説明

視聴制限システム

【課題】視聴制限レベルを容易に変更できる視聴制限システムを提供する。
【解決手段】後席側第1制御装置200側または後席側第2制御装置300側からの申請に基づいて、後席側第1制御装置200側または後席側第2制御装置300側の機器側視聴制限レベルを前席側制御装置100側で変更できるように構成した。これにより、たとえば後席乗員の年齢や性別等に合わせて前席乗員が後席側第1制御装置200側または後席側第2制御装置300側の機器側視聴制限レベルの変更を許可または禁止できるので、後席乗員に合わせた適切な機器側視聴制限レベルに設定できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツを提示する際の視聴制限技術に関する。
【背景技術】
【0002】
DVD−Video再生装置で再生されたコンテンツを車両の前席側のモニタと後席側のモニタとに提示するビデオシステムが知られている。このビデオシステムでは、モニタ毎に定められるパレンタルレベルにしたがって視聴を制限している(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−197432号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のビデオシステムでは、モニタ毎に定められるパレンタルレベルを変更するには、所定の権限を有するユーザによってあらかじめパレンタルレベルの設定を変更しておかなければならないため、幼児等には設定変更が困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1) 請求項1の発明による視聴制限システムは、車内のネットワークに接続されている車載の装置であって、コンテンツを使用者に提示する第1の提示機器と、ネットワークに接続されている車載の機器であって、提示するコンテンツのデータに付加された視聴制限レベルの情報と使用者に提示可能とされた視聴制限レベルの設定状態とを比較してコンテンツを使用者に提示するか否かを判断する判断部を有し、コンテンツを使用者に提示すると判断部で判断されるとコンテンツを使用者に提示する第2の提示機器と、ネットワークに接続されている車載の機器であって、第1の提示機器および第2の提示機器で提示可能なコンテンツのデータを出力するコンテンツデータ出力装置とを備え、第1の提示機器は、第2の提示機器における使用者に提示可能とされた視聴制限レベルの設定状態を変更できる提示機器視聴制限レベル変更部を有することを特徴とする。
(2) 請求項2の発明は、請求項1に記載の視聴制限システムにおいて、第2の提示機器は複数備えられ、複数の第2の提示機器がそれぞれネットワークに接続されており、提示機器視聴制限レベル変更部は、複数の第2の提示機器のそれぞれについて使用者に提示可能とされた視聴制限レベルの設定状態を変更できることを特徴とする。
(3) 請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の視聴制限システムにおいて、第1の提示機器は、コンテンツのデータに視聴制限レベルの情報を付加する視聴制限レベル付加部をさらに有することを特徴とする。
(4) 請求項4の発明は、請求項3に記載の視聴制限システムにおいて、再生装置は複数備えられ、複数の再生装置がそれぞれネットワークに接続されており、視聴制限レベル付加部は、複数の再生装置毎に設定された視聴制限レベルでコンテンツのデータに視聴制限レベルの情報を付加することを特徴とする。
(5) 請求項5の発明は、請求項3または請求項4に記載の視聴制限システムにおいて、視聴制限レベル付加部は、コンテンツ毎に設定された視聴制限レベルに応じてコンテンツのデータに視聴制限レベルの情報を付加することを特徴とする。
(6) 請求項6の発明は、請求項3〜5のいずれか一項に記載の視聴制限システムにおいて、視聴制限レベル付加部は、ネットワークの規格上でユーザまたはベンダが任意に利用可能な領域に視聴制限レベルの情報を付加することを特徴とする。
(7) 請求項7の発明は、請求項6に記載の視聴制限システムにおいて、ネットワークの規格は,IEEE1394またはその拡張規格であり、視聴制限レベル付加部は、IEEE1394またはその拡張規格によるアイソクロナス通信におけるアイソクロナスパケットのCIPヘッダに視聴制限レベルの情報を付加することを特徴とする。
(8) 請求項8の発明は、請求項1に記載の視聴制限システムにおいて、提示機器視聴制限レベル変更部は、第2の提示機器からの問い合わせに応じて第2の提示機器における使用者に提示可能とされた視聴制限レベルの設定状態を変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、第2の提示機器における使用者に提示可能とされた視聴制限レベルを容易に変更できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1〜8を参照して、本発明による視聴制限システムを車載用途のカーナビゲーション装置に適用した一実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態のカーナビゲーション装置の全体構成を示す図である。カーナビゲーション装置1は、車両位置周辺の道路地図を表示する機能、出発地から目的地までの推奨経路を演算する機能、演算された推奨経路に基づいて経路誘導を行う機能など、車両の走行に関する情報を提示する機能を兼ね備えている。カーナビゲーション装置1は、いわゆるナビゲーションあるいは道路案内などを行う装置である。
【0008】
図1において、11は車両の現在地を検出する現在地検出装置であり、たとえば車両の進行方位を検出するジャイロセンサ11a、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ11b、車速を検出する車速センサ11c等から成る。12はナビゲーション処理に使用する道路地図データやPOI情報(Point of Interest 観光地や各種施設の情報)など各種の情報を格納する地図記憶装置であり、ハードディスク装置が用いられている。16,17は映像や楽曲などを記録したDVDを再生する第1DVD再生装置および第2DVD再生装置である。なお、地図記憶装置12は、ハードディスク装置以外にも、道路地図データが格納されたCD−ROMやDVD、その他の記録媒体、および、その読み出し装置であってもよい。
