説明

車両用駆動装置

【課題】車両用駆動装置の複雑化や高コスト化を回避しつつ、エンジン停止時においてもオイルポンプを駆動する。
【解決手段】車両用駆動装置10は、エンジン動力を出力するエンジン出力系12と、エンジン動力を駆動輪13に伝達する動力伝達系14とを備える。オイルポンプ41とエンジン出力系12を構成するタービン軸34との間には、チェーン機構46および一方向クラッチ44からなる動力伝達径路47が設けられる。オイルポンプ41と動力伝達系14を構成するプライマリ軸20との間には、チェーン機構53および一方向クラッチ51からなる動力伝達径路54が設けられる。これにより、エンジン停止時には、動力伝達系14によってオイルポンプ41を駆動することができるため、オイルポンプ41の動力源を別途準備する必要がなく、車両用駆動装置10の簡素化および低コスト化が達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンからの動力を出力するエンジン出力系と、エンジン出力系からの動力を駆動輪に伝達する動力伝達系とを有する車両用駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンおよび電動モータを駆動源とするハイブリッド車両には、エンジンを発電用の駆動源として駆動し、電動モータを走行用の駆動源として駆動するシリーズ方式や、エンジンを走行用の主要な駆動源として駆動し、電動モータを発進時や加速時に補助的に駆動するパラレル方式がある。また、シリーズ方式とパラレル方式とを組み合わせ、走行状況に応じてエンジンと電動モータとの一方または双方を駆動するシリーズパラレル方式が開発されている。シリーズ方式やシリーズパラレル方式のハイブリッド車両においては、走行中にエンジンを停止させることが可能となっている。
【0003】
このように、走行中にエンジンを停止させる車両においては、車両に搭載される自動変速機に対して作動油を供給し続ける必要があるため、エンジン以外にオイルポンプの駆動源を確保することが必要であった。そこで、電動モータによって駆動される電動オイルポンプを採用することにより、エンジン停止時においても作動油の供給を継続するようにした車両用駆動装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−296907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、車両用駆動装置に電動オイルポンプを組み込むことは、制御系の複雑化やバッテリの大型化を伴うことから、車両用駆動装置の大型化や高コスト化を招く要因となっていた。
【0006】
本発明の目的は、車両用駆動装置の複雑化や高コスト化を回避しつつ、エンジン停止時においてもオイルポンプを駆動することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の車両用駆動装置は、エンジンからの動力を出力するエンジン出力系と、前記エンジン出力系からの動力を駆動輪に伝達する動力伝達系とを有する車両用駆動装置であって、前記動力伝達系の変速機構に作動油を供給するオイルポンプと、前記エンジン出力系と前記オイルポンプとの間に設けられ、前記エンジン出力系と前記オイルポンプとを所定の変速比で連結する第1動力伝達径路と、前記第1動力伝達径路に組み込まれ、前記エンジン出力系から前記オイルポンプに動力を伝達する一方、前記オイルポンプから前記エンジン出力系への動力を遮断する第1一方向クラッチと、前記動力伝達系と前記オイルポンプとの間に設けられ、前記動力伝達系と前記オイルポンプとを所定の変速比で連結する第2動力伝達径路と、前記第2動力伝達径路に組み込まれ、前記動力伝達系から前記オイルポンプに動力を伝達する一方、前記オイルポンプから前記動力伝達系への動力を遮断する第2一方向クラッチとを有し、前記第1動力伝達径路または前記第2動力伝達径路を経て前記オイルポンプに動力が伝達されることを特徴とする。
【0008】
本発明の車両用駆動装置は、前記第1動力伝達経路の変速比と前記第2動力伝達径路の変速比とを相違させることを特徴とする。
【0009】
本発明の車両用駆動装置は、前記第2動力伝達径路は、前記変速機構の入力側と前記オイルポンプとの間に設けられ、前記第1動力伝達経路の変速比は、前記第2動力伝達径路の変速比よりも小さく設定されることを特徴とする。
【0010】
本発明の車両用駆動装置は、前記第2動力伝達径路の強度は、前記第1動力伝達経路の強度よりも下げて設定されることを特徴とする。
【0011】
本発明の車両用駆動装置は、前記第1および第2動力伝達経路は、歯車機構またはチェーン機構によって構成されることを特徴とする。
【0012】
