説明

路車間通信システム

【課題】路車間通信の路上装置から車両へのデータ送信において、限られた無線通信帯域で、多数の情報をリクエストされた場合に、情報の到達確実性やリアルタイム性を維持しつつ、必要な情報を適宜選定する。
【解決手段】交通信号制御機1Aは、交差点Aに接続する道路R上の通信領域に対して所定の周期毎に、路側送信データを送信している。この場合、その路側送信データには、全車両に共通する共通情報と、1又は複数の車両にリクエストされた個別情報が含まれている。交通信号制御機1Aは、優先度やデータサイズ等に応じて、送信する共通情報と個別情報の種類を適宜選定した上で、その送信順序や送信回数等を決定して、送信するようにした。これにより、各情報に要求される分解能等の要求性能を満たしつつ、無線通信帯域を有効に活用することができるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路上装置と車載機との間で行われる路車間通信に関し、特に路上装置から車載機に対するデータ送信時の通信制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通安全の促進や交通事故の防止を目的として、路上装置が車両に対して信号機の表示に関する信号情報を送信し、車両が当該情報を活用することで、車両の安全性を向上させるシステムが検討されている。
そのようなシステムとして、例えば、信号機の作動情報を無線で車両に送信し、前記作動情報に含まれる青信号の残表示時間に応じて車両がブレーキ制御を行う安全運転支援システムが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特許第2806801号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
路車間通信システムの路車間通信の方式としては、インフラが走行する車両1台毎に独立して通信コネクションを確立して車両毎に個別に通信を行う個別通信方式と、全ての車両に対して同一の情報を送信し、受信する車両側で情報の取捨選択をする同報通信方式の2つが考えられる。
個別通信方式では、車両と対話的に通信を行うため、情報が車両側に到達したか否かを確認した上で未達であればその車両に対して情報を再送することが可能となる。また、車両毎に送信するため、送信内容の秘匿性が高まるという効果もある。
一方、同報通信方式では、個別の車両に対して情報が到達したか否かを確認することはできないが、複数の車両に共通した情報を車両毎にそれぞれ送信する必要がなくなるため、電波の帯域を有効活用することができるという利点がある。
路車間通信において使用可能な電波の帯域が限られている場合には、同報通信方式を採用することが好ましい。
【0005】
なお、インフラから送られる情報は、時刻情報、信号機の表示に関する情報(以下、信号情報という。)や交通規制に関する情報(以下、規制情報という。)などのように全ての車両に対して共通的に送信すべき情報(以下、共通情報という。)と、車両からのリクエストに応じて当該車両のために送信する情報(以下、個別情報という。)との2つに大別できる。
【0006】
同報通信方式では、インフラは全ての車両に対して同じ内容の共通情報と個別情報を道路上の所定の路車間通信領域に対して所定の周期で繰り返し送信し、車両側においてインフラが送信する情報の中から自車両が必要とする個別情報及び共通情報を取り出して使用する、という方法を用いることができる。
【0007】
この場合、路車間通信では車両が移動し、路車間通信の通信領域内にとどまっている時間が小さいため、前記繰り返し送信される情報を受信できる期間はそれほど長くない。仮に、路車間通信に使用することが可能な通信帯域幅が一定であれば、共通情報に対する個別情報の情報量が大きい場合、通信領域内で共通情報を受信することのできる回数が少なくなる。例えば前方に大型車が存在する場合や、豪雨などの悪気象条件の影響により電波信号を受信し難い状況などの場合、共通情報を受信する機会が減少すると、必要な共通情報を受信できない確率が高くなってしまう。
【0008】
また、個別情報が多い場合、繰り返し送信される共通情報の受信間隔が長くなってしまうため、共通情報に信号情報や時刻情報等のような動的な情報が含まれる場合には、その情報のリアルタイム性や分解能が低下するという問題点もある。
【0009】
そこで、本発明では、リクエストされた個別情報の種類が多い場合であっても、共通情報の情報到達の確実性やリアルタイム性などの要求性能が所定のレベル以下とならないような、路車間通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第一の発明にかかる路車間通信システムは、道路上の所定領域に対してダウンリンク情報を所定周期毎に繰り返し送信する路上装置と、前記所定領域内で前記ダウンリンク情報を受信する1又は複数の車載機とを含み、前記ダウンリンク情報には、複数の車載機に対して共通的に送信する1又は複数の共通情報と、所定領域内に存在する少なくとも1つの車載機からの要求に応じて所定期間内に限り送信される1又は複数の個別情報とが含まれており、前記路上装置は、前記個別情報の優先度を記憶する記憶手段を有し、前記優先度に基づいて、前記ダウンリンク情報に含ませる個別情報を選択する(請求項1)。
【0011】
この発明によれば、個別情報の優先度を記憶するようにしたので、個別情報の種類が多くなったような場合には、路上装置が送信する個別情報を優先度に応じて適宜選択して送信することが可能となった。
【0012】
