超音波を利用した洗浄装置
本発明は、超音波を利用した洗浄装置に関するものであり、より詳細には、オシレータを一側面側に有するハウジングと、オシレータに結合されてウェハーの上面に塗布された洗浄水に対してオシレータから発生した超音波を伝播するロッドとを備え、オシレータが近傍領域及び遠方領域を有する拡散層に圧電素子を接着することで構成され、ロッドがその径を徐々に縮径されてオシレータから発生した超音波を増幅させることにより、被洗浄物としてのウェハーの異物を効果的に除去する超音波を利用した洗浄装置に関するものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を利用した洗浄装置に関するものであり、より詳細には、ウェハーの異物を遊離させるために、オシレータ(oscillator)を一側面側に有するハウジングと、オシレータに結合されてオシレータから発生した超音波をウェハーの上面に塗布された洗浄水に伝播するロッドとを備え、オシレータが近傍領域及び遠方領域を有する拡散層に圧電素子を接着することで構成され、ロッドがその径を徐々に縮径されてオシレータから発生した超音波を増幅することにより、被洗浄物としてのウェハーの異物を効果的に除去する超音波を利用した洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体製造過程のうち最も基本的な技術の一つが、洗浄技術である。
半導体製造過程は、半導体ウェハーの表面を形成するために様々な段階の工程を必要とし、各段階で所定の工程を遂行する半導体ウェハー及び半導体製造装置には各種の汚染物、すなわち、異物が生じて残存するため、一定の時間間隔で半導体ウェハー及び半導体製造装置を洗浄して工程を進行させなければならない。
前述した洗浄技術は、半導体の製造工程中に発生する様々な異物を物理的方法または化学的方法を駆使して除去するものである。
【0003】
まず、化学的方法は、半導体ウェハーの表面の汚染を水洗及びエッチング、そして、酸化還元反応等により除去する方法であり、様々な化学薬品やガスを使用するものである。
この化学的方法では、付着した粒子を純水または化学洗浄液で除去し、有機物を溶剤で溶解したり酸化性酸で除去し、または、酸素プラズマ中で炭化して除去し、場合によっては、半導体ウェハーの表面を一定量エッチングして新しい清浄表面を露出させることもある。
【0004】
また、物理的方法は、超音波エネルギーによって付着物を剥離させたり、ブラシで払拭したり、高圧水を利用して付着物を除去する方法である。
一般的に、物理的方法と化学的方法とを組み合わせることにより、効率的な洗浄が行われている。
【0005】
つまり、超音波洗浄とは、被洗浄物に付着した異物を物理的方法(超音波)、化学的方法(化学洗浄液)を利用して除去し、除去された異物が再度付着することを回避するものである。
超音波による物理的現象は、超音波のキャビテーション現象(cavitation phenomenon)によって行われ、このキャビテーション現象とは、超音波エネルギーが液中に伝播される(transmit)時、超音波の圧力により液中に微細な気泡が生成されて消滅する現象であり、かなり大きな圧力(数十気圧〜数百気圧)と高温(数百度〜数千度)を伴う現象である。
【0006】
この現象は、極めて短い時間(数万分の1秒〜数十万分の1秒)内に気泡の生成と消滅とを繰り返す現象である。
この衝撃波により、洗浄液中の被洗浄物の内部の深く見えない所まで短い時間内に洗浄が行われる。
【0007】
そして、キャビテーション現象による衝撃エネルギーに加えて、超音波自体の放射圧による攪拌効果及び熱作用等が洗剤との相乗効果を生じて高い洗浄効果を得ることができる。
【0008】
超音波洗浄は、主に液晶ディスプレイ(LCD)装置用ガラス基板、半導体ウェハー、データ貯蔵等のための磁気ディスクのような被洗浄物を洗浄または洗い流すために利用されている。
一般的な超音波洗浄システムで、被洗浄物は、超音波オシレータにより活性化された振動板から超音波が照射される洗浄液により満たされた洗浄槽に浸漬されている。
超音波は、振動エネルギーを被洗浄物の粒子(particle)に対して照射し、粒子及び他の異物を被洗浄物から効果的に除去するようになっている。
【0009】
近年、半導体装置が高集積化され、半導体ウェハー上に具現されるパターン(pattern)がとても小さくなっている。
これにより、このような半導体ウェハー上のパターンでは、極めて微細な粒子(particle)に起因して半導体素子の不良が発生することがあるため、洗浄工程の重要性がより更に増してきている。
【0010】
一般的に、半導体ウェハーの洗浄は、超純粋水(洗浄液)、ブラシ、超音波を利用して行われている。
【0011】
図1は、従来の超音波洗浄装置を示す概要図であり、このような従来の半導体洗浄用超音波装置は、超音波と洗浄水(または、洗浄液)を利用して半導体ウェハー105の表面を洗浄するものであり、側部の供給管102を介して洗浄液103を供給するように設計され、洗浄液噴出器106は、下端がノズル形状を呈している。
【0012】
このような従来の半導体洗浄用超音波装置は、供給管102から洗浄液103が流入されて、振動部101により超音波を洗浄液103と共に照射することで、洗浄液噴出器106の下部に配置された被洗浄物に対して超音波を含んだ洗浄液103が噴出され、被洗浄物を回転させる回転軸104によって被洗浄物の表面を洗浄するように設計されている。
【0013】
ところが、この従来の半導体洗浄用超音波装置は、1つの洗浄液噴出器106内で超音波と洗浄液103が予め組み合わされた状態で放出される構造を呈しているため、洗浄効果に比べて過度に多量の洗浄液103が消費されるという問題点があった。
【0014】
また、洗浄作業の過程で、動作周波数、洗浄液の条件、消費電力、冷却条件等の洗浄条件の瞬間的な変動に起因して超音波の強度の変動幅が大きいため、洗浄液噴出器106のノズルから高圧の洗浄液103が噴出されて、半導体ウェハー105の表面に局部的または全体的な損傷を与えることがあるという致命的な問題点があった。
【0015】
図2は、他の従来の超音波洗浄装置を示す概要図であり、このような従来の半導体洗浄用超音波装置は、前方に向かって突出されて下部に配置された半導体ウェハー114との間で一定の間隙を有するように配置される振動ロッド110と、この振動ロッド110に結合されて振動ロッド110に超音波発振エネルギーを提供する振動部111と、半導体ウェハー114との間隙に洗浄液116を放出する洗浄液噴出器113とで構成されている。