本発明の車両用駆動装置は、前記動力伝達系にモータジェネレータを組み込むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、エンジン出力系からオイルポンプに動力を伝達する第1動力伝達径路を設けるとともに、動力伝達系からオイルポンプに動力を伝達する第2動力伝達径路を設けるようにしたので、オイルポンプの駆動状態を維持したままエンジンを停止させることが可能となる。すなわち、エンジン停止時には、動力伝達系からの動力によってオイルポンプを駆動することができるため、エンジン停止に備えてオイルポンプの動力源を別途準備する必要がなく、車両用駆動装置の簡素化および低コスト化を達成することが可能となる。しかも、第1動力伝達径路に第1一方向クラッチを組み込み、第2動力伝達径路に第2一方向クラッチを組み込むようにしたので、複雑な制御を要することなく、第1および第2動力伝達径路を切り換えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施の形態である車両用駆動装置を示す概略図である。
【図2】車両用駆動装置の作動状態を示す説明図である。
【図3】車両用駆動装置の作動状態を示す説明図である。
【図4】車両用駆動装置の作動状態を示す説明図である。
【図5】車両用駆動装置の作動状態を示す説明図である。
【図6】車両用駆動装置の作動状態を示す説明図である。
【図7】(a)および(b)は車両用駆動装置の作動状態を示す説明図である。
【図8】本発明の他の実施の形態である車両用駆動装置を示す概略図である。
【図9】本発明の他の実施の形態である車両用駆動装置を示す概略図である。
【図10】車両用駆動装置の作動状態を示す説明図である。
【図11】車両用駆動装置の作動状態を示す説明図である。
【図12】車両用駆動装置の作動状態を示す説明図である。
【図13】車両用駆動装置の作動状態を示す説明図である。
【図14】車両用駆動装置の作動状態を示す説明図である。
【図15】(a)および(b)は車両用駆動装置の作動状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態である車両用駆動装置10を示す概略図である。図1に示すように、車両用駆動装置10は、エンジン11からの動力を出力するエンジン出力系12と、エンジン出力系12からの動力を駆動輪13に伝達する動力伝達系14とを備えている。エンジン出力系12にはエンジン11やトルクコンバータ15が設けられており、動力伝達系14には無段変速機(変速機構)16やモータジェネレータ17が設けられている。そして、エンジン11やモータジェネレータ17から出力される動力は、無段変速機16を経て変速された後に各駆動輪13に伝達される。
【0016】
無段変速機16は、プライマリ軸20とこれに平行となるセカンダリ軸21とを有している。プライマリ軸20にはプライマリプーリ22が設けられており、プライマリプーリ22の背面側にはプライマリ油室23が区画されている。また、セカンダリ軸21にはセカンダリプーリ24が設けられており、セカンダリプーリ24の背面側にはセカンダリ油室25が区画されている。さらに、プライマリプーリ22およびセカンダリプーリ24には駆動チェーン26が巻き掛けられている。プライマリ油室23およびセカンダリ油室25の油圧を調整することにより、プーリ溝幅を変化させて駆動チェーン26の巻き付け径を変化させることができ、プライマリ軸20からセカンダリ軸21に対する無段変速が可能となる。なお、変速機構としては、チェーンドライブ式の無段変速機16に限られることはなく、ベルトドライブ式やトラクションドライブ式の無段変速機であっても良く、遊星歯車式や平行軸式の自動変速機であっても良い。
【0017】
このような無段変速機16にモータ動力を伝達するため、無段変速機16のプライマリ軸20にはモータジェネレータ17のロータ30が連結されている。また、無段変速機16にエンジン動力を伝達するため、エンジン11と無段変速機16との間にはトルクコンバータ15および前後進切換機構31が設けられている。トルクコンバータ15は、クランク軸32に連結されるポンプインペラ33と、このポンプインペラ33に対向するとともにタービン軸34に連結されるタービンランナ35とを備えている。滑り要素であるトルクコンバータ15には、フロントカバー36とタービンランナ35とを直結するロックアップクラッチ37が設けられている。また、前後進切換機構31は、ダブルピニオン式の遊星歯車列38、前進クラッチ39および後退ブレーキ40を備えている。前進クラッチ39や後退ブレーキ40を制御することにより、エンジン動力の伝達径路を切り換えてプライマリ軸20の回転方向を切り換えることが可能となる。
【0018】
前述した無段変速機16、トルクコンバータ15、前後進切換機構31等に対して作動油を供給するため、車両用駆動装置10にはトロコイドポンプ等のオイルポンプ41が設けられている。オイルポンプ41のポンプロータ42の一端側には駆動軸43が連結されており、この駆動軸43には第1一方向クラッチ44および駆動軸45を介して従動スプロケット46bが連結されている。また、駆動軸45に平行となるタービン軸34には駆動スプロケット46aが設けられており、駆動スプロケット46aと従動スプロケット46bとはチェーン46cを介して連結されている。このように、オイルポンプ41とエンジン出力系12を構成するタービン軸34との間には、チェーン機構46および一方向クラッチ44からなる第1動力伝達径路47が設けられている。
