説明

車両用ドアの開閉システム

【課題】 トラック等の車両を用いて物品を移送する際に、積載物の管理情報に基づいて車両用ドアの施錠・解錠および開閉を自動的に行い、積載物に関するセキュリティを強化することが可能な車両用ドアの開閉システムを提供する。
【解決手段】 車両用ドア70を自動開閉する自動開閉手段40と、車両用ドア70の自動施錠および自動解錠を行う自動施錠・解錠手段50と、自動開閉手段40および自動施錠・解錠手段50の動作を管理するドア開閉管理手段10a,10bと、積載物の積み降ろしに関する許可情報を送出する許可情報送出手段21,22,23と、許可情報を取得する許可情報取得手段30とを備える。所定の許可条件が成立した場合のみに、車両用ドア70の解錠・開放許可を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ドアの開閉システムに係り、特に積載物に関するセキュリティを強化して、車両用ドアの施錠・解錠および開閉を自動的に行うことが可能な車両用ドアの開閉システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、トラック等の車両やコンテナに積載された積載物に関して、輸送の安全性を確保するとともに輸送効率を高め、さらに荷主に対する信頼を高めるため、積載物の配送先、個数、配送状況等を的確に把握して管理することが重要視されている。
【0003】
そこで、種々の部品、郵便物、あるいはコンテナ等を管理するための技術が提案されている。例えば、特許文献1の特開2004−217360号「製品管理システム」に、複数の出荷拠点から個別に出荷される部品が、全体として出荷先に確実に到達し得るようにする技術が種々提案されている。
【0004】
この特許文献1に記載されている「製品管理システム」は、複数台の情報処理装置と、データベースと、少なくとも1台以上の携帯型端末装置と、複数個のICチップとを備え、インターネット等の通信ネットワークを介して各情報端末装置同士の間やモバイル端末と各種情報処理装置との間で交信を行うのみならず、モバイル端末とICチップとの間で無線による交信を行うことにより、それぞれ相互に必要とする情報の授受を行い、各種住宅設備機器や建築資材のような、施工現場で据え付けや組み立て工事等の作業を行うことによって初めて完成品となる住宅施設の構成部材を管理するようにしたシステムである。
【0005】
また、特許文献2の特開2002−308433号「コンテナの管理装置及び管理方法」に、コンテナターミナルにおいて搬入および搬出されるコンテナを的確に管理するための技術が種々提案されている。
【0006】
この特許文献2に記載されている「コンテナの管理装置及び管理方法」は、コンテナの番号情報を保持する無線ICタグと、コンテナのシール情報を保持する無線ICシールタグと、コンテナの物流情報を保持する車載器と、コンテナの情報を受信する第1無線アンテナと、第1無線アンテナの受信を開始させる車両進入センサと、第1無線アンテナの受信を終了させる車両離脱センサと、車載器との間で情報を送受信する第2無線アンテナと、第1無線アンテナおよび第2無線アンテナに接続される情報処理手段とを備え、情報処理手段は、通過するトレーラを順に1台ずつ認識するとともに、対応するコンテナの情報を読み込んで蓄積し、かつ物流情報を順に読み込んで1台のコンテナの情報を逐次照合するようにしたシステムである。
【0007】
また、特許文献3の特開平11−175621号「配送物品取扱手続・処理・管理方法及び装置」に、書留郵便や小包郵便等の物流対象物における差し出し準備事務から窓口引受、送達、配達、配達先での分配、追跡調査、その他の種々な場面での手続や処理の迅速化、省力化、無漏洩化、合理化などを図るための技術が種々提案されている。
【0008】
この特許文献3に記載された「配送物品取扱手続・処理・管理方法及び装置」は、取扱物品追跡管理用記号番号コードを収録したRFID(Radio Frequency Identification)を用いた通信機能付きのRFID機能装置を書留郵便や小包郵便等の受託配送物品に添付することにより、利用者側での差し出し準備作業段階から配送物品取扱事業者での窓口引受、送達、配達、追跡調査、その他の事務や大口配達先での配分等の処理作業を、RFID機能装置との間でデータ通信を行うことにより実現するようにしたものである。
【0009】
【特許文献1】特開2004−217360号公報
【特許文献2】特開2002−308433号公報
【特許文献3】特開平11−175621号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、物品を移送する際には、物品の誤配送や、紛失、盗難等を確実に防止することが重要な課題となっている。特に、企業データ、貴金属類、高級ブランド品、美術品、骨董品、高級食材、コレクターズアイテム、医薬品、パチンコ台のように法律により改造が禁止されているゲーム機器等は、配送途中で紛失したり盗難したりしてはならない物品であり、万が一、紛失あるいは盗難が発生した場合には、物流業者の信用が失墜するばかりでなく、荷主に対して膨大な損害賠償を行わなければならない。
【0011】
このような、移送物品の紛失、盗難は、特にトラック等の車両で移送する際に発生しやすい。例えば、物品を移送途中に、ドライブイン等の休憩施設に立ち寄り、ドライバが休憩を取るのは日常のことである。この際、荷室のドアの施錠を忘れてしまった場合には、移送物の紛失、盗難の危険性が増すため、ドライバに対して過度の注意負担を強いることもあり、ドライバの本来業務である安全運転に影響を与えかねなかった。
【0012】
また、配達先において荷室のドアを開けて移送物の積み卸しを行っている際に、移送物の紛失、盗難が発生する場合があった。さらに、ドライバの勘違いにより、正規の配送先以外の場所に移送物を配達してしまう場合もあった。