【0009】
道路地図データは、地図に関する情報であり、地図表示用データ、経路探索用データ、誘導データ(交差点名称・道路名称・方面名称・方向ガイド施設情報など)などから成る。地図表示用データは道路や道路地図の背景を表示するためのデータである。経路探索用データは、道路形状とは直接関係しない分岐情報などから成るデータであり、主に推奨経路を演算(経路探索)する際に用いられる。誘導データは、交差点の名称などから成るデータであり、演算された推奨経路に基づき運転者等に推奨経路を誘導する際に用いられる。
【0010】
100は車両の前席側に設けられた前席側制御装置であり、CPU101およびその周辺回路から成る。CPU101およびその周辺回路は互いにバスで接続されている。周辺回路は、メモリ102、パラレルI/O103、A/D変換器104、シリアルI/O105、カウンタ106、グラフィックコントローラ107、画像メモリ108、1394I/F109等から成る。14は車室内の前席乗員が視認可能な位置に配設された前席表示モニタである。前席表示モニタ14には、第1および第2DVD再生装置16,17で再生された映像や、地図記憶装置12から読み込まれた地図情報、その他各種情報などが表示される。
【0011】
15は前席側の乗員が車両の目的地等の入力や、第1および第2DVD再生装置16,17の操作入力など、各種操作入力を行うためのスイッチである。スイッチ15は、前席表示モニタ14の画面上に設けられたタッチパネルスイッチや、カーソルの移動や画面のスクロールを指示するジョイスティックなどを含む。スイッチ15は、リモコンスイッチであってもよく、表示画面周辺に設けられたスイッチであってもよい。
【0012】
前席側制御装置100のメモリ102は、制御プログラムを格納するROMおよび作業エリアのRAMを含むメモリである。CPU101は、メモリ102にアクセスして制御プログラムを実行し、各種の制御を行う。パラレルI/O103は、スイッチ15を構成する個別のスイッチ等が接続されるパラレルI/Oポートである。A/D変換器104は、ジャイロセンサ11aのアナログ信号をA/D変換する変換器である。シリアルI/O105は、GPSセンサ11bからのシリアル信号を受信するシリアルI/Oポートである。カウンタ106は、たとえば車軸の回転に伴って車速センサ11cから出力されるパルス信号をカウントするカウンタである。
【0013】
グラフィックコントローラ107は、CPU101から出力される表示データを、画像データとして画像メモリ(ビデオRAM)であるメモリ108に格納し、メモリ108に格納された画像データを前席表示モニタ14に表示するための制御を行う。CPU101から出力される表示データは、各種の文字データや道路地図などの各種の図形データ、第1および第2DVD再生装置16,17で再生されたコンテンツの画像データなどから成る。前席側制御装置100は、前席表示モニタ14の表示制御装置として機能する。
【0014】
1394I/F109は、前席側制御装置100を地図記憶装置12、各DVD再生装置16,17、および、後述する後席側第1制御装置200へ接続するためのインターフェースであり、IEEE1394の規格またはIEEE1394の拡張規格(たとえばIDB−1394)に準拠した通信インターフェースである。1394I/F109は、地図記憶装置12や各DVD再生装置16,17に設けられた不図示のI/F、および、後席側第1制御装置200に設けられた1394I/F209に接続されている。
【0015】
200は車両の後席側に設けられた後席側第1制御装置であり、CPU201およびその周辺回路から成る。CPU201およびその周辺回路は互いにバスで接続されている。周辺回路は、メモリ202、パラレルI/O203、グラフィックコントローラ207、画像メモリ208、1394I/F209等から成る。24は車室内の後席乗員が視認可能な位置に配設された後席表示モニタである。後席表示モニタ24には、第1および第2DVD再生装置16,17で再生されて前席側制御装置100から送信された映像や、前席側制御装置100から送信された地図情報や各種情報などが表示される。
【0016】
25は後席側の乗員が各種操作入力を行うためのスイッチである。スイッチ25は、後席表示モニタ24の画面上に設けられたタッチパネルスイッチや、カーソルの移動や画面のスクロールを指示するジョイスティックなどを含む。スイッチ25は、リモコンスイッチであってもよく、表示画面周辺に設けられたスイッチであってもよい。
【0017】
後席側第1制御装置200のメモリ202は、制御プログラムを格納するROMおよび作業エリアのRAMを含むメモリである。CPU201は、メモリ202にアクセスして制御プログラムを実行し、各種の制御を行う。パラレルI/O203は、スイッチ25を構成する個別のスイッチ等が接続されるパラレルI/Oポートである。
【0018】
グラフィックコントローラ207は、前席側制御装置100から送信された映像信号や表示データ、CPU201から出力される表示データなどを、画像データとして画像メモリ(ビデオRAM)であるメモリ208に格納する。そして、グラフィックコントローラ207は、メモリ208に格納された画像データを後席表示モニタ24に表示するための制御を行う。後席側第1制御装置200は、後席表示モニタ24の表示制御装置として機能する。
【0019】
1394I/F209は、後席側第1制御装置200を前席側制御装置100、および、後述する後席側第2制御装置300へ接続するためのインターフェースであり、IEEE1394の規格またはIEEE1394の拡張規格(たとえばIDB−1394)に準拠した通信インターフェースである。1394I/F209は、前席側制御装置100に設けられた1394I/F109、および、後席側第2制御装置200に設けられた1394I/F309に接続されている。
【0020】
300は車両の後席側に設けられた後席側第2制御装置である。後席側第2制御装置300は後席側第1制御装置200と同様の構成である。後席側第2制御装置300のCPU301、メモリ302、パラレルI/O303、グラフィックコントローラ307、画像メモリ308、1394I/F309はそれぞれ後席側第1制御装置200のCPU201、メモリ202、パラレルI/O203、グラフィックコントローラ207、画像メモリ208、1394I/F209に対応する。後席表示モニタ34は後席表示モニタ24に、スイッチ35はスイッチ25にそれぞれ対応する。1394I/F309は後席側第1制御装置200の1394I/F209に接続されている。
