車両のサスペンションシステムにおけるロール安定化機構に対する改良
【課題】コーナリングの際にロール安定性を付与し、凹凸地面を越すときの乗り心地を快適にする自動車のサスペンションシステムが提供される。
【解決手段】トーション手段50,51が装備されており、これらトーション手段は、横方向に近接した一対のウィッシュボーン2aとウィッシュボーン2b、一対のウィッシュボーン2cとウィッシュボーン2dを相互に連結している。各トーション手段は、二つのコンポーネント5a,5bと二つのコンポーネント5c,5dを含み、車輪アッセンブリーがほぼ垂直方向へ動くと、各コンポーネントのメインシャフトは、既知のロールスタビライザーバーのように、シャシー1に取り付けられた内側ハウジング(図示せず)をターンさせるようになる。普通、ロールスタビライザーバーは、その全長にわたり、ねじり弾性を与えるばねスチール材から製造される。
【解決手段】トーション手段50,51が装備されており、これらトーション手段は、横方向に近接した一対のウィッシュボーン2aとウィッシュボーン2b、一対のウィッシュボーン2cとウィッシュボーン2dを相互に連結している。各トーション手段は、二つのコンポーネント5a,5bと二つのコンポーネント5c,5dを含み、車輪アッセンブリーがほぼ垂直方向へ動くと、各コンポーネントのメインシャフトは、既知のロールスタビライザーバーのように、シャシー1に取り付けられた内側ハウジング(図示せず)をターンさせるようになる。普通、ロールスタビライザーバーは、その全長にわたり、ねじり弾性を与えるばねスチール材から製造される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には車両のサスペンションシステムに関し、そして特にロール安定化機構を組み込んだサスペンションシステムに関するものである。
【0002】
近代の自動車には、一つ、又は、それ以上のロール(横揺れ)安定バーまたは”トーション”バーが装備されているのが通常であって、これらバーは、一本、又は、それ以上のアクスルの車輪を横断方向にリンクして、ロール運動を抑え、コーナリングの際、乗り心地を悪くし、時には危険なスウェー運動を防ぐ。ロールスタビライザーバーは、通常、スチールのスプリングバーとして製造され、これらバーは、ねじり弾性を有し、これによって1本のアクスルにおける一方の車輪が上下動すると、同じアクスルの他方の車輪が同時に同じ方向へ動かされる。1本のアクスルの二つの車輪が共通の方向へ動く程度は、コーナリングによって自動車に作用する横方向のロール力に応答する、二つの車輪を横断方向に連結するロールスタビライザーバーのねじり強度によって、ある程度定まる。
【0003】
重心位置が高い自動車(激しいロール運動を受けやすいトラックのようなもの)及び激しいロール運動を示すことなしに’コーナーフラット’になることが要求される自動車(スポーツカーのようなもの)には、通常、スチッフなロールスタビライザーバーが装備されていて、ロール運動を防ぐ。よりスチッフなロールスタビライザーバーを装備すると、苛酷な乗り心地になってしまう不利な結果となるもので、これは、アクスルの両車輪が機能的にリンク(ある程度)されるようになり、したがって、地面の凸部やポットホールに打ち当たった一つの車輪のみによっては、シングルの車輪インプッツは、解消されないからである。
【0004】
したがって、高級な乗用車には、より素直なロールスタビライザーバーが装備されているのが通常であって、その結果、シングルの車輪インプッツは、シングルの車輪の関連したスプリングとダンパーユニットにより吸収されるもので、該ユニットは、前記スタビライザーのねじり剛性から生じる付加的抵抗なしに前記シングルインプットに応答して比較的自由に動く。
【0005】
トーションバーのねじり剛性に関係なく、前記バーを装備すると、車輪相互における車輪の動き度合いを制限する。このことは、例えば、凹凸面を走行するとき、反対の垂直方向に車輪が大きく動かなければならないような場合に不利となる。車輪を連結するロールスタビライザーバーによって車輪の動きが制限されると、前記のような状態にあっては、自動車は、大きくガタガタ横揺れしながら進むようになる。この車輪の動きの制限は、また、前記のような地面を越えて走るときの車輪の牽引力を抑えてしまう。
【0006】
平らでない地面を走行するとき、複数の車輪が接地するポイントはシングルの面とは限らない。この結果、対角線で対向する二つの車輪のサスペンションは、圧縮され、車輪は、車体に近づき、対角線で対向する他方の二つの車輪のサスペンションは、伸びる。サスペンションの動作のこの態様は、’ねじれ’又は、さもなければ、’クロスアクスル関節運動’として知られているものである。
【0007】
コーナリングの際にロール安定性を付与し、さらにまた、ほぼ真っすぐなラインを走行したり、凹凸地面を越すときの乗り心地を快適にする自動車のサスペンションシステムをもつことは、有利なことである。
【0008】
この点に留意して、本発明は、一つのアスペクトにおいては、車体に連結した少なくとも一対の前部側地表係合手段および車体に連結した少なくとも一対の後部側地表係合手段とを有し、車体に対しての各地表係合手段の実質的に垂直方向の相対運動を行わせるようにする車両のサスペンションシステムを提供するもので、このサスペンションシステムは、前記地表係合手段にする車体を支持する弾性手段、少なくとも一つの前部側の一対の横方向に近接する前記地表係合手段を相互に連結する力伝達手段及び少なくとも一つの後部側の一対の横方向に近接する前記地表係合手段を相互に連結する力伝達手段を含み、各力伝達手段は、調節手段を含み、該調節手段は、縦方向に間隔をおいていて、前記力伝達手段の各々により、関連する横方向近接地表係合手段に伝達される力と方向とが相互に連結した横方向近接地表係合手段の少なくとも二つの対の相対位置と、それらに作用する荷重のファンクションとして、プログレッシブに変化するように、機能的にリンクされており、これによって、車両のロールモーションを抑え、同時に、前記地表係合手段のねじりモーションを容易にさせるようになっている。
【0009】
前記調節手段の機能的リンクにより、自動車の姿勢を”パッシブ”コントロールできる。前記サスペンションシステムは、外部のコントロール手段を必要とせずに、セルフ補正することができる。このことは、モーションセンサー及び移動センサー、前記センサーの信号を処理する電子コントロールユニットのような部品や、電子コントロールユニットにより制御される流体ポンプのような作動部品を不要とする。そのような機構は、高価であり、地面の条件と自動車の動きの変化に対する応答が比較的遅い。
【0010】
前記弾性支持手段は、前記の各地表係合手段と車両シャシーとの間に設けられる。また別に、一つの前記弾性支持手段を少なくとも前記一対の横方向近接地表係合手段のために設けて、関連する横方向近接地表係合手段の両方へかかる荷重を支持するようにできる。前記一つの弾性支持手段を少なくとも前記一対の前部側横方向近接地表係合手段のために設け、別の前記弾性地表係合手段を少なくとも前記一対の後部側横方向近接地表係合手段のために設け、それぞれ、前記関連する横方向地表係合手段のそれぞれに実質的に等しい荷重を与えるようにできる。
【0011】
力伝達手段により伝達される力は、ねじり力である。この目的のために、ねじり力が伝達されるようにする手段が使用される。したがって、各力伝達手段は、一対の横断方向トーションバーを含む。好ましくは、各トーションバーは、それぞれ前記一つの地表係合手段を含み、該トーションバーは、調節手段により相互に連結されている。前記トーションバーは、それらの長軸を中心として回転でき、前記調節手段は、好ましくは、関連したトーションバーの相互に対する軸回転をプログレッシブにコントロールし、前記地表係合手段がねじりモーションを受けるとき、前記地表係合手段が動くようになる一方、車両のロール態勢が前記トーションバーにより同時に規制される。
【0012】
本発明の好ましい実施例によれば、各調節手段は、関連した一対のトーションバーを機械的に連結する。前記一対の横断方向に近接したフロント側の地表係合手段を互いに連結する調節手段と、前記一対の横断方向に近接したバック側の地表係合手段を互いに連結する調節手段とは、機械的連結により機能的にリンクされている。この機械的連結は、前記連結手段を連結する縦の方向のシャフトであり、各調節手段は、それぞれの一端でトーションバーの一つにそれぞれが連結する一対のリンク手段を含むことが好ましく、一対のリンク手段の各々の他端は、ねじり力が前記調節手段間に伝達されるように前記縦方向シャフトの端部に連結されている。
【0013】
本発明の他の好ましい実施例によれば、前記調節手段は、前記トーションバーをハイドロリックに連結していてもよい。前記調節手段は、複動ラムであり、このラムは、シリンダーと、このシリンダーを二つの流体チャンバに分けるピストンアッセンブリーを有する。該シリンダーは、一方のトーションバーに連結され、前記ピストンアッセンブリーは、他方のトーションバーに連結されている。前記ラムの間に流体が連通する。この目的のために、フロント側トーションバーの複動ラムの二つの流体チャンバとバック側トーションバーの複動ラムの流体チャンバとを連結する導管手段により流体が通い合い、これによって、流体チャンバ間に流体が流れ、前記ピストンアッセンブリーとシリンダーとの相対移動を可能にする。前記流体チャンバが連通していることにより、各シリンダー内のピストンアッセンブリーの動きを伴って、ねじり運動を受けたとき、前記ピストンアッセンブリーに対する圧力差が僅かに変化しても接続された流体チャンバーへ流体を伝達する各シリンダー内のピストンアッセンブリーの動きで前記地表係合手段が自由に動く一方、車両のロールモーションが、車両の一方のサイドにおける地表係合手段における荷重の増加と、車両の他方のサイドにおける地表係合手段における荷重の類似の減少とにより作用されて、車両のロール姿勢をコントロールし、同時にねじりモーションによる各地表係合手段における荷重の変化を最低にする。さらに、前記導管手段へ流体を供給する流体供給手段もまた設けられていて、これにより、流体が一方の導管に付加され、そして、流体を少なくとも実質的に同時に他方の導管から排出して、車両のロール角度をコントロールすることができるようになっている。これにより、必要に応じて、自動車の姿勢を能動的にコントロールしたり、比較的ゆっくりとコントロールして単純なアベレージレベリング機能を果たすことがきる。
【0014】
ハイドロニューマチック・アキュムレーターのようなロール弾性手段もまた前記導管手段の両者と流体連通させることができ、前記ロール弾性手段は、ロールコントロールを改善するためのロール率を減衰する減衰手段と、ロール弾性手段を隔離する隔離手段とを含んでいて、ロールコントロールを改善するようになっている。しかしながら、流体供給手段又はロール弾性手段は、本発明の車両のサスペンションシステムの動作に必須のものではないことに注目すべきである。前記流体供給手段は、オプショナルに使用して前記導管手段とロール弾性手段とにおける流体の圧力とヴァオリュウムを変化させることにより、ロール弾性をコントロールすることができる。
【0015】
本発明のさらに好ましい実施例によれば、前記調節手段は、ロータリー作動手段であり、この手段は、ハウジングを含み、このハウジングは、該ハウジングを少なくとも二つの流体チャンバーに分けるローターを支持し、該ハウジングは、トーションバーの一方に接続されていれば、前記ローターは、他方のトーションバーに接続されている。導管手段により、フロント側トーションバーのロータリー作動手段の二つの流体チャンバーとバック側トーションバーのロータリー作動手段の流体チャンバーが流体連通されている。前記流体チャンバーは、接続されていて、ねじりモーションを受けたとき、前記ローターに対する圧力差が僅かに変化しても接続された流体チャンバーへ流体を伝達する各シリンダー内のローターの動きで前記地表係合手段が自由に動く一方、車両のロールモーションが、車両の一方のサイドにおける地表係合手段に対する荷重の増加と、車両の他方のサイドにおける地表係合手段に対する荷重の類似の減少とにより作用されて、車両のロール姿勢をコントロールし、ねじりモーションによる各地表係合手段における荷重の変化を同時に最低にする。
【0016】
前記弾性支持手段が関連した横方向近接地表係合手段の両者の荷重を支える少なくとも一つの前記一対の横方向近接地表係合手段に前記弾性支持手段が設けてある好ましいアレンジメントにおいては、前記弾性支持手段は、前記少なくとも一対の前部側の横方向近接地表係合手段と、前記少なくとも一対の後部側の横方向近接地表係合手段とに対して設けられていて、前記関連した横方向地表係合手段の各々に実質的に等しい荷重をそれぞれ与えるようになっている。例えば、トーションバーの各対を相互に連結するヨーク手段を設けることができ、ここにおいては、前記弾性支持手段は、該ヨーク手段を車両のシャシーに接続し、前記ヨーク手段は、関連する地表係合手段で支えられるアベレージの荷重を前記弾性手段へ伝え、これによって、前記弾性手段は、車両の少なくとも一部を少なくとも実質的に支持し,これによって、地表係合手段のねじり位置にかかわらず、各地表係合手段における荷重を車両が少なくとも実質的に均一に保てるようにする。前記ヨーク手段は、各トーションバーからそれぞれ伸びるレバーアームにより構成され、該レバーアームは、クロスメンバー機構により相互連結されている。前記弾性手段は、前記クロスメンバー構成を車両のシャシーに連結することができ、前記弾性手段は、好ましくは、前記ラムと流体連通しているアキュムレーターを有する荷重支持ラムを含み、前記弾性支持を行う。
【0017】
発明の他の好ましい実施例によれば、前記弾性支持手段は、前記地表係合手段と車両のシャシーとの間に設けられて、車両の重さを少なくとも実質的に支持し、そして、付随的には、ヨーク手段は、トーションバーの各対を相互に連結する。複動ラムが前記ヨーク手段と車両のシャシーとを接続し、導管手段が前記ラムの対応するチャンバーを接続し、バルブ手段が前記導管手段内に設けられて、各導管手段を流れる流体フローをコントロールして、車両のピッチモーションをコントロールする。前記導管の少なくとも一方と流体連通しているアキュムレーターを設けることもできる。前記導管手段へ流体を供給し、前記導管手段から流体を除去する流体供給手段、車両の態勢を感知する感知手段及び前記流体供給手段をコントロールして、車両の態勢をコントロールするコントロール手段をも設けて、車両の態勢をコントロールする。
【0018】
本発明のさらに別の実施例によれば、前記力伝達手段がシングルの横方向トーションバーを含み、前記調節手段が前記トーションバーを関連する地表係合手段の少なくとも一つに接続する。前記調節手段が前記トーションバーと前記関連する地表係合手段とをハイドロリックに接続する。前記各調節手段は、前記トーションバーの一端に位置する複動ラムを含み、該ラムは、シリンダーと、このシリンダーを二つの流体チャンバに分けるピストンアッセンブリーとを有し、該シリンダーと該ピストンアッセンブリーとは、トーションバーの一端と近接の地表係合手段との間に接続されている。前記ラムは、流体連通し、前記流体連通は、フロント側トーションバーの複動ラムの二つの流体チャンバーをバック側トーションバーの複動ラムの流体チャンバーにそれぞれ接続する導管手段により行われる。前記流体チャンバーの接続により、ねじりモーションを受けるとき、前記ピストンアッセンブリーに対する圧力差が僅かに変化しても接続された流体チャンバーへ流体を伝達する各シリンダー内のピストンアッセンブリーの動きで前記地表係合手段が自由に動く一方、車両のロールモーションが、車両の一方のサイドにおける地表係合手段に対する荷重の増加と、車両の他方のサイドにおける地表係合手段に対する荷重の類似の減少とにより作用されて、車両のロール姿勢をコントロールし、各地表係合手段における荷重の変化を実質的に最低にするように構成されている。
【0019】
前記調節手段は、前記トーションバーの各一端に位置する単動ラムでもよく、各ラムは、シリンダーと、このシリンダー内に支持されたピストンアッセンブリーとを有して前記シリンダー内に流体チャンバーを付与し、該シリンダーと該ピストンアッセンブリーとは、トーションバーの一端と隣接の地表係合手段とに接続されている。前記ラムの間が流体連通し、該流体連通は、導管手段により行われ、該導管手段は、フロント側トーションバーの各単動ラムの流体チャンバーをバック側トーションバーの縦方向に対向する単動ラムの流体チャンバーにそれぞれ接続するもので、前記流体チャンバーは、ねじりモーションを受けたとき、地表係合手段が自由に動く一方、車両のロールモーションは、前記トーションバーにより反応されて、ねじりモーションによる各地表係合手段にかかる荷重の変化を同時に最低なものにする。オプショナルなものとして、前記導管手段へ流体を供給する流体供給手段をもまた設けることができ、その結果、流体を一方の導管へ付加することができ、他方の導管から少なくとも実質的に同時に流体を排出して、車両のロール角度をコントロールすることができるようになる。これによって、必要に応じ、車両の態勢を或る程度能動的にコントロールできたり、又は、単純なアベレージレベリング機能のために比較的ゆっくりしたコントロールが行えることになる。ハイドロニューマチック・アキュムレーターのようなロール弾性手段もまた前記導管手段の流体連通路に設けることができ、前記ロール弾性手段は、ロール率を緩衝する緩衝手段と、前記ロール弾性手段を隔離する隔離手段とを含み、これによって弾性コントロールを改善する。