【0013】
しかしながら、上述した特許文献1、特許文献2、および特許文献3に記載された技術は、移送物品の配送先、個数、配送状況等を把握することはできるが、トラック等の荷室ドアの施錠・解錠や開閉を管理してはいない。このため、従来の技術では、移送物品をトラック等の車両で移送する際に、移送物品の紛失、盗難等が発生する危険を解消することができるとは言い難かった。
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、トラック等の車両を用いて物品を移送する際に、積載物の管理情報に基づいて車両用ドアの施錠・解錠および開閉を自動的に行い、積載物に関するセキュリティを強化することが可能な車両用ドアの開閉システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によれば、車両用ドア(70)を自動的に施錠・解錠して開閉する車両用ドアの開閉システムであって、前記車両用ドア(70)を自動開閉する自動開閉手段(40)と、前記車両用ドア(70)の自動施錠および自動解錠を行う自動施錠・解錠手段(50)と、前記自動開閉手段(40)および前記自動施錠・解錠手段(50)の動作を管理するドア開閉管理手段(管理コンピュータ10a,車両用コンピュータ10b)と、積載物の積み降ろしを許可するための許可情報を送出する許可情報送出手段(ICタグ21,GPS情報システム22,無線送信装置23)と、前記許可情報送出手段(ICタグ21,GPS情報システム22,無線送信装置23)から許可情報を取得する許可情報取得手段30とを備え、前記ドア開閉管理手段(管理コンピュータ10a,車両用コンピュータ10b)は、前記許可情報送出手段(ICタグ21,GPS情報システム22,無線送信装置23)から取得した許可情報に基づき、前記自動施錠・解錠手段(50)による前記車両用ドア(70)の解錠を許可するか否かおよび前記自動開閉手段(40)による前記車両用ドア(70)の開放を許可するか否かを判断するとともに、所定の許可条件が成立した場合に、前記自動施錠手段・解錠手段(50)による前記車両用ドア(70)の解錠許可および前記自動開閉手段(40)による前記車両用ドア(70)の開放許可を行うことを特徴とする車両用ドアの開閉システムが提供される。
【0015】
また、前記車両用ドアの開閉システムにおいて、前記ドア開閉管理手段(管理コンピュータ10a,車両用コンピュータ10b)により前記車両用ドア(70)の解錠許可および開放許可が行われた場合に、解錠許可および開放許可を確認して、前記自動施錠・解錠手段(50)による前記車両用ドア(70)の解錠および前記自動開閉手段(40)による前記車両用ドア(70)の開放を行わせる解錠・開放確認手段(60)を備えることが好ましい。
【0016】
また、前記車両用ドアの開閉システムにおいて、前記許可情報送出手段(ICタグ21,GPS情報システム22,無線送信装置23)を複数備え、各許可情報送出手段(ICタグ21,GPS情報システム22,無線送信装置23)はそれぞれ異なる許可情報を送出することが好ましい。
【0017】
また、前記車両用ドアの開閉システムにおいて、前記各許可情報送出手段(ICタグ21,GPS情報システム22,無線送信装置23)は、積載物の管理情報、積載物の現在位置情報、管理者による開閉許可情報のいずれか1つを許可情報とすることが可能である。
【0018】
また、前記ドア開閉管理手段(10a,10b)と許可情報送出手段(21,22,)に、予め前記自動施錠手段・解錠手段(50)による前記車両用ドア(70)の解錠許可および前記自動開閉手段(40)による前記車両用ドア(70)の開閉許可情報を一括して登録しておくことが可能である。
【0019】
また、前記ドア開閉管理手段(10a,10b)と許可情報送出手段(21,22,)とを、トラック(1b)に搭載してある車両用コンピュータに備えることが可能である。
【0020】
また、前記車両用ドアの開閉システムにおいて、所定の許可条件が成立していないにもかかわらず、前記車両用ドア(70)の解錠あるいは開放が行われた場合に警報を発生する警報発生手段(80)を備えることが好ましい。
【0021】
この場合、少なくとも車両用ドア(70)付近の映像を撮影する撮影手段(91)と、前記撮影手段(91)により撮影した映像を一時的に記録する第1の録画手段(92)と、前記警報発生手段(80)が警報を発生した場合に、警報発生時から所定時間遡って前記第1の録画手段(92)に記録された映像を抽出して記録する第2の録画手段(93)とを備えることが好ましい。
【0022】
また、少なくとも車両用ドア(70)付近の音声を収集する集音手段(101)と、前記集音手段(101)により集音した音声を一時的に記録する第1の録音手段(102)と、前記警報発生手段(80)が警報を発生した場合に、警報発生時から所定時間遡って前記第1の録音手段(102)に記録された音声を抽出して記録する第2の録音手段(103)とを備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の車両用ドアの開閉システムでは、ドア開閉管理手段(管理コンピュータ10a,車両用コンピュータ10b)により車両用ドア(70)の施錠・解錠および開閉を管理しており、積載物の積み卸しを許可するための許可情報を取得して、所定の許可条件が成立すると、車両用ドア(70)を解錠して開放する。したがって、所定の許可条件が成立しなければ車両用ドア(70)を開いて積載物を取り出すことができないので、積載物の紛失、盗難等を確実に防止することができる。このため、物流業者の信頼を高めることができるとともに、ドライバの負担を軽減することができる。
【0024】