【0021】
なお、後席表示モニタ24と後席表示モニタ34とは、それぞれ異なる後部座席に着座した後席乗員から視認しやすくなるように、車両内で異なる位置に配設されている。たとえば座席が前後方向に3列設けられた車両では、後席表示モニタ24は車両の前から2列目の座席に座った乗員から視認しやすい位置に設けられ、後席表示モニタ34は車両の前から3列目の座席に座った乗員から視認しやすい位置に設けられる。同様に、スイッチ25とスイッチ35とは、それぞれ異なる後部座席に着座した後席乗員から操作しやすくなるように、車両内で異なる位置に配設されている。
【0022】
このように構成されるカーナビゲーション装置1は、現在地検出装置11により取得した自車位置情報および地図記憶装置12に格納されている道路地図データに基づき各種のナビゲーションを行う。すなわち、車両の不図示のイグニッションがオンされると、カーナビゲーション装置1の電源がオンされて、前席側制御装置100ではCPU101がナビゲーションに関する制御を開始する。たとえば、上述したように、CPU101は、自車位置近辺の道路地図および自車位置を前席表示モニタ14に表示し、経路探索によって得られた経路(推奨経路)に沿って運転者を誘導するように各部を制御する。
【0023】
また、カーナビゲーション装置1は、第1および第2DVD再生装置16,17で再生したコンテンツの映像や楽曲を提示する。CPU101は、第1DVD再生装置16や第2DVD再生装置17から出力された映像や楽曲の信号に基づいて、映像を前席表示モニタ14に表示するように、また、音声を不図示の前席側スピーカから出力するように各部を制御する。たとえば、第1DVD再生装置16にセットされたDVDの再生を開始してコンテンツを提示するようにスイッチ15が操作されると、CPU101は、第1DVD再生装置16にセットされたDVDの再生を開始するよう第1DVD再生装置16を制御する。そして、CPU101は、第1DVD再生装置16から出力された映像や楽曲の信号に基づいて、映像を前席表示モニタ14に表示するように、また、音声を不図示の前席側スピーカから出力するように各部を制御する。
【0024】
同様に、第2DVD再生装置17にセットされたDVDの再生を開始してコンテンツを提示するようにスイッチ15が操作されると、CPU101は、第2DVD再生装置17にセットされたDVDの再生を開始するよう第2DVD再生装置17を制御する。そして、CPU101は、第2DVD再生装置17から出力された映像や楽曲の信号に基づいて、映像を前席表示モニタ14に表示するように、また、音声を前席乗員に対して不図示の前席側スピーカから出力するように各部を制御する。
【0025】
本実施の形態のカーナビゲーション装置1では、第1DVD再生装置16や第2DVD再生装置17で再生されるコンテンツを後席表示モニタ24,34や不図示のスピーカを介して使用者(後席乗員)に提示できる。以下、詳述する。
【0026】
−−−後席側でDVDのコンテンツを視聴する場合−−−
後席側第1制御装置200のCPU201は、第1DVD再生装置16や第2DVD再生装置17で再生されるコンテンツを使用者に提示する際、次のように動作する。たとえば、第1DVD再生装置16にセットされたDVDの再生を開始してコンテンツを提示するようにスイッチ25が操作されると、CPU201は、DVDの再生を開始するように、1394I/F209および1394I/F109を介して第1DVD再生装置16および前席側制御装置100のCPU101に制御信号を出力する。第1DVD再生装置16は、CPU201から再生開始の制御信号を受信すると、DVDの再生を開始してDVDから読み取ったコンテンツのデータを1394I/F109に出力する。
【0027】
前席側制御装置100のCPU101は、上述の制御信号を受信すると、1394I/F109から出力されるコンテンツのデータに、当該コンテンツについての視聴制限のレベル(コンテンツ側視聴制限レベル)を表すデータ(視聴制限データ)を付加するよう1394I/F109を制御する。したがって、1394I/F109からは第1DVD再生装置16で再生されたコンテンツのデータと、視聴制限データとが出力される。コンテンツのデータおよび視聴制限データは、IEEE1394のアイソクロナス通信(転送)によって1394I/F109からアイソクロナスパケットとして出力される。なお、後述するように、視聴制限データはIEEE1394のアイソクロナス転送におけるアイソクロナスパケットのCIPヘッダに挿入される。
【0028】
ここで、コンテンツ側視聴制限レベルとは、第1DVD再生装置16や第2DVD再生装置17で再生されて出力されるコンテンツについて設定される試聴制限レベルのことであり、DVDのパレンタルレベルに基づいてCPU101が設定する。なお、DVDのパレンタルレベルは、コンテンツの内容に応じてあらかじめDVD側で設定されている。
【0029】
CPU101は、コンテンツ側視聴制限レベルをたとえば次の3段階のうちのいずれかに設定する。
(1) 視聴制限をしない「制限なし」
(2) 18歳未満の使用者の視聴を制限する「18歳未満視聴不可」
(3) 年齢を問わず視聴を制限する「視聴不可」
【0030】
上述したように、視聴制限データは、アイソクロナスパケットのCIPヘッダに挿入される。具体的には、図2に示すように、アイソクロナスパケットにおけるCIPヘッダ910のSYTレジスタ911を2bit使用して視聴制限管理レジスタとしている。なお、SYTレジスタ911はIEEE1394の規格上でユーザまたはベンダが任意に利用可能な領域である。視聴制限管理レジスタの2bitのうち、「00」を上述した(1)の「制限なし」に割り当て、「01」を上述した(2)の「18歳未満視聴不可」に割り当て、「11」を上述した(3)の「視聴不可」に割り当てる。なお、10は、将来新たなコンテンツ側視聴制限レベルを割り当てるための予約bitであり、現段階では特にコンテンツ側視聴制限レベルを割り当てていない。
【0031】
後席側第1制御装置200のCPU201は、1394I/F209でアイソクロナスパケット(すなわちコンテンツのデータおよび視聴制限データ)を受信すると、SYTレジスタ911の視聴制限管理レジスタの値からコンテンツ側視聴制限レベルを読み込む。そしてCPU201は、コンテンツ側視聴制限レベルと、後席側第1制御装置200について設定されている機器側視聴制限レベルとを比較して、コンテンツを使用者に提示できるか否かを判断する。