【0020】
しかしながら、注目すべき点は、流体供給手段又はロール弾性手段は、本発明の車両サスペンションシステムのオペレーションにとって必須のものではない点である。前記流体供給手段は、オプショナルにこれを使用して、前記導管手段と前記ロール弾性手段における圧力とヴォリュウムとを変えることにより前記ロール弾性をコントロールしてもよい。
また別途、前記調節手段が前記トーションバーを機械的に結合することもできる。
【0021】
本発明の別のアスペクトによれば、少なくとも一対の横断方向に隣接のフロント側地表係合手段と、少なくとも一対の横断方向に隣接の後部側地表係合手段とを有し、これら手段は、車体に連結していて、各地表係合手段が前記車体に対し実質的な垂直相対モーションを行うようになっている車両のサスペンションシステムが提供され、該サスペンションシステムは、前記地表係合手段に関しては、車体を支持する弾性支持手段を含み、前記弾性支持手段は、前記の前部側の少なくとも一対の横方向に近接の地表係合手段に対して、そして、前記の後部側の少なくとも一対の横方向に近接の地表係合手段に対して設けられ、横方向に近接した地表係合手段のそれぞれに実質的に等しい荷重をそれぞれ付与するものであり;力伝達手段が前記の前部側の少なくとも一対の横方向に近接の地表係合手段を相互に連結し、力伝達手段が前記の後部側の少なくとも一対の横方向に近接の地表係合手段を相互に連結し;各力伝達手段は、調節手段を含み、該調節手段は、縦方向にスペースをおいており、機能的にリンクされていて、この結果、前記力伝達手段それぞれにより、関連した横方向の近接の地表係合手段の間に伝達された力のマグニチュードと方向とが少なくとも二対の相互連結された横方向近接地表係合手段の相対位置と、これらに加えられた荷重をファンクションとしてプログレッシブに変化し、これによって、車両のロールモーションを制限すると同時に、地表係合手段のねじりモーションを容易にし、比較的遅い速度のねじりモーションにおいては、前記の各地表係合手段にかかる荷重が殆ど変化しないようにするものである。
【0022】
発明の別のアスペクトによれば、上記したサスペンションシステムを含む車両が提供される。
【0023】
発明の可能な実施例を図示する添付の図面を参照して発明をさらに記載することが便宜である。発明の別の実施例も可能であり、したがって、添付の特定の図面をもって発明の前記記述を総括するものになるものと理解すべきではない。
図1aは、本発明によるサスペンションシステムの第1実施例を示す自動車シャシーの下側の等角投影図であり;
図1bは、本発明によるサスペンションシステムの第2実施例を示す等角投影図であり;
図1cは、図1bのサスペンションシステムの詳細図であり;
図2aは、本発明によるサスペンションシステムの第3実施例であり;
図2bは、図2aのサスペンションシステムの詳細図であり;
図3は、本発明による第4実施例の概要レイアウトを示す自動車シャシー下側から見た平面図であり;
図4は、本発明によるサスペンションシステムの第5実施例を示す概要レイアウトの略図的等角投影図であり;
図5と図6とは、図4のサスペンションシステム内におけるねじりモーションとロールモーション下にある流体流れ方向をそれぞれ示す略図であり;
図7は、本発明によるサスペンションシステムの第6実施例を示す概要レイアウトの略図的等角投影図であり;
図8は、本発明によるサスペンションシステムの第7実施例を示す概要レイアウトの略図的等角投影図であり;
図9は、図8のサスペンションシステム内のねじりモーション下における流体流れ方向を示す略図であり;
図10は、本発明によるサスペンションシステムの第8実施例を示す概要レイアウトの略図的等角投影図であり;
図11は、本発明によるサスペンションシステムの第9実施例の平面図であり;そして
図12は、本発明によるサスペンションシステムの第10実施例を示す等角投影図である。
全ての添付の図面と図にあっては、同じようにマークされ、図面すべてにおける同じコンポーネンツには、単純にするために、同じ符号とシンボルが付され、本発明に関連するパーツのみが示されている。
【0024】
まず最初に、図1を参照すると、そこには代表的な自動車シャシーと、本発明による第1実施例が示されている。自動車シャシー1のフロト側は、図面紙葉の右上隅を向いて示されている。シャシー1は、2本の主縦通レール1a,1bと、これらレール1a,1bを相互連結するシャシーのクロスメンバー1c,1d,1eとを含む。
下位のウィッシュボーン2a,2b,2c,2dにより、車輪(図示せず)が実質的に垂直方向へ動くように配置されている。該ウイッシュボーンは”A”の形状をしており、各ウイッシュボーンの基部3でシャシー1にピボット連結されている。上位のウィッシュボーン又は”マクファーソン・アタッチメント”は、簡略にする理由で省略してある。したがって、ウィッシュボーン2aは、右前輪の可動位置決め手段になり、ウィッシュボーン2cが左後輪アッセンブリーをシャシー1に取り付ける。各車輪アッセンブリーは、ウィッシュボーンの外端部2a(i)、2b(i),2c(i),2d(i)にそれぞれ取り付けられる。
【0025】
他の既知のリンク手段を用いてシャシー1に車輪を取り付け、車輪がほぼ垂直方向へ動くことができるようにすることもできることを理解されたい。
例えば、本発明は、トレイリングアームとリーディングアーム、パンハードロッド(panhard)ロッド及び平らなリーフスプリングのようなマルチリンク車輪機構を装備した自動車にも適用される。
【0026】
図1aにおいて、コイルスプリング4a,4b,4c,4dがウィッシュボーン2a,2b,2c,2dの上面にそれぞれ装着されている。コイルスプリングのシャシー1に結合されたアタッチメントに溶着されていて(但し、これは、図示されていない)、ウィッシュボーンは、ピボットピン3を中心として上下動し、既知のサスペンションシステム同様に、前記スプリングはウィッシュボーンとシャシーアタッチメントとの間で伸縮する。コイルスプリングは、自動車の重量の殆どを支持する。
【0027】
図1aに示されたサスペンションシステムには、トーション手段50,51が装備されており、これらトーション手段は、横方向に近接した一対のウィッシュボーン2aとウィッシュボーン2b、一対のウィッシュボーン2cとウィッシュボーン2dを相互に連結している。各トーション手段は、二つのコンポーネント5a,5bと二つのコンポーネント5c,5dを含み、これらは、既知の横断ロールスタビライザーバーに類似している。これらは、ボールジョイント、ブッシュまたはドロップリンクのような既知の手段でウィッシュボーンに取り付けられており、この結果、車輪アッセンブリーがほぼ垂直方向へ動くと、各コンポーネントのメインシャフトは、既知のロールスタビライザーバーのように、シャシー1に取り付けられた内側ハウジング(図示せず)をターンさせるようになる。普通、ロールスタビライザーバーは、その全長にわたり、ねじり弾性を与えるばねスチール材から製造される。
【0028】
サスペンションシステムの上記した特徴は、ロールスタビライザーバーを組み込んだ既知のサスペンションと構造、機能の点で殆ど変わるものではない。しかしながら、トーション手段は、それぞれ二つのコンポーネント5a,5b及びコンポーネント5c,5dに分かれているので、これらコンポーネントの”ロールスタビライザー”機能は、反対になっている。したがって、これらのコンポーネントは、これらがロール安定化に対し完全に矛盾した機能を果たすときには、”横方向トーションバー”として言うことがより相応しいものである。これらの横方向トーションバーの一対は、シャシー1の各端部に設けられており、トーションバーの各対は、中央調節手段11の手段により連結されている。
【0029】
調節手段11は、2本の横方向トーションバーのそれぞれの端部の間に設けられており、ある場合にあっては、横方向トーションバーの二つのものが機能的に一つになって連結され、他の場合にあっては、前記二つのものがそれらの長手軸を中心として相手に対し二重反転するように、横方向ヨーションバーの機能をコントロールする。したがって、横方向のトーションバーの機能は、反転できるもので、各アクスルのロール運動を別個に増大させるようにするか、又は、一つのアクスルの両車輪の逸脱する動きを同時に阻止する。さらに、本発明によれば、横方向トーションバーの各対の調節手段11を車両のロール運動と態勢のファンクションとして同時にコントロールできる。このことは、以下の記述から明らかになる。
【0030】
調節手段11の別の形態が可能であり、種々のものがあり、それら手段を図解する。例えば、図1a,図1b,図1cにおいて、調節手段11のコンポーネントを以下のように記述できる:前記横方向のトーションバーは、スリーブのような既知の手段により、シャシーとアクスルに回転可能に取り付けられており、これらの詳細は、殆どの図には示されていない。横方向トーションバーの端部には、レバー端部が設けられており、横方向トーションバーに捻じり力を加えることができるようになっている。該レバー端部は、トーションバーリンクに通常設けられているような態様で作られる。図1aは、フロント側の横方向トーションバーを連結する調節手段11を略図的に示す。調節手段11の実施態様は、図1bと図1cとにさらに詳細に示されている。フロント側のトーションバーの調節手段11のみしか図示されていないが、対応する調節手段構成もまたバック側のトーションバーにも設けられる点に留意されたい。図1bと図1cとを参照すると、トーションバーのレバー端部5a.5bの他方の端部には、レバーアーム7a,7bが設けられていて、それぞれ横方向トーションバー5a,5bに取り付けられている。レバーアームの外端部は、車輪が回転するほぼ縦の面にほぼ平行な面において円弧を描く。一対の横方向トーションバー5a,5bは、リンク機構5fを介して連結されている。レバーアーム7a,7bの端部には、’アイボルト’又はボールジョイント又はタイロッドエンド又はブッシング8a,8bが設けられていて、フレキシブルに連結又は結合している。
【0031】
前記フレキシブルのジョイントは、各レバーアームをそれぞれ短いリンク機構9a,9bに取り付ける。各リンク機構9a,9bの他方の端部には、またシングル又はダブルのフレキシブルジョイント10a,10bが設けてあり、これらは、ジョイント8a,8bと同様の構造になっている。
【0032】
車両の各端部における、これらの対になったフレキシブルジョイントには、図示のように別のレバー機構11aが取り付けられている。このレバー機構は、既知の手段により、回転可能な長さ方向のスタブシャフト12aに連結し、このシャフトは、横方向トーションバー5a,5bの軸にほぼ垂直の回転主軸を有し、したがって、これは、自動車の縦方向軸に概ねそっている。
【0033】
したがって、図1bと図1cを参照すると、ウィッシュボーン2aで支持されている右前輪が下方向へ動くと、横方向トーションバー5a(図1b,図1cにおいて)は、その結果として、長さ軸を中心として回転し出す。
【0034】
したがって、関連したレバーアーム7aは、自動車のフロント方向へ円弧を描き、この運動でリンク9aを引き続け、これにより、垂直になっているレバー11aをスタブシャフト12aにおけるピボット軸を中心として右前輪に向け横方向へ円弧状に引っ張る。
さらにリンク9bは、レバー7bの頂部のピボットポイント8bを引っ張るもので、これは、他方の半体のトーションバー5bによって定められる軸を中心として自動車の後部へ向けて円弧を描き、これによって、ウィッシュボーン2bで支持された左前輪アッセンブリーに対し、上方へのねじり力を伝える。
【0035】
したがって、一方の車輪の上下動により、同じアクスルの他方の車輪の反対方向の上下動を誘発することができる。
5aのような一方のトーションバーで他方のトーションバー5bを逆回転させるためには、横方向トーションバー5a,5bと縦方向になっているスタブシャフト12aとの動きを軸方向に動かず、即ち、トーションバー5a,5bの場合は、横方向へ、スタブシャフト12aの場合は、自動車の長さ(縦)方向に動かないが、それぞれの長さ方向軸を中心として自由に回転するようになっていなければならない。縦方向のスタブシャフトと横方向のトーションバーとが軸方向に動くとすると、自動車の両側において、同時に同じ方向へ車輪が動くことを最大に促進させてしまう結果になる。
【0036】
したがって、各タイヤが実質的に一致した接地圧を保つように各車輪を強制して牽引力を増すようにするためには(ほぼ真っすぐなラインにそって走行するとき)、縦方向に通されたスタブシャフト12aを軸方向に動かさずに、長さ方向軸を中心として回転させることにより、各アクスルの2本の横方向のトーションバーを相互いに反対に回転させるようにすることが必要である。
【0037】
逆に、ロール安定性を改善するためには(これが、コーナリングの際などに望ましいとき)、同じアクスルの両車輪が同時に同じ垂直方向へ動くようになることが必要であり、この場合、縦方向に通されたスタブシャフト12aの長さ方向軸を中心とする回転運動を抑え、その代わりに、このスタブシャフトを軸方向へ動くようにすることが必要である。この場合、トーションバーは、回転しなければならないようになっているものの軸方向へ動く必要はない。
【0038】
したがって、ねじりモーションを受けるとき、自動車のロールモーションが横方向トーションバーにより反作用を受けながらも、車輪は自由に動く。
本発明によれば、自動車の両端部におけるトーションバーは、自動車がローリングするとき、この態様でコントロールされることもできる。
【0039】
しかしながら、互いに反対方向の車輪の動きが必要な状態においては、トーションバーの各対における互いに反対の回転は、容易なものである。実質的なねじりモーションが必要な場合、フロント側の横方向トーションバーとバック側の横方向トーションバーを同時にコントロールすることが必須である。このような状況下にあっては、対角線で向き合う一対の車輪は、同じ方向へ動くことが要求され、他方、対角線で向き合う他の一対の車輪は、一対の前者の車輪と反対の方向へ動くか、又は、ほぼ静止状態に保持されることが要求される。
【0040】
2本の横方向トーションバー5a,5bの間のレバーとリンクを備えるリンク手段5fは、したがって、サスペンションシステムがロールモーションに対し抵抗でき、又は、特に、ねじりモードにおいて反対方向へ車輪を動かすことを促すことができるように、コントロールされることができる。したがって、縦に通ったシャフト12aの動きを、該シャフトを軸方向に又は回転方向に別々に又はまとめてと否とに拘らず拘束することで規制することにより、ロールシアリングと荷重シアリングを種々ミックスして作用させることができる。
【0041】
同じように動作し、又は、さらに利点を生むような、よりポジティブで耐久性があるリンクとコントロール機構を付与するために、ある場合によっては好ましくなくても、記述したリンク以外の手段で横方向トーションバーをターミネートさせることが機械的に容易である。例えば、横方向トーションバー5a,5b,5c,5dは、図示したような”L”形状のレバーの代わりに、内側端部において”T”ジャンクションで終わるようになっていてもよい。
【0042】
縦方向のシャフト12aには、また、マッチングするダブルレバーが設けられていてもよい。前記シャフトの両側に”T”形状のダブルレバーを設けることで、これらのバーは、偏心したサイドロードがほとんどなしに、軸まわりを回転するようになる。前記シャフトを前記シャシーに相対位置させる止め具と取り付け手段は、ダブルレバーの端部により、これらをなくしてもよい。さらに、ロールコントロールと車輪運動を向上するモードは、に示されたような前記した”L”レバーシステムのように要求される機能から、前記縦方向のシャフトの端部におけるダブルエンドの”T”ジャンクションを作用的に切り離すことにより、異なる態様で選択されることもでき、したがって、異なるタイプのレバー手段を異なる種類のコントロール機構として使用できる。
【0043】
いつ、そして、どのように、中央の連結手段11によりロール運動をコントロールしたり、または垂直方向に車輪を動かすようにするかを選択するために使用できる方法は、いろいろある。ここでcを参照すると、シャフト12aは、ブレーキユニット14にスライドして位置する溝部またはスプライン部13を有しており、発明のこの部分を示すために、該ユニットは、ディスクブレーキセグメント14aとブレーキキャリパー14bとして略図的に示されている。
【0044】
ディスクブレーキセグメント14aには、スプライン加工された内面が設けられており、これにシャフト12aのスプラインされた外面が合致する。
ブレーキセグメント14aは、縦方向に通るシャフト12aと共に限度のある円弧を描いて回転されるようになっている。しかしながら、シャフト12aの全体が軸方向へ動くとき、ディスクブレーキセグメント14aは、ブレーキキャリパー機構14b内に位置しながらシャシーに対する原位置に留まるものであり、前記キャリパー機構は、止め具15のような便宜の手段により、自動車車体又はシャシークロスメンバーに固定されている。