また、車両用ドア(70)の解錠許可および開放許可が行われた場合に、これを確認して、車両用ドア(70)の解錠・開放を行わせることにより、車両が走行中である場合のように車両用ドア(70)の解錠・開放を行ってはならない場合に車両用ドア(70)の解錠・開放が行われることがなくなり、積載物の紛失、盗難等をさらに確実に防止することができる。
【0025】
また、積載物の積み卸しを許可するための許可情報を送出する許可情報送出手段(ICタグ21,GPS情報システム22,無線送信装置23)を複数備えることにより、車両用ドア(70)の解錠および開放に対するセキュリティを強化することができる。この際、積載物の管理情報を許可情報とすることにより、積載物の配送先や配送時間等を管理することができ、積載物の現在位置情報を許可情報とすることにより、積載物の積み卸しを行う場所を指定することができ、管理者による開閉許可情報を許可情報とすることにより、管理者による管理を強化することができる。
【0026】
また、所定の許可条件が成立していないにもかかわらず、車両用ドア(70)の解錠あるいは開放が行われた場合に、警報発生手段(80)を用いて警報を発生することにより、万が一、紛失や盗難の危険が発生した場合であっても、迅速かつ適切な対応を行うことができる。
【0027】
また、警報発生時から所定時間遡って映像や音声を記録することにより、万が一、紛失や盗難の危険が発生した場合であっても、事件に対して迅速かつ適切な対応を行って、事件の早期解決に貢献することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の車両用ドアの開閉システムは、トラックの荷室等に設けられた車両用ドアを自動的に施錠・解錠して開閉するためのシステムであって、ドア開閉管理手段により所定の許可条件が成立したと判断した場合のみに、車両用ドアの解錠許可および開放許可を行うようになっている。そして、例えばドライバが、車両用ドアの解錠許可および開放許可を確認すると、車両用ドアの解錠および開放が行われる。このドア開閉管理手段は、例えばコンピュータおよびその周辺機器等により構成され、具体的には、管理センターに設置された管理コンピュータと、車両に搭載された車両用コンピュータとからなる。
【0029】
また、車両用ドアの解錠および開放を許可するための条件は、例えば、積載物の管理情報、積載物の現在位置情報、管理者による開閉許可情報等、複数の条件からなり、これら複数の条件の全てが満足された場合のみに、車両用ドアの解錠許可および開放許可を行うような構成とすることが好ましい。積載物の管理情報は、例えばICタグに記録され、積載物の現在位置は、例えばGPSシステムにより把握され、管理者による開閉許可情報は、例えば無線通信により送信される。
【0030】
さらに、所定の許可条件が成立していないにもかかわらず、車両用ドアの解錠あるいは開放が行われた場合に警報を発生するとともに、警報発生時から所定時間遡って映像や音声を記録することが好ましい。
【実施例1】
【0031】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る車両用ドアの開閉システムの概略構成を示すブロック図である。なお、実施例1に係る車両用ドアの開閉システムを適用する車両用ドア70は、後に詳述するように、トラック1bの荷台に取り付けた荷室110のドアに適用するものであり、荷室110のドアは展開ドア71とスライドドア72とから構成されている(図2〜図4参照)。
【0032】
本発明の実施例1に係る車両用ドアの開閉システムは、図1に示すように、ドア開閉管理手段(管理コンピュータ10a,車両用コンピュータ10b)、許可情報送出手段(ICタグ21,GPS情報システム22,無線送信装置23)、許可情報取得手段30、自動開閉手段40、自動施錠・解錠手段50、および解錠・開放確認手段60を備えている。
【0033】
自動開閉手段40、自動施錠・解錠手段50、許可情報取得手段30、解錠・開放確認手段60、許可情報送出手段の一部(ICタグ21,GPS情報システム22)、およびドア開閉管理手段の一部(車両用コンピュータ10b)は、展開ドア71およびスライドドア72を備えたトラック1bに設けられる。また、許可情報送出手段の一部(無線送信装置23)、およびドア開閉管理手段の一部(管理コンピュータ10a)は、管理センター1aに設けられる。
【0034】
自動開閉手段40は、車両用ドア70である展開ドア71およびスライドドア72を自動開閉するための手段であり、詳細は後述する。
自動施錠・解錠手段50は、車両用ドア70の自動施錠および自動解錠を行うための手段であり、詳細は後述する。
【0035】
ドア開閉管理手段は、自動開閉手段40および自動施錠・解錠手段50の動作を管理するための手段であり、例えばコンピュータおよびその周辺機器等により構成される。具体的には、ドア開閉管理手段は、管理センター1aに設置された管理コンピュータ10aと、トラック1bに搭載された車両用コンピュータ10bとから構成される。管理コンピュータ10aは、複数のトラック1bに取り付けられた車両用ドア70の開閉および、各トラック1bに積載された積載物を総合的に管理するためのコンピュータである。また、車両用コンピュータ10bは、当該トラック1bに取り付けられた車両用ドア70の開閉および、当該トラック1bに積載された積載物を管理するためのコンピュータである。管理コンピュータ10aと車両用コンピュータ10bとは、無線通信手段(図示せず)を用いてデータの送受信を行うことができる。
【0036】
