説明

車両の制御装置

【課題】エンジン回転速度を目標エンジン回転速度に一致させるようにスロットル開度をフィードバック制御するアイドル回転速度制御の制御性を向上させる。
【解決手段】アイドル回転速度制御の際に、所定クランク角周期で、クランク角センサ29の出力信号に基づいてエンジン回転速度を算出すると共に所定クランク角周期の長さに相当する時間であるクランク角周期時間を算出し、所定時間周期で、エンジン回転速度をフィルタ処理して、このフィルタ処理後のエンジン回転速度と目標エンジン回転速度との偏差に基づいてフィードバック制御量(スロットル開度の補正量)を算出する。この際、フィルタ処理の時定数は、クランク角周期時間(所定クランク角周期の長さに相当する時間)に応じて設定する。これにより、フィルタ処理とフィードバック制御処理とを同期させて、フィードバック制御の出力(フィードバック制御量)が荒れることを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の入力信号に基づいてフィードバック制御量を算出する機能を備えた車両の制御装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1(特許第3331793号公報)に記載されているように、クランク角センサの出力に基づいてエンジン回転速度を算出し、エンジン回転に同期した処理周期でエンジン回転速度をフィルタ処理して、そのフィルタ処理後のエンジン回転速度に基づいて回転変動量を算出することで、気筒毎の燃焼ばらつき等の影響を除去した回転変動量を算出し、この回転変動量が目標範囲内となるようにフィードバック制御するようにしたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3331793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1の技術では、エンジン回転に同期した処理周期でエンジン回転速度をフィルタ処理して回転変動量を算出するため、エンジン回転速度の変化に伴って、エンジン回転速度をフィルタ処理して回転変動量を算出する処理の処理周期が、回転変動量に基づいたフィードバック制御の処理周期よりも長くなった場合に、実際には回転変動量が変化していても、フィードバック制御に入力される回転変動量が変化しないタイミングが存在する。このような場合、フィードバック制御では、フィードバック補正が効果的に働いていないと誤判断して、フィードバック制御量を大きく変化させてしまうことがあるため、フィードバック制御の出力(フィードバック制御量)が荒れてしまうという問題が生じる。
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、入力信号を算出する処理の処理周期がフィードバック制御量を算出する処理の処理周期よりも長い場合でも、フィードバック制御の出力が荒れることを防止することができる車両の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、フィードバック制御に用いる入力信号を算出する入力信号算出手段と、この入力信号算出手段で算出した入力信号をフィルタ処理するフィルタ処理手段と、フィルタ処理後の入力信号と目標値とに基づいてフィードバック制御量を算出するフィードバック制御量算出手段とを備え、入力信号算出手段により入力信号を算出する処理の処理周期の長さとフィードバック制御量算出手段によりフィードバック制御量を算出する処理の処理周期の長さのうちの少なくとも一方が変化する車両の制御装置において、フィルタ処理手段により入力信号をフィルタ処理する処理周期がフィードバック制御量算出手段によりフィードバック制御量を算出する処理の処理周期と同じ処理周期に設定され、フィルタ処理手段は、入力信号算出手段により入力信号を算出する処理の処理周期の長さに相当する時間に応じてフィルタ処理の時定数を設定する構成としたものである。
【0007】
この構成では、入力信号をフィルタ処理する処理周期がフィードバック制御量を算出する処理の処理周期と同じ処理周期に設定されているため、入力信号を算出する処理の処理周期がフィードバック制御量を算出する処理の処理周期よりも長い場合でも、入力信号のフィルタ処理と、このフィルタ処理の出力(フィルタ処理後の入力信号)に基づいてフィードバック制御量を算出する処理とを同期させて、フィルタ処理の出力を連続的な信号として生成することができ、フィードバック制御の出力(フィードバック制御量)が荒れることを防止することができる。しかも、入力信号算出手段により入力信号を算出する処理の処理周期の長さに相当する時間に応じてフィルタ処理の時定数を設定するため、入力信号を算出する処理の処理周期の長さが変化した場合でも、それに応じてフィルタ処理の時定数を変化させて、フィルタ処理の時定数を適正値に設定することができる。
【0008】
この場合、請求項2のように、フィルタ処理の時定数を上限ガード値及び下限ガード値で制限するようにしても良い。このようにすれば、フィルタ処理の時定数が過度に長くなったり、過度に短くなったりすること防止することができ、フィルタ処理の時定数を適正範囲内で変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は本発明の一実施例におけるエンジン制御システムの概略構成を示す図である。
【図2】図2は比較例のアイドル回転速度制御を説明するブロック図である。