また、第二の発明にかかる路車間通信システムは、道路上の所定領域に対してダウンリンク情報を所定周期毎に繰り返し送信する路上装置と、前記所定領域内で前記ダウンリンク情報を受信する1又は複数の車載機とを含み、前記ダウンリンク情報には、複数の車載機に対して共通的に送信する1又は複数の共通情報と、所定領域内に存在する少なくとも1つの車載機からの要求に応じて所定期間内に限り送信される1又は複数の個別情報とが含まれており、前記路上装置は、前記共通情報及び個別情報の優先度を記憶する記憶手段を有し、前記優先度と前記共通情報及び個別情報のデータサイズとに基づいて、1の所定周期において前記ダウンリンク情報に含ませる個別情報と共通情報を選択し、その送信順序及び送信回数を決定する(請求項2)。
【0013】
この発明によれば、路上装置が送信する個別情報及び共通情報について、優先度とデータサイズに応じて、適宜送信すべき情報を選択した上で、その送信順序と送信回数を決定するようにしたので、路上装置から送信する情報量が大きくなった場合であっても、車載機への情報の到達確実性やリアルタイム性などを一定以上のレベルにすることが可能となった。
これにより、例えば、所定の間隔以内で繰り返し送信する必要のある情報を、その制約を守った上で送信することが可能となった。
なお、送信すべき個別情報及び共通情報の選択には、全ての共通情報と車載機から送信を要求される全ての個別情報を含めるようにすることも含まれる。
【0014】
また、第三の発明にかかる路車間通信システムは、道路上の所定領域に対してダウンリンク情報を所定周期毎に繰り返し送信する路上装置と、前記所定領域内で前記ダウンリンク情報を受信する1又は複数の車載機とを含み、前記ダウンリンク情報には、複数の車載機に対して共通的に送信する1又は複数の共通情報と、所定領域内に存在する少なくとも1つの車載機からの要求に応じて所定期間内に限り送信される1又は複数の個別情報とが含まれており、前記路上装置は、前記共通情報及び個別情報の優先度及び送信分解能を記憶する記憶手段を有し、前記優先度と前記送信分解能と前記共通情報及び個別情報のデータサイズとに基づいて、1の所定周期において前記ダウンリンク情報に含ませる個別情報と共通情報を選択し、その送信順序及び送信回数を決定する(請求項3)。
【0015】
この発明によれば、第二の発明にかかる路車間通信システムに加えて、送信される各情報の送信分解能を加味して、適宜送信すべき情報を選択した上で、その送信順序と送信回数を決定するようにした。ここにいう送信分解能とは、ある特定の情報を送信してから次にその特定の情報を送信するまでの送信時間の間隔を指し、分解能が短く設定されている場合にはその特定の情報を頻繁に送信する必要が生じる。
第三の発明では、路上装置から送信する情報量が大きくなった場合であっても、車載機への情報の到達確実性やリアルタイム性などを一定以上のレベルにするとともに、特定の送信間隔以内で送信しなければならない情報について、その送信間隔を守ることが可能となった。
なお、送信すべき個別情報及び共通情報の選択には、全ての共通情報と車載機から送信を要求される全ての個別情報を含めるようにすることも含まれる。
【0016】
また、第四の発明にかかる路車間通信システムは、道路上の所定領域に対してダウンリンク情報を所定周期毎に繰り返し送信する路上装置と、前記所定領域内で前記ダウンリンク情報を受信する1又は複数の車載機とを含み、前記ダウンリンク情報には、複数の車載機に対して共通的に送信する1又は複数の共通情報と、所定領域内に存在する少なくとも1つの車載機からの要求に応じて所定期間内に限り送信される1又は複数の個別情報とが含まれており、前記路上装置は、前記共通情報及び個別情報の優先度を記憶する記憶手段を有し、前記優先度と前記共通情報及び個別情報のデータサイズと個別情報の送信を要求する車両の台数とに基づいて、1の所定周期において前記ダウンリンク情報に含ませる個別情報と共通情報を選択し、その送信順序及び送信回数を決定する(請求項4)。
【0017】
この発明によれば、第二の発明にかかる路車間通信システムに加えて、個別情報の送信を要求する車両の台数を加味して、適宜送信すべき情報を選択した上で、その送信順序と送信回数を決定するようにした。このため、路上装置から送信する情報量が大きくなった場合であっても、車載機への情報の到達確実性やリアルタイム性などを一定以上のレベルにするとともに、個別情報の需要の大小に即した情報の提供が可能となった。
なお、送信すべき個別情報及び共通情報の選択には、全ての共通情報と車載機から送信を要求される全ての個別情報を含めるようにすることも含まれる。
【0018】
また、第五の発明にかかる路車間通信システムは、道路上の所定領域に対してダウンリンク情報を所定周期毎に繰り返し送信する路上装置と、前記所定領域内で前記ダウンリンク情報を受信する1又は複数の車載機とを含み、前記ダウンリンク情報には、複数の車載機に対して共通的に送信する1又は複数の共通情報と、所定領域内に存在する少なくとも1つの車載機からの要求に応じて所定期間内に限り送信される1又は複数の個別情報とが含まれており、前記路上装置は、前記共通情報及び個別情報の優先度及び送信分解能を記憶する記憶手段を有し、前記優先度と送信分解能と前記共通情報及び個別情報のデータサイズと個別情報の送信を要求する車両の台数とに基づいて、1の所定周期において前記ダウンリンク情報に含ませる個別情報と共通情報を選択し、その送信順序及び送信回数を決定する(請求項5)。
【0019】