ドア開閉管理手段を構成する管理コンピュータ10aおよび車両用コンピュータ10bは、許可情報送出手段(ICタグ21,GPS情報システム22,無線送信装置23)から取得した許可情報に基づき、自動施錠・解錠手段50による車両用ドア70の解錠を許可するか否かおよび自動開閉手段40による車両用ドア70の開放を許可するか否かを判断する。そして、所定の許可条件が成立した場合に、自動施錠・解錠手段50による車両用ドア70の解錠許可を行うとともに、自動開閉手段40による車両用ドア70の開放許可を行う。すなわち、管理コンピュータ10aおよび車両用コンピュータ10bでは、所定の許可条件が成立しない場合には、車両用ドア70の解錠および開放を許可しないため、積載物の紛失、盗難等を確実に防止することができるようになっている。
【0037】
許可情報送出手段は、積載物の積み降ろしを許可するための許可情報を送出するための手段であり、例えば積載物の管理情報が記録されたICタグ21、積載物の位置情報を送出するGPS情報システム22、開閉許可情報を送出する無線送信装置23等からなる。
【0038】
ICタグ21は、積載物の内容、荷主、送り先、配送予定日時等、積載物の管理に必要なデータを記憶するための部品であり、各積載物に貼付される。そして、トラック1bの適宜位置に取り付けられたICタグ読取装置(図示せず)により、ICタグ21にアクセスし、積載物の管理情報を読み取ることができるようになっている。なお、ICタグ読取装置は、積載物の積み卸しを行う積み卸しセンターのゲートや積み卸しステージ等に設けてもよい。このように、ICタグ21に記憶された積載物の管理情報を許可情報とすることにより、積載物の配送先や配送時間等を管理することができる。
【0039】
GPS情報システム22は、トラック1bに搭載されており、積載物の現在位置情報、すなわちトラック1bの現在位置情報を取得して、車両用コンピュータ10bおよび管理コンピュータ10aに送出する。このように、積載物の現在位置情報を許可情報とすることにより、予め定めた場所以外では、積載物の積み卸しを行うことができなくなり、積載物の誤配送、紛失、盗難を確実に防止することができる。
【0040】
無線送信装置23は、管理センター1aに設置されており、管理者が積載物の積み卸しを許可してもよいと判断した場合に、開閉許可情報が無線通信により送信される。このように、管理者による開閉許可情報を許可情報とすることにより、管理者による積載物の管理を強化することができる。
【0041】
許可情報取得手段30は、ICタグ21,GPS情報システム22,無線送信装置23等からなる許可情報送出手段から許可情報を取得するための手段であり、ICタグ21,GPS情報システム22,無線送信装置23にそれぞれ対応する適当な方法で許可情報を取得するようになっている。例えば許可情報送出手段がICタグ21である場合には、ICタグ読取装置が許可情報取得手段30として機能し、許可情報送出手段がGPS情報システム22である場合には、当該GPS情報システム22が許可情報取得手段30としても機能し、許可情報送出手段が無線送信装置23である場合には、車両に搭載された無線受信装置(図示せず)が許可情報取得手段30として機能する。
【0042】
なお、許可情報は上述したものに限定されるものではなく、積載物の種類や物流業者の経営戦略等に応じて適宜変更して採用することができる。また、許可情報送出手段(ICタグ21,GPS情報システム22,無線送信装置23)および許可情報取得手段30は、上述したものに限定されるものではなく、許可情報の内容に応じて適宜変更して実施することができる。
【0043】
解錠・開放確認手段60は、ドア開閉管理手段である管理コンピュータ10aおよび車両用コンピュータ10bにおいて車両用ドア70の解錠許可および開放許可が行われた場合に、解錠許可および開放許可を確認して、自動施錠・解錠手段50による車両用ドア70の解錠および自動開閉手段40による車両用ドア70の開放を行わせるための手段であり、例えばドライバが携行するリモコン装置や、車両に取り付けられた確認スイッチ等からなる。
【0044】
この解錠・開放確認手段60は、例えばドライバが、積載物の積み卸しを安全に行うことができると判断した場合に操作される手段である。このように、解錠・開放確認手段60を操作した場合のみに、車両用ドア70の解錠・開放を行わせることにより、車両が走行中に車両用ドア70が開放されたり、積載物の積み降ろしを行うことが不適切な場合に車両用ドア70が解錠・開放されたりという危険を予め防止することができる。なお、セキュリティを一層強化するという点で、解錠・開放確認手段60をドライバに操作させるのではなく、積載物の積み卸し場所において、守衛等の管理者が解錠・開放確認手段60を操作することにより、車両用ドア70の解錠および開放を行うように構成してもよい。
【0045】
この解錠・開放確認手段60は、実施例1の車両用ドアの開閉システム1において必須の手段ではないが、上述したように、車両用ドア70の解錠および開放を安全に行うという点で、車両用ドアの開閉システム1の構成要素とすることが好ましい。
【0046】
ドア開閉管理手段10a,10bと許可情報送出手段21,22に、予め自動施錠手段・解錠手段50による車両用ドア70の解錠許可および自動開閉手段40による車両用ドア70の開閉許可情報を一括して登録しておくことが可能である。たとえば、管理センター1a,2aは集配所を兼ねているときに、各トラック1b,2bに対して、あらかじめ荷物の種別と集配箇所をメモリカードなどで登録しておき、集配中はこの登録情報に従ってトラック1b,2bに搭載してある車両用コンピュータ10bがドアの解錠・開放を判断する。これにより、万一間違った配送を行おうとした場合に、警報ブザーを発すると共に管理センター1a,2aへ通報して二段階で対応することができる。
【0047】
また、ドア開閉管理手段10a,10bと許可情報送出手段21,22とを、トラック1b,2bに搭載してある車両用コンピュータ10bに備えることが可能である。これにより、トラックボデー自体で完結することが可能になる。上述した管理センターを設置しなくても、トラック1b,2bに搭載してある車両用コンピュータ10bがドアの解錠・開放を判断し、誤認配達のおそれがあるときにそのドアが閉じるようになっている。