【0032】
なお、機器側視聴制限レベルとは、後席側第1制御装置200や後席側第2制御装置300などの視聴装置側で設定される視聴制限レベルのことであり、コンテンツ側視聴制限レベルに応じてコンテンツを使用者に提示するか否かを判断するためのものである。後席側第1制御装置200のメモリ202内には機器側視聴制限管理レジスタの領域が2bit確保されており、機器側視聴制限レベルは、機器側視聴制限管理レジスタの値によって決定される。後席側第2制御装置300についても同様である。機器側視聴制限管理レジスタの値と機器側視聴制限レベルとの関係は次のとおりである。
【0033】
(A) 機器側視聴制限管理レジスタの値が「00」であれば、機器側視聴制限レベルは、コンテンツ側視聴制限レベルにかかわらず視聴を制限しない、「制限なし」とする。この場合、コンテンツ側視聴制限レベルが「00」、「01」、「11」のいずれであってもコンテンツの提示が許可される。
【0034】
(B) 機器側視聴制限管理レジスタの値が「01」であれば、機器側視聴制限レベルは、コンテンツ側視聴制限レベルが「18歳未満視聴不可」および「視聴不可」の場合に使用者の視聴を制限する、「18歳未満」とする。この場合、コンテンツ側視聴制限レベルが00であればコンテンツの提示が許可されるが、コンテンツ側視聴制限レベルが「01」、「11」であればコンテンツの提示が禁止される。
【0035】
(C) 機器側視聴制限管理レジスタの値が「10」であれば、機器側視聴制限レベルは、コンテンツ側視聴制限レベルが「視聴不可」の場合に使用者の視聴を制限する、「18歳以上」とする。この場合、コンテンツ側視聴制限レベルが「00」、「01」であればコンテンツの提示が許可されるが、コンテンツ側視聴制限レベルが「11」であればコンテンツの提示が禁止される。
【0036】
(D) 機器側視聴制限管理レジスタの値が「11」であれば、機器側視聴制限レベルは、コンテンツ側視聴制限レベルにかかわらず視聴を制限する、「フル制限」とする。この場合、コンテンツ側視聴制限レベルが「00」、「01」、「11」のいずれであってもコンテンツの提示が禁止される。
【0037】
なお、後席側第1制御装置200および後席側第2制御装置300では、カーナビゲーション装置1の電源がオフされた後、再び電源がオンされると、機器側視聴制限管理レジスタの値が「11」にリセットされて機器側視聴制限レベルが「フル制限」とされる。また、機器側視聴制限レベルの変更(すなわち機器側視聴制限管理レジスタの値の変更)は、後述するように、後席側第1制御装置200側または後席側第2制御装置300側からの申請に基づいて、前席側制御装置100のCPU101が許可または禁止する。
【0038】
CPU201は、コンテンツ側視聴制限レベルと後席側第1制御装置200の機器側視聴制限レベルとを比較して、コンテンツを使用者に提示できると判断すると、1394I/F209で受信したアイソクロナスパケットからコンテンツの映像および音声の信号を得る。そして、コンテンツの映像を後席表示モニタ24に表示するように、また、コンテンツの音声を後席表示モニタ24の利用者に対して不図示の後席側第1スピーカから出力するように各部を制御する。これにより、第1DVD再生装置16で再生されたコンテンツが後席側第1制御装置200側で提示される。
【0039】
また、CPU201は、コンテンツ側視聴制限レベルと後席側第1制御装置200の機器側視聴制限レベルとを比較して、コンテンツを使用者に提示できないと判断すると、図3(a)、図4(a)に示すような視聴制限解除申請画面61を後席表示モニタ24に表示させる。視聴制限解除申請画面61には、タッチパネルスイッチである「18歳未満」ボタン61aと、「18歳以上」ボタン61bと、「設定解除」ボタン61cとが表示される。「18歳未満」ボタン61aは使用者が18歳未満である場合に選択させて押圧させるタッチパネルスイッチであり、機器側視聴制限レベルを「18歳未満」に設定する際に用いられる。
【0040】
「18歳以上」ボタン61bは使用者が18歳以上である場合に選択させて押圧させるタッチパネルスイッチであり、機器側視聴制限レベルを「18歳以上」に設定する際に用いられる。「設定解除」ボタン61cはコンテンツ側視聴制限レベルにかかわらず視聴制限を解除する場合に選択させて押圧させるタッチパネルスイッチであり、機器側視聴制限レベルを「制限なし」に設定する際に用いられる。
【0041】
たとえば、図3(a)で「設定解除」ボタン61cが押圧されると、後席側第1制御装置200のCPU201は、1394I/F209および1394I/F109を介して、機器側視聴制限レベルを「制限なし」に設定するための解除申請コマンドを前席側制御装置100のCPU101に送信する。また、図4(a)で「18歳未満」ボタン61aが押圧されると、後席側第1制御装置200のCPU201は、1394I/F209および1394I/F109を介して、機器側視聴制限レベルを「18歳未満」に設定するための解除申請コマンドを前席側制御装置100のCPU101に送信する。
【0042】
前席側制御装置100のCPU101は、上述の解除申請コマンドを受信すると、図3(b)、図4(b)に示すような、視聴制限の解除申請があった旨を使用者に伝える画面(解除申請受付画面)51,52を前席表示モニタ14に表示させる。
【0043】
図3(b)の解除申請受付画面51には、後席側第1制御装置200または後席側第2制御装置300のいずれの側から解除申請があったかを示す表示51aと、機器側視聴制限レベルをどのレベルに設定することを後席側で希望しているのかを示す表示51bと、タッチパネルスイッチであるOKボタン51cと、NGボタン51dとが表示される。たとえば、後席表示モニタ24に「後席モニタA」という名称に設定されていた場合には、図3(b)に示すように、表示51には「後席モニタAより視聴制限解除の依頼がありました。解除しますか?」というような内容の文章が表示される。
【0044】
表示51bには、後席側で設定を希望する機器側視聴制限レベルが表示されるので、この場合には、「設定解除」と表示される。OKボタン51cは、解除申請を許可するときに選択させて押圧させるタッチパネルスイッチである。NGボタン51dは、解除申請を許可しないときに選択させて押圧させるタッチパネルスイッチである。後席乗員からの機器側視聴制限レベルの解除申請を許可する場合、前席乗員はOKボタン51cを押圧すればよい。また、後席乗員からの機器側視聴制限レベルの解除申請を許可しない場合、前席乗員はNGボタン51dを押圧すればよい。