【0045】
したがって、ローリング抵抗を促進するため、ブレーキキャリパー機構14bがブレーキセグメント14aを圧縮/圧迫したり、そして拘束したりして、シャフト12aを回転できなくする一方、前記シャフトを軸方向への動きを許容し、これによって、トーションバー7a,7bが同時に同じ縦方向の面で動くようにし、これによって、両車輪が同時に同じ垂直方向へ動くようにし、さらに、ローリングを規制する。
【0046】
第2のブレーキ機構16も配置されていて、シャフト12aの軸方向の動きを規制する一方、前記シャフトをそれ自身の軸を中心として回転させるようになっている。そして、この目的は、縦方向のシャフト12aから延びているレバー機構11aのロールコントロールを助長する長さ方向における自由の動きを規制する一方、該レバーをシャフト12aの軸を中心として回転させ、2本の横方向トーションバーを互いに反対に回転させ、これによって関連した車輪を互いに反対の方向に上下動させるように助ける。
縦方向に通るブレーキ機構16は、基本的には、ブレーキプレート16aを備え、これは、ブレーキキャリパー機構16bにそって縦方向へ動くものである。前記プレートセクションは、シャフト12aまわりを自由に回転するチューブ16cによりシャフト12aに位置しているが、該シャフトに固定された二つのストッパー又はリング16dの間に配置されている。ブレーキホース及びブレーキパッドのような付属品は、図示されていない。
【0047】
ドラムブレーキ、シリンダーの外面におけるブレーキバンド又は関連パーツを一つの固定位置に配置したり、関連コンポーンネントを好ましい中央位置にセンタリングするための単純なピンとアイ形式のロッキング機構を含む他の既知で均等の手段により、同じ機能が達成されることを理解すべきである。
【0048】
付加の利点を有する配置手段の追加の例をパッシブ又はセミアクティブシステムにより記載するもので、この例においては、前記シャフトの位置と動きとが、二つのハイドロリックシリンダーにより定まるもので、該シリンダーは、ブレーキ機構の代わりに、自動車シャシーと縦方向のシャフトとの間に機械的に連結されており、ポンプ又はアキュムレーターのような圧力源にハイドロリックに連結されている。したがって、該コントロールシステムは、受動システムにおけるように、摩擦損失を発生させることで、単純に力を減衰させてしまうことに頼ることなく、むしろ、積極的に前記シャフトを適切に(上記したように)、この場合は、ハイドロリックアクチュエーターを介して回転させ、動かすことにより、ローリングを強制的に補正し、車輪を上下動するものである。
【0049】
ローリング運動と車輪の動きとが受動的であるか、能動的であるかのいずれの場合でも、前記システム(図1aから図1cに関して記載されたような)は、ロール力と車輪の動きとを感知し、又は、モニターして、適応するブレーキ手段又はアクチュエーター手段を適正なタイミングで動作させる必要がある。
【0050】
ノーマルな状況にあっては、車体に対する車輪の位置は、各車輪アッセンブリーと車体との間に取り付けられたポテンショメーターのような適切な既知のデバイスを用いて測定される。コーナリング力を検知するために、加速度計、ステアリング/スロットル/ブレーキペダル位置センサー、Gスイッチ、水銀スイッチもまた自動車産業において当たり前のもので、広く使用されている。車輪ポテンショメーターと加速度計からの情報は、速度計からの情報(そして、他の有用とされるインプット)と共に照合されて、ブレーキユニット14,16のような規制又はコントロール手段を所定のタイミングでいつの時点で作動させるべきかを決定し、車輪の動きを補助し、合わせてローリングコントロールを行うためのベストの動きを与える。電子制御手段(ECU)を設けて、種々のセンターシグナルを受信し、コントロールシグナルを前記連結手段へ供給する。
【0051】
図2aと図2bは、別の中央連結手段11を示し、これは、図1a,図1b,図1cに示したレバー及びリンク機構と機械的に均等のものである。図2a,図2bは、また、右前輪に向け、自動車の右側から見上げた自動車シャシーの下側の等角投影図である。したがって、横方向トーションバー5bは、図面の左下側に位置し、他方の横方向トーションバー5aは、図面の右上側に位置している。
【0052】
図1aから図1cに示されたレバーとリンクとは、図2a,図2bにおいては、噛み合う三つのベベル歯車7bp,7ap,11pに置き換えられている。したがって、横方向バー5aの内側端部のレバー7aは、ベベル歯車7apに置き換えられ、レバー7bは、シャフト5bの端部に結合されたベベル歯車7bpに置換されている。同様にレバー11aは、ベベル歯車11pに置き換えられている。二つのベベル歯車7ap,7bpは、両者が共通のベベル歯車11pと噛み合えば、互いに反対の方向に回転するようになるもので、前記共通のベベル歯車は、前記2本の横方向トーションバーの回転軸に対し垂直な回転軸を有している。
【0053】
明確にするために、完全なベベル歯車を図示しているが、これらに代わり、ベベル歯車セグメントにすることも同じように可能であり、これは、自動車のアクスルは、通常、12°以上の大きな円弧をもって回転せず、したがって、ベベル歯車それら自身は、それより以上の大きな角度で回転する必要がないからである。前記ベベル歯車をしっかりと噛み合わさせるには、他の既知の用途におけるように、これらの歯車の歯をヘリカル歯にすればよい。したがって、エキストラのベベル歯車をリンクユニット5fに組み込み、前記シャフトとの噛み合わせを確実にし、荷重がエキセントリックにならないようにすることができる。
【0054】
図2a,2bにおいて、コイルスプリング(図1において符号4が付された)がオプション的に除かれ、したがって、自動車のメインサポートがクロスメンバー1dにおいてシャシーに弾性手段を介して以下の態様で取り付けられた横方向トーションバーにより構成されている。横方向トーションバー5abは、リンクアッセンブリー5f(この図では、3つのベベル歯車7bp,7ap,11pとして示されている)と噛み合う。これらの三つのベベル歯車は、ハウジング18に内蔵されている。ベベル歯車ハウジング18には、適当な止め具18aが設けてあって、止め具18aとシャシークロスメンバー1dとの間に位置する弾性手段の止着点になる。
【0055】
ハイドロニューマチック・ストラット19が図2bに示され、これは一つ、又は、それ以上のガススプリング又はアキュムレーター19aと組み合わされて弾性手段を構成する。アキュムレーター19aの口部に減衰バルブ(既知の構造のものと同じようなもので、この図には、見えない)が、この中央弾性手段のショックアブソーバーとして設けられている。この中央減衰機構の利点は、ピッチ方向インプットのみを減衰し、したがって、この特定の振動数要件に対し、異なる振動数のロール減衰に逆効果を与えずに、合致することができる。
【0056】
ローリングは、例えば、通常のショックアブソーバーにより車輪において減衰される。
車輪におけるコイルスプリングがなければ、中央弾性手段19が自動車の端部を究極的に支持しなければならないもので、このユニットを伴わずに、ツインの横方向トーションバー5a,5bと中央連結手段5fとからなるアッセンブリー全体が回転し、これによって、自動車がゴム製上下動バンパーの上へ落ち込む。
【0057】
弾性手段を適宜組み合わせることができ、これによって、ハイドロニューマチックストラット19のような強力な中央弾性手段をアウターのコイルスプリングと組み合わせて、該コイルスプリングを比較的支えにならないものにすることができ、または、逆に、車輪で自動車の重量の殆どを支持させて、中央ハイドロニューマチックストラットには支持の役目をさせなくしてもよい。また別に再び、関連した車輪にかかる車輪の全重量を各中央弾性手段で支えることもできる。
【0058】
ハイドロニューマチックストラット19のような弾性及びダンパー手段がピッチング面に弾性を付加し、長さ方向のピッチング方向における快適さを大幅に改善する一方、しっかりしたロール弾性を維持して高い操舵性を保ち、ローリングの際には、スポーツカーのような自動車ハンドル捌きであって、しかもピッチングの際には、リムジンのような乗り心地になる。
【0059】
ハイドロニューマチックストラット19は、図2a,2bに示されているが、時には、このユニットをダンパー(ショックアブソーバー)にも好ましく合っているラバーブロック又はコイルスプリングのような既知の別のタイプの弾性手段に置き換えることも同様に都合がよい。
【0060】
コイルスプリングの代わりにハイドロニューマチックストラットを設ける利点の一つは、ハイドロニューマチックストラットをオプション的に流体圧力源(流体ポンプ)とリザーバー(タンク)に接続し、該ストラットとアキュムレーターとにハイドロリック流体を付加的に導入し、自動車を上げたり、又は、流体をタンクに戻して車高を下げたりする点である。このような態勢及び高さ調節は、重量がマシンや自動車の一端に偏ってかかるときに自動車を水平にするためや、例えばハイスピードで走行しているときに自動車の両端部を下げることによる利点を自動車が得たいときに望ましい。しかしながら、トーションバーと自動車シャシーとの間の弾性手段を無くすことができ、横方向トーションバーを例えばソリッドのバーで自動車シャシーに支持させることに留意しなければならない。そして、弾性作用は、トーションバーの弾性によってのみ得られる。
【0061】
ロールモーション及び車輪の動きをある限度にしなければならないハイスピードにおける低い振幅の個々の車輪の動きは、かくして、図示されていない比較的スティッフな横方向トーションバー(スプリング)とショックアブソーバー(ダンパー)によって解決される。ブレーキ機構14が中央ベベル歯車の自由な回転を規制し、これで横方向トーションバーの互いに逆の回転を阻止してロール運動を必要限度に低減させることを促進する。図2bにおけるコンポーネント14a,14bは、図1aから図1cに図示した実施例に対し同様の作用をもって適用できる。
【0062】
平坦でない地面をトラバースするとき、弾性機構19(図2a,2b)が相互に逆回転のリンク5f(ベベル歯車セット)を支持しているので、二つの横方向トーションバーの相互逆回転がよりたやすく達成できる。したがって、このサスペンションシステムは、自動車がスティッフなロール抵抗リスポンスを必要とするとき、又は、より真っすぐなラインを走行するとき、乗り心地をよくする柔らかなピッチリスポンスを必要とするときに応じて適切にリスポンスするように異なるマルチプルの弾性率を示す。
【0063】
上記の実施例は、少なくとも実質的に等しい負荷を各車輪に加えることができる利点を有する。コンベンショナルのサスペンションシステムにおいては、コイルスプリング又は他の弾性手段が各ウィッシュボーンに設けられているもので、サスペンションシステムは、車輪が動く前に弾性手段のスプリング力に打ち勝たなければならない。しかしながら、ウィッシュボーンが弾性手段と無関係であれば、これによってウィッシュボーンが自由に動け、サスペンションシステムによって、各車輪に対し少なくとも実質的に均等な荷重がかかる。
【0064】
本発明のさらなる展開を以下に記載するもので、これは、サスペンションシステム自体に、外部センサー及びECU又は知的システムなしに、ロール抵抗を増すべきか、又は、ロール抵抗を積極的に後退させるべきかの状況に応じて本来的に差をもたせることを可能とする。さらに、以下に記載するサスペンションシステムのバリエーションは、該システムの種々の要求に自動的に、受動的に作用して、外部の影響、又は、インテリジェンス又はエネルギーの必要なしに、要求されたリスポンスを行う。
【0065】
図3は、本発明によるサスペンションシステムの別の実施例を示すものである。この実施例は、自動車シャシー1がウィッシュボーン2a,2b,2c,2dに支持、コイルスプリング4a,4b,4c,4dがコンベンショナルのサスペンションシステムにおけると同様に設けられている点で、図1aから図1cに示された実施例に類似している。さらに、自動車シャシー11の各端部におけるウィッシュボーンは、それぞれ対になっている横方向トーションバー5a,5b,5c,5dとそれぞれ連結している。トーションバーの各対は、これらも前記実施例におけるようなリンク手段9a,9b,9c,9dの形をした連結手段11により連結されている。主な相違点は、縦に通るシャフト20で各対のトーションバーの連結手段11が連結されていることである。
【0066】
縦に通されたシャフト20には、それの各端部にレバーメンバー11aが設けられていて、これらによりシャフト20が図1bと図1cの縦方向のシャフト12aと同じようにして、リンク手段9a,9b,9c,9dにリンクされている。さらに、図3の縦のシャフト20は、スプラインジョイント21を含み、これで、シャフト20が縦方向にある程度動けるようになっている。
【0067】
この縦に通されたものは、サスペンションシステムのトーションバーが自動車の動きに応じて一緒に作用できるように前後のトーションバーをリンクしている。前後のトーションバーを縦に通るシャフトでリンクすることにより、サスペンションシステムは、自動車を支えるアベレージの路面に対し少なくとも実質的に平行の位置に自動車の態勢を保ち、平行な位置に戻す。
【0068】
特に、車輪は、対角線で向き合う一対の車輪が同じ方向において、そして、他方の対の対角線で向き合う車輪に対し反対の方向おいて変位するときのねじりモーションを受けるとき自由に動く。自動車の一方のサイドの車輪が自動車の他方のサイドの車輪に対し同じ方向に動いて、自動車がロール運動を主に受ける状況においては、前記トーションバーは、コンベンショナルのスタビライザーと同じ態様で作用することができ自動車にロール剛性を与える。
【0069】
しかしながら、隣り合うトーションバーが互いに反対の方向へ回転するねじり状況下にあっては、縦方向のシャフトをも回転させてしまう。この結果、車輪間に力が伝達されて、車輪の動きを容易にする。ロール状況とねじり状況とが種々変化して組み合わされた状況下に自動車が置かれると、トーションバーの間の相対回転の度合いは、プログレッシブ(累進的)に変化する点に注目すべきである。したがって、トーションバーは、自動車がロール運動を受け,さらに地表係合手段がねじりモーションを受けるとすると、互いに反対の回転のみして、自動車のロール姿勢のコントロールをパーマネントに維持する。
【0070】
図4は、サスペンションシステムの別の実施例を示す。図示の自動車サスペンションシステムにおいては、自動車のフロントが図面シートの左下隅を向いている。自動車は、車輪20,21,22,23に支持されている。コイルスプリング4a,4b,4c,4dが自動車シャシー(図示せず)を支え、自動車の乗り心地に弾性を付与する。
【0071】
トーションバー50,51は、自動車の前後に設けられている。自動車のフロント側とリアー側における、これらのトーションバーは、機械的又は流体圧的のいずれかでリンクされている。ハイドロリック・リンク結合は、アッセンブリーが簡単で、ジェネリックフォームでの記載が楽であるから、サスペンションシステムを同じような態様の自動車のロールモーションとねじりモーションとに区別する方法を付与するためには、別のリンクシステムが使用できるとしても、以下の記述では、ハイドロリック・リンクシステムについて述べる。さらに、サスペンションシステムは、”受動的”であって、”能動的”ではない。換言すれば、自動車の動きに自動的に作用するシステムを作動させるのに、外部センサーを必要としない。
【0072】
図3に示されたシステムも”受動的”である。各アレンジメントは、前記の実施例に示したアレンジメントと同じように、横方向のトーションバー5a,5b,5c,5dを含む。しかしながら、該トーションバーは、ハイドロリック複動ラムアッセンブリー62,63により連結されている。各ラムアッセンブリーは、シリンダー62a,62bと、該シリンダー内にサポートされたピストン62b,63bを有し、該シリンダーは、インナーチャンバ62c,63cとアウターチャンバ62d,63dとに分かれている。トーションバー5b,5cそれぞれの一方の一端にレバーアーム7b,7cに連結され、ピストン62b,63bと共に動く。導管64,65によって、二つのラムアッセンブリー62,63に流体が導通される。図示の実施例においては、各導管64,65により、一方のラムアッセンブリーのインナーチャンバ62c,63cと他方のラムアッセンブリーのアウターチャンバ62d,63dとが連通している。しかしながら、例えば、トーションバーの一方の対をアクスルの後側に配置し、トーションバーの他方の対を他方のアクスルの前側に配置するような、回転の向きをリバースする横方向トーションバーの構成に応じて、二つのラムアッセンブリーを他の導管で接続することも可能である点に注目されたい。したがって、前記アウターチャンバを一方の導管で接続し、インナーチャンバを他方の導管で接続することができる。
【0073】
