説明

車両の制御装置

【課題】運転者の安心感を損なわない範囲で運転の自由度の制限を緩和して、ドライバビリティーを向上することのできる車両の制御装置を提供する。
【解決手段】アクセルペダル4の踏力及び踏力速度からアクセルペダル4の誤踏み込みを判定して、車両の駆動力を低減するコントローラー7は、ブレーキペダル1の踏み位置のずれの傾向を確認するとともに、その傾向に応じて誤踏み込みと判定したときの車両の駆動力の低減幅を可変としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクセルペダルの踏力、踏力速度、踏み込み量及び踏み込み速度の少なくとも1つ以上が設定レベルを超えたときに車両の駆動力を低減する車両の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アクセルペダルをブレーキペダルと間違えて踏んでしまうアクセルペダルの誤踏み込みによって車両を意図に反して加速させてしまう事態を回避するための技術として、特許文献1に記載の車両の制御装置が提案されている。同文献に記載の車両の制御装置では、変速機の大きいギヤ比での運転中に、アクセルペダルの踏力又は踏み込み速度が設定値を超えて大きくなったときに、エンジンの燃料供給量の減少等により車両の駆動力を低減するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭61−190135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、通常の運転でのアクセルペダルの踏力や踏み込み速度は、車両を急停止させようとしたときのブレーキペダルの踏力、踏み込み速度よりも小さいため、アクセルペダルの強い踏み込みをブレーキペダルの踏み間違いと認定することは、概ね妥当と云える。しかしながら、スポーティーな走行を求める運転者によっては、強いアクセルペダルの踏み込みを意図的に行うことがある。そのため、アクセルペダルの強い踏み込みを一律に誤踏み込みと判定して駆動力の低減を行っては、そうした運転者の要求を阻害し、運転の自由度を制限することになる。
【0005】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、運転者の安心感を損なわない範囲で運転の自由度の制限を緩和して、ドライバビリティーを向上することのできる車両の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
運転者によっては、ブレーキペダルの踏み方に癖があり、ブレーキペダルを同ペダルの幅方向中央からずれた位置で踏む者がいる。そして、ブレーキペダルの踏み位置のずれの傾向から、アクセルペダルをブレーキペダルと間違えて踏んでしまう蓋然性の高さを判断することができる。例えばブレーキペダルの踏み位置のばらつきが大きい場合には、アクセルペダルをブレーキペダルと間違えて踏んでしまう蓋然性が高く、踏み位置が安定していれば、アクセルペダルをブレーキペダルと間違えて踏んでしまう蓋然性は低いと云える。
【0007】
そこで、本願請求項1に記載の発明は、アクセルペダルの踏力、踏力速度、踏み込み量及び踏み込み速度の少なくとも1つ以上が設定レベルを超えたときに車両の駆動力を低減する車両の制御装置において、ブレーキペダルの踏み位置のずれの傾向に応じて前記駆動源出力の低減幅を可変とするようにしている。
【0008】
こうした請求項1に記載の発明では、ブレーキペダルの踏み方の傾向からアクセルペダルをブレーキペダルと間違って踏んでしまう蓋然性が低いと判断される場合には、アクセルペダルが強く踏まれたときの駆動力の低減幅を小さくしたり、あるいはアクセルペダルが強く踏まれても駆動力を低減しないようにしたりすることができる。そのため、アクセルペダルを誤踏みする蓋然性が高いと判断される場合には、誤踏み込みと推定されるアクセルペダルの強い踏み込みに応じて駆動力を低減して意図に反して車両が加速される事態を回避しながらも、その蓋然性が低いと判断される場合には、アクセルペダルが強く踏まれたときの駆動力の低減幅を小さくしたり、その低減幅を0としたりして運転の自由度の制限を緩めることができる。したがって、請求項1に記載の発明によれば、運転者の安心感を損なわない範囲で運転の自由度の制限を緩和して、ドライバビリティーを向上することができる。
【0009】