【0016】
そして、半導体ウェハー114を回転させるために回転板112と回転軸115とが設けられ、回転板112の上に半導体ウェハー114が載置され、この半導体ウェハー114の上に振動ロッド110が配置されていることにより、回転軸115と回転板112とが半導体ウェハー114を回転させるとともに、振動ロッド110が縦波の超音波を照射し、洗浄液116が放出されることで、半導体ウェハー114の一側面の全体に亘って超音波洗浄を施すように設計されている。
【0017】
ところが、図2に示す他の従来の超音波洗浄装置では、片持ち式の振動ロッド110が採用されているため、振動ロッド110の軸線方向の下部領域においてのみ洗浄作用が進行され、構造的に振動ロッド110によって超音波の強弱が発生して、微細なパターンの半導体ウェハー114では均一な洗浄性能を期待できないという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、前述したような従来技術の問題点を解決するものであり、本発明の目的は、ウェハーの異物を洗浄する際に電源の印加を受けた圧電素子の収縮膨張により超音波を発生するオシレータを有するハウジングと、オシレータに結合されてウェハーの上面に塗布された洗浄水に超音波を伝播するロッドとを備え、オシレータが超音波を直進させる近傍領域と超音波を拡散させて相互に重ね合わせる遠方領域を有する拡散層に圧電素子を接着することで構成され、ロッドがその径を徐々に縮径されてオシレータから発生した超音波を増幅することにより、被洗浄物としてのウェハーの異物を効果的に除去する超音波を利用した洗浄装置を提供することである。
【0019】
そして、本発明の更なる目的及び効果についても以下に説明され、本発明の実施例によって明示する。
また、本発明の目的及び効果は、特許請求の範囲に記載された手段及びこれら手段の組合せによって実現する。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、前述したような目的を達成するために以下の特徴を有している。
【0021】
本発明の一実施形態は、管と、この管の一端に結合されて被洗浄物としてのウェハーとの間隙を維持した状態でウェハーに対して垂直方向に配置されるハウジングと、このハウジング内にウェハーに対向した状態で設けられて超音波を発生するオシレータとを備えている。
【0022】
また、本発明の他の実施形態は、中空のハウジングと、このハウジングに被洗浄物としてのウェハーと対向した状態で結合されて超音波を発生するオシレータと、このオシレータにウェハーの上面に対して垂直な状態で結合されてオシレータにより発生した超音波をウェハーの上面に塗布された洗浄水に伝播する定径なロッドとを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】従来の超音波洗浄装置を示す概要図である。
【図2】他の従来の超音波洗浄装置を示す概要図である。
【図3】本発明の洗浄装置で用いられる圧電素子と圧電素子の電極構造とを示す断面図である。
【図4】図3に示す圧電素子と圧電素子の電極構造の平面図である。
【図5】オシレータの構造と基本原理を示す断面図である。
【図6】オシレータの基本原理を示す説明図である。
【図7】図5に示すオシレータの構造と基本原理の平面図である。
【図8】オシレータの複数の実施形態を示す斜視図である。
【図9】圧電素子の複数の実施形態を示す斜視図である。
【図10】本発明の第1実施例である洗浄装置を示す斜視図である。
【図11】本発明の第2実施例である洗浄装置を示す斜視図である。
【図12】図11に示した洗浄装置の変形例を示す斜視図である。
【図13】本発明の第3実施例である洗浄装置を示す斜視図である。
【図14】図13に示した洗浄装置の変形例を示す斜視図である。
【図15】本発明の第4実施例である洗浄装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
ここで、本明細書及び特許請求の範囲で使用される用語や単語は、一般的または辞書的な意味に限定して解釈されるものではなく、発明者は自らの発明を最適な方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に立脚して、本発明の技術的思想に合致する意味及び概念で解釈されるものである。
【0025】
従って、本明細書に記載された実施例と図面に示す構成は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明の技術的思想を全て表現するものではないため、本明細書の出願当時において、本明細書に記載された技術内容に代替可能な多様な均等物及び変形例が存在することは言うまでもない。
【0026】
以下、図3乃至図15を参照して本発明の好適な実施例の超音波を利用した洗浄装置を詳細に説明する。
【0027】
図に示すように、本発明の洗浄装置は、近傍領域(near-field region)20と遠方領域(far-field region)21とを有する拡散層22の一側面に圧電素子10を接着してなるオシレータ30と、その径(差し渡しの長さ)を徐々に縮径されてオシレータ30から発生した超音波を増幅させるロッド42、42’と、管41と、ハウジング40、43とを備え、オシレータ30から発生された超音波を利用して被洗浄物としてのウェハー70の異物を効果的に遊離させるように設計されている。
【0028】
図3は、本発明の洗浄装置で用いられる圧電素子と圧電素子の電極構造とを示す断面図であり、図4は、図3に示す圧電素子と圧電素子の電極構造の平面図であり、図3及び図4に示すように、圧電素子10は、様々な形態の板(圧電セラミック)11と、この板11の一側面側に設けられた陽極部14と、他側面側に設けられた陰極部12とを有し、陽極部14は、一定間隔で離隔した状態で縦横に配置されて蒸着された複数の陽極片13を有している。
【0029】
圧電素子10は、複数の陽極片13からなる陽極部14を板11の一側面側に設けるとともに板11の他側面の全体に陰極部12を設けた実施形態や、複数の陽極片13からなる陽極部14を板11の一側面に設けるとともに板11の他側面から板11の一側面に亘って陰極部12を設けた実施形態や、単一の陽極片13を板11の一側面側に設けるとともに他側面側に陰極部12を設けてなる複数の圧電素子10から構成された実施形態等、様々な実施形態を呈していても何ら構わない。