【0019】
一方向クラッチ44は、駆動軸43に連結されるインナーレース44aと、駆動軸45に連結されるアウターレース44bと、これらのレース44a,44b間に組み込まれる複数のスプラグ44cとを備えている。この一方向クラッチ44は、インナーレース44aに対してアウターレース44bが正転方向に回転したときに、スプラグ44cが傾動して双方のレース44a,44bに噛み込むことにより、一方の回転方向にだけ動力を伝達する構造となっている。すなわち、一方向クラッチ44は、エンジン出力系12からオイルポンプ41に動力を伝達する一方、オイルポンプ41からエンジン出力系12への動力を遮断するように機能している。なお、アウターレース44bの正転方向とは、エンジン動力によってアウターレース44bが駆動されたときの回転方向である。すなわち、アウターレース44bの正転方向とは、クランク軸32の回転方向と同一の回転方向となっている。
【0020】
また、ポンプロータ42の他端側には駆動軸50が連結されており、この駆動軸50には第2一方向クラッチ51および駆動軸52を介して従動スプロケット53bが連結されている。また、駆動軸52に平行となるプライマリ軸20には駆動スプロケット53aが設けられており、駆動スプロケット53aと従動スプロケット53bとはチェーン53cを介して連結されている。このように、オイルポンプ41と動力伝達系14を構成するプライマリ軸20との間には、チェーン機構53および一方向クラッチ51からなる第2動力伝達径路54が設けられている。なお、プライマリ軸20は、無段変速機16の入力側に設けられる部材となっている。
【0021】
一方向クラッチ51は、駆動軸50に連結されるインナーレース51aと、駆動軸52に連結されるアウターレース51bと、これらのレース51a,51b間に組み込まれる複数のスプラグ51cとを備えている。この一方向クラッチ51は、インナーレース51aに対してアウターレース51bが正転方向に回転したときに、スプラグ51cが傾動して双方のレース51a,51bに噛み込むことにより、一方の回転方向だけに動力を伝達する構造となっている。すなわち、一方向クラッチ51は、動力伝達系14からオイルポンプ41に動力を伝達する一方、オイルポンプ41から動力伝達系14への動力を遮断するように機能している。なお、アウターレース51bの正転方向とは、エンジン動力によってアウターレース51bが駆動されたときの回転方向である。すなわち、アウターレース51bの正転方向とは、クランク軸32の回転方向と同一の回転方向となっている。
【0022】
このように、オイルポンプ41には2つの動力伝達径路47,54が設けられており、タービン軸34とプライマリ軸20との回転状況に応じて、オイルポンプ41に動力を伝達する動力伝達径路47,54が切り換えられる。すなわち、タービン軸34に駆動される従動スプロケット46bの回転数(回転速度)が、プライマリ軸20に駆動される従動スプロケット53bの回転数よりも高い場合には、一方向クラッチ51が開放されて一方向クラッチ44が噛み合うことにより、オイルポンプ41に対して動力伝達径路47から動力が伝達されることになる。一方、従動スプロケット46bの回転数が従動スプロケット53bの回転数よりも低い場合には、一方向クラッチ44が開放されて一方向クラッチ51が噛み合うことにより、オイルポンプ41に対して動力伝達径路54から動力が伝達されることになる。
【0023】
また、動力伝達径路47を構成するチェーン機構46の変速比(スプロケット比)は、動力伝達径路54を構成するチェーン機構53の変速比よりも小さく設定されている。すなわち、駆動スプロケット46aの歯数A1と従動スプロケット46bの歯数A2との比(A2/A1)が、駆動スプロケット53aの歯数B1と従動スプロケット53bの歯数B2との比(B2/B1)よりも小さく設定されている。このように、チェーン機構46,53の変速比を相違させることにより、2つの従動スプロケット46b,53bが同一回転数で回転し続ける状況を回避することができ、双方の動力伝達径路47,54から動力が伝達される状況を回避することが可能となる。すなわち、前進クラッチ39が締結される車両走行時には、タービン軸34とプライマリ軸20との回転数、つまり駆動スプロケット46a,53aの回転数が一致することになるが、この場合であっても、変速比が相違することから従動スプロケット46b,53bの回転数を相違させることが可能となる。
【0024】
なお、前後進切換機構31の前進クラッチ39が締結される場合には、タービン軸34とプライマリ軸20との回転数が一致する。この場合には、従動スプロケット46bの回転数が従動スプロケット53bの回転数を上回ることから、エンジン11側の動力伝達径路47からオイルポンプ41に動力が伝達されることになる。また、前後進切換機構31の後退ブレーキ40が締結される場合には、タービン軸34に対してプライマリ軸20が逆向きに回転する。この場合には、正転方向に回転する従動スプロケット46bに対して従動スプロケット53bが逆向きに回転することから、エンジン11側の動力伝達径路47からオイルポンプ41に動力が伝達されることになる。そして、走行中に前進クラッチ39および後退ブレーキ40が開放されてエンジン11が停止される場合には、タービン軸34が停止状態となってプライマリ軸20が回転状態を継続する。この場合には、従動スプロケット53bの回転数が従動スプロケット46bの回転数を上回ることから、モータジェネレータ17側の動力伝達径路54からオイルポンプ41に動力が伝達されることになる。