この発明によれば、第二の発明にかかる路車間通信システムに加えて、送信分解能と個別情報の送信を要求する車両の台数の双方を加味して、適宜送信すべき情報を選択した上で、その送信順序と送信回数を決定するようにした。このため、路上装置から送信する情報量が大きくなった場合であっても、車載機への情報の到達確実性やリアルタイム性などを一定以上のレベルにするとともに、特定の送信間隔以内で送信しなければならない情報について、その送信間隔を守ることを可能とし、さらに個別情報の需要の大小に即した情報の提供を行うことが可能となった。
なお、送信すべき個別情報及び共通情報の選択には、全ての共通情報と車載機から送信を要求される全ての個別情報を含めるようにすることも含まれる。
【0020】
なお、前記第一乃至第五の発明にかかる路車間通信システムにおいて送信される共通情報には、少なくとも前記道路に設置された信号機の現在及び将来の表示に関する信号情報が含まれていると良い(請求項6)。
信号情報を、道路上を走行する全ての車両に対して送信することで、当該情報を受信した車載機は、信号機設置交差点手前の停止線に到達する時点における信号機の表示状態を予測した上で、当該予測結果に応じてドライバの安全運転を支援することが可能となる。
特に、当該信号情報には情報の到達確実性やリアルタイム性が要求されるが、本発明の路車間通信システムによれば、これらの性能がきちんと担保され、大変有用である。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明の路車間通信システムによれば、車両からリクエストされる個別情報の優先度やデータサイズ等に応じて路側送信データを構成するようにしたため、情報の到達確実性やリアルタイム性を維持しつつ、限られた無線通信帯域を有効に活用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る路車間通信システムの機器配置の概要を示す模式図であり、交通信号制御機1A、信号制御装置5、複数の車両C、及びそれぞれの車両Cに搭載された車載機6を含むものである。また、図3は交通信号制御機1Aの機能ブロックを示すブロック図である。
【0023】
〔システムの全体構成〕
交差点Aに接続する道路Rには、交差点Aの手前に停止線Pが描かれている。
交差点Aには交通信号制御機1Aが設置されており、信号灯器2Aaを含む信号灯器の各信号灯色を点灯、消灯、及び点滅させて、交差点Aに向かって進行する車両(図中の車両Cを含む)に対して交通権を表示する。
【0024】
交通信号制御機1Aには車両との間で無線で通信データを送受信するための無線機7(図3)が内蔵されており、当該無線機7に接続された通信アンテナ1Aaを介して道路R上を走行する車両との間で通信データを送受信される。道路R上を走行する車両Cは、通信領域Q(図1において斜線で示す範囲)において、前記通信データの送受信を行うことができる。
なお、ここでは、車両Cが通信データを送信して交通信号制御機1Aが受信できる領域と、交通信号制御機1Aが通信データを送信して車両Cが受信できる領域は一致しているが、これらの領域は異なっていても良い。
【0025】
交通信号制御機1Aが送信する路側送信データには、交通信号制御機1Aが制御する信号灯器2Aaの表示灯色やその継続秒数の予定に関する信号情報が含まれる。
ここにいう信号情報には、例えば、現在表示中の青信号の継続期間や、その後に表示する黄信号、右折矢や赤信号等の表示の順序やその継続予定期間等が格納される。
そして、前記路側送信データには、道路Rの交通規制に関する規制情報、車線数や勾配といった道路の形状等に関する道路形状情報、道路Rの路面状態を通知する路面状態情報、および、行政庁による交通安全キャンペーン等の行政告知情報等が含まれている。
ここに挙げた信号情報、規制情報、道路形状情報、路面状態情報、および、行政告知情報は前記通信領域Qを走行する全ての車両に対して送信すべき情報であり、共通情報である。
【0026】
一方、前記路側送信データには、個々の車両からのリクエストに応じて送信される個別情報が含まれている場合がある。
個別情報としては、一般車両用の情報として、交差点A付近の飲食店に関する飲食店情報、交差点A付近の百貨店などの店舗情報、交差点A付近の駐車場の料金や満空等の駐車場情報、交差点A付近で開催される花火大会等のイベントに関するイベント情報、および、所定のスポンサーが提供するコマーシャル情報などが含まれる。
また、個別情報には、公共車両など一部の車両用の情報として、事故や災害等発生に関する事故情報、最寄りの救急病院に関する病院情報、および、VIP車両の通行に関するVIP情報などが含まれている。
【0027】
これらの個別情報は、前記無線機7や別途設置された路上通信装置(例えば、光ビーコンやDSRC路上機等)を通じて、交差点Aに向かって進行する1又は複数の車両Cからリクエストを受けた場合に、その要求に応じて所定の期間に限って送信される。
例えば、ある車両Cから駐車場情報の送信を要求された場合には、共通情報に加えて駐車場情報を通信領域Qに対して繰り返し送信する。
この場合、駐車場情報は、当該駐車場情報の送信を開始してから所定時間経過後に送信を停止する(路側送信データから削除する)。なお、前記所定時間は、例えば1分間などのように予め決められた固定の時間でも良いし、駐車場情報を要求した車両Cが通信領域Qの外に退出するまでの時間でも良いし、駐車場情報を受信できた車両Cからの送信停止要求を受信するまでの時間でも良い。
【0028】
一方、交通管制センターには信号制御装置5が設置され、ルータ4や通信回線を通じて、交通信号制御機1Aとの間で情報を交換する。