【0045】
図4(b)の解除申請受付画面52には、図3(b)の解除申請受付画面51と同様に、表示51aに対応する表示52aと、表示51bに対応する表示52bと、タッチパネルスイッチであるOKボタン52cと、NGボタン52dとが表示される。表示52bには、後席側で設定を希望する機器側視聴制限レベルが表示されるので、この場合には、「18歳未満」と表示される。
【0046】
図3(b)の解除申請受付画面51でOKボタン51cが押圧されると、CPU101は、機器側視聴制限レベルの解除許可コマンド(再設定コマンド)を生成する。具体的には、CPU101は、後席側第1制御装置200の機器側視聴制限管理レジスタの値を00に設定するためのコマンドを生成する。そして、CPU101は、生成した解除許可コマンドを1394I/F109および1394I/F209を介して後席側第1制御装置200のCPU201に送信する。
【0047】
図3(b)の解除申請受付画面51でNGボタン51dが押圧されると、CPU101は、機器側視聴制限レベルの解除不許可コマンドを生成する。そして、CPU101は、生成した解除不許可コマンドを1394I/F109および1394I/F209を介して後席側第1制御装置200のCPU201に送信する。
【0048】
図4(b)の解除申請受付画面52でOKボタン52cが押圧されると、CPU101は、機器側視聴制限レベルの解除許可コマンド(再設定コマンド)を生成する。具体的には、CPU101は、後席側第1制御装置200の機器側視聴制限管理レジスタの値を01に設定するためのコマンドを生成する。そして、CPU101は、生成した解除許可コマンドを1394I/F109および1394I/F209を介して後席側第1制御装置200のCPU201に送信する。
【0049】
図4(b)の解除申請受付画面52でNGボタン52dが押圧されると、CPU101は、機器側視聴制限レベルの解除不許可コマンドを生成する。そして、CPU101は、生成した解除不許可コマンドを1394I/F109および1394I/F209を介して後席側第1制御装置200のCPU201に送信する。
【0050】
後席側第1制御装置200のCPU201は、解除許可コマンドを受信すると、受信した解除許可コマンドに基づいて機器側視聴制限管理レジスタの値を変更する。機器側視聴制限管理レジスタの値を00に設定するための解除許可コマンドを受信すると、CPU201は、図3(c)に示すように、視聴制限の設定が解除された旨を示す表示62を後席表示モニタ24に一定時間だけ表示させる。以降、CPU201は、コンテンツ側視聴制限レベルにかかわらず、コンテンツの映像を後席表示モニタ24に表示するように、また、コンテンツの音声を不図示の後席側第1スピーカから出力するように各部を制御する。
【0051】
機器側視聴制限管理レジスタの値を01に設定するための解除許可コマンドを受信すると、CPU201は、図4(c)に示すように、視聴制限の解除申請が許可された旨を示す表示64を後席表示モニタ24に一定時間だけ表示させる。以降、CPU201は、新たに設定された機器側視聴制限レベルに基づいてコンテンツを使用者に提示できるか否かを判断し、コンテンツを使用者に提示できると判断すると、上述したように、コンテンツの映像を後席表示モニタ24に表示するように、また、コンテンツの音声を不図示の後席側第1スピーカから出力するように各部を制御する。
【0052】
CPU201は、解除不許可コマンドを受信すると、図3(d)、図4(d)に示すように、視聴制限の設定申請が許可されなかった旨を示す表示63を後席表示モニタ24に一定時間だけ表示させる。CPU201が解除不許可コマンドを受信した場合、機器側視聴制限レベルは変更されない。
【0053】
なお、後席側第2制御装置300についても上述した後席側第1制御装置200と同様であるので詳細な説明は省略する。なお、CPU301は、機器側視聴制限レベルに基づいてコンテンツを使用者に提示できるか否かを判断し、コンテンツを使用者に提示できると判断すると、上述した後席側第1制御装置200と同様に、コンテンツの映像を後席表示モニタ34に表示するように、また、コンテンツの音声を不図示の後席側第2スピーカから出力するように各部を制御する。
【0054】
−−−フローチャート−−−
図5,6は、後席側第1制御装置200側でDVDのコンテンツを提示する際に実行されるプログラムの動作を示すフローチャートである。なお、後席側第2制御装置300側でDVDのコンテンツを提示する際に実行されるプログラムの動作を示すフローチャートも同様であるので説明を省略する。車両の不図示のイグニッションスイッチがオンされて、カーナビゲーション装置1の電源がオンされると、以下に説明する処理を行うプログラムが起動されて、後席側制御装置200のCPU201で実行される。
【0055】
ステップS1において、機器側視聴制限管理レジスタの値を11にリセットしてステップS3へ進む。ステップS3において、第1DVD再生装置16または第2DVD再生装置17にセットされたDVDの再生を開始してコンテンツを提示するようにスイッチ25から操作信号を受信するまで待機する。ステップS3が肯定判断されるとステップS5へ進み、ステップS3で受信した操作信号に基づいて、該当する第1DVD再生装置16または第2DVD再生装置17、および、前席側制御装置100のCPU101に、1394I/F209および1394I/F109を介して再生開始の制御信号を送信してステップS7へ進む。
【0056】
ステップS7において、コンテンツのデータおよび視聴制限データが含まれたアイソクロナスパケットを1394I/F209で受信するまで待機する。ステップS7が肯定判断されるとステップS9へ進み、ステップS7で受信したアイソクロナスパケットからSYTレジスタ911の視聴制限管理レジスタの値(コンテンツ側視聴制限レベル)を読み込んでステップS11へ進む。ステップS11において、ステップS9で読み込んだコンテンツ側視聴制限レベルと、機器側視聴制限管理レジスタの値(すなわち機器側視聴制限レベル)とを比較してステップS13へ進む。
【0057】
