説明

車両用操作入力装置

【課題】 ある制御を実行するための第一の操作と、あの制御の否定を含む制御を実行するための第二の操作とにおいて、意図しない側の操作がされ難くなるような車両用操作入力装置を提供する。
【解決手段】 車両用操作入力装置1において、対をなす操作部2A,2Bとして、予め定められた第一の制御を実行するための第一の操作部2Aと、当該第一の制御の否定を含む形でなされる第二の制御(停止、解除、無効化、逆行、あるいは一つ前の制御に戻す等)を実行するための第二の操作部2Bとがそれぞれ別位置に設けられるとともに、第二の操作部2Bの操作方向Bが、第一の操作部2Aの操作方向Aに対し垂直をなす、あるいは第一の操作部2Aの操作方向Aとは逆方向の方向成分bを有するように、それら第一及び第二の操作部2A,2Bが配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用操作入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用操作入力装置においては、ある制御を実行するための第一の操作と、その制御を停止、解除、無効化、逆行、あるいは一つ前の制御に戻すような、先の制御の否定を含む制御を実行するための第二の操作との双方が可能に設けられる。例えば特許文献1の図1が示すような操作パネルには、エアコンの各種操作部が設けられており、その中には、1つの操作部を1度操作することである制御が実行し、その操作部をもう1度操作することで実行された制御が解除されるものがある。
【0003】
【特許文献1】特開2004−224149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、1つの操作部によって、ある制御と、その制御の否定を含む制御とを切り替える場合、ユーザーがどちらの操作を意図して行っているのかが分からなくなってしまうことがある。こうした場合、それら双方の制御を実行する操作部をそれぞれ別に設けることで解決できるが、この場合、どちらの操作部を操作するべきかを視覚的に判別する必要が生じ、ブラインド操作等には不向きとなり、意図しない側の操作部を誤って操作してしまう可能性が生ずる。このような誤操作を防ぐために操作部に対しより操作負担が大きい操作(2回操作や操作反力を大とする等)を設定することは操作性の悪化につながり、ユーザーの負担増となるため、避けたいところである。
【0005】
本発明の課題は、ある制御を実行するための第一の操作と、その制御の否定を含む制御を実行するための第二の操作とにおいて、意図しない側の操作がされ難くなるような車両用操作入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の車両用操作入力装置は、
予め定められた第一の制御を実行するための第一の操作部と、前記第一の制御の否定を含む形でなされる第二の制御を実行するための第二の操作部とを有し、前記第二の操作部の操作方向が、前記第一の操作部の操作方向に対し垂直な方向となる、あるいは前記第一の操作部の操作方向とは逆方向の方向成分を有するように、それら第一及び第二の操作部が配置されていることを特徴とする。
【0007】
上記本発明の構成によると、それら第一の操作部と第二の操作部の操作方向が互いに異なることにより、意図しない側の操作部を誤って操作してしまう可能性を大きく減じることができる。
【0008】
また、本発明の車両用操作入力装置は、対をなす操作部として、予め定められた第一の制御を実行するための第一の操作部と、第一の制御の否定を含む形でなされる第二の制御を実行するための第二の操作部とがそれぞれ別位置に設けられるとともに、第二の操作部の操作方向が、第一の操作部の操作方向に対し垂直をなす、あるいは第一の操作部の操作方向とは逆方向の方向成分を有するように、それら第一及び第二の操作部が配置されていることを特徴とする。
【0009】
上記本発明の構成によると、第一の操作部と第二の操作部とがそれぞれ別位置に設けられることにより、意図しない側の操作部を誤って操作してしまう可能性を大きく減じることができる。さらに、それら第一の操作部と第二の操作部の操作方向が互いに異なることにより、意図しない側の操作部を誤って操作してしまう可能性をほとんど無くすることが可能となる。
【0010】
なお、本発明において、第一の制御の否定を含む形でなされる第二の制御とは、第一の制御を停止、解除、無効化する制御や、第一の制御を逆行させる制御、第一の制御が実行される直前の制御状態に戻す制御を含むものとする。また、本発明において、一方の操作方向が他方の操作方向に垂直をなすとは、双方の操作方向の起点位置を一致させ、その起点位置からそれぞれの操作方向に延ばした2つの線分のなす角が90°であることを意味するものとする。即ち、2つの方向成分で構成されるX・Y平面にて、一方の操作方向を軸とした場合、他方の操作方向のベクトルの主成分が軸と垂直であることを意味するものとする。ただし、後述するように、多少の誤差範囲は許容されるものとする。
【0011】
本発明において、第二の操作部を操作するためにユーザーが触れる操作面の一部から該第二の操作部の操作方向側に延びる法線又は垂線と、第一の操作部を操作するためにユーザーが触れる操作面の一部から該第一の操作部の操作方向側に延びる法線又は垂線とが、互いに垂直をなす、あるいは互いの延出方向の方向成分に逆方向となる方向成分を有する形で交わるように、それら第一及び第二の操作部を配置することができる。この構成によると、第一の操作部と第二の操作部とがそれぞれ別に設けられ、さらにそれぞれにおいてユーザーが操作の際に触れる面が、互いに異なる向きを向いて配置されるため、双方の操作部における誤操作を確実に防止できる。特に、第二の操作部を操作するためにユーザーが触れる操作面の重心位置から該第二の操作部の操作方向側に延びる法線又は垂線と、第一の操作部を操作するためにユーザーが触れる操作面の重心位置から該第一の操作部の操作方向側に延びる法線又は垂線とが、互いに垂直をなす、あるいは互いの延出方向の方向成分に逆方向となる方向成分を有する形で交わるように、それら第一及び第二の操作部を配置することで、双方の操作部における誤操作をより確実に防止できる。
【0012】
具体的には、第二の操作部を操作するためにユーザーが触れる操作面の一部(例えば中心部や重心位置)重心位置から該第二の操作部の操作方向側に延びる法線又は垂線と、第一の操作部を操作するためにユーザーが触れる操作面の一部(例えば中心部や重心位置)から該第一の操作部の操作方向側に延びる法線又は垂線とが、互いに垂直をなすようになっていたり、互いに逆向きであったりすると、双方の操作部の違いをより明確に認識し易い。なお、本発明において、一方の操作方向と他方の操作方向とが互いに垂直をなす、あるいは逆向きであるとは、双方の操作方向の起点位置を一致させ、その起点位置からそれぞれの操作方向に延ばした2つの線分のなす角が90あるいは180°であることを意味する。即ち、2つの方向成分で構成されるX・Y平面にて、一方の操作方向を軸とした場合、他方の操作方向のベクトルの主成分が軸と垂直・逆方向であることを意味するものとする。ただし、垂直・逆向きの意味にはある程度の誤差が包含されており、ここでは、垂直に対しては90°±22.5°(さらに望ましくは90°±5°)、逆方向に対しては180°±45°(さらに望ましくは180°±10°)の誤差範囲を許容するものとする。
【0013】
本発明における第一の操作部及び第二の操作部は、ユーザーが操作する1つの操作本体部に対し設けることができる。1つの操作本体部上に操作部を配置するスペースは限られているが、双方の操作部を、上記のように操作方向や操作面の向きを変えてやることで、双方の操作部をより明確に認識することができ、双方の操作部における誤操作を確実に防止できる。
【0014】
本発明における操作本体部は、第一の操作部及び第二の操作部の各操作方向とは異なる方向に操作可能な操作体として構成することができる。これにより、少なくとも3種の操作が可能な車両用操作入力装置となる。この場合、操作体の操作をいずれかの制御を選択するための選択操作とし、第一の操作部の操作を、当該選択操作により選ばれた制御を実行するための肯定的操作とし、第二の操作部の操作を、当該制御の否定を含む形でなされる制御を実行するための否定的操作として定めることができる。
【0015】