【図3】図3は本実施例のアイドル回転速度制御を説明するブロック図である。ートである。
【図4】図4はエンジン回転速度算出ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図5はスロットル開度制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図6は本実施例の効果を説明するタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態を具体化した一実施例を説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
内燃機関であるエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ15によって開度調節されるスロットルバルブ16と、このスロットルバルブ16の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ17とが設けられている。
【0011】
更に、スロットルバルブ16の下流側には、サージタンク18が設けられ、このサージタンク18に、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ19が設けられている。また、サージタンク18には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド20が設けられ、各気筒の吸気マニホールド20に接続された吸気ポート31又はその近傍に、それぞれ燃料を吸気ポート31に噴射する燃料噴射弁21が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ22が取り付けられ、各点火プラグ22の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
【0012】
一方、エンジン11の排気管23には、排出ガスの空燃比又はリッチ/リーン等を検出する排出ガスセンサ24(空燃比センサ、酸素センサ等)が設けられ、この排出ガスセンサ24の下流側に、排出ガスを浄化する三元触媒等の触媒25が設けられている。
【0013】
また、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ26や、ノッキングを検出するノックセンサ27が取り付けられている。また、クランク軸28の外周側には、クランク軸28が所定クランク角回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ29が取り付けられ、このクランク角センサ29の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。
【0014】
これら各種センサの出力は、電子制御ユニット(以下「ECU」と表記する)30に入力される。このECU30は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御用のプログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて、燃料噴射量、点火時期、スロットル開度(吸入空気量)等を制御する。
【0015】
また、ECU30は、エンジン11のアイドル運転中に、クランク角センサ29で検出したエンジン回転速度を目標エンジン回転速度(目標アイドル回転速度)に一致させるようにスロットル開度(吸入空気量)をフィードバック制御するアイドル回転速度制御(アイドルスピードコントロール)を実行する。
【0016】
図2に示す比較例のように、アイドル回転速度制御の際に、所定クランク角周期(例えば30CA周期)で、クランク角センサ29の出力信号に基づいてエンジン回転速度を算出して、このエンジン回転速度をフィルタ処理し、所定時間周期(例えば4msec周期)で、フィルタ処理後のエンジン回転速度と目標エンジン回転速度との偏差に基づいてフィードバック制御量(スロットル開度の補正量)を算出するシステムでは、次のような問題がある。
【0017】
エンジン回転速度の変化に伴って、所定クランク角周期が所定時間周期よりも長くなって、エンジン回転速度算出処理(エンジン回転速度を算出する処理)及びフィルタ処理の処理周期がフィードバック制御処理(フィードバック制御量を算出する処理)の処理周期よりも長くなった場合に、実際にはエンジン回転速度が変化していても、フィードバック制御に入力されるフィルタ処理後のエンジン回転速度が変化しないタイミングが存在する。このような場合、フィードバック制御では、フィードバック補正が効果的に働いていないと誤判断して、フィードバック制御量を大きく変化させてしまうため、フィードバック制御の出力(フィードバック制御量)が荒れてしまうという問題が生じる。
【0018】
そこで、本実施例では、ECU30により後述する図4及び図5のアイドル回転速度制御用の各ルーチンを実行することで、図3に示すように、アイドル回転速度制御の際に、所定クランク角周期(例えば30CA周期)で、クランク角センサ29の出力信号に基づいてエンジン回転速度(入力信号)を算出すると共に所定クランク角周期の長さに相当する時間(以下「クランク角周期時間」という)を算出し、所定時間周期(例えば4msec周期)で、エンジン回転速度をフィルタ処理して、このフィルタ処理後のエンジン回転速度と目標エンジン回転速度(目標値)との偏差に基づいてフィードバック制御量(スロットル開度の補正量)を算出する。この際、フィルタ処理の時定数は、クランク角周期時間(所定クランク角周期の長さに相当する時間)に応じて設定する。