【0048】
次に、車両用ドア70について説明する。図2はトラックの側面図(一部断面)、図3は展開ドアを開いた状態の荷室後部の横断面図、図4は展開ドアを閉じた状態の荷室後部の横断面図である。
【0049】
車両用ドア70は、図2〜図4に示すように、トラック1bの荷室110に取り付けられている。この車両用ドア70は、荷室110の後部開口面を開閉するためのドアであり、開口部の一側縁に、その側縁を回動中心にして左右方向に開くように取り付けた展開ドア71と、展開ドア71に対してスライド開閉するように取り付けたスライドドア72とからなる。このように、展開ドア71とスライドドア72とで開口部を閉塞することができるとともに、スライドドア72のみを開閉することもできる。
【0050】
例えば冷凍車の荷室110に、本実施例の車両用ドア70を取り付けた場合には、開口部を部分的に開閉して、車両用ドア70を開けたときに開口部より冷気が流出するのを防止することができる。なお、展開ドア71に、2以上の個別にスライド開閉するスライドドア72(図示せず)を取り付けることもできる。
【0051】
車両用ドア70には、図示しないが、展開ドア71を自動的に施錠・解錠するための施錠・解錠装置が取り付けられるとともに、展開ドア71を自動的に開閉するための展開ドア開閉装置と、スライドドア72を自動的に開閉するためのスライドドア開閉装置が取り付けられている。
【0052】
施錠・解錠装置は、一般的な乗用車等に設けられた周知のオートキーレス装置を用いることができる。すなわち、図示しないが、施錠・解錠装置は、例えばロック機構とこのロック機構によるロック状態を自動的に解除するロック解除機構とからなる。ロック解除機構は、例えばロック機構に連結されたワイヤや操作棒等を引っ張ることによりロック状態を解除する、エアポンプ、モータ、ソレノイド機構等により構成される。
【0053】
展開ドア開閉装置は、バスやワゴン車等の自動ドアに用いられている周知の自動開閉機構により構成することができる。すなわち、図示しないが、展開ドア開閉装置は、例えば展開ドア71に取り付けられたリンク機構と、このリンク機構を操作する操作機構とならなる。操作機構は、例えばリンク機構に連結されたワイヤや操作棒を押し引きすることにより展開ドア71を開閉するエアポンプ、モータ、ソレノイド機構等により構成される。
【0054】
また、展開ドア71を開状態に付勢する付勢手段を設けておき、施錠・解錠装置によりロック状態を解除すると、付勢手段の付勢により展開ドア71を開方向に回動させ、展開ドア71を閉める際には、人手により展開ドア71を閉方向に回動させてもよい。
【0055】
スライドドア開閉装置は、バスやワゴン車等の自動ドアに用いられている周知の自動開閉機構により構成することができる。すなわち、図示しないが、例えばスライドドア72の基端部に取り付けられたワイヤや操作棒と、ワイヤや操作棒を押し引きすることによりスライドドア72をスライドさせるエアポンプ、モータ、ソレノイド機構等により構成される。
【0056】
なお、施錠・解錠装置、展開ドア開閉装置、およびスライドドア開閉装置は、上述した構成に限られるものではなく、従来より同種の機構に採用されている周知の装置を用いることができる。
また、施錠・解錠装置は、展開ドア71およびスライドドア72の双方に設けてもよいし、いずれか一方のみに設けてもよい。また、ドアの開閉装置は、展開ドア71およびスライドドア72の双方に設けてもよいし、いずれか一方のみに設けてもよい。この場合、施錠・解錠装置あるいは開閉装置が設けられていないドアは、常に閉状態および施錠状態としておき、管理者のように特別な権限を有する者のみが解錠および開放を行うことができるようにすることが必要である。
【0057】
次に、実施例1の車両用ドアの開閉システム1を用いて車両用ドア70を自動的に解錠・開放する手順を説明する。図5は、実施例1の車両用ドアの開閉システム1を用いて車両用ドア70を自動的に解錠・開放する手順を示すフローチャートである。
【0058】
実施例1の車両用ドアの開閉システム1を用いて車両用ドア70を自動的に解錠・開放するには、図5に示すように、まず、許可情報取得手段30により、許可情報送出手段(ICタグ21,GPS情報システム22,無線送信装置23)から送出される許可情報を取得する(S1)。
続いて、ドア開閉管理手段(管理コンピュータ10a,車両用コンピュータ10b)により、取得した許可情報に基づいて、車両用ドア70の解錠および開放を許可するか否かを判断し(S2)、所定の許可条件が成立している場合には、車両用ドア70の解錠および開放を許可する(S3)。
【0059】
車両用ドア70の解錠および開放を許可した場合には、解錠・開放確認手段60により、解錠許可および開放許可を確認して(S4)、自動施錠・解錠手段50による車両用ドア70の解錠および自動開閉手段40による車両用ドア70の開放を行う(S5)。
一方、所定の許可条件が成立していない場合、あるいは解錠許可および開放許可が確認されない場合には、車両用ドア70の解錠および開放を行わずに、処理を終了する。
【0060】
このように、実施例1の車両用ドアの開閉システム1によれば、所定の許可条件が成立した場合のみに、車両用ドア70の解錠および開放を許可するので、積載物に関するセキュリティを強化することが可能となる。
【実施例2】
【0061】
図6は、実施例2の車両用ドアの開閉システムの概略構成を示すブロック図である。
図6に示すように、実施例2の車両用ドアの開閉システム2は、上述した実施例1の車両用ドアの開閉システム1の構成要素に対して、警報発生手段80を付加した構成となっている。