流体ポンプと流体貯蔵部アッセンブリー66をオプションとして設け、ラムアッセンブリーと関連の導管へ流体を供給したり、これらから排出したりすることができる。この構成によって、ロール弾性をさらにコントロールでき、また、自動車のローリングをある程度積極的にコントロールし、さらにクロスアクスル関節運動をアシスタントして、スプリング(使用されているとき)の抵抗に打ち勝つ。さらに、ハイドロリック回路内における流体のヴォリュウムを変化させて自動車のロール姿勢をコントロールすることができる。この目的のために、それぞれが導管64,65の一方に接続する2本の二次導管67,68により二つのラムアッセンブリー62,63を接続する導管64,65にポンプ/貯蔵部アッセンブリー66を接続する。前記二次導管には、アキュムレーター69,70が設けられて、サスペンションシステムに付加的弾性を付与する。ピッチングと車体全体の動きにおける自動車の乗り心地の弾性の殆どは、スプリング4a,4b,4c,4dによって付与され、ロール弾性がオプショナルのアキュムレーター69,70における弾性か、又は、横方向トーションバー5a,5b,5c,5d及びリンク及びそれらに取り付けられたブッシュによる弾性によって付与されるのみである。
【0074】
図5と図6は、車輪がねじりモーションするとき(図5)及び車輪がロール運動するとき(図6)における前記システムとラムアッセンブリーとの間における流体の流れを示す。該略図は、自動車のフロント側が図面シートの上位を向いたサスペンションシステムの平面図を示す。かくて、各車輪20,21,22,23は、ほぼ垂直方向へ動くが、これは、図面シートの面に対し直角の方向の動きである。したがって、車輪の上方への動きは、記号”−”で示され、車輪の下方への動きは、記号”+”で示されている。
【0075】
まず図5を見ると、複数の車輪にねじりモーションが作用するとき、対角線上の近接する車輪は、共に同じ方向へ動き、この方向は他方の対角線上の近接する車輪の動きの方向と反対の方向である。この状況において、車輪の動く方向と、トーションバーがシリンダー及びシリンダーアッセンブリーのピストンとそれぞれ連結していることで、トーションバーの相互逆回転が可能になる。
【0076】
例えば、フロント側の力伝達機構50の場合、左前輪20が上方へ動き、右前輪21が下方へ動くと、フロント側のトーションバー5a,5bがカウンター回転(相互に逆回転)し、シリンダー62aのピストン62bの相対的動きによって、フロント側のハイドロリックラムアッセンブリー62のアウターチャンバー62dのヴォリュウムが小さくなり、該ラムアッセンブリーのインナーチャンバー62cのヴォリュウムが大きくなる。したがって、流体は、導管64を介してアウターチャンバー62dから後部側のハイドロリックラムアッセンブリー63のインナーチャンバ63cへ流入する一方、流体は、導管65を介して後部側のハイドロリックラムアッセンブリー63のアウターチャンバ83dからフロント側のハイドロリックラムシリンダー62のインナーチャンバ62cへ流入する。この流体の流れは、後部のトーションバー5c,5dの相対的な動きにより助けられる。この流体の動きによって、クロスアクスルモーションがサスペンションシステムにより簡単に達成できる。
【0077】
これに対し、図6においては、自動車の一方の側の車輪は、同じ方向であるが、自動車の他方の側の車輪の動く方向と反対の方向へ動く。車輪の動く方向は、自動車が左へ曲がり、その結果自動車がロールモーションすることを示す。トーションバーそれぞれが行う回転と、各ラムアッセンブリーのチャンバー間の接続とにより、各チャンバーからの流体の流れは、各ラムアッセンブリーのピストンとシリンダーとが相対運動を殆どしない対向チャンバーからの流体の流れで反作用を受ける。したがって、横方向トーションバーのそれぞれの対は、コンベンショナルのロールスタビライザーと同じように共に作用するが、コンベンショナルのロールバーと異なり、記載したシステムは、ロールコントロール抵抗を与えると同時にねじりから生じる車輪の動きを許す。二つのラム間のリンクの機能的関係は、各ラムにおけるピストンに対する圧力差のファンクションとして見ることができる。自動車が図6に示すように、ロール運動を受けるとき、各ラムのピストンに対する圧力差は、比較的高く、荷重と、したがって流体チャンバー63d,62bの圧力は、チャンバー63b,62dに対するものよりも高い。しかしながら、図5に示すようなねじりモーションを受けるとき、前記ピストンに対する圧力差は、比較的低くなる。したがって、自動車が主としてローリング状況からねじり状況へ動くにつれ、圧力差は、プログレッシブに減少する。
【0078】
これまでの通常のロールスタビライザーバーシステムにおいては、トーションバーは、コーナリングの間、”ねじ曲げられた”ものになり、道路もまた、ある程度クロスアクスル関節運動が必要なコーナーで平らでない場合これによって、トーションバーの一端が付加的に巻きねじられる一方、他端は一時的に弛緩することが必要になり、これらのオルタネートのアクスル運動で車輪が受ける重量が急速にシフトし、タイヤ接地部における牽引がなくなることになる点に注意されたい。したがって、図3と図4とに示された実施例においては、車輪における接地圧は、よりしっかりと保たれ、これにより、表面状態が悪い道路のコーナーにおけるスキッドの危険を減らすようになっている。
【0079】
さらに、横方向トーションバーのようなコンベンショナルのロールスタビライゼーションシステムにおいては、一つの車輪がこぶに当たったり、窪みに入りこんだとき、トーションバーは、急速にねじられ、横方向に隣接のトーションバー及びスプリングアッセンブリー並びにシャシーの支持ポイントにより、衝撃を吸収するようになっているが、これによって、自動車乗員は、一つの車輪が受けるどんとくる荒さを味合うことになる。一つの車輪が受ける力は、実際には、対角で向き合う二つの車輪が一方の方向へ動き、対角で向き合う他方の対の車輪が他方の方向へ動くことを要求されるクロスアクスル運動であると理解すべきである。フロント側とリア側のコンベンショナルのロールスタビライザーバーは、独立したものであるから、それらは、本来的に、ディファレンシャルでなく、一つの車輪のインプットとロールモーションに対し別々に対応できず、そのようなインプットすべてに対し、したがって、同じように反応し、車輪間における重量シフトが不適切であることにより、粗雑な乗り心地になり、ロードホールディングが低下する。これに対して、前記システム(添付の図面に示されたもの)におけるコンポーネンツの構造と機能関係は、ロールと関節運動とが区別され、異なった方法で動作するように両アクスルが相互作用することを要求し、その結果、一つの車輪にインプットが生じたときには、関節運動を小さくして、不快な乗り心地になるようなロールスタビライザーの最大の剛性を要求するロールモーション(一つのアクスルにおける)とならないようになっている。発明されたシステムにおいては、一つの車輪のインプットは、抵抗する必要がなく、したがって、不快な乗り心地になる横方向トーションバーによって吸収される必要がないマイナーな高速関節運動として反応される。
【0080】
図7に示した実施例は、ハイドロリック複動ラムがロータリーアクチュエーター又はラム62a,62bに置き換えられた点を除き、図4の実施例と同様のものである。これらのロータリーラムは、ハウジングを含み、このハウジングは、内部で回転自由に支持されたローターを支持し、該ローターで前記ハウジングは、二つの流体チャンバーに仕切られている。ハウジングとローターは、隣接の横方向トーションバーの一つにそれぞれ連結されている。導管64,65でロータリーアーム62a,62bそれぞれの対応流体チャンバーが接続されている。この実施例は、図4の実施例と動作態様が同じである。特に、ねじりモーションを受けたとき、車輪は、自由に動くが、自動車のロールモーションは、トーションバーによりリアクトされる。主たる利点は、ロータリーアームを使用すれば、トーションバーにレバーアームを取り付けなくてすみ、これによって、サスペンションシステムを適応させるに必要なクリアランスを狭くさせ、さらに、全体の構成を整然としたものにできることである。
【0081】
図8と図9とは、自動車サスペンションシステムの別の実施例を図解するもので、ここでも自動車は、本発明によるサスペンションシステムにより支持されている。この実施例は、コイルスプリングがなく、横方向トーションバーの各対を連結する支持機構75,76に置き換えられている点を除き、図4に示された実施例と同様のものである。この実施例は、上記した利点をもつものであって、少なくとも実質的に等しい荷重を各車輪に与えることができる。各支持機構は、リンク手段75b,75c,76b,78cを含み、これらは、各トーションバーの対を各クロスメンバー75d,76dに連結する。クロスメンバー75d,76dは、7a,7bのようなレバーアームへ直結でき、支持手段が配置されているとき、リンク75c,75bを省いて、コンポーネンツ62,63と抵触しないようにする。この構成においては、自動車を支持する力は、横方向トーションバーを介して荷重支持ラムアッセンブリー75a,76aへ達し、該ラムアッセンブリーは、支持手段82,83により自動車シャシーに固定され、位置変化に適合するように若干の相対運動する。クロスメンバーの設置により、関連した荷重アッセンブリーによって支持される荷重が”平均化”され、このアベレージの荷重は、荷重支持アッセンブリーを介して自動車シャシーで受けられる。サスペンションシステムの弾性は、各荷重支持ラムアッセンブリーと流体連通しているアキュムレーター80,81により与えられる。図8は、ハイドロリックラムとアキュムレーターとを組み込んだ自動車支持手段を示すが、これらの弾性手段は、コンベンショナルのスチール又はゴム又はスプリングのような複合弾性機構に置き換えることができることを理解されたい。この実施例における導管接続は、図4に図示の接続と同様であることが注目される。特に、各シリンダーアッセンブリー62,63のインナーチャンバーは、一つの導管で他方のチャンバーのアウターチャンバーに接続されている。
【0082】
トーションバーの構造により、荷重支持アッセンブリーをテンション又はコンプレッション状態で自動車を支持するように設計/構成できる。例えば、図8,9に示されたフロント側の荷重支持アッセンブリー75とリンク75b,75cは、通常、自動車の静止重量を支持するとき、テンション状態にあるが、後部のアッセンブリー76とリンク76b,76cは、同じ状態では、コンプレッション状態にある。
【0083】
図10に示された実施例は、図8と同じ作用である。主な相違点は荷重支持ラムアッセンブリー75a,76aがコイルスプリング100,101に置き換えられている点である。
【0084】
図11は、別の実施例を示すもので、これは、図8の実施例を発展させたものである。自動車の重さは、各ウィッシュボーン2a,2b,2c,2dに位置するコイルスプリング4a,4b,4c,4dにより主として支持されている。しかしながら、さらに導管103,104が設けられていて、それらのラムの対応する流体チャンバーに接続する。バルブ105が該バルブの第1の位置において、流体チャンバー間の流体のフローパスをコントロールし、対応する流体インナーチャンバーとそれぞれの流体アウターチャンバーとへは、流体が連通する。バルブが第2の位置にあると、接続が逆になり、各インナーチャンバーは、流体アウターチャンバーと流体連通する。この構成により自動車の前部と後部とを上下させる手段によって、自動車のピッチングをコントロールできる。
アキュムレーター106も各導管に設けられる。これが緩衝作用して、自動車のピッチング度合いをコントロールする。
【0085】
図12は、図4の実施例と同じ作用の本発明による別の実施例を示す。主な相違点は、横方向トーションバーがシングルのフロント及びリアのトーションバー90,91に置き換えられている点である。各バーの一端は、車輪アッセンブリー98,99に連結されており、該アッセンブリーは、図面において、ロールスタビライザーをアクスル又は車輪に連結するために通常使用されるドロップリンクによる単純なアクスルとして示されている。前記トーションバーの他端は、ハイドロリック複動ラムアッセンブリー94,95によりアクスルに連結されており、該ラムアッセンブリーは、ロールスタビライザーバーをアクスウにリンクし、該コンポーネンツの間の角度変化に適合する通常のドロップリンクに置き換えることができる。この特定の実施例においては、ロールスタビライザーバーバーは、ハイドロリックシリンダーチャンバーハウジングに連結され、各ラムアッセンブリーのピストンロッド94b,95bは車輪支持アッセンブリー98,99に連結されている。
【0086】
図12に示した実施例においては、ピストンロッドは、前記ラムを真っすぐ突き抜け、ピストンの上下面は、同じ表面領域を有する。ある状況にあっては、前記ラム端部の一端から伸びているシングルのピストンロッドのみを使用するか、又は、外径が異なる倍率のロッドを使用して、不釣合いを解消し、そして/または、特殊のロールスピリットジオメトリーズを与えることが好ましい。
【0087】
この実施例においては、自動車がローリングするとき、図4と図6とに関して記載したと同じ手段で、ラムアッセンブリー94,95を接続する導管92,93を介しての流体流れが阻止される。したがって、車輪支持に関するラムアッセンブリーに固定のトーションバー90,91の端部90a,91aの動きは、阻止されて、それがために、トーションバーは、コンベンショナルのスタビライザーバーと同じように動作する。車輪のねじり(ワープ)モーションの間、ラムアッセンブリー94,95を接続する導管92,93を流体が流れて、車輪支持アッセンブリー98,99に対するトーションバーのラムアッセンブリー端部90a,91aを動かし、これによって、ねじり(ワープ)モーションを容易にする。しかしながら、自動車サスペンションシステムは、図4と図8とに示された実施例と同じように動作する。
【0088】
複動ラムの各々は、ロールスタビライザーバーの両端にそれぞれ連結する二つのシングル作用のラムでもよいことに注目されたい。各シングル作用のラムの流体チャンバーを対向するスタビライザーバーの対応するラムに接続して、図12の実施例と同じ態様での作動を行うことができる。
【0089】
上記した実施例のすべては、トーションバー機構を使用するが、本発明は、横断方向のプッシュロッド又はプルロッドをトーションロッドの代わりとし、調節手段で該ロッドをリンクして、テンション力又はコンプレッション力を各ロッドに作用させる構成も包含することをも理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1a】本発明によるサスペンションシステムの第1実施例を示す自動車シャシーの下側の等角投影図
【図1b】本発明によるサスペンションシステムの第2実施例を示す等角投影図
【図1c】図1bのサスペンションシステムの詳細図
【図2a】本発明によるサスペンションシステムの第3実施例
【図2b】図2aのサスペンションシステムの詳細図
【図3】本発明による第4実施例の概要レイアウトを示す自動車シャシー下側から見た平面図
【図4】本発明によるサスペンションシステムの第5実施例を示す概要レイアウトの略図的等角投影図
【図5】のサスペンションシステム内におけるねじりモーション下にある流体流れ方向を示す略図
【図6】のサスペンションシステム内におけるロールモーション下にある流体流れ方向を示す略図
【図7】本発明によるサスペンションシステムの第6実施例を示す概要レイアウトの略図的等角投影図
【図8】本発明によるサスペンションシステムの第7実施例を示す概要レイアウトの略図的等角投影図
【図9】のサスペンションシステム内のねじりモーション下における流体流れ方向を示す略図
【図10】本発明によるサスペンションシステムの第8実施例を示す概要レイアウトの略図的等角投影図
【図11】本発明によるサスペンションシステムの第9実施例の平面図
【図12】本発明によるサスペンションシステムの第10実施例を示す等角投影図
【符号の説明】
【0091】
1 自動車シャシー
1a,1b 主縦通レール
1c,1d,1e シャシーのクロスメンバー
2a,2b,2c,2d ウィッシュボーン
4a,4b,4c,4d コイルスプリング
3 ピボットピン
11 中央調節手段
50,51 トーション手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には車両のサスペンションシステムに関し、そして特にロール安定化機構を組み込んだサスペンションシステムに関するものである。
【0002】
近代の自動車には、一つ、又は、それ以上のロール(横揺れ)安定バーまたは”トーション”バーが装備されているのが通常であって、これらバーは、一本、又は、それ以上のアクスルの車輪を横断方向にリンクして、ロール運動を抑え、コーナリングの際、乗り心地を悪くし、時には危険なスウェー運動を防ぐ。ロールスタビライザーバーは、通常、スチールのスプリングバーとして製造され、これらバーは、ねじり弾性を有し、これによって1本のアクスルにおける一方の車輪が上下動すると、同じアクスルの他方の車輪が同時に同じ方向へ動かされる。1本のアクスルの二つの車輪が共通の方向へ動く程度は、コーナリングによって自動車に作用する横方向のロール力に応答する、二つの車輪を横断方向に連結するロールスタビライザーバーのねじり強度によって、ある程度定まる。