またブレーキペダルをアクセルペダルから遠い位置でブレーキペダルを踏む傾向がある者は、アクセルペダルをブレーキペダルと間違えて踏んでしまう蓋然性は低いと云える。そこで、請求項2に記載のように、ブレーキペダルの踏み位置がアクセルペダルから遠い側にずれる傾向があるときに、駆動力の低減幅を小さくするようにすれば、運転者の安心感を損なわない範囲で運転の自由度の制限を緩和して、ドライバビリティーを向上することができる。
【0010】
また本願請求項3に記載の発明は、アクセルペダルの踏力、踏力速度、踏み込み量及び踏み込み速度の少なくとも1つ以上が設定レベルを超えたときに車両の駆動力を低減する車両の制御装置において、ブレーキペダルの踏み位置のずれの傾向に応じて前記設定レベルを可変とするようにしている。
【0011】
こうした請求項3に記載の発明では、ブレーキペダルの踏み方の傾向からアクセルペダルをブレーキペダルと間違って踏んでしまう蓋然性が低いと判断される場合には、ある程度にアクセルペダルが強く踏み込まれても、踏み間違いと判断しないようにすることができる。そのため、アクセルペダルを誤踏みする蓋然性が高いと判断される場合には、誤踏み込みと推定されるアクセルペダルの強い踏み込みに応じて駆動力を低減して意図に反して車両が加速される事態を回避しながらも、その蓋然性が低いと判断される場合には、ある程度強くアクセルペダルが踏まれても駆動力の低減を行わないようにして、運転の自由度の制限を緩めることができる。したがって、請求項3に記載の発明によれば、運転者の安心感を損なわない範囲で運転の自由度の制限を緩和して、ドライバビリティーを向上することができる。
【0012】
またブレーキペダルをアクセルペダルから遠い位置で踏む傾向がある者は、アクセルペダルをブレーキペダルと間違えて踏んでしまう蓋然性は低いと云える。そこで、請求項4に記載のように、ブレーキペダルの踏み位置がアクセルペダルから遠い側にずれる傾向があるときには、上記判定値を大きくするようにすれば、運転者の安心感を損なわない範囲で運転の自由度の制限を緩和して、ドライバビリティーを向上することができる。
【0013】
そして更に、請求項5によるように、ブレーキペダルの踏み位置のずれの傾向を運転者に通知するようにすれば、自身のブレーキペダルの踏み方の傾向を運転者に教え、運転者が適切なブレーキ操作を心掛けるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る車両の制御装置の全体構造を模式的に示す略図。
【図2】同実施の形態での誤踏み込みの判定態様を示すグラフ。
【図3】同実施の形態に採用されるアクセル誤踏み込み時エンジン出力低減幅設定ルーチンの処理手順を示すフローチャート。
【図4】本発明の第2の実施の形態に採用されるアクセル誤踏み込み判定用設定レベル演算ルーチンの処理手順を示すフローチャート。
【図5】同実施の形態での誤踏み込みの判定態様を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の車両の制御装置を具体化した第1の実施の形態を、図1〜図3を参照して詳細に説明する。
【0016】
まず図1を参照して本実施の形態の車両の制御装置の構成を説明する。同図に示すように、ブレーキペダル1には、その踏み込み量を検出するブレーキペダルストロークセンサー2が設けられる。また本実施の形態の形態では、ブレーキペダル1には、その幅方向に等間隔をおいて複数の圧力センサー3が設置されている。一方、アクセルペダル4には、その踏み込み量を検出するアクセルポジションセンサー5と、その踏力を検出する踏力検出スイッチ6とが設けられている。
【0017】
ブレーキペダルストロークセンサー2、圧力センサー3、アクセルポジションセンサー5及び踏力検出スイッチ6は、コントローラー7に接続されている。エンジン8の制御を司るコントローラー7は、エンジン制御に係る各種演算処理を実施する中央演算処理装置(CPU)、エンジン制御用のプログラムやデータの記憶された読込専用メモリー(ROM)、CPUの演算結果やセンサーの検出結果等を一時的に記憶するランダムアクセスメモリー(RAM)を備えている。なお、コントローラー7は、車両の走行中に目的地への経路案内を行うナビゲーションシステム9にも、車内LANを通じて接続されている。
【0018】