【0025】
また、エンジン11、モータジェネレータ17、無段変速機16等を制御するため、車両用駆動装置10には制御ユニット60が設けられている。この制御ユニット60には、運転者に操作されるイグニッションスイッチ61、アクセルペダルの操作状況を検出するアクセルペダルセンサ62、ブレーキペダルの操作状況を検出するブレーキペダルセンサ63、車速を検出する車速センサ64、選択された走行レンジを検出するインヒビタスイッチ65等が接続されている。そして、制御ユニット60は、各種センサ等からの情報に基づき車両状態を判定し、エンジン11やモータジェネレータ17等に対して制御信号を出力する。なお、制御ユニット60は、制御信号等を演算するCPUを備えるとともに、制御プログラム、演算式、マップデータ等を格納するROMや、一時的にデータを格納するRAMを備えている。また、オイルポンプ41から吐出される作動油を無段変速機16等に対して供給制御するため、車両用駆動装置10には複数の電磁バルブからなるバルブユニット66が設けられている。さらに、モータジェネレータ17に対して電力を供給制御するため、モータジェネレータ17のステータ67にはインバータ68を介して図示しないバッテリが接続されている。
【0026】
続いて、車両用駆動装置10の作動状態について説明する。図2〜図7は車両用駆動装置10の作動状態を示す説明図である。図2には停車時の状態が示され、図3にはモータ走行モードによる前進走行時の状態が示され、図4にはパラレル走行モードによる前進走行時の状態が示されている。また、図5にはモータ走行モードによる前進走行時の状態が示され、図6にはエンジン走行モードによる後退走行時の状態が示されている。さらに、図7(a)には減速時における回生制動時の状態が示されており、図7(b)には停車直前における回生制動時の状態が示されている。
【0027】
なお、エンジン走行モードとはエンジン動力のみを駆動輪13に伝達する走行モードであり、モータ走行モードとはモータ動力のみを駆動輪13に伝達する走行モードである。また、パラレル走行モードとはモータ動力およびエンジン動力を駆動輪13に伝達する走行モードである。また、図2〜図7にハッチングを付した矢印を示しているが、この矢印は動力の伝達径路を表している。さらに、図2〜図7に、停止、正回転、逆回転、高回転、低回転と記載しているが、この記載は従動スプロケット46b(アウターレース44b)と従動スプロケット53b(アウターレース51b)との回転状態を表している。
【0028】
図2に示すように、停車時には、前進クラッチ39および後退ブレーキ40が開放された状態のままエンジン11が始動される。この場合には、タービン軸34が回転してプライマリ軸20が停止することから、動力伝達径路47を介してオイルポンプ41にエンジン動力が伝達される。このように、停車時においてはエンジン動力によってオイルポンプ41を駆動することが可能となる。
【0029】
続いて、図3および図4に示すように、エンジン走行モードやパラレル走行モードによる前進走行時には、後退ブレーキ40を開放したまま前進クラッチ39が締結される。この場合には、タービン軸34とプライマリ軸20との回転数が一致し、従動スプロケット46bが従動スプロケット53bよりも高速で回転することから、動力伝達径路47を介してオイルポンプ41にエンジン動力が伝達される。このように、エンジン走行モードやパラレル走行モードによる前進走行時には、エンジン動力によってオイルポンプ41を駆動することが可能となる。なお、エンジン走行モードにおいてはモータジェネレータ17が空転状態に制御され、パラレル走行モードにおいてはモータジェネレータ17が力行状態に制御される。
【0030】
また、図5に示すように、モータ走行モードによる前進走行時には、前述したパラレル走行モードによる前進走行時の状態から、前進クラッチ39が開放されるとともにエンジン11が停止される。この場合には、タービン軸34が停止してプライマリ軸20の回転状態が継続することから、動力伝達径路54を介してオイルポンプ41にモータ動力が伝達される。このように、モータ走行モードによる前進走行時には、モータ動力によってオイルポンプ41を駆動することが可能となる。なお、パラレル走行モードからモータ走行モードに切り換える際には、タービン軸34の回転低下に伴って自動的に動力伝達径路47,54が切り換えられることになる。
【0031】
また、図6に示すように、エンジン走行モードによる後退走行時には、前述した停車時の状態から、後退ブレーキ40が締結状態に切り換えられる。この場合には、正転方向に回転する従動スプロケット46bに対して従動スプロケット53bが逆向きに回転することから、動力伝達径路47を介してオイルポンプ41にエンジン動力が伝達される。このように、エンジン走行モードによる後退走行時には、エンジン動力によってオイルポンプ41を駆動することが可能となる。