【0003】
重心位置が高い自動車(激しいロール運動を受けやすいトラックのようなもの)及び激しいロール運動を示すことなしに’コーナーフラット’になることが要求される自動車(スポーツカーのようなもの)には、通常、スチッフなロールスタビライザーバーが装備されていて、ロール運動を防ぐ。よりスチッフなロールスタビライザーバーを装備すると、苛酷な乗り心地になってしまう不利な結果となるもので、これは、アクスルの両車輪が機能的にリンク(ある程度)されるようになり、したがって、地面の凸部やポットホールに打ち当たった一つの車輪のみによっては、シングルの車輪インプッツは、解消されないからである。
【0004】
したがって、高級な乗用車には、より素直なロールスタビライザーバーが装備されているのが通常であって、その結果、シングルの車輪インプッツは、シングルの車輪の関連したスプリングとダンパーユニットにより吸収されるもので、該ユニットは、前記スタビライザーのねじり剛性から生じる付加的抵抗なしに前記シングルインプットに応答して比較的自由に動く。
【0005】
トーションバーのねじり剛性に関係なく、前記バーを装備すると、車輪相互における車輪の動き度合いを制限する。このことは、例えば、凹凸面を走行するとき、反対の垂直方向に車輪が大きく動かなければならないような場合に不利となる。車輪を連結するロールスタビライザーバーによって車輪の動きが制限されると、前記のような状態にあっては、自動車は、大きくガタガタ横揺れしながら進むようになる。この車輪の動きの制限は、また、前記のような地面を越えて走るときの車輪の牽引力を抑えてしまう。
【0006】
平らでない地面を走行するとき、複数の車輪が接地するポイントはシングルの面とは限らない。この結果、対角線で対向する二つの車輪のサスペンションは、圧縮され、車輪は、車体に近づき、対角線で対向する他方の二つの車輪のサスペンションは、伸びる。サスペンションの動作のこの態様は、’ねじれ’又は、さもなければ、’クロスアクスル関節運動’として知られているものである。
【0007】
コーナリングの際にロール安定性を付与し、さらにまた、ほぼ真っすぐなラインを走行したり、凹凸地面を越すときの乗り心地を快適にする自動車のサスペンションシステムをもつことは、有利なことである。
【0008】
この点に留意して、本発明は、一つのアスペクトにおいては、車体に連結した少なくとも一対の前部側地表係合手段および車体に連結した少なくとも一対の後部側地表係合手段とを有し、車体に対しての各地表係合手段の実質的に垂直方向の相対運動を行わせるようにする車両のサスペンションシステムを提供するもので、このサスペンションシステムは、前記地表係合手段にする車体を支持する弾性手段、少なくとも一つの前部側の一対の横方向に近接する前記地表係合手段を相互に連結する力伝達手段及び少なくとも一つの後部側の一対の横方向に近接する前記地表係合手段を相互に連結する力伝達手段を含み、各力伝達手段は、調節手段を含み、該調節手段は、縦方向に間隔をおいていて、前記力伝達手段の各々により、関連する横方向近接地表係合手段に伝達される力と方向とが相互に連結した横方向近接地表係合手段の少なくとも二つの対の相対位置と、それらに作用する荷重のファンクションとして、プログレッシブに変化するように、機能的にリンクされており、これによって、車両のロールモーションを抑え、同時に、前記地表係合手段のねじりモーションを容易にさせるようになっている。
【0009】
前記調節手段の機能的リンクにより、自動車の姿勢を”パッシブ”コントロールできる。前記サスペンションシステムは、外部のコントロール手段を必要とせずに、セルフ補正することができる。このことは、モーションセンサー及び移動センサー、前記センサーの信号を処理する電子コントロールユニットのような部品や、電子コントロールユニットにより制御される流体ポンプのような作動部品を不要とする。そのような機構は、高価であり、地面の条件と自動車の動きの変化に対する応答が比較的遅い。
【0010】
前記弾性支持手段は、前記の各地表係合手段と車両シャシーとの間に設けられる。また別に、一つの前記弾性支持手段を少なくとも前記一対の横方向近接地表係合手段のために設けて、関連する横方向近接地表係合手段の両方へかかる荷重を支持するようにできる。前記一つの弾性支持手段を少なくとも前記一対の前部側横方向近接地表係合手段のために設け、別の前記弾性地表係合手段を少なくとも前記一対の後部側横方向近接地表係合手段のために設け、それぞれ、前記関連する横方向地表係合手段のそれぞれに実質的に等しい荷重を与えるようにできる。
【0011】
力伝達手段により伝達される力は、ねじり力である。この目的のために、ねじり力が伝達されるようにする手段が使用される。したがって、各力伝達手段は、一対の横断方向トーションバーを含む。好ましくは、各トーションバーは、それぞれ前記一つの地表係合手段を含み、該トーションバーは、調節手段により相互に連結されている。前記トーションバーは、それらの長軸を中心として回転でき、前記調節手段は、好ましくは、関連したトーションバーの相互に対する軸回転をプログレッシブにコントロールし、前記地表係合手段がねじりモーションを受けるとき、前記地表係合手段が動くようになる一方、車両のロール態勢が前記トーションバーにより同時に規制される。
【0012】
本発明の好ましい実施例によれば、各調節手段は、関連した一対のトーションバーを機械的に連結する。前記一対の横断方向に近接したフロント側の地表係合手段を互いに連結する調節手段と、前記一対の横断方向に近接したバック側の地表係合手段を互いに連結する調節手段とは、機械的連結により機能的にリンクされている。この機械的連結は、前記連結手段を連結する縦の方向のシャフトであり、各調節手段は、それぞれの一端でトーションバーの一つにそれぞれが連結する一対のリンク手段を含むことが好ましく、一対のリンク手段の各々の他端は、ねじり力が前記調節手段間に伝達されるように前記縦方向シャフトの端部に連結されている。
【0013】
本発明の他の好ましい実施例によれば、前記調節手段は、前記トーションバーをハイドロリックに連結していてもよい。前記調節手段は、複動ラムであり、このラムは、シリンダーと、このシリンダーを二つの流体チャンバに分けるピストンアッセンブリーを有する。該シリンダーは、一方のトーションバーに連結され、前記ピストンアッセンブリーは、他方のトーションバーに連結されている。前記ラムの間に流体が連通する。この目的のために、フロント側トーションバーの複動ラムの二つの流体チャンバとバック側トーションバーの複動ラムの流体チャンバとを連結する導管手段により流体が通い合い、これによって、流体チャンバ間に流体が流れ、前記ピストンアッセンブリーとシリンダーとの相対移動を可能にする。前記流体チャンバが連通していることにより、各シリンダー内のピストンアッセンブリーの動きを伴って、ねじり運動を受けたとき、前記ピストンアッセンブリーに対する圧力差が僅かに変化しても接続された流体チャンバーへ流体を伝達する各シリンダー内のピストンアッセンブリーの動きで前記地表係合手段が自由に動く一方、車両のロールモーションが、車両の一方のサイドにおける地表係合手段における荷重の増加と、車両の他方のサイドにおける地表係合手段における荷重の類似の減少とにより作用されて、車両のロール姿勢をコントロールし、同時にねじりモーションによる各地表係合手段における荷重の変化を最低にする。さらに、前記導管手段へ流体を供給する流体供給手段もまた設けられていて、これにより、流体が一方の導管に付加され、そして、流体を少なくとも実質的に同時に他方の導管から排出して、車両のロール角度をコントロールすることができるようになっている。これにより、必要に応じて、自動車の姿勢を能動的にコントロールしたり、比較的ゆっくりとコントロールして単純なアベレージレベリング機能を果たすことがきる。
【0014】
ハイドロニューマチック・アキュムレーターのようなロール弾性手段もまた前記導管手段の両者と流体連通させることができ、前記ロール弾性手段は、ロールコントロールを改善するためのロール率を減衰する減衰手段と、ロール弾性手段を隔離する隔離手段とを含んでいて、ロールコントロールを改善するようになっている。しかしながら、流体供給手段又はロール弾性手段は、本発明の車両のサスペンションシステムの動作に必須のものではないことに注目すべきである。前記流体供給手段は、オプショナルに使用して前記導管手段とロール弾性手段とにおける流体の圧力とヴァオリュウムを変化させることにより、ロール弾性をコントロールすることができる。
【0015】
本発明のさらに好ましい実施例によれば、前記調節手段は、ロータリー作動手段であり、この手段は、ハウジングを含み、このハウジングは、該ハウジングを少なくとも二つの流体チャンバーに分けるローターを支持し、該ハウジングは、トーションバーの一方に接続されていれば、前記ローターは、他方のトーションバーに接続されている。導管手段により、フロント側トーションバーのロータリー作動手段の二つの流体チャンバーとバック側トーションバーのロータリー作動手段の流体チャンバーが流体連通されている。前記流体チャンバーは、接続されていて、ねじりモーションを受けたとき、前記ローターに対する圧力差が僅かに変化しても接続された流体チャンバーへ流体を伝達する各シリンダー内のローターの動きで前記地表係合手段が自由に動く一方、車両のロールモーションが、車両の一方のサイドにおける地表係合手段に対する荷重の増加と、車両の他方のサイドにおける地表係合手段に対する荷重の類似の減少とにより作用されて、車両のロール姿勢をコントロールし、ねじりモーションによる各地表係合手段における荷重の変化を同時に最低にする。
【0016】
前記弾性支持手段が関連した横方向近接地表係合手段の両者の荷重を支える少なくとも一つの前記一対の横方向近接地表係合手段に前記弾性支持手段が設けてある好ましいアレンジメントにおいては、前記弾性支持手段は、前記少なくとも一対の前部側の横方向近接地表係合手段と、前記少なくとも一対の後部側の横方向近接地表係合手段とに対して設けられていて、前記関連した横方向地表係合手段の各々に実質的に等しい荷重をそれぞれ与えるようになっている。例えば、トーションバーの各対を相互に連結するヨーク手段を設けることができ、ここにおいては、前記弾性支持手段は、該ヨーク手段を車両のシャシーに接続し、前記ヨーク手段は、関連する地表係合手段で支えられるアベレージの荷重を前記弾性手段へ伝え、これによって、前記弾性手段は、車両の少なくとも一部を少なくとも実質的に支持し,これによって、地表係合手段のねじり位置にかかわらず、各地表係合手段における荷重を車両が少なくとも実質的に均一に保てるようにする。前記ヨーク手段は、各トーションバーからそれぞれ伸びるレバーアームにより構成され、該レバーアームは、クロスメンバー機構により相互連結されている。前記弾性手段は、前記クロスメンバー構成を車両のシャシーに連結することができ、前記弾性手段は、好ましくは、前記ラムと流体連通しているアキュムレーターを有する荷重支持ラムを含み、前記弾性支持を行う。
【0017】
発明の他の好ましい実施例によれば、前記弾性支持手段は、前記地表係合手段と車両のシャシーとの間に設けられて、車両の重さを少なくとも実質的に支持し、そして、付随的には、ヨーク手段は、トーションバーの各対を相互に連結する。複動ラムが前記ヨーク手段と車両のシャシーとを接続し、導管手段が前記ラムの対応するチャンバーを接続し、バルブ手段が前記導管手段内に設けられて、各導管手段を流れる流体フローをコントロールして、車両のピッチモーションをコントロールする。前記導管の少なくとも一方と流体連通しているアキュムレーターを設けることもできる。前記導管手段へ流体を供給し、前記導管手段から流体を除去する流体供給手段、車両の態勢を感知する感知手段及び前記流体供給手段をコントロールして、車両の態勢をコントロールするコントロール手段をも設けて、車両の態勢をコントロールする。
【0018】
本発明のさらに別の実施例によれば、前記力伝達手段がシングルの横方向トーションバーを含み、前記調節手段が前記トーションバーを関連する地表係合手段の少なくとも一つに接続する。前記調節手段が前記トーションバーと前記関連する地表係合手段とをハイドロリックに接続する。前記各調節手段は、前記トーションバーの一端に位置する複動ラムを含み、該ラムは、シリンダーと、このシリンダーを二つの流体チャンバに分けるピストンアッセンブリーとを有し、該シリンダーと該ピストンアッセンブリーとは、トーションバーの一端と近接の地表係合手段との間に接続されている。前記ラムは、流体連通し、前記流体連通は、フロント側トーションバーの複動ラムの二つの流体チャンバーをバック側トーションバーの複動ラムの流体チャンバーにそれぞれ接続する導管手段により行われる。前記流体チャンバーの接続により、ねじりモーションを受けるとき、前記ピストンアッセンブリーに対する圧力差が僅かに変化しても接続された流体チャンバーへ流体を伝達する各シリンダー内のピストンアッセンブリーの動きで前記地表係合手段が自由に動く一方、車両のロールモーションが、車両の一方のサイドにおける地表係合手段に対する荷重の増加と、車両の他方のサイドにおける地表係合手段に対する荷重の類似の減少とにより作用されて、車両のロール姿勢をコントロールし、各地表係合手段における荷重の変化を実質的に最低にするように構成されている。
【0019】
前記調節手段は、前記トーションバーの各一端に位置する単動ラムでもよく、各ラムは、シリンダーと、このシリンダー内に支持されたピストンアッセンブリーとを有して前記シリンダー内に流体チャンバーを付与し、該シリンダーと該ピストンアッセンブリーとは、トーションバーの一端と隣接の地表係合手段とに接続されている。前記ラムの間が流体連通し、該流体連通は、導管手段により行われ、該導管手段は、フロント側トーションバーの各単動ラムの流体チャンバーをバック側トーションバーの縦方向に対向する単動ラムの流体チャンバーにそれぞれ接続するもので、前記流体チャンバーは、ねじりモーションを受けたとき、地表係合手段が自由に動く一方、車両のロールモーションは、前記トーションバーにより反応されて、ねじりモーションによる各地表係合手段にかかる荷重の変化を同時に最低なものにする。オプショナルなものとして、前記導管手段へ流体を供給する流体供給手段をもまた設けることができ、その結果、流体を一方の導管へ付加することができ、他方の導管から少なくとも実質的に同時に流体を排出して、車両のロール角度をコントロールすることができるようになる。これによって、必要に応じ、車両の態勢を或る程度能動的にコントロールできたり、又は、単純なアベレージレベリング機能のために比較的ゆっくりしたコントロールが行えることになる。ハイドロニューマチック・アキュムレーターのようなロール弾性手段もまた前記導管手段の流体連通路に設けることができ、前記ロール弾性手段は、ロール率を緩衝する緩衝手段と、前記ロール弾性手段を隔離する隔離手段とを含み、これによって弾性コントロールを改善する。
【0020】
しかしながら、注目すべき点は、流体供給手段又はロール弾性手段は、本発明の車両サスペンションシステムのオペレーションにとって必須のものではない点である。前記流体供給手段は、オプショナルにこれを使用して、前記導管手段と前記ロール弾性手段における圧力とヴォリュウムとを変えることにより前記ロール弾性をコントロールしてもよい。
また別途、前記調節手段が前記トーションバーを機械的に結合することもできる。
【0021】
本発明の別のアスペクトによれば、少なくとも一対の横断方向に隣接のフロント側地表係合手段と、少なくとも一対の横断方向に隣接の後部側地表係合手段とを有し、これら手段は、車体に連結していて、各地表係合手段が前記車体に対し実質的な垂直相対モーションを行うようになっている車両のサスペンションシステムが提供され、該サスペンションシステムは、前記地表係合手段に関しては、車体を支持する弾性支持手段を含み、前記弾性支持手段は、前記の前部側の少なくとも一対の横方向に近接の地表係合手段に対して、そして、前記の後部側の少なくとも一対の横方向に近接の地表係合手段に対して設けられ、横方向に近接した地表係合手段のそれぞれに実質的に等しい荷重をそれぞれ付与するものであり;力伝達手段が前記の前部側の少なくとも一対の横方向に近接の地表係合手段を相互に連結し、力伝達手段が前記の後部側の少なくとも一対の横方向に近接の地表係合手段を相互に連結し;各力伝達手段は、調節手段を含み、該調節手段は、縦方向にスペースをおいており、機能的にリンクされていて、この結果、前記力伝達手段それぞれにより、関連した横方向の近接の地表係合手段の間に伝達された力のマグニチュードと方向とが少なくとも二対の相互連結された横方向近接地表係合手段の相対位置と、これらに加えられた荷重をファンクションとしてプログレッシブに変化し、これによって、車両のロールモーションを制限すると同時に、地表係合手段のねじりモーションを容易にし、比較的遅い速度のねじりモーションにおいては、前記の各地表係合手段にかかる荷重が殆ど変化しないようにするものである。
【0022】
発明の別のアスペクトによれば、上記したサスペンションシステムを含む車両が提供される。
【0023】