交通信号制御機1Aは、信号制御装置5からの信号制御指令情報に基づいて信号制御プランを決定し、決定した前記信号制御プランに基づいて、信号灯器2Aa等の各信号灯色を点灯等する機能を有する。
ここにいう信号制御指令情報には、例えば主道路と従道路のそれぞれに対して割り当てるべき青信号の時間又はその割合に関する情報、サイクル長、地点感応制御(例えば、右折感応制御、バス感応制御やジレンマ感応制御等)を実施してよいか否かに関する情報等が格納される。
【0029】
そして、道路Rを走行する車両Cは、前記共通情報に含まれる信号情報や道路形状情報等を受信して安全運転支援動作を行う機能を有する。
ここにいう安全運転支援動作とは、前記信号情報や道路形状情報等に基づいて、車両Cが停止線Pを通過する時点における信号機の表示状態を予測した上で、例えば前記時点で赤信号になっていると予測される場合には、停止線Pの手前に車両を停止させるように自動的にブレーキを制御したり、ドライバに対して停止を促すような警告を発したりすることをいう。
なお、道路Rを走行する全ての車両が前記安全運転支援動作の機能を有する必要はなく、また、前記機能を有する車両であっても当該機能を停止していても良い。
【0030】
〔路側送信データの形式〕
図2に前記路側送信データの形式の一例を示す。
(a)は路側送信データの基本構造の一例であり、ヘッダ部、データ部、及びフッタ部によって構成されることを示す。
(b)はヘッダ部の詳細とデータ部の構造を示す一例である。
【0031】
ヘッダ部には、路側送信データであることを示す識別子(01)や交差点番号(55)などが格納されている。また、後続のデータ部に格納される共通情報および個別情報の数(08)が格納されている。この場合は、合計8個のデータが格納されることを示している。
【0032】
そして、データ部には、ヘッダ部に格納された前記格納情報数に相当する数の共通情報および個別情報が順番に格納される。
この場合は、信号情報、道路形状情報、時刻情報の順番に格納されており、最後に駐車場情報が格納されている例を示している。
【0033】
〔信号情報の内容〕
図3に前記路側送信データのデータ部に格納される信号情報の一例を示す。
(a)は信号情報の基本構造の一例であり、ヘッダ部、データ部、及びフッタ部によって構成されることを示す。
(b)は情報の詳細を示す一例である。
このように、信号情報や道路形状情報などの路側送信データに含まれる各情報もそれぞれヘッダ部、データ部、及びフッタ部によって構成される。
【0034】
ヘッダ部には、信号情報のデータサイズや、交通信号制御機1Aが車両に対して情報提供する対象となる灯色数(08)が格納されており、後続の領域に各表示灯色の表示予定秒数が、前記灯色数分格納されている。
そして、フッタ部にはCRCやSUM値等が格納される。
【0035】
また、データ部には、ヘッダ部に格納された前記灯色数分の灯色の表示予定秒数が100ms単位で格納される。この例では、現在表示している信号灯色は青信号(コード「01」)で、その表示予定秒数は16秒(16進数で「00A0」)であり、青信号の次に表示するのは黄信号(コード「02」)で、その表示予定秒数は3秒(16進数で「001E」)であり、黄信号の次に表示するのは右折矢(コード「13」)で、その表示予定秒数は10秒(16進数で「0064」)であり、右折矢の次に表示するのは赤信号(コード「03」)で、その表示予定秒数は40秒(16進数で「0190」)であることを示している。
なお、表示予定秒数は、1秒単位や10ms単位で表現しても良い。また、表示予定秒数が不明の場合には、秒数のところに秒数が不明であることを示す「FF」などを格納すれば良い。
【0036】
〔交通信号制御機の基本的動作〕
以下、交通信号制御機1Aの基本的動作を、図4を用いて説明する。
なお、図4は交通信号制御機1Aの機能ブロック構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0037】
交通信号制御機1Aは、通信回線やルータ等を通じて信号制御装置5と情報をやりとりしており、中央装置情報受信手段131は、信号制御装置5の送信する信号制御指令情報を受け取る。
【0038】
交通信号制御機1Aの信号制御プラン作成手段101は、1サイクルの開始直前にそれまでに中央装置情報受信手段131が受け取った信号制御指令情報のうち、最後の信号制御指令情報や交通信号制御機1Aの記憶する信号制御用パラメータ等に基づいて当該1サイクルの信号制御プランを決定する。決定されたし信号制御プランは信号制御プランテーブル102に格納される。
図5は、その信号制御プランの一例を示す図である。
そして、当該信号制御プランに従って、信号灯器制御手段111が信号灯器2Aa等を制御する。この場合、信号灯器制御手段111は、信号灯器2Aa等の表示状態毎の継続時間等の情報が書き込まれた信号制御プランに従って、状態1乃至7の順番及び継続時間で、信号灯器2Aa等の各信号灯色を点灯及び消灯する。
【0039】
また、信号情報作成手段121は、所定の周期毎(例えば100ms毎)に、信号制御プランテーブル102に基づいて現在及び将来の信号機の表示に関する信号情報を作成する。そして、作成された前記信号情報は、無線機7を通じて他の共通情報や個別情報等と共に通信領域Qに対して繰り返し送信される。共通情報や個別情報等の路側送信データをどのような順序や構成とするかについては、無線通信制御手段141が決定するが、その決定方法等については後述する。
この場合、信号情報に含まれる「現在表示中の信号灯色(1)の表示予定秒数」は、時間の経過とともにその秒数が減じられていき、0秒となった時点で、現在表示中の信号灯色は次の信号灯色に置き換えられる。