【0032】
次いで、図7(a)に示すように、アクセルペダルの解放やブレーキペダルの踏み込みによる回生制動時には、前進クラッチ39が開放されるとともにモータジェネレータ17が回生状態に制御される。この場合には、エンジン11が停止または低負荷状態で作動することから、タービン軸34よりもプライマリ軸20の回転数が高くなり、駆動輪13からの動力が動力伝達径路54を介してオイルポンプ41に伝達される。このように、回生制動時には駆動輪13からの動力によってオイルポンプ41を駆動することが可能となる。そして、プライマリ軸20の回転数が低下する停車直前においては、オイルポンプ41の駆動状態を継続するため、オイルポンプ41の駆動に必要な回転領域までエンジン回転数が引き上げられる。これにより、プライマリ軸20の回転数よりもタービン軸34の回転数が高くなることから、エンジン動力が動力伝達径路47を介してオイルポンプ41に伝達されることになる。
【0033】
このように、エンジン出力系12からオイルポンプ41に動力を伝達する動力伝達径路47を設けるとともに、動力伝達系14からオイルポンプ41に動力を伝達する動力伝達径路54を設けるようにしたので、オイルポンプ41の駆動状態を維持したままエンジン11を停止させることが可能となる。すなわち、図5および図7(a)に示すように、エンジン停止時には、動力伝達系14からの動力によってオイルポンプ41を駆動することができるため、エンジン停止に備えてオイルポンプ41の動力源を別途準備する必要がなく、車両用駆動装置10の簡素化および低コスト化を達成することが可能となる。しかも、動力伝達径路47,54に一方向クラッチ44,51を設けるようにしたので、複雑な制御を要することなく、動力伝達径路47,54を適切に切り換えることが可能となる。
【0034】
また、動力伝達径路47,54を構成するチェーン機構46,53の変速比を変えるようにしたので、チェーン機構46,53の固有振動数をずらして共振を抑制することが可能となる。さらに、チェーン機構46,53の変速比を変えることにより、常にいずれか一方の動力伝達径路47,54からオイルポンプ41に動力を伝達することができるため、動力伝達径路47,54を構成する各要素の遊び等に起因する異音発生を抑えることが可能となる。
【0035】
さらに、チェーン機構46の変速比をチェーン機構53の変速比よりも小さくすることにより、エンジン作動時においてはチェーン機構46から動力が伝達される一方、エンジン停止時においてはチェーン機構53から動力が伝達されることになる。すなわち、チェーン機構46に比べてチェーン機構53の使用頻度を少なくすることができ、チェーン機構46に比べてチェーン機構53の強度を下げることが可能となる。これにより、チェーン機構53のサイズを下げることが可能となり、車両用駆動装置10の低コスト化を達成することが可能となる。
【0036】
前述の説明では、動力伝達径路47,54をチェーン機構46,53によって構成しているが、この構成に限られることはなく、動力伝達径路47,54を歯車機構によって構成しても良い。ここで、図8は本発明の他の実施の形態である車両用駆動装置70を示す概略図である。図8において、図1に示す部材と同様の部材については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0037】
図8に示すように、タービン軸34には駆動ギヤ71aが固定されており、駆動軸45には駆動ギヤ71aに噛み合う従動ギヤ71bが固定されている。このように、オイルポンプ41とタービン軸34との間に設けられる第1動力伝達径路72は、駆動ギヤ71aおよび従動ギヤ71bからなる歯車機構71によって構成されている。また、プライマリ軸20には駆動ギヤ73aが固定されており、駆動軸52には駆動ギヤ73aに噛み合う従動ギヤ73bが固定されている。このように、オイルポンプ41とプライマリ軸20との間に設けられる第2動力伝達径路74は、駆動ギヤ73aおよび従動ギヤ73bからなる歯車機構73によって構成されている。このように、動力伝達径路47,54を歯車機構71,73によって構成した場合であっても、前述した車両用駆動装置10と同様の効果を得ることが可能となる。
【0038】
また、図8に示すように、歯車機構71の変速比(ギヤ比)は歯車機構73の変速比よりも小さく構成されている。このように、歯車機構71,73の変速比を変えることにより、前述した車両用駆動装置10と同様に、歯車機構71,73の固有振動数をずらして共振を抑制することが可能となる。さらに、歯車機構71,73の変速比を変えることにより、常にいずれか一方の動力伝達径路72,74からオイルポンプ41に動力を伝達することができるため、動力伝達径路72,74を構成する各要素の遊び等に起因する異音発生を抑えることが可能となる。
【0039】