発明の可能な実施例を図示する添付の図面を参照して発明をさらに記載することが便宜である。発明の別の実施例も可能であり、したがって、添付の特定の図面をもって発明の前記記述を総括するものになるものと理解すべきではない。
図1aは、本発明によるサスペンションシステムの第1実施例を示す自動車シャシーの下側の等角投影図であり;
図1bは、本発明によるサスペンションシステムの第2実施例を示す等角投影図であり;
図1cは、図1bのサスペンションシステムの詳細図であり;
図2aは、本発明によるサスペンションシステムの第3実施例であり;
図2bは、図2aのサスペンションシステムの詳細図であり;
図3は、本発明による第4実施例の概要レイアウトを示す自動車シャシー下側から見た平面図であり;
図4は、本発明によるサスペンションシステムの第5実施例を示す概要レイアウトの略図的等角投影図であり;
図5と図6とは、図4のサスペンションシステム内におけるねじりモーションとロールモーション下にある流体流れ方向をそれぞれ示す略図であり;
図7は、本発明によるサスペンションシステムの第6実施例を示す概要レイアウトの略図的等角投影図であり;
図8は、本発明によるサスペンションシステムの第7実施例を示す概要レイアウトの略図的等角投影図であり;
図9は、図8のサスペンションシステム内のねじりモーション下における流体流れ方向を示す略図であり;
図10は、本発明によるサスペンションシステムの第8実施例を示す概要レイアウトの略図的等角投影図であり;
図11は、本発明によるサスペンションシステムの第9実施例の平面図であり;そして
図12は、本発明によるサスペンションシステムの第10実施例を示す等角投影図である。
全ての添付の図面と図にあっては、同じようにマークされ、図面すべてにおける同じコンポーネンツには、単純にするために、同じ符号とシンボルが付され、本発明に関連するパーツのみが示されている。
【0024】
まず最初に、図1を参照すると、そこには代表的な自動車シャシーと、本発明による第1実施例が示されている。自動車シャシー1のフロト側は、図面紙葉の右上隅を向いて示されている。シャシー1は、2本の主縦通レール1a,1bと、これらレール1a,1bを相互連結するシャシーのクロスメンバー1c,1d,1eとを含む。
下位のウィッシュボーン2a,2b,2c,2dにより、車輪(図示せず)が実質的に垂直方向へ動くように配置されている。該ウイッシュボーンは”A”の形状をしており、各ウイッシュボーンの基部3でシャシー1にピボット連結されている。上位のウィッシュボーン又は”マクファーソン・アタッチメント”は、簡略にする理由で省略してある。したがって、ウィッシュボーン2aは、右前輪の可動位置決め手段になり、ウィッシュボーン2cが左後輪アッセンブリーをシャシー1に取り付ける。各車輪アッセンブリーは、ウィッシュボーンの外端部2a(i)、2b(i),2c(i),2d(i)にそれぞれ取り付けられる。
【0025】
他の既知のリンク手段を用いてシャシー1に車輪を取り付け、車輪がほぼ垂直方向へ動くことができるようにすることもできることを理解されたい。
例えば、本発明は、トレイリングアームとリーディングアーム、パンハードロッド(panhard)ロッド及び平らなリーフスプリングのようなマルチリンク車輪機構を装備した自動車にも適用される。
【0026】
図1aにおいて、コイルスプリング4a,4b,4c,4dがウィッシュボーン2a,2b,2c,2dの上面にそれぞれ装着されている。コイルスプリングのシャシー1に結合されたアタッチメントに溶着されていて(但し、これは、図示されていない)、ウィッシュボーンは、ピボットピン3を中心として上下動し、既知のサスペンションシステム同様に、前記スプリングはウィッシュボーンとシャシーアタッチメントとの間で伸縮する。コイルスプリングは、自動車の重量の殆どを支持する。
【0027】
図1aに示されたサスペンションシステムには、トーション手段50,51が装備されており、これらトーション手段は、横方向に近接した一対のウィッシュボーン2aとウィッシュボーン2b、一対のウィッシュボーン2cとウィッシュボーン2dを相互に連結している。各トーション手段は、二つのコンポーネント5a,5bと二つのコンポーネント5c,5dを含み、これらは、既知の横断ロールスタビライザーバーに類似している。これらは、ボールジョイント、ブッシュまたはドロップリンクのような既知の手段でウィッシュボーンに取り付けられており、この結果、車輪アッセンブリーがほぼ垂直方向へ動くと、各コンポーネントのメインシャフトは、既知のロールスタビライザーバーのように、シャシー1に取り付けられた内側ハウジング(図示せず)をターンさせるようになる。普通、ロールスタビライザーバーは、その全長にわたり、ねじり弾性を与えるばねスチール材から製造される。
【0028】
サスペンションシステムの上記した特徴は、ロールスタビライザーバーを組み込んだ既知のサスペンションと構造、機能の点で殆ど変わるものではない。しかしながら、トーション手段は、それぞれ二つのコンポーネント5a,5b及びコンポーネント5c,5dに分かれているので、これらコンポーネントの”ロールスタビライザー”機能は、反対になっている。したがって、これらのコンポーネントは、これらがロール安定化に対し完全に矛盾した機能を果たすときには、”横方向トーションバー”として言うことがより相応しいものである。これらの横方向トーションバーの一対は、シャシー1の各端部に設けられており、トーションバーの各対は、中央調節手段11の手段により連結されている。
【0029】
調節手段11は、2本の横方向トーションバーのそれぞれの端部の間に設けられており、ある場合にあっては、横方向トーションバーの二つのものが機能的に一つになって連結され、他の場合にあっては、前記二つのものがそれらの長手軸を中心として相手に対し二重反転するように、横方向ヨーションバーの機能をコントロールする。したがって、横方向のトーションバーの機能は、反転できるもので、各アクスルのロール運動を別個に増大させるようにするか、又は、一つのアクスルの両車輪の逸脱する動きを同時に阻止する。さらに、本発明によれば、横方向トーションバーの各対の調節手段11を車両のロール運動と態勢のファンクションとして同時にコントロールできる。このことは、以下の記述から明らかになる。
【0030】
調節手段11の別の形態が可能であり、種々のものがあり、それら手段を図解する。例えば、図1a,図1b,図1cにおいて、調節手段11のコンポーネントを以下のように記述できる:前記横方向のトーションバーは、スリーブのような既知の手段により、シャシーとアクスルに回転可能に取り付けられており、これらの詳細は、殆どの図には示されていない。横方向トーションバーの端部には、レバー端部が設けられており、横方向トーションバーに捻じり力を加えることができるようになっている。該レバー端部は、トーションバーリンクに通常設けられているような態様で作られる。図1aは、フロント側の横方向トーションバーを連結する調節手段11を略図的に示す。調節手段11の実施態様は、図1bと図1cとにさらに詳細に示されている。フロント側のトーションバーの調節手段11のみしか図示されていないが、対応する調節手段構成もまたバック側のトーションバーにも設けられる点に留意されたい。図1bと図1cとを参照すると、トーションバーのレバー端部5a.5bの他方の端部には、レバーアーム7a,7bが設けられていて、それぞれ横方向トーションバー5a,5bに取り付けられている。レバーアームの外端部は、車輪が回転するほぼ縦の面にほぼ平行な面において円弧を描く。一対の横方向トーションバー5a,5bは、リンク機構5fを介して連結されている。レバーアーム7a,7bの端部には、’アイボルト’又はボールジョイント又はタイロッドエンド又はブッシング8a,8bが設けられていて、フレキシブルに連結又は結合している。
【0031】
前記フレキシブルのジョイントは、各レバーアームをそれぞれ短いリンク機構9a,9bに取り付ける。各リンク機構9a,9bの他方の端部には、またシングル又はダブルのフレキシブルジョイント10a,10bが設けてあり、これらは、ジョイント8a,8bと同様の構造になっている。
【0032】
車両の各端部における、これらの対になったフレキシブルジョイントには、図示のように別のレバー機構11aが取り付けられている。このレバー機構は、既知の手段により、回転可能な長さ方向のスタブシャフト12aに連結し、このシャフトは、横方向トーションバー5a,5bの軸にほぼ垂直の回転主軸を有し、したがって、これは、自動車の縦方向軸に概ねそっている。
【0033】
したがって、図1bと図1cを参照すると、ウィッシュボーン2aで支持されている右前輪が下方向へ動くと、横方向トーションバー5a(図1b,図1cにおいて)は、その結果として、長さ軸を中心として回転し出す。
【0034】
したがって、関連したレバーアーム7aは、自動車のフロント方向へ円弧を描き、この運動でリンク9aを引き続け、これにより、垂直になっているレバー11aをスタブシャフト12aにおけるピボット軸を中心として右前輪に向け横方向へ円弧状に引っ張る。
さらにリンク9bは、レバー7bの頂部のピボットポイント8bを引っ張るもので、これは、他方の半体のトーションバー5bによって定められる軸を中心として自動車の後部へ向けて円弧を描き、これによって、ウィッシュボーン2bで支持された左前輪アッセンブリーに対し、上方へのねじり力を伝える。
【0035】
したがって、一方の車輪の上下動により、同じアクスルの他方の車輪の反対方向の上下動を誘発することができる。
5aのような一方のトーションバーで他方のトーションバー5bを逆回転させるためには、横方向トーションバー5a,5bと縦方向になっているスタブシャフト12aとの動きを軸方向に動かず、即ち、トーションバー5a,5bの場合は、横方向へ、スタブシャフト12aの場合は、自動車の長さ(縦)方向に動かないが、それぞれの長さ方向軸を中心として自由に回転するようになっていなければならない。縦方向のスタブシャフトと横方向のトーションバーとが軸方向に動くとすると、自動車の両側において、同時に同じ方向へ車輪が動くことを最大に促進させてしまう結果になる。
【0036】
したがって、各タイヤが実質的に一致した接地圧を保つように各車輪を強制して牽引力を増すようにするためには(ほぼ真っすぐなラインにそって走行するとき)、縦方向に通されたスタブシャフト12aを軸方向に動かさずに、長さ方向軸を中心として回転させることにより、各アクスルの2本の横方向のトーションバーを相互いに反対に回転させるようにすることが必要である。
【0037】
逆に、ロール安定性を改善するためには(これが、コーナリングの際などに望ましいとき)、同じアクスルの両車輪が同時に同じ垂直方向へ動くようになることが必要であり、この場合、縦方向に通されたスタブシャフト12aの長さ方向軸を中心とする回転運動を抑え、その代わりに、このスタブシャフトを軸方向へ動くようにすることが必要である。この場合、トーションバーは、回転しなければならないようになっているものの軸方向へ動く必要はない。
【0038】
したがって、ねじりモーションを受けるとき、自動車のロールモーションが横方向トーションバーにより反作用を受けながらも、車輪は自由に動く。
本発明によれば、自動車の両端部におけるトーションバーは、自動車がローリングするとき、この態様でコントロールされることもできる。
【0039】
しかしながら、互いに反対方向の車輪の動きが必要な状態においては、トーションバーの各対における互いに反対の回転は、容易なものである。実質的なねじりモーションが必要な場合、フロント側の横方向トーションバーとバック側の横方向トーションバーを同時にコントロールすることが必須である。このような状況下にあっては、対角線で向き合う一対の車輪は、同じ方向へ動くことが要求され、他方、対角線で向き合う他の一対の車輪は、一対の前者の車輪と反対の方向へ動くか、又は、ほぼ静止状態に保持されることが要求される。
【0040】
2本の横方向トーションバー5a,5bの間のレバーとリンクを備えるリンク手段5fは、したがって、サスペンションシステムがロールモーションに対し抵抗でき、又は、特に、ねじりモードにおいて反対方向へ車輪を動かすことを促すことができるように、コントロールされることができる。したがって、縦に通ったシャフト12aの動きを、該シャフトを軸方向に又は回転方向に別々に又はまとめてと否とに拘らず拘束することで規制することにより、ロールシアリングと荷重シアリングを種々ミックスして作用させることができる。
【0041】
同じように動作し、又は、さらに利点を生むような、よりポジティブで耐久性があるリンクとコントロール機構を付与するために、ある場合によっては好ましくなくても、記述したリンク以外の手段で横方向トーションバーをターミネートさせることが機械的に容易である。例えば、横方向トーションバー5a,5b,5c,5dは、図示したような”L”形状のレバーの代わりに、内側端部において”T”ジャンクションで終わるようになっていてもよい。
【0042】
縦方向のシャフト12aには、また、マッチングするダブルレバーが設けられていてもよい。前記シャフトの両側に”T”形状のダブルレバーを設けることで、これらのバーは、偏心したサイドロードがほとんどなしに、軸まわりを回転するようになる。前記シャフトを前記シャシーに相対位置させる止め具と取り付け手段は、ダブルレバーの端部により、これらをなくしてもよい。さらに、ロールコントロールと車輪運動を向上するモードは、に示されたような前記した”L”レバーシステムのように要求される機能から、前記縦方向のシャフトの端部におけるダブルエンドの”T”ジャンクションを作用的に切り離すことにより、異なる態様で選択されることもでき、したがって、異なるタイプのレバー手段を異なる種類のコントロール機構として使用できる。
【0043】
いつ、そして、どのように、中央の連結手段11によりロール運動をコントロールしたり、または垂直方向に車輪を動かすようにするかを選択するために使用できる方法は、いろいろある。ここでcを参照すると、シャフト12aは、ブレーキユニット14にスライドして位置する溝部またはスプライン部13を有しており、発明のこの部分を示すために、該ユニットは、ディスクブレーキセグメント14aとブレーキキャリパー14bとして略図的に示されている。
【0044】
ディスクブレーキセグメント14aには、スプライン加工された内面が設けられており、これにシャフト12aのスプラインされた外面が合致する。
ブレーキセグメント14aは、縦方向に通るシャフト12aと共に限度のある円弧を描いて回転されるようになっている。しかしながら、シャフト12aの全体が軸方向へ動くとき、ディスクブレーキセグメント14aは、ブレーキキャリパー機構14b内に位置しながらシャシーに対する原位置に留まるものであり、前記キャリパー機構は、止め具15のような便宜の手段により、自動車車体又はシャシークロスメンバーに固定されている。
【0045】
したがって、ローリング抵抗を促進するため、ブレーキキャリパー機構14bがブレーキセグメント14aを圧縮/圧迫したり、そして拘束したりして、シャフト12aを回転できなくする一方、前記シャフトを軸方向への動きを許容し、これによって、トーションバー7a,7bが同時に同じ縦方向の面で動くようにし、これによって、両車輪が同時に同じ垂直方向へ動くようにし、さらに、ローリングを規制する。
【0046】
第2のブレーキ機構16も配置されていて、シャフト12aの軸方向の動きを規制する一方、前記シャフトをそれ自身の軸を中心として回転させるようになっている。そして、この目的は、縦方向のシャフト12aから延びているレバー機構11aのロールコントロールを助長する長さ方向における自由の動きを規制する一方、該レバーをシャフト12aの軸を中心として回転させ、2本の横方向トーションバーを互いに反対に回転させ、これによって関連した車輪を互いに反対の方向に上下動させるように助ける。
縦方向に通るブレーキ機構16は、基本的には、ブレーキプレート16aを備え、これは、ブレーキキャリパー機構16bにそって縦方向へ動くものである。前記プレートセクションは、シャフト12aまわりを自由に回転するチューブ16cによりシャフト12aに位置しているが、該シャフトに固定された二つのストッパー又はリング16dの間に配置されている。ブレーキホース及びブレーキパッドのような付属品は、図示されていない。
【0047】
ドラムブレーキ、シリンダーの外面におけるブレーキバンド又は関連パーツを一つの固定位置に配置したり、関連コンポーンネントを好ましい中央位置にセンタリングするための単純なピンとアイ形式のロッキング機構を含む他の既知で均等の手段により、同じ機能が達成されることを理解すべきである。
【0048】
付加の利点を有する配置手段の追加の例をパッシブ又はセミアクティブシステムにより記載するもので、この例においては、前記シャフトの位置と動きとが、二つのハイドロリックシリンダーにより定まるもので、該シリンダーは、ブレーキ機構の代わりに、自動車シャシーと縦方向のシャフトとの間に機械的に連結されており、ポンプ又はアキュムレーターのような圧力源にハイドロリックに連結されている。したがって、該コントロールシステムは、受動システムにおけるように、摩擦損失を発生させることで、単純に力を減衰させてしまうことに頼ることなく、むしろ、積極的に前記シャフトを適切に(上記したように)、この場合は、ハイドロリックアクチュエーターを介して回転させ、動かすことにより、ローリングを強制的に補正し、車輪を上下動するものである。