【0019】
この場合、フィルタ処理の処理周期がフィードバック制御処理の処理周期と同じ処理周期(つまり所定時間周期)に設定されているため、エンジン回転速度の変化に伴って、所定クランク角周期が所定時間周期よりも長くなって、エンジン回転速度算出処理の処理周期がフィードバック制御処理の処理周期よりも長くなった場合でも、フィルタ処理とフィードバック制御処理とを同期させて、フィルタ処理の出力を連続的な信号としてフィードバック制御に入力することができ、フィードバック制御の出力(フィードバック制御量)が荒れることを防止することができる。
以下、ECU30が実行する図4及び図5のアイドル回転速度制御用の各ルーチンの処理内容を説明する。
【0020】
[エンジン回転速度算出ルーチン]
図4に示すエンジン回転速度算出ルーチンは、アイドル運転中に所定クランク角周期A(例えば30CA周期)で繰り返し実行される。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、クランク角センサ29の出力信号を取得した後、ステップ102に進み、クランク角センサ29の出力信号の時間間隔に基づいてクランク角周期時間Ta (所定クランク角周期Aの長さに相当する時間=エンジン回転速度算出処理の処理周期の長さに相当する時間)を算出する。
【0021】
この後、ステップ103に進み、クランク角センサ29の出力信号の時間間隔に基づいてエンジン回転速度Ne (入力信号)を算出する。このステップ103の処理が特許請求の範囲でいう入力信号算出手段としての役割を果たす。
【0022】
[スロットル開度制御ルーチン]
図5に示すスロットル開度制御ルーチンは、アイドル運転中に所定時間周期Ts (例えば4msec周期)で繰り返し実行される。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ201で、クランク角周期時間Ta (所定クランク角周期Aの長さに相当する時間)及びエンジン回転速度Ne を読み込んだ後、ステップ202に進み、エンジン回転速度Ne を次のようにしてフィルタ処理する。
【0023】
まず、クランク角周期時間Ta に応じてフィルタ処理の時定数を設定する。本実施例では、例えば、クランク角周期時間Ta をそのまま時定数Ta として設定する。この時定数Ta を上限ガード値及び下限ガード値で制限(ガード処理)し、このガード処理後の時定数Ta を用いて今回のエンジン回転速度Ne を次式により一次フィルタ処理(一次遅れ処理又はなまし処理)して、フィルタ処理後のエンジン回転速度Ne(i)を算出する。
Ne(i)={Ts ×Ne +Ta ×Ne(i-1)}/(Ts +Ta )
【0024】
ここで、Ne(i)は今回のフィルタ処理後のエンジン回転速度であり、Ne(i-1)は前回のフィルタ処理後のエンジン回転速度である。また、Ts はエンジン回転速度Ne のサンプリング間隔(つまり本ルーチンの処理周期)である。
【0025】
尚、エンジン回転速度Ne をフィルタ処理する方法は、上述した方法に限定されず、適宜変更しても良く、例えば、クランク角周期時間Ta に応じてフィルタ処理の時定数Ksmを算出し、この時定数Ksmを上限ガード値及び下限ガード値で制限(ガード処理)し、このガード処理後の時定数Ksmを用いて今回のエンジン回転速度Ne を次式により一次フィルタ処理(一次遅れ処理又はなまし処理)して、フィルタ処理後のエンジン回転速度Ne(i)を算出するようにしても良い。
Ne(i)=Ksm×Ne +(1−Ksm)×Ne(i-1) (0<Ksm<1)
このステップ202の処理が特許請求の範囲でいうフィルタ処理手段としての役割を果たす。
【0026】
この後、ステップ203に進み、エンジン運転状態(例えば冷却水温等)に応じて目標エンジン回転速度Netg を算出した後、ステップ204に進み、フィルタ処理後のエンジン回転速度Ne と、目標エンジン回転速度Netg との偏差ΔNe を算出する。
ΔNe =Ne −Netg
【0027】
この後、ステップ205に進み、フィルタ処理後のエンジン回転速度Ne と目標エンジン回転速度Netg との偏差ΔNe を小さくするようにPID制御等によりフィードバック制御量(スロットル開度の補正量)を算出する。このステップ205の処理が特許請求の範囲でいうフィードバック制御量算出手段としての役割を果たす。
【0028】
この後、ステップ206に進み、フィードバック制御量を用いてスロットル開度を補正する。これにより、エンジン回転速度を目標エンジン回転速度に一致させるようにスロットル開度をフィードバック制御する。
【0029】
次に図6を用いて本実施例のアイドル回転速度制御の効果を説明する。
図6(a)に示す比較例1のように、アイドル回転速度制御の際に、所定クランク角周期でエンジン回転速度を算出してフィルタ処理し、所定時間周期でフィルタ処理後のエンジン回転速度と目標エンジン回転速度との偏差に基づいてフィードバック制御量を算出するシステムでは、特にエンジン回転速度が低い場合に、フィードバック制御量が荒れて、実エンジン回転速度が荒れてしまう。
【0030】