本発明においては、表示手段と、表示手段の表示面上に、車室内における第一の操作部の操作方向を表示する第一の操作方向表示部と、同じく車室内における第二の操作部への操作方向を表示する第二の操作方向表示部とのいずれか又は双方を表示した操作方向表示画面を表示させる操作方向表示画面表示手段と、を備えて構成することができる。これにより、第一の操作部と第二の操作部の操作方向がそれぞれ画面に表示されるから、双方の操作部における誤操作をより確実に防止できる。
【0016】
本発明における操作方向表示画面表示手段は、操作方向表示画面内に表示される操作方向表示部を、対応する操作方向を指し示す方向指示画像(例えば矢印画像)として表示するものとできる。これにより、操作方向が画面上でより明確に示されるから、双方の操作部における誤操作をより確実に防止できる。
【0017】
本発明における操作方向表示画面表示手段は、操作方向表示画面内に、第一の操作部により操作入力されることで第一の制御が実行される第一の入力用画像を表示するとともに、第一の入力用画像を利用する形で第一の操作方向表示部を表示するものとできる。これにより、画面上に表示されるボタンアイコンのような入力用画像を利用して、当該入力用画像に対する操作入力を行うための操作部の操作方向を表示することができる。例えば、入力用画像の中心部に向かう形で、入力用画像に対し操作入力を行うための操作部の操作方向を示す操作方向表示部を表示することができる。
【0018】
本発明においては、操作方向表示画面内に第一の入力用画像が複数表示されるとともに、それら入力用画像から1つの入力用画像を選択するための選択操作が可能な第三の操作部を備えて構成できる。この場合、操作方向表示画面表示手段は、第三の操作部への選択操作によって選択中の入力用画像が新たな入力用画像に切り替わるに伴い、第一の操作方向表示部の表示位置を新たな入力用画像を指し示す位置に変更させるものとできる。50音文字、英字、数字、記号等の文字記号入力画面のように、複数の入力用画像が表示される場合には、その中の選択中の入力用画像を利用して操作方向表示部を表示することで、選択中の入力用画像に操作入力するための操作方向を容易に把握することができる。
【0019】
本発明における操作方向表示画面表示手段は、操作方向表示画面内に、第二の操作部により操作入力されることで、直前になされた第一の制御に対する第二の制御が実行される第二の入力用画像を、複数の第一の入力用画像と共に表示するとともに、第二の入力用画像を利用する形で第二の操作方向表示部を表示し、第三の操作部への選択操作によって第二の入力用画像が選択された場合には、第一の操作方向表示部と第二の操作方向表示部とを同時表示するものとできる。これにより、選択中の第二の入力用画像に対しては、第一の操作部と第二の操作部のどちらでも操作入力できることが容易に把握できる。
【0020】
なお、第三の操作部は、第一及び第二の操作部とは異なる操作部として、それら第一及び第二の操作部に対し独立に操作可能に設けることができる。これにより、第三の操作部を、第一及び第三の操作部と混同することがない。具体的にいえば、第三操作部は上述した操作本体部とすることができる。これにより、一つの操作部で第一〜第三の操作部の機能を果たすことができる。
【0021】
本発明における操作方向表示画面表示手段は、操作方向表示画面内に、第二の操作部により操作入力されることで、直前になされた第一の制御に対する第二の制御が実行される第二の入力用画像を表示するとともに、第二の入力用画像を利用する形で第二の操作方向表示部を表示するものとできる。これにより、画面上に表示されるボタンアイコンのような入力用画像を利用して、入力用の画像に対する操作入力を行うための操作部の操作方向を表示することができる。例えば、入力用画像の中心部に向かう形で、入力用画像に対し操作入力を行うための操作部の操作方向を示す操作方向表示部を表示することができる。
【0022】
本発明における入力用画像は、予め定められた操作部に対し1対1で対応して表示されるものとすることができ、対応する操作部の立体形状を連想させる操作部画像として表示させることができる。これにより、実際の操作部と表示中の入力用画像との対応関係が明確になり、誤操作が生じ難くなる。
【0023】
本発明における操作方向表示画面表示手段は、操作方向表示画面内に、第一の制御の制御内容が推定又は認識可能となる第一の制御内容画像を表示するとともに、第一の制御内容画像を利用する形で第一の操作方向表示部を表示するものとできる。これにより、自身が望む制御内容を実行するための操作部の操作方向が明確に表示されるので、誤操作が生じ難くなる。
【0024】
本発明における操作方向表示画面表示手段は、操作方向表示画面内に、第二の制御の制御内容が推定又は認識可能となる第二の制御内容画像を表示するとともに(制御内容画像表示手段)、第二の制御内容画像を利用する形で第二の操作方向表示部を表示するものとできる。これにより、自身が望む制御内容を実行するための操作部の操作方向が明確に表示されるので、誤操作が生じ難くなる。
【0025】
本発明において、制御内容には、操作方向表示画面内の主表示を、第一の表示画像から第二の表示画像に切り替える主表示切替制御が含まれており、主表示切替制御の制御内容画像は、操作方向表示画面内において主表示される第一の表示画像と、少なくとも第二の表示画像に対応する表示画像の一部又は全体との双方であり、主表示切替制御に対応する操作方向表示部は、当該主表示切替制御を実行するための操作部の操作方向を指し示す方向指示画像が、第一の表示画像から、第二の表示画像に対応する表示画像を指し示す形で表示されるものとできる。これにより、どの表示からどの表示に表示内容を切り替えるのか、そのためにはどの操作方向に操作部を操作するのかが明確に表示されるので、誤操作が生じ難くなる。
【0026】
本発明における操作方向表示画面表示手段は、操作方向表示画面内に、操作部に対応する操作部対応画像を表示するとともに、当該操作部対応画像を利用する形で、対応する操作方向表示部を表示するものとできる。この場合、画面上には、第一の操作部又は第二の操作部のいずれかに対応すると分かる操作部画像が表示され、その操作部画像を利用して、対応する操作部の操作方向が表示されるから、誤操作が生じ難くなる。
【0027】
本発明における操作部対応画像は、対応する操作部の立体形状を連想させる操作部画像として表示されるものとできる。これにより、実際の操作部と表示中の操作部対応画像との対応関係が明確になり、誤操作が生じ難くなる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態である車両用操作入力装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明における第一の操作部と第二の操作部の操作方向の関係を説明する図。
【図3】本発明の第一実施形態をなす操作デバイスを示す外観図及びその断面図。
【図4】本発明における画面表示例を示す図。
【図5】本発明の第二実施形態をなす操作デバイスを示す外観図及びその断面図。
【図6】本発明の第三実施形態をなす操作デバイスを示す外観図及びその断面図。
【図7】本発明の第四実施形態をなす操作デバイスを示す外観図及びその断面図。
【図8】本発明の第五実施形態をなす操作デバイスを示す外観図及びその断面図。
【図9】本発明の第六実施形態をなす操作デバイスを示す外観図及びその断面図。
【図10】本発明における第一の操作部と第二の操作部として適用可能な操作部を例示した図。
【図11】操作本体部が第一の操作部とされ、その周辺に配置された操作部が第二操作部とされた実施形態を説明する図。
【図12】本発明の操作デバイスとしてタッチパッドを用いる場合の操作方向を説明する図。
【図13】図4とは異なる本発明における画面表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の操作装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態である車両用操作入力装置の構成を概略的に示すブロック図である。図1における車両用操作入力装置1は、制御部10に対し表示器(表示手段)3と操作デバイス2とが接続した構成を有する。
【0031】
表示器3は、例えば周知の液晶表示装置等を用いることができ、制御部10から出力される表示情報(表示制御信号)に基づいて表示器3の表示面30上に画面表示を行う。この表示器3は、表示面30上にx軸方向とこれに直交するy軸方向とを定めた表示座標系が設定され、その表示座標系上に、入力用の複数の選択領域を配置する形で、表示面30上にボタン画像(入力用画像)を表示することが可能である。