ステップS13において、ステップS11でコンテンツ側視聴制限レベルと機器側視聴制限レベルとを比較した結果、コンテンツを使用者に提示できるか否かを判断する。ステップS13が肯定判断されるとステップS15へ進み、1394I/F209で受信したアイソクロナスパケットからコンテンツの映像および音声の信号を得て、コンテンツの映像を後席表示モニタ24に表示するように、また、コンテンツの音声を不図示の後席側第1スピーカから出力するように各部を制御してリターンする。
【0058】
ステップS13が否定判断されるとステップS21へ進み、図3(a)や図4(a)に示すような視聴制限解除申請画面61を後席表示モニタ24に表示させてステップS23へ進む。ステップS23において、「18歳未満」ボタン61a、「18歳以上」ボタン61b、または「設定解除」ボタン61cのいずれかのタッチパネルスイッチが押圧されたことを示す操作信号を受信するまで待機する。ステップS23が肯定判断されるとステップS25へ進み、ステップS23で受信した操作信号に基づいて解除申請コマンドを生成し、生成した解除申請コマンドを1394I/F209および1394I/F109を介して前席側制御装置100のCPU101に送信して図6のステップS27へ進む。
【0059】
ステップS27において、1394I/F209で解除許可コマンドを受信したか否かを判断する。ステップS27が肯定判断されるとステップS31へ進み、ステップS27で受信した解除許可コマンドに基づいて機器側視聴制限管理レジスタの値を変更してステップS33へ進む。ステップS33において、視聴制限の設定が解除された旨を示す表示(たとえば図3(c)の表示62、図4(c)の表示64)を後席表示モニタ24に一定時間だけ表示させてリターンする。
【0060】
ステップS27が否定判断されるとステップS29へ進み、1394I/F209で解除不許可コマンドを受信したか否かを判断する。ステップS29が否定判断されるとステップS27へ戻る。ステップS29が肯定判断されるとステップS35へ進み、図3(d)や図4(d)に示すような視聴制限の設定申請が許可されなかった旨を示す表示63を後席表示モニタ24に一定時間だけ表示させてリターンする。
【0061】
図7は、前席側制御装置100側で視聴制限データを付加する際に実行されるプログラムの動作を示すフローチャートである。1394I/F109を介して第1DVD再生装置16または第2DVD再生装置17の再生開始の制御信号を受信すると、以下に説明する処理を行うプログラムが起動されて、前席側制御装置100のCPU101で実行される。ステップS41において、再生が開始された第1DVD再生装置16または第2DVD再生装置17のいずれかの再生装置から出力される信号に基づいてDVDのパレンタルレベルを読み込んでステップS43へ進む。
【0062】
ステップS43において、ステップS41で読み込んだパレンタルレベルに基づいてコンテンツ側視聴制限レベルを設定してステップS45へ進む。ステップS45において、1394I/F109から出力されるアイソクロナスパケットに対して、ステップS43で設定したコンテンツ側視聴制限レベルとなるようにCIPヘッダ910のSYTレジスタ911の値を書き換えるよう1394I/F109を制御してリターンする。
【0063】
図8は、後席側第1制御装置200側または後席側第2制御装置300側の機器側視聴制限レベルの変更に関して前席側制御装置100側で実行されるプログラムの動作を示すフローチャートである。1394I/F109を介して後席側第1制御装置200のCPU201または後席側第2制御装置300のCPU301から解除申請コマンドを受信すると、以下に説明する処理を行うプログラムが起動されて、前席側制御装置100のCPU101で実行される。ステップS51において、たとえば図3(b)に示す解除申請受付画面51や、図4(b)に示す解除申請受付画面52のような解除申請受付画面を前席表示モニタ14に表示させてステップS53へ進む。
【0064】
ステップS53において、解除申請受付画面のOKボタン(たとえばOKボタン51cやOKボタン52c)のタッチパネルスイッチが押圧されたことを示す操作信号を受信したか否かを判断する。ステップS53が肯定判断されるとステップS57へ進み、すでに受信している解除申請コマンドに基づいて解除許可コマンドを生成してステップS59へ進む。ステップS59において、ステップS57で生成した解除許可コマンドを1394I/F109を介して、解除申請コマンドの発信元であるCPU201またはCPU301へ送信してリターンする。
【0065】
ステップS53が否定判断されるとステップS55へ進み、解除申請受付画面のNGボタン(たとえばNGボタン51dやNGボタン52d)のタッチパネルスイッチが押圧されたことを示す操作信号を受信したか否かを判断する。ステップS55が否定判断されるとステップS53へ戻る。ステップS55が肯定判断されるとステップS61へ進み、解除不許可コマンドを生成してステップS63へ進む。ステップS63において、ステップS61で生成した解除不許可コマンドを1394I/F109を介して、解除申請コマンドの発信元であるCPU201またはCPU301へ送信してリターンする。
【0066】
上述したカーナビゲーション装置1では、次の作用効果を奏する。
(1) 後席側第1制御装置200側または後席側第2制御装置300側の機器側視聴制限レベルを前席側制御装置100側で変更できるように構成した。したがって、後席側でユーザIDやパスワードを入力するというような複雑な操作をすることなく、後席側第1制御装置200側または後席側第2制御装置300側の機器側視聴制限レベルを変更できる。これにより、後席側の乗員が幼児等であっても、前席乗員(大人)が機器側視聴制限レベルを容易に変更できるので、前席乗員が後席側に回って機器側視聴制限レベルの変更操作を行うなどの手間を省くことができ、利便性が高い。また、前席側の乗員の許可操作がなければ後席側第1制御装置200側および後席側第2制御装置300側の機器側視聴制限レベルを変更できないので、後席側の幼児等に不適切なコンテンツを提示するのを防止できる。
【0067】