以下、図1に示す実施例1の車両用ドアの開閉システム1と同様の構成要素に対しては同一の符号を付して詳細な説明を省略し、実施例1の車両用ドアの開閉システム1と相違する構成要素についてのみ説明する。なお、図6において、符号2aは管理センター、符号2bはトラックを示す。
【0062】
警報発生手段80は、開閉管理手段の構成要素に含まれる手段で、所定の許可条件が成立していないにもかかわらず、車両用ドア70の解錠あるいは開放が行われた場合に警報を発生するための手段である。
この警報発生手段80は、例えばアンプおよびスピーカ等からなる警報音発生装置や、液晶表示器等からなる警報表示装置からなり、所定の許可条件が成立していないにもかかわらず、車両用ドア70の解錠あるいは開放が行われた場合に、警報音発生装置により警報音を発生したり、警報表示装置により警報表示を行ったりするようになっている。
【0063】
なお、警報発生手段80は、管理センター1aに設置した管理コンピュータ10aおよび車両に搭載した車両用コンピュータ10bの双方、あるいはいずれか一方のみに設けることができる。いずれの場合にも、管理者およびドライバに対して警報が報知される。
【0064】
次に、実施例2の車両用ドアの開閉システム2を用いて車両用ドア70を自動的に解錠・開放する手順を説明する。図7は、実施例2の車両用ドアの開閉システム2を用いて車両用ドア70を自動的に解錠・開放する手順を示すフローチャートである。
【0065】
実施例2の車両用ドアの開閉システム2を用いて車両用ドア70を自動的に解錠・開放する手順は、図7に示すように、実施例1の車両用ドアの開閉システム1と同様に、許可情報の取得処理(S11)、車両用ドアの解錠および開放の許可条件成立判断処理(S12)、車両用ドアの解錠および開放許可処理(S13)、車両用ドアの解錠・開放許可確認処理(S14)、車両用ドアの解錠および開放処理(S15)が行われる。
【0066】
そして、所定の許可条件が成立していない場合に、車両用ドア70の解錠あるいは開放が行われたか否かを確認し(S16)、所定の許可条件が成立していないにもかかわらず車両用ドア70の解錠あるいは開放が行われた場合に警報を発生する(S17)。
このように、警報発生手段80を設けることにより、万が一、紛失や盗難の危険が発生した場合であっても、迅速かつ適切な対応を行うことができる。
【実施例3】
【0067】
図8は、実施例3の車両用ドアの開閉システムの概略構成を示すブロック図である。
図8に示すように、実施例3の車両用ドアの開閉システム3は、上述した実施例1の車両用ドアの開閉システム1の構成要素に対して、撮影手段91、第1の録画手段92、および第2の録画手段93を付加した構成となっている。
【0068】
以下、図1に示す実施例1の車両用ドアの開閉システム1と同様の構成要素に対しては同一の符号を付して詳細な説明を省略し、実施例1の車両用ドアの開閉システム1と相違する構成要素についてのみ説明する。なお、図8において、符号3aは管理センター、符号3bはトラックを示す。
【0069】
撮影手段91は、少なくとも車両用ドア70付近の映像を撮影するための手段であり、例えばビデオカメラおよびその周辺機器等により構成される。撮影手段91を設置する位置は、車両用ドア70付近の映像を撮影することができる位置のみではなく、運転席付近、荷室110内、車両周辺部等の複数箇所であってもよく、あるいはこれらのうちの必要な箇所のみであってもよい。
【0070】
第1の録画手段92は、撮影手段91により撮影した映像を一時的に記録するための手段で、例えばバッファメモリにより構成される。このバッファメモリは、リングバッファ構造を有しており、一番古い画像情報から順次消去するとともに、新しく録画した画像情報を順次記憶するような構成となっている。なお、記憶する画像情報量を増加させることができるという点で、第1の録画手段92に画像情報を記録する際に、画像情報を周知の方法により圧縮することが好ましい。また、第1の録画手段92の容量は、車両の運行状況等に応じて適宜変更して実施することができる。
【0071】
第2の録画手段93は、警報発生時から所定時間遡って第1の録画手段92に記録された映像を抽出して記録するための手段で、例えばストレージメモリにより構成される。なお、第2の録画手段93の容量は、車両の運行状況等に応じて適宜変更して実施することができる。
【0072】
次に、実施例3の車両用ドアの開閉システム3を用いて車両用ドア70を自動的に解錠・開放する手順を説明する。図9は、実施例3の車両用ドアの開閉システム3を用いて車両用ドア70を自動的に解錠・開放する手順を示すフローチャートである。
【0073】
実施例3の車両用ドアの開閉システム3を用いて車両用ドア70を自動的に解錠・開放する手順は、図9に示すように、実施例2の車両用ドアの開閉システム2と同様に、許可情報の取得処理(S21)、車両用ドアの解錠および開放の許可条件成立判断処理(S22)、車両用ドアの解錠および開放許可処理(S23)、車両用ドアの解錠・開放許可確認処理(S24)、車両用ドアの解錠および開放処理(S25)、車両用ドアの解錠・開放確認処理(S26)、警報発生処理(S27)が行われる。
そして、警報が発生された場合には、警報発生時から所定時間遡って映像を記録する(S28)。
【0074】
このように、警報発生時から所定時間遡って映像を記録することにより、万が一、紛失や盗難の危険が発生した場合であっても、事件に対して迅速かつ適切な対応を行うことができる。
【実施例4】
【0075】
図10は、実施例4の車両用ドアの開閉システムの概略構成を示すブロック図である。
図10に示すように、実施例4の車両用ドアの開閉システム4は、上述した実施例1の車両用ドアの開閉システム1の構成要素に対して、集音手段101、第1の録音手段102、および第2の録音手段103を付加した構成となっている。