【0032】
操作デバイス2は、対をなす操作部2A,2Bとして、予め定められた第一の制御を実行するための第一の操作部2Aと、先の制御の否定を含む形でなされる第二の制御を実行するための第二の操作部2Bとをそれぞれ別位置に備える。それら第一の操作部2Aと第二の操作部2Bの操作に基づく操作情報は制御部2に入力され、制御部10は、入力された操作情報(操作入力信号)に基づいて対応する制御を実行する。なお、上記した第一の操作部2Aは、第一の制御を実行するための決定入力を行うための操作部であり、例えばエンター操作が可能なエンター操作部である。他方、第二の操作部2Bは、第一の制御の実行を否定する制御や、実行中の第一の制御を停止・解除・無効化する制御、第一の制御が実行される直前の制御状態に戻す制御、第一の制御を逆行させる制御等を含む第二の制御を実行するための操作部であり、例えばキャンセル操作が可能なキャンセル操作部である。特に本実施形態における第二の操作部2Bは、操作入力されることにより第一の制御の実行を否定する制御と共に別の制御が実行される。
【0033】
図3(a)は、操作デバイスの外観を概略的に示した図であり、図3(b)は、図3(a)のa−a断面を概略的に示した断面図である。操作デバイス2においては、第二の操作部2Bの操作方向Bが、第一の操作部2Aの操作方向Aに対し垂直をなす、あるいは第一の操作部2Aの操作方向Aとは逆方向の方向成分を有するように、それら第一及び第二の操作部2A,2Bが配置される。例えば、図2に示すように、第一の操作部2Aの操作方向Aに対し垂直をなす方向B(B1)や、第一の操作部2Aの操作方向Aに対する逆方向B(B2)、さらには、第一の操作部2Aの操作方向Aに対し逆方向の方向成分bを有する方向B(B3)とすることができる。第一の操作部2Aと第二の操作部2Bとがそれぞれ別位置に設けられることにより、意図しない側の操作部を誤って操作してしまう可能性が大きく減じられるとともに、それら第一の操作部2Aと第二の操作部2Bの操作方向A,Bが互いに異なることにより、意図しない側の操作部を誤って操作してしまう可能性がほとんど無くなる。
【0034】
さらに、ここでの操作デバイス2は、操作方向A,Bだけではなく、第二の操作部2Bを操作するためにユーザーが触れる操作面2bの一部(中心部や重心位置)から該第二の操作部2Bの操作方向B側に延びる法線又は垂線と、第一の操作部2Aを操作するためにユーザーが触れる操作面の一部(中心部や重心位置)から該第一の操作部2Aの操作方向A側に延びる法線又は垂線とが、互いに垂直をなす、あるいは互いの延出方向の方向成分に逆方向となる方向成分を有する形で交わるように、それら第一及び第二の操作部2A,2Bが配置されている。これにより、意図しない側の操作部を誤って操作してしまう可能性がより一層無くなる。
【0035】
図1の操作デバイス2では、第一の操作部2Aへの操作入力を検出する第一の操作検出部20Aと、第二の操作部2Bへの操作入力を検出する第二の操作検出部20Bとがそれぞれ設けられ、それら操作検出部20A,20Bが制御部10に接続する。また、操作デバイス2は、第一及び第二の操作部2A,2Bとは異なる操作部2Cとして、それら第一及び第二の操作部2A,2Bに対し独立に操作可能設けられた第三の操作部2Cを備え、その操作入力を検出する第三の操作検出部20Cが制御部10に接続されており、これら操作検出部20A〜20Cが検出した検出情報が操作情報として制御部10に入力される。操作検出部20A〜20Cには周知のものを利用することができ、例えば、ゴム接点や金属接点、タクトスイッチの他にも、光学式、磁気式のセンサや、感圧センサ、静電センサ等を用いることができる。
【0036】
本実施形態における第三の操作部2Cは、表示面30上に設定される指示位置Pを、その操作量に応じて移動させるポインティングデバイス(指示位置移動操作手段)として構成され、操作部2Cの表面上に、押圧操作部(プッシュスイッチ)をなす第一の操作部2Aと第二の操作部2Bとが設けられている。ここでは、第三の操作部2Cの上面2C1に第一の操作部2Aの操作面2aが露出する形で配置され、第三の操作部2Cの側面(ここでは車両右側の側面)2C2に第二の操作部2Bの操作面2bが露出する形で配置されており、双方の操作面2a,2bの中央部に位置する重心位置からそれぞれの押圧操作方向側に延びる垂線が互いに直交する。
【0037】
また、本実施形態における第三の操作部2Cは、操作デバイス2の操作本体部9として構成されており、ここではジョイスティック型操作部として構成される。スティック状の第三の操作部2Cは、その先端部200がL字状に屈曲した形状を有する一方で、その逆側には収納部(ケース)204に差し込まれる操作軸部201が設けられる。収納部204内には、操作軸部201に形成された球面部202が配置されており、収納部204内に固定されている球面受け部(ホルダ)203の球面状の外表面にてこれを摺動可能に支持することにより、操作軸部201が収納部204に対して揺動自在に支承されている。即ち、第三の操作部2Cは二次元の操作自由度を有し、二次元の所定可動範囲内で揺動自在に動かすことができる。
【0038】
このジョイスティック型の操作本体部9(2C)は、非操作時において自身の操作軸線Zが中立角度位置に保持されるとともに、操作時においては表示器3の表示面30上にて位置指示すべき方向に対応する方向に該操作軸線Zが中立角度位置から傾斜するよう、中立角度位置への操作反力(復帰力)に抗して操作される。ここでは、操作面2aのから延びる上記垂線の延出方向が、操作軸線Zの延出方向と一致している。
【0039】
第三の操作部2Cは、その先端部200の上面2C1に第一の操作部2Aを配置するための第一の開口部200aが設けられ、操作軸部201の側面2C2には第二の操作部2Bを配置するための第二の開口部200bが設けられている。第三の操作部2Cは内部が中空に設けられ、その内部空間200rにサブ基板200sが設けられている。サブ基板200sの主表面又は主裏面上には、操作検出部20A,20Bが、対応する操作部2A,2Bの操作が検出可能となる位置にて固定されている。ここでは、第三の操作部2Cの車両左側内壁面に固定されたサブ基板200sの主表面上端部側に操作検出部20Aが、主表面下端部側に操作検出部20Bが固定されるとともに、これら操作検出部20A,20Bの検出情報を外部出力するためのコネクタ200uが固定される。コネクタ200uにはハーネス200hの一端が接続されており、他端はメイン基板200tに固定されたコネクタ200cに接続され、メイン基板200tを介して制御部10に接続する。メイン基板200tは、その主表面が操作部2Cの非操作時における操作軸線Zに対し直交するように配置されるとともに、その主表面上には当該操作軸線Zを中心とするの十字状4方向側にそれぞれ第三の操作検出部20Cが配置され、メイン基板200tを介して制御部10と接続している。制御部10は、二次元の操作自由度を有して揺動操作(傾倒操作)された場合に、それら4つの検出部20Cの検出結果に基づいて、当該操作における操作方向及び操作量を算出する。
【0040】
制御部10は、図示しないCPU,ROM,RAM等を有した周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROMや外部記憶装置7等の所定記憶部に記憶されたプログラムをCPUが実行する形で、各種の制御を実施する。また、通信手段4を介して、他の車載機器5(51,52,・・・)の制御部とデータの授受が可能であるし、それら他の制御部の制御対象を駆動制御するための制御信号を送信して、該制御対象を駆動制御する等、各車載機器5の機器機能を使用することもできる。
【0041】
制御部10は、例えば、基板200tを介して操作デバイス2の操作検出部20A〜20Cから受信する操作情報に基づいて、通信手段4を介して接続されているナビゲーション装置や、車両空調装置、カーオーディオなどの車載機器5に、対応する制御を実行させる機器制御手段として機能することができる。また、操作デバイス2から受信する操作情報に基づいて、表示器3の表示面30に、対応する画面を表示させる表示制御手段としてことも機能することができる。
【0042】