【0030】
図5は、オシレータの構造と基本原理を示す断面図であり、図6は、オシレータの基本原理を示す説明図であり、図7は、図5に示すオシレータの構造と基本原理の平面図であり、図5乃至図7に示すように、拡散層22は、圧電素子10の一側面、すなわち、圧電素子10の陰極部12に接合されている。
拡散層22は、近傍領域(近距離音場)20と遠方領域(遠距離音場)21とから構成され、圧電素子10の陰極部12と拡散層22の一側面とが、相互に接合されている。
【0031】
図5に示すように、拡散層22(拡散層22と圧電素子10との接合部分)から近傍領域20(近傍領域20の終端部分)及び遠方領域21(遠方領域21の始端部分)の境界部分までの距離Nは、N=D2−λ2/4λで表され、また、符号Dは、陽極片13の幅を示し、そして、近傍領域20と遠方領域21との境界部分から遠方領域21へ進入する音の拡散角度γ0、すなわち、近傍領域20(近傍領域20の終端部分)から進入して遠方領域21で拡散される近傍領域20の外側領域における音の拡散角度γ0は、Sinγ0=1.2λ/Dで表される。
すなわち、陽極片13の幅Dが小さくなるほど拡散角度Sinγ0が大きくなるため、被洗浄物に向けて拡散される超音波を重ね合わせて(overlap)、遠方領域21(遠距離音場)の調節が可能になる。
また、複数の圧電素子10を拡散層22の一側面に接合しても良い。
【0032】
また、拡散層22は、石英(Quartz)、ステンレス鋼(STS)、テフロン(Teflon、登録商標)、アルミニウム(Al)、鉄(Steel)等の素材で形成されている。
【0033】
また、陽極片13と圧電素子10とは、四角形、円形、三角形、長方形、平行四辺形等の様々な形状を呈していても良く、拡散層22は、四角形、円形、多角形等、実施形態に応じて様々な形状を呈していても良い。
【0034】
オシレータ30の近傍領域20では、比較的均一な音場を形成する図6に示すA部分が適用され、また、オシレータ30の遠方領域21では、圧電素子10から発生した超音波を幾重にも重ねて比較的均一な音場を形成する図6に示すB部分が適用されている。
【0035】
図8は、オシレータの複数の実施形態を示す斜視図であり、図9は、圧電素子の複数の実施形態を示す斜視図であり、図8及び図9に示すように、拡散層22は、超音波を直進させる近傍領域20と超音波を拡散及び相互に重畳させる遠方領域21とからなり、拡散層22の一側面に圧電素子10が接着され、圧電素子10の収縮膨張により超音波を発生させるように設計されている。
【0036】
図8に示すように、オシレータ30は、遠方領域21と近傍領域20とを有する拡散層22と圧電素子10とからなる実施形態や、超音波伝播体23と圧電素子10とからなる実施形態等の様々な実施形態を呈していても何ら構わない。
【0037】
また、超音波伝播体23の一側面に接着された圧電素子10と超音波伝播体23と拡散層22とは、四角形の断面形状や円形の断面形状等、実施形態に応じて様々な形状を呈していても何ら構わない。
【0038】
また、圧電素子10は、複数の圧電素子10を縦横に相互に一定間隔で離隔した状態で配置しても良く、前述したように、円形、四角等、実施形態に応じて様々な形状を呈していても良い。
【0039】
図9は、超音波伝播体23と拡散層22とに接着される圧電素子10を詳細に示している。
【0040】
図10は、本発明の第1実施例である洗浄装置を示す斜視図であり、図10に示すように、円筒状で中空のハウジング40の一側面側には、オシレータ30が設けられ、このオシレータ30は、被洗浄物としてのウェハー70に極めて近接した状態で配置されている。
【0041】
ハウジング40の他側面側、すなわち、ウェハー70から離間した状態で対向するハウジング40の一側面側の反対側には、管41が結合されている。
【0042】
ハウジング40の一側面側に設けられたオシレータ30は、前述したように、超音波伝播体23とこの超音波伝播体23の一側面に蒸着された圧電素子10とから構成されていても良く、また、近傍領域20及び遠方領域21を有する拡散層22とこの拡散層22の一側面に接着された圧電素子10とから構成されていても良い。
【0043】
オシレータ30は、電力供給ユニットから電源線51を介して電源の供給を受け、このような電源の供給を受けた圧電素子10は、収縮膨張により超音波を発生するように設計されている。
【0044】
すなわち、超音波を発生するオシレータ30は、ウェハー70の一側面に対して垂直に配置されてウェハー70との一定間隔の間隙を維持した状態でウェハー70の上面に亘って移動するように設計され、オシレータ30により発生した超音波は、被洗浄物としてのウェハー70の上面に塗布された洗浄水(洗浄液)61に伝播されてウェハー70の異物を遊離させるように設計されている。
【0045】
図11は、本発明の第2実施例である洗浄装置を示す斜視図であり、図12は、図11に示した洗浄装置の変形例を示す斜視図であり、図11及び図12に示す本発明の第2実施例である洗浄装置は、図10に示す第1実施例とは異なり、オシレータ30の一側面に円筒状のロッド42が結合されて、被洗浄物としてのウェハー70の上面に塗布された洗浄水61に超音波を伝播するように設計されている。
【0046】
このロッド42は、オシレータ30の径よりも相対的に小さな径または大きな径または同一な径を有している。
【0047】
これにより、オシレータ30により発生した超音波は、ウェハー70との一定間隔の間隙を維持した状態でウェハー70に対して垂直に配置されたロッド42の長手方向(縦方向)に伝播されて、ウェハー70の上面に塗布された洗浄水61に照射されるように設計されている。
【0048】
更に、遠方領域21を設けたオシレータ30の場合、このようなオシレータ30は、超音波の拡散効果及び重畳効果を発揮するようになっている。
【0049】
また、ハウジング40、43は、中空の管形状を呈しており、このハウジング40、43の管形状は、四角形、円形、多角形等の様々な断面形状を呈していても良い。
【0050】
図13は、本発明の第3実施例である洗浄装置を示す斜視図であり、図14は、図13に示した洗浄装置の変形例を示す斜視図であり、図13及び図14に示すように、図11または図12に示す第2実施例において用いられるロッド42を縮径された形状のロッド42’、すなわち、ハウジング43側からウェハー70側に向けて縮径された形状のロッド42’に置き換えることにより、ウェハー70の上面に塗布された洗浄水61に照射される超音波をウェハー70に近づくにつれて徐々に密集させて増幅させることができる。