(2) 後席側第1制御装置200側および後席側第2制御装置300側の機器側視聴制限レベルをそれぞれ前席側制御装置100側で変更できるように構成した。したがって、2台の後席表示モニタ24,34に対して個別に機器側視聴制限レベルを設定できる。これにより、後席乗員の年齢と着座位置に応じて機器側視聴制限レベルを適切に設定できるので、利便性が高い。また、2台の後席表示モニタ24,34に対する機器側視聴制限レベルを前席側制御装置100側で設定できるので、視聴制限を制御するための装置(すなわち前席側制御装置100)が1台で済み、コスト増を抑制できるほか、機器側視聴制限レベルの設定操作も1台の装置(すなわち前席側制御装置100)の操作で済むので操作性が良い。
【0068】
(3) 1394I/F109から出力されるコンテンツのデータにコンテンツ側視聴制限レベルを表す視聴制限データを付加するよう構成した。これにより、後席側第1制御装置200側および後席側第2制御装置300側におけるコンテンツの視聴制限が技術的に容易となる。
【0069】
(4) 第1DVD再生装置16および第2DVD再生装置17のそれぞれで再生されて出力されるコンテンツについてコンテンツ側視聴制限レベルを設定できるように構成した。したがって、第1DVD再生装置16および第2DVD再生装置17のいずれのDVD再生装置でDVDを再生しても、後席側第1制御装置200側および後席側第2制御装置300側におけるコンテンツの視聴制限が可能となる。これにより、たとえば子供に視聴させるのが好ましくないコンテンツを含むDVDを第1DVD再生装置16および第2DVD再生装置17のどちらにセットすればよいかというようなことを考慮しなくても良いので利便性が高い。
【0070】
(5) DVDのパレンタルレベルを参照してコンテンツ側視聴制限レベルを設定できるように構成した。これにより、コンテンツ毎にコンテンツ側視聴制限レベルを設定できるので、視聴者に対する不適切なコンテンツの提示を防止できる。
【0071】
(6) IEEE1394のアイソクロナスパケットにおけるCIPヘッダ910で、SYTレジスタ911(図2)を2bit使用して視聴制限管理レジスタとするように構成した。これにより、既存のIEEE1394の規格との互換性を保てるので、たとえば1394I/F109に他のIEEE1394対応機器を接続して利用でき、拡張性が高い。
【0072】
(7) 後席側第1制御装置200側または後席側第2制御装置300側からの申請に基づいて、後席側第1制御装置200側または後席側第2制御装置300側の機器側視聴制限レベルを前席側制御装置100側で変更できるように構成した。これにより、たとえば後席乗員の年齢や性別等に合わせて前席乗員が後席側第1制御装置200側または後席側第2制御装置300側の機器側視聴制限レベルの変更を許可または禁止できるので、後席乗員に合わせた適切な機器側視聴制限レベルに設定できる。
【0073】
−−−変形例−−−
(1) 上述の説明では、アイソクロナスパケットにおけるCIPヘッダ910で、SYTレジスタ911(図2)を2bit使用して視聴制限管理レジスタとしているが、本発明はこれに限定されない。SYTレジスタ911を利用するのではなく、CIPヘッダを増設して視聴制限管理レジスタを設けても良い。すなわち、CIPヘッダの終了bit「10」を示すまでCIPヘッダを増設できるので、CIPヘッダを増設して視聴制限データを付加するように構成しても良い。また、視聴制限データを付加する領域は、ネットワークの規格上でユーザまたはベンダが任意に利用可能な領域であれば、SYTレジスタ911やCIPヘッダ910に限られない。
【0074】
(2) 上述の説明では、1394I/F109に接続されるDVD再生装置の台数が第1DVD再生装置16および第2DVD再生装置17の2台であるが、DVD再生装置の接続台数は1台であってもよく、3台以上であっても良い。また、DVD再生装置に限らず、CDなどの他の種類の記録媒体の再生装置や、テレビジョン受信機やラジオ受信機などの放送波を受信して再生する装置、半導体素子やハードディスクに記録したコンテンツのデータを再生する装置など、様々な種類のIEEE1394対応機器を1394I/F109に接続しても良い。
【0075】
(3) 上述の説明では、第1DVD再生装置16および第2DVD再生装置17のいずれのDVD再生装置で再生されたコンテンツであっても後席側で視聴制限できるように構成しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、第1DVD再生装置16および第2DVD再生装置17の少なくともいずれ一方のDVD再生装置で再生されたコンテンツだけが後席側で視聴制限できるように構成してもよい。
【0076】
(4) 上述の説明では、後席側第1制御装置200側および後席側第2制御装置300側の双方で視聴制限できるように構成しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、後席側第1制御装置200側または後席側第2制御装置300側のいずれか一方のみが視聴制限できるように構成しても良い。
【0077】
(5) 上述の説明では、各DVD再生装置16,17のそれぞれで再生されて出力されるコンテンツについて、コンテンツ毎にコンテンツ側視聴制限レベルを設定できるように構成したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、再生されて出力されるコンテンツ毎ではなく、DVD再生装置毎にコンテンツ側視聴制限レベルを任意に設定できるように構成してもよい。この場合には、たとえば、第1DVD再生装置16で再生されて出力されるコンテンツに対しては、コンテンツ側視聴制限レベルを全て「制限なし」に設定するように構成し、第2DVD再生装置17で再生されて出力されるコンテンツに対しては、コンテンツ側視聴制限レベルを全て「18歳未満視聴不可」に設定するように構成することもできる。このように構成することで、DVDをセットするDVD再生装置を選択することが、コンテンツ側視聴制限レベルを選択することになるので、後席乗員の年齢に合わせてコンテンツ側視聴制限レベルを容易に設定できる。
【0078】
(6) 上述の説明では、DVDのパレンタルレベルに基づいてコンテンツ側視聴制限レベルを設定できるように構成しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、DVDの再生開始時にDVDのタイトルを前席表示モニタ14に表示させて、前席乗員にコンテンツ側視聴制限レベルを任意に選択させることでコンテンツ側視聴制限レベルを任意に設定できるように構成しても良い。
【0079】
(7) 上述の説明では、ネットワークの規格がIEEE1394またはその拡張規格であるが、他のネットワークの規格に対して本発明を適用することを妨げるものではない。