【0040】
なお、信号制御装置5から信号制御指令情報によらず交通信号制御機1Aが単独で信号制御プランを作成するように指示された場合や、通信回線が切断されて信号制御装置5との通信ができない状態の場合には、交通信号制御機1Aが自身の記憶装置等に記憶する制御パラメータ等のみに基づいて信号制御プランを作成するように構成されていても良い。
【0041】
〔信号制御装置の動作〕
次に、信号制御装置5の動作を説明する。
図11は、信号制御装置5の機能ブロックの概略図である。
信号制御装置5は、交通信号制御機1A及び他の交通信号制御機(図示せず)を含む複数の交通信号制御機との間で、送信手段501及び受信手段511により、通信回線を通じて情報を送受信している。
【0042】
交通状況取得手段531は、道路上に設置された1又は複数の車両感知器(図示せず)から送信されてくる感知器情報を収集し、交通情報データベース532に蓄積する。そして、これらの感知器情報に基づいて車両感知器の設置された道路やその周辺における交通状況を把握する。この場合、交通状況の把握は例えば5分毎や信号機のサイクル時間毎等の周期で行われる。前記交通状況の把握に当たっては、各道路における交通量、占有時間、平均走行速度、車群の待ち行列長等の指標が用いられる。
例えば、ある交差点では主道路側と従道路側の交通量の比率が大幅に変動したことや、別の交差点では流入交通量が交差点の飽和交通流率を上回り飽和状態に達していること等の状況を把握する。
【0043】
次に、前記交通状況に基づいて、各交差点の現示に割り当てる青時間、サイクル長やオフセット等を決定し、信号制御指令作成手段521がこれらを含む前記信号制御指令情報を作成する。前記青時間の割当ての決定に当たっては、例えば、交差点における流入路ごとの飽和度や負荷率を算出し、それらの比率に応じて割当てを決定する方法が考えられる。そして、前記作成された信号制御指令情報を随時各交通信号制御機に送信することで、各交通信号制御機の動作に関する指示を与える。
当該信号制御指令情報を受信した各交通信号制御機は、前述の方法等で信号制御プランを決定する。
【0044】
この場合、例えば近未来の時点で交通需要が急激に増減するなどの状況を予測できるのであれば、当該時点における未来の交通状況を予測した上で、当該交通状況に応じた信号制御指令情報を作成して送信するようにしても良い。現在の交通状況に応じた信号制御方式に比べて、渋滞の発生を未然に防止することができ、大変有効である。
なお、前記交通状況の予測は、例えば交差点に流入する交通量の予測であれば、当該交差点よりも上流側に設置された車両感知器の計測結果から、近未来に前記交差点に流入する台数を見積もる方法を用いることが出来る。また、記憶している過去の統計データを用いて、現時点における交通状況と類似した過去のデータをサーチし、時間帯や日種等の条件を加味して渋滞長や旅行時間等を予測することもできる。
【0045】
〔車載機の基本的動作〕
以下、車載機6の基本的動作を詳しく説明する。
図12は、車載機6と車載機6を搭載した車両Cの機能ブロックの概略図である。
【0046】
車両Cには車載機6の他に、車両Cを進行させるためのエンジンと制動するためのブレーキが備えられている。前記エンジンやブレーキは、ドライバがアクセルペダルやブレーキペダル等を操作することによって制御できるが、この他にも、車載機6からの指示等に基づいて自動的に制御することができる。
また、車両Cには、車載機6からの情報等に基づいて、搭乗者に対して画像や音声等によって各種情報を報知するためのディスプレイ(ヘッドアップディスプレイやカーナビゲーション装置の表示機等)やスピーカが備えられている。
【0047】
信号情報等取得手段601は、通信アンテナ1Aaから所定の通信方式で送出される前記信号情報や道路形状情報等の共通情報と、必要に応じて飲食店情報等の個別情報を、車両Cに搭載した受信アンテナ(図示せず)等を介して受信して取得する。
この場合、路車間通信に用いられる通信方式では、長波帯や短波帯等いずれの周波数帯を使用しても良く、変調方式もOFDMやCDMA等いかなる方法を用いても良い。
【0048】
次に、取得した前記信号情報等に基づく安全運転支援制御について詳しく説明する。なお、前記安全運転支援制御とは、停止線P到達時の信号灯器2Aaの表示灯色を予測し、当該予測結果に応じて、ドライバの安全運転を支援することを指す。
具体的には、報知情報作成手段611が搭乗者に対する音声情報を作成してスピーカを通じて報知したり、画像情報を作成してディスプレイを通じて報知したりする。また、速度制御手段621が、エンジンやブレーキを制御し、車両Cを自動的に制動したり、ドライバの運転をアシストしたりする。
【0049】
まず、現在の車両Cの走行速度を車輪速センサ等の速度取得手段(図示せず)によって取得すると共に、受信した道路形状情報等に基づいて停止線Pまでの距離を取得する。そして、取得した前記走行速度で走行した場合の停止線Pまでの所要時間を取得する。
【0050】
そして、前記所要時間経過後の信号灯器2Aaの表示灯色を予測する。
例えば、前記所要時間が30秒と算出された場合、図3に示す信号情報を受信していれば30秒後には信号機は赤信号に変わっているから、車両Cは停止線Pの手前で停止すべきと判断できる。
【0051】
この場合、報知情報作成手段611は、ドライバへの報知情報として「まもなく信号が赤に変わる」や「停止線の手前で停止すべき」といった音声情報を作成し、スピーカ等を通じて報知する。さらに、これらを文字情報としてヘッドアップディスプレイに表示したり、カーナビゲーション装置の表示機に対して停止を促す文字や図柄を表示したりする。