【0076】
以下、図1に示す実施例1の車両用ドアの開閉システム1と同様の構成要素に対しては同一の符号を付して詳細な説明を省略し、実施例1の車両用ドアの開閉システム1と相違する構成要素についてのみ説明する。なお、図10において、符号4aは管理センター、符号4bはトラックを示す。
【0077】
集音手段101は、少なくとも車両用ドア70付近の音声を収集するための手段であり、例えばマイクロホンおよびその周辺機器等により構成される。集音手段101を設置する位置は、車両用ドア70付近の音声を収集することができる位置のみではなく、運転席付近、荷室110内、車両周辺部等の複数箇所であってもよく、あるいはこれらのうちの必要な箇所のみであってもよい。
【0078】
第1の録音手段102は、集音手段101により収集した音声を一時的に記録するための手段で、例えばバッファメモリにより構成される。このバッファメモリは、リングバッファ構造を有しており、一番古い音声情報から順次消去するとともに、新しく収集した音声情報を順次記憶するような構成となっている。なお、記憶する音声情報量を増加させることができるという点で、第1の録音手段102に音声情報を記録する際に、音声情報を周知の方法により圧縮することが好ましい。また、第1の録音手段102の容量は、車両の運行状況等に応じて適宜変更して実施することができる。
【0079】
第2の録音手段103は、警報発生時から所定時間遡って第1の録音手段102に記録された音声を抽出して記録するための手段で、例えばストレージメモリにより構成される。なお、第2の録音手段103の容量は、車両の運行状況等に応じて適宜変更して実施することができる。
【0080】
次に、実施例4の車両用ドアの開閉システム4を用いて車両用ドア70を自動的に解錠・開放する手順を説明する。図11は、実施例4の車両用ドアの開閉システム4を用いて車両用ドア70を自動的に解錠・開放する手順を示すフローチャートである。
【0081】
実施例4の車両用ドアの開閉システム4を用いて車両用ドア70を自動的に解錠・開放する手順は、図11に示すように、実施例2の車両用ドアの開閉システム2と同様に、許可情報の取得処理(S31)、車両用ドアの解錠および開放の許可条件成立判断処理(S32)、車両用ドアの解錠および開放許可処理(S33)、車両用ドアの解錠・開放許可確認処理(S34)、車両用ドアの解錠および開放処理(S35)、車両用ドアの解錠・開放確認処理(S36)、警報発生処理(S37)が行われる。
そして、警報が発生された場合には、警報発生時から所定時間遡って音声を記録する(S38)。
【0082】
このように、警報発生時から所定時間遡って音声を記録することにより、万が一、紛失や盗難の危険が発生した場合であっても、事件に対して迅速かつ適切な対応を行うことができる。
【0083】
なお、上述した例では、トラック1bの荷台に設けた荷室110を開閉する車両用ドアの開閉システムについて詳述したが、荷室110を開閉する車両用ドア70の位置および形状を変更したり、トレーラーで牽引するコンテナの開口部を開閉する車両用ドアやワゴン車の車両用ドアに適用したりといった種々の形態にすることができ、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
また、実施例1、実施例2、実施例3、および実施例4の構成要素をそれぞれ組み合わせたり、あるいは必要な構成要素のみを用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明の車両用ドアの開閉システムは、主に積載物の紛失や盗難を防止するために、トラック1bの荷台に設けた荷室110のドアを自動的に解錠および開放するシステムとして利用できるが、他の種類の車両用ドアや、車両と分離することが可能なコンテナのドアを自動的に解錠および開放するシステムとしても利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施例1に係る車両用ドアの開閉システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の車両用ドアの開閉システムを適用するトラックの側面図である。
【図3】本発明の車両用ドアの開閉システムを適用する車両用ドアにおいて、展開ドアを開いた状態の荷室後部の横断面図である。
【図4】本発明の車両用ドアの開閉システムを適用する車両用ドアにおいて、展開ドアを閉じた状態の荷室後部の横断面図である。
【図5】本発明の実施例1に係る車両用ドアの開閉システムを用いて車両用ドアを自動的に解錠・開放する手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施例2に係る車両用ドアの開閉システムの概略構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施例2に係る車両用ドアの開閉システムを用いて車両用ドアを自動的に解錠・開放する手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施例3に係る車両用ドアの開閉システムの概略構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施例3に係る車両用ドアの開閉システムを用いて車両用ドアを自動的に解錠・開放する手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施例4に係る車両用ドアの開閉システムの概略構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施例4に係る車両用ドアの開閉システムを用いて車両用ドアを自動的に解錠・開放する手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0086】