これに対して、図6(d)に示すように、本実施例では、アイドル回転速度制御の際に、所定クランク角周期でエンジン回転速度を算出し、所定時間周期でエンジン回転速度をフィルタ処理してフィルタ処理後のエンジン回転速度と目標エンジン回転速度との偏差に基づいてフィードバック制御量を算出する。この場合、フィルタ処理の処理周期がフィードバック制御処理の処理周期と同じ処理周期に設定されているため、エンジン回転速度の変化に伴って、所定クランク角周期が所定時間周期よりも長くなって、エンジン回転速度算出処理の処理周期がフィードバック制御処理の処理周期よりも長くなった場合でも、フィルタ処理とフィードバック制御処理とを同期させて、フィルタ処理の出力を連続的な信号としてフィードバック制御に入力することができる。これにより、フィードバック制御量が荒れることを防止することができ、実エンジン回転速度が荒れることを防止することができる。さらにはフィルタ処理とフィードバック制御処理とを同期させているために、所定クランク角周期の長短にかかわらず、共通のゲイン(例えば積分項に乗算するゲイン)をフィードバック制御処理で用いることができる。換言すれば、フィードバック制御処理のゲインを設定する際に、所定クランク角周期の長さが変化することを考慮せずに済み、もってゲインの設定を容易にすることができる。
【0031】
また、図6(b)に示す比較例2及び図6(c)に示す比較例3は、本実施例と同じようにフィルタ処理の処理周期がフィードバック制御処理の処理周期と同じ処理周期に設定されているが、フィルタ処理の時定数を固定したものである。このような場合、図6(b)に示す比較例2のように、フィルタ処理の時定数(固定値)が短すぎると、フィードバック制御量が荒れて、実エンジン回転速度が荒れてしまう。一方、図6(c)に示す比較例3のように、フィルタ処理の時定数(固定値)が長すぎると、目標エンジン回転速度に対する実エンジン回転速度の遅れが大きくなってしまう。
【0032】
その点、本実施例では、エンジン回転速度算出処理の処理周期の長さに相当する時間であるクランク角周期時間(所定クランク角周期の長さに相当する時間)に応じてフィルタ処理の時定数を設定するようにしたので、エンジン回転速度の変化に伴って、エンジン回転速度算出処理の処理周期の長さが変化した場合でも、それに応じてフィルタ処理の時定数を変化させて、フィルタ処理の時定数を適正値に設定することができる。これにより、フィルタ処理の時定数を固定した場合に比べて、実エンジン回転速度の荒れを効果的に抑制することができると共に、目標エンジン回転速度に対する実エンジン回転速度の遅れを抑制することができる。
【0033】
更に、本実施例では、フィルタ処理の時定数を上限ガード値及び下限ガード値で制限するようにしたので、フィルタ処理の時定数が過度に長くなったり、過度に短くなったりすること防止することができ、フィルタ処理の時定数を適正範囲内で変化させることができる。
【0034】
尚、上記実施例では、本発明をアイドル回転速度制御に適用したが、これに限定されず、本発明は、例えば、カム角センサの出力に基づいてカム軸位相(クランク軸に対するカム軸の回転位相)を算出し、このカム軸位相に基づいてバルブタイミングをフィードバック制御する可変バルブタイミング制御や、CAN通信で受信した信号を入力信号として使用するフィードバック制御等、入力信号を算出する処理の処理周期とフィードバック制御量を算出する処理の処理周期が異なる長さとなるフィードバック制御(入力信号を算出する処理の処理周期の長さとフィードバック制御量を算出する処理の処理周期の長さのうちの一方又は両方が変化するフィードバック制御)に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0035】
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、16…スロットルバルブ、21…燃料噴射弁、22…点火プラグ、23…排気管、29…クランク角センサ、30…ECU(入力信号算出手段,フィルタ処理手段,フィードバック制御量算出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィードバック制御に用いる入力信号を算出する入力信号算出手段と、前記入力信号算出手段で算出した入力信号をフィルタ処理するフィルタ処理手段と、前記フィルタ処理後の入力信号と目標値とに基づいてフィードバック制御量を算出するフィードバック制御量算出手段とを備え、前記入力信号算出手段により前記入力信号を算出する処理の処理周期の長さと前記フィードバック制御量算出手段により前記フィードバック制御量を算出する処理の処理周期の長さのうちの少なくとも一方が変化する車両の制御装置において、
前記フィルタ処理手段により前記入力信号をフィルタ処理する処理周期が前記フィードバック制御量算出手段により前記フィードバック制御量を算出する処理の処理周期と同じ処理周期に設定され、
前記フィルタ処理手段は、前記入力信号算出手段により前記入力信号を算出する処理の処理周期の長さに相当する時間に応じて前記フィルタ処理の時定数を設定することを特徴とする車両の制御装置。
【請求項2】
前記フィルタ処理手段は、前記フィルタ処理の時定数を上限ガード値及び下限ガード値で制限することを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−108425(P2013−108425A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253456(P2011−253456)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】