本実施形態の制御部10は、表示器3の表示面30上に、車室内における第一の操作部2Aの操作方向Aと第二の操作部2Bの操作方向Bとのいずれか又は双方を表示した操作方向表示画面300を表示させる操作方向表示画面表示手段として機能する。ここでの操作方向表示画面300には、少なくとも第一の操作部2Aの操作方向Aを表示する第一の操作方向表示部30Aと、第二の操作部2Bの操作方向Bを表示する第二の操作方向表示部30Bとのいずれか又は双方が表示され(操作方向表示手段)、それぞれが車室内のある方向を指し示す方向指示画像(矢印画像等)として表示されている。具体的には、以下のような画面表示を例示することができる。
【0043】
図4(a)は、操作方向表示画面300として、第一の操作部2Aと第二の操作部2Bに対応する操作部対応画像31A,31Bが表示されるとともに、それら操作部対応画像31A,31Bを利用する形で、第一の操作部2Aと第二の操作部2Bに対応する操作方向表示部30A,30Bが、互いの指示方向が直交する向きとなる形で表示された画面である。ここでの操作方向表示部30A,30Bは、対応する操作部2A,2Bの車室内における操作方向A,Bを指し示すとともに、その指し示す先に、対応する操作部対応画像31A,31Bの中心部が位置するように表現される。また、操作部対応画像31A,31Bは、四角形状の主画像31A0,31B0と、それら主画像31A0,31B0の隣接方向側のうち、対応する操作部2A,2Bにおいて操作面2a,2bが設けられる側となる隣接方向側に表示される棒状の操作面位置表示画像31A1,31B1と、を有しており、操作方向表示部30A,30Bは、対応する操作部対応画像31A,31Bの主画像31A0,31B0の中心部に向かう向きに、操作面位置表示画像31A1,31B1を外側から指し示す方向指示画像である。
【0044】
図4(b)は、操作方向表示画面300として、第一の操作部2Aにより操作入力されることで第一の制御が実行される第一の入力用画像32Aを表示させるとともに、第一の入力用画像32Aを利用する形で第一の操作方向表示部30Aを表示させた画面である。さらにいえば、操作方向表示画面300内には、第一の入力用画像32Aが複数表示され、それら複数の入力用画像32Aから1つの入力用画像32Aを選択するための選択操作が、第三の操作部2Cにより可能とされている。即ち、制御部10は、第三の操作部2Cへの選択操作に基づいて、選択中の入力用画像32Aを新たな別の入力用画像32A(例えば選択中の入力用画像32Aに隣接する選択可能な入力用画像32A)に切り替える選択中入力用画像切替手段として機能し、さらに、この切り替わりに伴い第一の操作方向表示部30Aの表示位置を、新たに選択中となった入力用画像32Aを指し示す位置に変更させる操作方向表示部移動手段として機能する。このとき、第一の操作方向表示部30Aは、選択中の入力用画像32Aを指し示すカーソルとしての機能を果たしている。
【0045】
さらに図4(b)の操作方向表示画面300内には、第二の操作部2Bにより操作入力されることで、直前になされた第一の制御に対する第二の制御が実行される第二の入力用画像32Bが、複数の第一の入力用画像32Aと共に表示されるとともに、第二の操作方向表示部30Bは、その指示方向が第一の操作方向表示部30Aの指示方向と直交し、なおかつ第二の入力用画像32Bを利用する形で表示される。
【0046】
なお、図4(b)における入力用画像32A,32Bは、図4(a)の操作部対応画像31A,31Bと同様、主画像32A0,32B0と操作面位置表示画像32A1,32B1とを有して表現されており、図4(b)における操作方向表示部30A,30Bは、図4(a)の操作方向表示部30A,30Bと同様に表現されており、第二の操作方向表示部30Bは、選択中の入力用画像32Bを指し示すカーソルとしての機能を果たしている。また、ここでは、第三の操作部2Cへの選択操作による第二の入力用画像32Bの選択が不可に設定されている。
【0047】
図4(c)は、操作方向表示画面300として、第一の制御の制御内容が推定又は認識可能となる第一の制御内容画像33Aを表示させるとともに、第一の制御内容画像33Aを利用する形で第一の操作方向表示部30Aを表示させた画面である。ここでの第一の制御とは、操作方向表示画面300内の主表示を、第一の表示画像33Xから第二の表示画像33Yに切り替える主表示切替制御であり、制御部10によって実行される。
【0048】
図4(c)の操作方向表示画面300内には、当該主表示切替制御に対応する第一の制御内容画像33Aとして、操作方向表示画面300内において主表示される第一の表示画像33Xと、少なくとも上記第二の表示画像33Y(図示なし)に対応する画像33yとの双方を有した画像が表示される。一方、当該主表示切替制御に対応する操作方向表示部30Aとして、当該主表示切替制御を実行するための第一の操作部2Aの操作方向Aを指し示す方向指示画像が、上記第一の表示画像33Xから、上記第二の表示画像33Yに対応する画像33yを指し示す形で表示される。
【0049】
ここでの第一の制御は、階層構造を有して階層順に切替表示可能な表示画像群に属する現在表示中の第一の表示画像33Xを、その下位階層の第二の表示画像33Yに切り替える制御であり、第一の制御内容画像33Aは、主表示される第一の表示画像33Xに対する下位階層の表示画像33Bが存在することを示し、かつこれを表示可能であることを示す画像である。図4(c)における第一の制御内容画像33Aは、現在の操作方向表示画面300内において主として表示されている第一の表示画像33Xに対し、その後方に並ぶ形で、下位階層となる第二の表示画像33Yに対応する画像33yが表現されている。
【0050】
なお、第二の表示画像33Yに対応する画像33yは、第二の表示画像33Yそのものである必要はなく、第一の表示画像33Xの下位階層の表示画像であることが推定又は認識される画像であればよい。また、図4(c)において、主として表示される表示画像とは、その表示面積が他の階層の表示画像と比べて最も大きい表示画像のことをいう。
【0051】
さらに図4(c)の操作方向表示画面300内には、上記第一の制御の否定を含む形でなされる第二の制御の制御内容が推定又は認識可能となる第二の制御内容画像33Bが表示されるとともに、第二の制御内容画像33Bを利用する形で、第二の操作方向表示部30Bが、第一の操作方向表示部30Aとは逆向きとなる形で表示されている。
【0052】
また、ここでの第二の制御とは、階層構造を有して階層順に切替表示可能な表示画像群に属する現在表示中の第一の表示画像33Xを、上記第二の表示画像33Yの階層側とは逆の上位階層に切り替える制御であり、第二の制御内容画像33Bは、主表示される第一の表示画像33Xに対し上位階層の表示画像33Zが存在することを示し、かつそれを表示可能であることを示す画像である。図4(c)においては、第一の表示画像33Xの後方に下位階層に対応する画像33yが並ぶ表示とは別に、最上位階層の表示画像を表示可能であることを示す画像が表示されており、これが第二の制御内容画像33Bとされている。さらにいえば、図4(c)においては、現在主表示されている第一の表示画像33Xが最上位階層の表示画像ではないことを示す補助画像33Cが、第二の制御内容画像33Bに近接して表示されている。現在主表示されている第一の表示画像33Xが最上位階層の表示画像である場合には、この補助画像によってそれを把握できる。ただし、この場合、第二の操作方向表示部30Bは非表示となる。
【0053】
図4(d)は、操作方向表示画面300として、第一の操作部2Aにより操作入力されることで第一の制御が実行される複数の第一の入力用画像34Aを配列表示されるとともに、第一の入力用画像34Aを利用する形で第一の操作方向表示部30Aを表示された画面であり、第三の操作部2Cによりそれら複数の入力用画像34Aから1つの入力用画像34Aを選択するための選択操作が可能とされている。
【0054】
図4(d)の操作方向表示画面300は文字記号入力画面であり、当該画面内には、各種文字記号が1対1で対応付けられた入力用画像34Aが複数配列表示された入力候補文字記号部34Xと、それら入力用画像34Aに基づいて入力された文字記号が順次表示される入力文字記号列表示部34Yとを有する。制御部10は、第三の操作部2Cへの選択操作に基づいて、選択中の入力用画像34Aを新たな別の入力用画像34A(例えば選択中の入力用画像34Aに隣接する選択可能な入力用画像34A)に切り替える選択中入力用画像切替手段として機能する。さらに、この切り替わりに伴い第一の操作方向表示部30Aの表示位置を、新たに選択中となった入力用画像34Aを指し示す位置に変更させる操作方向表示部移動手段として機能する。ここでは選択中の入力用画像34Aを示すためにカーソル34Cも表示される。さらに、制御部10は、入力用画像34Aのいずれかが選択された状態で第一の操作部2Aの操作がなされた場合に、選択状態にあった入力用画像34Aに対応する文字記号の入力を受け付ける入力受付手段として機能するとともに、入力文字記号列表示部34Y内において、プロンプトが表示されている位置に、既に入力された文字記号列の次に続く形で、受け付けた文字記号を表示させ、プロンプトはその表した文字の右側に移動されるような表示を表示器3に行わせる。