(8) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
【0080】
上述の実施の形態およびその変形例において、たとえば、第1の提示機器は前席側制御装置100および前席表示モニタ14に、第2の提示機器は後席側第1制御装置200および後席表示モニタ24に、コンテンツデータ出力装置は第1および第2DVD再生装置16,17にそれぞれ対応する。判断部はCPU201およびメモリ202に格納された制御プログラムによって実現される。提示機器視聴制限レベル変更部はCPU101およびメモリ102に格納された制御プログラムによって実現される。視聴制限レベル付加部は1394I/F109、CPU101およびメモリ102に格納された制御プログラムによって実現される。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係になんら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】カーナビゲーション装置1の全体構成を示す図である。
【図2】IEEE1394のアイソクロナス通信におけるアイソクロナスパケットの構造を示す図である。
【図3】前席表示モニタ14および後席表示モニタ24の画面表示の例を示す図である。
【図4】前席表示モニタ14および後席表示モニタ24の画面表示の例を示す図である。
【図5】後席側第1制御装置200側でDVDのコンテンツを提示する際に実行されるプログラムの動作を示すフローチャートである。
【図6】後席側第1制御装置200側でDVDのコンテンツを提示する際に実行されるプログラムの動作を示すフローチャートである。
【図7】前席側制御装置100側で視聴制限データを付加する際に実行されるプログラムの動作を示すフローチャートである。
【図8】後席側第1制御装置200側または後席側第2制御装置300側の機器側視聴制限レベルの変更に関して前席側制御装置100側で実行されるプログラムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
1 カーナビゲーション装置 14 前席表示モニタ
16 第1DVD再生装置 17 第2DVD再生装置
24,34 後席表示モニタ 100 前席側制御装置
101,201,301 CPU 102,202,302 メモリ
109,209,309 1394I/F 200 後席側第1制御装置
300 後席側第2制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車内のネットワークに接続されている車載の装置であって、コンテンツを使用者に提示する第1の提示機器と、
前記ネットワークに接続されている車載の機器であって、提示するコンテンツのデータに付加された視聴制限レベルの情報と使用者に提示可能とされた視聴制限レベルの設定状態とを比較して前記コンテンツを使用者に提示するか否かを判断する判断部を有し、前記コンテンツを使用者に提示すると前記判断部で判断されると前記コンテンツを使用者に提示する第2の提示機器と、
前記ネットワークに接続されている車載の機器であって、前記第1の提示機器および前記第2の提示機器で提示可能なコンテンツのデータを出力するコンテンツデータ出力装置とを備え、
前記第1の提示機器は、前記第2の提示機器における使用者に提示可能とされた視聴制限レベルの設定状態を変更できる提示機器視聴制限レベル変更部を有することを特徴とする視聴制限システム。
【請求項2】
請求項1に記載の視聴制限システムにおいて、
前記第2の提示機器は複数備えられ、複数の前記第2の提示機器がそれぞれ前記ネットワークに接続されており、
前記提示機器視聴制限レベル変更部は、前記複数の第2の提示機器のそれぞれについて使用者に提示可能とされた視聴制限レベルの設定状態を変更できることを特徴とする視聴制限システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の視聴制限システムにおいて、
前記第1の提示機器は、前記コンテンツのデータに視聴制限レベルの情報を付加する視聴制限レベル付加部をさらに有することを特徴とする視聴制限システム。
【請求項4】
請求項3に記載の視聴制限システムにおいて、
前記再生装置は複数備えられ、複数の前記再生装置がそれぞれ前記ネットワークに接続されており、
前記視聴制限レベル付加部は、前記複数の再生装置毎に設定された視聴制限レベルで前記コンテンツのデータに視聴制限レベルの情報を付加することを特徴とする視聴制限システム。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の視聴制限システムにおいて、
前記視聴制限レベル付加部は、前記コンテンツ毎に設定された視聴制限レベルに応じて前記コンテンツのデータに視聴制限レベルの情報を付加することを特徴とする視聴制限システム。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれか一項に記載の視聴制限システムにおいて、
前記視聴制限レベル付加部は、前記ネットワークの規格上でユーザまたはベンダが任意に利用可能な領域に前記視聴制限レベルの情報を付加することを特徴とする視聴制限システム。
【請求項7】
請求項6に記載の視聴制限システムにおいて、
前記ネットワークの規格は,IEEE1394またはその拡張規格であり、
前記視聴制限レベル付加部は、IEEE1394またはその拡張規格によるアイソクロナス通信におけるアイソクロナスパケットのCIPヘッダに前記視聴制限レベルの情報を付加することを特徴とする視聴制限システム。
【請求項8】
請求項1に記載の視聴制限システムにおいて、
前記提示機器視聴制限レベル変更部は、前記第2の提示機器からの問い合わせに応じて前記第2の提示機器における使用者に提示可能とされた視聴制限レベルの設定状態を変更することを特徴とする視聴制限システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−89235(P2009−89235A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−258748(P2007−258748)
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】