また、速度制御手段621は、アクセルやブレーキに対して制御信号を送り、車両Cがこれ以上加速しないようにしたり、減速させたりしてドライバの運転をアシストする。この場合、自動的に減速等を行っている旨を別途表示機等に表示したり、音声でドライバに通知したりしても良い。
また、ドライバが完全に自動的な運転に委ねているような場合には、停止線Pの手前で安全かつスムーズに停止するように、ブレーキやアクセルを継続して制御しても良い。
【0052】
なお、停止線Pに到達する時点で青信号が表示されていると判断される状況であれば、報知情報作成手段611は、報知情報を作成しなくても良いし、「このまま安全に交差点を通過できるため落ち着いて運転するように」といった音声情報等を作成して報知するようにしても良い。また、速度制御手段621は、特にブレーキアシスト等の動作をする必要はない。
【0053】
〔交通信号制御機の無線通信制御動作〕
交通信号制御機1Aの無線通信制御手段141は、無線機7を通じて通信領域Qに対して路側送信データを繰り返し送信する場合に、その内容を随時適切に再構成する。
【0054】
まず、無線通信制御手段141は、無線機7を通じて受け取った1又は複数の車載機6からの個別情報のリクエストを個別リクエストテーブル143に格納する。なお、図7の(a)〜(e)は、個別リクエストテーブル143に蓄えられたある時点におけるリクエスト内容の例を示す図である。
【0055】
ここで、無線通信制御手段141は、優先度テーブル142に基づいて、路側送信データを構成する共通情報及び個別情報の送信順序と回数をその都度決定した上で、無線機7を通じて通信領域Qに送信する。
具体的には、無線機7からの送信開始に先立って、無線通信制御手段141は路側送信データの1セットの構成を決定する。当該1セットの送信が終わったら、次に送信する1セットの構成を再度決定して、当該再構成後の1セットを送信する。無線機7からの路側送信データ送信動作はこの1セットの再構成と送信を繰り返し実行することによって行われる。
なお、無線機7からのデータ送信の速度は、800000bps(1秒間に100000バイトのデータを送信可能な速度)である場合を想定する。
【0056】
まず、個別リクエストテーブル143に格納されたリクエストの内容が、図7(a)の内容であった場合の処理について説明する。この例では、個別情報としてリクエストされているのはコマーシャル情報のみであり、15台の車両が当該情報をリクエストしていることを示している。
この場合、コマーシャル情報は3000バイトであるが、信号情報や時刻情報など6つの共通情報を合計したサイズは1200バイトであるから、路側送信データの合計サイズは4200バイトである。つまり、全ての情報を送信するのに要する時間は42msと算出される。共通情報に含まれる信号情報などの分解能は最小でも100ms単位であるから、各情報をそれぞれ1回ずつ優先度に応じて並べて路側送信データを構成した上で(図8の(a)に示す構成)、送信することに決定する。
【0057】
次に第二のパタンとして、個別リクエストテーブル143に格納されたリクエストの内容が、図7(b)の内容であった場合の処理を説明する。この例では、個別情報としてリクエストされているのはバス運行情報のみであり、1台の車両が当該情報をリクエストしていることを示している。当該情報はバスのみが要求する個別情報である。
この場合、バス運行情報は9000バイトであり、共通情報との合計サイズは10200バイトである。つまり、全ての情報を送信するのに要する時間は102msと算出される。共通情報に含まれる信号情報などの分解能は最小でも100ms単位を要求されるから、各情報をそれぞれ1回ずつ送信すると、要求分解能を満たすことができなくなる。そこで、これらの情報のうち、優先度の低い行政告知情報を除外して路側送信データを構成した上で(図8の(b)に示す構成)、送信することに決定する。行政告知情報を除外した場合の合計サイズは9700バイトであり、送信所要時間は97msであるから、要求分解能を満たすようになる。
【0058】
次に第三のパタンとして、個別リクエストテーブル143に格納されたリクエストの内容が、図7(c)の内容であった場合の処理を説明する。この例では、個別情報としてリクエストされているのは飲食店情報、駐車場情報およびコマーシャル情報の3つである。
この場合、個別情報の合計サイズは11800バイトであり、共通情報との合計サイズは13000バイトである。つまり、全ての情報を送信するのに要する時間は130msと算出される。信号情報などの分解能は最小でも100ms単位を要求されるから、各情報をそれぞれ1回ずつ送信すると、要求分解能を満たすことができなくなる。そこで、これらの情報のうち、優先度が低く、かつリクエストする車両の台数が最も少ない飲食店情報を除外して路側送信データを構成した上で(図9の(c−1)に示す構成)、送信することに決定する。飲食店情報を除外した場合の合計サイズは5000バイトであり、送信所要時間は50msであるから、要求分解能を満たすようになる。
なお、個別情報のうち、リクエストの多いコマーシャル情報を先に送信する。
【0059】
また、このケースでは、高い分解能を要求されるデータについては2回送信するようにしても良い。例えば、図9の(c−2)に示すように、共通情報6つに加えてコマーシャル情報と駐車場情報を送信した後で、再び信号情報と時刻情報を送信し、最後に飲食店情報を送信するようにすることもできる。