【0055】
即ち、ここでの第一の制御は、選択状態にあった入力用画像34Aに対応する文字記号の入力を受け付ける制御であり、第一の入力用画像34Aは、対応する文字記号が表示された各入力用画像34Aであり、各々が制御内容画像としての役割も果たしている。第一の操作方向表示部30Aは、第一の操作部2Aの操作方向Aを指し示すとともに、ここでは、入力候補文字記号部34Xの中の1つの入力用画像34A内にて、その中心部を指し示す方向指示画像である。
【0056】
さらに図4(d)の操作方向表示画面300内には、第二の操作部2Bにより操作入力されることで直前になされた第一の制御に対する第二の制御の制御内容が推定又は認識可能となる制御内容画像が実行される第二の制御内容画像34Bが、複数の第一の入力用画像34Aと共に表示されるとともに、第二の操作方向表示部30Bは、その指示方向が第一の操作方向表示部30Aの指示方向と直交し、なおかつ第二の制御内容画像34Bを利用する形で表示される。
【0057】
即ち、ここでの第二の制御は、直前に受け付けられた文字記号の消去を受け付ける制御であり、第二の制御内容画像34Bは、入力文字記号列表示部34Yにおいて表示されるプロンプト34B0と、プロンプト34B0に近接して文字記号消去を連想させる画像(ここでは消しゴム画像)34B1と、プロンプト34B0に近接して文字記号消去を連想させる文字記号列(ここでは文字列「clear」)34B2とを有する。なお、画像34B1と文字記号列34B2とはいずれか一方のみであってもよい。第二の操作方向表示部30Bは、プロンプト34B0上で第二の操作部2Bの操作方向Bを指し示すとともに、ここでは、プロンプト34B0の現在位置側から直前に受け付けられた文字記号側に向かう方向を指し示す方向指示画像である。
【0058】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。以下、上記実施形態とは異なる実施形態について説明する。
【0059】
上記実施形態においては、第二の操作部2Bを操作するためにユーザーが触れる操作面2bの一部から該第二の操作部2Bの操作方向B側に延びる法線又は垂線と、第一の操作部2Aを操作するためにユーザーが触れる操作面2aの一部から該第一の操作部2Aの操作方向A側に延びる法線又は垂線とが、互いに直交する形で、それぞれの操作部2A,2Bが設けられているが、第二の操作部2Bの操作面2bの一部から該第二の操作部2Bの操作方向B側に延びる法線又は垂線と、第一の操作部2Aの操作面2aの一部から該第一の操作部2Aの操作方向A側に延びる法線又は垂線とが、互いに逆向きになるように配置してもよいし、さらには、同一直線上にて互いが逆向きになるように配置してもよい。
【0060】
図5の操作デバイス2は、第二の操作部2Bの操作面2bの中央部にある重心位置から該第二の操作部2Bの操作方向B側に延びる垂線と、第一の操作部2Aの操作面2aの中央部にある重心位置から該第一の操作部2Aの操作方向A側に延びる垂線とが、互いに逆向きになるように、第一及び第二の操作部2A,2Bがジョイスティック型の操作本体部2C上に配置された実施形態である。
【0061】
図5(a)は、その操作デバイスの外観を概略的に示した図であり、図5(b)は、図5(a)のb−b断面を概略的に示した断面図であり、図5の(c)は、操作本体部を手で把持した状態を示す図である。操作本体部2C(9)は、上記実施形態と同様の二次元の操作自由度を有するスティック状の操作部として構成されるが、第一の操作部2Aが、操作本体部2C(9)を把持した手Hの親指で操作し易くなるように配置されている。即ち、第一の操作部2Aは、ジョイスティック型操作部2C(9)の上面2C1における、把持した手Hの手首側の面2C3が傾斜面とされ、その傾斜面2C3上に設けられた開口部200aに設けられている。他方、第二の操作部2Bは、ジョイスティック型の操作部2C(9)において、第一の操作部2Aと向き合う位置に配置されている。ここでは、L字状に突出した本体操作部2C(9)の先端部側下面2C4が、傾斜面2C3と平行をなす傾斜面を有し、その傾斜面2C4上に設けられた開口部200bに、第二の操作部2Bが設けられている。操作本体部2C(9)の内部は中空をなし、その内部空間200rにサブ基板200sが設けられている。サブ基板200sは、その主表面及び主裏面が第一の操作部2Aと第二の操作部2Bの操作方向A,Bに対し直交する形で配置され、主裏面に操作検出部20Aが、主表面上に操作検出部20Bとコネクタ200cが固定されている。他の内部構造は、図3の操作デバイス2と同様である。
【0062】
図6の操作デバイス2は、第二の操作部2Bの操作面2bの中央部にある重心位置から該第二の操作部2Bの操作方向B側に延びる垂線と、第一の操作部2Aの操作面2aの中央部にある重心位置から該第一の操作部2Aの操作方向A側に延びる垂線とが、互いに逆向きになるように、第一及び第二の操作部2A,2Bがコマンダタイプの本体操作部2C上に配置された実施形態である。
【0063】
図6(a)は、その操作デバイス2の外観を概略的に示した図であり、図6(b)は、図6(a)のc−c断面を概略的に示した断面図である。操作本体部2C(9)は、上記実施形態と同様の二次元の操作自由度を有し、所定の二次元平面上を平行移動可能なコマンダタイプの操作本体部2C(9)を有して構成され、その左右両側面のうちの一方の側面には第一の操作部2Aを配置するための第一の開口部200aが設けられ、他方の側面には第二の操作部2Bを配置するための第二の開口部200bが配置されており、それら開口部200a,200bに対し第一及び第二の操作部2A、2Bが各々の操作方向A,B側に向き合う形で対称をなして配置されている。具体的にいえば、それぞれの操作方向A,Bが操作本体部2Cの内側に向かう形で互いに逆向きをなすとともに、それぞれの操作面2a,2bの重心位置からそれぞれの操作方向A,B側に延びる垂線(又は法線)が直線的に重なっている。
【0064】
さらに、ここでは操作本体部2Cの長手方向前端側にスクロール操作が可能なスクロールホイール(回転操作部)が第四の操作部2Dとして設けられており、このスクロールホイール2Dは、回転操作のみならず、下方への押圧操作も可能に構成されており、操作部本体2Cの内部には、当該押圧操作の有無を検出する第四の操作検出部20Dが設けられている。
【0065】
操作本体部2C(9)は、操作筐体(ケース)204上に設けられた凹部204a内に先端部205が位置し、その下端側に延出する操作軸部201が操作筐体(ケース)204内に差し込まれる。操作筐体204内には、操作軸部201に形成された平面摺動部207が配置されており、操作筐体204内に固定されているホルダ208の平面状の上面にてこれを摺動可能に支持することにより、操作軸部20が収納部204に対して平行移動可能に支持されている。また、操作本体部2C(9)の内部200r0は中空をなし、その内部空間200rにはサブ基板200sが設けられている。サブ基板200sには、操作検出部20A,20B,20Dとコネクタ200cが固定されている。コネクタ200cにはハーネス200hの一端が接続され、他端がメイン基板200t上に固定されたコネクタ200cに接続される。メイン基板200t上には、ホルダ208が固定されるとともに、ホルダ208の内側に、操作本体部2C(9)の操作方向及び操作量を検出するための第四の操作検出部20Dが固定されている。
【0066】
図6の実施形態においては、第四の操作部2Dを、上記押圧操作によって予め定められた第一の制御を実行するための操作部とすることができる。この場合、第四の操作部2Dの回転操作方向D2は当該押圧操作の操作方向D1と垂直をなすといえるので、第四の操作部2Dを、上記回転操作によって第一の制御の否定を含む形でなされる第二の制御を実行するための操作部としてもよい。また、図6の第一の操作部2A及び第二の操作部2Bの各操作方向A,Bは、操作方向Dに対し垂直をなすので、第一の操作部2A及び第二の操作部2Bのいずれか又は双方を、第一の制御の否定を含む形でなされる第二の制御を実行するための操作部としてもよいし、逆に、第一の操作部2A及び第二の操作部2Bのいずれか又は双方を予め定められた第一の制御を実行するための操作部とし、第四の操作部2Dを、上記押圧操作によって第一の制御の否定を含む形でなされる第二の制御を実行するための操作部としてもよい。