さらに、歯車機構71の変速比を歯車機構73の変速比よりも小さくすることにより、エンジン作動時においては歯車機構71から動力が伝達される一方、エンジン停止時においては歯車機構73から動力が伝達される。すなわち、歯車機構71に比べて歯車機構73の使用頻度を少なくすることができ、歯車機構71に比べて歯車機構73の強度を下げることが可能となる。これにより、歯車機構73のサイズを下げることが可能となり、車両用駆動装置70の低コスト化を達成することが可能となる。
【0040】
続いて、本発明の他の実施の形態である車両用駆動装置80について説明する。ここで、図9は本発明の他の実施の形態である車両用駆動装置80を示す概略図である。図9において、図1に示す部材と同様の部材については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0041】
図9に示すように、車両用駆動装置80は、エンジン11からの動力を出力するエンジン出力系12と、エンジン出力系12からの動力を駆動輪13に伝達する動力伝達系14とを備えている。エンジン出力系12にはエンジン11やトルクコンバータ15が設けられており、動力伝達系14には無段変速機16やモータジェネレータ17が設けられている。トルクコンバータ15のタービン軸34は、前後進切換機構31のサンギヤ81に連結されるとともに、タービン軸34と同軸上に配置されるエンジン出力軸82に連結されている。エンジン出力軸82は遊星歯車機構83のサンギヤ84に連結されており、この遊星歯車機構83のキャリア85はポンプロータ42に連結されている。また、遊星歯車機構83のサンギヤ84には、第1一方向クラッチ86が組み込まれている。このように、オイルポンプ41とエンジン出力系12を構成するタービン軸34との間には、エンジン出力軸82、一方向クラッチ86および遊星歯車機構83からなる第1動力伝達径路87が設けられている。
【0042】
一方向クラッチ86は、エンジン出力軸82に連結されるインナーレース86aと、サンギヤ84に連結されるアウターレース86bと、これらのレース86a,86b間に組み込まれる複数のスプラグ86cとを備えている。この一方向クラッチ86は、アウターレース86bに対してインナーレース86aが正転方向に回転したときに、スプラグ86cが傾動して双方のレース86a,86bに噛み込むことにより、一方の回転方向にだけ動力を伝達する構造となっている。すなわち、一方向クラッチ86は、エンジン出力系12からオイルポンプ41に動力を伝達する一方、オイルポンプ41からエンジン出力系12への動力を遮断するように機能している。なお、インナーレース86aの正転方向とは、エンジン動力によってインナーレース86aが駆動されたときの回転方向である。すなわち、インナーレース86aの正転方向とは、クランク軸32の回転方向と同一の回転方向となっている。
【0043】
また、前後進切換機構31のキャリア88に連結される中空軸89には駆動ギヤ90aが固定されており、中空軸89に平行となるプライマリ軸20には駆動ギヤ90aに噛み合う従動ギヤ90bが固定されている。また、中空軸89には遊星歯車機構83のキャリア85が固定されており、このキャリア85には第2一方向クラッチ91が組み込まれている。このように、オイルポンプ41と動力伝達系14を構成する中空軸89との間には、一方向クラッチ91および遊星歯車機構83からなる第2動力伝達径路92が設けられている。
【0044】
一方向クラッチ91は、中空軸89に連結されるインナーレース91aと、キャリア85に連結されるアウターレース91bと、これらのレース91a,91b間に組み込まれる複数のスプラグ91cとを備えている。この一方向クラッチ91は、アウターレース91bに対してインナーレース91aが正転方向に回転したときに、スプラグ91cが傾動して双方のレース91a,91bに噛み込むことにより、一方の回転方向にだけ動力を伝達する構造となっている。すなわち、一方向クラッチ91は、動力伝達系14からオイルポンプ41に動力を伝達する一方、オイルポンプ41から動力伝達系14への動力を遮断するように機能している。なお、インナーレース91aの正転方向とは、エンジン動力によってインナーレース91aが駆動されたときの回転方向である。すなわち、インナーレース91aの正転方向とは、クランク軸32の回転方向と同一の回転方向となっている。
【0045】
続いて、車両用駆動装置80の作動状態について説明する。図10〜図15は車両用駆動装置80の作動状態を示す説明図である。図10には停車時の状態が示され、図11にはモータ走行モードによる前進走行時の状態が示され、図12にはパラレル走行モードによる前進走行時の状態が示されている。また、図13にはモータ走行モードによる前進走行時の状態が示され、図14にはエンジン走行モードによる後退走行時の状態が示されている。さらに、図15(a)には減速時における回生制動時の状態が示されており、図15(b)には停車直前における回生制動時の状態が示されている。なお、図10〜図15にハッチングを付した矢印を示しているが、この矢印は動力の伝達径路を表している。また、図10〜図15に、停止、正回転、逆回転、高回転、低回転と記載しているが、この記載はエンジン出力軸82(インナーレース86a)と中空軸89(インナーレース91a)との回転状態を表している。