この場合、最初に送信した信号情報と次に送信する信号情報の間の送信間隔を100ms以下とすることができるから、要求分解能を満たした上でリクエストされた全ての個別情報を送信することができる点で有利である。
【0060】
次に第四のパタンとして、個別リクエストテーブル143に格納されたリクエストの内容が、図7(d)の内容であった場合の処理を説明する。この例では、個別情報としてリクエストされているのは店舗情報、イベント情報、コマーシャル情報および病院情報の4つである。
この場合、個別情報の合計サイズは11800バイトであり、共通情報との合計サイズは12200バイトである。つまり、全ての情報を送信するのに要する時間は122msと算出される。信号情報などの分解能は最小でも100ms単位を要求されるから、各情報をそれぞれ1回ずつ送信すると、要求分解能を満たすことができなくなる。そこで、これらの情報のうち、優先度が低く、かつリクエストする車両の台数が最も少ない店舗情報を除外して路側送信データを構成した上で(図9の(d)に示す構成)、送信することに決定する。病院情報は1台のみしかリクエストしていないが、優先度の高い情報であるから除外せず、優先度の低い個別情報の中から除外する対象を選択するようにする。
【0061】
最後に第五のパタンとして、個別リクエストテーブル143に格納されたリクエストの内容が、図7(e)の内容であった場合の処理を説明する。この例では、個別情報としてリクエストされているのは飲食店情報、店舗情報、駐車場情報、イベント情報、コマーシャル情報、事故情報およびVIP情報の7つである。
この場合、個別情報の合計サイズは20900バイトであり、共通情報との合計サイズは22100バイトである。つまり、全ての情報を送信するのに要する時間は221msと算出される。信号情報などの分解能は最小でも100ms単位を要求されるから、各情報をそれぞれ1回ずつ送信すると、要求分解能を満たすことができなくなる。そこで、これらの情報のうち、優先度が低く、かつリクエストする車両の台数が少ないイベント情報と店舗情報を除外して路側送信データを構成する(図10の(e−1)に示す構成)。
【0062】
また、このケースにおいても第三のケースと同じように、高い分解能を要求されるデータを複数回送信するようにしても良い。例えば、図10の(e−2)に示すように、共通情報6つに加えて事故情報、VIP情報および飲食店情報を送信した後に、分解能が100ms単位の信号情報と時刻情報を送信し、さらにその後で店舗情報、駐車場情報およびイベント情報を送信した後に、分解能が100ms単位の信号情報と時刻情報に加えて、分可能が200ms単位の路面状態情報を送信し、最後にコマーシャル情報を送信するようにすることもできる。
【0063】
以上のように、情報の優先度、データサイズ、リクエストしている車両の台数、要求分解能などに応じて、適切に送信順序や送信回数等を決定した上で、路側送信データの構成を決定すれば良いのである。これらのうち、どのファクターを重視するか、あるいは路側送信データの1セットのサイズが大きくなりすぎることを回避したいかどうかなど路側送信データの構成ポリシーについては、路上装置のシステムを運用する者が随時決定した上で、当該ポリシーを無線通信制御手段141にプログラムしておけば良い。
なお、路側送信データから除外された個別情報については、リクエストした車両のために、当該情報を除外した旨の通知情報を付加するようにすると良い。リクエストした情報が来ないために何らかの異常が発生したと車両側が誤認識することを避けるためである。
【0064】
以上のように、本発明によれば、リクエストされている個別情報の優先度やデータサイズ等に応じて随時路側送信データを構成して送信するようにしたので、路側送信データに含まれる各種情報の要求分解能(要求送信頻度)を常に満足することを可能とした。これにより、限られた無線通信帯域を効率よく有効に活用することができる。
【0065】
なお、本発明における交通信号制御機や信号制御装置等は、1の筐体によって実現されていても良いし、複数の筐体の組み合わせによって実現されても良い。また、これらは、それぞれ1つのコンピュータによって実現されていても良いし、複数のコンピュータを組み合わせて実現されていても良い。
【0066】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に係る路車間通信システムの機器配置の概要を示す模式図である。
【図2】(a)は本発明に係る路側送信データのフォーマットの一例を示す図、(b)は路側送信データのデータ部の構成の一例を示す図である。
【図3】(a)は本発明に係る信号情報のフォーマットの一例を示す図、(b)は信号情報の一例を示す図である。
【図4】交通信号制御機1Aの機能ブロック構成の一例を示す図である。
【図5】信号制御プランテーブル102に格納される信号制御プランの一例を示す図である。
【図6】優先度テーブル142の一例を示す図である。
【図7】(a)乃至(e)は個別リクエストテーブル143の例を示す図である。
【図8】(a)及び(b)は路側送信データを構成する共通情報及び個別情報の例を示す図である。
【図9】(c−1)、(c−2)及び(d)は路側送信データを構成する共通情報及び個別情報の例を示す図である。
【図10】(e−1)及び(e−2)は路側送信データを構成する共通情報及び個別情報の例を示す図である。
【図11】信号制御装置5の機能ブロック構成の一例を示す図である。
【図12】車載機6の機能ブロック構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0068】