【0049】
ローリング運動と車輪の動きとが受動的であるか、能動的であるかのいずれの場合でも、前記システム(図1aから図1cに関して記載されたような)は、ロール力と車輪の動きとを感知し、又は、モニターして、適応するブレーキ手段又はアクチュエーター手段を適正なタイミングで動作させる必要がある。
【0050】
ノーマルな状況にあっては、車体に対する車輪の位置は、各車輪アッセンブリーと車体との間に取り付けられたポテンショメーターのような適切な既知のデバイスを用いて測定される。コーナリング力を検知するために、加速度計、ステアリング/スロットル/ブレーキペダル位置センサー、Gスイッチ、水銀スイッチもまた自動車産業において当たり前のもので、広く使用されている。車輪ポテンショメーターと加速度計からの情報は、速度計からの情報(そして、他の有用とされるインプット)と共に照合されて、ブレーキユニット14,16のような規制又はコントロール手段を所定のタイミングでいつの時点で作動させるべきかを決定し、車輪の動きを補助し、合わせてローリングコントロールを行うためのベストの動きを与える。電子制御手段(ECU)を設けて、種々のセンターシグナルを受信し、コントロールシグナルを前記連結手段へ供給する。
【0051】
図2aと図2bは、別の中央連結手段11を示し、これは、図1a,図1b,図1cに示したレバー及びリンク機構と機械的に均等のものである。図2a,図2bは、また、右前輪に向け、自動車の右側から見上げた自動車シャシーの下側の等角投影図である。したがって、横方向トーションバー5bは、図面の左下側に位置し、他方の横方向トーションバー5aは、図面の右上側に位置している。
【0052】
図1aから図1cに示されたレバーとリンクとは、図2a,図2bにおいては、噛み合う三つのベベル歯車7bp,7ap,11pに置き換えられている。したがって、横方向バー5aの内側端部のレバー7aは、ベベル歯車7apに置き換えられ、レバー7bは、シャフト5bの端部に結合されたベベル歯車7bpに置換されている。同様にレバー11aは、ベベル歯車11pに置き換えられている。二つのベベル歯車7ap,7bpは、両者が共通のベベル歯車11pと噛み合えば、互いに反対の方向に回転するようになるもので、前記共通のベベル歯車は、前記2本の横方向トーションバーの回転軸に対し垂直な回転軸を有している。
【0053】
明確にするために、完全なベベル歯車を図示しているが、これらに代わり、ベベル歯車セグメントにすることも同じように可能であり、これは、自動車のアクスルは、通常、12°以上の大きな円弧をもって回転せず、したがって、ベベル歯車それら自身は、それより以上の大きな角度で回転する必要がないからである。前記ベベル歯車をしっかりと噛み合わさせるには、他の既知の用途におけるように、これらの歯車の歯をヘリカル歯にすればよい。したがって、エキストラのベベル歯車をリンクユニット5fに組み込み、前記シャフトとの噛み合わせを確実にし、荷重がエキセントリックにならないようにすることができる。
【0054】
図2a,2bにおいて、コイルスプリング(図1において符号4が付された)がオプション的に除かれ、したがって、自動車のメインサポートがクロスメンバー1dにおいてシャシーに弾性手段を介して以下の態様で取り付けられた横方向トーションバーにより構成されている。横方向トーションバー5abは、リンクアッセンブリー5f(この図では、3つのベベル歯車7bp,7ap,11pとして示されている)と噛み合う。これらの三つのベベル歯車は、ハウジング18に内蔵されている。ベベル歯車ハウジング18には、適当な止め具18aが設けてあって、止め具18aとシャシークロスメンバー1dとの間に位置する弾性手段の止着点になる。
【0055】
ハイドロニューマチック・ストラット19が図2bに示され、これは一つ、又は、それ以上のガススプリング又はアキュムレーター19aと組み合わされて弾性手段を構成する。アキュムレーター19aの口部に減衰バルブ(既知の構造のものと同じようなもので、この図には、見えない)が、この中央弾性手段のショックアブソーバーとして設けられている。この中央減衰機構の利点は、ピッチ方向インプットのみを減衰し、したがって、この特定の振動数要件に対し、異なる振動数のロール減衰に逆効果を与えずに、合致することができる。
【0056】
ローリングは、例えば、通常のショックアブソーバーにより車輪において減衰される。
車輪におけるコイルスプリングがなければ、中央弾性手段19が自動車の端部を究極的に支持しなければならないもので、このユニットを伴わずに、ツインの横方向トーションバー5a,5bと中央連結手段5fとからなるアッセンブリー全体が回転し、これによって、自動車がゴム製上下動バンパーの上へ落ち込む。
【0057】
弾性手段を適宜組み合わせることができ、これによって、ハイドロニューマチックストラット19のような強力な中央弾性手段をアウターのコイルスプリングと組み合わせて、該コイルスプリングを比較的支えにならないものにすることができ、または、逆に、車輪で自動車の重量の殆どを支持させて、中央ハイドロニューマチックストラットには支持の役目をさせなくしてもよい。また別に再び、関連した車輪にかかる車輪の全重量を各中央弾性手段で支えることもできる。
【0058】
ハイドロニューマチックストラット19のような弾性及びダンパー手段がピッチング面に弾性を付加し、長さ方向のピッチング方向における快適さを大幅に改善する一方、しっかりしたロール弾性を維持して高い操舵性を保ち、ローリングの際には、スポーツカーのような自動車ハンドル捌きであって、しかもピッチングの際には、リムジンのような乗り心地になる。
【0059】
ハイドロニューマチックストラット19は、図2a,2bに示されているが、時には、このユニットをダンパー(ショックアブソーバー)にも好ましく合っているラバーブロック又はコイルスプリングのような既知の別のタイプの弾性手段に置き換えることも同様に都合がよい。
【0060】
コイルスプリングの代わりにハイドロニューマチックストラットを設ける利点の一つは、ハイドロニューマチックストラットをオプション的に流体圧力源(流体ポンプ)とリザーバー(タンク)に接続し、該ストラットとアキュムレーターとにハイドロリック流体を付加的に導入し、自動車を上げたり、又は、流体をタンクに戻して車高を下げたりする点である。このような態勢及び高さ調節は、重量がマシンや自動車の一端に偏ってかかるときに自動車を水平にするためや、例えばハイスピードで走行しているときに自動車の両端部を下げることによる利点を自動車が得たいときに望ましい。しかしながら、トーションバーと自動車シャシーとの間の弾性手段を無くすことができ、横方向トーションバーを例えばソリッドのバーで自動車シャシーに支持させることに留意しなければならない。そして、弾性作用は、トーションバーの弾性によってのみ得られる。
【0061】
ロールモーション及び車輪の動きをある限度にしなければならないハイスピードにおける低い振幅の個々の車輪の動きは、かくして、図示されていない比較的スティッフな横方向トーションバー(スプリング)とショックアブソーバー(ダンパー)によって解決される。ブレーキ機構14が中央ベベル歯車の自由な回転を規制し、これで横方向トーションバーの互いに逆の回転を阻止してロール運動を必要限度に低減させることを促進する。図2bにおけるコンポーネント14a,14bは、図1aから図1cに図示した実施例に対し同様の作用をもって適用できる。
【0062】
平坦でない地面をトラバースするとき、弾性機構19(図2a,2b)が相互に逆回転のリンク5f(ベベル歯車セット)を支持しているので、二つの横方向トーションバーの相互逆回転がよりたやすく達成できる。したがって、このサスペンションシステムは、自動車がスティッフなロール抵抗リスポンスを必要とするとき、又は、より真っすぐなラインを走行するとき、乗り心地をよくする柔らかなピッチリスポンスを必要とするときに応じて適切にリスポンスするように異なるマルチプルの弾性率を示す。
【0063】
上記の実施例は、少なくとも実質的に等しい負荷を各車輪に加えることができる利点を有する。コンベンショナルのサスペンションシステムにおいては、コイルスプリング又は他の弾性手段が各ウィッシュボーンに設けられているもので、サスペンションシステムは、車輪が動く前に弾性手段のスプリング力に打ち勝たなければならない。しかしながら、ウィッシュボーンが弾性手段と無関係であれば、これによってウィッシュボーンが自由に動け、サスペンションシステムによって、各車輪に対し少なくとも実質的に均等な荷重がかかる。
【0064】
本発明のさらなる展開を以下に記載するもので、これは、サスペンションシステム自体に、外部センサー及びECU又は知的システムなしに、ロール抵抗を増すべきか、又は、ロール抵抗を積極的に後退させるべきかの状況に応じて本来的に差をもたせることを可能とする。さらに、以下に記載するサスペンションシステムのバリエーションは、該システムの種々の要求に自動的に、受動的に作用して、外部の影響、又は、インテリジェンス又はエネルギーの必要なしに、要求されたリスポンスを行う。
【0065】
図3は、本発明によるサスペンションシステムの別の実施例を示すものである。この実施例は、自動車シャシー1がウィッシュボーン2a,2b,2c,2dに支持、コイルスプリング4a,4b,4c,4dがコンベンショナルのサスペンションシステムにおけると同様に設けられている点で、図1aから図1cに示された実施例に類似している。さらに、自動車シャシー11の各端部におけるウィッシュボーンは、それぞれ対になっている横方向トーションバー5a,5b,5c,5dとそれぞれ連結している。トーションバーの各対は、これらも前記実施例におけるようなリンク手段9a,9b,9c,9dの形をした連結手段11により連結されている。主な相違点は、縦に通るシャフト20で各対のトーションバーの連結手段11が連結されていることである。
【0066】
縦に通されたシャフト20には、それの各端部にレバーメンバー11aが設けられていて、これらによりシャフト20が図1bと図1cの縦方向のシャフト12aと同じようにして、リンク手段9a,9b,9c,9dにリンクされている。さらに、図3の縦のシャフト20は、スプラインジョイント21を含み、これで、シャフト20が縦方向にある程度動けるようになっている。
【0067】
この縦に通されたものは、サスペンションシステムのトーションバーが自動車の動きに応じて一緒に作用できるように前後のトーションバーをリンクしている。前後のトーションバーを縦に通るシャフトでリンクすることにより、サスペンションシステムは、自動車を支えるアベレージの路面に対し少なくとも実質的に平行の位置に自動車の態勢を保ち、平行な位置に戻す。
【0068】
特に、車輪は、対角線で向き合う一対の車輪が同じ方向において、そして、他方の対の対角線で向き合う車輪に対し反対の方向おいて変位するときのねじりモーションを受けるとき自由に動く。自動車の一方のサイドの車輪が自動車の他方のサイドの車輪に対し同じ方向に動いて、自動車がロール運動を主に受ける状況においては、前記トーションバーは、コンベンショナルのスタビライザーと同じ態様で作用することができ自動車にロール剛性を与える。
【0069】
しかしながら、隣り合うトーションバーが互いに反対の方向へ回転するねじり状況下にあっては、縦方向のシャフトをも回転させてしまう。この結果、車輪間に力が伝達されて、車輪の動きを容易にする。ロール状況とねじり状況とが種々変化して組み合わされた状況下に自動車が置かれると、トーションバーの間の相対回転の度合いは、プログレッシブ(累進的)に変化する点に注目すべきである。したがって、トーションバーは、自動車がロール運動を受け,さらに地表係合手段がねじりモーションを受けるとすると、互いに反対の回転のみして、自動車のロール姿勢のコントロールをパーマネントに維持する。
【0070】
図4は、サスペンションシステムの別の実施例を示す。図示の自動車サスペンションシステムにおいては、自動車のフロントが図面シートの左下隅を向いている。自動車は、車輪20,21,22,23に支持されている。コイルスプリング4a,4b,4c,4dが自動車シャシー(図示せず)を支え、自動車の乗り心地に弾性を付与する。
【0071】
トーションバー50,51は、自動車の前後に設けられている。自動車のフロント側とリアー側における、これらのトーションバーは、機械的又は流体圧的のいずれかでリンクされている。ハイドロリック・リンク結合は、アッセンブリーが簡単で、ジェネリックフォームでの記載が楽であるから、サスペンションシステムを同じような態様の自動車のロールモーションとねじりモーションとに区別する方法を付与するためには、別のリンクシステムが使用できるとしても、以下の記述では、ハイドロリック・リンクシステムについて述べる。さらに、サスペンションシステムは、”受動的”であって、”能動的”ではない。換言すれば、自動車の動きに自動的に作用するシステムを作動させるのに、外部センサーを必要としない。
【0072】
図3に示されたシステムも”受動的”である。各アレンジメントは、前記の実施例に示したアレンジメントと同じように、横方向のトーションバー5a,5b,5c,5dを含む。しかしながら、該トーションバーは、ハイドロリック複動ラムアッセンブリー62,63により連結されている。各ラムアッセンブリーは、シリンダー62a,62bと、該シリンダー内にサポートされたピストン62b,63bを有し、該シリンダーは、インナーチャンバ62c,63cとアウターチャンバ62d,63dとに分かれている。トーションバー5b,5cそれぞれの一方の一端にレバーアーム7b,7cに連結され、ピストン62b,63bと共に動く。導管64,65によって、二つのラムアッセンブリー62,63に流体が導通される。図示の実施例においては、各導管64,65により、一方のラムアッセンブリーのインナーチャンバ62c,63cと他方のラムアッセンブリーのアウターチャンバ62d,63dとが連通している。しかしながら、例えば、トーションバーの一方の対をアクスルの後側に配置し、トーションバーの他方の対を他方のアクスルの前側に配置するような、回転の向きをリバースする横方向トーションバーの構成に応じて、二つのラムアッセンブリーを他の導管で接続することも可能である点に注目されたい。したがって、前記アウターチャンバを一方の導管で接続し、インナーチャンバを他方の導管で接続することができる。
【0073】
流体ポンプと流体貯蔵部アッセンブリー66をオプションとして設け、ラムアッセンブリーと関連の導管へ流体を供給したり、これらから排出したりすることができる。この構成によって、ロール弾性をさらにコントロールでき、また、自動車のローリングをある程度積極的にコントロールし、さらにクロスアクスル関節運動をアシスタントして、スプリング(使用されているとき)の抵抗に打ち勝つ。さらに、ハイドロリック回路内における流体のヴォリュウムを変化させて自動車のロール姿勢をコントロールすることができる。この目的のために、それぞれが導管64,65の一方に接続する2本の二次導管67,68により二つのラムアッセンブリー62,63を接続する導管64,65にポンプ/貯蔵部アッセンブリー66を接続する。前記二次導管には、アキュムレーター69,70が設けられて、サスペンションシステムに付加的弾性を付与する。ピッチングと車体全体の動きにおける自動車の乗り心地の弾性の殆どは、スプリング4a,4b,4c,4dによって付与され、ロール弾性がオプショナルのアキュムレーター69,70における弾性か、又は、横方向トーションバー5a,5b,5c,5d及びリンク及びそれらに取り付けられたブッシュによる弾性によって付与されるのみである。
【0074】
図5と図6は、車輪がねじりモーションするとき(図5)及び車輪がロール運動するとき(図6)における前記システムとラムアッセンブリーとの間における流体の流れを示す。該略図は、自動車のフロント側が図面シートの上位を向いたサスペンションシステムの平面図を示す。かくて、各車輪20,21,22,23は、ほぼ垂直方向へ動くが、これは、図面シートの面に対し直角の方向の動きである。したがって、車輪の上方への動きは、記号”−”で示され、車輪の下方への動きは、記号”+”で示されている。
【0075】
まず図5を見ると、複数の車輪にねじりモーションが作用するとき、対角線上の近接する車輪は、共に同じ方向へ動き、この方向は他方の対角線上の近接する車輪の動きの方向と反対の方向である。この状況において、車輪の動く方向と、トーションバーがシリンダー及びシリンダーアッセンブリーのピストンとそれぞれ連結していることで、トーションバーの相互逆回転が可能になる。
【0076】