また車両の走行中にコントローラー7は、運転者がブレーキペダル1と間違えてアクセルペダル4を踏み込んでいないか確認し、誤踏み込みが確認されたときには、スロットル開度を絞ることなどでエンジン8の出力を低減させる制御を行っている。本実施の形態では、アクセルペダル4の誤踏み込みは、アクセルペダル4の踏力と踏力速度(踏力の変化速度)とに基づいて行われ、踏力及び踏力速度が設定レベルを超えたときに、アクセルペダル4が誤踏み込みされたと判定するようにしている。より具体的には、踏力及び踏力速度を座標軸とする直交座標系に、図2に示すような曲線を設定レベルとして設定し、踏力及び踏力速度の交点がその設定レベルの外側に位置するときにアクセルペダル4が誤踏み込みされたと判定している。
【0019】
なお、本実施の形態では、こうしたアクセルペダル4が誤踏み込みに応じてエンジン出力の低減制御に際して、ブレーキペダル1の踏み位置のずれの傾向を確認するとともに、そのずれの傾向に応じて、誤踏み込みと判定されたときのエンジン出力の低減幅を可変としている。こうしたエンジン出力低減幅の可変は、図3に示すアクセル誤踏み込み時エンジン出力低減幅設定ルーチンの処理を通じて行われる。なお、同ルーチンの処理は、車両走行中にコントローラー7によって、規定の制御周期毎に繰り返し実施されるものとなっている。
【0020】
さて、本ルーチンが開始されると、まずステップS100において、アクセルペダル4の踏み込みが解除(アクセルオフ)された後、ブレーキペダル1が踏み込まれた(ブレーキオン)か否かが確認される。ここで、そうした状況になければ(S100:NO)、そのまま今回の本ルーチンの処理が終了され、そうでなければ、ステップS101の処理に移行される。
【0021】
処理がステップS101に移行されると、そのステップS101においてブレーキペダル1の踏み位置の計測が行われる。この踏み位置の計測は、圧力センサー3の検出結果に基づいて行われる。そして続くステップS102において、踏み位置の平均値及び標準偏差の更新が行われる。
【0022】
次のステップS103では、踏み位置の平均値及び標準偏差に基づいて、ブレーキペダル1の踏み位置がアクセルペダル4から遠い側にずれる傾向があるか否かが確認される。そしてブレーキペダル1の踏み位置がアクセルペダル4から遠い側にずれる傾向があれば(S103:YES)、ステップS104においてエンジン出力の低減幅がより小さい値に設定され、そうでなければ(S103:NO)、ステップS105においてエンジン出力の低減幅がより大きい値に設定される。
【0023】
また本実施の形態では、コントローラー7は、ブレーキペダル1の踏み位置のずれの傾向を、ナビゲーションシステム9の画面に表示させるようにしている。例えばブレーキペダル1の踏み位置がアクセルペダル4に近い側にずれる傾向が確認されたときには、「ブレーキペダルの踏み位置が右側に偏っています。」といった表示が行われる。
【0024】
次にこうした本実施の形態の作用について説明する。
本実施の形態では、アクセルペダル4の踏力と踏力速度が設定レベルを超えると、そのアクセルペダル4の踏み込みは、誤踏み込みと判断され、エンジン8の出力を、ひいては車両の駆動力が低減される。一方、本実施の形態では、運転者のブレーキペダル1の踏み位置のずれの傾向が確認されており、ブレーキペダル1の踏み位置がアクセルペダル4から遠い側にずれる傾向があることが確認されると、誤踏み込みと判定されたときのエンジン出力の低減幅が小さくされる。したがって、ブレーキペダル1の踏み位置がアクセルペダル4に近い側にずれる傾向があって、アクセルペダル4を誤踏み込みし易いと判断される場合には、誤踏み込みと判定されたときのエンジン出力の低減幅が大きくされるようになる。その一方で、ブレーキペダル1の踏み位置がアクセルペダル4から遠い側にずれる傾向があって、アクセルペダル4を誤踏み込みし難いと判断される場合には、誤踏み込みと判定されたときのエンジン出力の低減幅が小さくされるようになる。
【0025】
以上の本実施の形態の車両の制御装置によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施の形態では、ブレーキペダル1の踏み位置のずれの傾向を確認するとともに、そのずれの傾向に応じて、アクセルペダル4の誤踏み込みと判定されたときのエンジン8の出力の低減幅を、ひいては車両の駆動力の低減幅を可変としている。より具体的には、ブレーキペダル1の踏み位置がアクセルペダル4から遠い側にずれる傾向が確認されたときには、誤踏み込み判定時のエンジン8の出力の低減幅を小さくしている。そのため、アクセルペダルを誤踏みする蓋然性が高いと判断される場合には、誤踏み込みと推定されるアクセルペダルの強い踏み込みに応じて駆動力を低減して意図に反して車両が加速される事態を回避することができる。その一方で、その蓋然性が低いと判断される場合には、アクセルペダルが強く踏まれたときの駆動力の低減幅を小さくして運転の自由度の制限を緩めることができる。したがって、本実施の形態によれば、運転者の安心感を損なわない範囲で運転の自由度の制限を緩和して、ドライバビリティーを向上することができる。