【0046】
図10に示すように、停車時には、前進クラッチ39および後退ブレーキ40が開放された状態のままエンジン11が始動される。この場合には、エンジン出力軸82が回転して中空軸89が停止することから、動力伝達径路87を介してオイルポンプ41にエンジン動力が伝達される。このように、停車時においてはエンジン動力によってオイルポンプ41を駆動することが可能となる。
【0047】
続いて、図11および図12に示すように、エンジン走行モードやパラレル走行モードによる前進走行時には、後退ブレーキ40を開放したまま前進クラッチ39が締結される。前進クラッチ39が締結された場合には、エンジン出力軸82と中空軸89との回転数が一致することになるが、エンジン出力軸82によって駆動されるキャリア85の回転数は、中空軸89によって駆動されるキャリア85の回転数よりも減速されることから、オイルポンプ41に対する動力は中空軸89から一方向クラッチ91を介して伝達されることになる。すなわち、中空軸89によってキャリア85が回転駆動される結果、サンギヤ84はエンジン出力軸82よりも高速で回転するため、一方向クラッチ86は動力を伝達しない開放状態となる。このように、エンジン走行モードやパラレル走行モードによる前進走行時には、エンジン動力によってオイルポンプ41を駆動することが可能となる。なお、エンジン走行モードにおいてはモータジェネレータ17が空転状態に制御され、パラレル走行モードにおいてはモータジェネレータ17が力行状態に制御される。
【0048】
また、図13に示すように、モータ走行モードによる前進走行時には、前述したパラレル走行モードによる前進走行時の状態から、前進クラッチ39が開放されるとともにエンジン11が停止される。この場合には、エンジン出力軸82が停止して中空軸89の回転状態が継続することから、動力伝達径路92を介してオイルポンプ41にモータ動力が伝達される。このように、モータ走行モードによる前進走行時には、モータ動力によってオイルポンプ41を駆動することが可能となる。なお、パラレル走行モードからモータ走行モードの切り換えにおいては、エンジン出力軸82の回転低下に伴って自動的に動力伝達径路87,92が切り換えられる。
【0049】
また、図14に示すように、エンジン走行モードによる後退走行時には、前述した停車時の状態から、後退ブレーキ40が締結状態に切り換えられる。この場合には、正転方向に回転するエンジン出力軸82に対して中空軸89が逆向きに回転することから、動力伝達径路87を介してオイルポンプ41にエンジン動力が伝達される。このように、エンジン走行モードによる後退走行時には、エンジン動力によってオイルポンプ41を駆動することが可能となる。
【0050】
次いで、図15(a)に示すように、アクセルペダルの解放やブレーキペダルの踏み込みによる回生制動時には、前進クラッチ39が開放されるとともにモータジェネレータ17が回生状態に制御される。この場合には、エンジン11が停止または低負荷状態で作動することから、エンジン出力軸82よりも中空軸89の回転数が高くなり、駆動輪13からの動力が動力伝達径路92を介してオイルポンプ41に伝達される。このように、回生制動時には駆動輪13からの動力によってオイルポンプ41を駆動することが可能となる。そして、中空軸89の回転数が低下する停車直前においては、オイルポンプ41の駆動状態を継続するため、オイルポンプ41の駆動に必要な回転領域までエンジン回転数が引き上げられる。これにより、中空軸89の回転数よりもエンジン出力軸82の回転数が高くなることから、エンジン動力が動力伝達径路87を介してオイルポンプ41に伝達されることになる。
【0051】
このように、オイルポンプ41にエンジン出力系12から動力を伝達する動力伝達径路87を設けるとともに、オイルポンプ41に動力伝達系14から動力を伝達する動力伝達径路92を設けるようにしたので、オイルポンプ41の駆動状態を維持したままエンジン出力系12のエンジン11を停止させることが可能となる。すなわち、図13および図15(a)に示すように、エンジン停止時には、動力伝達系14からの動力によってオイルポンプ41を駆動することができるため、エンジン停止に備えてオイルポンプ41の動力源を別途準備する必要がなく、車両用駆動装置10の簡素化および低コスト化を達成することが可能となる。しかも、動力伝達径路87,92に一方向クラッチ86,91を設けるようにしたので、複雑な制御を要することなく、動力伝達径路87,92を適切に切り換えることが可能となる。
【0052】
また、エンジン出力軸82から、一方向クラッチ86、サンギヤ84、キャリア85を経て、オイルポンプ41に動力を伝達する動力伝達径路87と、中空軸89から、一方向クラッチ91、キャリア85を経て、オイルポンプ41に動力を伝達する動力伝達径路92とでは、変速比(ギヤ比)が相違している。これにより、常にいずれか一方の動力伝達径路87,92からオイルポンプ41に動力を伝達することができるため、動力伝達径路87,92を構成する各要素の遊び等に起因する異音発生を抑えることが可能となる。