1,2,3,4 車両用ドアの開閉システム
1a,2a,3a,4a 管理センター
1b,2b,3b,4b トラック
10a 管理コンピュータ(ドア開閉管理手段)
10b 車両用コンピュータ(ドア開閉管理手段)
21 ICタグ(許可情報送出手段)
22 GPS情報システム(許可情報送出手段)
23 無線送信装置(許可情報送出手段)
30 許可情報取得手段
40 自動開閉手段
50 自動施錠・解錠手段
60 解錠・開放確認手段
70 車両用ドア
71 展開ドア
72 スライドドア
80 警報発生手段
91 撮影手段
92 第1の録画手段
93 第2の録画手段
101 集音手段
102 第1の録音手段
103 第2の録音手段
110 荷室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用ドアを自動的に施錠・解錠して開閉する車両用ドアの開閉システムであって、
前記車両用ドア(70)を自動開閉する自動開閉手段(40)と、
前記車両用ドア(70)の自動施錠および自動解錠を行う自動施錠・解錠手段(50)と、
前記自動開閉手段(40)および前記自動施錠・解錠手段(50)の動作を管理するドア開閉管理手段(10a,10b)と、
積載物の積み降ろしを許可するための許可情報を送出する許可情報送出手段(21,22,23)と、
前記許可情報送出手段(21,22,23)から許可情報を取得する許可情報取得手段(30)と、を備え、
前記ドア開閉管理手段(10a,10b)は、前記許可情報送出手段(21,22,23)から取得した許可情報に基づき、前記自動施錠・解錠手段(50)による前記車両用ドア(70)の解錠を許可するか否かおよび前記自動開閉手段(40)による前記車両用ドア(70)の開放を許可するか否かを判断するとともに、所定の許可条件が成立した場合に、前記自動施錠手段・解錠手段(50)による前記車両用ドア(70)の解錠許可および前記自動開閉手段(40)による前記車両用ドア(70)の開放許可を行う、ことを特徴とする車両用ドアの開閉システム。
【請求項2】
前記ドア開閉管理手段(10a,10b)により前記車両用ドア(70)の解錠許可および開放許可が行われた場合に、解錠許可および開放許可を確認して、前記自動施錠・解錠手段(50)による前記車両用ドア(70)の解錠および前記自動開閉手段(40)による前記車両用ドア(70)の開放を行わせる解錠・開放確認手段(60)を備えた、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用ドアの開閉システム。
【請求項3】
前記許可情報送出手段(21,22,23)を複数備え、各許可情報送出手段(21,22,23)はそれぞれ異なる許可情報を送出することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用ドアの開閉システム。
【請求項4】
前記各許可情報送出手段(21,22,23)は、積載物の管理情報、積載物の現在位置情報、管理者による開閉許可情報のいずれか1つを許可情報とすることを特徴とする請求項3に記載の車両用ドアの開閉システム。
【請求項5】
前記ドア開閉管理手段(10a,10b)と許可情報送出手段(21,22)に、
予め前記自動施錠手段・解錠手段(50)による前記車両用ドア(70)の解錠許可および前記自動開閉手段(40)による前記車両用ドア(70)の開閉許可情報を一括して登録しておく、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用ドアの開閉システム。
【請求項6】
前記ドア開閉管理手段(10a,10b)と許可情報送出手段(21,22)とを、トラック(1b)に搭載してある車両用コンピュータ(10b)に備えさせた、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用ドアの開閉システム。
【請求項7】
所定の許可条件が成立していないにもかかわらず、前記車両用ドア(70)の解錠あるいは開放が行われた場合に警報を発生する警報発生手段(80)を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両用ドアの開閉システム。
【請求項8】
少なくとも車両用ドア(70)付近の映像を撮影する撮影手段(91)と、
前記撮影手段(91)により撮影した映像を一時的に記録する第1の録画手段(92)と、
前記警報発生手段(80)が警報を発生した場合に、警報発生時から所定時間遡って前記第1の録画手段(92)に記録された映像を抽出して記録する第2の録画手段(93)と、を備えたことを特徴とする請求項7に記載の車両用ドアの開閉システム。
【請求項9】
少なくとも車両用ドア(70)付近の音声を収集する集音手段(101)と、
前記集音手段(101)により集音した音声を一時的に記録する第1の録音手段(102)と、
前記警報発生手段(80)が警報を発生した場合に、警報発生時から所定時間遡って前記第1の録音手段(102)に記録された音声を抽出して記録する第2の録音手段(103)と、を備えたことを特徴とする請求項7または8に記載の車両用ドアの開閉システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−342576(P2006−342576A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−169133(P2005−169133)
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(596166313)株式会社 いそのボデー (8)
【Fターム(参考)】