【0026】
(2)本実施の形態では、ブレーキペダルの踏み位置のずれの傾向を運転者に通知するようにしている。そのため、自身のブレーキペダルの踏み方の傾向を運転者に教え、運転者が適切なブレーキ操作を心掛けるようにすることができる。
【0027】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の車両の制御装置を具体化した第2の実施の形態を、図4及び図5を併せ参照して詳細に説明する。なお本実施の形態にあって、上記実施の形態と共通する構成については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0028】
第1の実施の形態では、ブレーキペダルの踏み位置のずれの傾向に応じて、アクセルペダル4の誤踏み込みと判定されたときの車両の駆動力の低減幅を可変としていた。これに対して本実施の形態では、ブレーキペダルの踏み位置のずれの傾向に応じて、誤踏み込みと判定するアクセルペダル4の踏力と踏力速度の設定レベルを可変とするようにしている。
【0029】
こうした設定レベルの可変は、図4に示すアクセル誤踏み込み判定用設定レベル演算ルーチンの処理を通じて行われる。なお、同ルーチンの処理は、車両走行中にコントローラー7によって、規定の制御周期毎に繰り返し実施されるものとなっている。
【0030】
さて本ルーチンの処理が開始されると、まずステップS200において、アクセルペダル4の踏み込みが解除(アクセルオフ)された後、ブレーキペダル1が踏み込まれた(ブレーキオン)か否かが確認される。ここで、そうした状況になければ(S200:NO)、そのまま今回の本ルーチンの処理が終了され、そうでなければ、ステップS201の処理に移行される。
【0031】
処理がステップS201に移行されると、そのステップS201においてブレーキペダル1の踏み位置の計測が行われる。この踏み位置の計測は、圧力センサー3の検出結果に基づいて行われる。そして続くステップS202において、踏み位置の平均値及び標準偏差の更新が行われる。
【0032】
次のステップS203では、踏み位置の平均値及び標準偏差に基づいて、ブレーキペダル1の踏み位置がアクセルペダル4から遠い側にずれる傾向があるか否かが確認される。そしてブレーキペダル1の踏み位置がアクセルペダル4から遠い側にずれる傾向があれば(S203:YES)、ステップS204において設定レベルが大きい値に設定され、そうでなければ(S203:NO)、ステップS205において設定レベルが小さい値に設定される。
【0033】
こうした本実施の形態では、図5に示すように、ブレーキペダル1の踏み位置がアクセルペダル4から遠い側にずれる傾向があるときには、アクセルペダル4の踏力及び踏力速度の双方に対して設定レベルが大きい値に設定される。そのため、ブレーキペダル1の踏み方の傾向からアクセルペダル4をブレーキペダル1と間違って踏んでしまう蓋然性が低いと判断される場合には、ある程度にアクセルペダル4が強く踏み込まれても、踏み間違いと判断しないようにすることができる。したがって、本実施の形態では、アクセルペダル4を誤踏みする蓋然性が高いと判断される場合には、誤踏み込みと推定されるアクセルペダル4の強い踏み込みに応じて駆動力が低減されるようにしながらも、その蓋然性が低いと判断される場合には、ある程度強くアクセルペダル4が踏まれても駆動力が低減されないようになる。
【0034】
本実施の形態の車両の制御装置によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施の形態では、ブレーキペダルの踏み位置のずれの傾向を確認するとともに、そのずれの傾向に応じて誤踏み込みと判定するアクセルペダル4の踏力及び踏力速度の設定レベルを可変としている。具体的には、ブレーキペダル1の踏み位置がアクセルペダル4から遠い側にずれる傾向があるときには、アクセルペダル4の踏力及び踏力速度の双方に対して設定レベルを、そうでないときに比して大きい値に設定している。こうした本実施の形態では、アクセルペダル4を誤踏みする蓋然性が高いと判断される場合には、誤踏み込みと推定されるアクセルペダル4の強い踏み込みに応じて駆動力を低減して意図に反して車両が加速される事態を回避することができる。その一方で、そうした蓋然性が低いと判断される場合には、ある程度強くアクセルペダル4が踏まれても駆動力の低減を行わないようにして、運転の自由度の制限を緩めることができる。したがって、本実施の形態によれば、運転者の安心感を損なわない範囲で運転の自由度の制限を緩和して、ドライバビリティーを向上することができる。