【0051】
図15は、本発明の第4実施例である洗浄装置を示す斜視図であり、図15に示すように、四角形状の断面を有する拡散層22に、圧電素子10が接着されている。
【0052】
このように構成された洗浄装置は、洗浄水61の塗布されたウェハー70の表面上に亘って移動しながら異物を遊離させるように設計されている。
【0053】
また、前述した拡散層22と超音波伝播体23とロッド42、42’とは、石英、サファイア、ダイアモンド、ガラス質カーボンを含むガラス質固体物質や、ステンレス、チタニウム、アルミニウム、スチールを含む金属物質や、テフロン(登録商標)等の耐化学性の材料で被膜したガラス質及び金属物質等から実施形態に応じて成形されている。
【0054】
なお、図10乃至図15に示す符号60は、洗浄水放出器を示している。
【0055】
本発明を前述したような好適な実施例及び図面を用いて説明したが、本発明は、これら実施例及び図面により限定されることはなく、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する当業者であれば、本発明の要旨から逸脱することなく、他の様々な修正及び変更を施すことが可能なことは自明であり、添付する特許請求の範囲に係る技術的内容は、本発明の均等な範囲内に属する修正及び変更を含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0056】
前述したように、本発明は、ウェハーの異物を洗浄する際に電源の印加を受けた圧電素子の収縮膨張により超音波を発生するオシレータを有するハウジングと、オシレータに結合されてウェハーの上面に塗布された洗浄水に超音波を伝播するロッドとを備え、前述したオシレータが超音波を直進させる近傍領域と超音波を拡散及び重ね合わせる遠方領域とを有する拡散層の一側面に圧電素子を接着することで構成され、前述したロッドがその径を徐々に縮径されてオシレータから発生した超音波を増幅させることにより、ウェハーの異物の除去作業の効率を向上させることができる効果を有している。
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を利用した洗浄装置に関するものであり、より詳細には、ウェハーの異物を遊離させるために、オシレータ(oscillator)を一側面側に有するハウジングと、オシレータに結合されてオシレータから発生した超音波をウェハーの上面に塗布された洗浄水に伝播するロッドとを備え、オシレータが近傍領域及び遠方領域を有する拡散層に圧電素子を接着することで構成され、ロッドがその径を徐々に縮径されてオシレータから発生した超音波を増幅することにより、被洗浄物としてのウェハーの異物を効果的に除去する超音波を利用した洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体製造過程のうち最も基本的な技術の一つが、洗浄技術である。
半導体製造過程は、半導体ウェハーの表面を形成するために様々な段階の工程を必要とし、各段階で所定の工程を遂行する半導体ウェハー及び半導体製造装置には各種の汚染物、すなわち、異物が生じて残存するため、一定の時間間隔で半導体ウェハー及び半導体製造装置を洗浄して工程を進行させなければならない。
前述した洗浄技術は、半導体の製造工程中に発生する様々な異物を物理的方法または化学的方法を駆使して除去するものである。
【0003】
まず、化学的方法は、半導体ウェハーの表面の汚染を水洗及びエッチング、そして、酸化還元反応等により除去する方法であり、様々な化学薬品やガスを使用するものである。
この化学的方法では、付着した粒子を純水または化学洗浄液で除去し、有機物を溶剤で溶解したり酸化性酸で除去し、または、酸素プラズマ中で炭化して除去し、場合によっては、半導体ウェハーの表面を一定量エッチングして新しい清浄表面を露出させることもある。
【0004】
また、物理的方法は、超音波エネルギーによって付着物を剥離させたり、ブラシで払拭したり、高圧水を利用して付着物を除去する方法である。
一般的に、物理的方法と化学的方法とを組み合わせることにより、効率的な洗浄が行われている。
【0005】
つまり、超音波洗浄とは、被洗浄物に付着した異物を物理的方法(超音波)、化学的方法(化学洗浄液)を利用して除去し、除去された異物が再度付着することを回避するものである。
超音波による物理的現象は、超音波のキャビテーション現象(cavitation phenomenon)によって行われ、このキャビテーション現象とは、超音波エネルギーが液中に伝播される(transmit)時、超音波の圧力により液中に微細な気泡が生成されて消滅する現象であり、かなり大きな圧力(数十気圧〜数百気圧)と高温(数百度〜数千度)を伴う現象である。
【0006】
この現象は、極めて短い時間(数万分の1秒〜数十万分の1秒)内に気泡の生成と消滅とを繰り返す現象である。
この衝撃波により、洗浄液中の被洗浄物の内部の深く見えない所まで短い時間内に洗浄が行われる。
【0007】
そして、キャビテーション現象による衝撃エネルギーに加えて、超音波自体の放射圧による攪拌効果及び熱作用等が洗剤との相乗効果を生じて高い洗浄効果を得ることができる。
【0008】
超音波洗浄は、主に液晶ディスプレイ(LCD)装置用ガラス基板、半導体ウェハー、データ貯蔵等のための磁気ディスクのような被洗浄物を洗浄または洗い流すために利用されている。
一般的な超音波洗浄システムで、被洗浄物は、超音波オシレータにより活性化された振動板から超音波が照射される洗浄液により満たされた洗浄槽に浸漬されている。
超音波は、振動エネルギーを被洗浄物の粒子(particle)に対して照射し、粒子及び他の異物を被洗浄物から効果的に除去するようになっている。
【0009】
近年、半導体装置が高集積化され、半導体ウェハー上に具現されるパターン(pattern)がとても小さくなっている。
これにより、このような半導体ウェハー上のパターンでは、極めて微細な粒子(particle)に起因して半導体素子の不良が発生することがあるため、洗浄工程の重要性がより更に増してきている。
【0010】
一般的に、半導体ウェハーの洗浄は、超純粋水(洗浄液)、ブラシ、超音波を利用して行われている。
【0011】
