーレイ52は、シェル12を形成する複合材料で覆われた外側被覆強化物であってよい。典型的に、道路によって跳ね上げられるかもしれない岩石やその他の破片からのような衝撃損傷にさらされる可能性がある、マフラーアセンブリー10の表面に沿って該オーバーレイ52を設ける。
【0010】
本発明のさらに別の実施形態を図3に示す。この実施形態では、この場合もやはりマフラーアセンブリー10は、この場合もやはり音響減衰材料32を収容するチャンバー24を形成するハウジング12を含む。前述したように、ハウジング12は、ヒートシンク34で内張りされた入口20をも含む。排気パイプ26は入口20を貫通し、このパイプの中間区分28がチャンバー24内に収容される。中間区分28内の穴30は、パイプ26の内部通路又は内腔とチャンバー24との間の音響伝達を可能にする。図示した実施形態では、パイプ26は、部分的にヒートシンク34内に収容された屈曲パイプ区分27をも含む。
図3に示した実施形態は、ハウジング12の内張りとして収容された内側ハウジング54をも含む。内側ハウジング54は、熱硬化性樹脂と強化要素を含む第2の複合材料で構成されうる。熱硬化性樹脂は、不飽和ポリエステル、ジシクロペンタジエン、フェノール樹脂、フェノールホルムアルデヒド、ノボラック、レゾール、エポキシ、ビニルエステル、ウレタン及びこれらの組合せを含みうる。強化要素は、例えば、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、鉱物繊維、セラミック繊維、カーボンナノチューブ、ナノフィラー、鉱物フィラー、セラミックフィラー及びこれらの組合せを含みうる。
本発明のさらなる態様によれば、ハウジング12は複合材料から成型又は他の方法で作られるので、ハウジング12を容易に入り組んだ形状に形成することができる。従って、ハウジング12又は少なくともその一部は、マフラーアセンブリーのためのハウジングを提供することと、車体又は車両のシャーシ成分、例えばスペアホイールウェル、車体下部シールド、フェンダー、ホイールアーチ、バンパー、踏板、ロッカーパネル、サイドフェアリング及びエアダム等を形成することの二重機能を果たしうる。
【0011】
さて、マフラーアセンブリー10が車両用バンパーを形成する、本発明のさらに別の実施形態を示す図4を参照されたい。さらに詳しくは、ハウジング12の第1区分14がバンパーの表面と下部を形成する。図に示すように、ハウジング第1区分14は、入口20の一部、出口22の一部及びチャンバー24の一部を含む。ハウジング12の第2区分16は、バンパーの底部を形成し、入口20の一部、出口22の一部及びチャンバー24の一部をも含む。開口30を有する中間区分28を含むパイプ26がハウジング12内に収容される。パイプと入口20との間及びパイプと出口22との間にヒートシンク34が設けられる。中間パイプ区分28の周りのチャンバー24内に音響減衰材料32が設けられる。
【0012】
図5及び5aは、本発明のマフラーアセンブリー10のさらに別の実施形態を示す。この実施形態では、ハウジング12の第1区分14がスペアホイールウェルを形成する。従って、第1区分14は、スペアホイールを収容するためのキャビティ60を含む。このキャビティを閉じるためのカバー62を設けてよい。ハウジング12の第2区分16は、パイプ26の中間28及び音響減衰材料32を収容するチャンバー24を形成する。テールゲートシール(tailgate seal)66、複合バンパービーム(beam)68及びフェイシア(fascia)70を含むバンパープレートクローズアウト(closeout)パネル64がアセンブリーを完成する。図5aに示すように、マフラーアセンブリー10のスペアホイールウェル部分が単に全車体下部シールドの一部を形成し、ホイールウェルを含んでよい。当該パネルシステムは、車体下部パネル72、74及び76を含み、パイプ26の一部がパネル74とパネル76の間に挟まれて収容される。
図6に示すさらに別の実施形態では、マフラーアセンブリー10が、トラックTのサイドフェアリング、エアダム、踏板又はロッカーパネルの一部を形成するハウジング12を組み入れることができる。
【0013】
本発明の好ましい実施形態の前記記述は、例示及び説明の目的のために提示したものである。網羅的であるとか又は開示した正確な形態に本発明を限定する意図ではない。上記教示に照らして明白な修正又は変更が可能である。本発明の原理及びその実際の適用の最良の実例を提供し、それによって当業者が種々の実施形態で、また意図した特定の用途に適合するように種々の修正を加えて本発明を利用できるように実施形態を選択して記述した。このような全ての修正及び変更は、公正、合法的かつ公平に権利を与えられる広さに従って解釈した場合に添付の特許請求の範囲によって決定される本発明の範囲内である。図面及び好ましい実施形態は、いかなる場合にも公正かつ広い解釈における特許請求の範囲の通常の意味を限定せず、限定するつもりもない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの内部チャンバー(24)を画定するハウジング(12)であって、熱可塑性樹脂と、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、鉱物繊維、セラミック繊維、カーボンナノチューブ、ナノフィラー、鉱物フィラー、セラミックフィラー及びこれらの組合せから成る強化材料の群より選択される強化要素とから製造された複合材料で構成されているハウジング(12);
前記ハウジング内に収容されたパイプ(26)であって、前記パイプの内部通路と前記少なくとも1つのチャンバーとの間の音響伝達を提供する少なくとも1つの開口(30)を含むパイプ(26);及び
前記少なくとも1つのチャンバー内に収容された音響減衰材料(32)
を含むマフラーアセンブリー(10)。
【請求項2】