【0035】
なお、上記実施の形態は以下のように変更して実施することもできる。
・上記実施の形態では、ブレーキペダル1の踏み位置がアクセルペダル4から遠い側にずれる傾向があるときには、アクセルペダル4をブレーキペダル1と間違って踏んでしまう蓋然性が低いと判断していた。これ以外にも、ブレーキペダル1の踏み位置のばらつきが大きい場合には、アクセルペダル4をブレーキペダル1と間違えて踏んでしまう蓋然性が高く、踏み位置が安定していれば、アクセルペダル4をブレーキペダル1と間違えて踏んでしまう蓋然性は低いと考えることもできる。そのため、ブレーキペダル1の踏み位置のばらつきが小さいことが確認されたときに、誤踏み込みと判定されたときの車両の駆動力の低減幅を小さくしたり、誤踏み込みと判定するアクセルペダル4の踏力及び踏力速度の設定レベルを大きくしたりしても、同様の作用効果を得ることができる。
【0036】
・上記実施の形態では、アクセルペダル4の踏力及び踏力速度から誤踏み込みを判定していたが、アクセルペダル4の踏み込み量や踏み込み速度に基づいて誤踏み込みの判定を行うようにしても良い。要は、アクセルペダル4の踏力、踏力速度、踏み込み量及び踏み込み速度の少なくとも1つ以上が設定レベルを超えたときに誤踏み込みと判定して車両の駆動力を低減する車両の制御装置であれば、本発明を適用することが可能である。
【0037】
・上記実施の形態では、ブレーキペダル1の踏み位置のずれの傾向を、ナビゲーションシステム9の画面に表示することで運転者に通知するようにしていたが、インストルメントパネルなど、ナビゲーションシステム9の画面にその表示を行うようにしても良い。また音声によってブレーキペダル1の踏み位置のずれの傾向を通知するようにしても良い。
【0038】
・上記実施の形態では、ブレーキペダル1の踏み位置のずれの傾向を運転者に通知するようにしていたが、そうした通知を行わないようにしても良い。
【符号の説明】
【0039】
1…ブレーキペダル、2…ブレーキペダルストロークセンサー、3…圧力センサー、4…アクセルペダル、5…アクセルポジションセンサー、6…踏力検出スイッチ、7…コントローラー、8…エンジン、9…ナビゲーションシステム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセルペダルの踏力、踏力速度、踏み込み量及び踏み込み速度の少なくとも1つ以上が設定レベルを超えたときに車両の駆動力を低減する車両の制御装置において、
ブレーキペダルの踏み位置のずれの傾向に応じて前記駆動力の低減幅を可変とする
ことを特徴とする車両の制御装置。
【請求項2】
前記ブレーキペダルの踏み位置が前記アクセルペダルから遠い側にずれる傾向があるときには、前記駆動力の低減幅を小さくする
ことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項3】
アクセルペダルの踏力、踏力速度、踏み込み量及び踏み込み速度の少なくとも1つ以上が設定レベルを超えたときに車両の駆動力を低減する車両の制御装置において、
ブレーキペダルの踏み位置のずれの傾向に応じて前記設定レベルを可変とする
ことを特徴とする車両の制御装置。
【請求項4】
前記ブレーキペダルの踏み位置が前記アクセルペダルから遠い側にずれる傾向があるときには、前記設定レベルを大きくする
ことを特徴とする請求項3に記載の車両の制御装置。
【請求項5】
前記ブレーキペダルの踏み位置のずれの傾向を運転者に通知する
請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−1279(P2013−1279A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135396(P2011−135396)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】