図1は、従来の超音波洗浄装置を示す概要図であり、このような従来の半導体洗浄用超音波装置は、超音波と洗浄水(または、洗浄液)を利用して半導体ウェハー105の表面を洗浄するものであり、側部の供給管102を介して洗浄液103を供給するように設計され、洗浄液噴出器106は、下端がノズル形状を呈している。
【0012】
このような従来の半導体洗浄用超音波装置は、供給管102から洗浄液103が流入されて、振動部101により超音波を洗浄液103と共に照射することで、洗浄液噴出器106の下部に配置された被洗浄物に対して超音波を含んだ洗浄液103が噴出され、被洗浄物を回転させる回転軸104によって被洗浄物の表面を洗浄するように設計されている。
【0013】
ところが、この従来の半導体洗浄用超音波装置は、1つの洗浄液噴出器106内で超音波と洗浄液103が予め組み合わされた状態で放出される構造を呈しているため、洗浄効果に比べて過度に多量の洗浄液103が消費されるという問題点があった。
【0014】
また、洗浄作業の過程で、動作周波数、洗浄液の条件、消費電力、冷却条件等の洗浄条件の瞬間的な変動に起因して超音波の強度の変動幅が大きいため、洗浄液噴出器106のノズルから高圧の洗浄液103が噴出されて、半導体ウェハー105の表面に局部的または全体的な損傷を与えることがあるという致命的な問題点があった。
【0015】
図2は、他の従来の超音波洗浄装置を示す概要図であり、このような従来の半導体洗浄用超音波装置は、前方に向かって突出されて下部に配置された半導体ウェハー114との間で一定の間隙を有するように配置される振動ロッド110と、この振動ロッド110に結合されて振動ロッド110に超音波発振エネルギーを提供する振動部111と、半導体ウェハー114との間隙に洗浄液116を放出する洗浄液噴出器113とで構成されている。
【0016】
そして、半導体ウェハー114を回転させるために回転板112と回転軸115とが設けられ、回転板112の上に半導体ウェハー114が載置され、この半導体ウェハー114の上に振動ロッド110が配置されていることにより、回転軸115と回転板112とが半導体ウェハー114を回転させるとともに、振動ロッド110が縦波の超音波を照射し、洗浄液116が放出されることで、半導体ウェハー114の一側面の全体に亘って超音波洗浄を施すように設計されている。
【0017】
ところが、図2に示す他の従来の超音波洗浄装置では、片持ち式の振動ロッド110が採用されているため、振動ロッド110の軸線方向の下部領域においてのみ洗浄作用が進行され、構造的に振動ロッド110によって超音波の強弱が発生して、微細なパターンの半導体ウェハー114では均一な洗浄性能を期待できないという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、前述したような従来技術の問題点を解決するものであり、本発明の目的は、ウェハーの異物を洗浄する際に電源の印加を受けた圧電素子の収縮膨張により超音波を発生するオシレータを有するハウジングと、オシレータに結合されてウェハーの上面に塗布された洗浄水に超音波を伝播するロッドとを備え、オシレータが超音波を直進させる近傍領域と超音波を拡散させて相互に重ね合わせる遠方領域を有する拡散層に圧電素子を接着することで構成され、ロッドがその径を徐々に縮径されてオシレータから発生した超音波を増幅することにより、被洗浄物としてのウェハーの異物を効果的に除去する超音波を利用した洗浄装置を提供することである。
【0019】
そして、本発明の更なる目的及び効果についても以下に説明され、本発明の実施例によって明示する。
また、本発明の目的及び効果は、特許請求の範囲に記載された手段及びこれら手段の組合せによって実現する。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、前述したような目的を達成するために以下の特徴を有している。
【0021】
本発明の一実施形態は、管と、この管の一端に結合されて被洗浄物としてのウェハーとの間隙を維持した状態でウェハーに対して垂直方向に配置されるハウジングと、このハウジング内にウェハーに対向した状態で設けられて超音波を発生するオシレータとを備えている。
【0022】
また、本発明の他の実施形態は、中空のハウジングと、このハウジングに被洗浄物としてのウェハーと対向した状態で結合されて超音波を発生するオシレータと、このオシレータにウェハーの上面に対して垂直な状態で結合されてオシレータにより発生した超音波をウェハーの上面に塗布された洗浄水に伝播する定径なロッドとを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】従来の超音波洗浄装置を示す概要図である。
【図2】他の従来の超音波洗浄装置を示す概要図である。
【図3】本発明の洗浄装置で用いられる圧電素子と圧電素子の電極構造とを示す断面図である。
【図4】図3に示す圧電素子と圧電素子の電極構造の平面図である。
【図5】オシレータの構造と基本原理を示す断面図である。
【図6】オシレータの基本原理を示す説明図である。
【図7】図5に示すオシレータの構造と基本原理の平面図である。
【図8】オシレータの複数の実施形態を示す斜視図である。
【図9】圧電素子の複数の実施形態を示す斜視図である。
【図10】本発明の第1実施例である洗浄装置を示す斜視図である。
【図11】本発明の第2実施例である洗浄装置を示す斜視図である。
【図12】図11に示した洗浄装置の変形例を示す斜視図である。
【図13】本発明の第3実施例である洗浄装置を示す斜視図である。
【図14】図13に示した洗浄装置の変形例を示す斜視図である。
【図15】本発明の第4実施例である洗浄装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
ここで、本明細書及び特許請求の範囲で使用される用語や単語は、一般的または辞書的な意味に限定して解釈されるものではなく、発明者は自らの発明を最適な方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に立脚して、本発明の技術的思想に合致する意味及び概念で解釈されるものである。
【0025】
従って、本明細書に記載された実施例と図面に示す構成は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明の技術的思想を全て表現するものではないため、本明細書の出願当時において、本明細書に記載された技術内容に代替可能な多様な均等物及び変形例が存在することは言うまでもない。