前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、芳香族ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフタルアミド、ポリフェニレンスルフィド、シンジオタクチックポリスチレン、ポリエーテルイミド/シリコーンブレンド、液晶ポリマー、ポリブチレンテレフタラート、ポリエチレンテレフタラート、環状熱可塑性樹脂、大環状ブチレンテレフタラート、大環状エチレンテレフタラート、大環状ポリカルボナート、熱可塑性ウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルエーテルケトン及びこれらの組合せから成る樹脂材料の群から選択される、請求項1に記載のマフラーアセンブリー。
【請求項3】
前記複合材料が、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、芳香族ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフタルアミド、ポリフェニレンスルフィド、シンジオタクチックポリスチレン、ポリエーテルイミド/シリコーンブレンド、液晶ポリマー、ポリブチレンテレフタラート、ポリエチレンテレフタラート、環状熱可塑性樹脂、大環状ブチレンテレフタラート、大環状エチレンテレフタラート、大環状ポリカルボナート、熱可塑性ウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルエーテルケトン及びこれらの組合せから成る熱可塑性樹脂の群から選択される熱可塑性樹脂と、
ガラス繊維質量分率が約5〜約90質量%の範囲であり、前記ガラス繊維分率の約5質量%より多くが50以上の原長対直径比を有するガラス強化要素と
を含む長繊維熱可塑性物質を含む、請求項1に記載のマフラーアセンブリー。
【請求項4】
前記複合材料が、約0〜約90質量%のポリプロピレンと、約0〜約90質量%のポリエチレンテレフタラートと、約10〜約85質量%のガラス繊維との混合物である、請求項1に記載のマフラーアセンブリー。
【請求項5】
前記複合材料が、いくらかの熱硬化性樹脂をも含む、請求項1に記載のマフラーアセンブリー。
【請求項6】
前記熱硬化性樹脂が、不飽和ポリエステル、ジシクロペンタジエン、フェノール樹脂、フェノールホルムアルデヒド、ノボラック、レゾール、エポキシ、ビニルエステル、ウレタン及びこれらの組合せから成る熱硬化性樹脂の群から選択される、請求項5に記載のマフラーアセンブリー。
【請求項7】
前記ハウジングが、入口(20)と出口(22)を含み、前記入口に第1ヒートシンク(34)が設けられ、前記出口に第2ヒートシンクが設けられている、請求項1に記載のマフラーアセンブリー。
【請求項8】
前記ハウジングが外側被覆強化物を含む、請求項1に記載のマフラーアセンブリー。
【請求項9】
前記外側被覆強化物が、不織繊維マット、織り繊維マット、単方向性繊維織物、金属シーティング及びこれらの組合せから成る群より選択される材料で構成されたインレー(50)である、請求項8に記載のマフラーアセンブリー。
【請求項10】
前記インレーが、ガラス繊維、天然繊維、炭素繊維、鉱物繊維、金属繊維、アラミド繊維及びこれらの組合せから成る群より選択される材料製である、請求項9に記載のマフラーアセンブリー。
【請求項11】
前記外側被覆強化物が、耐衝撃性をもたらすオーバーレイ(52)である、請求項8に記載のマフラーアセンブリー。
【請求項12】
前記オーバーレイが、金属シーティング、スチール、アルミニウム、ステンレススチール、織り繊維マット、不織繊維マット、単方向性繊維織物及びこれらの組合せを含む材料で構成されている、請求項11に記載のマフラーアセンブリー。
【請求項13】
前記ハウジング内にさらにバッフル(46)を含む、請求項1に記載のマフラーアセンブリー。
【請求項14】
前記ハウジングによって支持された1又は数個の取付けブラケット(38)をさらに含む、請求項1に記載のマフラーアセンブリー。
【請求項15】
前記ハウジングによって支持された能動型音響制御装置(48)をさらに含む、請求項1に記載のマフラーアセンブリー。
【請求項16】
前記ハウジングが、第1区分(14)、第2区分(16)及び分割線を含む、請求項7に記載のマフラーアセンブリー。
【請求項17】
前記分割線が前記入口と前記出口を通って伸びる、請求項16に記載のマフラーアセンブリー。
【請求項18】
前記外側ハウジングの少なくとも一部が、スペアホイールウェル、車体下部シールド、フェンダー、ホイールアーチ、バンパー、踏板、ロッカーパネル、サイドフェアリング及びエアダムから成る群より選択される車両部品を形成する、請求項1に記載のマフラーアセンブリー。
【請求項19】
前記ハウジング内に収容された内側ハウジングをさらに含み、前記内側ハウジングが、熱硬化性樹脂と強化要素とを含む第2の複合材料で構成されている、請求項1に記載のマフラーアセンブリー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5a】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−508843(P2011−508843A)
【公表日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538204(P2010−538204)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【国際出願番号】PCT/US2008/086670
【国際公開番号】WO2009/079402
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(508076428)オーシーヴィー インテレクチュアル キャピタル リミテッド ライアビリティ カンパニー (43)
【Fターム(参考)】