【0067】
図7の操作デバイス2は、図6と同様のコマンダタイプの本体操作部2Cを有した実施形態であり、本体操作部2C上に設けられる第一及び第二の操作部2A,2Bの操作方向A,Bが互いに逆向きになる点においては同様であるが、操作方向A,Bが本体操作部2Cの外側に向かっている点で異なる。図6(a)は、その操作デバイス2の外観を概略的に示した図であり、図6(b)は、図6(a)のd−d断面を概略的に示した断面図である。この実施形態においては、本体操作部2Cの操作体215の中央部に上方に開口する凹部215hが形成されており、その凹部215hの内壁面のうち、本体操作部2Cの長手方向において対面する内壁面に、第一及び第二の操作部2A,2Bがそれぞれ配置され、互いの操作面2a,2bが凹部215h内で対面した状態となっている。また、図6の実施形態とは、スクロールホイール2Dが無い点でも異なるが、これを設けてもよい。
【0068】
図8の操作デバイス2は、回転操作部の回転操作方向と押圧操作部の押圧操作方向とが直交しており、一方が予め定められた第一の制御を実行するための操作部、他方が第一の制御の否定を含む形でなされる第二の制御を実行するための操作部とした実施形態を例示している。
【0069】
図8(a)は、その操作デバイス2の外観を概略的に示した図であり、図6(b)は、図8(a)のe−e断面を概略的に示した断面図である。操作デバイス2は、予め定められた回転軸線Z周りの回転操作が可能に設けられた筒状の回転操作部(ここではダイアル操作部)2EFGと、当該回転軸線Zの延出方向(回転軸線方向)に押圧操作可能な押圧操作部2Aとを備えて構成される。筒状の回転操作部2EFGは、筒状壁部209の上端側が外向きに折り返されて下方に延出し、その外表面2efgがユーザーが回転操作時に触れる(つかむ)操作面とされる一方、筒状壁部209の下端側が収納部(ケース)204に差し込まれ、回転ガイド部211によって筒状壁部209が内外から挟まれる形で回転可能に保持される。また、回転ガイド部211の下端側には球面部202が形成されており、収納部204内に固定されている球面受け部(ホルダ)203の球面状の外表面にてこれを摺動可能に支持することにより、回転ガイド部211ごと回転操作部2EFGが、操作軸部201が収納部204に対して揺動自在に支承されている。即ち、回転操作部2Cは、回転軸線Z周りの回転操作だけでなく、上記したジョイスティック型の操作本体部9(2C)と同様、二次元の操作自由度を有する揺動操作も可能とされている。押圧操作部2Aは、筒状の操作部2EFGの内側(回転ガイド部211の内側)に配置され、円形の上面2aを操作面として有する円筒状部材であり、回転ガイド部211の内周面にガイドされる形で上下動可能に保持されている。
【0070】
収納部204内には基板200tが固定されており、その基板200t上には、押圧操作部2Aの押圧操作を検出する押圧操作検出部20Aと、回転操作部2EFGの筒状壁部209下端面に形成された周方向に連続する凹凸209b,209aを利用して回転操作部2EFGの回転方向と回転操作量を検出する回転操作検出部20Eと、回転操作部2EFGの揺動方向と揺動変位を検出する揺動操作検出部20Fとが設けられており、これらの操作検出部20A,20E,20Fが基板200tを介して制御部10に接続する。回転操作検出部20Eは、例えば発光部と受光部とを有した周知の光学式センサとすることができ、筒状壁部209が回転した場合に発光部の光が凹部を透過し、凸部に遮断されるよう、発光部と受光部と筒状壁部209の下端部の内外に配置し、受光部の受光状態の切り替わりを検出する。
【0071】
図8の実施形態においては、押圧操作部2Aが予め定められた第一の制御を実行するための第一の操作部2Aとされ、回転操作部2EFGが回転操作により第一の制御の否定を含む形でなされる第二の制御を実行するための第二の操作部2Bとされている。なお、上記第二の制御は、回転操作部2EFGの揺動操作により実行されるようにしてもよいし、回転操作と揺動操作の双方で実行されるようにしてもよい。また、回転操作と揺動操作のいずれか一方を、上記した選択操作としてもよい。
【0072】
なお、図8の実施形態においては、操作検出部20Gにより、回転操作部2EFGを、押圧操作部20Aの操作方向Aとは逆向きの引き上げる操作を検出可能としてもよい。この場合の操作検出部20Gは、例えば発光部と受光部とを有した周知の光学式センサとすることができ、基板200t上に設けられた発光部の光を、筒状壁部209において回転しても高さの変わらない位置に設けられた下方を向く反射面2Gに反射させ、その反射光を基板200t上に設けられた受光部が検出するように配置する。受光部は、光の強度に応じた検出信号を出力し、制御部は、その検出信号から得られる光の強度が所定レベルを下回ったときに、上記引き上げる操作がなされたと判定できる。この場合、回転操作部2EFGの引き上げ操作の操作方向は、押圧操作部2Aの押圧操作方向Aとは逆向きをなし、回転操作部Eの回転操作方向や揺動操作方向Fに対し垂直をなす。回転操作部Eが回転操作や揺動操作によって第二の制御を実行するための第二の操作部2Bとして機能するのであれば、回転操作部2EFGは引き上げ操作によってその第二の制御に対応する第一の制御を実行するための第一の操作部としてみることができる。逆に、回転操作部Eが回転操作や揺動操作によって第一の制御を実行するための第一の操作部として機能する場合は、回転操作部2EFGは引き上げ操作によってその第一の制御に対応する第二の制御を実行するための第二の操作部としてみることができる。
【0073】
図9の操作デバイス2は、車両のステアリングホイールSHを操作本体部9として構成されている。図9(a)は、その操作デバイス2を表面側から見た時の外観を概略的に示した図であり、図9(b)は、図9(a)の操作デバイス2を裏面側から見た時の外観を概略的に示した図であり、図9(b)は、図9(a)及び図9(b)のf−f断面を概略的に示した断面図である。ステアリングホイールSHの表面2ga側(運転者側)には、予め定められた第一の制御を実行するための第一の操作部(ここでは押圧操作部)2Aが配置され、ステアリングホイールSHの裏面2gb側(運転者とは逆側)には、第一の制御の否定を含む形でなされる第二の制御を実行するための第二の操作部(ここでは押圧操作部)2Bが配置されている。ステアリングホイールSHは、運転者が運転操作時に把持するリング部(環状の把持部)221と、中央のボス部222と、これらを結合するスポーク部223とから構成されている。ボス部222には、ホーン機構やエアバック機構が組み込まれ、中央領域がエアバックの収納部とされるとともに、表面がホーンボタンとして構成されている。このため、操作部2A及び2Bは、スポーク部223又はボス部222のスポーク部223側に設けられている。その内部空間200rにはサブ基板200sが配置されており、サブ基板200sには、主表面上に操作部2Aの操作検出部20Aが、主裏面上に操作部2Bの操作検出部20Bが固定され、さらに、これら操作検出部20A,20Bの検出情報を外部出力するためのコネクタ200uが固定されている。コネクタ200uにはハーネス200hの一端が接続されており、他端は図示しないメイン基板を介して制御部10に接続している。
【0074】
ところで、上記実施形態においては、予め定められた第一の制御を実行するための第一の操作部2Aや第一の制御の否定を含む形でなされる第二の制御を実行するための第二の操作部2Bとして、図10(a)に示すようなプッシュスイッチ(押下操作)が設けられているが、それ以外にも、図10(a)に示すようなスクロールホイール(回転操作+押下操作)、図10(c)に示すようなトラックボール(回転操作+押下操作)、図10(d)に示すようなタッチパネルやタッチパッド(押下操作(タッチ操作)+なぞり操作(スライド操作))が設けられていてもよい。なお、図10に示す各操作部の操作方向は図中の矢印にて示している。
【0075】