【0026】
以下、図3乃至図15を参照して本発明の好適な実施例の超音波を利用した洗浄装置を詳細に説明する。
【0027】
図に示すように、本発明の洗浄装置は、近傍領域(near-field region)20と遠方領域(far-field region)21とを有する拡散層22の一側面に圧電素子10を接着してなるオシレータ30と、その径(差し渡しの長さ)を徐々に縮径されてオシレータ30から発生した超音波を増幅させるロッド42、42’と、管41と、ハウジング40、43とを備え、オシレータ30から発生された超音波を利用して被洗浄物としてのウェハー70の異物を効果的に遊離させるように設計されている。
【0028】
図3は、本発明の洗浄装置で用いられる圧電素子と圧電素子の電極構造とを示す断面図であり、図4は、図3に示す圧電素子と圧電素子の電極構造の平面図であり、図3及び図4に示すように、圧電素子10は、様々な形態の板(圧電セラミック)11と、この板11の一側面側に設けられた陽極部14と、他側面側に設けられた陰極部12とを有し、陽極部14は、一定間隔で離隔した状態で縦横に配置されて蒸着された複数の陽極片13を有している。
【0029】
圧電素子10は、複数の陽極片13からなる陽極部14を板11の一側面側に設けるとともに板11の他側面の全体に陰極部12を設けた実施形態や、複数の陽極片13からなる陽極部14を板11の一側面に設けるとともに板11の他側面から板11の一側面に亘って陰極部12を設けた実施形態や、単一の陽極片13を板11の一側面側に設けるとともに他側面側に陰極部12を設けてなる複数の圧電素子10から構成された実施形態等、様々な実施形態を呈していても何ら構わない。
【0030】
図5は、オシレータの構造と基本原理を示す断面図であり、図6は、オシレータの基本原理を示す説明図であり、図7は、図5に示すオシレータの構造と基本原理の平面図であり、図5乃至図7に示すように、拡散層22は、圧電素子10の一側面、すなわち、圧電素子10の陰極部12に接合されている。
拡散層22は、近傍領域(近距離音場)20と遠方領域(遠距離音場)21とから構成され、圧電素子10の陰極部12と拡散層22の一側面とが、相互に接合されている。
【0031】
図5に示すように、拡散層22(拡散層22と圧電素子10との接合部分)から近傍領域20(近傍領域20の終端部分)及び遠方領域21(遠方領域21の始端部分)の境界部分までの距離Nは、N=D2−λ2/4λで表され、また、符号Dは、陽極片13の幅を示し、そして、近傍領域20と遠方領域21との境界部分から遠方領域21へ進入する音の拡散角度γ0、すなわち、近傍領域20(近傍領域20の終端部分)から進入して遠方領域21で拡散される近傍領域20の外側領域における音の拡散角度γ0は、Sinγ0=1.2λ/Dで表される。
すなわち、陽極片13の幅Dが小さくなるほど拡散角度Sinγ0が大きくなるため、被洗浄物に向けて拡散される超音波を重ね合わせて(overlap)、遠方領域21(遠距離音場)の調節が可能になる。
また、複数の圧電素子10を拡散層22の一側面に接合しても良い。
【0032】
また、拡散層22は、石英(Quartz)、ステンレス鋼(STS)、テフロン(Teflon、登録商標)、アルミニウム(Al)、鉄(Steel)等の素材で形成されている。
【0033】
また、陽極片13と圧電素子10とは、四角形、円形、三角形、長方形、平行四辺形等の様々な形状を呈していても良く、拡散層22は、四角形、円形、多角形等、実施形態に応じて様々な形状を呈していても良い。
【0034】
オシレータ30の近傍領域20では、比較的均一な音場を形成する図6に示すA部分が適用され、また、オシレータ30の遠方領域21では、圧電素子10から発生した超音波を幾重にも重ねて比較的均一な音場を形成する図6に示すB部分が適用されている。
【0035】
図8は、オシレータの複数の実施形態を示す斜視図であり、図9は、圧電素子の複数の実施形態を示す斜視図であり、図8及び図9に示すように、拡散層22は、超音波を直進させる近傍領域20と超音波を拡散及び相互に重畳させる遠方領域21とからなり、拡散層22の一側面に圧電素子10が接着され、圧電素子10の収縮膨張により超音波を発生させるように設計されている。
【0036】
図8に示すように、オシレータ30は、遠方領域21と近傍領域20とを有する拡散層22と圧電素子10とからなる実施形態や、超音波伝播体23と圧電素子10とからなる実施形態等の様々な実施形態を呈していても何ら構わない。
【0037】
また、超音波伝播体23の一側面に接着された圧電素子10と超音波伝播体23と拡散層22とは、四角形の断面形状や円形の断面形状等、実施形態に応じて様々な形状を呈していても何ら構わない。
【0038】
また、圧電素子10は、複数の圧電素子10を縦横に相互に一定間隔で離隔した状態で配置しても良く、前述したように、円形、四角等、実施形態に応じて様々な形状を呈していても良い。
【0039】
図9は、超音波伝播体23と拡散層22とに接着される圧電素子10を詳細に示している。
【0040】
図10は、本発明の第1実施例である洗浄装置を示す斜視図であり、図10に示すように、円筒状で中空のハウジング40の一側面側には、オシレータ30が設けられ、このオシレータ30は、被洗浄物としてのウェハー70に極めて近接した状態で配置されている。
【0041】
ハウジング40の他側面側、すなわち、ウェハー70から離間した状態で対向するハウジング40の一側面側の反対側には、管41が結合されている。
【0042】
ハウジング40の一側面側に設けられたオシレータ30は、前述したように、超音波伝播体23とこの超音波伝播体23の一側面に蒸着された圧電素子10とから構成されていても良く、また、近傍領域20及び遠方領域21を有する拡散層22とこの拡散層22の一側面に接着された圧電素子10とから構成されていても良い。
【0043】
オシレータ30は、電力供給ユニットから電源線51を介して電源の供給を受け、このような電源の供給を受けた圧電素子10は、収縮膨張により超音波を発生するように設計されている。
【0044】
すなわち、超音波を発生するオシレータ30は、ウェハー70の一側面に対して垂直に配置されてウェハー70との一定間隔の間隙を維持した状態でウェハー70の上面に亘って移動するように設計され、オシレータ30により発生した超音波は、被洗浄物としてのウェハー70の上面に塗布された洗浄水(洗浄液)61に伝播されてウェハー70の異物を遊離させるように設計されている。