1A 交通信号制御機
1Aa 通信アンテナ
2Aa 信号灯器
4 ルータ
5 信号制御装置
6 車載機
7 無線機
101 信号制御プラン作成手段
102 信号制御プランテーブル
111 信号灯器制御手段
121 信号情報作成手段
131 中央装置情報受信手段
141 無線通信制御手段
142 優先度テーブル
143 個別リクエストテーブル
501 送信手段
511 受信手段
521 信号制御指令作成手段
531 交通状況取得手段
532 交通情報データベース
601 信号情報等取得手段
611 報知情報作成手段
621 速度制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路上の所定領域に対してダウンリンク情報を所定周期毎に繰り返し送信する路上装置と、前記所定領域内で前記ダウンリンク情報を受信する1又は複数の車載機とを含む路車間通信システムであって、
前記ダウンリンク情報には、
複数の車載機に対して共通的に送信する1又は複数の共通情報と、
所定領域内に存在する少なくとも1つの車載機からの要求に応じて所定期間内に限り送信される1又は複数の個別情報とが含まれており、
前記路上装置は、前記個別情報の優先度を記憶する記憶手段を有し、
前記優先度に基づいて、前記ダウンリンク情報に含ませる個別情報を選択すること
を特徴とする路車間通信システム。
【請求項2】
道路上の所定領域に対してダウンリンク情報を所定周期毎に繰り返し送信する路上装置と、前記所定領域内で前記ダウンリンク情報を受信する1又は複数の車載機とを含む路車間通信システムであって、
前記ダウンリンク情報には、
複数の車載機に対して共通的に送信する1又は複数の共通情報と、
所定領域内に存在する少なくとも1つの車載機からの要求に応じて所定期間内に限り送信される1又は複数の個別情報とが含まれており、
前記路上装置は、前記共通情報及び個別情報の優先度を記憶する記憶手段を有し、
前記優先度と前記共通情報及び個別情報のデータサイズとに基づいて、1の所定周期において前記ダウンリンク情報に含ませる個別情報と共通情報を選択し、その送信順序及び送信回数を決定すること
を特徴とする路車間通信システム。
【請求項3】
道路上の所定領域に対してダウンリンク情報を所定周期毎に繰り返し送信する路上装置と、前記所定領域内で前記ダウンリンク情報を受信する1又は複数の車載機とを含む路車間通信システムであって、
前記ダウンリンク情報には、
複数の車載機に対して共通的に送信する1又は複数の共通情報と、
所定領域内に存在する少なくとも1つの車載機からの要求に応じて所定期間内に限り送信される1又は複数の個別情報とが含まれており、
前記路上装置は、前記共通情報及び個別情報の優先度及び送信分解能を記憶する記憶手段を有し、
前記優先度と前記送信分解能と前記共通情報及び個別情報のデータサイズとに基づいて、1の所定周期において前記ダウンリンク情報に含ませる個別情報と共通情報を選択し、の送信順序及び送信回数を決定すること
を特徴とする路車間通信システム。
【請求項4】
道路上の所定領域に対してダウンリンク情報を所定周期毎に繰り返し送信する路上装置と、前記所定領域内で前記ダウンリンク情報を受信する1又は複数の車載機とを含む路車間通信システムであって、
前記ダウンリンク情報には、
複数の車載機に対して共通的に送信する1又は複数の共通情報と、
所定領域内に存在する少なくとも1つの車載機からの要求に応じて所定期間内に限り送信される1又は複数の個別情報とが含まれており、
前記路上装置は、前記共通情報及び個別情報の優先度を記憶する記憶手段を有し、
前記優先度と前記共通情報及び個別情報のデータサイズと個別情報の送信を要求する車両の台数とに基づいて、1の所定周期において前記ダウンリンク情報に含ませる個別情報と共通情報を選択し、その送信順序及び送信回数を決定すること
を特徴とする路車間通信システム。
【請求項5】
道路上の所定領域に対してダウンリンク情報を所定周期毎に繰り返し送信する路上装置と、前記所定領域内で前記ダウンリンク情報を受信する1又は複数の車載機とを含む路車間通信システムであって、
前記ダウンリンク情報には、
複数の車載機に対して共通的に送信する1又は複数の共通情報と、
所定領域内に存在する少なくとも1つの車載機からの要求に応じて所定期間内に限り送信される1又は複数の個別情報とが含まれており、
前記路上装置は、前記共通情報及び個別情報の優先度及び送信分解能を記憶する記憶手段を有し、
前記優先度と送信分解能と前記共通情報及び個別情報のデータサイズと個別情報の送信を要求する車両の台数とに基づいて、1の所定周期において前記ダウンリンク情報に含ませる個別情報と共通情報を選択し、その送信順序及び送信回数を決定すること
を特徴とする路車間通信システム。
【請求項6】
前記共通情報のうち少なくとも1つは、
前記道路に設置された信号機の現在及び将来の表示に関する信号情報であること
を特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の路車間通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−282071(P2008−282071A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−123131(P2007−123131)
【出願日】平成19年5月8日(2007.5.8)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】