【0053】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、一方向クラッチ44,51,86,91としては、スプラグ式の一方向クラッチに限られることはなく、他の形式の一方向クラッチを採用しても良い。また、前述の説明では、タービン軸34とオイルポンプ41との間に第1動力伝達径路72,87を設けているが、これに限られることはなく、エンジン出力系12を構成するクランク軸32とオイルポンプ41との間に第1動力伝達径路72,87を設けても良い。さらに、前述の説明では、プライマリ軸20とオイルポンプ41との間に第2動力伝達径路74,92を設けているが、これに限られることはなく、動力伝達系14を構成するもセカンダリ軸21とオイルポンプ41との間に第2動力伝達径路74,92を設けても良い。さらに、オイルポンプ41としては、トロコイドポンプに限られることはなく、他の形式の内接型ギヤポンプであっても良く、外接型ギヤポンプであっても良い。
【0054】
また、図示する車両は、動力伝達系14にモータジェネレータ17を備えたハイブリッド車両であるが、本発明を適用することが可能な車両としては、ハイブリッド車両に限られることはなく、走行中にエンジン11が停止され得る車両であれば、如何なる車両に対しても本発明を有効に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0055】
10 車両用駆動装置
11 エンジン
12 エンジン出力系
13 駆動輪
14 動力伝達系
16 無段変速機(変速機構)
41 オイルポンプ
44 一方向クラッチ(第1一方向クラッチ)
46 チェーン機構
47 動力伝達径路(第1動力伝達径路)
51 一方向クラッチ(第2一方向クラッチ)
53 チェーン機構
54 動力伝達径路(第2動力伝達径路)
70 車両用駆動装置
71 歯車機構
72 動力伝達径路(第1動力伝達径路)
73 歯車機構
74 動力伝達径路(第2動力伝達径路)
80 車両用駆動装置
86 一方向クラッチ(第1一方向クラッチ)
87 動力伝達径路(第1動力伝達径路)
91 一方向クラッチ(第2一方向クラッチ)
92 動力伝達径路(第2動力伝達径路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンからの動力を出力するエンジン出力系と、前記エンジン出力系からの動力を駆動輪に伝達する動力伝達系とを有する車両用駆動装置であって、
前記動力伝達系の変速機構に作動油を供給するオイルポンプと、
前記エンジン出力系と前記オイルポンプとの間に設けられ、前記エンジン出力系と前記オイルポンプとを所定の変速比で連結する第1動力伝達径路と、
前記第1動力伝達径路に組み込まれ、前記エンジン出力系から前記オイルポンプに動力を伝達する一方、前記オイルポンプから前記エンジン出力系への動力を遮断する第1一方向クラッチと、
前記動力伝達系と前記オイルポンプとの間に設けられ、前記動力伝達系と前記オイルポンプとを所定の変速比で連結する第2動力伝達径路と、
前記第2動力伝達径路に組み込まれ、前記動力伝達系から前記オイルポンプに動力を伝達する一方、前記オイルポンプから前記動力伝達系への動力を遮断する第2一方向クラッチとを有し、
前記第1動力伝達径路または前記第2動力伝達径路を経て前記オイルポンプに動力が伝達されることを特徴とする車両用駆動装置。
【請求項2】
請求項1記載の車両用駆動装置において、
前記第1動力伝達経路の変速比と前記第2動力伝達径路の変速比とを相違させることを特徴とする車両用駆動装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の車両用駆動装置において、
前記第2動力伝達径路は、前記変速機構の入力側と前記オイルポンプとの間に設けられ、
前記第1動力伝達経路の変速比は、前記第2動力伝達径路の変速比よりも小さく設定されることを特徴とする車両用駆動装置。
【請求項4】
請求項3記載の車両用駆動装置において、
前記第2動力伝達径路の強度は、前記第1動力伝達経路の強度よりも下げて設定されることを特徴とする車両用駆動装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用駆動装置において、
前記第1および第2動力伝達経路は、歯車機構またはチェーン機構によって構成されることを特徴とする車両用駆動装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用駆動装置において、
前記動力伝達系にモータジェネレータを組み込むことを特徴とする車両用駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−71752(P2012−71752A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219240(P2010−219240)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】