【0045】
図11は、本発明の第2実施例である洗浄装置を示す斜視図であり、図12は、図11に示した洗浄装置の変形例を示す斜視図であり、図11及び図12に示す本発明の第2実施例である洗浄装置は、図10に示す第1実施例とは異なり、オシレータ30の一側面に円筒状のロッド42が結合されて、被洗浄物としてのウェハー70の上面に塗布された洗浄水61に超音波を伝播するように設計されている。
【0046】
このロッド42は、オシレータ30の径よりも相対的に小さな径または大きな径または同一な径を有している。
【0047】
これにより、オシレータ30により発生した超音波は、ウェハー70との一定間隔の間隙を維持した状態でウェハー70に対して垂直に配置されたロッド42の長手方向(縦方向)に伝播されて、ウェハー70の上面に塗布された洗浄水61に照射されるように設計されている。
【0048】
更に、遠方領域21を設けたオシレータ30の場合、このようなオシレータ30は、超音波の拡散効果及び重畳効果を発揮するようになっている。
【0049】
また、ハウジング40、43は、中空の管形状を呈しており、このハウジング40、43の管形状は、四角形、円形、多角形等の様々な断面形状を呈していても良い。
【0050】
図13は、本発明の第3実施例である洗浄装置を示す斜視図であり、図14は、図13に示した洗浄装置の変形例を示す斜視図であり、図13及び図14に示すように、図11または図12に示す第2実施例において用いられるロッド42を縮径された形状のロッド42’、すなわち、ハウジング43側からウェハー70側に向けて縮径された形状のロッド42’に置き換えることにより、ウェハー70の上面に塗布された洗浄水61に照射される超音波をウェハー70に近づくにつれて徐々に密集させて増幅させることができる。
【0051】
図15は、本発明の第4実施例である洗浄装置を示す斜視図であり、図15に示すように、四角形状の断面を有する拡散層22に、圧電素子10が接着されている。
【0052】
このように構成された洗浄装置は、洗浄水61の塗布されたウェハー70の表面上に亘って移動しながら異物を遊離させるように設計されている。
【0053】
また、前述した拡散層22と超音波伝播体23とロッド42、42’とは、石英、サファイア、ダイアモンド、ガラス質カーボンを含むガラス質固体物質や、ステンレス、チタニウム、アルミニウム、スチールを含む金属物質や、テフロン(登録商標)等の耐化学性の材料で被膜したガラス質及び金属物質等から実施形態に応じて成形されている。
【0054】
なお、図10乃至図15に示す符号60は、洗浄水放出器を示している。
【0055】
本発明を前述したような好適な実施例及び図面を用いて説明したが、本発明は、これら実施例及び図面により限定されることはなく、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する当業者であれば、本発明の要旨から逸脱することなく、他の様々な修正及び変更を施すことが可能なことは自明であり、添付する特許請求の範囲に係る技術的内容は、本発明の均等な範囲内に属する修正及び変更を含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0056】
前述したように、本発明は、ウェハーの異物を洗浄する際に電源の印加を受けた圧電素子の収縮膨張により超音波を発生するオシレータを有するハウジングと、オシレータに結合されてウェハーの上面に塗布された洗浄水に超音波を伝播するロッドとを備え、前述したオシレータが超音波を直進させる近傍領域と超音波を拡散及び重ね合わせる遠方領域とを有する拡散層の一側面に圧電素子を接着することで構成され、前述したロッドがその径を徐々に縮径されてオシレータから発生した超音波を増幅させることにより、ウェハーの異物の除去作業の効率を向上させることができる効果を有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管と、該管の一端に結合されて被洗浄物としてのウェハーとの間隙を維持した状態でウェハーに対して垂直に配置されるハウジングと、該ハウジング内にウェハーに対向した状態で設けられて超音波を発生するオシレータとを備えていることを特徴とする超音波を利用した洗浄装置。
【請求項2】
中空のハウジングと、該ハウジングに被洗浄物としてのウェハーに対向した状態で結合されて超音波を発生するオシレータと、該オシレータにウェハーの上面に対して垂直な状態で結合されて前記オシレータにより発生した超音波をウェハーの上面に塗布された洗浄水に伝播する定径なロッドとを備えていることを特徴とする超音波を利用した洗浄装置。
【請求項3】
前記ロッドが、前記オシレータとの結合部位から長手方向に徐々に縮径するロッドに代替されて、前記オシレータから発生した超音波を増幅して被洗浄物としてのウェハーの上面に塗布された洗浄水に伝播するように設計されていることを特徴とする請求項2に記載の超音波を利用した洗浄装置。
【請求項4】
前記オシレータが、電源線から電源の印加を受けた圧電素子の収縮膨張により超音波を発生するように設計されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波を利用した洗浄装置。
【請求項5】
前記オシレータが、前記超音波を伝播する超音波伝播体または拡散層の一側面に圧電素子を接合することで構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波を利用した洗浄装置。
【請求項6】
前記拡散層と超音波伝播体とロッドとが、石英、サファイア、ダイアモンド、ガラス質カーボンを含むガラス質固体物質のいずれか1つからなっていることを特徴とする請求項5に記載の超音波を利用した洗浄装置。
【請求項7】
前記拡散層と超音波伝播体とロッドとが、ステンレス、チタニウム、アルミニウム、スチールを含む金属物質、テフロン等の耐化学性材料で被膜した金属物質のいずれか1つからなっていることを特徴とする請求項5に記載の超音波を利用した洗浄装置。
【請求項8】
前記拡散層と超音波伝播体とが、四角形、円形、多角形のいずれかの断面形状を呈していることを特徴とする請求項5に記載の超音波を利用した洗浄装置。
【請求項9】
前記オシレータとロッドとが、一体に成形されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の超音波を利用した洗浄装置。
【請求項10】