例えば、フロント側の力伝達機構50の場合、左前輪20が上方へ動き、右前輪21が下方へ動くと、フロント側のトーションバー5a,5bがカウンター回転(相互に逆回転)し、シリンダー62aのピストン62bの相対的動きによって、フロント側のハイドロリックラムアッセンブリー62のアウターチャンバー62dのヴォリュウムが小さくなり、該ラムアッセンブリーのインナーチャンバー62cのヴォリュウムが大きくなる。したがって、流体は、導管64を介してアウターチャンバー62dから後部側のハイドロリックラムアッセンブリー63のインナーチャンバ63cへ流入する一方、流体は、導管65を介して後部側のハイドロリックラムアッセンブリー63のアウターチャンバ83dからフロント側のハイドロリックラムシリンダー62のインナーチャンバ62cへ流入する。この流体の流れは、後部のトーションバー5c,5dの相対的な動きにより助けられる。この流体の動きによって、クロスアクスルモーションがサスペンションシステムにより簡単に達成できる。
【0077】
これに対し、図6においては、自動車の一方の側の車輪は、同じ方向であるが、自動車の他方の側の車輪の動く方向と反対の方向へ動く。車輪の動く方向は、自動車が左へ曲がり、その結果自動車がロールモーションすることを示す。トーションバーそれぞれが行う回転と、各ラムアッセンブリーのチャンバー間の接続とにより、各チャンバーからの流体の流れは、各ラムアッセンブリーのピストンとシリンダーとが相対運動を殆どしない対向チャンバーからの流体の流れで反作用を受ける。したがって、横方向トーションバーのそれぞれの対は、コンベンショナルのロールスタビライザーと同じように共に作用するが、コンベンショナルのロールバーと異なり、記載したシステムは、ロールコントロール抵抗を与えると同時にねじりから生じる車輪の動きを許す。二つのラム間のリンクの機能的関係は、各ラムにおけるピストンに対する圧力差のファンクションとして見ることができる。自動車が図6に示すように、ロール運動を受けるとき、各ラムのピストンに対する圧力差は、比較的高く、荷重と、したがって流体チャンバー63d,62bの圧力は、チャンバー63b,62dに対するものよりも高い。しかしながら、図5に示すようなねじりモーションを受けるとき、前記ピストンに対する圧力差は、比較的低くなる。したがって、自動車が主としてローリング状況からねじり状況へ動くにつれ、圧力差は、プログレッシブに減少する。
【0078】
これまでの通常のロールスタビライザーバーシステムにおいては、トーションバーは、コーナリングの間、”ねじ曲げられた”ものになり、道路もまた、ある程度クロスアクスル関節運動が必要なコーナーで平らでない場合これによって、トーションバーの一端が付加的に巻きねじられる一方、他端は一時的に弛緩することが必要になり、これらのオルタネートのアクスル運動で車輪が受ける重量が急速にシフトし、タイヤ接地部における牽引がなくなることになる点に注意されたい。したがって、図3と図4とに示された実施例においては、車輪における接地圧は、よりしっかりと保たれ、これにより、表面状態が悪い道路のコーナーにおけるスキッドの危険を減らすようになっている。
【0079】
さらに、横方向トーションバーのようなコンベンショナルのロールスタビライゼーションシステムにおいては、一つの車輪がこぶに当たったり、窪みに入りこんだとき、トーションバーは、急速にねじられ、横方向に隣接のトーションバー及びスプリングアッセンブリー並びにシャシーの支持ポイントにより、衝撃を吸収するようになっているが、これによって、自動車乗員は、一つの車輪が受けるどんとくる荒さを味合うことになる。一つの車輪が受ける力は、実際には、対角で向き合う二つの車輪が一方の方向へ動き、対角で向き合う他方の対の車輪が他方の方向へ動くことを要求されるクロスアクスル運動であると理解すべきである。フロント側とリア側のコンベンショナルのロールスタビライザーバーは、独立したものであるから、それらは、本来的に、ディファレンシャルでなく、一つの車輪のインプットとロールモーションに対し別々に対応できず、そのようなインプットすべてに対し、したがって、同じように反応し、車輪間における重量シフトが不適切であることにより、粗雑な乗り心地になり、ロードホールディングが低下する。これに対して、前記システム(添付の図面に示されたもの)におけるコンポーネンツの構造と機能関係は、ロールと関節運動とが区別され、異なった方法で動作するように両アクスルが相互作用することを要求し、その結果、一つの車輪にインプットが生じたときには、関節運動を小さくして、不快な乗り心地になるようなロールスタビライザーの最大の剛性を要求するロールモーション(一つのアクスルにおける)とならないようになっている。発明されたシステムにおいては、一つの車輪のインプットは、抵抗する必要がなく、したがって、不快な乗り心地になる横方向トーションバーによって吸収される必要がないマイナーな高速関節運動として反応される。
【0080】
図7に示した実施例は、ハイドロリック複動ラムがロータリーアクチュエーター又はラム62a,62bに置き換えられた点を除き、図4の実施例と同様のものである。これらのロータリーラムは、ハウジングを含み、このハウジングは、内部で回転自由に支持されたローターを支持し、該ローターで前記ハウジングは、二つの流体チャンバーに仕切られている。ハウジングとローターは、隣接の横方向トーションバーの一つにそれぞれ連結されている。導管64,65でロータリーアーム62a,62bそれぞれの対応流体チャンバーが接続されている。この実施例は、図4の実施例と動作態様が同じである。特に、ねじりモーションを受けたとき、車輪は、自由に動くが、自動車のロールモーションは、トーションバーによりリアクトされる。主たる利点は、ロータリーアームを使用すれば、トーションバーにレバーアームを取り付けなくてすみ、これによって、サスペンションシステムを適応させるに必要なクリアランスを狭くさせ、さらに、全体の構成を整然としたものにできることである。
【0081】
図8と図9とは、自動車サスペンションシステムの別の実施例を図解するもので、ここでも自動車は、本発明によるサスペンションシステムにより支持されている。この実施例は、コイルスプリングがなく、横方向トーションバーの各対を連結する支持機構75,76に置き換えられている点を除き、図4に示された実施例と同様のものである。この実施例は、上記した利点をもつものであって、少なくとも実質的に等しい荷重を各車輪に与えることができる。各支持機構は、リンク手段75b,75c,76b,78cを含み、これらは、各トーションバーの対を各クロスメンバー75d,76dに連結する。クロスメンバー75d,76dは、7a,7bのようなレバーアームへ直結でき、支持手段が配置されているとき、リンク75c,75bを省いて、コンポーネンツ62,63と抵触しないようにする。この構成においては、自動車を支持する力は、横方向トーションバーを介して荷重支持ラムアッセンブリー75a,76aへ達し、該ラムアッセンブリーは、支持手段82,83により自動車シャシーに固定され、位置変化に適合するように若干の相対運動する。クロスメンバーの設置により、関連した荷重アッセンブリーによって支持される荷重が”平均化”され、このアベレージの荷重は、荷重支持アッセンブリーを介して自動車シャシーで受けられる。サスペンションシステムの弾性は、各荷重支持ラムアッセンブリーと流体連通しているアキュムレーター80,81により与えられる。図8は、ハイドロリックラムとアキュムレーターとを組み込んだ自動車支持手段を示すが、これらの弾性手段は、コンベンショナルのスチール又はゴム又はスプリングのような複合弾性機構に置き換えることができることを理解されたい。この実施例における導管接続は、図4に図示の接続と同様であることが注目される。特に、各シリンダーアッセンブリー62,63のインナーチャンバーは、一つの導管で他方のチャンバーのアウターチャンバーに接続されている。
【0082】
トーションバーの構造により、荷重支持アッセンブリーをテンション又はコンプレッション状態で自動車を支持するように設計/構成できる。例えば、図8,9に示されたフロント側の荷重支持アッセンブリー75とリンク75b,75cは、通常、自動車の静止重量を支持するとき、テンション状態にあるが、後部のアッセンブリー76とリンク76b,76cは、同じ状態では、コンプレッション状態にある。
【0083】
図10に示された実施例は、図8と同じ作用である。主な相違点は荷重支持ラムアッセンブリー75a,76aがコイルスプリング100,101に置き換えられている点である。
【0084】
図11は、別の実施例を示すもので、これは、図8の実施例を発展させたものである。自動車の重さは、各ウィッシュボーン2a,2b,2c,2dに位置するコイルスプリング4a,4b,4c,4dにより主として支持されている。しかしながら、さらに導管103,104が設けられていて、それらのラムの対応する流体チャンバーに接続する。バルブ105が該バルブの第1の位置において、流体チャンバー間の流体のフローパスをコントロールし、対応する流体インナーチャンバーとそれぞれの流体アウターチャンバーとへは、流体が連通する。バルブが第2の位置にあると、接続が逆になり、各インナーチャンバーは、流体アウターチャンバーと流体連通する。この構成により自動車の前部と後部とを上下させる手段によって、自動車のピッチングをコントロールできる。
アキュムレーター106も各導管に設けられる。これが緩衝作用して、自動車のピッチング度合いをコントロールする。
【0085】
図12は、図4の実施例と同じ作用の本発明による別の実施例を示す。主な相違点は、横方向トーションバーがシングルのフロント及びリアのトーションバー90,91に置き換えられている点である。各バーの一端は、車輪アッセンブリー98,99に連結されており、該アッセンブリーは、図面において、ロールスタビライザーをアクスル又は車輪に連結するために通常使用されるドロップリンクによる単純なアクスルとして示されている。前記トーションバーの他端は、ハイドロリック複動ラムアッセンブリー94,95によりアクスルに連結されており、該ラムアッセンブリーは、ロールスタビライザーバーをアクスウにリンクし、該コンポーネンツの間の角度変化に適合する通常のドロップリンクに置き換えることができる。この特定の実施例においては、ロールスタビライザーバーバーは、ハイドロリックシリンダーチャンバーハウジングに連結され、各ラムアッセンブリーのピストンロッド94b,95bは車輪支持アッセンブリー98,99に連結されている。
【0086】
図12に示した実施例においては、ピストンロッドは、前記ラムを真っすぐ突き抜け、ピストンの上下面は、同じ表面領域を有する。ある状況にあっては、前記ラム端部の一端から伸びているシングルのピストンロッドのみを使用するか、又は、外径が異なる倍率のロッドを使用して、不釣合いを解消し、そして/または、特殊のロールスピリットジオメトリーズを与えることが好ましい。
【0087】
この実施例においては、自動車がローリングするとき、図4と図6とに関して記載したと同じ手段で、ラムアッセンブリー94,95を接続する導管92,93を介しての流体流れが阻止される。したがって、車輪支持に関するラムアッセンブリーに固定のトーションバー90,91の端部90a,91aの動きは、阻止されて、それがために、トーションバーは、コンベンショナルのスタビライザーバーと同じように動作する。車輪のねじり(ワープ)モーションの間、ラムアッセンブリー94,95を接続する導管92,93を流体が流れて、車輪支持アッセンブリー98,99に対するトーションバーのラムアッセンブリー端部90a,91aを動かし、これによって、ねじり(ワープ)モーションを容易にする。しかしながら、自動車サスペンションシステムは、図4と図8とに示された実施例と同じように動作する。
【0088】
複動ラムの各々は、ロールスタビライザーバーの両端にそれぞれ連結する二つのシングル作用のラムでもよいことに注目されたい。各シングル作用のラムの流体チャンバーを対向するスタビライザーバーの対応するラムに接続して、図12の実施例と同じ態様での作動を行うことができる。
【0089】
上記した実施例のすべては、トーションバー機構を使用するが、本発明は、横断方向のプッシュロッド又はプルロッドをトーションロッドの代わりとし、調節手段で該ロッドをリンクして、テンション力又はコンプレッション力を各ロッドに作用させる構成も包含することをも理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1a】本発明によるサスペンションシステムの第1実施例を示す自動車シャシーの下側の等角投影図
【図1b】本発明によるサスペンションシステムの第2実施例を示す等角投影図
【図1c】図1bのサスペンションシステムの詳細図
【図2a】本発明によるサスペンションシステムの第3実施例
【図2b】図2aのサスペンションシステムの詳細図
【図3】本発明による第4実施例の概要レイアウトを示す自動車シャシー下側から見た平面図
【図4】本発明によるサスペンションシステムの第5実施例を示す概要レイアウトの略図的等角投影図
【図5】のサスペンションシステム内におけるねじりモーション下にある流体流れ方向を示す略図
【図6】のサスペンションシステム内におけるロールモーション下にある流体流れ方向を示す略図
【図7】本発明によるサスペンションシステムの第6実施例を示す概要レイアウトの略図的等角投影図
【図8】本発明によるサスペンションシステムの第7実施例を示す概要レイアウトの略図的等角投影図
【図9】のサスペンションシステム内のねじりモーション下における流体流れ方向を示す略図
【図10】本発明によるサスペンションシステムの第8実施例を示す概要レイアウトの略図的等角投影図
【図11】本発明によるサスペンションシステムの第9実施例の平面図
【図12】本発明によるサスペンションシステムの第10実施例を示す等角投影図
【符号の説明】
【0091】
1 自動車シャシー
1a,1b 主縦通レール
1c,1d,1e シャシーのクロスメンバー
2a,2b,2c,2d ウィッシュボーン
4a,4b,4c,4d コイルスプリング
3 ピボットピン
11 中央調節手段
50,51 トーション手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に連結した少なくとも一対の前部側地表係合手段および車体に連結した少なくとも一対の後部側地表係合手段とを有し、車体に対しての各地表係合手段の実質的に垂直方向の相対運動を行わせるようにする車両のサスペンションシステムであり、このサスペンションシステムは、前記地表係合手段にする車体を支持する弾性手段、少なくとも一つの前部側の一対の横方向に近接する前記地表係合手段を相互に連結する力伝達手段及び少なくとも一つの後部側の一対の横方向に近接する前記地表係合手段を相互に連結する力伝達手段を含み、各力伝達手段は、調節手段を含み、該調節手段は、縦方向に間隔をおいていて、前記力伝達手段の各々により、関連する横方向近接地表係合手段に伝達される力と方向とが相互に連結した横方向近接地表係合手段の少なくとも二つの対の相対位置と、
それらに作用する荷重のファンクションとして、プログレッシブに変化するように、機能的にリンクされており、これによって、車両のロールモーションを抑え、同時に、前記地表係合手段のねじりモーションを容易にさせるようになっているものである。
【請求項1】
車体に連結した少なくとも一対の前部側地表係合手段および車体に連結した少なくとも一対の後部側地表係合手段とを有し、車体に対しての各地表係合手段の実質的に垂直方向の相対運動を行わせるようにする車両のサスペンションシステムであり、このサスペンションシステムは、前記地表係合手段にする車体を支持する弾性手段、少なくとも一つの前部側の一対の横方向に近接する前記地表係合手段を相互に連結する力伝達手段及び少なくとも一つの後部側の一対の横方向に近接する前記地表係合手段を相互に連結する力伝達手段を含み、各力伝達手段は、調節手段を含み、該調節手段は、縦方向に間隔をおいていて、前記力伝達手段の各々により、関連する横方向近接地表係合手段に伝達される力と方向とが相互に連結した横方向近接地表係合手段の少なくとも二つの対の相対位置と、
それらに作用する荷重のファンクションとして、プログレッシブに変化するように、機能的にリンクされており、これによって、車両のロールモーションを抑え、同時に、前記地表係合手段のねじりモーションを容易にさせるようになっているものである。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図1b】
【図1c】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−182229(P2007−182229A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−49198(P2007−49198)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【分割の表示】特願平9−508759の分割
【原出願日】平成8年8月21日(1996.8.21)
【出願人】(507065692)キネティック リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【分割の表示】特願平9−508759の分割
【原出願日】平成8年8月21日(1996.8.21)
【出願人】(507065692)キネティック リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
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