なお、図10(d)に示すタッチパッドは、タッチ面全面における静電容量の分布を検出し、その分布中心をタッチ位置として検出する周知の静電式タッチパッド等を利用することができ、図11(b)に示すように、非接触状態から接触状態とする形で押下操作することも可能であるが、それだけでなく、接触状態のままパッド面に沿ってスライドさせるスライド操作も可能である。このため、このスライド操作を予め定められた第一の制御を実行するための操作、あるいは第一の制御の否定を含む形でなされる第二の制御を実行するための操作としてもよい。これにより、スライド操作の操作方向が第一の操作部2Aの操作方向に対して直交する、あるいは逆方向の方向成分を有する予め定められた操作方向にスライド操作した場合に、上記第二の制御が実行されるようにすることもできる。
【0076】
ところで、図4においては、予め定められた第一の制御を実行するための操作方向Aと、第一の制御の否定を含む形でなされる第二の制御を実行するための操作方向Bとが直交する場合の操作方向表示画面300の表示例を例示した。図12では、上記操作方向Aと上記操作方向Bとが互いに逆向きとなっているときの操作方向表示画面300の表示例を例示する。なお、本発明においては、上記操作方向Aと上記操作方向Bとが真逆を向く場合に限られず、少なくとも上記操作方向Aに対し上記操作方向Bが真逆を向く方向成分bを有していればよい。
【0077】
図12(a)は、図4(a)と同様、操作方向表示画面300として、第一の操作部2Aと第二の操作部2Bに対応する操作部対応画像35A,35Bが表示されるとともに、それら操作部対応画像35A,35Bを利用する形で、第一の操作部2Aと第二の操作部2Bに対応する操作方向表示部30A,30Bが表示された画面である。ここでの操作方向表示部30A,30Bは、対応する操作部2A,2Bの車室内における操作方向A,Bを指し示すとともに、その指し示す先に、対応する操作部対応画像35A,35Bの中心部が位置するように表現される。操作部対応画像35A,35Bは四角形状を有しており、操作方向表示部30A,30Bは、対応する操作部対応画像35A,35Bの四辺のいずれかに対し直交する向きで、該操作部対応画像35A,35Bの外側から中心部を指し示す方向指示画像である。また、操作部対応画像35A,35Bは立体的に描画されており、その立体的な操作部対応画像35A,35Bに対し、対応する操作部2A,2Bへの操作方向A,Bを指し示す操作方向表示部30A,30Bが表示されている。ここでは、操作部対応画像35A,35Bを、奥行きを持たせた立体ボタン画像35Aと、これをより立体的に表現するため影部35B1とが表現されてなる。光や影を表現することで操作部対応画像35A,35Bの立体感はより強調される。
【0078】
図12(b)は、図4(b)と同様、操作方向表示画面300において、第一の操作部2Aにより操作入力されることで第一の制御が実行される第一の入力用画像36Aを複数表示し、かつ第一の入力用画像36Aを利用する形で第一の操作方向表示部30Aを表示するとともに、第二の操作部2Bにより操作入力されることで第一の制御に対する第二の制御が実行される第二の入力用画像36Bを表示し、かつ第二の入力用画像36Bを利用する形で第二の操作方向表示部30Bを表示している。入力用画像36A,36B及び操作方向表示部30A、20Bについては図12(a)と同様にして表示されている。
【0079】
図12(c)は、図4(c)と同様、操作方向表示画面300において、第一の制御の制御内容が推定又は認識可能となる第一の制御内容画像37Aを表示し、かつ第一の制御内容画像37Aを利用する形で第一の操作方向表示部30Aを表示させるとともに、上記第一の制御に対する第二の制御の制御内容が推定又は認識可能となる第二の制御内容画像37Bを表示し、かつ第二の制御内容画像37Bを利用する形で、第二の操作方向表示部30Bを表示している。
【0080】
図12(c)における第一の制御とは、図4(c)と同様、階層構造を有して階層順に切替表示可能な表示画像群に属する現在表示中の第一の表示画像37Xを、その下位階層の第二の表示画像37Yに切り替える制御であり、第一の制御内容画像37Aは、主表示される第一の表示画像37Xに対する下位階層の表示画像37Bが存在することを示し、かつこれを表示可能であることを示す画像である。図12(c)における第一の制御内容画像37Aは、現在の操作方向表示画面300内において主として表示されている第一の表示画像37Xに対し、その後方に並ぶ形で、下位階層となる第二の表示画像37Yに対応する画像37yが表現されている。
【0081】
なお、図12(c)においては、第一の表示画像33Xから切り替え可能な第二の表示画像33Yが複数存在しているため、これに合わせて第一の制御内容画像33Aも複数存在する(ここでは3個)。それら複数の第一の制御内容画像33Aは、上記選択操作により選択可能な入力用画像とされ、当該選択操作により選択中の第一の制御内容画像(入力用画像)37Aに対し、第一の操作方向表示部30Aが表示される。即ち、第一の操作方向表示部30Aが、選択中の第一の制御内容画像(入力用画像)37Aを指し示すカーソルとしての機能を果たす。
【0082】
図12(c)における第二の制御は、階層構造を有して階層順に切替表示可能な表示画像群に属する現在表示中の第一の表示画像37Xを、上記第二の表示画像37Yの階層側とは逆の上位階層に切り替える制御であり、第二の制御内容画像37Bは、主表示される第一の表示画像37Xに対し上位階層の表示画像35Zが存在することを示し、かつそれを表示可能であることを示す画像である。図12(c)における第一の制御内容画像37Aは、現在主として表示されている第一の表示画像37Xに対し、その前方に位置して見える形で、上位階層となる第三の表示画像37Z(ここでは最上位階層の表示画像)に対応する画像37Zが表現されている。なお、画像37Zは、第三の表示画像そのものである必要はなく、第一の表示画像37Xの上位階層の表示画像であることが推定又は認識される画像であればよい。
【0083】
なお、第一の表示画像37Xから切り替え可能な第三の表示画像37Zは複数存在していてもよく、この場合は、これに合わせて第三の制御内容画像37Bも複数存在する。それらの第二の制御内容画像37Bは、上記選択操作により選択可能な入力用画像とされ、当該選択操作により選択中の第三の制御内容画像37Bに対し、第二の操作方向表示部30Bが表示される。即ち、第二の操作方向表示部30Bが、選択中の第三の制御内容画像37Bを指し示すカーソルとしての機能を果たす。
【0084】
図12(d)は、図4(d)と同様、操作方向表示画面300として文字記号入力画面を表示しており、図4(d)と同様にして、第一の操作部2Aにより操作入力されることで第一の制御(文字記号入力)が実行される複数の第一の入力用画像38Aを配列表示され、第一の入力用画像38Aを利用する形で第一の操作方向表示部30Aを表示するとともに、第二の操作部2Bにより操作入力されることで直前になされた第一の制御に対する第二の制御(文字記号消去)の制御内容が推定又は認識可能となる第二の制御内容画像38Bを表示し、かつ第二の制御内容画像38Bを利用する形で第二の操作方向表示部30Bを表示している。ただし、第二の操作方向表示部30Bの位置と指示方向が異なっている。図12(d)の場合の第二の制御内容画像38Bは、図4(d)と同様、入力文字記号列表示部38Yにおいて表示されるプロンプト38B0と、プロンプト38B0に近接して文字記号消去を連想させる画像(ここでは消しゴム画像)38B1と、プロンプト38B0に近接して文字記号消去を連想させる文字記号列(ここでは文字列「clear」)38B2とを有しており、第二の操作方向表示部30Bは、消去対象となるプロンプトに隣接した入力文字を、第二の操作部2Bの操作方向Bを指し示す形で示している。
【0085】
なお、図4及び図12における操作部対応画像35A,35Bは、対応する操作部2A,2Bの実際の形状を連想させる操作部画像32A,32Bとして表示されてもよく、よりリアルな操作部2A,2Bが表現されていてもよい。これにより、操作部対応画像35A,35Bと操作部2A,2Bとの対応関係をより明確に把握することができる。
【0086】
また、図4(c)及び図12(c)において、第二の制御として、現在表示中の第一の表示画像34Xを、その直前に表示されていた表示画像に切り替える制御を定めてもよい。
【0087】