前記オシレータとロッドとが、相互に結合されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の超音波を利用した洗浄装置。
【請求項11】
前記オシレータが、四角形、円形、多角形のいずれかの断面形状を呈していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波を利用した洗浄装置。
【請求項12】
前記圧電素子は、円形、四角形、菱形、三角形、平行四辺形のいずれかの形状を呈しているとともに、前記超音波伝達体または拡散層の表面に接合されていることを特徴とする請求項4に記載の超音波を利用した洗浄装置。
【請求項13】
前記オシレータが、前記超音波を拡散して相互に重ね合わせる拡散層の一側面に接合された圧電素子を備えるとともに、
該圧電素子が、圧電セラミックの一側面に縦横に一定間隔で離隔された状態で蒸着された複数の陽極片と他側面に蒸着された陰極部とを有して前記超音波の音圧偏差を減少するように設計されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波を利用した洗浄装置。
【請求項14】
前記超音波の拡散角度が、前記陽極片の幅を小さくするにつれて大きくなるように設計されていることを特徴とする請求項13に記載の超音波を利用した洗浄装置。
【請求項1】
管と、該管の一端に結合されて被洗浄物としてのウェハーとの間隙を維持した状態でウェハーに対して垂直に配置されるハウジングと、該ハウジング内にウェハーに対向した状態で設けられて超音波を発生するオシレータとを備えていることを特徴とする超音波を利用した洗浄装置。
【請求項2】
中空のハウジングと、該ハウジングに被洗浄物としてのウェハーに対向した状態で結合されて超音波を発生するオシレータと、該オシレータにウェハーの上面に対して垂直な状態で結合されて前記オシレータにより発生した超音波をウェハーの上面に塗布された洗浄水に伝播する定径なロッドとを備えていることを特徴とする超音波を利用した洗浄装置。
【請求項3】
前記ロッドが、前記オシレータとの結合部位から長手方向に徐々に縮径するロッドに代替されて、前記オシレータから発生した超音波を増幅して被洗浄物としてのウェハーの上面に塗布された洗浄水に伝播するように設計されていることを特徴とする請求項2に記載の超音波を利用した洗浄装置。
【請求項4】
前記オシレータが、電源線から電源の印加を受けた圧電素子の収縮膨張により超音波を発生するように設計されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波を利用した洗浄装置。
【請求項5】
前記オシレータが、前記超音波を伝播する超音波伝播体または拡散層の一側面に圧電素子を接合することで構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波を利用した洗浄装置。
【請求項6】
前記拡散層と超音波伝播体とロッドとが、石英、サファイア、ダイアモンド、ガラス質カーボンを含むガラス質固体物質のいずれか1つからなっていることを特徴とする請求項5に記載の超音波を利用した洗浄装置。
【請求項7】
前記拡散層と超音波伝播体とロッドとが、ステンレス、チタニウム、アルミニウム、スチールを含む金属物質、テフロン等の耐化学性材料で被膜した金属物質のいずれか1つからなっていることを特徴とする請求項5に記載の超音波を利用した洗浄装置。
【請求項8】
前記拡散層と超音波伝播体とが、四角形、円形、多角形のいずれかの断面形状を呈していることを特徴とする請求項5に記載の超音波を利用した洗浄装置。
【請求項9】
前記オシレータとロッドとが、一体に成形されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の超音波を利用した洗浄装置。
【請求項10】
前記オシレータとロッドとが、相互に結合されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の超音波を利用した洗浄装置。
【請求項11】
前記オシレータが、四角形、円形、多角形のいずれかの断面形状を呈していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波を利用した洗浄装置。
【請求項12】
前記圧電素子は、円形、四角形、菱形、三角形、平行四辺形のいずれかの形状を呈しているとともに、前記超音波伝達体または拡散層の表面に接合されていることを特徴とする請求項4に記載の超音波を利用した洗浄装置。
【請求項13】
前記オシレータが、前記超音波を拡散して相互に重ね合わせる拡散層の一側面に接合された圧電素子を備えるとともに、
該圧電素子が、圧電セラミックの一側面に縦横に一定間隔で離隔された状態で蒸着された複数の陽極片と他側面に蒸着された陰極部とを有して前記超音波の音圧偏差を減少するように設計されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波を利用した洗浄装置。
【請求項14】
前記超音波の拡散角度が、前記陽極片の幅を小さくするにつれて大きくなるように設計されていることを特徴とする請求項13に記載の超音波を利用した洗浄装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2010−503998(P2010−503998A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529102(P2009−529102)
【出願日】平成19年8月17日(2007.8.17)
【国際出願番号】PCT/KR2007/003939
【国際公開番号】WO2008/048003
【国際公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(598026264)韓国機械研究院 (12)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月17日(2007.8.17)
【国際出願番号】PCT/KR2007/003939
【国際公開番号】WO2008/048003
【国際公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(598026264)韓国機械研究院 (12)
【Fターム(参考)】
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