なお、本実施形態においては、一方の操作方向Aと他方の操作方向Bとが互いに垂直をなす、あるいは逆向きであるとは、双方の操作方向の起点位置を一致させ、その起点位置からそれぞれの操作方向に延ばした2つの線分のなす角が90あるいは180°であることを意味する。即ち、2つの方向成分で構成されるX・Y平面にて、一方の操作方向を軸とした場合、他方の操作方向のベクトルの主成分が軸と垂直・逆方向であることを意味するものとする。ただし、垂直・逆向きの意味にはある程度の誤差が包含されてもよく、ここでは、垂直に対しては90°±22.5°、逆方向に対しては180°±45°の誤差範囲を許容するものとする。より望ましくは、垂直に対しては90°±5°(さらに望ましくは90°±3°)、逆方向に対しては180°±10°(さらに望ましくは180°±5°)の誤差範囲を許容するとよい。
【符号の説明】
【0088】
1 車両用操作入力装置
2 操作デバイス
2A 第一の操作部
2B 第二の操作部
2C 第三の操作部
2a 第一の操作部の操作面
2b 第二の操作部の操作面
20A 第一の操作検出部
20B 第二の操作検出部
20C 第三の操作検出部
3 表示器(表示手段)
30 表示面
30A 第一の操作方向表示部
30B 第二の操作方向表示部
31A,31B,35A,35B 操作部対応画像
32A,32B,34A,35A,35B,38A 入力用画像
33A,33B,34B,37A,37B,38B 制御内容画像
300 操作方向表示画面
9 操作本体部
10 制御部
A 第一の操作部の操作方向
B 第二の操作部の操作方向


【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた第一の制御を実行するための第一の操作部と、前記第一の制御の否定を含む形でなされる第二の制御を実行するための第二の操作部とを有し、前記第二の操作部の操作方向が、前記第一の操作部の操作方向に対し垂直な方向となる、あるいは前記第一の操作部の操作方向とは逆方向の方向成分を有するように、それら第一及び第二の操作部が配置されていることを特徴とする車両用操作入力装置。
【請求項2】
対をなす操作部として前記第一の操作部と前記第二の操作部とがそれぞれ別位置に設けられる請求項1記載の車両用操作入力装置。
【請求項3】
前記第二の操作部を操作するためにユーザーが触れる操作面の一部から該第二の操作部の操作方向側に延びる法線又は垂線と、前記第一の操作部を操作するためにユーザーが触れる操作面の一部から該第一の操作部の操作方向側に延びる法線又は垂線とが、互いに垂直をなす、あるいは互いの延出方向の方向成分に逆方向となる方向成分を有する形で交わるように、それら第一及び第二の操作部が配置されている請求項2記載の車両用操作入力装置。
【請求項4】
前記第二の操作部を操作するためにユーザーが触れる操作面の一部から該第二の操作部の操作方向側に延びる法線又は垂線と、前記第一の操作部を操作するためにユーザーが触れる操作面の一部から該第一の操作部の操作方向側に延びる法線又は垂線とが、互いに垂直をなす請求項3記載の車両用操作入力装置。
【請求項5】
前記第二の操作部を操作するためにユーザーが触れる操作面の一部から該第二の操作部の操作方向側に延びる法線又は垂線と、前記第一の操作部を操作するためにユーザーが触れる操作面の一部から該第一の操作部の操作方向側に延びる法線又は垂線とが、互いに平行で、かつ逆向きである請求項3記載の車両用操作入力装置。
【請求項6】
前記第一の操作部及び前記第二の操作部は、1つの操作本体部に対し設けられている請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両用操作入力装置。
【請求項7】
前記操作本体部は、前記第一の操作部及び前記第二の操作部の各操作方向とは異なる操作が可能な操作体として構成されている請求項6に記載の車両用操作入力装置。
【請求項8】
表示手段と、
前記表示手段の表示面上に、車室内における前記第一の操作部の操作方向を表示する第一の操作方向表示部と、同じく車室内における前記第二の操作部への操作方向を表示する第二の操作方向表示部とのいずれか又は双方を表示した操作方向表示画面を表示させる操作方向表示画面表示手段と、
を備える請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の車両用操作入力装置。
【請求項9】
前記操作方向表示画面表示手段は、前記操作方向表示画面内に表示される前記操作方向表示部を、対応する操作方向を指し示す方向指示画像として表示するものである請求項8記載の車両用操作入力装置。
【請求項10】
前記操作方向表示画面表示手段は、前記操作方向表示画面内に、前記第一の操作部により操作入力されることで前記第一の制御が実行される第一の入力用画像を表示するとともに、前記第一の入力用画像を利用する形で前記第一の操作方向表示部を表示するものである請求項8又は請求項9に記載の車両用操作入力装置。
【請求項11】
前記操作方向表示画面内には前記第一の入力用画像が複数表示され、それら入力用画像から1つの入力用画像を選択するための選択操作が可能な第三の操作部を備え、
前記操作方向表示画面表示手段は、前記第三の操作部への選択操作によって選択中の前記入力用画像が新たな入力用画像に切り替わるに伴い、前記第一の操作方向表示部の表示位置を前記新たな入力用画像を指し示す位置に変更させるものである請求項10に記載の車両用操作入力装置。
【請求項12】
前記操作方向表示画面表示手段は、前記操作方向表示画面内に、前記第二の操作部により操作入力されることで、直前になされた前記第一の制御に対する前記第二の制御が実行される第二の入力用画像を、複数の前記第一の入力用画像と共に表示するとともに、前記第二の入力用画像を利用する形で前記第二の操作方向表示部を表示し、前記第三の操作部への選択操作によって前記第二の入力用画像が選択された場合には、前記第一の操作方向表示部と第二の操作方向表示部とを同時表示する請求項11に記載の車両用操作入力装置。
【請求項13】
前記操作方向表示画面表示手段は、前記操作方向表示画面内に、前記第二の操作部により操作入力されることで、直前になされた前記第一の制御に対する前記第二の制御が実行される第二の入力用画像を表示するとともに、前記第二の入力用画像を利用する形で前記第二の操作方向表示部を表示するものである請求項8又は請求項9に記載の車両用操作入力装置。
【請求項14】
前記入力用画像は、予め定められた前記操作部に対し1対1で対応して表示されるものであり、対応する操作部の立体形状を連想させる操作部画像として表示される請求項10又は請求項13に記載の車両用操作入力装置。
【請求項15】
前記操作方向表示画面表示手段は、前記操作方向表示画面内に、前記第一の制御の制御内容が推定又は認識可能となる第一の制御内容画像を表示するとともに、前記第一の制御内容画像を利用する形で前記第一の操作方向表示部を表示するものである請求項8又は請求項9に記載の車両用操作入力装置。
【請求項16】
前記操作方向表示画面表示手段は、前記操作方向表示画面内に、前記第二の制御の制御内容が推定又は認識可能となる第二の制御内容画像を表示するとともに、前記第二の制御内容画像を利用する形で前記第二の操作方向表示部を表示するものである請求項8又は請求項9に記載の車両用操作入力装置。
【請求項17】
前記制御内容には、前記操作方向表示画面内の主表示を、第一の表示画像から第二の表示画像に切り替える主表示切替制御が含まれており、
前記主表示切替制御の前記制御内容画像は、前記操作方向表示画面内において主表示される前記第一の表示画像と、少なくとも前記第二の表示画像に対応する表示画像との双方であり、
前記主表示切替制御に対応する前記操作方向表示部は、当該主表示切替制御を実行するための前記操作部の操作方向を指し示す方向指示画像が、前記第一の表示画像から、前記第二の表示画像に対応する表示画像を指し示す形で表示される請求項15又は請求項16に記載の車両用操作入力装置。
【請求項18】
前記操作方向表示画面表示手段は、前記操作方向表示画面内に、前記操作部に対応する操作部対応画像を表示するとともに、当該操作部対応画像を利用する形で、対応する前記操作方向表示部を表示するものである請求項8又は請求項9に記載の車両用操作入力装置。
【請求項19】
前記操作部対応画像は、対応する前記操作部の立体形状を連想させる操作部画像として表示される請求項18に記載の車両用操作入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−143817(P2011−143817A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−6146(P2010−6146)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】